JP2021031695A - 靱性に優れた熱間工具鋼 - Google Patents

靱性に優れた熱間工具鋼 Download PDF

Info

Publication number
JP2021031695A
JP2021031695A JP2019149874A JP2019149874A JP2021031695A JP 2021031695 A JP2021031695 A JP 2021031695A JP 2019149874 A JP2019149874 A JP 2019149874A JP 2019149874 A JP2019149874 A JP 2019149874A JP 2021031695 A JP2021031695 A JP 2021031695A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
steel
toughness
change
max
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019149874A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7305483B2 (ja
Inventor
前田 雅人
Masahito Maeda
雅人 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Special Steel Co Ltd filed Critical Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority to JP2019149874A priority Critical patent/JP7305483B2/ja
Publication of JP2021031695A publication Critical patent/JP2021031695A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7305483B2 publication Critical patent/JP7305483B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】特性の安定した高靭性の熱間工具鋼を提供する。【解決手段】C:0.30〜0.42%、Si:0.15〜1.00%、Mn:0.20〜0.50%、Cr:4.50〜6.00%、Mo:1.00〜2.20%、V:0.30〜0.60%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、N:130ppm以下、O:20ppm以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼で、粗大炭化物の晶出し易さを表す指標S’=([C]−0.2)×(2[Cr]+3[Mo]+6[V])≦3.1を満足し、160μm×1000μm中のC、Mn、Cr、Mo、Vの最大値と最小値の差をそれぞれ0.25%、0.25%、1.25%、1.20%、0.30%以下、偏析部の1μm当たりのC、Mn、Cr、Mo、Vの変化度合いをそれぞれ0.0025%/μm、0.0030%/μm、0.125%/μm、0.105%/μm、0.0025%/μm以下とする。【選択図】図1

