JP2021030585A - 合成樹脂表皮材、合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法及び合成樹脂表皮材の製造方法 - Google Patents

合成樹脂表皮材、合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法及び合成樹脂表皮材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少なくとも一方の面に光沢領域と非光沢領域とを備えた凹凸を有し、且つ、光沢領域と非光沢領域との光沢度の差異が明確であり、意匠性に優れた合成樹脂表皮材、合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法及び合成樹脂表皮材の製造方法を提供する。【解決手段】合成樹脂層の少なくとも一方の面に凹凸を有し、前記合成樹脂層の凹凸を有する側の面は、光沢領域と非光沢領域とを有し、前記光沢領域と前記非光沢領域とのJIS Z 8741(1997)に準拠して測定した60°鏡面光沢度の差が30以上である合成樹脂層を有する合成樹脂表皮材及びその応用。【選択図】図1

Description

本開示は、合成樹脂表皮材、合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法及び合成樹脂表皮材の製造方法に関する。
近年、自動車内装品(インストルメントパネル、ドアトリム、座席、天井など)、鉄道車輌内装部品、航空機内装部品(トリム、座席、天井など)、家具、靴、履物、・鞄、建装用内外装部材、衣類表装材及び裏地、壁装材などには、天然皮革や繊維性シートに代えて、耐久性に優れる合成樹脂表皮材が多用されている。このような合成樹脂表皮材は、最表面に種々の凹凸模様を有しており、この凹凸模様が外観を特徴付けている。
通常、合成樹脂表皮材における凹凸模様は表皮層に形成される。表皮層に凹凸模様を形成する方法としては、転写用の凹凸模様が予め形成された離型材の面上に表皮層形成用樹脂層を形成し、表皮層に離型材の凹凸模様を転写する方法、凹凸を有するエンボスロールなどの金型に表皮層を接触させて加熱、加圧してエンボス加工により凹凸模様を形成する方法が一般的である。
離型材を用いる方法は、離型材の厚みに起因して微細な凹凸模様、例えば、皮革様の凹凸模様等の形成には適するが、より深い凹凸模様の形成には不適である。
金型を用いる方法では、通常、金型表面は光沢を有するか、又はツヤ消し加工されており、光沢を有する凹凸模様又はツヤ消しの表面を有する凹凸は形成されるものの、意匠表面の表現の幅に乏しい。
このため、表面に光沢の異なる領域を形成する合成樹脂表皮材の製造方法が提案されている。
例えば、基材表面の一部に微細凹凸が形成されていることを特徴とするエンボスシート製造用エンボス版が提案され(特許文献1参照)、エンボス版基材に部分的にマスク層を形成し、研削粒子を吹き付けてブラスト処理を行う工程を有するエンボスシートの製造方法が記載されている。
また、光沢変化のあるエンボス化粧材として、金属シリンダーに感光性レジストを形成し、露光及び現像してレジストを形成し、エッチング処理し、レジストを剥離することで、凹凸を形成する工程を複数回行うことにより得られるエンボス化粧材が提案されている(特許文献2参照)。
特開平04−1025号公報 特開平11−254898号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエンボス版の基材に部分的にマスク層を形成した後にブラスト処理を行なう方法によれば、部分的にマスク層を形成する作業が必要であり、基材に凹凸を形成した後、ブラスト処理し、凸部を研磨して平滑領域を形成する方法は、工程が煩雑であり、且つ、光沢のある平滑面は凸部のみに形成され、従って、エンボスシートにより形成された凹凸は凹部の底面のみが平滑面となり、意匠の自由度が十分とは言い難い。
また、特許文献2に記載の如く、凹凸のサイズに応じたパターンのレジストを形成し、エッチング処理し、その後、レジストを剥離すると言った工程を、所望の意匠を得るために少なくとも2回行い、その後、第3の工程として、さらにエッチング処理又はブラスト処理を行なう方法は、工程が複雑であり、且つ、得られたエンボス化粧材は、全面に微細な凹凸を有することとなり、光沢の相違が目視にて十分に認識できないという問題があった。
上記従来技術を考慮してなされた本発明の一実施形態の課題は、少なくとも一方の面に光沢領域と非光沢領域とを備えた凹凸を有し、且つ、光沢領域と非光沢領域との光沢度の差異が明確であり、意匠性に優れた合成樹脂表皮材を提供することである。
本発明の別の実施形態の課題は、少なくとも一方の面に光沢領域と非光沢領域とを備えた凹凸を有し、光沢領域と非光沢領域との光沢度の差異が明確である、意匠性に優れた合成樹脂表皮材の形成に有用な合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法を提供することにある。
本発明の別の実施形態の課題は、少なくとも一方の面に光沢領域と非光沢領域とを備えた凹凸を有し、光沢領域と非光沢領域との光沢度の差異が明確である意匠性に優れた合成樹脂表皮材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 合成樹脂層の少なくとも一方の面に凹凸を有し、前記合成樹脂層の凹凸を有する側の面は、光沢領域と非光沢領域とを有し、前記光沢領域と前記非光沢領域とのJIS Z 8741(1997)に準拠して測定した60°鏡面光沢度の差が30以上である合成樹脂層を有する合成樹脂表皮材。
<2> 前記合成樹脂層が有する凹凸における凸部の最高点が光沢領域であり、凹部の最深点が非光沢領域である<1>に記載の合成樹脂表皮材。
<3> 前記合成樹脂層が有する凹凸における凸部の最高点と、凹部の最深点との距離が15μm〜10mmの範囲である<1>又は<2>に記載の合成樹脂表皮材。
<4> 前記合成樹脂層は、着色剤を含む層であるか、又は、熱可塑性樹脂と着色剤とを含み、前記合成樹脂層とは異なる層をさらに有する<1>〜<3>のいずれか1つに記載の合成樹脂表皮材。
<5> 金型作製用金属基材の表面に銅メッキ処理を施す工程A、銅メッキ処理を施した金型作製用金属基材の表面に、ツヤ消し処理を施す工程B、ツヤ消し処理を施した金型作製用金属基材の表面に、形成する意匠に即してエッチングレジストを形成し、その後、エッチング処理してエッチングレジストの非形成領域に凹部を形成する工程C、エッチングレジストを剥離して、凹凸及び光沢領域と非光沢領域とを有する表面を備える金型前駆体を得る工程D、及び、得られた金型前駆体の表面にクロムメッキ処理を施して金型を得る工程E、を含む合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法。
