JP2021031328A - グラフェン前駆体の製造システム、グラフェン前駆体の製造方法およびグラフェン前駆体 - Google Patents

グラフェン前駆体の製造システム、グラフェン前駆体の製造方法およびグラフェン前駆体 Download PDF

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Abstract

【課題】グラフェン前駆体を容易に多量に製造可能とするグラフェン前駆体の製造システムを提供する。また、グラフェン前駆体を容易に多量に製造可能とするグラフェン前駆体の製造方法を提供する。さらに、上述の製造システムまたは製造方法で製造されるグラフェン前駆体を提供する。【解決手段】バイオマスを炭化させ、炭化物を得る炭化部と、高温負圧下で炭化物と過熱蒸気とを反応させる改質部と、を備え、改質部は、内部空間を有する本体部と、内部空間に収容され、本体部の長尺方向に延在して配置された筒状の回転体と、内部空間を加熱する加熱部と、を有し、本体部は、炭化部に接続され、内部空間に炭化物を投入する投入部を有し、本体部および回転体の少なくともいずれか一方は、内部空間に過熱蒸気を導入可能に設けられた蒸気導入部を有するグラフェン前駆体の製造システム。【選択図】図2

Description

本発明は、グラフェン前駆体の製造システム、グラフェン前駆体の製造方法およびグラフェン前駆体に関する。
近年、次世代素材としてグラフェンが注目されている。グラフェンは、炭素の同素体であり、軽く、高い電気伝導性、高い熱伝導性、高い機械的強度を有する。そのため、グラフェンは、高速トランジスタ、センサ、透明電極など、様々な分野での応用が期待されている。また、グラフェンは、例えば樹脂材料に少量添加することで、樹脂材料の物性を改良する添加剤としての応用も期待されている。
グラフェンの製造方法として、グラファイトを分散媒に分散させ、超音波分散機で処理する方法が知られている。この製造方法では、グラファイトに超音波を照射することにより、グラファイト表面からグラフェンが剥離することで、グラフェン分散液として得られる。
また、上述のような方法に好適に用いられるグラフェン前駆体として、天然黒鉛をプラズマ等の電波的力による処理と、ボールミル等の物理的力による処理とを施すことで、グラフェンが剥離しやすいグラフェン前駆体を得るグラフェン前駆体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5697067号公報
しかし、上記特許文献1に記載の製造方法は、大量生産には不向きである。そのため、グラフェン前駆体を多量に製造可能な製造方法が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、グラフェン前駆体を容易に多量に製造可能とするグラフェン前駆体の製造システムを提供することを目的とする。また、グラフェン前駆体を容易に多量に製造可能とするグラフェン前駆体の製造方法を提供することを併せて目的とする。さらに、上述の製造システムまたは製造方法で製造されるグラフェン前駆体を提供することを併せて目的とする。
発明者は、鋭意検討した結果、バイオマスを出発原料として、グラフェン前駆体を製造可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の一態様は、バイオマスを炭化させ、炭化物を得る炭化部と、高温負圧下で前記炭化物と過熱蒸気とを反応させる改質部と、を備え、前記改質部は、内部空間を有する本体部と、前記内部空間に収容され、前記炭化物を撹拌する回転体と、前記内部空間を加熱する加熱部と、を有し、前記本体部は、前記炭化部に接続され、前記内部空間に前記炭化物を投入する投入部を有し、前記本体部および前記回転体の少なくともいずれか一方は、前記内部空間に前記過熱蒸気を導入可能に設けられた蒸気導入部を有するグラフェン前駆体の製造システムを提供する。
本発明の一態様によれば、前記本体部および前記回転体の少なくともいずれか一方は、前記内部空間に酸素含有ガスを導入可能に設けられた酸素導入部を有する構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記炭化部と前記改質部とを接続し、前記内部空間に前記炭化物を供給する供給部を備え、前記供給部は、前記投入部に接続された供給路と、前記供給路の一部に設けられ、前記炭化物と水とを接触させる接触部と、を有する構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記本体部は、前記改質部の外部に少なくとも前記グラフェン前駆体を排出可能に設けられた排出部を有する構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記改質部に接続され、前記改質部から排出されるガスに含まれる前記グラフェン前駆体を回収する回収部を有する構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記回転体は、前記本体部の長尺方向に延在して配置された筒状の部材である構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、バイオマスを炭化させ、炭化物を得る炭化工程と、高温負圧下で前記炭化物と過熱蒸気とを反応させる改質工程と、を備えるグラフェン前駆体の製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、前記炭化工程と前記改質工程との間に、前記炭化物を粉砕する粉砕工程を有する製造方法としてもよい。
本発明の一態様によれば、前記粉砕工程では、粉砕後の前記炭化物の平均粒径が100μm以上400μm以下となるまで前記炭化物を粉砕する製造方法としてもよい。
バイオマスを原料とするグラフェン前駆体であって、六方晶黒鉛と、菱面体晶黒鉛とを含み、X線回折測定にて得られる回折ピークにおいて、前記六方晶黒鉛の(101)面の回折ピークの積分強度I2H101と、前記菱面体晶黒鉛の(101)面の回折ピークの積分強度I3Rh101とが、下記式(1)を満たすグラフェン前駆体を提供する。
3Rh101/(I3Rh101+I2H101)×100≧31…(1)
本発明の一態様によれば、グラフェン前駆体を容易に多量に製造可能とするグラフェン前駆体の製造システムを提供することができる。また、グラフェン前駆体を容易に多量に製造可能とするグラフェン前駆体の製造方法を提供することができる。さらに、上述の製造システムまたは製造方法で製造されるグラフェン前駆体を提供することができる。
図1は、グラフェン前駆体の製造システムを示すブロック図である。 図2は、第1実施形態の改質炉の構成を示す模式図である。 図3は、第一熱交換器の構成を示す模式図である。 図4は、改質炉に残存する固形物SPのSEM写真である。 図5は、第2実施形態の改質炉の構成を示す模式図である。
<<第1実施形態>>
本発明において、「バイオマス」とは、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたものを指す。本発明ではバイオマスとして、代表的には植物系バイオマス、家畜排せつ物、下水汚泥などを利用することができる。中でも、植物系バイオマスが好ましい。植物系バイオマスとしては、例えば、間伐材、製材廃材、剪定枝、林地残材、未利用樹、建築廃木材、竹材、稲藁、麦藁、籾殻を例示することができる。
