JP2021032785A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】弾性絶縁部材の温度上昇を抑制することができ、熱による弾性絶縁部材の溶損が発生するリスクを低減することができるガスセンサを提供する。
【解決手段】ガスセンサ10は、センサ素子12と、センサ素子12の後端部を保持し、センサ素子12と電気的に接続する金属端子17が装着されたセラミックハウジング16と、センサ素子12の後方に固定され、金属端子17が電気的に接続される複数のリード線54が挿入された弾性絶縁部材56と、を有し、弾性絶縁部材56は、セラミックハウジング16と対向する面に、2本以上のリード線54に対して共通の空間204を1つ以上有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスセンサに関する。
特許文献1では、リード線や金属端子具等のショートが生じ難く、安定したセンサ出力が得られるガスセンサを提供することを課題としている。
当該課題を解決するため、特許文献1では、弾性絶縁部材(5)の各第1挿通穴の先端側に第1ガイド部(531)を設け、絶縁碍子(3)における各第2挿通穴の基端側に第2ガイド部(331)を設けてあり、第1ガイド部(531)及び第2ガイド部(331)によってリード線(161)、金属端子(49)の動きを抑制する。
特許第4461585号公報
特許文献1記載のガスセンサは、セラミックハウジングと弾性絶縁部材(グロメット)との間に空間部が介在し、また、弾性絶縁部材にはセンサ素子からの複数のリード線がそれぞれガイド部(貫通孔)を通じて配線されている。ガイド部の個数はリード線の本数と同じである。各ガイド部は、弾性絶縁部材の一端面から他端面にかけてそれぞれ個別に形成されている。
しかしながら、セラミックハウジングと弾性絶縁部材との間に空間部が介在するが、絶縁弾性部材のセンサ側の端面がセラミックハウジングに近接しており、しかも、端面はそれぞれ個別に形成されたガイド部を除く部分であり、その面積は大きい。
従って、先端のセンサ素子から伝わってきた熱がセラミックハウジングを通じて、弾性絶縁部材に伝わりやすく、熱による弾性絶縁部材の溶損が発生するリスクがある。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、弾性絶縁部材の温度上昇を抑制することができ、熱による弾性絶縁部材の溶損が発生するリスクを低減することができるガスセンサを提供することにある。
本発明の一態様によるガスセンサは、
センサ素子と、
前記センサ素子の後端部を保持し、前記センサ素子と電気的に接続する金属端子が装着されたセラミックハウジングと、
前記センサ素子の後方に固定され、前記金属端子が電気的に接続される複数のリード線が挿入された弾性絶縁部材と、を有し、
前記弾性絶縁部材は、前記セラミックハウジングと対向する面に、2本以上の前記リード線に対して共通の空間を1つ以上有する。
本発明によれば、弾性絶縁部材の温度上昇を抑制することができ、熱による弾性絶縁部材の溶損が発生するリスクを低減することができる。
本実施形態に係るガスセンサを示す断面図である。 センサ素子の構成の一例を概略的に示した断面模式図である。 図3A〜図3Eは、弾性絶縁部材に形成される共通空間とリード線との組み合わせ例を示す図である。 実施例1〜21と比較例について、耐熱性と接点不良を確認した実験例の評価結果を示す表1である。
本発明に係るガスセンサについて、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
本実施形態に係るガスセンサ10は、図1に示すように、センサ素子12を備える。センサ素子12は長尺な直方体形状をしており、このセンサ素子12の長手方向(図2の左右方向)を前後方向とし、センサ素子12の厚み方向(図2の上下方向)を上下方向とする。また、センサ素子12の幅方向(前後方向及び上下方向に垂直な方向)を左右方向とする。
図1に示すように、ガスセンサ10は、センサ素子12と、センサ素子12の前端側を保護する保護カバー14と、セラミックハウジング16を含むセンサ組立体18とを備えている。セラミックハウジング16は、センサ素子12の後端部を保持し、センサ素子12と電気的に接続する金属端子17が装着されることで、コネクタ19として機能する。
このガスセンサ10は、図示するように、例えば車両の排ガス管等の配管20に取り付けられて、被測定ガスとしての排気ガスに含まれるNOxやO2等の特定ガスの濃度を測定するために用いられる。
保護カバー14は、センサ素子12の前端を覆う有底筒状の内側保護カバー14aと、この内側保護カバー14aを覆う有底筒状の外側保護カバー14bとを備えている。内側保護カバー14a及び外側保護カバー14bには、被測定ガスを保護カバー14内に流通させるための複数の孔が形成されている。内側保護カバー14aで囲まれた空間としてセンサ素子室22が形成されており、センサ素子12の前端はこのセンサ素子室22内に配置されている。
