JP2021030121A - 焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法 - Google Patents

焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業環境やハンドリングに悪影響を及ぼすことなく、鉛等の重金属類の溶出を基準値未満に抑制することができる焼却灰処理装置を提供することを目的とする。【解決手段】焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように焼却灰に水を含ませる加水手段としての水噴射ノズル13と、焼却灰の飛散防止を目的に定められる第二水分率となるように水噴射ノズル13によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥する乾燥手段としての吹込管14とを備える焼却灰処理装置10A。【選択図】図1

Description

本発明は、都市ごみや産業廃棄物を焼却炉で焼却した際に発生する焼却灰を処理する焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法に関する。
従来、焼却炉から排出される焼却灰は、埋め立て処分されてきたが、埋立用地の確保が難しく、また、資源循環型社会形成の観点より、資源化が求められている。
焼却灰の主成分は、酸化ケイ素、酸化カルシウム、及びアルミナであり、土木資源等に有効利用し得る性状を有している。ところが、焼却灰には、微量成分として鉛をはじめとする有害重金属類が含まれており、これらが溶出することがあることから、焼却灰の有効利用の障害となっている。
鉛等の有害物質の溶出を抑える方法としては、キレート剤等の薬剤を用いる方法があるが、コストが嵩むため、薬剤を用いない方法にシフトしつつある。薬剤を用いない方法としては、エージングが挙げられる。エージングは、焼却灰を湿潤状態で大気に晒すことで、焼却灰に含まる重金属類と大気中の二酸化炭素とが反応し、炭酸金属になることで不溶化するプロセスを利用した方法である。
しかし、上記のエージングでは、焼却灰を大気に晒すための広大な処理ヤードを焼却処理施設内に設ける必要があり、施設の規模が大きくなるという問題がある。
上記のような問題を解決し得るものとして、焼却灰に二酸化炭素と水分とを混合して50〜600℃の温度域で一定時間保持し、焼却灰を酸に難溶な物質に改質することにより、焼却灰中の鉛の外部への溶出を抑制するようにした焼却灰の改質処理方法がある(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−223987号公報
特許文献1に係る焼却灰の改質処理方法は、ロータリキルンやオートクレーブ等のような焼却灰を一定時間撹拌・混合しながら加熱できる構造の改質装置を用いて実施される。この改質処理方法においては、改質装置内に焼却灰を投入し、これに水(又は水蒸気)とCO(又はCO含有ガス)とを加え、これらを撹拌混合しながら一定時間(約0.1〜10時間)、50〜600℃、好ましくは100〜400℃の温度に保持する処理が行われる。
改質装置内では、上記の処理により、焼却灰中に残留しているAlや、Si、CaO、CaCO等が加熱下で水分と反応し、水熱反応処理の場合と同様に、アルミノケイ酸カルシウム水和物が形成される。また、改質装置内には、COが供給されているため、COとHOとがアルミノケイ酸カルシウム水和物と反応することにより、アルミノケイ酸カルシウム水和物からカルシウム成分が除去されて、アルミノケイ酸水和物が形成される。このようにして形成されるアルミノケイ酸水和物の網目構造内に焼却灰中の鉛が取り込まれて、鉛の溶出が抑制される。
しかしながら、特許文献1に係る焼却灰の改質処理方法では、焼却灰に二酸化炭素と水分とを混合した際の焼却灰の水分率が鉛等の溶出抑制効果に及ぼす影響まで考慮されていない。このため、水を含ませた焼却灰の水分率が、例えば15%未満(施設毎や諸条件により異なる)の場合、鉛等の溶出を十分に抑制することができない虞がある。また、特許文献1に係る焼却灰の改質処理方法では、二酸化炭素と水分とを混合した後に50〜600℃の温度域で一定時間保持された焼却灰の水分率が作業環境やハンドリングに及ぼす影響まで考慮されていない。このため、50〜600℃の温度域で一定時間保持された焼却灰の水分率が、例えば10%未満の場合、焼却灰が飛散して、作業環境が悪化したり、ハンドリングが困難になったりする虞がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、作業環境やハンドリングに悪影響を及ぼすことなく、鉛等の重金属類の溶出を基準値未満に抑制することができる焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように焼却灰に水を含ませた後に、焼却灰の飛散防止を目的に定められる第二水分率となるように焼却灰を乾燥したとしても、重金属類の溶出量は焼却灰の水分率が第二水分率のときの重金属類溶出量まで増加することなく、焼却灰の水分率が第一水分率のときの重金属類溶出量が維持されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
