JP2021029276A - 医療用観察装置 - Google Patents

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Hiromasa Yamashita
紘正 山下
哲 ▲高▼橋
哲 ▲高▼橋
Satoru Takahashi
丸山 純一
Junichi Maruyama
純一 丸山
健吉 谷岡
Kenkichi Tanioka
健吉 谷岡
敏雄 千葉
Toshio Chiba
敏雄 千葉
博 中▲辻▼
Hiroshi Nakatsuji
博 中▲辻▼
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Tetsuo Yoshida
哲男 吉田
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Abstract

【課題】処置の対象や内容などに応じて、画像の大きさや範囲を簡便に選択することができる医療用観察装置を提供する。【解決手段】対象を観察するためのレンズ光学部30、及び、レンズ光学部による画像を撮影する撮像部20を有する観察部10と、観察部を支持する支持部と、を備える医療用観察装置であって、撮像部は、結像面上に8Kレベル以上の画素数を搭載した固体撮像素子21を備え、レンズ光学部は、単一の焦点距離を有する対物光学系LSを備え、支持部は、レンズ光学部を脱着可能に装着できるマウント部を備え、レンズ光学部の脱着により、焦点距離が互いに異なる複数の対物光学系を択一的に装着可能としている。【選択図】図2

Description

本発明は、医療用観察装置に関する。
近年、デジタル画像技術により超高画質(8K)カメラが医療応用されてきた。特にテレビ画像を見ながら手術する鏡視下手術で種々の領域に応用され始めている(非特許文献1から3)。超高画質は、画面上の拡大が極めて有効にできるところから、術者以外の者も見ることが可能なテレビ画像において、顕微鏡に匹敵する画像が得られると期待されている(非特許文献4)。これにより、顕微鏡を覗く必要がなくなるため、術者に対して首などの身体への負担が大幅に軽減される。
また、特許文献1には、固体撮像素子とレンズ光学系とを有して観察対象を撮像する固体撮像装置と、固体撮像装置により撮像された画像データを表示する表示装置と、を備えた医療用観察装置の一例として、術部を撮像素子により撮影し、撮影された画像についての情報が表示装置に送信されることにより、術部の撮影画像が表示装置に表示される構成を備える医療用観察装置が開示されている。
一方、本発明者らは、先行する研究で、眼科領域における8K高画質顕微鏡をブタ眼モデルで使って光学顕微鏡との非劣化試験を行い、遜色ないことを確認している(非特許文献4)が、2Dよりも3Dの方が学習効果が高いことも知られている(非特許文献5)。また近年の光学的顕微鏡は、双眼で超拡大が可能なことから0.5mm口径以下の血管やリンパ管などの吻合を可能としたスーパーマイクロサージャリーの分野を臨床で確立している。
国際公開WO2016/017532号公報
Yamashita H, Aoki H, Tanioka K, Mori T, Chiba T. Ultra-high definition (8K UHD) endoscope: our first clinical success. Springerplus. 2016 Aug 30;5(1):1445. doi: 10.1186/s40064-016-3135-z. eCollection 2016. Aoki Y, Matsuura M, Chiba T, Yamashita H. Effect of an 8K ultra-high-definition television system in a case of laparoscopic gynecologic surgery. Wideochir Inne Tech Maloinwazyjne. 2017 Sep;12(3):315-319. doi: 10.5114/wiitm.2017.68830. Epub 2017 Jul 7. Ohigashi S, Taketa T, Shimada G, Kubota K, Sunagawa H, Kishida A. Fruitful first experience with an 8K ultra-high-definition endoscope for laparoscopic colorectal surgery. Asian J Endosc Surg. 2018 Dec 13. doi: 10.1111/ases.12638. [Epub ahead of print] Yamashita H, Tanioka K, Miyake G, Ota I, Noda T, Miyake K, Chiba T. 8K ultra-high-definition microscopic camera for ophthalmic surgery. Clin Ophthalmol. 