JP2021024801A - アルコールの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素から、アルコール、特にメタノールを合成する反応において、効率よくアルコールを製造する方法の提供。【解決手段】少なくとも水素と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素と、を含む原料を触媒の存在下で反応させてアルコールを合成するアルコールの製造装置であって、該製造装置は、ゼオライトを有するアルコール選択透過膜を備えた反応器と、反応熱の少なくとも一部を該反応器から回収する熱回収手段と、該熱回収手段で回収した熱を供給する熱供給手段と、を有するアルコールの製造装置。【選択図】なし

Description

本発明は、アルコールの製造方法及び製造装置に関するものである。
水素と、二酸化炭素及び/又は一酸化炭素を含む原料ガスから、アルコール、特にメタノールを製造する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
太陽光等をエネルギー源として、電気分解あるいは光触媒を用いて水を分解し、得られた水素を二酸化炭素等と反応させ、アルコールを作る技術は、環境負荷を低減する技術として大きく期待されている。
非特許文献1、2には分離膜を用いないメタノール合成反応及び併発する水性ガスシフト反応の反応速度の温度依存性や圧力依存性について報告されている。
特開2016−174996号公報
Szarawara, J. Reychman,K. 1980. Inz Chem Proc., 1:331 Vanden Bussche K.M., Froment G.F.,1996. J. Catal., 161, 1−10
水素と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素から、アルコール、特にメタノールを合成する反応は、原料である水素と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素を適宜加熱した後、触媒を用いてアルコールを生成させる反応である。この反応は、平衡反応であるため、平衡に達してしまえば、それ以上の収率を得ることはできない。
これに対し、ゼオライトなどを用いることで、生成したアルコール類を反応器内から取り出すことにより、収率を著しく向上させることができた。しかしながら、アルコール類を得る反応は激しい発熱反応であることから、アルコールが反応生成する分だけ発熱量が増え、その結果反応器内の温度が上昇し、これによりゼオライトがダメージを受け、アルコールの分離の効率が低下することがあった。また、原料の流量を増やすと反応器内の温度が上昇し、さらにこの平衡反応は、温度が上昇することで原料である水素並びに一酸化炭素及び/又は二酸化炭素側に動いてしまい、この点でも課題を生じていた。
また、生成したアルコール類を反応器内から取り出すことなく触媒反応のみを行う場合、反応熱により反応器内の温度が上昇することで、平衡が原料側に動いてアルコールの生成反応が抑制されるため、反応器内の温度の上昇は緩やかになり、平衡制約によって反応器内温度はどこかで頭打ちする。一方、触媒反応と分離膜を組み合わせた場合、生成物が系外に抜き出されるため、平衡による制約が弱くなり、反応温度が大幅に上昇しやすかった。
本発明は、上記課題を解決するアルコールの製造方法及び製造装置を提供する。
そこで本発明者らは、この発生した反応熱を反応器から除熱し、その熱を、例えば、原料である水素と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素との加熱に用いることにより、収率を向上させることに加え、アルコールの製造に必要とされるエネルギーを減らすことができ
、工業的に大きな効果が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)少なくとも水素と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素と、を含む原料を触媒の存在下で反応させてアルコールを合成するアルコールの製造装置であって、該製造装置は、ゼオライトを有するアルコール選択透過膜を備えた反応器と、反応熱の少なくとも一部を該反応器から回収する熱回収手段と、該熱回収手段で回収した熱を供給する熱供給手段と、を有するアルコールの製造装置。
(2)前記熱回収手段が熱交換器であり、該熱交換器は、前記反応器内に又は前記反応器に隣接して備えられる、(1)に記載のアルコールの製造装置。
(3)前記熱供給手段が熱交換器である、(1)又は(2)に記載のアルコールの製造装置。
(4)前記アルコール選択透過膜のメタノール/水素の透過係数比が10以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載のアルコール製造装置。