本実施形態において、バイオマスを原料とするグラフェン前駆体のことを、「バイオマス系グラフェン前駆体」と称することがある。バイオマスを原料とする点において、本実施形態のグラフェン前駆体(バイオマス系グラフェン前駆体)は、従来知られた天然黒鉛を原料とするグラフェン前駆体(黒鉛系グラフェン前駆体)とは全く異なる。
以下、図面を参照しながら、本実施形態のグラフェン前駆体の製造システムおよびグラフェン前駆体の製造方法を説明し、その後、得られるグラフェン前駆体について説明する。以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
<グラフェン前駆体の製造システム、グラフェン前駆体の製造方法>
本実施形態のグラフェン前駆体の製造方法は、バイオマスを炭化させ、炭化物を得る炭化工程と、高温負圧下で前記炭化物と過熱蒸気とを反応させる改質工程と、を備える。本明細書において、「過熱蒸気」とは、「500℃以上の水蒸気」を意味する。
過熱蒸気の温度は600℃以上であると好ましく、650℃以上であるとより好ましく、700℃以上であるとさらに好ましい。また、過熱蒸気は、反応効率を考えると高い方が好ましいが、あまり過熱蒸気の温度が高いと製造システムが破損しやすい。そのため、反応効率と、製造システムの耐久性とのバランスを考慮し、過熱蒸気の温度は、1100℃以下であると好ましく、900℃以下であるとより好ましい。過熱蒸気の温度の上限値と下限値とは、任意に組み合わせることができる。例えば、過熱蒸気の温度は700℃以上900℃以下であると好ましい。
本実施形態のグラフェン前駆体の製造システムは、上記グラフェン前駆体の製造方法を良好に実施可能な構成のシステムである。以下の説明では、グラフェン前駆体の製造システムの説明をしながら、対応するグラフェン前駆体の製造方法の説明を行う。
図1は、本実施形態のグラフェン前駆体の製造システムを示すブロック図である。図1に示す矢印は、各工程での物質の流れを表している。図1に示すように、本実施形態のグラフェン前駆体の製造システム300は、炭化部301Aと、改質炉100とを有する。以下、グラフェン前駆体の製造システム300について、単に「製造システム300」と称する。改質炉100は、本発明における「改質部」に該当する。
製造システム300は、生成するグラフェン前駆体Pの回収、および副生する水性ガスG1の有効利用のため、さらに、第一サイクロン303と、第二サイクロン304と、過熱器305と、第一熱交換器306と、第二熱交換器307と、第三熱交換器308と、ガスタンク309と、第四熱交換器310と、を備える。グラフェン前駆体Pおよび水性ガスG1については、後に詳述する。
[炭化部]
炭化部301Aは、乾燥機301と、炭化炉302とを有する。炭化部301Aで行われる操作は、本発明のグラフェン前駆体の製造方法における「バイオマスを炭化させ、炭化物を得る炭化工程」に該当する。
製造システム300においては、まず乾燥機301にバイオマス原料C0を導入する。乾燥機301は、例えば後述する第二熱交換器307で生成した高温空気A1を乾燥用熱源として用い、バイオマス原料C0から水分を除去する。これにより、乾燥機301は、炭化炉302での炭化に適した水分率に調整されたバイオマス原料C1を得る。「炭化に適した水分率に調整されたバイオマス原料C1」とは、例えば水分率が10質量%以上20質量%以下のバイオマス原料である。
乾燥機301の具体的な構造については特に限定されない。例えば、乾燥対象物を内部に収容する回転シェルを有し、回転シェルの内部に高温空気A1を送りこみながら回転シェルを回転させて乾燥対象物を乾燥させる回転式乾燥機を用いることができる。
炭化炉302は、乾燥機301で得られたバイオマス原料C1を炭化させ、炭化物C2を生成する。
炭化炉302の具体的な構造については特に限定されない。例えば、装置上部から投入されたバイオマス原料C1を装置内部で炭化させ、装置下部から排出する竪型炉を用いることができる。
このような竪型炉では、例えば、装置上部から装置下部に向けて順に機能が分かれている構成が知られている。
例えば、竪型炉の最上部(第1層)は、バイオマス原料C1から生じる揮発成分が燃焼する気層である。
燃焼層の下部は、固層である。燃焼層の下部の層(第2層)は、バイオマス原料C1が加熱され、揮発成分と固形物残渣とに分けられる層である。
第2層の下部の層(第3層)は、固形物残渣にさらに空気を導入し、高温域で固形物残渣を炭化し炭化物を得る層である。
第3層の下部の層(第4層)は、空気を遮断した還元雰囲気下で炭化物を冷却する層である。
第4層の下部の層(第5層)は、冷却された炭化物C2を外部に排出する層である。
このような炭化炉302は、例えば、負圧雰囲気下でバイオマス原料C1を加熱して炭化させる炭化炉を用いることができる。炭化炉内の圧力は、例えばゲージ圧で−0.5kPaG〜−0.1kPaG(絶対圧力:100.9kPaA)とすることができる。炭化炉内の温度は、例えば第1層が800℃〜1400℃、第3層が500℃〜800℃とすることができる。
炭化炉302における炭化物C2の回収率は、例えば20〜40%程度である。ここで回収率とは、炭化炉302に投入したバイオマス原料C1の質量に対する、炭化炉302から排出される炭化物C2の質量の割合を指す。
また、炭化炉302は、得られる炭化物C2に対する炭素原子の含有率が80質量%以上となるように、運転条件が制御されるとよい。上記炭素原子の含有率が80質量%以上である炭化物C2は、後の工程の原料として好適な「高純度な炭化物」と言える。
炭化炉302としては、バッチ式、連続式いずれも採用可能であるが、生産性向上のため連続式が好ましい。炭化炉302からは、バイオマス原料C1の炭化処理で生じる高温の排ガスE1が排出される。
[改質炉]
改質炉100は、炭化炉302で得られた炭化物C2と水蒸気とを反応させて炭化物C2を改質し、グラフェン前駆体Pを生成する。改質炉100で行われる操作は、本発明のグラフェン前駆体の製造方法における「高温負圧下で炭化物と過熱蒸気とを反応させる改質工程」に該当する。
改質炉100においては、下記式(A)により炭化物C2に含まれる炭素と過熱蒸気V2とが反応し、炭化物C2の炭素が消費される。さらに、改質炉100においては、下記式(B)により、生じた一酸化炭素(CO)が過熱蒸気V2と反応し、水性ガスを生じる。式(A)は吸熱反応であり、式(B)は発熱反応である。
C(炭化物C2中の炭素)+HO(過熱蒸気)→H+CO−ΔH …(A)
CO+HO(過熱蒸気)→H+CO+ΔH …(B)
上記式(A)(B)の反応が生じる改質炉100において、目的とするグラフェン前駆体Pが生成する。グラフェン前駆体Pは、炭化物C2が上記式(A)(B)に従って反応した結果、残存する固形物SPに含まれる。固形物SPの生成率は、改質炉100に投入する炭化物C2に対し20質量%程度である。固形物SPに含まれるグラフェン前駆体Pの生成率は、改質炉100の運転条件に応じて変化する。得られる固形物SPは、例えば100μm〜400μm程度の粒子を主として含む。