2018 Sep 19;12:1823-1828. doi: 10.2147/OPTH.S171233. eCollection 2018. Chhaya N, Helmy O, Piri N, Palacio A, Schaal S. COMPARISON OF 2D AND 3D VIDEO DISPLAYS FOR TEACHING VITREORETINAL SURGERY.Retina. 2018 Aug;38(8):1556-1561. doi: 10.1097/IAE.0000000000001743
上記のように、術者が双眼顕微鏡を直接のぞき込みながら行うことによってのみ実現されている数百μm程度の口径の血管やリンパ管を吻合する手術を、特許文献1に記載されるような医療用観察装置を用いて行うことへの期待が高まっている。しかしながら、処置の対象はサイズ、形状等が様々であり、また、処置の内容によって求められる観察範囲の大きさも様々である。このような多種の対象や観察範囲があるにもかかわらずに光学的に同一の構成を用いて撮影した場合、適切に観察できるケースもあるものの、例えば、対象が、画面上の微小な範囲に小さく表示されてしまうケースもあり、このケースでは、視認することが困難となり、処置の効率が著しく低下してしまうおそれがある。これに対して、光学的に異なる構成を有する観察装置を複数用意し、処置の対象などに応じて適切な観察装置を選択することも考えられるが、複数台の観察装置を保管するスペースが必要となり、観察装置の交換作業も繁雑なものとなる。さらに、保管スペースを抑えるために観察装置の台数を制限した場合には、同種の手術が重なったときに必要な観察装置が不足してしまうなどの問題が生じるおそれがある。
本発明は、処置の対象や内容などに応じて、画像の大きさや範囲を簡便に選択することができる医療用観察装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の医療用観察装置は、対象を観察するためのレンズ光学部、及び、レンズ光学部による画像を撮影する撮像部を有する観察部と、観察部を支持する支持部と、を備える医療用観察装置であって、撮像部は、結像面上に8Kレベル以上の画素数を搭載した固体撮像素子を備え、レンズ光学部は、単一の焦点距離を有する対物光学系を備え、支持部は、レンズ光学部を脱着可能に装着できるマウント部を備え、レンズ光学部の脱着により、焦点距離が互いに異なる複数の対物光学系を択一的に装着可能であることを特徴としている。
これにより、処置の対象や内容などに応じて、対物光学系を択一的に選択できるため、画像の大きさや範囲を簡便に選択することが可能となる。
本発明の医療用観察装置においては、制御部による制御にしたがって、対物光学系の焦点調節を可能とする焦点調節機構を備えることが好ましい。
これにより、対物光学系の焦点調節をスムーズに行うことができ、処置も滞りなく迅速に進めることができる。
本発明の医療用観察装置においては、撮像部で撮像される画像の解像度と、マウント部に装着された対物光学系の被写界深度に基づいて、この対物光学系のF値が設定されることが好ましい。
これにより、処置の対象の形状、観察条件などに応じて、所望の視野を得ることができる。
本発明の医療用観察装置において、F値は5.6以上11以下の範囲であることが好ましい。
これにより、8Kレベル以上の解像度を満たし、かつ、確実に視認可能な画像を得ることができる。
本発明の医療用観察装置において、マウント部は、単一の焦点距離を有する対物光学系に代えて、複数の焦点距離を有するズーム光学系を装着可能であるとよい。
これにより、ズーム光学系に触れることなく、焦点調節機構による焦点調節が可能となる。
