(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機に具体化した第1実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠と、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠と、を含んで構成される。パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBは、枠体11に搭載されている。遊技盤YBは、その前面側に、遊技球が流下する遊技領域YBaを備えている。遊技盤YBは、正面から見たときの略中央部分に、開口窓YBbを備えている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備えている。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される。
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体の発光により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、発光体の発光による演出を「発光演出」と示す。なお、本明細書における「発光」には、点灯、点滅、及び消灯を含む。また、以下の説明では、装飾ランプLAの発光体が発光することを、単に「装飾ランプLAが発光する」と示す場合がある。装飾ランプLAは、例えば、枠体11や遊技盤YBに設けられる。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、音声の出力により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、音声の出力による演出を「音声演出」と示す。なお、本明細書における「音声」には、人や動物の声、効果音、及び楽曲などを含む。スピーカSPは、例えば、枠体11に設けられる。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、所定の情報を表示可能な情報表示装置13を備えている。情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
情報表示装置13は、図柄を変動させて行う変動ゲームとしての特別ゲームを表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bを備える。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、後述する当り抽選の結果を報知するための図柄である。本実施形態において、当り抽選には、第1当り抽選と、第2当り抽選と、があり、特別図柄には、第1当り抽選の結果を報知するための第1特別図柄と、第2当り抽選の結果を報知するための第2特別図柄と、がある。第1特別図柄表示部13aは、最終的に第1特別図柄が確定停止表示される特別ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を表示する。第2特別図柄表示部13bは、最終的に第2特別図柄が確定停止表示される特別ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を表示する。
本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、当り抽選において大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
情報表示装置13は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部13c及び第2特別保留表示部13dを備える。第1特別保留表示部13cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部13dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限値は、4である。以下の説明では、特別保留数の上限値を「保留上限数」と示す場合がある。情報表示装置13は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、普通抽選の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果としての普通当り図柄と、普通はずれ表示結果としての普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。情報表示装置13は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
パチンコ遊技機10は、各種の演出を実行可能な演出実行手段としての演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な表示領域としての画像表示部を有し、該画像表示部に画像を表示させることにより各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、画像の表示による演出を「表示演出」と示す。画像表示部は、例えば、液晶パネルであってもよいし、有機ELパネルなどであってもよい。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部が遊技盤YBの開口窓YBbを介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出ゲームが表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、「777」などのように全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでははずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、「778」や「787」などのように少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。以下の説明では、特別ゲームと、該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、をまとめて「変動ゲーム」と示す場合がある。
演出ゲームでは、リーチ演出が実行され得る。言い換えれば、演出表示装置EHでは、各種の演出の1つとしてリーチ演出を実行可能である。リーチ演出は、演出ゲームにおいて、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを導出させる演出である。リーチは、複数である特定の図柄列において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、他の図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。本実施形態では、左図柄列及び右図柄列が特定の図柄列に相当し、中図柄列が他の図柄列に相当する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している第1始動入賞口15を備えている。第1始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞センサSE1を備えている。本実施形態では、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。言い換えれば、本実施形態では、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを契機として、第1当り抽選が行われる。本実施形態において、第1始動入賞口15は、遊技球が入球可能な第1始動口に相当する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している第2始動入賞口16を備えている。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞センサSE2を備えている(図4に示す)。本実施形態では、遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。言い換えれば、本実施形態では、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを契機として、第2当り抽選が行われる。本実施形態において、第2始動入賞口16は、遊技球が入球可能な第2始動口に相当する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球不能な閉状態、及び遊技球が第2始動入賞口16へ入球可能な開状態を取り得る誘導手段としての普通可変部材17を備えている。閉状態は、遊技球が第2始動入賞口16へと入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。本実施形態において、閉状態は、第2始動入賞口16へ遊技球を誘導しない第1状態に相当し、開状態は、第2始動入賞口16へ遊技球を誘導する第2状態に相当する。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させるアクチュエータとして、普通ソレノイドSL1を備えている(図4に示す)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。したがって、普通当り遊技は、遊技者が第2特別ゲームの保留条件を成立させ易くなることから、遊技者にとって有利な状態である。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している大入賞口18を備えている。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態、及び遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態を取り得る特別可変部材19を備えている。閉状態は、遊技球が大入賞口18へと入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させるアクチュエータとして、特別ソレノイドSL2(図4に示す)を備えている。特別可変部材19は、所定の当り遊技(本実施形態では大当り遊技)において、開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を機外へと誘導する球通路20を備えている。球通路20は、分岐部20aにおいて、特定通路20bと、非特定通路20cと、に分岐している。パチンコ遊技機10は、分岐部20aに到達した遊技球を、特定通路20bと非特定通路20cとに振り分ける振分手段としての特定可変部材21を備えている。特定可変部材21は、分岐部20aに到達した遊技球を、非特定通路20cに振り分ける通常状態と、特定通路20bに振り分ける特定状態と、に動作可能に構成されている。パチンコ遊技機10は、特定可変部材21を動作させるアクチュエータとして、特定ソレノイドSL3を備えている(図4に示す)。
パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備えている。特別入賞センサSE3は、球通路20において、大入賞口18と分岐部20aとの間に設けられている。本実施形態では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、特定通路20bへ流入(入球)した遊技球を検知するV入賞センサSE4を備えている。V入賞センサSE4は、特定通路20bに設けられている。特定通路20bのうち、V入賞センサSE4が設けられている部分は、特定領域20dである。特定領域20dは、所謂「Vゾーン」である。本実施形態では、大当り遊技中、遊技球がV入賞センサSE4によって検知されると、予め定めた特典が付与される。特典の詳細については後述する。本明細書において「V入賞が発生する」と示す場合、遊技球がV入賞センサSE4によって検知されることを意味する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに、遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備えている。ゲート25は、ゲート25を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE5を備えている。本実施形態では、遊技球がゲートセンサSE5によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2始動入賞口16への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動及び非作動)を組み合わせて構成される。
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
確変機能が作動すると、確変機能が作動していないときと比較して大当り確率が高まる。ここで、大当り確率とは、1回の当り抽選において大当りに当選する確率である。以下の説明では、確変機能が作動しているときの遊技状態を「高確率状態」と示すとともに、確変機能が作動していないときの遊技状態を「低確率状態」と示す。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
入球補助機能について説明する。
入球補助機能が作動すると、入球補助機能が作動していないときと比較して第2始動入賞口16への遊技球の入球率が高まり、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。例えば、入球補助機能は、次に説明する3つの補助制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1補助制御は、普通ゲームの変動時間を、入球補助機能が作動していないときよりも短くする制御である。第2補助制御は、普通抽選における普通当り確率を、入球補助機能が作動していないときよりも高確率に変動させる制御である。第2補助制御は、入球補助機能が作動していないときには、普通抽選そのものを行わないが、入球補助機能が作動しているときには、所定の当選確率にて普通抽選を行う制御であってもよい。第3補助制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、入球補助機能が作動していないときよりも長くする制御である。なお、第3補助制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、入球補助機能が作動していないときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、入球補助機能が作動していないときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
特に、本実施形態では、入球補助機能が作動しているときの第2始動入賞口16への遊技球の入球率が、第1始動入賞口15への遊技球の入球率よりも高くなるように構成されている。このため、本実施形態において、入球補助機能が作動しているときには、主に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて第2特別ゲームを実行させるという遊技性で遊技が行われることとなる。一方で、入球補助機能が作動していないときの第2始動入賞口16への遊技球の入球率は、第1始動入賞口15への遊技球の入球率よりも低くなるように構成されている。このため、本実施形態において、入球補助機能が作動していないときには、主に第1始動入賞口15へ遊技球を入球させて第1特別ゲームを実行させるという遊技性で遊技が行われることとなる。
また、本実施形態の入球補助機能は、次に説明する変動時間短縮機能(以下、時短機能と示す)を伴って作動する。時短機能は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を短くする機能である。時短機能が作動すると、時短機能が作動していないときと比較して特別ゲームの変動時間が短くなることで、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。そして、本実施形態の時短機能は、入球補助機能が非作動となることに伴って非作動となる。このため、本実施形態において、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動となる。以下の説明では、入球補助機能及び時短機能が作動しているときの遊技状態を「時短状態」と示し、入球補助機能及び時短機能のいずれも作動していないときの遊技状態を「非時短状態」と示す。
本実施形態において、遊技状態には、通常状態、第1有利状態、及び第2有利状態の3つがある。通常状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない遊技状態である。即ち、通常状態は、低確率状態かつ非時短状態である遊技状態である。第1有利状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能及び時短機能が作動する遊技状態である。即ち、第1有利状態は、低確率状態かつ時短状態である遊技状態である。このため、第1有利状態は、大当り確率が通常状態と同一であって、第2始動入賞口16への遊技球の入球率が通常状態よりも高確率である遊技状態となる。第2有利状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。即ち、第2有利状態は、高確率状態かつ時短状態である遊技状態である。このため、第2有利状態は、大当り確率が通常状態及び第1有利状態よりも高確率であって、第2始動入賞口16への遊技球の入球率が通常状態よりも高確率である遊技状態となる。
第1有利状態は、大当り確率については通常状態と同一であるものの、第2始動入賞口16への遊技球の入球率が通常状態よりも高まることから、通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。また、第2有利状態は、大当り確率が通常状態よりも高確率となるとともに、第2始動入賞口16への遊技球の入球率が通常状態よりも高まることから、通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。
次に、パチンコ遊技機10における当りについて説明する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10における当りは全て大当りである。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10における当り抽選は大当り抽選として把握できる。以下の説明では、当り抽選を「大当り抽選」と示す場合がある。
図3に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当りの種類が定められている。大当り図柄の種類は、大当りの種類としても把握できる。
本実施形態において、特別図柄の大当り図柄は、予め定めた比率で、複数種類の大当りに分類されている。具体的に、本実施形態では、100種類の第1特別図柄の大当り図柄のうち、4種類の大当り図柄が大当り図柄ZAに、96種類の大当り図柄が大当り図柄ZBに、それぞれ分類されている。また、本実施形態では、100種類の第2特別図柄の大当り図柄の全てが大当り図柄Zaに分類されている。なお、以下の説明では、大当り図柄ZAに基づく大当りを「大当りZA」、大当り図柄ZBに基づく大当りを「大当りZB」、大当り図柄Zaに基づく大当りを「大当りZa」と示す。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。本実施形態において、大当りZA,ZB,Zaに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として2回が定められている。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放態様となるように開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。
そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
また、大当り遊技では、特定のラウンド遊技において、特定可変部材21が所定の動作パターンにしたがって通常状態から特定状態へと動作する。特定可変部材21の動作パターンには、分岐部20aへ到達した遊技球が特定通路20bへ流入するのに十分な時間にわたって、特定可変部材21が特定状態に動作する特定動作パターンがある。特定可変部材21の動作パターンには、分岐部20aへ到達した遊技球が特定通路20bへ流入するのが実質的に不可能な時間にわたって、特定可変部材21が特定状態に動作する非特定動作パターンがある。
大当りZA,ZBに基づく大当り遊技では、特定のラウンド遊技における特定可変部材21の動作パターンとして、非特定動作パターンが定められている。その一方で、大当りZaに基づく大当り遊技では、特定のラウンド遊技における特定可変部材21の動作パターンとして、特定動作パターンが定められている。即ち、大当りZA,ZBに基づく大当り遊技では、特定可変部材21が非特定動作パターンで動作することから、遊技球を特定領域20dがある特定通路20bへと流入させることが実質的に不可能である。即ち、大当りZA,ZBに基づく大当り遊技は、実質的にV入賞を発生不可能に構成されている。その一方で、大当りZaに基づく大当り遊技では、特定のラウンド遊技において、特定可変部材21が特定動作パターンで動作することから、遊技球を特定通路20bへと流入させることが可能である。即ち、大当りZaに基づく大当り遊技は、V入賞を発生可能に構成されている。
次に、大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。以下、大当りの種類毎に、大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。
まず、大当りZAに基づく大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。大当りZAに基づく大当り遊技では、実質的にV入賞を発生不可能である。そして、大当りZAに基づく大当り遊技中にV入賞が発生しなかった場合、大当り遊技の終了後に低確率状態且つ時短状態となる。このとき、時短状態は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が予め定めた作動回数(本実施形態では100回)に達したことを契機に終了する。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当りZAに基づく大当り遊技の終了後に第1有利状態となり、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達したことを契機に第1有利状態が終了して通常状態となる。本実施形態では、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達することが、第1終了条件に相当する。即ち、本実施形態では、作動回数が特定回数に相当する。