要するに、上記課題を解決するための本発明に係る焼却灰処理装置の特徴構成は、
焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように焼却灰に水を含ませる加水手段と、
焼却灰の飛散防止を目的に定められる第二水分率となるように前記加水手段によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥する乾燥手段と、
を備えることにある。
本構成の焼却灰処理装置は、加水手段と乾燥手段とを備える構成とされる。加水手段は、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように焼却灰に水を含ませる。これにより、重金属類の溶出量を基準値未満とすることができる。一方、乾燥手段は、焼却灰の飛散防止を目的に定められる第二水分率となるように加水手段によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥する。これにより、焼却灰が飛散するのを防ぐことができる。焼却灰に含まれる重金属類の溶出量は、乾燥手段による乾燥後の第二水分率のときの重金属類溶出量まで増加することなく、加水手段によって水を含ませた第一水分率のときの重金属類溶出量が維持される。従って、本発明の焼却灰処理装置によれば、作業環境やハンドリングに悪影響を及ぼすことなく、重金属類の溶出を基準値未満に抑制することができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記加水手段によって湿潤状態とされた焼却灰を搬送する灰搬送手段を備え、
前記灰搬送手段によって焼却灰を搬送しながら前記乾燥手段によって乾燥するように構成されることが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、灰搬送手段によって焼却灰を搬送しながら乾燥手段によって乾燥するようにされているので、焼却灰を効率良く乾燥することができ、焼却灰の処理能力を向上することができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記乾燥手段によって乾燥される焼却灰の水分率を測定する乾灰水分率測定手段と、
前記乾灰水分率測定手段によって測定される水分率が前記第二水分率となるように前記灰搬送手段を制御する灰搬送制御手段と、
を備えることが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、乾灰水分率測定手段によって測定される水分率が第二水分率となるように灰搬送制御手段によって灰搬送手段が制御されるので、乾燥手段によって乾燥される焼却灰の水分率を正確に第二水分率とすることができ、焼却灰が飛散するのを確実に防ぐことができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記加水手段によって湿潤状態とされた焼却灰の水分率を測定する湿灰水分率測定手段と、
前記湿灰水分率測定手段によって測定される水分率が前記第一水分率となるよう前記加水手段を制御する加水制御手段と、
を備えることが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、湿灰水分率測定手段によって測定される水分率が第一水分率となるように加水制御手段によって加水手段が制御されるので、加水手段によって水を含ませる焼却灰の水分率を正確に第一水分率とすることができ、重金属類の溶出量を確実に基準値未満にすることができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
焼却灰を前記灰搬送手段へと間欠的に排出する灰排出手段を備え、
前記灰排出手段の間欠的な焼却灰の排出動作に合わせて、前記灰搬送手段の搬送動作と、前記乾燥手段の乾燥動作とを連動させるように構成されることが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、焼却灰を灰搬送手段へと間欠的に排出する灰排出手段を備え、灰排出手段の間欠的な焼却灰の排出動作に合わせて、灰搬送手段の搬送動作と、乾燥手段の乾燥動作とを連動させるように構成されているので、焼却灰の処理能力を一定以上に保ちつつ、省動力化により消費電力を削減することができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記第一水分率は、15〜30%であり、前記第二水分率は、10〜15%であることが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、第一水分率が、15〜30%であることから、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量を確実に基準値未満にすることができる。また、本構成の焼却灰処理装置によれば、第二水分率が、10〜15%であることから、焼却灰の飛散を防止することができるとともに、重量あたりで精算される焼却灰の処理費用を低く抑えることができる。
次に、上記課題を解決するための本発明に係る焼却灰処理方法の特徴構成は、
焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように焼却灰に水を含ませる加水工程と、
