JP2021033234A - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

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【課題】耐刷枚数の増加に伴うトナーの比電荷量の低下を確実に抑制することができるトナーの製造方法及びトナーを提供する。【解決手段】第1外添剤と、第2外添剤とを含むトナーは、コアトナー粒子と、コアトナー粒子を被覆する樹脂被覆層とを有するカプセルトナーである。第1外添剤は、樹脂被覆層のシェル構造と一体化しており、第2外添剤は、樹脂被覆層の表面に付着している。トナーの製造方法は、コアトナー粒子を作製するコアトナー粒子作製工程と、樹脂被覆層を形成する樹脂微粒子を調整する樹脂微粒子調製工程と、コアトナー粒子の表面に樹脂被覆層を成膜してカプセルトナー粒子を得るカプセル化工程と、カプセルトナー粒子及び第2外添剤を混合してカプセルトナー粒子の表面に第2外添剤を付着させる外添工程とを含み、カプセル化工程において第1外添剤を添加する。【選択図】図1

Description

本発明は、トナー、特に、複写機、複合機、プリンタ等の画像形成装置において2成分の現像剤に用いられるトナー及びトナーの製造方法に関する。
電子写真方式を利用した複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置において2成分現像剤に用いられるトナー(静電荷像現像用のトナー)は、通常、トナー粒子の表面に外添剤が付着されている。
外添剤として、例えば、第1外添剤(例えば80nm〜500nm程度の粒径のもの)と、1次粒子の体積平均粒径が第1外添剤よりも小さい第2外添剤(例えば5nm〜30nm程度の粒径のもの)とを含むものがある。第1外添剤としては、例えば、外添剤がトナー粒子の表面に埋没することを防ぐスペーサー効果もしくはトナー粒子間に生じる摩擦を軽減させるベアリング効果の確保をという観点から、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末及びアルミナ微粉末などの大粒子径(例えば100nm程度)の外添剤(大粒径外添剤)を例示できる。第2外添剤としては、例えば、流動性を向上させるという観点から、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、酸化セリウム微粉末、酸化亜鉛微粉末、酸化スズ微粉末、酸化ジルコニウム微粉末などの小粒子径(例えば10nm程度)の外添剤(小粒径外添剤)を例示できる。
ところが、このような第1外添剤を含むトナーでは、耐刷枚数(現像動作時間)が増えるに従い、次のような不都合が生じていた。
すなわち、トナー粒子と第1外添剤とを混合してトナー粒子の表面に第1外添剤を付着させるにあたって、ヘンシェルタイプやオグンミルタイプといった、被混合物を単に混ぜ合わせるだけの混合機では、トナー粒子の表面への第1外添剤の付着強度が低いため、第1外添剤がトナー粒子の表面から離脱し易い。そうすると、耐刷枚数が増えるに従い、トナーの比電荷量が低下する。
図6は、被混合物を単に混ぜ合わせるだけの混合機によりトナー粒子TPの表面TPaに第1外添剤ADを付着させたトナーTNの耐刷枚数の増加に伴う不都合を説明するための説明図である。
図6に示すように、トナーTNは、現像槽内でキャリアCRとの摩擦帯電を発生させるためにキャリアCRと混合される。このとき、トナーTNは、耐刷枚数の増加に伴いストレスを受け、第1外添剤ADがトナー粒子TPの表面TPaから離脱してキャリアCR表面に移行し、トナーTNの帯電を阻害し、トナーTNの比電荷量の低下が発生する。例えば、トナーTNがマイナスに帯電し、キャリアCRがプラスに帯電する場合、第1外添剤ADもトナーTNと同様にマイナスに帯電する。このことから、マイナスに帯電した第1外添剤ADがプラス帯電しているキャリアCR表面に移行すると、キャリアCRのプラス帯電がマイナス側に振れ、結果として、トナーTNの比電荷量の低下を招き、ひいては、現像動作を終了して長時間(10時間以上、例えば12時間程度)放置した後のカブリ(非画像形成部のトナー濃度)(以下、放置後カブリという。)の発生といった課題を引き起こす。このことは、特に高温高湿環境下で顕著となる。
この点に関し、特許文献1は、トナー粒子の表面に、表面に無機微粒子に由来する凸部が複数存在する有機無機複合粒子を熱による表面処理によって固着したトナーを開示している。
特開2016−139062号公報
しかしながら、特許文献1に記載のトナーでは、有機無機複合粒子がトナー粒子の表面から依然として離脱し易く、耐刷枚数の増加に伴うトナーの比電荷量の低下を確実に抑制することができない。
そこで、本発明は、耐刷枚数の増加に伴うトナーの比電荷量の低下を確実に抑制することができるトナーの製造方法及びトナーを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、次のトナー及びトナーの製造方法を提供する。
(1)トナー
本発明に係るトナーは、第1外添剤と、1次粒子の体積平均粒径が前記第1外添剤よりも小さい第2外添剤とを含むトナーであって、コアトナー粒子と、前記コアトナー粒子を被覆する樹脂被覆層とを有するカプセルトナーであり、前記第1外添剤は、前記樹脂被覆層のシェル構造と一体化しており、前記第2外添剤は、前記樹脂被覆層の表面に付着していることを特徴とする。
(2)トナーの製造方法
前記本発明に係るトナーを製造するトナーの製造方法であって、前記コアトナー粒子を作製するコアトナー粒子作製工程と、前記樹脂被覆層を形成する樹脂微粒子を調整する樹脂微粒子調製工程と、前記コアトナー粒子の表面に前記樹脂被覆層を成膜してカプセルトナー粒子を得るカプセル化工程と、前記カプセルトナー粒子及び前記第2外添剤を混合して前記カプセルトナー粒子の表面に前記第2外添剤を付着させる外添工程とを含み、前記カプセル化工程において前記第1外添剤を添加することを特徴とする。
本発明によると、耐刷枚数の増加に伴うトナーの比電荷量の低下を確実に抑制することが可能となる。
