JP2021031848A - タイル材の剥離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイル材の活かし取りの作業性及び確実性を高めることが可能となる、タイル材の剥離方法を提供すること。【解決手段】タイル材20の剥離方法は、一部のタイル材20同士の相互間に位置する目地部40と、下地材50のうち目地部40と対応する部分とを切断することにより、剥離対象領域60を区画する区画工程と、区画工程の後に剥離対象領域60に対応するタイル材20及び下地材50を削孔することにより、剥離対象領域60に貫通孔61を形成する形成工程と、区画工程及び形成工程の後に、貫通孔61に剥離器具80を挿通することにより、係止部81を剥離対象領域60に対応する下地材50に係止し、係止状態で押圧部82による躯体本体10への押圧に伴って係止部81を躯体本体10から離れる方向に移動させることにより、剥離対象領域60に対応するタイル材20を躯体本体10から剥離させる剥離工程と、を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、タイル材の剥離方法に関する。
従来、建物の躯体に貼付けられた仕上材を剥離する技術の一つとして、仕上材の一部である撤去対象部の周縁の4辺のうち3辺にスリットを形成し、且つ残りの1辺に穴を形成し、当該穴を広げるように力を加えて撤去対象部を取り外す技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−62714号公報
ところで、仕上材の種類の中にはタイル材が含まれるが、近年ではタイル材を活かし取りをして再利用を図りたいというニーズが高まっている。しかし、上記従来の技術においては、撤去対象部の周縁の4辺のうち3辺のみにスリットを形成するので、例えば、撤去対象部に対応するタイル材が複数存在する場合に、撤去対象部の周縁の辺のうちスリットが形成されていない辺の近傍に位置するタイル材を取り外すことが難しくなり、且つ当該取り外し作業に時間を要するおそれがあった。したがって、タイル材の活かし取りの作業性及び確実性を高める観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイル材の活かし取りの作業性及び確実性を高めることが可能となる、タイル材の剥離方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のタイル材の剥離方法は、建物の躯体を構成する躯体本体に対して下地材を介して取り付けられた複数のタイル材を当該躯体本体から剥離するための剥離方法であって、前記複数のタイル材のうち一部のタイル材同士の相互間に位置する目地部と、前記下地材のうち当該目地部と対応する部分とを切断することにより、前記複数のタイル材の領域のうち剥離対象となる剥離対象領域であって少なくとも2つ以上のタイル材に対応する剥離対象領域を区画する区画工程と、前記区画工程の前又は後に、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材及び前記下地材を削孔することにより、前記剥離対象領域に貫通孔を形成する形成工程と、前記区画工程及び前記形成工程の後に、前記貫通孔に剥離器具を挿通することにより、前記剥離器具の係止部を前記剥離対象領域に対応する前記下地材に係止し、当該係止した状態で前記剥離器具の押圧部による前記躯体本体への押圧に伴って前記係止部を前記躯体本体から離れる方向に移動させることにより、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材を前記躯体本体から剥離させる剥離工程と、を含む。
請求項2に記載のタイル材の剥離方法は、請求項1に記載のタイル材の剥離方法において、前記貫通孔を、前記複数のタイル材に重複しない位置に形成した。
請求項3に記載のタイル材の剥離方法は、請求項1又は2に記載のタイル材の剥離方法において、前記貫通孔の径を、前記躯体本体側に近づくにつれて大きくした。
請求項4に記載のタイル材の剥離方法は、請求項1から3のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記貫通孔を、前記剥離対象領域の中央部又はその近傍に形成した。
請求項5に記載のタイル材の剥離方法は、請求項1から4のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記タイル材の厚さと前記下地材の厚さとの合計厚さを、30mm以上とした。
請求項6に記載のタイル材の剥離方法は、請求項1から5のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離対象領域の縦横比を、1:1程度から1:2.5程度の範囲とした。
請求項7に記載のタイル材の剥離方法は、請求項1から6のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離対象領域の大きさを、550mm×550mm以下とした。
請求項8に記載のタイル材の剥離方法は、請求項7に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離対象領域が前記躯体本体側とは反対側に向けてアール状になるように、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材を前記躯体本体に対して前記下地材を介して取り付け、前記剥離対象領域のアールの径を、1500mm以上とした。
請求項9に記載のタイル材の剥離方法は、請求項8に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離対象領域の大きさを、250mm×250mmとし、前記剥離対象領域のアールの径を、1000mm以上とした。
請求項10に記載のタイル材の剥離方法は、請求項1から9のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記区画工程において、前記下地材の少なくとも一部又は前記躯体本体まで切断することにより、前記剥離対象領域を区画する。
請求項11に記載のタイル材の剥離方法は、請求項1から10のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記区画工程において、軸回りに回転可能な棒状のビットを備える切断器具を用いて前記剥離対象領域を区画する。
請求項12に記載のタイル材の剥離方法は、請求項1から11のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離工程において、落下防止手段を用いて前記剥離対象領域に対応する前記タイル材が前記躯体本体から落下することを防止しながら、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材を前記躯体本体から剥離させる。
請求項13に記載のタイル材の剥離方法は、請求項1から12のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離器具の前記係止部は、複数の尖部を備え、前記剥離工程において、前記係止部が前記下地材に係止されている状態で前記複数の尖部の外形が略円形状となるように、前記複数の尖部を構成した。
請求項14に記載のタイル材の剥離方法は、請求項1から13のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離工程の前に、前記タイル材の破断を抑制する補強層を前記剥離対象領域における前記躯体本体側とは反対側の側面に形成する補強層形成工程をさらに含む。
請求項1に記載のタイル材の剥離方法によれば、複数のタイル材のうち一部のタイル材同士の相互間に位置する目地部と、下地材のうち当該目地部と対応する部分とを切断することにより、複数のタイル材の領域のうち剥離対象となる剥離対象領域であって少なくとも2つ以上のタイル材に対応する剥離対象領域を区画する区画工程と、区画工程の前又は後に、剥離対象領域に対応するタイル材及び下地材を削孔することにより、剥離対象領域に貫通孔を形成する形成工程と、区画工程及び形成工程の後に、貫通孔に剥離器具を挿通することにより、剥離器具の係止部を剥離対象領域に対応する下地材に係止し、当該係止した状態で剥離器具の押圧部による躯体本体への押圧に伴って係止部を躯体本体から離れる方向に移動させることにより、剥離対象領域に対応するタイル材を躯体本体から剥離させる剥離工程と、を含むので、目地部及び下地材を切断することにより剥離対象領域を区画でき、剥離対象領域に対応する2つ以上のタイル材の剥離を正確且つ効率的に行うことができる。よって、タイル材の活かし取りの作業性及び確実性を高めることが可能となる。