焼却灰の飛散防止を目的に定められる第二水分率となるように前記加水工程によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥する乾燥工程と、
を包含することにある。
本構成の焼却灰処理方法は、加水工程と乾燥工程とを包含する構成とされる。加水工程は、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように焼却灰に水を含ませる。これにより、重金属類の溶出量を基準値未満とすることができる。一方、乾燥工程は、焼却灰の飛散防止を目的に定められる第二水分率となるように加水工程によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥する。これにより、焼却灰が飛散するのを防ぐことができる。焼却灰に含まれる重金属類の溶出量は、乾燥工程による乾燥後の第二水分率のときの重金属類溶出量まで増加することなく、加水工程によって水を含ませた第一水分率のときの重金属類溶出量が維持される。従って、本発明の焼却灰処理方法によれば、作業環境やハンドリングに悪影響を及ぼすことなく、重金属類の溶出を基準値未満に抑制することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る焼却灰処理装置の概略システムを示すブロック図である。 図2は、焼却灰処理装置において用いられる灰排出装置の概略構造を示す模式図で、(a)はプッシャー式灰排出装置、(b)はスクリュー式灰排出装置、(c)は二重ダンパ式灰排出装置である。 図3は、環境庁告示第13号試験による焼却灰に含まれる重金属類(鉛)の溶出量と焼却灰の水分率との関係の一例を示すグラフである。 図4は、本発明の第二実施形態に係る焼却灰処理装置の概略システムを示すブロック図である。 図5は、本発明の第三実施形態に係る焼却灰処理装置の概略システムを示すブロック図である。
以下、本発明について、図1〜図5を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることは意図しない。
〔第一実施形態〕
<全体構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る焼却灰処理装置の概略システムを示すブロック図である。図1において、焼却炉1は、例えば都市ごみや産業廃棄物等を焼却処理するものである。焼却炉1の焼却排ガス流れの下流側には、ボイラ2、エコノマイザ3、減温塔4、バグフィルタ5、誘引送風機6、及び煙突7がそれぞれ順に配設されている。焼却炉1での焼却処理に伴い発生した焼却排ガスは、誘引送風機6の誘引作用により、ボイラ2、エコノマイザ3、減温塔4、及びバグフィルタ5にそれぞれ順に送り込まれる。
ボイラ2では、焼却排ガスの熱を利用して蒸気を発生させ、エコノマイザ3では、ボイラ2に供給する水を焼却排ガスの余熱を利用して加熱する。減温塔4では、エコノマイザ3からの焼却排ガスを所定温度まで冷却する。バグフィルタ5では、冷却後の焼却排ガスに含まれるダスト等を除去する。そして、ダスト等が除去された後の焼却排ガスは、誘引送風機6により煙突7を介して外部に排出される。なお、バグフィルタ5において除塵された後の焼却排ガス中には、5〜20体積%のCO(温度:80〜160℃)が含まれている。
図1に示される焼却灰処理装置10Aは、焼却炉1での焼却処理に伴い発生する焼却灰に含まれる重金属類の溶出を抑制するように難溶性化処理を行うための装置である。この焼却灰処理装置10Aは、灰排出手段としての灰排出装置11と、灰搬送手段としての灰搬送装置12と、加水手段としての水噴射ノズル13と、乾燥手段としての吹込管14と、乾灰水分率測定手段としての乾灰水分計15と、制御手段としての制御装置16とを備えている。
<灰排出装置>
灰排出装置11は、焼却炉1から排出された焼却灰を一旦貯留し必要に応じて焼却灰を間欠的に排出するものである。図2は、焼却灰処理装置において用いられる灰排出装置の概略構造を示す模式図で、(a)はプッシャー式灰排出装置、(b)はスクリュー式灰排出装置、(c)は二重ダンパ式灰排出装置である。灰排出装置11としては、例えば、図2(a)〜(c)に示されるような、プッシャー式灰排出装置21や、スクリュー式灰排出装置22、二重ダンパ式灰排出装置23等が用いられ、これらの中から適宜に選択される。
図2(a)に示されるプッシャー式灰排出装置21は、焼却炉1からの焼却灰を貯留する焼却灰貯留部31と、この焼却灰貯留部31に貯留されている焼却灰を下部から順に押し出して排出する灰押出装置32とを備えて構成されるものである。また、図2(b)に示されるスクリュー式灰排出装置22は、焼却炉1からの焼却灰を受入可能なトラフ33と、トラフ33内に配設される軸付スクリュー羽根34とを備え、軸付スクリュー羽根34を回転させることにより、トラフ33内の焼却灰を軸付スクリュー羽根34によって下流側へと押し出して排出するように構成されるものである。また、図2(c)に示される二重ダンパ式灰排出装置23は、焼却炉1の排出口に設けられるシュート35の内部で上下に配置される上側ダンパ36、及び下側ダンパ37を備え、上下のダンパ36,37上に堆積された焼却灰を落下させる動作を上下のダンパ36,37が交互に行って段階的に焼却灰を落下させて排出するように構成されるものである。
