JP2021032386A - 高圧タンクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ライナと口金との間の境界部に塗布された液状ガスケットの外表面における凹みや穴あきの発生を防止することができる高圧タンクの製造方法を提供する。【解決手段】ライナ20と口金21とを有する高圧タンク10の製造方法であって、ライナ20と口金21との間の隙間部Sに、揮発性溶剤を塗布する工程(ステップS1)と、隙間部Sを覆うようにFIPGを塗布する工程(ステップS2)と、FIPGを硬化させる工程(ステップS3)と、を含むことを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、ライナと口金とを有する高圧タンクの製造方法に関する。
この種の高圧タンクの製造方法として、ライナと口金との境界部を加熱する工程と、境界部に液状ガスケットを塗布する工程とを備え、境界部内に負圧を発生させることで、液状ガスケットを境界部の隙間に引き込むようにしたものが開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の高圧タンクの製造方法は、境界部内に負圧を発生させて塗布された液状ガスケットを境界部の隙間部内に引き込むようにしているので、負圧の大きさによっては、ライナと口金との間の境界部に塗布された液状ガスケットの外表面に凹みが生じたり、穴あきが発生してしまうおそれがあるというという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、ライナと口金との間の境界部に塗布された液状ガスケットの外表面における凹みや穴あきの発生を防止することができる高圧タンクの製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る高圧タンクの製造方法は、ライナと口金とを有する高圧タンクの製造方法であって、前記ライナと前記口金との間の隙間部に、揮発性溶剤を塗布する工程と、前記隙間部を覆うように液状ガスケットを塗布する工程と、前記液状ガスケットを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る高圧タンクの製造方法は、揮発性溶剤を塗布する工程において、ライナと口金との間の隙間部に揮発性溶剤が塗布される。揮発性溶剤の隙間部への塗布の後、液状ガスケットを塗布する工程において、隙間部を覆うように液状ガスケットが塗布される。液状ガスケットの隙間部への塗布後、液状ガスケットを硬化させる工程において、塗布した液状ガスケットを加温して硬化させる。液状ガスケットの加温に伴いライナの温度も上昇し、隙間部が増大して隙間部内の負圧が高まるようにライナが変形する。しかしながら、隙間部に揮発性溶剤が塗布されているので、液状ガスケットを硬化させる工程において、揮発性溶剤が気化し、液状ガスケットにより密閉された隙間部内の負圧の高まりが抑制される。その結果、境界部に塗布された液状ガスケットの外表面に凹みや穴あきが発生することが防止される。
本発明に係る高圧タンクの製造方法によれば、ライナと口金との間の境界部に塗布された液状ガスケットの外表面における凹みや穴あきの発生を防止することができる高圧タンクの製造方法を提供することができる。
本発明に係る高圧タンクの製造方法を適用した実施形態に係る高圧タンク10の製造方法について図面を参照して説明する。まず、高圧タンク10の構成について説明する。
本実施形態に係る高圧タンク10は、図1(a)、図1(b)、図1(c)および図2に示すように、ライナ20と、口金21、22と、液状ガスケット(FIPG:Formed In Place Gasket、以下FIPGという。)23と、補強層24と、Oリング25とにより構成されている。高圧タンク10は、気体を透過させにくい性質、いわゆるガスバリア性を有しており内部には水素などの高圧のガスが充填されるように構成されている。
ライナ20は、筒状の中空容器からなり、シリンダ部20aと、一対のドーム部20bとにより構成されており、ポリアミド樹脂(PA)などの高い機械的強度を有するエンジニアリングプラスチックで一体的に成形されている。