また、改質炉100で副生する水性ガスとは、炭化物C2を水蒸気改質することによって生成された混合ガスを指す。水性ガスは、主に水素(H)および一酸化炭素で構成される混合ガスである。水性ガスは、水素および一酸化炭素以外にも二酸化炭素(CO)やメタン(CH)を含む。一例として、水性ガスは、CO:25体積%、CO:15体積%、H:44体積%、CH:6体積%、その他のガス:10体積%を含む。ここで「その他のガス」には、水蒸気、酸素、窒素などが含まれる。
固形物SPの生成率は、炭化物C2の投入量と、発生する水性ガスの量および水性ガスの組成とから概算することができる。改質炉が連続式である場合、固形物SPの生成率は、単位時間当たりの改質炉100への炭化物C2の投入量と、同じ時間で発生する水性ガスの量とから概算することができる。
改質工程は、上記固形物の生成率に基づいて制御するとよい。改質工程は、改質炉100での反応温度、反応時間、反応基質量を調整することによって制御可能である。
反応時間は、改質炉100における炭化物C2の滞留時間により調整可能である。例えば、連続式の改質炉100の場合、生成する固形物SPの改質炉100からの払い出し速度を調整することで、炭化物C2の滞留時間、すなわち炭化物C2の反応時間を調整可能である。
反応温度は、改質炉100の炉内温度、過熱蒸気の温度を調整することで制御可能である。
反応基質量は、改質炉100に投入する炭化物C2の量に対する過熱蒸気の量を調整することで制御可能である。
図2は、改質炉100を示す模式図である。改質炉100は、高温負圧下で炭化物と過熱蒸気V2とを反応させて、いわゆる水蒸気改質を行う装置である。図2に示すように、改質炉100は、内筒体101と、外筒体102と、回転体103と、を備える。
内筒体101は、特許請求の範囲における「本体部」に該当する。外筒体102は、特許請求の範囲における「加熱部」に該当する。回転体103は、特許請求の範囲における「回転体」に該当する。
過熱蒸気V2は、後述の過熱器305で生成する。
過熱蒸気の温度は、改質炉100に投入する直前の配管において測定した温度を採用する。すなわち、過熱蒸気の温度は、改質炉100に投入する直前の配管において測定した蒸気温度で管理されている。また、過熱蒸気V2を改質炉100に供給する配管は、過熱蒸気V2の測定位置から改質炉100までの経路の長さが、実質的に過熱蒸気V2が冷却されない程度の長さに設定され、測定した温度の過熱蒸気V2が改質炉100に供給されることとするとよい。
[内筒体]
内筒体101は長尺の筒状部材である。内筒体101の中心軸Cの軸方向は、重力方向と一致している。
内筒体101は、内部空間125を有する。内部空間125は、特許請求の範囲における「内部空間」に該当する。
内筒体101は、第一排出部122と、投入部124と、第二排出部123と、バッフル126と、を有する。本実施形態の第二排出部123は、特許請求の範囲における「排出部」に該当する。
内筒体101の高さ方向の上部には、第一排出部122が設けられている。改質炉100の内部で生じた水性ガスは、第一排出部122を介して、改質炉100の外部に排出される。第一排出部122から排出される水性ガスには、上述の水性ガスのほか、改質炉100にて生成する固形物SP(グラフェン前駆体P)の微粉や、目的物であるグラフェン前駆体Pを含む固形物SP以外の塵を含む。
以下、第一排出部122から排出される、水性ガスとグラフェン前駆体Pを含む固形物SPの微粉と塵との混合ガスを「水性ガスG1」とする。
内筒体101の高さ方向の中間部には、投入部124が設けられている。炭化炉302で得られた炭化物C2は、投入部124を介して、内部空間125に投入される。投入部124には、炭化物C2を内部空間125に自動投入するための構成が設けられていてもよい。投入部124としては、上述した機能を有する通常知られた構成を使用することができる。投入部124としては、スクリューコンベア、ベルトコンベア、パイプコンベア、リボンスクリューを例示することができる。
また、投入部124は、単位時間あたりの炭化物C2の投入量を測定するための計量装置を有していてもよい。このような計量装置は、投入部124が有する配管を流動する炭化物C2の流量を測定する流量計であってもよく、内筒体101に投入する炭化物C2の重さを計量する秤であってもよい。
内筒体101の高さ方向の下部には、第二排出部123が設けられている。改質炉100の内部で生じたグラフェン前駆体Pは、第二排出部123を介して、改質炉100の外部に排出される。
内筒体101の内壁には、内筒体101の中心軸Cと同方向、すなわち重力方向に延びる長尺のバッフル126が配置されている。バッフル126は、後述する回転体103と共に用いることで、炭化物C2の撹拌効率を向上させることができる。
バッフル126の長尺方向の長さは、特に制限されない。図2に示すバッフル126は、上端が回転体103の上端の高さ位置とほぼ一致し、下端が外筒体102の下端の高さ位置とほぼ一致している。
バッフル126の枚数は、特に制限されないが、内筒体101の内壁の周方向に複数設けられていると好ましい。バッフル126の枚数は、例えば3枚であることが好ましい。
また、バッフル126の取り付け位置は、特に制限されないが、内筒体101の中心軸Cを中心とする相対角度が等しくなるように取り付けられていることが好ましい。例えば、3枚のバッフル126が設けられている場合、内筒体101の中心軸Cを中心とするバッフル126同士の相対角度が、120°となるように取り付けられていることが好ましい。
[外筒体]
外筒体102は長尺の筒状部材である。外筒体102の中心軸は、内筒体101の中心軸Cと一致している。
外筒体102は、内部空間146を有する。外筒体102は、内部空間146に内筒体101の一部を収容している。なお、本発明の効果を奏する範囲において、外筒体102は、内部空間146に内筒体101の全部を収容していてもよい。
外筒体102の高さ方向の上部には、導入部144が設けられている。導入部144は、炭化炉302と接続されている。また、外筒体102の高さ方向の下部には、排出部145が設けられている。
炭化炉302から排出される排ガスE1は、導入部144を介して内部空間146に導入され、排出部145から排出される。これにより、外筒体102は、内部空間146に収容された高温の排ガスE1を用いて内筒体101を加熱し、内筒体101の内部空間125を加熱する。
排ガスE1には微粉炭が含まれることがあるが、導入部144と排出部145とが上述のような位置関係にあると、微粉炭が外筒体102の外部に排出されやすく、微粉炭が外筒体102の下部に堆積しにくい。
なお、図2では外筒体102の高さ方向の上部に導入部144が設けられ、外筒体102の高さ方向の下部に排出部145が設けられていることとして示したが、これに限らない。外筒体102の高さ方向の下部に導入部144が設けられ、外筒体102の高さ方向の上部に排出部145が設けられていることとしてもよい。
このような構成の場合、炭化炉302から排出される高温の排ガスE1が内筒体101の上部よりも下部を加熱しやすい。内筒体101の下部では、内筒体101に投入された炭化物C2の改質反応が行われるため、内筒体101の下部を効率的に加熱することにより改質反応の促進が期待できる。
排出部145から排出される排ガスは、導入部144から内部空間146に導入されるE1よりも温度が下がっている。以下の説明では、内部空間146から排出される排ガスを「排ガスE2」とする。
[回転体]