本発明によれば、処置の対象や内容などに応じて、画像の大きさや範囲を簡便に選択することができる医療用観察装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る医療用観察装置の外観構成を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態に係る医療用観察装置の構成を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態に係る医療用観察装置の、(a)固体撮像素子の結像面に形成された観察領域の像を説明するための概略図、(b)表示装置の表示画像を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態に係る医療用観察装置における制御系の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る医療用観察装置を用いて観察される吻合処置の一例を示す図である。 レンズF値を5.6から16に設定したときの、撮影距離と被写界深度との関係を示すグラフである。 撮影距離を57cmから114cmに設定したときの、レンズF値と被写界深度との関係を示すグラフである。 レンズF値を5.6から16に設定したときの、被写体までの距離と解像度との関係を示すグラフである。
図1は、本発明の一実施形態に係る医療用観察装置100の外観構成を説明するための概略図である。図2は、図1に示す医療用観察装置100の構成を説明するための概略図である。図2においては、図1に示す支持部40の表示を省略する一方、支持部40の内部に挿通されたケーブル51を示しており、さらに、ケーブル51に接続された処理装置50と、処理装置50に接続された表示装置60とを示している。また、図2においては、観察部10について、内部の撮像部20と、レンズ光学部30とを示すとともに、固体撮像素子21及びレンズ光学系LS(対物光学系)の光学的な関係について概略的に示している。図3(a)は、図1に示す医療用観察装置100の固体撮像素子21の結像面FSに形成された観察領域の像IMを説明するための概略図である。図3(b)は、医療用観察装置100の表示装置60の表示画像を説明するための概略図である。図4は、医療用観察装置100における制御系の機能ブロック図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る医療用観察装置100は、観察部10が支持部40によって支持された構成を備えている。支持部40は、床上を移動可能とし、かつ、移動を停止させるストッパ(不図示)を備えた基台41と、基台41から順に延びる4つの支持アーム42a、42b、42c、42dと、先端側の支持アーム42dに設けられたマウント部43とを備える。基台41から延びる支持アーム42aは、鉛直方向VLに沿って延びるように基台41に固定されている。この支持アーム42aから順に延びる3つの支持アーム42b、42c、42dは、連結部材44a、44b、44cによって互いに連結されており、隣り合うアームは、連結部材44a、44b、44cによって互いに可動となっている。このため、支持アーム42b、42c、42dを、隣り合う支持アームに対してそれぞれ動かすことによって、マウント部43を鉛直方向VL及び水平方向HLの任意の位置に移動させることができ、かつ、所望の向きに設定することができる。
なお、図1においては、床上に載置するタイプの支持部40を示したが、例えば、基台41に代わる固定部を天井や壁などに固定し、この固定部から支持アームを延ばした構成も可能である。
図2に示されるように、観察部10は、撮像光軸OAに沿って配置されたレンズ光学部30と、レンズ光学部30の結像面FSに位置する固体撮像素子21を有する撮像部20と、を備える。観察部10による観察領域ORは、対象物Aの処置エリアSAの一部である。
観察領域ORは直径Drの円形であり、直径Drの具体例は20mmである。レンズ光学部30のレンズ光学系LSでとらえた観察領域ORは、固体撮像素子21の結像面FSに結像して結像画像IM(図3(a)参照)を形成する。結像画像IMは直径Diの円形である。なお、観察領域ORは、レンズ光学系LSにより観察可能な領域(観察可能領域OR0)の一部であり、観察可能領域OR0が結像面FSに結像してなる結像画像IM0に内接するように、固体撮像素子21は配置されている。したがって、表示画面61には、観察領域ORの範囲外の画像も表示される。
図3(a)に示されるように、固体撮像素子21は、各々が光電変換素子を有する複数の画素(撮像画素)Pxを有し、これらの撮像画素Pxは結像面FS上にマトリクス状に並んでいる。本実施形態に係る固体撮像素子21の撮像画素Pxのサイズ(画素サイズ)Dsは、X方向、Y方向いずれも3.2μmの正方形である。本実施形態に係る固体撮像素子21では、この撮像画素Pxが、X方向に7680個並び、Y方向に4320個並んでいる。すなわち、固体撮像素子21は8Kレベルの画素数を有している。この固体撮像素子21のサイズとしては、X方向の長さが24.6mmであり、Y方向の長さが13.8mmである。固体撮像素子21としては、8Kレベルの画素数よりも画素数が多い、8Kレベルを超えるものを用いることもできる。