シリンダ部20aは、円筒状に形成され、両端部で各ドーム部20bと一体的に形成されている。各ドーム部20bは、略半球体状の中空で、ライナ20の軸線に沿った長手方向端部に、ライナ20の軸線を中心とする所定の深さの凹みを有する口金装着部20cを有している。口金装着部20cの内周の壁面は、図1(b)の破線および図1(c)に示すように、円周方向に均等間隔の凹凸部20dが形成されている。
また、各口金装着部20cの中央部分にはライナ20の軸線を中心とする貫通孔20eが形成されており、各貫通孔20eには口金21が挿入され、ライナ20と口金21とがそれぞれ嵌合するように構成されている。この貫通孔20eの軸線は、ライナ20の軸線と一致しており、貫通孔20eは、口金21をドーム部20bに装着する際の位置決め孔として機能する。
口金21は、図2に示すように、ライナ20の口金装着部20cに装着されるフランジ部21aと、フランジ部21aからドーム部20bの外側に突出する口金本体部21bと、口金本体部21bと軸線を同じくしフランジ部21aからドーム部20bの内側に突出する突出部21cとを有している。口金21は、金属材料で形成されている。
フランジ部21aの突出部21c側の面は、平坦に形成されており、ライナ20と口金21とが嵌合する際に、口金装着部20cと当接するように構成されている。フランジ部21aの口金本体部21b側の面は、フランジ部21aの外周縁に向かって外周縁に行くほどフランジ厚みが減少するように弧状に傾斜しており、フランジ部21aの外周縁がドーム部20bの外側に突出しないように構成されている。
フランジ部21aは、図1(b)の破線で示すように、外周縁に均等の間隔で凹凸形状からなるセレーション部21sが形成されており、図1(c)の隙間部Sの拡大断面図で示すようにフランジ部21aがドーム部20bの口金装着部20cに装着された際に、セレーション部21sが口金装着部20cの凹凸部20dに交互にそれぞれ入り込み、凹凸部21sと凹凸部20dとの間に全周に亘って均等の隙間部Sが形成されるように構成されている。
口金本体部21bには、口金21の軸線と一致する軸線を有するバルブ接続孔21hが貫通して形成されている。口金本体部21bは、バルブに接続されるように構成されている。このバルブ接続孔21hを介して高圧タンク10の内部と外部との間で高圧ガスが流通するように構成されている。突出部21cは、ドーム部20bの貫通孔20eに挿入されている。
口金22は、口金21と同様に形成されているが、口金21のバルブ接続孔21hのみが異なっている。口金22は、口金21と同様に、ライナ20の口金装着部20cに装着されるフランジ部と、フランジ部からドーム部20bの外側に突出する口金本体部と、口金本体部と軸線を同じくし、フランジ部からドーム部20bの内側に突出する突出部とを有している。口金22も、口金21と同様に、金属材料で形成されている。
口金22のフランジ部の突出部側の面は、口金21と同様に、平坦に形成されており、ライナ20と口金22とが嵌合する際に、口金装着部20cと当接するように構成されている。フランジ部の口金本体部側の面は、口金21と 同様に、フランジ部の外周縁に向かって外周縁に行くほどフランジ厚みが減少するように弧状に傾斜しており、フランジ部の外周縁がドーム部20bの外側に突出しないように構成されている。
口金22のフランジ部は、口金21と同様に、外周縁に均等の間隔でセレーション部が形成されており、フランジ部がドーム部20bの口金装着部20cに装着された際に、セレーション部が口金装着部20cの凹凸部20dに交互にそれぞれ入り込み、口金21と同様に、セレーション部と凹凸部20dとの間に全周に亘って均等の隙間部Sが形成されている。
口金22の口金本体部には、口金21とは異なり、口金22の軸線と一致する軸線を有する有底の穴が形成されており、ライナ20の貫通孔20eが、口金本体部の有底の穴により閉塞されている。口金本体部は、配管とネジ結合されるように構成されている。口金本体部は、口金21と同様に、ライナ20が軸線を中心として回転する際に、口金本体部21bと協働してライナ20を回転させる回転軸を支持する回転支持部として機能する。
