JP2021032701A - 分析用試料の調製方法、分析方法および分析用試料の調製用キット - Google Patents

分析用試料の調製方法、分析方法および分析用試料の調製用キット Download PDF

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Abstract

【課題】糖鎖に含まれるラクトン構造をより効率的にアミド化する。【解決手段】分析用試料の調製方法は、乾固された試料を用意することと、乾固された試料を、乾固された試料に含まれる分子のラクトン構造と反応させるアンモニア、アミノ基に結合した炭素原子に1以下の炭素原子が直接結合している第一級アミン、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体およびヒドロキシアミンならびにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むアミド化反応溶液と接触させ、ラクトン構造をアミド化するアミド化反応を行うこととを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、分析用試料の調製方法、分析方法および分析用試料の調製用キットに関する。
シアル酸は生体内に数多く存在する糖である。シアル酸は、生体内においてタンパク質と結合された糖鎖にも含まれ、糖鎖の非還元末端に存在することが多い。従って、シアル酸は、このような糖タンパク質分子において分子の外側に配置され他の分子から直接認識されるため、重要な役割を担っている。
シアル酸は、隣接する糖との間の結合様式(linkage type)が異なる場合がある。例えば、ヒトのN−結合型糖鎖(N型糖鎖)では主にα2,3−およびα2,6−の結合様式、O−結合型糖鎖(O型糖鎖)およびスフィンゴ糖脂質ではこれらに加えてα2,8−およびα2,9−の結合様式が知られている。このような結合様式の違いにより、シアル酸は異なる分子から認識され、異なる役割を有し得る。
シアル酸を含有する糖鎖に対する質量分析等においては、前処理としてシアル酸の修飾が行われている。これは、負電荷を有するシアル酸のカルボキシ基をエステル化またはアミド化等により中性化することで、イオン化の抑制およびシアル酸の脱離等のデメリットを解消するものである。シアル酸は糖鎖分子内でラクトン化しやすいが、結合様式により生成されるラクトンの安定性が異なるため、この安定性の違いを利用して結合様式特異的にシアル酸の修飾および解析を行うことができる。ここで、ラクトンはきわめて不安定であり、水中でも容易に加水分解され、酸性または塩基性条件でさらに迅速に加水分解される。従って、前処理における修飾により生成されたラクトンを、アミド化により安定化させることが報告されている(特許文献1、非特許文献1および非特許文献2参照)。ラクトンは、生体における糖鎖および抗体医薬の糖鎖等においても存在し、これらの解析を行う際にも安定化を行うことができる。また、非特許文献2に記載されたラクトンの直接アミド化は、ラクトンの迅速な修飾を行うことができ、今後の利用が期待されている。
ラクトンのアミド化は加水分解と競合する。非特許文献2の方法では、加水分解を起こさずにアミド化を行うため、2.9M(Mはmol/Lを示す)等の高い濃度のアミンを用いている。
特許第6135710号公報
Nishikaze T, Tsumoto H, Sekiya S, Iwamoto S, Miura Y, Tanaka K. "Differentiation of Sialyl Linkage Isomers by One-Pot Sialic Acid Derivatization for Mass Spectrometry-Based Glycan Profiling" Analytical Chemistry,(米国), ACS Publications, 2017年2月21日、Volume 89, Issue 4, pp.2353-2360 Hanamatsu H, Nishikaze T, Miura N, Piao J, Okada K, Sekiya S, Iwamoto S, Sakamoto N, Tanaka K, Furukawa JI. "Sialic Acid Linkage Specific Derivatization of Glycosphingolipid Glycans by Ring-Opening Aminolysis of Lactones" Analytical Chemistry,(米国), ACS Publications, 2018年10月29日、Volume 90, Issue 22, pp.13193-13199
アミンの濃度以外の条件を調整して、ラクトンをアミド化する際の効率を上げることが望ましい。
本発明の第1の態様は、乾固された試料を用意することと、前記乾固された試料を、前記乾固された試料に含まれる分子のラクトン構造と反応させるアンモニア、アミノ基に結合した炭素原子に1以下の炭素原子が直接結合している第一級アミン、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体およびヒドロキシアミンならびにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むアミド化反応溶液と接触させ、前記ラクトン構造をアミド化するアミド化反応を行うこととを備える分析用試料の調製方法に関する。
本発明の第2の態様は、第1の態様の分析用試料の調製方法により分析用試料を調製することと、調製した前記分析用試料を分析することとを備える分析方法に関する。
本発明の第3の態様は、第1の態様の分析用試料の調製方法、または、第2の態様の分析方法に用いられる分析用試料の調製用キットに関する。
本発明によれば、ラクトンをアミド化する際の効率を上げることができる。
図1は、一実施形態に係る分析方法の流れを示すフローチャートである。 図2は、実施例の糖鎖の構造を説明するための概念図である。 図3は、実施例において、乾固させた試料(上段(a))および溶液中の試料(下段(b))のそれぞれにアミド化反応溶液を加える前処理により得られた質量分析用試料を質量分析して得たマススペクトルである。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。発明者らは、乾固させた試料にアミド化のための反応溶液を加えることで、より効率よくアミド化を行うことができることを見出した。
−第1実施形態−
図1は、本実施形態の分析用試料の調製方法に係る分析方法の流れを示すフローチャートである。本実施形態の分析用試料の調製方法では、試料に含まれる糖鎖のシアル酸をラクトン化した後、生成されたラクトンをアミド化する。ステップS1001において、糖鎖を含む試料が用意される。
(試料について)