回転体103は、内部空間125に投入される炭化物C2を撹拌する。回転体103は、炭化物C2の撹拌の他、内部空間125から内筒体101の外部にグラフェン前駆体Pを含む固形物SPを払い出す際にも用いられる。
図2では、改質炉100における回転体103の一例として、長尺の筒状部材を示している。図2に示す回転体103は、高さ方向の下部から上部に向けて径が漸減し、頂部が丸まっている略円錐状の形状を呈している。回転体103は、内部空間125に収容されている。図2では、回転体103は内部空間125の重力方向下方に位置している。
回転体103の下部には、回転軸104が設けられている。回転軸104は、回転体103の下部から回転体103の重力方向下方に延在している。回転体103の中心軸と回転軸104の中心軸とは一致しており、さらに、内筒体101の中心軸Cと一致している。回転体103は、回転軸104の中心軸を中心として回転可能に設けられている。
回転軸104の内側には、流路121が形成されている。流路121は、筒状の回転体103の内部空間と連通している。
流路121は、回転体103の内部に過熱蒸気V2および酸素含有ガスOGを導入可能に設けられている。流路121は、過熱蒸気V2と酸素含有ガスOGとの混合気体を導入してもよい。本実施形態の流路121は、特許請求の範囲における「蒸気導入部」および「酸素導入部」に該当する。
なお、本実施形態において、「酸素含有ガス」とは、酸素ガスそのもの、および酸素を含む混合ガスの両方を意味する。すなわち、流路121から導入される酸素含有ガスOGとしては、酸素ガスであってもよく、酸素を含む混合ガスであってもよい。酸素を含む混合ガスとしては、空気を採用することができる。酸素含有ガスOGとして空気を用いる場合、空気中の酸素濃度は約20%であることから酸素の導入量を制御しやすい。
流路121が過熱蒸気V2および酸素含有ガスOGとの混合気体を導入することにより、過熱蒸気V2および酸素含有ガスOGとが別々に導入される場合と比べて、炭化物C2の改質効率が向上する。また、改質炉100の構成が簡素化される。
なお、本実施形態の改質炉100においては、流路121から過熱蒸気V2および酸素含有ガスOGを導入することとしたが、これに限定されない。例えば、改質炉100は、過熱蒸気V2を導入可能に設けられた蒸気導入部と、酸素含有ガスOGを導入可能に設けられた酸素導入部とを別の構成として有してもよい。
この場合、蒸気導入部は、内筒体101に設けられていれば、位置は特定されない。すなわち、蒸気導入部は、内筒体101の上部に設けられていてもよく、下部に設けられていてもよい。また、酸素導入部は、内筒体101の下部に設けられていることが好ましい。
さらに、改質炉100は、内筒体101に設けられた蒸気導入部および酸素導入部と、上述の流路121(蒸気導入部および酸素導入部)を有する回転体103とを併用することとしてもよい。
流路121における酸素含有ガスOGの導入量は、改質炉100にて生じる水性ガスG1に含まれる水素の爆発下限界を考慮し、内部空間125における回転体103の近傍の酸素濃度が水素の爆発下限界未満となるように調整される。具体的には、酸素含有ガスOGの導入量は、内部空間125における回転体103の近傍の酸素濃度が5%未満となるように調整される。
回転体103は、内部空間125に露出する表面に複数の羽根160を有する。バッフル126が設けられた内部空間125において、複数の羽根160を有する回転体103が回転することによって、内部空間125の炭化物を効率的に撹拌することができる。複数の羽根160の配列方法は、特に制限されないが、回転軸104を中心軸とするらせん状であることが好ましい。
また、回転体103には、回転体103の内部空間と連通する複数の孔161が設けられている。複数の孔161は、回転体103の外周面に開口している。流路121を介し回転体103の内部に導入された過熱蒸気および酸素含有ガスOGは、複数の孔161を介して、内筒体101の内部空間125へと放出される。
改質炉100の動作について詳細を説明する。
導入部144は、炭化炉302から内部空間146に高温の排ガスE1を導入する。これにより、外筒体102は、排ガスE1によって、内部空間146に収容された内筒体101を加熱し、内筒体101の内部空間125を加熱する。
流路121は、過熱蒸気および酸素含有ガスOGを回転体103の内部に導入する。回転体103の内部の過熱蒸気および酸素含有ガスOGは、複数の孔161を介して、回転体103の内部から内筒体101の内部空間125へと移動する。投入部124は、加熱された内部空間125に炭化物を投入する。
内部空間125に投入された炭化物は、内部空間125の熱および過熱蒸気の熱によって加熱され、過熱蒸気と反応する。
一般に、改質炉の内部空間の温度は、700℃以上1300℃以下に保持されることが好ましい。
改質炉100においては、内部空間146に導入される排ガスE1の供給量や、内部空間146における排ガスE1の滞留時間を制御することにより、内筒体101の内部空間125の温度を700℃以上1300℃以下に保持することが可能となる。具体的には、排ガスE1の量や滞留時間を制御し、900℃以上1400℃以下を目安として外筒体102の温度を制御することにより、内部空間125の温度を700℃以上1300℃以下に保持する。
また、内部空間125に投入する炭化物C2の量を制御することにより、内筒体101の内部空間125の温度を700℃以上1300℃以下に保持することが可能となる。例えば、内部空間125の温度が下限値700℃を下回りそうであれば、炭化物C2の投入量を減らすとよい。
ここで、炭化物C2と過熱蒸気との反応(C+HO→CO+H)は吸熱反応であるため、内部空間125の温度が一時的に600℃前半まで低下することがある。この場合、排ガスE1を用いて内部空間125を昇温させる時間が長くなり、生産効率が低下してしまう。
改質炉100においては、酸素含有ガスOGが内部空間125に供給されており、酸素存在下で炭化物C2と過熱蒸気とを反応させている。炭化物C2と過熱蒸気との反応に酸素が共存することにより、炭化物C2の一部が燃焼する。炭化物C2の燃焼反応は発熱反応であるため、内部空間125の温度低下を抑制できる。その結果、内部空間125を昇温させる時間が短くなり、生産効率を向上させることができる。
特に、投入部124の下方では、内筒体101の内部空間125の温度が低下しやすい。これは、内部空間125における投入部124の下方で炭化物C2と過熱蒸気との反応が行われやすく、吸熱反応が起こりやすいためであると考えられる。また、内部空間125に投入される炭化物C2の温度は、内部空間125の温度よりも低いためであると考えられる。
改質炉100においては、内部空間125に酸素を導入する流路121は投入部124の下方に設けられている。そのため、改質炉100においては、内部空間125における投入部124の下方で水素の燃焼反応を生じさせやすく、効果的に内部空間125の温度低下を抑制できる。その結果、内部空間125を昇温させる時間が短くなり、生産効率を向上させることができる。
また、改質炉100において、導入部144から内部空間146に導入される排ガスE1は、外筒体102の上部から下部に向かって流動する。一方、流路121から内部空間125に導入される過熱蒸気および酸素含有ガスOGは、内筒体101の内部空間125の下部から上部に向かって流動する。このように、排ガスE1の流動方向と、過熱蒸気および酸素含有ガスOGの流動方向とが逆向きであると、内筒体101を効率的に加熱することができる。