本発明の実施形態に係るカプセルトナーの断面構成を示す概念図である。 本実施の形態に係るカプセルトナーの製造方法を示す工程図である。 本実施の形態に係るカプセルトナーを製造する過程を示す模式図である。 本実施の形態に係るカプセルトナーの製造方法で用いるカプセルトナーの製造装置の概略構成を示す正面図である。 図4に示す製造装置を切断面線A200―A200から見た概略断面図である。 被混合物を単に混ぜ合わせるだけの混合機によりトナー粒子の表面に外添剤を付着させたトナーの耐刷枚数の増加に伴う不都合を説明するための説明図である。
図1は、本発明の実施形態に係るカプセルトナー100の断面構成を示す概念図である。図2は、本実施の形態に係るカプセルトナー100の製造方法を示す工程図である。図3は、本実施の形態に係るカプセルトナー100を製造する過程を示す模式図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るカプセルトナー100(トナー)は、カプセルトナー粒子110(トナー粒子)と、外添剤120とで構成されている。
カプセルトナー粒子110は、コアトナー粒子101と、コアトナー粒子101の表面101aを被覆する樹脂被覆層102(シェル層)とを有している。樹脂被覆層102は、樹脂微粒子1021(シェル剤)(図3参照)で形成されている。外添剤120は、大粒径外添剤である第1外添剤121(例えば有機無機複合微粒子)と、1次粒子の体積平均粒径が第1外添剤121よりも小さい小粒径外添剤である第2外添剤122(例えば小粒径シリカ)とを含んでいる。
そして、第1外添剤121は、樹脂被覆層102のシェル構造と一体化しており、第2外添剤122は、樹脂被覆層102の表面102aに付着している。
1.トナーの製造方法
次に、カプセルトナー100の製造方法について図2及び図3を参照しながら以下に詳述する。
本実施形態のカプセルトナー100の製造方法は、コアトナー粒子101を作製するコアトナー粒子作製工程P1と、樹脂被覆層102を形成する樹脂微粒子1021を調製する樹脂微粒子調製工程P2と、コアトナー粒子101の表面101aに樹脂被覆層102を成膜してカプセルトナー粒子110を得るカプセル化工程P3(成膜化工程)と、カプセルトナー粒子110及び外添剤120を混合してカプセルトナー粒子110の表面110aに外添剤120を付着させる外添工程P4とを含み、カプセル化工程P3において第1外添剤121(例えば有機無機複合微粒子)を添加する。カプセル化工程P3は、コアトナー粒子101及び樹脂微粒子1021を複合して複合粒子を形成する複合粒子形成工程P3aと、コアトナー粒子101の表面101aに樹脂被覆層102を被覆してカプセルトナー粒子を形成するカプセルトナー粒子形成工程P3bとを含んでいる。この例では、複合粒子形成工程P3aにおいて第1外添剤121を添加する。
(1)コアトナー粒子作製工程P1
コアトナー粒子作製工程P1において、コアトナー粒子101の作製方法としては、例えば、混練粉砕法などの乾式法、並びに懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法及び溶融乳化法などの湿式法を挙げることができる。以下、混練粉砕法によってコアトナー粒子101を作製する方法を記載する。
粉砕法によるコアトナー粒子101の作製では、結着樹脂、着色剤及びその他の添加剤を含むコアトナー粒子原料を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練することによって溶融混練物を得る。この溶融混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機で粉砕することによって微粉砕物を得る。その後、必要に応じて分級などの粒度調整を行うことによって、コアトナー粒子101が得られる。
混合機としては公知のものを使用でき、例えば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)などを挙げることができる。
混練機としては公知のものを使用でき、例えば、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの二軸混練機や、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール混練機を挙げることができる。
粉砕機としては、例えば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するカウンタージェットミルAFG(商品名、ホソカワミクロン社製)などを挙げることができる。分級機としては、例えば、ロータリー式分級機TSPセパレータ(商品名、ホソカワミクロン社製)などを挙げることができる。
(2)樹脂微粒子調製工程P2
樹脂微粒子1021の調製方法として、例えば、樹脂微粒子1021の原料である樹脂をホモジナイザーなどで乳化分散する方法や、乳化重合やソープフリー乳化重合などの方法でモノマーを重合させる方法により、0.05μm以上1μm以下の粒子径となる樹脂微粒子1021を形成させ、スプレードライなどの方法で樹脂微粒子1021を乾燥させることにより得ることができる。
樹脂微粒子1021(1次粒子)の体積平均粒径は、コアトナー粒子101(1次粒子)の体積平均粒径よりも充分に小さい必要があり、0.05μm以上1μm以下であることが好ましい。また、樹脂微粒子1021(1次粒子)の体積平均粒径は、0.1μm以上0.2μm以下であることがさらに好ましい。樹脂微粒子1021(1次粒子)の体積平均粒径が0.05μm以上1μm以下であることによって、コアトナー粒子101の表面101aに好適な厚さの樹脂被覆層102を形成することができる。このことによって本実施の形態の方法で製造されるカプセルトナー100をクリーニング時にクリーニングブレードに引っ掛かり易くすることができる。これにより、カプセルトナー100のクリーニング性を向上させることができる。
また、樹脂微粒子1021の原料として用いられる樹脂の軟化温度は、コアトナー粒子101に含まれる結着樹脂のガラス転移温度よりも高いことが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。このことによって、本実施の形態の方法で製造されるカプセルトナー100の保存中でのトナー同士が融着することを防止できる。これにより、カプセルトナー100の保存安定性を向上させることができる。
(3)カプセル化工程P3
