JP7129802B2 - モータ制御装置、ステッピングモータシステム及びモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置、ステッピングモータシステム及びモータ制御方法 Download PDF

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本発明は、モータ制御装置、ステッピングモータシステム及びモータ制御方法に関する。
従来、ステッピングモータのコイルに電圧が印加されていない状態で当該コイルに発生する逆起電圧をAD(Analog-to-Digital)コンバータにより測定し、その測定結果に基づいてステッピングモータの脱調に関する状態を判断する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011-259525号公報
しかしながら、ADコンバータにより測定される逆起電圧の測定値には、ADコンバータのオフセット誤差が含まれている。そのため、例えば、測定タイミングでコイルに誘起される逆起電圧が小さくなると、そのオフセット誤差が逆起電圧の測定値に対して無視できなくなり、逆起電圧の測定精度が低下する場合がある。
そこで、本開示は、ADコンバータにオフセット誤差があっても、逆起電圧の測定精度の低下を抑制できる、モータ制御装置、ステッピングモータシステム及びモータ制御方法を提供する。
本開示は、
ステッピングモータの複数相のコイルの各々にパルス電圧を印加するモータ駆動部と、
前記複数相のコイルのうち、前記パルス電圧が一時的に印加されていない印加停止中のコイルに誘起される逆起電圧をADコンバータにより測定する逆起電圧測定部と、
コイル電流が前記印加停止中に零となる第1の期間に前記ADコンバータにより測定される前記逆起電圧の第1測定値と、前記第1の期間の半周期前の期間であってコイル電流が前記印加停止中に零となる第2の期間に前記ADコンバータにより測定される前記逆起電圧の第2測定値との差を演算する演算部とを備え
前記演算部により演算される前記差をVpp(k)、前記第1測定値をV1、前記第2測定値をV2、前記ADコンバータのオフセット誤差をVoff、前記第1の期間における前記逆起電圧の実値をV1r、前記第2の期間における前記逆起電圧の実値をV2rとすると、
Vpp(k) = V1-V2 = (V1r+Voff)-(V2r+Voff) = V1r-V2r
という関係が成立し、V1r-V2rは、前記逆起電圧の振幅に対応する値である、モータ制御装置を提供する。
また、本開示は、当該モータ制御装置と、前記ステッピングモータとを備える、ステッピングモータシステムを提供する。
また、本開示は、
ステッピングモータの複数相のコイルの各々にパルス電圧を印加し、
前記複数相のコイルのうち、前記パルス電圧が一時的に印加されていない印加停止中のコイルに誘起される逆起電圧をADコンバータにより測定し、
コイル電流が前記印加停止中に零となる第1の期間に前記ADコンバータにより測定される前記逆起電圧の第1測定値と、前記第1の期間の半周期前の期間であってコイル電流が前記印加停止中に零となる第2の期間に前記ADコンバータにより測定される前記逆起電圧の第2測定値との差を演算し、
演算される前記差をVpp(k)、前記第1測定値をV1、前記第2測定値をV2、前記ADコンバータのオフセット誤差をVoff、前記第1の期間における前記逆起電圧の実値をV1r、前記第2の期間における前記逆起電圧の実値をV2rとすると、
Vpp(k) = V1-V2 = (V1r+Voff)-(V2r+Voff) = V1r-V2r
という関係が成立し、V1r-V2rは、前記逆起電圧の振幅に対応する値である、モータ制御方法を提供する。
本開示によれば、ADコンバータにオフセット誤差があっても、逆起電圧の測定精度の低下を抑制することができる。
本実施形態におけるステッピングモータシステムの構成を示すブロック図である。 本実施形態におけるステッピングモータの回路構成を模式的に示す図である。 各コイルのコイル電流およびコイル電圧を示す概略の波形図である。 ステッピングモータの負荷が比較的小さな状態での逆起電圧(BEMF)とコイル電流との関係の一例を示す図である。 ステッピングモータの負荷が比較的大きくなった脱調寸前の状態での逆起電圧(BEMF)とコイル電流との関係の一例を示す図である。 各コイルにおけるコイル電流と逆起電圧を示す概略の波形図である。 脱調状態判定処理を含むモータ制御方法の一例を示すフローチャートである。
