JP2022084308A - 焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法 - Google Patents

焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法 Download PDF

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Shigetoshi Takahashi
弘樹 藤平
Hiroki Fujihira
健一 宍田
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Abstract

【課題】焼却灰の体積充填率の変動に影響されずに、焼却灰の水分率を精度良く計測することができ、これによって焼却灰の水分率を正確に調整することができる焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法を提供する。【解決手段】灰搬送装置12によって搬送される焼却灰に対して加水する焼却灰処理装置10Aであって、焼却灰に水を加える水噴射ノズル13と、焼却灰にマイクロ波を照射し当該マイクロ波の振幅変化と位相差との比に基づいて焼却灰の水分率を計測する非接触式水分計75と、非接触式水分計75によって計測された水分率に基づいて、水噴射ノズル13を制御する制御手段とを備えるものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、灰搬送手段によって搬送される焼却灰に対し加水手段で加水する、又は加水手段で加水した後に乾燥手段で乾燥する焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法に関する。
焼却炉から排出される焼却灰には、まだ燃えているごみが含まれることがあるため、焼却灰を冷却し、完全に消火してから場外に搬出する必要がある。焼却灰の主成分は、酸化ケイ素、酸化カルシウム、及びアルミナであり、土木資源等に有効利用し得る性状を有している。ところが、焼却灰には、微量成分として鉛をはじめとする有害重金属類が含まれており、これらが溶出することがあることから、焼却灰の有効利用の障害となっている。
特許文献1には、搬送中の焼却灰に加水することにより、焼却灰を冷却・消火するとともに、エージング効果を利用して焼却灰からの重金属類の溶出を抑制する技術が開示されている。
特許文献1に係る技術では、搬送される焼却灰に含まれる水分率を水分計により計測し、取得した計測値に基づいて、焼却灰に対する加水動作を制御するようにされている。水分計としては、搬送される焼却灰に対して非接触でその焼却灰の水分率を連続的に計測できるものが用いられている。用いられる水分計としては、焼却灰に照射したマイクロ波の減衰の電気的変化量を水分値に置き換えて水分率を計測する減衰式のマイクロ波水分計や、焼却灰に照射された近赤外線を含む光の反射率から水分率を計測する近赤外線水分計が例示されている。
特許第6738949号公報
特許文献1で開示されている減衰式のマイクロ波水分計では、搬送される焼却灰の体積充填率(灰と空気等との混合率)が変動した場合、計測値が変化してしまい、焼却灰の水分率を精度良く計測することができないという問題がある。また、近赤外線水分計では、搬送される焼却灰の表面のみでの計測値であり、正確性に欠けるという問題がある。焼却灰の処理において、重金属類の溶出抑制等を目的として、焼却灰の水分率を正確に調整するためには、焼却灰の体積充填率の変動に影響されずに、焼却灰の水分率を精度良く計測することが求められる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、焼却灰の体積充填率の変動に影響されずに、焼却灰の水分率を精度良く計測することができ、これによって焼却灰の水分率を正確に調整することができる焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る焼却灰処理装置の特徴構成は、
灰搬送手段によって搬送される焼却灰に対して加水する焼却灰処理装置であって、
焼却灰に水を加える加水手段と、
焼却灰に電磁波を照射し当該電磁波の振幅変化と位相差との比に基づいて焼却灰の水分率を計測する非接触式水分計と、
前記非接触式水分計によって計測された水分率に基づいて、前記加水手段を制御する制御手段と、
を備えることにある。
計測対象(灰搬送手段によって搬送される焼却灰)の体積充填率(焼却灰と空気等との混合率)の変化は、電磁波の振幅変化(減衰量)と位相差(位相遅れ)との比(振幅変化/位相差)として検出される。そこで、計測対象の体積充填率を変えて電磁波の振幅変化と位相差とを測定しプロットすれば一直線上に並ぶこととなり、この直線の式の傾きは計測対象の体積充填率の変化に影響されない。従って、予め既知の種々の水分率の値の焼却灰を、各水分率で体積充填率を変えて電磁波の振幅変化と位相差とを測定し、各水分率における直線の式の傾きを求め、更に、前記傾きと水分率との関係を予め求めておく。次に、計測対象に、電磁波を照射し、計測対象を透過した電磁波の振幅変化と位相差とを測定し、振幅変化と位相差との傾き(比)を求め、求めた傾きの値を予め求めておいた傾きと水分率との関係にあてはめれば、計測対象の体積充填率の変化に影響されずに、焼却灰の水分率を正確に求めることができる。
本構成の焼却灰処理装置によれば、焼却灰に電磁波を照射し当該電磁波の振幅変化と位相差との比に基づいて焼却灰の水分率を計測する非接触式水分計を備えるので、焼却灰の体積充填率の変動に影響されずに、焼却灰の水分率を精度良く計測することができる。そして、非接触式水分計で精度良く計測された焼却灰の水分率に基づいて、制御手段により加水手段が制御されるので、焼却灰の水分率を正確に調整することができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記加水手段で加水した焼却灰を乾燥する乾燥手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記非接触式水分計によって計測された水分率に基づいて、前記乾燥手段を制御することが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、加水手段で加水した焼却灰を乾燥する乾燥手段をさらに備え、制御手段により乾燥手段が制御されるので、湿潤状態の焼却灰の水分率をより正確に調整することができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記灰搬送手段は、
焼却灰を収容するケーシングと、
前記ケーシングに設けられた開口部に装着される電磁波透過部材と、
を備え、
