JP2021024897A - 活性エネルギー線硬化型組成物、及び立体物の造形方法 - Google Patents

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【課題】軟質固体成分を含有しながら、造形物の直線透過率を損なわない活性エネルギー線硬化型組成物を提供すること【解決手段】下記の(A)及び(B)を成分として含み、前記(A)の成分の屈折率nDと、前記(A)以外の成分の混合物の屈折率nDの差が0.10以内である、活性エネルギー線硬化型組成物。但し、成分(A)の固体成分は、少なくとも1種の軟質固体成分を含む。(A)平均粒子径が50nm以上の固体成分(B)ラジカル重合性化合物【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物、及び立体物の造形方法に関する。
三次元立体物を造形する技術として、付加製造(AM:Additive Manufacturing)と呼ばれる技術が知られている。
この技術は、積層方向について薄く切った断面形状を計算し、その形状に従って各層を形成して積層することにより立体物を造形する技術である。
近年、付加製造技術の中でも、インクジェットヘッドを用いて光硬化型組成物を必要箇所に配置し、配置された光硬化型組成物を光照射装置で硬化させることにより三次元の立体物を造形するマテリアルジェッティング方式が注目されている。
マテリアルジェッティング方式は主に試作目的で利用されているが、造形物の延伸性が高い光硬化型組成物は耐熱性が低く、造形物の耐熱性の高い光樹脂組成物は耐衝撃性や延伸性が低い傾向があり、これらの両立が課題となっている。また、造形物の機械特性向上のためにフィラーを添加する方法が知られるが、直線透過率低下による試作物の内部視認性が損なわれるという課題がある。
特許文献1には、吐出安定性に優れ、硬度と耐折り曲げ性を両立し、さらには組成物としての保存安定性が得られる活性エネルギー線硬化型組成物として、重合性化合物と2種以上の樹脂粒子または2種以上の樹脂粒子の集合体とを含有し、前記2種以上の樹脂粒子が、Tg≧30℃である樹脂粒子と、Tg≦0℃である樹脂粒子とを含む活性エネルギー線硬化型組成物が開示されている。
特許文献2には透明性に優れた無機充填粒子を添加した立体造形用樹脂硬化物が開示されている。この特許文献2における粒子は硬質な無機粒子である。
優れた機械特性を得るためには、無機粒子や樹脂粒子をはじめとする固体成分を添加するが、固体成分により造形物の直線透過率が損なわれる。
本発明は、軟質固体成分を含有しながら、造形物の直線透過率を損なわない活性エネルギー線硬化型組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下に記載する通りの活性エネルギー線硬化型組成物にかかるものである。
下記の(A)及び(B)を成分として含み、前記(A)の成分の屈折率nDと、前記(A)以外の成分の混合物の屈折率nDの差が0.10以内である、活性エネルギー線硬化型組成物。
(A)平均粒子径が50nm以上の固体成分
(B)ラジカル重合性化合物
但し、前記固体成分は、少なくとも1種の軟質固体成分を含む。
本発明により、高い機械特性と高い直線透過率を併せ持つ硬化物を得ることができ、インクジェット用途に好適に用いることができる活性エネルギー線硬化型組成物、特に立体造形物の造形に用いることができる活性エネルギー線硬化型組成物を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る造形装置を示す概略図である。 延伸性の試験に用いた試験片の作製方法を示す図である。 試験片の透過性を示す図である。
以下、下記本発明(1)について詳しく説明するが、その実施の形態には次の(2)〜(13)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
(1)下記の(A)及び(B)を成分として含み、前記(A)の成分の屈折率nDと、前記(A)以外の成分の混合物の屈折率nDの差が0.10以内である、活性エネルギー線硬化型組成物。
(A)平均粒子径が50nm以上の固体成分
(B)ラジカル重合性化合物
但し、前記固体成分は、少なくとも1種の軟質固体成分を含む。
(2)前記成分(A)の配合比率が5質量%以上である、上記(1)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(3)25℃において1000mPa以下の粘度を有する、上記(1)または(2)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(4)25℃において200mPa以下の粘度を有する、上記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(5)前記屈折率nDの差が、0.03以内である、上記(1)乃至(4)のいずれかに一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(6)前記成分(A)の屈折率が、1.3以上1.6以下である、上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(7)前記成分(A)以外の成分の混合物の屈折率が、1.3以上1.6以下である、上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(8)前記成分(A)が、体積平均粒子径50〜1000nmのコアシェル型エラストマー粒子である、上記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(9)前記成分(B)として、アクリル系モノマーを含む、上記(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(10)前記成分(B)として、ウレタン基を含有するラジカル重合性オリゴマーを含む、上記(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(11)前記エラストマーが、アクリルポリマーである、上記(8)乃至(10)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
