JP2021035916A - 外用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間保存しても外観、pH、展延性等の性状が変化せず、使用感に優れた6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸のゲル状組成物が製造可能となる。【解決手段】[A]6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、pH調整剤および水を含む外用組成物。[B]pH調整剤がアルカリ金属の水酸化物および/またはアルカノールアミンである[A]に記載の外用組成物。[C]アルキル変性カルボキシビニルポリマーを0.3〜1%含むことを特徴とする[A]または[C]に記載の外用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、外用組成物に関する。さらに外用美白ゲル組成物に関する。
L−アスコルビン酸(ビタミンC)は美白効果などが知られ化粧品材料として有用であるが、不安定で酸化されやすいため、種々のL−アスコルビン酸誘導体の研究開発がなされており、1990年代には安定でかつ体内で分解吸収される誘導体として2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸(L−アスコルビン酸−2−グルコシド)が開発された(特許文献1〜3)。
2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸はL−アスコルビン酸よりも酸化されにくく安定性に優れる一方で、体内では容易に加水分解されL−アスコルビン酸と同等の生理活性を有することが知られており(特許文献2及び3)、化粧品、食品及び医薬品など、広い応用が期待される。また、さらに保湿性を高めたL−アスコルビン酸誘導体として、2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸中のL−アスコルビン酸残基の6位の位置のヒドロキシル基にアシル基が導入された、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸が開発された(特許文献4)
特許第2832848号公報 特開平03−135992号公報 特開平03−183492号公報 特開平11−286497号公報
6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は、化粧品等の皮膚外剤として用いた場合に、長期間の保存により所望の粘度や展延性等の性状が得られないという問題を生じることがある。従って、本発明はアスコルビン酸誘導体を含有する組成物であって、粘度や展延性に優れた組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、これらの状況に鑑みて鋭意検討した結果、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸にアルキル化水溶性高分子を配合することによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸、アルキル化水溶性高分子、pH調整剤および水を含む外用組成物である。また、本発明は、さらに油成分および/または乳化剤を含む上記外用組成物である。
本発明の実施形態は以下に例示される。
[1]6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、pH調整剤および水を含む外用組成物。
[2]pH調整剤がアルカリ金属の水酸化物および/またはアルカノールアミンである[1]に記載の外用組成物。
[3]アルキル変性カルボキシビニルポリマーを0.3〜1%含むことを特徴とする[1]または[2]に記載の外用組成物。
[4]外用組成物の性状がゲルである請求項[1]〜[3]のいずれかに記載の外用組成物。
[5]油成分および/または乳化剤を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の外用組成物。
[6]油成分が炭化水素、高級アルコール、エステル油および脂溶性ビタミンからなる群から選ばれる1種以上である[5]に記載の外用組成物。
[7]乳化剤が非イオン性界面活性剤である[5]に記載の外用組成物。
[8]非イオン性界面活性剤がポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上である[7]に記載の外用組成物。
本発明により、長期間保存しても外観、pH、展延性等の性状が変化せず、使用感に優れた6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸のゲル状組成物が製造可能となる。
本発明の一つの実施形態において、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は、2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸の6位にアシル基を有している下記一般式(1):
Figure 2021035916
(式中、Rは炭化水素基を示す。nは前記と同じ。)
で示される化合物である。
前記一般式(1)中のRで示される炭化水素基は、直鎖、分岐又は環状の、飽和又は不飽和の炭化水素基であってよく、好ましくはアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基であり、より好ましくは直鎖のアルキル基である。前記炭化水素基の炭素数は、アシル基すなわち−C(=O)R基の炭素数として数えたときに、炭素数が3〜24、4〜20、8〜20、12〜18であることが好ましく、14〜16であることが特に好ましい。
