(第1実施形態)
以下、第1実施形態のパチンコ遊技機について説明する。
以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を含んで構成される。搭載枠11bは、設置枠11aに対して開閉可能となるように、設置枠11aの開口部の一側縁部に対して軸支されている。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、搭載枠11bに搭載されている。遊技盤YBの前面側には、遊技媒体の一例である遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。遊技盤YBには、正面視における遊技領域YBaの略中央に、開口窓YBbが形成されている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される手段の一例である。発射ハンドルHDは、一例として、搭載枠11bの前面側に設けられる。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節可能に構成される。
パチンコ遊技機10は、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、第1操作部D1及び第2操作部D2を備える。一例として、第1操作部D1及び第2操作部D2は、搭載枠11bの前面側に設けられる。第1操作部D1及び第2操作部D2は、押下操作を可能に構成されたボタン式の手段である。これに限らず、第1操作部D1及び第2操作部D2は、タッチセンサ式であってもよく、所定の表示装置をタッチパネル式の手段として機能させる構成であってもよい。
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体(不図示)を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、発光演出と示す)を行う手段の一例である。装飾ランプLAは、一例として、枠体11や遊技盤YBに設けられる。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を行う手段の一例である。スピーカSPは、一例として、搭載枠11bに設けられる。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームを表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bを備える。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する特別抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部13aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部13bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書に示す「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化する状態を意味する。本明細書に示す「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果の一例である大当り図柄と、はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、特別抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部13c及び第2特別保留表示部13dを備える。第1特別保留表示部13cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部13dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限値は、4である。パチンコ遊技機10は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果の一例である普通当り図柄と、普通はずれ表示結果の一例である普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、当該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示部を有する。一例として、画像表示部は、液晶ディスプレイである。演出表示装置EHの画像表示部は、各種の情報(一例としてキャラクタや文字等)を画像として表示する表示領域HRを有する。演出表示装置EHは、正面から見たときに、表示領域HRが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示装置EHは、各種の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を行う手段の一例である。本明細書では、「所定の情報を表示する」と示す場合、「所定の情報を認識可能な画像を表示する」ことを意味する。
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出ゲームが実行される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための情報である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、第1図柄列、第2図柄列、及び第3図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、777などのように、全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、778や787などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書に示す「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、をまとめて「変動ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと、当該第1特別ゲームに対応して実行される演出ゲームを纏めて「第1変動ゲーム」と示し、第2特別ゲームと、当該第2特別ゲームに対応して実行される演出ゲームを纏めて「第2変動ゲーム」と示す。
演出ゲームでは、リーチ演出が実行され得る。リーチ演出は、演出ゲームにおいて、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを導出させる演出である。リーチは、複数である特定の図柄列において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、他の図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。一例として、本実施形態では、第1図柄列及び第3図柄列が特定の図柄列に相当し、第2図柄列が他の図柄列に相当する。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出(以下、NR演出と示す)と、NR演出に比して大当り期待度が高いスーパーリーチ演出(以下、SR演出と示す)と、が含まれるとよい。
このように、本実施形態において、演出表示装置EHは、当り抽選の一例である特別抽選の結果に基づいて変動ゲームを表示可能な表示手段の一例となる。そして、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAは、それぞれ演出を実行可能な演出装置であるとともに、これらは演出(遊技演出)を実行する演出実行手段の一例である演出装置群を構成する。演出実行手段は、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAの全てを含むことに限らず、これら演出装置の中から任意に選択可能な1又は複数の演出装置によって構成されていてもよい。演出実行手段は、変位することにより可動体演出を実行可能な演出可動体を含んでいてもよく、演出用のボタン及び発射ハンドルHDを振動させる振動演出を実行可能な振動体を含んでいてもよい。
図2の説明に戻り、パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15を備える。第1特別始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1特別始動センサSE1を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する第2特別始動入賞口16を備える。パチンコ遊技機10は、第2特別始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2特別始動センサSE2を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球可能な開状態と、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変部材17を備える。閉状態は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させる手段の一例として、普通ソレノイドSL1を備える(図3参照)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する大入賞口18を備える。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態と、に動作可能な手段の一例である特別可変部材19を備える。閉状態は、遊技球が大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させる手段の一例として、特別ソレノイドSL2を備える(図3参照)。特別可変部材19は、大当り遊技において、開状態に動作される。パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知する普通始動センサSE4を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が普通始動センサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しない。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口として、普通入賞口26を備える。パチンコ遊技機10は、普通入賞口26へ入球した遊技球を検知する普通入賞センサ(不図示)を備える。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサによって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。なお、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,26とは異なる入賞口を備えていてもよい。遊技球が入賞口に入球することは、所謂「入賞」である。パチンコ遊技機10は、アウト口27を備える。例えば、アウト口27は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口する。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、入賞口15,16,18,26の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口27から機外へと排出される。