Description

この発明は、熱間鍛造、熱間押出、ダイカストその他の鋳造などに用いる熱間金型用鋼に好適な熱間工具鋼に関する。
熱間工具は、高温の被加工材や硬質な被加工材と接触しながら使用されるため、熱疲労や衝撃に耐えうる強度と靭性を兼ね備えている必要がある。そのため、従来、熱間工具の分野においては、例えばJIS G4404の鋼種であるSKD61系の合金工具鋼が用いられている。
しかしながら、Vが多いので、粗大な炭窒化物が形成されることで靭性、加工性が悪化しやすい。
また、SKD61の構成元素のバランスを見直した高靭性で高強度な熱間工具鋼が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、添加量を見直すことに加えて、多種の不純物の含有量を規制管理した、靱性に優れた熱間工具鋼が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、合金成分範囲の限定と、Cr,Mo,W,Vといった成分の偏析度合いを限定することで、靭性に優れる熱間工具鋼が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、これらの特許文献に提案されている熱間工具鋼であっても、十分な靭性の向上が得られるとは限らず、規定された範囲であっても特性にばらつきが生じる場合があった。
特開2013−087322号公報 特開1988−203744号公報 特開2005−314788号公報
本発明が解決しようとする課題は、特性の安定した高靭性の熱間工具鋼を提供することである。
そこで、上述の課題を解決するために、本願の発明者は鋭意に研究開発を進めたところ、熱間工具鋼において、高靭性を阻害している要因には、炭化物形成元素の偏析度合いに加えて、これ以外にも、固溶強化に関わる元素の偏析や、さらには元素が偏析している幅などが、靭性の低下に影響していることを見出して、本発明に至った。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、第1の手段では、質量%で、C:0.30〜0.42%、Si:0.15〜1.00%、Mn:0.20〜0.50%、Cr:4.50〜6.00%、Mo:1.00〜2.20%、V:0.30〜0.60%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、N:130ppm以下、O:20ppm以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼であり、
この鋼の粗大炭化物の晶出し易さを表す指標をS’とするとき、
S’=([C]−0.2)×(2[Cr]+3[Mo]+6[V])のS’の値が3.1以下であって、
この鋼の160μm×1000μm中におけるC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の成分量の最大値と最小値の差は、
max−Cmin:0.25%以下、
Mnmax−Mnmin:0.25%以下、
Crmax−Crmin:1.25%以下、
Momax−Momin:1.20%以下、
max−Vmin:0.30%以下であり、
さらに、この鋼の偏析部の1μm当たりのC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素成分の変化度合いの値は、
変化:0.0025%/μm以内、
Mn変化:0.0030%/μm以内、
Cr変化:0.125%/μm以内、
Mo変化:0.105%/μm以内、
変化:0.0025%/μm以内であること、
を特徴とする靭性に優れた熱間工具鋼である。
JIS G4404記載の鋼種であるSKD61の焼戻し硬さが45HRCのとき、シャルピー衝撃値が20/cm2であるのに比して、本願の第1の手段では、30J/cm2以上のシャルピー衝撃値が得られるなど、本願の発明の手段によると、靭性に優れた熱間工具鋼が安定して得られる。
ピクラール腐食後に観察面にみられる偏析帯の例を示す写真である。 偏析部の1μm当りのC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素成分の変化度合いを求める方法をグラフ化して説明したイメージ図である。
本発明を実施するための形態の説明に先立って、まず、本願の請求項に係る熱間工具鋼の発明の化学成分の限定理由、並びにこの鋼のS’の値、C、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の成分量の最大値と最小値の差、および、鋼の偏析部の1μm当たりのC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の変化度合いについて規定している理由を順次説明する。
なお、各化学成分における%は質量%のことである。
C:0.30〜0.42%
Cは、硬質炭化物を形成し、硬さ、耐摩耗性を向上させるとともに、焼入性を高める元素である。このためには、Cは0.30%以上が必要である。しかし、Cは0.42%より多く含まれると、鋼中に粗大な炭化物を形成して靭性および加工性を悪化させる。そこで、Cは0.30〜0.42%とし、望ましくは0.32〜0.40%とする。
Si:0.15〜1.00%
Siは、脱酸剤として添加され、基地の硬さおよび焼入性を高める元素である。このためには、Siは0.15%以上が必要である。しかし、Siは1.00%より多く含まれると、鋼のマトリックスを脆化させ、靭性および加工性を悪化させる。そこで、Siは0.15〜1.00%とする。
Mn:0.20〜0.50%
Mnは、脱酸剤として添加され、焼入性を高める元素である。このためには、Mnは0.20%以上が必要である。しかし、Mnは0.50%より多く含有されると、鋼のマトリックスを脆化させ、靭性を悪化させる。そこで、Mnは0.20〜0.50%とする。
Cr:4.50〜6.00%
Crは、硬質炭化物を形成し、硬さ、耐摩耗性を向上させるとともに、焼入性を高める元素である。このためには、Crは4.50%以上が必要である。しかし、Crは6.00%より多く含まれると、鋼中に粗大な炭化物を形成して靭性および加工性を悪化させる。そこで、Crは4.50〜6.00%とする。
Mo:1.00〜2.20%
Moは、硬質炭化物を形成し、硬さ、耐摩耗性を向上させるとともに、焼入性、焼戻し軟化抵抗性を高める元素である。このためには、Moは1.00%以上が必要である。しかし、Moは2.20%より多く含まれると、鋼中に粗大な炭化物を形成して靭性および加工性を悪化させる。そこで、Moは1.00〜2.20%とする。
V:0.30〜0.60%
Vは、硬質炭化物を形成し、硬さ、耐摩耗性、焼入性を向上させるとともに、焼入時の結晶粒の粗大化を抑制する効果があり、靭性の向上に寄与する元素である。このためには、Vは0.30%以上が必要である。しかし、Vは0.60%より多く含有されると粗大な炭窒化物を形成し、靭性および加工性を悪化させる。そこで、Vは0.30〜0.60%とする。
P:≦0.03%
Pは、靭性を低下させるため、一般には低減することが望ましい元素であるが、不可避的に含有される元素である。そこで、Pは0.03%を許容限度とする。
S:≦0.01%
Sは、Mnと共にMnSを形成して、靭性を低下させるため、低減することが望ましい元素である。そこで、Sは0.01%以下とする。
N:≦130ppm
Nは、粗大な窒化物や炭窒化物を形成して、靭性および加工性を悪化させる元素である。そこで、Nは130ppm以下とする。
O:≦20ppm
Oは、鋼中で酸化物系介在物を形成して、靭性を低下させる元素である。そこで、Oは20ppm以下とする。
粗大炭化物の晶出し易さを表す指標 S’の値:3.1以下,すなわち、S'=([C]−0.2)×(2[Cr]+3[Mo]+6[V])であり、S’:≦3.1
S’は、粗大炭化物の晶出し易さを表す指標である。鋼の合金成分のC、Cr、Mo、およびVを調整して、S’の値を3.1以下にすることで、粗大炭化物の形成が起こり難くなるので、高靭性の鋼を得ることができる。
そこで、S’=([C]−0.2)×(2[Cr]+3[Mo]+6[V])≦3.1とする。
鋼の160μm×1000μm中におけるC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の成分量の最大値と最小値の差について
本発明の鋼の160μm×1000μm中におけるC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の成分量の最大値と最小値の差は、質量%で、
max−Cmin:0.25%以下、