センサ組立体18は、センサ素子12を封入固定する素子封止体30と、素子封止体30に取り付けられたナット32と、外筒34と、センサ素子12の後端の表面(上下面)に形成された図示しない電極に接触してこれらと電気的に接続されたコネクタ19と、を備えている。
素子封止体30は、筒状の主体金具40と、主体金具40と同軸に溶接固定された筒状の内筒42と、主体金具40及び内筒42の内側の貫通孔内に封入されたセラミックスサポータ44a〜44c、圧粉体46a、46b、メタルリング48と、を備えている。センサ素子12は素子封止体30の中心軸上に位置しており、素子封止体30を前後方向に貫通している。内筒42には、圧粉体46bを内筒42の中心軸方向に押圧するための縮径部42aと、メタルリング48を介してセラミックスサポータ44a〜44c、圧粉体46a、46bを前方に押圧するための縮径部42bとが形成されている。縮径部42a、42bからの押圧力により、圧粉体46a、46bが主体金具40及び内筒42とセンサ素子12との間で圧縮されることで、圧粉体46a、46bが保護カバー14内のセンサ素子室22と外筒34内の空間50との間を封止すると共に、センサ素子12を固定している。
ナット32は、主体金具40と同軸に固定されており、外周面に雄ネジ部が形成されている。ナット32の雄ネジ部は、配管20に溶接され内周面に雌ネジ部が設けられた固定用部材52内に挿入されている。これにより、ガスセンサ10のうちセンサ素子12の前端や保護カバー14の部分が配管20内に突出した状態で、ガスセンサ10が配管20に固定されている。
外筒34は、内筒42、センサ素子12、コネクタ19の周囲を覆っており、コネクタ19に接続された複数のリード線54が後端から外部に引き出されている。このリード線54は、コネクタ19を介してセンサ素子12の各電極(後述)と導通している。外筒34とリード線54との隙間はグロメット等で構成された弾性絶縁部材56によって封止されている。外筒34内の空間50は基準ガス(本実施形態では大気)で満たされている。センサ素子12の後端はこの空間50内に配置されている。
一方、センサ素子12は、図2に示すように、それぞれがジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性固体電解質層からなる第1基板層60と、第2基板層62と、第3基板層64と、第1固体電解質層66と、スペーサ層68と、第2固体電解質層70の6つの層が、図面視で下側からこの順に積層された積層体を有する素子である。また、これら6つの層を形成する固体電解質は緻密な気密のものである。センサ素子12は、例えば、各層に対応するセラミックスグリーンシートに所定の加工及び回路パターンの印刷等を行った後にそれらを積層し、さらに、焼成して一体化させることによって製造される。
センサ素子12の一端(図2の左側)であって、第2固体電解質層70の下面と第1固体電解質層66の上面との間には、ガス導入口80と、第1拡散律速部82と、緩衝空間84と、第2拡散律速部86と、第1内部空所88と、第3拡散律速部90と、第2内部空所92と、第4拡散律速部94と、第3内部空所96とが、この順に連通する態様にて隣接形成されてなる。
ガス導入口80と、緩衝空間84と、第1内部空所88と、第2内部空所92と、第3内部空所96とは、スペーサ層68をくり抜いた態様にて設けられた上部を第2固体電解質層70の下面で、下部を第1固体電解質層66の上面で、側部をスペーサ層68の側面で区画されたセンサ素子12内部の空間である。
第1拡散律速部82と、第2拡散律速部86と、第3拡散律速部90とはいずれも、2本の横長の(図面に垂直な方向に開口が長手方向を有する)スリットとして設けられる。また、第4拡散律速部94は、第2固体電解質層70の下面との隙間として形成された1本の横長の(図面に垂直な方向に開口が長手方向を有する)スリットとして設けられる。なお、ガス導入口80から第3内部空所96に至る部位を被測定ガス流通部とも称する。
また、被測定ガス流通部よりも一端側から遠い位置には、第3基板層64の上面と、スペーサ層68の下面との間であって、側部を第1固体電解質層66の側面で区画される位置に基準ガス導入空間98が設けられている。基準ガス導入空間98には、NOx濃度の測定を行う際の基準ガスとして、例えば大気(図1の空間50内の雰囲気)が導入される。
大気導入層100は、多孔質アルミナ等のセラミックスからなり、基準ガス導入空間98に露出している層である。この大気導入層100には基準ガス導入空間98を通じて基準ガスが導入されるようになっている。また、大気導入層100は、基準電極102を被覆するように形成されている。この大気導入層100は、基準ガス導入空間98内の基準ガスに対して所定の拡散抵抗を付与しつつ、これを基準電極102に導入する。なお、大気導入層100は、基準電極102よりもセンサ素子12の後端側(図2の右側)でのみ基準ガス導入空間98に露出するように形成されている。換言すると、基準ガス導入空間98は、基準電極102の直上までは形成されていない。但し、基準電極102が基準ガス導入空間98の図2における真下に形成されていてもよい。
