JP2021024324A - シャッター装置 - Google Patents

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明宏 前田
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Abstract

【課題】フレームの破損を防止することのできるシャッター装置を提供する。【解決手段】シャッター装置10は、内側を空気が通過するフレーム100と、開閉動作を行うことで、フレーム100の内側を通過する空気の流れを調整するブレード200と、フレーム100に保持された状態で、ブレード200を開閉動作させるための駆動力を発生させるアクチュエータ300と、を備える。フレーム100には、一部がアクチュエータ300に当接することによりアクチュエータ300を保持している保持面、が形成されている。シャッター装置10は、アクチュエータ300が駆動力を発生させると、保持面のうち、アクチュエータ300に当接している部分の面積が増加するように構成されている。【選択図】図6

Description

本開示は、空気の流れを調整するシャッター装置に関する。
車両の前方側部分にあるエンジンルームには、フロントグリルから空気が導入される。当該空気は、ラジエータにおける放熱や、空調装置の凝縮器における放熱等のために用いられる。
しかしながら、例えば高速走行時や冬期においては、導入される空気によってエンジンルームが冷却され過ぎてしまい、車両の燃費効率を低下させてしまうことがある。特に、例えばプラグインハイブリッド車両のように、内燃機関からの発熱量が小さい車両においては、エンジンルームを保温しておく必要性が大きい。また、車両の空気抵抗を抑制するために、エンジンルームへの空気の導入を一時的に抑制した方が好ましい場合もある。
そこで、車両の前方側部分には、エンジンルームに導入される空気の流れを調整するためのシャッター装置が設けられる。シャッター装置は、例えば複数のブレードのような、空気の流れを調整する開閉部を備えており、開閉部が開閉動作することで、シャッター装置を通過する空気の流れが調整される。開閉部は、フレームによって保持されている。シャッター装置は更に、開閉部を開閉動作させるための駆動力を発生させるアクチュエータを備えている。下記特許文献1に記載されているように、アクチュエータは、フレームの外側部分において保持されていることが多い。
仏国特許出願公開第3056464号明細書
上記特許文献1に記載されているシャッター装置では、アクチュエータは、樹脂製のフレームの一部に対して嵌め込まれており、ボルトなどの締結部材を用いることなく保持されている。このような構成においては、アクチュエータによる開閉部の開閉動作が行われると、アクチュエータは、フレームに保持された状態のまま、フレームに対する相対的な位置や向きを僅かに変化させる。このため、フレームのうちアクチュエータを保持している部分においては、アクチュエータに当接している部分の面積が、駆動時においては当初の面積よりも小さくなってしまうことがある。
アクチュエータの位置や向きが上記のように変化した状態においては、フレームのうちアクチュエータを保持している部分には応力が生じている。このとき、アクチュエータに当接している部分の面積が上記のように小さくなると、当該部分において単位面積あたりに生じる応力は比較的大きくなってしまう。このため、アクチュエータが繰り返し動作すると、応力によってフレームの一部が破損してしまう可能性もある。
本開示は、フレームの破損を防止することのできるシャッター装置を提供することを目的とする。
本開示に係るシャッター装置は、空気の流れを調整するシャッター装置(10)であって、内側を空気が通過するフレーム(100)と、開閉動作を行うことで、フレームの内側を通過する空気の流れを調整する開閉部(200)と、フレームに保持された状態で、開閉部を開閉動作させるための駆動力を発生させるアクチュエータ(300)と、を備える。フレームには、一部がアクチュエータに当接することによりアクチュエータを保持している保持面(121,151)、が形成されている。このシャッター装置は、アクチュエータが駆動力を発生させると、保持面のうち、アクチュエータに当接している部分の面積が増加するように構成されている。
