JP2021027747A - モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法 - Google Patents

モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法 Download PDF

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永 宮路
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Kei Yamazaki
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隆之 松井
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和夫 高田
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茂樹 宮地
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Ayaka SHIMADA
彩加 島田
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Abstract

【課題】ステッピングモータの負荷変動に対する耐性を高める。【解決手段】本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置(10)は、複数相のコイル(21A,21B)を有するステッピングモータ(20)の駆動を制御するための制御信号(Sc)を生成する制御部(11)と、前記制御信号に基づいて、前記複数相のコイルを駆動する駆動部(12)とを有し、前記制御部は、前記コイルに発生したスパイク電圧の発生している期間を表すスパイク電圧発生時間(ts)が所定時間(tt)に近づくように前記制御信号を生成して、各相の前記コイルの通電時間(T1〜T10)を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法に関し、例えば、ステッピングモータを駆動するためのモータ駆動制御装置に関する。
ステッピングモータとして、2つの相を有する2相ステッピングモータが知られている。
2相ステッピングモータの駆動方式としては、1相励磁方式、2相励磁方式、1−2相励磁方式が知られている。
1相励磁方式は、一つの相毎に励磁する相を切り替える方式である。2相励磁方式は、二つの相毎に励磁する相を切り替える方式である。1−2相励磁方式は、1相励磁と2相励磁を交互に切り替えて励磁する相を切り替える方式である。
例えば、特許文献1には、2相ステッピングモータを1−2相励磁方式で駆動したときのステッピングモータの回転速度のばらつきを抑えるために、1相励磁期間中に、次の2相励磁期間と同じ相で2相励磁する期間を設けるモータ駆動制御技術が開示されている。
特開2010−93914号公報
本願発明者らは、所定のアプリケーションに採用するステッピングモータの駆動方式として、1相励磁よりも発生するトルクの大きい1−2相励磁方式を採用することを検討した。
しかしながら、特許文献1に代表される一般的な1−2相励磁方式では、予め、1相励磁が実施される期間と2相励磁が実施される期間のそれぞれの長さが固定されている(一定である)。そのため、1−2相励磁方式では、負荷変動に対する耐性が低いという問題がある。具体的には、ステッピングモータの負荷が大きくなった場合に、ロータが適切な位置まで移動する前に励磁相が切り替わることにより、トルクが低下し、脱調が発生し易くなるという課題がある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、ステッピングモータの負荷変動に対する耐性を高めることを目的とする。
本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置は、複数相のコイルを有するステッピングモータの駆動を制御するための制御信号を生成する制御部と、前記制御信号に基づいて、前記複数相のコイルを駆動する駆動部と、を有し、前記制御部は、前記コイルに発生したスパイク電圧の発生している期間を表すスパイク電圧発生時間が所定時間に近づくように前記制御信号を生成して、各相の前記コイルの通電時間を制御することを特徴とする。
本発明に係るモータ駆動制御装置によれば、ステッピングモータの負荷変動に対する耐性を高めることが可能となる。
本発明の実施の形態に係るモータユニットの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るモータの構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態に係るモータ駆動制御装置による、2相ステッピングモータの通電切替制御を説明するための図である。 スパイク電圧を説明するための図である。 スパイク電圧発生時間と2相ステッピングモータの負荷との関係を示す図である。 スパイク電圧発生時間と2相ステッピングモータの駆動周波数(回転速度)との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係るモータ駆動制御装置における制御部の機能ブロックである。 本発明の実施の形態に係るモータ駆動制御装置によるステッピングモータの通電切替制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るモータ駆動制御装置によるステッピングモータの通電切替制御の流れを示すフローチャートである。 本実施の形態に係るモータ駆動制御装置の通電制御によるステッピングモータの駆動周波数の変化を示す図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置(10)は、複数相のコイル(21A,21B)を有するステッピングモータ(20)の駆動を制御するための制御信号(Sc)を生成する制御部(11)と、前記制御信号に基づいて、前記複数相のコイルの少なくとも1相を励磁する駆動部(12)とを有し、前記制御部は、前記コイルに発生したスパイク電圧の発生している期間を表すスパイク電圧発生時間(ts)が所定時間(目標スパイク時間tt)に近づくように前記制御信号を生成して、各相の前記コイルの通電時間(T1〜T10)を制御することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記制御部は、前記スパイク電圧発生時間(ts)が前記所定時間(目標スパイク時間tt)に近づくように、前記通電時間の目標値を示す目標通電時間(tg)を算出し、前記通電時間が前記目標通電時間に一致するように、前記制御信号を生成してもよい。
