JP2021035141A - 直流電源装置、モータ駆動装置および空気調和機 - Google Patents

直流電源装置、モータ駆動装置および空気調和機 Download PDF

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Abstract

【課題】スイッチング素子を用いた整流回路と並列に負荷が接続された場合において、整流回路を安定して動作させることが可能な直流電源装置を得ること。【解決手段】複数のスイッチング素子を用いて交流電力を整流し、直流電力を負荷10に出力する整流回路4と、交流電源1と整流回路4との間において、整流回路4と並列に負荷15を接続可能な並列負荷接続部12と、交流電源1と並列負荷接続部12との間において、負荷15が接続されている場合は整流回路4および負荷15に流れる電流の電流値を検出し、負荷15が接続されていない場合は整流回路4に流れる電流の電流値を検出する電流検出部2と、並列負荷接続部12と負荷15とが接続可能な場合は並列負荷接続部12と負荷15との接続を制御可能であって、電流検出部2の検出値に基づいて、スイッチング素子の動作を制御する制御部11と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、交流電力を直流電力に変換する直流電源装置、モータ駆動装置および空気調和機に関する。
従来、整流ダイオードの代わりにMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)などの半導体スイッチであるスイッチング素子を用いた整流回路を備え、整流回路より交流電源側に電流検出回路を備える直流電源装置がある。特許文献1には、直流電源装置が、スイッチング素子の寄生ダイオードに電流が流れるタイミングに同期させてスイッチング素子を開閉制御することで、導通損失を低減する技術が開示されている。特許文献1に記載の直流電源装置は、同期整流制御において、電流検出回路で検出された整流回路に流れる直流電流の電流値をスイッチング素子の開閉制御に使用し、電流値の絶対値が電流閾値を超えるタイミングに応じて開閉を切り替える。これにより、特許文献1に記載の直流電源装置は、効率良く同期整流制御を実施する。
特開2012−143154号公報
しかしながら、特許文献1に記載の直流電源装置の回路構成では、電流検出回路と整流回路との間に整流回路と並列に負荷が接続されると、電流検出回路は、整流回路に流れる直流電流の電流値と負荷に流れる直流電流の電流値との合計電流値を検出することになる。この場合、電流検出回路の検出値が整流回路に流れる直流電流の電流値よりも大きくなり、検出値が整流回路に対して設定された電流閾値を超えるタイミングが期待したタイミングとずれ、スイッチング素子の開閉のタイミングが期待したタイミングと異なってしまう。そのため、整流回路の前段に交流電源が接続され、整流回路の後段にコンデンサが接続される一般的な回路構成において、コンデンサの両端電圧が交流電源の電源電圧を上回る場合、コンデンサから交流電源へ不適切な回生電流が流れてしまう可能性がある、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スイッチング素子を用いた整流回路と並列に負荷が接続された場合において、整流回路を安定して動作させることが可能な直流電源装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る直流電源装置は、複数のスイッチング素子を用いて、交流電源から出力される交流電力を整流し、整流後の直流電力を第1の負荷に出力する整流回路と、交流電源と整流回路との間において、整流回路と並列に第2の負荷を接続可能な並列負荷接続部と、交流電源と並列負荷接続部との間において、並列負荷接続部に第2の負荷が接続されている場合は整流回路および第2の負荷に流れる電流の電流値を検出し、並列負荷接続部に第2の負荷が接続されていない場合は整流回路に流れる電流の電流値を検出する電流検出部と、並列負荷接続部と第2の負荷とが接続可能な場合は並列負荷接続部と第2の負荷との接続を制御可能であって、電流検出部の検出値に基づいて、スイッチング素子の動作を制御する制御部と、を備える。
本発明に係る直流電源装置は、スイッチング素子を用いた整流回路と並列に負荷が接続された場合においても、整流回路を安定して動作させることができる、という効果を奏する。
実施の形態1に係る直流電源装置の構成例を示す図 実施の形態1に係る直流電源装置に流れる各電流の電流波形および各スイッチング素子のオンオフのタイミングを示す図 実施の形態1に係る直流電源装置が同期整流制御に使用する電流閾値を設定する動作を示すフローチャート 実施の形態1に係る直流電源装置が備える制御部を実現するハードウェア構成の一例を示す図 実施の形態2に係る直流電源装置が同期整流制御に使用する電流閾値を設定する動作を示すフローチャート 実施の形態3に係る直流電源装置の構成例を示す図 実施の形態3に係る直流電源装置に流れる各電流の電流波形および各スイッチング素子のオンオフのタイミングを示す図 実施の形態4に係る直流電源装置の構成例を示す図 実施の形態5に係るモータ駆動装置の構成例を示す図 実施の形態6に係る空気調和機の構成例を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係る直流電源装置、モータ駆動装置および空気調和機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る直流電源装置100の構成例を示す図である。直流電源装置100は、交流電源1および負荷10に接続される。交流電源1は、直流電源装置100に交流電力を供給する。交流電源1は、一般的な商用電源であるが、これに限定されない。図1に示す交流電源1の電源電圧Vsの矢印の方向を正極とする。負荷10は、例えば、圧縮機、ファンなどを駆動するモータ、またはモータを駆動するインバータなどであるが、これらに限定されない。直流電源装置100は、交流電源1から出力される交流電力を直流電力に変換し、負荷10に出力する。以降の説明において、負荷10を第1の負荷と称することがある。
