本開示の実施形態を添付図を用いて以下説明する。尚、説明中、上下とは対象物が基体構造体に載置される状態を基準として上下をいう。また、図中、Upは上、Dnは下を示している。尚、参照する各図面は模式的に示したものであり、細部が省略されていることもある。
尚、本開示を説明するにあたり、上方や下方等といった方向をあらわす表現が所々に用いられる。これらの表現は、参照される図面との関係において便宜的に用いられるものであり、本開示を限定する意図を有しない。このため、例えば、上方を一方側と読み替えたり、下方を他方側と読み替えたりすることもできる。
[第1実施形態]
図1を参照する。1つの態様として、対象物載置装置10は、半導体を製造する半導体製造装置に用いられる。半導体を製造する作業者は、例えば、ウエハ等の対象物Obを対象物載置装置10に載置させ、載置された状態の対象物Obを加工する。尚、作業者は、人間であってもよいし、機械であってもよい。
図1に示す対象物載置装置10は、対象物Obが載置される基体構造体20と、この基体構造体20に電力を供給する電力供給部11と、この電力供給部11を制御する制御部12と、を有している。以下、対象物載置装置10を構成する各要素を順に説明する。
(基体構造体)
図2を参照する。図2には、対象物Obが載置された状態の基体構造体20が示されている。図2に示す基体構造体20は、絶縁性の基体30と、この基体30の下面32から下方に向かって延びるシャフト部材21と、基体30の内部に位置する導電体50と、基体30の内部に位置し導電体50に接続されたビア導体22と、このビア導体22に一端が接続され電力供給部11に他端が接続された接続部23と、を有している。
(基体)
図1を参照する。図1に示す基体30は、平板形状を呈している。図1に示す基体30は、平面視において円形状を呈している。但し、基体30は、平面視において、三角形状を呈していてもよいし、楕円形状を呈していてもよいし、矩形状を呈していてもよい。更に、基体30は、例えば、上下方向に所定の高さを有する円柱体であってもよいし、上下方向に所定の高さを有する立方体であってもよい。基体30は、任意の形状に設定することができる。
基体30の寸法は、任意に設定することができる。例えば、基体30が円形の平板形状を呈している場合、基体30の直径は、10cm以上80cm以下であってもよいし、20cm以上40cm以下であってもよい。更に、基体30の厚さは、3mm以上50mm以下であってもよいし、5mm以上35mm以下であってもよい。
基体30の材料は、任意に設定することができる。1つの態様として、基体30は、セラミックからなる。セラミックとしては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3、アルミナ)、炭化珪素(SiC)及び窒化珪素(Si3N4)、又はこれらを主成分とした焼結体等を挙げることができる。ここでいう主成分とは、例えば、基体30を構成する全成分100質量%のうち、50質量%以上又は80質量%以上を占める成分をいう。
図2を参照する。図2に示す例において、基体30は、対象物Obが載置される第1面31と、この第1面31の反対側に位置する第2面32と、これら第1面31及び第2面32を繋ぐ第3面33と、第1面31、第2面32及び第3面33に囲われた領域内における基体30の中実部分を構成している中実部34と、この中実部34にあけられた空洞部40と、第2面32に開口すると共に第2面32から上方に向かって延び内部にビア導体22が充填されたビアホール35と、を有している。
図1及び図2を参照する。第1面31は、基体30の上面を構成し、鉛直方向に延びる中心線L1から水平方向に沿って広がっている。別の観点では、第1面31は、その全体が鉛直方向に臨んでいる面である、ということができる。但し、その他の態様において、第1面31は、中心線L1から水平成分及び鉛直成分を含んで広がっており、水平方向に対し所定の角度だけ傾いていてもよい。
第1面31は、その全体が平滑であってもよいし、所々で突起した部位や窪んだ部位を有していてもよい。第1面31が突起した部位や窪んだ部位を有していると、対象物Obと第1面31との接触面積が減り、載置された対象物Obを第1面31から取り外し易くなり、例えば、半導体製造における作業者の作業負担を軽減させることができる。
第2面32は、基体30の下面を構成し、中心線L1から水平方向に沿って広がっている。別の観点では、第2面32は、第1面31に対し平行であり、その全体が下方に臨んでいる面である、ということができる。但し、その他の態様において、第2面32は、中心線L1から水平成分及び鉛直成分を含んで広がっており、水平方向に対し所定の角度だけ傾いていてもよい。
図2を参照する。図2に示す例において、中実部34は、第1面31、第2面32及び第3面33によって囲われた領域のうち、基体30の材料(例えば、セラミック)で満たされた部位であって、基体30の大部分を占めている。図2に示す例においては、中実部34は、第1面31、第2面32及び第3面33に囲われた領域内において空洞部40及びビアホール35(ビア導体22を含む)を除いた部位であり、その質量が基体30の質量(基体30における絶縁性の材料で満たされた部分の質量)と同一である。尚、詳細は後述するが、中実部34には、導電体50の一部(図中では導電体50の上部)が埋め込まれている。
(空洞部)
図2及び図3を参照する。空洞部40は、基体30にあけられた空洞であり、第1面31に沿って延びている。第1面31に沿って延びる空洞部40は、例えば、その全体が渦巻き形状を呈していてもよいし、その全体がミアンダ形状を呈していてもよい。
空洞部40は、空洞部40が延びる方向に垂直な基体30の断面において(空洞部40が延びる方向に見て)、例えば、略矩形状を呈していてもよいし、略台形状を呈していてもよいし、略三角形状を呈していてもよい。空洞部40が延びる方向に見た空洞部40が矩形状を呈している場合、例えば、空洞部40のアスペクト比は、任意に設定することができる。例えば、空洞部40の幅は、空洞部40の高さに対し、1.5倍以上の大きさであってもよいし、3倍以上の大きさであってもよいし、4.5倍以上の大きさであってもよいし、1.0倍〜1.5倍の範囲内の大きさであってもよい。例えば、空洞部40の幅は、空洞部40の高さに対し、1.0倍未満であってもよい。