バッフル126が設けられた内部空間125において、回転体103は回転することにより炭化物を効率的に撹拌することができる。これにより、炭化物と過熱蒸気との接触回数が増え、炭化物C2と過熱蒸気との反応が促進される。
以上のような反応により、目的物であるグラフェン前駆体Pが生成する。また、副生物として水性ガスG1が生成する。発明者らは、改質炉100における改質反応で、炭化物C2に対し熱および水蒸気による衝撃が加わることにより、炭化物C2を構成する炭素の結晶構造の比に変化が生じるものと考えている。
(第一サイクロン)
第一サイクロン303は、水性ガスG1に含まれるグラフェン前駆体Pを含む固形物SPの微粉や、目的物以外の塵を除去し、水性ガスG2を得る。以下の説明では、「グラフェン前駆体Pを含む固形物SPの微粉」を単に「グラフェン前駆体Pを含む微粉」と称することがある。第一サイクロン303の具体的な構造については特に限定されず、公知のサイクロンを用いることができる。なお、第一サイクロン303は、省略してもよい。
第一サイクロン303で回収される固体には、グラフェン前駆体Pを含む微粉が含まれる。
(第二サイクロン)
第二サイクロン304は、改質炉100から排出された排ガスE2に含まれる不純物を除去し、排ガスE3を得る。第二サイクロン304の具体的な構造については特に限定されず、公知のサイクロンを用いることができる。なお、第二サイクロン304は、省略してもよい。
(過熱器)
過熱器305は、後述の第四熱交換器310で生成する水蒸気V1を、排ガスE3と熱交換させて加熱する。これにより過熱器305は、過熱蒸気V2を生成する。一方、排ガスE3は、水蒸気V1と熱交換することで冷却され、排ガスE3よりも低温の排ガスE4となる。過熱器305の具体的な構造については特に限定されず、公知の過熱器を用いることができる。
(第一熱交換器)
第一熱交換器306の具体的な構造については特に限定されない。第一熱交換器306は、第一サイクロン303で得られる水性ガスG2を水W1に接触させ、直接熱交換させて冷却する、いわゆる湿式の熱交換器を採用することが好ましい。
図3は、第一熱交換器306の一例であり、本実施形態の製造システム300が採用する第一熱交換器306の構成を示す模式図である。図3に示すように、第一熱交換器306は、予冷部31と、分離部32と、充填部33と、第一流路34と、第二流路35と、遠心分離部36と、第三流路39と、を有する。
(予冷部)
予冷部31は、長尺の筒状部材313と、スプレーノズル312と、を有する。筒状部材313の長尺方向は、上下方向である。筒状部材313は、ガス導入口311を有する。
ガス導入口311は、筒状部材313の上部に設けられている。図1の第一サイクロン303から排出された水性ガスG2は、ガス導入口311を介して、筒状部材313の内部空間に導かれる。
スプレーノズル312は、筒状部材313の上部に設けられている。図3では、スプレーノズル312は、ガス導入口311の下方に位置している。なお、スプレーノズル312は、ガス導入口311の上方に位置していてもよい。スプレーノズル312は、筒状部材313の内部空間に垂直方向下向きに水W1を含む液体Lを噴霧(散布)する。霧状の液体Lは、筒状部材313の内部空間で水性ガスG2と接触し、熱交換する。これにより、水性ガスは冷却される。熱交換された霧状の液体Lは、後述する貯留部41で捕集され、貯留される。
(分離部)
分離部32は、長尺の筒状部材である。筒状部材の長尺方向は、水平方向である。分離部32の下部には、水W1を含む液体Lを貯留可能に構成された貯留部41が設けられている。
分離部32は、第一分離室321と、第二分離室322と、を有する。
第一分離室321は、分離部32の側板325と、垂直板323とによって挟まれた空間である。垂直板323は、開口部324aが設けられた上板324から垂直方向下向きに延びている。垂直板323の先端部323aは、貯留部41の液面より下に配置されている。このような構成の第一熱交換器306においては、筒状部材313のガス導入口311と、後述する充填部33のガス排出口331とが分断されている。これにより、第一熱交換器306は、熱交換効率に優れている。また、垂直板323の先端部323aは、分離部32の下板326と離間している。
分離部32の上板324には、開口部324aが設けられている。開口部324aには、筒状部材313の下端が接続されている。開口部324aは、分離部32の内部空間と筒状部材313の内部空間とを連通する。
第二分離室322は、垂直板323と、仕切板327とによって挟まれた空間である。
なお、第二分離室322には、公知の集塵装置が設けられていてもよい。
(充填部)
充填部33は、長尺の筒状部材330と、デミスター332と、デミスター333と、デミスター334と、スプレーノズル335と、スプレーノズル336と、スプレーノズル337と、エリミネーター338と、エリミネーター339と、を有する。筒状部材330の長尺方向は、上下方向である。筒状部材330は、開口部327aおよびガス排出口331を有する。筒状部材330の下部には、水W1を含む液体Lを貯留可能に構成された貯留部42が設けられている。
開口部327aは、分離部32の内部空間と筒状部材330の内部空間とを連通する。
水性ガスG2は、開口部327aを介して筒状部材330の内部空間に導かれる。また、液体Lは、充填部33と分離部32とを、オーバーフローによって、開口部327aを介して行き来することが可能である。
ガス排出口331は、筒状部材330の上部に設けられている。第一熱交換器306で熱交換された水性ガスG3は、ガス排出口331を介して、第一熱交換器306の外部に排出される。
筒状部材330の内部空間には、ガス排出口331側から上下方向に、デミスター332、スプレーノズル335、デミスター333、スプレーノズル336、エリミネーター338、スプレーノズル337、エリミネーター339の順に配置されている。
エリミネーター338およびエリミネーター339は、公知の充填材を含む。充填部33は、エリミネーター338およびエリミネーター339によって、水性ガスG2に残存するグラフェン前駆体Pを含む微粉、および霧状の水をさらに除去する。エリミネーター338は、エリミネーター339と比べて水分除去能力が同等以上であることが好ましい。
デミスター332およびデミスター333は、水性ガスG2に残存する霧状の水をさらに除去する。
デミスター334は、開口部327aに設けられている。デミスター334では、水性ガスG2および液体Lが通過可能に構成されている。デミスター334によって、貯留部42に貯留された液体Lにおける固形物SPの微粉の濃度を低く抑えられる。以下の説明では、「液体Lにおける固形物SPの微粉の濃度」を単に「微粉濃度」と略称する。
なお、第一熱交換器306を連続運転する際、貯留部42に貯留された液体Lをサンプリングし、液体Lの色を目視で確認して、液体L濃度を確認するとよい。確認後、必要に応じて微粉濃度の低下させる方法を採るとよい。
スプレーノズル335は、筒状部材330の内部空間に垂直方向下向きに水W1を(散布)する。スプレーノズル335は、デミスター333を洗浄する。なお、スプレーノズル335は、デミスター333の洗浄が必要なときに水W1を噴霧すればよい。