(3−1)複合粒子形成工程P3a
複合粒子形成工程P3aは、コアトナー粒子101の表面101aに樹脂微粒子1021を被覆させて複合粒子103を形成する工程である。複合粒子103を形成する方法として、例えば、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)の中に、コアトナー粒子101と樹脂微粒子1021とを投入し、撹拌羽根の先端部の周速が20m/秒〜30m/秒の速度で、3分〜5分間撹拌させる方法を使用できる。コアトナー粒子101と樹脂微粒子1021との混合比としては、コアトナー粒子101の表面101aを樹脂微粒子1021で完全にかつ薄く被覆する程度の混合比が好ましく、配合比としては、コアトナー粒子100重量部に対して樹脂微粒子5重量部〜15重量部の比率で混合される。樹脂微粒子1021の配合比が5重量部未満の場合は、コアトナー粒子101を充分に被膜することが困難であり、保存安定性が不充分となる。15重量部を超える場合は、被膜量が過剰であり、樹脂被覆層102を薄膜化することが困難であり、低温定着性が悪化する。
複合粒子形成工程P3aにおいて、コアトナー粒子101と樹脂微粒子1021との混合の最後に第1外添剤121を添加する。第1外添剤121の1次粒子の体積平均粒径としては、80nm〜500nm、より好ましくは100nm〜300nmの範囲内を例示できる。例えば、第1外添剤121として、製品名ATLAS100 Silica Composite(キャボット コーポレーション製)の有機無機複合微粒子を用いることができる。有機無機複合微粒子は、樹脂粒子の表面に無機微粒子由来の凸部を複数有している。コアトナー粒子101の表面101aに樹脂被覆層102を被覆したカプセルトナー粒子110に対する第1外添剤121の添加量としては、0.1重量%〜1.5重量%の範囲内であることが望ましい。
第1外添剤121としては、有機無機複合微粒子の他、公知のものを使用でき、例えば、疎水化処理されたシリカ微粒子を例示できる。具体的には、1次粒子の体積平均粒径が115nmの大粒径シリカ(製品名:TGC−191、キャボット社製)を用いることができる。
(3−2)カプセルトナー粒子形成工程P3b
カプセルトナー粒子形成工程P3bは、第1外添剤121を含む複合粒子103に衝撃力を主体とした力(機械的衝撃力)を付与することにより、樹脂微粒子1021をコアトナー粒子101の表面101aで膜化してカプセルトナー粒子110を形成する工程である。
図4は、本実施の形態に係るカプセルトナー100の製造方法で用いるカプセルトナー100の製造装置201の概略構成を示す正面図である。図5は、図4に示す製造装置201を切断面線A200―A200から見た概略断面図である。
カプセルトナー粒子形成工程P3bでは、図4に示すカプセルトナー100の製造装置201を用い、コアトナー粒子作製工程P1で作製したコアトナー粒子101に樹脂微粒子調製工程P2で調製した樹脂微粒子1021及び第1外添剤121を付着させ、カプセルトナー100の製造装置201内での循環と撹拌との相乗効果による衝撃力でコアトナー粒子101に樹脂被覆層102を形成する。このとき、第1外添剤121を樹脂被覆層102のシェル構造と一体化させる。カプセルトナー100の製造装置201は、回転撹拌装置及び混合機であり、粉体流路202と、回転撹拌部203と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。回転撹拌部203と、粉体流路202とは循環手段を構成する。
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210,211が形成される。開口部210は、撹拌部208の軸線方向一方側の第1面208aにおける略中央部において、撹拌部208の第1面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸方向片側の第1面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。コアトナー粒子101、樹脂微粒子1021、第1外添剤121及び気体は、粉体流路202を流過する。粉体流路202は、コアトナー粒子101、樹脂微粒子1021及び第1外添剤121が流動する方向である粉体流動方向が一定となるよう設けられる。
回転撹拌部203は、回転軸部材212と、円盤状の回転盤213と、複数の撹拌羽根214とを含む。回転軸部材212は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向他方側の第2面208cに、第2面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される貫通孔205に挿通されるように設けられる。回転軸部材212は、図示しないモータによって軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤213は、その軸線が回転軸部材212の軸線に一致するように回転軸部材212に支持され、回転軸部材212の回転に伴い回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根214〜214は、回転盤213の周縁部分によって支持され、回転盤213の回転に伴って周回移動する。
カプセルトナー粒子形成工程P3bにおいて、回転撹拌部203の最外周における周速度(以下、単に周速度という。)は、30m/sec以上に設定するのが好ましく、50m/sec以上に設定するのがさらに好ましい。回転撹拌部203の最外周とは、回転撹拌部203の回転軸部材212が延びる方向に垂直な方向において、回転軸部材212の軸線との距離がもっとも長い回転撹拌部203の最長部分203aである。回転時の回転撹拌部203の最外周における周速が30m/sec以上に設定することによって、コアトナー粒子101と、樹脂被覆層102を形成する樹脂微粒子1021と、第1外添剤121との混合物に対して、環状の流路(粉体流路202)を循環する流速30m/s以上の気流中に分散させることができる。これにより、コアトナー粒子101を孤立流動させることができる。周速度が30m/sec未満であると、コアトナー粒子101、樹脂微粒子1021及び第1外添剤121を孤立流動させることが困難であるため、コアトナー粒子101を樹脂膜で均一に被覆することが困難になる。
