以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。
以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を含んで構成される。搭載枠11bは、設置枠11aに対して開閉可能となるように、設置枠11aの開口部の一側縁部に対して軸支されている。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、搭載枠11bに搭載されている。遊技盤YBの前面側には、遊技媒体の一例である遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。遊技盤YBには、正面視における遊技領域YBaの略中央に、開口窓YBbが形成されている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される手段の一例である。発射ハンドルHDは、一例として、搭載枠11bの前面側に設けられる。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節可能に構成される。パチンコ遊技機10は、遊技者が操作可能な演出用の操作手段を備えてもよい。
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体(不図示)を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、発光演出と示す)を行う手段の一例である。装飾ランプLAは、一例として、枠体11や遊技盤YBに設けられる。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を行う手段の一例である。スピーカSPは、一例として、搭載枠11bに設けられる。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームを表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bを備える。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する特別抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部13aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部13bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書に示す「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化する状態を意味する。本明細書に示す「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。本実施形態の一例において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果の一例である大当り図柄と、小当り表示結果の一例である小当り図柄と、はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、特別抽選(一例として大当り抽選)にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10では、特別抽選(一例として小当り抽選)にて小当りに当選すると、特別ゲームにて小当り図柄が導出され、当該小当りの特別ゲームの終了後、小当り遊技が付与される。以下の説明では、第1特別図柄表示部13aに表示される特別図柄を「第1特別図柄」と示し、第2特別図柄表示部13bに表示される特別図柄を「第2特別図柄」と示す。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部13c及び第2特別保留表示部13dを備える。第1特別保留表示部13cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部13dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限数は、4である。パチンコ遊技機10は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果の一例である普通当り図柄と、普通はずれ表示結果の一例である普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、当該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示部を有する。一例として、画像表示部は、液晶ディスプレイである。演出表示装置EHの画像表示部は、各種の情報(一例としてキャラクタや文字等)を画像として表示する表示領域HRを有する。演出表示装置EHは、正面から見たときに、表示領域HRが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示装置EHは、各種の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を行う手段の一例である。本明細書では、所定の情報について単に「表示する」と示す場合、「所定の情報を画像として表示する」ことを意味する。
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出ゲームが実行される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための情報である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、第1図柄列、第2図柄列、及び第3図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、777などのように、全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいて、小当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、小当りの図柄組合せが導出される。小当りの図柄組合せは、123などのように、大当りの図柄組合せとは異なる図柄組合せの1つ又は複数に定められている。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、778や787などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書に示す「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、をまとめて「変動ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと、当該第1特別ゲームに対応して実行される演出ゲームを纏めて「第1変動ゲーム」と示し、第2特別ゲームと、当該第2特別ゲームに対応して実行される演出ゲームを纏めて「第2変動ゲーム」と示す。
演出ゲームでは、リーチ演出が実行され得る。リーチ演出は、演出ゲームにおいて、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを導出させる演出である。リーチは、複数である特定の図柄列において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、他の図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。一例として、本実施形態では、第1図柄列及び第3図柄列が特定の図柄列に相当し、第2図柄列が他の図柄列に相当する。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出(以下、NR演出と示す)と、NR演出に比して大当り期待度が高いスーパーリーチ演出(以下、SR演出と示す)と、が含まれるとよい。
本実施形態において、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAは、それぞれ演出を実行可能な演出装置であるとともに、これらは演出(遊技演出)を実行する演出実行手段の一例である演出装置群を構成する。演出実行手段は、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAの全てを含むことに限らず、これら演出装置の中から任意に選択可能な1又は複数の演出装置によって構成されていてもよい。演出実行手段は、変位することにより可動体演出を実行可能な可動体を含んでいてもよく、演出用のボタン及び発射ハンドルHDを振動させる振動演出を実行可能な振動体を含んでいてもよい。
パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口15を備える。第1始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1特別始動センサSE1を備える(図6参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する第2始動入賞口16を備える。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2特別始動センサSE2を備える(図6参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球可能な開放状態と、遊技球が第2始動入賞口16へ入球不能な閉鎖状態と、に動作可能な普通可変部材17を備える。閉鎖状態は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球し得るが、開放状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させる手段の一例として、普通ソレノイドSL1を備える(図6参照)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開放状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する大入賞口18を備える。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開放状態と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉鎖状態と、に動作可能な手段の一例である特別可変部材19を備える。閉鎖状態は、遊技球が大入賞口18へ入球し得るが、開放状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させる手段の一例として、特別ソレノイドSL2を備える(図6参照)。特別可変部材19は、大当り遊技及び小当り遊技において、開放状態に動作される。本明細書では、単に「開放期間」と示す場合、特別可変部材19が開放状態に動作し、大入賞口18が開放されている期間を意味する。また、単に「閉鎖期間」と示す場合、特別可変部材19が閉鎖状態に動作し、大入賞口18が閉鎖されている期間を意味するものとする。大入賞口18は、特別入賞口の一例である。