(12)上記(1)乃至(11)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物を、活性エネルギー線により硬化させる工程を含む、立体物の造形方法。
(13)上記(1)乃至(11)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物を、インクジェットヘッドにより吐出させる工程をさらに含む、上記(12)に記載の立体物の造形方法。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、成分(A)の屈折率と、成分(A)以外の成分の混合物の屈折率の差が0.10以内であることにより、直線透過率を損なうことなく、固体成分を含んだ組成物を造形できる。
本発明において、「屈折率nD」とは、ナトリウムランプのD線(波長589.3nmの光)において計測された屈折率を意味する。特段の記載のない限り、本発明において「屈折率」といった場合、「屈折率nD」と同義である。本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、成分(A)の屈折率とそれ以外の成分の混合物の屈折率の差が0.10以内であることにより、硬化によって成分(A)および/または成分(A)以外の成分の混合物の屈折率に変化が起こった場合であっても、直線透過率が高い硬化物を得ることができる。
(ラジカル重合性化合物)
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、成分(B)としてラジカル重合性化合物を含む。本発明において「ラジカル重合性化合物」とは、ラジカル重合によりポリマーを形成することができる化合物を意味し、典型的には1つ以上のラジカル重合性官能基を有する化合物(モノマー単位)である。
前記(B)ラジカル重合性化合物としては、(B1)ラジカル重合性単官能モノマー、(B2)ラジカル重合性多官能モノマー、(B3)ラジカル重合性オリゴマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。ラジカル重合性単官能モノマー、ラジカル重合性多官能モノマーおよびラジカル重合性オリゴマーはいずれも、活性エネルギー線によってラジカル重合して得られる硬化物のモノマー単位である。すなわち本発明において「ラジカル重合性オリゴマー」とは、オリゴマー分子にラジカル重合性官能基が結合したものを意味する。また、添加量は50.0質量%以上95.0質量%以下が好ましく、より好ましくは60.0質量%以上85.0質量%以下である。本発明の組成物は、成分(A)および(B)として含まれる固体成分及び化合物として種々のものを選択することにより、組成物として所望の物性を達成することができる。例えば(B1)を含むことにより、組成物自体の粘度を低減することができる。したがって本発明の組成物は、インクジェット用途に好適に用いることができる程度まで低い粘度となる。
本発明に用い得る前記(B)ラジカル重合性化合物としては、アクリル系モノマーやメタクリル系モノマー、カルボン酸ビニルエステル系モノマーなどが挙げられるが、特にアクリル系モノマーを含むことが好ましい。アクリル系モノマーは硬化速度が速く、インクジェット用途に適している。アクリル系モノマー以外のラジカル重合性単官能モノマーや、エポキシ系モノマーを用いる場合は、特にアクリル系モノマーと併用することが好ましい。用い得るエポキシモノマーの例としては、ビス(3,4エポキシシクロヘキシル)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどが挙げられる。また、エポキシ系モノマーをアクリル系モノマーと併用する場合、さらにオキセタンモノマーも併用するのが好ましい。また、エポキシ系モノマーをアクリル系モノマーと併用する場合、その含有量としては、例えばエポキシモノマー40〜60%、1官能アクリルモノマー10〜20%、2官能アクリルモノマー10〜20%、オキセタンモノマー10〜20%、ポリオール1〜10%、ラジカル重合開始剤0.1〜5%、カチオン重合開始剤0.1〜5%などが好ましい。
ラジカル重合性単官能モノマー(B1)としては、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明に用い得る前記(B2)ラジカル重合性多官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二官能モノマー、三官能以上のモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
二官能モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