〔3〕上記〔2〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記制御部は、少なくとも一つの前記スパイク電圧発生時間(ts)の測定値に基づいて、前記スパイク電圧発生時間の長さの度合いを示すスパイク時間(tsa)を算出し、前記スパイク時間が前記所定時間よりも大きい場合に、前記目標通電時間を減少させ、前記スパイク時間が前記所定時間よりも小さい場合に、前記目標通電時間を増加させてもよい。
〔4〕上記〔3〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記制御部は、前記スパイク電圧発生時間(ts)の測定値の平均値に基づいて、前記スパイク時間(tsa)を算出してもよい。
〔5〕上記〔3〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記制御部は、直前に発生した前記スパイク電圧発生時間(ts)に基づいて前記スパイク時間(tsa)を算出してもよい。
〔6〕上記〔3〕乃至〔5〕の何れか一つに記載のモータ駆動制御装置において、前記制御部は、前記コイルに発生した逆起電圧を監視する逆起電圧監視部(111)と、前記逆起電圧監視部の監視結果に基づいて、前記スパイク電圧発生時間を計測し、前記スパイク時間を算出するスパイク電圧情報生成部(112)と、前記スパイク時間と前記所定時間とを比較するスパイク時間比較部(116)と、前記スパイク時間比較部の比較結果に基づいて、前記目標通電時間を決定する目標通電時間決定部(117)と、各相の前記コイルの通電時間を計測し、計測している通電時間が前記目標通電時間に一致するか否かを判定する通電時間計測部(118)と、前記通電時間計測部の判定結果に基づいて、前記制御信号を生成する制御信号生成部(120)と、を含んでもよい。
〔7〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータユニット(1)は、上記〔1〕乃至〔6〕の何れか一つに記載のモータ駆動制御装置(10)と、前記ステッピングモータ(20)とを備えることを特徴とする。
〔8〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御方法は、モータ駆動制御装置(10)によって、複数相のコイルを有するステッピングモータ(20)の駆動を制御するための方法である。本方法は、前記モータ駆動制御装置が、前記ステッピングモータの駆動を制御するための制御信号を生成する第1ステップ(S0〜S1,S3〜S4,S6〜S14)と、前記モータ駆動制御装置が、前記制御信号に基づいて、前記複数相のコイル少なくとも1相を励磁する第2ステップ(S2,S5)と、を含み、前記第1ステップは、前記モータ駆動制御装置が、前記コイルに発生したスパイク電圧の発生している期間を表すスパイク電圧発生時間が所定時間に近づくように各相の前記コイルの目標通電時間を算出する第3ステップ(S11〜S14)と、前記モータ駆動制御装置が、前記コイルの通電時間が前記目標通電時間に一致するように、前記制御信号を生成する第4ステップ(S3〜S4,S6〜S8)とを含むことを特徴とする。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係るモータユニットの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、モータユニット1は、ステッピングモータ20と、ステッピングモータ20を駆動するモータ駆動制御装置10とを備えている。モータユニット1は、例えば、印刷機における紙を搬送する装置等のモータを動力源として用いる各種装置に適用可能である。
図2は、ステッピングモータ20の構成を模式的に示す図である。
ステッピングモータ20は、複数相のコイルを有するステッピングモータである。例えば、図2に示すように、ステッピングモータ20は、2相ステッピングモータである。
図2に示されるように、ステッピングモータ20は、A相のコイル21Aと、B相のコイル21Bと、ロータ22と、ステータヨーク(図示せず)とを有している。
コイル21A,21Bは、それぞれ、ステータヨークを励磁するコイルである。コイル21A,21Bは、それぞれ、後述する駆動部12に接続されている。コイル21A,21Bには、それぞれ異なる位相の電流(コイル電流)が流される。
なお、本実施の形態において、コイル21A,21Bをそれぞれ区別しない場合には、単に、「コイル21」と表記する場合がある。
ロータ22は、円周方向に沿って、S極22SとN極22Nとが交互に反転するように、多極着磁された永久磁石を備えている。なお、図2では、ロータ22が2極である場合が一例として示されている。ステータヨークは、ロータ22の周囲に、ロータ22の外周部に近接して配置されている。ロータ22は、コイル21A,21Bのそれぞれに流れるコイル電流の位相が周期的に切り替えられることにより、回転する。ロータ22には、出力軸(図示せず)が接続されており、ロータ22の回転力により、出力軸が駆動される。
モータ駆動制御装置10は、ステッピングモータ20を駆動させるための装置である。モータ駆動制御装置10は、例えば上位装置(図示せず)からの駆動指令に基づいて、ステッピングモータ20の各相のコイル21A,21Bの通電状態を制御することにより、ステッピングモータ20の駆動および停止を制御する。
図1に示すように、モータ駆動制御装置10は、制御部11と駆動部12を有している。
駆動部12は、ステッピングモータ20のコイル21A,21Bに通電して、ステッピングモータ20を駆動する機能部である。駆動部12は、モータ駆動部121を有している。
モータ駆動部121は、制御部11によって生成された制御信号Scに基づいて、ステッピングモータ20に駆動電力を供給する。図2に示すように、モータ駆動部121は、コイル21Aの正極側の端子AP、コイル21Aの負極側の端子AN、コイル21Bの正極側の端子BP、およびコイル21Bの負極側の端子BNにそれぞれ接続されており、各端子AP,AN,BP,BNに電圧を印加することにより、コイル21A,21Bを通電させる。
モータ駆動部121は、例えば、4つのスイッチング素子(例えばトランジスタ)から構成されたHブリッジ回路等によって構成されている。モータ駆動部121は、例えば、Hブリッジ回路を構成する各スイッチング素子を選択的にオン・オフさせることにより、コイル21A,21Bの通電を切り替える。
以下、A相のコイル21Aの端子ANに対する端子APの電圧を「A相電圧」、B相のコイル21Bの端子BNに対する端子BPの電圧を「B相電圧」と称する。