上述のように、パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節できる。即ち、パチンコ遊技機10では、センター枠Wの左側領域Rf1、及びセンター枠Wの右側領域Rf2の何れかを流下するように、遊技球を打ち分けることができる。左側領域Rf1における遊技球の流下経路には、上流側から普通入賞口26、及び第1特別始動入賞口15が形成されている。このため、パチンコ遊技機10では、遊技領域YBaのうち、左側領域Rf1を流下するように遊技球が発射(所謂、左打ち)されたとき、遊技球が第1特別始動入賞口15、及び普通入賞口26へ入球し得る。右側領域Rf2における遊技球の流下経路には、上流側からゲート25、大入賞口18、及び第2特別始動入賞口16が形成されている。このため、遊技領域YBaのうち、右側領域Rf2を流下するように遊技球が発射(所謂、右打ち)されたとき、遊技球は、第2特別始動入賞口16、大入賞口18、及びゲート25へ入球し得る。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2特別始動入賞口16への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動及び非作動)を組み合わせて構成される。
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。大当り確率は、特別抽選において大当りに当選する確率である。複数の確率状態には、低確率状態と、当該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まる。このため、高確率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、普通電動役物への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2特別始動入賞口16への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、当該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態に移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの補助制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1補助制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2補助制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第2補助制御は、低入球率状態では、普通抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の当選確率にて普通抽選を行う制御であってもよい。第3補助制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3補助制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
次に、変動時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へ移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。なお、本実施形態において、時短機能は、入球補助機能に付随して作動する。つまり、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動となる。
本実施形態において、遊技状態には、通常状態、第1有利状態、及び第2有利状態の3つがある。通常状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない遊技状態である。第1有利状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。第2有利状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能及び時短機能が作動する遊技状態である。パチンコ遊技機10は、3つの遊技状態を備えることに限らず、その一部又は全部を、確変機能、入球補助機能、及び時短機能のうち作動させる機能を変更した異なる遊技状態としてもよい。また、遊技状態は、1つ又は2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
次に、大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。一例として、本実施形態では、通常図柄及び特定図柄の2種類に分類される。以下、大当り図柄が通常図柄である大当りを「通常大当り」と示し、大当り図柄が特定図柄である大当りを「特定大当り」と示す。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
本実施形態において、大当り遊技には、上限回数として第1回数(一例として7回)を定めた大当り遊技と、上限回数として第1回数よりも多い第2回数(一例として10回)を定めた大当り遊技と、がある。つまり、大当り遊技には、上限のラウンド遊技数が異なる複数種類の大当り遊技がある。本実施形態において、通常図柄(普通当り)には、上限回数として第1回数を定めた大当り遊技を付与するものがある。特定図柄(特定当り)には、上限回数として第1回数を定めた大当り遊技を付与するものと、第2回数を定めた大当り遊技を付与するものと、がある。
パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態が制御される。一例として、特定図柄(特定大当り)には、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって第1有利状態に制御することが定められている。通常図柄(通常大当り)には、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数の特別ゲームが終了する迄の間、又は、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、第2有利状態に制御することが定められている。これに限らず、大入賞口18へ入賞した遊技球が特定領域(所謂、Vゾーン)を通過したことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第1有利状態に制御し、特定領域を通過しなかったことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第2有利状態に制御する構成であってもよい。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40を備える。主制御基板40は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板50を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU42と示す)と、記憶部(メモリ)と、を備える。主制御CPU42は、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM43と示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRWM領域(以下、主制御RWM44と示す)と、が含まれる。
主制御ROM43は、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM43は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容(変動内容)の少なくとも一部を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンは、演出ゲームにてリーチ演出を行い、最終的に大当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、演出ゲームにて最終的にはずれの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンには、演出ゲームにてリーチ演出を行う「リーチあり」の変動パターンと、演出ゲームにてリーチ演出を行わない「リーチなし」の変動パターンと、が含まれる。
主制御RWM44は、主制御CPU42による処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM44が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路45を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU42による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU42、主制御ROM43、主制御RWM44、及び乱数回路45は、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
主制御CPU42は、センサSE1~SE4と接続されている。主制御CPU42は、センサSE1~SE4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU42は、表示部13a~13fと接続されている。主制御CPU42は、表示部13a~13fの表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することによって、それぞれ可変部材17,19の動作を制御可能に構成されている。
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53と、を備える。副制御CPU51は、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。本実施形態では、副制御CPU51が演出に関する各種の処理を実行することによって、各種の情報を出力させる制御を少なくとも可能に構成された制御手段の一例が構成されている。副制御ROM52は、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び、音声演出に用いる音声演出データなどを記憶している。副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副制御CPU51は、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、スピーカSPと接続されている。副制御CPU51は、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、第1操作部D1及び第2操作部D2と接続されている。副制御CPU51は、第1操作部D1が操作されたときに出力する操作信号(オン信号)、及び第2操作部D2が操作されたときに出力する操作信号(オン信号)を各別に入力可能に構成されている。
次に、主制御CPU42が行う各種の処理について説明する。