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、ジャケット内部の空間に冷却媒又は加温媒を通して粉体流路202内と回転撹拌部203を所定の温度に調整する。これによって、粉体流路内及び回転撹拌手段の外側の温度をコアトナー粒子101、樹脂微粒子1021及び第1外添剤121が軟化変形しない温度以下に制御することができる。
(4)外添工程P4
外添工程P4は、カプセルトナー粒子110に第2外添剤122(例えば小粒径シリカ)或いは第2外添剤122を含む外添剤120を添加し、カプセルトナー粒子110と外添剤120とをヘンシェルミキサなどの気流混合機で混合することにより、カプセルトナー粒子110の表面110aに第2外添剤122或いは第2外添剤122を含む外添剤120を付着させる工程である。第2外添剤122の1次粒子の体積平均粒径としては、5nm〜30nm、より好ましくは9nm〜14nmの範囲内を例示できる。例えば、第2外添剤122として、1次粒子の体積平均粒径が12nmの小粒径シリカ(製品名:R974、アエロジル社製)を用いることができる。第2外添剤122のカプセルトナー粒子110に対する添加量としては、0.5重量%〜5重量%の範囲内であることが望ましい。0.5重量%未満であれば、カプセルトナー100の流動性確保が難しく、5重量%を超えた場合は、定着性を阻害し易い。
第2外添剤122としては、シリカの他、公知のものを使用でき、例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウムなどを挙げることができる。これらの中でも、流動性向上等の点で優れるシリカ、アルミナ及び酸化チタンが特に好ましい。また、これらは、シリコンオイル、シランカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などの疎水化処理剤で表面処理されることがより好ましい。
なお、外添剤120は、小粒径シリカと、大粒径シリカ及び/又は有機無機複合微粒子とを併用して添加することが望ましい。例えば、第1外添剤121として有機無機複合微粒子をカプセル化によりシェル構造と一体化し、得られたカプセルトナー粒子110の表面110aに第2外添剤122として小粒径シリカを外添することに加え、大粒径シリカ及び/又は有機無機複合微粒子を併用し外添してもよい。大粒径シリカは、スペーサー効果を付与させることができる。小粒径シリカは、トナー流動性を付与させることができると共に外添剤を分散性向上させることができる。また、トナー帯電量の調整のために、カプセルトナー粒子110の表面110aに酸化チタン等の無機微粒子を外添しても構わない。
2.カプセルトナー
次に、カプセルトナー100の構成について詳細に述べる。
(コアトナー粒子)
コアトナー粒子101は、結着樹脂と着色剤と離型剤とを含む。結着樹脂は、コアトナー粒子101の主樹脂である。結着樹脂としては、スチレンアクリル共重合樹脂を使用することができる。樹脂原料として使用できるモノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレンなどのスチレン誘導体や、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フエニル、メタアクリル酸、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸フエニル、メタアクリル酸ジメチルアミノエステルなどのアクリル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体を例示できる。
さらに、樹脂原料として、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノフエニルエステル、マレイン酸モノアリルエステル、ジビニルベンゼンなどのビニルモノマーを使用してもよい。
結着樹脂のガラス転移点は、40℃以上60℃以下が好ましい。結着樹脂のガラス転移点が40℃未満であると、画像形成装置内部においてカプセルトナー粒子同士が熱凝集するブロッキングを発生し易くなり、保存安定性が低下するおそれがある。結着樹脂のガラス転移点が60℃を超えると、低温定着性が損なわれるおそれがある。
着色剤としては、電子写真分野で常用されるカーボンブラックや有機顔料などを使用することができる。
黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト及びマグネタイトなどを使用できる。
イエローの着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などを使用できる。
マゼンタの着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などを使用できる。
シアンの着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60などを挙げることができる。
着色剤の使用量は特に制限されないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して5重量部以上10重量部以下である。着色剤は、結着樹脂中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。
離型剤としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、合成エステルワックスなどを使用できる。離型剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、結着樹脂100重量部に対して2.0重量部以上6.0重量部以下が好ましい。離型剤の添加量が2.0部未満であると、カプセルトナー100の定着時に離型剤が染み出し難く、高温オフセットが起こり易くなる。また、離型剤の添加量が6.0部よりも多い場合、コアトナー粒子101の表面101aに離型剤が露出し、コアトナー粒子101の流動性が悪化するおそれがある。