FIPG23は、液状のシール剤からなり、シール部分の微細な凹凸に浸透するよう構成されている。FIPG23は、シリコーンが含まれており、硬化すると弾性を有するゴム状の部材となり、優れた気密性、耐熱性および耐薬品性を有している。
FIPG23は、図1(c)および図2に示すように、塗布することにより、口金装着部20cの凹凸部20dと口金21のフランジ部21aのセレーション部21sとの間の隙間部Sを覆い、かつ、フランジ部21aの一部の外表面とドーム部20bの一部の外表面とを覆う。FIPG23は、口金22についても、口金21と同様に口金装着部20cの凹凸部20dと口金22のフランジ部のセレーション部21sとの間の隙間部Sを覆い、かつ、フランジ部の一部の外表面とドーム部20bの一部の外表面とを覆う。
補強層24は、図1(a)および図1(b)に示すように、ライナ20の外周面を覆う層からなり、繊維強化樹脂をライナ20の外周面に積層することで形成されている。
繊維強化樹脂は、カーボン繊維(Carbon Fiber)、ガラス繊維(Glass Fiber)やアラミド繊維(Aromatic Polyamide Fiber)などの繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させたCFRPやGFRPなどの複合材料からなる。補強層24の形成は、例えば、ライナ20の外周面に繊維束を連続的に巻き付けるフィラメントワインディング法(Filament Winding Process)によって行われる。
Oリング25は、ゴムなどの弾性を有する密封材料からなり、断面が円形のリングで構成されている。Oリング25は、図2に示すように、口金21の突出部21cとライナ20の貫通孔20eの内壁との間、口金22の図示しない突出部とライナ20の貫通孔20eの内壁との間にそれぞれ装着されている。
次いで、本実施形態に係る高圧タンク10の製造方法について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る高圧タンク10の製造方法は、ライナ20および口金21、22を作製し組み付ける工程と、図3に示すように、揮発性溶剤を塗布する工程と、FIPG23を塗布する工程と、FIPG23を硬化させる工程とを含んで構成されている。各工程はこの順に行われる。また、本実施形態に係る高圧タンク10の製造方法では、さらに、ライナ20の外周面に繊維束を連続的に巻き付ける公知のフィラメントワインディングの工程およびCFRP等からなる補強層24を硬化させる公知の工程を経て図1(a)および図1(b)に示す高圧タンク10が製造される。
ライナ20および口金21、22を作製し組み付ける工程においては、まず、ライナ20と口金21、22が作製される。次いで、図2に示すように、口金21の突出部21cにOリング25が装着され、さらに、口金21の突出部21cが、貫通孔20eに挿入され、フランジ部21aが口金装着部20cに装着される。また、口金22の突出部も、口金21と同様に、口金22の突出部にOリング25が装着され、さらに、口金22の突出部が、口金22の有底の穴に挿入され、フランジ部が、口金装着部20cに装着される。
揮発性溶剤を塗布する工程においては、図4(a)に示すように、ライナ20と口金21との間の隙間部Sおよびライナ20と口金22との間の隙間部Sに揮発性溶剤が公知の塗布方法により塗布される(ステップS1)。
揮発性溶剤は、ライナ20や口金21、22に対して悪影響を及ぼさない揮発性を有する有機溶剤で構成されている。揮発性溶剤としては、例えば、パーツクリーナー脱脂洗浄剤FT(マーテック株式会社製)、エタノール(C2H6O)、トルエン(C7H8)系溶剤、2−プロパノール(C3H8O)系溶剤、ヘキサナール(C6H12O)系溶剤、アセトン(C3H6O)などの有機溶剤が挙げられる。
なお、アセトンの場合は、多量に塗布するとライナ20の素材に対して悪影響を及ぼすおそれがあるので、所定の適量(g)であることが好ましい。なお、アセトンの所定の適量(g)は、本実施形態に係る高圧タンク10の構造、大きさ、材質などの設定諸元や実験値などのデータに基づいて適宜選択される。