本発明の一つの実施形態において、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は、不純物として未アシル化体の2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸を含んでいてもよい。6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は90モル%以上、95モル%以上、98モル%以上、99モル%以上、99.5モル%以上、99.9モル%以上の純度であることが好ましい。不純物としての、未アシル化体である2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は10モル%以下、5モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、0.5モル%以下、0.1モル%以下であることが好ましく、実質的に含まないことが好ましい。
6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は、2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸の6位にアシル基を置換させる方法によって製造することができ、6位にアシル基を置換させる方法としては、公知の方法、例えば特許文献4に記載の方法によることができる。
6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸の製造方法としては2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸に有機酸、酸ハライド、酸無水物、酸エステルなどのアシル化剤を用いて化学反応させる方法が挙げられる。前記アシル化剤としては、炭素数が3〜24、4〜20、8〜20、12〜18、好ましくは14〜16である飽和若しくは不飽和の脂肪酸又はその無水物が好ましく、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びリシノレイン酸並びにその無水物などが好ましい。
本発明の一実施形態では、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸は遊離酸又は塩のいずれであってよく、塩は無機又は有機陽イオンの塩であってよい。無機陽イオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオンのような第一族元素の金属イオン;マグネシウムイオン、カルシウムイオンのような第二族元素の金属イオン;鉄イオン、銅イオンのような遷移金属イオン;及び亜鉛イオン、アルミニウムイオンなどのその他の金属イオンからなる群より選ばれる金属イオン又はその組み合わせであってよい。6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸を塩とすることにより、pHが中性となり、他の物質と混合したときに他の物質を分解しにくくすることができる。
本発明におけるアルキル化水溶性高分子としては、アルキル化したカルボキシビニルポリマー、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セラチン類、ジェランガム、カラギーナン、寒天、ペクチン、ローカストビーンガム、グァーガム、トラガントガム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドンであり、代表的なものとして、アルキル変性カルボキシビニルポリマーが挙げられる。本発明におけるアルキル変性カルボキシビニルポリマー(以下、A−CPと略記することがある)は、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体とも呼ばれ、アクリル酸と炭素数10〜30の直鎖状または分枝状アルキル基のエステル体、およびメタクリル酸と同じくアルキル基のエステル体が共重合したものであり、大きな親水基と小さな親油基を持つO/W型高分子乳化剤である。A−CPはPEMULENTR−1の商品名で市販されており(日光ケミカルズ(株))、容易に入手可能である。
本発明においてアルキル変性カルボキシビニルポリマーの配合量は特に限定されないが、本発明に係る外用組成物の全重量に対して、通常0.05〜2%であり、好ましくは0.3〜1%であり、さらに好ましくは0.4〜0.8%である。
本発明においてpH調整剤は、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等アルカリ金属の水酸化物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等アルカノールアミン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、酢酸等の有機酸およびそれらの塩、塩酸、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム等の無機酸およびそれらの塩等が挙げられる。中でも特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミンが好適である。これらのpH調整剤でpHを約5〜8の範囲に調整すればよい。
本発明における油成分は特に限定されないが、オリーブ油、米糠油、大豆油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油、アボガド油等の植物性油脂、スクワラン、魚油、馬油等の動物性油脂、カルナバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ラノリン、ホホバ油等のロウ類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、ポリブデン、合成スクワラン等の炭化水素、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸オクチル、オクタン酸セチル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、アジピン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル等のエステル油、メチルポリシロキサン、シリコン樹脂、環状ジメチルシリコーン、パーフルオロポリエーテル等のシリコーン油等を挙げることができる。好ましくは、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、ポリブデン、合成スクワラン等の炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸オクチル、オクタン酸セチル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、クエン酸トリエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル等のエステル油、ビタミンA類、ビタミンD類、ビタミンE類等の脂溶性ビタミンである。