前記電磁波透過部材を通して前記ケーシング内の焼却灰に電磁波が照射されるように構成されていることが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、搬送される焼却灰を収容するケーシングに開口部が設けられ、この開口部に装着される電磁波透過部材を通してケーシング内の焼却灰に電磁波が照射されるように構成されている。このような構成により、焼却灰の搬送中にその焼却灰から舞い上がった粉塵等が、非接触式水分計における電磁波の発信部及び受信部に付着するのを電磁波透過部材によって防ぐことができる。従って、電磁波の発信・受信不良を未然に防ぐことができ、正確な計測値を長期に亘って安定的に得ることができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記非接触式水分計は、焼却灰を透過した電磁波によって焼却灰の水分率を計測する透過式の非接触式水分計であることが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、焼却灰を透過した電磁波によって焼却灰の水分率を計測する透過式の非接触式水分計を採用することにより、焼却灰との間に空気層が存在したとしても、焼却灰の水分率を正確に計測することができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記非接触式水分計は、焼却灰を透過し、且つ反射した電磁波によって焼却灰の水分率を計測する反射式の非接触式水分計であることが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、焼却灰を透過し、且つ反射した電磁波によって焼却灰の水分率を計測する反射式の非接触式水分計を採用することにより、電磁波を受信するためだけの受信部を別途設ける必要がなくなるため、構造をより簡素化することができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記電磁波透過部材における前記ケーシング内の焼却灰に対向する側の表面に結露が発生するのを防止する結露防止手段を備えることが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、電磁波透過部材におけるケーシング内の焼却灰に対向する側の表面に結露が発生するのを結露防止手段によって防止することができるので、水滴の影響に起因する計測誤差が生じるのを未然に防ぐことができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記電磁波透過部材における前記ケーシング内の焼却灰に対向する側の表面に付着した水滴を除去する水滴除去手段を備えることが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、電磁波透過部材におけるケーシング内の焼却灰に対向する側の表面に、焼却灰に含まれる水分に由来する水滴が付着したとしても、水滴付着防止手段によってその水滴を除去することができる。従って、水滴の影響に起因する計測誤差が生じるのを未然に防ぐことができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記電磁波透過部材は、撥水性を有することが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、電磁波透過部材は、撥水性を有する。これにより、電磁波透過部材におけるケーシング内の焼却灰に対向する側の表面に結露が生じたとしても、水滴となって直ちに弾かれて、そのまま電磁波透過部材の表面に付着するのを抑制することができる。従って、水滴の影響に起因する計測誤差を抑制することができる。
本発明に係る焼却灰処理装置において、
前記非接触式水分計は、
前記加水手段によって加水処理された焼却灰の水分率を計測する第一非接触式水分計と、
前記加水手段で加水処理された後に前記乾燥手段によって乾燥処理された焼却灰の水分率を計測する第二非接触式水分計と、
を含み、
前記制御手段は、前記第一非接触式水分計によって計測される水分率が、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように前記加水手段を制御するとともに、前記第二非接触式水分計によって計測される水分率が、焼却灰の飛散防止を目的に前記第一水分率よりも低く定められる第二水分率となるように前記乾燥手段を制御することが好ましい。
本構成の焼却灰処理装置によれば、制御手段は、加水手段によって加水処理された焼却灰の水分率を計測する第一非接触式水分計によって計測される水分率が、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように加水手段を制御する。これにより、重金属類の溶出量を基準値未満とすることができる。また、制御手段は、加水手段で加水処理された後に乾燥手段によって乾燥処理された焼却灰の水分率を計測する第二非接触式水分計によって計測される水分率が、焼却灰の飛散防止を目的に第一水分率よりも低く定められる第二水分率となるように乾燥手段を制御する。これにより、焼却灰が飛散するのを防ぐことができる。焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように焼却灰に水を含ませた後に、焼却灰の飛散防止を目的に定められる第二水分率となるように焼却灰を乾燥したとしても、重金属類の溶出量は焼却灰の水分率が第二水分率のときの重金属類溶出量まで増加することなく、焼却灰の水分率が第一水分率のときの重金属類溶出量が維持される。従って、作業環境やハンドリングに悪影響を及ぼすことなく、重金属類の溶出を基準値未満に抑制することができる。
次に、上記課題を解決するための本発明に係る焼却灰処理方法の特徴構成は、
搬送される焼却灰に対して加水する加水工程と、
焼却灰に電磁波を照射し当該電磁波の振幅変化と位相差との比に基づいて焼却灰の水分率を計測する水分率計測工程と、
前記水分率計測工程で計測される水分率に基づいて、前記加水工程での焼却灰に対する加水動作を制御する加水制御工程と、
を包含することにある。
本構成の焼却灰処理方法によれば、搬送される焼却灰に対して加水する加水工程と、焼却灰に電磁波を照射し当該電磁波の振幅変化と位相差との比に基づいて焼却灰の水分率を計測する水分率計測工程と、水分率計測工程で計測される水分率に基づいて、加水工程での焼却灰に対する加水動作を制御する加水制御工程とを包含する。これにより、焼却灰の体積充填率の変動に影響されずに、焼却灰の水分率を精度良く計測することができる。そして、水分率計測工程で計測される水分率に基づいて、加水工程での焼却灰に対する加水動作を制御する加水制御工程が行われるので、焼却灰の水分率を正確に調整することができる。
本発明に係る焼却灰処理方法において、
前記加水工程で加水した焼却灰を乾燥する乾燥工程と、
前記水分率計測工程で計測される水分率に基づいて、前記乾燥工程での焼却灰に対する乾燥動作を制御する乾燥制御工程と、
をさらに包含することが好ましい。
本構成の焼却灰処理方法によれば、加水工程で加水した焼却灰を乾燥する乾燥工程が行われ、水分率計測工程で計測される水分率に基づいて、乾燥工程での焼却灰に対する乾燥動作を制御する乾燥制御工程が行われる。これにより、湿潤状態の焼却灰の水分率をより正確に調整することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る焼却灰処理装置の概略構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の第一実施形態に係る焼却灰処理装置において用いられる灰排出装置の概略構造を示す模式図で、(a)はプッシャー式灰排出装置、(b)はスクリュー式灰排出装置、(c)は二重ダンパ式灰排出装置である。 図3は、図1(図8、図10)のA-A線切断端面図である。 図4は、本発明の第一実施形態に係る焼却灰処理装置に設けられた灰搬送装置の他の構造を示す模式図である。 図5は、灰搬送装置に装備される結露防止及び水滴除去に関わる機器を例示する図であり、(a)はヒーター、(b)はワイパー装置、(c)及び(d)はエア吹出装置である。 図6は、本発明の第一実施形態に係る焼却灰処理装置の制御システムを模式的に示し、(a)は概略構成を示すブロック図、(b)は機能ブロック図である。 図7は、マイクロ波の振幅位相比と公定法水分率(乾燥重量法)との相関関係を示すグラフである。 図8は、本発明の第二実施形態に係る焼却灰処理装置の概略構成を示すブロック図である。 図9は、環境庁告示第13号試験による焼却灰に含まれる重金属類(鉛)の溶出量と焼却灰の水分率との関係の一例を示すグラフである。 図10は、本発明の第三実施形態に係る焼却灰処理装置の概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることは意図しない。