三官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステルなどが挙げられる。
本発明に用い得る前記(B3)ラジカル重合性オリゴマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その添加量は1.0質量%以上40.0質量%以下が好ましく、より好ましくは10.0質量%以上30.0質量%以下である。
上述のとおり、ラジカル重合性オリゴマーは、オリゴマーの末端にラジカル重合性官能基を結合したものである。
ラジカル重合性官能基の数としては特に制限はないが、一官能以上6官能以下が好ましく、2〜3官能が特に好ましい。
オリゴマーとは、比較的少数のモノマーの繰り返し構造を有する分子の総称であり、前記繰り返し構造の数はそのモノマー構造や用途などにより異なり得るが、一般的には約2〜20個程度である。オリゴマーの構造としては、特に限定されないが、側鎖間の相互作用により高い強靭性を得やすいという観点から、ウレタン結合を含むことが好ましい。(B3)ラジカル重合性オリゴマーを含むことにより、製造した硬化物は一般に延伸性が向上する。
なお、上記モノマー単位の重合性官能基としては、光カチオン重合性官能基も用いることはできるが、重合速度が速く、粘度を低くすることができるなどの観点から、インクジェット用途に用いる場合においてはラジカル重合性の官能基を含むのが好ましい。
(固体成分)
本発明に用いられる固体成分は、少なくとも1種の軟質の固体成分を含む。本発明において「軟質」とは、外部からの応力により、形状が変化するものを意味する。軟質であるか否かは、当業者であれば当該技術分野において知られた判断基準に基づいて判断することができ、かかる判断基準としては例えば鉛筆硬度、弾性率などが挙げられる。好ましい一態様において、固体成分の弾性率は4GPa以下であり、より好ましくは3GPa以下であり、さらに好ましくは2GPa以下である。軟質固体成分の例としては、これに限定するものではないが、例えば有機材料、樹脂(アクリル系樹脂、エラストマー樹脂など)などが挙げられる。
前記(A)平均粒子径が50nm以上の固体成分は、無機化合物であっても有機化合物であってもよい。硬化物の耐衝撃性向上という観点から、例えばエラストマーなど柔軟性の高い材質でできた粒子が好ましい。固体成分の例としては、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、ゾノトライト、石膏繊維、アルミボレート、MOS、アラミド繊維、カーボンファイバー(炭素繊維)、グラスファイバー(ガラス繊維)、タルク、マイカ、ガラスフレーク、ポリオキシベンゾイルウイスカーなどの他に、各種樹脂の粉砕品、乳化重合による樹脂粒子、コアシェル型エラストマー粒子などが挙げられる。好ましくは、軟質の粒子である、樹脂粒子またはコアシェル型エラストマー粒子であり、より好ましくはコアシェル型エラストマー粒子である。
前記固体成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、添加量は0.5質量%以上40.0質量%以下が好ましく、より好ましくは1.0質量%以上20.0質量%以下である。
前記コアシェル型エラストマー粒子は、コア部とシェル部からなる多層構造体である。コア部の材質としては、ゴム、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレン・ブタジエンゴム、(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレンゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Si,Q)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、フッ素ゴム(FKM)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、PVC系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
固体成分としてコアシェル型エラストマーを用いる場合、コアシェル型エラストマーのシェル部としては、特に制限はないが、例えば、前記前記(B)ラジカル重合性化合物と親和性の高い化合物や樹脂などが挙げられる。これらをシェル部とすることにより、活性エネルギー線硬化型組成物中におけるエラストマー粒子の分散安定性を向上させることができ、さらには造形物中におけるエラストマー粒子とマトリックス樹脂界面の接着性を向上させることができる。
(コアシェル構造の確認)
前記コアシェル型エラストマー粒子のコアシェル構造の確認は、以下のようなTEM(透過型電子顕微鏡)を用いた方法で評価することが好ましい。TEMで観察した場合において、コアシェル構造とは、樹脂粒子の表面を内部とは異なるコントラスト成分が覆っている状態と定義する。
まず、特定の組成物に活性エネルギー線照射して硬化物を作製する。硬化物の作製方法は実施例に記載の方法に倣う。この時、基材上の温度を上げないように調整する。
四酸化ルテニウム、四酸化オスミウム又は他の染色剤のガスによって試料を1分間から24時間ガス暴露することにより、シェル部とコア部とを識別染色する。暴露時間は観察時のコントラストにより適宜調整する。ナイフで断面出ししてウルトラミクロトーム(Leica社製 ULTRACUT UCT、ダイヤナイフ使用)でトナーの超薄切片(200nm厚さ)を作製する。
