JP2021025658A - 噛み合いクラッチ - Google Patents

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【課題】噛み合いクラッチにおいて、2つのクラッチ部材の回転位相差を検出する信号の汎用性を高めることが可能な検出装置を提供する。【解決手段】クラッチ部材11,12の回転位相差を検出する検出装置6を備える。検出装置6には、一組の係合歯13,14を含む面積の検出範囲が画定されている。検出装置6は、検出範囲内に含まれた係合歯13,14の面積に応じて変化する信号により第1クラッチ部材11および第2クラッチ部材12の回転位相差を検出する。この信号は、クラッチ部材11,12の回転位相を示す2つの波形の合成波である。【選択図】図1

Description

本発明は、噛み合いクラッチに関する。
従来、2つのクラッチ部材の回転位相を検出し、係合歯を衝突させることなく噛み合わせるための技術が知られている。例えば、特許文献1には、回転位相を検出する手段としてホールセンサを使用し、2つの係合歯に別々のホールセンサを設けたり、2つの係合歯を跨ぐように1つのホールセンサを設けたりして、センサ出力の交流成分より両方のクラッチ部材の回転位相差を求め、所要のタイミングで噛み合い動作を開始する技術が提案されている。
特表2013−513766号公報
ところで、係合歯を衝突なく噛み合わせるためには、2つのクラッチ部材の回転位相差に加え、クラッチの作動遅れ時間を考慮し、過去の噛み合いタイミングから将来の噛み合いタイミングを予測して制御する必要がある。また、クラッチ制御には、噛み合い完了、未完了または噛み合いミスを判断したり、2つのクラッチ部材の回転数を個別に検出したりするなどの必要性もある。
本発明は、こうした必要性に着目してなされたものであり、その目的は、2つのクラッチ部材の回転位相差を検出する信号の汎用性を高めることが可能な検出装置を備えた噛み合いクラッチを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の噛み合いクラッチは、複数の第1係合歯(13,53)がクラッチ回転方向に配列された第1クラッチ部材(11)と、第1係合歯に解放可能に噛み合う複数の第2係合歯(14,54)がクラッチ回転方向に配列された第2クラッチ部材(12)と、第1クラッチ部材および第2クラッチ部材をクラッチ軸線方向に相対移動して、第1係合歯および第2係合歯を噛み合わせるアクチュエータ(5)と、第1クラッチ部材および第2クラッチ部材の回転位相差を検出する検出装置(6,6A,6B,52)と、検出された回転位相差に基づいてアクチュエータを制御する制御装置(7)と、を備え、検出装置は、検出範囲(16)内に含まれた第1係合歯および第2係合歯の面積に応じて変化する信号により第1クラッチ部材および第2クラッチ部材の回転位相差を検出する。
上記構成によれば、検出装置が検出範囲内に含まれた第1係合歯および第2係合歯の面積を示す信号を出力するので、検出装置の出力に基づいて制御装置は2つのクラッチ部材の回転位相差に加え、実際に噛み合う一組の係合歯の相対位置を判断して、クラッチを多様に制御することができる。
本発明の第1実施形態を示す噛み合いクラッチの概略図である。 図1の噛み合いクラッチにおいて、(a)は噛み合い可能な状態を示し、(b)はそのときのセンサ出力を示す。 図1の噛み合いクラッチにおいて、(a)は噛み合い不可の状態を示し、(b)はそのときのセンサ出力を示す。 図1の噛み合いクラッチにおいて、(a)は回転数差がある状態を示し、(b)はそのときのセンサ出力を示す。 センサの出力波形から将来の噛み合いタイミングを予測する方法を示す特性図である。 図1の噛み合いクラッチにおいて、(a)は噛み合い完了状態を示し、(b)はそのときのセンサ出力を示す。 本発明の第2実施形態を示す噛み合いクラッチにおいて、(a)は2つのクラッチ部材の回転位相差を示し、(b)は回転位相差に応じて変化する信号波形を示す。 