<6> 前記工程Aの後、前記工程Bに先だって、さらに、金型作製用金属基材の表面に、レーザ彫刻、機械彫刻、電子彫刻、及びエッチングから選ばれる少なくとも1種の手段を用いて、下地模様としての凹凸を形成する工程Fを有する<5>に記載の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法。
<7> <5>又は<6>に記載の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法により得られた金型に、合成樹脂層形成用樹脂組成物を接触させ、加熱及び加圧して金型の表面形状を合成樹脂層形成用樹脂組成物に転写して、一方の面に凹凸を有する合成樹脂層を形成する工程Gを含む合成樹脂表皮材の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも一方の面に光沢領域と非光沢領域とを備えた凹凸を有し、且つ、光沢領域と非光沢領域との光沢度の差異が明確であり、意匠性に優れた合成樹脂表皮材を提供することができる。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも一方の面に光沢領域と非光沢領域とを備えた凹凸を有し、光沢領域と非光沢領域との光沢度の差異が明確である、意匠性に優れた合成樹脂表皮材の形成に有用な合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法を提供することができる。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも一方の面に光沢領域と非光沢領域とを備えた凹凸を有し、光沢領域と非光沢領域との光沢度の差異が明確である意匠性に優れた合成樹脂表皮材の製造方法を提供することができる。
本開示の合成樹脂表皮材の一態様を示す概略断面図である。 凹凸の凸部頂面に光沢領域を有する合成樹脂表皮材を形成しうる合成樹脂表皮材形成用金型の製造に適用される本開示の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法における工程の一例を示す概略図である。 凸部頂面に光沢領域と非光沢領域とを有する合成樹脂表皮材を形成しうる合成樹脂表皮材形成用金型の製造に適用される本開示の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法における工程の一例を示す概略図である。 深さの異なる2段の凹凸を有する合成樹脂表皮材の製造方法における工程のうち、金型に第1段階の凹凸を形成する工程の一例を示す概略図である。 深さの異なる2段の凹凸を有する合成樹脂表皮材の製造方法における工程のうち、金型に第2段階の凹凸を形成する工程と、得られた金型により合成樹脂表皮材に凹凸を形成する工程と、の一例を示す概略図である。 1段階の凹凸が形成され、凸部の頂面が光沢領域を有する、実施例1の合成樹脂表皮材を示す光学写真である。 2段階の凹凸が形成され、凸部の最高部の頂面が光沢領域を有する、実施例2の合成樹脂表皮材を示す光学写真である。
以下、本開示の好ましい実施の形態について説明する。
本開示において「〜」を用いて記載した数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を表す。
本開示において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。
<合成樹脂表皮材>
本開示の合成樹脂表皮材は、合成樹脂層の少なくとも一方の面に凹凸を有し、前記合成樹脂層の凹凸を有する側の面は、光沢領域と非光沢領域とを有し、前記光沢領域と前記非光沢領域とのJIS Z 8741(1997)に準拠して測定した60°鏡面光沢度の差が30以上である合成樹脂層を有する合成樹脂表皮材である。
本開示の表皮材は、少なくとも一方の面に凹凸を有し、前記合成樹脂層の凹凸を有する側の面は、光沢領域と非光沢領域とを有し、前記光沢領域と前記非光沢領域との下記条件で測定した60°鏡面光沢度の差が30以上である合成樹脂層(以下、特定樹脂層と称することがある)を有すれば、表皮材の層構成には特に制限はない。即ち、特定樹脂層のみからなる1層構造の表皮材であってもよく、特定樹脂層の凹凸を有する側とは反対側の面に、任意の層を有する多層構造の表皮材であってもよい。
1層構造の表皮材である場合には、前記特定樹脂層は、着色剤を含んでいてもよい。
多層構造の表皮材は、前記特定樹脂層に加えて、任意の層を含むことができる。例えば、多層構造の表皮材は、前記特定樹脂層に加え、熱可塑性樹脂と着色剤とを含み、前記特定樹脂層とは異なる層をさらに有していてもよい。後者の場合、特定樹脂層は、透明な層であってもよい。
本開示の合成樹脂表皮材の一態様について、図1を参照して説明する。図1に示す合成樹脂表皮材は、多層構造の表皮材の一例を示すものであり、多層構造の表皮材は、以下に詳述する図1に示す例に限定されない。
図1は、本開示の合成樹脂表皮材(以下、単に「表皮材」と称することがある)10の層構成の一態様を示す概略断面図である。
図1に示す態様では、表皮材10は、基材層12、接着剤層14、及び表皮層16をこの順に有する。なお、本開示における凹凸を有する合成樹脂層は、図1に示す表皮層16に相当する。図1では、合成樹脂層としての表皮層16の凹凸を有する面とは反対側の面に基材層12を有するが、基材層12は任意の層であり、接着剤層14もまた、基材層12と表皮層16との密着性向上を目的として設けられた任意の層である。
図1に示す態様における合成樹脂表皮材の表皮層(以下、単に「表皮層」とも称する)は、基材層側とは反対側の面に凹凸を有し、凹凸の表面の一部は、光沢領域a(断面図において直線で表す)と、非光沢領域b(断面図において波線で表す)とを有し、本開示における特定樹脂層に相当する。
表皮層が有する凹凸、光沢領域及び非光沢領域は、後述するように、表皮層形成用樹脂組成物と合成樹脂表皮材形成用金型とを接触させ、加熱及び加圧により表皮層形成用樹脂組成物に金型の表面形状を転写することで形成される。
以下、加熱及び加圧により金型の表面形状を合成樹脂層形成用樹脂組成物(図1に示す態様では、表皮層形成用樹脂組成物)へ転写して、凹凸等を有する合成樹脂層を形成する加工を、エンボス加工と称する。
図1に示す態様における表皮材は、複雑な表面形状を有する金型を用いたエンボス加工により形成された、意匠性に優れた表皮層を有し、表皮層が有する光沢領域及び非光沢領域との光沢度の差が大きい。具体的には、表皮層表面の光沢領域における光沢度と非光沢領域における光沢度とをJIS Z 8741(1997)に準拠して測定して得られた両者のGs(60°)の差が30以上である。
上記光沢度の差は、好ましくは、35以上であり、より好ましくは、40以上である。
光沢領域と非光沢領域との60°鏡面光沢度の差が30以上であることで、本開示の表皮材は、表面に、光沢部と非光沢部との光沢度の差異が大きい複雑な意匠を達成することができ、さらに、本開示の表皮材を、樹脂成形体などの表面に適用して、加熱成形加工した場合にも、表面の複雑な意匠の外観が維持され易いという利点をも有する。