Mnmax−Mnmin:0.25%以下、
Crmax−Crmin:1.25%以下、
Momax−Momin:1.20%以下、
max−Vmin:0.30%以下である。
160μm×1000μmの領域において、鋼中のC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の成分量の最大値と最小値の差が大きいと、成分が濃い箇所で粗大炭化物が晶出し易く、また成分の濃い箇所と薄い箇所とで、焼入性の差や、固溶元素による強化度合いの差が生じる。そのため、熱処理後の組織や強度が不均一となり易く、靭性やその他の特性の低下を招く原因となる。
しかし、C、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の偏析度合い(成分幅)を小さく限定することで、粗大炭化物や組織の不均一さが解消されて、靭性の低下が起こらなくなる。
そこで、160μm×1000μm中の鋼中のC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の成分量の最大値と最小値の差は、質量%で、Cmax−Cmin:0.25%以下、Mnmax−Mnmin:0.25%以下、Crmax−Crmin:1.25%以下、Momax−Momin:1.20%以下、Vmax−Vmin:0.30%以下とする。
ところで、成分組成を調整した合金工具鋼の溶鋼を造塊したままでは、その鋳造組織中には中心偏析や逆V偏析などの偏析が起きているため、一般には、これらの偏析度合いを小さく限定することは困難である。
しかしながら、本発明の熱間工具鋼では、例えば上記の造塊の後、ESR(エレクトロスラグ再溶解法)による再溶解を適用したり、鋼塊および/または該鋼塊を熱間加工した鋼片に対して、1150℃以上、好ましくは1200℃以上の適性条件により均質化熱処理を施したりすることによって、各元素の成分量の最大値と最小値の差を小さく限定することが達成可能である。
鋼の偏析部の1μm当たりのC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素成分の変化度合いの値は、C変化:0.0025%/μm以内、Mn変化:0.0030%/μm以内、Cr変化:0.125%/μm以内、Mo変化:0.105%/μm以内、V変化:0.0025%/μm以内であること
鋼中の成分の濃い箇所と薄い箇所との間における元素量が急激に変化すると、それに伴いミクロ的な下での急激な強度の不均一さが鋼材内に生じ、靭性の低下を招くこととなる。そこで、偏析部の1μm当りの鋼中のC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の成分の変化度合いの値は、質量%で、Cの変化度合いであるC変化が0.0025%/μm以内であること、Mnの変化度合いであるMn変化が0.0030%/μm以内であること、Crの変化度合いであるCr変化が0.125%/μm以内であること、Moの変化度合いであるMo変化が0.105%/μm以内であること、Vの変化度合いであるV変化が0.0025%/μm以内であること、とする。
次いで、本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
表1に示す各No.の化学成分とその残部のFeおよび不可避不純物とで100%の鋼組成を構成する発明鋼と比較鋼である各供試材において、各No.の発明鋼と比較鋼の供試材のそれぞれ100kgを、真空誘導溶解炉にて溶製し、次いで1200℃で48時間の均熱化処理をした後、角50mmへと鍛錬成形比4sで鍛伸した。さらに、これを870℃に2時間保持して焼なました後、10℃/hrの冷却速度で常温まで冷却した。
なお、表1の比較鋼のNo.34〜38については、上に示す工程のうち、均熱化処理工程を省略して作製した。
ここに鍛錬成形比とは、鋼塊の横断面の断面積Aと、その鋼塊を熱間加工して断面積が減少した横断面の断面積aとの比であるA/aで表される値のことである。
以下の表1に、これらの各供試材の化学成分および粗大炭化物の晶出し易さを表すS' 値を示す。
160μm×1000μmの鋼中におけるC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の成分量の最大値と最小値の差は、次のようにして求める。まず、鍛伸材の中央部から15mm×15mm×15mmの組織観察用試料を採取し、圧延方向の面をピクラール腐食にて組織の現出を行った後、腐食が濃い場所である図1に示すような偏析帯の位置を確認した。そして観察面内の偏析帯の中で一番太い偏析帯を選び、その偏析帯を横切るように160μm×1000μmの範囲の面を決定して、印をつけた。
なお、160μm×1000μmの範囲は直径5μm以上の炭化物やMnSを含まない箇所とした。その印をつけた面を鏡面まで研磨した後、EPMA(電子線マイクロアナライザー)を用いて160μm×1000μmの範囲中のC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の最大と最小の元素量(質量%)を求めた。Cであれば最大値Cmaxと、最小値Cminとの差分からCの元素量の差が求まるので、これをCmax−Cminとする。各元素について元素量の差を求め、160μm×1000μm中のC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の成分量の最大値と最小値の差として、表2に示した。
偏析部の1μm当たりのC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素成分の変化度合いは、以下のようにして求める。まず、成分量の最大値と最小値の差を測定した試料を用意し、160μm×1000μmの測定範囲内において、160μm幅の中央部を1000μmに渡りEPMAを用いて、C、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の線分析を行った。その測定結果から、各元素毎に、図2に示すような一番成分変化の大きい箇所を決定し、それらの箇所における「偏析部の1μm当たりの変化度合い」を表2に示した。
靭性は、以下のようにして測定した。まず鍛伸材を70mmに切断し、これを1030℃に加熱して空冷する焼入れ処理をした後、次いで、550〜650℃に加熱して空冷する焼戻処理を2回以上行なって、45HRCに調質した。その調質材の中心部から10mm×10mm×55mmの試験片を鋼材の圧延方向に試験片の長手方向が来るように割出して、2mmUノッチシャルピー衝撃試験片を作製した。こうして作製された2mmUノッチシャルピー衝撃試験片を用いて、室温でシャルピー衝撃試験を行った。
このシャルピー衝撃試験をJIS鋼種であるSKD61に対して実施すると、焼戻し硬さが45HRCのとき20J/mm2の衝撃値が得られるので、一般的な鋼との対比の基準とすることができる。本願発明では、SKD61よりも優れた30J/mm2より高い衝撃値が得られれば、本発明の優れた靱性を備えるものと評価しうることから○とし、30J/mm2よりも低ければ、靱性に劣るものとして×として、表2に評価結果を示した。
表2に示すように、本発明鋼No.1〜21は、いずれもシャルピー衝撃値が30J/mm2以上あり、靱性に優れ、○の評価を得た。
他方、比較鋼No.22〜29は、表1に下線で示す元素が本発明の規定する範囲よりも多く含有されたものであって、表2に示すようにシャルピー衝撃値が低く、靭性が悪いものとなった。
比較鋼No.30は、Vの含有量が少ないものであるところ、結晶粒の粗大化が招来されたことから、表2におけるシャルピー衝撃値が低く、靱性が悪いものとなった。
比較鋼No.31,32は、N,Oの含有による介在物が多く、表2におけるシャルピー衝撃値が低く、靱性が悪いものとなった。
比較例No.33は、粗大炭化物の晶出し易さを表す指標S’の値が高く、粗大炭化物が晶出したことで、表2におけるシャルピー衝撃値が低くなり、靱性が悪いものとなった。
比較例No.34〜38は、各元素の成分量の最大値と最小値の差が大きく、成分が濃い箇所で粗大炭化物が晶出し易く、また成分の濃い箇所と薄い箇所とで、焼入性の差や、固溶元素による強化度合いの差が生じている。そこで、熱処理後の組織や強度が不均一となり、表2におけるシャルピー衝撃値が低く、靱性が悪いものとなった。
比較例No.39〜43は、偏析部の1μm当たりでの各元素成分の変化度合いが大きかったので、急激な強度の不均一さが鋼材内に生じた結果、表2におけるシャルピー衝撃値が低く、靱性が悪いものとなった。
1 偏析帯
2 成分変化の大きい箇所