図7の噛み合いクラッチにおいて、(a)は凹凸部が設けられた係合歯を示し、(b)凹凸部によって変形した信号波形を示す。 本発明の第3実施形態において、(a)は外歯クラッチ部材の歯形状を示し、(b)は(a)のb−b線に沿う断面図を示す。 本発明の第4実施形態を示す噛み合いクラッチの概略図である。 本発明の第5実施形態を示す噛み合いクラッチの概略図である。 図11のXII−XII線断面図である。 図11のXIII−XIII線断面図である。 噛み合いクラッチのスプライン嵌合部を示す斜視図である。 位相調整部の作用を示す波形図である。 噛み合わせタイミングを求める処理を示すフローチャートである。 位相調整部の別の作用を示す波形図である。 位相調整部のさらに別の作用を示す波形図である。
以下、本発明の複数の実施形態による噛み合いクラッチを図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態の噛み合いクラッチ1は、クラッチ軸線Aが延びる方向(以下、軸方向と略す)に駆動側の第1クラッチ部材11と従動側の第2クラッチ部材12とを備えている。第1クラッチ部材11は、モータ等の動力装置2により駆動軸3を介して回転される。第2クラッチ部材12は、第1クラッチ部材11と噛み合った状態で、従動軸4を介して動力装置2の動力を被駆動部材(図示略)に伝達する。
第1クラッチ部材11および第2クラッチ部材12の相対向する端面には、それぞれ複数の第1係合歯13と第2係合歯14とがクラッチ部材の全周にわたって形成されている。係合歯13,14は、互いに解放可能に噛み合う凹凸形状に形成されている。そして、第1クラッチ部材11および第2クラッチ部材12は、アクチュエータ5によって軸方向に相対移動され、第1係合歯13および第2係合歯14が噛み合う噛み合い位置と、両者が離間する解放位置とに配置される。
第1クラッチ部材11および第2クラッチ部材12の外周近傍には、両クラッチ部材11,12の回転位相差を検出する検出装置6がクラッチ軸線Aに対して垂直に設置されている。検出装置6には、互いに噛み合うそれぞれ一つの第1係合歯13および第2係合歯14が部分的に含まれる面積の検出範囲16(図2参照)が画定されている。そして、検出装置6は、検出範囲16内に含まれた係合歯13,14の面積に応じて変化する信号をクラッチ部材11,12の回転位相差を示す信号として制御装置7に出力する。
検出装置6が出力する信号は、第1クラッチ部材11および第2クラッチ部材12それぞれの回転位相と回転数とに応じた2つの波形の合成波である。このため、制御装置7は、検出装置6が出力した信号波形に基づいて第1クラッチ部材11および第2クラッチ部材12の回転位相差に加え、両者の相対位置を判別して、動力装置2およびアクチュエータ5を制御することができる。なお、検出装置6としては、例えば、測距データから面積を検出する距離センサや撮像データの画像処理により面積を検出可能なカメラなどを使用できる。
また、検出装置6の検出範囲16は、クラッチ部材11,12の回転方向の長さ(円形の検出範囲の場合、その直径)が係合歯13,14の歯幅の1倍以上であれば、出力波形がサイン波となりフィルタなどの波形処理が容易となる。一方、検出範囲16の回転方向長さが歯幅の2倍を超えると、出力波形の振幅が小さくなるため、噛み合い可能な状態を判断することが難しくなる。そこで、検出範囲16の回転方向長さを係合歯13,14の歯幅の1倍以上2倍以下とすることで、噛み合い可能な状態を検出することが容易となる。
上記のように構成された第1実施形態の噛み合いクラッチ1によれば、検出装置6が出力した面積検出信号を用いて多様な制御を行うことができる。例えば、図2(a)に示すように、2つのクラッチ部材11,12が噛み合い可能な回転位相にあり、同じ回転数で同じ方向に回転するときには、検出範囲16内に含まれる係合歯13,14の面積が周方向のどの位置でも一定であるから、図2(b)に示すように、検出装置6の面積出力(センサ出力)は時間変化に対して一定の値となる。したがって、制御装置7はアクチュエータ5を作動させ、一組の係合歯13,14を失敗なくスムーズに噛み合わせることができる。