空洞部40の内部は、気体(例えば、二酸化炭素や不活性ガス)によって満たされていてもよいし、真空状態であってもよい。空洞部40が延びる方向に見た空洞部40の面積は、空洞部40が延びる方向に見た導電体50の断面積よりも大きい。このため、空洞部40の内面は、少なくとも導電体50から離れた部位を有している。別の観点では、空洞部40の内面と導電体50との間には、少なくとも空隙45が位置している、ということができる。
図3を参照する。図3に示す空洞部40は、導電体50に当接すると共に空洞部40の天井を構成している当接面41と、この当接面41に対向すると共に導電体50から離れている対向面42と、これら当接面41及び対向面42を繋いでいる内壁43、44と、を有している。
図3に示す当接面41は、空洞部40が延びる方向に見て、一部(空洞部40における幅方向の中央部付近の部位)が導電体50に当接し、残部(内壁43、44付近の部位)が導電体50に当接していない。空洞部40が延びる方向に見た、導電体50における、導電体50に当接する部位及び導電体50に当接していない部位の割合は、任意である。
ところで、第1面31に沿って延びている空洞部40は、所定の長さを有している。空洞部40が延びる方向に沿って当接面41を辿って見た場合における、当接面41と導電体50との関係について説明する。空洞部40が延びる方向に沿って当接面41を辿った場合、当接面41は、その全体が導電体50に当接していてもよいし、その80%以上が導電体50に当接していてもよいし、その60%以上が導電体50に当接していてもよいし、その40%以上が導電体50に当接していてもよいし、導電体50に当接している割合が40%以下であってもよい。
尚、当接面41は、その全体が平滑であってもよいし、所々に突起する部位や窪んだ部位を有していてもよい。更には、当接面41は、第2面32に向かって傾斜する部位、及び/又は、第1面31に向かって傾斜する部位を有していてもよい。
図3に示す対向面42は、空洞部40が延びる方向に見て、その全体が導電体50から離れている。但し、対向面42は、空洞部40が延びる方向に見て、一部が導電体50に当接し、残部が導電体50から離れていてもよい。例えば、対向面42は、空洞部40が延びる方向に見て、その80%以上が導電体50から離れていてもよいし、その60%以上が導電体50から離れていてもよし、その40%以上が導電体50から離れていてもよいし、導電体50から離れている割合が40%以下であってもよい。対向面42は、空洞部40の底面を構成している。
ところで、第1面31に沿って延びている空洞部40は、所定の長さを有している。空洞部40が延びる方向に沿って対向面42を辿った場合における、対向面42と導電体50との関係について説明する。空洞部40が延びる方向に沿って対向面42を辿った場合、その全体が導電体50から離れていてもよいし、その80%以上が導電体50から離れていてもよいし、その60%以上が導電体50から離れていてもよいし、その40%以上が導電体50から離れていてもよいし、導電体50から離れている割合が40%以下であってもよい。
図3に示す例において、対向面42と導電体50との間には、対向面42が導電体50から離れた第1空隙45aが位置している。第1空隙45aは、任意の大きさであってよい。例えば、第1空隙45aの高さは、空洞部40の高さに対し、1/2以上の大きさであってもよいし、1/5以上の大きさであってもよいし、1/10以上の大きさであってもよいし、1/20以上の大きさであってもよいし、1/50以上の大きさであってもよいし、1/100以上の大きさであってもよいし、1/200以上の大きさであってもよいし、1/500以上の大きさであってもよいし、1/500以下の大きさであってもよい。例えば、第1空隙45aの高さは、1mm以上の大きさであってもよいし、10μm以上の大きさであってもよいし、1.0μm以上の大きさであってもよいし、1.0μm以下の大きさであってもよい。
対向面42は、その全体が平滑であってもよいし、所々に突起する部位や窪んだ部位を有していてもよい。更には、対向面42は、第2面32に向かって傾斜する部位、及び/又は、第1面31に向かって傾斜する部位を有していてもよい。
図3に示す内壁43、44は、空洞部40が延びる方向に見て、その全体が導電体50から離れている。但し、内壁43、44は、空洞部40が延びる方向に見て、一部が導電体50から離れ、残部が導電体50に当接していてもよい。例えば、内壁43、44は、空洞部40が延びる方向に見て、その80%以上が導電体50から離れていてもよいし、その60%以上が導電体50から離れていてもよいし、その40%以上が導電体50から離れていてもよいし、導電体50から離れている割合が40%以下であってもよい。尚、内壁43は、空洞部40の左側面を構成し、内壁44は、空洞部40の右側面を構成している。
空洞部40が延びる方向に沿って内壁43、44を辿った場合、内壁43、44は、その全体が導電体50から離れていてもよいし、その80%以上が導電体50から離れていてもよいし、その60%以上が導電体50から離れていてもよいし、その40%以上が導電体50から離れていてもよいし、導電体50から離れている割合が40%以下であってもよい。