本開示の表皮材は、上記に規定された特定樹脂層を備えていてればよく、特定樹脂層のみからなる単層構造でもよく、特定樹脂層を表皮層として、効果を損なわない範囲で、表皮材に通常備えられるその他の層を有していてもよい。
その他の層としては、以下に詳述する基材層等が挙げられる。その他の層については後述する。
以下、本開示の表皮材の一態様を、これを構成する材料とともに順次説明する。
まず、多層構造の表皮材について説明する。
(A.多層構造の表皮材)
多層構造の表皮材としては、図1に示す如き層構成の表皮材が挙げられる。
〔A−1.基材層〕
本開示の多層構造の表皮材は、基材層を有することができる。基材層は、既述のように、合成樹脂を含む任意の層であり、合成樹脂としては、熱可塑性樹脂であることが好ましい。基材層に用い得る熱可塑性樹脂には特に制限はなく、表皮材が適用される用途に応じて、例えば、表皮材が適用される成形体を構成する樹脂との親和性、成形される場合の延伸性などの諸条件を考慮して、公知の熱可塑性樹脂から適宜選択することができる。
基材層に使用しうる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC樹脂)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリウレタン(PUR)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂等が挙げられる。
なかでも、柔軟性、加熱成形性等の観点からは、基材層に含まれる熱可塑性樹脂は、PVC樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、PC、PP、及びPCとABS樹脂との混合物(PC/ABS)等を含むことが好ましく、PVC樹脂、ABS樹脂等を含むことがより好ましく、PVC樹脂を含むことがさらに好ましい。
PVC樹脂は、塩化ビニルモノマー(CH=CHCl)を付加重合させて得られる樹脂である。PVC樹脂における重合度は、目的に応じて、400〜3000程度の範囲で適宜選択される。
基材層に含まれる樹脂は、1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
なお、基材層が、PVC樹脂を含む場合、PVC樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。PVC樹脂と併用しうる他の樹脂としては、既述の熱可塑性樹脂であってPVC樹脂以外の樹脂が挙げられる。
基材層がPVC樹脂と他の樹脂とを含む場合、基材層に含まれる全樹脂量に対するPVC樹脂の含有量は、60質量%以上であることが好ましい。
基材層は、熱可塑性樹脂に加え、その他の成分をさらに含んでいてもよい。
その他の成分としては、着色剤、可塑剤、充填剤、滑剤、加工助剤等が挙げられる。
(着色剤)
基材層は着色剤を含むことができる。基材層が着色剤を含むことで、表皮材に意匠性を付与することができる。また、表皮材を成形体の表面に適用する場合には、成形体基材となる樹脂の表面に表皮材を配置し、成形体を作製する。その際に、着色剤を含む表皮材により、成形基材が成形体の外観に影響を与えることを抑制し、成形体に任意の色相を付与することができる。
基材層が着色剤を含む場合の着色剤には特に制限はなく、染料、顔料などを適宜選択して使用することができる。
着色剤としては、チタン白(二酸化チタン)、亜鉛華、群青、コバルトブルー、弁柄、朱、黄鉛、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、キナクリドン、パーマネントレッド4R、イソインドリノン、ハンザイエローA、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料又は染料、アルミニウム及び真鍮等金属の箔粉からなる群より選択される金属顔料、二酸化チタン被覆雲母及び塩基性炭酸鉛の箔粉からなる群より選択される真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。なかでも、耐候性及び耐久性に優れる着色剤である顔料が好ましく、成形基材を効果的に隠蔽しうるという観点から、カーボンブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック等の黒色顔料がより好ましい。
また基材層には、必要に応じて、炭酸カルシウム、シリカ(二酸化硅素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、硫酸バリウム等の体質顔料(充填剤)を含有してもよい。
基材層は、着色剤を1種のみ含んでもよく、色相を調整するなどの目的で2種以上含んでいてもよい。
基材層の形成に用いられる樹脂組成物における着色剤の含有量には特に制限はなく、表皮材において目的とする色相、成形基材の隠蔽性などに応じて、用いる着色剤の種類、含有量などを適宜選択すればよい。
着色剤を用いる際の一般的な着色剤の含有量は、基材層を構成する樹脂組成物の全固形分中に対し、1質量%〜20質量%であることが好ましく、2質量%〜10質量%であることがより好ましい。なお、ここで固形分とは、基材層を構成する樹脂組成物の全成分中、溶剤を除いた成分の総量を指す。
(可塑剤)
基材層は、柔軟性を向上させる目的で可塑剤を含むことができる。基材層がPVC樹脂を含む場合には、可塑剤を含むことが好ましい。
可塑剤としては、公知の可塑剤を制限なく使用することができる。可塑剤としては、例えば、ジイソデシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル等の脂肪酸エステル系可塑剤、トリメリット酸トリオクチル等のトリメリット酸エステル系可塑剤、トリクレジルホスフェート、トリキシリルホスフェート等のトリアリールリン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤、ポリプロピレンアジペート等のポリエステル系可塑剤等が挙げられる。
基材層は、可塑剤を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでいてもよい。
基材層の厚みは50μm〜500μmの範囲であることが好ましく、100μm〜350μmの範囲であることがより好ましい。厚みが上記範囲にあることで、表皮材を用いて熱加工により成形体を形成する際の、合成樹脂表皮材の溶融による破断が効果的に抑制され、さらに、成形体に用いる成形基材の隠蔽性が良好となる。
基材層の厚み、及び合成樹脂表皮材における後述の任意の各層の厚みは、合成樹脂表皮材を面方向に垂直に切断した切断面を観察することで測定することができる。従って、本開示における表皮材における各層の膜厚の記載は、特に断らない限り、乾燥後の膜厚を指す。
基材層の形成方法には特に制限はなく、公知のシート成形方法、例えば、Tダイなどで押し出し成形する押出し法、カレンダー法、キャスティング法等を適用することができる。