一方、図3(a)に示すように、クラッチ部材11,12が噛み合い不可の位相関係で同じ回転数で回転する場合は、第1係合歯13と第2係合歯14があたかも一体であるかのように回転するため、図3(b)に示すように、検出装置6は係合歯ひとつ分を周期とするサイン波形の信号を出力する。この状態では、どれだけ時間をかけて押し付けても係合歯13,14は噛み合うことがない。したがって、制御装置7は、フェール状態を判断し、それに対処するための指令を動力装置2、アクチュエータ5および警報装置(図示略)に出力し、クラッチ部材11,12の軸方向移動を停止させた状態で、少なくとも一方のクラッチ部材の回転位相を変更したり、アラームを発生させたりするなどの制御を行うことができる。
また、実際の制御にあたっては、2つのクラッチ部材11,12を完全に同じ回転数で駆動することは困難であるから、回転数差がある状態でも噛み合い可能なタイミングを判別できることが望ましい。回転数差がある場合は、噛み合い可能な状態を示す一定のセンサ出力(図2b参照)と噛み合い不可の状態を示すサイン波形の出力(図3b参照)とが係合歯ひとつ分ずれた周期で繰り返され、図4(b)に示すように、うなりを伴った波形の信号が出力される。この場合、うなりの節となる部分が噛み合い可能なタイミングを示しているので、制御装置7は、センサ出力の振幅が一定値以下になった時点を判別し、それよりクラッチ作動遅れ時間だけ早いタイミングでアクチュエータ5に動作指令を出力することができる。
ところで、噛み合いクラッチ1の作動遅れ時間には、アクチュエータ5への通電遅れや、クラッチ部材11,12の慣性、機械摩擦、軸方向移動速度などにより、アクチュエータ5に動作指令を出してから実際に係合歯13,14が噛み合うまでのタイムラグが含まれている。そのため、回転数差がある場合に係合可能な状態を検知してから噛み合い指令を出すと、係合歯13,14が実際に噛み合うタイミングが噛み合い不可の期間に含まれ、係合歯同士の衝突を招くおそれがある。そこで、制御装置7がクラッチ作動遅れ時間だけ早く噛み合い指令を出すために、過去の噛み合いタイミングに基づいて将来の噛み合い可能なタイミングを予測する必要がある。
噛み合い可能な状態となるタイミングは周期的に訪れるが、そのタイミング周期は2つのクラッチ部材11,12の回転数差によって異なる。このため、例えば、車両の車軸とモータ軸を噛み合わせるクラッチの場合は、ある速度で回転する車軸にモータ軸の回転数を近付けて噛み合わせる制御が行われる。ここで、モータの回転数制御は瞬間的に行われるため、車軸側の回転数の変化を無視することができ、回転数差の変化はモータ軸の回転数変化に依存する。そして、モータ軸の回転数変化は、モータの制御特性によって決まるため、クラッチ部材11,12の回転数差の時間変化は動力装置2ごとに決まったものとなる。
よって、使用する動力装置2の制御特性を事前に把握しておくことで、制御装置7は、図5に示すように、過去の噛み合いタイミングに基づいて将来の噛み合いタイミングを算出可能である。具体的には、過去の噛み合いタイミングを制御装置7のメモリに記憶させることで、過去の噛み合いタイミングをメモリから複数読み出して、将来の噛み合いタイミングをより高精度に予測することも可能である。そして、予測したタイミングと現時刻との差がクラッチ作動遅れ時間と等しくなった時点にアクチュエータ5に動作指令を出力することで、係合歯同士を衝突させることなくスムーズに噛み合わせることができる。