(5)少なくとも水素と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素と、を含む原料を触媒の存在下で反応させてアルコールを合成する合成ステップ、を有するアルコールの製造方法であって、
得られたアルコールを反応器内においてゼオライトを有するアルコール選択透過膜を用いて分離回収する分離回収ステップ、及び合成ステップで生じる反応熱の少なくとも一部を反応器から回収する熱回収ステップ、を含み、該分離回収ステップと熱回収ステップとが並行して行われる、アルコールの製造方法。
(6)前記合成ステップにおいて、反応器内の温度を200℃以上300℃以下に制御する、(5)に記載のアルコールの製造方法。
(7)前記熱回収ステップで回収された反応熱の少なくとも一部を、反応器内に導入する前の水素、一酸化炭素及び二酸化炭素から選ばれる1種以上の原料を加熱するために供給する供給ステップ、を有する、(5)又は(6)に記載のアルコールの製造方法。
(8)前記触媒の体積に対する、アルコール選択透過膜の面積の比が、5m/m以上150m/m以下である、(5)〜(7)のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
本発明によれば、反応器内の温度が上がりすぎないので、ゼオライトへのダメージが少なく、ゼオライト膜の分離能力が長時間維持できる。また、この平衡反応は高温でアルコール生成量が減るので、反応器内の温度が上がりすぎず、収率を維持することができる。また、原料である水素と一酸化炭素及び/又は二酸化炭素は、触媒に供給される前にある程度加熱する必要があり、好ましい形態により原料に回収した熱を供給することで、系全体のエネルギー効率が向上する。
本発明の一実施形態に係る製造プロセスの概略を示すフローチャートである。 熱交換器を有する反応器の一形態を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る製造プロセスの概略を示すフローチャートである。 比較例の形態に係る製造プロセスの概略を示すフローチャートである。 比較例の形態に係る製造プロセスの概略を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る製造プロセスの概略を示すフローチャートである。
以下に本発明を実施するための代表的な態様を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の態様に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態は、少なくとも水素と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素と、を含む原料を触媒の存在下で反応させてアルコールを合成するアルコールの製造装置であって、該製造装置は、ゼオライトを有するアルコール選択透過膜を備えた反応器と、反応熱の少なくとも一部を該反応器から回収する熱回収手段と、該熱回収手段で回収した熱を供給する熱供給手段と、を有する。
原料ガスに含まれる水素(H)と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素(併せてCOとも称する。)との含有割合は特段限定されないが、H:COが体積比で通常4:6〜9:1であり、好ましくは5:5〜8:2である。
原料ガスには、HとCO以外のガスを含んでいてもよい。HとCO以外のガスとしては、CH、C、C、C、C、C、C10、HOなどが挙げられるが、HとCO以外のガスの含有量は通常50体積%以下である。
予熱された原料は反応器に導入され、反応器中に設置された触媒により、アルコール類に合成される。アルコール類は炭素数1〜4の低級アルコールであってよく、好ましくは炭素数1〜3のアルコールであり、最も好ましくはメタノールである。
原料ガスからアルコールを製造する際に用いられる触媒は、既知の触媒を用いることができ、例えば銅系触媒(銅−亜鉛系触媒、銅−クロム系触媒)、亜鉛系触媒、クロム系触媒、アルミニウム系触媒、などが挙げられる。
触媒によるアルコールの合成は、平衡反応である。この平衡反応では主に次の3つの反応が生じ、アルコール(メタノール)が生成する。
3H+CO → CHOH+HO ・・・式1
2H+CO → CHOH ・・・式2
CO+H → CO+ HO ・・・式3
アルコールを合成する反応中に、ゼオライトを有するアルコール選択透過膜を用いてアルコール(上記式ではメタノール)を取り出すことにより、アルコールの収率を挙げることができる。