図3に示す例において、内壁43、44と導電体50との間には、内壁43、44が導電体50から離れた第2空隙45b、45cが位置している。第2空隙45b、45cは、任意の大きさであってよい。例えば、第2空隙45b、45cの幅(水平方向の長さ)は、空洞部40の幅に対し、1/2以上の大きさであってもよいし、1/5以上の大きさであってもよいし、1/10以上の大きさであってもよいし、1/20以上の大きさであってもよいし、1/50以上の大きさであってもよいし、1/100以上の大きさであってもよいし、1/200以上の大きさであってもよいし、1/500以上の大きさであってもよいし、1/500以下の大きさであってもよい。例えば、第2空隙45b、45cの幅は、1μm以上の大きさであってもよいし、10μm以上の大きさであってもよいし、1μm以下の大きさであってもよい。尚、第2空隙45bの大きさは、第2空隙45cの大きさと異なっていてもよい。
内壁43、44は、その全体が平滑であってもよいし、所々に突起する部位や窪んだ部位を有していてもよい。更には、内壁43、44は、第1面31に対し垂直であってもよいし、第1面31に対し垂直でなくてもよい。
図2を参照する。ビアホール35は、基体30の厚み方向に沿って延び、空洞部40の内面及び第2面32に開口している。図2においては、基体30は、ビアホール35が2つ有している。しかしながら、基体30は、ビアホール35を1つのみ有していてもよいし、ビアホール35を3つ以上有していてもよい。基体30が有するビアホール35の数は任意である。
ビアホール35の長さは、任意に設定することができる。ビアホール35の長さは、1mm以上であってもよいし、2mm以上であってもよいし、4mm以上であってもよいし、10mm以上であってもよいし、1mmより短くてもよい。
ビアホール35の形状は、任意である。例えば、ビアホール35は、ビアホール35が延びる方向に垂直な断面において、円形状を呈していてもよいし、楕円形状を呈していてもよいし、矩形状を呈していてもよいし、三角形状を呈していてもよい。更に、ビアホール35の内径についても、任意の大きさに設定することができる。ビアホール35の内径は、例えば、60μm以上であってもよいし、100μm以上であってもよいし、150μm以上であってもよいし、300μm以上であってもよいし、60μm以下であってもよい。
(シャフト部材)
図1及び図2を参照する。図1に示すシャフト部材21は、筒形状を呈し、上端が第2面32に接合されている。筒形状を呈するシャフト部材21は、鉛直方向に沿って延びている。シャフト部材21の形状は、任意に設定することができる。例えば、水平方向におけるシャフト部材21の断面は、円形の枠形状を呈していてもよいし、楕円の枠形状を呈していてもよいし、矩形の枠形状を呈していてもよい。
シャフト部材21の材料は、任意に設定することができる。シャフト部材21は、例えば、絶縁性の材料によって構成されていてもよいし、導電性の材料によって構成されていてもよい。例えば、絶縁性の材料としては、セラミックを挙げることができ、導電性の材料としては、金属を挙げることができる。シャフト部材21及び基体30の材料が共にセラミックである場合、シャフト部材21を構成するセラミックの主成分を、基体30を構成するセラミックの主成分と同一にすることもできる。
シャフト部材21の大きさは、任意に設定することができる。例えば、上下方向における、シャフト部材21の長さは、例えば、10cm以上80cm以下であってもよいし、20cm以上40cm以下であってもよい。シャフト部材21の内径は、例えば、0.5cm以上10cm以下であってもよい。シャフト部材21の外径は、例えば、1.0cm以上15cm以下であってもよい。尚、シャフト部材21の内径、及び、シャフト部材21の外径は、シャフト部材21の上端から下端に亘って同一であってもよいし、シャフト部材21の上端から下端に亘って同一でなくてもよい。
シャフト部材21の基体30への接合は、任意の方法で行うことができる。1つの態様として、シャフト部材21は、接着材によって基体30に接合される。1つの態様として、シャフト部材21は、固相接合によって基体30に接合される。1つの態様として、セラミックからなるシャフト部材21は、製造時において未焼結の基体30と共に焼成し、接着材等を介さず、セラミックからなる基体30に対し直接接合される。
図2を参照する。シャフト部材21は、第2面32に繋がっている上面部21aと、この上面部21aとは反対に位置する下面部21bと、これら上面部21a及び下面部21bを繋ぐと共にシャフト部材21の内側を構成している内面部21cと、上面部21a及び下面部21bを繋ぐと共にシャフト部材21の外側を構成している外面部21dと、を有している。
内面部21cは、筒形状を呈するシャフト部材21の内側を通る接続部23を囲っている。シャフト部材21は、接続部23が外気に直接晒されることを抑制している。
(導電体)
導電体50は、基体30の内部に位置し、第1面31に沿って延びている。第1面31に沿って延びる導電体50は、例えば、その全体が渦巻き形状又はミアンダ形状を呈している。導電体50は、例えば、鉛直方向に延びる中心線L1(図1参照)から水平方向に沿って、基体30の全体に広がっている。これにより、第1面31の全体を効率よく加熱することができる。
導電体50は、例えば、Ni、W、MoまたはPtなどからなる金属、又は、これらの少なくとも一部を含む合金である。図2に示す導電体50は、1層のみからなる導電層である。
図2に示す導電体50は、導電体50が延びる方向に見て、略矩形状を呈している。但し、例えば、導電体50は、導電体50が延びる方向に見て、略円形状(楕円形状も含む)を呈していてもよいし、略三角形状を呈していてもよい。
導電体50は、電力供給部11からの電力によって発熱する抵抗発熱体を含んでいる。抵抗発熱体が発熱することによって、第1面31に載置された対象物Obを加熱することができる。基体構造体20は、抵抗発熱体を含むヒータである、ということができる。
図3を参照する。図3に示す導電体50は、その全体が空洞部40の内部に位置する導電体本体部51と、この導電体本体部51に繋がっておりその全体が基体30の中実部34に埋め込まれている埋め込み部52と、を有している。図3に示す導電体50は、空洞部40が延びる方向に見て、中実部34に埋め込まれた埋め込み部52を1つだけ有している。