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態におけるステッピングモータシステム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ステッピングモータシステム1は、モータ制御装置10と、ステッピングモータ20とを備える。モータ制御装置10は、ステッピングモータ20を制御するモジュールである。ステッピングモータ20は、A相およびB相の2相励磁で駆動される2相ステッピングモータである。ステッピングモータ20は、バイポーラ駆動され、例えば、車載エアコン用のアクチュエータとして利用される。ステッピングモータ20及びステッピングモータシステム1の用途は、これに限られない。
モータ制御装置10は、ステッピングモータ20が有する各相のコイルに印加するパルス電圧を制御することによって、ステッピングモータ20の駆動を制御する。モータ制御装置10は、制御回路12と、駆動回路14とを備える。
制御回路12は、駆動回路14を制御する。制御回路12は、駆動回路14の制御を行うことで、ステッピングモータ20の駆動を制御する。制御回路12は、例えば、集積回路によって構成される。制御回路12は、中央演算処理装置(以下、「CPU(Central Processing Unit)」という)122と、電流測定部124と、逆起電圧測定部126とを備える。
駆動回路14は、ステッピングモータ20に電力を供給し、ステッピングモータ20を駆動する。駆動回路14は、モータ駆動部142と、電流センサ144とを備える。
モータ駆動部142は、CPU122から供給される制御信号に基づいて、ステッピングモータ20の各相のコイルに電圧を印加するモジュールである。本実施形態では、駆動回路14とステッピングモータ20とは、A相の正極(+)、A相の負極(-)、B相の正極(+)、B相の負極(-)の4つのラインで接続されている。モータ駆動部142は、CPU122によって生成される制御信号に応じて、これらの各ラインを介して、ステッピングモータ20に電力を供給する。
電流センサ144は、ステッピングモータ20の各相のコイルに流れる電流(コイル電流)をセンシングし、各相のコイル電流のセンシング結果を電流測定部124に出力するモジュールである。
電流測定部124は、電流センサ144から供給される各相のコイル電流の電流センシング結果に基づいて、ステッピングモータ20の各相のコイル電流を測定するモジュールである。電流測定部124は、各相のコイル電流の測定結果をCPU122に供給する。電流測定部124は、例えば、電流センサ144により測定される各相のアナログのコイル電流の測定値をデジタルのコイル電流の測定値に変換して、CPU122に供給するADコンバータを有する。
逆起電圧測定部126は、ステッピングモータ20の各相のコイルに誘起される逆起電圧をADコンバータにより測定し、各相の逆起電圧の測定結果をCPU122に供給するモジュールである。本実施形態では、逆起電圧測定部126は、駆動回路14とステッピングモータ20とを接続する4つのラインをモニタする。逆起電圧測定部126のADコンバータは、各相のコイルに誘起される逆起電圧のアナログ測定値をデジタルの測定値に変換して、CPU122に供給する。
CPU122は、演算部の一例であり、電流測定部124から供給される測定結果に基づいてステッピングモータ20に印加する電圧を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号をモータ駆動部142に供給するプロセッサである。CPU122には、電流測定部124から供給される各相のコイル電流の測定結果と、逆起電圧測定部126から供給される各相の逆起電圧の測定結果とが入力される。制御回路12の各機能は、不図示のメモリに読み出し可能に記憶されるプログラムによってCPU122が動作することにより、実現される。
図2は、本実施形態におけるステッピングモータ20の回路構成を模式的に示す図である。図2に示されるように、ステッピングモータ20は、2つのコイル21A,21Bと、ロータ22と、複数のステータヨーク(図示せず)とを備える。
コイル21Aは、A相のコイルである。コイル21Bは、B相のコイルである。コイル21A,21Bは、それぞれ、不図示のステータヨークを励磁する。コイル21A,21Bは、それぞれ、駆動回路14に接続されている。コイル21A,21Bには、それぞれ異なる位相のコイル電流Ia,Ibが流される。