本発明において使用できる乳化剤は限定されないが、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、脂肪酸石鹸(ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウムなど)、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアロイル硫酸ナトリウム等のイオン性界面活性剤、レシチン類(大豆レシチン、卵黄リン脂質、水素添加レシチン、水酸化レシチンなど)、サポニン類(大豆サポニン、カンゾウサポニン、酵素処理サポニンなど)、アラビアゴム等の天然由来界面活性剤等が挙げられる。好ましくは、ポリグリセリン酸脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤である。
本発明に係る外用組成物には、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸の他にも、薬効成分を配合することができる。具体的にはグリチルリチン酸およびその誘導体ならびにそれらの塩、グリチルレチン酸およびその誘導体、ε−アミノカプロン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、アラントイン等の抗炎症剤、レチノール、レチノイン酸、ビタミンA油、パルミチン酸レチノール、カロテン、アスコルビン酸、6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸(アスコルビン酸グルコシド、リン酸L-アスコルビルマグネシウム、ジパルミチン酸アスコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸L−アスコルビルなど)、酢酸トコフェロール、酢酸d−α−トコフェロール、コハク酸d−α−トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、ビタミンEリノレート、d−α−トコフェロール、d−β−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−δ−トコフェロール、天然ビタミンE、塩酸ピリドキシン、ジカプリル酸ピリドキシン、ジパルミチン酸ピリドキシン、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン、ニコチン酸アミド、パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、パントテン酸カルシウム、コレカルシフェロール等のビタミン類、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸ジパルミテート、ハイドロキノン誘導体、油溶性甘草エキス等の美白剤、クロタミトン、ジフェンヒドラミン等の抗痒剤、ヒノキチオール、セファランチン、ニコチン酸トコフェロール等の育毛・養毛剤、γ-オリザノール、フェルラ酸等が挙げられる。
本発明の外用ゲル組成物には、通常用いられる種々の添加剤を配合することができる。この様な添加剤は特に限定されないが、例えば懸濁化剤、防腐剤、安定化剤、着色剤、清涼化剤、着香剤、吸着剤、吸収促進剤、粘稠剤、湿潤剤、抗酸化剤等を挙げることができる。
懸濁化剤としては、例えばメチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシプロピルルロース、アラビアゴム、トラガント末、カルメロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、フェノキシエタノール、ヒノキチオール等が挙げられる。
安定化剤としては、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸等の脂肪酸、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン類、ジェランガム、カラギーナン、寒天、ペクチン、ローカストビーンガム、グァーガム、トラガントガム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、エデト酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸等のキレート剤、天然ビタミンE、d−α−トコフェロール、δ−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、アスコルビン酸、エリソルビン酸およびこれらの塩または誘導体、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸ナトリウム、フィチン酸、亜硫酸ナトリウム、カテキン類、ポリフェノール等の抗酸化剤、グリセリルモノアルキルエーテル、パルミチン酸デキストリン等が挙げられる。
着色剤としては、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、タルク、ベニバナ色素、クチナシ色素、パプリカ色素、β-カロチン、カラメル、銅クロロフィリンナトリウム、シルク末等が挙げられる。
清涼化剤としては、d−カンフル、ハッカ油、l−メントール、d−ボルネオール等が挙げられる。