図3に示すように、遊技盤YBの裏側には、大入賞口18へ入球した遊技球を外部へ案内する通路20が形成されている。通路20は、大入賞口18から遊技球が流入する流入通路20aと、当該流入通路20aから分岐する通路として、特定通路20bと、非特定通路20cと、が含まれる。以下、流入通路20aが特定通路20b及び非特定通路20cに分岐する部分を分岐部20dという。
パチンコ遊技機10は、特定可変部材21を備える。特定可変部材21は、大入賞口18へ入球し、分岐部20dへ到達した遊技球を、特定通路20b及び非特定通路20cの何れかへ振り分ける動作を可能に構成される。特定可変部材21は、遊技球を非特定通路20cへ振り分ける第1位置P1と、遊技球を特定通路20bへ振り分ける第2位置P2と、に動作可能である。特定可変部材21が第1位置P1にあるとき、分岐部20dへ到達した遊技球は、非特定通路20cへ流入する。特定可変部材21が第2位置P2にあるとき、分岐部20dへ到達した遊技球は、特定通路20bへ流入する。パチンコ遊技機10は、特定可変部材21を動作させる手段の一例として、特定ソレノイドSL3を備える(図6参照)。特定可変部材21は、小当り遊技中、第2位置P2へ動作される。
パチンコ遊技機10は、流入通路20aを通過する遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備える。パチンコ遊技機10では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、特定通路20bの一部である特定領域Srを通過する遊技球を検知する特定センサSE4を備える。非特定通路20cは、非特定領域の一例である。パチンコ遊技機10では、遊技球が特定センサSE4によって検知されると、特典を付与する付与条件が成立する。特典は、遊技者にとっての利益でもある。詳しくは後述するが、本実施形態の一例では、特典として大当り遊技(大当り)が定められている。
特定センサSE4は、特定領域Srを通過する遊技球を検知する検知手段の一例である。特定可変部材21は、特別入賞口(一例として大入賞口18)へ入球した遊技球を特定領域Sr(特定通路20b)、及び非特定領域(一例として非特定通路20c)の何れかに振り分ける動作を可能な振分手段の一例である。本明細書では、単に「振分期間」と示す場合、特定可変部材21が第2位置P2にあり、大入賞口18へ入球した遊技球を、特定領域Srへ振り分ける動作を行っている期間を意味する。また、本明細書において、単に「非振分期間」と示す場合、特定可変部材21が第1位置P1にあり、大入賞口18へ入球した遊技球を、非特定領域の一例である非特定通路20cへ振り分ける動作を行っている期間を意味する。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知する普通始動センサSE5を備える(図6参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が普通始動センサSE5によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しない。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口として、普通入賞口26を備える。パチンコ遊技機10は、普通入賞口26へ入球した遊技球を検知する普通入賞センサ(不図示)を備える。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサによって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。なお、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,26とは異なる入賞口を備えていてもよい。遊技球が入賞口に入球することは、所謂「入賞」である。パチンコ遊技機10は、アウト口27を備える。例えば、アウト口27は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口する。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、入賞口15,16,18,26の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口27から機外へ排出される。
上述のように、パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節できる。即ち、パチンコ遊技機10では、センター枠Wの左側領域Rf1、及びセンター枠Wの右側領域Rf2の何れかを流下するように、遊技球を打ち分けることができる。左側領域Rf1における遊技球の流下経路には、上流側から普通入賞口26、及び第1始動入賞口15が形成されている。このため、パチンコ遊技機10では、遊技領域YBaのうち、遊技球が左側領域Rf1を流下するように発射(所謂、左打ち)されたとき、遊技球が第1始動入賞口15、及び普通入賞口26へ入球し得る。右側領域Rf2における遊技球の流下経路には、上流側からゲート25、大入賞口18、及び第2始動入賞口16が形成されている。このため、遊技領域YBaのうち、遊技球が右側領域Rf2を流下するように発射(所謂、右打ち)されたとき、遊技球は、第2始動入賞口16、大入賞口18、及びゲート25へ入球し得る。
次に、当りの種類及び当り遊技について説明する。
図4に示すように、当り遊技には、大当り遊技と、小当り遊技と、がある。
本実施形態の一例において、大当り遊技には、図柄当りとなったことに基づいて付与される大当り遊技と、役物当りとなったことに基づいて付与される大当り遊技と、がある。図柄当りは、遊技状態を問わず、特別抽選(一例として大当り抽選)にて大当りに当選し、特別ゲームが大当りとなることである。図柄当りには、1又は複数の種類がある。図柄当りの種類は、特別図柄の種類に対応する。具体的に、パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、1又は複数の特別図柄を備える。特別図柄の大当り図柄は、1又は複数の種類(グループ)に分類される。一例として、大当り図柄は、第1特別図柄及び第2特別図柄の何れにおいても、同じ種類に分類される。つまり、第1特別図柄及び第2特別図柄における図柄当りは、それぞれ1種類である。役物当りは、大入賞口18へ入球した遊技球が特定通路20bへ振り分けられ、特定センサSE4にて検知されることによって大当りとなることである。つまり、役物当りは、上述した付与条件が成立することである。以下の説明では、大入賞口18へ入球した遊技球が特定領域Srを通過すること、つまり、遊技球が特定センサSE4によって検知されることを「特定入賞」と示す場合がある。特定入賞は、所謂「V入賞」である。
小当り遊技は、特別抽選(一例として小当り抽選)にて小当りに当選し、特別ゲームが小当りとなったことに基づいて付与される。小当りには、1又は複数の種類がある。小当りの種類は、特別図柄の種類に対応する。具体的に、パチンコ遊技機10は、特別図柄の小当り図柄として、1又は複数の特別図柄を備える。特別図柄の小当り図柄は、1又は複数の種類(グループ)に分類される。一例として、特別図柄の小当り図柄は、第1特別図柄及び第2特別図柄の何れにおいても、同じ種類に分類される。つまり、第1特別図柄及び第2特別図柄における小当りは、1種類である。なお、以下の説明では、便宜上、1種類の小当りを、さらに第1小当り及び第2小当りに区分して説明する。第1小当りは、通常状態中、第1特別図柄の特別抽選にて小当りに当選すること、及び、有利状態中、第1特別図柄又は第2特別図柄の特別抽選にて小当りに当選することである。第2小当りは、通常状態中、第2特別図柄の特別抽選にて小当りに当選することである。
大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が大入賞口18へ入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。各ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放パターン(開放態様)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
一例として、図柄当りに基づく大当り遊技には、オープニング時間として10秒、ラウンド遊技の上限回数として10回、ラウンド遊技の上限時間として25秒、ラウンド遊技における上限個数として10秒、エンディング時間として10秒が設定されている。一例として、役物当りに基づく大当り遊技には、オープニング時間として10秒、ラウンド遊技の上限回数として9回、ラウンド遊技の上限時間として25秒、ラウンド遊技における上限個数として10個、エンディング時間として10秒が設定されている。
小当り遊技について説明する。
小当り遊技では、最初に、オープニング時間にわたって所定の演出(一例としてオープニング演出)が行われる。小当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が1回だけ行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が大入賞口18へ入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。1回のラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放パターン(開放態様)にて開放される。ラウンド遊技では、所定の演出(一例として、ラウンド演出)が行われる。小当り遊技では、1回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間にわたって所定の演出(一例としてエンディング演出)が行われる。小当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