なかでも、カレンダー法が製造の簡易性、装置のメンテナンスが容易である点で好ましい。特に、基材層が着色剤を含有する場合、カレンダー法によれば、軟化した樹脂と固体状の着色剤とをカレンダーロールに供給し、シート又はフィルム状に成形することができるため、種々の着色剤を含有する基材層を簡易に製造することができる。
また、カレンダー法を適用することにより、押出し法等の成形法に比較して、着色剤の種類や添加量を変更する際に必要な装置内の清掃を、より容易に行うことができる。このため、基材層として着色剤を含む際には、カレンダー法を適用することで、所望の色相を有する様々な基材層を簡易に製造することができ、合成樹脂表皮材の小ロット生産にも適する。
〔A−2.特定樹脂層としての表皮層〕
図1に示す態様では、表皮層が、本開示における特定樹脂層として機能する。特定樹脂層としての表皮層(以下、単に表皮層と称することがある)は、合成樹脂を含み、合成樹脂として、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
表皮層に含まれる熱可塑性樹脂としては、透明性及び表皮層に形成された凹凸模様などの保持性に優れるという観点から、PVC樹脂、フッ素樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
表皮層に含まれる樹脂は、1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
なお、表皮層がPVC樹脂を含む場合、表皮層はさらにPVC樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。PVC樹脂と併用しうる他の樹脂としては、既述の熱可塑性樹脂であってPVC樹脂以外の樹脂が挙げられる。
表皮層がPVC樹脂と他の樹脂とを含む場合、表皮層に含まれる全樹脂量に対するPVC樹脂の含有量は、60質量%以上であることが好ましい。
表皮層は、熱可塑性樹脂に加え、その他の成分をさらに含んでいてもよい。
その他の成分としては、可塑剤、充填剤、滑剤、加工助剤等が挙げられる。
表皮層における任意成分、表皮層を形成するための平滑な合成樹脂層の形成方法は、少なくとも一方の面に凹凸を形成しない以外は、多層構造の表皮材における基材層と同様であり、好ましい例も同様である。
本開示の特定樹脂層としての表皮層は、光沢部と非光沢部との光沢度の差異が大きい、複雑な凹凸模様を有する。この複雑な凹凸模様は、後述する本開示の製造方法により得られる金型により形成されることが好ましい。
表皮材の以上を特徴付ける凹凸模様の深度、即ち、表皮層が有する凹凸における凸部の最高点と、凹部の最深点との距離は、目的とする意匠に応じて決定される。表皮層の凹凸に形成された光沢領域と非光沢領域との光沢度の差異がより明確になるという観点からは、表皮層が有する凹凸における凸部の最高点と、凹部の最深点との距離は、15μm〜10mmの範囲であることが好ましく、20μm〜1mmの範囲であることがより好ましく、20μm〜100μmの範囲であることがさらに好ましい。
凹凸模様のデザインも任意であり、例えば、平面視による同サイズの矩形が規則正しく配列されたチェック柄、格子柄、平面視で円形の凸部を有する凹凸柄、波形などの不定形柄、ライン状など、任意である。
また、凹凸模様における光沢領域、非光沢領域の位置についても、適宜選択することができ、目的に応じた種々の意匠が実現できる。
表皮層の厚みは、凹凸模様等の保持性及び意匠の自由度の観点から、5μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
ここで、表皮層の厚みとは、凹凸模様が形成された表皮層が有する凹凸における凸部の最高点から、表皮層の底面、即ち、基材層又は、表皮層に隣接して設けられる任意の層と表皮層との界面までの距離を指す。
表皮層が既述のように2層以上の積層構造をとる場合の表皮層の厚みは、複数の層の総厚みを指す。
表皮層の、基材層側の面とは反対側の面に凹凸模様を形成する方法には特に制限はない。しかし、表皮層に簡易に特徴的な意匠を与えうると言う観点からは、後述の本開示の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法により得られた金型を用い、エンボス加工により金型の表面形状を転写して表皮層を形成する方法を適用することが好ましい。
即ち、まず、表面が平滑な表皮層形成用樹脂層を形成し、その後、後述の製造方法により得られた金型を用いて表皮層形成用樹脂層にエンボス加工して所望の意匠を形成する方法が好ましい。本開示の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法については、後述する。
特定樹脂層としての表皮層は、まず、表面が平滑な合成樹脂層である表皮層形成用樹脂層を形成し、その後、凹凸を形成することで得られる。表皮層形成用樹脂層の形成方法には特に制限はなく、上記した各成分を含む表皮層形成用組成物を調製し、カレンダー法、キャスティング法、押出し法等によりシート状に成形することで表皮層形成用樹脂層を形成することができる。また、基材層上に直接、又は、後述の接着剤層等を介して表皮層形成用組成物を塗布して表皮層形成用樹脂層を形成し、これを硬化して基材層上に表皮層を形成することもできる。
なかでも、表皮層の均一性がより良好となり、着色剤を含んだ表皮層形成後の装置内の清掃が簡易である点から、表皮層形成用樹脂層をカレンダー法により形成する方法が好ましい。
本開示の多層構造の表皮材としては、例えば、特定樹脂層としての表皮層と基材層とを含む多層構造が挙げられる。表皮層が特定樹脂層である場合には、表皮層の凹凸模様が成された面と反対側の面には、既述の基材層を有することが好ましい。
本開示の表皮材は、特定樹脂層としての表皮層及び好ましい任意の層である基材層に加え、他の公知の層を有していてもよい。
公知の他の層としては、接着剤層、意匠層などが挙げられる。
例えば、表皮材が接着剤層を有することで、多層構造の表皮材における各層間の密着性、例えば、既述の表皮層と基材層との密着性、がより向上する。また、表皮材が意匠層を有することで、所望により表皮材の用途に応じて、光沢部と非光沢部との光沢度の差異が大きい複雑な凹凸模様に加え、種々の意匠をさらに付与することができる。
以下、本開示の表皮材が有してもよい、基材層以外の任意の層について説明する。
〔A−3.接着剤層〕
本開示の表皮材は、接着剤層を有していてもよい。接着剤層は、例えば、基材層と表皮層など、多層構造の表皮材において隣接して設けられる層同士の接着性をより向上させるために設けてもよい。
接着剤層は、表皮材が多層構造である場合、隣接する層の間に形成することができる。より具体的には、例えば、表皮材が基材層と表皮層とを有する場合、接着剤層は、基材層表面に接着剤を積層し、乾燥することで形成することができる。接着剤層の積層(形成)は、転写法により行ってもよく、塗布法により行ってもよい。