主制御CPU42は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU42は、第1特別始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数を1加算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第1保留コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU42は、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。例えば、乱数は、特別抽選(大当り抽選)に用いる特別当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第1特別始動入賞口15へ遊技球が入賞していない場合、及び、第1特別保留数が上限数未満ではない場合に、第2特別始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞している場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第2特別保留数を1加算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第2保留コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU42は、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。主制御CPU42は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。主制御CPU42は、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第2特別始動入賞口16へ遊技球が入賞していない場合、及び、第2特別保留数が上限数未満ではない場合に、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU42は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU42は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU42は、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU42は、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な第1保留コマンドを副制御基板50へ出力する。次に、主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から取得する。続けて、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う。主制御CPU42は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
大当りに当選した場合、主制御CPU42は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて導出させる大当り図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。大当りに当選しなかった場合、主制御CPU42は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチあり又はリーチ無しのはずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU42は、第2特別保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。なお、主制御CPU42は、第2特別保留数を更新すると、更新後の第2特別保留数を特定可能な第2保留コマンドを副制御基板50へ出力する。
主制御CPU42は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを副制御基板50へ出力する。変動開始コマンドは、変動処理にて決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、変動処理にて決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU42は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副制御基板50に出力する。
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU42は、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU42は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU42は、特定した種類の大当り遊技を付与する。本実施形態において、主制御CPU42は、当り抽選の一例である特別抽選にて大当りに当選すると、変動ゲームの終了後、複数回のラウンド遊技を含んで構成される大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段の一例を構成する。
最初に、主制御CPU42は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU42は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口18を開状態とする。主制御CPU42は、特別入賞センサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口18を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU42は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU42は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副制御基板50に出力する構成であってもよい。
次に、確率状態を移行させる確率移行処理について説明する。
主制御CPU42は、特定図柄(特定大当り)に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に高確フラグをセットする。即ち、主制御CPU42は、高確率状態に制御する。一方、主制御CPU42は、通常図柄(通常大当り)に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に高確フラグをセットしない。即ち、主制御CPU42は、低確率状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
次に、入球率状態、及び変動時間状態を移行させる処理について説明する。
主制御CPU42は、大当り遊技が終了すると、主制御RWM44に作動フラグをセットする。即ち、主制御CPU42は、高入球率状態に制御する。主制御CPU42は、通常図柄(通常大当り)に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RWM44に記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU42は、特別ゲームの実行回数が作動回数に達する特別ゲームが終了すると、主制御RWM44に記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。なお、主制御CPU42は、高入球率状態に制御するときに短変動時間状態に制御し、低入球率状態に制御するときに長変動時間状態に制御する。
次に、副制御CPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置群を制御する。
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームを実行中である期間中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副制御CPU51は、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて導出させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
また、副制御CPU51は、リーチ演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。一例として、リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されることによって成立する。リーチ条件には、リーチありの変動パターンが決定されたことに加えて、所定のリーチ演出抽選を行い、当該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるとき、大当りの図柄組合せを構成する演出図柄をリーチの演出図柄として決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しておらず、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
そして、副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させる。変動パターンに定められた変動時間中、副制御CPU51は、選択した演出パターンに基づいて、変動ゲームに関連した各種の演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを一旦停止表示させ、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。なお、副制御CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に、図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
次に、デモンストレーション演出について説明する。
パチンコ遊技機10は、待機状態である期間中、デモンストレーション演出(以下、デモ演出と示す)を実行可能に構成されている。本実施形態における「待機状態」は、変動ゲームの実行中ではなく、保留中の変動ゲームの開始待ち中ではなく、且つ、大当り遊技の実行中でもない状態である。ここで「保留中の変動ゲームの開始待ち」の状態は、直近の変動ゲーム又は大当り遊技が終了してから、次の変動ゲームの開始条件が成立して保留中の変動ゲームが開始される迄の期間中である状態である。以下の説明では、待機状態である期間を「待機期間」と示し、変動ゲームの実行中、又は大当り遊技の実行中、又は保留中の変動ゲームの開始待ち中である期間を「遊技期間」と示す。
副制御CPU51は、待機期間の開始を特定すると、デモ演出を開始するように演出装置群を制御する。例えば、副制御CPU51は、待機期間中であることを特定可能な情報として、所定の画像を表示するように演出表示装置EHを制御し、デモ演出としての表示演出を実行させる。例えば、副制御CPU51は、所定の発光パターンにて発光するように装飾ランプLAを制御し、デモ演出としての発光演出を実行させる。例えば、副制御CPU51は、所定の音声を出力するようにスピーカSPを制御し、デモ演出としての音声演出を実行させる。