次に、大当りZBに基づく大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。上述したように、大当りZBに基づく大当り遊技では、実質的にV入賞を発生不可能である。そして、大当りZBに基づく大当り遊技中にV入賞が発生しなかった場合、大当り遊技の終了後に低確率状態且つ時短状態となる場合と、大当り遊技の終了後に低確率状態且つ非時短状態となる場合と、がある。具体的に、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当りZBに当選したときの遊技状態が通常状態又は第2有利状態である場合、大当り遊技の終了後に低確率状態且つ非時短状態となる。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態中又は第2有利状態中に大当りZBに当選した場合には、大当り遊技の終了後に通常状態に移行される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当りZBに当選したときの遊技状態が第1有利状態である場合、大当り遊技の終了後に低確率状態且つ時短状態となる。このとき、時短状態は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達したことを契機に終了する。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1有利状態中に大当りZBに当選した場合には、大当り遊技の終了後に第1有利状態に移行される。そして、この場合、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達したことを契機に第1有利状態が終了して通常状態となる。本実施形態では、大当りZBが特定の大当りに相当する。
次に、大当りZaに基づく大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。大当りZaに基づく大当り遊技では、V入賞を発生可能である。そして、大当りZaに基づく大当り遊技中にV入賞が発生した場合、大当り遊技の終了後に高確率状態且つ時短状態となる。このとき、高確率状態は、転落抽選において、転落に当選したことを契機に終了する。なお、以下の説明では、転落抽選において転落に当選することを、単に「転落抽選に当選する」と示す。また、時短状態は、高確率状態の終了に伴って終了する。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当りZaに基づく大当り遊技中にV入賞が発生した場合、大当り遊技の終了後に第2有利状態となり、転落抽選に当選したことを契機に第2有利状態が終了して通常状態となる。本実施形態では、転落抽選に当選することが、第2終了条件に相当する。
なお、大当りZaに基づく大当り遊技において、特定可変部材21は、遊技球が特定通路20bへ流入するのに十分な時間にわたって特定状態に動作する。このため、大当りZaに基づく大当り遊技では、遊技球の発射が停止されたり、大入賞口18が開口している遊技領域とは異なる遊技領域に遊技球が発射されたりしていない限り、高い確率で遊技球が特定通路20bへ流入するようになっている。しかしながら、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当りZaに基づく大当り遊技において、遊技球が特定通路20bへ流入しない場合もあり得る。この場合、大当りZaに基づく大当り遊技の終了後には、低確率状態且つ時短状態となる。このとき、時短状態は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が予め定めた作動回数に達したことを契機に終了する。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当りZaに基づく大当り遊技中にV入賞が発生しなかった場合、大当り遊技の終了後に第1有利状態となり、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達したことを契機に第1有利状態が終了して通常状態となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、大当りZA,ZBに基づく大当り遊技では実質的にV入賞が発生不可能であるが、仮に大当りZA,ZBに基づく大当り遊技においてV入賞が発生した場合には、大当りZaに基づく大当り遊技においてV入賞が発生したときと同様の遊技状態となる。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主制御基板30を備えている。主制御基板30は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、副制御基板40を備えている。副制御基板40と、主制御基板30とは、主制御基板30から副制御基板40へと一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板40は、主制御基板30から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
まず、主制御基板30について詳しく説明する。
主制御基板30は、主制御CPU30aと、主制御ROM30bと、主制御RAM30cと、を備えている。主制御CPU30aは、主制御プログラムを実行することによって、所定の処理を行う。主制御ROM30bは、主制御プログラム、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。
また、主制御ROM30bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了する迄の変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出の内容(変動態様)を特定可能であってもよい。本実施形態の変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンとがある。大当り変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、最終的に大当りの演出図柄組み合わせを導出する変動パターンがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、最終的にはずれの演出図柄組み合わせを導出可能な「リーチあり」のはずれ変動パターンがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行わず、最終的にはずれの演出図柄組み合わせを導出する「リーチなし」のはずれ変動パターンがある。
主制御RAM30cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RAM30cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、主制御基板30は、図示しない乱数生成回路を備えており、ハードウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、主制御基板30は、主制御CPU30aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。
主制御CPU30aと、第1始動入賞センサSE1、第2始動入賞センサSE2、特別入賞センサSE3、V入賞センサSE4、及びゲートセンサSE5とは、接続されている。主制御CPU30aは、各センサが遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU30aと、情報表示装置13(表示部13a〜13f)とは、接続されている。主制御CPU30aは、情報表示装置13(表示部13a〜13f)の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU30aと、普通ソレノイドSL1とは、接続されている。主制御CPU30aは、普通ソレノイドSL1の動作を制御することによって、普通可変部材17の動作を制御可能である。主制御CPU30aと、特別ソレノイドSL2とは、接続されている。主制御CPU30aは、特別ソレノイドSL2の動作を制御することによって、特別可変部材19の動作を制御可能である。主制御CPU30aと、特定ソレノイドSL3とは、接続されている。主制御CPU30aは、特定ソレノイドSL3の動作を制御することによって、特定可変部材21の動作を制御可能である。即ち、本実施形態において、主制御CPU30aは、誘導手段としての特定可変部材21を制御する誘導制御手段に相当する。
次に、副制御基板40について詳しく説明する。
副制御基板40は、副制御CPU40aと、副制御ROM40bと、副制御RAM40cと、を備えている。副制御CPU40aは、副制御プログラムを実行することにより、所定の処理として、演出に関する処理などを行う。副制御ROM40bは、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM40bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び、可動体演出に用いる可動体演出データを記憶している。
副制御RAM40cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RAM40cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板40は、副制御CPU40aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板40は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副制御CPU40aと演出表示装置EHとは、接続されている。副制御CPU40aは、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。本実施形態において、演出表示装置EHは、副制御基板40から入力した制御信号に基づいて、画像表示部の表示内容を制御する図示しない制御部を備えている。なお、演出表示装置EHの制御部は、演出表示装置EHの表示内容を制御するための表示制御基板として、演出表示装置EHとは別体に設けられていてもよい。
副制御CPU40aと装飾ランプLAとは、接続されている。副制御CPU40aは、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU40aとスピーカSPとは、接続されている。副制御CPU40aは、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。
次に、主制御CPU30aによって実行される各種の処理について説明する。
主制御CPU30aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行う割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。なお、本実施形態において、出力バッファに設定された制御コマンドは、割り込み処理として実行されるコマンド出力処理において、副制御基板40へと出力される。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