揮発性溶剤の塗布量(g)は、次の計算式(1)〜(5)に基づいて決定される。なお、加温前の初期のライナ20と口金21との間の隙間部Sの空間の体積をV1(m3)、加温前の初期の隙間部Sの温度をT1(K)、加温前の初期の隙間部Sの圧力をP1(Pa)とし、塗布したFIPG23を硬化させる工程の際、即ち加温時のライナ20と口金21との間の隙間部Sの空間の体積をV2(m3)、加温時の隙間部Sの温度をT2(K)、加温時の隙間部Sの圧力をP2(Pa)とする。ここで、Kは絶対温度を表し、P1は大気圧を表している。
まず、V1、T1、V2、T2の間には、式(1)の関係がある。
式(1)より、V2は、以下の式(2)で表される。
隙間部S内の圧力をバランスさせるために必要な揮発性溶剤の揮発量(m3)は、V2−V1(m3)であり、V2−V1(m3)は、以下の式(3)で表される。
ここで、揮発性溶剤の塗布量をX(g)、揮発性溶剤の分子量をM、気体定数をRとすると、以下の式(4)の関係がある。なお、分子量は、分子式に含まれている元素の原子量の合計を表している。また、Rは、J・K−1・mol−1で表される。
式(4)から、揮発性溶剤の塗布量X(g)は、以下の式(5)で表される。
したがって、揮発性溶剤の塗布量Xは、P1、P2、V2、M、RおよびT2に基づいて算出される。
なお、式(5)は、理論上の式であり、若干の負圧(Pa)や陽圧(Pa)の範囲内では、塗布されたFIPG23の部分は、大きく変形しないため、式(5)から求められる揮発性溶剤の塗布量Xに対して、±20%の範囲内で揮発性溶剤を塗布するようにしてもよい。
FIPG23を塗布する工程においては、図4(b)に示すように、ライナ20と口金21との間の隙間部Sを含む境界部分付近、およびライナ20と口金22との間の隙間部Sを含む境界部分付近に隙間部Sを覆うようにFIPGが塗布される(ステップS2)。FIPG23の塗布は公知の塗布方法により行われる。
塗布方法として、例えば、回転装置によりライナ20に装着した口金21と口金22の各先端部分を保持してライナ20を軸回りに一定の低い速度(rpm)で回転させる。ライナ20が回転している状態で、FIPGを加圧供給するパワーブースタから塗布ヘッドにFIPGを送り出し、長方形状の吐出口を有する塗布ヘッドの先端から、各境界部分付近にFIPGを帯状に塗布する方法が挙げられる。
FIPG23を硬化させる工程においては、硬化前の室温20℃に対して、FIPG23が40℃まで加温され、FIPG23の硬化が行われる(ステップS3)。FIPG23の加温により、図4(c)に示すように、ライナ20の温度も上昇し、隙間部Sの容積が増大して隙間部内の負圧が高まるようにライナが変形する。しかしながら、隙間部に揮発性溶剤が塗布されているので、FIPG23を硬化させる工程において、揮発性溶剤が気化し、FIPG23により密閉された隙間部S内の負圧の高まりが抑制される。なお、FIPG23は、硬化すると弾性を有するゴム状の部材となり、気密性、耐熱性および耐薬品性の機能を発揮する。
以上のように構成された実施形態に係る高圧タンク10の製造方法の効果について説明する。
本実施形態に係る高圧タンク10の製造方法は、ライナ20と、口金21、22との間の隙間部Sに、揮発性溶剤を塗布する工程(ステップS1)と、隙間部Sを覆うようにFIPGを塗布する工程(ステップS2)と、FIPGを硬化させる工程(ステップS3)とを含んで構成されている。
この構成により、本実施形態に係る高圧タンク10の製造方法は、揮発性溶剤を塗布する工程(ステップS1)において、ライナ20と口金21、22との間の隙間部Sに揮発性溶剤が塗布される。揮発性溶剤の隙間部Sへの塗布の後、FIPG23を塗布する工程(ステップS2)において、隙間部Sを覆うようにFIPG23が塗布される。FIPG23の塗布により、隙間部Sは密閉される。FIPG23の隙間部Sへの塗布後、FIPG23を硬化させる工程(ステップS3)において、塗布したFIPG23が加温されて硬化する。FIPG23の加温に伴いライナ20の温度も上昇し、隙間部Sが増大して隙間部S内の負圧が高まるようにライナ20が変形する。しかしながら、隙間部Sに揮発性溶剤が塗布されているので、FIPG23を硬化させる工程において、揮発性溶剤が気化し、隙間部S内の負圧の高まりが抑制される。その結果、境界部Sに塗布されたFIPG23の外表面に凹みや穴あきが発生することが防止されるという効果が得られる。