<灰搬送装置>
次に、上記の灰排出装置11によって排出される焼却灰を搬送する灰搬送装置12について説明する。図1に示されるように、灰搬送装置12としては、ベルトコンベヤ式灰搬送装置が採用されている。この灰搬送装置12は、搬送方向に延びる四角筒状のケーシング41と、ケーシング41内に配設されるベルトコンベヤ42とを備えて構成されている。
ケーシング41は、灰排出装置11から排出された焼却灰が投入される投入口43を一方側に有するとともに、ベルトコンベヤ42によって搬送される焼却灰を排出するための排出口44を他方側に有している。ベルトコンベヤ42は、搬送方向に所定間隔を存して配設される駆動輪45及び従動輪46と、これら駆動輪45及び従動輪46に巻き掛け装着される無端ベルト47と、駆動輪45を駆動する駆動モータ48とを備えている。ベルトコンベヤ42においては、駆動モータ48の作動にて周回運動する無端ベルト47により、ケーシング41の投入口43を介して投入された焼却灰をケーシング41の排出口44へと搬送することができるようになっている。なお、排出口44から排出された焼却灰は、焼却灰貯留設備49において貯留される。
第一実施形態では、灰搬送装置12として、ベルトコンベヤ式灰搬送装置を採用した例を示したが、これに限定されるものではなく、フライトコンベヤ式灰搬送装置を採用してもよい。フライトコンベヤ式灰搬送装置については、図示による詳細説明は省略するが、簡単に説明すると以下の通りである。
フライトコンベヤ式灰搬送装置は、上記のケーシング41と同構造のケーシング内にフライトコンベヤが配設されて構成されている。フライトコンベヤは、搬送方向に所定間隔を存して配設される駆動輪及び従動輪と、これら駆動輪及び従動輪に巻き掛け装着される無端チェーンと、ケーシングの底板に対し近接して移動可能となるように無端チェーンに所定間隔で取り付けられる複数のスクレーパと、駆動輪を駆動する駆動モータとを備えている。このフライトコンベヤにおいては、駆動モータの作動にて無端チェーンが周回運動し、無端チェーンに取り付けられたスクレーパによってケーシングの底板上に堆積した焼却灰を掻き取ってケーシングの排出口へと搬送することができるようになっている。
<水噴射ノズル>
水噴射ノズル13は、ベルトコンベヤ42によって搬送される焼却灰に対し水を噴射して焼却灰に水を含ませるものである。水噴射ノズル13は、灰搬送装置12の搬送方向上流側領域における焼却灰に対して水を均等に添加(噴射)できるようにケーシング41の上部に複数設けられている(説明の都合上、図においては1個のみ示す。)。
水噴射ノズル13は、水供給源50に水供給管51を介して接続されている。こうして、水噴射ノズル13には、水供給源50から圧送される水が水供給管51を介して供給される。水供給管51には、水噴射ノズル13へと流れる水の流量を調節できるように流量調節弁52が介設されている。また、水供給管51には、水噴射ノズル13へと流れる水の流量を測定することができるように流量計53が介設されている。
<吹込管>
吹込管14は、水噴射ノズル13の設置位置よりも灰搬送装置12の搬送方向下流側に位置するようにケーシング41の上部に設けられている。吹込管14は、ケーシング41の内部に向けて開口した管状部材によって構成されている。吹込管14は、水噴射ノズル13から噴射される水によって湿潤状態とされてベルトコンベヤ42により搬送される焼却灰に対して乾燥用ガス(焼却排ガス)を吹き込む。
吹込管14には、バグフィルタ5においてダスト等が除去された後の焼却排ガスを供給するための排ガス供給管55が接続されている。排ガス供給管55の途中には、誘引送風機56が介設されており、誘引送風機56の誘引作用により、除塵後の焼却排ガスが吹込管14に供給される。これにより、ベルトコンベヤ42によって搬送される焼却灰に対して焼却排ガスが吹込管14により吹き込まれる。
<排気部>
ケーシング41には、灰搬送装置12の搬送方向最下流部に位置するように排気部57が設けられている。排気部57は、吹込管14を通してケーシング41の内部に吹き込まれた焼却排ガスをケーシング41の外部へと排出できるようにケーシング41の外部に向けて開口した管状部材によって構成されている。排気部57には、ケーシング41の外部へと排出される焼却排ガスを焼却炉1へと導くための排ガス排気管58が接続されている。
<乾灰水分計>
乾灰水分計15は、吹込管14と排気部57との間に位置するようにケーシング41の上部に設けられている。乾灰水分計15は、吹込管14を通して吹き込まれた焼却排ガスによって乾燥される焼却灰の水分率を測定する。乾灰水分計15としては、搬送される焼却灰に対して非接触でその焼却灰に含まれる水分率を連続的に測定できるものが好ましい。例えば、焼却灰に照射されたマイクロ波の水分による減衰等の電気的変化量を水分値に置き換えて水分率を測定するマイクロ波式水分計や、焼却灰に照射された近赤外線を含む光の反射率から水分率を測定する近赤外線式水分計等を好適に用いることができる。
<制御装置>
制御装置16は、CPU、RAM、ROM、インターフェース回路等を有するコンピュータを主体に構成されている。制御装置16は、例えば、乾灰水分計15からの測定信号に基づいて、所定の演算処理を実行し、演算結果に基づく所定の制御信号を駆動モータ48へと送信して、ベルトコンベヤ42のコンベヤ速度を制御し、乾灰水分計15によって測定される水分率が後述する第二水分率となるように、吹込管14から吹き出される焼却排ガス(乾燥用ガス)によって乾燥される焼却灰の水分率を制御する。第一実施形態の制御装置16は、本発明における「灰搬送制御手段」に相当する。