このような構成のシャッター装置では、フレームに形成された保持面の一部が、アクチュエータに当接することによりアクチュエータを保持している。このシャッター装置は、アクチュエータが駆動力を発生させると、保持面のうち、アクチュエータに当接している部分の面積がそれまでよりも増加するように構成されている。このため、保持面のうちアクチュエータに当接している部分において生じる、単位面積当たりの応力を、従来に比べて低減することができる。その結果、ボルトなどの締結部材を用いることなくアクチュエータをフレームで保持している構成としながらも、フレームの破損を防止することが可能となる。
本開示によれば、フレームの破損を防止することのできるシャッター装置が提供される。
図1は、本実施形態に係るシャッター装置が車両に搭載されている状態を模式的に示す図である。 図2は、本実施形態に係るシャッター装置の構成を模式的に示す図である。 図3は、本実施形態に係るシャッター装置のうち、アクチュエータ及びその近傍の構成を示す図である。 図4は、本実施形態に係るシャッター装置が備えるフレームのうち、アクチュエータを保持する部分の構成を示す図である。 図5は、本実施形態に係るシャッター装置が備えるフレームのうち、突出部の構成を模式的に示す図である。 図6は、本実施形態に係るシャッター装置が備えるフレームのうち、突出部の構成を模式的に示す図である。 図7は、本実施形態の変形例に係るシャッター装置が備えるフレームのうち、ガイド部の構成を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本実施形態に係るシャッター装置10は、車両MVに搭載される装置であって、車両MVのエンジンルームに流入する空気の流れを調整するための装置として構成されている。図1に示されるように、車両MVの前方側部分にあるエンジンルームには、シャッター装置10と、ラジエータ20と、凝縮器30とが配置されている。シャッター装置10、ラジエータ20、及び凝縮器30は、モジュール化されており、これらの全体が1つの「熱交換ユニット」として構成されている。この熱交換ユニットは、車両MVのうち前方側部分、具体的には、車両MVのフロントグリルに設けられた開口OPの後方側となる位置に搭載されている。
尚、シャッター装置10が搭載される車両MVは、本実施形態では不図示の内燃機関の駆動力によって走行する車両なのであるが、車両MVの種類は特に限定されない。例えば、車両MVは、内燃機関及び回転電機の両方の駆動力によって走行するハイブリッド車両であってもよく、回転電機のみの駆動力によって走行する電動車両でもよい。
ラジエータ20は、空気と冷却水との間で熱交換を行うための熱交換器である。ラジエータ20と不図示の内燃機関との間では冷却水が循環している。内燃機関を通り高温となった冷却水は、ラジエータ20を通る際に空気との熱交換によって冷却され、その温度を低下させる。低温となった冷却水は、再び内燃機関に供給され、内燃機関の冷却に供される。尚、ラジエータ20を通る冷却水によって冷却されるのは、本実施形態のように内燃機関であってもよいが、例えばインバータのような、内燃機関以外の装置であってもよい。
凝縮器30は、空気と空調用冷媒との間で熱交換を行うための熱交換器である。凝縮器30は、不図示の空調装置を構成する冷凍サイクルの一部として構成されている。凝縮器30では空調用冷媒から空気への放熱が行われる。凝縮器30は、空気の流れる方向、すなわち開口OPから後方側へと向かう方向に沿って、ラジエータ20よりも上流側となる位置に配置されている。開口OPから車両MVのエンジンルームに流入した空気は、凝縮器30及びラジエータ20を順に通って、それぞれの熱交換器において熱交換に供される。
シャッター装置10は、凝縮器30及びラジエータ20を通過する空気の流量を調整するための装置である。シャッター装置10は、上記のように空気の流れる方向に沿って、ラジエータ20と凝縮器30との間となる位置において保持されている。尚、シャッター装置10は、本実施形態とは異なる場所に設置されていてもよい。例えば、凝縮器30よりもさらに前方側となる位置や、ラジエータ20よりも更に後方側となる位置に、シャッター装置10が配置されている態様であってもよい。また、熱交換ユニットが備える熱交換器の数は、1であってもよく、3以上であってもよい。
シャッター装置10の構成について、図2を参照しながら説明する。図2に示されるように、シャッター装置10は、フレーム100と、ブレード200と、アクチュエータ300と、を備えている。
フレーム100は、全体が樹脂により形成された矩形の枠体である。車両MVの前方側から見た場合におけるフレーム100の外形は、ラジエータ20や凝縮器30のうち、空気が通過する部分の外形と概ね等しい。