更に本発明では、この反応を行う反応器に、反応熱を回収する手段(熱回収手段)を設ける。これにより、反応器内の過剰な温度上昇を防ぎ、アルコールが分解しやすい方向に反応が動くことを抑制する。このためには反応器内の温度を制御することが好ましい。反応器内の温度は、通常200℃以上、好ましくは210℃以上、より好ましくは220℃以上であり、また、通常300℃以下、好ましくは290℃以下、より好ましくは270℃以下である。これらの上限と下限はいずれの組み合わせでもよい。この温度は、反応器内のガスの温度であり、反応器から出てくる、未反応の原料ガスとアルコールの混合気の温度を測定することにより、測定することができる。
反応熱を回収する手段は、特に限定されないが、熱交換器、スチーム発生器等を使用することができる。
アルコール選択透過膜を透過して分離されたアルコール中には、原料がどうしても混じってしまうため、アルコール選択透過膜を透過したアルコールの温度を下げてアルコールを液化させ、未反応の原料である水素、二酸化炭素及び/又は一酸化炭素と分離させる。
また、反応器には、アルコール選択透過膜を通過しないラインを設けてもよく、このラインにも未反応原料とアルコールが出てくるため、アルコール選択透過膜を通過したガス同様に、温度を下げてアルコールを液化させ、未反応の原料である水素、二酸化炭素及び/又は一酸化炭素と分離させる。このプロセスは気液分離になり、気液分離の温度は、得られるアルコールにより異なるが、メタノールの場合、通常60℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下である。
こうして回収された未反応原料は、新たな原料と混合され、再び予熱されて反応器に導入される。反応器内に導入する前の原料の予熱手段は特段限定されないが、前記反応熱を回収する熱回収手段で得た熱エネルギーを用いて原料を予熱することにより、効率的に熱エネルギーを利用できる。
また、回収した熱エネルギーの用途としては、原料の予熱の他に、生成物の精製のための加熱、生成物を次のプロセスに適した温度にするための加熱、プロセスで使用するスチームの発生、発生させたスチームを用いた発電などが挙げられる。
本発明においては、熱回収手段で得たエネルギーを、上に例示したような形でプロセスに利用することをまとめて熱供給手段と呼ぶ。
(装置の説明)
本実施形態の装置の一例を、図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態における反応器の一例を示す断面模式図である。
反応器10は、原料フィード入口a、透過ガス出口b、非透過ガス出口cを有しており、アルコール生成反応が高温高圧で行われるため、そのような環境に耐え得る材料からなる。入口a、出口b及び出口cは図中1つのみ存在するが、複数存在してもよい。
反応器10内には、アルコール選択透過膜であるゼオライト膜複合体1が設置される。アルコール選択透過膜は、アルコールを選択的に透過できれば特段その種類は限定されないが、典型的にはゼオライト膜が用いられることが多い。ゼオライト膜複合体については、詳細を後述する。
ゼオライト膜複合体1は、多孔質支持体上にゼオライト膜が形成されることで複合体となる。多孔質支持体の形状は管状のみに限定されず、柱状、中空の柱状であってもよく、中空のハニカム形状であってもよい。ゼオライト膜複合体1の一端はキャップ2により密封される。そして別の一端は配管3と接続される。配管3とゼオライト複合体1との接続、及びキャップ2とゼオライト複合体1との接続は、後述する接合材により接合される。ゼオライト膜複合体の接続法は上記に限定されず、例えば両端を配管と接続し、内側にガスを流通できるようにしてもよい。
管状であるゼオライト膜複合体1の周囲には、触媒13が配置される。フィード入口aからフィードされた原料ガスは、触媒13との接触によりアルコール生成が促進される。そして生成されたアルコールがゼオライト膜複合体1のゼオライト膜を透過することで、より純度の高いアルコールを得ることができる。さらに、アルコールがゼオライト複合体1を選択的に透過することで、触媒13と接触するガス中のアルコール濃度が低下し、アルコールの生成が促進される。
配管3の別の端部は、反応器の透過ガス出口bに接続され、ゼオライト膜複合体1のゼオライト膜を透過したアルコールを透過ガス出口bへと移送する。なお、ゼオライト膜複合体1は、配管3を介さずに、直接反応器の透過ガス出口bと接続してもよい。
本実施形態においては、この反応器10より、反応熱の少なくとも一部を反応器内から回収する熱回収手段である熱交換器101が設けられている。熱回収手段は典型的には熱交換器が用いられる。熱回収手段は複数存在していてもよい。熱回収する手段は、反応器10の内部に設けてもよく、反応器10と隣接して設けてもよい。
アルコール選択透過膜は、無機酸化物を主成分とし、線膨張率が30×10−7/K以上、90×10−7/K以下である接合材によって、緻密部材と接合されることが好ましい。
無機酸化物としては、無機接着剤として使用できるものを適宜選択することができる。また、無機ガラスであってもよい。無機酸化物としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ、マグネシア、などが挙げられる。無機ガラスとしては、SiO、Al、ZnO、P、Bi、BaO、TiO、TeO、V、B、SnOなどを成分として含むものが挙げられ、鉛フリーガラスであることが好ましい。