<作動説明>
以上に述べたように構成される焼却灰処理装置10Aにおいては、以下に述べる複数の工程の実施により、重金属類の難溶性化処理が行われる。
<焼却灰排出工程>
まず、灰排出装置11は、焼却炉1から排出された焼却灰を一旦貯留し必要に応じて排出する(焼却灰排出工程)。灰排出装置11から排出された焼却灰は、投入口43を介してケーシング41の内部に投入される。
<焼却灰搬送工程>
ベルトコンベヤ42は、投入口43を介してケーシング41の内部に投入された焼却灰を排出口44へと搬送する(焼却灰搬送工程)。排出口44へと搬送された焼却灰は、排出口44から排出され、焼却灰貯留設備49において貯留される。
<加水工程>
水噴射ノズル13は、ベルトコンベヤ42によって搬送されている焼却灰に対し水を噴射する。ベルトコンベヤ42による焼却灰の搬送量が略一定の場合、ベルトコンベヤ42によって搬送されている焼却灰に対し所定流量以上の水を水噴射ノズル13から噴射すれば、焼却灰の水分率は所定値以上となる。
図3は、環境庁告示第13号試験による焼却灰に含まれる重金属類(鉛)の溶出量と焼却灰の水分率との関係の一例を示すグラフである。図3のグラフに示されるように、焼却灰の含水率が高い程、鉛の溶出量が減少する傾向にあり、焼却灰の水分率が17%以上であれば鉛の溶出量が確実に基準値である0.3mg/L未満となる。そこで、第一実施形態では、ベルトコンベヤ42によって搬送される搬送量が略一定の焼却灰に対し、どの程度の流量の水を含ませれば焼却灰の含水率が17%程度となるかを予め求めておく。そして、流量計53を確認しながら流量調節弁52の操作により、水供給源50から水噴射ノズル13に供給される水の流量を調節して、ベルトコンベヤ42によって搬送されている焼却灰に対し、予め求めた流量、又はそれ以上の流量の水を水噴射ノズル13から噴射する。第一実施形態において、加水工程の際の焼却灰の水分率の目標値(本発明の「第一水分率」に相当する。)は、15%以上30%以下が好ましく、本例では17%程度である。これにより、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量を確実に基準値未満にすることができる。
<乾燥工程>
吹込管14は、水噴射ノズル13から噴射される水によって湿潤状態とされてベルトコンベヤ42によって搬送されている焼却灰に対して、誘引送風機56の誘引作用により供給される焼却排ガスを吹き込む。これにより、加水工程によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥するとともに、焼却排ガスに含まれるCOを焼却灰に接触させる。ここで、ケーシング41の内部への焼却排ガスの供給は、1分〜12時間程度(好ましくは5分〜1時間程度)行われる。なお、吹込管14からケーシング41内に吹き込まれた焼却排ガスは、排気部57、及び排ガス排気管58を介して焼却炉1へと排気される。
焼却灰に含まれる重金属類は、焼却排ガスに含まれるCOと反応して炭酸化物となり、水に対する溶解度が低下する。焼却灰に含まれる重金属類のうち、特に鉛の含有量が多いため、処理の対象になっている重金属類は主として鉛である。鉛は、酸化鉛(PbO)から炭酸鉛(PbCO)に変化することにより、水に対する溶解度が下がって難溶性になる。また、焼却灰は、塩基性であって溶出液のpHが高い。焼却灰のpHに関しては、焼却灰に含まれる酸化カルシウム(CaO)又は水酸化カルシウム(Ca(OH))をCOと反応させて炭酸カルシウム(CaCO)とすることにより、焼却灰のpHを重金属類が難溶性を示す難溶性領域とすることも行われる。鉛は両性金属であり、強い塩基性を示す焼却灰においては溶出液のpHを低下させて難溶性領域とすることで、鉛の溶出量を減少させることができる。
<乾灰水分率測定工程>
乾灰水分計15は、乾燥工程によって乾燥される焼却灰の水分率を測定する。乾灰水分計15の測定信号は、制御装置16へと送信される。
焼却灰処理装置10Aにおいては、乾燥工程が施された焼却灰の実際の水分率(乾灰水分計15の測定水分率W)が目標水分率WKTになるようにされる。すなわち、制御装置16は、所定の制御信号を駆動モータ48へと送信し、ベルトコンベヤ42のコンベヤ速度を制御して、乾灰水分計15の測定水分率Wを目標水分率WKTに一致させるようにする。こうして、焼却灰の水分率を正確に目標水分率WKTへと近づけることができる。ここで、目標水分率WKT(本発明の「第二水分率」に相当する。)は、焼却灰の飛散防止を目的に定められるものであり、例えば、10%以上15%以下の範囲に設定されるのが好ましく、本例では10%程度である。これにより、焼却灰の飛散を防止することができる。なお、焼却灰の水分率が10%未満になると、焼却灰が飛散して、作業環境が悪化したり、ハンドリングが困難になったりする虞がある。