図5に示すように、主制御CPU30aは、第1始動入賞センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS101)。第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合(ステップS101:YES)、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS102)。
第1特別保留数が上限数未満である場合(ステップS102:YES)、主制御CPU30aは、第1特別保留数を1加算して更新する(ステップS103)。ステップS103の処理において、主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる(ステップS104)。例えば、乱数は、転落抽選に用いる転落乱数、大当り抽選に用いる大当り乱数、大当り図柄の決定に用いる大当り図柄乱数、変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。ステップS104の処理において、主制御CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態では、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことによって、当該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留する。
第1始動入賞口15へ遊技球が入球していない場合(ステップS101:NO)、第1特別保留数が上限数未満ではない場合(ステップS102:NO)、及び、ステップS104の処理を終了した場合、主制御CPU30aは、ステップS105の処理へと移行する。ステップS105の処理において、主制御CPU30aは、第2始動入賞センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したか否かを判定する。第2始動入賞口16へ遊技球が入球している場合(ステップS105:YES)、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS106)。
第2特別保留数が上限数未満である場合(ステップS106:YES)、主制御CPU30aは、第2特別保留数を1加算して更新する(ステップS107)。ステップS107の処理において、主制御CPU30aは、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる(ステップS108)。ステップS108の処理において、主制御CPU30aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことによって、当該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2始動入賞口16へ遊技球が入球していない場合(ステップS105:NO)、第2特別保留数が上限数未満ではない場合(ステップS106:NO)、及び、ステップS108の処理が終了した場合、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。このように、本実施形態では、主制御CPU30aが特別図柄入力処理を実行することにより、保留上限数を上限として特別ゲームの実行を保留可能な保留手段としての機能が実現されている。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
図6に示すように、主制御CPU30aは、特別ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップS201)。主制御CPU30aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲーム中ではない場合に、肯定判定する一方で、大当り遊技中、又は特別ゲーム中である場合に、否定判定する。特別ゲームの実行条件が成立していない場合(ステップS201:NO)、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、特別ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU30aは、第2特別保留数が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS202)。第2特別保留数が0よりも大きい場合(ステップS202:YES)、主制御CPU30aは、ステップS210の処理へと移行し、第2特別ゲームを開始させる。その一方で、第2特別保留数が0の場合(ステップS202:NO)、主制御CPU30aは、第1特別保留数が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS203)。第1特別保留数が0よりも大きい場合(ステップS203:YES)、主制御CPU30aは、ステップS204の処理へと移行し、第1特別ゲームを開始させる。このように、主制御CPU30aは、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを同時に実行させず、第2特別ゲームを優先的に実行させる。なお、第1特別保留数、及び第2特別保留数が何れも0である場合(ステップS202,S203:NO)、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
第1特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU30aは、第1特別保留数を1減算して更新する(ステップS204)。主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。次に、主制御CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM30cから取得する(ステップS205)。次に、主制御CPU30aは、高確率状態である場合に、当該高確率状態を終了するか否かを決定するための転落処理を実行する(ステップS206)。
転落処理において、主制御CPU30aは、現在の確率状態を判定する。主制御CPU30aは、主制御RAM30cに高確フラグがセット(記憶)されているときには高確率状態と判定し、高確フラグがセットされていないときには低確率状態と判定する。低確率状態である場合、主制御CPU30aは、転落処理を終了してステップS207の処理へ移行する。その一方で、高確率状態である場合、主制御CPU30aは、取得した乱数情報から特定される転落乱数を用いて、高確率状態から低確率状態へと転落させるか否かの転落抽選を行う。転落抽選に当選しなかった場合、主制御CPU30aは、転落処理を終了してステップS207の処理へ移行する。その一方で、転落抽選に当選した場合、主制御CPU30aは、転落フラグを主制御RAM30cに記憶させる。主制御CPU30aは、主制御RAM30cにセットされている高確フラグを消去する。即ち、本実施形態において、高確率状態は、転落抽選に当選すると終了する。また、本実施形態において、主制御CPU30aは、転落抽選に当選した場合、主制御RAM30cにセットされている時短フラグを消去する。時短フラグは、現在の遊技状態が時短状態であることを示すフラグである。即ち、本実施形態において、転落抽選に当選したときには、高確率状態の終了に伴って時短状態も終了する。言い換えれば、本実施形態において、主制御CPU30aは、第2有利状態中に転落抽選に当選した場合には、第2有利状態に移行されてからの特別ゲームの実行回数にかかわらず通常状態に移行させる。その後、主制御CPU30aは、転落処理を終了してステップS207の処理へ移行する。
ステップS207の処理において、主制御CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う。仮に、特別図柄開始処理の開始時点において、高確率状態であったとしても、ステップS206における転落抽選に当選したときには、大当り抽選は、低確率状態として実行されることになる。ステップS207の処理は、大当りか否かの大当り判定としても把握できる。
例えば、主制御CPU30aは、低確率状態である場合であって、取得した乱数情報から特定される大当り乱数の値が、大当り乱数の取り得る数値(0〜65535)のうち低確範囲(0〜207)であるとき、大当りと判定する。例えば、主制御CPU30aは、高確率状態である場合であって、取得した乱数情報から特定される大当り乱数の値が、大当り乱数の取り得る数値(0〜65535)のうち高確範囲(0〜1872)であるとき、大当りと判定する。本実施形態において、低確範囲と高確範囲とは重複する。したがって、大当り乱数の値が低確範囲である場合は、低確率状態及び高確率状態の何れであっても大当りとなる。大当りに当選した場合、主制御CPU30aは、大当りフラグを主制御RAM30cにセットする。
大当りに当選した場合(ステップS207:YES)、主制御CPU30aは、大当り変動処理を行う(ステップS208)。大当り変動処理において、主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な大当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、特別図柄の大当り図柄を決定する。主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、現在の遊技状態と大当り図柄の種類とに応じて、大当り変動パターンを決定する。
大当りに当選しなかった場合(ステップS207:NO)、主制御CPU30aは、はずれ変動処理を行う(ステップS209)。はずれ変動処理において、主制御CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、現在の遊技状態と転落抽選の結果とに応じて、リーチあり、又はリーチなしのはずれ変動パターンを決定する。なお、本実施形態では、リーチあり、又はリーチなしのはずれ変動パターンを決定する変動パターン決定抽選が、リーチ演出を実行するか否かのリーチ抽選に相当する。
第2特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU30aは、ステップS210〜S215において、第1特別ゲームを開始させるときと同様の処理を、第2特別ゲームを対象として行う。即ち、主制御CPU30aは、第2特別保留数の減算(ステップS210)と、転落抽選(ステップS212)と、大当り抽選(ステップS213)と、当該大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理(ステップS214,S215)と、を行う。そして、主制御CPU30aは、大当り変動処理(ステップS208,S214)、又は、はずれ変動処理(ステップS209,S215)を終了すると、特別図柄開始処理を終了する。
このように、本実施形態では、主制御CPU30aが特別図柄開始処理のステップS206,S212を実行することにより、転落抽選を実行する転落抽選手段としての機能が実現されている。また、本実施形態では、主制御CPU30aが特別図柄開始処理のステップS207,S213を実行することにより、当り抽選を行う当り抽選手段としての機能が実現されている。また、本実施形態では、主制御CPU30aが特別図柄開始処理のステップS209,S215を実行することにより、リーチ演出を実行するか否かのリーチ抽選を行うリーチ抽選手段としての機能が実現されている。