本実施形態に係る観察部10では、直径20mmの円形からなる観察領域ORが結像面FSに作る円形の結像画像IMの直径Diは12.8mmである。撮像画素Pxのサイズが3.2μmであるから、直径Diの円形の結像画像IMの直径Diに対応する撮像画素Pxの並び数Niは4000である。
このように、4000個の撮像画素Pxによって観察領域ORの20mmの長さを撮像することから、撮像画素Pxの1個あたりの観察長さは5μmとなる。観察領域ORに位置する観察対象が10−0号の縫合糸AYである場合には、糸の直径は20μmから29μmであるが、上記のとおり撮像画素Pxの1個あたりの観察長さは5μmであるから、10−0号の縫合糸AYは、連続して並ぶ少なくとも4つ以上の撮像画素Pxにより撮像される。12−0号の縫合糸であっても糸の直径の算術平均である5μmは、撮像画素Pxの1個あたりの観察長さと同等であるから、12−0号の糸を安定的に撮像することができる。すなわち、12−0号の糸を撮像したときに、糸のみを撮像した撮像画素Pxが糸の幅方向に常に存在し、結果、糸のみを撮像した撮像画素Pxの複数が糸の長軸方向に途切れることなく並ぶ。
観察部10により撮像された画像の情報を含む電気信号は、ケーブル51を介して処理装置50に入力される(図2参照)。処理装置50において信号処理が行われて、画像表示信号が生成される。処理装置50から出力された画像表示信号は、ケーブル52を介して表示装置60に入力され、表示画面61に表示画像として表示される。表示画面61は、X方向に7680個の表示画素が並び、Y方向には4320個の表示画素が並んでおり、これらの都合3300万個以上の表示画素により、8Kレベルの表示画像が形成される。したがって、直径Drが20mmの円形の観察領域ORを示す円形の画像DIのすべてが表示画面61に表示されている。
図2に示す表示装置60の表示画面61には、一例として、口径500μm以下のリンパ管Ldが縫合糸AYにより吻合されつつある状態を示す画像が表示されている。縫合糸AYはピンセットT1およびピンセットT2により両端が保持され、これらのピンセットT1、T2を引っ張ることにより、吻合処置が完了する。
吻合処置では、図5に示されるように、直径Dyの縫合糸AYをピンセットT1によりつまむ作業が行われる。このため、表示画面61に縫合糸AYを表示できなければ、吻合処置を行うことができない。そこで、医療用観察装置100の表示装置60の表示画面61において、観察領域ORは、4000個以上の表示画素数Ndによりその直径が表される円形の画像DIとして表示される。このように表示することにより、固体撮像素子21において撮像された画像は解像度が低下することなく表示画面61に表示され、10−0号の縫合糸や12−0号の縫合糸を表示画面61において視認することができる。
図2においては簡略的に示しているが、対物光学系としてのレンズ光学系LSは、レンズ光学部30が有するレンズ光学系であって、1枚又は複数のレンズで構成され、全体として単一の焦点距離を有する。レンズ光学系LSは、上記1枚又は複数のレンズに加えて、これらに対して脱着可能なコンバージョンレンズ、例えばテレコンバータ、ワイドコンバータ、を含んでも良く、上記1枚又は複数のレンズとコンバージョンレンズとを組み合わせることによって単一の焦点距離を得る。このようなレンズ光学系LSとしては、例えば市販の一眼レフカメラ用の単焦点レンズ、すなわち単一の焦点距離を有するレンズや、市販のコンバージョンレンズが挙げられ、このようなレンズ等を装着可能なマウント部43を用いることにより、対物光学系としてのレンズ光学系LSや、これを含むレンズ光学部30を択一的に脱着可能となる。これにより、処置の対象な内容などに応じて、画像の大きさ、範囲、視野などを簡便に選択することが可能となる。さらに、単焦点レンズ、すなわち単一の焦点距離を有するレンズを用いることで、市販のレンズの中から、収差が少なく、解像度が高いレンズを低コストで容易に選択することが可能となり、このようなレンズによって固体撮像素子21上に像を形成すると、固体撮像素子21が有する8Kレベル以上の画素数を生かした極めて鮮明な画像を得ることができる。このような画像を8Kレベル以上の画素数を有するテレビ画面に表示した画像は、顕微鏡を覗いたときの画像に匹敵する画像となるため、術者の身体への負担を軽減することができ、また、術者以外の関係者も同時に観察することができる。さらに、マウント部43によって複数のレンズ光学系を、又は、複数のコンバージョンレンズを択一的に脱着できるため、容易に交換可能となり、また、光学的に異なる構成を有する観察装置を複数用意する必要もないため、大きな保管スペースが不要となる。