上述のように、隙間部S内の負圧の変化は、FIPG23を硬化させる工程におけるライナ20の変形によって発生する。図5(a)に示すように、ライナ20と口金21との間の隙間部Sは、FIPG23を塗布する工程においては、設定された大きさで形成されている。しかしながら、FIPG23を硬化させる工程において、塗布したFIPG23が、室温20℃から40℃に加温される。この加温により、図5(b)に示すように、ライナ20が変形し、隙間部Sが設定された大きさよりも大きくなる。隙間部Sの増大により、隙間部S内の負圧が高まり、高まった負圧により硬化前のFIPG23が吸引され、FIPG23に凹みや穴が形成される。
隙間部S内の圧力(Pa)をP、隙間部S内の空間の体積をV(m3)とし、室温20℃のときの圧力をP1(大気圧)、空間の体積をV1、40℃に加温されたときの圧力をP2、空間の体積をV2とすると、V1<V2となる。P1×V1=P2×V2の関係により、P1>P2となり、負圧が増大する。
隙間部S内の負圧が増大すると、隙間部Sに揮発性溶剤を塗布しない場合、図6(a)および図6(b)に示すように、負圧による吸引作用でFIPG23の外表面に凹みや穴が発生してしまう。これに対して、本実施形態に係る高圧タンク10の製造方法は、揮発性溶剤を塗布する工程(ステップS1)において、ライナ20と口金21、22との間の隙間部Sに揮発性溶剤が塗布される。その結果、FIPG23が40℃に加温されたとき、塗布された揮発性溶剤が気化し、隙間部S内の圧力P2は、P2≒P1となって、負圧の増大が抑制され、図6(c)に示すように、凹みや穴あきがない良好なFIPG23の外表面が形成されるという効果が得られる。
なお、従来の高圧タンクの製造方法において、事前にライナおよび口金を比較的に高温の状態にし、FIPGでシール後、即ち、FIPGを塗布後に冷却することで、隙間部を負圧し、FIPGを隙間部に埋め込む方法がある。この製造方法の場合、負圧の大きさによっては、FIPGが部分的に薄くなり、隙間部にFIPGが落ち込み、FIPGの外表面に穴あきが発生するおそれがある。
FIPGは、高温で硬化が促進される特徴があり、従来の高圧タンクの製造方法において、ライナおよび口金を冷やしてしまうと、結果的にFIPGの硬化時間が長くなり、生産性が悪化してしまうという問題があった。本実施形態に係る高圧タンク10の製造方法は、FIPGを塗布後に冷却するように構成されていないので、生産性が悪化してしまうという問題が解消されるという効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
10・・・高圧タンク、20・・・ライナ、20a・・・シリンダ部、20b・・・ドーム部、20c・・・口金装着部、20e・・・貫通孔、20d、・・・凹凸部、21,22・・・口金、21a・・・フランジ部、21b・・・口金本体部、21c・・・突出部、21s・・・セレーション部、23・・・FIPG(液状ガスケット)、24・・・補強層、25・・・Oリング、S・・・隙間部
Claims (1)
- ライナと口金とを有する高圧タンクの製造方法であって、
前記ライナと前記口金との間の隙間部に、揮発性溶剤を塗布する工程と、
前記隙間部を覆うように液状ガスケットを塗布する工程と、
前記液状ガスケットを硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする高圧タンクの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2019155853A JP2021032386A (ja) | 2019-08-28 | 2019-08-28 | 高圧タンクの製造方法 |
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