コアトナー粒子101には、必要に応じて電荷制御剤を添加してもよい。電荷制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用及び負電荷制御用の電荷制御剤を使用できる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、例えば、四級アンモニウム塩、ピリミジン化合物、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などを使用できる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、サリチル酸及びその誘導体の金属錯体及び金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、有機ベントナイト化合物、ホウ素化合物などを使用できる。
電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下である。
コアトナー粒子101の体積平均粒径は、4μm以上8μm以下が好ましい。体積平均粒径が4μm以上8μm以下であると、長期にわたり高精細な画像を安定して形成できる。またコアトナー粒子101をこの範囲内に小粒径化することにより、付着量が少なくても高い画像濃度が得られ、トナー消費量を削減できる効果も生じる。コアトナー粒子101の体積平均粒径が4μm未満であると、トナー粒子の粒径が小さいため、高帯電化及び低流動化するおそれがある。トナーが高帯電化、低流動化すると、感光体にトナーを安定して供給できなくなり、地肌かぶり及び画像濃度の低下などが発生するおそれがある。コアトナー粒子101の体積平均粒径が8μmを超えると、コアトナー粒子101の粒径が大きいため形成画像の層厚が大きくなり、粒状性の著しい画像となり、高精細な画像を得られない。またコアトナー粒子101の粒径が大きくなることにより比表面積が減少し、トナーの帯電量が小さくなる。トナーの帯電量が小さくなると、トナーが感光体に安定して供給されず、トナー飛散による機内汚染が発生するおそれがある。
(樹脂被覆層)
樹脂被覆層102は、コアトナー粒子101の外側にアクリル系樹脂で形成される。アクリル系樹脂としては、少なくともアクリル系モノマー又はメタクリル系モノマーの何れかを含む単独又は複数のモノマーを重合又は共重合して得られる樹脂を使用できる。
アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フエニルなどを使用できる。
メタクリル系モノマーとしては、例えば、メタアクリル酸、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸フエニル、メタアクリル酸ジメチルアミノエステルなどのアクリル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体を使用できる。
アクリル系モノマー又はメタクリル系モノマー以外に使用できるモノマーとして、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレンなどのスチレン誘導体を使用できる。
(本実施の形態について)
本実施の形態に係るカプセルトナー100は、第1外添剤121が樹脂被覆層102のシェル構造と一体化している。従って、第1外添剤121がコアトナー粒子101の表面101aから離脱することを効果的に防止することができる。これにより、第1外添剤121がカプセルトナー粒子110の表面110aから離脱してキャリア表面に移行し、カプセルトナー100の帯電を阻害し、カプセルトナー100の比電荷量の低下が発生することを効果的に防止することができる。従って、耐刷枚数の増加に伴うカプセルトナー100の比電荷量の低下を確実に抑制することができる。
本実施の形態において、第1外添剤121は、樹脂粒子の表面に無機微粒子由来の凸部を複数有する有機無機複合微粒子からなる。こうすることで、カプセルトナー100の比電荷量を確保することができる。
本実施の形態において、第1外添剤121は、樹脂被覆層102に平均して半分以上埋まっている。こうすることで、第1外添剤121がカプセルトナー粒子110の表面110aから離脱することをさらに効果的に防止することができる。これにより、第1外添剤121がカプセルトナー粒子110の表面110aから離脱してキャリア表面に移行し、カプセルトナー100の帯電を阻害し、カプセルトナー100の比電荷量の低下が発生することをさらに確実に抑制することができる。従って、耐刷枚数の増加に伴うカプセルトナー100の比電荷量の低下をさらに確実に抑制することができる。この例では、全ての第1外添剤121は、樹脂被覆層102に半分以上埋まっている。なお、第1外添剤121の一部が樹脂被覆層102内に存在し、他の第1外添剤121が樹脂被覆層102に半分以上埋まっていてもよい。また、第1外添剤121の一部が樹脂被覆層102に半分以上埋まっていなくても、第1外添剤121が全体として(平均して)半分以上埋まっていればよい。
ここで、第1外添剤121が樹脂被覆層102に平均して半分以上埋まっているか否かは、次のようにして確認することができる。すなわち、カプセルトナー100の断面を透過型電子顕微鏡(SEM:株式会社日立ハイテクノロジーズ製、型式:S−4800)を用いて観察する。樹脂被覆層102に埋まっている相当数(100個〜200個程度)の第1外添剤121を抽出し、画像解析ソフト(商品名:A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)で画像解析する。対象となる第1外添剤121の全体の面積に対する埋没面積の埋没比率を個々の第1外添剤121毎に算出する。算出した個々の埋没比率の合計を、対象となる第1外添剤121の個数で割り、第1外添剤121の平均埋没比率を算出する。こうすることで、第1外添剤121の平均埋没比率が50%以上であれば、第1外添剤121が樹脂被覆層102に平均して半分以上埋まっていることを確認することができる。
本実施の形態において、コアトナー粒子101の表面101aに樹脂被覆層102を被覆したカプセルトナー粒子110に対する第1外添剤121の添加量は、0.1重量%〜1.5重量%の範囲内である。こうすることで、画像濃度の向上、帯電安定性の向上、放置後カブリの抑制を実現させることができる。