なお、主成分とは、接合材を構成する全成分のうち最も含有量(質量)が多い成分を意味し、通常全成分中50質量%以上であり、70質量%以上であってよく、80質量%以上であってよく、90質量%以上であってよい。
接合材は、線膨張率が通常30×10−7/K以上、好ましくは40×10−7/K以上であり、また、通常90×10−7/K以下、好ましくは80×10−7/K以下である。上記範囲内であれば、アルコール選択透過膜と緻密部材との密着性を高め、良好なシール性(気密性)と耐久性を付与することができる。
接合材の線膨張率は、概ね主成分の線膨張率に依存するが、他の添加物を混在させることで調整が可能である。線膨張率を30×10−7/K以上、90×10−7/K以下にするには、主成分としてアルミナ、ジルコニア、シリカ、グラファイト、P、Bi、SnO等を用いるとよい。
接合材は市販品を使用してもよく、例えばスリーボンド社製「TB3732」、東亜合成社製「アロンセラミックD」、「アロンセラミックE」、AGC社製「FP−74」、「KP312E」、「FP−67」、「BNL115BB」、「ASF−1094」、「ASF−1098」、「ASF−1109」、アレムコ社製「セラマボンド552」などが使用できる。
接合材によりアルコール選択透過膜と接合される緻密部材は、反応に供するガスや反応したガスが、部材から漏れることが無い程度の緻密性(機密性)を有する部材であり、管状の部材の端部を封止するキャップ、管状の部材の端部と接続する配管、などがあげられる。このような緻密性を有する部材であれば特に限定されず、典型的には金属が用いられる。ここでいう金属の例としては、ステンレス鋼からなるSUS材、アルミナ、ジルコニアなどのセラミックス、コバールなどの合金、などが含まれる。
本実施形態において緻密部材は、線膨張率が30×10−7/K以上200×10−7/K以下であることが好ましい。緻密部材の線膨張率が上記範囲であることで、接合材の線膨張率との差が小さく、良好な気密性と耐久性を保つことができる。
なお、接合材と緻密部材との線膨張率の差は、50×10−7/K以下であることが好ましく、40×10−7/K以下であることが好ましく、30×10−7/K以下であることがより好ましい。このように接合材と緻密部材との線膨張率の差が小さい場合、接合材の焼結時に、材料の収縮による接合の不具合を抑制できる。
本実施形態のアルコール選択透過膜は、典型的にはゼオライト膜であるが、アルコールを選択的に透過できるものであれば特段限定されず、各種多孔質膜、各種MOF(Metal Organic Framework)などを用いることもできる。
ゼオライト膜は、一形態では、アルミナなどの多孔質支持部材上に形成され、ゼオライト膜複合体として用いられる。
ゼオライト膜を構成する主たるゼオライトは、酸素12員環以下、酸素6員環以上の細孔構造を有するゼオライトを含むものが好ましい。
ここでいう酸素n員環を有するゼオライトのnの値は、ゼオライト骨格を形成する酸素とT元素(骨格を構成する酸素以外の元素)で構成される細孔の中で最も酸素の数が大きいものを示す。例えば、MOR型ゼオライトのように酸素12員環と8員環の細孔が存在する場合は、酸素12員環のゼオライトとみなす。
酸素12員環以下、酸素6員環以上の細孔構造を有するゼオライトとしては、International Zeolite Association (IZA)が定めるコードで、例えば、AEI、AEL、AFI、AFG、ANA、ATO、BEA、BRE、CAS、CDO、CHA、CON、DDR、DOH、EAB、EPI、ERI、ESV、
EUO、FAR、FAU、FER、FRA、HEU、GIS、GIU、GME、GOO、ITE、KFI、LEV、LIO、LOS、LTA、LTL、LTN、MAR、MEP、MER、MEL、MFI、MON、MOR、MSO、MTF、MTN、MTW、MWW、NON、NES、OFF、PAU、PHI、RHO、RTE、RTH、RUT、SGT、OD、STI、STT、TOL、TON、TSC、UFI、VNI、WEI、YUGなどがあげられる。これらの中から選ばれるいずれかであるのが好ましい。
また、本実施形態で特に好適に用いられるゼオライトは、アルコールを選択的に吸着するものが好ましい。ゼオライトが選択吸着することにより、単なる分子篩、つまり単に分子のサイズの差により、篩として分子を透過させるのではなく、選択吸着により、例えばサイズが大きい方の分子を透過させたり、あるいは同程度の大きさのものを分離したりする目的で使用できるものであることがより好ましい。つまりゼオライトの表面への選択吸着により、分離するものであることがより好ましい。このようなゼオライトは、温度が高くなるとその選択吸着能力が弱まってしまうため、本発明の効果がより顕著に発揮される。