ロータ22は、円周方向に沿ってS極22SとN極22Nとが交互に反転するように多極着磁された永久磁石を備える。なお、図2において、ロータ22は、S極22SとN極22Nとが1つずつ設けられているように簡略化されて示されている。ステータヨークは、ロータ22の周囲に、ロータ22の外周部に接近して配置されている。ロータ22は、各相のコイル21A,21Bに流れるコイル電流Ia,Ibの位相が周期的に切り替えられることで回転する。
本実施形態において、モータ駆動部142は、コイル21A,21Aのそれぞれに、CPU122によりパルス幅変調されたパルス電圧を印加することで、ステッピングモータ20を駆動する。
ステッピングモータ20は、以下のようにして駆動される。すなわち、コイル21Aには、所定の周期でコイル電流Iaの極性(すなわち、コイル電流Iaの方向)が変わるように、パルス電圧がモータ駆動部142により印加される(コイル電圧VA)。他方、コイル21Bには、コイル21Aと同一の周期で、パルス電圧がモータ駆動部142により印加される(コイル電圧VB)。コイル21Bには、コイル電流Iaに対して所定の位相だけ遅れてコイル電流Ibの極性(すなわち、コイル電流Ibの方向)が変わるように、パルス電圧が印加される。
コイル21A,21Bにそれぞれコイル電流Ia,Ibが流れると、コイル電流Ia,Ibの極性に応じて、コイル21A,21Bのステータヨークが励磁される。これにより、ロータ22が所定のステップ単位で回転する。
逆起電圧測定部126は、複数相のコイルのうち、いずれか1つの相のコイル(コイル21A,21B)に流れるコイル電流の向きが切り替わる停止期間中に、当該コイルに誘起される逆起電圧を測定する。モータ駆動部142は、CPU122から供給される制御信号に従って、いずれか1つの相のコイル(コイル21A,21B)に流れるコイル電流の向きが切り替わる際に、当該コイルへのパルス電圧の印加を一時的に停止する。以下、コイルへのパルス電圧の印加を一時的に停止する期間を、「停止期間」又は「印加停止中」と記載する場合がある。
図3は、図2のコイル21Aのコイル電流Iaおよびコイル電圧VA、並びにコイル21Bのコイル電流Ibおよびコイル電圧VBを示す概略の波形図である。なお、図3に示されるように、停止期間を除いて、極めて微細なパルス幅を有するパルス電圧がコイル21A,21Bに印加されている。T1~T6は、停止期間中の逆起電圧の測定タイミングを表す。Cは、コイル電流Iaが正から負に減少する期間を表す。
前記のとおり、コイル21A,21B(図2参照)の各々には、CPU122からの制御信号に従って、モータ駆動部142によりパルス電圧が印加される。停止期間中にコイル21A,21Bに誘起される逆起電圧は、逆起電圧測定部126(図1参照)により測定される。
図3に示すように、コイル21A(図2参照)には、パルス状の電圧(パルス電圧)が印加されてコイル電流Iaが流れる。印加されるパルス電圧は、所定の周期で正と負とを繰り返す。コイル電流Iaの極性、すなわち、コイル電流Iaが流れる方向は、パルス電圧が印加される向きに応じて所定の周期で変化する。コイル電流Iaの極性が変わるときには、コイル電流Iaがゼロになるようにコイル21Aへのパルス電圧の印加が停止される停止期間が設けられる。この停止期間には、コイル21Aに逆起電圧が誘起される。
一方、コイル21B(図2参照)には、パルス状の電圧(パルス電圧)が印加されてコイル電流Ibが流れる。印加されるパルス電圧は、コイル21Aと同一の周期かつコイル21Aに対して所定の位相だけ遅れて正と負とを繰り返す。コイル電流Ibが流れる方向は、パルス電圧が印加される向きに応じて所定の周期で変化する。コイル電流Ibの極性が変わるときには、コイル電流Ibがゼロになるようにコイル21Bへのパルス電圧の印加が停止される停止期間が設けられる。この停止期間には、コイル21Bに逆起電圧が誘起される。
ここで、モータ制御装置10には、後述のような脱調状態判定方法により、ステッピングモータ20で脱調が発生したか否か(脱調状態であるか否か)を判定する機能が設けられている。この機能は、制御回路12の各部を用いてCPU122が処理を行うことで実現されている。
逆起電圧測定部126は、ステッピングモータ20の複数相のコイルのうち、パルス電圧が一時的に印加されていない印加停止中のコイルに誘起される逆起電圧をADコンバータにより測定する。