なお、レンズ光学部30は、レンズ光学系LS以外の光学部材、例えば、光学フィルター、絞り、ミラー、プリズム、レンズ駆動部85(図4)、コンバージョンレンズなどを含んでもよい。一方で、レンズ光学部30に、レンズ光学系LS以外の光学部材は設けずに、例えば市販の単焦点レンズで構成してもよい。
レンズ光学系LSの交換は、市販の一眼レフカメラ用レンズと同様の手法で、術者又は関係者が手動で行うが、複数のレンズ光学系を予め取り付けた交換装置を設け、術者が操作する操作装置からの指示信号や、レンズ光学系の状態を検知するセンサーからの検知信号に基づいて、交換装置を作動させてもよい。この場合、予め取り付けられた複数のレンズのうちの所望の1つのレンズが撮像光軸OA上に自動的に配置され、術者がレンズ光学系に触れることなくレンズが交換可能となる。
図4に示すように、医療用観察装置100は、術者が操作可能なコントローラ装置80と、アーム駆動部84と、レンズ駆動部85とを備える。
コントローラ装置80は、操作部81と、表示部82と、制御部83とを有する。
操作部81は、観察部10の位置や角度の調整、観察範囲の拡大・縮小、及び、レンズ光学系LSの焦点調整などを行うために、術者が操作するものであり、例えば、フットスイッチ、タッチパネル、キーボードで構成される。
表示部82は、操作部81の操作に必要な情報、操作部81によって入力された情報、支持アーム42b、42c、42dの動作状況、及び、観察部10の位置と向きなどが表示され、例えば、液晶パネル、有機EL素子パネル、タッチパネルで構成される。
なお、操作部81と表示部82を1つのタッチパネルで構成することもできる。
制御部83は、操作部81からの入力信号にしたがって、支持アーム42b、42c、42d、及び、レンズ光学系LSの動作を制御するための制御信号をそれぞれ生成し、アーム駆動部84とレンズ駆動部85にそれぞれ出力する。また、制御部83は、操作部81の操作に必要な情報や、操作部81による操作結果などを表示部82に表示させるための制御信号を表示部82へ与える。
アーム駆動部84は、4つの支持アーム42a、42b、42c、42dの内部、又は、連結部材44a、44b、44cの内部に設けられており、不図示のケーブル又は無線通信により、制御部83からの制御信号を受信する。アーム駆動部84は、例えば電気的手段、電磁的手段などにより、隣り合う支持アームの相対角度を変化させる構成を有する。アーム駆動部84の動作によって、支持アーム42b、42c、42dを、隣り合う支持アームに対してそれぞれ動かすことにより、観察部10を鉛直方向VL及び水平方向HLの任意の位置に移動させることができ、かつ、所望の向きに設定する。これにより、観察範囲の拡大・縮小も可能となる。
レンズ駆動部85は、焦点調節機構として、レンズ光学部30又は観察部10に設けられ、不図示の電気配線により制御部83からの制御信号を受信する。この制御信号に基づいた制御にしたがって、レンズ駆動部85は、例えば、電気的手段、電磁的手段などにより、レンズ光学系LSをその光軸(撮像光軸OA)に沿って移動させる。レンズ駆動部85の動作によって表示装置60に表示された画像の合焦状態が変化するため、術者は、表示装置60の画像を確認しつつ操作部81を操作することによって、術者が所望する合焦状態を得ることができる。これにより、術者は、レンズ光学系LS、レンズ光学部30、観察部10、及び、支持部40のいずれにも触れることなく、所望の合焦状態となるように操作部81を操作することができるため、医療用観察装置100を汚染させることがないだけでなく、レンズ光学系LSの焦点調節をスムーズに行うことができるため、滞りなく迅速に処置を進めることが可能となる。
ここで、観察部10の位置や角度の調整、又は、観察範囲の拡大・縮小の制御は、支持アーム42b、42c、42dを動かすことによる制御に限定されない。例えばデジタルズーム機能を持たせることによって、支持アーム42b、42c、42dを動かすことなく、取得した画像の一部を拡大させたり、観察範囲を移動させることで観察範囲を変更することができる。これにより、支持アーム42b、42c、42dの重量が大きい場合などにおいても、デジタル信号処理の実行のみで、観察部10の位置や向きの微調整を容易かつ確実に行うことができる。