また、図6(a)に示すように、係合歯13,14が互いに噛み合った状態では、2つのクラッチ部材11,12の回転数が同じになり、第1係合歯13と第2係合歯14との間の空隙部が最小となるため、図6(b)に示すように、検出装置6の面積出力が最大の一定値を示す。したがって、制御装置7は、最大値を示す面積検出信号からクラッチ部材11,12が噛み合い動作を完了した状態にあることを確認できる。また、係合歯13,14の間に異物が介在するなどして、面積検出信号から噛み合い完了を所定時間確認できない場合は、制御装置7が噛み合い未完了を判断して、それに対処するための制御を行うこともできる。
<第2実施形態>
図7(a),(b)は本発明の第2実施形態を示す。第2実施形態では、図7(a)に示すように、検出範囲16の回転方向長さが係合歯13,14の歯幅wの2分の1以下に設定されている。このため、クラッチ部材11,12の回転位相差に伴い、検出装置6の出力が図7(b)に示すように変化する。ここにおいて、第1波形W1は第1クラッチ部材11の回転位相を示し、第2波形W2が第2クラッチ部材12の回転位相を示す。そして、第1波形W1および第2波形W2の合成波形W3が、第1実施形態のようなサイン波形ではなく、3段階の矩形波となっている。
この矩形波は、検出範囲16内に第1係合歯13および第2係合歯14のどちらも含まれない1段目と、一方の係合歯のみが含まれる2段目と、両方の係合歯13,14が含まれる3段目とからなっている。矩形波の3段目は、回転位相差により一組の係合歯13,14の山と山が向き合い、噛み合い不可となる位相範囲を示している。このため、検出装置6の出力を矩形波形とすることで、3段目の時間幅以外の時点、例えば、2段目が一定時間以上続いた時点を噛み合い可能なタイミングとして特定することができる。
<第2実施形態の変形例>
図8(a),(b)に示す第2実施形態の変形例では、図8(a)に示すように検出範囲16の回転方向長さが係合歯13,14の歯幅wの2分の1以下に設定されていることに加え、検出範囲16に含まれる係合歯13,14の歯先に凹凸部131,141が設けられている。この歯形状によれば、図8(b)に示すように、一方の係合歯のみが検出範囲16内に含まれたときに、矩形波の2段目において凹凸部131,141により波形が周期的に変化するので、その周波数よりクラッチ部材11,12の回転数を検出することができる。また、2つの係合歯13,14の凹凸部131,141を異なるピッチで形成することにより、2つのクラッチ部材11,12の回転数を別々に検出することも可能となる。
<第3実施形態>
図9(a),(b)に示す第3実施形態の噛み合いクラッチ31では、外歯型の第1クラッチ部材11と内歯型の第2クラッチ部材12が用いられている。第1クラッチ部材11の外周には複数の第1係合歯13が形成され、第2クラッチ部材12の内周に複数の第2係合歯14が形成されている。そして、検出装置6がクラッチ軸線Aと平行に配置され、その検出範囲16内に一つの第1係合歯13と一つの第2係合歯14とのそれぞれ一部が含まれるようになっている。
ここで、2つの係合歯13,14のうちどちらか一方の係合歯において、検出範囲16に含まれる被検出部32がトルク伝達部33と異なる形状で形成されている。具体的には、第1係合歯13の歯先部分が被検出部32となっていて、この部分の軸方向の厚みがトルク伝達部33よりも薄く形成されている。こうすることで、第1係合歯13の被検出部32を第2係合歯14に接近させ、検出装置6の検出軸線方向の長さを短くし、検出装置6の搭載性を高めることができる。
また、第1係合歯13の被検出部32は、トルク伝達に関与しない部分であるから、薄肉化に加えて、破損防止を目的とした任意の形状で形成することも可能である。その他、どちらか一方の係合歯に、検出装置6によって検出される部分とトルク伝達用の部分とを別々に設けることで、検出装置6の設置位置や性能に自由度を持たせることもできる。
<第4実施形態>