所望により設けられる接着剤層の形成に使用される接着剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、例えば(1)ウレタン系エマルジョン接着剤、(2)塩化ビニル系接着剤、(3)2液硬化型ポリエステル系接着剤、(4)2液硬化型ウレタン接着剤などが好適に使用される。
通常は、基材層と表皮層とを積層して表皮材を形成する際には、基材層の表面に接着剤を付与することで、接着剤層が形成される。
表皮材が接着剤層を有する場合、表皮材は、接着剤層を1層のみ有してもよく、必要に応じて2層以上を有してもよい。
既述のように、接着剤を付与する方法としては、転写法、塗布法など公知の方法をいずれも使用できるが、均一な厚みの接着剤層を簡易に形成しうるという観点からは、転写法を用いることが好ましい。
また、接着剤層を転写法で形成する場合には、予め作製された接着剤層の表面保護のため、接着剤層表面に保護シートを有していてもよい。保護シートとしては、樹脂フィルム、離型処理された紙、樹脂をラミネートした紙などを適宜、用いることができる。
〔A−4.意匠層〕
本開示の表皮材は、意匠層を有してもよい。
意匠層は、印刷法により形成された印刷層であってもよく、着色剤を含む着色層であってもよい。
意匠層は、例えば、表皮層の凹凸模様を有する面の反対側の面又は基材層の面上に印刷法により形成された印刷層であってもよい。印刷層としては、樹脂を含む印刷インクにより公知の印刷法により形成された層が挙げられる。樹脂を含む印刷インクとしては、クリアな印刷画像の形成が可能であるという観点から、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を含む印刷インクが好ましい。
印刷層の形成に適用される印刷方法には特に制限はなく、グラビア印刷(凹版印刷)、凸版印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷など、任意の印刷方法を適用することができる。
意匠層としては、アクリル樹脂又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種を含む印刷インク層が好ましい。
意匠層は、着色層であってもよい。着色層としては、任意の着色剤を含有する樹脂組成物により形成された層が挙げられる。例えば、アクリル樹脂に、既述の基材層に用い得る着色剤として挙げたものから選択した着色剤を含有させた樹脂組成物を、カレンダー法、押出し法、キャスティング法などによりフィルム状に成形した意匠層等が挙げられる。
着色剤としては公知の着色剤を任意に用いることができる。また、着色剤として、金属顔料、パール顔料などを用いることで、表皮層に特徴的な意匠を付与することができる。
意匠層が着色層である場合、着色層は、着色剤を1種のみ含んでもよく、2種以上を併用してもよい。
意匠層の形成に用い得るアクリル樹脂としては、具体的には、たとえば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるメタクリル酸又はメタクリル酸エステルの重合体或いは共重合体、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとスチレンの共重合体などが挙げられ、成形性の観点からは、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとスチレンの共重合体及びメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルの共重合体の混合物が好ましい。
次に、単層構造の表皮材について説明する。
(B.単層構造の表皮材)
本開示の表皮層が単層構造である場合には、単層構造の表皮材は、少なくとも一方の面に上記で規定した凹凸を有する特定樹脂層のみからなる表皮材が挙げられる。
(B−1.特定樹脂層)
本開示の単層構造の表皮材における特定樹脂層は、少なくとも一方の面に上記で規定した光沢部と非光沢部との光沢度の差異が大きい、複雑な凹凸模様を有する。
単層構造の表皮材の意匠を特徴付ける凹凸模様の深度、即ち、表皮層が有する凹凸における凸部の最高点と、凹部の最深点との距離は、目的とする意匠に応じて決定される。
特定樹脂層の凹凸に形成された光沢領域と非光沢領域との光沢度の差異がより明確になるという観点からは、特定樹脂層が有する凹凸における凸部の最高点と、凹部の最深点との距離は、15μm〜10mmの範囲であることが好ましく、20μm〜1mmの範囲であることがより好ましく、20μm〜100μmの範囲であることがさらに好ましい。
凹凸模様のデザインは任意であり、例えば、平面視による同サイズの矩形が規則正しく配列されたチェック柄、格子柄、平面視で円形の凸部を有する凹凸柄、波形などの不定形柄、ライン状の柄など、任意の意匠から目的に応じて選択できる。
また、凹凸模様における光沢領域、非光沢領域の位置についても、適宜選択することができ、目的に応じた種々の意匠が実現できる。
ここで、特定樹脂層の厚みとは、凹凸模様が形成された特定樹脂層が有する凹凸における凸部の最高点から、特定樹脂層の底面までの距離を指す。
特定樹脂層の少なくとも一方の面に凹凸模様を形成する方法には特に制限はない。しかし、特定樹脂層に簡易に特徴的な意匠を与えうると言う観点からは、後述の本開示の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法により得られた金型を用い、エンボス加工により金型の表面形状を転写して特定樹脂層を形成する方法を適用することが好ましい。
即ち、まず、表面が平滑な特定樹脂層形成用樹脂層を形成し、その後、後述の製造方法により得られた金型を用いて特定樹脂層形成用樹脂層にエンボス加工して所望の意匠を形成する方法が好ましい。本開示の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法については、後述する。
本開示の表皮材が、特定樹脂層のみからなる単層構造の場合、特定樹脂層に用い得る熱可塑性樹脂には特に制限はない。
単層構造の表皮材における特定樹脂層に使用しうる熱可塑性樹脂としては、既述の基材層にて例示した樹脂、例えば、PE、PP、PVC樹脂、PS、PVAc、PUR、ABS樹脂、AS樹脂、PC、PMMA等のアクリル樹脂、PTFE等のフッ素樹脂等が挙げられる。
なかでも、柔軟性、加熱成形性等の観点からは、特定樹脂層に含まれる熱可塑性樹脂は、PVC樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、PC、PP、及びPCとABS樹脂との混合物(PC/ABS)等を含むことが好ましく、PVC樹脂、ABS樹脂等を含むことがより好ましく、PVC樹脂を含むことがさらに好ましい。
特定樹脂層は、熱可塑性樹脂に加え、その他の成分をさらに含んでいてもよい。
その他の成分としては、着色剤、可塑剤、充填剤、滑剤、加工助剤等が挙げられる。
特定樹脂層における任意成分、特定樹脂層を形成するための平滑な合成樹脂層の形成方法は、少なくとも一方の面に凹凸を形成しない以外は、多層構造の表皮材における基材層と同様であり、好ましい例も同様である。