基準電極102は、第3基板層64の上面と第1固体電解質層66とに挟まれる態様にて形成される電極であり、上述のように、その周囲には、基準ガス導入空間98につながる大気導入層100が設けられている。なお、基準電極102は、第3基板層64の上面に直に形成されており、第3基板層64の上面に接する部分以外が大気導入層100に覆われている。また、後述するように、基準電極102を用いて第1内部空所88内、第2内部空所92内、第3内部空所96内の酸素濃度(酸素分圧)を測定することが可能となっている。基準電極102は、多孔質サーメット電極(例えば、PtとZrO2とのサーメット電極)として形成される。
被測定ガス流通部において、ガス導入口80は、外部空間に対して開口してなる部位であり、該ガス導入口を通じて外部空間からセンサ素子12内に被測定ガスが取り込まれるようになっている。第1拡散律速部82は、ガス導入口80から取り込まれた被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。緩衝空間84は、第1拡散律速部82より導入された被測定ガスを第2拡散律速部86へと導くために設けられた空間である。第2拡散律速部86は、緩衝空間84から第1内部空所88に導入される被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。被測定ガスが、センサ素子12の外部から第1内部空所88内まで導入されるにあたって、外部空間における被測定ガスの圧力変動(被測定ガスが自動車の排気ガスの場合であれば排気圧の脈動)によってガス導入口80からセンサ素子12内部に急激に取り込まれた被測定ガスは、直接第1内部空所88へ導入されるのではなく、第1拡散律速部82、緩衝空間84、第2拡散律速部86を通じて被測定ガスの濃度変動が打ち消された後、第1内部空所88へ導入されるようになっている。これによって、第1内部空所88へ導入される被測定ガスの濃度変動はほとんど無視できる程度のものとなる。第1内部空所88は、第2拡散律速部86を通じて導入された被測定ガス中の酸素分圧を調整するための空間として設けられている。係る酸素分圧は、後述する主ポンプセル110が作動することによって調整される。
主ポンプセル110は、第1内部空所88の内面に設けられた内側ポンプ電極112と、第2固体電解質層70の上面のうち、内側ポンプ電極112と対応する領域に外部空間(図1のセンサ素子室22)に露出する態様にて設けられた外側ポンプ電極114と、これらの電極に挟まれた第2固体電解質層70とによって構成されてなる電気化学的ポンプセルである。
内側ポンプ電極112は、第1内部空所88を区画する上下の固体電解質層(第2固体電解質層70及び第1固体電解質層66)、及び、側壁を与えるスペーサ層68にまたがって形成されている。具体的には、第1内部空所88の天井面を与える第2固体電解質層70の下面には内側ポンプ電極112の天井電極部112aが形成され、また、第1内部空所88の底面を与える第1固体電解質層66の上面には底部電極部112bが直に形成され、そして、これら天井電極部112aと底部電極部112bとを接続するように、側部電極部(図示省略)が第1内部空所88の両側壁部を構成するスペーサ層68の側壁面(内面)に形成されて、該側部電極部の配設部位においてトンネル形態とされた構造として配設されている。
内側ポンプ電極112と外側ポンプ電極114とは、多孔質サーメット電極(例えば、Auを1%含むPtとZrO2とのサーメット電極)として形成される。なお、被測定ガスに接触する内側ポンプ電極112は、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成される。
主ポンプセル110においては、内側ポンプ電極112と外側ポンプ電極114との間に所望のポンプ電圧Vp0を印加して、内側ポンプ電極112と外側ポンプ電極114との間に正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip0を流すことにより、第1内部空所88内の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間の酸素を第1内部空所88に汲み入れることが可能となっている。
また、第1内部空所88における雰囲気中の酸素濃度(酸素分圧)を検出するために、内側ポンプ電極112と、第2固体電解質層70と、スペーサ層68と、第1固体電解質層66と、基準電極102によって、電気化学的なセンサセル、すなわち、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル120が構成されている。
