JP2021025458A - 車両の制御装置 - Google Patents

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誠人 鳥居
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智 吉川
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遼 森岡
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Yoshiyuki Hoshiba
義幸 干場
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Abstract

【課題】エンジンに対するモータリングによる排気浄化装置の温度変化を抑制する。【解決手段】走行用の駆動力を出力するエンジン1及びモータ20と、モータ20の回転軸20aとエンジン1のクランクシャフト1aとの間に設けられる伝達機構30と、エンジン1の燃焼室1bに接続された吸気通路2及び排気通路3と、燃料を供給する燃料噴射装置8と、排気通路3に備えられた排気浄化装置10と、排気浄化装置10の上流側から分岐して排気浄化装置10を避けて通る排気バイパス通路5と、排気バイパス通路5を通過する排気流量と排気浄化装置10側の排気メイン通路4を通過する排気流量の比率を調整する流量調整手段6とを備え、エンジン1に対するモータリングの際に、排気バイパス通路5を通過する排気流量を増大させるバイパス制御を行う車両の制御装置とした。【選択図】図1

Description

この発明は、ハイブリッド車の車両の制御装置に関する。
一般に、ハイブリッド車は、エンジンの駆動をアシストするモータを備えるとともに、そのモータで制動時の回生電力を回収できるようになっている。また、モータと車軸との間にはクラッチを備え、モータでのアシストや回生制御を行なわないときは、クラッチを切り離すことで、モータにおける無駄な電力消費や引きずりを抑制している。
また、マイルドハイブリッドと呼ばれるハイブリッド車も一般的である。この種のハイブリッド車は、通常の乗用車にも搭載されているジェネレータ(発電機)を強化して、エンジンを補助する駆動用のモータとしても利用できるようにしたものである。
さらに、プラグインハイブリッドとは、家庭用コンセント等の外部電源から手軽に充電できるタイプのハイブリッド車である。駐車時等にバッテリを充電しておけば、通常はモータの駆動力のみで電気自動車として走行でき、バッテリの電力不足時にはエンジンの駆動力を用いて走行することができる。また、エンジンは、バッテリやモータへの電力の供給源としても機能する。
ところで、近年、大気汚染や地球温暖化等の環境問題への対応として、自動車の省燃費化と低環境負荷化への対応が急務となっている。
例えば、ガソリンエンジンにおいては、燃料を燃焼室内に直接噴射する直噴技術が、熱効率を改善するための技術として、既に幅広く採用されている。直噴式のエンジンは、吸気ポート内で燃料を噴射するポート噴射式のエンジンに比べて、粒子状物質や炭化水素が多く排出されることが知られている。特に、エンジン始動時等の冷態時における粒子状物質や炭化水素の排出は大きな課題であり、早期に暖機できる技術が必要となっている。
エンジンの冷態時における排気ガス中の有害成分を低減する技術として、例えば、電気加熱触媒(Electrically Heated Catalyst)が挙げられる。電気加熱触媒は、エンジン始動直後や暖機過程において、バッテリからの電気の供給によって触媒を予熱し、触媒を早期に活性化するものである。電気加熱触媒として、例えば、特許文献1には、触媒装置の上流側に電気ヒータを装着した技術が開示されている。
特開2007−327481号公報
上記各ハイブリッド車の場合、エンジンをモータで駆動する際に、駆動開始直後はエンジンでの燃焼を行わず、エンジンの回転数が所定回転数まで上昇してから、エンジンに対して燃料噴射を開始する場合がある。
エンジンをモータで駆動する際とは、例えば、車両の運行開始時等において、非稼働状態のエンジンに対して、モータの駆動力でクランクシャフトを回転させながら、そのモータの駆動力で走行する際が挙げられる。あるいは、モータとクランクシャフトとが切り離された状態でモータの駆動力のみによって車両が運行している際に、バッテリの残容量(state of charge)が減少して、非稼働状態のエンジンを始動(燃焼)させようとする前段で、その非稼働状態のエンジンに対してモータの駆動力を導入してクランクシャフトを回転させる際、等が挙げられる。
