JP2021035311A - マグネット式ロッドレスシリンダ - Google Patents
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Abstract
Description
この場合、ネジ軸の回転に伴って内部移動体が回転しないように、シリンダチューブ内で内部移動体の回転を規制する回り止め手段が設けられている。
この回り止め手段として、特許文献1に記載の電動式ロッドレスシリンダには、シリンダチューブである円筒体内に、内部移動体であるボールナットを貫通する回り止め部材を架設した構造が開示されている。
また、特許文献2に記載のアクチュエータには、シリンダチューブであるシリンダボディの内面に、軸線方向に沿って溝部を形成し、その溝部に、内部移動体であるピストンに設けた回り止め部材を嵌合させる構造が開示されている。
さらに、特許文献3に記載の電動アクチュエータには、シリンダチューブであるボディの内面に、軸線方向に沿って4つの溝を形成する一方、内部移動体であるピストンに、4つの突出部を備えた回転規制部材を装着して、突出部を溝に嵌合させる構造が開示されている。
一方、特許文献2,3のようにシリンダチューブの内面に溝を設ける構造の場合、シリンダチューブの剛性が低下しないようにシリンダチューブを肉厚にする必要が生じ、シリンダチューブが大径化して製品寸法の大型化に繋がる。また、シリンダチューブに余計な加工が必要となるため、コストアップも招くことになる。
回り止め手段を、シリンダ孔の内周面に沿って収容され、シリンダ孔の軸線方向と平行に延びるガイド部を備えた筒状の案内部材と、内部移動体に設けられてガイド部に係合する係合部とから形成したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、ガイド部は、案内部材の軸線方向全長に亘って設けられたスリットであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、シリンダ孔は密閉されて、内部に潤滑油が供給されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加えて、ガイド部を、案内部材の軸線方向全長に亘って設けられたスリットとしているので、内部移動体のより確実なガイドが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、上記効果に加えて、シリンダ孔を密閉して内部に潤滑油を供給しているので、効果的な潤滑が可能となり、補充や排出も容易に行える。
図1は、マグネット式ロッドレスシリンダの一例を示す正面図、図2はその拡大左側面図、図3はA−A線断面図、図4はピストン及びスライダ部分の拡大図である。
マグネット式ロッドレスシリンダ(以下単に「ロッドレスシリンダ」という。)1は、左右両端に、図示しない基台に支持されるエンドキャップ2とハウジング3とを有する。エンドキャップ2とハウジング3との左右の対向面間には、非磁性材料からなる直線状のシリンダチューブ4が架設されている。シリンダチューブ4の外側には、非磁性材料からなるスライダ5(外部移動体)が、シリンダチューブ4の貫通状態で左右方向へ相対移動可能に設けられている。
なお、ここでいう「非磁性材料」とは、アルミニウム等の非磁性金属の他、アルミニウム等の表面にコーティング処理を施したものや、セラミック、SUS(ステンレス鋼)、樹脂材料に特殊表面コーティングを施したもの等も含む。以下に登場する場合も同じである。
また、シリンダ孔6の内部には、ネジ軸としてのボールネジ7が、シリンダ孔6と同軸で回転可能に収容されている。このボールネジ7は、左端部が、エンドキャップ2に設けた受け部材8に軸受9を介して支持され、右端部が、ハウジング3に軸受10を介して支持されている。ハウジング3の右側には、モータ12を収容したモータボックス11が結合されて、モータ12の出力軸13が、ハウジング3内でカップリング14を介してボールネジ7の右端部と結合されている。
そして、ピストン17の径方向外側で連結ピン16より右側には、係合ブロック21が、径方向外側へ突出する向きで取り付けられている。
この案内部材22は、シリンダチューブ4よりも肉厚の非磁性材料からなり、スリット23に、ハウジング3にピン24を介して結合された右回り止めブロック25が係合することで、シリンダチューブ4内で回転規制されている。右回り止めブロック25より左側でハウジング3の左端部には、ピストン17が当接するストッパ26が設けられている。
エンドキャップ2側では、受け部材8がボルト27によってエンドキャップ2へ回転可能に取り付けられており、この受け部材8にピン28を介して結合された左回り止めブロック29が、案内部材22のスリット23に係合している。エンドキャップ2の取付時には、受け部材8を周方向へ回転させて左回り止めブロック29をスリット23へ容易に係合させることができる。
こうしてシリンダチューブ4内で回転規制される案内部材22のスリット23に、ピストン17に設けた係合ブロック21が係合することで、ボールナット15及びピストン17は、回り止めされた状態でシリンダ孔6の軸線方向へのみ往復動可能となっている。
スライダ5の貫通孔30内には、シリンダチューブ4の周囲を囲むドーナツ状のアウタマグネット33,33・・と、同形状のアウタヨーク34,34・・とが軸線方向へ交互に並設されている。このアウタマグネット33とアウタヨーク34とは、左右に配置した筒状のホルダ35,35と、その左右外側の止め輪36,36とにより、スライダ5内で固定されている。ホルダ35,35の径方向内側には、樹脂製のアウタウェアリング37が設けられ、その左右外側には、ゴム製のスクレーパ38,38が設けられている。
アウタマグネット33の磁極は、軸線方向で同極同士が対向し、且つピストン17のインナマグネット18の磁極とは異極同士が対向するように、NS,SN,NS,SNと配設されている。よって、ピストン17とスライダ5とは、インナマグネット18とアウタマグネット33との磁気結合力によってシリンダチューブ4越しに一体化されることになる。
このとき、ピストン17のインナウェアリング20,20は、案内部材22の内周面の全周に亘って摺接する。案内部材22は、シリンダ孔6の内周面の略全周に亘って当接しているので、ピストン17が往復動する際の負荷は、筒状の案内部材22の全体を介してシリンダチューブ4で受けられる。よって、好適な耐久性が得られる。
また、シリンダ孔6は密閉されて、内部に潤滑油が供給されているので、効果的な潤滑が可能となり、補充や排出も容易に行える。
内部移動体の係合部も、上記形態のような1つの係合ブロックに限らず、シリンダ孔の軸線方向に複数の係合ブロックを配置したり、ブロックでなく軸線方向に延びるキーとしたりしても差し支えない。また、別体のブロックやキーを用いず、ピストンに直接係合部を突設してガイド部に係合させてもよい。
Claims (3)
- 直線状のシリンダチューブに形成した横断面円形のシリンダ孔内に、回転駆動するネジ軸と、前記ネジ軸にねじ送りされる内部移動体と、前記内部移動体の回り止め手段とがそれぞれ収容される一方、
前記シリンダチューブの外側に、前記内部移動体と磁気結合される外部移動体が設けられるマグネット式ロッドレスシリンダであって、
前記回り止め手段を、前記シリンダ孔の内周面に沿って収容され、前記シリンダ孔の軸線方向と平行に延びるガイド部を備えた筒状の案内部材と、
前記内部移動体に設けられて前記ガイド部に係合する係合部とから形成したことを特徴とするマグネット式ロッドレスシリンダ。 - 前記ガイド部は、前記案内部材の軸線方向全長に亘って設けられたスリットであることを特徴とする請求項1に記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
- 前記シリンダ孔は密閉されて、内部に潤滑油が供給されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
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