主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル120における起電力V0を測定することで、第1内部空所88内の酸素濃度(酸素分圧)がわかるようになっている。さらに、起電力V0が一定となるように可変電源122のポンプ電圧Vp0をフィードバック制御することでポンプ電流Ip0が制御されている。これによって、第1内部空所88内の酸素濃度は所定の一定値に保つことができる。
第3拡散律速部90は、第1内部空所88で主ポンプセル110の動作により酸素濃度(酸素分圧)が制御された被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与して、該被測定ガスを第2内部空所92に導く部位である。
第2内部空所92は、予め第1内部空所88において酸素濃度(酸素分圧)が調整された後、第3拡散律速部90を通じて導入された被測定ガスに対して、さらに補助ポンプセル124による酸素分圧の調整を行うための空間として設けられている。これにより、第2内部空所92内の酸素濃度を高精度に一定に保つことができるため、このガスセンサ10においては精度の高いNOx濃度測定が可能となる。
上記補助ポンプセル124は、第2内部空所92の内面に設けられた補助ポンプ電極126と、外側ポンプ電極114(外側ポンプ電極114に限られるものではなく、センサ素子12の外側の適当な電極であれば足りる)と、第2固体電解質層70とによって構成される、補助的な電気化学的ポンプセルである。
この補助ポンプ電極126は、上記第1内部空所88内に設けられた内側ポンプ電極112と同様なトンネル形態とされた構造において、第2内部空所92内に配設されている。つまり、第2内部空所92の天井面を与える第2固体電解質層70に対して天井電極部126aが形成され、また、第2内部空所92の底面を与える第1固体電解質層66の上面には、底部電極部126bが直に形成され、そして、それらの天井電極部126aと底部電極部126bとを連結する側部電極部(図示省略)が、第2内部空所92の側壁を与えるスペーサ層68の両壁面にそれぞれ形成されたトンネル形態の構造となっている。なお、補助ポンプ電極126についても、内側ポンプ電極112と同様に、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成される。
補助ポンプセル124においては、補助ポンプ電極126と外側ポンプ電極114との間に所望の電圧Vp1を印加することにより、第2内部空所92内の雰囲気中の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間から第2内部空所92内に汲み入れることが可能となっている。
また、第2内部空所92内における雰囲気中の酸素分圧を制御するために、補助ポンプ電極126と、基準電極102と、第2固体電解質層70と、スペーサ層68と、第1固体電解質層66とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル130が構成されている。
なお、この補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル130にて検出される起電力V1に基づいて電圧制御される可変電源132にて、補助ポンプセル124がポンピングを行う。これにより第2内部空所92内の雰囲気中の酸素分圧は、NOxの測定に実質的に影響がない低い分圧にまで制御されるようになっている。
また、これと共に、そのポンプ電流Ip1が、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル120の起電力V0の制御に用いられるようになっている。具体的には、ポンプ電流Ip1は、制御信号として主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル120に入力され、その起電力V0が制御されることにより、第3拡散律速部90から第2内部空所92内に導入される被測定ガス中の酸素分圧の勾配が常に一定となるように制御されている。NOxセンサとして使用する際は、主ポンプセル110と補助ポンプセル124との働きによって、第2内部空所92内での酸素濃度は約0.001ppm程度の一定の値に保たれる。
第4拡散律速部94は、第2内部空所92で補助ポンプセル124の動作により酸素濃度(酸素分圧)が制御された被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与して、該被測定ガスを第3内部空所96に導く部位である。第4拡散律速部94は、第3内部空所96に流入するNOxの量を制限する役割を担う。
第3内部空所96は、予め第2内部空所92において酸素濃度(酸素分圧)が調整された後、第4拡散律速部94を通じて導入された被測定ガスに対して、被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定に係る処理を行うための空間として設けられている。NOx濃度の測定は、主として、第3内部空所96において、測定用ポンプセル140の動作により行われる。