特定樹脂層の厚みは50μm〜500μmの範囲であることが好ましく、100μm〜350μmの範囲であることがより好ましい。特定樹脂層の厚みが上記範囲にあることで、表皮材を用いて熱加工により成形体を形成する際の、表皮材の溶融による破断が効果的に抑制され、さらに、成形体に用いる成形基材の隠蔽性が良好となる。
本開示の表皮材が特定樹脂層のみからなる単層構造の場合には、特定樹脂層に着色剤などを含有させることで、多層構造の表皮材と同様に、表面における光沢部と非光沢部との光沢度の差異が大きい凹凸模様のみならず、任意の色相を付与することができ、成形体などに、種々の複雑な意匠を与えることができる
〔合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法〕
本開示の表皮材の製造に用いうる金型は、本開示の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法(以下、本開示の製造方法(I)と称することがある)により製造されることが好ましい。
本開示の製造方法(I)は、金型作製用金属基材(以下、単に、「金属基材」と称することがある)の表面に銅メッキ処理を施す工程A、銅メッキ処理を施した金型作製用金属基材の表面に、ツヤ消し処理を施す工程B、ツヤ消し処理を施した金型作製用金属基材の表面に、形成する意匠に即してエッチングレジストを形成し、その後、エッチング処理してエッチングレジストの非形成領域に凹部を形成する工程C、エッチングレジストを剥離して、凹凸及び光沢領域と非光沢領域とを有する表面を備える金型前駆体を得る工程D、及び、得られた金型前駆体の表面にクロムメッキ処理を施して金型を得る工程Eを含む。
また、所望により、さらに、前記工程Aの後、前記工程Bに先だって、さらに、金型作製用金属基材の表面に、レーザ彫刻、機械彫刻、電子彫刻、及びエッチングから選ばれる少なくとも1種の手段を用いて、下地模様としての凹凸を形成する工程Fを有していてもよい。
なお、工程Fは複数回行うことができる。工程C及び工程Dは、この順に複数回行うことができる。これら工程を複数回行うことで、光沢部と非光沢部との光沢度の差異が大きく、凹凸の深さ又は高さを多段とすることができるため、より複雑な意匠を表皮層に付与することができる金型を作製できる。
本開示の製造方法(I)を、図面を参照して説明する。
図2は、合成樹脂表皮材の凸部頂面に光沢領域を有する合成樹脂表皮材形成用金型の製造に適用される本開示の製造方法(I)における工程の一例を示す概略図である。
図2(a)は、金型作製用金属基材20に銅メッキ(不図示)を施した態様を示す概略断面図である(工程A)。図2では、金属基材20は平板状の基材を示すが、シリンダー状の基材であっても同様の製造方法が適用できる。
金属基材としては、加工性、強度の観点から、鉄、アルミニウムなどの金属を含む基材を用いることが好ましい。
銅メッキ層の厚みは20μm〜12mmの範囲が好ましく、25μm〜1.1mmの範囲がより好ましい。
銅メッキは常法により行なうことができる。
なお、銅メッキに先立ち、所望により金属基材にニッケルメッキを施してもよい。
図2(b)は、銅メッキした金属基材20表面にツヤ消し処理を施した状態を示す概略断面図である。ツヤ消し処理により、金属基材20表面は粗面化される(工程B)。
ツヤ消し処理としては、表面に硬質な研削粒子を吹き付けるブラスト処理が挙げられる。
ブラスト処理としては、サンドブラスト処理を挙げることができる。サンドブラスト処理は、種々の粒径と硬度の硬質研削粒子をエアノズルより金属基材表面に吹き付ける方法であり、研削粒子の素材としては、ガラスビーズ、アルミナ粒子、鋼粒子、珪砂等が挙げられる。研削粒子の平均粒子径は、目的に応じて選択できるが、一般的には、30μm〜90μmが好ましい。
本開示の製造方法(I)に好適な研削粒子としては、例えば、280番のサンド(粒子径:30μm〜50μmの球形粒子)、180番のサンド(粒子径:50μm〜90μmの球形粒子)等が挙げられる。
工程Bにおいて、ブラスト処理の条件を制御することで、粗面化の程度が調整され、表皮層の平滑面、即ち、光沢領域に対して、所望のグロスの差を有する非光沢面を形成することができる。一般に、合成樹脂表皮材の平滑面、即ち光沢領域のグロス(Gs(60°))は、40〜60程度であり、これに対し、グロスの差が30以上となる条件でブラスト処理を行なえばよい。
次に、表面がブラスト処理により粗面化された金属基材表面において、粗面化を維持したい領域にエッチングレジスト22を形成し、エッチング処理を行なう。エッチング処理により、エッチングレジスト22の非形成部分が彫刻され、図2(c)に示すように、金属基材に凹部が形成され、形成された凹部の側面及び底面はエッチング処理により平滑化され、光沢領域となる(工程C)。
その後、図2(d)に示すようにエッチングレジストを剥離すると、表皮層に光沢領域を与える平滑面と、非光沢領域を与える粗面とを有する金型24となる(工程D)。
図2(d)に示す凹凸が形成された金属基材を、図示しないクロムメッキ処理することで、表面に凹凸、粗面化領域及び非粗面化領域を有する金型が得られる(工程E)。
図3は、合成樹脂表皮材の凸部頂面に、光沢領域と非光沢領域とを有する合成樹脂表皮材形成用金型の製造に適用される本開示の製造方法(I)における別の工程の一例を示す概略図である。
図3(a)は、金型作製用金属基材20に銅メッキ(不図示)を施した態様を示す概略断面図である(工程A)。
図3(b)は、銅メッキした金属基材20表面に、部分的にエッチングレジストを形成し、その後、エッチング処理して、金属基材の所望の領域に凹部を形成した状態を示す概略断面図である(工程F)。
なお、銅メッキした金属基材表面に凹部を形成する方法は任意である。金属基材に凹部を形成する方法としては、例えば、電鋳ミル型押し、レーザ彫刻、機械彫刻、電子彫刻、エッチング等が挙げられ、レーザ彫刻、機械彫刻、電子彫刻、エッチングから選ばれる少なくとも1種の手段を適用することが好ましい。
図3(c)は、図3(b)に示す凹部を形成した金属基材にブラスト処理を施した状態を示す概略断面図である。ブラスト処理により、金属基材20表面は粗面化される(工程B)。図3(c)に示すように、工程Bに先立ち、まず、金属基材に凹部を形成した後、工程Bのブラスト処理を行なう方法をとることもできる。この工程順によれば、金属基材凹部の底面、即ち、表皮材の凸部頂面に非光沢領域を形成しうる金型が得られる。
図3(d)では、凹部を形成され、表面が粗面化された金属基材にエッチングレジスト22を形成し、その後、エッチング処理を施す。エッチング処理により、金属基材のエッチングレジスト22非形成領域では凹部が形成され、金属面が平滑化される(工程C)。金型凹部の平滑化された部分が、表皮層凸部における光沢領域を形成しうる領域となる。
図3(e)は、エッチングレジスト22を剥離した金属基材の状態を示す概略断面図である(工程D)。