図10に示す第4実施形態の噛み合いクラッチ41では、2つの検出装置6A,6Bがクラッチ部材11,12の回転方向に180度離れた位置で係合歯13,14と対向するように配置されている。この配置によれば、どちらの検出装置6A,6Bも自身の検出範囲内に第1クラッチ部材11および第2クラッチ部材12の係合歯13,14が共に含まれるので、2つの検出装置6が出力した信号の合成波形に基づいて噛み合いクラッチ41の軸ブレによる誤差を検出することができる。また、一方の検出装置が破損した場合に、他方の検出装置を上記各実施形態のように機能させることができるという利点もある。
<第5実施形態>
続いて、本発明の第5実施形態を図11〜図18に基づいて説明する。図11、図12に示すように、第5実施形態の噛み合いクラッチ51では、第1クラッチ部材11が相対的に小径の筒形に形成され、その外周面に第1係合歯として複数の外歯53が設けられている。第2クラッチ部材12は相対的に大径の筒形に形成され、その内周面に第2係合歯として複数の内歯54が設けられている。
第1クラッチ部材11は動力装置2により回転され、第2クラッチ部材12が外歯53および内歯54の噛み合いを介して回転される。第1クラッチ部材11および第2クラッチ部材12は、アクチュエータ5によってクラッチ軸線Aが延びる方向に相対移動され、外歯53および内歯54が互いにスプライン嵌合する噛み合い位置と、両者が離間する解放位置(図14参照)と、に配置される。
第1クラッチ部材11および第2クラッチ部材12は共に磁性体であり、検出装置にホールICセンサ52が使用されている。ホールICセンサ52は、第1クラッチ部材11の径外方において、クラッチ軸線Aと平行な方向から外歯53および内歯54の端面と対向するように配置されている。そして、ホールICセンサ52は、内歯54の歯幅と略同じ直径の検出範囲56(図13参照)を画定し、ここに含まれる磁性体の面積に応じて変化する磁束密度を検出し、電圧に変換し、クラッチ部材11,12の回転位相差を示す検出信号を制御装置7に出力する。
図12、図13に示すように、ホールICセンサ52の検出範囲56には、外歯53および内歯54に加え、被検出部としての被検出歯55が含まれている。被検出歯55は、第2クラッチ部材12と同じ材質の磁性体であり、内歯54と同数が等ピッチで第2クラッチ部材12の回転方向に配列されている。そして、内歯54と異なる位相において、被検出歯55が第2クラッチ部材12の端面からクラッチ軸線方向へ突出し、その突端面が第1クラッチ部材11の外歯53と同じ距離d(図12参照)を隔ててホールICセンサ52に対向している。
図14に示すように、ホールICセンサ52は、第1クラッチ部材11および第2クラッチ部材12が解放位置にあり、外歯53と内歯54が噛み合う前の状態で2つのクラッチ部材11,12の回転位相差を検出する。例えば、図15(a)に示すように、外歯53および内歯54が同じ回転位相にあるときには、検出範囲56に被検出歯55のみが含まれ、ホールICセンサ52の出力電圧が最低になり、制御装置7は、クラッチ部材11,12が噛み合い不能な状態にあると判断する。
2つのクラッチ部材11,12の間に回転位相差が発生すると、図15(b)に示すように、回転位相差によって検出範囲56に含まれる磁性体の面積が変化し、それに応じてセンサ出力が昇降する。回転位相差がさらに大きくなると、図15(c)に示すように、検出範囲56に被検出歯55と外歯53の略全体が含まれ、出力波形Vwが節部wnを生成し、制御装置7は、クラッチ部材11,12が噛み合い可能な状態にあると判断する。
図15の波形図に示されているように、2つのクラッチ部材11,12が異なる回転数で回転しているとき、ホールICセンサ52は、図4と同様、振幅が周期的に変化する合成波形の信号を出力する。そして、被検出歯55は、外歯53と同じ位相にあるとき、外歯53による電圧成分を打ち消し、ホールICセンサ52の出力波形Vwに節部wnを生成する。したがって、制御装置7は、節部wnの位相に基づいてクラッチ部材11,12の噛み合わせタイミングを演算により求めることができる。