図3に示す導電体本体部51は、当接面41に当接している第1外表面51aと、この第1外表面51aの反対側に位置し対向面42から離れている第2外表面51bと、これら第1外表面51a及び第2外表面51bを繋いでいる第3外表面51c、51dと、を有している。導電体本体部51は、導電体50の大部分を構成し、第1面31に沿って延びている。導電体本体部51は、所定の長さを有している。
図3に示す例において、第1外表面51aは、その全体が当接面41に当接している。但し、第1外表面51aは、その一部に当接面41から離れている部位を有していてもよい。図3に示す例において、第2外表面51b及び第3外表面51c、51dは、その全体が空洞部40の内面から離れている。但し、第2外表面51b及び/又は第3外表面51c、51dは、その一部に空洞部40の内面に当接している部位を有していてもよい。尚、第2外表面51b、第1外表面51a及び第3外表面51c、51dは、それぞれが平滑な面であってもよいし、所々に窪んだ部位や突起した部位を有していてもよい。
埋め込み部52は、導電体本体部51の第1外表面51aから上方に向かって突出し、中実部34における空洞部40と第1面31との間の部位に埋め込まれている。
埋め込み部52は、導電性を有している。埋め込み部52は、その大きさや形状等からして他の導体と区別できる。図2を併せて参照する。埋め込み部52は、ビア導体22を介して(ビア導体22及び導電体本体部51を介す場合も含む)接続部23と電気的に接続されている。埋め込み部52は、空洞部40が延びる方向に沿っており、導電体本体部51が所定の位置から移動することを抑制している。埋め込み部52は、例えば、その外表面の全体が中実部34によって覆われている。
埋め込み部52の形状は、任意に設定することができる。導電体50が延びる方向に沿って埋め込み部52を辿った場合、埋め込み部52は、その全体が一直線に延び導電体50が延びる方向に沿って連続していてもよいし、所々において途切れていてもよい。埋め込み部52が所々において途切れている場合の1つの態様として、埋め込み部52は、導電体本体部51の外表面から空洞部40の外部に突出する複数の突出部によって構成されている態様がある。
図3に示す埋め込み部52は、空洞部40が延びる方向に見て、導電体本体部51から離れるほど幅が大きくなる逆テーパ形状を呈している。別の観点では、埋め込み部52においては、空洞部40が延びる方向に見て、導電体本体部51との境界近傍(以下、第1部位52aとも呼ぶ)の幅よりも導電体本体部51から離れた箇所(以下、第2部位52bとも呼ぶ)の幅が大きくなっている、ということができる。この時、第2部位52bは、第1部位52aよりも空洞部40から離れて位置し、第1部位52aと共に中実部34に埋め込まれている。
尚、空洞部40が延びる方向に沿って埋め込み部52を辿った場合、導電体本体部51から離れた箇所の幅が導電体本体部51との境界箇所の幅より大きくなる部位は、埋め込み部52の全体における90%以上に亘っていてもよいし、埋め込み部52の全体における70%以上に亘っていてもよいし、埋め込み部52の全体における50%以上に亘っていてもよいし、埋め込み部52の全体における50%以下に亘っていてもよい。
尚、埋め込み部52の幅は、任意の長さに設定することができる。例えば、導電体本体部51近傍(導電体本体部51と埋め込み部52との境界部分)における埋め込み部52の幅は、導電体本体部51の幅に対し、1.0倍以下の大きさであってもよいし、0.8倍以下の大きさであってもよいし、0.6倍以下の大きさであってもよいし、0.4倍以下の大きさであってもよいし、0.2倍以下の大きさであってもよい。導電体本体部51近傍における埋め込み部52の幅は、導電体本体部51の幅と同一であってもよい。
埋め込み部52が埋め込まれた方向における埋め込み部52の長さは、任意に設定することができる。埋め込み部52が埋め込まれた方向における埋め込み部52の長さは、同方向における導電体本体部51の高さ(導電体本体部51の厚さ)に対し、1以下の大きさであってもよいし、1/2以下の大きさであってもよいし、1/5以下の大きさであってもよいし、1/10以下の大きさであってもよいし、1/20以下の大きさであってもよいし、1/50以下の大きさであってもよい。
尚、埋め込み部52の材料は、任意に設定することができる。例えば、埋め込み部52の材料は、その主成分が導電体本体部51の主成分と同一(導電体本体部51の材料と同一の場合も含む)であってもよいし、その主成分が導電体本体部51の主成分と異なっていてもよい。
図3に示す例において、埋め込み部52は、空洞部40が延びる方向に見て、空洞部40における幅方向の中央部を上下に通る直線L2(以下、中央線L2と呼ぶ)上に位置している。但し、その他の態様において、埋め込み部52は、空洞部40が延びる方向に見て、中央線L2を基準として左側に偏って位置していてもよいし、中央線L2を基準として右側に偏って位置していてもよい。更に、空洞部40が延びる方向に沿って埋め込み部52を辿ると、埋め込み部52は、中央線L2を基準として左右方向に蛇行していてもよい。
(ビア導体)
図2を参照する。ビア導体22は、ビアホール35の内部に充填された導体(金属)である。ビア導体22は、例えば、Ni、W、Mo又はPtなどの金属、又は、これらの少なくとも一部を含む合金によって構成される。ビア導体22の外径は、例えば、60μm以上であってもよいし、100μm以上であってもよいし、150μm以上であってもよいし、300μm以上であってもよいし、60μm以下であってもよい。
(接続部)
接続部23は、導体(例えば、金属)を含んでおり、導電体50と電力供給部11とを通電可能に接続している。接続部23の上端は、ビア導体22に接続され、接続部23の下端は、電力供給部11に接続されている。尚、接続部23は、上下に延びる導体の外表面が絶縁性の材料(例えば、ゴム)によって囲われた構造をしていてもよい。
(電力供給部)