図2に示すように、A相のコイル21Aに電流+Iaを流す場合、モータ駆動部121は、例えば、コイル21AにA相電圧“+Va”を印加する。一方、A相のコイル21Aに電流−Iaを流す場合、モータ駆動部121は、コイル21AにA相電圧“−Va”を印加する。B相のコイル21Bについても同様に、電流+Ibを流す場合、モータ駆動部121は、例えば、コイル21BのB相電圧“+Vb”を印加し、B相のコイル21Bに電流−Ibを流す場合、コイル21BにB相電圧“−Vb”を印加する。
上述したように、モータ駆動部121は、制御部11からの制御信号Scに基づいて、各コイル21A,21Bの端子間に印加する電圧を切り替えることにより、各コイル21A,21Bの通電状態を切り替える。
制御部11は、ステッピングモータ20の駆動を制御するための制御信号Scを生成して、駆動部12を介してステッピングモータ20の駆動を制御する。
制御部11は、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM,ROM等の各種記憶装置と、タイマ(カウンタ)、A/D変換回路、D/A変換回路、および入出力I/F回路等の周辺回路とがバスを介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ)である。本実施の形態において、制御部11は、IC(集積回路)としてパッケージ化されているが、これに限られるものではない。
制御部11は、所定の励磁方式により、ステッピングモータ20の駆動を制御するための制御信号Scを生成する。本実施の形態では、一例として、制御部11は、1−2相励磁方式によってステッピングモータ20のコイル21A,21Bの通電切替制御を行うものとして説明する。
すなわち、制御部11は、ステッピングモータ20における複数のコイル21A,21Bのうち1相分のコイル21を励磁する1相励磁と2相分のコイル21を励磁する2相励磁とを交互に繰り返すように、ステッピングモータ20の駆動を制御するための制御信号Scを生成する。
図3は、本発明の実施の形態に係るモータ駆動制御装置による、ステッピングモータの通電切替制御を説明するための図である。
同図において、参照符号301は、A相のコイル21AのA相電圧を表し、参照符号302は、B相のコイル21BのB相電圧を表している。
図3に示すように、制御部11は、1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返すように、ステッピングモータ20の各相のコイル21A,21Bの通電状態を切り替える。例えば、図3における1相励磁の期間T1では、A相電圧を“+Va”としてコイル21Aを正(+)に励磁させるとともに、B相電圧を“+Vb”としてコイル21Bを正(+)に励磁させる。期間T1の次の2相励磁の期間T2では、引き続き、A相電圧を“+Va”としてコイル21Aを正(+)に励磁させるとともに、B相電圧を“0”として、コイル21Bを励磁させない。期間T2の次の1相励磁の期間T3では、引き続き、A相電圧を“+Va”としてコイル21Aを正(+)に励磁させるとともに、B相電圧を“−Vb”としてコイル21Bを負(−)に励磁させる。期間T3の次の2相励磁の期間T4では、A相電圧を“0”として、コイル21Aを励磁させず、引き続き、B相電圧を“−Vb”としてコイル21Bを負(−)に励磁させる。
このように、制御部11は、1相励磁と2相励磁が交互に切り替わるように、制御信号Scを生成し、駆動部12に与える。
本実施の形態に係るモータユニット1において、ステッピングモータ20の各相のコイル21A,21Bの通電時間、すなわちステッピングモータ20の1相励磁が行われる期間と2相励磁が行われる期間は、1相励磁中の非励磁相のコイル21に発生したスパイク電圧の幅に基づいて決定される。すなわち、モータユニット1において、ステッピングモータ20の1相励磁の期間と2相励磁の期間は、固定期間ではなく、可変期間となる。
図4は、スパイク電圧を説明するための図である。
図4には、図3における時刻t5から時刻t8までの期間を拡大した図である。
図4において、時刻t5から時刻t6までの期間T6は、A相電圧を“−Va”としてコイル21Aを負(−)に励磁させ、且つB相電圧を“0”としてコイル21Bを励磁させない1相励磁の期間である。
時刻t5において、励磁状態であったB相のコイル21Bを非励磁状態に遷移させたとき、コイル21Bには、電圧が発生する。
本実施の形態では、図4に示すように、急峻に変化する部分401,402の電圧を「スパイク電圧」と称し、スパイク電圧の幅(スパイク電圧が発生している期間)tsを、「スパイク電圧発生時間ts」と称する。
本願発明者らは、本願発明に先立って、2相ステッピングモータのスパイク電圧発生時間tsが、2相ステッピングモータの負荷の大きさおよび2相ステッピングモータの駆動周波数(回転速度)に依存することを、見出した。
図5は、スパイク電圧発生時間tsと2相ステッピングモータの負荷との関係を示す図である。図5には、2相ステッピングモータの駆動周波数を一定にした場合における、2相ステッピングモータの負荷に対するスパイク電圧発生時間tsの特性501が示されている。
図6は、スパイク電圧発生時間tsと2相ステッピングモータの駆動周波数(回転速度)との関係を示す図である。図6には、2相ステッピングモータの負荷を一定にした場合における、2相ステッピングモータの駆動周波数(回転速度)に対するスパイク電圧発生時間tsの特性502が示されている。
図5に示すように、一定の駆動周波数(回転速度)で駆動している(2相)ステッピングモータにおいて、ステッピングモータの負荷が大きくなった場合、非励磁相のコイルに発生するスパイク電圧の幅(スパイク電圧発生時間ts)が短くなる傾向がある。
また、図6に示すように、負荷が一定の(2相)ステッピングモータにおいて、ステッピングモータの駆動周波数を大きくした場合、非励磁相のコイルに発生するスパイク電圧発生時間tsが短くなる傾向がある。
そこで、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置10は、ステッピングモータ20の非励磁相のコイル21に発生するスパイク電圧発生時間tsが一定になるように、各相のコイル21A,21Bの通電時間を調整する通電切替制御(フィードバック制御)を行うことにより、ステッピングモータ20の負荷によらず、適切なトルクでステッピングモータ20を駆動させる。
以下、モータ駆動制御装置10による通電切替制御について、詳細に説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係るモータ駆動制御装置における制御部11の機能ブロックである。