請求項2に記載のタイル材の剥離方法によれば、貫通孔を、複数のタイル材に重複しない位置に形成したので、貫通孔の形成によって再利用できなくなるタイル材の数を低減でき、タイル材の活かし取りの作業性を高めやすくなる。
請求項3に記載のタイル材の剥離方法によれば、貫通孔の径を、躯体本体側に近づくにつれて大きくしたので、剥離対象領域に対応する下地材と係止部との接触面を増やすことができるため、剥離対象領域に対応するタイル材及び下地材に対して剥がそうとする力を均一に伝達することが可能となる。
請求項4に記載のタイル材の剥離方法によれば、貫通孔を、剥離対象領域の中央部又はその近傍に形成したので、剥離工程において剥離器具の係止部を躯体本体から離れる方向に移動させる際に、剥離対象領域に対応する下地材の略全体に略均等な力が負荷されやすくなるため、剥離対象領域に対応するタイル材を効果的に剥離しやすくなる。
請求項5に記載のタイル材の剥離方法によれば、タイル材の厚さと下地材の厚さとの合計厚さを、30mm以上としたので、30mm未満とした場合に比べて、剥離方法の各種工程に関する作業を行う際に剥離対象領域に対応するタイル材に損傷が生じることを抑制でき、タイル材の再利用を図りやすくなる。
請求項6に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離対象領域の縦横比を、1:1程度から1:2.5程度の範囲としたので、当該範囲以外の他の範囲とした場合に比べて、剥離方法の各種工程に関する作業を行う際に剥離対象領域に対応するタイル材に損傷が生じることを抑制でき、タイル材の再利用を図りやすくなる。
請求項7に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離対象領域の大きさを、550mm×550mm以下としたので、550mm×550mmを上回る大きさとした場合に比べて、剥離方法の各種工程に関する作業を行う際に剥離対象領域に対応するタイル材に損傷が生じることを抑制でき、タイル材の再利用を図りやすくなる。
請求項8に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離対象領域のアールの径を、1500mm以上としたので、剥離対象領域のアールの径が1500mmを下回る場合に比べて、剥離方法の剥離工程に関する作業を行う際に剥離対象領域に対応する下地材に損傷が生じにくく、且つ剥離対象領域に対応するタイル材を剥離しやすくなることから、当該剥離工程に関する作業を効率的に行うことが可能になる。
請求項9に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離対象領域の大きさを、250mm×250mmとし、剥離対象領域のアールの径を、1000mm以上としたので、剥離対象領域のアールの径が1500mmを下回る場合に比べて、剥離方法の剥離工程に関する作業を行う際に剥離対象領域に対応する下地材に損傷が生じにくく、且つ剥離対象領域を剥離しやすくなることから、当該剥離工程に関する作業を効率的に行うことが可能になる。
請求項10に記載のタイル材の剥離方法によれば、区画工程において、下地材の少なくとも一部又は躯体本体まで切断することにより、剥離対象領域を区画するので、剥離工程において剥離対象領域に対応するタイル材を躯体本体から剥離しやすくなるため、剥離工程の作業性及び確実性を高めやすくなる。
請求項11に記載のタイル材の剥離方法によれば、区画工程において、軸回りに回転可能な棒状のビットを備える切断器具を用いて剥離対象領域を区画するので、剥離対象領域の形状が複雑な形状であっても剥離対象領域を比較的正確に区画でき、区画工程の作業性を高めることが可能となる。
請求項12に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離工程において、落下防止手段を用いて剥離対象領域に対応するタイル材が躯体本体から落下することを防止しながら、剥離対象領域に対応するタイル材を躯体本体から剥離させるので、剥離工程中に剥離対象領域に対応するタイル材が躯体本体から落下することを防止でき、当該タイル材が損傷することを回避できると共に、剥離工程の作業安全性を高めることができる。
請求項13に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離工程において、係止部が下地材に係止されている状態で複数の尖部の外形が略円形状となるように、複数の尖部を構成したので、上記複数の尖部の外形が非円形状である場合に比べて剥離対象領域に対応するタイル材及び下地材に対して剥がそうとする力を均一に伝達することができ、剥離対象領域に対応するタイル材の剥離を効果的に行うことが可能となる。
請求項14に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離工程の前に、タイル材の破断を抑制する補強層を剥離対象領域における躯体本体側とは反対側の側面に形成する補強層形成工程をさらに含むので、剥離対象領域に対応するタイル材を補強できることから、補強層を形成しない場合に比べて、剥離工程中に剥離対象領域に対応するタイル材が損傷することを抑制できる。
実施の形態に係る躯体を概念的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。 実施の形態に係る剥離方法の区画工程を示す図であり、(a)は正面図、(b)は図1(b)に対応する領域周辺を示す図である。 実施の形態に係る剥離方法の形成工程を示す図であり、(a)は正面図、(b)は図1(b)に対応する領域周辺を示す図である。 実施の形態に係る剥離方法の補強層形成工程を示す図であり、(a)は正面図、(b)は図1(b)に対応する領域周辺を示す図である。 実施の形態に係る剥離方法の剥離工程を示す図であって、図1(b)に対応する領域周辺を示す図であり、(a)は係止状態を示す図、(b)は係止部を移動させた状態を示す図である。 落下防止部を示す図であり、(a)は背面図、(b)は平面図である。 落下防止部の変形例を示す図であり、(a)は背面図、(b)は平面図である。 活かし取り確認試験の試験結果を示す図である。 剥離対象領域が躯体本体側に向けてアール状である場合における剥離対象領域の界面剥離耐力とコーン破壊耐力との関係を示す図である。 剥離対象領域が躯体本体側とは反対側に向けてアール状である場合における剥離対象領域の界面剥離耐力とコーン破壊耐力との関係を示す図である。 剥離対象領域の大きさが550mm×550mmである場合における剥離対象領域の界面剥離耐力とコーン破壊耐力との関係を示す図である。 剥離対象領域の大きさが250mm×250mmである場合における剥離対象領域の界面剥離耐力とコーン破壊耐力との関係を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るタイル材の剥離方法の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の躯体を構成する躯体本体に対して下地材を介して取り付けられた複数のタイル材を当該躯体本体から剥離するための剥離方法に関する。ここで、「建物」の具体的な構造や種類は任意であり、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設等の建物等を含む概念であるが、実施の形態では、解体中のオフィスビルとして説明する。また、「建物の躯体」とは、例えば、建物の基本的な構造体であり、例えば、壁、天井、床、柱等を含む概念であるが、実施の形態では、壁として説明する。また、「タイル材」とは、建物の外側を装飾するための部材である。また、「剥離する」とは、複数のタイル材を再利用可能な状態で躯体から剥がして取る(いわゆる、活かし取りする)ことを意味する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る剥離方法が適用されるタイル材を含む躯体の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る躯体を概念的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。以下の説明では、図1のX方向を躯体の左右方向(−X方向を躯体の左方向、+X方向を躯体の右方向)、図1のY方向を躯体の前後方向(+Y方向を躯体の前方向、−Y方向を躯体の後方向)、図1のZ方向を躯体の上下方向(+Z方向を躯体の上方向、−Z方向を躯体の下方向)と称する。躯体1は、建物を構成する壁(例えば、オフィスビルの外壁等)であり、図1に示すように、躯体本体10及び外装材20を備えている。