一例として、何れの小当りであるかを問わず、小当り遊技には、ラウンド遊技の上限回数として1回、ラウンド遊技の上限時間として1.8秒(0.9秒の開放を2回の合計)、ラウンド遊技における上限個数として10個が設定されている。第1小当りに基づく小当り遊技には、オープニング時間として第1オープニング時間(一例として0.4秒)、エンディング時間の一例として0.1秒が設定されている。第2小当りに基づく小当り遊技には、オープニング時間として第1オープニング時間よりも長い第2オープニング時間(一例として5秒)が設定されている。第1オープニング時間及び第2オープニング時間を計測中である期間は、待機期間の一例である。第2小当りに基づく小当り遊技には、エンディング時間の一例として、0.1秒が設定されている。なお、エンディング時間は、第1小当りに比して第2小当りのほうが長くてもよく、短くてもよく、同じでもよい。
小当り遊技中、特定可変部材21は、第1位置P1及び第2位置P2の何れかに位置するように動作する。以下、特定可変部材21の動作パターン(動作態様)について説明する。特定可変部材21の動作パターンは、第1小当りに基づく小当り遊技、及び第2小当りに基づく小当り遊技の何れにおいても同一である。なお、特定可変部材21は、大当り遊技中には動作せず、常に第1位置P1に位置するようになっている。
図5(a)及び(b)に示すように、特定可変部材21は、小当り遊技の開始時から予め定めた第1非振分期間(一例として0.4秒)が経過すると、第1位置P1から第2位置P2へ変位する(時点T1)。特定可変部材21は、第1振分期間(一例として0.1秒)にわたって第2位置P2に位置する(時点T1~T2)。特定可変部材21は、第1振分期間が経過すると、第2位置P2から第1位置P1へ変位する(時点T2)。特定可変部材21は、第1振分期間が終了してから、予め定めた第2非振分期間(一例として4.5秒)が経過すると、第1位置P1から第2位置P2へ変位する(時点T3)。特定可変部材21は、第2振分期間(一例として2.5秒)にわたって第2位置P2に位置する(時点T3~T4)。特定可変部材21は、第2振分期間が経過すると、第2位置P2から第1位置P1へ変位する(時点T4)。その後、特定可変部材21は、次回の小当り遊技が付与されるまで、第1位置P1に位置した状態に維持される。小当り遊技の開始時は、振分期間を規定する基準となる所定タイミングの一例である。小当り遊技の開始時とは、待機期間の一例であるオープニング時間の開始タイミングでもある。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口16への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動及び非作動)を組み合わせて構成される。
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、普通電動役物への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口16への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、当該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態へ移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの補助制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1補助制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2補助制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第2補助制御は、低入球率状態では、普通抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の当選確率にて普通抽選を行う制御であってもよい。第3補助制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3補助制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
次に、時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へ移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。なお、本実施形態において、時短機能は、入球補助機能に付随して作動する。つまり、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動となる。
本実施形態において、遊技状態には、通常状態及び有利状態の2つがある。通常状態は、入球補助機能及び時短機能が作動しない遊技状態である。なお、本実施形態の一例において、通常状態は、普通ゲームが普通当りとなる期待値が零であり、有利状態は、普通ゲームが普通当りとなる期待値が零を超える。また、有利状態は、入球補助機能及び時短機能が作動する遊技状態(所謂、電サポ状態)である。パチンコ遊技機10は、2つの遊技状態を備えることに限らず、その一部又は全部を、入球補助機能及び時短機能のうち作動させる機能を変更した異なる遊技状態としてもよい。また、遊技状態は、3つ以上であってもよい。また、パチンコ遊技機10は、特別抽選において大当りに当選する確率を低確率状態に比して高確率に変動させる高確率状態を付与する機能を搭載していてもよい。本実施形態において、通常状態は、第1遊技状態の一例である。有利状態は、第1遊技状態(一例として通常状態)に比して始動条件を成立させ易い第2遊技状態の一例である。より詳しくは、第2遊技状態は、第1遊技状態に比して、第2変動ゲームの始動条件を成立させ易い遊技状態である。
本実施形態では、図柄当り又は役物当りに基づく大当り遊技が終了すると、遊技状態が有利状態に制御される。有利状態は、予め定めた終了条件が成立すると終了し、遊技状態が通常状態に制御される。終了条件には、大当り遊技の終了後における変動ゲームの実行回数が予め定めた作動回数に達することにより成立する第1終了条件と、有利状態において次回の大当り遊技が付与されることにより成立する第2終了条件と、がある。つまり、大当り遊技中は、遊技状態が通常状態に制御される。一例として、作動回数は、100回に定めることができるが、これに限らず、100回未満であってもよく、101回以上であってもよい。このように、第2遊技状態(一例として有利状態)は、所定回数(一例として作動回数)の変動ゲームを上限として付与され、所定回数の変動ゲームの終了後には、第1遊技状態(一例として通常状態)が付与される。なお、小当り遊技が付与された場合、遊技状態は、小当り遊技中及び小当り遊技の前後で変更されず、同じ遊技状態に維持される。したがって、有利状態中、小当り遊技が付与された場合には、小当り遊技中及び小当り遊技の終了後にも有利状態が継続する。通常状態中、小当り遊技が付与された場合には、小当り遊技中及び小当り遊技の終了後にも通常状態が継続する。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図6に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40を備える。主制御基板40は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板50を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU42と示す)と、記憶部(メモリ)と、を備える。主制御CPU42は、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM43と示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRWM領域(以下、主制御RWM44と示す)と、が含まれる。
主制御ROM43は、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM43は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容(変動内容)の少なくとも一部を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、小当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンは、演出ゲームにてリーチ演出を行い、最終的に大当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。小当り変動パターンは、演出ゲームにて最終的に小当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、演出ゲームにて最終的にはずれの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンには、演出ゲームにてリーチ演出を行う「リーチあり」の変動パターンと、演出ゲームにてリーチ演出を行わない「リーチなし」の変動パターンと、が含まれる。
主制御RWM44は、主制御CPU42による処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM44が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路45を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU42による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU42、主制御ROM43、主制御RWM44、及び乱数回路45は、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