スプレーノズル336およびスプレーノズル337は、筒状部材330の内部空間に垂直方向下向きに液体Lを噴霧(散布)する。スプレーノズル336およびスプレーノズル337は、液体Lを噴霧することで、筒状部材330の内部空間の水性ガスG2と液体Lとをさらに熱交換させ、水性ガスG2を冷却する。スプレーノズル336およびスプレーノズル337は、液体Lを噴霧ずることでエリミネーター338およびエリミネーター339を洗浄する。
以上により、熱交換された霧状の液体Lは、貯留部42で捕集され、貯留される。
(第一流路)
第一流路34の一端は、貯留部41に接続されている。第一流路34の他端は、予冷部31のスプレーノズル312に接続されている。第一流路34は、貯留部41から予冷部31に液体Lを輸送(送液)するポンプ341を有する。これにより、貯留部41にグラフェン前駆体Pを含む微粉が堆積するのを抑制しつつ、水W1の使用量を少なくすることができる。
なお、ポンプ341は、貯留部41にグラフェン前駆体Pを含む微粉が堆積しない程度に液体Lを輸送することが好ましい。
第一流路34の一部は、分岐路37および分岐路38に接続されている。
分岐路37の先端部は、貯留器371に接続されている。貯留器371は、貯留部41から排出された液体Lを貯留可能に設けられている。分岐路37には、バルブ372が設けられている。
分岐路38の先端部は、後述する遠心分離部36に接続されている。分岐路38には、バルブ381が設けられている。
(第二流路)
第二流路35の一端は、貯留部42の液面より下方に接続されている。第二流路35の他端は、スプレーノズル336およびスプレーノズル337に接続されている。第二流路35は、貯留部42からスプレーノズル336およびスプレーノズル337に液体Lを輸送(送液)するポンプ351を有する。
第一熱交換器306を連続運転する際、スプレーノズル336およびスプレーノズル337から噴霧する液体Lの温度が次第に上昇する。液体Lの温度の上昇に伴い、水性ガスG2の冷却効率が低下する。
第二流路35には、液体Lを適温とするための冷却器352が設けられている。冷却器352は、第二流路35に輸送される液体Lを、液体Lよりも低温の水W2と熱交換させることにより冷却する。熱交換前の水性ガスG2の温度が約800℃であるとき、液体Lの適温は、約32℃以下である。水W2は、液体Lと熱交換することにより加熱されて、水W3となる。
(遠心分離部)
第一熱交換器306を連続運転する際、微粉濃度が次第に上昇する。微粉濃度の上昇に伴い、第一流路34および第二流路35、スプレーノズル312、スプレーノズル336およびスプレーノズル337が閉塞されるおそれがある。
第一熱交換器306は、これらの閉塞を抑制するための遠心分離部36を有する。遠心分離部36は、グラフェン前駆体Pを含む微粉が高濃度で含まれる液体Lから、遠心力によりグラフェン前駆体Pの微粉を含む固形分を分離する。以下、「グラフェン前駆体Pを含む固形物SPの微粉が高濃度で含まれる液体L」を単に「高濃度の液体L」と称することがある。また、「グラフェン前駆体Pを含む固形物SPの微粉が低濃度で含まれる液体L」を単に「低濃度の液体L」と称することがある。
遠心分離部36は、液体導入口361と、液体排出口362と、濃縮液排出口363と、を有する。遠心分離部36は、液体導入口361、液体排出口362および濃縮液排出口363を有する装置であれば、固液分離を可能とする公知の遠心分離機を用いることができる。
液体導入口361は、分岐路38の先端部に接続されている。高濃度の液体Lは、液体導入口361を介して遠心分離部36の内部に導かれる。
固形分が除去された低濃度の液体Lは、液体排出口362を介して遠心分離部36の外部に排出される。
濃縮液排出口363は、濃縮液排出路40に接続されている。濃縮液排出路40の先端部は、貯留器401に接続されている。グラフェン前駆体Pを含む微粉が濃縮された濃縮液Sは、濃縮液排出口363を介して貯留器401に貯留される。
(第三流路)
第三流路39の一端は、遠心分離部36の液体排出口362に接続されている。第三流路39の他端は、貯留部41に接続されている。
(第一熱交換器の動作)
上述のような第一熱交換器306では、まず、貯留部41の液面が垂直板323の先端部323aよりも高くなるように、水W1を導入し、貯留部41および貯留部42に貯留する。水W1は、熱交換に伴い気化するため、第一熱交換器306の運転中は、水W1を常に導入する。
次に、ポンプ341を駆動し、貯留部41からスプレーノズル312に水W1を輸送する。これにより、筒状部材313の内部空間に霧状の液体Lを発生させる。
次に、ポンプ351を駆動し、貯留部42からスプレーノズル336およびスプレーノズル337に水W1を輸送する。これにより、筒状部材330の内部空間に霧状の液体Lを発生させる。
次に、水性ガスG2をガス導入口311から筒状部材313の内部空間に導入する。これにより、水性ガスG2と霧状の液体Lとを接触させ、熱交換させて、水性ガスG2を冷却する。さらに、水性ガスG2を、開口部324aを介して第一分離室321に導き、貯留部41に貯留された液体Lに衝突させる。水性ガスG2中のグラフェン前駆体Pを含む微粉を、霧状または貯留部41に貯留された液体Lに捕集し、水性ガスG2から除去する。
水性ガスG2を液体Lに衝突させる際、貯留部41における第一分離室321の液面が垂直板323の先端部323aよりも下方に押し下げられる。これにより、垂直板323の先端部323aと液面との間に隙間が生じる。この隙間を液体Lおよび水性ガスG2が通過することで、いわゆる「ベンチュリー効果」により第二分離室322の圧力が低下し、霧状の液体Lが生じる。これにより、霧状の液体Lおよび水性ガスG2を第二分離室322に導入する。
次に、開口部327aに設けられたデミスター334によって液体Lからなる粗大な液滴を捕集する。液体Lからなる微小な液滴および水性ガスG2を、デミスター334を介して筒状部材330に導入する。
次に、水性ガスG2を、エリミネーター338およびエリミネーター339を介して通過させる。エリミネーター338およびエリミネーター339によって水性ガスG2に含まれるグラフェン前駆体Pを含む微粉および霧状の水を捕集し、水性ガスG2から除去する。エリミネーター338およびエリミネーター339を、スプレーノズル336およびスプレーノズル337によって洗浄し、グラフェン前駆体Pを含む微粉および水W1を含む液体Lを貯留部42で貯留する。
また、液体Lを適温とするため、冷却器352を駆動し、第二流路35を輸送される液体Lを冷却してもよい。
次に、水性ガスG2を、デミスター332およびデミスター333を介して通過させる。デミスター332およびデミスター333によって水性ガスG2に含まれる霧状の水をさらに捕集し、水性ガスG2から除去する。
次に、熱交換された水性ガスG3を、ガス排出口331から筒状部材330の外部に排出する。
第一熱交換器306においては、貯留部41と貯留部42との間を液体Lが行き来することにより、液体Lの液面を制御する。液体Lの液面を制御するために、バルブ372を開放して、貯留器371に液体Lの一部を貯留する。
