JP2021024084A - 調整装置、調整方法、および、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】主走査の方向を決定するための条件を調整する。【解決手段】条件データによって決定される特定条件が満たされるか否かの判断に基づき、第1決定方法と第2決定方法とから印刷方向を決定する決定方法を選択する。選択された決定方法が正解方法と異なる場合に、正解方法の選択され易さが向上するように条件データを調整する。調整処理は、第1調整処理と第2調整処理との少なくとも一方を実行する。第1調整処理は、正解方法が第1決定方法であり選択された決定方法が第2決定方法である場合に、第1決定方法の選択され易さが向上するように、条件データを調整する。第2調整処理は、正解方法が第2決定方法であり選択された決定方法が第1決定方法である場合に、第2決定方法の選択され易さが向上するように、条件データを調整する。【選択図】 図4

Description

本明細書は、印刷装置に画像を印刷させる技術に関する。
特許文献1には、複数色のインクを用いて、第1方向の主走査、または、反対の第2方向の主走査によって、単位印刷領域(バンド)の印刷を行う印刷装置が開示されている。このような印刷装置が画像を印刷する場合、第1方向の主走査と第2方向の主走査との間でのインクの重なり順序が異なることに起因して、色むら(カラーバンディングとも呼ばれる)が生じ得る。特許文献1では、色むらを抑制するために、バンド領域内の複数のブロック毎に予定インク量に関する指標値を算出し、指標値が閾値よりも大きい場合に、主走査方向を特定の方向に決定する。
特開2012−171143号公報 特開2015−54484号公報
ところで、主走査の方向を決定するための条件を調整することは、容易ではなかった。例えば、色むらが目立ち難い画像が印刷される場合に、主走査の方向が特定の方向に決定される場合がある。また、色むらが目立ち易い画像が印刷される場合に、第1方向の主走査と第2方向の主走査とが行われる場合がある。
本明細書は、主走査の方向を決定するための条件を調整する技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]主走査方向に並んで配置される第1色インクを吐出する第1ノズル群と第2色インクを吐出する第2ノズル群とを有する印刷ヘッドと、印刷媒体に対して前記主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する移動装置と、前記印刷ヘッドに対して前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記印刷媒体を相対移動させる副走査を実行する搬送装置と、を備える印刷装置を制御するための条件データを調整する調整装置であって、前記条件データは、前記主走査方向に沿う第1方向と前記第1方向の反対の第2方向とから選択される印刷方向の前記主走査を行いつつ前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とから前記印刷媒体に向かって前記第1色インクと前記第2色インクとをそれぞれ吐出する部分印刷と、前記副走査と、を前記印刷装置に複数回実行させることによって、前記印刷装置に画像を印刷させる場合に、複数回の前記部分印刷のそれぞれの前記印刷方向を決定するための特定条件を決定するデータであり、前記調整装置は、対象画像データを取得する取得処理と、前記第1方向の前記部分印刷で前記部分画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と前記第2方向の前記部分印刷で前記部分画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色との間の差の評価値である画像評価値が基準以上であることを示す前記特定条件が満たされるか否かを、前記対象画像データの対象画像に含まれる複数個の部分画像のそれぞれについて判断する条件判断処理と、1つ前の前記部分印刷の前記印刷方向と同じ方向に、または、前記1つ前の前記部分印刷の前記印刷方向に拘わらずに前記第1方向に、前記印刷方向を決定する第1決定方法と、前記前回の前記部分印刷の前記印刷方向とは反対の方向に前記印刷方向を決定する第2決定方法とから、前記印刷方向を決定する決定方法を、前記条件判断処理の判断に基づき選択する選択処理と、前記複数個の部分画像のそれぞれの前記選択処理において選択された決定方法が、前記複数個の部分画像のそれぞれの予め決められた正解方法と同じであるか否かを判断する正解判断処理と、前記選択された決定方法が前記正解方法と異なる場合に、前記正解方法の選択され易さが向上するように前記条件データを調整する調整処理と、を実行し、前記調整処理は、前記正解方法が前記第1決定方法であり前記選択された決定方法が前記第2決定方法である場合に、前記第1決定方法の選択され易さが向上するように、前記条件データを調整する第1調整処理と、前記正解方法が前記第2決定方法であり前記選択された決定方法が前記第1決定方法である場合に、前記第2決定方法の選択され易さが向上するように、前記条件データを調整する第2調整処理と、の少なくとも一方を実行する、調整装置。