副制御CPU51は、変動終了コマンド又はエンディング終了コマンドを最後に入力してから所定期間が経過すると、待機期間が開始したことを特定する。これに限らず、待機期間が開始したか否かを、主制御CPU42が特定する構成であってもよい。この場合、主制御CPU42は、何れの特別ゲームも実行されておらず、大当り遊技でもなく、且つ、何れの特別保留数も零である状態となってから、所定期間が経過すると待機期間が開始したことを特定する。そして、主制御CPU42は、待機期間の開始を特定可能な制御コマンドを副制御基板50へ出力するとよい。副制御CPU51は、待機期間中(デモ演出の実行中)、変動開始コマンドを入力すると、デモ演出を終了し、演出ゲームを実行するように、演出装置群を制御する。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示手段の一例である演出表示装置EHにおいて、変動ゲームに関連する各種の情報を表示可能に構成されている。演出表示装置EHの表示領域HRにおける各種の情報の表示態様について説明する。
図4には、遊技期間のうち、変動ゲームを実行中であって、且つ、特定演出(一例としてリーチ演出)を実行中ではない期間(以下、通常遊技期間と示す)における各種の情報の表示レイアウトが示されている。本実施形態において、待機期間における表示レイアウトは、通常遊技期間における表示レイアウトと同じである。以下の説明では、変動ゲームを実行中であって、且つ、特定演出を実行中である期間を「第1特定遊技期間」と示し、大当り遊技を実行中である期間を「第2特定遊技期間」と示す。なお、「保留中の変動ゲームを開始待ち中である期間」は、直近の変動ゲーム又は大当り遊技が属する遊技期間に含まれるものとする。
通常遊技期間において、表示領域HRには、第1図柄列の演出図柄を表示するための第1図柄領域R1と、第2図柄列の演出図柄を表示するための第2図柄領域R2と、第3図柄列の演出図柄を表示するための第3図柄領域R3と、が設けられている。図柄領域R1~R3は、表示領域HRの略中央部分において、左方から右方に向かって、第1図柄領域R1、第2図柄領域R2、及び第3図柄領域R3の順番に並んでいる。以下の説明では、第1図柄領域R1に表示される演出図柄を第1図柄Z1と示し、第2図柄領域R2に表示される演出図柄を第2図柄Z2と示し、第3図柄領域R3に表示される演出図柄を第3図柄Z3と示す。上述のように、第1図柄Z1、第2図柄Z2、及び第3図柄Z3は、特別抽選の結果(大当りであるか否か)を特定可能な情報である図柄組合せ(表示結果)を形成するための情報である。特定演出の非実行中、第1図柄Z1、第2図柄Z2、及び第3図柄Z3は、第1態様にて表示される。第1態様の図柄Z1~Z3は、1から9までのアラビア数字と、所定のキャラクタとの組合せによって構成されている。
本実施形態において、大当りの図柄組合せには、特定大当りであることを特定可能な第1図柄組合せと、通常大当り又は特定大当りであることを特定可能な第2図柄組合せと、がある。第2図柄組合せは、通常大当り及び特定大当りの何れであるかを秘匿する図柄組合せともいえる。第1図柄組合せは、第1有利状態が付与されることを特定可能であり、第2図柄組合せは、何れかの有利状態が付与されることを特定可能である。一例として、第1図柄組合せは、777などのように、図柄Z1~Z3が何れも同じ奇数のアラビア数字を含む図柄組合せである。一例として、第2図柄組合せは、222などのように、図柄Z1~Z3が何れも同じ偶数のアラビア数字を含む図柄組合せである。本実施形態において、第1図柄Z1、第2図柄Z2、及び第3図柄Z3は、変動ゲームにおいて変動表示される通常識別情報の一例である。通常識別情報は、複数の通常識別情報群の一例である図柄列を構成し、第1変動ゲーム又は第2変動ゲームでは、通常識別情報群毎に通常識別情報が変動表示されるようになっている。
通常遊技期間において、表示領域HRには、変動ゲームを実行中であるか否かを特定可能とする情報としての演出図柄を表示するための領域として、第4図柄領域R4と、第5図柄領域R5と、が設けられている。以下の説明では、第4図柄領域R4に表示される演出図柄を第4図柄Z4と示し、第5図柄領域R5に表示される演出図柄を第5図柄Z5と示す。一例として、第4図柄Z4及び第5図柄Z5は、円等の記号である。これに限らず、図柄Z4,Z5は、数字であってもよく、キャラクタであってもよい。第4図柄Z4は、第1特別ゲーム及び当該第1特別ゲームに対応する演出ゲームを実行中であるか否かを特定可能とする情報である。第4図柄Z4は、第1特別ゲームが開始されてから終了する迄の間にわたって変動表示され、第1特別ゲームの終了時に何れかの図柄にて確定停止表示される。第5図柄Z5は、第2特別ゲーム及び当該第2特別ゲームに対応する演出ゲームを実行中であるか否かを特定可能とする情報である。第5図柄Z5は、第2特別ゲームが開始されてから終了する迄の間にわたって変動表示され、第2特別ゲームの終了時に何れかの図柄にて確定停止表示される。第4図柄Z4及び第5図柄Z5には、大当りを特定可能な図柄、及びはずれを特定可能な図柄が含まれていてもよい。本実施形態において、第4図柄Z4及び第5図柄Z5は、変動ゲームにおいて変動表示される特定識別情報の一例である。特定識別情報には、第1変動ゲームにおいて変動表示される特定識別情報(一例として第4図柄Z4)と、第2変動ゲームにおいて変動表示される特定識別情報(一例として第5図柄Z5)と、がある。
通常遊技期間において、表示領域HRには、特別ゲームの保留数を表示するための領域として、第1保留数領域R6と、第2保留数領域R7と、が設けられている。第1保留数領域R6には、第1特別保留数C1が表示され、第2保留数領域R7には、第2特別保留数C2が表示される。一例として、第1特別保留数C1及び第2特別保留数C2は、0から4までのアラビア数字である。これに限らず、第1特別保留数C1及び第2特別保留数C2は、記号の表示個数によって表現されてもよく、色調によって表現されてもよい。
通常遊技期間において、表示領域HRには、実行中である特別ゲームを示す実行アイコンIを表示するための実行アイコン領域R9が設けられている。一例として、実行アイコンIは、記号、キャラクタ、文字、及び数字、又はこれらのうち任意の組合せによって構成される。本実施形態において、実行アイコンIは、実行中の変動ゲームを示す実行ゲーム情報の一例である。本実施形態において、実行アイコン領域R9は、実行ゲーム情報を表示する部分となる。そして、実行アイコン領域R9は、第1変動ゲームを実行中であるときと第2変動ゲームを実行中であるときとで兼用される。
通常遊技期間において、表示領域HRには、保留中である第1特別ゲームを示す保留アイコン(以下、特1保留アイコンi1と示す)を表示するための領域として、4つの特1保留アイコン領域R11~R14が設けられている。一例として、特1保留アイコンi1は、記号、キャラクタ、文字、及び数字、又はこれらのうち任意の組合せによって構成される。特1保留アイコン領域R11には、最先に実行が保留された第1特別ゲームに対応して特1保留アイコンi1が表示され、特1保留アイコン領域R12には、2番目に古くに実行が保留された第1特別ゲームに対応して特1保留アイコンi1が表示される。特1保留アイコン領域R13には、3番目に古くに実行が保留された第1特別ゲームに対応して特1保留アイコンi1が表示され、特1保留アイコン領域R14には、4番目に古くに実行が保留された第1特別ゲームに対応して特1保留アイコンi1が表示される。本実施形態において、特1保留アイコンi1は、保留中の変動ゲームを示す保留ゲーム情報の一例である。つまり、特1保留アイコン領域R11~R14は、保留中の第1変動ゲームを示す第1保留ゲーム情報を表示する部分となる。
通常遊技期間において、表示領域HRには、保留中である第2特別ゲームを示す保留アイコン(以下、特2保留アイコンi2と示す)を表示するための領域として、4つの特2保留アイコン領域R21~R24が設けられている。一例として、特2保留アイコンi2は、記号、キャラクタ、文字、及び数字、又はこれらのうち任意の組合せによって構成される。特2保留アイコン領域R21には、最先に実行が保留された第2特別ゲームに対応して特2保留アイコンi2が表示され、特2保留アイコン領域R22には、2番目に古くに実行が保留された第2特別ゲームに対応して特2保留アイコンi2が表示される。特2保留アイコン領域R23には、3番目に古くに実行が保留された第2特別ゲームに対応して特2保留アイコンi2が表示され、特2保留アイコン領域R24には、4番目に古くに実行が保留された第2特別ゲームに対応して特2保留アイコンi2が表示される。本実施形態において、特2保留アイコンi2は、保留中の変動ゲームを示す保留ゲーム情報の一例である。つまり、特2保留アイコン領域R21~R24は、特1保留アイコン領域R11~R14とは異なる部分であって、保留中の第2変動ゲームを示す第2保留ゲーム情報を表示する部分となる。
図5には、変動ゲームを実行中であって、且つ、特定演出を実行中である期間(第1特定遊技期間)における各種の情報の表示レイアウトが示されている。一例として、特定演出は、特定演出を実行中であることを特定可能な特定演出情報Ri(一例としてキャラクタ及び「リーチ」の文字列)を、演出表示装置EHにて表示する態様により実行される。特定演出情報Riは、リーチ演出の実行を特定可能であるから、間接的に、リーチ演出としての大当り期待度を示唆することになるため、当り予告情報の一例となる。
第1特定遊技期間のうち、第1特別期間を除いた期間において、表示領域HRには、図柄領域R1~R3が設けられている。ここで、第1特別期間は、第1特別演出を実行中である期間である。一例として、第1特別演出は、表示領域HRの一部又は全部を覆うように、キャラクタ等の画像を当り予告情報として表示する演出(所謂、カットイン演出)である。第1特別演出は、所定の大当り期待度を認識可能な演出である。つまり、特定演出の実行中、第1特別演出が実行されたときには、第1特別演出が実行されないときに比して、大当り期待度が高くなる。このように、第1特別演出は、当り期待度としての大当り期待度を示唆するための当り予告情報を表示する演出である。これに限らず、第1特別演出は、演出用の可動体(不図示)を表示領域HRの前方へ変位させる演出であってもよい。第1特別演出は、遊技者が操作可能な操作部であって、且つ操作部D1,D2とは異なる操作部を用いた操作を契機に実行される演出であってもよい。
一例として、第1特定遊技期間のうち、第1特別期間を除いた期間において、表示領域HRにおける図柄領域R1~R3の位置は、通常遊技期間であるときに比して、表示領域HRの縁部寄りの部分に配置される。図柄領域R1~R3の各面積は、通常遊技期間であるときに比して小さい。図柄領域R1~R3の並び順は、通常遊技期間であるときと同じである。また、第1特定遊技期間のうち、第1特別期間を除いた期間において、図柄Z1~Z3は、第1態様に比して簡略化された第2態様にて表示される。一例として、第2態様の図柄Z1~Z3は、キャラクタが省略され、1から9までのアラビア数字から構成されている。つまり、第1特定遊技期間のうち、第1特別期間を除いた期間において、図柄Z1~Z3の表示が簡略化される。即ち、図柄Z1~Z3の表示が制限される。一方、第1特定遊技期間のうち、第1特別期間において、表示領域HRには、図柄領域R1~R3が設けられていない。つまり、第1特定遊技期間のうち、第1特別期間において、図柄Z1~Z3の表示が省略される。これに限らず、通常識別情報(一例として図柄Z1~Z3)は、第1特定遊技期間のうち、第1特別期間を除いた期間においても、表示領域HRに図柄領域R1~R3が設けられず、非表示とされる構成であってもよい。つまり、通常識別情報(一例として図柄Z1~Z3)は、特定演出が実行されている期間のうち少なくとも一部の期間において、非表示となる、又は表示の一部が制限されるとよい。