直流電源装置100の構成について説明する。直流電源装置100は、電流検出部2と、リアクタ3と、整流回路4と、コンデンサ9と、制御部11と、並列負荷接続部12と、スイッチ14と、負荷15と、を備える。なお、直流電源装置100は、交流電源1と電流検出部2との間に、電源オンオフ切替用途、および過電流時に強制遮断する用途で、交流電源1の遮断用スイッチ、すなわちブレーカーを備えていてもよい。
電流検出部2は、交流電源1と並列負荷接続部12との間に設置されている。電流検出部2は、並列負荷接続部12に負荷15が接続されている場合は整流回路4に流れる電流Irおよび負荷15に流れる電流Ilの合計電流である電流Isの電流値を検出する。電流検出部2は、並列負荷接続部12に負荷15が接続されていない場合は整流回路4に流れる電流Irである電流Isの電流値を検出する。電流Is、電流Ir、および電流Ilについては、図1に示す矢印の方向を正方向とする。なお、電流Isを一次電流と称することがある。電流検出部2は、例えば、カレントトランス、シャント抵抗などの電流検出素子、および電流検出素子で検出された電流Isの検出値を制御部11が取り扱い可能な範囲内の電圧に変換して出力する増幅器によって構成されるが、電流検出部2の構成はこれに限定されない。
リアクタ3は、力率改善を行うために挿入しており、リアクタ3を挿入することで交流電源1から出力される電流Isの通流期間を延ばすことで力率改善を行うことが可能となる。また特許文献1の図5に記載のように、リアクタ3を交流電源1に対して短絡するスイッチングを行うことで更なる力率改善、および整流回路4の出力電圧(直流電圧)を昇圧することも可能である。
整流回路4は、スイッチング素子S1〜S4を備える。スイッチング素子S1〜S4は、例えば、MOSFETなどの半導体スイッチ5〜8である。半導体スイッチ5〜8には各々ダイオード5a〜8aが接続されているが、ダイオード5a〜8aは、MOSFETに存在する寄生ダイオードであってもよいし、別途接続されるダイオードであってもよい。スイッチング素子S1〜S4のオンオフは、制御部11によって制御される。整流回路4は、スイッチング素子S1〜S4を用いて電力変換を行う。具体的には、整流回路4は、交流電源1から出力される交流電力を整流し、整流後の直流電力を、コンデンサ9を介して負荷10に出力する。整流回路4は、スイッチング素子S1〜S4が全てオフの状態では、ダイオード5a〜8aによってブリッジ整流器の構成となる。整流回路4では、ダイオード5a〜8aに電流が流れる場合、ダイオード5a〜8aの順方向損失およびリカバリー損失によって変換効率が低下することになる。
ここで、スイッチング素子S1〜S4には、シリコンを用いた半導体素子を始め、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などを代表としたワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子が用いられる。また、スイッチング素子S1〜S4としては、MOSFETの他に、スーパージャンクションMOSFETなどが用いられる。ダイオード5a〜8aについても、シリコン、炭化珪素(SiC)などの材料が用いられる。ダイオード5a〜8aには、通常の整流ダイオード、リカバリー特性の良いファストリカバリ品、ショットキーバリアダイオードなどが用いられる。
コンデンサ9は、整流回路4による電力変換後の直流電力の電圧を平滑化するためのコンデンサである。コンデンサ9は、例えば、電界コンデンサである。コンデンサ9の両端には、負荷10が接続されている。
制御部11は、電流検出部2で検出された電流Isの電流値に基づいて、整流回路4が備えるスイッチング素子S1〜S4の動作を制御する。以降の説明において、電流検出部2で検出された電流Isの電流値を検出値と称することがある。本実施の形態では、制御部11は、交流電源1の電源電圧Vsの極性に基づいて整流回路4のスイッチング素子S1,S2のオンオフを制御し、交流電源1の電流Isの電流値、すなわち電流検出部2の検出値に基づいて整流回路4のスイッチング素子S3,S4のオンオフを制御する。また、制御部11は、電流検出部2の検出値に基づいて、負荷10の動作を制御する。また、制御部11は、スイッチ14のオンオフを制御する。すなわち、制御部11は、並列負荷接続部12と負荷15とが接続可能な場合は並列負荷接続部12と負荷15との接続を、スイッチ14をオンオフすることによって制御することができる。なお、図1に示す直流電源装置100では、制御部11が整流回路4および負荷10を直接制御しているが、一例であり、これに限定されない。直流電源装置100は、整流回路4を駆動するための駆動部、および負荷10を駆動するための駆動部を備えていてもよい。この場合、制御部11は、制御信号を生成して各駆動部に出力する。各駆動部は、制御部11から取得した制御信号に基づいて、駆動信号を生成して出力する。
並列負荷接続部12は、電流検出部2とリアクタ3との間において、整流回路4と並列に、スイッチ14を介して負荷15を接続可能な接続部である。並列負荷接続部12は、例えば、直流電源装置100が実装される基板において、スイッチ14を介して負荷15と接続可能なように設けられたパターン、コネクタなどである。