CPU122は、パルス電圧が一時的に印加されていない印加停止中にコイル電流が零となる期間に逆起電圧測定部126のADコンバータにより測定される逆起電圧の測定値に基づいて、ステッピングモータ20の脱調を判定する。
ステッピングモータ20が脱調寸前の状態になると、ロータ22の位相が遅れることにより、ADコンバータが測定するタイミングで発生する逆起電圧が小さくなり、ADコンバータのオフセット誤差が逆起電圧の測定誤差に大きく影響することがある。
例えば、図4は、ステッピングモータ20の負荷が比較的小さな状態での逆起電圧(BEMF)とコイル電流との関係の一例を示す図である。図4に示すように、負荷が比較的小さい場合、コイル電流がゼロクロスしている付近で一番大きな逆起電圧が発生する。これに対し、図5は、ステッピングモータ20の負荷が比較的大きくなった脱調寸前の状態での逆起電圧(BEMF)とコイル電流との関係の一例を示す図である。図5に示すように、負荷が大きくなって脱調状態に近くなることにより、ロータ22の回転の位相が遅れると、逆起電圧が一番大きくなるタイミングにも遅れが生じる。この場合、ADコンバータがコイル電流のゼロクロス期間に測定するタイミングで発生している逆起電圧が、小さくなることがある。その結果、ADコンバータのオフセット誤差が逆起電圧の測定値に対して無視できなくなり、逆起電圧の測定精度が低下することがある。
そこで、コイルの両端に発生する逆起電圧は正弦波状に変化することに着目し、180°ごとの2点の測定点から逆起電圧の振幅を測定することで、ADコンバータにオフセット誤差があっても、そのオフセット誤差をキャンセルすることができる。
例えば、CPU122は、コイル電流が印加停止中に零となる第1の期間にADコンバータにより測定される逆起電圧の測定値と、第1の期間の半周期前の期間であってコイル電流が印加停止中に零となる第2の期間にADコンバータにより測定される逆起電圧の測定値との差Vpp(k)を演算する。差Vpp(k)を演算することで、第1の期間に発生する逆起電圧の測定値V1に含まれるオフセット誤差Voffと、第2の期間に発生する逆起電圧の測定値V2に含まれるオフセット誤差Voffとが相殺される。例えば、第1の期間における逆起電圧の実値をV1r、第2の期間における逆起電圧の実値をV2rとすると、
Vpp(k) = V1-V2 = (V1r+Voff)-(V2r+Voff) = V1r-V2r
という関係が成立する。V1r-V2rは、逆起電圧の振幅に対応する値である。したがって、差Vpp(k)を演算することで、オフセット誤差Voffがあっても、逆起電圧の測定精度の低下を抑制することができる。
図6を参照して、差Vpp(k)の演算についてより詳細に説明する。図6は、各コイルにおけるコイル電流と逆起電圧を示す概略の波形図である。
モータ駆動部142は、A相のコイル21AとB相のコイル21Bとのそれぞれに正弦波状の電流を90°位相差で流す。逆起電圧測定部126は、いずれかのコイルのコイル電流が90°ごとに零となる期間に、パルス電圧が印加されていないコイルに発生する逆起電圧をADコンバータにより測定する。コイル電流は、電流センサ144によってモニタされ、そのモニタ結果に基づいてCPU122によりコントロールされている。A相のコイル電流IaとB相のコイル電流Ibとは、90°ごとに交互に零となっている。
逆起電圧測定部126は、パルス電圧が一時的に印加されていない印加停止期間Pk中のコイルに誘起される逆起電圧をADコンバータにより測定する。kは自然数を表す。CPU122は、コイル21A,21Bのうち、コイル電流が印加停止期間Pk中に零となる一方のコイルに誘起される逆起電圧の測定値V(k)をADコンバータから取得する。そして、CPU122は、180°前の印加停止期間Pk-2中にコイル電流が零となる期間にADコンバータにより測定された当該一方のコイルの逆起電圧の測定値V(k-2)をメモリから読み出して、差Vpp(k)(=V(k)-V(k-2))を算出する。これにより、ADコンバータのオフセットの影響がキャンセルされるので、逆起電圧の測定精度の低下を抑制することができる。
CPU122は、例えば、算出された差Vpp(k)の絶対値が所定の閾値Vth未満であるか否かを判定し、差Vpp(k)の絶対値が閾値Vth未満であると判定した場合、ステッピングモータ20は脱調状態と判定する。差Vpp(k)の算出精度が高いので、脱調状態の判定精度を向上させることができる。