このようなエンジンに対するモータリングでは、エンジンに対して燃料噴射を開始するまでの間、排気通路にはモータリングに伴ってエンジンの燃焼室からの排出空気が流れていく。この排出空気は、燃焼室での燃焼を伴ったものではないので、比較的大気温度に近い冷気である。このような冷気の通過は、排気通路に配置された排気浄化装置の温度上昇に寄与しないばかりか、場合によっては排気浄化装置の温度を低下させてしまう場合もある。また、特に、エンジンの排気通路や排気浄化装置自体にヒータを備えている場合においては、そのヒータによる触媒の加熱を、冷気が阻害してしまう恐れがある。エンジンが燃焼を開始するのに備えて、排気浄化装置の温度はできる限り活性化温度に近い状態になっていることが望ましい。
そこで、この発明の課題は、ハイブリッド車において、エンジンに対するモータリングによる、排気浄化装置の温度変化を抑制することである。
上記の課題を解決するために、この発明は、走行用の駆動力を出力するエンジン及びモータと、前記モータに電力を供給するバッテリと、前記モータの回転軸と前記エンジンのクランクシャフトとの間に設けられ、前記モータと前記クランクシャフトとの間を回転伝達可能な結合状態と回転伝達不可能な遮断状態のいずれかに切り替える伝達機構と、前記エンジンの燃焼室に接続された吸気通路及び排気通路と、前記燃焼室又は前記吸気通路に燃料を供給する燃料噴射装置と、前記排気通路に備えられた排気浄化装置と、前記排気浄化装置の上流側の前記排気通路から分岐して前記排気浄化装置を避けて通る排気バイパス通路と、前記排気バイパス通路を通過する排気流量と前記排気浄化装置側の排気メイン通路を通過する排気流量の比率を調整する流量調整手段と、を備え、前記エンジンに対して前記モータの駆動力で前記クランクシャフトを回転させるモータリングの際に、前記排気バイパス通路を通過する排気流量を増大させるバイパス制御を行う車両の制御装置を採用した。
ここで、前記バイパス制御は、前記燃料噴射装置による燃料の供給が開始された際に、又は、前記モータリングによる前記クランクシャフトの回転数が所定回転数に至った際に解除される構成を採用することができる。
また、前記燃焼室内における排気ガスの残留状況に応じて、前記バイパス制御の開始を、前記モータリングが開始された時点から所定時間経過後とするディレイ制御が行われる構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記排気浄化装置又は前記排気浄化装置よりも上流側の前記排気通路に、前記モータリングの際に前記排気通路内の排気又は前記排気浄化装置に対する加熱制御を行うヒータと、前記エンジンの非稼働状態で前記モータリングの開始を予測するモータリング予測手段を備え、前記加熱制御は、前記排気浄化装置の温度が前記所定温度よりも低く、前記モータリングの開始が予測された際に、前記モータリングの開始前に開始される構成を採用することができる。
ここで、前記加熱制御は、前記バッテリの残容量が所定残容量以上である場合にのみ行われる構成を採用することができる。
また、運転者の加速要求を予測する運転予測手段を備え、前記加熱制御は、前記加速要求が予測される場合は加熱の度合いを増大させる制御を行う構成を採用することができる。
この発明は、ハイブリッド車において、エンジンに対するモータリングによる、排気浄化装置の温度変化を抑制できる。
この発明の実施形態を示す車両の制御装置を示す構成図
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、この実施形態の車両の制御装置を概念的に示す構成図である。
この車両は、走行用駆動力の動力源として、エンジン1とモータ20を備えたハイブリッド車である。車両の制御装置は、図1に示すように、モータ20に電力を供給するバッテリ23と、電力をモータ20に対応する特性に変換するインバータ22、エンジン1の回転によって発電を行うジェネレータ21等を備えている。
モータ20の回転軸20aとエンジン1のクランクシャフト1aとの間には、内部にクラッチや変速機構を備えた伝達機構30が設けられている。