測定用ポンプセル140は、第3内部空所96内において、被測定ガス中のNOx濃度の測定を行う。測定用ポンプセル140は、第3内部空所96に面する第1固体電解質層66の上面に直に設けられた測定電極134と、外側ポンプ電極114と、第2固体電解質層70と、スペーサ層68と、第1固体電解質層66とによって構成された電気化学的ポンプセルである。測定電極134は、多孔質サーメット電極である。測定電極134は、第3内部空所96内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する。
測定用ポンプセル140においては、測定電極134の周囲の雰囲気中における窒素酸化物の分解によって生じた酸素を汲み出して、その発生量をポンプ電流Ip2として検出することができる。
また、測定電極134の周囲の酸素分圧を検出するために、第1固体電解質層66と、測定電極134と、基準電極102とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル142が構成されている。測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル142にて検出された起電力V2に基づいて可変電源144が制御される。
第2内部空所92内に導かれた被測定ガスは、酸素分圧が制御された状況下で第4拡散律速部94を通じて第3内部空所96の測定電極134に到達することとなる。測定電極134の周囲の被測定ガス中の窒素酸化物は還元されて(2NO→N2+O2)酸素を発生する。そして、この発生した酸素は測定用ポンプセル140によってポンピングされることとなるが、その際、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル142にて検出された起電力V2が一定となるように可変電源144の電圧Vp2が制御される。測定電極134の周囲において発生する酸素の量は、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度に比例するものであるから、測定用ポンプセル140におけるポンプ電流Ip2を用いて被測定ガス中の窒素酸化物濃度が算出されることとなる。
また、第2固体電解質層70と、スペーサ層68と、第1固体電解質層66と、第3基板層64と、外側ポンプ電極114と、基準電極102とから電気化学的なセンサセル146が構成されており、このセンサセル146によって得られる起電力Vrefによりセンサ外部の被測定ガス中の酸素分圧を検出可能となっている。
さらに、第2固体電解質層70と、スペーサ層68と、第1固体電解質層66と、第3基板層64と、外側ポンプ電極114と、基準電極102とから電気化学的な基準ガス調整ポンプセル150が構成されている。この基準ガス調整ポンプセル150は、外側ポンプ電極114と基準電極102との間に接続された可変電源152が印加する電圧Vp3により制御電流Ip3が流れることで、ポンピングを行う。これにより、基準ガス調整ポンプセル150は、外側ポンプ電極114の周囲の空間(図1のセンサ素子室22)から基準電極102の周囲の空間(大気導入層100)に酸素の汲み入れを行う。可変電源152の電圧Vp3は、制御電流Ip3が所定の値(一定値の直流電流)となるような直流電圧として、予め定められている。
このような構成を有するガスセンサ10においては、主ポンプセル110と補助ポンプセル124とを作動させることによって酸素分圧が常に一定の低い値(NOxの測定に実質的に影響がない値)に保たれた被測定ガスが測定用ポンプセル140に与えられる。従って、被測定ガス中のNOxの濃度に略比例して、NOxの還元によって発生する酸素が測定用ポンプセル140より汲み出されることによって流れるポンプ電流Ip2に基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を知ることができるようになっている。
さらに、センサ素子12は、固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるために、センサ素子12を加熱して保温する温度調整の役割を担うヒータ部160を備えている。ヒータ部160は、ヒータコネクタ電極162と、ヒータ164と、スルーホール166と、ヒータ絶縁層168と、圧力放散孔170と、リード線172とを備えている。
ヒータコネクタ電極162は、第1基板層60の下面に接する態様にて形成されてなる電極である。ヒータコネクタ電極162を外部電源と接続することによって、外部からヒータ部160へ給電することができるようになっている。
ヒータ164は、第2基板層62と第3基板層64とに上下から挟まれた態様にて形成される電気抵抗体である。ヒータ164は、リード線172及びスルーホール166を介してヒータコネクタ電極162と接続されており、該ヒータコネクタ電極162を通して外部より給電されることにより発熱し、センサ素子12を形成する固体電解質の加熱と保温を行う。