この構成によれば、選択された決定方法が正解方法と異なる場合に、正解方法の選択され易さが向上するように条件データが調整されるので、条件データを、正解方法に合わせて、調整できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、条件データの調整方法および調整装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)、等の形態で実現することができる。
実施例の画像処理システム1000を示す説明図である。 (A)は、部分領域PAa、PAbとヘッド292の移動方向との説明図である。(B)は、ノズル配列の説明図である。(C)は、インクの重ね順の説明図である。 (A)は、重みテーブル310の説明図である。(B)は、正解データ370の例を示す説明図である。(C)は、判定リストデータ380の例を示す説明図である。 調整処理の例を示すフローチャートである。 複数の部分画像の例を示す説明図である。 決定方法選択処理の例を示すフローチャートである。 第1調整処理の例を示すフローチャートである。 第1調整処理の説明図である。 第2調整処理の例を示すフローチャートである。 第2調整処理の説明図である。 印刷処理の例を示すフローチャートである。 調整処理の別の実施例のフローチャートである。 調整処理の別の実施例のフローチャートである。 (A)は、設定リストデータ390の例を示す説明図である。(B)は、正解データ370aの説明図である。(C)は、判定リストデータ380aの説明図である。 過剰検出個数算出処理の例を示すフローチャートである。 (A)は、印刷実行部の別の実施例の説明図である。(B)は、第2調整処理のフローチャートの一部である。(C)−(E)は、第2閾値Wt2を示すグラフである。 (A)は、条件データの説明図である。(B)は、第1印刷モードと第2印刷モードとの組み合わせの例を示す説明図である。(C)は、調整処理のフローチャートの一部である。(D)は、対象モードと第2閾値Wt2との関係を示すグラフである。 (A)は、条件データの説明図である。(B)は、第1種ブロックと第2種ブロックとの組み合わせの例を示す説明図である。(C)は、決定方法選択処理のフローチャートの一部である。(D)は、第2調整処理のフローチャートの一部である。(E)は、ブロックの種類と第2閾値Wt2との関係を示すグラフである。 (A)は、文字ブロックと非文字ブロックの説明図である。(B)は、文字ブロックと非文字ブロックとを特定する処理の例を示すフローチャートである。 (A)は、内ブロックと端ブロックの説明図である。(B)は、内ブロックと端ブロックとを特定する処理の例を示すフローチャートである。
A.第1実施例:
図1は、実施例の画像処理システム1000を示す説明図である。画像処理システム1000は、データ処理装置100と、複合機200と、を含んでいる。
複合機200は、制御部299と、スキャナ部280と、印刷実行部290と、を有している。制御部299は、プロセッサ210と、記憶装置215と、画像を表示する表示部240と、ユーザによる操作を受け入れる操作部250と、通信インタフェース270と、を有している。これらの要素は、バスを介して互いに接続されている。記憶装置215は、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230と、を含んでいる。
プロセッサ210は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMであり、不揮発性記憶装置230は、例えば、フラッシュメモリである。
不揮発性記憶装置230は、プログラム232、234と、条件データ300と、入力画像データ360と、選択データ365と、正解データ370と、判定リストデータ380と、を格納している。条件データ300は、重みテーブル310と、閾値データ320と、ブロックサイズデータ330と、を含んでいる。プロセッサ210は、プログラム232、234を実行することによって、種々の機能を実現する。プロセッサ210によって実現される機能と、データ300、360、365、370、380と、のそれぞれの詳細については、後述する。プロセッサ210は、プログラム232、234の実行に利用される種々の中間データを、記憶装置(例えば、揮発性記憶装置220、または、不揮発性記憶装置230)に、一時的に格納する。なお、不揮発性記憶装置230には、更に、設定リストデータ390が、格納され得る。設定リストデータ390は、後述する他の実施例で用いられるデータである。