スイッチ14は、整流回路4に対して並列に負荷15を接続させるか否かを制御するためのブレーカーなどのスイッチである。スイッチ14は、並列負荷接続部12と負荷15との間において、制御部11によってオンオフの切り替えが可能なスイッチである。
負荷15は、インダクタンス成分16および抵抗成分17を備える。負荷15は、例えば、直流電源装置100に対してオプションとして接続可能な部品である。負荷15は、スイッチ14を介して並列負荷接続部12に接続される。直流電源装置100において、スイッチ14および負荷15は、電流検出部2の後段で整流回路4に対して並列に接続される。以降の説明において、負荷15を第2の負荷と称することがある。
つづいて、直流電源装置100の動作について説明する。直流電源装置100において、制御部11は、前述のように電流検出部2の検出値に基づいて、整流回路4のスイッチング素子S3,S4のオンオフを制御する。具体的には、制御部11は、電流検出部2の検出値の絶対値が電流閾値以上になっている期間において、スイッチング素子S3またはスイッチング素子S4の一方をオンする。しかしながら、電流検出部2は、図1に示すように、負荷15が接続されていない場合は整流回路4に流れる電流Irの電流値を電流Isの電流値として検出するが、負荷15が接続されている場合は整流回路4に流れる電流Irおよび負荷15に流れる電流Ilの合計電流である電流Isの電流値を検出する。そのため、電流検出部2は、負荷15が接続されている場合、整流回路4に流れる電流Irの電流値のみを検出できない。この場合、電流Isには電流Irの他に電流Ilが含まれるため、制御部11は、電流Isの検出値と、整流回路4に流れる電流Irに対して設定された電流閾値とを比較しても、電流Irが電流閾値以上になるタイミング、および電流Irが電流閾値未満になるタイミングを正確に判断することができない。
ここで、直流電源装置100が空気調和機などの電気製品で使用されることを想定した場合、オプションとして接続される負荷15は、予め想定された既知の部品である。直流電源装置100では、制御部11がスイッチ14のオンオフを制御することで、負荷15の接続を操作することができる。そのため、制御部11は、直流電源装置100の内部で負荷15が接続されている場合、負荷15の特性、すなわち負荷15の種類に応じて、電流検出部2で検出される電流Isの検出値と比較するための電流閾値を設定する。制御部11は、予め同期整流制御に使用する初期設定の電流閾値を保持しており、負荷15が接続されている場合、電流検出部2の検出値に対する電流閾値を、初期設定の電流閾値から変更する。制御部11は、並列負荷接続部12にスイッチ14を介して負荷15が接続されている場合、負荷15の状態に応じて整流回路4のスイッチング素子S1〜S4の動作を制御する。
図2は、実施の形態1に係る直流電源装置100に流れる各電流の電流波形および各スイッチング素子S1〜S4のオンオフのタイミングを示す図である。図2において、1段目は交流電源1の電源電圧Vsを示し、2段目は整流回路4に流れる電流Irを示し、3段目は負荷15に流れる電流Ilを示し、4段目は交流電源1から電流検出部2に流れる電流Isを示す。前述のように、電流Is=電流Ir+電流Ilである。また、図2において、5段目は交流電源1の電源電圧Vsの極性を表わす電源極性信号を示し、6〜9段目は制御部11から各スイッチング素子S1〜S4への駆動信号を示す。制御部11は、例えば、交流電源1の電源電圧Vsの極性を検知する図示しない検出器から電源極性信号を取得できるが、電源極性信号を取得する方法はこれに限定されない。また、図2において、a〜fは電流閾値を示し、A〜Nは制御部11の制御に関連するタイミングを示す。なお、電流Irに対する電流閾値aおよび電流Isに対する電流閾値dは同じ値であり、電流Irに対する電流閾値bおよび電流Isに対する電流閾値eは同じ値である。
制御部11は、制御信号によってスイッチ14をオン状態にして負荷15を整流回路4と並列に接続した場合、図2に示すように、電流Isに対する電流閾値d,eを、電流閾値c,fに変更する。電流閾値cは、電流Irが本来の電流閾値aと重なるタイミングを信号切替のタイミングC,Eとした場合、タイミングC,Eにおける電流Isの絶対値の大きい方である。同様に、電流閾値fは、電流Irが本来の電流閾値bと重なるタイミングを信号切替のタイミングI,Kとした場合、タイミングI,Kにおける電流Isの絶対値の大きい方である。
図2に示すように、負荷15のインダクタンス成分16およびその他のインダクタンス成分の影響によって電流Ilの位相が遅れ、その影響により電流Isの位相も電源電圧Vsの位相に比べて遅れる。また、電流Isは、電流Irと電流Ilとの合計電流のため、電流Irと比較して増加する。このような状況を前提として、交流電源1の電源電圧Vsの極性が正の場合、すなわち半周期のみを抜粋して説明する。整流回路4の出力側から入力側に不要な回生を行われない条件として、電流Irが流れているときはスイッチング素子S4の駆動信号をH信号に、流れていないときはスイッチング素子S4の駆動信号をL信号にする必要がある。上記の条件を満たす方法として、本来のスイッチング素子S4の駆動信号の切替タイミングであるタイミングC,Eにおける電流Isを観測し、絶対値が大きい方を電流閾値として設定する。ただし、電流Irの位相が電源電圧Vsの位相と比較して90度以上遅れないものとする。この結果、電流Irが適切な方向に流れている区間においてスイッチング素子S4はオン状態となり、また、電流Irが流れていない区間においてスイッチング素子S4はオフ状態となる。これにより、直流電源装置100は、不要な回生が行われないため、低損失かつ安定な電力変換を行うことができる。