また、ヒータ164は、第1内部空所88から第3内部空所96の全域に渡って埋設されており、センサ素子12全体を上記固体電解質が活性化する温度に調整することが可能となっている。
ヒータ絶縁層168は、ヒータ164の上下面に、アルミナ等の絶縁体によって形成された多孔質アルミナからなる絶縁層である。ヒータ絶縁層168は、第2基板層62とヒータ164との間の電気的絶縁性、及び、第3基板層64とヒータ164との間の電気的絶縁性を得る目的で形成されている。
圧力放散孔170は、第3基板層64を貫通し、基準ガス導入空間98に連通するように設けられてなる部位であり、ヒータ絶縁層168内の温度上昇に伴う内圧上昇を緩和する目的で形成されてなる。
なお、図2に示した可変電源122、144、132、152等は、実際にはセンサ素子12内に形成された図示しないリード線や図1のコネクタ19及びリード線54を介して、各電極と接続されている。
そして、本実施形態は、センサ素子12の後端部から露出する接続端子200には、後方に延びる金属端子17が電気的に接続されている。センサ素子12の後端部の周囲にセラミックハウジング16が設置され、上述した接続端子200とセラミックハウジング16との間に金属端子17がはめ込まれることで、センサ素子12の接続端子200と金属端子17とが圧着して電気的に接続される。すなわち、セラミックハウジング16は、センサ素子12と電気的に接続する金属端子17が装着され、センサ素子12の後端部を保持する。
金属端子17の後部は、セラミックハウジング16の後方に延び、弾性絶縁部材56内に挿入されたリード線54と半田等によって電気的に接続される。弾性絶縁部材56は、センサ素子12の軸方向に複数の貫通孔202が形成されている。この貫通孔202を通してリード線54が挿入されて、センサ素子12から延びる金属端子17とリード線54とが半田等によって電気的に接続される。
特に、本実施形態に係るガスセンサ10は、図3A〜図3Eに示すように、弾性絶縁部材56の前端面56a(セラミックハウジング16と対向する端面)に、2本以上のリード線54に対して共通の空間(共通空間204と記す)を1つ以上有する。図1に示すように、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して、10〜80%の範囲である。
図3Aは、1つの共通空間204に8本のリード線54(合計8本)を挿通した第1構造を示す。図3Bは、2つの共通空間204にそれぞれ3本のリード線54(合計6本)を挿通した第2構造を示す。図3Cは、2つの共通空間204にそれぞれ4本のリード線54(合計8本)を挿通した第3構造を示す。図3Dは、3つの共通空間204にそれぞれ2本のリード線54(合計6本)を挿通した第4構造を示す。図3Eは、4つの共通空間204にそれぞれ2本のリード線54(合計8本)を挿通した第5構造を示す。これらの構造は、あくまでも一例であり、様々な形態が考えられるのはいうまでもない。例えば図3B〜図3Eでは、共通空間204の長軸を横方向にした場合の例を示しているが、長軸を縦方向にしてもよいし、斜め方向にしてもよい。
そして、上述した第1構造〜第5構造のうち、いずれかを採用することにより、弾性絶縁部材56の溶損を防ぐと共に、接点部の接触不良(接点不良)を抑えることができる。すなわち、弾性絶縁部材56での温度上昇を抑え、ガスセンサ10の耐熱性を向上させることができる。
ここで、実施例1〜21と比較例について、耐熱性と接点不良を確認した実験例を示す。なお、弾性絶縁部材56としてゴム製のグロメットを用いた。
[実施例1]
実施例1に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して30%である。共通空間204の数は1つ、リード線54の本数は8本であり、図3Aに示す第1構造を有する。
[実施例2]
実施例2に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して50%である。実施例1と同様に、図3Aに示す第1構造を有する。
[実施例3]
実施例3に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して80%である。実施例1と同様に、図3Aに示す第1構造を有する。
[実施例4]
実施例4に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して10%である。実施例1と同様に、図3Aに示す第1構造を有する。
[実施例5]
実施例5に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して30%である。共通空間204の数は2つ、リード線54の本数は6本であり、図3Bに示す第2構造を有する。
[実施例6]