表示部240は、画像を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。操作部250は、ユーザによる操作を受け取る装置であり、例えば、表示部240上に重ねて配置されたタッチパネルである。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示を複合機200に入力可能である。
通信インタフェース270は、他の装置と通信するためのインタフェースである(例えば、USBインタフェース、有線LANインタフェース、IEEE802.11の無線インタフェース)。本実施例では、通信インタフェース270には、データ処理装置100が接続されている。
スキャナ部280は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に原稿等の対象物を読み取ることによって、読み取った画像(「スキャン画像」と呼ぶ)を表すスキャンデータを生成する。スキャンデータは、例えば、カラーのスキャン画像を表すRGBのビットマップデータである。
印刷実行部290は、シアンCとマゼンタMとイエロYとブラックKとのそれぞれのインクを用いて用紙(印刷媒体の一例)上に画像を印刷するインクジェット式の印刷装置である。印刷実行部290は、印刷ヘッド292(単にヘッド292とも呼ぶ)と、移動装置294と、搬送装置296と、装着部297C、297M、297Y、297Kと、印刷実行部290の各要素を制御するように構成された電気回路である制御回路298と、を有している。制御回路298は、コンピュータを含んでよい。装着部297C、297M、297Y、297Kには、シアンCとマゼンタMとイエロYとブラックKとのインクを収容するカートリッジ400C、400M、400Y、400Kが、それぞれ装着される。装着部297C、297M、297Y、297Kは、カートリッジを検出するスイッチ295C、295M、295Y、295Kを、それぞれ備えている。なお、利用可能な複数種類のインクの組み合わせとしては、CMYKに限らず、他の種々の組み合わせ(例えば、シアンCとマゼンタMとイエロY)を採用可能である。
複合機200は、ユーザによって提供された画像データを用いて印刷実行部290に画像を印刷させる機能を有している。また、複合機200は、他の装置(例えば、データ処理装置100)によって供給された印刷データを用いて、印刷実行部290に画像を印刷させる機能を有している。
データ処理装置100は、パーソナルコンピュータである(例えば、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータなど)。データ処理装置100は、CPU等のプロセッサ110と、記憶装置115と、画像を表示する表示部140と、ユーザによる操作を受け入れる操作部150と、通信インタフェース170と、を有している。これらの要素は、バスを介して互いに接続されている。記憶装置115は、DRAM等の揮発性記憶装置120と、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置130と、を含んでいる。不揮発性記憶装置130は、プログラム132を格納している。プロセッサ110は、プログラム132を実行することによって、種々の機能を実現する。プログラム132によって実現される機能の詳細については、後述する。通信インタフェース170は、他の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース170には、複合機200の通信インタフェース270が接続されている。
図2(A)は、用紙PM上の部分領域PAa、PAbと、ヘッド292の移動方向と、の説明図である。図中の第1方向D1と、第1方向D1の反対の方向である第2方向D2とは、主走査方向を示している。移動装置294(図1)は、主走査方向に平行にヘッド292を往復移動させる装置である。図示を省略するが、移動装置294は、例えば、主走査方向にスライド可能にヘッド292を支持するレールと、複数のプーリと、複数のプーリに巻き掛けられるとともに一部がヘッド292に固定されたベルトと、プーリを回転させるモータと、を有している。モータがプーリを回転させることによって、ヘッド292は、主走査方向に移動する。
図中の第3方向D3は、副走査方向を示している(「副走査方向D3」とも呼ぶ)。搬送装置296(図1)は、ヘッド292に対して用紙PMを副走査方向D3に搬送する装置である。図示を省略するが、搬送装置296は、例えば、ヘッド292に対向する位置で用紙PMを支持する台と、ヘッド292よりも上流側に配置された上流ローラと、ヘッド292よりも下流側に配置された下流ローラと、それらのローラを回転させるモータと、を有している。用紙PMは、回転するローラによって副走査方向D3に搬送される。本実施例では、副走査方向D3は、主走査方向D1、D2に垂直な方向である。以下、画像に対する方向として、画像が仮に印刷実行部290によって印刷される場合の画像に対する印刷実行部290の方向D1、D2、D3を用いる。