糖鎖を含む試料は、特に限定されず、遊離糖鎖、糖ペプチドおよび糖タンパク質、ならびに糖脂質からなる群から選択される少なくとも一つの分子を含むことができる。ペプチドおよび糖ペプチドは、2以上50未満のアミノ酸からなるペプチド主鎖を備えるとし、タンパク質および糖タンパク質は、50以上のアミノ酸からなるペプチド主鎖を備えるとすることができる。しかし、慣例的な例外もあり、ペプチドとタンパク質の範囲の境界および糖ペプチドおよび糖タンパク質の範囲の境界はこれに限定されない。本実施形態の分析用試料の調製方法では、糖鎖に含まれるシアル酸の結合様式特異的な修飾が行われる。試料中の糖鎖は、N−結合型糖鎖やO−結合型糖鎖、糖脂質型糖鎖等、末端にシアル酸を有する可能性がある糖鎖を含むことが好ましい。また、試料中の糖鎖は、α2,3−シアル酸、α2,8−シアル酸およびα2,9−シアル酸の少なくとも一つを含むか、含む可能性があることがより好ましく、これに加えてα2,6−シアル酸を含むか、含む可能性があることがさらに好ましい。
試料が遊離糖鎖を含む場合は、糖タンパク質、糖ペプチドまたは糖脂質から遊離させた糖鎖を用いることができる。当該遊離の方法としては、N‐グリコシダーゼ、O‐グリコシダーゼ、またはエンドグリコセラミダーゼなどを用いた酵素処理、ヒドラジン分解、アルカリ処理によるβ脱離等の化学的切断方法を用いることができる。糖ペプチドおよび糖タンパク質のペプチド鎖からN‐結合型糖鎖を遊離させる場合は、ペプチド‐N‐グリコシダーゼF(PNGase F)、ペプチド‐N‐グリコシダーゼA(PNGase A)、またはエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Endo M)等による酵素処理が好適に用いられる。また、糖鎖の還元末端のピリジルアミノ化(PA化)等の修飾を適宜行うことができる。酵素処理の前に、後述する糖ペプチドまたは糖タンパク質のペプチド鎖の切断を行ってもよい。
試料が糖ペプチドまたは糖タンパク質を含む場合、後述の「糖ペプチドおよび糖タンパク質の副反応の抑制について」の部分で述べるように、ペプチド部分の副反応を抑えるための処理を適宜行うことができる。また、糖ペプチドまたは糖タンパク質のペプチド鎖のアミノ酸の残基数が多いものは、酵素的切断等により、ペプチド鎖を切断して用いることが好ましい。例えば、質量分析用の試料を調製する場合、ペプチド鎖のアミノ酸残基数は30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。一方、糖鎖が結合しているペプチドの由来を明確とすることが求められる場合には、ペプチド鎖のアミノ酸残基数は2以上が好ましく、3以上がより好ましい。
糖ペプチドまたは糖タンパク質のペプチド鎖を切断する場合の消化酵素としては、トリプシン、リジルエンドペプチダーゼ、アルギニンエンドペプチダーゼ、キモトリプシン、ペプシン、サーモリシン、プロテイナーゼK、またはプロナーゼE等が用いられる。これらの消化酵素の2種以上を組み合わせて用いてもよい。ペプチド鎖の切断の際の条件は特に限定されず、使用する消化酵素に応じた適宜のプロトコルが採用される。この切断の前に、試料中のタンパク質およびペプチドの変性処理またはアルキル化処理が行われてもよい。変性処理またはアルキル化処理の条件は特に限定されない。また、酵素的切断では無く、化学的切断等によりペプチド鎖を切断してもよい。
ステップS1001が終了したら、ステップS1003が開始される。
(ラクトン化反応)
ステップS1003において、試料をラクトン化のための反応溶液(以下、ラクトン化反応溶液と呼ぶ)と接触させ、糖鎖に含まれるシアル酸の少なくとも一部をラクトン化するラクトン化反応を行う(以下、ラクトン化反応と記載した場合、特に言及が無い限り、ステップS1003のラクトン化反応を指す)。以下では、ラクトン化反応溶液を用いて、結合様式特異的に、シアル酸の一部をラクトン化し、シアル酸の他の一部にラクトン化とは異なる修飾をする例を説明する。しかし、このラクトン化とは異なる修飾を行わなくてもよい。ラクトン化反応において、α2,3−シアル酸、α2,8−シアル酸およびα2,9−シアル酸が好適にラクトン化される。
ラクトン化反応溶液は、脱水縮合剤と、アルコール、アミンまたはこれらの塩を含む第1反応剤とを含む。第1反応剤は、その少なくとも一部がシアル酸に結合することにより、エステル化またはアミド化による修飾を行うための反応剤である。第1反応剤は、例えば求核剤として機能する。シアル酸の結合様式に基づいて選択的に脱水反応またはエステル化またはアミド化による修飾反応を起こすように、脱水縮合剤および第1反応剤の種類および濃度が調整される。
なお、第1反応剤による、ラクトン化とは異なる修飾を行わない場合には、ラクトン化反応溶液は、脱水縮合剤を含み、第1反応剤を含まなくてよい。
結合様式特異的なラクトン化について説明する。α2,3−シアル酸のカルボキシ基の分子内脱水で生じるラクトンは六員環であり、α2,6−シアル酸のカルボキシ基の分子内脱水により生じ得るラクトンは七員環となる。従って、七員環より安定な六員環を生じるα2,3−シアル酸はα2,6−シアル酸よりラクトン化されやすい。また、α2,3−シアル酸のカルボキシ基はα2,6−シアル酸のカルボキシ基に比べて立体障害が比較的大きい部位にあるため、大きな分子は、α2,6−シアル酸と比べると、α2,3−シアル酸とは反応しづらい。このようなシアル酸の結合様式による分子構造の違いに基づいて、シアル酸の結合様式により異なる修飾がされるように脱水縮合剤ならびに第1反応剤の種類および濃度が調整される。
(ラクトン化反応における脱水縮合剤)
脱水縮合剤は、カルボジイミドを含むことが好ましい。カルボジイミドを用いると、脱水縮合剤としてホスホニウム系脱水縮合剤(いわゆるBOP試薬)やウロニウム系脱水縮合剤を用いた場合に比べて、立体障害が大きい部位に存在するカルボキシ基がアミド化されにくいからである。カルボジイミドの例としては、N,N’‐ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)、N‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド(EDC)、N,N’‐ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1‐tert‐ブチル‐3‐エチルカルボジイミド(BEC)、N,N’‐ジ‐tert‐ブチルカルボジイミド、1,3‐ジ‐p‐トルイルカルボジイミド、ビス(2,6‐ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、1,3‐ビス(2,2‐ジメチル‐1,3‐ジオキソラン‐4‐イルメチル)カルボジイミド(BDDC)や、これらの塩が挙げられる。
(ラクトン化反応における添加剤)
脱水縮合剤による脱水縮合を促進させ、かつ副反応を抑制するために、カルボジイミドに加えて、求核性の高い添加剤を用いることが好ましい。求核性の高い添加剤としては、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1‐ヒドロキシ‐7‐アザ‐ベンゾトリアゾール(HOAt)、4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、2‐シアノ‐2‐(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(Oxyma)、N‐ヒドロキシ‐スクシンイミド(HOSu)、6‐クロロ‐1‐ヒドロキシ‐ベンゾトリアゾール(Cl-HoBt)、N‐ヒドロキシ‐3,4‐ジヒドロ‐4‐オキソ‐1,2,3‐ベンゾトリアジン(HOOBt)等が好ましく用いられる。