第1特定遊技期間のうち、第1特別期間、及び第1特別期間を除いた期間の何れであっても、表示領域HRには、第4図柄領域R4及び第5図柄領域R5が設けられている。第1特定遊技期間を通して、表示領域HRにおける図柄領域R4,R5の位置は、通常遊技期間であるときと同じである。第1特定遊技期間を通して、図柄領域R4,R5の面積は、通常遊技期間であるときと同じである。そして、第1特定遊技期間中、図柄Z4,Z5は、通常遊技期間中と同じ態様にて表示される。つまり、本実施形態では、変動ゲームを実行中である期間を通して、図柄Z4,Z5の表示が省略されず、簡略化もされない。このように、特定識別情報(一例として図柄Z4,Z5)は、特定演出が実行されている期間であっても、表示が制限されずに継続して表示される。
第1特定遊技期間のうち、第1特別期間、及び第1特別期間を除いた期間の何れであっても、表示領域HRには、第1保留数領域R6と、第2保留数領域R7と、が設けられている。第1特定遊技期間を通して、保留数領域R6,R7の位置は、通常遊技期間であるときと同じである。第1特定遊技期間を通して、保留数領域R6,R7の面積は、通常遊技期間であるときと同じである。つまり、本実施形態では、変動ゲームを実行中である期間を通して、特別保留数C1,C2の表示が省略されず、簡略化もされない。このように、特別保留数C1,C2は、特定演出が実行されている期間であっても、表示が制限されずに継続して表示される。
第1特定遊技期間のうち、第1特別期間、及び第1特別期間を除いた期間の何れであっても、表示領域HRには、実行アイコン領域R9、特1保留アイコン領域R11~R14、及び、特2保留アイコン領域R21~R24が設けられていない。つまり、第1特定遊技期間中、実行アイコンIの表示が省略される。第1特定遊技期間中、保留アイコンi1,i2の表示が省略される。
図6には、第2特定遊技期間のうち、第2特別期間を除いた期間における各種の情報の表示レイアウトが表示されている。一例として、第2特別期間は、大当り演出の1つである第2特別演出を実行中である期間である。一例として、第2特別演出は、次に説明するような昇格演出である。ここで、昇格演出の実行態様の一例について説明する。本実施形態における昇格演出は、今回の大当り遊技の終了後に特典が付与されるかを示唆する示唆演出の一例でもある。
図7に示すように、昇格演出は、演出ゲームにおいて、大当りの図柄組合せのうち、第2図柄組合せが導出されていることを条件として、大当り遊技中における大当り演出の1つとして実行され得る。大当り遊技における特定タイミング(一例として7回目のラウンド遊技の開始タイミング)が到来すると、演出表示装置EHでは、昇格演出が開始される(図7(a)及び(b)参照)。昇格演出は、導入部と、結果部と、を有する。一例として、昇格演出の導入部は、演出表示装置EHにて、導入情報Inを表示する態様により実行される(図7(b)参照)。一例として、導入情報Inは、キャラクタ及び「確変かな?それとも時短かな?」の文字列である。昇格演出の結果部には、第1有利状態が付与されることを特定可能な第1結果部と、第2有利状態が付与されることを特定可能な第2結果部と、がある。第1結果部は、演出表示装置EHにて、第1有利状態が付与されることを特定可能な第1結果情報Rs1を表示する態様にて実行される(図7(c)参照)。一例として、第1結果情報Rs1は、キャラクタ及び「おめでとう!確変だよ!」の文字列である。第2結果部は、演出表示装置EHにて、第2有利状態が付与されることを特定可能な第2結果情報Rs2を表示する態様にて実行される(図7(d)参照)。一例として、第2結果情報Rs2は、キャラクタ及び「チャンス!時短だよ!」の文字列である。なお、第1結果情報Rs1及び第2結果情報Rs2は、大当り遊技における所定タイミング(一例として7回目のラウンド遊技の終了タイミング)が到来すると非表示とされるとよい。
図6及び図7に示すように、大当り遊技を実行中である期間(第2特定遊技期間)のうち、第2特別期間、及び第2特別期間を除いた期間の何れにおいても、表示領域HRには、各種の情報を表示するための領域R1~R7が設けられている。第2特定遊技期間における領域R1~R7は、第1特定遊技期間のうち、第1特別期間を除いた期間における領域R1~R7のそれぞれと同じである。つまり、第2特定遊技期間では、通常遊技期間に比して、図柄Z1~Z3の表示が簡略化される。同様に、第2特定遊技期間では、図柄Z4,Z5、及び特別保留数C1,C2の表示が通常遊技期間と同じで簡略化されない。
第2特定遊技期間のうち、第2特別期間、及び第2特別期間を除いた期間の何れであっても、表示領域HRには、今回の大当り遊技におけるラウンド遊技の上限回数(以下、上限ラウンド回数LRと示す)を表示するための上限ラウンド回数領域R31が設けられている。一例として、上限ラウンド回数LRは、ラウンド遊技の上限回数を特定可能なアラビア数字である。これに限らず、上限ラウンド回数LRは、記号、キャラクタ、及び文字などの表示個数によって表現されてもよい。このため、第2ラウンド遊技数情報(一例として上限ラウンド回数LR)は、示唆演出(一例として昇格演出)が実行されている期間にも制限されずに継続して表示される。
第2特定遊技期間のうち、第2特別期間、及び第2特別期間を除いた期間の何れであっても、表示領域HRには、右打ちすることを報知するための右打ち情報Muを表示するための右打ち情報領域R33が設けられている。一例として、右打ち情報Muは、「右打ち」の文字列である。これに限らず、右打ち情報Muは、右向きの矢印アイコンであってもよい。右打ち情報Muは、遊技球の発射強度、遊技領域YBaのうち遊技球を流下させる領域、及び、狙うべき部分(一例として大入賞口18及びゲート25)のうち少なくとも1つを特定可能な情報であればよい。本実施形態において、右打ち情報Muは、遊技球の発射態様に関する発射情報の一例である。発射情報(一例として右打ち情報Mu)は、示唆演出が実行されている期間にも制限されずに継続して表示される。
図6及び図7(a)に示すように、第2特定遊技期間のうち、第2特別期間を除いた期間において、表示領域HRには、今回の大当り遊技における現在のラウンド遊技の回数を特定可能な現在ラウンド回数CRを表示するための現在ラウンド回数領域R32が設けられている。一例として、現在ラウンド回数CRは、現在のラウンド遊技の回数を特定可能なアラビア数字である。これに限らず、現在ラウンド回数CRは、記号、キャラクタ、及び文字などの個数によって表現される情報であってもよい。
一方、図7(b)~(d)に示すように、第2特定遊技期間のうち、第2特別期間において、表示領域HRには、現在ラウンド回数領域R32が設けられていない。即ち、大当り遊技を実行中である期間のうち、第2特別演出を実行中である期間において、現在ラウンド回数CRの表示が省略される。これに限らず、第2特定遊技期間のうち、第2特別期間において、表示領域HRには、第2特別期間を除いた期間に比して、小さい面積にて現在ラウンド回数領域R32を設けてもよい。つまり、現在ラウンド回数CRの表示が制限される構成であってもよい。このように、第1ラウンド遊技数情報(一例として現在ラウンド回数CR)は、示唆演出(一例として昇格演出)が実行されている期間のうち少なくとも一部の期間において、非表示となる、又は表示の一部が制限される。
そして、本実施形態において、各種の情報には、通常情報に分類されるものと、特定情報に分類されるものと、が含まれる。一例として、演出図柄のうち、第1図柄Z1、第2図柄Z2、及び第3図柄Z3は、通常情報に分類される一方、第4図柄Z4、及び第5図柄Z5は、特定情報に分類される。特別ゲームの保留に関する情報のうち、特1保留アイコンi1、及び特2保留アイコンi2は、通常情報に分類される一方、第1特別保留数C1、及び第2特別保留数C2は、特定情報に分類される。ラウンド遊技の回数のうち、現在ラウンド回数CRは、通常情報に分類される一方、上限ラウンド回数LRは、特定情報に分類される。右打ち情報Muは、特定情報に分類される。なお、実行アイコンIは、通常情報に分類される。また、特定演出情報Riを含む当り予告情報、導入情報In、及び結果情報Rs1,Rs2(以下、これらを纏めて「演出情報」と示す)は、通常情報に分類される。
パチンコ遊技機10は、第1操作部D1及び第2操作部D2の操作に基づいて、演出表示装置EHの表示領域HRにおける輝度(明るさ)を調節可能に構成されている。即ち、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHの輝度調節機能を搭載している。
輝度調節機能の概略について説明する。
パチンコ遊技機10は、第1操作部D1及び第2操作部D2を用いた輝度の変更操作によって、演出表示装置EHの輝度レベルを1から5まで、全5段階にわたって調節可能に構成されている。以下「レベル」を「LV」と示す場合がある。これに限らず、輝度調節機能によって調節可能な輝度LV数は、2段階から4段階、及び6段階以上の何れであってもよい。本実施形態において、第1操作部D1の操作は、輝度LVの減少操作となり、第2操作部D2の操作は、輝度LVの増加操作となる。
待機期間において、第1操作部D1及び第2操作部D2の何れかが操作されると、表示領域HRには、輝度調節メニューMNを表示するためのメニュー領域R40が設けられる。輝度調節メニューMNは、操作部D1,D2の操作によって演出表示装置EHの輝度調節が可能であることを特定可能な情報の一例である。輝度調節メニューMNは、「左右で輝度調整できます」などの文字列、及び現在の輝度LVを特定可能な情報の一例である輝度メーターMEを含んで構成される。輝度メーターMEの表示態様には、輝度LV1を示す表示LV1(1マス点灯)と、輝度LV2を示す表示LV2(2マス点灯)と、輝度LV3を示す表示LV3(3マス点灯)と、輝度LV4を示す表示LV4(4マス点灯)と、輝度LV5を示す表示LV5(5マス点灯)と、がある。なお、図8には、一例として、表示LV3(3マス点灯)の輝度メーターMEが図示されている。
そして、図9に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示領域HRに設けられた各種の情報を表示するための領域のうち、一部の領域について、輝度の調節結果に関わらず、所定の輝度にて情報を表示するように構成されている。具体的に、第1図柄領域R1、第2図柄領域R2、第3図柄領域R3、実行アイコン領域R9、特1保留アイコン領域R11~R14、特2保留アイコン領域R21~R24、及び、現在ラウンド回数領域R32では、操作部D1,D2の操作に基づいた調節後の輝度LVに対応する輝度にて、それぞれに情報が表示される。即ち、通常情報を表示するための領域では、輝度調節機能が有効である。
一方、第4図柄領域R4、第5図柄領域R5、第1保留数領域R6、第2保留数領域R7、上限ラウンド回数領域R31、及び、右打ち情報領域R33では、現在の輝度LVが何れの輝度LVに設定されていても、所定の輝度にて、それぞれに情報が表示される。本実施形態において、所定の輝度としては、固定(一定)の輝度が設定されている。より好ましくは、所定の輝度は、輝度調節機能によって調節可能な輝度LVのうち最大LVの輝度に固定されている。これに限らず、所定の輝度は、輝度調節機能によって調節可能な輝度LVのうち最大LVに対応する輝度よりも高い輝度に固定されていてもよい。即ち、特定情報の表示領域では、輝度調節機能が無効である。
特定演出及び第1特別演出を実行させる制御について説明する。
副制御CPU51は、変動開始コマンドとともに入力した特別図柄コマンドから特定可能な特別図柄(大当り図柄)が特定図柄である場合、所定の乱数を用いた演出図柄抽選により、演出ゲームにて導出させる大当りの図柄組合せとして、第1図柄組合せ及び第2図柄組合せの何れかを決定する。一方、副制御CPU51は、特別図柄コマンドから特定可能な特別図柄(大当り図柄)が通常図柄である場合、演出ゲームにて導出させる大当りの図柄組合せとして、第2図柄組合せを決定する。そして、副制御CPU51は、演出ゲームにおいて、決定済みの図柄組合せを導出させるように、演出表示装置EHを制御する。