電力供給部11は、基体30の外部に位置し、接続部23及びビア導体22を介して導電体50に電力を供給する。電力供給部11は、例えば、電源から給電された電力を適切な電圧に変換しこれを導電体50に供給する電源回路を含んでいる。
(制御部)
制御部12は、電力供給部11における導電体50への電力の供給を制御する。1つの態様として、制御部12は、抵抗発熱体を含む導電体50が所望の温度まで発熱するよう、電力供給部11から出力される電力の供給量を制御する。このような制御部12を含む対象物載置装置10に対象物Obを載置し、抵抗発熱体を加熱させることにより、対象物Obを加熱することができる。
次に基体構造体の製造方法について説明する。
図1を参照する。基体構造体20は、基体30にシャフト部材21が接合された構造をしている。基体30へのシャフト部材21の接合は、任意の方法で行うことができる。1つの態様として、接着材によって、基体30とシャフト部材21とを接合することができる。1つの態様として、焼結すると基体30になる未焼結の積層体(後述する、積層された複数のグリーンシートからなるシート積層体100(図4参照))、及び、焼結するとシャフト部材21になる未焼結の積層体を一体的に焼成することによって、基体30とシャフト部材21とを接合させることができる。
図4を参照する。図4には、基体30(図2参照)を作成する方法が示されている。図2を併せて参照する。基体30は、複数のセラミックグリーンシート101、102、103、106を積層することによって得られたシート積層体100を焼成することによって作成することができる。尚、シート積層体100の内部には、焼成によって導電体50(導電体本体部51及び埋め込み部52)となる導体104、105が設けられている。
基体30の作成においては、穴があけられていないセラミックグリーンシートを用意し、このセラミックグリーンシートにパンチング又はレーザ等により貫通穴102aをあけることによって、貫通穴102aがあけられた第1セラミックグリーンシート102を作成する。貫通穴102aは、例えば、その内面がテーパ状に傾斜するよう先端が先細ったパンチングドリル等によって作成される。尚、貫通穴102aは、平面視において、略円形状を呈する穴であってもよいし、所定の長さを有するスリット状の穴であってもよい。セラミックグリーンシートに貫通穴102aがあけられることにより、第1セラミックグリーンシート102を作成する工程(ステップ)が終わる。
次に、第1セラミックグリーンシート102を作成したら、第1セラミックグリーンシート102の貫通穴102aの内部に第1導体104(例えば、金属を含むペースト又は金属)を設ける。これにより、貫通穴102aの内部に第1導体104を設ける工程(ステップ)が終わる。貫通穴102aの内部に第1導体104を設ける工程を終えたら、第1セラミックグリーンシート102をセラミックグリーンシート101(貫通穴102aがあけられていないセラミックグリーンシート101)に重ねる。尚、シート積層体100の作成においては、セラミックグリーンシート101に第1セラミックグリーンシート102を重ねた後、貫通穴102aの内部に第1導体104を設けるという順番にすることもできる。
次に、新たなセラミックグリーンシートを用意し、このセラミックグリーンシートにパンチング又はレーザ等によりスリット103aをあける。これにより、スリット103aがあけられた第2セラミックグリーンシート103が作成される。第2セラミックグリーンシート103を作成したら、第1セラミックグリーンシート102の厚み方向において第2セラミックグリーンシート103にあけられたスリット103aが第1導体104に重なるよう、第1セラミックグリーンシート102に第2セラミックグリーンシート103を複数(例えば、50枚)重ねる。第1セラミックグリーンシート102に第2セラミックグリーンシート103が複数重ねられたら、第1セラミックグリーンシート102に第2セラミックグリーンシート103を重ねる工程(ステップ)が終わる。この時、複数の第2セラミックグリーンシート103が重ねられることにより、複数のスリット103aによって構成される溝部103bが形成されている。
次に、複数の第2セラミックグリーンシート103が重ねられることによって形成された溝部103bに第2導体105(例えば、金属を含むペースト又は金属)を設ける。この時、第2導体105は、貫通穴102aに設けられた第1導体104と重なるよう(接触するよう)溝部103bに設けられる。これにより、第1導体104に第2導体105を重ねる工程(ステップ)が終わる。
次に、スリット103a(溝部103b)に第2導体105が設けられた第2セラミックグリーンシート103にセラミックグリーンシート106(貫通穴があけられていないセラミックグリーンシート106)を重ねることによってシート積層体100を作成する。これにより、シート積層体100を作成する工程(ステップ)が終わる。
次に、シート積層体100を焼成し、シート積層体100を焼結させる。シート積層体100が焼結すると、シート積層体100が基体30になる。これにより、シート積層体100を焼結させる工程(ステップ)が終わり、基体30が完成する。尚、図4には、シート積層体100のみを焼成する図が示されている。しかしながら、焼成は、シート積層体100と焼成するとシャフト部材21(図2参照)になる積層体とを一体化させた状態で行ってもよい。
図2を参照する。次に、例えば、ろう付けやはんだ付けによって、基体30に充填されたビア導体22に接続部23を接続させる。更に、基体30とシャフト部材21とが接合されていないのであれば、これらを接合させる。これらの工程(ステップ)を終えることにより、基体構造体20を製造することができる。