ブレード200は、上下方向に沿って伸びる細長い板状の部材であって、シャッター装置10において複数設けられている。ブレード200は、車両MVの左右方向に沿って並ぶように配置されており、フレーム100によってその内側部分で支持されている。それぞれのブレード200は、上下方向に沿った回転軸の周りにおいて回転自在な状態で支持されている。ブレード200は上記のように回転することにより、それぞれのブレード200の間に隙間が形成されている開状態と、それぞれのブレード200の端部同士が当接し、間に隙間が形成されていない閉状態と、を切り替えることができる。つまり、ブレード200の回転動作は、フレーム100の内側の流路を開閉するための開閉動作に該当する。このように、複数のブレード200は、開閉動作を行うことで、フレーム100の内側を通過する空気の流れを調整するためのものであり、本実施形態における「開閉部」に該当するものである。
このようなブレード200の開閉動作は、次に説明するアクチュエータ300と、不図示の動力伝達機構によって実現される。上記の開状態においては、熱交換ユニットを空気が通過して流れる。これにより、ラジエータ20及び凝縮器30のそれぞれにおいて熱交換が行われる。一方、上記の閉状態においては、熱交換ユニットを通過する空気の流れがシャッター装置10のブレード200によって遮断される。このため、ラジエータ20及び凝縮器30のそれぞれにおいて熱交換は殆ど行われなくなる。
アクチュエータ300は、それぞれのブレード200を上記のように回転させるための駆動力を発生させる回転電機である。つまり、アクチュエータ300は、開閉部を開閉動作させるための駆動力を発生させる。図2に示されるように、アクチュエータ300は、フレーム100のうち上方側の部分によって保持されている。アクチュエータ300には、不図示の制御装置から制御信号が送信される。アクチュエータ300は、当該制御信号に応じて駆動力を発生させ、上記のような開状態と閉状態とを切り替える。
図3には、シャッター装置10のうちアクチュエータ300及びその近傍部分の構成が斜視図として示されている。図4には、図3に示される部分からアクチュエータ300を取り外した状態の構成が斜視図として示されている。
図3及び図4に示されるように、フレーム100のうちアクチュエータ300が取り付けられる部分には、突出部110と、第1ガイド部130と、第2ガイド部140と、第3ガイド部150と、がそれぞれ形成されている。
突出部110は、フレーム100のうちアクチュエータ300が設置される設置面から、更に上方側に向かって突出するように形成された部分である。本実施形態では、フレーム100には、車両MVの前後方向に沿って並ぶように2つの突出部110が形成されている。突出部110は、後に説明する第2ガイド部140や第3ガイド部150と共に、アクチュエータ300の周囲を囲むように突出している。
突出部110には爪120が形成されている。爪120は、突出部110の上端部から、内側、すなわち上面視においてアクチュエータ300側に向かって突出している。突出部110において爪120が形成されている位置は、アクチュエータ300よりも僅かに上方側の高さとなる位置である。上面視においては、爪120の一部がアクチュエータ300と重なっている。図3のようにアクチュエータ300が取り付けられているときにおいては、それぞれの爪120の一部が、アクチュエータ300の上面301に対して上方側から当接している。
このため、突出部110の突出方向、すなわち上下方向に沿ってアクチュエータ300が移動し、アクチュエータ300がフレーム100から外れてしまうことは、爪120によって防止されている。このような爪120は、全ての突出部110に形成されていてもよいのであるが、一部の突出部110にのみ形成されていてもよい。
第1ガイド部130は、上記の突出部110と同様に、フレーム100のうちアクチュエータ300が設置される設置面から、更に上方側に向かって突出するように形成された部分である。図4に示されるように、本実施形態では3つの第1ガイド部130が形成されている。それぞれの第1ガイド部130は円柱形状となっており、その中心軸は上下方向に沿っている。
図3に示されるように、それぞれの第1ガイド部130は、アクチュエータ300に形成された挿通穴310に対し下方側から挿通されている。これにより、アクチュエータ300が、水平方向に沿って移動しフレーム100から外れてしまうことが防止されている。このように、第1ガイド部130は、アクチュエータ300に挿通される棒状の部分として形成されている。