〔第一実施形態〕
<全体構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る焼却灰処理装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、焼却炉1は、例えば都市ごみや産業廃棄物等を焼却処理するものである。焼却炉1の焼却排ガス流れの下流側には、ボイラ2、エコノマイザ3、減温塔4、バグフィルタ5、誘引送風機6、及び煙突7がそれぞれ順に配設されている。焼却炉1での焼却処理に伴い発生した焼却排ガスは、誘引送風機6の誘引作用により、ボイラ2、エコノマイザ3、減温塔4、及びバグフィルタ5にそれぞれ順に送り込まれる。
ボイラ2では、焼却排ガスの熱を利用して蒸気を発生させ、エコノマイザ3では、ボイラ2に供給する水を焼却排ガスの余熱を利用して加熱する。減温塔4では、エコノマイザ3からの焼却排ガスを所定温度まで冷却する。バグフィルタ5では、冷却後の焼却排ガスに含まれるダスト等を除去する。そして、ダスト等が除去された後の焼却排ガスは、誘引送風機6により煙突7を介して外部に排出される。なお、バグフィルタ5において除塵された後の焼却排ガス中には、5~20体積%のCO(温度:80~160℃)が含まれている。
図1に示す焼却灰処理装置10Aは、灰排出手段としての灰排出装置11と、灰搬送手段としての灰搬送装置12と、加水手段としての水噴射ノズル13とを備えている。
<灰排出装置>
灰排出装置11は、焼却炉1から排出された焼却灰を一旦貯留し必要に応じて焼却灰を間欠的に排出するものである。図2は、本発明の第一実施形態に係る焼却灰処理装置において用いられる灰排出装置の概略構造を示す模式図で、(a)はプッシャー式灰排出装置、(b)はスクリュー式灰排出装置、(c)は二重ダンパ式灰排出装置である。灰排出装置11としては、例えば、図2(a)~(c)に示すような、プッシャー式灰排出装置21や、スクリュー式灰排出装置22、二重ダンパ式灰排出装置23等を用いることができ、これらの中から適宜に選択される。
図2(a)に示すプッシャー式灰排出装置21は、焼却炉1からの焼却灰を貯留する焼却灰貯留部31と、この焼却灰貯留部31に貯留されている焼却灰を下部から順に押し出して排出する灰押出装置32とを備えて構成されるものである。また、図2(b)に示すスクリュー式灰排出装置22は、焼却炉1からの焼却灰を受入可能なトラフ33と、トラフ33内に配設される軸付スクリュー羽根34とを備え、軸付スクリュー羽根34を回転させることにより、トラフ33内の焼却灰を軸付スクリュー羽根34によって下流側へと押し出して排出するように構成されるものである。また、図2(c)に示す二重ダンパ式灰排出装置23は、焼却炉1の排出口に設けられるシュート35の内部で上下に配置される上側ダンパ36、及び下側ダンパ37を備え、上下のダンパ36,37上に堆積された焼却灰を落下させる動作を上下のダンパ36,37が交互に行って段階的に焼却灰を落下させて排出するように構成されるものである。
<灰搬送装置>
次に、上記の灰排出装置11によって排出される焼却灰を搬送する灰搬送装置12について説明する。図1に示すように、灰搬送装置12としては、ベルトコンベヤ式灰搬送装置が採用されている。この灰搬送装置12は、ケーシング40と、ケーシング40内に配設されるベルトコンベヤ42とを備えて構成されている。
[ケーシング]
ケーシング40は、搬送方向に延びる四角筒状のケーシング本体41を備え、ケーシング本体41の搬送方向上流側端部に、上方に開口された投入口43が設けられ、ケーシング本体41の搬送方向下流側端部に、下方に開口された排出口44が設けられてなるものである。投入口43には、灰排出装置11から排出された焼却灰が投入される。排出口44からは、ベルトコンベヤ42によって搬送される焼却灰が排出される。
[ベルトコンベヤ]
ベルトコンベヤ42は、搬送方向に所定間隔を存して配設される駆動輪45及び従動輪46と、これら駆動輪45及び従動輪46に巻き掛け装着される無端ベルト47と、駆動輪45を駆動する駆動モータ48とを備えている。ベルトコンベヤ42においては、駆動モータ48の作動にて駆動輪45が駆動され、駆動輪45の駆動にて周回運動する無端ベルト47により、ケーシング40の投入口43を通して無端ベルト47上に落下した図1中記号Mで示す焼却灰をケーシング40の排出口44へと搬送することができるようになっている。なお、排出口44から排出された焼却灰は、焼却灰貯留設備49において貯留される。
第一実施形態では、灰搬送装置12として、ベルトコンベヤ式灰搬送装置を採用した例を示したが、これに限定されるものではなく、フライトコンベヤ式灰搬送装置を採用してもよい。フライトコンベヤ式灰搬送装置については、図示による詳細説明は省略するが、簡単に説明すると以下の通りである。
フライトコンベヤ式灰搬送装置は、上記のケーシング40と同構造のケーシング内にフライトコンベヤが配設されて構成されている。フライトコンベヤは、搬送方向に所定間隔を存して配設される駆動輪及び従動輪と、これら駆動輪及び従動輪に巻き掛け装着される無端チェーンと、ケーシングの底板に対し近接して移動可能となるように無端チェーンに所定間隔で取り付けられる複数のスクレーパと、駆動輪を駆動する駆動モータとを備えている。このフライトコンベヤにおいては、駆動モータの作動にて無端チェーンが周回運動し、無端チェーンに取り付けられたスクレーパによってケーシングの底板上に堆積した焼却灰を掻き取ってケーシングの排出口へと搬送することができるようになっている。
<水噴射ノズル>
水噴射ノズル13は、ベルトコンベヤ42によって搬送される焼却灰に対し水を噴射して焼却灰に水を含ませるものである。水噴射ノズル13は、灰搬送装置12の搬送方向上流側領域における焼却灰に対して水を均等に添加(噴射)できるようにケーシング40の上部に複数設けられている(説明の都合上、図においては1個のみ示す。)。
水噴射ノズル13は、水供給源50に水供給管51を介して接続されている。こうして、水噴射ノズル13には、水供給源50から圧送される水が水供給管51を介して供給される。水供給管51には、水噴射ノズル13へと流れる水の流量を調節できるように流量調節弁52が介設されている。また、水供給管51には、水噴射ノズル13へと流れる水の流量を測定することができるように流量計53が介設されている。
<電磁波透過部材>
図3は、図1のA-A線切断端面図である。図3に示すように、ケーシング本体41は、上下方向に対向配置される天板61及び底板62と、左右方向に対向配置される左側板63及び右側板64とを有している。ケーシング本体41の天板61及び底板62には、無端ベルト47上の図3中記号Mで示す焼却灰を挟んで互いに対向する位置に一対の開口部70が形成されている。各開口部70には、ケーシング本体41の内面と面一となるように板状の電磁波透過部材71が装着されている。電磁波透過部材71は、周波数が300MHzから300GHz程度(波長:1mから1mm程度)の電磁波であるマイクロ波が透過可能な耐食性を有する素材から構成されている。電磁波透過部材71を構成する素材としては、マイクロ波が透過可能で耐食性を有していれば特に限定されるものではないが、耐食性を有する樹脂が好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等が挙げられ、これらのうち、特に、テフロン(登録商標)の商品名で知られるポリテトラフルオロエチレン樹脂が好ましい。