また、副制御CPU51は、上述した通り、リーチ条件が成立している場合、特定演出の一例であるリーチ演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。リーチ条件が成立している場合、副制御CPU51は、変動開始コマンドに基づいて、所定の乱数を用いた第1特別演出抽選を行い、特定演出の実行中に第1特別演出を実行させるか否かを決定する。副制御CPU51は、大当り変動パターンを特定したときの出現率と、はずれ変動パターンを特定したときの出現率と、を合算した出現率のうち、大当り変動パターンを特定したときの出現率が占める割合が、第1特別演出なし(非実行)<第1特別演出あり(実行)の順に高くなるように、第1特別演出抽選を実行する。副制御CPU51は、第1特別演出を実行させることを決定すると、特定演出の実行中、第1特別演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、第1特別演出を実行させないことを決定すると、特定演出の実行中、第1特別演出を実行しないように、演出表示装置EHを制御する。なお、本実施形態において、第1特別演出の大当り期待度は、所定の演出よりも高い。
次に、第2特別演出を実行させる制御について説明する。
副制御CPU51は、大当り遊技の開始に伴って、直近の大当りの演出ゲームにて導出した大当りの図柄組合せを判定する。副制御CPU51は、直近の変動ゲームにて導出した図柄組合せが第1図柄組合せである場合、第2特別演出の非実行を決定する。一方、副制御CPU51は、直近の変動ゲームにて導出した図柄組合せが第2図柄組合せである場合、第2特別演出の実行を決定する。第2特別演出の実行を決定している場合、副制御CPU51は、特定タイミング(一例として7回目のラウンド遊技の開始タイミング)が到来すると、第2特別演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。なお、副制御CPU51は、大当り遊技中、特定タイミングが到来する迄の間、特定大当り及び通常大当りの何れであっても、演出装置群における演出態様が同じとなるように、演出表示装置EHを制御する。一例として、副制御CPU51は、特定大当り及び通常大当りの何れであっても、同じオープニング演出及びラウンド演出(昇格演出の導入部を含む)を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群を制御する。そして、副制御CPU51は、直近の大当りの変動ゲームにおける特別図柄(大当り図柄)が特定図柄である場合、第1結果部を実行するように演出装置群を制御する。また、副制御CPU51は、直近の大当りの変動ゲームにおける特別図柄(大当り図柄)が通常図柄である場合、第2結果部を実行するように演出装置群を制御する。
次に、輝度の変更操作に基づいて輝度LVを変更する特定制御について説明する。
上述のように、本実施形態において、輝度の変更操作は、第1操作部D1及び第2操作部D2を用いて行う。副制御CPU51は、待機期間への移行を特定すると、操作部D1,D2の操作を受付け可能な第1期間T1を開始させる。第1期間T1は、操作部D1,D2の操作を待ち受ける期間ともいえる。副制御CPU51は、操作部D1,D2の操作を受付け可能な期間について、副制御RWM53にフラグなどの情報を設定することにより開始させ、当該情報をクリアすることにより終了させる。副制御CPU51は、第1期間T1において、変動開始コマンドを入力すると、第1期間T1を終了し、演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを制御する。
第1期間T1において、副制御CPU51は、操作部D1,D2の何れかから操作信号を入力すると、第1期間T1を終了し、操作部D1,D2の操作を受付け可能な第2期間T2を開始する。第2期間T2は、第1操作部D1及び第2操作部D2を用いた輝度の選択操作を受け付け、輝度調節機能を使用可能な期間である。第2期間T2において、副制御CPU51は、輝度調節メニューMNを表示するように、演出表示装置EHを制御する。このとき、副制御CPU51は、現在の輝度LVに対応した表示LVにて輝度メーターMEを表示させる。副制御CPU51は、副制御RWM53に記憶されている輝度LVフラグの値を参照することにより、現在の輝度LVを特定可能である。副制御CPU51は、輝度LVフラグの値を更新することにより、輝度LVを変更する。
第2期間T2において、副制御CPU51は、第2操作部D2から操作信号を入力した場合、現在の輝度LVが上限LVに達していないときには、輝度LVを1つ上の輝度LVに変更する一方、上限LVに達しているときには、輝度LVを変更しない。第2期間T2において、副制御CPU51は、第1操作部D1から操作信号を入力した場合、現在の輝度LVが下限LVに達していないときには、輝度LVを1つ下の輝度LVに変更する一方、下限LVに達しているときには、輝度LVを変更しない。
副制御CPU51は、操作部D1,D2の操作に基づいて輝度LVを変更するときには、変更後の輝度LVに対応する表示LVにて輝度メーターMEを表示し、輝度LVを変更しないときには、現在の表示LVのまま輝度メーターMEを表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、操作部D1,D2の操作を受け付けたときに、所定の音声(一例として効果音等)を出力するように、スピーカSPを制御する構成であってもよく、所定の発光パターンにて発光するように、装飾ランプLAを制御する構成であってもよい。
第2期間T2において、副制御CPU51は、第1操作部D1又は第2操作部D2の何れかから最後に操作信号を入力してから所定期間が経過すると、第2期間T2を終了して第1期間T1を開始させ、輝度調節メニューMN(輝度メーターME)を非表示とするように、演出表示装置EHを制御する。第2期間T2において、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、第2期間T2を終了し、演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを制御する。以上のように、制御手段の一例である副制御CPU51は、変更操作に基づいて、所定の情報を表示するときの輝度を変更するための特定制御を可能に構成されている。
次に、各種の情報を表示させる制御について説明する。
図9に示すように、副制御CPU51は、待機期間において、当該期間用の表示レイアウトにて各種の情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。つまり、副制御CPU51は、図柄Z1~Z3(第1態様)、図柄Z4,Z5、特別保留数C1,C2、実行アイコンI、保留アイコンi1,i2、及び、その他の演出情報を表示させる。
副制御CPU51は、通常遊技期間において、当該期間用の表示レイアウトにて各種の情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。つまり、副制御CPU51は、図柄Z1~Z3(第1態様)、図柄Z4,Z5、特別保留数C1,C2、実行アイコンI、保留アイコンi1,i2、及び、その他の演出情報を表示させる。
副制御CPU51は、第1特定遊技期間のうち、第1特別期間を除いた期間において、当該期間用の表示レイアウトにて各種の情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。つまり、副制御CPU51は、図柄Z1~Z3(第2態様)、図柄Z4,Z5、特別保留数C1,C2、及び、その他の演出情報を表示させる。一方、副制御CPU51は、実行アイコンI、及び保留アイコンi1,i2の表示を省略する。即ち、図柄Z1~Z3の表示が簡略化され、さらに、実行アイコンI、保留アイコンi1,i2が非表示となる。
副制御CPU51は、第1特定遊技期間のうち、第1特別期間において、当該期間用の表示レイアウトにて各種の情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。つまり、副制御CPU51は、図柄Z4,Z5、特別保留数C1,C2、及び、その他の演出情報を表示させる。一方、副制御CPU51は、図柄Z1~Z3(第1態様)、実行アイコンI、及び保留アイコンi1,i2の表示を省略する。即ち、特1保留アイコンi1及び特2保留アイコンi2は、特定演出が実行されている期間のうち少なくとも一部の期間において、非表示となる、又は表示の一部が制限される。
副制御CPU51は、第2特定遊技期間のうち、第2特別期間を除いた期間において、当該期間用の表示レイアウトにて各種の情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。つまり、副制御CPU51は、図柄Z1~Z3(第2態様)、図柄Z4,Z5、特別保留数C1,C2、上限ラウンド回数LR、現在ラウンド回数CR、右打ち情報Mu、及び、その他の演出情報を表示させる。即ち、図柄Z1~Z3の表示が簡略化され、さらに、実行アイコンI、及び保留アイコンi1,i2が非表示となる。
副制御CPU51は、第2特定遊技期間のうち、第2特別期間において、当該期間用の表示レイアウトにて各種の情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。つまり、副制御CPU51は、図柄Z1~Z3(第2態様)、図柄Z4,Z5、特別保留数C1,C2、上限ラウンド回数LR、右打ち情報Mu、及び、その他の演出情報を表示させる。一方、副制御CPU51は、現在ラウンド回数CRの表示を省略する。
次に、保留アイコンi1,i2の表示に関する制御について説明する。
副制御CPU51は、第1保留数コマンドに基づいて第1特別保留数の増加を特定すると、特1保留アイコン領域R11~R14のうち、増加後の第1特別保留数に対応する領域に特1保留アイコンi1を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力する毎に、特1保留アイコン領域R1n(但しn=2~4)に表示されている特1保留アイコンi1が特1保留アイコン領域R1n-1へ移動表示されるように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力する毎に、特1保留アイコン領域R11に表示されている特1保留アイコンi1が実行アイコンIとして実行アイコン領域R9へ移動表示されるように、演出表示装置EHを制御する。
副制御CPU51は、第2保留数コマンドに基づいて第2特別保留数の増加を特定すると、特2保留アイコン領域R21~R24のうち、増加後の第2特別保留数に対応する領域に特2保留アイコンi2を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力する毎に、特2保留アイコン領域R2n(但しn=2~4)に表示されている特2保留アイコンi2が特2保留アイコン領域R2n-1へ移動表示されるように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力する毎に、特2保留アイコン領域R21に表示されている特2保留アイコンi2が実行アイコンIとして実行アイコン領域R9へ移動表示されるように、演出表示装置EHを制御する。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10は、保留変化演出を実行可能に構成されている。具体的に、副制御CPU51は、保留中の変動ゲームの変動内容を、当該変動ゲームの実行条件が成立する前に先読み(事前判定)し、その先読み結果に応じて、保留アイコンi1,i2の表示態様を変化させる構成であるとよい。この場合、保留アイコンi1,i2の表示態様には、少なくとも第1表示態様と、第2表示態様と、を含む複数の表示態様がある。そして、第1表示態様<第2表示態様の順に、対応する保留中の変動ゲームが大当りとなる期待度が高くなるとよい。