図2に示すように、交流電源1の電源投下前において、スイッチング素子S1〜S4は、駆動信号としてL信号が入力されているためドレインソース間は高インピーダンス状態である。なお、スイッチング素子S1〜S4は、Hアクティブのため、H信号入力時にオン状態でドレインソース間は低インピーダンス状態となり、L信号入力時にオフ状態でドレインソース間は高インピーダンス状態となる。交流電源1の電源が投下され、電源極性が正の場合、デッドタイム経過後のタイミングAで制御部11からスイッチング素子S1に駆動信号としてH信号が入力される。
電流Isが正方向に流れ始めると、電流Isが正方向の電流閾値c以上になるまでの区間において、整流回路4では、電流Irがダイオード5a,8aを流れるため、ダイオード5a,8aによる損失が発生する。直流電源装置100では、図2において電流Isが電流閾値c以上になるタイミングBで制御部11からスイッチング素子S4に駆動信号としてH信号が入力される。すなわち、図1において、スイッチング素子S1,S4がオン状態であり、スイッチング素子S2,S3がオフ状態である。整流回路4では、電流Irがスイッチング素子S1,S4の半導体スイッチ5,8のドレインソース間を流れるため、ダイオード5a,8aによる損失は発生しない。直流電源装置100では、図2において電流Isが電流閾値c未満になるタイミングDで制御部11からスイッチング素子S4に駆動信号としてL信号が入力される。すなわち、図1において、スイッチング素子S4がオフ状態となる。整流回路4では、電流Irが0Aになるまでダイオード5a,8aを流れるため、ダイオード5a,8aによる損失が発生する。
直流電源装置100では、交流電源1の電源極性が正から負に変化するときにアーム短絡による部品破壊を防ぐため、デッドタイムが設けられている。タイミングFで制御部11からスイッチング素子S1に駆動信号としてL信号が入力され、スイッチング素子S1がオフ状態となる。デッドタイム経過後のタイミングGで制御部11からスイッチング素子S2に駆動信号としてH信号が入力され、スイッチング素子S2がオン状態となる。これにより、スイッチング素子S1,S2のオンオフが反転する。
電流Isが負方向に流れ始めると、電流Isが負方向の電流閾値f以下になるまでの区間において、整流回路4では、電流Irがダイオード6a,7aを流れるため、ダイオード6a,7aによる損失が発生する。直流電源装置100では、図2において電流Isが電流閾値f以下になるタイミングHで制御部11からスイッチング素子S3に駆動信号としてH信号が入力される。すなわち、図1において、スイッチング素子S2,S3がオン状態であり、スイッチング素子S1,S4がオフ状態である。整流回路4では、電流Irがスイッチング素子S2,S3の半導体スイッチ6,7のドレインソース間を流れるため、ダイオード6a,7aによる損失は発生しない。直流電源装置100では、図2において電流Isが電流閾値fを超えるタイミングJで制御部11からスイッチング素子S3に駆動信号としてL信号が入力される。すなわち、図1において、スイッチング素子S3がオフ状態となる。整流回路4では、電流Irが0Aになるまでダイオード6a,7aを流れるため、ダイオード6a,7aによる損失が発生する。
直流電源装置100では、交流電源1の電源極性が負から正に変化するときにアーム短絡による部品破壊を防ぐため、デッドタイムが設けられている。タイミングLで制御部11からスイッチング素子S2に駆動信号としてL信号が入力され、スイッチング素子S2がオフ状態となる。
直流電源装置100は、負荷10を駆動中、上記の動作を繰り返し実施する。これにより、直流電源装置100は、整流回路4の出力側から入力側への不要な回生動作を回避し、安定かつ高効率に交直の電力変換を行うことが可能となる。
直流電源装置100において、制御部11は、負荷15の特性、すなわち負荷15の種類に応じた電流閾値を予め保持しておくこととする。電流閾値については、直流電源装置100の設計者などが、想定される負荷15が接続された場合の直流電源装置100の動作に基づいて、負荷15ごとの電流閾値を設定する。具体的には、負荷15が接続されていないときの電流閾値をIth1とし、負荷15が接続されているときの電流閾値をIth2とすると、「Ith2=Ith1+ΔI」となる。なお、負荷15が接続されていないときはΔI=0とし、負荷15が接続されているときはΔI>0としてもよい。直流電源装置100の設計者は、交流電源1からの電源電圧Vsの電圧値および周波数、整流回路4の動作状態、負荷10の動作状態などに応じて、シミュレーションまたは実測によって、負荷15ごとに複数の電流閾値を設定し、制御部11に保持させてもよい。
制御部11は、仮に、電流検出部2で検出された電流Isの検出値と、本来の電流Irに対する電流閾値aに対応する電流閾値dとを比較した結果に基づいてスイッチング素子S4を制御する場合、電流Isが電流閾値d以上になるタイミングMでスイッチング素子S4をオンし、電流Isが電流閾値d未満になるタイミングFでスイッチング素子S4をオフすることになる。同様に、制御部11は、仮に、電流検出部2で検出された電流Isの検出値と、本来の電流Irに対する電流閾値bに対応する電流閾値eとを比較した結果に基づいてスイッチング素子S3を制御する場合、電流Isが電流閾値e以下になるタイミングNでスイッチング素子S3をオンし、電流Isが電流閾値eを超えるタイミングLでスイッチング素子S3をオフすることになる。本実施の形態では、制御部11は、前述のように、負荷15の特性、すなわち負荷15の種類に応じて、電流Isと比較するための電流閾値を変更する。これにより、制御部11は、タイミングMからタイミングFの間でスイッチング素子S4をオンさせる事態を回避し、タイミングNからタイミングLの間でスイッチング素子S3をオンさせる事態を回避することができる。