上記のように、第一実施形態においては、加水工程と乾燥工程とが実施される。加水工程は、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率(17%程度)となるように焼却灰に水を含ませる。これにより、重金属類の溶出量を基準値未満とすることができる。一方、乾燥工程は、焼却灰が飛散しない第二水分率(10%程度)となるように加水工程によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥する。これにより、焼却灰が飛散するのを防ぐことができる。焼却灰に含まれる重金属類の溶出量は、乾燥工程による乾燥後の第二水分率のときの重金属類溶出量になるのではなく、加水工程によって水を含ませた第一水分率のときの重金属類溶出量が維持される。従って、第一実施形態によれば、作業環境やハンドリングに悪影響を及ぼすことなく、重金属類の溶出を基準値未満に抑制することができる。
水分率が10%程度にまで乾燥された焼却灰は、場外搬出されて再資源化等により処理される。処理費用は重量あたりで清算される。第一実施形態では、焼却灰の飛散を防止できる範囲で極力低い10%程度の水分率とされるので、輸送中や積み込み、積み下ろし中に焼却灰が飛散するのを防止できるとともに、処理費用を低く抑えることができる。
第一実施形態においては、湿潤状態の焼却灰をベルトコンベヤ42によって搬送しながら乾燥用ガス(焼却排ガス)を吹込管14から吹き込んで乾燥するようにされているので、焼却灰を効率良く乾燥することができ、焼却灰の処理能力を向上することができる。
第一実施形態において、灰排出装置11を間欠的に稼働するようにして、灰排出装置11から焼却灰を灰搬送装置12へと間欠的に排出するようにし、この間欠的な焼却灰の排出動作に合わせて、灰搬送装置12の搬送動作と、誘引送風機56の誘引作用による吹込管14から焼却灰への乾燥用ガス吹込動作とを連動させるのがよい。こうすることにより、焼却灰の処理能力を一定以上に保ちつつ、省動力化により消費電力を削減することができる。
〔第二実施形態〕
図4は、本発明の第二実施形態に係る焼却灰処理装置の概略システムを示すブロック図である。第二実施形態において、第一の実施形態と同一又は同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第二実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。
第二実施形態の焼却灰処理装置10Bにおいては、水噴射ノズル13によって水が噴射された焼却灰の水分率を測定できるように水噴射ノズル13と吹込管14との間に位置するように湿灰水分計60がケーシング41の上部に設けられている。湿灰水分計60としては、乾灰水分計15と同様に、マイクロ波式水分計や、近赤外線式水分計等を好適に用いることができる。
制御装置16は、第一実施形態で説明した制御、すなわち、ベルトコンベヤ42のコンベヤ速度を制御し、乾灰水分計15によって測定される水分率が後述する第二水分率となるように、吹込管14から吹き出される焼却排ガス(乾燥用ガス)によって乾燥される焼却灰の水分率を制御することだけでなく、流量計53からの測定信号と湿灰水分計60からの測定信号とに基づいて、所定の演算処理を実行し、演算結果に基づく所定の制御信号を流量調節弁52へと送信して、水噴射ノズル13から噴射される水の噴射水量を制御することもできる。第二実施形態の制御装置16は、本発明における「灰搬送制御手段」及び「加水制御手段」に相当する。
以上に述べたように構成される焼却灰処理装置10Bにおいては、水噴射ノズル13によって水が噴射された焼却灰の水分率を湿灰水分計60によって測定する(水分率測定工程)。湿灰水分計60の測定信号は、制御装置16へと送信される。
ここで、ベルトコンベヤ42によって搬送されている焼却灰の量(以下、「搬送灰量」と称する。)をMとし、流量計53によって測定される噴射水量(L/h)をQとし、湿灰水分計60によって測定される水分率(%)をWとした場合、搬送灰量Mは、下記式(1)によって求めることができる。
M = (100 − W) × Q / W ・・・(1)
また、予め設定される焼却灰(湿灰)の目標水分率(%)をWSTとし、焼却灰の実際の水分率(湿灰水分計60の測定水分率W)が目標水分率WSTとなるのに必要な水の噴射水量(以下、「目標噴射水量」と称する。)をQとした場合、目標噴射水量Qは、下記式(2)によって求めることができる。
= WST × M /(100 − WST) ・・・(2)
なお、目標水分率WST(本発明の「第一水分率」に相当する。)は、例えば15%以上30%以下が好ましく、本例では17%程度である。
制御装置16は、湿灰水分計60によって測定される水分率Wと流量計53によって測定される噴射水量Qとを読み込み、上記式(1)により搬送灰量Mを演算する。次いで、制御装置16は、算出された搬送灰量Mに基づいて、上記式(2)により目標噴射水量Qを演算する。そして、制御装置16は、算出された目標噴射水量Qに応じた流量制御信号を流量調節弁52へと送り、流量計53によって測定される水噴射ノズル13からの実際の噴射水量が目標噴射水量Qに一致するように噴射水量を制御する。これにより、ベルトコンベヤ42によって搬送される焼却灰の搬送量が変動したとしても、焼却灰の水分率を目標水分率WSTに確実に近づけることができる。