図2及び図3を参照する。導電体50は、導電体本体部51から空洞部40の外部に突出し、基体30の中実部34に埋め込まれている埋め込み部52を有している。導電体50の一部が中実部34に埋め込まれていることにより、導電体50が基体30の内部において固定される。これにより、空洞部40の内面が導電体50(導電体本体部51)から離れ、空洞部40の内面と導電体50との間に空隙45が位置している場合においても、導電体50を位置決めすることができる。結果、外部から基体構造体20に衝撃等が加わっても、導電体50が所定の位置から移動することを抑制することができる。これにより、耐久性のある基体構造体20を提供することができる。
加えて、導電体本体部51から空洞部40の外部に突出し埋め込み部52が中実部34に埋め込まれていることにより、基体30に対し導電体50の当接する面積を増やすことができる。これにより、導電体50が抵抗発熱体を含む基体構造体20においては、抵抗発熱体と基体30との熱交換の効率を向上させることができる。
埋め込み部52は、導電体本体部51の外表面から第1面31に向かって突出し、中実部34における空洞部40と第1面31との間の部位に埋め込まれている。これにより、導電体50においては、対象物Obが載置される第1面31側の外表面における基体30に対する接触面積が増える。結果、導電体50が抵抗発熱体を含む基体構造体20において、導電体50と基体30との熱交換により、基体30における第1面31側の部位を効率よく加熱することができる。
空洞部40は、導電体本体部51が当接する当接面41と、当接面に対向する対向面42と、を有している。更に、導電体本体部51と対向面42との間には、両者が離れた第1空隙45aが位置している。これらから、導電体本体部51は、当接面41に当接すると共に対向面42から離れた箇所に位置している、ということができる。抵抗発熱体を含む導電体50においては、導電体50の当接面41に対向する外表面と基体30との熱交換の効率を向上させ、導電体50の対向面42に対向する外表面と基体30との熱交換の効率を低下させることができる。結果、基体構造体20においては、当接面41に対向する導電体50の外表面51a(第1外表面51a)から基体30内部へより効率的に熱を伝えることができる。1つの態様として、当接面41を空洞部40の天井とすることによって、対象物Obが載置される第1面31をより効率的に加熱することができる。
空洞部40は、当接面41及び対向面42を繋ぐ内壁43、44を有している。更に、導電体本体部51と内壁43、44との間には、両者が離れた第2空隙45b、45cが位置している。これらから、導電体本体部51は、空洞部40の内壁43、44から離れた箇所に位置している、ということができる。これにより、内壁43、44を介する基体30と導電体本体部51との熱交換の効率を低下させることができる。結果、導電体50における当接面41に当接する外表面51aを介する、基体30と導電体本体部51との熱交換の効率をより向上させることができる。
埋め込み部52は、中実部34に埋め込まれた第1部位52aを有している。更に、埋め込み部52は、第1部位52aよりも空洞部40から離れて位置し、その幅が第1部位52aの幅よりも大きい第2部位52bを有している。言い換えると、埋め込み部52は、空洞部40が延びる方向に見て、導電体本体部51との境界箇所の幅よりも導電体本体部51から離れた箇所の幅の方が大きい部位を含んでいる、ということができる。これにより、導電体50が基体30に対しより強く固定される。即ち、外部から基体構造体20に衝撃等が加わっても、導電体50が所定の位置から移動することを抑制できる。結果、より耐久性のある基体構造体20を提供することができる。
埋め込み部52の材料は、導電体本体部51の材料と主成分が同一である。これにより、基体構造体20の製造において、導電体本体部51と埋め込み部52とを一体的に作成することができる。結果、生産効率の高い基体構造体20を提供することができる。
埋め込み部52は、空洞部40が延びる方向に沿っている。これにより、導電体50の一部が空洞部40が延びる方向に沿って中実部34に埋め込まれることになり、導電体50の全体が基体 の内部において固定される。結果、空洞部40の内面が導電体50(導電体本体部51)から離れ、空洞部40の内面と導電体50との間に空隙45が位置している場合においても、導電体50を確実に位置決めすることができる。よって、より耐久性のある基体構造体20を提供することができる。
加えて、埋め込み部52が空洞部40が延びる方向に沿って中実部34に埋め込まれているため、基体30に対し導電体50の当接する面積がより増える。これにより、導電体50が抵抗発熱体を含む基体構造体20においては、抵抗発熱体と基体30との熱交換の効率をより向上させることができる。
埋め込み部52は、その全体が連続している。これにより、埋め込み部52は、空洞部40が延びる方向に沿って途切れることなく一直線上に延びることになる。この時、空洞部40が延びる方向に沿って導電体50を辿ると、導電体本体部51は連続する埋め込み部52によって位置決めされていることが分かる。結果、導電体50は、基体 内においてより確実に位置決めされる。よって、より耐久性のある基体構造体20を提供することができる。
基体構造体20は、導電体50が抵抗発熱体を含んでいるヒータである。これにより、基体構造体20は、基体30に対象物Obを載置させた状態で、対象物を直接加熱できる。加えて、抵抗発熱体が基体30の内部に埋設される(位置する)ことになり、抵抗発熱体が酸素に触れることが抑制される。結果、より効率的に加熱することができ、且つ耐久性のある基体構造体20を提供することができる。
次に、上記製造方法とは異なる、基体構造体の製造方法について説明をする。
図5を参照する。図5には、図4とは異なる方法により基体30(図2参照)を作成する方法が示されている。尚、これから説明する基体構造体20の製造方法については、図4による製造方法と共通する部分は符号を流用すると共に詳細な説明を省略する。