(ラクトン化反応における反応剤(第1反応剤))
第1反応剤として用いられるアミンは、炭素原子を2個以上含む第一級または第二級のアルキルアミンを含むことが好ましい。第一級のアルキルアミンは、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン(iPA)、ブチルアミン、sec‐ブチルアミン、tert‐ブチルアミン等が好ましい。第二級アルキルアミンは、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルメチルアミン、イソプロピルメチルアミン等が好ましい。α2,3−シアル酸のカルボキシ基のように立体障害が大きい部位に存在するカルボキシ基がアミド化されにくいようにする観点から、イソプロピルアミンのような分枝アルキル基を有するアミンを用いることが好ましい。ラクトン化反応溶液の第1反応剤にアミンを用いた場合、シアル酸の結合様式に基づいて、α2,6−シアル酸等の一部のシアル酸のカルボキシ基がアミド化される。
第1反応剤として用いられるアルコールは、特に限定されず、例えばメタノールまたはエタノール等を用いることができる。ラクトン化反応溶液の反応剤にアルコールを用いた場合、シアル酸の結合様式に基づいて、α2,6−シアル酸等の一部のシアル酸のカルボキシ基がエステル化される。
なお、第1反応剤は、上述の第1反応剤の塩を含んでもよい。
(脱水縮合剤およびアミンの濃度について)
ラクトン化反応溶液の脱水縮合剤の濃度は、例えば、1mM〜5M(mol/L)が好ましく、10mM〜3Mがより好ましい。カルボジイミドとHOAtやHOBt等の求核性の高い添加剤とを併用する場合は、それぞれの濃度が上記範囲であることが好ましい。ラクトン化反応溶液のアミンの濃度は、0.01〜20Mが好ましく、0.1M〜10Mがより好ましい。ラクトン化反応の際の反応温度は、−20℃〜100℃程度が好ましく、−10℃〜50℃がより好ましい。
(ラクトン化反応を行う相)
ラクトン化反応は、液相でも固相でも行うことができる。試料とラクトン化反応溶液とを接触させることができれば、ラクトン化反応を起こす際の試料の状態は特に限定されない。
固相で反応を行う場合、固相担体としては、糖鎖、糖ペプチド、または糖タンパク質等を固定可能なものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、糖ペプチドまたは糖タンパク質を固定するためには、エポキシ基、トシル基、カルボキシ基、アミノ基等をリガンドとして有する固相担体を用いることができる。また、糖鎖を固定するためには、ヒドラジド基やアミノオキシ基等をリガンドとして有する固相担体を用いることができる。また、イオン化の効率等の観点から、糖鎖を親水性相互作用クロマトグラフィー(Hydrophilic Interaction Chromatography;HILIC)用の担体、すなわち固定相に吸着させることも好ましく、このHILIC用の担体はアミド基を含むことがさらに好ましい。
試料を固相担体に固定した状態で反応を行うことにより、反応溶液の除去および脱塩精製がより容易となり、試料の調製を簡素化できる。固相担体に固定された試料に、ラクトン化反応溶液を作用させてラクトン化を行った後は、化学的手法または酵素反応等により、担体から試料を遊離させて回収すればよい。例えば、担体に固定された糖タンパク質や糖ペプチドを、PNGase F等のグリコシダーゼやトリプシン等の消化酵素により酵素的に切断し回収してもよく、ヒドラジド基を有する固相担体に結合している糖鎖を、弱酸性溶液により遊離させて回収してもよい。HILICでは、アセトニトリル等を溶媒としたラクトン化反応溶液によりラクトン化反応を行い、水等の水系溶液により試料を溶出することができる。
ラクトン化反応後の試料は、必要に応じて、公知の方法等により精製、脱塩、可溶化等の処理が行われてもよい。後述するアミド化反応の後においても同様である。
ステップS1003が終了したら、ステップS1005が開始される。
(試料の乾固)
ステップS1005において、ステップS1003のラクトン化反応後の試料を乾固させる。試料の乾固の方法は特に限定されない。例えば、遠心エバポレータを用いて遠心力を利用した試料の減圧濃縮を行ったり、凍結乾燥機を用いて、凍結させた試料から溶媒を昇華させて試料を乾燥させてもよい。ステップS1005が終了したら、ステップS1007が開始される。
(アミド化反応)
ステップS1007において、ステップS1005で乾固された試料を、反応溶液(以下、アミド化反応溶液と呼ぶ)と接触させ、ステップS1003でラクトン化されたシアル酸をアミド化するアミド化反応が行われ、分析用試料が取得される。本実施形態では、加水分解によりラクトンを開環してからカルボキシ基をアミド化することを意図した上記特許文献1の方法とは全く異なり、ラクトンを迅速に直接アミド化する。本実施形態に係るアミド化反応は無水条件下でも好適に行われるため、加水分解とは異なる反応であり、アミノ基とラクトンとの相互作用に基づくアミノリシスと考えられる。以下では、アンモニア、アミンまたはこれらの塩によるラクトンの開環およびアミド化をアミノリシスと呼ぶ。このアミノリシス反応は実質的に脱水縮合剤を必要としないので、ラクトン構造が形成されていない通常のシアル酸には影響を及ぼすことなく、ラクトン化しているシアル酸のみを選択的にアミド化することが可能である。以下の実施形態では、ラクトン化反応におけるアミド化を除き、アミノリシスによりアミド化反応を行う例を説明する。
以下の実施形態において、「シアル酸に形成されているラクトン」「シアル酸に形成されているラクトン構造」のようにシアル酸についてのラクトンに言及する場合、シアル酸と当該シアル酸に隣接する単糖間に形成されたラクトン構造の他、シアル酸の内部に形成されたラクトン構造等も指す。ここで、ラクトン化により生じた分子中の環状構造を、適宜ラクトン構造と呼ぶ。
アミド化反応溶液は、アンモニア、アミンまたはこれらの塩を含む反応剤(以下、第2反応剤と呼ぶ)を含む。第2反応剤は、その少なくとも一部がシアル酸に結合することにより、アミド化による修飾を行うためのアミド化反応剤である。第2反応剤は、例えば求核剤である。好ましくは、アミド化反応は、乾固された試料をアミド化反応溶液と接触させることのみにより行われ、簡便な操作でラクトンが安定化される。
なお、アミド化反応には脱水縮合剤は必要ではないが、アミド化反応溶液に脱水縮合剤が含まれていてもよい。アミド化反応では、試料とアミド化反応溶液とを接触させた後、試料と脱水縮合剤とを反応させる操作を行わないとして説明するが、例えばアミド化以外の目的のため行ってもよい。