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理における大当り変動処理、及びはずれ変動処理で決定した特別図柄を特定可能な制御コマンド(以下、特別図柄コマンドと示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU30aは、特別ゲームの開始と、決定済みの変動パターンと、を特定可能な制御コマンド(以下、ゲーム開始コマンドと示す)を出力バッファに設定する。なお、ゲーム開始コマンドには、第1特別ゲーム用のゲーム開始コマンドと、第2特別ゲーム用のゲーム開始コマンドと、がある。
また、主制御CPU30aは、所定の図柄の変動表示を開始することによって、特別ゲームを開始するように、特別図柄表示部13a,13bを制御する。主制御CPU30aは、決定済みの変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、特別図柄表示部13a,13bを制御する。また、主制御CPU30aは、決定済みの変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、ゲーム終了コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
以上のような制御により、本実施形態では、主制御CPU30aが特別ゲームを実行させる制御を行うゲーム制御手段として機能する。
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技を付与するための処理である。大当り遊技処理において、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、付与する大当り遊技の種類を特定する。そして、主制御CPU30aは、特定した種類の大当り遊技を付与する処理を行う。
最初に、主制御CPU30aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU30aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU30aは、特定した大当り遊技用の開放パターンデータ(開放制御データ)を用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口18を開放させる。主制御CPU30aは、ラウンド遊技の実行中に第1条件又は第2条件が成立すると、大入賞口18を閉鎖するように特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了する。主制御CPU30aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU30aは、ラウンド遊技を開始するごとに、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を出力バッファに設定する。
大当りZA,ZBに基づく大当り遊技である場合、主制御CPU30aは、特定のラウンド遊技において、非特定動作パターンで特定ソレノイドSL3を制御し、特定可変部材21を動作させる。大当りZaに基づく大当り遊技であるとき、主制御CPU30aは、特定のラウンド遊技において、特定動作パターンで特定ソレノイドSL3を制御し、特定可変部材21を動作させる。主制御CPU30aは、特定のラウンド遊技において、V入賞センサSE4から検知信号を入力すると、V入賞の発生を特定可能な制御コマンド(以下、V入賞コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
主制御CPU30aは、特定のラウンド遊技において、V入賞センサSE4から検知信号を入力すると、V入賞の発生を特定可能な情報として、V入賞フラグを主制御RAM30cにセットする。主制御CPU30aは、V入賞フラグがセットされているか否かによって、大当り遊技中にV入賞が発生したか否かを特定できる。主制御CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU30aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
次に、遊技状態を移行させるために主制御CPU30aが行う処理について説明する。なお、本実施形態では、主制御CPU30aが以下に示す処理を実行することにより、遊技状態を制御する遊技状態制御手段としての機能が実現される。
主制御CPU30aは、大当り遊技中にV入賞が発生したか否かに基づいて、大当り遊技の終了後の遊技状態を制御する。例えば、主制御CPU30aは、大当り遊技中にV入賞が発生した場合、主制御RAM30cに高確フラグをセットする。即ち、主制御CPU30aは、高確率状態に制御する。また、主制御CPU30aは、大当り遊技中にV入賞が発生した場合、主制御RAM30cに時短フラグをセットする。即ち、主制御CPU30aは、時短状態に制御する。このように、主制御CPU30aは、大当り遊技中にV入賞が発生した場合、大当り遊技の終了後に第2有利状態に移行させる。
そして、主制御CPU30aは、大当り遊技を開始させる場合、高確フラグ及び時短フラグを消去する。さらに、上述したように、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理のステップS206,S212における転落処理において転落抽選に当選した場合、高確フラグ及び時短フラグを消去する。即ち、主制御CPU30aは、大当り遊技を開始したこと、又は、転落抽選に当選したことを契機として、遊技状態を第2有利状態から通常状態に移行させる。
また、主制御CPU30aは、大当り遊技中にV入賞が発生していない場合、大当りの種類と、大当りに当選したときの遊技状態と、に基づいて、大当り遊技の終了後の遊技状態を制御する。例えば、主制御CPU30aは、大当りZAに当選した場合であって大当り遊技中にV入賞が発生していないときには、主制御RAM30cに高確フラグをセットしない一方で時短フラグをセットする。即ち、主制御CPU30aは、低確率状態且つ時短状態に制御する。このように、主制御CPU30aは、大当りZAに当選した場合であって大当り遊技中にV入賞が発生していないときには、大当り遊技の終了後に第1有利状態に移行させる。また、主制御CPU30aは、大当りZaに当選した場合であって大当り遊技中にV入賞が発生していないときについても、大当りZAに当選した場合であって大当り遊技中にV入賞が発生していないときと同様に制御する。
また、主制御CPU30aは、通常状態又は第2有利状態において大当りZBに当選した場合であって大当り遊技中にV入賞が発生していないときには、主制御RAM30cに高確フラグをセットしないとともに時短フラグをセットしない。即ち、主制御CPU30aは、低確率状態且つ非時短状態に制御する。このように、主制御CPU30aは、通常状態又は第2有利状態において大当りZBに当選した場合であって大当り遊技中にV入賞が発生していないときには、大当り遊技の終了後に通常状態に移行させる。一方で、主制御CPU30aは、第1有利状態において大当りZBに当選した場合であって大当り遊技中にV入賞が発生していないときには、主制御RAM30cに高確フラグをセットしない一方で時短フラグをセットする。即ち、主制御CPU30aは、低確率状態且つ時短状態に制御する。このように、主制御CPU30aは、第1有利状態において大当りZBに当選した場合であって大当り遊技中にV入賞が発生していないときには、大当り遊技の終了後に第1有利状態に移行させる。
また、主制御CPU30aは、遊技状態を第1有利状態に移行させる場合、主制御RAM30cに作動回数をセットするとともに、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。そして、主制御CPU30aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達したことを契機として、時短フラグを消去する。また、主制御CPU30aは、大当り遊技を開始させる場合、時短フラグを消去する。即ち、主制御CPU30aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達したこと、又は、大当り遊技を開始したことを契機として、遊技状態を第1有利状態から通常状態に移行させる。
以上のように、本実施形態において、主制御CPU30aは、大当り遊技の終了後には、通常状態に移行させる制御と、第1有利状態に移行させる制御と、第2有利状態に移行させる制御と、が可能である。
次に、普通図柄に関して主制御CPU30aが行う各種の処理について説明する。
主制御CPU30aは、ゲートセンサSE5から検知信号を入力したかに基づいて、遊技球がゲート25を通過(入球)したか否かを判定する。遊技球がゲート25を通過した場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている普通保留数が上限数未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満である場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている普通保留数を1加算して更新する。この場合、主制御CPU30aは、更新後の普通保留数を表示するように、情報表示装置13を制御する。また、主制御CPU30aは、更新後の普通保留数を特定可能な制御情報(以下、普通保留数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる。この場合、主制御CPU30aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。なお、例えば、乱数は、普通抽選に用いる普通当り乱数などである。
また、主制御CPU30aは、普通ゲームの実行条件が成立しているかを判定する。主制御CPU30aは、普通当り遊技中ではなく、且つ普通ゲーム中ではない場合に肯定判定する一方、普通当り遊技中、又は普通ゲーム中である場合に否定判定する。普通ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている普通保留数が1以上であるか否かを判定する。普通保留数が1以上である場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている普通保留数を1減算して更新する。この処理において、主制御CPU30aは、更新後の普通保留数が表示されるように、情報表示装置13を制御する。また、主制御CPU30aは、更新後の普通保留数を特定可能な普通保留数コマンドを出力バッファに格納する。
次に、主制御CPU30aは、普通ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM30cから読み出す。なお、主制御CPU30aは、最先の乱数情報を読み出すと、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM30cから消去する。続いて、主制御CPU30aは、読み出した乱数情報に基づいて、普通抽選を行う。主制御CPU30aは、読み出した乱数情報から特定可能な普通当り乱数の値と、主制御ROM30bに記憶されている普通当り判定値とをもとに、普通抽選を行う。このとき、主制御CPU30aは、入球補助機能が作動しているか否かに応じて異なる普通当り判定値を用いて普通抽選を行う。主制御CPU30aは、入球補助機能が作動しているときには、入球補助機能が作動していないときと比較して、普通当り確率が高くなるように普通抽選を行う。