図16は、制御装置7による演算処理の一例を示す。制御装置7は、クラッチ部材11,12の回転中、まず、ホールICセンサ52の出力を読み込み(S61)、出力波形Vwの振幅を演算する(S62)。次に、振幅を予め定められた規定値αと比較し(S63)、振幅が規定値α以下になる位相、つまり出力波形Vwに節部wnが生成される位相をクラッチ部材11,12の噛み合わせタイミングとして決定する(S64)。
このように、クラッチ部材11,12の回転数が相違するとき、出力波形の節部に基づいてクラッチ部材11,12の噛み合わせタイミングを求めることができる。また、被検出歯55は、外歯53および内歯54と共にホールICセンサ52の検出範囲56に含まれる被検出部であるから、ホールICセンサの出力特性によって被検出歯55と外歯53との相対位相を調整することで、出力波形Vwの節部wnを任意の位相に生成することができる。
例えば、図17に示すように、被検出歯55が内歯54と同じ位相に設けられている場合、ホールICセンサの出力特性により、外歯53が検出範囲56に含まれない位相、つまり図17(c)に示す位相で被検出歯55と相対するように調整することで、出力波形Vwの節部wnを図15と同じ位相に生成することができる。
また、図18に示すように、制御装置7に応答遅れや通信遅れ等の信号遅れがある場合、被検出歯55と外歯53との相対位相を調整することで、実際の出力波形(破線で示す波形)よりも遅れ時間dtだけ進ませた波形(実線で示す波形)に節部wnを生成させ、その節部wnが示す位相に基づいて噛み合わせタイミングを求めることができる。
以上詳述したように、第5実施形態の噛み合いクラッチ51によれば、振幅が周期的に変化する波形Vwに生成された節部wnの位相に基づいて、2つのクラッチ部材11,12の噛み合わせタイミングを求めることができる。噛み合わせタイミングは、出力波形Vwの腹部wb(図15参照)に含まれる位相群から求めることもできるが、この場合、制御装置7の演算処理が複雑になり、演算結果に誤差を含みやすい。これに対し、本実施形態によれば、図16に示したような簡易な演算処理で噛み合わせタイミングを正確に求めることができる。
加えて、図12に示すように、被検出歯55が外歯53と同じ距離dを隔ててホールICセンサ52に対向しているため、被検出面の高低差を解消し、検出範囲56内の磁束密度を正確に検出して、ホールICセンサ52の信号精度を高めることが可能である。また、被検出歯55と外歯53または内歯54との相対位相を調整することで、節部wnを任意の位相に生成可能であるので、組付誤差、信号遅れ、異物の噛み込み等の種々の変動要因に的確に対処し、検出装置の汎用性を高め、噛み合いクラッチ51を多様に制御することができる。
なお、図15、図17、図18は、凸形の被検出歯55が第2クラッチ部材12に設けられた場合を例示しているが、被検出部の設置部位は図示例に限定されず、被検出部を第1クラッチ部材11側に設けるなど、検出範囲56内において外歯53および内歯54と異なる部位に設けることができる。また、被検出部は凸形に限定されず、凹形であってもよく、同一平面内に磁性体と非磁性体とを交互に配列した構成としてもよく、検出装置にカメラを使用する場合は、被検出部を異なる色で着色したり、光反射率の異なる材質で形成したりすることも可能である。
その他、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、2つの検出装置を軸方向に並設したり、検出範囲の面積を適宜増減したりするなど、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の形状や構成を任意に変更して実施することも可能である。
1,31,41,51・・・噛み合いクラッチ、5・・・アクチュエータ、
6,6A,6B,52・・・検出装置、7・・・制御装置、
11・・・第1クラッチ部材、12・・・第2クラッチ部材、
13,53・・・第1係合歯、14,54・・・第2係合歯、
16,56・・・検出範囲、55・・・被検出歯(被検出部)、
Vw・・・出力波形、wn・・・節部。