さらに、デジタルズーム機能に代えて、又は、デジタルズーム機能に加えて、観察部10の周囲に、ミラーその他の反射部材、プリズムその他の屈折部材などを配置し、これらを介して観察するようにするとよい。これらの反射部材や屈折部材の姿勢の変化により、観察部10や支持アーム42b、42c、42dを動かすことなく、観察範囲の移動や拡大・縮小を行うことができる。反射部材や屈折部材は、支持アーム42b、42c、42dよりも軽量に構成できるため、観察部10の微調整を容易かつ確実に行うことができる。
また、レンズ光学系LS(対物光学系)として、複数の焦点距離を有するズーム光学系を用いることもできる。ズーム光学系の倍率調整では、コントローラ装置80に、レンズ間距離を変更可能とするレンズ移動部を設けると、術者が、ズーム光学系、レンズ光学部30、観察部10、及び、支持部40のいずれにも触れることなく、倍率調整の操作を行うことができる。これは、ズーム光学系をレンズ駆動部85によって焦点調節する場合においても同様である。
レンズ光学系LSを構成するレンズを、レンズ光学系LS全体の光軸に対して傾斜可能とするチルトシフト機能を設けると、レンズの傾斜角度によって被写界深度の制御が可能となるため、光軸方向に観察範囲を調整できようになって好ましい。
図6は、レンズのF値を5.6から16に設定したときの、撮影距離(レンズから被写体までの距離)と被写界深度との関係を示すグラフ、図7は、撮影距離を57cmから114cmに設定したときの、レンズF値と被写界深度との関係を示すグラフである。ここで用いたレンズは、単焦点レンズであって、開放F値2.8、最大F値32、8群9枚、焦点距離100mm、画角24°30′の仕様を有する。撮像部20は、撮像光軸OAが鉛直方向VLに沿うように配置されている。図6と図7における「レンズF値」は、このレンズのF値であり、5.6、8、11、及び、16に設定した。図6においては、F値5.6の場合は測定点を四角で表した折れ線で示し、F値8の場合は測定点を菱形で表した折れ線で示し、F値11の場合は測定点を三角形で表した折れ線で示し、F値16の場合は測定点を×印で表した折れ線で示している。図7では、撮影距離57cmの場合は測定点を丸印で表した折れ線で示し、撮影距離80cmの場合は測定点を四角形で表した折れ線で示し、撮影距離114cmの場合は測定点を三角形で表した折れ線で示している。
図6と図7に示すように、レンズF値を大きくするほど被写界深度が大きくなるため、手技内容などに応じて適切な被写界深度を設定することができる。また、撮影距離57cm〜114cmの範囲では、レンズF値を変更しなければ、撮影距離を変えても被写界深度はほぼ一定となるため、安定した観察環境が得られる。図7に示すように、レンズF値に対する被写界深度の変化は撮影距離の違いによらずほぼ同一の変化を示しており、この撮影範囲では、撮影距離に関わらず、レンズF値によって、手技の内容等に応じた所望の被写界深度を設定することが可能となる。顕微鏡による手技などにおいて、被写界深度が25mm以下となることが好ましい場合は、レンズF値を5.6以上11以下に設定するとよいことが分かる。
図8は、上記レンズ(図6と図7の測定で用いたレンズ)のF値を5.6から16に設定したときの、被写体までの距離と解像度との関係を示すグラフである。横軸は、被写体としての、縦80mm、横142mmの解像度チャートまでの距離(単位mm)を示し、縦軸の解像度は、MTF(変調伝達関数)10%におけるTV本(単位:本)で示している。図8では、F値5.6の場合は測定点を四角で表した折れ線で示し、F値8の場合は測定点を菱形で表した折れ線で示し、F値11の場合は測定点を三角形で表した折れ線で示し、F値16の場合は測定点を×印で表した折れ線で示している。
図8に示す結果では、被写体までの距離の範囲に応じて、以下の(1)、(2)に示すように、コンバージョンレンズとしてのテレコンバータの着脱・交換によって焦点距離を変更するとともに、デジタルズームによって倍率を変えている。ここでいうデジタルズームでは、固体撮像素子21で得られた画像の一部を切り取って演算処理によって補完拡大している。
(1)被写体までの距離とテレコンバータによる倍率
<被写体までの距離> <焦点距離(テレコンバータ)>
570、684、798mm: 100mm(テレコンバータ不使用)
800、960、1120mm: 140mm(1.4倍のテレコンバータ使用)
1140、1368、1596mm:200mm(2.9倍のテレコンバータ使用)
(2)被写体までの距離とデジタルズームの倍率
<被写体までの距離> <デジタルズームの倍率>
570、800、1140mm: 1.0倍(デジタルズーム不使用)
684、960、1368mm: 1.2倍
798、1120、1596mm: 1.4倍