<非接触式水分計>
ケーシング本体41には、水噴射ノズル13(図1参照)の下流側に位置するように非接触式水分計75が配設されている。非接触式水分計75は、ケーシング本体41内でベルトコンベヤ42により搬送される焼却灰にマイクロ波を照射して当該焼却灰の水分率を計測する透過式の非接触式水分計である。透過式の非接触式水分計75を採用することにより、焼却灰との間に空気層が存在したとしても、焼却灰の水分率を正確に計測することができる。
非接触式水分計75は、マイクロ波発信部75aと、マイクロ波受信部75bと、後述する演算部110(図6(b)参照)とを有している。マイクロ波発信部75aは、ケーシング本体41の天板61に装着された電磁波透過部材71の背面側に配設されている。マイクロ波受信部75bは、ケーシング本体41の底板62に装着された電磁波透過部材71の背面側に配設されている。マイクロ波発信部75aから発信されたマイクロ波は、ケーシング本体41の天板61に装着された電磁波透過部材71を通して無端ベルト47上の図3中記号Mで示す焼却灰に照射される。照射されたマイクロ波は、無端ベルト47上の焼却灰を透過するとともに、無端ベルト47を透過し、ケーシング本体41の底板62に装着された電磁波透過部材71を通してマイクロ波受信部75bに受信される。演算部110(図6(b)参照)は、マイクロ波受信部75bで受信されたマイクロ波に基づいて、無端ベルト47によって搬送される焼却灰の水分率を算出する。
図4は、本発明の第一実施形態に係る焼却灰処理装置に設けられた灰搬送装置の他の構造を示す模式図である。図3に示すような灰搬送装置12の構造に限定されるものではなく、図4(a)~(c)に示すような灰搬送装置12の構造を採用してもよい。なお、以下の図4(a)~(c)に示す灰搬送装置12の構造の説明において、図3に示す灰搬送装置12の構造と同一又は同様のものについては、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略し、以下においては、図3に示す灰搬送装置12の構造と異なる部分を中心に説明することとする。
図4(a)に示す灰搬送装置12おいては、ケーシング本体41内で無端ベルト47によって搬送される図4(a)中記号Mで示す焼却灰を透過し、且つ反射した電磁波によって焼却灰の水分率を計測する反射式の非接触式水分計78が採用されている。非接触式水分計78は、マイクロ波発信部及びマイクロ波受信部の機能を兼ね備えたマイクロ波発信・受信部78aと演算部110(図6(b)参照)とを有している。ケーシング本体41の天板61には、無端ベルト47上の図4(a)中記号Mで示す焼却灰の上方に位置するように開口部70が形成されている。開口部70には、ケーシング本体41の内面と面一となるように板状の電磁波透過部材71が装着されている。マイクロ波発信・受信部78aは、ケーシング本体41の天板61に装着された電磁波透過部材71の背面側に配設されている。マイクロ波発信・受信部78aから発信されたマイクロ波は、ケーシング本体41の天板61に装着された電磁波透過部材71を通して無端ベルト47上の図4(a)中記号Mで示す焼却灰に照射される。照射されたマイクロ波は、無端ベルト47上の焼却灰を透過し、焼却灰と無端ベルト47との境界で反射し、無端ベルト47上の焼却灰を再度通過して、マイクロ波発信・受信部78aに受信される。演算部110(図6(b)参照)は、マイクロ波発信・受信部78aで受信されたマイクロ波に基づいて、無端ベルト47上の焼却灰の水分率を算出する。反射式の非接触式水分計78を採用することにより、図3に示す灰搬送装置12において設けられているマイクロ波受信部75bを別途設ける必要がなくなるため、底板62に開口部70や電磁波透過部材71等を設けなくて済み、構造をより簡素化することができる。
図4(b)に示す灰搬送装置12において、ケーシング本体41の上部は開放されている。一対の開口部70は、無端ベルト47上の図4(b)中記号Mで示す焼却灰を挟んで互いに対向するようにケーシング本体41の左側板63及び右側板64に形成されている。各開口部70には、ケーシング本体41の内面と面一となるように板状の電磁波透過部材71が装着されている。マイクロ波発信部75aは、ケーシング本体41の左側板63に装着された電磁波透過部材71の背面側に配設されている。マイクロ波受信部75bは、ケーシング本体41の右側板64に装着された電磁波透過部材71の背面側に配設されている。マイクロ波発信部75aから発信されたマイクロ波は、ケーシング本体41の左側板63に装着された電磁波透過部材71を通して無端ベルト47上の図4(b)中記号Mで示す焼却灰に照射される。照射されたマイクロ波は、無端ベルト47上の焼却灰を透過し、ケーシング本体41の右側板64に装着された電磁波透過部材71を通してマイクロ波受信部75bに受信される。演算部110(図6(b)参照)は、マイクロ波受信部75bで受信されたマイクロ波に基づいて、無端ベルト47によって搬送される焼却灰の水分率を算出する。
図4(c)に示す灰搬送装置12においても、ケーシング本体41の上部は開放されている。図4(c)に示す灰搬送装置12では、反射式の非接触式水分計78が採用されている。開口部70は、ベルトコンベヤ上の図4(c)中記号Mで示す焼却灰に対向するようにケーシング本体41の右側板64に形成されている。開口部70には、ケーシング本体41の内面と面一となるように板状の電磁波透過部材71が装着されている。マイクロ波発信・受信部78aは、ケーシング本体41の右側板64に装着された電磁波透過部材71の背面側に配設されている。マイクロ波発信・受信部78aから発信されたマイクロ波は、ケーシング本体41の右側板64に装着された電磁波透過部材71を通して無端ベルト47上の図4(c)中記号Mで示す焼却灰に照射される。照射されたマイクロ波は、無端ベルト47上の焼却灰を透過し、ケーシング本体41の左側板63で反射し、無端ベルト47上の焼却灰を再度通過して、マイクロ波発信・受信部78aに受信される。演算部110(図6(b)参照)は、マイクロ波発信・受信部78aで受信されたマイクロ波に基づいて、無端ベルト47上の焼却灰の水分率を算出する。
なお、図3に示す灰搬送装置12において、マイクロ波発信部75aとマイクロ波受信部75bとの配置を上下方向に入れ替えてもよい。図4(a)に示す灰搬送装置12において、電磁波透過部材71及びマイクロ波発信・受信部78aを、ケーシング本体の底板62に配置してもよい。図4(b)に示す灰搬送装置12において、マイクロ波発信部75aとマイクロ波受信部75bとの配置を左右方向に入れ替えてもよい。図4(c)に示す灰搬送装置12において、電磁波透過部材71及びマイクロ波発信・受信部78aを、ケーシング本体の左側板63に配置してもよい。
また、灰搬送装置12において、マイクロ波発信部75a及びマイクロ波受信部75bの何れか一方を左側板63又は右側板64に配置し、何れか他方を右側板64又は左側板63に配置する場合や、マイクロ波発信・受信部78aを左側板63又は右側板64に配置する場合、図4(b)及び(c)に示すような、ケーシング本体41の上部が開放されている構造に限定されるものではなく、図3に示すような、ケーシング本体41の上部が開放されていない構造、すなわちケーシング本体41の上部を天板61で塞いだような構造であってもよい。
図5は、灰搬送装置に装備される結露防止及び水滴除去に関わる機器を例示する図であり、(a)はヒーター、(b)はワイパー装置、(c)及び(d)はエア吹出装置である。以下においては、ケーシング本体41の天板61に装着される電磁波透過部材71の結露防止及び水滴除去に関わる機器を代表例として説明するが、ケーシング本体41の底板62に装着される電磁波透過部材71(図3参照)や、左側板63に装着される電磁波透過部材71(図4(b)参照)、右側板64に装着される電磁波透過部材71(図4(b)及び(c)参照)についても、同様に結露防止及び水滴除去に関わる機器を適用することができる。