第2ガイド部140は、上記の突出部110と同様に、フレーム100のうちアクチュエータ300が設置される設置面から、更に上方側に向かって突出するように形成された部分である。図4に示されるように、本実施形態では第2ガイド部140は1つだけ形成されており、車両MVの右側でアクチュエータ300と隣り合う位置に形成されている。第2ガイド部140の形状は概ね平板状となっている。第2ガイド部140のうちアクチュエータ300と対向する部分は、平坦面141となっている。図3のようにアクチュエータ300が取り付けられているときにおいては、平坦面141はアクチュエータ300の側面に当接している。
第3ガイド部150は、上記の突出部110と同様に、フレーム100のうちアクチュエータ300が設置される設置面から、更に上方側に向かって突出するように形成された部分である。第3ガイド部150は、突出部110と同様に、車両MVの前後方向に沿って並ぶように2つ形成されている。それぞれの第3ガイド部150の形状は概ね平板状となっている。第3ガイド部150のうちアクチュエータ300と対向する部分は、平坦面151となっている。図3のようにアクチュエータ300が取り付けられている際においては、平坦面151はアクチュエータ300の側面302に当接している。
第1ガイド部130、第2ガイド部140、及び第3ガイド部150は、突出部110と共に、アクチュエータ300の周囲を囲むように形成されている。このため、第1ガイド部130等は、本実施形態における「突出部」の一つということもできる。
図4に示されるように、突出部110、第1ガイド部130、第2ガイド部140、及び第3ガイド部150に囲まれた内側の部分では、被駆動軸350が下方側から突出している。被駆動軸350は、アクチュエータ300の駆動力を、それぞれのフレーム100に伝達するための動力伝達機構の一部である。被駆動軸350には、アクチュエータ300が備える不図示の出力軸が上方側から接続される。
シャッター装置10の製造時において、フレーム100にアクチュエータ300を組み付ける際には、アクチュエータ300の挿通穴310に、それぞれの第1ガイド部130を下方側から挿通させながら、アクチュエータ300を下方側へと移動させる。その際、アクチュエータ300の側面を、平坦面141や平坦面151に当接させた状態を維持しながら、アクチュエータ300を下方側へと移動させて行く。これにより、アクチュエータ300の組付け時における下方側への移動が、第1ガイド部130、第2ガイド部140、及び第3ガイド部150のそれぞれによって案内されることとなる。第1ガイド部130、第2ガイド部140、及び第3ガイド部150は、本実施形態における「ガイド部」に該当する。
尚、突出部110にもこのような機能を持たせることとしてもよい。この場合、突出部110も、第2ガイド部140等と同様の「ガイド部」として機能することとなる。
突出部110に形成された爪120の具体的な構成について説明する。図5には、アクチュエータ300の上面301を爪120が押さえている状態が、模式的に示されている。尚、図5に示されるのは、アクチュエータ300による駆動力が生じていないときの、爪120の状態となっている。
同図に示されるように、爪120はその下方側において面121を有している。面121は、突出部110が突出する突出方向に沿って、アクチュエータ300と対向する部分に形成された面、ということができる。面121は、フレーム100の一部であって、アクチュエータ300に当接することによりアクチュエータ300を保持している面となっている。このような面121は、本実施形態における「保持面」に該当する。
面121は、水平面に対して傾斜した面となっている。具体的には、面121は、爪120の先端側に行くほど下方側に向かうように傾斜している。このため、面121のうちアクチュエータ300の上面301に当接しているのは、爪120の先端部のみとなっている。つまり、面121は、アクチュエータ300の上面301に対して概ね線接触している。
ところで、アクチュエータ300による駆動力が生じ、フレーム100を回転させる際には、樹脂製のフレーム100では弾性変形が生じる。また、アクチュエータ300は、駆動力の反力を受けてその位置や向きを僅かに変化させる。ここでいうアクチュエータ300の「位置」や「向き」とは、フレーム100に対する相対的な位置や向きのことである。図3には、このようにフレーム100の動きく方向が矢印AR1、AR2、AR3で示されている。