このように焦点距離の変更とデジテルズームを組み合わせることにより、観察範囲のサイズを維持しながら、被写体までの距離を変更することができるため、観察部10と被写体との距離を任意に設定できる。したがって、例えば被写体前の距離を大きくとることによって、術者が所望するワークスペースを確保することが可能となる。
さらに、図8に示すように、F5.6〜11においては、被写体までの距離570〜1596mmのいずれにおいても解像度2000本以上となっており、4Kレベルを超える解像度を実現している。一方で、F16においては、被写体までの距離798、1120、1596mmにおいて解像度が2000本未満となっている。この点においてもレンズF値は5.6以上11以下とすることが好ましい。
また、図8において、いずれのF値においても、570、684、798mmと距離を大きくするにしたがって解像度が低下するものの、800mmにおいて1.4倍のテレコンバータを使用することによって解像度は約3500本まで再び向上する。さらに、960、1120mmと距離をさらに大きくすると解像度が再び低下するが、1140mmにおいて2.9倍のテレコンバータを使用することによって解像度は約3300本まで再び向上する。
例えば、倍率1.0で共通する、距離570mm、800mm、1140mmにおいてほぼ同等の解像度を得ることができている。このため、手技の内容や、医療用観察装置及び周辺機器のセッティングに応じて、観察部10の位置を変更したとしても、同等の解像度で観察することが可能となることが分かる。また、レンズF値5.6以上11以下の範囲では、被写体との距離を、570〜1596mmの範囲で変化させても4Kレベルを超える解像度で観察することができるため、レンズF値、テレコンバータ、及び、デジタルズームを適切に組み合わせることによって、医療の広い分野、様々なセッティング等において、8Kレベルの解像度で観察を行うことができる。また、より高い解像度が求められるケースにおいては、解像度の高いレンズに交換し、又は、レンズF値、テレコンバータ、及び、デジタルズームを適宜組み合わせることで、さらに高精細な画像で観察することができる。
100 :医療用観察装置
10 :観察部
20 :撮像部
21 :固体撮像素子
30 :レンズ光学部
40 :支持部
41 :基台
42a、42b、42c、42d :支持アーム
43 :マウント部
44a、44b、44c :連結部材
50 :処理装置
51 :ケーブル
52 :ケーブル
60 :表示装置
61 :表示画面
80 :コントローラ装置
81 :操作部
82 :表示部
83 :制御部
84 :アーム駆動部
85 :レンズ駆動部(焦点調節機構)
A :対象物
AY :縫合糸
DI :円形の画像
Dr :観察領域ORの直径
Di :結像画像IMの直径
Ds :撮像画素のサイズ
Dy :縫合糸の直径
FS :結像面
IM、IM0 :結像画像
LS :レンズ光学系(対物光学系)
Ld :リンパ管
Nd :表示画素数
Ni :撮像画素の並び数
OA :撮像光軸
OR :観察領域
OR0 :観察可能領域
Px :撮像画素
SA :処置エリア
T1、T2 :ピンセット
VL :鉛直方向
HL :水平方向

Claims (5)

  1. 対象を観察するためのレンズ光学部、及び、前記レンズ光学部による画像を撮影する撮像部を有する観察部と、
    前記観察部を支持する支持部と、を備える医療用観察装置であって、
    前記撮像部は、結像面上に8Kレベル以上の画素数を搭載した固体撮像素子を備え、
    前記レンズ光学部は、単一の焦点距離を有する対物光学系を備え、
    前記支持部は、前記レンズ光学部を脱着可能に装着できるマウント部を備え、前記レンズ光学部の脱着により、焦点距離が互いに異なる複数の前記対物光学系を択一的に装着可能であることを特徴とする医療用観察装置。
  2. 制御部による制御にしたがって、前記対物光学系の焦点調節を可能とする焦点調節機構を備える請求項1に記載の医療用観察装置。
  3. 前記撮像部で撮像される画像の解像度と、前記マウント部に装着された前記対物光学系の被写界深度に基づいて、この対物光学系のF値が設定される請求項1又は請求項2に記載の医療用観察装置。
  4. 前記F値は5.6以上11以下の範囲である請求項3に記載の医療用観察装置。
  5. 前記マウント部は、単一の焦点距離を有する前記対物光学系に代えて、複数の焦点距離を有するズーム光学系を装着可能である請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の医療用観察装置。
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