直流電源装置100における上記の動作を、フローチャートを用いて説明する。図3は、実施の形態1に係る直流電源装置100が同期整流制御に使用する電流閾値を設定する動作を示すフローチャートである。直流電源装置100において、制御部11は、スイッチ14を介して負荷15が並列負荷接続部12に、すなわち整流回路4の前段に接続されているか否かを判定する(ステップST1)。制御部11は、負荷15が接続されている場合(ステップST1:Yes)、接続されている負荷15の種類に応じた電流閾値に変更する(ステップST2)。制御部11は、負荷15が接続されていない場合(ステップST1:No)、電流閾値を変更せず(ステップST3)、初期設定の電流閾値を使用する。
つづいて、直流電源装置100が備える制御部11のハードウェア構成について説明する。図4は、実施の形態1に係る直流電源装置100が備える制御部11を実現するハードウェア構成の一例を示す図である。制御部11は、プロセッサ201およびメモリ202により実現される。
プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)、またはシステムLSI(Large Scale Integration)である。メモリ202は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)といった不揮発性または揮発性の半導体メモリを例示できる。また、メモリ202は、これらに限定されず、磁気ディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)でもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、直流電源装置100は、スイッチング素子S1〜S4を用いた整流回路4の前段に、整流回路4と並列に負荷15が接続されている場合、整流回路4および負荷15に流れる合計電流を検出する電流検出部2の検出値に対する電流閾値を、負荷15の特性に応じて変更することとした。これにより、直流電源装置100は、整流回路4に流れる電流Irの電流値に対して電流検出部2の検出値が変化する場合でも、整流回路4を安定して動作させることができる。直流電源装置100は、整流回路4に対してコンデンサ9から交流電源1への不用意な回生が行われることで発生する出力電圧の乱れ、リンギングなどを回避でき、安定かつ低損失な交直の電力変換を行うことができる。
なお、直流電源装置100は、商用電源である交流電源1から得られる交流電力を直流電力に変換する際に用いる整流回路4だけでなく、その他の整流回路においても適用可能である。以降の実施の形態の直流電源装置についても同様である。
また、直流電源装置100は、並列負荷接続部12は直流電源装置100が実装される基板においてスイッチ14を介して負荷15と接続可能なように設けられたパターン、コネクタなどであることから、同一の基板を用いて、スイッチ14および負荷15を備えない構成にすることも可能である。これにより、直流電源装置100は、負荷15の有無に係わらず、共通の基板を用いることができる。
また、直流電源装置100は、スイッチ14が実装されるパターンの部分を短絡することで、スイッチ14を備えない構成にすることも可能である。この場合、直流電源装置100において制御部11は、負荷15が接続されている場合は予め負荷15の種類に応じた電流閾値を使用し、負荷15が接続されていない場合は予め初期設定の電流閾値を使用する。
実施の形態2.
実施の形態1では、制御部11は、並列負荷接続部12に接続される負荷15の種類に応じた電流閾値を予め保持していた。実施の形態2では、制御部11が、電流閾値を変更するごとに、電流閾値を算出する場合について説明する。
実施の形態2の直流電源装置100の構成は、実施の形態1のときの構成と同様である。実施の形態2では、制御部11による電流閾値の設定動作が実施の形態1のときの動作と異なる。図5は、実施の形態2に係る直流電源装置100が同期整流制御に使用する電流閾値を設定する動作を示すフローチャートである。直流電源装置100において、制御部11は、スイッチ14を介して負荷15が並列負荷接続部12に、すなわち整流回路4の前段に接続されているか否かを確認する(ステップST11)。制御部11は、負荷15が接続されている場合(ステップST11:Yes)、整流回路4に流れる電流Irの絶対値が本来の電流閾値以上になる第1のタイミングにおける電流検出部2の第1の検出値の絶対値と、整流回路4に流れる電流Irの絶対値が本来の電流閾値未満になる第2のタイミングにおける電流検出部2の第2の検出値の絶対値とを比較する(ステップST12)。図2の例では、タイミングC,Iが第1のタイミングに相当し、タイミングE,Kが第2のタイミングに相当する。第1のタイミングは、並列負荷接続部12にスイッチ14を介して負荷15が接続されていないときにおける、電流検出部2の検出値に応じて制御部11がスイッチング素子をオンするタイミングである。第2のタイミングは、並列負荷接続部12にスイッチ14を介して負荷15が接続されていないときにおける、電流検出部2の検出値に応じて制御部11がスイッチング素子をオフするタイミングである。