図2(B)は、ヘッド292の下面におけるノズル配列の説明図である。図示するように、ヘッド292の下面には、シアンC、マゼンタM、イエロY、ブラックKのインクをそれぞれ吐出するためのノズル群NgC、NgM、NgY、NgKが、形成されている。1つのノズル群の複数のノズルNzの副走査方向D3の位置は、互いに異なっている。本実施例では、複数のノズルNzの間で、主走査方向の位置は同じである。ただし、1つのノズル群は、主走査方向の位置が互いに異なる複数のノズルNzを含んでよい。また、本実施例では、4つのノズル群NgC、NgM、NgY、NgKは、主走査方向(ここでは、第2方向D2)に沿って、この順番に並んで配置されている。ノズル群NgC、NgM、NgY、NgKと、装着部297C、297M、297Y、297K(図1)とは、図示しないインク供給路によって、それぞれ接続されている。
図2(A)に示すように、印刷実行部290(図1)は、ヘッド292を主走査方向に移動させながら複数のノズル群NgC、NgM、NgY、NgKの複数のノズルNzから用紙PMに向かってインク滴を吐出することによって、用紙PM上にインクのドットを形成する。これにより、用紙PM上の主走査方向に延びる1つのバンド状の部分領域(例えば、部分領域PAa、PAb)上に、画像が印刷される。印刷実行部290は、1つの部分領域内の画像である部分画像の印刷を行い、その後に、用紙PMを、副走査方向D3に搬送する。本実施例では、搬送量は、1つの部分領域PAa、PAbの副走査方向D3の幅と同じである。印刷実行部290は、1つの部分画像の印刷と、用紙PMの搬送とを、交互に繰り返すことによって、用紙PM上に画像の全体を印刷する。
以下、ヘッド292を主走査方向に移動させつつ用紙PMの1つの部分領域上にインク滴を吐出して部分画像を印刷する処理を、「部分印刷」または「パス」とも呼ぶ。部分印刷におけるヘッド292の移動方向を、「印刷方向」とも呼ぶ。第1方向D1を「順方向D1」とも呼び、第2方向D2を「逆方向D2」とも呼ぶ。部分領域を、バンド領域とも呼び、部分画像を、バンド画像とも呼ぶ。
図2(A)の部分領域PAaは、順方向D1の部分印刷によって部分画像が印刷される部分領域である(「順方向領域PAa」とも呼ぶ)。部分領域PAbは、逆方向D2の部分印刷によって部分画像が印刷される部分領域である(「逆方向領域PAb」とも呼ぶ)。図2(A)の例では、順方向領域PAaと逆方向領域PAbとが、副走査方向D3に向かって交互に並んでいる。ヘッド292は、順方向D1の移動と逆方向D2の移動との双方で部分画像を印刷するので、印刷を高速に行うことができる。ただし、後述するように、同じ印刷方向の複数回の部分印刷が連続して実行される場合がある。
図2(C)は、用紙PM上のインクの重ね順の説明図である。図中には、副走査方向D3を向いて見たヘッド292と用紙PMとが示されている。図中の右部に示すように、順方向領域PAaでのインクの重ね順は、用紙PMの表面から順番にC、M、Y、Kの順である。図中の左部に示すように、逆方向領域PAbでのインクの重ね順は、用紙PMの表面から順番にK、Y、M、Cの順である。このように、逆方向D2の部分印刷によるインクの重ね順は、順方向D1の部分印刷によるインクの重ね順の反対の順である。
印刷された2つの色の間でインクの重ね順が異なる場合、重ねられたインクの種類と各種インクのそれぞれの単位面積当たりの量とが同じ場合であっても、2つの色が異なって見える場合がある。例えば、図2(C)の順方向領域PAaの色と逆方向領域PAbの色とが異なって見える場合がある。このような印刷方向の違いに起因する色の違い、すなわち、インクの重畳順の違いに起因する色の違いを、「印刷方向色差」あるいは、単に「方向色差」とも呼ぶ。
図3(A)は、重みテーブル310(図1)の説明図である。図3(A)の左部には、RGBの色成分で表される色立体CCが示されている。図中では、色立体CCの8つの頂点のそれぞれに、色を示す符号が付されている(具体的には、黒頂点Vk(0,0,0)、赤頂点Vr(255,0,0)、緑頂点Vg(0,255,0)、青頂点Vb(0,0,255)、シアン頂点Vc(0,255,255)、マゼンタ頂点Vm(255,0,255)、イエロ頂点Vy(255,255,0)、白頂点Vw(255,255,255))。括弧内の数字は、(赤R、緑G、青B)の各色成分の値を示している。各グリッドGDの赤Rの値は、赤Rの範囲(ここでは、ゼロから255)をQ等分して得られるQ+1個の値のうちのいずれかである(Qは、例えば、9、17など)。各グリッドGDの緑Gと青Bとのそれぞれの値も、同様に、Q+1個の値のうちのいずれかである。