本開示の製造方法(I)において、図2(c)に示す如き凹部を形成する彫刻を伴うエッチング処理、及び後述の図4(e)〜図5(a)に示す多段のエッチング処理等、エッチング処理を組合せることで、金型の凹部等、任意の箇所に平滑面を形成することができ、形成された平滑面により、表皮層における凹凸模様の任意の箇所に光沢領域を形成しうることが本開示の製造方法(I)及び後述の合成樹脂表皮材の製造方法における大きな利点といえる。
図3(e)に示す凹凸が形成された金属基材を、図示しないクロムメッキ処理することで、表面に凹凸、粗面化領域及び非粗面化領域を有する金型が得られる(工程E)。
図3(e)に示すように、得られた金型は、表皮層の凸部頂面に光沢領域と非光沢領域とを有する形状を与える金型となる。
このように、ブラスト処理とエッチング処理とを組合せることで、表皮層の任意の領域に、凹凸、光沢領域及び非光沢領域を与えうる金型を、容易に得ることができる。
〔合成樹脂表皮材の製造方法〕
本開示の表皮材の製造方法には特に制限はないが、本開示の製造方法(I)により製造された金型を用いて、表皮材を製造する方法が好ましい。即ち、表皮材の製造に用いうる本開示の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法により製造された、複雑な意匠を表皮材に付与しうる金型を用いて、合成樹脂表皮材を製造することが好ましい。
以下、本開示の合成樹脂表皮材の製造方法を、本開示の製造方法(II)と称することがある。
本開示の製造方法(II)は、既述の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法(本開示の製造方法(I))により得られた金型に、合成樹脂層を接触させ、加熱及び加圧して金型の表面形状を合成樹脂層に転写して特定樹脂層を形成する工程Gを有する。
図4及び図5は、本開示の表皮材に、深さの異なる2段の凹凸を有する合成樹脂表皮材形成用金型を製造し(本開示の製造方法(I))、本開示の製造方法(I)で得られた合成樹脂表皮材形成用金型を用いて、表皮材を製造する方法(本開示の製造方法(II)における工程を示す概略図である。
図4では、本開示の製造方法(I)のうち、金型に第1段階の凹凸を形成する工程の一例を示し、図5では、本開示の製造方法(I)における工程のうち、金型に第2段階の凹凸を形成する工程と、本開示の製造方法(II)における、得られた金型により合成樹脂層に凹凸を形成して表皮材を得る工程と、の一例を示す概略図である。
図4(a)〜図4(d)は、既述の図3(a)〜図3(d)と同様の工程を行なう。
その後、さらにエッチング処理することにより、エッチングレジスト22の非形成領域を更に深く彫り込む。このようにして、図5(a)に示すように、2段階の凹凸を有し、凹部に平滑領域と粗面化領域とを有する金属基材が得られる(工程D)。
さらに、図5(b)に示すように、金属基材の表面にクロムメッキ処理してクロムメッキ層30を形成し、金型32を得る(工程E)。
図5(c)に示すように、得られた金型32を、合成樹脂層に密着させて、加熱及び加圧するエンボス加工を行なうことで、金型32の凹凸が転写された単層構造の合成樹脂表皮材34が形成される。
図5(c)に示すように、形成された単層構造の合成樹脂表皮材34は、形成された2段階の凸部における一部が光沢領域であり、その他が非光沢領域となる、複雑な表面を有する合成樹脂表皮材34となり、複雑で印象的な意匠を与えることができる。
図5(c)で示す合成樹脂表皮材34を特定樹脂層である表皮層として、例えば、さらに、接着剤層、基材層等の任意の他の層と積層することで、図1に示す如き多層構造の表皮材を得ることもできる。
多層構造の表皮材の製造方法は、上記方法に限定されない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
〔実施例1〕
(1.金型の製造)
直径240mmの鉄製金属ロールである金属基材の表面に、銅メッキを施し、厚さ150μmの銅メッキ層により被覆された銅メッキロールを製造した(工程A)。
次に、ツヤを消すため、ロール全面にアルミナ粒子による180番のサンドブラスト処理(ツヤ消し処理)を行なって、表面を粗面化した。(工程B)。
粗面化した銅メッキロールに形成する意匠に従ってエッチングレジストを形成し、エッチング製法にて深度60μmで意匠パターンを彫刻し、凹部を形成した(工程C)。その後、エッチングレジストを剥離することで、粗面化された凸部と、平滑化された凹部、即ち、凹凸及び光沢領域と非光沢領域とを有する表面を備える金型前駆体を得た(工程D)。
最後に、得られた金型前駆体にクロムメッキを施し、金型としてのエンボスロールを完成させた(工程E)。
(2.金型を用いた合成樹脂表皮材の製造)
カレンダー装置にて、PVC樹脂〔重合度800のストレートレジン〕100kgに、顔料(カーボンブラック)2kgを投入し、200℃に加熱しながらカレンダー法により、乾燥後の厚みが200μmになるようにシート状に成形して着色剤を含む基材層を得た。
基材層の製造とは別工程にて、カレンダー装置にて、PVC樹脂〔重合度800のストレートレジン〕100kgを、200℃に加熱しながらカレンダー法により、乾燥後の厚みが80μmになるようにシート状に成形して表皮層を得た。
その後、前記工程で得られた表皮層を、前記工程で得られた基材層に接触させて、一対のエンボスロールの一方が、前記で得たロール状の金型であるエンボスロールを用いて、表皮層側をエンボスロールに接触させてラミネートエンボス加工を行い、表面に凹凸、光沢領域及び非光沢領域を有する表皮層を形成し、実施例1の合成樹脂表皮材を得た(工程G)。
図6は、表皮層に1段階の凹凸が形成され、凸部の頂面が光沢領域を有する、実施例1の合成樹脂表皮材を示す光学写真である。図6に示すように、実施例1の表皮材は、1段階の凹凸にて、格子柄が形成され、格子柄の凸部頂面が光沢領域であり、凹部底面が非光沢領域である。
〔実施例2〕
(1.金型の製造)
直径203.9mmのアルミニウム製金属ロール(金属基材)の表面に銅メッキ処理を施し、厚さ150μmの銅メッキ層により被覆された銅メッキロールを作製した(工程A)。
その後、下地となる意匠パターンをエッチング製法にて深度35μmで彫刻し、凹部を形成した(工程F)。
次に、ツヤ消し処理として、凹凸が形成されたロール全面に、ガラスビーズによる280番のサンドブラスト処理を行ない、表面を粗面化した(工程B)。
その後、ツヤを出す意匠パターンを形成するため、非光沢領域となる部分にエッチングレジストを形成し、エッチング製法にて深度15μmの凹部を彫刻した(工程C)。エッチングレジストを剥離し、トータル深度50μmの凹凸を有し、凹部の底面が平滑な金型前駆体であるエンボス型を得た(工程D)。
その後、得られた金型前駆体にクロムメッキを施し(工程E)、エンボス型を完成させた。
アルミニウムの金属ロールから、エンボス型が彫刻された銅メッキ層を剥離し、剥離した銅メッキ層をステンレス製の金属板(サイズ400mm×550mm)に貼り合せをして、平板状の金型を作製した。
(2.金型を用いた合成樹脂表皮材の製造)