また、伝達機構30は、クラッチの機能により、モータ20の回転軸20aとエンジン1のクランクシャフト1aとの間を、回転伝達可能な結合状態と回転伝達不可能な遮断状態のいずれかに切り替える機能を有している。また、伝達機構30は、同じく、エンジン1のクランクシャフト1aとジェネレータ21の回転軸21aとの間を、クラッチの機能により、回転伝達可能な結合状態と回転伝達不可能な遮断状態のいずれかに切り替える機能も有している。さらに、伝達機構30は、モータ20の回転軸20aとエンジン1のクランクシャフト1aのそれぞれと、この車両が備える車輪32に駆動力を伝達する駆動系35との間を、クラッチの機能により、回転伝達可能な結合状態と回転伝達不可能な遮断状態のいずれかに切り替える機能を有している。
これにより、伝達機構30は、例えば、モータ20の駆動力のみを、駆動系35を介して所定の変速比で車輪32に伝達することができる。さらに、伝達機構30は、エンジン1の駆動力のみを、駆動系35を介して所定の変速比で車輪32に伝達することができる。伝達機構30が備える変速機構としては、例えば、連続可変トランスミッションやオートマチックトランスミッションを採用できる。
ここで、伝達機構30が、モータ20の回転軸20aとエンジン1のクランクシャフト1aとを結合状態とすると、例えば、モータ20の駆動力のみで走行する際には、そのモータ20の駆動力でエンジン1のクランクシャフト1aが回転する運転状態(以下、モータリングと称する)となり、逆に、エンジン1の駆動力のみで走行する際には、エンジン1のクランクシャフト1aの回転によってモータ20の回転軸20aが連れ回される運転状態となる。
また、伝達機構30は、エンジン1の駆動力をジェネレータ21に伝達することもできる。エンジン1のクランクシャフト1aの回転がジェネレータ21の回転軸21aに伝達されるとジェネレータ21は発電を行う。発電された電力は、バッテリ23に蓄電されるほか、モータ20にも供給される。
駆動系35は、伝達機構30から引き出されたプロペラシャフト33、駆動輪である対の車輪32間に配置されたデファレンシャル31、デファレンシャル31と車輪32とを結ぶドライブシャフト34とを備えている。駆動輪である車輪32は、前輪のみの場合もあるし、後輪のみの場合もあるし、四輪全輪が駆動輪の場合もある。
上記の構成によって、この車両では、モータ20のみを動力源とする電動走行モード、モータ20のみを動力源とするとともに同時にエンジン1を稼働させてバッテリ23やモータ20に電力を供給するシリーズモード、あるいは、エンジン1とモータ20の両方を動力源とするパラレルモード、エンジン1のみを動力源とするエンジン走行モードの各運転モードが、運転状況に応じて設定される。
バッテリ23は、ジェネレータ21で発電された電力を充電しておく機能を有している。このバッテリ23には、バッテリ23の残容量(充電量)を検出する充電量検出部が併設されている。
エンジン1は、燃焼室1bに接続され燃焼室1bへ吸気を送り込む吸気通路2、燃焼室1bに接続され燃焼室1bから排気を送り出す排気通路3を備えている。
吸気通路2は、シリンダヘッドに一体に形成される吸気ポートと、その吸気ポートに接続されるインテークマニホールド等で構成され、さらに、そのインテークマニホールドから上流側へ伸びてエアクリーナに至る通路である。排気通路2は、シリンダヘッドに一体に形成される排気ポートと、その排気ポートに接続されるエギゾーストマニホールド、そのエギゾーストマニホールドから下流側へ伸びて外部への開口部へ至る通路である。吸気ポート及び排気ポートの燃焼室1bへの開口は、それぞれ吸気バルブ、排気バルブによって開閉される。
エンジン1は、吸気ポート又は燃焼室1b内に燃料を噴射する燃料噴射装置8を備えている。また、この実施形態のエンジン1はガソリンエンジンであるので、燃焼室1b内には、混合気を燃焼させるための点火火花を発生させる点火装置を備えている。図1では、4つの気筒を備えた4気筒エンジンとしているが、気筒の数に関わらずこの発明を適用可能である。
吸気通路2には、吸気通路2の流路面積を調節して吸気の流量を制御するスロットルバルブ、吸気通路2を流れる吸気を冷却するインタークーラ等が適宜設けられている。また、吸気通路2内には、通過する空気量を検出するエアフローセンサ等の各種センサが設けられている。