また、主制御CPU30aは、普通ゲームの変動時間を決定する。このとき、主制御CPU30aは入球補助機能が作動しているか否かに応じて、普通ゲームの平均変動時間が異ならされるように制御する。具体的に、主制御CPU30aは、入球補助機能が作動しているときには、入球補助機能が作動していないときと比較して、普通ゲームの平均変動時間が短くなるように普通ゲームの変動時間を決定する。
その後、主制御CPU30aは、普通ゲームを実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU30aは、普通ゲームを開始させるとともに、決定した変動時間が経過したときに、決定した普通図柄が導出されるように情報表示装置13を制御する。また、主制御CPU30aは、普通ゲームを開始させることに伴って、決定した普通図柄の種類と、決定した普通ゲームの変動時間と、を特定可能な制御情報(以下、普通ゲーム開始コマンドと示す)を出力バッファに格納する。また、主制御CPU30aは、普通ゲームを終了させることに伴って、普通ゲームの終了を示す制御情報(以下、普通ゲーム終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
次に、主制御CPU30aが行う普通当り処理について説明する。主制御CPU30aは、普通当りの普通ゲームが終了すると、普通当り処理を実行する。普通当り処理において、主制御CPU30aは、普通当り遊技を付与させる制御を開始する。即ち、本実施形態では、普通当りにおいて普通当りに当選したときには、普通ゲームの終了後に普通当り遊技が付与される。普通当り処理において、主制御CPU30aは、第2始動入賞口16を開放させるように普通ソレノイドSL1を制御することにより、普通当り遊技を付与する。即ち、主制御CPU30aは、普通当り遊技において、普通可変部材17を開状態に制御する。このとき、主制御CPU30aは、入球補助機能が作動しているか否かに応じて、第2始動入賞口16の開放態様が異ならされるように制御する。例えば、主制御CPU30aは、入球補助機能が作動しているときには、入球補助機能が作動していないときと比較して、第2始動入賞口16の開放時間が長くなるように制御する。
以上のような普通図柄に関する各種の処理により、主制御CPU30aは、入球補助機能が作動している第1有利状態及び第2有利状態では、普通可変部材17を開状態に制御可能である。一方で、主制御CPU30aは、入球補助機能が作動していない通常状態では、第1有利状態及び第2有利状態と比較して単位時間あたりに普通可変部材17が開状態となる時間が短くなるように制御する。
次に、副制御CPU40aによって実行される各種の処理について説明する。
まず、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御CPU40aは、図柄コマンドを入力すると、図柄コマンドにより指定された特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。副制御CPU40aは、特別図柄の大当り図柄が指定された場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御CPU40aは、特別図柄のはずれ図柄が指定された場合、演出図柄によるはずれの図柄組み合わせを決定する。
また、副制御CPU40aは、ゲーム開始コマンドを入力すると、演出図柄を変動表示させるように、演出表示装置EHを制御する。つまり、副制御CPU40aは、演出ゲームを開始させる。副制御CPU40aは、ゲーム開始コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、例えば、大当り予告演出などの演出が実行されるように、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPのうち少なくとも1つを制御する。そして、副制御CPU40aは、所定のタイミングにおいて、決定した演出図柄による図柄組み合わせを一旦停止表示させる。
その後、副制御CPU40aは、ゲーム終了コマンドの入力を契機として、演出ゲームを終了させ、演出図柄による図柄組み合わせを導出させるように演出表示装置EHの表示内容を制御する。なお、副制御CPU40aは、ゲーム開始コマンドを入力したことを契機として指定された変動パターンから特定される変動時間を計時し、該変動時間が経過したことを契機に演出ゲームを終了させるようにしてもよい。この場合、ゲーム終了コマンドは省略してもよい。
次に、副制御CPU40aが行う当り演出処理について説明する。
副制御CPU40aは、大当り遊技中において、大当り演出が行われるように、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPのうち少なくとも1つを制御する。具体的に、副制御CPU40aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させるように制御する。また、副制御CPU40aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行させるように制御する。さらに、副制御CPU40aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように制御する。
次に、本実施形態における遊技状態の移行の流れについて説明する。以下の説明では、大当りZA,ZBに基づく大当り遊技においてはV入賞が発生しないものとし、大当りZaに基づく大当り遊技においてはV入賞が発生するものとして説明する。なお、上述したように、本実施形態において、大当りZA,ZBは、第1当り抽選で大当りに当選した場合に当選し得る大当りであり、大当りZaは、第2当り抽選で大当りに当選した場合に当選し得る大当りである。
図7に示すように、遊技状態が通常状態である場合、大当りZAに当選したときには、大当り遊技の終了後に第1有利状態に移行し、大当りZBに当選したときには、大当り遊技の終了後に通常状態に移行し、大当りZaに当選したときには、大当り遊技の終了後に第2有利状態に移行する。
遊技状態が第1有利状態である場合、大当りZA又は大当りZBに当選したときには、大当り遊技の終了後に第1有利状態に移行し、大当りZaに当選したときには、大当り遊技の終了後に第2有利状態に移行する。また、遊技状態が第1有利状態である場合に、前回の大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達したときには、通常状態に移行する。
遊技状態が第2有利状態である場合、大当りZAに当選したときには、大当り遊技の終了後に第1有利状態に移行し、大当りZBに当選したときには、大当り遊技の終了後に通常状態に移行し、大当りZaに当選したときには、大当り遊技の終了後に第2有利状態に移行する。また、遊技状態が第2有利状態である場合に、転落抽選に当選したときには、通常状態に移行する。
以上のように、遊技状態が通常状態である場合に第1当り抽選において大当りに当選した場合には、大当り遊技の終了後に通常状態に移行可能である。一方で、遊技状態が第1有利状態である場合に第1当り抽選において大当りに当選した場合には、大当り遊技の終了後に通常状態に移行されない。
また、第1当り抽選において大当りに当選した場合には、大当り遊技の終了後に第2有利状態に移行されない。一方で、第2当り抽選において大当りに当選した場合には、大当り遊技の終了後に第2有利状態に移行可能である。
次に、本実施形態において、遊技状態が移行してから終了条件が成立するまでに大当りに当選する確率について説明する。
図8に示すように、本実施形態において、第1有利状態は、低確率状態であるときの遊技状態であり、第2有利状態は、高確率状態であるときの遊技状態である。言い換えれば、第1有利状態である場合の大当り確率は、第2有利状態である場合の大当り確率よりも低確率である。また、第1有利状態は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達したことを条件として終了される。一方で、第2有利状態は、転落抽選に当選したことを条件として終了される。このため、第1有利状態について、遊技状態が移行してから終了条件が成立するまでに大当りに当選する確率は、第1有利状態に移行してから作動回数の特別ゲームが終了するまでの間に大当りに当選する確率となる。一方、第2有利状態について、遊技状態が移行してから終了条件が成立するまでに大当りに当選する確率は、第2有利状態に移行してから転落抽選に当選するまでの間に大当りに当選する確率となる。
ここで、第1有利状態に移行してから作動回数の特別ゲームが終了するまでの間に大当りに当選する確率は、第1有利状態における大当り確率、及び作動回数として規定される特別ゲームの回数により定められる。具体的に、第1有利状態に移行してから作動回数の特別ゲームが終了するまでの間に大当りに当選する確率は、第1有利状態における大当り確率が高いほど高くなる。また、第1有利状態に移行してから作動回数の特別ゲームが終了するまでの間に大当りに当選する確率は、作動回数として規定される特別ゲームの回数が多いほど高くなる。
一方、第2有利状態に移行してから転落抽選に当選するまでの間に大当りに当選する確率は、第2有利状態における大当り確率、及び転落抽選に当選する確率により定められる。具体的に、第2有利状態に移行してから転落抽選に当選するまでの間に大当りに当選する確率は、第2有利状態における大当り確率が低いほど低くなる。また、第2有利状態に移行してから転落抽選に当選するまでの間に大当りに当選する確率は、転落抽選に当選する確率が高いほど低くなる。
一例として、本実施形態において、第1有利状態における大当り確率は1/22であり、作動回数は100回である。これによれば、第1有利状態に移行してから作動回数の特別ゲームが終了するまでの間に大当りに当選する確率は、99.05%となる。また、本実施形態において、第2有利状態における大当り確率は1/6.47であり、転落抽選に当選する確率は1/496である。これによれば、第2有利状態に移行してから転落抽選に当選するまでの間に大当りに当選する確率は、98.71%となる。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1有利状態に移行してから作動回数の特別ゲームが終了するまでの間に大当りに当選する確率が、第2有利状態に移行してから転落抽選に当選するまでの間に大当りに当選する確率よりも高くなるように構成されている。
次に、本実施形態において、遊技状態が通常状態である場合にリーチ抽選に当選する確率(以下、リーチ当選確率と示す)について説明する。
本実施形態において、通常状態におけるリーチ当選確率は、現在の特別保留数に応じて異なる。例えば、通常状態において、第1特別ゲームが実行される場合のリーチ当選確率は、該第1特別ゲームが実行されるときの第1特別保留数に応じて異なる。また、通常状態において、第2特別ゲームが実行される場合のリーチ当選確率は、該第2特別ゲームが実行されるときの第2特別保留数に応じて異なる。
そして、本実施形態において、特別保留数が保留上限数(本実施形態では、4)である場合に実行される特別ゲームにおけるリーチ当選確率は、保留上限数の特別ゲームの特別ゲームが実行される場合に該保留上限数の特別ゲームのうち少なくとも1つの特別ゲームが大当りとなる確率よりも高い。言い換えれば、通常状態において、特別ゲームを保留上限数だけ実行した場合に、該保留上限数の特別ゲームのうち少なくとも1つの特別ゲームにおいて大当り図柄が導出される確率は、保留上限数の特別ゲームの実行が保留されている場合に実行される特別ゲームにおけるリーチ当選確率よりも高い。