また、バルブ381を開放して、高濃度の液体Lを、液体導入口361を介して遠心分離部36の内部に導入する。高濃度の液体Lを、遠心分離部36によりグラフェン前駆体Pの微粉を含む固形分と、低濃度の液体Lとに分離する。分離された低濃度の液体Lを、液体排出口362を介して遠心分離部36の外部に排出する。遠心分離部36から排出された低濃度の液体Lを、第三流路39を介して貯留部41に輸送する。グラフェン前駆体Pを含む微粉が濃縮された濃縮液Sを、濃縮液排出口363から濃縮液排出路40を介して貯留器401に貯留する。
第一熱交換器306として乾式の熱交換器を用いる場合、熱交換器の内部でグラフェン前駆体Pを含む微粉と水とが混ざり合うことで、高粘度の固形分が生じ、生じる固形分により流路などが閉塞することがある。また、サイクロンなどの通常の方法では、水性ガスから完全にグラフェン前駆体Pを含む微粉を除去するのは困難であり、水性ガスにグラフェン前駆体Pを含む微粉が残存することがある。
このような課題に対し、以上説明した第一熱交換器306は、水性ガスからグラフェン前駆体Pを含む微粉を効率的に除去し、グラフェン前駆体Pを含む微粉を回収することができる。これにより、製造システム300は、グラフェン前駆体Pの収率が向上する。また、製造システム300は、流路などが閉塞するおそれが少なく、安定的に連続運転することが可能となる。
熱交換前の水性ガスG2は、例えば約800℃である。第一熱交換器306によって、熱交換後の水性ガスG3は、約77℃まで冷却される。
水W1は、水性ガスG2と熱交換して加熱される。水W1の一部は気化し、水性ガスG3に含まれる。熱交換前の水性ガスG2における水分率は、例えば約6質量%である。第一熱交換器306において、水性ガスG2が冷却され飽和水蒸気量が減少することにより、第一熱交換器306内部では、水性ガスG2における水分率が、約42質量%まで上昇するが、第一熱交換器306から排出される水性ガスG3における水分率は、約6質量%以下まで減少する。
なお、第一熱交換器306においては、スプレーノズル312、スプレーノズル335、スプレーノズル336およびスプレーノズル337を用いたが、水を散布する装置であれば、スプレーノズルに限定されない。
(第二熱交換器)
第二熱交換器307は、空気A0と、過熱器305から排出された排ガスE4とを熱交換させ、空気AOを加熱する。これにより、第二熱交換器307は、高温空気A1を生成する。一方、排ガスE4は、空気A0と熱交換することで冷却され、排ガスE4よりも低温の排ガスE5となる。第二熱交換器307の具体的な構造については特に限定されず、公知の熱交換器を用いることができる。
第二熱交換器307で生成した排ガスE5は、大気中に排出される。第二熱交換器307を大気中に排出する前にバグフィルターを通過させることにより、有害物質等を処理することが好ましい。
なお、乾燥機301自体が乾燥用熱源を備える場合等は、第二熱交換器307を省略してもよい。
(第三熱交換器)
第三熱交換器308は、水性ガスG3と、低温の水W2と熱交換させて冷却する。これにより第三熱交換器308は、水性ガスG3よりも低温の水性ガスG4を生成する。第三熱交換器308は、水性ガスG4を、例えば約35℃まで冷却する。
また、第三熱交換器308は、水性ガスG3に含まれる水分を冷却凝縮することによって、熱交換後の水性ガスG4における水分率を約5質量%まで低減する。
第三熱交換器308の具体的な構造については特に限定されず、公知の熱交換器を用いることができる。
(第四熱交換器)
第四熱交換器310は、水W1を、高温空気A1の一部と熱交換させて加熱し、水蒸気V1を生成する。第四熱交換器310の具体的な構造については特に限定されず、公知の熱交換器を用いることができる。
ガスタンク309は、水性ガスG4を貯蔵する。ガスタンク309の具体的な構造については特に限定されず、公知のガスタンクを用いることができる。
ガスタンク309に貯蔵される水性ガスG4は、必要に応じて発電用燃料等に利用することができる。
<グラフェン前駆体>
以上のような製造装置または製造方法により得られるグラフェン前駆体Pは、バイオマスを原料とする。
本実施形態のグラフェン前駆体Pについて、出発原料が植物系バイオマスである場合、グラフェン前駆体Pを含む固形物SPの顕微鏡写真において植物の茎のような繊維状の残留物を確認することができる。そのため、得られたグラフェン前駆体Pの形状から、出発原料を類推することが可能である。
グラフェン前駆体Pの形状の確認は、走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子株式会社製、型番JSM−7001F)を用い、拡大倍率200倍〜500倍で撮像した電子顕微鏡写真を用いて行うことができる。
図4は、グラフェン前駆体Pを含む固形物SPのSEM写真である。図4の拡大倍率は500倍である。図に示すように、固形物SPは、植物の茎が砕けたような繊維状の形状を有する。
また、グラフェン前駆体Pは、六方晶黒鉛と、菱面体晶黒鉛とを含み、X線回折測定にて得られる回折ピークにおいて、前記六方晶黒鉛の(101)面の回折ピークの積分強度I2H101と、前記菱面体晶黒鉛の(101)面の回折ピークの積分強度I3Rh101とが、下記式(1)を満たす。
Z=I3Rh101/(I3Rh101+I2H101)×100≧31 …(1)
本実施形態において、X線回折測定は、試料水平型多目的X線回折装置(株式会社リガク製、Ultima IV)を用いて実施することができる。
本実施形態において、上述のX線回折測定にて得られる回折ピークは、上述のX線回折装置に付属の統合分析ソフトウェア(SmartLab Studio)を用いて解析して得られた値を採用する。
上記ソフトウェアを用いた解析により、回折ピークのピーク分離、ベースラインの決定、各ピークの積分強度の算出を行うことができる。ピークの同定は、既存のデータベースを用いて行うことができる。
X線回折測定にて得られる測定結果において、六方晶黒鉛の(101)面の回折ピークの積分強度は、2θ=約42°の位置に出現するピーク面積を採用する。
また、X線回折測定にて得られる測定結果において、菱面体晶黒鉛の(101)面の回折ピークの積分強度は、2θ=約43°の位置に出現するピーク面積を採用する。
六方晶黒鉛の(101)面の回折ピークと菱面体晶黒鉛の(101)面の回折ピークとは隣り合って出現するが、通常知られた解析方法によりピーク分離することで、それぞれの回折ピークのピーク面積を求めることができる。
製造システム300にて製造したグラフェン前駆体Pを複数用意し、複数サンプルについて上記Z値を測定したところ、Z=31〜33となった。
天然黒鉛では上記Z値は30未満であること、および天然黒鉛に物理的衝撃や加熱を施すことにより、炭素の結晶構造が変化することが知られているが、上記Z値は30%程度で飽和すると言われている。これらを考慮すると、バイオマスを出発原料とする本実施形態のグラフェン前駆体Pは、工業的に極めて有用であると言える。
以上のような構成のグラフェン前駆体の製造システムによれば、グラフェン前駆体を容易に多量に製造可能となる。
また、以上のようなグラフェン前駆体の製造方法によれば、グラフェン前駆体を容易に多量に製造可能となる。
さらに、以上のようなグラフェン前駆体は、バイオマスを出発原料としており、安価なグラフェンを提供可能となる。
なお、本実施形態のグラフェン前駆体の製造システムにおいては、炭化部301Aと改質炉100との間に、炭化部301Aで生じる炭化物C2を粉砕する粉砕部を有していてもよい。すなわち、本実施形態のグラフェン前駆体の製造方法においては、炭化工程と改質工程との間に、炭化物C2を粉砕する粉砕工程を有していてもよい。