(構成−躯体本体)
躯体本体10は、躯体1の基本構造体である。この躯体本体10は、例えばコンクリート製(一例として、鉄筋コンクリート製、プレストレストコンクリート製)の長尺且つ平坦な矩形状の板状体にて形成されており、図1に示すように、長手方向が上下方向に沿うように設けられ、図示しない設置対象(例えば、床部等)に対して固定されている。
(構成−外装材)
外装材20は、躯体1の外側を装飾するためのものであり、この外装材20は、例えば公知の壁用の外装材(実施の形態では、後述する目地部40が通し目地となるように構成された外装材)等を用いて構成されており、図1に示すように、躯体本体10の外表面(図1(a)では、躯体本体10の前面)に設けられ、タイル材30、目地部40、及び下地材50を備えている。
(構成−タイル材)
タイル材30は、外装材20の基本構造体である。このタイル材30は、例えば公知のタイル材(一例として、陶磁器製の平坦な矩形状のタイル材)等を用いて構成されており、図1に示すように、躯体本体10よりも外側において躯体本体10の外表面全体を覆うように左右方向に略沿って複数並設され、且つ上下方向に略沿って複数並設されている。
(構成−目地部)
目地部40は、タイル材30同士の継ぎ目となる部分である。この目地部40は、例えば公知のタイル用の目地材等を用いて構成されており、図1に示すように、複数のタイル材30のうち隣接するタイル材30同士の相互間にそれぞれ設けられている。
(構成−下地材)
下地材50は、タイル材30及び目地部40を躯体本体10に対して取り付けるためのものである。この下地材50は、例えば公知のモルタル製の下地材(一例として、下地モルタル、積上げ張りで張られたタイル材30(タイル張り層)である場合には張付けモルタル等)を用いて構成されており、図1(b)に示すように、躯体本体10とタイル材30又は目地部40との相互間に設けられており、具体的には、躯体本体10の外表面全体を覆うように平坦状に設けられている。
(剥離方法)
次に、実施の形態に係るタイル材30の剥離方法について説明する。図2は、実施の形態に係る剥離方法の区画工程を示す図であり、(a)は正面図、(b)は図1(b)に対応する領域周辺を示す図である。図3は、実施の形態に係る剥離方法の形成工程を示す図であり、(a)は正面図、(b)は図1(b)に対応する領域周辺を示す図である。図4は、実施の形態に係る剥離方法の補強層形成工程を示す図であり、(a)は正面図、(b)は図1(b)に対応する領域周辺を示す図である。図5は、実施の形態に係る剥離方法の剥離工程を示す図であって、図1(b)に対応する領域周辺を示す図であり、(a)は係止状態を示す図、(b)は後述の係止部81を移動させた状態を示す図である。図2から図5に示すように、実施の形態に係る剥離方法は、区画工程、形成工程、補強層形成工程、及び剥離工程を含んでいる。
(剥離方法−区画工程)
最初に、区画工程について説明する。区画工程は、平坦状に設けられた複数のタイル材30のうち一部のタイル材30同士の相互間に位置する目地部40と、下地材50のうち当該目地部40と対応する部分とを切断することにより、剥離対象領域60を区画する工程である。ここで、「剥離対象領域60」とは、複数のタイル材30の領域のうち剥離対象となる領域であって、少なくとも2つ以上のタイル材30に対応する領域を意味し、実施の形態では、9つのタイル材30に対応する領域として説明する。
具体的には、図2に示すように、切断器具70を用いて、複数の目地部40のうち剥離対象領域60の周縁部に対応する目地部40と、下地材50における剥離対象領域60の周縁部に対応する部分とを切断することにより、剥離対象領域60を区画する。なお、剥離対象領域60を複数区画する場合には、各剥離対象領域60に対して上述した目地部40及び下地材50の切断をそれぞれ行う。また、下地材50の切断方法については任意であるが、実施の形態では、剥離工程において剥離対象領域60に対応するタイル材30を躯体本体10から剥離しやすくなるように、図2(b)に示すように、下地材50全体(具体的には、下地材50の前端部から後端部に至る部分)を切断している。ただし、これに限らず、例えば、下地材50の一部のみ又は躯体本体10まで切断してもよい。
また、剥離対象領域60の具体的な形状及び大きさについては、剥離対象領域60に対応するタイル材30を確実に活かし取りすることができる限り任意に設定することができ、実施の形態では以下の通りに設定している。すなわち、剥離対象領域60の形状については、矩形状(正方形状又は長方形状)に設定している。ただし、これに限らず、例えば、周縁部の一部が非直線状となる略矩形状に設定してもよい。また、剥離対象領域60の大きさについては、後述する試験結果に基づいて、剥離対象領域60の左右方向の長さ×剥離対象領域60の上下方向の長さ=550mm×550mm以下に設定している。また、剥離対象領域60の縦横比(ここでは、左右方向の長さと上下方向の長さとの比)については、後述する試験結果に基づいて、1:1程度から1:2.5程度の範囲に設定している。また、剥離対象領域60におけるタイル材30の厚さと下地材50の厚さとの合計厚さについては、30mm以上に設定している(具体的には、外装材20のうち当該合計厚さとなる部分を剥離対象領域60として選択することにより設定する)。このような設定により、剥離方法の各種工程に関する作業を行う際に剥離対象領域60に対応するタイル材30に損傷が生じることを抑制でき、タイル材30の再利用を図りやすくなる。
また、切断器具70の具体的な構成については任意であるが、例えば、図2(b)に示すように、軸回りに回転可能な棒状のビット71(具体的には、直径が目地部40の幅以下となるビット71)を備える切断器具を用いて構成されてもよい。これにより、剥離対象領域60の形状が複雑な形状であっても剥離対象領域60を比較的正確に区画でき、区画工程の作業性を高めることが可能となる。ただし、これに限らず、例えは、円盤状のカッターであって当該カッターの中心点を回転中心として回転可能なカッターを備える切断器具(例えば、コンクリートカッター等)、又は電動ピック等を用いて構成されてもよい。
(剥離方法−形成工程)
次に、形成工程について説明する。形成工程は、区画工程の前又は後に、剥離対象領域60に対応するタイル材30及び下地材50を削孔することにより、剥離対象領域60に貫通孔61を形成する工程である。
具体的には、図3に示すように、区画工程の後に、図示しない公知の削孔器具(例えばコアドリル)を用いて、複数のタイル材30のうち剥離対象領域60に対応するタイル材30のうちいずれか1つのタイル材30と、下地材50のうち当該タイル材30に対応する部分とを削孔することにより、貫通孔61を形成する。なお、複数の剥離対象領域60の各々に貫通孔61を形成する場合には、各剥離対象領域60に対して上述したタイル材30及び下地材50の削孔をそれぞれ行う。