その後、TEM(H7000;日立ハイテク社製)により加速電圧100kVで観察する。なお、シェル部とコア部の組成により、未染色で識別可能な場合もあり、その場合は未染色で評価する。また選択エッチング等の別の手段で組成コントラストを付与することも可能であり、そのような前処理後にTEM観察し、コアシェル構造を確認することも好ましい。
固体成分の体積平均粒径としては、特に制限はなく、50nm以上1000nm以下が好ましく、50nm以上500nm以下がより好ましい。前記体積平均粒径が、50nm以上であれば固体成分の特性を造形物に反映することが可能となり、1000nm以下であれば、インクジェットヘッドによる吐出安定性を確保することができる。さらに、活性エネルギー線硬化型組成物中における分散安定性を考慮すると、500nm以下であることが好ましい。
ここで、前記体積平均粒径は、硬化型組成物を、硬化型組成物の溶媒で希釈し、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、(A)固体成分、(B)ラジカル重合性化合物以外の成分を含んでもよい。このような成分に特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合開始剤、界面活性剤、重合禁止剤、着色剤などが挙げられる。
重合開始剤としては、光(特に波長220nm〜400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、添加量は0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましく、より好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下である。
重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、分子量200以上かつ5000以下、具体的には、PEG型非イオン界面活性剤[ノニルフェノールのエチレンオキサイド(以下EOと略記)1〜40モル付加物、ステアリン酸EO1〜40モル付加物等]、多価アルコール型非イオン界面活性剤(ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素含有界面活性剤(パーフルオロアルキルEO1〜50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)、変性シリコーンオイル[ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合禁止剤としては、例えば、フェノール化合物[ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等]、硫黄化合物[ジラウリルチオジプロピオネート等]、リン化合物[トリフェニルフォスファイト等]、アミン化合物[フェノチアジン等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、活性エネルギー線硬化型組成物中に溶解又は安定に分散し、更に熱安定性に優れた染料及び顔料が適している。これらの中でも、溶解性染料(Solvent Dye)が好ましい。また色の調整等で2種類以上の着色剤を適時混合することが可能である。
<有機溶媒>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まない(例えば有機溶媒の特性等が組成物に影響する程度には含まない)ことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、ラジカル重合性化合物、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて分散液を調製し、当該分散液にさらに、重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させ、次に固体成分を混合させることにより調製することができる。
インクジェットの用途に用いることができる組成物は、ノズルからの吐出性などに鑑みると、粘度が低いことが好ましい。したがって一態様において、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、25℃環境下において、1000mPa・s以下が好ましく、200mPa・s以下がより好ましく、更に好ましくは150mPa・s以下である。また、吐出性、造形精度の観点から、25℃環境下において、9mPa・s以上であることが好ましい。なお、造形中は、インクジェットヘッドやインク流路の温度を調節することにより、活性エネルギー線硬化型組成物の粘度を調整することが可能である。
なお、上記粘度は常法により計測することができ、例えばJIS Z 8803に記載の方法などを用いることができる。他には例えば、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34´×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
また、インクジェット用途に用いることができる組成物は、吐出安定性、造形精度などに鑑みると、表面張力が25℃環境下において20〜40mN/mの範囲にあることが好ましい。したがって一態様において、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は25℃環境下において20〜40mN/mの表面張力を有している。