脱調状態の判定方法は、これに限られない。例えば、CPU122は、所定の演算回数のうちの所定の回数以上で差Vpp(k)の絶対値が所定の閾値Vth未満であるか否かを判定する。CPU122は、所定の演算回数Nのうちの所定の回数X以上で差Vpp(k)の絶対値が所定の閾値Vth未満であると判定した場合、ステッピングモータ20は脱調状態と判定する。この判定方法によれば、差Vpp(k)の絶対値が閾値Vth未満となる回数が考慮されるので、脱調状態の誤判定を抑制することができる。
図7は、脱調状態判定処理を含むモータ制御方法の一例を示すフローチャートである。kの初期値は、1である。
ステップS11にて、CPU122は、A相とB相のいずれの逆起電圧を測定するか否かを判断する。関数modは、数値を除数で割ったときの余りを算出する計算式を表す。CPU122は、kを2で割ったときの余りが零であるか否か、つまり、kが偶数であるか否かを判定する。CPU122は、kが偶数である場合、B相のコイル21Bに印加停止期間Pk中に発生する逆起電圧の測定値V(k)をADコンバータから取得し、メモリに格納する(ステップS13)。一方、CPU122は、kが奇数である場合、A相のコイル21Aに印加停止期間Pk中に発生する逆起電圧の測定値V(k)をADコンバータから取得し、メモリに格納する(ステップS15)。
CPU122は、kが3以上の自然数か否かを判定する。kが3以上の自然数の場合、ステップS19の処理が実行される。kが3未満の自然数の場合、ステップS19の処理ができないので、ステップS19~S25の処理がスキップされて、ステップS27の処理が実行される。
ステップS19にて、CPU122は、今回の演算周期のステップS13又はS15で測定されたV(k)と前々回の演算周期のステップS13又はS15で測定されてメモリに格納されたV(k-2)とを用いて、差Vpp(k)(=V(k)-V(k-2))を算出する。
ステップS21にて、CPU122は、算出されたVpp(k)の絶対値が閾値Vth未満であるか否かを判定する。CPU122は、算出されたVpp(k)の絶対値が閾値Vth未満であると判定した場合、回数フラグNg(k)を1に設定する(ステップS23)。一方、算出されたVpp(k)の絶対値が閾値Vth以上であると判定した場合、回数フラグNg(k)を0に設定する(ステップS25)。
CPU122は、Vpp(k)の絶対値が所定の閾値Vth未満となる回数を複数相のコイルの各々について合わせた総回数Naが、所定の演算回数Nのうちの所定の回数X以上であると判定した場合、ステッピングモータ20は脱調状態と判定する。この判定方法によれば、複数相のコイルの各々について差Vpp(k)の絶対値が閾値Vth未満となる回数が考慮されるので、脱調状態の誤判定をさらに抑制することができる。
例えばステップS27に示されるように、CPU122は、連続する過去N回中の回数フラグNg(k)の積算値(つまり、連続する過去N回のNg(k)のうち、1が設定されているNg(k)の総数)が閾値X以上であるか否かを判定する。
CPU122は、連続する過去N回中の回数フラグNg(k)の積算値が閾値X以上であると判定した場合、ステッピングモータ20は脱調状態と判定する(ステップS29)し、kを1つインクリメントして(ステップS31)、ステップS11の処理に戻る。一方、CPU122は、連続する過去N回中の回数フラグNg(k)の積算値が閾値X以上ではないと判定した場合、ステッピングモータ20は脱調状態と判定せずに、kを1つインクリメントして(ステップS31)、ステップS11の処理に戻る。
CPU122は、ステッピングモータ20は脱調状態と判定した場合、ステッピングモータ20をモータ駆動部142により停止させてもよい。
以上、モータ制御装置、ステッピングモータシステム及びモータ制御方法を実施形態により説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
上記実施形態では、コイル電流Ia,Ibが矩形波である例について説明したが、本発明の範囲はこれに限られるものではない。本発明は、コイル電流Ia,Ibが正弦波などの非直線波である場合においても適用可能である。
また、CPU122およびモータ駆動部142が論理回路により実現される場合についても適用可能である。