ラクトン化反応溶液が上記第1反応剤を含む場合、アミド化反応溶液に含まれる第2反応剤は、第1反応剤とは異なる。第2反応剤は、本実施形態の分析用試料の調製方法で得られた分析用試料を質量分析で分析する場合、第1反応剤と第2反応剤は質量等が異なるように選択される。質量分析の質量分解能に応じて、得られた2種類の修飾体に対し精度よく質量分離が行われるように第1反応剤および第2反応剤が選択される。第1反応剤および第2反応剤は別の種類の物質でもよいし、安定同位体により質量を異ならせた同じ種類の物質でもよい。また、iTRAQに代表されるようなアイソバリック(isobaric)なタグでも良い。この場合、第1段階の質量分析と第2段階の質量分析の間に行われる開裂により得られるプロダクトイオンのm/z(質量電荷比に対応)が異なるように当該タグが設計されているため、シアル酸の結合様式およびラクトン体の識別は2段階以上の質量分析により行うことができる。以下では、二段階以上の質量分析をタンデム質量分析と呼ぶ。このように、第1反応剤および第2反応剤によりそれぞれ修飾された修飾体を2以上の段階により質量分析する際に、いずれかの段階で異なるm/zによりこれらの修飾体を分離することができればよい。本実施形態の分析用試料の調製方法で得られた分析用試料をクロマトグラフィーで分析する場合、第1反応剤と第2反応剤とは異なる置換基を有することがクロマトグラフィーで互いに分離しやすくするために好ましい。
(アミド化反応におけるアミン)
以下の実施形態では、「アミン」の語は、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体およびヒドロキシアミンおよびこれらの塩を含み、アンモニアおよびアンモニアの塩を含まないものとする。アミド化反応においてアミンを用いる場合、第2反応剤に含まれるアミンは、アミノ基に結合した炭素原子に1以下の炭素原子が直接結合している第一級アミン、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体およびヒドロキシアミンならびにこれらの塩から選択される少なくとも一つの化合物である。上述のように、第一級アミンの場合、炭素鎖に分枝を有していても、アミノ基から離れた位置に分枝があればアミド化反応の効率の低下が抑えられるため好ましい。
第2反応剤は、直鎖炭化水素基を有する第一級アミンがより好ましく、直鎖アルキル基を有する第一級アミンがさらに好ましい。第2反応剤は、直鎖アルキル基を有する第一級アミンとしては、炭素数が10以下の第一級アミンが好ましく、炭素数が6以下の第一級アミン、すなわち、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミンおよびヘキシルアミンがさらに好ましく、メチルアミンが最も好ましい。アミド化反応溶液に含まれるアミンが分枝(以下、「分枝」は炭化水素鎖の分枝を示す)を有しない直鎖状の構造を有していたり、炭素数が少ない方が、より効率的にラクトンがアミド化されるため好ましい。
第2反応剤に含まれるヒドラジン誘導体は、特に限定されない。以下の実施形態では、アセトヒドラジド、酢酸ヒドラジド、ベンゾヒドラジドおよび安息香酸ヒドラジド等のヒドラジドもヒドラジン誘導体に含まれ、第2反応剤として用いることができる。第2反応剤に含まれるヒドラジン誘導体は、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、プロピルヒドラジン、ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジンおよびベンジルヒドラジン、ならびに、アセトヒドラジド、酢酸ヒドラジド、ベンゾヒドラジドおよび安息香酸ヒドラジドからなる群から選択される少なくとも一つの化合物とすることができる。第2反応剤としてのヒドラジンまたはその誘導体は、アミド化反応の効率を高めるまたは維持する観点から、ヒドラジンまたはメチルヒドラジンが好ましい。
第2反応剤が不飽和鎖式炭化水素基を有する第一級アミンの場合、当該不飽和鎖式炭化水素基は二重結合を含むことが好ましく、当該不飽和鎖式炭化水素基はアリル(Allyl)基を含むことがより好ましく、当該アミンはアリルアミン(Allylamine)がさらに好ましい。第2反応剤はヒドロキシ基を含む第一級アミンでもよく、この場合、エタノールアミンが好ましい。アミド化反応溶液に含まれるアミンはアルキル基以外の様々な官能基を含んでもよい。糖鎖がアミド化反応の結果このような官能基を含むように修飾されることにより、当該修飾を受けた糖鎖を、質量分析だけではなく、クロマトグラフィー等によってもより分離しやすくなる。
第2反応剤は、アンモニア、および第2反応剤として上述したアミンの塩とすることができる。第2反応剤に含まれるアンモニアまたはアミンの塩としては、アンモニアまたはアミンの無機酸塩または有機酸塩が挙げられ、炭酸塩、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩またはメタンスルホン酸塩のような無機塩が好ましく、炭酸塩、塩酸塩および硝酸塩がより好ましく、塩酸塩がさらに好ましい。直鎖炭化水素基を有する第一級アミンの塩酸塩としては、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、プロピルアミン塩酸塩、ブチルアミン塩酸塩、ペンチルアミン塩酸塩がより好ましく、メチルアミン塩酸塩がさらに好ましい。
(アミド化反応溶液の濃度)
アミド化反応溶液における第2反応剤の濃度は、特に限定されないが、0.1M(Mはmol/L)以上が好ましく、0.3M以上がより好ましく、0.5M以上がさらに好ましく、1.0M以上がさらに好ましく、3.0M以上が最も好ましい。好適な例として、アミド化反応溶液は、アンモニアまたは上記第一級アミン、特にメチルアミンを含み、当該アンモニア、またはメチルアミン等の上記第一級アミンの濃度は、0.1M以上が好ましく、0.3M以上がより好ましく、0.5M以上がさらに好ましく、1.0M以上が一層好ましく、2.9M以上が最も好ましい。アミド化反応溶液における第2反応剤の濃度が高いほど、より確実にラクトンのアミド化を行うことができる。
発明者は、糖鎖を含む分子に対してアミノリシス反応を行った際に、試料を含む溶液に、1M等の比較的高い濃度のアミンを含むアミド化反応溶液を加えても、条件によっては、再現性良く十分なアミド化が起こらず、加水分解が起こる場合があることを観察した。発明者は、本実施形態の分析用試料の調製方法のように、乾固された試料を用意し、当該試料とアミド化反応溶液とを接触させることで、加水分解を抑制しアミド化を効率よく起こすことができることを見出した。これは、以下のように説明される。試料を含む溶液にアミド化反応溶液を加える場合、これらの溶液が十分に混合されるまでは、ラクトン近傍の局所的なアミン濃度は、加えたアミド化反応溶液のアミンの濃度よりも低い濃度となり、加水分解が優位に起こりうる。一方、乾固された試料にアミド化反応溶液を接触させた場合、ラクトン近傍の局所的なアミン濃度は、直ちに加えたアミド化反応溶液のアミンの濃度に到達し、加水分解が優位に起こり得る時間はきわめて短いか、無い。
(アミド化反応溶液の溶媒)
アミド化反応溶液の溶媒は、アミド化を確実に起こす観点から水系溶媒または水系溶媒と有機溶媒の混合溶媒が好ましい。アミド化反応溶液の溶媒は、例えば、水、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはアセトニトリル水溶液とすることができる。
(アミド化反応溶液のpH)
アミド化反応溶液のpHは、7.7以上である。アミド化反応溶液のpHは、8.0以上が好ましく、8.8以上がより好ましく、10.3以上がさらに好ましい。アミド化反応溶液のpHが高くなると、加水分解等の副反応が抑制されたり、様々な第2反応剤を用いてより確実にラクトンがアミド化されるため好ましい。
(アミド化反応を起こすための時間)