図3(A)の右部には、重みテーブル310の例が示されている。重みテーブル310は、RGBの色値311と、重みWと、の対応関係を示している。以下、重みテーブル310を、対応関係データ310とも呼ぶ。RGBの色値311は、上述した複数のグリッドGDのそれぞれの色値(ここでは、RGBのそれぞれの階調値の組み合わせ)を示している。重みWは、上述した方向色差の評価値を示している。重みが大きいほど、方向色差は大きい。以下、重みWを、色評価値Wとも呼ぶ。
本実施例では、重みWの初期値が実験的に決定され、そして、後述する調整処理によって重みWが調整される。重みWの初期値は、例えば、以下のように決定される。色立体CCのグリッドGDの色値に従って、順方向D1の部分印刷によって、第1パッチが印刷され、同じ色値に従って、逆方向D2の部分印刷によって、第2パッチが印刷される。各パッチは、1つの色値で表される均一な色の領域である。RGBの色値と、CMYKのインクのそれぞれの単位面積当たりの量と、の対応関係は、予め決められている。1つのグリッドGDに対応付けられた2個のパッチの間では、CMYKのインクのそれぞれの単位面積当たりの量は共通であるものの、CMYKのインクの重ね順は、逆である。このインクの重ね順の違いに起因して、ユーザは、2つのパッチを観察する場合に、2つのパッチの間で色が異なるように感じ得る。重みWの初期値は、2つのパッチのそれぞれの測色値(例えば、L*a*b*色空間の色値)から特定される色差(CIELab色空間における距離)が大きいほど、大きい値に設定される。例えば、重みWの初期値は、色差に所定の係数を乗じて得られる値に、設定される。
図4は、調整処理の例を示すフローチャートである。本実施例では、複合機200(図1)のプロセッサ210が、プログラム232に従って、図4の処理を実行する。プロセッサ210は、操作部250に入力されたユーザの指示に従って、図4の処理を開始する。調整処理のために、複合機200の不揮発性記憶装置230には、重みWの初期値を示す条件データ300が、格納される。
S110では、プロセッサ210(図1)は、不揮発性記憶装置230から、入力画像データ360を取得する。入力画像データ360は、調整処理のために予め準備された画像データである。入力画像データ360は、N枚(Nは1以上の整数)の画像のN個の画像データを含んでいる。1枚の画像が1枚の用紙上に印刷されることが、想定されている。本実施例では、画像データが、ビットマップデータであり、画像データの各画素の画素値が、0〜255の256階調のR(赤)G(緑)B(青)の階調値で表されていることとする。画像データの形式がビットマップ形式とは異なる形式である場合(例えば、EMF(Enhanced Meta File)形式)、プロセッサ210は、データ形式を変換(例えば、ラスタライズ)することによって生成されるビットマップデータを、画像データとして用いる。また、画像データの画素密度が、印刷処理用の所定の画素密度と異なる場合、プロセッサ210は、画像データの画素密度を印刷処理用の画素密度に変換する処理を実行する。
S120では、プロセッサ210は、入力画像データ360の全ての画像データの処理が終了したか否かを判断する。未処理の画像データが残っている場合(S120:No)、S130で、プロセッサ210は、入力画像データ360から、1つの未処理の画像データを、対象画像データとして取得する。S135では、プロセッサ210は、対象画像データによって表される対象画像を構成する複数の部分画像(図2(A))を特定する。以下、対象画像データのうちの部分画像を表す部分を、部分画像データ、または、バンドデータとも呼ぶ。
図5は、複数の部分画像の例を示す説明図である。図中には、対象画像TIの例の一部と、方向D1、D2、D3が示されている。対象画像TIは、3個のオブジェクトOB1、OB2、OB3を表している。第1オブジェクトOB1と第3オブジェクトOB3とは、文字列である。第2オブジェクトOB2は、写真である。図中には、n番目からn+5番目の部分画像BI(n)〜BI(n+5)が示されている(nは整数)。以下、個々の部分画像を区別しない場合、部分画像を、単に、部分画像BIとも呼ぶ。本実施例では、対象画像は、副走査方向D3に並ぶ複数の部分画像に区分される。各部分画像の用紙PM(図2(A))上の位置と形状と大きさとは、予め決められている。プロセッサ110は、用紙PM上の対象画像の位置に応じて、対象画像を構成する複数の部分画像を、特定する。これに代えて、プロセッサ210は、対象画像の副走査方向D3側の端から、副走査方向D3に反対の方向に向かって、複数の部分画像を隙間無く配置してもよい。対象画像が印刷される場合には、複数の部分画像は、副走査方向D3に反対の方向に向かって1つずつ順番に印刷される。
S140(図4)では、プロセッサ210は、対象画像データの全てのバンドデータの処理が終了したか否かを判断する。全てのバンドデータの処理が終了した場合(S140:