また、貫通孔61の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、図3に示すように、剥離対象領域60に対応するタイル材30を効果的に剥離するために、剥離対象領域60の中央部又はその近傍に形成されている。ただし、これに限らず、例えば、剥離対象領域60の周縁部又はその近傍に形成されてもよい。また、貫通孔61の形成によって再利用できなくなるタイル材30の数を低減するために、複数のタイル材30に重複しない位置に形成されている。ただし、これに限らず、例えば、貫通孔61の径がタイル材30の左右方向の長さ又は上下方向の長さよりも大きくなる場合には、貫通孔61を複数のタイル材30に重複しない位置に形成されてもよい。また、貫通孔61の径については、剥離工程の作業性を高めるために、躯体本体10側に近づくにつれて大きくなるように設定している。ここで、「躯体本体10側に近づくにつれて大きくなるように設定する」とは、貫通孔61の部分のうち少なくとも躯体本体の近傍側の部分の径を躯体本体10側に近づくにつれて大きくなるように設定することを意味する。よって、例えば、図3(b)に示すように、貫通孔61における躯体本体の近傍側の部分の径のみを躯体本体10側に近づくにつれて大きくなるように設定してもよく、あるいは、貫通孔61全体(具体的には、貫通孔61の軸方向の全体にわたる部分)の径を躯体本体10側に近づくにつれて大きくなるように設定してもよい。ただし、これに限らず、例えば、均一に設定してもよい。
(剥離方法−補強層形成工程)
次に、補強層形成工程について説明する。補強層形成工程は、剥離工程の前に、タイル材30の破断を抑制する補強層62を剥離対象領域60における躯体本体10側とは反対側の側面に形成する工程である。
具体的には、図4に示すように、形成工程の後に、公知の方法を用いて補強層62を剥離対象領域60に対応するタイル材30の前面全体(又は貫通孔61の周辺部分のみ)に敷設することにより、形成する。なお、複数の剥離対象領域60に補強層62を形成する場合には、各剥離対象領域60に対応するタイル材30の前面全体に対して補強層62の敷設をそれぞれ行う。
また、補強層62の具体的な構成については任意であるが、例えば、安価に形成でき、且つ取り外しが容易となる補強材を用いて構成されることが望ましく、一例として、図示しない樹脂層(具体的には、酸に溶ける性質有する樹脂層)と図示しないビニロン繊維層とを積層してなる補強材を用いて構成されてもよい。
このような補強層形成工程により、剥離対象領域60に対応するタイル材30を補強できることから、補強層62を形成しない場合に比べて、剥離工程中に剥離対象領域60に対応するタイル材30が損傷することを抑制できる。
(剥離方法−剥離工程)
続いて、剥離工程について説明する。剥離工程は、区画工程及び形成工程の後に、剥離器具80を貫通孔61に挿通することにより、剥離器具80の係止部81を剥離対象領域60に対応する下地材50に係止し、当該係止した状態(以下、「係止状態」と称する)で剥離器具80の押圧部82による躯体本体10への押圧に伴って係止部81を躯体本体10から離れる方向に移動させることにより、剥離対象領域60に対応するタイル材30を躯体本体10から剥離させる工程である。ここで、剥離器具80は、例えば公知の剥離器具(一例として、油圧式のピーリングマシン)等を用いて構成されており、例えば、図5に示すように、下地材50に係止可能な複数の尖部81aを備える筒状の係止部81と、躯体本体10を押圧することで係止部81に対して相対移動が可能な棒状の押圧部82と、係止部81及び押圧部82の操作を行う操作部(図示省略)とを備えて構成されている。
具体的には、まず、剥離器具80の操作部を介して係止部81及び押圧部82を操作することで、係止部81及び押圧部82が躯体本体10の表面と当接するように、係止部81及び押圧部82を貫通孔61に挿通する。次に、図5(a)に示すように、剥離器具80の操作部を介して係止部81を操作することで、複数の尖部81aを拡張させて下地材50と躯体本体10との相互間に入り込ませることにより、係止部81を剥離対象領域60に対応する下地材50に対して係止させる。次いで、図5(b)に示すように、剥離器具80の操作部を介して押圧部82を操作することで、上記係止状態を維持しながら、押圧部82の押圧に伴って係止部81を躯体本体10から離れる方向に移動させる(なお、上記移動中には、複数の尖部81aは若干拡張される)。特に実施の形態では、上述したように、貫通孔61の径を躯体本体10側に近づくにつれて大きくなるように設定しているので、剥離対象領域60に対応する下地材50と上記係止部81(具体的には、複数の尖部81a)との接触面を増やすことができるため、剥離対象領域60に対応するタイル材30及び下地材50に対して剥がそうとする力を均一に伝達することが可能となる。そして、係止部81の移動量が所定量になるまで当該移動を継続した後、係止部81に係止された剥離対象領域60に対応するタイル材30、目地部40、及び下地材50を係止部81から取り外すことにより、剥離対象領域60に対応するタイル材30を剥離する。なお、複数の剥離対象領域60の各々に対応するタイル材30を剥離する場合には、各剥離対象領域60に対して上述した剥離器具80によるタイル材30の剥離をそれぞれ行う。
この場合において、例えば、上記係止状態で複数の尖部81aの外形が略円形状となるように、複数の尖部81aが構成されることにより、上記複数の尖部81aの外形が非円形状である場合に比べて剥離対象領域60に対応するタイル材30及び下地材50に対して剥がそうとする力を均一に伝達することができ、剥離対象領域60に対応するタイル材30の剥離を効果的に行うことが可能となる。ただし、これに限らず、例えば、上記係止状態で複数の尖部81aの外形が非円形状となるように、複数の尖部81aが構成されてもよい。
また、図5に示すように、落下防止部90を用いて剥離対象領域60に対応するタイル材30が躯体本体10から落下することを防止しながら、剥離対象領域60に対応するタイル材30を躯体本体10から剥離させてもよい。図6は、落下防止部90を示す図であり、(a)は背面図、(b)は平面図である。図7は、落下防止部90の変形例を示す図であり、(a)は背面図、(b)は平面図である。
ここで、落下防止部90の具体的な構成については任意であるが、例えば、図5、図6に示すように、板状の落下防止部本体91(一例として、木製、樹脂製、又は鋼製の板材等)と、落下防止部本体91の躯体本体10側の側面に取り付けられた緩衝部92であって、落下防止部本体91に対する各種の衝撃を緩和する緩衝部92(一例として、バッカー材又はスポンジ材の如き樹脂製の緩衝材等)を備えて構成されてもよい(図6の想像線は、剥離対象領域60を示す)。また、落下防止部90の使用方法については、具体的には、係止部81及び押圧部82を貫通孔61に挿通する前に、緩衝部92を剥離対象領域60に対応するタイル材30に当接させる。そして、作業者が落下防止部90を手で支えることで上記当接した状態を維持しながら、落下防止部90に形成された挿通孔93を介して係止部81及び押圧部82を貫通孔61に挿通した後に、上述した剥離器具80によるタイル材30の剥離を行う。なお、緩衝部92の取付方法については任意であるが、例えば、図6に示すように、落下防止部本体91の躯体本体10側の側面全体に取り付けてもよい。あるいは、図7に示すように、落下防止部本体91の躯体本体10側の側面の各周縁部のみに取り付けてもよい。このように落下防止部90を用いてタイル材30を剥離することで、剥離工程中に剥離対象領域60に対応するタイル材30が躯体本体10から落下することを防止でき、当該タイル材30が損傷することを回避できると共に、剥離工程の作業安全性を高めることができる。
以上のような剥離方法により、目地部40及び下地材50を切断することにより剥離対象領域60を区画でき、剥離対象領域60に対応する2つ以上のタイル材30の剥離を正確且つ効率的に行うことができる。よって、タイル材30の活かし取りの作業性及び確実性を高めることが可能となる。また、目地部40の種別が通し目地であっても剥離対象領域60に対応するタイル材30を効果的に剥離でき、タイル材30の活かし取りの作業性を高めやすくなる。なお、上記剥離方法により、活かし取りされたタイル材30については、公知の方法で洗浄及び補修された後に、他の建物の壁等の躯体本体に対して下地材を介して取り付けられることで、再利用されることになる。
(試験結果)
次に、本件出願人が行った試験結果について説明する。ここでは、活かし取り確認試験について説明する。
(試験結果−試験の概要)
最初に、活かし取り確認試験の概要について説明する。ここで、「活かし取り確認試験」とは、各種のタイル材の活かし取りの成功率を確認する試験である(具体的には、各種のタイル材毎の活かし取り確認試験では、数十枚から数百枚のタイル材を用いて試験を行う)。