<ヒーター>
図5(a)に示すヒーター81は、電磁波透過部材71におけるケーシング40(ケーシング本体41)内の焼却灰に対向する側の表面71aに結露が発生するのを防止する結露防止手段、及び電磁波透過部材71の表面71aに付着した水滴を除去する水滴除去手段として機能する。ヒーター81は、電磁波透過部材71におけるマイクロ波が通過しない領域に貼着又は組み込まれる電熱線82を備え、図示されない電源ユニットの電熱線82に対する通電を制御することにより、電磁波透過部材71の表面を露点より高い温度に保って結露が発生するのを防止したり、電磁波透過部材71の表面に水滴が付着したときに、水滴を乾燥させて除去したりすることができるように構成されている。
<ワイパー装置>
図5(b)に示すワイパー装置85は、電磁波透過部材71の表面71aに付着した水滴を除去する水滴除去手段として機能する。ワイパー装置85は、ケーシング本体41の天板61の内側面に取り付けられる装置本体86と、電磁波透過部材71の表面71aに沿って揺動自在に装置本体86に取り付けられる払拭部材87とを備え、装置本体86に内蔵された電動モータ(図示省略)の作動により払拭部材87を揺動駆動することにより、電磁波透過部材71の表面71aに付着した水滴を払拭部材87で払拭できるように構成されている。
<エア吹出装置>
図5(c)及び(d)に示すエア吹出装置91,91´は、電磁波透過部材71の表面71aに結露が発生するのを防止する結露防止手段、及び電磁波透過部材71の表面71aに付着した水滴を除去する水滴除去手段として機能する。
図5(c)に示すエア吹出装置91は、図示されない圧縮エア供給源からの圧縮空気を電磁波透過部材71の表面71aに沿って吹き出すエア吹出ノズル92を備えて構成されている。エア吹出装置91においては、焼却灰由来の水蒸気が電磁波透過部材71の表面近傍に滞留しないように、エア吹出ノズル92から圧縮空気を常時吹き出して電磁波透過部材71の表面71aに沿ってエアカーテンを形成することにより、電磁波透過部材71の表面71aに結露が発生するのを防止することができる。また、エア吹出装置91においては、電磁波透過部材71の表面71aに水滴が付着したときに、エア吹出ノズル92から圧縮空気を吹き出すことにより、電磁波透過部材71の表面71aに付着した水滴を吹き飛ばして除去することができる。
図5(d)に示すエア吹出装置91´は、図示されない圧縮エア供給源からの圧縮空気を電磁波透過部材71の表面71aに向けて吹き出すエア吹出ノズル92´を備えて構成されている。エア吹出装置91´においては、エア吹出ノズル92´から圧縮空気を電磁波透過部材71の表面71aに向けて直接的に吹き出すことにより、電磁波透過部材71の表面71aに結露が発生するのを防止することができる。また、エア吹出装置91´においては、電磁波透過部材71の表面71aに水滴が付着したときに、エア吹出ノズル92´から圧縮空気を電磁波透過部材71の表面71aに向けて直接的に吹き出すことにより、電磁波透過部材71の表面71aに付着した水滴を確実に吹き飛ばして除去することができる。
図5(a)~(d)に示す結露防止及び水滴除去に関わる機器のうちから一又は複数を適宜に選択して採用することにより、水滴の影響に起因する水分率の計測誤差が生じるのを未然に防ぐことができる。
<撥水加工>
図3において、電磁波透過部材71における表面71aの近傍部分の拡大図に示すように、電磁波透過部材71の表面71aには、撥水加工が施されるのが好ましい。撥水加工としては、例えば、電磁波透過部材71の表面71aに、フッ素樹脂やシリコーン等による被膜95を形成することが挙げられる。このように、電磁波透過部材71の表面71aに撥水加工を施すことで電磁波透過部材71が撥水性を備えることにより、電磁波透過部材71の表面71aに結露が生じたとしても、水滴となって直ちに弾かれて、そのまま電磁波透過部材71の表面71aに付着するのを抑制することができる。また、電磁波透過部材71の表面71aに水滴が付着していても、撥水加工の効果により、水滴の付着力は弱いため、ワイパー装置85やエア吹出装置91,91´を用いて容易、且つ確実に水滴を除去することができる。従って、水滴の影響に起因する計測誤差を抑制することができる。
図6は、本発明の第一実施形態に係る焼却灰処理装置の制御システムを模式的に示し、(a)は概略構成を示すブロック図、(b)は機能ブロック図である。焼却灰処理装置10Aは、図6(a)に示すような制御システム100を備えている。図6(a)に示す制御システム100は、CPU101aやメモリ101b、I/Oポート101c等を内蔵するマイクロコンピュータを主体に構成される制御装置101と、制御装置101に信号伝達可能に接続される各種機器102とを備えて構成されている。各種機器102としては、駆動モータ48、流量調節弁52、流量計53、マイクロ波発信部75a、マイクロ波受信部75b、マイクロ波発信・受信部78a等が挙げられる。
制御装置101において、メモリ101bには、所定のアルゴリズムに従って作成された所定プログラム等や、マイクロ波発信部75a(マイクロ波発信・受信部78a,108a)から発信されたマイクロ波に対するマイクロ波受信部75b(マイクロ波発信・受信部78a)で受信されたマイクロ波に関する、図7に示すような、振幅変化と位相差との比(振幅位相比)と、公定法水分率(乾燥重量法)との正の相関関係のデータ、その他、焼却灰の処理等に必要なデータ等が記憶されている。制御装置101においては、メモリ101bに格納されている所定プログラム等や各種データ等をCPU101aが読み込んで所定の処理を実行することにより、図6(b)の機能ブロック図に示すような各種機能部の機能が発揮される。
図6(b)の機能ブロック図に示される制御装置101の各種機能部として、演算部110が挙げられる。演算部110は、予めメモリ101b(図6(a)参照)に記憶されている、図7に示すようなデータを読み出し、以下のようにして、焼却灰の水分率を算出する。
図7は、マイクロ波の振幅位相比と公定法水分率(乾燥重量法)との相関関係を示すグラフである。非接触式水分計75,78の計測対象(ケーシング40内の焼却灰)の体積充填率(焼却灰と空気等との混合率)の変化は、マイクロ波の振幅変化(減衰量)と位相差(位相遅れ)との比(振幅変化/位相差)として検出される。そこで、計測対象の体積充填率を変えてマイクロ波の振幅変化と位相差とを測定しプロットすれば一直線上に並ぶこととなり、この直線の式の傾きは計測対象の体積充填率の変化に影響されない。従って、予め既知の種々の水分率の値の焼却灰を、各水分率で体積充填率を変えてマイクロ波の振幅変化と位相差とを測定し、各水分率における直線の式の傾きを求め、更に、前記傾きと水分率との関係を予め求めておく。次に、計測対象に、マイクロ波を照射し、計測対象を透過したマイクロ波の振幅変化と位相差とを測定し、振幅変化と位相差との傾き(振幅位相比)を求め、求めた傾きの値を、予め求めておいた傾き(振幅位相比)と水分率との関係、すなわち図7に示すグラフにあてはめれば、計測対象の体積充填率の変化に影響されずに水分率を正確に求めることができる。
透過式の非接触式水分計75が用いられている場合、図6(b)に示す演算部110は、予めメモリ101b(図6(a)参照)に記憶されている、マイクロ波発信部75aから発信されたマイクロ波に対するマイクロ波受信部75bで受信されたマイクロ波に関する、振幅位相比と、公定法水分率(乾燥重量法)との正の相関関係のデータ(図7参照)をメモリ101bから読み出し、読み出したデータと、マイクロ波受信部75bにより受信されたマイクロ波の振幅位相比とに基づいて、ケーシング40内の焼却灰の水分率を算出する。