アルコールの吸着しやすさは、ゼオライト中のSi/Alのmol比の影響を強く受ける。ゼオライト中のSi/Alのmol比は、通常2以上であり、好ましくは4以上である。また、通常100以下であり、好ましくは50以下である。Si/Alのmol比が小さいと、結晶の安定性が低下し、合成が困難になる。また、Si/Alのmol比が大きいと、アルコールが吸着しにくくなり、分離性能が十分に発揮されない。
ゼオライト中のSi/Alのmol比の測定は、通常知られる分析方法によって可能である。例えば溶解させてICP(誘導結合プラズマ発光分光分析)で測定する方法、EDX(固体のままエネルギー分散型X線分光法)で測定する方法、イオンビームスパッタと組み合わせてXPS(X線光電子分光法)で測定する方法などがあり、膜の形状や支持体の材質によって適した方法を選択することができる。
ゼオライトは可撓性に乏しいため、膜化する場合は、何らかの基板上に支持される形で作成される。支持体は、ガス分子が侵入できる多孔性であり、例えば3次元上に連絡した多数の微細な小孔を有する。
支持体を構成する材質としては、未処理ガスが反応しない化学的に安定で、かつ機械的強度に優れたものであることが好ましく、具体的には、各種アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニアといった酸化物セラミックス、シリコンカーバイド、カーボンやガラスを用いることができる。
支持体の形状は、ゼオライト膜の用途により異なるが、特に円筒形の支持体上のゼオライト膜は、外側からの圧力に対する強度が高く、バッチプロセスや流通プロセス(リサイクルプロセス)等で簡便に用いる上で好適である。
本実施形態では、ゼオライト膜が支持体上に形成されたゼオライト膜複合体を用いることができる。ゼオライト膜複合体は、例えば円筒形の支持体を準備し、まずゼオライトの微結晶を細孔内に担持する。担持する方法は、ディップ法、ラビング法、吸引法、含浸法等を用いることができる。微結晶は、ゼオライト膜を構成する結晶を成長させるときの核の役割を果たし、種結晶ともいう。ゼオライトの成長には、ゼオライト合成時と同様に、水熱合成を用いることができる。
ゼオライト膜複合体におけるゼオライト膜の膜厚は特段限定されないが、通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上であり、また通常50μm以下、好ましくは20μm以下である。膜厚が一定値以上であることにより、十分な緻密性が得られ、膜の選択性が高く保たれる。また膜厚を一定値以下にすることにより、十分なガスの透過量が得られる。
反応器内の触媒層において、原料ガスの流れに沿って上流から下流まで全領域に熱回収手段とアルコール選択透過膜を設置することもできる。また、上流部は熱回収手段のみを設置し、下流部はアルコール選択透過膜と熱回収手段を設置することもできる。
反応器において反応室は1つでもよく、2つ以上に分割してもよい。2つ以上に分割する場合、全ての反応室に熱回収手段とアルコール選択透過膜を設置してもよい。また、上流側の反応室にはアルコール選択透過膜を設置せず、下流側の反応室にのみアルコール選択透過膜を設置してもよい。反応室を2つ以上に分割する場合、発生する熱量が小さい反応室においては、熱回収手段を設置しなくてもよい。
熱回収手段で回収した熱を、プロセスの熱源として使用する方法としては、非透過側及び/または透過側の出口ガスから凝縮成分を回収した後、非凝縮原料を反応器の上流にリサイクルしてもよい。
反応器内のアルコール選択透過膜の設置面積は、単位触媒体積(V)あたりの膜面積(A)の比である、A/V(m/m)を用いて表される。
触媒体積とは、反応器内に充填する触媒の充填体積(m)のことであり、触媒重量(kg)を嵩密度(kg/m)で除した値である。
膜面積(m)とは、反応器内に設置するアルコール選択透過膜のマクロな見かけ上の面積である。例えば、四角い平板型のアルコール選択透過膜であれば、アルコール選択透過膜を直方体に近似し、近似した直方体のうち、アルコール選択透過膜を有する面の面積(縦×横)を膜面積とする。また、例えば円筒形のアルコール選択透過膜であれば、アルコール選択透過膜を円柱に近似し、円柱の側面積(直径×円周率×高さ)を膜面積とする。
反応器を複数に分割する場合、触媒体積及び膜面積は全反応器の値を合算した値とする。単位触媒体積あたりの膜面積A/Vは通常5以上、好ましくは10以上であり、また、通常150以下、好ましくは120以下である。単位触媒体積あたりの膜面積A/Vが小さすぎるとアルコール選択透過膜による転化率の向上効果が十分に得られず、大きすぎると装置コストが増大する。
アルコール選択透過膜の分離選択性は、分離対象物と非分離対象物の透過係数の比で表される。透過係数とは単位膜面積(m)、単位差圧(Pa)、単位時間(s)あたりの
透過物質量(mol)である。なお、ここでいう差圧(Pa)は、ある物質の膜の非透過側の分圧と透過側の分圧の差である。