次に、活かし取り確認試験の試験方法については任意であるが、以下の通りとなる。すなわち、まず、各種のタイル材が取り付けられている躯体において、実施の形態に係る剥離方法を用いて、剥離対象領域に対応する各種のタイル材を躯体本体から剥離させる。その後、上記剥離した剥離対象領域に対応するタイル材の損傷の有無に基づいて、タイル材の活かし取りが成功したか否かを確認する。
次に、活かし取り確認試験に用いられたタイル材は、陶磁器製のタイル材であって、モルタル製の下地材を介して建物の壁部に取り付けられたタイル材である。また、このタイル材は、大きさに基づいて8つの種類に分けられる(以下、「タイル材A」、「タイル材B」、「タイル材C」、「タイル材D」、「タイル材E」、「タイル材F」、「タイル材G」、「タイル材H」と称する)。
ここで、各種のタイル材の大きさについては、以下の通りとなる。すなわち、タイル材Aについては、縦横長さ=250mm×250mm、縦横比=1:1、下地材の厚さ及びタイル材の厚さの合計厚さ=44mmに設定している。また、タイル材Bについては、縦横長さ=350mm×350mm、縦横比=1:1、下地材の厚さ及びタイル材の厚さの合計厚さ=44mmに設定している。また、タイル材Cについては、縦横長さ=450mm×450mm、縦横比=1:1、下地材の厚さ及びタイル材の厚さの合計厚さ=44mmに設定している。また、タイル材Dについては、縦横長さ=550mm×550mm、縦横比=1:1、下地材の厚さ及びタイル材の厚さの合計厚さ=44mmに設定している。また、タイル材Eについては、縦横長さ=350mm×470mm、縦横比=1:1.3、下地材の厚さ及びタイル材の厚さの合計厚さ=40mmに設定している。また、タイル材Fについては、縦横長さ=210mm×470mm、縦横比=1:2.2、下地材の厚さ及びタイル材の厚さの合計厚さ=40mmに設定している。また、タイル材Gについては、縦横長さ=350mm×470mm、縦横比=1:1.3、下地材の厚さ及びタイル材の厚さの合計厚さ=30mmに設定している。また、タイル材Hについては、縦横長さ=350mm×470mm、縦横比=1:1.3、下地材の厚さ及びタイル材の厚さの合計厚さ=25mmに設定している。
(試験結果−試験結果の詳細)
続いて、活かし取り確認試験の試験結果の詳細について説明する。図8は、活かし取り確認試験の試験結果を示す図である。
図8に示すように、まず、活かし取り確認試験の結果のうち活かし取り率については、タイル材Aからタイル材Gの結果=69%以上になることが確認され、特にタイル材Aからタイル材Dの結果=99%以上になることが確認された。一方で、タイル材Gの結果=0%になることが確認された。また、活かし取り確認試験の結果のうち歩掛りについては、タイル材Aからタイル材Gの結果=3.4(m/2人・日)以上になることが確認され、特にタイル材C、タイル材Dの結果=9.8(m/2人・日)以上になることが確認された。さらに、剥離した後のタイル材Aからタイル材Gの形状については、ほぼ剥離前の形状(剥離対象領域の形状)を維持できることが確認された。これらタイル材Aからタイル材Gの結果から、従来の方法(剥離対象領域の周縁に位置する目地部に電動ピックを入れた状態で、電動ピックの手斫りによりタイル材を剥ぎ取る方法)に比べて活かし取り率及び歩掛りが高く(なお、従来の方法の歩掛り=1.0(m/2人・日))、且つタイル材の形状を維持しやすくなることが確認された。
以上のことから、実施の形態に係る剥離方法を用いることの有効性が確認できた。また、タイル材の厚さと下地材の厚さとの合計厚さを30mm以上に設定すること、剥離対象領域の縦横比を1:1程度から1:2.5程度の範囲に設定すること、及び剥離対象領域の大きさを550mm×550mm以下に設定することの有効性が確認できた。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、複数のタイル材30のうち一部のタイル材30同士の相互間に位置する目地部40と、下地材50のうち当該目地部40と対応する部分とを切断することにより、複数のタイル材30の領域のうち剥離対象となる剥離対象領域60であって少なくとも2つ以上のタイル材30に対応する剥離対象領域60を区画する区画工程と、区画工程の前又は後に、剥離対象領域60に対応するタイル材30及び下地材50を削孔することにより、剥離対象領域60に貫通孔61を形成する形成工程と、区画工程及び形成工程の後に、貫通孔61に剥離器具80を挿通することにより、剥離器具80の係止部81を剥離対象領域60に対応する下地材50に係止し、当該係止した状態で剥離器具80の押圧部82による躯体本体10への押圧に伴って係止部81を躯体本体10から離れる方向に移動させることにより、剥離対象領域60に対応するタイル材30を躯体本体10から剥離させる剥離工程と、を含むので、目地部40及び下地材50を切断することにより剥離対象領域60を区画でき、剥離対象領域60に対応する2つ以上のタイル材30の剥離を正確且つ効率的に行うことができる。よって、タイル材30の活かし取りの作業性及び確実性を高めることが可能となる。
また、貫通孔61を、複数のタイル材30に重複しない位置に形成したので、貫通孔61の形成によって再利用できなくなるタイル材30の数を低減でき、タイル材30の活かし取りの作業性を高めやすくなる。
また、貫通孔61の径を、躯体本体10側に近づくにつれて大きくしたので、剥離対象領域60に対応する下地材50と係止部81との接触面を増やすことができるため、剥離対象領域60に対応するタイル材30及び下地材50に対して剥がそうとする力を均一に伝達することができる。
また、貫通孔61を、剥離対象領域60の中央部又はその近傍に形成したので、剥離工程において剥離器具80の係止部81を躯体本体10から離れる方向に移動させる際に、剥離対象領域60に対応する下地材50の略全体に略均等な力が負荷されやすくなるため、剥離対象領域60に対応するタイル材30を効果的に剥離しやすくなる。
また、タイル材30の厚さと下地材50の厚さとの合計厚さを、30mm以上としたので、30mm未満とした場合に比べて、剥離方法の各種工程に関する作業を行う際に剥離対象領域60に対応するタイル材30に損傷が生じることを抑制でき、タイル材30の再利用を図りやすくなる。
また、剥離対象領域60の縦横比を、1:1程度から1:2.5程度の範囲としたので、当該範囲以外の他の範囲とした場合に比べて、剥離方法の各種工程に関する作業を行う際に剥離対象領域60に対応するタイル材30に損傷が生じることを抑制でき、タイル材30の再利用を図りやすくなる。
また、剥離対象領域60の大きさを、550mm×550mm以下としたので、550mm×550mmを上回る大きさとした場合に比べて、剥離方法の各種工程に関する作業を行う際に剥離対象領域60に対応するタイル材30に損傷が生じることを抑制でき、タイル材30の再利用を図りやすくなる。
また、区画工程において、下地材50の少なくとも一部又は躯体本体10まで切断することにより、剥離対象領域60を区画するので、剥離工程において剥離対象領域60に対応するタイル材30を躯体本体10から剥離しやすくなるため、剥離工程の作業性及び確実性を高めやすくなる。
また、区画工程において、軸回りに回転可能な棒状のビット71を備える切断器具70を用いて剥離対象領域60を区画するので、剥離対象領域60の形状が複雑な形状であっても剥離対象領域60を比較的正確に区画でき、区画工程の作業性を高めることが可能となる。
また、剥離工程において、落下防止部90を用いて剥離対象領域60に対応するタイル材30が躯体本体10から落下することを防止しながら、剥離対象領域60に対応するタイル材30を躯体本体10から剥離させるので、剥離工程中に剥離対象領域60に対応するタイル材30が躯体本体10から落下することを防止でき、当該タイル材30が損傷することを回避できると共に、剥離工程の作業安全性を高めることができる。
また、剥離工程において、係止部81が下地材50に係止されている状態で複数の尖部81aの外形が略円形状となるように、複数の尖部81aを構成したので、上記複数の尖部81aの外形が非円形状である場合に比べて剥離対象領域60に対応するタイル材30及び下地材50に対して剥がそうとする力を均一に伝達することができ、剥離対象領域60に対応するタイル材30の剥離を効果的に行うことが可能となる。