着香剤としては、一般的に化粧品や外用剤に用いられる香料の他に、ウイキョウ末、オレンジ油、カミツレ油、スペアミント油、パイン油、ハッカ油、ベルガモット油、l−メントール、レモン油等の精油が挙げられる。
吸着剤としては、カルメロースカルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化アルミニウム、デキストリン等が挙げられる。
吸収促進剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール、リシノレイン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸、レシチン類等の界面活性剤、高級アルコールと中鎖脂肪酸、パルミチン酸イソプロピル等脂肪酸のエステル油、乳酸およびその塩、1−メントール等が挙げられる。
粘稠剤としては、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン類、ジェランガム、カラギーナン、寒天、ペクチン、ローカストビーンガム、グァーガム、トラガントガム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
湿潤剤としては、ソルビトール、キシリトール、還元麦芽糖水飴、マルチトール、エリスリトール、ショ糖、トレハロース、ブドウ糖などの糖類または糖アルコール、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、セリシン、デオキシリボ核酸またはその塩、加水分解コラーゲン、ポリグルタミン酸、ポリアルギン酸、小麦ペプチド、コンドロイチン硫酸ナトリウム、キチン、キトサン等の高分子湿潤剤、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール、アロエエキス、ビワエキス、米発酵エキス、モモの葉エキス、米糠エキス、コケモモエキス、ウワウルシエキス、カンゾウエキス等の植物エキス、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、グリシン、アルギニン、グルタミン酸、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ジグリセリン、ベタイン等のアミノ酸類、スフィンゴ脂質、セラミド、レシチン、コレステロール等の油性湿潤剤、乳酸、乳酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明において抗酸化剤とは、亜硝酸ナトリウム、エリソルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、パルミチン酸アスコルビル、酢酸トコフェロール、天然ビタミンE、d−δ−トコフェロ−ル等を意味する。
本発明にかかる外用組成物は、通常行われている製剤化方法で製造することができる。
加温融解した油性成分(乳化剤を含んでいてもよい)に、水溶性の湿潤剤や安定化剤を溶解した水相を添加し、80℃付近で乳化し、約55℃まで冷却して乳化液を得る。一方、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを約55℃で精製水に分散させ、さらに6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸を添加し、高分子水溶液を得る。約55℃まで冷却した乳化液に、ほぼ同温度の高分子水溶液を添加し、温度を維持しながら均一になるまで攪拌し、その後、攪拌しながら冷却し、約35℃となったところでpH調整剤を含む水溶液を添加し、ゲル化させ、さらに均一攪拌し目的の組成物を得ることができる。
以下に、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
酢酸d−α−トコフェロール0.3g、流動パラフィン1.3g、ステアリン酸0.4g、セトステアリルアルコール0.3g、親油型モノステアリン酸グリセリン0.3gおよびモノステアリン酸デカグリセリル1.5gを加温融解し、均一な油相を得た。次にジプロピレングリコール2.5g、粉末還元麦芽糖水飴2.0g、ポリエチレングリコール1.5g、メチルパラペン0.2gおよびL−アルギニン0.38gを精製水12.5gに入れ、加温溶解させ、均一な水相を得た。油相に水相を添加し、約80℃で5分間、単純攪拌機を用いて攪拌して乳化させ、その後約55℃まで冷却させた。一方、A−CP0.45gを63.97gの精製水に分散させ、約55℃で攪拌させ高分子溶液を得た。上記の乳化液にこの高分子溶液を加え、15分間攪拌した。この液に、水酸化ナトリウム0.4gを10gの精製水に溶解させた中和剤液を添加し、ゲル化させ、攪拌を続けながら冷却させた。さらに、35℃付近で6−パルミトイル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸2.5gを添加し、均一になるまで攪拌し、ゲル状の乳化組成物100gを得た。
(実施例2)
酢酸d−α−トコフェロール0.3g、流動パラフィン1.3g、ステアリン酸0.4g、セトステアリルアルコール0.3g、親油型モノステアリン酸グリセリン0.3gおよびモノステアリン酸デカグリセリル1.5gを加温融解し、均一な油相を得た。次にジプロピレングリコール2.5g、粉末還元麦芽糖水飴2.0g、ポリエチレングリコール1.5g、メチルパラペン0.2gを精製水12.5gに入れ、加温溶解させ、均一な水相を得た。油相に水相を添加し、約80℃で5分間、単純攪拌機を用いて攪拌して乳化させ、その後約55℃まで冷却させた。A−CP0.5gおよび6−パルミトイル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸2.5gを71.7gの精製水に分散させ、約55℃で攪拌させ高分子溶液を得た。上記の乳化液にこの高分子溶液を加え、15分間攪拌した。さらに、約30℃まで冷却させながら、精製水2.5gに水酸化ナトリウム0.5gを溶解させたものを加え、10分間攪拌してゲル状の乳化組成物100gを得た。
(実施例3)