排気通路3には、排気ガスに含まれる有害成分を除去又は浄化する排気浄化装置10が備えられている。また、大気開放される末端開口部に近い位置に、マフラ(消音器)が設けられている。この実施形態の排気浄化装置10はガソリンエンジン用の三元触媒であるが、ディーゼルエンジン等の他の種別のエンジン1である場合は、それに対応した他の種別の排気浄化装置10、例えば、選択触媒還元脱硝装置、ディーゼル微粒子捕集フィルタ等が配置される。
このエンジン1を搭載する車両は、エンジン1を制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit)40を備えている。電子制御ユニット40は、吸気通路2内や排気通路3内の各種センサからの情報のほか、エンジン1のクランクシャフト1aの回転速度を検出する回転センサ、シリンダブロック等を冷却する冷却水の温度を検出する水温センサ、車両の速度を検出する車速センサ、その他、エンジン1の制御に必要な情報を取得する各種センサからの情報を取得し、エンジン1の制御に活用する。また、運転者が行うイグニッション51の操作やアクセル装置52の操作、ブレーキ装置の操作、その他各種機器の操作の情報は、電子制御ユニット40に入力される。また、電子制御ユニット40は、バッテリ23の残容量の情報を取得する。
電子制御ユニット40は、燃料噴射装置による燃料噴射や、過給圧の制御、スロットルバルブの開度の制御、その他、エンジンの制御に必要な指令を行う制御手段41を備える。制御手段41は、運転者によるアクセル装置52の操作や、その他運転状況に応じて要求されるトルクによって決定される目標空気充填効率に基づいて、スロットルバルブや燃料噴射装置8、その他装置を制御する。
また、電子制御ユニット40は、運転モードが、モータリングに移行することを予測するモータリング予測手段42と、運転者からの加速要求の有無を予測する運転予測手段43を備えている。
排気通路3には、排気浄化装置10の上流側の排気通路3から分岐して、排気浄化装置10を避けて通る排気バイパス通路5が備えられている。ここで、排気浄化装置10を通る側の排気通路3を排気メイン通路4と称して、排気バイパス通路5と区別する。この実施形態では、排気浄化装置10の上流側で排気バイパス通路5と排気メイン通路4とが分岐し、排気浄化装置10の下流側で排気バイパス通路5と排気メイン通路4とが合流している。
排気通路3には、排気バイパス通路5を通過する排気流量と、排気浄化装置10側の排気メイン通路4を通過する排気流量の比率を調整する流量調整手段6が備えられている。この実施形態では、流量調整手段6を、排気バイパス通路5の途中に配置されたバタフライ弁形式の流量調整弁(以下、流量調整弁6と称する)で構成している。流量調整弁6を全開すると、排気のほとんどは排気抵抗が小さい排気バイパス通路5側へ流れ、排気メイン通路4側へは排気がほとんど流れなくなる。また、流量調整弁6を全閉すると、排気のほとんどは排気メイン通路4側へ流れ、排気バイパス通路5側へは排気がほとんど流れなくなる。さらに、流量調整弁6を全開状態と全閉状態との間の中間開度とすると、その開度に応じて流量調整弁6の開度が大きくなれば、排気バイパス通路5の排気の流量が増加し、排気メイン通路4の排気の流量が減少する。流量調整弁6の開度が小さくなれば、排気バイパス通路5の排気の流量が減少し、排気メイン通路4の排気の流量が増加する。このように、流量調整弁6は、排気バイパス通路5と排気メイン通路4の排気流量の比率を変化させることができる。
排気通路3には、排気浄化装置10の温度を検出又は推定する温度検出手段7が備えられている。この実施形態では、温度検出手段7を、排気通路3内に配置した温度センサ(以下、温度センサ7と称する)で構成し、排気通路3内の排気温度が排気浄化装置10の温度と同じであると推定している。温度センサ7は、排気浄化装置10の近傍であることが望ましく、この実施形態では、温度センサ7を排気浄化装置10のすぐ下流側に配置している。なお、排気浄化装置10に温度センサ7を配置して、排気浄化装置10を構成する触媒等の部材の温度を検出するようにしてもよい。
ここで、排気バイパス通路5は、排気浄化装置10の上流側の排気通路3から分岐して排気浄化装置10を避けて通り、且つ、排気メイン通路4と合流することなく大気開放されるようにしてもよい。