本実施の形態において、カプセルトナー粒子110の円形度としては、0.954以上が好ましく、さらに0.956以上が好ましい。こうすることで、スペーサー効果、トナー流動性を向上させることができ、クリーニング不良を抑制することができる。カプセルトナー粒子110の円形度が0.954を下回ると、カプセルトナー粒子110の表面110aに凹凸が増えるため、カプセルトナー粒子110の表面110aの凹部に外添剤120(特に第2外添剤122)が優先的に付着し、外添剤120によるスペーサー効果、トナー流動性の向上効果が著しく損なわれる。また、カプセルトナー粒子110の円形度が0.960以上となれば、クリーニング不良を引き起こす可能性が高くなる。
カプセルトナー粒子の円形度は、例えばフロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(マルバーン社製)を用いて測定できるが、測定原理が同じであれば特に限定はしない。この装置の測定原理は、分散媒中の粒子をCCDカメラにて静止画像を撮像し、その画像から円形度計算等の計算を行うものである。チャンバーから投入された試料は、フラットシースフローセルに送られてシース液に挟まれて扁平な流れを形成する。セル内を通過する試料にストロボ光を照射しながら静止画像をCCDカメラで撮影する。撮像画像の画像処理により各粒子の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。これから円相当径と円形度が計算される。
円相当径は、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことで、円形度は、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、円相当径から求めた円の面積をS、粒子投影像の周囲長をLとすると、次式で算出される。
円形度=2×(π×S)1/2/L
シース液には、パーティクルシース「PSE−900A」(マルバーン社製)を、分散剤としては、市販の家庭用洗剤5質量%水分散液を、分散器としては、該装置のオートサンプラー装置を用いて、試料を分散させ、これを上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントで10000個のカプセルトナーを計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、全粒径範囲として、カプセルトナー粒子の平均円形度を求める。
複合粒子形成工程P3aにおいて、コアトナー粒子101と樹脂微粒子1021との混合の最後に第1外添剤121を添加して複合粒子103を形成する。こうすることで、コアトナー粒子101と樹脂微粒子1021とを確実に混合させることができ、樹脂被覆層のシェル構造を安定的に形成することができる。これにより、第1外添剤121を樹脂被覆層のシェル構造と確実に一体化させることができる。
次に、本実施の形態に係る実施例1〜6を比較例1〜6と共に以下に説明する。
先ず、実施例1〜3では、複合粒子形成工程においてそれぞれ添加量が0.1重量%、0.5重量%、1.5重量%の有機無機複合微粒子(第1外添剤)を添加した。一方、外添工程においてカプセルトナー粒子の表面に外添剤として大粒径外添剤を付着させなかった。比較例1,2では、複合粒子形成工程において有機無機複合微粒子(第1外添剤)を添加しなかった。一方、外添工程においてカプセルトナー粒子の表面に外添剤として異なる種類の大粒径外添剤を付着させた。比較例3では、複合粒子形成工程において添加量が2.0重量%の有機無機複合微粒子(第1外添剤)を添加した。一方、外添工程においてカプセルトナー粒子の表面に外添剤として大粒径外添剤を付着させなかった。これら実施例1〜3、比較例1〜3において、後述する実写特性(「画像濃度(初期)」、「帯電安定性(100k)」、「放置後カブリ(100k)」)を判定した。
また、実施例4〜6、比較例4〜6では、実施例2で作製した円形度の異なるカプセルトナーの凝集物を判定した。
<実施例1>
(1)コアトナー粒子作製工程P1
スチレン74重量部、アクリル酸n−ブチル26重量部及びキシレン溶媒80重量部からなる溶液に1.5重量部のジ−t−ブチルパーオキサイドを均一に溶解したキシレン溶液20重量部を、内温180℃、内圧6kg/cmに保持した5Lの反応容器に750mL/時間で連続的に供給して重合し、スチレンアクリル樹脂の溶液を得た。その後、90℃、10mmHgのベッセル中にフラッシュして溶剤等を留去した後、粗粉砕機を用いて粗粉砕を行い、1mmのチップのスチレンアクリル樹脂を得た。得られたスチレンアクリル樹脂100重量部に対して、カーボンブラック(商品名:MA−100、三菱化学社製)5重量部、離型剤(商品名:フィッシャートロプシュワックス、日本精蝋株式会社製、融点95℃)4重量部を計量し、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)に投入し、撹拌羽根の先端部の周速が40m/秒の速度で、5分間撹拌混合した後、2軸押出機(商品名:PCM−30、株式会社池貝製)により溶融混練して溶融混練物を得た。この溶融混練物を冷却ベルトにて冷却後、2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕し、カウンタージェットミルAFG(商品名、ホソカワミクロン社製)とロータリー式分級機TSPセパレータ(商品名、ホソカワミクロン社製)とを用いて、微粉砕及び分級することによって、体積平均粒径が6.7μm、ガラス転移点が51℃、軟化点が120℃のコアトナー粒子を得た。
(2)樹脂微粒子調製工程P2
攪拌加熱装置、温度計、窒素導入管、及び冷却管を備えた反応容器に、脱イオン水168重量部を仕込み、摂氏80度に昇温する。これに脱イオン水252重量部、スチレン65重量部、n−ブチルアクリレート27重量部及びアクリル酸8重量部からなるモノマー混合液(プレエマルション)と、ペルオキソ二硫酸アンモニウム1重量部、n−ドデシルメルカプタン0.2重量部及び脱イオン水62重量部からなる開始剤水溶液56重量部とを同時に110分かけて滴下し、さらに60分間撹拌した後、反応を終了させた。得られたラテックスをスプレードライヤー(噴霧乾燥装置、商品名:マイクロミストドライヤ−MDL−050型、藤崎電機株式会社製)を用いて熱風乾燥し粉砕することによって、ガラス転移点が80℃、軟化点が145℃、粒子径が0.143μmのほぼ単分散の樹脂微粒子を得た。