アミド化反応は、数秒〜数分以内に完了する。従って、アミド化反応によりラクトンをアミド化するために、試料をアミド化反応溶液と接触させる時間(以下、反応時間と呼ぶ)は、1時間未満が好ましく、30分未満がより好ましく、15分未満がさらに好ましく、5分未満がさらに好ましく、1分未満が最も好ましい。好適には、試料をアミド化反応溶液で洗浄したり、担体等に保持されている試料に対して一時的に通液するだけでもよい。試料とアミド化反応溶液とが接触する時間は、特に限定されないが、反応を十分完了させる等の観点から適宜0.1秒以上または1秒以上等とすることができる。また、試料とアミド化反応溶液を混合し、そのまま反応時間を設けずに乾固してもよい。このように、アミド化反応は短時間に完了するため、不安定なラクトンが分解し糖鎖の解析における定量性が損なわれることを抑制することができる。また、アミド化反応の反応時間を短く設定することで、より効率的に試料の解析を行うことができる。
上述した調製方法により得られた分析用試料では、ラクトン化反応溶液に第1反応剤を含めた場合、α2,6−シアル酸等のラクトン化されにくい結合様式のシアル酸はラクトン化反応において第1反応剤により修飾される。α2,3−、α2,8−およびα2,9−シアル酸等のラクトン化されやすい結合様式のシアル酸はラクトン化反応においてラクトン化され、アミド化反応において第2反応剤により修飾される。
ステップS1007が終了したら、ステップS1009が開始される。
ステップS1009において、分析用試料を質量分析およびクロマトグラフィーの少なくとも一つにより分析する。
上述のラクトン化反応およびアミド化反応により、各反応で修飾を受けた糖鎖はそれぞれ質量等が異なっている。従って、質量分析によりこれらの糖鎖を、シアル酸の結合様式に基づいて分離することができる。
質量分析におけるイオン化の方法は特に限定されず、マトリックス支援レーザ脱離イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption / Ionization; MALDI)法、エレクトロスプレー(Electrospray ionization; ESI)法、ナノエレクトロスプレーイオン化(nano−ESI)法等を用いることができる。イオン化の方法は特にMALDI法が好ましい。質量分析におけるイオン化では、正イオンモードおよび負イオンモードのいずれを用いてもよい。質量分析は、シングル質量分析で行ってもタンデム質量分析で行ってもよい。タンデム質量分析では、シアル酸の結合様式以外の糖鎖の構造や、ペプチド鎖の構造をより好適に解析することができる。質量分析計としては、四重極型、イオントラップ型および飛行時間型等の任意の質量分析器を少なくとも一つ以上組み合わせて用いることができる。イオンの解離またはイオンへの原子若しくは原子団の付加等も適宜行うことができる。
クロマトグラフィーで分析を行う場合、液体クロマトグラフィーが好ましい。液体クロマトグラフィーに用いるカラムは特に限定されず、C30、C18、C8、C4等の疎水性逆相カラムまたはカーボンカラム、HILIC用の順相カラムなどを適宜用いることができる。液体クロマトグラフィーを行った後、質量分析により測定を行うことが複数回の分離により精密に試料中の成分の分析を行う上で好ましい。この場合、液体クロマトグラフ−質量分析計(LC−MS)により、液体クロマトグラフからの溶出液をオンライン制御で質量分析計において直接ESI等によりイオン化することがより好ましい。
質量分析またはクロマトグラフィーにより得られたデータが解析され、試料に含まれていた糖鎖におけるシアル酸の解析等が行われる。このデータ解析では、シアル酸の結合様式を含む糖鎖の構造の推定等を行うことができる。質量分析またはクロマトグラフィーにより得られたデータの解析方法は特に限定されない。
ステップS1009が終了したら、処理を終了する。
(糖ペプチドおよび糖タンパク質の副反応の抑制について)
糖ペプチドまたは糖タンパク質にラクトン化反応溶液およびアミド化反応溶液を加え、上述のようにシアル酸を修飾した場合、糖ペプチドまたは糖タンパク質に含まれるアミノ酸の側鎖、主鎖の末端にあるアミノ基およびカルボキシ基の間で分子内脱水縮合等の副反応が起こる場合がある。この場合、シアル酸修飾の前にアミノ基を化学修飾などで先にブロックしておくことで、シアル酸修飾時にペプチド部分の副反応を抑制出来る。詳細は、以下の文献を参照されたい:Takashi Nishikaze, Sadanori Sekiya, Shinichi Iwamoto, Koichi Tanaka. “A Universal Approach to linkage-Specific Derivatization for Sialic Acids on Glycopeptides,” Journal of The American Society for Mass Spectrometry, 2017年6月, Volume 28, Issue 1 Supplement, ポスター番号MP091。例えば、糖ペプチドまたは糖タンパク質に対してジメチルラベル化またはグアニジル化などのアミノ基をブロックする反応を行い、その後、ラクトン化反応およびアミド化反応を行うことができる。
(分析用試料の調製用キットについて)
本実施形態の分析用試料の調製方法に好適に用いられる分析用試料の調製用キット(以下、調製用キットと呼ぶ)が提供される。調製用キットは、試薬若しくは、試薬以外の質量分析またはクロマトグラフィーに用いられる任意の消耗品または、本実施形態における分析用試料を調製するためのプロトコル若しくは当該プロトコルが記載されているWebサイトのURL等が記載された文書を含むことができる。このプロトコルでは、例えば上記ステップS1005の試料の乾固の方法が記載される。調製用キットを用いて分析用試料を調製することにより、より効率的に分析用試料を調製することができる。
なお、本実施形態におけるアミド化反応の前の試料の乾固(ステップS1005)は、上述のアミド化反応溶液を用いてアミド化反応を行うのであれば様々な場合に適用することができる。例えば、糖鎖に元々含まれていたシアル酸に形成されているラクトンを上述のアミド化反応溶液を用いてアミド化する場合に、用意された試料を乾固させた後、乾固させた試料とアミド化反応溶液とを接触させてもよい。また、上記試料の乾固を、試料に元々含まれていたラクトンをアミド化した後、元々ラクトン化されていなかったシアル酸を結合様式特異的に修飾する際のアミド化に適用してもよい。
(態様)
上述した複数の例示的な実施形態またはその変形は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様に係る分析用試料の調製方法は、乾固された試料を用意することと、前記乾固された試料を、前記乾固された試料に含まれる分子のラクトン構造と反応させるアンモニア、アミノ基に結合した炭素原子に1以下の炭素原子が直接結合している第一級アミン、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体およびヒドロキシアミンならびにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むアミド化反応溶液と接触させ、前記ラクトン構造をアミド化するアミド化反応を行うこととを備える。これにより、ラクトンをアミド化する際の効率を上げることができる。