一例として、特別図柄入力処理において、主制御CPU42は、第1特別始動入賞口15への遊技球の入球を契機に乱数を取得すると、当該乱数に基づいて、新たに保留される変動ゲームの変動内容を先読みする。ここでいう変動内容は、例えば、特別抽選(大当り抽選)に当選するか否か、大当りに当選する場合の大当り図柄の種類、及び、各変動処理にて決定される変動パターンなどである。本実施形態の一例において、主制御CPU42は、変動ゲームが保留されたときに、当該変動ゲームが特別抽選(大当り抽選)にて大当りに当選して大当りとなるか否かを判定し、その判定結果を特定可能な制御コマンド(以下、先読みコマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。
副制御CPU51は、先読みコマンドを入力することによって、新たに保留された変動ゲームの変動内容を先読み(事前判定)することが可能である。副制御CPU51は、大当りの先読みコマンドを入力したときの選択率と、はずれの先読みコマンドを入力したときの選択率と、を合算した選択率に占める大当りの先読みコマンドを入力したときの選択率の割合が、第1表示態様<第2表示態様の順に高くなるように、保留アイコンi1,i2の表示態様を決定する。副制御CPU51は、決定した表示態様にて保留アイコンi1,i2を表示するように、演出表示装置EHを制御する。なお、副制御CPU51は、変動ゲームの開始(変動開始コマンドの入力)を契機として、保留アイコンi1,i2を移動表示させるとき、表示態様を維持するように、演出表示装置EHを制御する。なお、副制御CPU51は、特別抽選の結果を事前判定した結果に応じて、特1保留アイコンi1及び特2保留アイコンi2のうち両方の表示態様を変化させ得る構成であってもよく、特1保留アイコンi1の表示態様のみ、又は特2保留アイコンi2の表示態様のみを変化させ得る構成であってもよい。以上のように、副制御CPU51は、各種の情報を表示させる制御を少なくとも可能に構成された制御手段の一例となる。
そして、副制御CPU51は、表示領域HRのうち通常情報を表示するための領域については、輝度調節機能により調節された輝度LVに対応する輝度となるように、演出表示装置EHを制御する。一方、副制御CPU51は、表示領域HRのうち特定情報を表示するための領域については、輝度調節機能により調節された輝度LVに関係なく、所定の輝度に維持するように、演出表示装置EHを制御する。
一例として、副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示領域HRの裏側に配設された複数の発光体(所謂、バックライト)の輝度を変更する構成であるとよい。具体的に、表示領域HRを正面から見たときに、表示領域HRの裏側には、縦横それぞれ複数列にわたって碁盤目状に並ぶように複数の発光体(一例としてLED)を配設する。そして、副制御CPU51は、通常情報を表示するための領域の背後にある発光体については、調節後の輝度LVに対応した輝度にて発光させる一方、特定情報を表示するための領域の背後にある発光体については、所定の輝度にて発光させる。換言すれば、副制御CPU51は、特定情報を表示するための領域の背後にある発光体については、固定の輝度(一例として輝度LV5)にて発光させ、それ以外の領域の背後にある発光体については、調節された輝度LVに対応する輝度にて発光させる。
また、別の一例として、副制御CPU51は、演出表示装置EHにおいて各種の画像を表示させるためのレイヤーを用いる構成であってもよい。具体的に、副制御CPU51は、各種の情報を表示させるためのレイヤーとして、第1レイヤーと、当該第1レイヤーに比して優先度が高い第2レイヤーと、を含む複数のレイヤーを生成する。そして、特定情報としての画像オブジェクトを第2レイヤーに配置し、通常情報としての画像オブジェクトを第1レイヤーに配置し、複数のレイヤーを重ね合わせた状態の画像を生成し、演出表示装置EHに表示させるとよい。ここで、副制御CPU51は、第2レイヤーに表示する画像オブジェクトについての輝度を、固定の輝度(一例として輝度LV5)に設定し、第1レイヤーに表示する画像オブジェクトについての輝度を、調節された輝度LVに対応する輝度に設定するとよい。
以上のように、本実施形態によれば、各種の情報を表示させる特定制御では、通常情報を表示する部分の輝度が変更される一方、特定情報を表示する部分の輝度が変更されない。そして、特定情報を表示する部分の輝度は、特定制御によって輝度を変更可能な範囲のうち最大輝度以上の輝度(一例として輝度LV5)である。
第1実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば、同じ表示領域HRにある情報であっても、操作部D1,D2の操作によって、輝度を変更できる通常情報と、輝度を変更できず一定の輝度で表示される特定情報とが生じる。このため、通常情報については、遊技者の好みの輝度で表示させることができる一方、特定情報については、操作部D1,D2の誤操作によって意図せず輝度が低下し、これにより特定情報の視認性が低下してしまうことを抑制できる。さらに言えば、特定情報に関して、輝度の変化に伴う視認性の変化によって、却って特定情報を認識し難くなることを抑制できる。
特に、本実施形態の特定制御では、保留中の変動ゲームを示す保留ゲーム情報(一例として保留アイコンi1,i2)を表示する部分の輝度が変更される一方、変動ゲームの保留数を示す保留数情報(一例として特別保留数C1,C2)を表示する部分の輝度が変更されない。ここで、特別保留数C1,C2は、ストックされた変動ゲーム(当り抽選)の権利数を示す情報であるため、相対的に遊技者にとって重要な情報である。このような、特別保留数について、一定の輝度にて表示できることから、遊技者に対して一定の強度で情報を提供できる。特に、本実施形態において、特定情報は、輝度を調節可能な範囲のうち最大輝度(輝度LV5)にて表示される。したがって、特定情報の視認性を一定としつつ、さらに通常情報と同等又はそれ以上の視認性を確保し、維持できる。
また、保留アイコンi1,i2は、特定演出が実行されている期間のうち少なくとも一部の期間において、非表示となる、又は表示の一部が制限されるが、上記のように、重要度が高い特別保留数C1,C2は、表示が制限されずに継続して表示される。このため、表示領域HRに表示される情報の種類を削減し、特定演出に対する注目度を高めることが可能になる。その一方で、特別保留数C1,C2については、輝度を維持して継続的に表示されることから、ストックされた変動ゲームの権利数を遊技者に対して的確に把握させることも可能になる。
本実施形態において、変動ゲームを実行している期間中、遊技者が識別可能な通常識別情報(一例として図柄Z1~Z3)及び特定識別情報(一例として図柄Z4,Z5)が変動表示され、当り抽選の結果に応じた表示結果が最終的に停止表示されるようになっている。そして、本実施形態の特定制御では、通常識別情報を表示する部分の輝度が変更される一方、特定識別情報を表示する部分の輝度が変更されない。また、特定識別情報は、表示が制限されず、継続的に表示される。このため、本実施形態では、図柄Z1~Z3によって変動ゲームを盛り上げつつも、図柄Z4,Z5によって、変動ゲームが継続中であることを遊技者に対して的確に把握させることができる。
また、特定制御では、今回の大当り遊技における現在のラウンド遊技数を示す第1ラウンド遊技数情報(一例として現在ラウンド回数CR)を表示する部分(一例として現在ラウンド回数領域R32)の輝度が変更される。一方、特定制御では、今回の大当り遊技における上限のラウンド遊技数を示す第2ラウンド遊技数情報(一例として上限ラウンド回数LR)を表示する部分(一例として上限ラウンド回数領域R31)の輝度が変更されない。このため、現在ラウンド回数CRの報知によって、どの程度のラウンド遊技を消化済みであるか把握させながらも、上限ラウンド回数LRの報知によって、獲得したラウンド遊技の権利数を遊技者に対して的確に把握させることができる。また、現在ラウンド回数CRは、昇格演出が実行されている期間のうち少なくとも一部の期間において、非表示となる、又は表示の一部が制限される一方、上限ラウンド回数LRは、昇格演出が実行されている期間にも制限されずに継続して表示される。このため、表示領域HRに表示される情報の種類を削減し、昇格演出に対する注目度を高めることが可能になる。
第1実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、遊技者の変更操作に基づいた特定制御によって、所定の情報を表示するときの輝度を変更可能である。そして、通常情報については、輝度を変更できる一方、特定情報については、輝度を変更できない。このため、特定情報について、一定の輝度にて表示できることから、遊技者に対して一定の強度で情報を提供できる。したがって、輝度の変更によって、特定情報の視認性が期せず低下することを抑制し、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
(2)本実施形態によれば、当り予告情報、実行ゲーム情報(一例として実行アイコンI)、及び通常識別情報(一例として図柄Z1~Z3)については、輝度を変更できるから、遊技者の好みに合わせて情報を認識させ得る。
(3)本実施形態によれば、特定識別情報(一例として図柄Z4,Z5)、第1保留ゲーム情報(一例として特1保留アイコンi1)、第2保留ゲーム情報(一例として特2保留アイコンi2)、及び、発射情報(一例として右打ち情報Mu)については、輝度の変更操作の影響が及ばず、その輝度が変更されない。このため、情報の視認性が期せず低下することを抑制できる。
(4)本実施形態によれば、特定情報については、最大輝度以上の輝度(一例として輝度LV5)であることから、遊技者の視認性を好適に確保できる。
(5)特に、特定情報は、操作部D1,D2の操作によって変更可能な光量範囲のうち最大輝度である輝度LV5に固定される。したがって、特定情報について重要な情報であることを理解し易くし、特定情報によって報知される内容を遊技者が認識し損ねることを抑制できる。
(6)本実施形態によれば、第1保留ゲーム情報(一例として特1保留アイコンi1)、及び第2保留ゲーム情報(一例として特2保留アイコンi2)のうち少なくとも一方は、当り抽選の結果を事前判定した結果に応じて表示態様が変化され得るから、当りに期待する遊技者の興趣を向上させ得る。
(7)本実施形態によれば、2つの保留ゲーム情報(保留アイコンi1,i2)は、特定演出が実行されている期間のうち少なくとも一部の期間において、非表示となる、又は表示の一部が制限されることから、特定演出に注目させる期間を意図的に設けることが可能になる。したがって、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
(8)本実施形態によれば、特定のリーチ演出に注目させる期間を意図的に設けることが可能になる。したがって、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