第1セラミックグリーンシート102の貫通穴102aの内部に第1導体104を設ける工程が終わったら、例えば、スクリーン印刷によって第1セラミックグリーンシート102の外表面に第2導体105Aを設ける。第2導体105Aは、複数回のスクリーン印刷によって第1セラミックグリーンシート102に設けられてもよい。尚、第2導体105Aは、貫通穴102aに設けられた第1導体104と重なるよう(接触するよう)第1セラミックグリーンシート102に設ける。これにより、第1導体104に第2導体105Aを重ねる工程(ステップ)が終わる。
次に、新たなセラミックグリーンシートを用意し、このセラミックグリーンシートにパンチング又はレーザ等によりスリット103Aaをあけることによって、スリット103Aaがあけられた第2セラミックグリーンシート103Aを作成する。第2セラミックグリーンシート103Aを作成したら、第1セラミックグリーンシート102の厚み方向において第2セラミックグリーンシート103Aにあけらたスリット103Aaが第1導体104に重なるよう(スリット103Aaの内側に第2導体105Aが位置するよう)、第1セラミックグリーンシート102に第2セラミックグリーンシート103Aを複数(例えば、50枚)重ねる。第1セラミックグリーンシート102に第2セラミックグリーンシート103Aが複数重ねられたら、第1セラミックグリーンシート102に第2セラミックグリーンシート103Aを重ねる工程(ステップ)が終わる。この時、第2導体105Aは、複数の第2セラミックグリーンシート103Aが重ねられ形成された溝部103Abの内面に囲われている。
次に、スリット103Aa(溝部103Ab)に第2導体105Aが設けられた第2セラミックグリーンシート103Aにセラミックグリーンシート106(貫通穴があけられていないセラミックグリーンシート106)を重ねることによってシート積層体100Aを作成する。これにより、シート積層体100Aを作成する工程(ステップ)が終わる。尚、シート積層体100Aを焼成する工程以降については、図4を参照して説明した基体構造体20の製造方法と共通する部分が多いため省略する。
[第2実施形態]
図6を参照する。図6には、第2実施形態における基体構造体20Aの空洞部40A周辺の図が示されている。尚、図6は、第1実施形態における空洞部40周辺の図を示している図3に対応している。第1実施形態による基体構造体20と共通する部分については、符号を流用すると共に詳細な説明を省略する。
(埋め込み部)
図6に示す埋め込み部52Aは、導電体50Aが延びる方向に見て略楕円形状を呈している。更に、埋め込み部52Aは、導電体50Aが延びる方向に見て、導電体本体部51との境界箇所から第1面31に向かって幅が大きくなる部位と、導電体本体部51から最も離れた箇所から導電体本体部51に向かって幅が大きくなる部位と、を有している。尚、埋め込み部52Aは、例えば、導電体50Aが延びる方向に見て略円形状を呈していてもよい。
[第3実施形態]
図7を参照する。図7には、第3実施形態における基体構造体20Bの空洞部40B周辺の図が示されている。尚、図7は、第1実施形態における空洞部40周辺の図を示している図3に対応している。第1実施形態による基体構造体20と共通する部分については、符号を流用すると共に詳細な説明を省略する。
(導電体)
図7に示す導電体50Bは、その全体が空洞部40の内部に位置する導電体本体部51と、この導電体本体部51に繋がっておりその全体が基体30の中実部34に埋め込まれている埋め込み部52と、導電体50Bが延びる方向にみて埋め込み部52から離れていると共にその全体が基体30の中実部34に埋め込まれている第2埋め込み部53Bと、を有している。第2埋め込み部53Bは、導電体本体部51が延びる方向に沿っている。
図7に示す埋め込み部52は、導電体50Bが延びる方向に見て、導電体本体部51における幅方向の中央部よりも左側に位置している。一方、第2埋め込み部53Bは、導電体50Bが延びる方向に見て、導電体本体部51における幅方向の中央部よりも右側に位置している。但し、その他の態様において、埋め込み部52及び第2埋め込み部53Bは、導電体50Bが延びる方向に見て、それぞれが導電体本体部51における幅方向の中央部よりも右側に位置していてもよいし、それぞれが導電体本体部51における幅方向の中央部よりも左側に位置していてもよい。
埋め込み部52及び第2埋め込み部53Bの形状は、任意に設定できる。例えば、導電体50Bが延びる方向に見た第2埋め込み部53Bの形状は、同方向に見た埋め込み部52の形状と同一であってもよいし、同方向に見た埋め込み部52の形状と異なっていてもよい。
更に、導電体50Bの延びる方向に沿って埋め込み部52及び第2埋め込み部53Bを辿った場合、埋め込み部52及び第2埋め込み部53Bにおいては、それぞれ共に一直線に延びると共にその全体が連続していてもよいし、埋め込み部52及び第2埋め込み部53Bのそれぞれが所々において途切れていてもよいし、埋め込み部52のみが一直線に延びると共にその全体が連続していてもよいし、第2埋め込み部53Bのみが一直線に延びると共にその全体が連続していてもよい。
第2埋め込み部53Bは、空洞部40が延びる方向に見て導電体本体部51から離れるほど幅が大きくなる逆テーパ形状を呈している。別の観点では、埋め込み部52においては、空洞部40が延びる方向に見て、導電体本体部51との境界近傍(以下、第3部位53Baとも呼ぶ)の幅よりも、導電体本体部51から離れた箇所(以下、第4部位53Bbとも呼ぶ)の幅の方が大きくなっている、ということもできる。この時、第4部位53Bbは、第3部位53Baよりも空洞部40から離れて位置し、第3部位53Baと共に中実部34に埋め込まれている。
尚、導電体本体部51から離れた箇所の幅が導電体本体部51との境界箇所の幅より大きくなる部位は、空洞部40が延びる方向に沿って、第2埋め込み部53Bの全体に位置していなくてもよい。