(3)カプセル化工程P3
(3−1)複合粒子形成工程P3a
ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)の中に、コアトナー粒子100重量部と、樹脂微粒子7重量部とを投入し、撹拌羽根の先端部の周速が25m/secの速度で、5分間撹拌混合することによって、コアトナー粒子の表面に樹脂微粒子を均一に付着させた複合粒子103を得た。コアトナー粒子と樹脂微粒子との混合の最後に第1外添剤として1次粒子の体積平均粒径が100nmの大粒径外添剤(製品名:ATLAS、キャボット社製)を添加した。カプセルトナー粒子に対する大粒径外添剤の添加量を0.1重量%とした。
(3−2)カプセルトナー粒子形成工程P3b
図4及び図5に示す製造装置201に準ずるハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−3型、株式会社奈良機械製作所製)の中に、粉体投入部206から複合粒子103を投入し、回転撹拌部203の周速度を50m/secに設定して10分間撹拌混合することによって、コアトナー粒子の表面に樹脂微粒子を膜化させて、樹脂被覆層を形成し、カプセルトナー粒子を得た。
(4)外添工程P4
次に、カプセル化工程P3にて得られたカプセルトナー粒子100重量部と、外添剤として1次粒子の体積平均粒径が12nmの小粒径シリカ(製品名:R974、アエロジル社製)1.5重量部とを、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)に投入し、回転撹拌部の周速度を25m/secとして60秒間撹拌混合し、実施例1のカプセルトナーを得た。
ここで、外添剤の1次粒子の体積平均粒径は、走査型電子顕微鏡(商品名:S−4300SE/N、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を使用し、拡大倍率50000倍で、視野を変えて100個の外添剤粒子を撮影し、画像解析によって1次粒子の体積平均粒径をそれぞれ測定し、得られた100個の測定値に基づいて算出した。
<実施例2>
実施例2では、実施例1の複合粒子形成工程P3aにおいて第1外添剤として用いた大粒径外添剤(製品名:ATLAS、キャボット社製)の0.1重量%を0.5重量%とした以外は実施例1と同様とした。
<実施例3>
実施例3では、実施例1の複合粒子形成工程P3aにおいて第1外添剤として用いた大粒径外添剤(製品名:ATLAS、キャボット社製)の0.1重量%を1.5重量%とした以外は実施例1と同様とした。
<比較例1>
比較例1では、実施例1の複合粒子形成工程P3aにおいて第1外添剤として大粒径外添剤(製品名:ATLAS、キャボット社製)を添加せずに、外添工程P4において外添剤として1次粒子の体積平均粒径が115nmの大粒径シリカ(製品名:TG−C191、キャボット社製)0.1重量部を外添した以外は実施例1と同様とした。
<比較例2>
比較例2では、実施例1の複合粒子形成工程P3aにおいて第1外添剤として大粒径外添剤(製品名:ATLAS、キャボット社製)を添加せずに、外添工程P4において外添剤として1次粒子の体積平均粒径が100nmの有機無機複合微粒子である大粒径外添剤(製品名:ATLAS、キャボット社製)0.1重量部を外添した以外は実施例1と同様とした。
<比較例3>
比較例3では、実施例1の複合粒子形成工程P3aにおいて第1外添剤として用いた大粒径外添剤(製品名:ATLAS、キャボット社製)の0.1重量%を2.0重量%とした以外は実施例1と同様とした。
<実施例4〜6>
実施例4〜6では、実施例2で作製したカプセルトナーの異なる円形度をそれぞれ0.954、0.956、0.957とした。
<比較例4〜6>
比較例4〜6では、実施例2で作製したカプセルトナーの異なる円形度をそれぞれ0.945、0.950、0.952とした。
(実写特性の評価)
実施例1〜3及び比較例1〜3のカプセルトナーを用いて作成した2成分現像剤を、市販複写機(商品名:MX−M6070、シャープ株式会社製)の現像ユニットに充填し、10万枚の耐刷試験を行って、実写特性(「画像濃度(100k)」、「帯電安定性(100k)」、「放置後カブリ(100k)」)を調べた。その評価結果を表1に示す。
Figure 2021033234
ここで、「画像濃度(100k)」とは、10万枚の耐刷終了時での画像濃度である。画像濃度の評価は、反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いてベタ部の画像濃度(ID)を測定することにより評価した。画像濃度が1.0以上の場合には「○」、画像濃度が1.0を下回る場合には「×」とした。
「放置後カブリ(100k)」とは、10万枚の耐刷終了時での放置後カブリである。カブリの評価は、白度計(製品名:日本電色工業株式会社製)を用いて印刷前の用紙の白色度と印刷後(非画像形成部)の白色度との差分を測定することにより評価した。白色度の差分が0.5以下である場合には「◎」、0.5を超え1.5以下である場合には「○」、1.5を超え2.0以下では「△」、2.0を超える場合には「×」とした。
また、「帯電安定性(100k)」とは、耐刷開始時でのトナーの帯電量Esに対して10万枚の耐刷終了時でのトナーの帯電量Eeの変化率の絶対値[|Ee−Es|/|Es|]×100が10%以下である場合には「◎」、10%を超え20%以下である場合には「○」、20%を超え30%以下では「△」、30%を超える場合には「×」とした。
比較例1,2に示すように、外添剤として大粒径外添剤の有機無機複合微粒子を外添した場合は、初期の放置後カブリに対して、良好な結果が得られた。しかしながら、耐刷試験を行った結果、トナー帯電安定性能が低くなり帯電量低下した。その要因は、外添剤である有機無機複合微粒子が、トナー表面から離脱してキャリア表面に移行してトナー帯電を阻害したと考える。その課題を解決するために、実施例1〜3に示すように、カプセル化工程の装置を利用して外添剤の離脱を抑制する。その手段としては、複合粒子形成工程の通常混合終了後に第1外添剤として有機無機複合微粒子を添加してコアシェル構造の最外殻に存在するよう製造することにより、耐刷試験後の帯電安定性(トナー比電荷量安定性)は向上し、放置後カブリ(100k)も改善した。