図7に示すように、制御部11は、上述したコイル21A,21Bの通電切替制御を実現するための機能部として、逆起電圧監視部111、スパイク電圧情報生成部112、スパイク時間比較部116、目標通電時間決定部117、通電時間計測部118、記憶部119、および制御信号生成部120を有している。
これらの機能部は、例えば、上述したプログラム処理装置(マイクロコントローラ)において、プロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行し、A/D変換回路やタイマ等の周辺回路を制御することによって、実現される。
逆起電圧監視部111は、各相のコイル21A,21Bに発生する逆起電圧を監視する機能部である。逆起電圧監視部111は、例えばA/D変換回路等によって実現することができる。
スパイク電圧情報生成部112は、逆起電圧監視部111の監視結果に基づいて逆起電圧に含まれるスパイク電圧に関する情報を生成する機能部である。
具体的に、スパイク電圧情報生成部112は、スパイク電圧発生時間計測部113、スパイク電圧発生回数算出部114、およびスパイク時間算出部115を含む。スパイク電圧情報生成部112を構成するこれらの機能部は、例えば、上述したマイクロコントローラを構成するプロセッサによるプログラム処理とタイマ等の周辺回路とによって実現することができる。
スパイク電圧発生時間計測部113は、逆起電圧監視部111の監視結果に基づいて、スパイク電圧を検出するとともに、そのスパイク電圧の幅、すなわちスパイク電圧発生時間tsを計測する。
例えば、スパイク電圧発生時間計測部113は、逆起電圧の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを検出し、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとの間の時間をスパイク電圧発生時間tsの計測値とする。あるいは、スパイク電圧発生時間計測部113は、逆起電圧が0Vとなる点(ゼロクロス点)に基づいてスパイク電圧発生時間tsを計測してもよい。例えば、図4に示すように、スパイク電圧発生時間計測部113は、コイル21A,21Bの通電状態の切り替わり後の逆起電圧のゼロクロス点を検出し、一番目のゼロクロス点z1と二番目のゼロクロス点z2との間の時間を、スパイク電圧発生時間tsの計測値としてもよい。スパイク電圧発生時間計測部113によって計測されたスパイク電圧発生時間tsの計測値は、記憶部119に記憶される。
なお、スパイク電圧発生時間tsの計測方法は、上述の方法に限定されず、他の方法によって行われてもよい。
スパイク電圧発生回数算出部114は、スパイク電圧の発生回数をカウントする。例えば、スパイク電圧発生回数算出部114は、スパイク電圧発生時間計測部113がスパイク電圧発生時間tsを計測した回数(例えば、スパイク電圧発生時間tsの計測値を記憶部119に記憶した回数)をカウントし、スパイク電圧発生回数rsとして記憶部119に記憶する。
スパイク電圧発生回数算出部114は、スパイク電圧発生回数rsが所定回数n(例えば、上位装置等から指定された指定回数)と一致したら、スパイク電圧発生回数rsが所定回数nに達したことを示す通知信号Srを出力するとともに、スパイク電圧発生回数rsをリセットし、再びスパイク電圧発生回数rsのカウントを開始する。
スパイク時間算出部115は、スパイク電圧発生回数算出部114から通知信号Srが入力されたとき、スパイク電圧発生時間計測部113によるスパイク電圧発生時間tsの計測値に基づいて、スパイク時間tsaを算出する。
ここで、スパイク時間tsaとは、スパイク電圧発生時間の長さの度合いを表す指標である。例えば、複数のスパイク電圧発生時間tsの計測値の平均値をスパイク時間tsaとしてもよいし、直近のスパイク電圧発生時間tsの計測値をスパイク時間tsaとしてもよい。あるいは、一方の相のコイル21に発生したスパイク電圧発生時間tsの計測値の平均値をスパイク時間tsaとしてもよい。
本実施の形態では、スパイク電圧発生時間tsの計測値の平均値に基づいて、スパイク時間tsaを算出する場合を例にとり、説明する。
スパイク時間算出部115は、例えば、n(nは2以上の整数)回分の1相励磁の期間におけるスパイク電圧発生時間tsの計測値に基づいて、スパイク電圧発生時間tsの平均値を算出し、スパイク時間tsaとして記憶部119に記憶する。
具体的には、スパイク時間算出部115は、スパイク電圧発生回数算出部114からスパイク電圧発生回数rsが所定回数nに達したことを示す通知信号Srが入力された場合に、記憶部119に記憶されているスパイク電圧発生回数rsと、n回分のスパイク電圧発生時間tsの測定値とに基づいて、スパイク電圧発生時間tsの平均値を算出し、スパイク時間tsaとして記憶部119に記憶する。すなわち、スパイク時間算出部115は、スパイク電圧発生回数rsが所定回数nと一致する度に、スパイク時間tsaを更新する。
スパイク時間比較部116は、スパイク時間算出部115によって算出されたスパイク時間tsaと目標スパイク時間ttとを比較する機能部である。
ここで、目標スパイク時間ttとは、ステッピングモータ20の駆動制御中に非励磁相のコイル21に発生するスパイク電圧の幅、すなわちスパイク電圧発生時間tsの目標値である。目標スパイク時間ttは、例えば、モータユニット1が適用されるアプリケーションの仕様等に応じて適宜決定される。目標スパイク時間ttは、例えば、予め記憶部119に記憶されていてもよいし、モータ駆動制御装置10の起動後に、上位装置によって設定されてもよい。
例えば、スパイク時間比較部116は、スパイク時間算出部115によってスパイク時間tsaが更新される度に、スパイク時間tsaと目標スパイク時間ttの比較を行う。スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttと一致しない場合には、スパイク時間比較部116は、スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttよりも大きいか否かを判定する。
目標通電時間決定部117は、スパイク時間比較部116の比較結果に基づいて、目標通電時間tgを決定する機能部である。例えば、モータ駆動制御装置10の起動後、目標通電時間決定部117は、先ず、予め記憶部119に記憶されている目標通電時間tgの初期値を目標通電時間tgとして通電時間計測部118に設定する。その後、目標通電時間決定部117は、スパイク時間比較部116の比較結果が出力される度に、その比較結果に応じて、記憶部119に記憶されている目標通電時間tgを更新し、通電時間計測部118に設定する。