なお、表面張力は常法により測定することができ、かかる測定方法としては、例えばプレート法、リング法、ペンダントドロップ法などが挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は成分として固体成分を含んでいることにより造形物の機械的物性を良好にすることができる。
本発明の造形物(マテリアルジェッティング造形物)の好ましい機械的物性としては、強度については引張最大応力が10MPa以上であることが好ましく、30MPa以上であることが特に好ましい。
延伸性については引張破断伸度が3%以上であることが好ましく8%以上であることが特に好ましい。
耐熱性はHDT50℃以上が好ましい。
また、耐衝撃性はIzod衝撃強度が20J/m以上であることが好ましく、40J/m以上であることが特に好ましい。
<活性エネルギー線>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、光が好ましく、特に波長220nm〜400nmの紫外線が好ましい。紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
以下、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物をモデル部形成材料として使用した場合の立体造形物の造形方法、及び造形装置について説明する。しかし、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、これらの実施形態に何ら限定されるものではない。
<造形装置>
図1は、本発明の一実施形態に係る造形装置を示す概略図である。造形装置30は、ヘッドユニット31,32、紫外線照射機33、ローラー34、キャリッジ35、及びステージ37を有する。ヘッドユニット31は、モデル部形成材料1を吐出する。ヘッドユニット32は、サポート部形成材料2を吐出する。紫外線照射機33は、吐出されたモデル部形成材料1、及びサポート部形成材料2に紫外線を照射して硬化する。ローラー34は、モデル部形成材料1、及びサポート部形成材料2の液膜を平滑化する。キャリッジ35は、ヘッドユニット31,32等の各手段を、図1におけるX方向に往復移動させる。ステージ37は、基板36を、図1に示すZ方向、及び図1の奥行方向であるY方向に移動させる。尚、Y方向への移動は、ステージ37ではなくキャリッジ35において行なってもよい。
モデル部形成材料が色ごとに複数ある場合、造形装置30には、各色のモデル部形成材料を吐出するための複数のヘッドユニット31が設けられていてもよい。
ヘッドユニット31,32におけるノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズルを好適に使用することができる。
ローラー34に使用できる金属としては、SUS300系、400系、600系、六価クロム、窒化珪素、及びタングステンカーバーイドなどが例示される。また、これらのいずれかをフッ素やシリコーンなどで被膜コーティングした金属を、ローラー34に使用してもよい。これらの金属のなかでも、強度、加工性の面からSUS600系が好ましい。
ローラー34を使用する場合、造形装置30は、ローラー34と造形物の面とのギャップを一定に保つため、積層回数に合わせて、ステージ37を下げながら積層する。ローラー34は紫外線照射機33に隣接している構成が好ましい。
また、休止時のインクの乾燥を防ぐため、造形装置30には、ヘッドユニット31,32におけるノズルを塞ぐキャップなどの手段を設置してもよい。また、長時間連続使用時のノズルの詰まりを防ぐため、造形装置30には、ヘッドをメンテナンスするためのメンテナンス機構を設置してもよい。
<造形方法>
以下、造形装置で行われる工程について説明する。
造形装置30のエンジンは、キャリッジ35、又はステージ37を移動させながら、入力された二次元データのうち最も底面側の断面を示す二次元データに基づいて、ヘッドユニット31からモデル部形成材料1の液滴を吐出させ、ヘッドユニット32からサポート部形成材料2の液滴を吐出させる。
これにより、最も底面側の断面を示す二次元データにおけるモデル部を示す画素に対応する位置にモデル部形成材料1の液滴が配され、サポート部を示す画素に対応する位置にサポート部形成材料2の液滴が配され、隣り合う位置の液滴同士が接した液膜が形成される。
なお、造形する造形物が1個の場合は、ステージ37の真中に断面形状の液膜が形成される。造形する造形物が複数個の場合、造形装置30は、ステージ37に複数個の断面形状の液膜を形成してもよいし、先に造形された造形物に液膜を積み重ねてもよい。
ヘッドユニット31及び32にはヒータを設置することが好ましい。さらに、ヘッドユニット31にモデル部形成材料を供給する経路及びヘッドユニット32にサポート部形成材料を供給する経路にプレヒータを設置することが好ましい。
平滑化工程において、ローラー34は、ステージ37上に吐出されたモデル部形成材料、及びサポート部形成材料のうち余剰な部分を掻き取ることで、モデル部形成材料、及びサポート部形成材料からなる液膜、又は層の有する凸凹を平滑化する。平滑化工程はZ軸方向へ積層毎に1回行われてもよいし、2乃至50回の積層毎に1回行われてもよい。
平滑化工程において、ローラー34は停止していてもよいし、ステージ37の進行方向に対して正もしくは負の相対速度で回転していてもよい。またローラー34の回転速度は定速でも一定加速度、一定減速度でもよい。ローラー34の回転数は、ステージ37との相対速度の絶対値として、50mm/s以上、400mm/s以下が好ましい。相対速度が小さすぎる場合、平滑化が不十分で平滑性が損なわれる。また相対速度が大きすぎる場合、装置が大型化を要し、振動などによって、吐出された液滴の位置ずれなどが発生しやすく、結果として平滑性が低下することがある。