第2埋め込み部53Bの幅は、任意の長さに設定することができる。例えば、第2埋め込み部53Bにおける導電体本体部51近傍の部位(導電体本体部51と第2埋め込み部53Bとの境界部分)において、埋め込み部52の幅の長さは、導電体本体部51の幅の長さに対し、1.0倍以下の大きさであってもよいし、0.8倍以下の大きさであってもよいし、0.6倍以下の大きさであってもよいし、0.4倍以下の大きさであってもよいし、0.2倍以下の大きさであってもよい。尚、埋め込み部52の幅(導電体本体部51との境界箇所の幅)と第2埋め込み部53Bの幅(導電体本体部51との境界箇所の幅)との和は、導電体本体部51の幅よりも小さい。
第2埋め込み部53Bが埋め込まれた方向における第2埋め込み部53Bの長さは、任意に設定することができる。第2埋め込み部53Bが埋め込まれた方向における第2埋め込み部53Bの長さは、同方向における導電体本体部51の高さ(導電体本体部51の厚さ)に対し、1以下の大きさであってもよいし、1/2以下の大きさであってもよいし、1/5以下の大きさであってもよいし、1/10以下の大きさであってもよいし、1/20以下の大きさであってもよいし、1/50以下の大きさであってもよい。尚、第2埋め込み部53Bが埋め込まれた方向における第2埋め込み部53Bの長さは、埋め込み部52が埋め込まれた方向における埋め込み部52の長さと同一であってもよいし、同方向における埋め込み部52の長さと異なっていてもよい。
第2埋め込み部53Bの材料は、任意に設定することができる。例えば、第2埋め込み部53Bの材料は、その主成分が導電体本体部51の主成分と同一(導電体本体部51の材料と同一の場合も含む)であってもよいし、その主成分が導電体本体部51の主成分と異なっていてもよい。更に、第2埋め込み部53Bの材料は、その主成分が埋め込み部52の主成分と同一であってもよいし、その主成分が埋め込み部52の主成分と異なっていてもよい。
導電体50Bは、導電体50Bが延びる方向に見て埋め込み部52から離れて位置し、導電体本体部51が延びる方向に沿うと共に中実部34に埋め込まれている第2埋め込み部53Bを有している。埋め込み部52と共に第2埋め込み部53Bが中実部34に埋め込まれていることにより、導電体50Bの全体が基体30の内部においてより強く固定される。これにより、空洞部40の内面が導電体50B(導電体本体部51)から離れ、空洞部40の内面と導電体50Bとの間に空隙45が位置している場合においても、導電体50Bをより確実に位置決めすることができる。結果、外部から基体構造体20Bに衝撃等が加わっても、導電体50Bが所定の位置から移動することをより確実に抑制できる。これにより、より耐久性のある基体構造体20Bを提供することができる。
加えて、第2埋め込み部53Bが中実部34に埋め込まれていることにより、基体30に対し導電体50Bが当接する面積を増やすことができる。これにより、導電体50Bが抵抗発熱体を含む基体構造体20Bにおいて、抵抗発熱体と基体30との熱交換の効率を向上させることができる。
尚、本開示における基体構造体及び対象物載置装置は、上記に記載した実施形態及び変形例に限定されず、様々な形態で実施されてよい。以下、基体構造体及び対象物載置装置の形態が変形された例を幾つか紹介する。
実施形態において、導電体が抵抗発熱体を含んでいる例について説明した。しかしながら、導電体は、例えば、第1面にウエハを吸着させる静電チャック用電極であってもよいし、プラズマを発生させる際に用いられる高周波電極であってもよい。更には、導電体は、静電チャック用電極を含んでいてもよいし、高周波電極を含んでいてもよい。
更に、実施形態においては、導電体が1層のみからなる例について説明した。しかしながら、例えば、導電体は、基体の厚み方向において2層以上の導電層によって構成されていてもよい。この場合、2層以上からなるそれぞれの導電層の一部が中実部に埋め込まれていてもよい。更に、例えば、これら2層以上からなる導電層の1つのみに抵抗発熱体が含まれていてもよいし、これら2層以上からなる導電層の複数(全て)に抵抗発熱体が含まれていてもよい。尚、静電チャック用電極及び高周波電極についても同様である。
実施形態においては、中実部における第1面と空洞部との間の部位に埋め込み部が埋め込まれている例について説明した。しかしながら、埋め込み部は、例えば、導電体本体部の第2外表面から下方に向かって突出し、中実部における第2面と空洞部との間の部位に埋め込まれていてもよい。この場合、空洞部の底面が、導電体本体部に当接する当接面を構成し、空洞部の天井が、導電体本体部から離れている対向面を構成してもよい。更に、埋め込み部は、例えば、導電体本体部の第3外表面から側方(左側方)に向かって突出し、中実部における第3面と空洞部との間の部位に埋め込まれていてもよい。この場合、空洞部の左側面(内面の左側)が、導電体本体部に当接する当接面を構成し、空洞部の右側面(内面の右側)が、導電体本体部から離れた対向面を構成してもよい。
更に、第2実施形態において、第2埋め込み部は、埋め込み部と共に中実部における第1面と空洞部との間の部位に埋め込まれている例について説明した。しかしながら、例えば、埋め込み部が、中実部における第1面と空洞部との間の部位に埋め込まれ、第2埋め込み部が、中実部における第3面と空洞部との間の部位に埋め込まれていてもよい。更には、例えば、第2埋め込み部は、埋め込み部と共に中実部における第3面と空洞部との間の部位に埋め込まれていてもよいし、埋め込み部と共に中実部における第2面と空洞部との間の部位に埋め込まれていてもよい。
実施形態においては、導電体が中実部に埋め込まれた埋め込み部を1つのみ有している場合、及び、導電体が中実部に埋め込まれた埋め込み部が2つ有している場合について説明した。しかしながら、導電体は、中実部に埋め込まれた埋め込み部を3つ以上有していてもよい。この場合、これら3つ以上の埋め込み部は、空洞部が延びる方向に見てそれぞれが互いに離れている。
実施形態においては、基体に載置される対象物がウエハである例をもって基体構造体の説明をした。このウエハは、半導体に限定されず、例えば、水晶ウエハも含んでいる。
基体構造体、対象物載置装置及び基体構造体の製造方法については、作用及び効果を奏する限りにおいて本開示で示された実施形態に限定されない。