また、剥離工程の前に、タイル材30の破断を抑制する補強層62を剥離対象領域60における躯体本体10側とは反対側の側面に形成する補強層形成工程をさらに含むので、剥離対象領域60に対応するタイル材30を補強できることから、補強層62を形成しない場合に比べて、剥離工程中に剥離対象領域60に対応するタイル材30が損傷することを抑制できる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(外装材について)
上記実施の形態では、外装材20のタイル材30の形状が、矩形状であると説明したが、これに限らず、例えば、円形状、楕円形状、矩形状以外の多角形状(一例として、三角形状)等であってもよい。
また、上記実施の形態では、目地部40の種別が、通し目地であると説明したが、これに限らない。例えば、馬踏み目地、四半目地、たて通し目地、たて馬踏み目地、たて張り千鳥目地、やはず張り、イギリス張り、フランス張り、アメリカ張り(フランス型)、イギリス(イギリス型)、ガーデン網代、フランス網代、バスケット、三つ目市松、又は重ね網代等であってもよい。
(剥離対象領域について)
上記実施の形態では、剥離対象領域60に対応するタイル材30の枚数が、9つであると説明したが、これに限らず、例えば、9つ未満であってもよく、又は10以上であってもよい。
また、上記実施の形態では、剥離対象領域60の形状が、矩形状であると説明したが、これに限らず、例えば、円形状、楕円形状、矩形状以外の多角形状(一例として、五角形状)等であってもよい。
また、上記実施の形態では、剥離対象領域60の大きさが、550mm×550mm以下であると説明したが、これに限らず、例えば、550mm×550mmを上回る大きさであってもよい。
また、上記実施の形態では、剥離対象領域60の縦横比が、1:1程度から1:2.5程度の範囲であると説明したが、これに限らず、例えば、1:1程度から1:2.5程度の範囲以外の他の範囲であってもよい。
また、上記実施の形態では、剥離対象領域60におけるタイル材30の厚さと下地材50の厚さとの合計厚さが、30mm以上であると説明したが、これに限らず、例えば、30mm未満であってもよい。
また、上記実施の形態では、剥離対象領域60に対応するタイル材30及び下地材50が平坦状に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、非平坦状に設けられてもよく、一例として、剥離対象領域60が躯体本体10側に向けてアール状になり、又は剥離対象領域60が躯体本体10側とは反対側に向けてアール状になるように、剥離対象領域60に対応するタイル材30が躯体本体10に対して下地材50を介して取り付けられてもよい。
ここで、剥離対象領域60がアール状である場合の構成の詳細について説明する。図9は、剥離対象領域60が躯体本体10側に向けてアール状である場合における剥離対象領域60の界面剥離耐力とコーン破壊耐力との関係を示す図である。また、図10は、剥離対象領域60が躯体本体10側とは反対側に向けてアール状である場合における剥離対象領域60の界面剥離耐力とコーン破壊耐力との関係を示す図である。
上述したように、剥離対象領域60が躯体本体10側に向けてアール状になるように、剥離対象領域60に対応するタイル材30が取り付けられている場合に、当該タイル材30を躯体本体10から剥離する際には、剥離対象領域60に対応する下地材50に直交する応力が1/cоsθ倍に増加し、且つ剥離対象領域60に対応するタイル材30を剥離させるときの力が1/cоsθ倍に増加することになる。このため、図9に示すように、上記アールの径に関わらず、剥離対象領域60の界面剥離耐力(剥離対象領域60に対応するタイル材30を剥離する際に要する力)が剥離対象領域60のコーン破壊耐力(下地材50に局所的な破壊(いわゆるコーン破壊)に要する力)よりも小さくなるので、当該下地材50にコーン破壊が生じにくいことから、タイル材30の活かし取り作業を比較的スムーズに行うことができる。
一方で、上述したように、剥離対象領域60が躯体本体10側とは反対側に向けてアール状になるように、剥離対象領域60に対応するタイル材30が取り付けられている場合に、当該タイル材30を躯体本体10から剥離する際には、剥離対象領域60に対応する下地材50に直交する応力がcоsθ倍に低減されるが、剥離対象領域60に対応するタイル材30を剥離させるときの力が1/cоsθ倍に増加することになる。このため、図10に示すように、剥離対象領域60のアールの径が比較的小さい場合(図10では、剥離対象領域60のアールの径がR1未満になる場合)には、剥離対象領域60の界面剥離耐力が剥離対象領域60のコーン破壊耐力よりも下回るので、当該下地材50にコーン破壊が生じやすくなることから、タイル材30の活かし取りが難しくなるという問題が生じるおそれがある。よって、このような問題を解消するために、剥離対象領域60に対応するタイル材30の剥離が下地材50のコーン破壊よりも先行して生じるように、剥離対象領域60の大きさ及び上記アールの径を以下の通りに設定することが望ましい。
図11は、剥離対象領域60の大きさが550mm×550mmである場合における剥離対象領域60の界面剥離耐力とコーン破壊耐力との関係を示す図である。図12は、剥離対象領域60の大きさが250mm×250mmである場合における剥離対象領域60の界面剥離耐力とコーン破壊耐力との関係を示す図である。ここで、図11には、剥離対象領域60の大きさを550mm×550mmに設定した場合の各種の比率を示しており、具体的には、公知の計算方法により算出した剥離対象領域60のアールの径毎のコーン破壊耐力と平坦時のコーン破壊耐力との比率(以下、「コーン破壊耐力比率」と称する)と、公知の計算方法により算出した剥離対象領域60のアールの径(直径)毎の界面剥離耐力と平坦時の界面剥離耐力との比率(以下、「界面剥離耐力比率」と称する)と、界面剥離耐力比率とコーン破壊耐力比率との比率(以下、「耐力差比率」と称する)とを示している。また、図12には、剥離対象領域60の大きさを250mm×250mmに設定した場合のコーン破壊耐力比率と、界面剥離耐力比率と、耐力差比率とを示している。
図11に示すように、剥離対象領域60のアールの径が1500mm以上である場合には、耐力差比率=1.03以下となり、界面剥離耐力とコーン破壊耐力との差が5%以内になることから、剥離対象領域60に対応するタイル材30の剥離がコーン破壊よりも先行して生じやすくなる。また、図12に示すように、剥離対象領域60のアールの径が1000mm以上である場合には、耐力差比率=1.05以下となり、界面剥離耐力とコーン破壊耐力との差が5%以内になることから、剥離対象領域60に対応するタイル材30の剥離が下地材50のコーン破壊よりも先行して生じやすくなる。これらの結果から、剥離対象領域60の大きさを550mm×550mm以下とし、且つ剥離対象領域60のアールの径を1500mm以上として設定することにより、上記剥離方法の剥離工程に関する作業を行う際に剥離対象領域60に対応する下地材50に損傷が生じにくく、且つ剥離対象領域60に対応するタイル材30が剥離しやすくなる。また、剥離対象領域60の大きさを250mm×250mmとした場合には、剥離対象領域60のアールの径を1000mm以上に設定することで、同様の効果が得られる。したがって、剥離方法の剥離工程に関する作業を効率的に行うことが可能になる。なお、例えば、剥離対象領域60に対応するタイル材30の躯体本体10側とは反対側の側面に補強層62を設けることにより、コーン破壊耐力のみを上昇させることができるので、下地材50のコーン破壊が生じにくくすることができる。したがって、補強層62を設けた場合の剥離対象領域60のアールの径を、補強層62を設けていない上記剥離対象領域60のアールの径に比べて小さく設定することが可能となる。
(剥離方法について)
上記実施の形態では、剥離方法が、補強層形成工程を含むと説明したが、これに限らず、例えば、補強層形成工程を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、剥離工程において、落下防止部90を用いて剥離対象領域60に対応するタイル材30を躯体本体10から剥離させると説明したが、これに限らず、例えば、落下防止部90を用いることなく剥離対象領域60に対応するタイル材30を躯体本体10から剥離させてもよい。