具体的に、目標通電時間決定部117は、スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttよりも大きい場合には、目標通電時間tgを減少させる。例えば、目標通電時間決定部117は、直前に設定された目標通電時間tgが“tn”である場合に、“tn”から“a”を減算した“tn−a”を、新たな目標通電時間tgとして通電時間計測部118に設定する(tg=tn−a)。
一方、スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttよりも小さい場合には、目標通電時間決定部117は、目標通電時間tgを増加させる。例えば、目標通電時間決定部117は、直前に設定された目標通電時間tgが“tn”場合に、“tn”に“a”を加算した“tn+a”を、新たな目標通電時間tgとして通電時間計測部118に設定する(tg=tn+a)。
なお、スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttと一致する場合には、例えば、目標通電時間決定部117は、目標通電時間tgを変更しない。
通電時間計測部118は、設定された目標通電時間tgに基づいて、各相のコイル21A,21Bの通電時間を計測する機能部である。通電時間計測部118は、例えば、上述したマイクロコントローラを構成するプロセッサによるプログラム処理とタイマ等の周辺回路によって実現することができる。
通電時間計測部118は、各相のコイル21A,21Bの通電時間を計測し、計測時間が目標通電時間tgに到達したか否かを判定する。
例えば、モータ駆動制御装置10の起動後に、目標通電時間決定部117によって目標通電時間tg(初期値)が通電時間計測部118に設定される。通電時間計測部118は、例えば、目標通電時間tgの設定をトリガとして、時間(通電時間)の計測を開始する。通電時間計測部118は、計測時間が目標通電時間tgに一致した場合、コイル21の通電時間が目標通電時間tgに達したことを示す通知信号Stを出力するとともに、計測時間をリセットする。そして、通電時間計測部118は、時間の計測を再開する。
上述したように、通電時間計測部118に設定される目標通電時間tgは、目標通電時間決定部117によって随時更新される。例えば、三回分のスパイク電圧発生時間の計測値の平均値に基づいてスパイク時間tsaが決定される場合(所定回数n=3の場合)、スパイク電圧が三回検出される毎にスパイク時間tsaの算出処理が行われ、スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttと一致しない場合には、スパイク時間tsaの比較処理、および目標通電時間tgの算出処理が行われ、通電時間計測部118に設定される目標通電時間tgが更新される。例えば、図3の場合、時刻t0において、目標通電時間tgが更新され、次に、時刻t6において、目標通電時間tgが再び更新される。
制御信号生成部120は、通電時間計測部118の判定結果に基づいて、制御信号Scを生成する機能部である。制御信号生成部120は、例えば、上述したマイクロコントローラを構成するプロセッサによるプログラム処理と入出力I/F回路等の周辺回路によって実現することができる。
制御信号生成部120は、各相のコイル21A,21Bの通電時間が目標通電時間tgに到達する度に、ステッピングモータ20の励磁状態を切り替えるように制御信号Scを生成する。例えば、1相励磁中に、通知信号Stが出力された場合には、ステッピングモータ20の励磁状態を1相励磁から2相励磁に切り替えるように、制御信号Scを生成する。また、2相励磁中に、通知信号Stが出力された場合には、ステッピングモータ20の励磁状態を2相励磁から1相励磁に切り替えるように、制御信号Scを生成する。
記憶部119は、モータ駆動制御装置10によるステッピングモータ20の通電切替制御に必要なパラメータを記憶する機能部である。例えば、記憶部119は、上述したマイクロコントローラを構成するプロセッサ(CPU)内のレジスタや、RAMやROM等のメモリによって実現することができる。
例えば、記憶部119には、ステッピングモータ20の通電切替制御に必要なパラメータとして、上述した、スパイク電圧発生時間tsの計測値、スパイク時間tsa、スパイク電圧発生回数rs、目標スパイク時間tt、および目標通電時間tg等が記憶される。
図8Aおよび図8Bは、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置10によるステッピングモータ20の通電切替制御の流れを示すフローチャートである。図8Aは、ステップS0からステップS8までを示し、図8Bは、ステップS9からステップS14までを示している。
モータ駆動制御装置10は、例えば電源投入後、先ず、目標通電時間tgの初期値を通電時間計測部118に設定する(ステップS0)。
次に、モータ駆動制御装置10の制御部11は、上位装置からステッピングモータ20の駆動指令が入力されているか否かを判定する(ステップS1)。駆動指令が入力されていない場合(ステップS1:Noの場合)には、ステッピングモータ20の駆動を開始しない。
一方、駆動指令が入力されている場合(ステップS1:Yesの場合)には、モータ駆動制御装置10は、ステッピングモータ20の駆動するために通電切替制御を開始する。
次に、モータ駆動制御装置10は、例えば、ステッピングモータ20の2相励磁を開始する(ステップS2)。例えば、図3の例の場合、制御信号生成部120は、時刻t0において、ステッピングモータ20のA相のコイル21AにA相電圧“+Va”を、B相のコイル21BにB相電圧“+Vb”をそれぞれ印加するように制御信号Scを生成し、駆動部12に与える。
また、制御部11は、2相励磁の通電時間の計測を開始する(ステップS3)。例えば、図3の時刻t0において、通電時間計測部118が、計測時間をリセットするとともに、設定された目標通電時間tgまでの計時を開始する。
次に、制御部11は、2相励磁を開始してから目標通電時間tgが経過したか否かを判定する(ステップS4)。具体的には、制御信号生成部120が、計測時間が目標通電時間tgに達したことを示す通知信号Stが通電時間計測部118から出力されたか否かを判定する。
2相励磁の通電時間(計測時間)が目標通電時間tgに到達していない場合(ステップS4:Noの場合)には、制御部11は、ステッピングモータ20の2相励磁を継続する。
一方、2相励磁の通電時間(計測時間)が目標通電時間tgに到達した場合(ステップS4:Yesの場合)には、制御部11は、ステッピングモータ20の励磁状態を2相励磁から1相励磁に切り替える(ステップS5)。例えば、図3の例の場合、2相励磁の通電時間が目標通電時間tgに到達した時刻t1において、制御信号生成部120が、A相のコイル21AにA相電圧“+Va”を印加し、B相のコイル21BのB相電圧を“0”になるように、制御信号Scを生成し、駆動部12に与える。