(第2項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第1項に記載の分析用試料の調製方法において、液体を含む試料を用意することと、前記試料の乾固を行うこととを備える。これにより、液体を含む試料の場合でも、ラクトンをアミド化する際の効率を上げることができる。
(第3項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第1項または第2項に記載の分析用試料の調製方法において、前記アミド化反応は、前記試料を前記アミド化反応溶液と接触させることのみにより行われる。これにより、簡便に分析用試料の調製を行うことができる。
(第4項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第1項から第3項までのいずれかに記載の分析用試料の調製方法において、前記アミド化反応溶液は前記ラクトン構造と反応させる脱水縮合剤を含まない。これにより、より簡便にアミド化反応溶液を調製することができる。
(第5項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第1項から第4項までのいずれかに記載の分析用試料の調製方法において、前記アミド化反応では、前記試料と前記アミド化反応溶液とを接触させた後、前記試料と脱水縮合剤とを反応させる操作を行わない。これにより、分析用試料の調製の際の工程を減らすことができ、より簡便に当該調製を行うことができる。
(第6項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第1項から第5項までのいずれかに記載の分析用試料の調製方法において、前記アミド化反応を行うために前記試料と前記アミド化反応溶液とを接触させる時間は30分より短い。これにより、より短時間で効率的に分析用試料を調製することができる。
(第7項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第1項から第6項までのいずれかに記載の分析用試料の調製方法において、前記化合物は、直鎖炭化水素基を含む。これにより、分子中の立体障害のある部位でも、より確実にアミド化を行うことができる。
(第8項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第7項に記載の分析用試料の調製方法において、前記直鎖炭化水素基はアルキル基である。これにより、さらに確実にアミド化を行うことができる。
(第9項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第1項から第8項までのいずれかに記載の分析用試料の調製方法において、前記アミド化反応溶液は、有機溶媒を含む。これにより、加水分解を抑制し、ラクトンをアミド化する際の効率を上げることができる。
(第10項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第1項から第9項までのいずれかに記載の分析用試料の調製方法において、前記アミド化反応溶液のpHは7.7以上である。これにより、アミド化反応そのものを促進することにより、ラクトンをアミド化する際の効率を上げることができる。
(第11項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第1項から第10項までのいずれかに記載の分析用試料の調製方法において、前記分子は糖鎖を含み、前記ラクトン構造は、前記糖鎖のシアル酸に形成されている。これにより、不安定で解析しづらいシアル酸に形成されたラクトン構造を正確に解析することができる。
(第12項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第11項に記載の分析用試料の調製方法において、前記ラクトン構造は、前記糖鎖のα2,3−シアル酸、α2,8−シアル酸およびα2,9−シアル酸の少なくとも一つに形成されている。これにより、シアル酸の結合様式特異的な解析等を行うことができる。
(第13項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第2項に記載の分析用試料の調製方法において、前記分子は糖鎖を含み、前記ラクトン構造は、前記糖鎖のシアル酸に形成されており、用意された前記試料を、前記乾固を行う前に、前記シアル酸と反応させる脱水縮合剤を含むラクトン化反応溶液と接触させ、前記シアル酸の少なくとも一部をラクトン化することをさらに備える。これにより、ラクトンの安定性に基づいて、シアル酸の一部と他の一部とを区別して解析することができる。
(第14項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第13項に記載の分析用試料の調製方法において、前記ラクトン化反応溶液は、前記糖鎖に含まれる前記シアル酸と結合させる反応剤をさらに含み、前記反応剤は、前記化合物とは質量が異なり、前記試料を前記ラクトン化反応溶液と接触させ、前記シアル酸の結合様式に基づいて、前記シアル酸の一部をラクトン化し、前記シアル酸の他の一部に前記反応剤の少なくとも一部を結合させる。これにより、シアル酸の結合様式に基づいて、シアル酸の一部と他の一部とを区別して解析することができる。
(第15項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第14項に記載の分析用試料の調製方法において、前記試料を前記ラクトン化反応溶液と接触させ、α2,3−シアル酸、α2,8−シアル酸、またはα2,9−シアル酸をラクトン化し、α2,6−シアル酸に前記反応剤の一部を結合させる。これにより、α2,3−シアル酸、α2,8−シアル酸、およびα2,9−シアル酸とα2,6−シアル酸とを区別して解析することができる。
(第16項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第13項から第15項までのいずれかに記載の分析用試料の調製方法において、前記脱水縮合剤は、カルボジイミドを含む。これにより、結合様式特異的なシアル酸の修飾を、より確実に行うことができる。
(第17項)一態様に係る分析方法は、第1項から第16項までのいずれかに記載の分析用試料の調製方法により試料を調製することと、調製した前記試料を分析することとを備える。これにより、ラクトンをアミド化する際の効率を上げ、より正確なラクトンの分析を行うことができる。
(第18項)他の一態様に係る分析用試料の調製方法では、第17項に記載の分析用試料の調製方法において、調製した前記試料は、質量分析およびクロマトグラフィーの少なくとも一つにより分析される。これにより、分析用試料の調製の際に行った修飾に基づいて、糖鎖を含む分子を分離して解析することができる。
(第19項)一態様に係る分析用試料の調製用キットは、第1項から第16項までのいずれかに記載の分析用試料の調製方法、または、第17項または第18項に記載の分析方法に用いられる。これにより、効率よく分析用試料を調製することができる。
本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