矢印AR1は、アクチュエータ300の出力軸(不図示)が回転したことで生じる反力により、アクチュエータ300が回転動作する場合の動作方向の例を示している。矢印AR2は、アクチュエータ300の出力軸が一方側に回転し、フレーム100が弾性変形したことにより、アクチュエータ300の後方側部分が上方側に向けて移動する場合の動作方向の例を示している。矢印AR3は、アクチュエータ300の出力軸が上記と反対の他方側に回転し、フレーム100が弾性変形したことにより、アクチュエータ300の前方側部分が上方側に向けて移動する場合の動作方向の例を示している。
本実施形態では、フレーム100に対するアクチュエータ300の固定は、ボルトなどの締結部材を用いることなく、爪120によって行われている。アクチュエータ300の固定が強固には行われていないので、上記のようなアクチュエータ300の移動が比較的生じやすくなっている。ブレード200が回転して可動範囲の限界まで到達した直後においては、アクチュエータ300の移動が特に生じやすい。
アクチュエータ300の駆動力が生じていない状態において、爪120の面121が上面301と平行となるように構成し、面121の略全体をアクチュエータ300に当接させておくことも考えられる。しかしながら、このような構成においては、アクチュエータ300の駆動力が生じると、面121のうちアクチュエータ300に当接している部分の面積が、アクチュエータ300の移動に伴って変化し、当初の面積よりも小さくなってしまうことがある。
アクチュエータ300の駆動力が生じ、アクチュエータ300の位置や向きが変化した状態においては、爪120やその近傍には応力が生じる。このとき、アクチュエータ300に当接している部分の面積が上記のように小さくなると、当該部分において単位面積あたりに生じる応力は比較的大きくなってしまう。このため、アクチュエータ300が繰り返し動作すると、応力によって爪120の一部が破損してしまう可能性もある。
そこで、本実施形態においては、爪120の面121を当初から傾斜させておき、アクチュエータ300の上面301に対して概ね線接触させておくこととしている。これについて、図6を参照しながら説明する。
図6(A)に示されるのは、アクチュエータ300の駆動力が生じていない状態、すなわち図5に示されるのと同じ状態における爪120等の様子である。先に述べたように、アクチュエータ300の駆動力が生じていないときにおいては、面121のうちアクチュエータ300の上面301に当接しているのは、爪120の先端部のみとなっている。
図6(B)に示されるのは、アクチュエータ300の駆動力が生じ、アクチュエータ300の相対的な移動量が最大となった状態における爪120等の様子である。この状態においては、アクチュエータ300が、図6(A)の状態から矢印AR4に示される方向に移動している。その結果、爪120の面121と、アクチュエータ300の上面301とが概ね平行となっており、両者は面接触している。このため、保持面である面121のうち、アクチュエータ300に当接している部分の面積は、図6(A)に示される当初の面積よりも増加している。このため、図6(B)の状態においては、爪120やその近傍には応力が生じているのであるが、当接部分における単位面積当たりの応力は比較的小さくなっている。
その結果、シャッター装置10は、ボルトなどの締結部材を用いることなくアクチュエータ300をフレーム100で保持している構成としながらも、当接部分で生じる単位面積当たりの応力を低減することで、フレーム100の破損を防止することが可能となっている。
以上のように、本実施形態に係るシャッター装置10では、アクチュエータ300が駆動力を発生させると、保持面である面121のうち、アクチュエータ300に当接している部分の面積が増加するように構成されている。具体的には、アクチュエータ300の駆動力が生じ、アクチュエータ300の相対的な移動量が最大となったときにおいて、爪120の面121がアクチュエータ300の上面301と並行となるように、面121が当初から傾斜した状態とされている。これにより、当接部分で生じる単位面積当たりの応力を低減している。
このような「保持面」として機能させるのは、面121とは別の面であってもよい。本実施形態の変形例について、図7を参照しながら説明する。この変形例では、第3ガイド部150の平坦面151が「保持面」となるように構成されている。