実施例1において用いたエンボスロールに代えて、上記で得た平板状の金型を用いてプレス加工にて、表皮層に凹凸を形成した。
即ち、実施例1と同様にして形成した基材層上に、実施例1と同様にして形成した表皮層を接触させて積層し、積層した表皮層と基材層との積層体の表皮層を金型側として配置し、プレス加工して、表面に凹凸、光沢領域及び非光沢領域を有する表皮層を形成し、実施例2の合成樹脂表皮材を得た(工程G)。
図7は、表皮層に2段階の凹凸が形成され、凸部の最高部の頂面が光沢領域を有する、実施例2の合成樹脂表皮材を示す光学写真である。図7に示すように、1段階目でウェーブ柄が彫刻され、粗面化処理によりウェーブ柄の底面が非光沢領域であり、図7では灰色に見える。その後、2段階目の彫刻で、金型には、エッチング処理により、さらに深い凹部が形成され、凹部の底面は平滑領域となる。図7に示す表皮層における黒色部分は、2段階目の彫刻で形成された凹部に起因する、表面が光沢領域である凸部の頂面を示している。
〔実施例3〕
カレンダー装置にて、PVC樹脂(重合度800のストレートレジン)100kgに、顔料(カーボンブラック)2kgを投入し、200℃に加熱しながらカレンダー法により、乾燥後の厚みが150μmになるようにシート状に成形して着色剤を含む合成樹脂層を得た。
得られた合成樹脂層に対し、実施例2で作製した平板状の金型を用いてプレス加工にて、表面に凹凸、光沢領域及び非光沢領域を有する特定樹脂層を形成し、実施例3の合成樹脂表皮材とした(工程G)。実施例3の合成樹脂表皮材は、特定樹脂層のみからなる単層構造の表皮材である。
〔比較例1〕
実施例1で用いた金型であるエンボスロールに代えて、実施例1と同様に銅メッキ処理した金属基材に、電鋳ミル型押し彫刻にて、深度60μmで意匠パターンを彫刻し、クロムメッキ処理を行なったエンボスロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の表皮材を得た。
〔比較例2〕
実施例1で用いた金型であるエンボスロールに代えて、実施例1と同様に銅メッキ処理した金属基材に、2段階のエッチング彫刻にて、実施例2と同様に深度35μm、引続き、深度15μmで2段階の意匠パターンを彫刻し、その後、凹凸が形成されたロール全面に、アルミナ粒子による180番のサンドブラスト処理を行ない、表面を粗面化して金型前駆体を得た。得られた金型前駆体にクロムメッキ処理を行なって、エンボスロールを得た。得られたエンボスロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の表皮材を得た。
(合成樹脂表皮材の評価)
(1.グロス測定)
得られた実施例1〜実施例3、比較例1、及び比較例2の表皮材について、表皮層表面の光沢領域(グロス部)、及び、非光沢領域(マット部)、それぞれの60°鏡面光沢度(Gs(60°))をJIS Z 8741(1997)に準拠して測定し、光沢領域(光沢部:グロス部)の鏡面光沢度、非光沢領域(非光沢部:マット部)の鏡面光沢度、及び光沢部の鏡面光沢度と非光沢部の鏡面光沢度との差を算出した。結果を下記表1に示す。なお、表1では、「60°鏡面光沢度」を、「光沢度」と記載した。
(2.目視評価)
表皮材の外観を目視で評価し、光沢領域と非光沢領域との差による意匠性を、以下の基準にて評価した。
−基準−
A:凹凸模様の形成性が良好であり、且つ、光沢領域と非光沢領域との差異が明確である。
B:凹凸模様の形成性が良好であるが、光沢領域と非光沢領域との差異が不明確である。
C:凹凸模様の形成性に劣り、且つ、光沢領域と非光沢領域との差異が不明確である。
表1の結果より、実施例1〜実施例3の合成樹脂表皮材は、凹凸の形成性及び光沢領域と非光沢領域との外観上の差が明確であり、複雑な意匠性を達成している。
他方、比較例1の合成樹脂表皮材は、凹凸を有するが全体が非光沢領域であり、公知の表皮材と同様の外観であった。比較例2の合成樹脂表皮材は、複雑な凹凸形状を有するが、全体が非光沢領域であり、部分的に光沢領域を有するという外観上の利点が得られなかった。
10 合成樹脂表皮材
12 基材層
14 接着剤層
16 表皮層(特定樹脂層としての表皮層)
20 金型作製用金属基材
22 エッチングレジスト
24、26、32 金型(合成樹脂表皮材形成用金型)
30 クロムメッキ層
34 合成樹脂表皮材(特定樹脂層)
a 光沢領域(特定樹脂層の光沢領域)
b 非光沢領域(特定樹脂層の非光沢領域)

Claims (7)

  1. 合成樹脂層の少なくとも一方の面に凹凸を有し、
    前記合成樹脂層の凹凸を有する側の面は、光沢領域と非光沢領域とを有し、前記光沢領域と前記非光沢領域とのJIS Z 8741(1997)に準拠して測定した60°鏡面光沢度の差が30以上である合成樹脂層を有する合成樹脂表皮材。
  2. 前記合成樹脂層が有する凹凸における凸部の最高点が光沢領域であり、凹部の最深点が非光沢領域である請求項1に記載の合成樹脂表皮材。
  3. 前記合成樹脂層が有する凹凸における凸部の最高点と、凹部の最深点との距離が15μm〜10mmの範囲である請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂表皮材。
  4. 前記合成樹脂層は、着色剤を含む層であるか、又は、熱可塑性樹脂と着色剤とを含み、前記合成樹脂層とは異なる層をさらに有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材。
  5. 金型作製用金属基材の表面に銅メッキ処理を施す工程A、
    銅メッキ処理を施した金型作製用金属基材の表面に、ツヤ消し処理を施す工程B、
    ツヤ消し処理を施した金型作製用金属基材の表面に、形成する意匠に即してエッチングレジストを形成し、その後、エッチング処理してエッチングレジストの非形成領域に凹部を形成する工程C、
    エッチングレジストを剥離して、凹凸及び光沢領域と非光沢領域とを有する表面を備える金型前駆体を得る工程D、及び、
    得られた金型前駆体の表面にクロムメッキ処理を施して金型を得る工程E、を含む合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法。
  6. 前記工程Aの後、前記工程Bに先だって、さらに、金型作製用金属基材の表面に、レーザ彫刻、機械彫刻、電子彫刻、及びエッチングから選ばれる少なくとも1種の手段を用いて、下地模様としての凹凸を形成する工程Fを有する請求項5に記載の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の合成樹脂表皮材形成用金型の製造方法により得られた金型に、合成樹脂層形成用樹脂組成物を接触させ、加熱及び加圧して金型の表面形状を合成樹脂層形成用樹脂組成物に転写して、一方の面に凹凸を有する合成樹脂層を形成する工程Gを含む合成樹脂表皮材の製造方法。
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