また、流量調整弁6は、排気メイン通路4の排気の流量と排気バイパス通路5の排気の流量との比率を調整するものであればよく、その設置位置は、この実施形態のように、排気バイパス通路5の途中に設けてもよいし、あるいは、排気メイン通路4と排気バイパス通路5の両方に設けてもよい。また、流量調整弁6を、排気メイン通路4と排気バイパス通路5の分岐部に配置された三方弁とし、その三方弁の弁体の開度(角度)の調整によって、排気メイン通路4と排気バイパス通路5の排気流量の比率を調整してもよい。流量調整弁6は、電子制御ユニット40の制御手段41によって制御される。
この車両の制御装置による制御を、以下説明する。ここでは、冷態で且つ燃焼を伴わない非稼働状態のエンジン1に対して、モータ20の駆動力でクランクシャフト1aを回転させるモータリングの場面を想定する。
冷態のエンジンをモータで駆動する際とは、例えば、エンジン1の温度が低い状態(例えば、暖機運転終了の基準となる水温60度未満の状態等)である車両の運行開始時等において、非稼働状態のエンジン1に対して、モータ20の駆動力でエンジン1のクランクシャフト1aを回転させながら、そのモータ20の駆動力で走行する際が挙げられる。これは、エンジン1を停止した状態で長時間駐停車していた車両を、新たに始動して運転を開始する際等に相当する。走行開始後に速度が上昇すれば、エンジン1への燃料の供給が開始されてエンジン1の稼働が開始される。
あるいは、モータ20の回転軸20aとエンジン1のクランクシャフト1aとが遮断状態で、モータ20の駆動力のみによって車両が運行している際に、バッテリ23の残容量が減少して、非稼働状態のエンジン1を始動(燃焼)させようとする前段で、その非稼働状態のエンジン1に対して、モータ20の駆動力を導入してクランクシャフト1aを回転させる際が挙げられる。その後、クランクシャフト1aの回転数が上昇して所定回転数に至れば、エンジン1への燃料の供給が開始されてエンジン1の稼働が開始される。
このようなモータリングを開始する際に、排気浄化装置10の温度が所定温度よりも低い場合は、制御手段41は、排気バイパス通路5を通過する排気流量を増大させるバイパス制御を行う。所定温度とは、例えば、排気浄化装置10の活性化温度又は、その活性化温度に近い許容される温度(例えば、活性化開始温度等)とすることができる。
バイパス制御は、本来、排気通路3内の排気ガスは排気浄化装置10を通過した後に大気開放されるべきところ、モータリング時の排出空気は有害物質をほとんど含まないことから、排気浄化装置10を経由しない排気バイパス通路5を通過させて大気開放するものである。これにより、比較的大気温度に近いモータリングに伴う排出空気が、排気浄化装置10の温度を低下させたり、その温度上昇を阻害したりすることを防止できる。また、排気バイパス通路5は排気抵抗が少ないので、モータリングの際のエネルギロスを低減する効果も期待できる。
また、バイパス制御は、燃料噴射装置8による燃料の供給が開始された際に解除されるように設定できる。燃料の供給開始時期、すなわち、エンジン1の燃焼が開始される時期は、前述の所定温度、すなわち、排気浄化装置10の温度が活性化温度、又は、その活性化温度に近い許容される温度(例えば、活性化開始温度等)に至っていることが望ましい。
あるいは、バイパス制御は、モータリングによるクランクシャフト1aの回転数が所定回転数に至った際に解除されるように設定してもよい。ここで、所定回転数は、車両の仕様に応じて適宜設定してよいが、例えば、停止状態の車両が走行を開始し、加速を終了して安定的に巡航できる状態(例えば、運転環境に応じて、時速40km、時速60km・・・等)に設定することができる。また、燃料の供給開始時期、すなわち、エンジン1の燃焼が開始される時期は、クランクシャフト1aの回転数がこの所定回転数以上となった際に設定することが望ましい。
また、この実施形態では、仮にモータリングが開始されても、燃焼室1b内における排気ガスの残留状況に応じて、バイパス制御の開始が、モータリングが開始された時点から所定時間経過後とするディレイ制御が行われる設定としている。ここで、所定時間とは、例えば、残留している排気ガスに含まれる有害成分が所定濃度未満になるまでに必要な時間、あるいは、残留している排気ガスが、モータリング時の排出空気で押し出されることによって、排気浄化装置10を通過するまでに必要な時間(例えば、運転環境に応じて、5秒、10秒・・・等)とすることができる。所定濃度とは、法令等により大気開放が認められる有害成分の濃度の上限値とすることができる。