次に、制御部11は、1相励磁の通電時間の計測を開始する(ステップS6)。具体的には、例えば、図3の時刻t1において、通電時間計測部118が、計測時間をリセットするとともに、設定された目標通電時間tgまでの計時を開始する。
次に、制御部11は、スパイク電圧発生時間tsの計測を行う(ステップS7)。具体的には、上述したように、スパイク電圧発生時間計測部113が、逆起電圧監視部111の監視結果に基づいてスパイク電圧発生時間tsを計測し、計測値を記憶部119に記憶する。また、スパイク電圧発生回数算出部114が、スパイク電圧の発生回数をカウントし、スパイク電圧発生回数rsを記憶部119に記憶する。
次に、制御部11は、1相励磁を開始してから目標通電時間tgが経過したか否かを判定する(ステップS8)。具体的には、制御信号生成部120が、通電時間計測部118から、1相励磁の通電時間(計測時間)が目標通電時間tgに達したことを示す通知信号Stが出力されたか否かを判定する。
1相励磁の通電時間(計測時間)が目標通電時間tgに到達していない場合(ステップS8:Noの場合)には、制御部11は、ステッピングモータ20の1相励磁を継続する。
一方、1相励磁の通電時間(計測時間)が目標通電時間tgに到達した場合(ステップS8:Yesの場合)には、制御部11は、スパイク電圧発生回数rsが所定回数nに到達したか否かを判定する(ステップS9)。
スパイク電圧発生回数rsが所定回数nに到達していない場合(ステップS9:Noの場合)、すなわち、スパイク電圧発生回数算出部114から通知信号Srが出力されていない場合には、制御部11は、ステップS1に移行して上位装置からステッピングモータ20の駆動指令が入力されているか否かを判定する(ステップS1)。駆動指令が入力されている場合(ステップS1:Yesの場合)には、ステッピングモータ20の励磁状態を1相励磁から2相励磁に切り替える(ステップS2)。例えば、図3の時刻t2において、制御信号生成部120は、A相のコイル21AにA相電圧“+Va”を、B相のコイル21BにB相電圧“−Vb”を印加するように制御信号Scを生成し、駆動部12に与える。駆動指令が入力されていない場合(ステップS1:Noの場合)には、ステッピングモータ20の駆動を停止する。
一方、スパイク電圧発生回数rsが所定回数nに到達している場合(ステップS9:Yesの場合)、すなわち、スパイク電圧発生回数算出部114から通知信号Srが出力された場合には、制御部11は、スパイク時間tsaを算出するとともに、スパイク電圧発生回数rsをリセットする(ステップS10)。
具体的には、スパイク電圧発生回数rsが所定回数nに到達したとき、スパイク電圧発生回数算出部114が通知信号Srを出力する。スパイク時間算出部115は、通知信号Srに応じて、記憶部119に記憶されているスパイク電圧発生回数rsとスパイク電圧発生時間tsの測定値とに基づいて、スパイク時間tsaを算出する。
例えば、図3において、所定回数n=3とした場合を考える。この場合に、図3に示す期間T6において、スパイク電圧発生回数rsが“3”となったとすると、スパイク時間算出部115は、1相励磁の期間T2,T4,T6のスパイク電圧発生時間ts2,ts4,ts6の計測値の平均値(例えば、加算平均値=(ts2+ts4+ts6)/3)を算出し、スパイク時間tsaとして記憶部119に記憶する。その後、スパイク電圧発生回数算出部114は、スパイク電圧発生回数rsをリセットして、再びスパイク電圧発生回数rsのカウントを開始する。
ステップS10の後、制御部11は、スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttと一致しているか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、スパイク時間比較部116が、スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttと一致しているか否かを判定し、判定結果を出力する。
スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttと一致している場合(ステップS11:Yesの場合)には、制御部11は、目標通電時間tgを変更せず、ステッピングモータ20の励磁状態を1相励磁から2相励磁に切り替える(ステップS2)。
一方、スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttと一致していない場合(ステップS11:Noの場合)には、制御部11は、スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttより大きいか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、スパイク時間比較部116が、スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttよりも大きいか否かを判定し、判定結果を出力する。
スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttよりも大きい場合(ステップS12:Yesの場合)には、制御部11は、目標通電時間tgが短くなる(減少する)ように変更する(ステップS13)。具体的には、目標通電時間決定部117が、スパイク時間比較部116の比較結果に応じて、通電時間計測部118に設定されている目標通電時間tgの値tnよりも“a”だけ小さい値(tn−a)を、新たな目標通電時間tgとして、通電時間計測部118に設定する。
一方、スパイク時間tsaが目標スパイク時間ttよりも小さい場合(ステップS12:Noの場合)には、制御部11は、目標通電時間tgが長くなる(増加する)ように変更する(ステップS14)。具体的には、目標通電時間決定部117が、スパイク時間比較部116の比較結果に応じて、通電時間計測部118に設定されている目標通電時間tgの値tnよりも“a”だけ大きい値(tn+a)を、新たな目標通電時間tgとして、通電時間計測部118に設定する。
なお、図3には、期間T6においてスパイク時間tsaが目標スパイク時間ttよりも小さいと判定され(ステップS12)、期間T7において、既に設定されている目標通電時間tg=tnに“a”を加算した“tn+a”が、新たな目標通電時間tgとして通電時間計測部118に設定された(ステップS14)場合が、一例として示されている。
ステップS13,S14の後、制御部11は、ステッピングモータ20の励磁状態を1相励磁から2相励磁に切り替える(ステップS2)。その後、モータ駆動制御装置10は、上記装置からステッピングモータ20の停止指令が入力されるまで、上述した処理を繰り返し実行する。