主制御CPU42は、センサSE1~SE5と接続されている。主制御CPU42は、センサSE1~SE5が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU42は、表示部13a~13fと接続されている。主制御CPU42は、表示部13a~13fの表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1~SL3と接続されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1~SL3の動作を制御することによって、それぞれ可変部材17,19,21の動作を制御可能に構成されている。
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53と、を備える。副制御CPU51は、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。本実施形態では、副制御CPU51が演出に関する各種の処理を実行することによって、各種の情報を出力させる制御を少なくとも可能に構成された制御手段の一例が構成されている。副制御ROM52は、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び、音声演出に用いる音声演出データなどを記憶している。副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副制御CPU51は、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、スピーカSPと接続されている。副制御CPU51は、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。本実施形態の副制御CPU51は、演出実行手段(一例として演出装置群)を制御する演出制御手段の一例である。
次に、主制御CPU42が行う各種の処理について説明する。
主制御CPU42は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU42は、第1特別始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動入賞口15へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第1始動入賞口15へ入賞した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数を1加算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。第1特別ゲームの保留条件(始動条件)は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU42は、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。例えば、乱数は、特別抽選(大当り抽選及び小当り抽選)に用いる特別当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第1始動入賞口15へ遊技球が入賞していない場合、及び、第1特別保留数が上限数未満ではない場合に、第2特別始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動入賞口16へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第2始動入賞口16へ入賞している場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第2特別保留数を1加算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。第2特別ゲームの保留条件(始動条件)は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU42は、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。主制御CPU42は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。主制御CPU42は、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第2始動入賞口16へ遊技球が入賞していない場合、及び、第2特別保留数が上限数未満ではない場合に、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU42は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU42は、当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)中ではなく、且つ、特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU42は、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU42は、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。次に、主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から取得する。続けて、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う。
大当りに当選した場合、主制御CPU42は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて導出させる大当り図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて、小当りに当選とするか否かの小当り抽選を行う。小当りに当選した場合、主制御CPU42は、小当り変動処理を行う。小当り変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、小当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて導出させる小当り図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、小当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
小当りに当選しなかった場合、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチあり又はリーチ無しのはずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU42は、第2特別保留数の減算、特別抽選(大当り抽選及び小当り抽選)、及び、特別抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
ここで、大当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)は、第1特別ゲームの大当り抽選と、第2特別ゲームの大当り抽選とで差異がない。一例として、大当り確率は、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームを問わず、何れも199分の1の確率に定めることができる。一方、小当り抽選にて小当りに当選する確率(以下、小当り確率と示す)は、第1特別ゲームにおける小当り抽選に比して、第2特別ゲームにおける小当り抽選のほうが高い確率である。一例として、第1特別ゲームにおける小当り確率は、零(当選なし)である一方、第2特別ゲームの小当り確率は、4.4分の1であるとよい。第2特別ゲームの小当り確率は、大当り確率に比して十分に高い確率であるとよく、好ましくは、2倍以上であり、より好ましくは、10倍以上であるとよい。
主制御CPU42は、大当り変動処理、小当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを副制御基板50へ出力する。変動開始コマンドは、変動処理にて決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、変動処理にて決定した特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU42は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。
主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副制御基板50へ出力する。以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、始動条件の成立を契機とした当り抽選の結果に基づいて変動ゲームを実行するように構成されている。
次に、小当り遊技処理について説明する。
小当り遊技処理は、小当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU42は、特別ゲームにおいて小当り図柄を導出させると、小当りの特別ゲームの終了後に小当り遊技処理を実行する。主制御CPU42は、小当りとなった特別ゲーム(特別図柄)の種類、及び、小当りとなったときの遊技状態と、に基づいて、小当りの種類(区分)を特定する。上述のように、主制御CPU42は、有利状態中、特別ゲームの種類に関係なく第1小当りを特定する一方、通常状態中、第1変動ゲームであれば第1小当りを特定し、第2変動ゲームであれば第2小当りを特定する。主制御CPU42は、特定した種類の小当りに基づいて小当り遊技を付与する。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、当り抽選の一例である小当り抽選にて所定の当りの一例である小当りに当選すると、小当りとなる変動ゲームの終了後に大入賞口18を開放するように構成されている。