このため、図9に示すように、例えば第2有利状態において第2特別保留数が保留上限数(本実施形態では4)であるときに転落抽選に当選して通常状態に移行したとする。この場合、通常状態において実行される保留上限数の第2特別ゲームのうち少なくとも1つの第2特別ゲームが大当りとなる確率(図中、第2確率と示す)は、通常状態に移行してから1回目に実行される第2特別ゲームにおけるリーチ当選確率(図中、第1確率と示す)よりも高いこととなる。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1−1)第2有利状態に制御された場合には、第1有利状態に制御されたときと比較して、1回の当り抽選において大当りに当選する確率が高いため、1回の当り抽選に対する期待感を向上させて遊技を楽しませることができる。一方、第1有利状態に制御された場合には、第2有利状態に制御されたときと比較して、1回の当り抽選において大当りに当選する確率は低いものの、有利状態が終了するよりも前に次の大当りに当選する確率が高いため、大当りに当選しないまま通常状態に移行してしまうかもしれないという不安を低減させた上で遊技を楽しませることができる。このため、本実施形態では、第1有利状態と第2有利状態の何れに制御された場合であっても、遊技者の興趣を向上できる。
(1−2)大当りZBに当選した場合、当選時の遊技状態が通常状態であったときには、大当り遊技の終了後に通常状態に制御されるものの、当選時の遊技状態が第1有利状態であったときには、大当り遊技の終了後に第1有利状態に制御される。これによれば、通常状態よりも遊技者にとって有利な第1有利状態に制御されたにもかかわらず、該第1有利状態において大当りZBに当選することで第1有利状態が終了してしまうことがないため、第1有利状態においては、遊技者に安心感を持たせて遊技を楽しませることができる。
(1−3)大当りZBに当選した場合、当選時の遊技状態が第1有利状態であったときには、大当り遊技の終了後に第1有利状態に制御されるものの、当選時の遊技状態が第2有利状態であったときには、大当り遊技の終了後に通常状態に制御される。これによれば、第1有利状態においては、遊技者に安心感を持たせて遊技を楽しませることができる。一方で、第2有利状態については大当りZBに当選することで終了してしまうことがあるため、遊技者に緊張感を持たせて遊技を楽しませることができる。
(1−4)第1有利状態は、入球補助機能が作動しているときの遊技状態であることから、主に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて第2当り抽選を実行させるという遊技性で遊技が行われる。そして、第2当り抽選において大当りに当選した場合には、大当り遊技の終了後に第2有利状態に制御され得るため、第1有利状態では、第2当り抽選において大当りに当選して第2有利状態に制御されることに期待できる。また、第1有利状態中に第1当り抽選において大当りに当選した場合には、大当り遊技の終了後に第1有利状態に制御されるため、第1有利状態中に第1当り抽選が実行されてしまった場合であっても、遊技者に安心感を与えることができる。
(1−5)例えば、通常状態において第1特別保留数が1以上であって且つ第2特別保留数が0であるときに大当りZAに当選して第1有利状態に移行したとする。この場合、第1有利状態であっても、該第1有利状態において第2特別ゲームの保留条件が成立するまでは、既に保留条件が成立している第1特別ゲームが実行されることとなる。しかしながら、本実施形態では、第1有利状態において第1当り抽選に当選したときには、大当りZAと大当りZBの何れに当選した場合であっても、大当り遊技の終了後に第1有利状態に移行する。このため、本実施形態では、第1有利状態に移行したときに第2特別ゲームの保留条件が成立していないことで第1特別ゲームが実行されてしまった場合であっても、遊技者に安心感を与えることができる。
(1−6)通常状態において、特別ゲームを保留上限数だけ実行した場合に、該保留上限数の特別ゲームのうち少なくとも1つの特別ゲームにおいて大当り図柄が導出される確率は、保留上限数の特別ゲームの実行が保留されている場合に実行される特別ゲームにおけるリーチ当選確率よりも高い。このため、保留上限数の特別ゲームの実行が保留されている場合に実行された特別ゲームにおいてリーチ抽選に当選せずリーチ演出が実行されなかった場合であっても、該特別ゲームにおいてリーチ抽選に当選するよりも高い確率で、保留されている特別ゲームのうち少なくとも1つの特別ゲームにおいて大当り図柄が導出されることに期待できる。これによれば、保留上限数の特別ゲームの実行が保留されている場合に実行された特別ゲームにおいてリーチ抽選に当選せずリーチ演出が実行されなかったときであっても、遊技者の興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
(1−7)例えば、第2有利状態において第2特別保留数が保留上限数であるときに転落抽選に当選して通常状態に移行したとする。この場合に、通常状態に移行してから1回目に実行される第2特別ゲームにおいてリーチ抽選に当選せずリーチ演出が実行されなかったとしても、該第2特別ゲームにおけるリーチ当選確率よりも高い確率で、保留されている第2特別ゲームのうち少なくとも1つの第2特別ゲームが大当りとなるため、遊技者の興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
(1−8)第2有利状態において転落抽選に当選した場合には、高確率状態が終了されるとともに時短状態も終了されることで通常状態に移行するため、転落抽選に当選するか否かについて、緊張感を持たせて遊技を楽しませることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一の構成、及び同一の制御については同一の符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
図10に示すように、第2実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。具体的に、第2実施形態では、100種類の第1特別図柄の大当り図柄のうち、4種類の大当り図柄が大当り図柄ZCに、96種類の大当り図柄が大当り図柄ZDに、それぞれ分類されている。また、第2実施形態では、100種類の第2特別図柄の大当り図柄の全てが大当り図柄Zcに分類されている。なお、以下の説明では、大当り図柄ZCに基づく大当りを「大当りZC」、大当り図柄ZDに基づく大当りを「大当りZD」、大当り図柄Zcに基づく大当りを「大当りZc」と示す。
大当りZC,ZDに基づく大当り遊技では、特定のラウンド遊技における特定可変部材21の動作パターンとして、非特定動作パターンが定められている。その一方で、大当りZcに基づく大当り遊技では、特定のラウンド遊技における特定可変部材21の動作パターンとして、特定動作パターンが定められている。即ち、大当りZC,ZDに基づく大当り遊技では、特定可変部材21が非特定動作パターンで動作することから、遊技球を特定領域20dがある特定通路20bへと流入させることが実質的に不可能である。即ち、大当りZC,ZDに基づく大当り遊技は、実質的にV入賞を発生不可能に構成されている。その一方で、大当りZcに基づく大当り遊技では、特定のラウンド遊技において、特定可変部材21が特定動作パターンで動作することから、遊技球を特定通路20bへと流入させることが可能である。即ち、大当りZcに基づく大当り遊技は、V入賞を発生可能に構成されている。
次に、大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。以下、大当りの種類毎に、大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。
まず、大当りZCに基づく大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。大当りZCに基づく大当り遊技では、実質的にV入賞を発生不可能である。そして、大当りZCに基づく大当り遊技中にV入賞が発生しなかった場合、大当り遊技の終了後に低確率状態且つ時短状態となる。このとき、時短状態は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が予め定めた第1作動回数(第2実施形態では100回)に達したことを契機に終了する。即ち、第2実施形態では、大当りZCに基づく大当り遊技の終了後に第1有利状態となり、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が第1作動回数に達したことを契機に第1有利状態が終了して通常状態となる。
次に、大当りZDに基づく大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。上述したように、大当りZDに基づく大当り遊技では、実質的にV入賞を発生不可能である。そして、大当りZDに基づく大当り遊技中にV入賞が発生しなかった場合、大当り遊技の終了後に低確率状態且つ時短状態となる。ここで、大当りZDに当選したときの遊技状態が第1有利状態である場合、時短状態は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が第1作動回数(第2実施形態では100回)に達したことを契機に終了する。一方で、大当りZDに当選したときの遊技状態が通常状態又は第2有利状態である場合、時短状態は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が第1作動回数よりも少ない第2作動回数(第2実施形態では10回)に達したことを契機に終了する。即ち、第2実施形態では、大当りZDに当選した場合には、大当り遊技の終了後に第1有利状態に移行される。そして、第2実施形態では、第1有利状態において大当りZDに当選した場合に第1有利状態に制御されるときの第1作動回数は、通常状態又は第2有利状態において大当りZDに当選した場合に第1有利状態に制御されるときの第2作動回数よりも多い。第2実施形態では、大当りZDが特定の大当りに相当する。
次に、大当りZcに基づく大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。大当りZcに基づく大当り遊技では、V入賞を発生可能である。そして、大当りZcに基づく大当り遊技中にV入賞が発生した場合、大当り遊技の終了後に高確率状態且つ時短状態となる。このとき、高確率状態は、転落抽選において、転落に当選したことを契機に終了する。また、時短状態は、高確率状態の終了に伴って終了する。即ち、第2実施形態では、大当りZcに基づく大当り遊技中にV入賞が発生した場合、大当り遊技の終了後に第2有利状態となり、転落抽選に当選したことを契機に第2有利状態が終了して通常状態となる。
なお、大当りZcに基づく大当り遊技において、遊技球が特定通路20bへ流入しない場合もあり得る。この場合、大当りZcに基づく大当り遊技の終了後には、低確率状態且つ時短状態となる。このとき、時短状態は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が予め定めた第1作動回数に達したことを契機に終了する。即ち、第2実施形態では、大当りZcに基づく大当り遊技中にV入賞が発生しなかった場合、大当り遊技の終了後に第1有利状態となり、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が第1作動回数に達したことを契機に第1有利状態が終了して通常状態となる。
また、第2実施形態のパチンコ遊技機10において、大当りZC,ZDに基づく大当り遊技では実質的にV入賞が発生不可能であるが、仮に大当りZC,ZDに基づく大当り遊技においてV入賞が発生した場合には、大当りZcに基づく大当り遊技においてV入賞が発生したときと同様の遊技状態となる。