図9は、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置10の通電制御によるステッピングモータ20の駆動周波数の変化を示す図である。
同図において、縦軸は、ステッピングモータ20のスパイク電圧発生時間tsを表し、横軸は、ステッピングモータ20の駆動周波数(回転速度)を表している。また、参照符号901は、ステッピングモータ20の負荷の大きさが“A”である場合の駆動周波数に対するスパイク電圧発生時間tsの特性を表し、参照符号902は、ステッピングモータ20の負荷の大きさが“B”である場合の駆動周波数に対するスパイク電圧発生時間tsの特性を表し、参照符号903は、ステッピングモータ20の負荷の大きさCである場合の駆動周波数に対するスパイク電圧発生時間tsの特性を表している。
なお、同図において、負荷の大きさは、A>B>Cである。
図9に示すように、モータ駆動制御装置10が、ステッピングモータ20に対して上述した通電制御を行うことにより、ステッピングモータ20のスパイク電圧発生時間tsが目標スパイク時間ttとなるようにステッピングモータ20の駆動周波数(回転速度)が制御される。
例えば、ステッピングモータ20が動作点Qb(回転速度Nb)で駆動しているときに、負荷の大きさが“B”から“A”に増加した場合、ステッピングモータ20のスパイク電圧発生時間tsが一定(目標スパイク時間tt)に制御されるため、各相のコイル21A,21Bの通電時間は長くなる。これにより、ステッピングモータ20の動作点が“Qa”から“Qb”に遷移し、ステッピングモータ20はNbよりも遅い回転速度Naで駆動する。
一方、ステッピングモータ20が動作点Qbで駆動しているときに、例えば、負荷の大きさが“B”から“C”に減少した場合、ステッピングモータ20のスパイク電圧発生時間tsが一定(目標スパイク時間tt)に制御されるため、各相のコイル21A,21Bの通電時間は短くなる。これにより、ステッピングモータ20の動作点が“Qb”から“Qc”に遷移し、ステッピングモータ20はNbよりも速い回転速度Ncで駆動する。
このように、モータ駆動制御装置10は、ステッピングモータ20の非励磁相のコイル21に発生するスパイク電圧発生時間tsが一定になるように、ステッピングモータ20の駆動周波数(回転速度)を調整するフィードバック制御を行う。
以上、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置10によれば、以下の効果がある。
上述したように、ステッピングモータ20では、負荷に対するトルクマージンが小さくなるほど、非励磁のコイルに発生するスパイク電圧発生時間tsが短くなる傾向がある。
そこで、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置10は、ステッピングモータ20のコイル21A,21Bに発生するスパイク電圧の幅(スパイク電圧発生時間ts)が一定になるように、各相のコイル21A,21Bの通電時間を制御する。具体的には、上述したように、モータ駆動制御装置10は、スパイク電圧発生時間tsが目標スパイク時間ttに近づくように、各相のコイル21A,21Bの通電時間の目標値を示す目標通電時間tgを算出し、各相のコイル21A,21Bの通電時間が目標通電時間tgに一致するように、制御信号Scを生成する。
これによれば、図9に示したように、非励磁相のコイル21に発生するスパイク電圧発生時間tsが一定になるようにステッピングモータ20の駆動周波数(回転速度)が調整されるので、ステッピングモータ20の負荷が変動した場合でも、ステッピングモータ20の負荷に対して適正なトルクとなり、ステッピングモータ20の脱調が発生し難くなる。
したがって、モータ駆動制御装置10による通電制御方法によれば、各相のコイル21A,21Bの通電時間が固定されている従来の2相ステッピングモータの通電制御に比べて、負荷に対して適正なトルクの設定が可能となり、2相ステッピングモータの負荷変動に対する耐性を高めることが可能となる。
また、モータ駆動制御装置10は、少なくとも一つの通電時間におけるスパイク電圧発生時間tsの測定値に基づいて、スパイク電圧発生時間tsの長さの度合いを示すスパイク時間tsaを算出する。そして、モータ駆動制御装置10は、スパイク時間tsaが所定時間(目標スパイク時間tt)よりも大きい場合に、目標通電時間tgを減少させ、スパイク時間tsaが所定時間よりも小さい場合に、目標通電時間tgを増加させる。
これによれば、スパイク電圧発生時間tsが一定になるように各相のコイル21A,21Bの通電切替を行うフィードバック制御を、より簡単なシステム構成で実現することが可能となる。
また、モータ駆動制御装置10は、スパイク電圧発生時間tsの測定値の平均値に基づいてスパイク時間tsaを算出してもよい。
これによれば、目標通電時間tgの更新頻度が低くなることにより、ステッピングモータ20のより安定した駆動が期待できる。また、目標通電時間tgの更新頻度が低くなるので、コイル21の通電切替処理に要するプロセッサ(CPU)の演算量を少なくすることができ、プロセッサの消費電力の増大を抑えることが可能となる。
また、モータ駆動制御装置10において、制御部11は、直前に発生したスパイク電圧発生時間tsをスパイク時間tsaとしてもよい。これによれば、例えば、負荷が急激に変化するような用途であっても速やかにステッピングモータ20の駆動周波数を変化させて、ステッピングモータ20を適切なトルクで駆動させることが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、制御部11が1−2相励磁方式によって、ステッピングモータ20のコイル21の通電切替制御を行う場合を例示したが、これに限られず、他の励磁方式によってコイル21の通電切替制御を行ってもよい。例えば、制御部11は、1相励磁方式によって、ステッピングモータ20のコイルの21の通電切替制御を行ってもよい。この場合、制御部11は、上述した実施の形態のように、A相のコイル21AおよびB相のコイル21Bに発生したスパイク電圧発生時間tsに基づいて、スパイク時間tsaを算出してもよいし、A相のコイル21AとB相のコイル21Bの何れか一方に発生したスパイク電圧発生時間tsのみを用いて、スパイク時間tsaを算出してもよい。
また、上記実施の形態に係るモータユニット1は、図1に開示した構成に限定されない。例えば、駆動部12は、上述したモータ駆動部121の他に、コイル21A,21Bのコイル電流を検出するための電流検出回路等の他の回路を有していてもよい。