以下に、本実施形態に係る実施例を示すが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、%の記載は特に言及が無い限り体積/体積%を示す。
<糖鎖試料の作成>
本実施例で試料として用いる糖鎖を、α2,3-シアリルグリコペプチド(Sialylglycopeptide; SGP、伏見製薬所)からPNGase F(SIGMA)を用いて遊離させたN型糖鎖を、脱水縮合剤と反応させることで作成した。
<α2,3-SGPからのN型糖鎖の遊離>
α2,3-シアリルグリコペプチド(SGP)から、PNGase Fを用い、以下の1,2の手順でA2型糖鎖を遊離させた。
1. 1 nmol/μL α2,3-SGP溶液 20μLが分注されたチューブに対して、0.25U/μL PNGase F 溶液 を10μL加えた(2.5U/チューブ)。
2. チューブに対して軽くタッピングと遠心を行い、37℃で一夜(o/n)インキュベーションした。
<糖鎖の脱塩精製>
インキュベーション後、遊離された糖鎖をStage Tip Carbonを用いて以下の1-11の手順で脱塩処理した。Stage Tip Carbonは、エムポアディスクカーボン(3M製)を、直径約1 mmに切り抜き、200 μLのチップに詰めたカーボンカラムである。
1. Stage Tip Carbon を遠心アダプターに通し、2.0 mL チューブに入れ遠心機にセットした。
2. Stage Tip Carbonにアセトニトリル(ACN) 100μLを加え、1800 xgで2.0 min遠心し通液させた。
3. Stage Tip Carbonに80% ACN, 0.1% TFA 溶液を100 μL加え、1800 xgで2.0 min遠心し通液させた。これを二回繰り返した。
4. Stage Tip CarbonにH2O 100 μLを加え、1800 xgで3.0 min遠心し通液させた。
5. インキュベーション後の酵素消化溶液30 μLに対してH2O 120 μLを加えて攪拌した。
6. 撹拌により得られた試料溶液50 μLをStage Tip Carbonに加え、1800 xgで2.0 min遠心し通液させた。
7. Stage Tip Carbonに0.1% TFA 溶液 150 μLを加え、1800 xgで4.0 min遠心し通液させた。
8. Stage Tip Carbonに0.1% TFA 溶液 150 μLを加え、1800 xgで4.0 min遠心し通液させた。これを二回繰り返した。
9. チューブを新しい1.6 mLのものに変更した。
10. Stage Tip Carbonに溶出溶媒である60% ACN 0.1% TFA 溶液を20 μL加え、1800 xgで1.5 min遠心し溶出した。これを三回繰り返した。
11. SpeedVac(Thermo Fisher Scientific)を用いて乾固した。
<ラクトン体の形成>
以下の1-3の手順で、試料中のα2,3-シアル酸をラクトン化する反応を行った。
1. 脱塩精製により得られた33A2 20 pmol をエッペンドルフチューブ内に乾固させた。
2. エッペンドルフチューブに結合様式特異的ラクトン化反応溶液(2M イソプロピルアミン塩酸塩(iPA-HCl), 500mM N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC-HCl), 500mM HOBt, 溶媒はDMSO)を20 μL加え、2000 rpmで攪拌しながら常温で一時間反応させた。この条件では、33A2は完全にラクトン化する。
3. 反応後の溶液にACNを120 μL加え、全体で140 μLにした。
<アミド精製(チップ)>
以下の1-7の手順で、ラクトン化反応に供した糖鎖のアミド精製を行った。
1. アミドチップ(ジーエルサイエンス)を遠心アダプターに通し、2.0 mL チューブに入れ遠心機にセットした。
2. アミドチップにH2O 100 μLを加え、4000 xgで2.0 min遠心し通液させた。これを三回行った。
3. アミドチップに90% ACN 溶液 100 μLを加え、4000 xgで1.0 min遠心し通液させた。
4. アミドチップに上記ラクトン化反応後、ACNで希釈して得られた溶液を全量加え、4000 xgで2.0 min遠心した。
5. アミドチップに90% ACN 溶液 150 μLを加え4000 xgで2.0 min遠心し通液させた。これを二回行った。
6. 廃液受けの2.0 mLチューブを新しい1.6 mLチューブに交換した。
7. アミドチップに水20 μLを加え、4000 xgで1.0 min遠心し溶出させた。これを二回行った。
<アミノリシス>
アミド精製の溶出液では、ラクトン化した33A2が水に溶解した状態で得られた。この33A2に対して、以下のAおよびBのそれぞれの条件により、アミノリシスによるアミド化反応を行った。
A. 溶出液に等量の20% メチルアミン水溶液を加え、メチルアミンの終濃度を10%とし、軽く攪拌した後SpeedVacで乾固した。
B. 溶出液をSpeedVacで乾固し、溶媒を取り除いたものに10% メチルアミン水溶液を加え、糖鎖を再溶解させた後、SpeedVacで乾固した。
<測定>
乾固した糖鎖は10 μLの水によく再溶解した。再溶解により得られた溶液 0.5 μLをμフォーカスプレート(Hudson Surface Technology)に滴下した。滴下した溶液に、3AQ/CA (3-アミノキノリン/p-クマル酸)をマトリックスとして50% ACN 溶液に溶解させた100mM 3AQ/CA 2mM リン酸二水素アンモニウム(Ammonium Dihydrogen Phosphate;ADP)溶液を0.5 μL加え、プレートごとヒートブロック上で75℃ 1.5h反応させた(3AQで糖鎖の還元末端をラベル化した)。反応終了後、プレートを室温まで戻し、MALDI-四重極イオントラップ(Quadrupole Ion Trap)-飛行時間型(Time of Flight)質量分析計(MALDI-QIT-TOF-MS)(AXIMA-Resonance, Shimadzu/Kratos) を用い負イオンモードで測定した。この測定条件では、アミド化した糖鎖はリン酸付加体として観測され、加水分解によりカルボキシ基(-COOH)に戻ったシアル酸を一つでも含む糖鎖は脱プロトン化体として観測される。
<糖鎖の構造について>
図2は、33A2糖鎖の構造と、シアル酸の修飾の変化とを示す概念図である。糖鎖33A2は、N-アセチル-D-グルコサミン(GlcNAc)およびマンノース(Man)からなる基本型の構造と、2つの側鎖とを備える。2つの側鎖にはそれぞれGlcNAc、ガラクトース(Gal)およびシアル酸(Neu5Ac)が結合されている。非還元末端にあるα2,3-シアル酸と当該シアル酸が結合しているガラクトースとの結合部分には、ラクトン構造が形成されており、この点を二重線B1で示した。糖鎖33A2はラクトン化反応溶液を用いたシアル酸の修飾によりラクトン化する(矢印A1)。アミド化反応において、アミノリシスが起こるとラクトン構造は直接アミド化され(矢印A2)、加水分解が起こるとラクトン構造は元のシアル酸構造に戻る(矢印A3)。
<結果>