反射式の非接触式水分計78が用いられている場合、図6(b)に示す演算部110は、予めメモリ101b(図6(a)参照)に記憶されている、マイクロ波発信・受信部78aから発信されたマイクロ波に対するマイクロ波発信・受信部78aで受信されたマイクロ波に関する、振幅位相比と、公定法水分率(乾燥重量法)との正の相関関係のデータ(図7参照)をメモリ101bから読み出し、読み出したデータと、マイクロ波発信・受信部78aで受信されたマイクロ波とに基づいて、ケーシング40内の焼却灰の水分率を算出する。
また、演算部110は、流量計53からの検出信号に基づいて、水噴射ノズル13へと供給される水の流量を算出する。さらに、演算部110は、後述する搬送灰量mや、目標噴射水量Qを算出する。
図6(b)の機能ブロック図に示す制御装置101の各種機能部として、演算部110以外に、モータ制御部112や、弁制御部113、記憶部115等が挙げられる。
モータ制御部112は、非接触式水分計75(78)によって計測された焼却灰の水分率に基づいて、所定の制御信号を駆動モータ48に送信する。これにより、ベルトコンベヤ42の搬送速度が制御される。
弁制御部113は、非接触式水分計75,78によって計測された焼却灰の水分率と、流量計53及び演算部110によって計測される水噴射ノズル13への供給水量とに基づいて、所定の制御信号を流量調節弁52に送信する。これにより、流量調節弁52の弁開度が制御され、水噴射ノズル13への供給水量を調整することができる。
記憶部115は、CPU101aが所定の演算処理を行う場合に使用するデータ、例えば、マイクロ波発信部75a(マイクロ波発信・受信部78a)から発信されたマイクロ波に対するマイクロ波受信部75b(マイクロ波発信・受信部78a)で受信されたマイクロ波に関する、振幅位相比と、公定法水分率(乾燥重量法)との正の相関関係のデータ(図7参照)、その他、焼却灰の処理に必要なデータ等を保持するストレージとして機能する。
<作動説明>
図1に示す焼却灰処理装置10Aにおいては、焼却炉1から排出された焼却灰を、灰排出装置11、具体的には、例えば、図2(a)に示すプッシャー式灰排出装置21の焼却灰貯留部31に貯留する(焼却灰貯留工程)。次いで、焼却灰貯留部31に貯留されている焼却灰を灰押出装置32によって排出する(焼却灰排出工程)。次いで、灰押出装置32によって排出される焼却灰を灰搬送装置12によって搬送する(焼却灰搬送工程)。次いで、灰搬送装置12によって搬送される焼却灰に対し水噴射ノズル13により水を噴射する(水噴射工程)。
そして。水が噴射された焼却灰の水分率を非接触式水分計75によって計測する(水分率計測工程)とともに、水の噴射水量を流量計53の検出信号に基づいて計測する(噴射水量計測工程)。計測された水分率及び噴射水量に基づいて、灰搬送装置12による搬送灰量を演算し(搬送灰量演算工程)、算出された搬送灰量に基づいて、焼却灰の実際の水分率が目標水分率となるのに必要な目標噴射水量を演算する(目標噴射水量演算工程)。そして、算出された目標噴射水量に一致するように水噴射ノズル13からの水の噴射水量を制御する(噴射水量制御工程)。
<搬送灰量及び目標噴射水量の計算方法>
ここで、灰搬送装置12によって搬送されている焼却灰(乾灰)の量(以下、「搬送灰量」と称する。)をmとし、非接触式水分計75によって測定される水分率(%)をWとし、流量計53の検出信号に基づいて計測される噴射水量(L/h)をQとし、予め設定される焼却灰の目標水分率(%)をWとし、焼却灰の実際の水分率(非接触式水分計75の計測水分率W)が目標水分率Wとなるのに必要な水の噴射水量(目標噴射水量)をQとした場合、搬送灰量mは、下記式(1)によって求められ、目標噴射水量Qは、下記式(2)によって求められる。
m = {(100-W)/W}・Q ・・・(1)
= {W/(100-W)}・m ・・・(2)
噴射水量制御工程において、演算部110は、非接触式水分計75によって計測される水分率と流量計53によって計測される噴射水量とを読み込み、読み込んだ水分率及び噴射水量に基づいて、上記式(1)により搬送灰量mを演算する。次いで、算出された搬送灰量mに基づいて、上記式(2)により目標噴射水量Qを演算する。
そして、弁制御部113は、算出された目標噴射水量Qに応じた流量制御信号を流量調節弁52へと送り、流量計53によって計測される水噴射ノズル13からの実際の噴射水量が目標噴射水量Qに一致するように水の噴射水量を制御する。これにより、灰搬送装置12によって搬送される焼却灰の搬送量が変動したとしても、焼却灰の水分率を目標水分率Wに確実に近づけることができる。なお、流量調節弁52、流量計53及び弁制御部113を含む構成が、本発明における「制御手段」に相当する。
焼却灰処理装置10Aによれば、焼却灰にマイクロ波を照射し当該マイクロ波の振幅変化と位相差との比に基づいて焼却灰の水分率を計測する非接触式水分計75を備えるので、焼却灰の体積充填率の変動に影響されずに、焼却灰の水分率を精度良く計測することができる。そして、非接触式水分計75で精度良く計測された焼却灰の水分率に基づいて、水噴射ノズル13からの噴射水量が制御されるので、焼却灰の水分率を正確に調整することができる。
なお、第一実施形態において、灰搬送装置12によって搬送される焼却灰に対し、重金属類の溶出を防ぐための重金属類安定化薬剤を前述した水噴射ノズル13とは別に用意した専用ノズル(図示省略)から直接噴射する、又は重金属類安定化薬剤を水噴射ノズル13によって噴射される水に混合して、焼却灰に重金属類安定化薬剤が付着するようにしてもよい。これにより、焼却灰に均一に重金属類安定化薬剤が付着されるので、焼却灰からの重金属類の溶出を確実に防ぐことができる。
また、上記実施形態において、消費電力の削減のために、灰排出装置11を間欠稼働とし、灰排出装置11の稼働に合わせて、灰搬送装置12の搬送動作と水噴射ノズル13の水噴射動作とを連動させるようにしてもよい。
〔第二実施形態〕
図8は、本発明の第二実施形態に係る焼却灰処理装置の概略構成を示すブロック図である。第二実施形態において、第一実施形態と同一又は同様のものについては、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第二実施形態に特有の部分を中心に説明することとする(後述する第三実施形態においても同様)。
<吹込管>
図8に示す焼却灰処理装置10Bは、乾燥手段としての吹込管14を備えている。吹込管14は、水噴射ノズル13の設置位置よりも灰搬送装置12の搬送方向下流側で、且つ非接触式水分計75の設置位置よりも灰搬送装置12の搬送方向上流側に位置するようにケーシング40の上部に配設されている。吹込管14は、ケーシング40の内部に向けて開口した管状部材によって構成されている。吹込管14は、水噴射ノズル13から噴射される水によって湿潤状態とされてベルトコンベヤ42により搬送される焼却灰に対して乾燥用ガス(焼却排ガス)を吹き込む。ここで、ベルトコンベヤ42は、湿潤状態とされてベルトコンベヤ42により搬送される焼却灰を、吹込管14との協働によって乾燥する乾燥手段として機能する。
吹込管14には、バグフィルタ5においてダスト等が除去された後の焼却排ガスを供給するための排ガス供給管55が接続されている。排ガス供給管55の途中には、誘引送風機56が介設されており、誘引送風機56の誘引作用により、除塵後の焼却排ガスが吹込管14に供給される。これにより、ベルトコンベヤ42によって搬送される焼却灰に対して焼却排ガスが吹込管14により吹き込まれる。