最初に、主制御CPU42は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。本実施形態の一例では、第1小当りであるときに計測するオープニング時間は、第1オープニング時間であり第2小当りであるときに計測するオープニング時間は、第1オープニング時間より長い第2オープニング時間である。つまり、特別入賞口(一例として大入賞口18)は、第1遊技状態(一例として通常状態)及び第2遊技状態(一例として有利状態)の何れであるかに応じて、所定タイミングを基準としたときの開放開始タイミングが異なる。主制御CPU42は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU42は、特定した小当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口18を開放状態とする。主制御CPU42は、特別入賞センサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口18を閉鎖状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。本実施形態において、主制御CPU42は、大入賞口18の開放及び閉鎖を制御する開閉制御手段の一例を構成する。主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始するとき、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、1回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU42は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副制御基板50へ出力する構成であってもよい。
また、主制御CPU42は、小当り遊技の開始と共に、特定可変部材21の動作制御データを用いて特定ソレノイドSL3を制御し、特定可変部材21を第1位置P1と第2位置P2との間で変位させる。なお、特定可変部材21の動作制御データは、第1小当り及び第2小当りにて兼用されており、何れの小当りであっても動作パターンが同じになる。つまり、振分手段(一例として特定可変部材21)は、第1遊技状態(一例として有利状態)及び第2遊技状態(一例として通常状態)の何れにおいても同じパターンにて動作し、所定タイミング(一例として小当り遊技の開始時)を基準としたときの振分期間が同じになる。主制御CPU42は、振分手段(一例として特定可変部材21)の動作を制御する振分制御手段の一例を構成する。主制御CPU42は、特定センサSE4から検知信号を入力すると、特定入賞の発生を特定可能な情報(以下、特定入賞フラグ)を主制御RWM44に記憶させる。主制御CPU42は、特定センサSE4から検知信号を入力すると、特定入賞の発生を特定可能な制御コマンド(以下、特定入賞コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。
次に、第1大当り遊技処理について説明する。
第1大当り遊技処理は、図柄当りに基づく大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU42は、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU42は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU42は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
最初に、主制御CPU42は、オープニングコマンドを副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、オープニング時間が経過すると、小当り遊技と同様にして、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。そして、主制御CPU42は、ラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数(一例として10回)のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始する毎にラウンドコマンドを副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング開始コマンドを副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU42は、エンディング終了コマンドを副制御基板50へ出力する構成であってもよい。
次に、第2大当り遊技処理について説明する。
第2大当り遊技処理は、役物当りに基づく大当り遊技を付与するための処理である。第2大当り遊技処理を実行する主制御CPU42は、検知手段(一例として特定センサSE4)による遊技球の検知結果に基づいて特典(一例として大当り遊技)を付与する特典付与手段の一例を構成する。つまり、特典は、小当りを契機に開放される特別入賞口(一例として大入賞口18)と同じ入賞口を開放する大当り遊技である。主制御CPU42は、小当り遊技を終了させると、小当り遊技中に特定入賞が発生したか否かを判定する。特定入賞が発生したか否かは、主制御RWM44に特定入賞フラグが記憶されているか否かによって判定できる。特定入賞が発生していない場合、主制御CPU42は、第2大当り遊技処理を終了する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技を付与しない。一方、特定入賞が発生している場合、主制御CPU42は、大当り遊技を付与する。なお、大当り遊技の付与に関する以降の処理内容は、第1大当り遊技処理と同様であるから、その詳細な説明を省略する。
遊技状態移行処理について説明する。
遊技状態移行処理は、遊技状態を移行させるための処理である。遊技状態移行処理を実行する主制御CPU42は、遊技状態を制御する遊技状態制御手段の一例を構成する。主制御CPU42は、大当り遊技が終了すると、有利状態であることを特定可能な作動フラグを主制御RWM44に記憶させる。即ち、主制御CPU42は、有利状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RWM44に記憶されている実行カウンタの値を更新することで、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU42は、特別ゲームの実行回数が作動回数に達する特別ゲームが終了すると、主制御RWM44に記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると、有利状態を終了して通常状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグが記憶されているとき、当該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、通常状態に制御する。
副制御CPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、小当り演出処理について説明する。
小当り演出処理は、小当り遊技中の演出(以下、小当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、小当り遊技のオープニングコマンドを入力すると、小当り遊技のオープニング演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、小当り遊技のラウンドコマンドを入力すると、小当り遊技のラウンド演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、小当り遊技のエンディング開始コマンドを入力すると、小当り遊技のエンディング演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、小当り遊技のエンディング終了コマンドを入力すると、小当り遊技のエンディング演出を終了するように演出装置群を制御する。
図2に示すように、本実施形態の一例において、副制御CPU51は、第1小当りのオープニングコマンドを入力すると、大入賞口18を狙って遊技球を打ち出すことを促す特定情報(一例として「大入賞口を狙え!」の文字列)のうち、第1特定情報J1を表示する第1促進演出を開始するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。これに限らず、特定情報は、遊技球が右側領域Rf2を流下するように遊技球を打ち出すことを促す情報(一例として「右打ち」の文字列)であってもよい。副制御CPU51は、特定入賞コマンドを入力すると、第1促進演出を終了するとともに、特定入賞の発生を特定可能な情報(一例として「V入賞おめでとう」の文字列)を表示する特定入賞演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。なお、副制御CPU51は、特定入賞コマンドを入力しないままエンディング終了コマンドを入力すると、促進演出を終了するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。
また、本実施形態の一例において、副制御CPU51は、第2小当りのオープニングコマンドを入力すると、特定情報のうち第2特定情報J2を表示する第2促進演出を開始するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。ここで、演出表示装置EHの表示領域HRにおいて、第1特定情報J1の表示面積(大きさ)は、第2特定情報J2の表示面積(大きさ)に比して大きい。副制御CPU51は、特定入賞コマンドを入力すると、第2促進演出を終了するとともに、特定入賞演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。副制御CPU51は、特定入賞コマンドを入力しないままエンディング終了コマンドを入力すると、促進演出を終了するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。なお、副制御CPU51は、有利状態中、特定情報のうち第3特定情報J3(不図示)を表示する第3促進演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。副制御CPU51は、第2特定情報J2と第3特定情報J3とを同じ特定情報として兼用し、第2促進演出と第3促進演出とを切れ目なく実行させる構成であってもよい。