本明細書において透過係数比は、プロセスと同じ温度において測定した分離対象物の透過係数を、プロセスと同じ温度において測定した非分離対象物の透過係数で除した値のことである。
アルコールと水素の透過係数比(アルコール/水素の透過係数比)は通常10以上、好ましくは20以上、より好ましくは50以上である。アルコールと水素の透過係数比が小さすぎると、透過側への原料のロスが増加し、リサイクルガス量が増加し、消費エネルギーが増大する。
(製造方法の説明)
本発明の別の実施形態は、少なくとも水素と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素と、を含む原料を触媒の存在下で反応させてアルコールを合成する合成ステップ、を含むアルコールの製造方法であって、得られたアルコールを反応器内においてゼオライトを有するアルコール選択透過膜を用いて分離回収する分離回収ステップ、及び合成ステップで生じる反応熱の少なくとも一部を反応器から回収する熱回収ステップ、を含み、該分離回収ステップと熱回収ステップとが並行して行われる、アルコールの製造方法である。
本実施形態では、原料、触媒、アルコール選択透過膜、反応器等は前述のものを用いてよい。本実施形態では、少なくとも水素と、一酸化炭素及び/または二酸化炭素と、を含む原料ガスを、反応器内において触媒の存在下、反応させ、アルコールを得る。その反応条件は特段限定されないが、反応温度は通常200℃以上、好ましくは210℃以上、より好ましくは220℃以上であり、また、通常300℃以下、好ましくは290℃以下、より好ましくは270℃以下である。これらの上限と下限はいずれの組み合わせでもよい。なお、反応温度は反応器内部のガスの温度を意味する。反応温度を上述の下限以上とすることにより反応速度が高まり、生産性が上がる。反応温度を上述の上限以下にすることにより、反応の化学平衡が、アルコールを得るために有利になるため、膜の性能が多少劣っても転化率を高くすることができる。また、接合剤に要求される耐熱性の許容範囲も広がる。
上記反応により得られたアルコールは、分離回収ステップにより、反応器内のアルコール選択透過膜を透過し、反応器の透過ガス出口から回収される。また、分離回収ステップと並行して、アルコール合成で生じる反応熱の少なくとも一部を反応器から回収する熱回収ステップを行う。
該熱回収ステップで回収された反応熱の少なくとも一部を、反応器内に導入する前の水素、一酸化炭素及び二酸化炭素から選ばれる1種以上の原料を加熱するために供給する供給ステップ、を有してもよい。なお、回収された反応熱は、別の用途に用いてもよい。
生成したアルコールを、アルコール選択透過膜に透過させる際の反応器内の圧力、即ち反応器内におけるアルコール選択透過膜のガス供給側の圧力(ゲージ圧)は、1MPaG以上であることが好ましく、2MPaG以上であることがより好ましく、8MPaG以下であることが好ましく、5MPaG以下であることがより好ましい。圧力を適当な範囲にすることで、反応の平衡制約が減り、また反応速度も向上してより高い生産性を達成しやすい。また圧力が高すぎることによる反応器の製造コストや原料ガスの昇圧コスト上昇を抑えられる。
また、反応容器内において、アルコール選択透過膜のガス供給側におけるアルコール分圧(絶対圧)は、0.1MPaA以上であることが好ましく、0.2MPaA以上であることがより好ましく、6MPaA以下であることが好ましく、5MPaA以下であること
がより好ましい。アルコール分圧をこの範囲にすることにより、膜を透過するアルコール量が十分得られ、膜の効果が良く発揮される。一方、この範囲であれば、接合部に要求される耐久性や気密性が必要以上に高くなることなく、簡便かつ大量に接合することができる。
上記反応器内のゲージ圧は、反応器に備えた圧力計から測定できる。また、上記反応器内のアルコールの絶対圧は、反応器の上流から下流にかけて変化するが、ここではガスクロマトグラフィーによる反応器出口ガス組成の分析結果及びゲージ圧から計算した値を反応器内のアルコール絶対圧とする。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲が、以下の実施例で示す態様に限定されないことは言うまでもない。
<実施例1>
水素、一酸化炭素、二酸化炭素の混合ガスからメタノールを合成するプロセスを例に、図1に概略フローを示したプロセスのシミュレーションを実施した。シミュレーションにはASPEN Tech社 ASPEN Plus V8.4、ASPEN Custom Modeler V8.4を使用した。プロセス
条件としては下記を想定した。
原料ガス温度:40℃
原料ガス予熱後温度:230℃
反応温度:250℃
圧力(非透過側):5MPaG
圧力(透過側):0.1MPaG
原料ガス:H、COの混合ガス、100kmol/hr、組成はリサイクルガスと合流後にメタノール合成反応の量論から「H流量=2×CO流量+3×CO流量」の関係を満たす組成