また、上記実施の形態では、補強層形成工程が、形成工程の直後に行われると説明したが、これに限らず、例えば、区画工程の直後、又は区画工程の前に行われてもよい。
(付記)
付記1のタイル材の剥離方法は、建物の躯体を構成する躯体本体に対して下地材を介して取り付けられた複数のタイル材を当該躯体本体から剥離するための剥離方法であって、前記複数のタイル材のうち一部のタイル材同士の相互間に位置する目地部と、前記下地材のうち当該目地部と対応する部分とを切断することにより、前記複数のタイル材の領域のうち剥離対象となる剥離対象領域であって少なくとも2つ以上のタイル材に対応する剥離対象領域を区画する区画工程と、前記区画工程の前又は後に、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材及び前記下地材を削孔することにより、前記剥離対象領域に貫通孔を形成する形成工程と、前記区画工程及び前記形成工程の後に、前記貫通孔に剥離器具を挿通することにより、前記剥離器具の係止部を前記剥離対象領域に対応する前記下地材に係止し、当該係止した状態で前記剥離器具の押圧部による前記躯体本体への押圧に伴って前記係止部を前記躯体本体から離れる方向に移動させることにより、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材を前記躯体本体から剥離させる剥離工程と、を含む。
付記2のタイル材の剥離方法は、付記1に記載のタイル材の剥離方法において、前記貫通孔を、前記複数のタイル材に重複しない位置に形成した。
付記3のタイル材の剥離方法は、付記1又は2に記載のタイル材の剥離方法において、前記貫通孔の径を、前記躯体本体側に近づくにつれて大きくした。
付記4のタイル材の剥離方法は、付記1から3のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記貫通孔を、前記剥離対象領域の中央部又はその近傍に形成した。
付記5のタイル材の剥離方法は、付記1から4のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記タイル材の厚さと前記下地材の厚さとの合計厚さを、30mm以上とした。
付記6のタイル材の剥離方法は、付記1から5のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離対象領域の縦横比を、1:1程度から1:2.5程度の範囲とした。
付記7のタイル材の剥離方法は、付記1から6のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離対象領域の大きさを、550mm×550mm以下とした。
付記8のタイル材の剥離方法は、付記7に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離対象領域が前記躯体本体側とは反対側に向けてアール状になるように、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材を前記躯体本体に対して前記下地材を介して取り付け、前記剥離対象領域のアールの径を、1500mm以上とした。
付記9のタイル材の剥離方法は、付記8に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離対象領域の大きさを、250mm×250mmとし、前記剥離対象領域のアールの径を、1000mm以上とした。
付記10のタイル材の剥離方法は、付記1から9のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記区画工程において、前記下地材の少なくとも一部又は前記躯体本体まで切断することにより、前記剥離対象領域を区画する。
付記11のタイル材の剥離方法は、付記1から10のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記区画工程において、軸回りに回転可能な棒状のビットを備える切断器具を用いて前記剥離対象領域を区画する。
付記12のタイル材の剥離方法は、付記1から11のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離工程において、落下防止手段を用いて前記剥離対象領域に対応する前記タイル材が前記躯体本体から落下することを防止しながら、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材を前記躯体本体から剥離させる。
付記13のタイル材の剥離方法は、付記1から12のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離器具の前記係止部は、複数の尖部を備え、前記剥離工程において、前記係止部が前記下地材に係止されている状態で前記複数の尖部の外形が略円形状となるように、前記複数の尖部を構成した。
付記14のタイル材の剥離方法は、付記1から13のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法において、前記剥離工程の前に、前記タイル材の破断を抑制する補強層を前記剥離対象領域における前記躯体本体側とは反対側の側面に形成する補強層形成工程をさらに含む。
(付記の効果)
付記1に記載のタイル材の剥離方法によれば、複数のタイル材のうち一部のタイル材同士の相互間に位置する目地部と、下地材のうち当該目地部と対応する部分とを切断することにより、複数のタイル材の領域のうち剥離対象となる剥離対象領域であって少なくとも2つ以上のタイル材に対応する剥離対象領域を区画する区画工程と、区画工程の前又は後に、剥離対象領域に対応するタイル材及び下地材を削孔することにより、剥離対象領域に貫通孔を形成する形成工程と、区画工程及び形成工程の後に、貫通孔に剥離器具を挿通することにより、剥離器具の係止部を剥離対象領域に対応する下地材に係止し、当該係止した状態で剥離器具の押圧部による躯体本体への押圧に伴って係止部を躯体本体から離れる方向に移動させることにより、剥離対象領域に対応するタイル材を躯体本体から剥離させる剥離工程と、を含むので、目地部及び下地材を切断することにより剥離対象領域を区画でき、剥離対象領域に対応する2つ以上のタイル材の剥離を正確且つ効率的に行うことができる。よって、タイル材の活かし取りの作業性及び確実性を高めることが可能となる。
付記2に記載のタイル材の剥離方法によれば、貫通孔を、複数のタイル材に重複しない位置に形成したので、貫通孔の形成によって再利用できなくなるタイル材の数を低減でき、タイル材の活かし取りの作業性を高めやすくなる。
付記3に記載のタイル材の剥離方法によれば、貫通孔の径を、躯体本体側に近づくにつれて大きくしたので、剥離対象領域に対応する下地材と係止部との接触面を増やすことができるため、剥離対象領域に対応するタイル材及び下地材に対して剥がそうとする力を均一に伝達することが可能となる。
付記4に記載のタイル材の剥離方法によれば、貫通孔を、剥離対象領域の中央部又はその近傍に形成したので、剥離工程において剥離器具の係止部を躯体本体から離れる方向に移動させる際に、剥離対象領域に対応する下地材の略全体に略均等な力が負荷されやすくなるため、剥離対象領域に対応するタイル材を効果的に剥離しやすくなる。
付記5に記載のタイル材の剥離方法によれば、タイル材の厚さと下地材の厚さとの合計厚さを、30mm以上としたので、30mm未満とした場合に比べて、剥離方法の各種工程に関する作業を行う際に剥離対象領域に対応するタイル材に損傷が生じることを抑制でき、タイル材の再利用を図りやすくなる。
付記6に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離対象領域の縦横比を、1:1程度から1:2.5程度の範囲としたので、当該範囲以外の他の範囲とした場合に比べて、剥離方法の各種工程に関する作業を行う際に剥離対象領域に対応するタイル材に損傷が生じることを抑制でき、タイル材の再利用を図りやすくなる。
付記7に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離対象領域の大きさを、550mm×550mm以下としたので、550mm×550mmを上回る大きさとした場合に比べて、剥離方法の各種工程に関する作業を行う際に剥離対象領域に対応するタイル材に損傷が生じることを抑制でき、タイル材の再利用を図りやすくなる。