上記実施形態に係るモータ制御装置10の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。本発明は、2相モータに対する2相励磁に限られず、2相モータに対する1相励磁や1-2相励磁や、3相モータに対する2-3相励磁に適用してもよい。
1 ステッピングモータシステム
10 モータ制御装置
12 制御回路
14 駆動回路
20 ステッピングモータ
21A,21B コイル
22 ロータ
22N N極
22S S極
122 CPU
124 電流測定部
126 逆起電圧測定部
142 モータ駆動部
144 電流センサ

Claims (8)

  1. ステッピングモータの複数相のコイルの各々にパルス電圧を印加するモータ駆動部と、
    前記複数相のコイルのうち、前記パルス電圧が一時的に印加されていない印加停止中のコイルに誘起される逆起電圧をADコンバータにより測定する逆起電圧測定部と、
    コイル電流が前記印加停止中に零となる第1の期間に前記ADコンバータにより測定される前記逆起電圧の第1測定値と、前記第1の期間の半周期前の期間であってコイル電流が前記印加停止中に零となる第2の期間に前記ADコンバータにより測定される前記逆起電圧の第2測定値との差を演算する演算部とを備え
    前記演算部により演算される前記差をVpp(k)、前記第1測定値をV1、前記第2測定値をV2、前記ADコンバータのオフセット誤差をVoff、前記第1の期間における前記逆起電圧の実値をV1r、前記第2の期間における前記逆起電圧の実値をV2rとすると、
    Vpp(k) = V1-V2 = (V1r+Voff)-(V2r+Voff) = V1r-V2r
    という関係が成立し、V1r-V2rは、前記逆起電圧の振幅に対応する値である、モータ制御装置。
  2. 前記演算部は、前記差の絶対値が所定の閾値未満であると判定した場合、前記ステッピングモータが脱調状態と判定する、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記演算部は、所定の演算回数のうちの所定の回数以上で前記差の絶対値が前記所定の閾値未満であると判定した場合、前記ステッピングモータが脱調状態と判定する、請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記演算部は、前記差の絶対値が前記所定の閾値未満となる回数を前記複数相のコイルの各々について合わせた総回数が、前記所定の演算回数のうち前記所定の回数以上であると判定した場合、前記ステッピングモータが脱調状態と判定する、請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記所定の演算回数は、前記複数相のコイルの各々についての前記差を演算する連続した回数である、請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記演算部は、前記ステッピングモータが脱調状態と判定した場合、前記ステッピングモータを停止させる、請求項2から5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のモータ制御装置と、前記ステッピングモータとを備える、ステッピングモータシステム。
  8. ステッピングモータの複数相のコイルの各々にパルス電圧を印加し、
    前記複数相のコイルのうち、前記パルス電圧が一時的に印加されていない印加停止中のコイルに誘起される逆起電圧をADコンバータにより測定し、
    コイル電流が前記印加停止中に零となる第1の期間に前記ADコンバータにより測定される前記逆起電圧の第1測定値と、前記第1の期間の半周期前の期間であってコイル電流が前記印加停止中に零となる第2の期間に前記ADコンバータにより測定される前記逆起電圧の第2測定値との差を演算し、
    演算される前記差をVpp(k)、前記第1測定値をV1、前記第2測定値をV2、前記ADコンバータのオフセット誤差をVoff、前記第1の期間における前記逆起電圧の実値をV1r、前記第2の期間における前記逆起電圧の実値をV2rとすると、
    Vpp(k) = V1-V2 = (V1r+Voff)-(V2r+Voff) = V1r-V2r
    という関係が成立し、V1r-V2rは、前記逆起電圧の振幅に対応する値である、モータ制御方法。
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