平滑化工程において、ローラー34の回転方向はヘッドユニット31,32の進行方向と逆向きであることが好ましい。
硬化工程において、造形装置30のエンジンは、キャリッジ35により紫外線照射機33を移動させて、液膜形成工程で形成された液膜に、モデル部形成材料、及びサポート部形成材料に含まれる光重合開始剤の波長に応じた紫外線を照射する。これにより、造形装置30は、液膜を硬化して、層を形成する。
最も底面側の層の形成後、造形装置30のエンジンは、ステージを一層分、下降させる。
造形装置30のエンジンは、キャリッジ35、又はステージ37を移動させながら、底面側から二つ目の断面を示す二次元画像データに基づいて、モデル部形成材料1の液滴を吐出させ、サポート部形成材料2の液滴を吐出させる。吐出方法は、最も底面側の液膜を形成するときと同様である。これにより、最も底面側の層上に、底面側から二つ目の二次元データが示す断面形状の液膜が形成される。更に、造形装置30のエンジンは、キャリッジ35により紫外線照射機33を移動させて、液膜に紫外線を照射することにより、液膜を硬化して、最も底面側の層上に、底面側から二つ目の層を形成する。
造形装置30のエンジンは、入力された二次元データについて、底面側に近いものから順に利用して、上記と同様に、液膜の形成と、硬化と、を繰り返し、層を積層させる。繰り返しの回数は、入力された二次元画像データの数、あるいは三次元モデルの高さ、形状などに応じて異なる。すべての二次元画像データを用いた造形が完了すると、サポート部に支持された状態のモデル部の造形物が得られる。
造形装置30により造形された造形物は、モデル部及びサポート部を有する。サポート部は、造形後に造形物から除去される。除去方法としては、物理的除去、及び化学的除去がある。物理的除去では、機械的な力を加えて除去する。一方、化学的除去では、溶媒に浸漬し、サポート部を崩壊させて除去する。サポート部の除去方法としては、特に制限はないが、物理的除去では造形物が破損する可能性があるため、化学的除去がより好ましい。さらに、コストを考慮すると水に浸漬して除去する方法がより好ましい。水に浸漬して除去する方法が採用される場合、サポート部形成材料の硬化物は、水崩壊性を有するものが選択される。
上述のとおり、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、インクジェット用途、とくにインクジェットによる立体造形物の製造に好適に用い得るものである。したがって本発明には、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて造形された立体造形物も包含される。かかる立体造形物の製造方法は、インクジェットを用いる限り特に限定されないが、例えば上記<造形方法>の欄にて詳述した方法などが挙げられる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)54.0質量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(商品名:APG−200、新中村化学工業株式会社製)24.0質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(商品名:UV−6630B、日本合成化学株式会社製)22.0質量部を均一に混合した。次に、光重合開始剤としてジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(商品名:Omunirad TPO、BASF社製)4.0質量部を加え、均一に混合した。次に、固体成分としてコアシェル型エラストマー粒子(カネエースM−521、カネカ株式会社製)を5.5質量部加え、均一に混合した。次に、フィルター(商品名:CCP−FX−C1B、ADVANTEC社製、平均孔径:3μm)を通過させて、実施例1の光硬化型組成物を得た。この光硬化型組成物の25℃における粘度は138mPa・sであった。
(実施例2〜14、比較例1、2)
表1の配合処方に従って、実施例1の光硬化型組成物と同様の作製手順で、実施例2〜14及び比較例1〜2の光硬化型組成物を作製した。
表1における材料の詳細は以下の通りである。
・ラジカル重合性モノマー
IBXA(イソボニルアクリレート):大阪有機化学工業株式会社製
ACMO(アクリロイルモルフォリン):KJケミカルズ株式会社製
ライトエステルHOA(N)(HEA):共栄社化学株式会社製
SR−531(環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート):サートマー社製
APG−100:ジプロピレングリコールジアクリレート、中村化学工業株式会社製
APG−200:トリプロピレングリコールジアクリレート、中村化学工業株式会社製
4EG−A:ライトアクリレート(PEG200ジアクリレート):共栄社化学株式会社製
・ラジカル重合性オリゴマー
UV−6630B:UV硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー、分子量3000、
オリゴマー官能基数2、日本合成化学株式会社製
・重合開始剤
Omnirad TPO:BASF社製
・コアシェル型エラストマー粒子
カネエースM−521:
(コアシェル型エラストマー粒子、体積平均粒径250nm、カネカ工業株式会社製)
カネエースM−210:
(コアシェル型エラストマー粒子、体積平均粒径200nm、カネカ工業株式会社製)
・トレミルPPS
PPS樹脂粒子、体積平均粒径2000nm, 東レ株式会社製
・P−SWH−610M
二酸化チタン、体積平均粒径200nm, 御国色素株式会社製
<屈折率の評価>
屈折率の評価はアッベ屈折計NAR−1T(ATAGO製)を使用して測定した。
成分(A)の屈折率評価については、JIS K 7142に記載のアッベ屈折計を用いたB法を採用した。
成分(A)以外の成分の混合物の屈折率評価については、成分(A)以外の成分を均一になるまで混合したのち、JIS K 0062に準じて測定した。
<直線透過率測定用の試験片の作製>
図2に示すようにガラス基板上にOHPシートを載せて、シリコン型(形状:縦20mm、横20mm、厚さ3mm)をOHPシートに密着させた。次に、光硬化型組成物をシリコン型に充填し、OHPシートを被せ、その上にガラス板を置いた。次に、紫外線照射機(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE SP5−250DB)を用いて、ガラス板越しに照射強度200mW/cmの紫外線を10分間照射した。次に、さきほど紫外線を照射した面とは反対の面から、ガラス板越しに照射強度200mW/cmの紫外線を10分間照射した。次に、OHPシートを剥がし、シリコン型から試験片を取り出し、温度23℃相対湿度50%の環境下に24時間静置して厚さ3mmの試験片を得た。
<直線透過率の測定方法>
上記で作製した試験片を、DIRECT READING HAZEMETER(東洋精機製)を用いて全透過率(Tt)、拡散透過率(Td)を測定した。直線透過率は下記式で計算することができる。
直線透過率 = 全透過率(Tt)−拡散透過率(Td)
[評価基準]
〇 : 70%以上
△ : 10%以上70%未満
× : 10%未満
参考までに、図3に試験片を「RICOH」のロゴが印刷された紙の上に置いた時の各試験片の透過性(視認性)の状態を示す。直線透過率が高いと視認性が高くなる。
(a)は実施例4(直線透過率評価:〇)、(b)は実施例2(直線透過率評価:△)、(c)は比較例1(直線透過率評価:×)の試験片を示す。
1 モデル部形成材料
2 サポート部形成材料
10 モデル部
20 サポート部
30 造形装置(立体造形物の製造装置の一例)
31 ヘッドユニット(吐出手段の一例)
32 ヘッドユニット(吐出手段の一例)
33 紫外線照射機(硬化手段の一例)
34 ローラー
35 キャリッジ
36 基板
37 ステージ
特開2017−095577号公報 国際公開第2016/076180号

Claims (13)

  1. 下記の(A)及び(B)を成分として含み、前記(A)の成分の屈折率nDと、前記(A)以外の成分の混合物の屈折率nDの差が0.10以内である、活性エネルギー線硬化型組成物。
    (A)平均粒子径が50nm以上の固体成分
    (B)ラジカル重合性化合物
    但し、前記固体成分は、少なくとも1種の軟質固体成分を含む。
  2. 前記成分(A)の配合比率が5質量%以上である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. 25℃において1000mPa以下の粘度を有する、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  4. 25℃において200mPa以下の粘度を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  5. 前記屈折率nDの差が、0.03以内である、請求項1乃至4のいずれかに一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. 前記成分(A)の屈折率が、1.3以上1.6以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  7. 前記成分(A)以外の成分の混合物の屈折率が、1.3以上1.6以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  8. 前記成分(A)が、体積平均粒子径50〜1000nmのコアシェル型エラストマー粒子である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  9. 前記成分(B)として、アクリル系モノマーを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  10. 前記成分(B)として、ウレタン基を含有するラジカル重合性オリゴマーを含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  11. 前記エラストマーが、アクリルポリマーである、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物を、活性エネルギー線により硬化させる工程を含む、立体物の造形方法。
  13. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型組成物を、インクジェットヘッドにより吐出させる工程をさらに含む、請求項12に記載の立体物の造形方法。
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