付記8に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離対象領域のアールの径を、1500mm以上としたので、剥離対象領域のアールの径が1500mmを下回る場合に比べて、剥離方法の剥離工程に関する作業を行う際に剥離対象領域に対応する下地材に損傷が生じにくく、且つ剥離対象領域に対応するタイル材を剥離しやすくなることから、当該剥離工程に関する作業を効率的に行うことが可能になる。
付記9に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離対象領域の大きさを、250mm×250mmとし、剥離対象領域のアールの径を、1000mm以上としたので、剥離対象領域のアールの径が1500mmを下回る場合に比べて、剥離方法の剥離工程に関する作業を行う際に剥離対象領域に対応する下地材に損傷が生じにくく、且つ剥離対象領域を剥離しやすくなることから、当該剥離工程に関する作業を効率的に行うことが可能になる。
付記10に記載のタイル材の剥離方法によれば、区画工程において、下地材の少なくとも一部又は躯体本体まで切断することにより、剥離対象領域を区画するので、剥離工程において剥離対象領域に対応するタイル材を躯体本体から剥離しやすくなるため、剥離工程の作業性及び確実性を高めやすくなる。
付記11に記載のタイル材の剥離方法によれば、区画工程において、軸回りに回転可能な棒状のビットを備える切断器具を用いて剥離対象領域を区画するので、剥離対象領域の形状が複雑な形状であっても剥離対象領域を比較的正確に区画でき、区画工程の作業性を高めることが可能となる。
付記12に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離工程において、落下防止手段を用いて剥離対象領域に対応するタイル材が躯体本体から落下することを防止しながら、剥離対象領域に対応するタイル材を躯体本体から剥離させるので、剥離工程中に剥離対象領域に対応するタイル材が躯体本体から落下することを防止でき、当該タイル材が損傷することを回避できると共に、剥離工程の作業安全性を高めることができる。
付記13に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離工程において、係止部が下地材に係止されている状態で複数の尖部の外形が略円形状となるように、複数の尖部を構成したので、上記複数の尖部の外形が非円形状である場合に比べて剥離対象領域に対応するタイル材及び下地材に対して剥がそうとする力を均一に伝達することができ、剥離対象領域に対応するタイル材の剥離を効果的に行うことが可能となる。
付記14に記載のタイル材の剥離方法によれば、剥離工程の前に、タイル材の破断を抑制する補強層を剥離対象領域における躯体本体側とは反対側の側面に形成する補強層形成工程をさらに含むので、剥離対象領域に対応するタイル材を補強できることから、補強層を形成しない場合に比べて、剥離工程中に剥離対象領域に対応するタイル材が損傷することを抑制できる。
1 躯体
10 躯体本体
20 外装材
30 タイル材
40 目地部
50 下地材
60 剥離対象領域
61 貫通孔
62 補強層
70 切断器具
71 ビット
80 剥離器具
81 係止部
81a 尖部
82 押圧部
90 落下防止部
91 落下防止部本体
92 緩衝部
93 挿通孔

Claims (14)

  1. 建物の躯体を構成する躯体本体に対して下地材を介して取り付けられた複数のタイル材を当該躯体本体から剥離するための剥離方法であって、
    前記複数のタイル材のうち一部のタイル材同士の相互間に位置する目地部と、前記下地材のうち当該目地部と対応する部分とを切断することにより、前記複数のタイル材の領域のうち剥離対象となる剥離対象領域であって少なくとも2つ以上のタイル材に対応する剥離対象領域を区画する区画工程と、
    前記区画工程の前又は後に、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材及び前記下地材を削孔することにより、前記剥離対象領域に貫通孔を形成する形成工程と、
    前記区画工程及び前記形成工程の後に、前記貫通孔に剥離器具を挿通することにより、前記剥離器具の係止部を前記剥離対象領域に対応する前記下地材に係止し、当該係止した状態で前記剥離器具の押圧部による前記躯体本体への押圧に伴って前記係止部を前記躯体本体から離れる方向に移動させることにより、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材を前記躯体本体から剥離させる剥離工程と、
    を含むタイル材の剥離方法。
  2. 前記貫通孔を、前記複数のタイル材に重複しない位置に形成した、
    請求項1に記載のタイル材の剥離方法。
  3. 前記貫通孔の径を、前記躯体本体側に近づくにつれて大きくした、
    請求項1又は2に記載のタイル材の剥離方法。
  4. 前記貫通孔を、前記剥離対象領域の中央部又はその近傍に形成した、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法。
  5. 前記タイル材の厚さと前記下地材の厚さとの合計厚さを、30mm以上とした、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法。
  6. 前記剥離対象領域の縦横比を、1:1程度から1:2.5程度の範囲とした、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法。
  7. 前記剥離対象領域の大きさを、550mm×550mm以下とした、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法。
  8. 前記剥離対象領域が前記躯体本体側とは反対側に向けてアール状になるように、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材を前記躯体本体に対して前記下地材を介して取り付け、
    前記剥離対象領域のアールの径を、1500mm以上とした、
    請求項7に記載のタイル材の剥離方法。
  9. 前記剥離対象領域の大きさを、250mm×250mmとし、
    前記剥離対象領域のアールの径を、1000mm以上とした、
    請求項8に記載のタイル材の剥離方法。
  10. 前記区画工程において、前記下地材の少なくとも一部又は前記躯体本体まで切断することにより、前記剥離対象領域を区画する、
    請求項1から9のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法。
  11. 前記区画工程において、軸回りに回転可能な棒状のビットを備える切断器具を用いて前記剥離対象領域を区画する、
    請求項1から10のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法。
  12. 前記剥離工程において、落下防止手段を用いて前記剥離対象領域に対応する前記タイル材が前記躯体本体から落下することを防止しながら、前記剥離対象領域に対応する前記タイル材を前記躯体本体から剥離させる、
    請求項1から11のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法。
  13. 前記剥離器具の前記係止部は、複数の尖部を備え、
    前記剥離工程において、前記係止部が前記下地材に係止されている状態で前記複数の尖部の外形が略円形状となるように、前記複数の尖部を構成した、
    請求項1から12のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法。
  14. 前記剥離工程の前に、前記タイル材の破断を抑制する補強層を前記剥離対象領域における前記躯体本体側とは反対側の側面に形成する補強層形成工程をさらに含む、
    請求項1から13のいずれか一項に記載のタイル材の剥離方法。
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