制御部11は、第1の検出値の絶対値の方が大きい場合(ステップST12:Yes)、電流閾値を第1の検出値の絶対値に変更する(ステップST13)。制御部11は、第2の検出値の絶対値の方が大きい場合(ステップST12:No)、電流閾値を第2の検出値の絶対値に変更する(ステップST14)。制御部11は、例えば、一時的にスイッチ14をオフ状態にして負荷15が接続されていないときの電流検出部2の電流Isすなわち電流Irの検出値を取得することによって、第1のタイミングおよび第2のタイミングを得ることができる。このように、制御部11は、第1のタイミングにおける検出値の絶対値および第2のタイミングにおける検出値の絶対値のうち大きい方を電流閾値とし、電流閾値に基づいて、スイッチング素子S3,S4の動作を制御する。制御部11は、負荷15が接続されていない場合(ステップST11:No)、電流閾値を変更せず(ステップST15)、初期設定の電流閾値を使用する。
実施の形態2における制御部11の電流閾値の求め方は、実施の形態1において直流電源装置100の設計者が予め電流閾値を設定する方法と同じ考え方である。実施の形態1では、負荷15ごとに予め電流閾値を設定していたが、負荷15を構成する部品のばらつきによっては、同じ種類の負荷15であっても実際の電流波形が異なってくる場合がある。実施の形態2では、直流電源装置100が、実際の電流値に基づいて電流閾値を設定することで、より安定かつ高効率に交直の電力変換を行うことが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、直流電源装置100は、スイッチング素子S1〜S4を用いた整流回路4の前段に、整流回路4と並列に負荷15が接続されている場合、整流回路4および負荷15に流れる合計電流を検出する電流検出部2の検出値に対する電流閾値を算出し、変更することとした。これにより、直流電源装置100は、実施の形態1と比較して、より整流回路4を安定して動作させることができる。直流電源装置100は、実施の形態1と比較して、より安定かつ低損失な交直の電力変換を行うことができる。
実施の形態3.
実施の形態1,2では、並列負荷接続部12の位置、すなわち負荷15が接続される位置は電流検出部2とリアクタ3との間であった。実施の形態3では、並列負荷接続部12の位置、すなわち負荷15が接続される位置が、リアクタ3と整流回路4との間になる。具体的に、実施の形態1の場合を例にして説明する。
図6は、実施の形態3に係る直流電源装置100aの構成例を示す図である。直流電源装置100aは、実施の形態1の直流電源装置100に対して、並列負荷接続部12の位置をリアクタ3の前段から後段に変更したものである。すなわち、直流電源装置100aでは、整流回路4および負荷15はリアクタ3の後段で並列に接続される。直流電源装置100aではリアクタ3の後段で負荷15が接続されるため、電流Ilは、リアクタ3の影響を受けて位相が遅れることが予想される。
図7は、実施の形態3に係る直流電源装置100aに流れる各電流の電流波形および各スイッチング素子S1〜S4のオンオフのタイミングを示す図である。直流電源装置100aにおける制御部11の動作は、実施の形態1の直流電源装置100の制御部11の動作と同様である。ただし、図2に示す実施の形態1の電流Ilと図7に示す実施の形態3の電流Ilとを比較すると、図7に示す実施の形態3の電流Ilは、図2に示す実施の形態1の電流Ilよりもピークのタイミングが遅れている。この結果、図2に示す実施の形態1の電流Isと図7に示す実施の形態3の電流Isとを比較すると、同様に、実施の形態3の電流Isは、実施の形態1の電流Isよりもピークのタイミングが遅れている。しかしながら、実施の形態1のときと同様の手法によって、直流電源装置100aの設計者などが、想定される負荷15が接続された場合の直流電源装置100aの動作に基づいて、負荷15ごとの電流閾値を設定することができる。直流電源装置100aは、図3に示す実施の形態1のときの直流電源装置100の動作のフローチャートと同様の手順によって、電流閾値を設定することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、直流電源装置100aは、スイッチング素子S1〜S4を用いた整流回路4の前段かつリアクタ3の後段に、整流回路4と並列に負荷15が接続されている場合においても、実施の形態1,2のときと同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
実施の形態1から実施の形態3では、制御部11は、スイッチ14のオンオフを制御できることから、負荷15が接続されているか否かを判断することができた。実施の形態4では、ユーザが手動でオンオフするスイッチを用いる場合について説明する。
図8は、実施の形態4に係る直流電源装置100bの構成例を示す図である。直流電源装置100bは、実施の形態1の直流電源装置100に対して、スイッチ14をスイッチ14aに置き換えたものである。図8に示す構成では、制御部11は、スイッチ14aがオンされているのかオフされているのかが判断できない。この場合、直流電源装置100bのユーザがスイッチ14aのオンオフ状態の情報を制御部11に与えることによって、制御部11は、実施の形態1から実施の形態3のときと同様の制御を行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、直流電源装置100bは、スイッチ14の代わりにスイッチ14aを備える場合においても、スイッチ14aのオンオフ状態の情報をユーザから取得することで、実施の形態1から実施の形態3のときと同様の効果を得ることができる。
実施の形態5.