また、燃焼室1b内への排気ガスの残留状況は、そのモータリングを行う前段における直近のエンジン停止後の経過時間に基づいて推定できる。エンジン停止後の経過時間が長ければ、排気ガスの残留量も減少していると考えられるからである。このため、例えば、エンジン1の停止後の経過時間が短ければ(例えば、24時間未満等)であれば、上記バイパス制御のディレイ制御を行い、エンジン1の停止後の経過時間が長ければ(例えば、24時間以上等)であれば、上記バイパス制御のディレイ制御を行わないように設定できる。さらに、エンジン1の停止後の経過時間に応じて、経過時間が短いほどディレイ制御の開始遅延時間を長くし、経過時間が長いほどディレイ制御の開始遅延時間を短くする設定も可能である。
また、この実施形態では、排気浄化装置10の上流側端に、電力の供給によって加熱を行うヒータ11を備えている。ヒータ11は排気浄化装置10よりも上流側の排気通路3に配置してもよい。モータリングが開始された際に、排気浄化装置10の温度が所定温度よりも低い場合は、ヒータ11に電力が供給され加熱制御が行われる。ヒータ11による加熱で、排気通路3内の排気の温度が上昇し、また、排気浄化装置10の温度も上昇する。このため、排気浄化装置10の活性化時期が早くなり、燃料の供給開始時期を早めることができる。燃料の供給開始時期は早まれば、バイパス制御の解除時期も繰り上げることが可能である。
ここで、電子制御ユニット40が備えるモータリング予測手段42は、エンジン1の非稼働状態でモータリングの開始を予測する機能を備えている。モータリングの開始の予測は、例えば、車両の運行開始時等において、運転者がイグニッション51にキーを差し込む操作、あるいは、走行開始操作をする前段で、電源をONにする動作等によって、その後すぐにモータリングが開始されると予測するように設定できる。あるいは、モータ20の回転軸20aとエンジン1のクランクシャフト1aとが遮断状態で、モータ20の駆動力のみによって車両が運行している際に、バッテリ23の残容量が減少して所定残容量を下回った際に、あるいは、一定時間後下回る見込みである際に、その後すぐにエンジン1を始動する前段のモータリングが開始されると予測するように設定できる。
このようにモータリングの開始が予測された際に、排気浄化装置10の温度が前述の所定温度よりも低いことを前提として、実際にモータリングが開始されるよりも前に、加熱制御が実行される。これにより、排気浄化装置10の活性化時期をさらに早めることができる。
なお、上記の各態様の加熱制御は、いずれもバッテリ23の残容量が、所定残容量(例えば満充電量の20%)以上である場合にのみ行われるように設定されている。バッテリ23の残容量が所定残容量に満たなければ、加熱制御は行わないことが望ましい。
また、電子制御ユニット40が備える運転予測手段43は、運転者の加速要求を予測する機能を備えている。加速要求の予測は、例えば、運転者がブレーキ装置を操作するためのブレーキペダルをストロークさせている(踏んでいる)状態で、そのストローク量(踏み込み量)が、予め決められた所定ストローク量よりも減少した際(ブレーキが緩められた際)に、あるいは、そのストローク量の減少率が、予め決められた所定ストローク量減少率よりも大きい際(ブレーキの緩め方が急激な際)に、その後すぐにアクセル装置52からの加速の入力があることを予測するように設定できる。ブレーキ装置には、このようなストローク量やストローク量の変化率を検出できるストローク検出部が備えられている。さらには、運転者が、ブレーキ装置の操作をやめて(ブレーキペダルから足を離して)、アクセル装置52に触れた(アクセルペダルに足を置いた)段階で、その後の加速の入力があることを予測するように設定してもよい。ブレーキ装置やアクセル装置52には、このような運転者の体の一部(足等)が、ペダル等の操作部に触れているかどうかを検知する接触センサが備えられている。
このように、運転者からの加速要求が予測された際において、加熱制御が実行される場合には、加熱の度合いを、加速要求の予測が無い通常の加熱制御の際の加熱度合いよりも増大させる制御を行う。加熱度合いの増大は、供給される電力を通常の加熱制御の際よりも高めることで可能である。