ケーシング40には、灰搬送装置12の搬送方向最下流部に位置するように排気部57が設けられている。排気部57は、吹込管14を通してケーシング40の内部に吹き込まれた焼却排ガスをケーシング40の外部へと排出できるようにケーシング40の外部に向けて開口した管状部材によって構成されている。排気部57には、ケーシング40の外部へと排出される焼却排ガスを焼却炉1へと導くための排ガス排気管58が接続されている。
第二実施形態において、モータ制御部112(図6(b)参照)は、非接触式水分計75(78)によって計測された焼却灰の水分率に基づいて、所定の制御信号を駆動モータ48に送信する。これにより、ベルトコンベヤ42の搬送速度を制御し、焼却灰に対する乾燥動作を制御して、ここでは灰搬送装置12での湿潤状態の焼却灰に対する乾燥時間を調整することができる。なお、モータ制御部112、駆動モータ48を含む構成が、本発明における「制御手段」に相当する。
<作動説明>
以上に述べたように構成される焼却灰処理装置10Bにおいては、以下に述べる工程の実施により、重金属類の難溶性化処理が行われる。
<加水工程>
水噴射ノズル13は、ベルトコンベヤ42によって搬送されている焼却灰に対し水を噴射する。ベルトコンベヤ42による焼却灰の搬送量が略一定の場合、ベルトコンベヤ42によって搬送されている焼却灰に対し所定流量以上の水を水噴射ノズル13から噴射すれば、焼却灰の水分率は所定値以上となる。
図9は、環境庁告示第13号試験による焼却灰に含まれる重金属類(鉛)の溶出量と焼却灰の水分率との関係の一例を示すグラフである。図9のグラフに示されるように、焼却灰の含水率が高い程、鉛の溶出量が減少する傾向にあり、焼却灰の水分率が17%以上であれば鉛の溶出量が確実に基準値である0.3mg/L未満となる。そこで、第二実施形態では、ベルトコンベヤ42によって搬送される搬送量が略一定の焼却灰に対し、どの程度の流量の水を含ませれば焼却灰の含水率が17%程度となるかを予め求めておく。そして、流量計53及び演算部110によって計測される水噴射ノズル13への供給水量に基づき流量調節弁52の操作により、水供給源50から水噴射ノズル13へと供給される供給水量を調節して、ベルトコンベヤ42によって搬送されている焼却灰に対し、予め求めた流量、又はそれ以上の流量の水を水噴射ノズル13から噴射する。第二実施形態において、加水工程の際の焼却灰の水分率の目標値(第一水分率)は、15%以上30%以下が好ましく、本例では17%程度である。これにより、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量を確実に基準値未満にすることができる。
<乾燥工程>
吹込管14は、水噴射ノズル13から噴射される水によって湿潤状態とされてベルトコンベヤ42によって搬送されている焼却灰に対して、誘引送風機56の誘引作用により供給される焼却排ガスを吹き込む。これにより、加水工程によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥するとともに、焼却排ガスに含まれるCOを焼却灰に接触させる。ここで、ケーシング40の内部への焼却排ガスの供給は、1分~12時間程度(好ましくは5分~1時間程度)行われる。なお、吹込管14からケーシング40内に吹き込まれた焼却排ガスは、排気部57、及び排ガス排気管58を介して焼却炉1へと排気される。
焼却灰に含まれる重金属類は、焼却排ガスに含まれるCOと反応して炭酸化物となり、水に対する溶解度が低下する。焼却灰に含まれる重金属類のうち、特に鉛の含有量が多いため、処理の対象になっている重金属類は主として鉛である。鉛は、酸化鉛(PbO)から炭酸鉛(PbCO)に変化することにより、水に対する溶解度が下がって難溶性になる。また、焼却灰は、塩基性であって溶出液のpHが高い。焼却灰のpHに関しては、焼却灰に含まれる酸化カルシウム(CaO)又は水酸化カルシウム(Ca(OH))をCOと反応させて炭酸カルシウム(CaCO)とすることにより、焼却灰のpHを重金属類が難溶性を示す難溶性領域とすることも行われる。鉛は両性金属であり、強い塩基性を示す焼却灰においては溶出液のpHを低下させて難溶性領域とすることで、鉛の溶出量を減少させることができる。
<水分率測定工程>
非接触式水分計75は、乾燥工程によって乾燥される焼却灰の水分率を計測する。すわわち、図6(b)に示す演算部110は、予めメモリ101b(図6(a)参照)に記憶されている図7に示す振幅位相比と公定法水分率(乾燥重量法)との正の相関関係のデータをメモリ101bから読み出し、読み出したデータと、マイクロ波受信部75bにより受信されたマイクロ波の振幅位相比とに基づいて、ケーシング40内の焼却灰の水分率を算出する。
<乾燥制御工程>
焼却灰処理装置10Bにおいては、乾燥後の焼却灰の実際の水分率(非接触式水分計75の計測水分率W)が目標水分率WKTになるようにされる。すなわち、図6(b)に示すモータ制御部112は、所定の制御信号を駆動モータ48へと送信し、ベルトコンベヤ42のコンベヤ速度を制御して、非接触式水分計75の計測水分率Wを目標水分率WKTに一致させるように乾燥動作を制御する。こうして、焼却灰の水分率を正確に目標水分率WKTへと近づけることができる。ここで、目標水分率WKT(第二水分率)は、焼却灰の飛散防止を目的に定められるものであり、例えば、10%以上15%以下の範囲に設定されるのが好ましく、本例では10%程度である。これにより、焼却灰の飛散を防止することができる。なお、焼却灰の水分率が10%未満になると、焼却灰が飛散して、作業環境が悪化したり、ハンドリングが困難になったりする虞がある。
上記のように、第二実施形態においては、加水工程と乾燥工程とが実施される。加水工程は、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率(17%程度)となるように焼却灰に水を含ませる。これにより、重金属類の溶出量を基準値未満とすることができる。一方、乾燥工程は、焼却灰が飛散しない第二水分率(10%程度)となるように加水工程によって湿潤状態とされた焼却灰を乾燥する。これにより、焼却灰が飛散するのを防ぐことができる。焼却灰に含まれる重金属類の溶出量は、乾燥工程による乾燥後の第二水分率のときの重金属類溶出量になるのではなく、加水工程によって水を含ませた第一水分率のときの重金属類溶出量が維持される。従って、第一実施形態によれば、作業環境やハンドリングに悪影響を及ぼすことなく、重金属類の溶出を基準値未満に抑制することができる。
水分率が10%程度にまで乾燥された焼却灰は、場外搬出されて再資源化等により処理される。処理費用は重量あたりで清算される。第二実施形態では、焼却灰の飛散を防止できる範囲で極力低い10%程度の水分率とされるので、輸送中や積み込み、積み下ろし中に焼却灰が飛散するのを防止できるとともに、処理費用を低く抑えることができる。
第二実施形態においては、湿潤状態の焼却灰をベルトコンベヤ42によって搬送しながら乾燥用ガス(焼却排ガス)を吹込管14から吹き込んで乾燥するようにされているので、焼却灰を効率良く乾燥することができ、焼却灰の処理能力を向上することができる。
第二実施形態においては、非接触式水分計75(78)を用いて、焼却灰を透過したマイクロ波に関する振幅位相比と、公定法水分率との相関関係データ(図7参照)に基づいて、焼却灰の水分率を計測するようにしている。このような振幅位相比に基づく水分率の計測によれば、計測対象(灰搬送装置12で搬送される焼却灰)の体積充填率の変動に影響されずに、焼却灰の水分率を精度良く計測することができ、非接触式水分計75(78)で精度良く計測された焼却灰の水分率に基づいて、焼却灰への加水処理や乾燥処理が行われるので、焼却灰の水分率を正確に調整することができる。