粉砕工程では、粉砕後の炭化物C2の平均粒径が100μm以上400μm以下となるまで炭化物C2を粉砕することが好ましい。粉砕後の炭化物C2の平均粒径は、150μm以上であると好ましく、200μm以上であるとより好ましい。また、粉砕後の炭化物C2の平均粒径は、350μm以下であると好ましく、300μm以下であるとより好ましい。粉砕後の炭化物C2の平均粒径の上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。
粉砕後の炭化物C2の平均粒径は、粉砕後の炭化物C2の粒度分布を粒子径分布測定装置(日機装株式会社製、マイクロトラックHRA)を用いて測定したときの体積平均粒子径D50を採用することができる。
<<第2実施形態>>
図5は、第2実施形態の製造システムが有する改質炉105の構成を示す模式図である。図5に示すように、本実施形態の製造システムが有する改質炉105は、内筒体101と、外筒体102と、回転体103と、供給部20と、を備える。以下、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
(供給部)
供給部20は、内筒体101の内部空間125に炭化物C2を供給する。供給部20は、供給路21と、接触部22と、を有する。
供給路21の一端は、投入部124に接続されている。供給路21の他端は、炭化物C2を貯蔵する貯蔵部23に接続されている。貯蔵部23は、炭化炉302と接続されている。
供給路21には、炭化物C2を内部空間125に自動投入するためのスクリューコンベアやベルトコンベアが設けられていてもよい。
供給路21の一部には、炭化物C2と水とを接触させる接触部22が設けられている。接触部22は、供給路21の内部に水を噴霧するスプレーノズル24を備える。スプレーノズル24は、改質炉100の外部の用水Wに接続されている。なお、接触部22の構成は、炭化物C2と水とを接触させることができる限り、本実施形態の構成に限定されない。
[動作]
上述のような改質炉105は、まず接触部22において、スプレーノズル24を用いて、貯蔵部23から供給路21に運搬された炭化物C2に水を接触させる。
用いる炭化物C2には、多数の孔が形成されている。このような炭化物C2に水を接触させると、炭化物C2の多数の孔に水が入り込み、炭化物C2の内部に水を含有させることができる。改質炉105に原料として水を含有させた炭化物C2を用いると、内筒体101の内部空間125で炭化物C2と共に炭化物C2の内部の水とが加熱され、過熱蒸気が発生する。炭化物C2は、流路121から供給される過熱蒸気V2の他、炭化物C2の内部から生じる過熱蒸気とも反応する。
これにより、炭化物C2に水を含有させない場合と比べて、炭化物C2と過熱蒸気との接触面積が増大する。そのため、本実施形態の改質炉105を有するグラフェン前駆体の製造システムでは、グラフェン前駆体の生成反応の進行が速くなる。また、炭化物C2に水を含有させない場合と比べて、流路121における過熱蒸気の導入量が抑えられる。さらに、炭化物C2と過熱蒸気との接触面積が増大した結果、得られるグラフェン前駆体Pにおいて、上記Z値が大きくなることが期待される。
以上の構成によれば、グラフェン前駆体を容易に多量に製造可能とするグラフェン前駆体の製造システムを提供することができる。
なお、第2実施形態の改質炉105においては、流路121は、過熱蒸気V2のみ導入し、酸素含有ガスOGは導入しなくてもよい。また、改質炉105は、流路121の代わりに過熱蒸気V2を導入可能に設けられた蒸気導入部と、酸素含有ガスOGを導入可能に設けられた酸素導入部とを有してもよい。これにより、第2実施形態の改質炉105は、さらに生産効率を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
20…供給部、21…供給路、22…接触部、100,105…改質炉、101…Rh、103…回転体、121…流路、124…投入部、125,146…内部空間、144…導入部、145…排出部、300…製造システム、301A…炭化部、A0,AO…空気、C2…炭化物、OG…酸素含有ガス、P…グラフェン前駆体、V1…水蒸気、V2…過熱蒸気、W1,W2,W3…水

Claims (10)

  1. バイオマスを炭化させ、炭化物を得る炭化部と、
    高温負圧下で前記炭化物と過熱蒸気とを反応させる改質部と、を備え、
    前記改質部は、内部空間を有する本体部と、
    前記内部空間に収容され、前記炭化物を撹拌する回転体と、
    前記内部空間を加熱する加熱部と、を有し、
    前記本体部は、前記炭化部に接続され、前記内部空間に前記炭化物を投入する投入部を有し、
    前記本体部および前記回転体の少なくともいずれか一方は、前記内部空間に前記過熱蒸気を導入可能に設けられた蒸気導入部を有するグラフェン前駆体の製造システム。
  2. 前記本体部および前記回転体の少なくともいずれか一方は、前記内部空間に酸素含有ガスを導入可能に設けられた酸素導入部を有する請求項1に記載のグラフェン前駆体の製造システム。
  3. 前記炭化部と前記改質部とを接続し、前記内部空間に前記炭化物を供給する供給部を備え、
    前記供給部は、前記投入部に接続された供給路と、前記供給路の一部に設けられ、前記炭化物と水とを接触させる接触部と、を有する請求項1または2に記載のグラフェン前駆体の製造システム。
  4. 前記本体部は、前記改質部の外部に少なくとも前記グラフェン前駆体を排出可能に設けられた排出部を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のグラフェン前駆体の製造システム。
  5. 前記改質部に接続され、前記改質部から排出されるガスに含まれる前記グラフェン前駆体を回収する回収部を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のグラフェン前駆体の製造システム。
  6. 前記回転体は、前記本体部の長尺方向に延在して配置された筒状の部材である請求項1〜5のいずれか1項に記載のグラフェン前駆体の製造システム。
  7. バイオマスを炭化させ、炭化物を得る炭化工程と、
    高温負圧下で前記炭化物と過熱蒸気とを反応させる改質工程と、を備えるグラフェン前駆体の製造方法。
  8. 前記炭化工程と前記改質工程との間に、前記炭化物を粉砕する粉砕工程を有する請求項7に記載のグラフェン前駆体の製造方法。
  9. 前記粉砕工程では、粉砕後の前記炭化物の平均粒径が100μm以上400μm以下となるまで前記炭化物を粉砕する請求項8に記載のグラフェン前駆体の製造方法。
  10. バイオマスを原料とするグラフェン前駆体であって、
    六方晶黒鉛と、菱面体晶黒鉛とを含み、
    X線回折測定にて得られる回折ピークにおいて、前記六方晶黒鉛の(101)面の回折ピークの積分強度I2H101と、前記菱面体晶黒鉛の(101)面の回折ピークの積分強度I3Rh101とが、下記式(1)を満たすグラフェン前駆体。
    3Rh101/(I3Rh101+I2H101)×100≧31 …(1)
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