図3は、本実施例で得られたマススペクトルを示す図である。図3上段(a)は、ラクトン化した33A2糖鎖の水溶液に対して、等量の20% メチルアミン水溶液を加えて終濃度10%にしてアミノリシスを行った場合のマススペクトルである。図3下段(b)は、一度溶媒を取り除き乾固した状態のラクトン化33A2糖鎖に、10% メチルアミン水溶液を加えてアミノリシスを行った場合のマススペクトルである。マススペクトルの横軸は、質量分析において検出されたイオンのm/zを示し、縦軸は各マススペクトルで最もピーク強度の高いピークのピーク強度を100とした場合の相対的な強度である。強度はイオンの検出量に対応する。
アミド精製の溶出液にそのままメチルアミン水溶液を添加し、終濃度10%にした場合は、糖鎖中の2つのラクトンがメチルアミドに変換された糖鎖に対応するピーク(図3中、「Amide×2」)がm/z 2472.22に観測された。同時に33A2に二つあるシアル酸ラクトンのうち、片方がメチルアミド、片方が元のシアル酸カルボキシ基(-COOH)に変換された糖鎖、すなわちシアル酸ラクトンの一部が加水分解した糖鎖に対応するピーク(図3中、「COOH×1 Amide×1」)がm/z 2361.20に観測された。このことから、この条件では、終濃度10% メチルアミンというほぼ完全にアミノリシスを起こすことが出来る条件ではあるが、副反応である加水分解も相当量起こっていることがわかる。
一方で、アミド精製の溶出液から、一度SpeedVacで溶媒を取り除き乾固した後に、10% メチルアミン水溶液を加えて糖鎖を再溶解した場合は、シアル酸ラクトンが加水分解した糖鎖は観測されず、シアル酸ラクトンがアミド化した糖鎖に対応するピーク(「Amide×2」)のみが観測されたことが分かる。

Claims (19)

  1. 乾固された試料を用意することと、
    前記乾固された試料を、前記乾固された試料に含まれる分子のラクトン構造と反応させるアンモニア、アミノ基に結合した炭素原子に1以下の炭素原子が直接結合している第一級アミン、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体およびヒドロキシアミンならびにこれらの塩からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むアミド化反応溶液と接触させ、前記ラクトン構造をアミド化するアミド化反応を行うこととを備える分析用試料の調製方法。
  2. 請求項1に記載の分析用試料の調製方法において、
    液体を含む試料を用意することと、
    前記試料の乾固を行うこととを備える、分析用試料の調製方法。
  3. 請求項1または2に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記アミド化反応は、乾固された前記試料を前記アミド化反応溶液と接触させることのみにより行われる分析用試料の調製方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記アミド化反応溶液は前記ラクトン構造と反応させる脱水縮合剤を含まない、分析用試料の調製方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記アミド化反応では、前記試料を前記アミド化反応溶液と接触させた後、前記試料と脱水縮合剤とを反応させる操作を行わない、分析用試料の調製方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記アミド化反応を行うために前記試料と前記アミド化反応溶液とを接触させる時間は30分より短い、分析用試料の調製方法。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記化合物は、直鎖炭化水素基を含む、分析用試料の調製方法。
  8. 請求項7に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記直鎖炭化水素基はアルキル基である、分析用試料の調製方法。
  9. 請求項1から8までのいずれか一項に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記アミド化反応溶液は、有機溶媒を含む、分析用試料の調製方法。
  10. 請求項1から9までのいずれか一項に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記アミド化反応溶液のpHは7.7以上である、分析用試料の調製方法。
  11. 請求項1から10までのいずれか一項に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記分子は糖鎖を含み、
    前記ラクトン構造は、前記糖鎖のシアル酸に形成されている、分析用試料の調製方法。
  12. 請求項11に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記ラクトン構造は、前記糖鎖のα2,3−シアル酸、α2,8−シアル酸およびα2,9−シアル酸の少なくとも一つに形成されている、分析用試料の調製方法。
  13. 請求項2に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記分子は糖鎖を含み、
    前記ラクトン構造は、前記糖鎖のシアル酸に形成されており、
    用意された前記試料を、前記乾固を行う前に、前記シアル酸と反応させる脱水縮合剤を含むラクトン化反応溶液と接触させ、前記シアル酸の少なくとも一部をラクトン化することをさらに備える、分析用試料の調製方法。
  14. 請求項13に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記ラクトン化反応溶液は、前記糖鎖に含まれる前記シアル酸と結合させる反応剤をさらに含み、
    前記反応剤は、前記化合物とは質量が異なり、
    前記試料を前記ラクトン化反応溶液と接触させ、前記シアル酸の結合様式に基づいて、前記シアル酸の一部をラクトン化し、前記シアル酸の他の一部に前記反応剤の少なくとも一部を結合させる、分析用試料の調製方法。
  15. 請求項14に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記試料を前記ラクトン化反応溶液と接触させ、α2,3−シアル酸、α2,8−シアル酸、またはα2,9−シアル酸をラクトン化し、α2,6−シアル酸に前記反応剤の一部を結合させる、分析用試料の調製方法。
  16. 請求項13から15までのいずれか一項に記載の分析用試料の調製方法において、
    前記脱水縮合剤は、カルボジイミドを含む、分析用試料の調製方法。
  17. 請求項1から16までのいずれか一項に記載の分析用試料の調製方法により分析用試料を調製することと、
    調製した前記分析用試料を分析することとを備える分析方法。
  18. 請求項17に記載の分析方法において、
    調製した前記試料は、質量分析およびクロマトグラフィーの少なくとも一つにより分析される分析方法。
  19. 請求項1から16までのいずれか一項に記載の分析用試料の調製方法、または、請求項17または18に記載の分析方法に用いられる分析用試料の調製用キット。
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