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、大当り遊技のオープニングコマンドを入力すると、大当り遊技のオープニング演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、大当り遊技のラウンドコマンドを入力すると、大当り遊技のラウンド演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、大当り遊技のエンディング開始コマンドを入力すると、大当り遊技のエンディング演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、大当り遊技のエンディング終了コマンドを入力すると、大当り遊技のエンディング演出を終了するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、大当り遊技中、特定情報のうち第4特定情報J4(不図示)を表示する第4促進演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームを実行中である期間中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副制御CPU51は、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて導出させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから小当り図柄を特定可能である場合、小当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
また、副制御CPU51は、リーチ演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。一例として、リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されることによって成立する。リーチ条件には、リーチありの変動パターンが決定されたことに加えて、所定のリーチ演出抽選を行い、当該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるとき、大当りの図柄組合せを構成する演出図柄をリーチの演出図柄として決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しておらず、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
そして、副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させる。変動パターンに定められた変動時間中、副制御CPU51は、選択した演出パターンに基づいて、演出ゲームに関連した各種の演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを一旦停止表示させ、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。なお、副制御CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に、図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
図7に示すように、パチンコ遊技機10は、変動ゲームを実行中であるとき、当該変動ゲームの結果を特定可能とする特定演出を実行可能に構成されている。特定演出は、特定演出の開始を特定可能な導入部と、変動ゲームの結果(特別抽選の結果)を報知する結果部と、を含んで構成される。一例として、特定演出の導入部は、特定演出の開始を特定可能な情報(例えば「扉が開いたらチャンス」の文字列、及び閉じた状態の扉)を演出表示装置EHに表示する態様にて実行される(図7(a)参照)。特定演出の結果部には、はずれであることを特定可能なはずれ結果部と、大当りであることを特定可能な大当り結果部と、小当りであることを特定可能な小当り結果部と、がある。一例として、はずれ結果部は、はずれであることを特定可能な情報(例えば「失敗」の文字列、及び閉じた状態の扉)を演出表示装置EHに表示する態様にて実行される(図7(b)参照)。一例として、大当り結果部は、大当りであることを特定可能な情報(例えば「大当り」の文字列、及び開いた状態の扉)を演出表示装置EHに表示する態様にて実行される(図7(c)参照)。一例として、小当り結果部は、小当りであることを特定可能な情報(例えば「成功」の文字列、及び開いた状態の扉)を演出表示装置EHに表示する態様にて実行される(図7(d)参照)。
次に、特定演出を実行させるための処理について説明する。
副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、特定演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態の一例において、特定演出の実行条件は、当該特定演出の実行を定めた変動パターン(以下、特定変動パターンと示す)が決定されることにより成立する。上述のように、変動パターンは、主制御CPU42が特別図柄開始処理の各変動処理において決定する。
主制御CPU42は、大当り遊技が終了してから作動回数の変動ゲームが終了する迄の間、第1特別ゲームを開始させるための処理のうち大当り変動処理、小当り変動処理、及びはずれ変動処理の何れにおいても、特定変動パターンを含まない変動パターンの中から変動パターンを決定する。主制御CPU42は、大当り遊技が終了してから作動回数の変動ゲームが終了する迄の間、第2特別ゲームを開始させるための処理のうち大当り変動処理、小当り変動処理、及びはずれ変動処理の何れにおいても、特定変動パターンを含まない1又は複数の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
主制御CPU42は、大当り遊技の終了後、作動回数の変動ゲームが終了してから、さらに特定回数(本実施形態では4回)の変動ゲームが終了する迄の間、第1特別ゲームを開始させるための処理のうち大当り変動処理、小当り変動処理、及びはずれ変動処理の何れにおいても、特定変動パターンを決定する。主制御CPU42は、大当り遊技の終了後、作動回数の変動ゲームが終了してから、さらに特定回数(一例として4回)の変動ゲームが終了する迄の間、第2特別ゲームを開始させるための処理のうち大当り変動処理、小当り変動処理、及びはずれ変動処理の何れにおいても、特定変動パターンを決定する。なお、主制御CPU42は、1の特定変動パターンを決定する構成であってもよく、複数の特定変動パターンの中から1の特定変動パターンを決定する構成であってもよい。したがって、本実施形態の構成によれば、有利状態の終了後、連続する特定回数の各変動ゲームにて、それぞれ特定変動パターンが決定される。本実施形態の一例において、特定回数は、第2特別ゲームの保留上限数に等しい数であるが、これに限らず、保留上限数より少ない数であってもよく、保留上限数より多い数であってもよい。
主制御CPU42は、大当り遊技の終了後、作動回数の変動ゲーム、及び特定回数の変動ゲームが終了してからは、第1特別ゲームを開始させるための処理のうち大当り変動処理、小当り変動処理、及びはずれ変動処理の何れにおいても、特定変動パターンを含まない1又は複数の変動パターンの中から変動パターンを決定する。主制御CPU42は、大当り遊技の終了後、作動回数の変動ゲーム、及び特定回数の変動ゲームが終了してからは、第2特別ゲームを開始させるための処理としての大当り変動処理、小当り変動処理、及びはずれ変動処理の何れにおいても、特定変動パターンを含まない1又は複数の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
副制御CPU51は、特定変動パターンを特定可能な変動開始コマンドを入力すると、演出ゲームにて特定演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU51は、はずれ変動パターンである特定変動パターンを特定可能であるとき、導入部→はずれ結果部の演出内容にて特定演出を実行させる。副制御CPU51は、大当り変動パターンである特定変動パターンを特定可能であるとき、導入部→大当り結果部の演出内容にて特定演出を実行させる。副制御CPU51は、小当り変動パターンである特定変動パターンを特定可能であるとき、導入部→小当り結果部の演出内容にて特定演出を実行させる。
このような構成により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後、有利状態に制御されている第1期間にわたって、特定変動パターンが決定されない。このため、有利状態に制御されている間、演出表示装置EHでは、特定演出を含まない演出内容にて演出ゲームが実行されることになる。一方、本実施形態のパチンコ遊技機10では、作動回数の変動ゲームの実行に伴って有利状態が終了すると、通常状態における特定回数の変動ゲームが終了する迄の第2期間にわたって特定変動パターンが決定され、特定演出を含む演出内容にて演出ゲームが実行されるようになる。そして、本実施形態では、通常状態に移行してから特定回数の変動ゲームの終了後、特定変動パターンが決定されず、特定演出を含まない演出内容にて演出ゲームが実行されるようになる。
また、本実施形態の一例において、主制御CPU42は、変動時間の期待値Etが次の関係となるように、変動パターンを決定する。なお、変動時間の期待値Etは、選択可能とする変動パターン群(テーブル)を変更したり、変動パターンごとの選択割合を変更したりすることで調節可能である。具体的に、大当り遊技の終了後、作動回数の変動ゲームが終了する迄の第1期間における変動時間の期待値をEt1とし、続く特定回数の変動ゲームが終了する迄の第2期間における変動時間の期待値をEt2とし、特定回数の変動ゲームが終了してからの第3期間における変動時間の期待値をEt3とする。この場合、期待値Et1~Et3では、Et1<Et2の関係、及び、Et1<Et3の関係が成立する。なお、期待値Et2及び期待値Et3では、Et2<Et3の関係、Et2=Et3の関係、及び、Et3<Et2の関係のうち、何れの関係が成立してもよい。