また、カプセル化するための有機無機複合微粒子の添加量を2.0重量%とした比較例3では、耐刷試験後のトナー帯電量が高くなりすぎて現像性の低下を確認した。具体的には、著しい画像濃度低下が発生した。カプセル構造の外殻に存在する有機無機複合微粒子中のシリカ成分の帯電機能が、多く存在することによるものと考えられる。これに対し、添加量を0.1重量%〜1.5重量%とした実施例1〜3では、画像濃度の低下が見られなかった。
(凝集物の評価)
カプセルトナー粒子の円形度からカプセルトナー粒子の外殻に当該する樹脂被覆層(シェル層)の完成度を判定する。樹脂被覆層として形成される樹脂微粒子(シェル剤)のカプセル化が完了すると円形度として数値化で判断できる。カプセル化の性能の判定基準としてフロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(マルバーン社製)で測定した。カプセル化の完成度の向上と共に遊離シェル剤の低減もしくはシェル剤同士の塊つまりは凝集物の低減として確認できる。このカプセル化の完成度が低いとトナー保存性・耐刷試験などでの現像剤の流動性低下による現像不良発生などが起きる。
実施例4〜6及び比較例4〜6のカプセルトナーにおける凝集物は、回収されたカプセルトナーをメッシュにより除去分離し、確認した。詳しくは、回収された処理粉体1gを計量し、目開き54μmのメッシュ上に置き、反対面から吸引機によりカプセルトナーを吸引除去し、メッシュ上に残存する凝集物を確認した。凝集物の有無確認は、メッシュに透明セロハンテープを貼り付け回収を行い、その後、白紙に貼り付けて拡大鏡を使用して目視確認した。凝集物が無い場合には「◎」、凝集物が10粒以下の場合には「〇」、凝集物が11粒〜20粒の場合には「△」・・・凝集物が21粒以上の場合には「×」とした。その評価結果を表2に示す。
Figure 2021033234
カプセルトナー粒子の円形度がそれぞれ0.945、0.950、0.952とした比較例4〜6では、評価がそれぞれ「×」、「×」、「△」であったが、カプセルトナー粒子の円形度がそれぞれ0.954、0.956、0.957とした実施例4〜6では、評価がそれぞれ「○」、「◎」、「◎」であった。従って、カプセルトナー粒子の円形度は、0.954以上が好ましく,さらに0.956以上が好ましいことが分かった。
(その他の実施形態)
本実施の形態では、第1外添剤として有機無機複合微粒子を用いたが、大粒径シリカを用いてもよい。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、係る実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
100 カプセルトナー
101 コアトナー粒子
102 樹脂被覆層
1021 樹脂微粒子
102a 表面
103 複合粒子
110 カプセルトナー粒子
110a 表面
120 外添剤
121 第1外添剤
122 第2外添剤
201 製造装置
202 粉体流路
203 回転撹拌部
205 貫通孔
206 粉体投入部
207 粉体回収部
208 撹拌部
209 粉体流過部
210 開口部
211 開口部
212 回転軸部材
213 回転盤
214 撹拌羽根
P1 コアトナー粒子作製工程
P2 樹脂微粒子調製工程
P3 カプセル化工程
P3a 複合粒子形成工程
P3b カプセルトナー粒子形成工程
P4 外添工程

Claims (7)

  1. 第1外添剤と、1次粒子の体積平均粒径が前記第1外添剤よりも小さい第2外添剤とを含むトナーであって、
    コアトナー粒子と、前記コアトナー粒子を被覆する樹脂被覆層とを有するカプセルトナーであり、
    前記第1外添剤は、前記樹脂被覆層のシェル構造と一体化しており、前記第2外添剤は、前記樹脂被覆層の表面に付着していることを特徴とするトナー。
  2. 請求項1に記載のトナーであって、
    前記第1外添剤は、樹脂粒子の表面に無機微粒子由来の凸部を複数有する有機無機複合微粒子からなることを特徴とするトナー。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のトナーであって、
    前記第1外添剤は、前記樹脂被覆層に平均して半分以上埋まっていることを特徴とするトナー。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1つに記載のトナーであって、
    前記コアトナー粒子の表面に前記樹脂被覆層を被覆したカプセルトナー粒子に対する前記第1外添剤の添加量は、0.1重量%〜1.5重量%の範囲内であることを特徴とするトナー。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか1つに記載のトナーであって、
    前記コアトナー粒子の表面に前記樹脂被覆層を被覆したカプセルトナー粒子の円形度が0.954以上であることを特徴とするトナー。
  6. 請求項1から請求項5までの何れか1つに記載のトナーを製造するトナーの製造方法であって、
    前記コアトナー粒子を作製するコアトナー粒子作製工程と、
    前記樹脂被覆層を形成する樹脂微粒子を調整する樹脂微粒子調製工程と、
    前記コアトナー粒子の表面に前記樹脂被覆層を成膜してカプセルトナー粒子を得るカプセル化工程と、
    前記カプセルトナー粒子及び前記第2外添剤を混合して前記カプセルトナー粒子の表面に前記第2外添剤を付着させる外添工程と
    を含み、
    前記カプセル化工程において前記第1外添剤を添加することを特徴とするトナーの製造方法。
  7. 請求項6に記載のトナーの製造方法であって、
    前記カプセル化工程は、前記コアトナー粒子及び前記樹脂微粒子を複合して複合粒子を形成する複合粒子形成工程と、前記コアトナー粒子の表面に前記樹脂被覆層を被覆してカプセルトナー粒子を形成するカプセルトナー粒子形成工程と、
    前記複合粒子形成工程において前記コアトナー粒子と前記樹脂微粒子との混合の最後に前記第1外添剤を添加することを特徴とするトナーの製造方法。
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