第二実施形態においも、灰排出装置11を間欠的に稼働するようにして、灰排出装置11から焼却灰を灰搬送装置12へと間欠的に排出するようにし、この間欠的な焼却灰の排出動作に合わせて、灰搬送装置12の搬送動作と、誘引送風機56の誘引作用による吹込管14から焼却灰への乾燥用ガス吹込動作とを連動させるのがよい。こうすることにより、焼却灰の処理能力を一定以上に保ちつつ、省動力化により消費電力を削減することができる。
〔第三実施形態〕
図10は、本発明の第三実施形態に係る焼却灰処理装置の概略構成を示すブロック図である。第二実施形態の焼却灰処理装置10Cにおいては、水噴射ノズル13によって水が噴射された後で乾燥前の焼却灰の水分率を測定できるように水噴射ノズル13と吹込管14との間に位置するように非接触式水分計175がケーシング40の上部に配設されている。非接触式水分計175は、非接触式水分計75と同様に、マイクロ波発信部75a及びマイクロ波受信部75bと、演算部110とを備えてなる透過式の非接触式水分計が用いられる。なお、非接触式水分計175に代えて、非接触式水分計78と同様の反射式の非接触式水分計を用いてもよい。
第三実施形態の焼却灰処理装置10Cにおいては、水噴射ノズル13によって水が噴射された後で乾燥前の焼却灰の水分率を非接触式水分計175によって測定する(水分率計測工程)。
<加水制御工程>
演算部110は、非接触式水分計175によって計測される水分率Wと流量計53によって計測される噴射水量Qとを読み込み、上記式(1)により搬送灰量mを演算する。次いで、演算部110は、算出された搬送灰量mに基づいて、上記式(2)により目標噴射水量Qを演算する。そして、弁制御部113は、算出された目標噴射水量Qに応じた流量制御信号を流量調節弁52へと送り、流量計53によって計測される水噴射ノズル13からの実際の噴射水量が目標噴射水量Qに一致するように噴射水量を制御する。これにより、焼却灰の水分率を目標水分率WSTに確実に近づけることができる。
第三実施形態によっても、第二実施形態と同様の作用効果を得ることができるのは言うまでもない。さらに、第三実施形態によれば、非接触式水分計175によって測定される水分率が第一水分率(本例では、17%程度)となるように、水噴射ノズル13からの噴射水量を正確に制御することができるので、水噴射ノズル13によって水を含ませる焼却灰の水分率を確実に17%程度とすることができ、重金属類の溶出量を確実に基準値未満とすることができる。
以上、本発明の焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法について、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の焼却灰処理装置、及び焼却灰処理方法は、都市ごみや産業廃棄物を焼却炉で焼却した際に発生する焼却灰の冷却や、焼却灰に含まれる重金属類の溶出を抑制する用途において利用可能である。
10A~10C 焼却灰処理装置
12 灰搬送装置(灰搬送手段)
13 水噴射ノズル(加水手段)
14 吹込管(乾燥手段)
40 ケーシング
42 ベルトコンベヤ(乾燥手段)
48 駆動モータ(乾燥制御手段)
52 流量調節弁(加水制御手段)
53 流量計(加水制御手段)
70 開口部
71 電磁波透過部材
75,78 非接触式水分計(第二非接触式水分計)
81 ヒーター(結露防止手段、水滴除去手段)
85 ワイパー装置(水滴除去手段)
91,91’ エア吹出装置(結露防止手段、水滴除去手段)
95 被膜
112 モータ制御部(乾燥制御手段)
113 弁制御部(加水制御手段)
175 非接触式水分計(第一非接触式水分計)

Claims (11)

  1. 灰搬送手段によって搬送される焼却灰に対して加水する焼却灰処理装置であって、
    焼却灰に水を加える加水手段と、
    焼却灰に電磁波を照射し当該電磁波の振幅変化と位相差との比に基づいて焼却灰の水分率を計測する非接触式水分計と、
    前記非接触式水分計によって計測された水分率に基づいて、前記加水手段を制御する制御手段と、
    を備える焼却灰処理装置。
  2. 前記加水手段で加水した焼却灰を乾燥する乾燥手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記非接触式水分計によって計測された水分率に基づいて、前記乾燥手段を制御する請求項1に記載の焼却灰処理装置。
  3. 前記灰搬送手段は、
    焼却灰を収容するケーシングと、
    前記ケーシングに設けられた開口部に装着される電磁波透過部材と、
    を備え、
    前記電磁波透過部材を通して前記ケーシング内の焼却灰に電磁波が照射されるように構成されている請求項1又は2に記載の焼却灰処理装置。
  4. 前記非接触式水分計は、焼却灰を透過した電磁波によって焼却灰の水分率を計測する透過式の非接触式水分計である請求項1~3の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
  5. 前記非接触式水分計は、焼却灰を透過し、且つ反射した電磁波によって焼却灰の水分率を計測する反射式の非接触式水分計である請求項1~3の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
  6. 前記電磁波透過部材における前記ケーシング内の焼却灰に対向する側の表面に結露が発生するのを防止する結露防止手段を備える請求項3~5の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
  7. 前記電磁波透過部材における前記ケーシング内の焼却灰に対向する側の表面に付着した水滴を除去する水滴除去手段を備える請求項3~6の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
  8. 前記電磁波透過部材は、撥水性を有する請求項3~7の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
  9. 前記非接触式水分計は、
    前記加水手段によって加水処理された焼却灰の水分率を計測する第一非接触式水分計と、
    前記加水手段で加水処理された後に前記乾燥手段によって乾燥処理された焼却灰の水分率を計測する第二非接触式水分計と、
    を含み、
    前記制御手段は、前記第一非接触式水分計によって計測される水分率が、焼却灰に含まれる重金属類の溶出量が基準値未満になる第一水分率となるように前記加水手段を制御するとともに、前記第二非接触式水分計によって計測される水分率が、焼却灰の飛散防止を目的に前記第一水分率よりも低く定められる第二水分率となるように前記乾燥手段を制御する請求項2~8の何れか一項に記載の焼却灰処理装置。
  10. 搬送される焼却灰に対して加水する加水工程と、
    焼却灰に電磁波を照射し当該電磁波の振幅変化と位相差との比に基づいて焼却灰の水分率を計測する水分率計測工程と、
    前記水分率計測工程で計測される水分率に基づいて、前記加水工程での焼却灰に対する加水動作を制御する加水制御工程と、
    を包含する焼却灰処理方法。
  11. 前記加水工程で加水した焼却灰を乾燥する乾燥工程と、
    前記水分率計測工程で計測される水分率に基づいて、前記乾燥工程での焼却灰に対する乾燥動作を制御する乾燥制御工程と、
    をさらに包含する請求項10に記載の焼却灰処理方法。
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