実施例1と同様にして油相と水相を混合して、乳化液を得た。A−CP0.7gおよび6−パルミトイル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸2.5gを63.82gの精製水に分散させ、約55℃で攪拌させ高分子溶液を得た。上記の乳化液にこの高分子溶液を加え、15分間攪拌した。さらに、約30℃まで冷却させながら、精製水10gに水酸化ナトリウム0.3gを溶解させたものを加え、10分間攪拌してゲル状の乳化組成物100gを得た。
(実施例4)
AC−P1gと水酸化ナトリウム0.56gを使用した以外は、実施例1と同様の方法でゲル状の乳化組成物100gを得た。
(実施例5)
A−CP0.65gおよび63.87gの精製水で高分子溶液を調製した以外は、実施例3と同様にして外用組成物100gを得た。
(実施例6)
A−CP0.6gおよび56.42gの精製水で高分子溶液を調製した以外は、実施例3と同様にして外用組成物100gを得た。
(比較例1)
酢酸d−α−トコフェロール0.3g、流動パラフィン1.3g、ステアリン酸0.4g、セトステアリルアルコール0.3g、親油型モノステアリン酸グリセリン0.3gおよびモノステアリン酸デカグリセリル1.5gを加温融解し、均一な油相を得た。次にジプロピレングリコール2.5g、粉末還元麦芽糖水飴2.0g、ポリエチレングリコール1.5g、メチルパラペン0.2gおよびL−アルギニン0.38gを精製水12.5gに入れ、加温溶解させ、均一な水相を得た。油相に水相を添加し、約80℃で5分間、単純攪拌機を用いて攪拌して乳化させ、その後約55℃まで冷却させた。カルボキシビニルポリマー(商品名:UltreZ10、Bfgoodrich社製)0.35gを74.57gの精製水に分散させ、約55℃で攪拌させ高分子溶液を得た。上記の乳化液にこの高分子溶液を加え、15分間攪拌した。35℃付近で6−パルミトイル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸2.5gを添加し、均一になるまで攪拌し、ゲル状の乳化組成物100gを得た。
(比較例2)
A−CPの代わりにカルボキシビニルポリマー0.5gを用いた以外は、実施例2と同様にしてゲル状乳化組成物100gを得た。
(比較例3)
水酸化ナトリウムの代わりにL−アルギニン1gを使用した以外は、実施例1とほぼ同様にして、ゲル状乳化組成物100gを得た。
(試験例1)
実施例1〜4および比較例1〜3で調製した組成物の性状を目視検査し、さらに適量を手の甲に塗り使用感を比較した。
その結果、実施例1〜3の組成物は白色ゲル状のクリームであり、手の甲に均一に塗布することができ使用感は良好であった。実施例4の組成物は白色ゲル状のクリームであったが、実施例1〜3の組成物と比較するとつやがなく、手に塗布したときにややべとつき感を感じた。比較例1および2の組成物は、ゲル化せず液状のままでクリーム状にすることができなかった。比較例3の組成物は、ゲル化せず成分が分離した液剤となってしまった。したがって比較例1〜3の組成物では、使用感を確認することができなかった。
以上の結果から、カルボキシビニルポリマーの代わりにA−CPを使用した場合に、良好な6−パルミトイル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸のゲル状組成が得られることが明らかとなった。
(試験例2)
実施例1、3、5および6の方法で製造したゲル状組成物を、45および50℃で1カ月間保存した。保存開始前、1カ月後にそれぞれのサンプルの性状を目視で検査し、それぞれのサンプルの10%水溶液を調製してpHを測定した。また、スプレッドメーターを用いて、展延性を測定しゲルの固さを評価した。展延性は、測定開始60秒後の組成物の直径を、直交する縦軸と横軸の平均値から算出した。
1ヶ月保存後の展延性の変化(mm)
冷所 45℃ 50℃
実施例1 53 51 51
実施例3 43 42 42
実施例5 44 43 43
実施例6 50 48 48
2ヶ月保存後の展延性の変化(mm)
冷所 45℃ 50℃
実施例1 54 49 52
実施例3 42 43 43
実施例5 40 42 44
実施例6 48 47 49
1ヶ月保存後のpHの変化
冷所 45℃ 50℃
実施例1 7.6 7.5 7.5
実施例3 6.2 6.2 6.1
実施例5 6.3 6.3 6.3
実施例6 6.4 6.3 6.3

2ヶ月保存後のpHの変化
冷所 45℃ 50℃
実施例1 7.6 7.5 7.5
実施例3 6.2 6.2 6.2
実施例5 6.3 6.3 6.3
実施例6 6.4 6.3 6.3
各処方例の性状は、白色ゲル状のクリームであり、上記の条件で1カ月間保存しても変化はみられなかった。また、展延性およびpHにも変化は認められなかった。

Claims (8)

  1. 6−アシル−2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、pH調整剤および水を含む外用組成物。
  2. pH調整剤がアルカリ金属の水酸化物および/またはアルカノールアミンである請求項1に記載の外用組成物。
  3. アルキル変性カルボキシビニルポリマーを0.3〜1%含むことを特徴とする請求項1または2に記載の外用組成物。
  4. 外用組成物の性状がゲルである請求項1〜3のいずれかに1項に記載の外用組成物。
  5. 油成分および/または乳化剤を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の外用組成物。
  6. 油成分が炭化水素、高級アルコール、エステル油および脂溶性ビタミンからなる群から選ばれる1種以上である請求項5に記載の外用組成物。
  7. 乳化剤が非イオン性界面活性剤である請求項5に記載の外用組成物。
  8. 非イオン性界面活性剤がポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上である請求項7に記載の外用組成物。
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