実施の形態5では、実施の形態1で説明した直流電源装置100を備えるモータ駆動装置について説明する。なお、実施の形態1で説明した直流電源装置100を例にして説明するが、実施の形態2の直流電源装置100、実施の形態3の直流電源装置100a、および実施の形態4の直流電源装置100bについても適用可能である。
図9は、実施の形態5に係るモータ駆動装置101の構成例を示す図である。モータ駆動装置101は、負荷であるモータ42を駆動する。モータ駆動装置101は、実施の形態1の直流電源装置100と、インバータ41と、モータ電流検出部44と、インバータ制御部43とを備える。インバータ41は、直流電源装置100に接続される負荷10に相当する。インバータ41は、直流電源装置100から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ42へ出力することにより、モータ42を駆動する。なお、モータ駆動装置101の負荷がモータ42である場合の例を説明しているが、一例であり、インバータ41に接続される機器は、交流電力が入力される機器であればよく、モータ42以外の機器でもよい。
インバータ41は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)をはじめとするスイッチング素子を、3相ブリッジ構成または2相ブリッジ構成とした回路である。インバータ41に用いられるスイッチング素子は、IGBTに限定されず、ワイドバンドギャップ半導体で構成されたスイッチング素子、IGCT(Integrated Gate Commutated Thyristor)、FET(Field Effect Transistor)またはMOSFETでもよい。
モータ電流検出部44は、インバータ41とモータ42との間に流れる電流を検出する。インバータ制御部43は、モータ電流検出部44で検出された電流を用いて、モータ42が所望の回転数にて回転するように、インバータ41内のスイッチング素子を駆動するためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成してインバータ41へ印加する。インバータ制御部43は、制御部11と同様に、プロセッサおよびメモリにより実現される。なおモータ駆動装置101のインバータ制御部43と、直流電源装置100の制御部11は、1つの回路で実現してもよい。
直流電源装置100がモータ駆動装置101に用いられる場合、インバータ41の制御に必要な母線電圧Vdcが、モータ42の運転状態に応じて変化する。一般に、モータ42の回転数が高回転になる程、インバータ41の出力電圧を高くする必要がある。このインバータ41の出力電圧の上限は、インバータ41への入力電圧、すなわち直流電源装置100の出力である母線電圧Vdcにより制限される。インバータ41からの出力電圧が、母線電圧Vdcにより制限される上限を超えて飽和する領域を過変調領域と呼ぶ。
このようなモータ駆動装置101において、モータ42が低回転の範囲、すなわち過変調領域に到達しない範囲では、母線電圧Vdcを昇圧させる必要はない。一方、モータ42が高回転となった場合には、母線電圧Vdcを昇圧させることで、過変調領域をより高回転側にすることができる。これにより、モータ42の運転範囲を高回転側に拡大できる。
また、モータ42の運転範囲を拡大する必要がなければ、その分、モータ42が備える固定子への巻線の巻数を増やすことができる。巻線の巻数を増やすことにより、低回転の領域では、巻線の両端に発生するモータ電圧が高くなり、その分、巻線に流れる電流が低下するため、インバータ41内のスイッチング素子のスイッチング動作で生じる損失を低減できる。モータ42の運転範囲の拡大と、低回転の領域の損失改善との双方の効果を得る場合には、モータ42の巻線の巻数は適切な値に設定される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、直流電源装置100を用いることによってアーム間の発熱の偏りが低減され、信頼性が高く高出力のモータ駆動装置101を実現できる。
実施の形態6.
実施の形態6では、実施の形態5で説明したモータ駆動装置101の適用例について説明する。
図10は、実施の形態6に係る空気調和機700の構成例を示す図である。空気調和機700は、冷凍サイクル装置の一例であり、実施の形態5のモータ駆動装置101およびモータ42を備える。空気調和機700は、圧縮機構87およびモータ42を内蔵した圧縮機81と、四方弁82と、室外熱交換器83と、膨張弁84と、室内熱交換器85と、冷媒配管86と、を備える。空気調和機700は、室外機が室内機から分離されたセパレート型空気調和機に限定されず、圧縮機81、室内熱交換器85および室外熱交換器83が1つの筐体内に設けられた一体型空気調和機でもよい。モータ42は、モータ駆動装置101により駆動される。
圧縮機81の内部には、冷媒を圧縮する圧縮機構87と、圧縮機構87を動作させるモータ42と、が設けられる。圧縮機81、四方弁82、室外熱交換器83、膨張弁84、室内熱交換器85および冷媒配管86に冷媒が循環することにより、冷凍サイクル装置が構成される。なお、空気調和機700が備える構成要素は、冷凍サイクル装置を備える冷蔵庫または冷凍庫といった機器にも適用可能である。
実施の形態6では、圧縮機81の駆動源にモータ42が利用され、モータ駆動装置101によりモータ42を駆動する場合について説明した。しかしながら、空気調和機700が備える不図示の室内機送風機および室外機送風機を駆動する駆動源にモータ42を適用し、当該モータ42をモータ駆動装置101で駆動してもよい。また、室内機送風機、室外機送風機および圧縮機81の駆動源にモータ42を適用し、当該モータ42をモータ駆動装置101で駆動してもよい。