第二実施形態によっても、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができるのは言うまでもない。さらに、第二実施形態によれば、ベルトコンベヤ42によって搬送されている焼却灰の搬送量に変動があっても、湿灰水分計60によって測定される水分率が第一水分率(本例では、17%程度)となるように制御装置16によって制御されるので、水噴射ノズル13によって水を含ませる焼却灰の水分率を正確に17%程度とすることができ、重金属類の溶出量を確実に基準値未満とすることができる。
〔第三実施形態〕
図5は、本発明の第三実施形態に係る焼却灰処理装置の概略システムを示すブロック図である。第三実施形態において、第一実施形態と同一又は同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第三実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。
第三実施形態の焼却灰処理装置10Cにおいては、第一実施形態の焼却灰処理装置10A(図1参照)における灰排出手段としての灰排出装置11と加水手段としての水噴射ノズル13とに代えて、灰排出手段と加水手段との両方の機能を兼ね備える水封式灰排出装置71が採用されている。
水封式灰排出装置71は、焼却灰を冷却するための冷却水が貯留される冷却水槽72を備えている。冷却水槽72は、互いに平行な側板とこれら側板間底部に配される湾曲状の底板とによって形成され、焼却炉1からの焼却灰を受け入れて、受け入れた焼却灰を槽内の冷却水に漬けることによって焼却灰に水を含ませるとともに焼却灰を冷却する。
冷却水槽72の一端部には、灰出口73が形成されている。冷却水槽72の他端側には、灰押出装置74が配設されている。灰押出装置74は、駆動源となる油圧シリンダ装置の駆動により、冷却水槽72の底部に堆積された焼却灰を灰出口73に向けて押し出すことができるようになっている。
以上に述べたように構成される焼却灰処理装置10Cにおいては、焼却炉1から排出された焼却灰が冷却水槽72内に投入され、冷却水槽72内の冷却水に漬けることによって焼却灰に水を含ませるとともに焼却灰を冷却する(加水工程)。灰押出装置74の駆動により、冷却水槽72の底部に堆積している焼却灰が灰出口73に向けて押し出される。灰出口73に向けて押し出される焼却灰は、灰出口73に到達する途中における冷却水槽72の水面の上方で水切りされる。この水切り後の焼却灰の水分率(本発明の「第一水分率」に相当する。)は、15%以上30%以下が好ましく、本例では25%程度である。
水封式灰排出装置71の灰出口73から押し出された湿潤状態の焼却灰は、灰搬送装置12の投入口43を介してケーシング41の内部に投入され、投入された焼却灰は、ベルトコンベヤ42により排出口44へと搬送される(焼却灰搬送工程)。
上記の焼却灰乾燥工程において、吹込管14は、ベルトコンベヤ42によって搬送されている湿潤状態の焼却灰に対して、誘引送風機56の誘引作用により供給される焼却排ガスを吹き込む(乾燥工程)。これにより、加水工程によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥するとともに、焼却排ガスに含まれるCOを焼却灰に接触させる。
<乾灰水分率測定工程>
乾灰水分計15は、乾燥工程にて乾燥された焼却灰の水分率を測定する。乾灰水分計15の測定信号は、制御装置16へと送信される。
焼却灰処理装置10Cにおいても、乾燥工程が施された焼却灰の実際の水分率(乾灰水分計15の測定水分率W)が目標水分率WKTに一致するように、ベルトコンベヤ42のコンベヤ速度を制御する。こうして、焼却灰の水分率を正確に目標水分率WKT(10%程度)へと近づけることができる。
上記のように、第三実施形態においても、加水工程と乾燥工程とが実施される。加水工程は、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率(例えば、25%程度)となるように焼却灰に水を含ませる。これにより、重金属類の溶出量を基準値未満とすることができる。一方、乾燥工程は、焼却灰が飛散しない第二水分率(例えば、10%程度)となるように加水工程によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥する。これにより、焼却灰が飛散するのを防ぐことができる。従って、第三実施形態によっても、第一実施形態と同様に、作業環境やハンドリングに悪影響を及ぼすことなく、重金属類の溶出を基準値未満に抑制することができる。
第三実施形態において、水封式灰排出装置71における灰押出装置74を間欠的に稼働するようにして、水封式灰排出装置71から灰搬送装置12へと焼却灰を間欠的に排出するようにし、この間欠的な焼却灰の排出動作に合わせて、灰搬送装置12の搬送動作と、誘引送風機56の誘引作用による吹込管14から焼却灰への乾燥用ガス吹込動作とを連動させるのがよい。こうすることにより、焼却灰の処理能力を一定以上に保ちつつ、省動力化により消費電力を削減することができる。
以上、本発明の焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法について、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。具体的な別実施形態は以下のとおりである。
(別実施形態1)