このような第2実施形態の大当りの種類によれば、第1当り抽選において大当りに当選した場合には、大当りに当選したときの遊技状態が通常状態であるときと第1有利状態であるときの何れであっても、大当り遊技の終了後に第1有利状態に移行される。ここで、第1有利状態中に第1当り抽選において大当りに当選した場合には、大当りZC,ZDの何れに当選したときであっても作動回数が第1作動回数(本実施形態では100回)となる。一方で、通常状態中に第1当り抽選において大当りに当選した場合には、大当りZCに当選したときには作動回数が第1作動回数となり、大当りZDに当選したときには作動回数が第1作動回数よりも少ない第2作動回数(10回)となる。このため、第2実施形態では、第1有利状態中に第1当り抽選において大当りに当選した場合に第1有利状態に移行されるときの作動回数の平均回数は、通常状態中に第1当り抽選において大当りに当選した場合に第1有利状態に移行されるときの作動回数の平均回数よりも多くなる。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(2−1)通常状態中に第1当り抽選において大当りに当選した場合、大当りZC,ZDの何れに当選したときであっても、大当り遊技の終了後に第1有利状態に制御されるため、遊技者の興趣を向上できる。
(2−2)第1有利状態中に第1当り抽選において大当りに当選した場合には、大当りZC,ZDの何れに当選したときであっても、大当り遊技の終了後に第1有利状態に制御されることに加えて、通常状態中に第1当り抽選において大当りに当選したときと比較して作動回数の平均回数が多くなる。このため、第1有利状態中に第1当り抽選が実行されてしまった場合であっても、遊技者に安心感を与えることができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・制御可能な遊技状態の数及び種類は適宜変更してもよい。例えば、確変機能が作動する一方で、入球補助機能及び時短機能が作動しない遊技状態に制御可能であってもよい。また例えば、確変機能及び時短機能が作動する一方で入球補助機能が作動しない遊技状態に制御可能であってもよい。
・各大当りについて、大当り遊技におけるラウンド遊技の上限回数や、特定のラウンド遊技における特定可変部材21の動作パターンなどを変更してもよい。
・各大当りについて、特定可変部材21の動作パターンは同一としてもよい。この場合、大当りの種類に応じて特定のラウンド遊技における大入賞口18の開放パターンを異ならせることにより、V入賞を発生可能とするか否かを異ならせてもよい。
・第1特別図柄の大当りの数及び種類は適宜変更してもよい。例えば、第1特別図柄の大当りとしてV入賞を発生可能な大当りを備えてもよい。また、第2特別図柄の大当りの数及び種類は適宜変更してもよい。例えば、第2特別図柄の大当りとしてV入賞を発生不可能な大当りを備えてもよい。また、各特別図柄について、大当りの種類の振分割合は適宜変更してもよい。この場合、第1当り抽選において大当りに当選したときには、第2当り抽選において大当りに当選したときと比較して低い割合でV入賞を発生可能な大当りに当選するようにするとよい。即ち、第1当り抽選において大当りに当選した場合には、第2当り抽選において大当りに当選したときと比較して低い割合で大当り遊技の終了後に第2有利状態に移行されるようにするとよい。
・第1特別図柄の大当りとして、第1有利状態中に大当りに当選した場合に大当り遊技の終了後に通常状態に移行される大当りを備えてもよい。この場合、第1有利状態中に第1当り抽選において大当りに当選した場合には、通常状態中に第1当り抽選において大当りに当選したときと比較して低い割合で大当り遊技の終了後に通常状態に移行されるようにするとよい。
・各大当りについて、大当り遊技の終了後に第1有利状態に制御するときの作動回数については適宜変更してもよい。
・主制御CPU30aは、第2有利状態において転落抽選に当選した場合であっても時短状態を終了しないときがあるように制御してもよい。例えば、主制御CPU30aは、第2有利状態において転落抽選に当選した場合であっても、前回の大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が所定の回数に達していないときには、第1有利状態に移行させるように制御してもよい。この場合、前回の大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が所定の回数に達したことを契機として第1有利状態を終了して通常状態に移行させるように制御するとよい。即ち、主制御CPU30aは、大当り遊技の終了後に第2有利状態に制御した場合、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が所定の回数に達するまでは少なくとも時短状態が継続するように制御してもよい。
・各遊技状態における大当り確率は適宜変更してもよい。
・転落抽選に当選する確率は適宜変更してもよい。
・リーチ抽選に当選する確率は適宜変更してもよい。リーチ抽選に当選する確率は、遊技状態にかかわらず同一であってもよいし、遊技状態に応じて異なっていてもよい。例えば、リーチ抽選に当選する確率は、通常状態であるときと比較して第1有利状態又は第2有利状態であるときの方が高確率であってもよいし、その逆であってもよい。また、リーチ抽選に当選する確率は、第1特別ゲームが実行される場合と第2特別ゲームが実行される場合とで同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、リーチ抽選に当選する確率は、第1特別ゲームが実行されるときと比較して第2特別ゲームが実行されるときの方が高確率であってもよいし、その逆であってもよい。また、リーチ抽選に当選する確率は、特別保留数にかかわらず同一であってもよいし、特別保留数に応じて異なっていてもよい。例えば、リーチ抽選に当選する確率は、特別保留数が多いときの方が特別保留数が少ないときよりも高確率であってもよいし、その逆であってもよい。
・高確率状態を付与するか否かは、V入賞の有無ではなく、大当り図柄(大当り)の種類に応じて決定してもよい。この場合、主制御CPU30aは、特定の大当り図柄を決定したとき、大当り遊技の終了後に高確率状態を付与する一方で、非特定の大当り図柄を決定したとき、大当り遊技の終了後に低確率状態を付与するとよい。この場合、特定可変部材21及びV入賞センサSE4を省略してもよい。
・大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が予め定めた確変回数に達したことを条件として高確率状態を終了させる遊技機(所謂、ST機)に具体化してもよい。この場合、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が確変回数に達することが第2終了条件に相当する。また、大当り遊技終了後に第2有利状態に移行させる場合、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が予め定めた確変回数に達したことを条件として、高確率状態を終了させるとともに時短状態を終了させることで通常状態に移行させてもよいし、高確率状態を終了させる一方で時短状態を終了させないことで第1有利状態に移行させてもよい。
・特別ゲームは、演出表示装置EHにて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。
・第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、保留順に実行してもよく、交互に実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
・リーチ演出を含め、上記実施形態において説明した各種の演出は、発明を逸脱しない範囲であれば、演出表示装置EHによる表示演出、装飾ランプLAによる発光演出、スピーカSPによる音声演出、及び、所定の動作が可能な可動体による可動体演出のうち1つ、又は複数を組み合わせて構成してもよい。
・主制御基板30の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板30は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・主制御CPU30a、主制御ROM30b、及び主制御RAM30cは、ワンチップのマイクロプロセッサとして構成されていてもよい。
・副制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU40aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)転落抽選を実行する転落抽選手段を備え、前記第2終了条件は、前記転落抽選に当選することであり、前記遊技状態制御手段は、前記第2有利状態中に前記転落抽選に当選した場合には、前記第2有利状態に移行されてからの前記変動ゲームの実行回数にかかわらず前記通常状態に移行させる。
(ロ)前記大当りには、特定の大当りがあり、前記特定の大当りに当選した場合には、前記大当り遊技の終了後に前記第1有利状態に移行されるようになっており、前記第1終了条件は、前記大当り遊技の終了後における前記変動ゲームの実行回数が特定回数に達することであり、前記第1有利状態中に前記特定の大当りに当選した場合に前記第1有利状態に移行されるときの前記特定回数は、前記通常状態中に前記特定の大当りに当選した場合に前記第1有利状態に移行されるときの前記特定回数よりも多い。
(ハ)前記大当りには、特定の大当りがあり、前記特定の大当りに当選した場合には、前記大当り遊技の終了後に前記第1有利状態に移行されるようになっており、前記第1終了条件は、前記大当り遊技の終了後における前記変動ゲームの実行回数が特定回数に達することであり、前記第1有利状態中に前記特定の大当りに当選した場合に前記第1有利状態に移行されるときの前記特定回数は、前記第2有利状態中に前記特定の大当りに当選した場合に前記第1有利状態に移行されるときの前記特定回数よりも多い。
(ニ)遊技球が入球可能な第1始動口と、遊技球が入球可能な第2始動口と、前記第2始動口へ遊技球を誘導しない第1状態、及び前記第2始動口へ遊技球を誘導する第2状態を取り得る誘導手段と、前記誘導手段を制御する誘導制御手段と、を備え、前記誘導制御手段は、前記第1有利状態では、前記誘導手段を前記第2状態に制御可能である一方で、前記通常状態では、前記誘導手段を前記第2状態に制御しない又は前記第1有利状態と比較して単位時間あたりに前記誘導手段が前記第2状態となる時間が短くなるように制御し、前記当り抽選には、前記第1始動口に遊技球が入球したことを条件として実行される第1当り抽選と、前記第2始動口に遊技球が入球したことを条件として実行される第2当り抽選と、があり、前記第2当り抽選において大当りに当選した場合には、前記大当り遊技の終了後に前記第2有利状態に移行可能である一方で、前記第1当り抽選において大当りに当選した場合には、前記大当り遊技の終了後に前記第2有利状態に移行されない又は前記第2当り抽選において大当りに当選したときと比較して低い割合で前記大当り遊技の終了後に前記第2有利状態に移行されるようになっており、前記第1終了条件は、前記大当り遊技の終了後における前記変動ゲームの実行回数が特定回数に達することであり、前記第1有利状態中に前記第1当り抽選において大当りに当選した場合に前記第1有利状態に移行されるときの前記特定回数の平均回数は、前記通常状態中に前記第1当り抽選において大当りに当選した場合に前記第1有利状態に移行されるときの前記特定回数の平均回数よりも多い。