Claims (1)

  1. 質量%で、
    C:0.30〜0.42%、
    Si:0.15〜1.00%、
    Mn:0.20〜0.50%、
    Cr:4.50〜6.00%、
    Mo:1.00〜2.20%、
    V:0.30〜0.60%、
    P:0.03%以下、
    S:0.01%以下、
    N:130ppm以下、
    O:20ppm以下を含有し、
    残部Feおよび不可避不純物からなる鋼であり、
    この鋼の粗大炭化物の晶出し易さを表す指標をS’とするとき、
    S’=([C]−0.2)×(2[Cr]+3[Mo]+6[V])のS’の値が3.1以下であって、
    この鋼の160μm×1000μm中におけるC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素の成分量の最大値と最小値の差は、質量%で
    max−Cmin:0.25%以下、
    Mnmax−Mnmin:0.25%以下、
    Crmax−Crmin:1.25%以下、
    Momax−Momin:1.20%以下、
    max−Vmin:0.30%以下であり、
    さらに、この鋼の偏析部の1μm当たりのC、Mn、Cr、Mo、Vの各元素成分の変化度合いの値は、質量%で
    変化:0.0025%/μm以内、
    Mn変化:0.0030%/μm以内、
    Cr変化:0.125%/μm以内、
    Mo変化:0.105%/μm以内、
    変化:0.0025%/μm以内であること、
    を特徴とする靭性に優れた熱間工具鋼。
JP2019149874A 2019-08-19 2019-08-19 靱性に優れた熱間工具鋼 Active JP7305483B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019149874A JP7305483B2 (ja) 2019-08-19 2019-08-19 靱性に優れた熱間工具鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019149874A JP7305483B2 (ja) 2019-08-19 2019-08-19 靱性に優れた熱間工具鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021031695A true JP2021031695A (ja) 2021-03-01
JP7305483B2 JP7305483B2 (ja) 2023-07-10