上記各実施形態では、乾灰水分計15の測定値に基づいてベルトコンベヤ42のコンベヤ速度を制御することにより、乾燥工程での焼却灰の水分率を制御するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、焼却灰に対して吹込管14を介して吹き込む乾燥用ガスを加熱するための加熱装置を別途設け、乾灰水分計15の測定値に基づいて、その加熱装置での加熱温度や、加熱時間等を制御することにより、乾燥工程での焼却灰の水分率を制御するようにしてもよい。なお、加熱装置としては、例えば、焼却炉施設内の例えばボイラ2等で生成した蒸気や温水を熱源として熱交換器により乾燥用ガスを加熱する構成のものや、バグフィルタ5等の排ガス処理装置を経た焼却排ガス等を熱源として熱交換器により乾燥用ガスを加熱する構成のもの等が挙げられる。
(別実施形態2)
上記第一、第二実施形態において、必要に応じて、重金属類溶出防止薬剤添加工程を実施してもよい。すなわち、水供給源30から圧送される水に重金属類溶出防止薬剤(キレート剤)を混合し、水とキレート剤との混合液を水噴射ノズル13から噴射することにより、焼却灰にキレート剤を付着させる。これにより、上記の重金属類の難溶性化処理と、キレート剤による重金属類の安定化処理との相乗効果によって焼却灰からの重金属類の溶出をより確実に防ぐことができる。なお、焼却灰に対する焼却排ガスの添加と、キレート剤の添加とを組み合わせることにより、焼却灰に対して焼却排ガスの添加を行わずにキレート剤のみを添加する場合と比較して、キレート剤の添加量を低減することができる。
(別実施形態3)
上記各実施形態においては、焼却灰を搬送するベルトコンベヤ42の全体を収容可能なケーシング41に吹込管14を設ける例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図1、図4及び図5において符号80を付した二点鎖線で示されるように、ベルトコンベヤ42の一部分を覆うフード80を設け、このフード80に吹込管14を設けるようにしてもよい。
本発明の焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法は、都市ごみや産業廃棄物を焼却炉で焼却した際に発生する焼却灰に含まれる重金属類の溶出を抑制する用途において利用可能である。
10A〜10C 焼却灰処理装置
11 灰排出装置(灰排出手段)
12 灰搬送装置(灰搬送手段)
13 水噴射ノズル(加水手段)
14 吹込管(乾燥手段)
15 乾灰水分計(乾灰水分率測定手段)
16 制御装置(灰搬送制御手段、加水制御手段)
60 湿灰水分計(湿灰水分率測定手段)
71 水封式灰排出装置
72 冷却水槽(加水手段)
74 灰押出装置(灰排出手段)

Claims (7)

  1. 焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように焼却灰に水を含ませる加水手段と、
    焼却灰の飛散防止を目的に定められる第二水分率となるように前記加水手段によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥する乾燥手段と、
    を備える焼却灰処理装置。
  2. 前記加水手段によって湿潤状態とされた焼却灰を搬送する灰搬送手段を備え、
    前記灰搬送手段によって焼却灰を搬送しながら前記乾燥手段によって乾燥するように構成される請求項1に記載の焼却灰処理装置。
  3. 前記乾燥手段によって乾燥される焼却灰の水分率を測定する乾灰水分率測定手段と、
    前記乾灰水分率測定手段によって測定される水分率が前記第二水分率となるように前記灰搬送手段を制御する灰搬送制御手段と、
    を備える請求項2に記載の焼却灰処理装置。
  4. 前記加水手段によって湿潤状態とされた焼却灰の水分率を測定する湿灰水分率測定手段と、
    前記湿灰水分率測定手段によって測定される水分率が前記第一水分率となるよう前記加水手段を制御する加水制御手段と、
    を備える請求項1〜3の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
  5. 焼却灰を前記灰搬送手段へと間欠的に排出する灰排出手段を備え、
    前記灰排出手段の間欠的な焼却灰の排出動作に合わせて、前記灰搬送手段の搬送動作と、前記乾燥手段の乾燥動作とを連動させるように構成される請求項2〜4の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
  6. 前記第一水分率は、15〜30%であり、前記第二水分率は、10〜15%である請求項1〜5の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
  7. 焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように焼却灰に水を含ませる加水工程と、
    焼却灰の飛散防止を目的に定められる第二水分率となるように前記加水工程によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥する乾燥工程と、
    を包含する焼却灰処理方法。
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