ここで、図10における四方弁82、膨張弁84などは、内蔵されたモータにより駆動されるため、電気的なアクチュエータであり、駆動源となる電源が必要となる。電源の生成方法として、例えば、図10における電源装置91を、交流電源1に対してモータ駆動装置101と並列に接続する手段が取られることがある。このとき、電源装置91、四方弁82、および膨張弁84は、前述の負荷15に該当する。また、室外機における消費電力は、圧縮機81および内蔵されるモータ42での消費電力が支配的であり、その電力源となるモータ駆動装置101は、大きな電力変換を扱うこととなる。そのため、いかに高効率な電力変換回路を搭載したとしても、大きな損失が発生することになり、半導体素子の熱破壊を防ぐためにも冷却が必要となる。そこで、図10のように、例えば、外付けの空冷ファン92などを設置したときにも電源が必要となり、図10のように電源装置91から電力供給する場合も考えられる。空冷ファン92は、前述の負荷15に該当する。
また、暖房も行う空気調和機700において、極低温における暖房時には室内熱交換器85が着霜する場合がある。これを防止するため、例えば、図10に示すような凍結防止用のヒーター93を設置する場合がある。これは、空気調和機700に限らず、例えば、冷蔵庫においても同様であり、特に冷蔵庫では、空気調和機700のような除霜運転が出来ないため、ヒーター93を搭載する割合が比較的高い。このようなヒーター93に電源装置91から電力供給する場合にも、ヒーター93は、前述の負荷15に該当する。
実施の形態1などでは、負荷15の状態に応じてスイッチング素子S1〜S4のスイッチング方式を適宜変更することについて説明した。具体的には、実施の形態6において、四方弁82、膨張弁84、空冷ファン92、ヒーター93などの負荷15に相当する前段負荷の状態に応じて、スイッチング素子S1〜S4のスイッチング手法を適宜変更する。これにより、直流電源装置100、モータ駆動装置101などを安定的かつ高効率に運転することが可能となる。
ここで、図10では、電源装置91を介して空冷ファン92、ヒーター93などに電力供給を行う構成としているが、これに限定されるものではない。空気調和機700は、例えば、電源装置91を介さずに交流電源1から直接、空冷ファン92、ヒーター93などに電力供給する構成であってもよい。また、空気調和機700において、四方弁82、膨張弁84、空冷ファン92、ヒーター93などに対するスイッチ、リレーなどの操作手段についての記載を省略したが、適宜挿入しても問題ない。また、負荷15として、四方弁82、膨張弁84、空冷ファン92、ヒーター93などを記載したが、これらは実施の形態6における例であり、これら以外の負荷装置、アクチュエータであっても問題ない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、空気調和機700は、電源装置91、空冷ファン92、ヒーター93などを備える場合においても、直流電源装置100、モータ駆動装置101などを安定的かつ高効率に運転することが可能となる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 交流電源、2 電流検出部、3 リアクタ、4 整流回路、5〜8 半導体スイッチ、5a〜8a ダイオード、9 コンデンサ、10,15 負荷、11 制御部、12 並列負荷接続部、14,14a スイッチ、16 インダクタンス成分、17 抵抗成分、41 インバータ、42 モータ、43 インバータ制御部、44 モータ電流検出部、81 圧縮機、82 四方弁、83 室外熱交換器、84 膨張弁、85 室内熱交換器、86 冷媒配管、87 圧縮機構、91 電源装置、92 空冷ファン、93 ヒーター、100,100a,100b 直流電源装置、101 モータ駆動装置、700 空気調和機、S1〜S4 スイッチング素子。

Claims (6)

  1. 複数のスイッチング素子を用いて、交流電源から出力される交流電力を整流し、整流後の直流電力を第1の負荷に出力する整流回路と、
    前記交流電源と前記整流回路との間において、前記整流回路と並列に第2の負荷を接続可能な並列負荷接続部と、
    前記交流電源と前記並列負荷接続部との間において、前記並列負荷接続部に前記第2の負荷が接続されている場合は前記整流回路および前記第2の負荷に流れる電流の電流値を検出し、前記並列負荷接続部に前記第2の負荷が接続されていない場合は前記整流回路に流れる電流の電流値を検出する電流検出部と、
    前記並列負荷接続部と前記第2の負荷とが接続可能な場合は前記並列負荷接続部と前記第2の負荷との接続を制御可能であって、前記電流検出部の検出値に基づいて、前記スイッチング素子の動作を制御する制御部と、
    を備える直流電源装置。
  2. 前記制御部は、前記並列負荷接続部に前記第2の負荷が接続されている場合、前記第2の負荷の状態に応じて前記スイッチング素子の動作を制御する、
    請求項1に記載の直流電源装置。
  3. 前記並列負荷接続部に前記第2の負荷が接続されていないときにおける、前記検出値に応じて前記スイッチング素子をオンするタイミングを第1のタイミングとし、前記検出値に応じて前記スイッチング素子をオフするタイミングを第2のタイミングとし、
    前記制御部は、前記第1のタイミングにおける前記検出値の絶対値および前記第2のタイミングにおける前記検出値の絶対値のうち大きい方を電流閾値とし、前記電流閾値に基づいて、前記スイッチング素子の動作を制御する、
    請求項2に記載の直流電源装置。
  4. 前記並列負荷接続部と前記第2の負荷との間において、前記制御部によってオンオフの切り替えが可能なスイッチ、
    を備える請求項2または3に記載の直流電源装置。
  5. モータを駆動するモータ駆動装置であって、
    請求項1から4の何れか一項に記載の直流電源装置と、
    前記直流電源装置から出力される直流電力を交流電力に変換して前記モータへ出力するインバータと、
    を備えるモータ駆動装置。
  6. モータと、
    請求項5に記載のモータ駆動装置と、
    を備える空気調和機。
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