上記の実施形態では、排気通路3又は排気浄化装置10にヒータ11を備えたが、ヒータ11の設置は、車両の用途や仕様によっては省略することができる。また、上記実施形態では、冷態時の始動で説明したが、温態時の始動でもモータリング中の排気浄化装置の温度低下を抑制でき、活性化状態を維持できる。さらに、上記の実施形態では、エンジン1が停止し、その後再始動する際のモータリングで説明したが、エンジンの故障診断などで燃料噴射装置8からの燃料の供給を停止し、モータリングに移行することが考えられる。この場合には、燃焼室1b内への排気ガスの残留状況に応じて、ディレイ制御を行うことが好ましい。例えば、燃料の供給を停止する直前において失火やノッキングを生じていたような燃焼が不安定な状態、または燃焼ガスを吸気通路に戻す再循環制御を行っている状態では、有害成分が燃焼室1b内に多く残留していると考えられるので、このような場合は、上記バイパス制御のディレイ制御を行うことが好ましい。
この発明は、走行用駆動力の動力源としてエンジン1及びモータ20を備えたハイブリッド車、例えば、プラグインハイブリッド車、マイルドハイブリッド車等、その他、種々のハイブリッド車に適用できる。
1 エンジン
1a クランクシャフト
1b 燃焼室
2 吸気通路
3 排気通路
4 排気メイン通路
5 排気バイパス通路
6 流量調整手段(流量調整弁)
7 温度検出手段(温度センサ)
8 燃料噴射装置
10 排気浄化装置
11 ヒータ
20 モータ
20a 回転軸
23 バッテリ
30 伝達機構
40 電子制御ユニット
41 制御手段
42 モータリング予測手段
43 運転予測手段
51 イグニッション
52 アクセル装置

Claims (6)

  1. 走行用の駆動力を出力するエンジン及びモータと、
    前記モータに電力を供給するバッテリと、
    前記モータの回転軸と前記エンジンのクランクシャフトとの間に設けられ、前記モータと前記クランクシャフトとの間を回転伝達可能な結合状態と回転伝達不可能な遮断状態のいずれかに切り替える伝達機構と、
    前記エンジンの燃焼室に接続された吸気通路及び排気通路と、
    前記燃焼室又は前記吸気通路に燃料を供給する燃料噴射装置と、
    前記排気通路に備えられた排気浄化装置と、
    前記排気浄化装置の上流側の前記排気通路から分岐して前記排気浄化装置を避けて通る排気バイパス通路と、
    前記排気バイパス通路を通過する排気流量と前記排気浄化装置側の排気メイン通路を通過する排気流量の比率を調整する流量調整手段と、
    を備え、
    前記エンジンに対して前記モータの駆動力で前記クランクシャフトを回転させるモータリングの際に、前記排気バイパス通路を通過する排気流量を増大させるバイパス制御を行う車両の制御装置。
  2. 前記バイパス制御は、前記燃料噴射装置による燃料の供給が開始された際に、又は、前記モータリングによる前記クランクシャフトの回転数が所定回転数に至った際に解除される請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記燃焼室内における排気ガスの残留状況に応じて、前記バイパス制御の開始を、前記モータリングが開始された時点から所定時間経過後とするディレイ制御が行われる請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記排気浄化装置又は前記排気浄化装置よりも上流側の前記排気通路に、前記モータリングの際に前記排気通路内の排気又は前記排気浄化装置に対する加熱制御を行うヒータと、前記エンジンの非稼働状態で前記モータリングの開始を予測するモータリング予測手段を備え、
    前記加熱制御は、前記排気浄化装置の温度が前記所定温度よりも低く、前記モータリングの開始が予測された際に、前記モータリングの開始前に開始される請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記加熱制御は、前記バッテリの残容量が所定残容量以上である場合にのみ行われる請求項4に記載の車両の制御装置。
  6. 運転者の加速要求を予測する運転予測手段を備え、
    前記加熱制御は、前記加速要求が予測される場合は加熱の度合いを増大させる制御を行う請求項4又は5に記載の車両の制御装置。
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