触媒量:2000kg
単位触媒体積あたりの膜面積:37.5m/m
反応器内で起こりうる反応としては下記の3つの平衡反応を想定した。
3H+CO → CHOH+HO ・・・式1
2H+CO → CHOH ・・・式2
CO+H → CO+ HO ・・・式3
それぞれの反応速度式は非特許文献1、2を参考に下記に示した式を用いた。
Figure 2021024801
分離膜の性能は下記の値を用いた。
MeOH及びHOの透過係数:1.0 × 10-6 mol/m2 s Pa
MeOH及びHO以外の成分の透過係数:1.0 × 10-8 mol/m2 s Pa
プロセスシミュレーションにより、ワンパスでの転化率、回収熱量を求めた。転化率は反応器の入口と出口(非透過側と透過側の合算)のCO及びCO2のmol流量を用いて、式4により計算した。回収熱量は反応器温度を250℃に保つために必要な除熱量とした。
転化率(%)=100−(出口CO mol流量+出口CO2 mol流量)/(入口CO mol流量+入口CO2 mol流量)×100 ・・・式4
<実施例2>
図3に示したように、1つめの反応器内で反応と熱回収のみを行い、2つ目の反応器内
でと反応と膜分離と熱回収を並行して行うプロセスとした以外は、実施例1と同様のシミュレーションにより転化率と回収熱量を求めた。なお、触媒は合計量を実施例1と等しくし、2つの反応器に等分した。また、膜面積は合計の触媒体積を基準とし、実施例1と同
一の面積とした。
<比較例1>
図4に示したように、反応器内で反応と熱回収のみを行う(単位触媒体積あたりの膜面積が0m/mである)プロセスとし、透過側のフローをなくした以外は、実施例1と同様のシミュレーションにより転化率と回収熱量を求めた。
<比較例2>
図5に示したように、1つめの反応器内で反応と熱回収を行い、2つ目の反応器内で膜分離のみを行い、3つ目の反応器で反応と熱回収のみを行うプロセスとした以外は、実施例1と同様のシミュレーションにより転化率と回収熱量を求めた。なお、触媒は合計量を実施例1と等しくし1つ目と3つ目の反応器に等分した。また、膜面積は合計の触媒体積を基準とし、実施例1と同一の面積を2つ目の反応器に設置することとした。
表1に示したように反応と膜分離と熱回収を並行して行うプロセスにおいて、転化率が高く、回収できる熱量も大きい結果となった。
Figure 2021024801
<参考例1>
図1において、熱回収を行わない以外は実施例と同一のプロセスを想定し、反応熱が触媒層の温度上昇に使用されると想定し、反応器温度を試算した。しかし、膜の耐熱温度を超えても反応器温度が収束しなかった。
<実施例3>
圧力(非透過側)を3 MPaG、原料ガス組成をH2/CO=2/1, 原料ガス流量を 75 kmol/hrとした以外は実施例1と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<実施例4>
MeOH及びHO以外の成分の透過係数を5.0 × 10-8 mol/m2 s Paとした以外は実施例3と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<実施例5>
MeOH及びHO以外の成分の透過係数を1.0 × 10-7 mol/m2 s Paとした以外は実施例3と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<比較例3>
分離膜を用いないプロセスを想定し、単位触媒体積あたりの膜面積を0m/mとした以外は実施例3と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
表2に示したように、透過係数の比によらず、分離膜を用いた場合において、分離膜を用いない場合と比べて高い転化率を示す結果となった。
Figure 2021024801
<実施例6>
図6に概略フローを示した、リサイクルを含まないプロセスのシミュレーションを実施
した。プロセス条件としては下記を想定した。
反応温度:250℃
圧力(非透過側):5 MPaG
圧力(透過側):0.1 MPaG
原料ガス:H2/CO2=3/1、流量100kmol/hr
触媒量:2000 kg
単位触媒体積あたりの膜面積:20 m2/m3
想定する反応及び反応速度式、分離膜の性能は実施例1と同じ値を用い、シミュレーションにより転化率を求めた。
<実施例7>
反応温度を210℃とした以外は、実施例6と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<実施例8>
反応温度を230℃とした以外は、実施例6と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<実施例9>
反応温度を270℃とした以外は、実施例6と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<実施例10>