実施例6に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して50%である。実施例5と同様に、図3Bに示す第2構造を有する。
[実施例7]
実施例7に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して80%である。実施例5と同様に、図3Bに示す第2構造を有する。
[実施例8]
実施例8に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して10%である。実施例5と同様に、図3Bに示す第2構造を有する。
[実施例9]
実施例9に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して30%である。共通空間204の数は2つ、リード線54の本数は8本であり、図3Cに示す第3構造を有する。
[実施例10]
実施例10に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して50%である。実施例9と同様に、図3Cに示す第3構造を有する。
[実施例11]
実施例11に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して80%である。実施例9と同様に、図3Cに示す第3構造を有する。
[実施例12]
実施例12に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して10%である。実施例9と同様に、図3Cに示す第3構造を有する。
[実施例13]
実施例13に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して30%である。共通空間204の数は3つ、リード線54の本数は6本であり、図3Dに示す第4構造を有する。
[実施例14]
実施例14に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56グロメットの前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して50%である。実施例13と同様に、図3Dに示す第4構造を有する。
[実施例15]
実施例15に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して80%である。実施例13と同様に、図3Dに示す第4構造を有する。
[実施例16]
実施例16に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して10%である。実施例13と同様に、図3Dに示す第4構造を有する。
[実施例17]
実施例17に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して30%である。共通空間204の数は4つ、リード線54の本数は8本であり、図3Eに示す第5構造を有する。
[実施例18]
実施例18に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して50%である。実施例17と同様に、図3E示す第5構造を有する。
[実施例19]
実施例19に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して80%である。実施例17と同様に、図3Eに示す第5構造を有する。
[実施例20]
実施例20に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して10%である。実施例17と同様に、図3Eに示す第5構造を有する。
[実施例21]
実施例21に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有し、共通空間204の深さtは、弾性絶縁部材56の全長Lに対して5%である。実施例1と同様に、図3Aに示す第1構造を有する。
[比較例]
比較例に係るガスセンサは、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有しない。リード線54の本数は8本である。
[評価方法]
加熱振動試験後における弾性絶縁部材56の溶損の有無と、接点不良の有無を評価した。
[実験方法]
900℃の高温ガスが流れるチャンバーにガスセンサを取り付け、下記振動条件下での150時間の試験を実施した。
周波数:50、100、150、250Hz
加速度:30G、40G、50G
掃引時間:30min./sweep cycle
試験時間:150時間
ガス温度:900℃
[判定1:グロメットの溶損の有無]
試験中のVref信号をモニタリングし、Vref信号が所定の閾値を超えて変化したか否かを調査した。なお、Vref信号が所定の閾値を超えることは、弾性絶縁部材56が溶損してガスが生じ、基準電極102周りの酸素濃度が低下したことを意味する。
判定基準は以下の通りである。