Claims (12)

  1. 複数の第1係合歯(13,53)がクラッチ回転方向に配列された第1クラッチ部材(11)と、
    前記第1係合歯に解放可能に噛み合う複数の第2係合歯(14,54)がクラッチ回転
    方向に配列された第2クラッチ部材(12)と、
    前記第1クラッチ部材および前記第2クラッチ部材をクラッチ軸線方向に相対移動して、前記第1係合歯および前記第2係合歯を噛み合わせるアクチュエータ(5)と、
    前記第1クラッチ部材および前記第2クラッチ部材の回転位相差を検出する1つ以上の検出装置(6,6A,6B,52)と、
    検出された回転位相差に基づいて前記アクチュエータを制御する制御装置(7)と、
    を備え、
    前記検出装置は、検出範囲(16,56)内に含まれた前記第1係合歯および前記第2係合歯の面積に応じて変化する信号により前記第1クラッチ部材および前記第2クラッチ部材の回転位相差を検出する噛み合いクラッチ。
  2. 前記検出装置は、前記第1クラッチ部材および前記第2クラッチ部材の噛み合い状態において、前記検出範囲に含まれた前記第1係合歯および前記第2係合歯の面積に応じて最大一定値の信号を出力する請求項1に記載の噛み合いクラッチ。
  3. 前記検出範囲は、クラッチ回転方向の長さが一つの前記第1係合歯または前記第2係合歯のクラッチ回転方向の歯幅(w)の1倍以上2倍以下である請求項1または2に記載の噛み合いクラッチ。
  4. 前記検出範囲は、クラッチ回転方向の長さが一つの前記第1係合歯または前記第2係合歯のクラッチ回転方向の歯幅(w)の2分の1以下である請求項1または2に記載の噛み合いクラッチ。
  5. 前記第1係合歯および前記第2係合歯は、それぞれの歯先に前記検出範囲に含まれる凹凸部(131,141)を備え、
    前記検出装置は、前記凹凸部を含む前記第1係合歯および前記第2係合歯の面積に応じた波形の信号を出力する請求項1〜4の何れか一項に記載の噛み合いクラッチ。
  6. 前記凹凸部は、前記第1係合歯と前記第2係合歯とで異なるピッチで形成されている請求項5に記載の噛み合いクラッチ。
  7. 前記第1係合歯および前記第2係合歯のうち少なくとも一方の係合歯は、前記検出範囲に含まれる被検出部(32)が、前記第1係合歯と前記第2係合歯との間でトルクを伝達するトルク伝達部(33)と異なる形状で形成されている請求項1〜6の何れか一項に記載の噛み合いクラッチ。
  8. 前記被検出部は、前記トルク伝達部よりも前記検出装置の軸線方向に薄く形成されている請求項7に記載の噛み合いクラッチ。
  9. 2つの前記検出装置を備え(6A,6B)、2つの前記検出装置は、前記第1係合歯および前記第2係合歯と対向するクラッチ軸線方向の位置において、クラッチ回転方向へ180度の角度を離して設置されている請求項1〜8の何れか一項に記載の噛み合いクラッチ。
  10. 前記第1クラッチ部材または前記第2クラッチ部材の少なくとも一方は、前記第1係合歯および前記第2係合歯と別の部位で前記検出範囲に含まれる被検出部(55)を備え、
    前記検出装置(52)は、前記検出範囲に含まれた前記被検出部、前記第1係合歯または前記第2係合歯の面積に応じた信号を出力し、
    前記制御装置は、前記検出装置が出力した波形の節部に基づいて前記第1クラッチ部材および前記第2クラッチ部材の噛み合わせタイミングを求める請求項1に記載の噛み合いクラッチ(51)。
  11. 前記検出装置は、前記被検出部と前記第1係合歯または前記第2係合歯との相対位相を調整することにより前記出力波形の任意の位相に前記節部を生成可能である請求項10に記載の噛み合いクラッチ。
  12. 前記被検出部は、前記第1係合歯または前記第2係合歯と同じ距離を隔てて前記検出装置に対向するように設けられている請求項10または11に記載の噛み合いクラッチ。
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