反応温度を290℃とした以外は、実施例6と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<比較例4>
分離膜を用いないプロセスを想定し、単位触媒体積あたりの膜面積を0m/mとした以外は実施例6と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<比較例5>
分離膜を用いないプロセスを想定し、単位触媒体積あたりの膜面積を0m/mとした以外は実施例7と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<比較例6>
分離膜を用いないプロセスを想定し、単位触媒体積あたりの膜面積を0m/mとした以外は実施例8と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<比較例7>
分離膜を用いないプロセスを想定し、単位触媒体積あたりの膜面積を0m/mとした以外は実施例9と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<比較例8>
分離膜を用いないプロセスを想定し、単位触媒体積あたりの膜面積を0m/mとした以外は実施例10と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
表3に示したように、いずれの温度においても分離膜を用いた場合において、分離膜を用いない場合と比べて高い転化率を示す結果となった。
Figure 2021024801
<実施例11>
単位触媒体積あたりの膜面積を5m/mとした以外は、実施例6と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<実施例12>
単位触媒体積あたりの膜面積を10m/mとした以外は、実施例6と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
<実施例13>
単位触媒体積あたりの膜面積を50m/mと、触媒量を1000kgとした以外は、実施例6と同様のシミュレーションにより転化率を求めた。
表4に示したように、単位触媒体積あたりの膜面積によらず、分離膜を用いた場合にお
いて、分離膜を用いない場合と比べて高い転化率を示す結果となった。
Figure 2021024801
1 ゼオライト膜複合体
2 キャップ
3 配管
10 反応器
13 触媒
101 熱交換器

Claims (8)

  1. 少なくとも水素と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素と、を含む原料を触媒の存在下で反応させてアルコールを合成するアルコールの製造装置であって、
    該製造装置は、ゼオライトを有するアルコール選択透過膜を備えた反応器と、反応熱の少なくとも一部を該反応器から回収する熱回収手段と、該熱回収手段で回収した熱を供給する熱供給手段と、を有するアルコールの製造装置。
  2. 前記熱回収手段が熱交換器であり、該熱交換器は、前記反応器内に又は前記反応器に隣接して備えられる、請求項1に記載のアルコールの製造装置。
  3. 前記熱供給手段が熱交換器である、請求項1又は2に記載のアルコールの製造装置。
  4. 前記アルコール選択透過膜のメタノール/水素の透過係数比が10以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルコール製造装置。
  5. 少なくとも水素と、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素と、を含む原料を触媒の存在下で反応させてアルコールを合成する合成ステップ、を有するアルコールの製造方法であって、
    得られたアルコールを反応器内においてゼオライトを有するアルコール選択透過膜を用いて分離回収する分離回収ステップ、及び
    合成ステップで生じる反応熱の少なくとも一部を反応器から回収する熱回収ステップ、を含み、
    該分離回収ステップと熱回収ステップとが並行して行われる、アルコールの製造方法。
  6. 前記合成ステップにおいて、反応器内の温度を210℃以上290℃以下に制御する、請求項5に記載のアルコールの製造方法。
  7. 前記熱回収ステップで回収された反応熱の少なくとも一部を、反応器内に導入する前の水素、一酸化炭素及び二酸化炭素から選ばれる1種以上の原料を加熱するために供給する供給ステップ、を有する、請求項5又は6に記載のアルコールの製造方法。
  8. 前記触媒の体積に対する、アルコール選択透過膜の面積の比が、5m/m以上150m/m以下である、請求項5〜7のいずれか1項に記載のアルコールの製造方法。
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