〇:耐久試験中にVref信号が所定の閾値を超えない。
△:50〜150時間の間にVref信号が所定の閾値を超えた。
×:50時間以内にVref信号が所定の閾値を超えた。
[判定2:試験前後での接点不良の有無]
判定基準は以下の通りである。
〇:接点不良無し
×:接点不良有り
評価結果を図4の表1に示す。表1に示す評価結果から、弾性絶縁部材56の前端面56aに、深さtが弾性絶縁部材56の全長Lに対して10%〜80%の共通空間204が存在することで、判定1及び判定2共に、結果が良好であることがわかる。
なお、深さtが弾性絶縁部材56の全長Lに対して10%未満である実施例21は、判定2については結果が良好であったが、判定1については結果が不良であった。
弾性絶縁部材56の前端面56aに、共通空間204が存在しない比較例については、判定1及び判定2共に、結果が不良であった。
これらの判定結果から、弾性絶縁部材56の前端面56aに共通空間204を有することが好ましく、共通空間204は、弾性絶縁部材56の全長Lに対して10%〜80%の範囲に形成されていることがより好ましいことがわかる。
また、共通空間204が複数存在することで、ガスセンサから延びる金属端子17とリード線54との電気的接続のための位置決めが容易になり、工数の削減を図ることが可能となる。
[本実施形態から得られる発明]
上記実施形態から把握しうる発明について、以下に記載する。
[1] 本実施形態に係るガスセンサ10は、センサ素子12と、センサ素子12の後端部を保持し、センサ素子12と電気的に接続する金属端子17が装着されたセラミックハウジング16と、センサ素子12の後方に固定され、金属端子17が電気的に接続される複数のリード線54が挿入された弾性絶縁部材56と、を有し、弾性絶縁部材56は、セラミックハウジング16と対向する面(前端面56a)に、2本以上のリード線54に対して共通の空間204を1つ以上有する。
これにより、弾性絶縁部材56の温度上昇を抑制することができる。その結果、熱による弾性絶縁部材56の溶損が発生するリスクを低減することができると共に、振動等による接点部付近の断線や接点不良の発生を抑えることができる。
[2] 本実施形態において、共通空間204の奥行方向の長さ(深さt)は、弾性絶縁部材56の全長Lに対して、10〜80%である。これにより、温度の上がりやすい先端側では弾性絶縁部材56の溶損を抑えることができる。
[3] 本実施形態において、共通空間204の数が2つ以上である。共通空間204が複数存在することで、ガスセンサ10から延びる金属端子17とリード線54との電気的接続のための位置決めが容易になり、工数の削減を図ることが可能となる。
[4] 本実施形態において、共通空間204の奥行方向の長さ(深さt)は、弾性絶縁部材56の全長Lに対して、10〜80%であり、且つ、共通空間204の数が2つ以上、4つ以下である。
これにより、温度の上がりやすい先端側では弾性絶縁部材56の溶損を抑えることができ、しかも、リード線54からの熱伝達を抑えると共に、振動等による接点部付近の断線や接点不良を抑えることができる。
上述した実施形態では、センサ素子12は被測定ガス中のNOx濃度を検出するものとしたが、被測定ガス中の特定ガスの濃度を検出するものであれば、これに限られない。例えば、被測定ガス中の酸素濃度を検出するものとしてもよい。
なお、本発明の実施に当たっては、本発明の思想を損なわない範囲で自動車用部品としての信頼性向上のための諸手段が付加されてもよい。
10…ガスセンサ 12…センサ素子
16…セラミックハウジング 50…空間
54…リード線 56…弾性絶縁部材
56a…前端面 100…大気導入層
102…基準電極 204…共通空間
L…弾性絶縁部材の全長 t…共通空間の深さ
Vref…起電力

Claims (4)

  1. センサ素子と、
    前記センサ素子の後端部を保持し、前記センサ素子と電気的に接続する金属端子が装着されたセラミックハウジングと、
    前記センサ素子の後方に固定され、前記金属端子が電気的に接続される複数のリード線が挿入された弾性絶縁部材と、を有し、
    前記弾性絶縁部材は、前記セラミックハウジングと対向する面に、2本以上の前記リード線に対して共通の空間を1つ以上有する、ガスセンサ。
  2. 請求項1記載のガスセンサにおいて、
    前記共通の空間の奥行方向の長さは、前記弾性絶縁部材の全長に対して、10〜80%である、ガスセンサ。
  3. 請求項1又は2記載のガスセンサにおいて、
    前記共通の空間の数が2つ以上である、ガスセンサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサにおいて、
    前記共通の空間の奥行方向の長さは、前記弾性絶縁部材の全長に対して、10〜80%であり、且つ、前記共通の空間204の数が2つ以上、4つ以下である、ガスセンサ。
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