Family

ID=74675491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019149874A Active JP7305483B2 (ja) 2019-08-19 2019-08-19 靱性に優れた熱間工具鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7305483B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6946586B1 (ja) * 2021-03-10 2021-10-06 日本高周波鋼業株式会社 熱間工具鋼
CN114134412A (zh) * 2021-11-08 2022-03-04 内蒙古北方重工业集团有限公司 热作模具钢及其细化晶粒均匀组织的方法
CN116377330A (zh) * 2023-04-08 2023-07-04 浙江通特重型锻造有限公司 一种热作模具钢及其制备方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4441907B2 (ja) 2003-09-29 2010-03-31 日立金属株式会社 靭性に優れた熱間工具鋼およびその製造方法
JP2006104519A (ja) 2004-10-05 2006-04-20 Daido Steel Co Ltd 高靭性熱間工具鋼およびその製造方法
JP2009242819A (ja) 2008-03-28 2009-10-22 Daido Steel Co Ltd 鋼、金型用鋼及びこれを用いた金型
JP6925781B2 (ja) 2016-03-03 2021-08-25 山陽特殊製鋼株式会社 優れた高温強度および靱性を有する熱間工具鋼
WO2018182480A1 (en) 2017-03-29 2018-10-04 Uddeholms Ab Hot work tool steel

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6946586B1 (ja) * 2021-03-10 2021-10-06 日本高周波鋼業株式会社 熱間工具鋼
WO2022190441A1 (ja) * 2021-03-10 2022-09-15 日本高周波鋼業株式会社 熱間工具鋼
JP2022138719A (ja) * 2021-03-10 2022-09-26 日本高周波鋼業株式会社 熱間工具鋼
CN114134412A (zh) * 2021-11-08 2022-03-04 内蒙古北方重工业集团有限公司 热作模具钢及其细化晶粒均匀组织的方法
CN116377330A (zh) * 2023-04-08 2023-07-04 浙江通特重型锻造有限公司 一种热作模具钢及其制备方法
CN116377330B (zh) * 2023-04-08 2024-02-09 浙江通特重型锻造有限公司 一种热作模具钢及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7305483B2 (ja) 2023-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6925781B2 (ja) 優れた高温強度および靱性を有する熱間工具鋼
JP6581782B2 (ja) 被削性および軟化抵抗性に優れた高靱性熱間工具鋼
JP2021031695A (ja) 靱性に優れた熱間工具鋼
JP5815946B2 (ja) 鋼の焼入方法
JP7048820B2 (ja) 遠心鋳造製圧延用複合ロール及びその製造方法
CN111411293A (zh) 高速工具及其制造方法
JP2021017623A (ja) 熱伝導率に優れる熱間工具鋼
JP2636816B2 (ja) 合金工具鋼
JP2016060961A (ja) 高い靭性と軟化抵抗性を有する高速度工具鋼
JP2012214833A (ja) 冷間工具鋼
JP5217191B2 (ja) 加工性に優れた耐磨耗鋼板およびその製造方法
JP6797465B2 (ja) 優れた靭性及び高温強度を有する高硬度マトリクスハイス
KR20190044689A (ko) 강판
EP3305934A1 (en) Cold working tool material and cold working tool manufacturing method
JP2000226635A (ja) 高温強度と靱性に優れた熱間工具鋼
JP6788520B2 (ja) 優れた靱性および軟化抵抗性を有する熱間工具鋼
JP7214313B2 (ja) 高い耐摩耗性を有する高靭性の冷間工具鋼
JP7149250B2 (ja) 高温強度と靭性に優れた熱間工具鋼
JP2022143564A (ja) 軟化抵抗性と焼入性に優れた熱間工具鋼
JP6725191B2 (ja) Ni含有高Cマルテンサイト系耐熱鋼
JP7220750B1 (ja) 高温強度と靭性に優れた熱間工具鋼
JP7141944B2 (ja) 非調質鍛造部品および非調質鍛造用鋼
JP5907416B2 (ja) 靭性に優れた熱間工具鋼の製造方法
JPH05163551A (ja) 粉末高速度工具鋼
JP2021127486A (ja) 製造性及び熱伝導率に優れる熱間工具鋼

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230628

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7305483

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150