また、上記実施の形態において、制御部11が、複数のスパイク電圧発生時間tsの測定値の平均値に基づいて、スパイク時間tsaを算出する場合を例示したが、これに限られない。例えば、制御部11は、m(mは2以上の整数)個のスパイク電圧発生時間tsの計測値うち、最も小さいスパイク電圧発生時間tsを、スパイク時間tsaとして算出してもよい。あるいは、制御部11は、スパイク電圧がk(kは2以上の整数)回発生する毎に、k回目のスパイク電圧発生時間tsを計測し、その計測値をスパイク時間tsaとしてもよい。例えば、制御部11は、スパイク電圧の発生回数をカウントし、その発生回数が“k”となったときに、k回目のスパイク電圧発生時間tsの計測値を、スパイク時間tsaとして算出してもよい。あるいは、制御部11は、スパイク電圧がk(kは2以上の整数)回発生する毎に、n回分のスパイク電圧発生時間tsから平均値を求め、その平均値をスパイク時間tsaとしてもよい。これによれば、プロセッサ(CPU)による演算量を更に少なくすることができ、プロセッサの消費電力の増大を抑えることが可能となる。
また、上述のフローチャートは、動作を説明するための一例を示すものであって、これに限定されない。すなわち、フローチャートの各図に示したステップは具体例であって、このフローに限定されるものではない。例えば、一部の処理の順番が変更されてもよいし、各処理間に他の処理が挿入されてもよいし、一部の処理が並列に行われてもよい。
1…モータユニット、10…モータ駆動制御装置、11…制御部、12…駆動部、20…ステッピングモータ、21…コイル、21A…A相のコイル、21B…B相のコイル、22…ロータ、22N…N極、22S…S極、111…逆起電圧監視部、112…スパイク電圧情報生成部、113…スパイク電圧発生時間計測部、114…スパイク電圧発生回数算出部、115…スパイク時間算出部、116…スパイク時間比較部、117…目標通電時間決定部、118…通電時間計測部、119…記憶部、120…制御信号生成部、121…モータ駆動部、Sc…制御信号、Sr,St…通知信号、tg…目標通電時間、tt…目標スパイク時間(所定時間の一例)、ts…スパイク電圧発生時間、tsa…スパイク時間、rs…スパイク電圧発生回数、AP…A相のコイルの正極側の端子、AN…A相のコイルの負極側の端子、BP…B相のコイルの正極側の端子、BN…B相のコイルの負極側の端子。

Claims (8)

  1. 複数相のコイルを有するステッピングモータの駆動を制御するための制御信号を生成する制御部と、
    前記制御信号に基づいて、前記複数相のコイルを駆動する駆動部と、を有し、
    前記制御部は、前記コイルに発生したスパイク電圧の発生している期間を表すスパイク電圧発生時間が所定時間に近づくように前記制御信号を生成して、各相の前記コイルの通電時間を制御する
    モータ駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記制御部は、前記スパイク電圧発生時間が前記所定時間に近づくように、前記通電時間の目標値を示す目標通電時間を算出し、前記通電時間が前記目標通電時間に一致するように、前記制御信号を生成する
    ことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  3. 請求項2に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記制御部は、少なくとも一つの前記スパイク電圧発生時間の測定値に基づいて、前記スパイク電圧発生時間の長さの度合いを示すスパイク時間を算出し、前記スパイク時間が前記所定時間よりも大きい場合に、前記目標通電時間を減少させ、前記スパイク時間が前記所定時間よりも小さい場合に、前記目標通電時間を増加させる
    ことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  4. 請求項3に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記制御部は、前記スパイク電圧発生時間の測定値の平均値に基づいて、前記スパイク時間を算出する
    ことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  5. 請求項3に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記制御部は、直前に発生した前記スパイク電圧発生時間に基づいて前記スパイク時間を算出する
    ことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  6. 請求項3乃至5の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記制御部は、
    前記コイルに発生した逆起電圧を監視する逆起電圧監視部と、
    前記逆起電圧監視部の監視結果に基づいて、前記スパイク電圧発生時間を計測し、前記スパイク時間を算出するスパイク電圧情報生成部と、
    前記スパイク時間と前記所定時間とを比較するスパイク時間比較部と、
    前記スパイク時間比較部の比較結果に基づいて、前記目標通電時間を決定する目標通電時間決定部と、
    各相の前記コイルの通電時間を計測し、計測している通電時間が前記目標通電時間に一致するか否かを判定する通電時間計測部と、
    前記通電時間計測部の判定結果に基づいて、前記制御信号を生成する制御信号生成部とを含む
    ことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置と、
    前記ステッピングモータと、を備える
    ことを特徴とするモータユニット。
  8. モータ駆動制御装置によって、複数相のコイルを有するステッピングモータの駆動を制御するためのモータ駆動制御方法であって、
    前記モータ駆動制御装置が、前記ステッピングモータの駆動を制御するための制御信号を生成する第1ステップと、
    前記モータ駆動制御装置が、前記制御信号に基づいて、前記複数相のコイルを駆動する第2ステップと、を含み、
    前記第1ステップは、
    前記モータ駆動制御装置が、前記コイルに発生したスパイク電圧の発生している期間を表すスパイク電圧発生時間が所定時間に近づくように各相の前記コイルの目標通電時間を算出する第3ステップと、
    前記モータ駆動制御装置が、前記コイルの通電時間が前記目標通電時間に一致するように、前記制御信号を生成する第4ステップと、を含む
    モータ駆動制御方法。
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