(9)本実施形態によれば、遊技者の変更操作に基づいた特定制御によって、所定の情報を表示するときの輝度を変更可能である。そして、保留ゲーム情報(一例として保留アイコンi1,i2)については、輝度を変更できる一方、保留数情報(一例として特別保留数C1,C2)については、輝度を変更できない。ここで、保留数情報は、ストックされた変動ゲームの権利数を示す情報であるため、相対的に遊技者にとって重要な情報である。このような、保留数情報について、一定の輝度にて表示できることから、遊技者に対して一定の強度で情報を提供できる。したがって、輝度の変更によって、保留数情報の視認性が期せず低下することを抑制し、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
(10)本実施形態によれば、保留ゲーム情報(保留アイコンi1,i2)は、特定演出が実行されている期間のうち少なくとも一部の期間において、非表示となる、又は表示の一部が制限されることから、特定演出に注目させる期間を意図的に設けることが可能になる。したがって、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
(11)本実施形態によれば、第1変動ゲームの保留数情報(一例として第1特別保留数C1)、及び第2変動ゲームの保留数情報(一例として第2特別保留数C2)について、輝度を変更不能とし、保留数情報の視認性が期せず低下することを抑制できる。
(12)本実施形態によれば、遊技者の変更操作に基づいた特定制御によって、所定の情報を表示するときの輝度を変更可能である。そして、同じように変動ゲーム中に変動表示される識別情報であっても、通常識別情報(一例として図柄Z1~Z3)については、輝度を変更できる一方、特定識別情報(一例として図柄Z4,Z5)については、輝度を変更できない。本実施形態では、特定識別情報について、一定の輝度にて表示できることから、遊技者に対して一定の強度で情報を提供できる。したがって、輝度の変更によって、特定識別情報の視認性が期せず低下することを抑制し、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
(13)本実施形態によれば、通常識別情報(一例として図柄Z1~Z3)は、特定演出が実行されている期間のうち少なくとも一部の期間において、非表示となる、又は表示の一部が制限されることから、特定演出に注目させる期間を意図的に設けることが可能になる。したがって、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
(14)本実施形態によれば、第1変動ゲームの特定識別情報(一例として第4図柄Z4)、及び第2変動ゲームの特定識別情報(一例として第5図柄Z5)について、輝度を変更不能とし、特定識別情報の視認性が期せず低下することを抑制できる。
(15)本実施形態によれば、遊技者の変更操作に基づいた特定制御によって、所定の情報を表示するときの輝度を変更可能である。そして、現在のラウンド遊技数を示す第1ラウンド遊技数情報(一例として現在ラウンド回数CR)については、輝度を変更できる一方、上限のラウンド遊技数を示す第2ラウンド遊技数情報(一例として上限ラウンド回数LR)については、輝度を変更できない。ここで、第2ラウンド遊技数情報は、今回の大当りで確保できているラウンド遊技数を示す情報であるため、相対的に遊技者にとって重要な情報である。このような、第2ラウンド遊技数情報について、一定の輝度にて表示できることから、遊技者に対して一定の強度で情報を提供できる。したがって、輝度の変更によって、第2ラウンド遊技数情報の視認性が期せず低下することを抑制し、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
以下の説明では、既に説明した実施形態と同じ構成及び同じ制御内容については同じ符号を付すなどし、重複する説明を省略又は簡略化する。
第1実施形態では、特1保留アイコン領域R11~R14、及び特2保留アイコン領域R21~R24の輝度を変更可能に構成されていたのに対して、第2実施形態では、これらの保留アイコン領域R11~R14,R21~R24の輝度を変更不能に構成されている点で異なる。
本実施形態において、副制御CPU51は、特1保留アイコンi1及び特2保留アイコンi2を通常情報として取り扱い、上述した特定制御を実行する。これにより、特定制御では、輝度調節機能によって輝度LVが変更されたとき、実行アイコンIを表示するための実行アイコン領域R9の輝度が変更されるが、保留アイコンi1,i2を表示するための保留アイコン領域R11~R14,R21~R24の輝度が変更されない。即ち、本実施形態では、実行中の変動ゲームを示す実行ゲーム情報を表示する部分の輝度が変更される一方、保留中の変動ゲームを示す保留ゲーム情報を表示する部分の輝度が変更されない。このため、本実施形態では、保留アイコンi1,i2が一定の輝度(一例として輝度LV5)にて表示されることになる。
第2実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、遊技者の変更操作に基づいた特定制御によって、所定の情報を表示するときの輝度を変更可能である。そして、実行ゲーム情報(一例として実行アイコンI)については、輝度を変更できる一方、保留ゲーム情報(一例として保留アイコンi1,I2)については、輝度を変更できない。ここで、保留ゲーム情報は、ストックされた変動ゲーム(当り抽選)の権利を示す情報であるため、相対的に遊技者にとって重要な情報である。このような、保留ゲーム情報について、一定の輝度にて表示できることから、遊技者に対して一定の強度で情報を提供できる。したがって、輝度の変更によって、保留ゲーム情報の視認性が期せず低下することを抑制し、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
(2)本実施形態によれば、第1保留ゲーム情報(一例として特1保留アイコンi1)と、第2保留ゲーム情報(一例として特2保留アイコンi2)とは、個別に表示される一方、実行ゲーム情報(一例として実行アイコンI)については、2つの変動ゲームで兼用される。すなわち、重要な情報の1つである2つの保留ゲーム情報については、個別に表示しつつ、さらに輝度を変更不能とすることにより、遊技者の視認性を確保できる。
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・各実施形態において、昇格演出の終了後、大当り遊技が終了する迄の期間のうち少なくとも一部の期間において、昇格演出の結果を特定可能な情報(以下、終了後情報と示す)を表示する構成であってもよい。終了後情報には、第1結果部が実行(第1結果情報Rs1が表示)されたことを特定可能な第1終了後情報と、第2結果部が実行(第2結果情報Rs2が表示)されたことを特定可能な第2終了後情報と、がある。第1終了後情報は、大当り遊技の終了後、特典の一例である第1有利状態が付与されることを特定可能な情報である。第2終了後情報は、大当り遊技の終了後、第2有利状態が付与されることを特定可能な情報である。なお、第2終了後情報は、表示しない構成であってもよい。そして、終了後情報は、特定情報に分類されるとよい。即ち、表示領域HRのうち、終了後情報を表示するための領域は、輝度調節機能により調節された輝度LVに関係なく、所定の輝度に維持されるとよい。
・各実施形態において、第1保留ゲーム情報(一例として特1保留アイコンi1)及び第2保留ゲーム情報(一例として特2保留アイコンi2)は、表示されてからの表示態様が変化しない構成であったが、これに限らない。例えば、ある保留アイコンが表示されてから、当該保留アイコンに対応する変動ゲームが開始される迄の第1期間、及び、対応する変動ゲームが開始されてから終了する迄の第2期間のうち、少なくとも一方の期間において、その表示態様が変化し得る構成であってもよい。
・各実施形態において、実行ゲーム情報(一例として実行アイコンI)は、特定演出の実行中(第1特定遊技期間)を除いて、変動ゲームが開始してから終了するまで表示されたが、これに限らない。例えば、実行ゲーム情報は、当該実行ゲーム情報に示される変動ゲームが開始してから所定期間が経過すると非表示とされ得る構成であってもよい。本変更例によれば、実行ゲーム情報は、変動ゲームが開始してから所定期間が経過すると非表示とされ得ることから、表示されている期間は好みの輝度にて表示させ、遊技者の興趣を向上させ得る。
・各実施形態において、示唆演出(一例として昇格演出)が実行されている期間では、現在ラウンド回数CRが非表示となる、又は制限される構成であったが、これに限らず、上限ラウンド回数LRとともに、制限なく継続して表示される構成であってもよい。本変更例によれば、示唆演出(所謂、昇格演出)を実行しているときであっても、第1ラウンド遊技数情報(一例として現在ラウンド回数CR)及び第2ラウンド遊技数情報(一例として上限ラウンド回数LR)が制限されずに継続して表示される。このため、遊技者が知りたいと考える情報を把握させ得るとともに、上述のように、特に重要性が高い第2ラウンド遊技数情報について視認性の低下を抑制できる。
・各実施形態において、特定演出(一例としてリーチ演出)が実行されている期間では、通常識別情報(一例として図柄Z1~Z3)が非表示となる、又は制限される構成であったが、これに限らず、特定識別情報(図柄Z4,Z5)とともに制限なく継続して表示される構成であってもよい。
・各実施形態において、特定演出(一例としてリーチ演出)が実行されている期間や、第2特定遊技期間では、保留ゲーム情報(一例として保留アイコンi1,i2)が非表示となる、又は制限される構成であったが、これに限らず、制限なく継続して表示される構成であってもよい。なお、実行ゲーム情報(一例として、実行アイコンI)についても同様に変更できる。
・各実施形態において、スピーカSPの音量を調節する機能、装飾ランプLAの輝度(明るさ)を調節する機能、及び、演出モードを変更する機能のうち1つ又は複数を搭載していてもよい。
・大当り遊技の終了後は、必ず高入球率状態(短変動時間状態)を付与したが、これに限らず、大当り図柄の種類に応じて、高入球率状態を付与しないときがあってもよい。
・特別ゲームは、演出表示装置EHにて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、保留順に実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
・パチンコ遊技機10の機械的な構成は適宜変更してもよい。例えば、演出表示装置EHを複数の表示手段から構成してもよく、そのうちの一部の表示手段を変位可能に構成してもよい。例えば、操作手段は単数又は複数(3つ以上)であってもよく、複数の操作部が複合したものであってもよい。
・主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成してもよい。副制御基板50の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・本実施形態において、遊技機は、パチンコ遊技機であったが、これに限らず、スロットマシンとして構成されていてもよい。
本実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記特定演出は、特定のリーチ演出であるとよい。
(2)前記変動ゲームには、第1変動ゲームと、第2変動ゲームと、があり、前記通常識別情報は、複数の通常識別情報群を構成し、前記第1変動ゲーム又は前記第2変動ゲームでは、前記通常識別情報群毎に前記通常識別情報が変動表示され、前記特定識別情報に、前記第1変動ゲームにおいて変動表示される特定識別情報と、前記第2変動ゲームにおいて変動表示される特定識別情報と、があるとよい。