図7(A)に示されるのは、アクチュエータ300の駆動力が生じていない状態における第3ガイド部150等の様子である。同図に示されるように、アクチュエータ300による駆動力が生じていないときには、平坦面151は、その法線方向が、車両MVの左右方向に対して傾斜した面となっている。具体的には、平坦面151は、車両MVの左側に行くほど前方側に向かうように傾斜している。一方、アクチュエータ300の側面302は、その法線方向が、車両MVの左右方向に沿った面となっている。このため、平坦面151のうちアクチュエータ300の側面302に当接しているのは、平坦面151のうち右側端部のみとなっている。つまり、平坦面151は、アクチュエータ300の側面302に対して概ね線接触している。
図7(B)に示されるのは、アクチュエータ300の駆動力が生じ、アクチュエータ300の相対的な移動量が最大となった状態における第3ガイド部150等の様子である。この状態においては、アクチュエータ300が、図7(A)の状態から矢印AR5に示される方向に移動している。その結果、第3ガイド部150の平坦面151と、アクチュエータ300の側面302とが概ね平行となっており、両者は面接触している。このため、保持面である平坦面151のうち、アクチュエータ300に当接している部分の面積は、図7(A)に示される当初の面積よりも増加している。このため、図7(B)の状態においては、第3ガイド部150やその近傍には応力が生じているのであるが、当接部分における単位面積当たりの応力は比較的小さくなっている。
その結果、シャッター装置10は、ボルトなどの締結部材を用いることなくアクチュエータ300をフレーム100で保持している構成としながらも、当接部分で生じる単位面積当たりの応力を低減することで、フレーム100の破損を防止することが可能となっている。
このように、ガイド部である第3ガイド部150のうち、アクチュエータ300と対向する部分に形成された面が、当初から傾斜した保持面となっている構成としてもよい。また、他のガイド部のうちアクチュエータ300と対向する部分に形成された面が、当初から傾斜した保持面となっている構成としてもよい。
以上においては、シャッター装置10が、開閉部として複数のブレード200を備えている例について説明した。しかしながら、開閉部として別の構成を有している態様であってもよい。例えば、開閉部としてスクリーン等を備えていることとしてもよい。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10:シャッター装置
100:フレーム
121:面
151:平坦面
200:ブレード
300:アクチュエータ

Claims (6)

  1. 空気の流れを調整するシャッター装置(10)であって、
    内側を空気が通過するフレーム(100)と、
    開閉動作を行うことで、前記フレームの内側を通過する空気の流れを調整する開閉部(200)と、
    前記フレームに保持された状態で、前記開閉部を開閉動作させるための駆動力を発生させるアクチュエータ(300)と、を備え、
    前記フレームには、
    一部が前記アクチュエータに当接することにより前記アクチュエータを保持している保持面(121,151)、が形成されており、
    前記アクチュエータが駆動力を発生させると、前記保持面のうち、前記アクチュエータに当接している部分の面積が増加するように構成されているシャッター装置。
  2. 前記フレームには、前記アクチュエータの周囲を囲むように突出する複数の突出部(110)が形成されており、
    少なくとも一部の前記突出部には、前記突出部の突出方向に沿って前記アクチュエータが外れてしまうことを防止するための爪(120)が形成されており、
    前記爪のうち、前記突出方向に沿って前記アクチュエータと対向する部分に形成された面(121)が、前記保持面となっている、請求項1に記載のシャッター装置。
  3. 前記フレームには、
    前記アクチュエータの組付け時における移動を案内するためのガイド部(130,140,150)が形成されている、請求項1又は2に記載のシャッター装置。
  4. 前記ガイド部(140,150)は平坦面を有する板状の部分として形成されている、請求項3に記載のシャッター装置。
  5. 前記ガイド部のうち前記アクチュエータと対向する部分に形成された面(151)が、前記保持面となっている、請求項4に記載のシャッター装置。
  6. 前記ガイド部(130)は、前記アクチュエータに挿通される棒状の部分として形成されている、請求項3に記載のシャッター装置。
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