次に、大入賞口18の開放期間と、特定可変部材21の振分期間と、の関係について説明する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、特定可変部材21は、小当りの種類(区分)に関係なく、小当り遊技(オープニング時間)の開始から第1非振分期間(時点T0~T1)が経過すると、第1振分期間(時点T1~T2)にわたって第2位置P2に位置する。そして、特定可変部材21は、第2非振分期間(時点T2~T3)にわたって第1位置P1に位置し、第2振分期間(T3~T4)にわたって第2位置P2に位置し、その後に第1位置P1に位置する。
一方、図5(a)に示すように、第1小当りに基づく小当り遊技中、大入賞口18は、小当り遊技の開始から第1オープニング時間(時点t0~t1)が経過するまで閉鎖状態となり、ラウンド遊技の開始から第1開放期間(時点t1~t2)にわたって開放状態となる。そして、大入賞口18は、第1閉鎖期間(時点t2~t3)にわたって閉鎖状態となり、第2開放期間(時点t3~t4)にわたって開放状態となり、第2開放期間の経過(時点t4)によってラウンド遊技が終了される。その後、大入賞口18は、エンディング時間(時点t4~t5)の開始以降、継続して閉鎖状態となる。
本実施形態において、大入賞口18が開放される第1開放期間及び第2開放期間は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な程度に長い期間に設定されている。小当り遊技が開始してから、特定可変部材21の第1振分期間が開始されるまでの期間(時点T0~T1)の長さは、第1オープニング時間(時点t0~t1)の長さと同一又は略同一である。つまり、大入賞口18の第1開放期間の開始タイミング(時点t1)は、特定可変部材21の第1振分期間の開始タイミング(時点T1)と同時又は略同時である。このため、第1開放期間と第1振分期間とは、少なくとも一部が重複する期間である。但し、特定可変部材21の第1振分期間は、大入賞口18の第1開放期間及び第2開放期間に比して、十分に短い。
このような構成により、第1小当りに基づく小当り遊技では、遊技球が大入賞口18へ入球し、通路20の分岐部20dへ到達し得る。しかしながら、第1振分期間は、遊技球が特定通路20bへ実質的に振り分けられない程度に短い期間に設定されている。さらに、第1小当りに基づく小当り遊技中、第1開放期間と第2振分期間とは、重複しない。また、第2開放期間と、第1振分期間及び第2振分期間は、重複しない。したがって、第1小当りに基づく小当り遊技において、大入賞口18が開放される開放期間と、特定可変部材21が遊技球を特定領域Srへ振り分ける振分期間との関係は、大入賞口18へ入球した遊技球を特定領域Srへ振り分け難い、又は振り分けない第1関係となる。
一方、図5(b)に示すように、第2小当りに基づく小当り遊技中、大入賞口18は、小当り遊技の開始から第2オープニング時間(時点t0~t1)が経過するまで閉鎖状態となり、ラウンド遊技の開始から第1開放期間(時点t1~t2)にわたって開放状態となる。そして、大入賞口18は、閉鎖期間(時点t2~t3)にわたって閉鎖状態となり、第2開放期間(時点t3~t4)にわたって開放状態となり、第2開放期間の経過(時点t4)によってラウンド遊技が終了される。その後、大入賞口18は、エンディング時間(時点t4~t5)の開始以降、継続して閉鎖状態となる。
本実施形態において、大入賞口18が開放される第1開放期間及び第2開放期間は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な程度に長い期間に設定されている。小当り遊技が開始してから特定可変部材21の第2振分期間が開始されるまでの期間(時点T0~T3)の長さは、第2オープニング時間(時点t0~t1)の長さと同一又は略同一である。つまり、大入賞口18の第1開放期間の開始タイミング(時点t1)は、特定可変部材21の第2振分期間の開始タイミング(時点T3)と同時又は略同時である。そして、特定可変部材21の第2振分期間は、大入賞口18の第1開放期間、閉鎖期間、及び第2開放期間を合計した期間よりも長い。このため、第1開放期間及び第2開放期間は、第2振分期間と、少なくとも一部が重複する期間である。
このような構成により、第2小当りに基づく小当り遊技では、遊技球が大入賞口18へ入球し、通路20の分岐部20dへ到達し得る。そして、第2振分期間は、遊技球が特定通路20bへ略確実に振り分けられる程度に長い期間に設定されている。さらに、第2小当りに基づく小当り遊技中、第1開放期間及び第2開放期間は、少なくとも一部(本実施形態の一例では全部)が第2振分期間と重複する。したがって、第2小当りに基づく小当り遊技において、大入賞口18が開放される開放期間と、特定可変部材21が遊技球を特定領域Srへ振り分ける振分期間との関係は、大入賞口18へ入球した遊技球を特定領域Srへ振り分け易い第2関係となる。
以上のように、特別入賞口(一例として大入賞口18)が開放される開放期間と、振分手段(一例として特定可変部材21)が遊技球を特定領域Srへ振り分ける動作を行う振分期間との関係には、第1関係と、第2関係と、がある。第1関係は、第2関係に比して、特別入賞口(一例として大入賞口18)へ入球した遊技球を特定領域Srへ振り分け難い関係といえる。そして、第2遊技状態(一例として有利状態)中、開放期間と振分期間との関係は、第1関係となり、第1遊技状態中、所定条件が成立しているときにおける開放期間と振分期間との関係は、第2関係となる。ここでいう所定条件は、所定回数(一例として作動回数)の変動ゲームの終了後、第2遊技状態(一例として有利状態)に続けて第1遊技状態(一例として通常状態)が付与され、当該第1遊技状態中、第2遊技状態において保留されていた第2変動ゲームが実行されるときに成立することとなる。
本実施形態の一例において、第1小当りに関連して遊技者が獲得可能な利益は、小当り遊技であり、第2小当りに関連して遊技者が獲得可能な利益は、小当り遊技に加えて、役物当りに基づく大当り遊技である。即ち、第2遊技状態(一例として有利状態)において、所定の当り(一例として小当り)に関連して遊技者が獲得可能な利益は、第1遊技状態(一例として通常状態)のうち少なくとも一部である特定遊技状態において、所定の当りに関連して遊技者が獲得可能な利益に比して、小さい利益である。ここで、特定遊技状態は、有利状態が終了してから特定回数の変動ゲームが終了する迄の間である。
次に、大当り遊技の終了後における遊技性の移り変わりについて説明する。
図8に示すように、大当り遊技の終了後には、作動回数(一例として100回)の変動ゲームにわたって、遊技状態が有利状態(電サポ状態)に制御される。有利状態では、第1変動ゲームよりも第2変動ゲームが優先的に実行される構成に加えて、第2始動入賞口16への遊技球の入球率が向上されることによって、第2変動ゲームを主体として遊技が進行することになる。ここで、有利状態であるとき、大当り抽選に当選せず、且つ、小当り抽選に当選した場合には、特別図柄を問わずに第1小当りとなる。第1小当りに基づく小当り遊技では、大入賞口18の開放期間と、特定可変部材21の振分期間との関係が、相対的に不利な第1関係となる。このため、遊技球が大入賞口18へ入球しても、特定領域Srを通過し難く、特定入賞を獲得し難い、又は実質的に不可能である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、有利状態であるとき、第2始動入賞口16を狙って遊技球を打ち出しつつ、大当り抽選に当選する「図柄当り」を狙う第1の遊技性が創出される。
そして、大当り遊技の終了後、作動回数の変動ゲームが終了し、遊技状態が有利状態から通常状態へと移行したとする。このとき、直近まで有利状態であったことから、第2特別ゲームの保留数(第2特別保留数)が高い割合で上限数(一例として4回)に達している。したがって、通常状態が付与されてからは、多くの場合、特定回数の第2特別ゲームが実行されることとなり、比較的、高い確率で小当りに当選することになる。ここで、通常状態において、大当り抽選に当選せず、且つ、小当り抽選に当選した場合には、第2小当りとなる。第2小当りに基づく小当り遊技では、大入賞口18の開放期間と、特定可変部材21の振分期間との関係が、相対的に有利な第2関係となる。このため、遊技球が大入賞口18へ入球すると、極めて特定領域Srを通過し易く、特定入賞を獲得し易い、又は実質的に獲得可能である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、有利状態の終了後、特定回数の変動ゲームにわたって、「役物当り」を狙う第2の遊技性が創出される。その後、特定回数の変動ゲームが終了すると、第2特別ゲームの保留消化が終了するから、第1特別ゲームを主体として遊技が進行する。したがって、第1始動入賞口15を狙って遊技球を打ち出しつつ、大当り抽選に当選する「図柄当り」を狙う第3の遊技性が創出される。
本実施形態の一例において、大当り確率は、第2特別ゲームにおける小当り確率に比して、十分に低い確率に定められている。このような構成により、作動回数を多く設定しても、過度に図柄当りとなることがなく、第1の遊技性を創出する期間を確保することが可能になる。特に、本実施形態の有利状態では、時短機能が作動することにより、変動時間の期待値について、Et1<Et3の関係が成立する。このため、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易いことと相まって、多数の第2特別ゲームを短時間のうちに消化する爽快感を遊技者に与え得る。なお、上述のように、有利状態中、第2変動ゲームが主に実行されることから、高い確率で小当りとなるものの、当該小当りは、特定入賞を発生し難い第1小当りである。
そして、本実施形態の一例では、有利状態が終了してから特定回数の変動ゲームが終了する迄の間(つまり第2期間)、主には保留中であった第2特別ゲームが実行される。したがって、特定回数の変動ゲームでは、第2特別ゲームが実行される条件のもと、高い確率で第2小当りとなり、役物当りを獲得することが可能になる。ここで、第2期間中、1回の変動ゲームが実行されたときに、役物当りを獲得できる期待値は、第1期間中、1回の変動ゲームが実行されたときに、図柄当りを獲得できる期待値よりも高い。したがって、第2期間中、1回の変動ゲームが実行されるごとに、役物当りとなることに対して、期待感を大きくさせることができる。なお、第1期間を通して図柄当りを獲得できる期待値は、第2期間を通して役物当りを獲得できる期待値に比して、大きくてもよく、小さくてもよく、同じであってもよい。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、有利状態中、小当りに当選しても、特定演出を含まない演出内容にて演出ゲームが実行される。一方、パチンコ遊技機10では、特定回数の変動ゲームにおいて、小当りに当選すると、特定演出を含む演出内容にて演出ゲームが実行される。即ち、演出ゲームは、大当り遊技が終了してから作動回数の変動ゲーム(つまり有利状態)が終了する迄の第1期間と、有利状態が終了してから特定回数の変動ゲームが終了する迄の第2期間と、特定回数の変動ゲームが終了してからの第3期間と、で異なる演出内容にて実行されることになる。本実施形態において、特定演出を含まない演出ゲームは、第1演出の一例となり、特定演出を含む演出ゲームは、第2演出の一例となる。つまり、本実施形態では、開放期間と振分期間との関係が第1関係となることに関連して第1演出が実行され、開放期間と振分期間との関係が第2関係となることに関連して、第1演出とは異なる第2演出が実行されるといえる。したがって、本実施形態では、第1の遊技性と第2の遊技性というように、遊技性の移り変わりや大当りへの期待感の変化と連動して演出に変化を生じさせ、遊技者の興趣を好適に向上させ得る。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、有利状態中、小当りに当選すると第1小当りとなり、オープニング時間が相対的に短い第1オープニング時間になる。一方、パチンコ遊技機10では、特定回数の変動ゲームにおいて、小当りに当選すると第2小当りとなり、オープニング時間が相対的に長い第2オープニング時間となる。本実施形態において、特別入賞口(一例として大入賞口18)は、所定の当り(一例として小当り)となる変動ゲームが終了してから待機期間(一例としてオープニング時間)の経過後に開放される。そして、第1遊技状態(一例として通常状態)のうち上述の所定条件が成立しているときにおける待機期間の長さは、第2遊技状態(一例として有利状態)における待機期間以上の長さとなる。
上述のように、大当り遊技が終了してから作動回数の変動ゲームが終了する迄の間(第1期間)は、小当り抽選に当選しても第1小当りとなり、役物当りに殆ど期待できない。このような状況では、相対的に短い第1オープニング時間とすることで、小当り遊技の消化に要する時間を短縮し、却って遊技者の興趣を低下させることを抑制し得る。一方、特定回数の変動ゲーム(第2期間)においては、相対的に長い第2オープニング時間とすることで、小当り遊技の時間を延長し、役物当りへの期待感や、役物当りを獲得した遊技者が満足感を得られる期間を確保することができる。
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、第2遊技状態(一例として有利状態)である期間では、始動条件を成立させ易いという利益があるものの、開放期間と振分期間との関係が第1関係となることによって、特典(一例として大当り遊技)を獲得し難い第1の遊技性を創出できる。そして、第2遊技状態の終了後の第1遊技状態(一例として通常状態)では、始動条件を成立させ難くなるものの、開放期間と振分期間との関係が第2関係となることによって、特典を獲得し易い第2の遊技性を創出できる。したがって、遊技状態の遷移とともに、遊技性に変化を与え、遊技者の興趣を向上できる。
(2)本実施形態によれば、第1遊技状態と第2遊技状態とは連続して付与される遊技状態である。このため、1つめの遊技性が創出される期間と、2つめの遊技性が創出される期間と、を連続した期間とすることによって、遊技性の移り変わりを際立たせるとともに、これらの遊技性の変化を連続して楽しませることができる。
(3)本実施形態によれば、遊技状態によって、振分手段(一例として特定可変部材21)の振分期間が変化しない一方、特別入賞口(一例として大入賞口18)の開放期間が変化する。したがって、特別入賞口の開放開始タイミングに注目させ得るとともに、簡便な制御とすることができる。
(4)本実施形態によれば、第2遊技状態(一例として有利状態)では、大当りの引き戻しに期待させ、その後の第1遊技状態(一例として通常状態)では、特典としての大当り遊技(所謂、役物当り)の獲得に期待させるというように、遊技性に特色を持たせることができる。
(5)本実施形態によれば、第2遊技状態(一例として有利状態)の終了直後において、第2変動ゲームが実行されるときに、特典の付与を期待させることができる。
(6)本実施形態によれば、開放期間と振分期間との関係が第1関係となるか、第2関係となるかに応じて演出が異なることから、遊技性の違いと演出とを関連付け、遊技者の興趣をさらに向上できる。
(7)本実施形態によれば、所定の当り(一例として小当り)となる変動ゲームが終了してから特別入賞口(一例として大入賞口18)が開放される迄の待機期間(一例としてオープニング時間)は、第2遊技状態(一例として有利状態)では、第1遊技状態(一例として通常状態)であるときの待機期間以下の長さになる。このため、第2遊技状態において、特別入賞口が開放される迄の時間が長くなる「間延び」を抑制できる。
(8)本実施形態によれば、普通ゲームが普通当りとなる期待値が零であるから、第2小当りは、特定回数の第2変動ゲームでしか獲得できない。したがって、特定回数の変動ゲームを特別なものとして遊技者に認識させ得る。
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、特典は、大当り遊技(役物当り)であったが、これに限らず、大当り確率を通常確率状態に比して高確率に変動させる特定確率状態(所謂、確変状態)としてもよい。本変更例によれば、第2遊技状態(一例として有利状態)では、大当りの引き戻しに期待させ、その後の第1遊技状態(一例として通常状態)では、さらに特典としての特定確率状態の獲得に期待させるというように、遊技性に特色を持たせることができる。
・本実施形態において、小当りの種類(区分)に関係なく、特定可変部材21の動作パターンが兼用されていたが、これに限らず、小当りの種類に応じて動作パターンが異なる構成であってもよい。また、本実施形態において、小当りの種類(区分)に関係なく、1回のラウンド遊技における大入賞口18の開放パターンが同じであったが、これに限らず、小当りの種類に応じて開放パターンが異なる構成であってもよい。
・本実施形態において、特定可変部材21の振分期間は、小当り遊技中に終了しない構成であったが、これに限らず、小当り遊技中に終了する構成であってもよい。
・本実施形態において、所定条件は、特定回数の変動ゲームが終了する迄の間に、第2変動ゲームが実行されることに定めたが、これに限らず、第1変動ゲームが実行されることに定めた構成であってもよく、何れの変動ゲームかを問わない構成であってもよい。
・本実施形態において、第1特別ゲームの小当り確率は、零を超える確率に定めてもよく、第2特別ゲームの小当り確率よりも高い確率であってもよい。
・本実施形態において、第1期間と、第2期間と、では、異なる演出内容にて小当りの演出ゲームを実行したが、これに限らず、同じ演出内容にて小当りの演出ゲームを実行してもよい。つまり、第1演出と第2演出は同じ演出であってもよい。
・本実施形態において、大入賞口18の開放期間と、特定可変部材21の振分期間との関係は、第1関係が第2関係に比して特定入賞を発生させ難い関係であれば、適宜変更してもよい。例えば、振分期間よりも開放期間が先に開始される構成であってもよく、後に開始される構成であってもよい。また、開放期間は、振分期間に比して長い期間であってもよく、同じ長さの期間であってもよい。
・本実施形態において、小当り遊技と大当り遊技とで同じ大入賞口18を開放する構成であったが、これに限らず、異なる入賞口を開放する構成であってもよい。
・本実施形態において、所定の当りは小当りであったが、これに限らず、複数のラウンド遊技を含む大当り遊技であってもよい。
・本実施形態において、特別ゲームは、演出表示装置EHにて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、保留順に実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
・本実施形態において、パチンコ遊技機10の機械的な構成は適宜変更してもよい。例えば、演出表示装置EHを複数の表示手段から構成してもよく、そのうちの一部の表示手段を変位可能に構成してもよい。例えば、操作手段は単数又は複数(3つ以上)であってもよく、複数の操作部が複合したものであってもよい。
・本実施形態において、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成してもよい。副制御基板50の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
本実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記変動ゲームには、第1変動ゲームと、前記第1変動ゲームに優先して実行される第2変動ゲームと、があり、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態に比して、前記第2変動ゲームの始動条件を成立させ易い遊技状態であり、前記所定条件は、前記第2変動ゲームが実行されるときに成立し、前記第1変動ゲームが実行されるときに成立せず、前記第1遊技状態中、前記開放期間と前記振分期間との関係は、前記所定条件が成立しているときに、前記第2関係となることが許容される一方、前記所定条件が成立していないときに、前記第2関係となるとよい。
(2)始動条件の成立を契機とした当り抽選の結果に基づいて変動ゲームを実行し、前記当り抽選にて所定の当りに当選すると、前記所定の当りとなる変動ゲームの終了後に特別入賞口を開放する遊技機において、前記特別入賞口への遊技球の入球に基づいて所定の利益を付与する利益付与手段と、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、を備え、前記遊技状態には、第1遊技状態と、前記第1遊技状態に比して前記始動条件を成立させ易い第2遊技状態と、が含まれ、前記第2遊技状態は、所定回数の変動ゲームを上限として付与され、前記所定回数の変動ゲームの終了後には、前記第1遊技状態が付与され、前記第2遊技状態において、前記所定の当りに関連して遊技者が獲得可能な利益は、前記第1遊技状態のうち少なくとも一部である特定遊技状態において、前記所定の当りに関連して遊技者が獲得可能な利益に比して、小さい利益であるとよい。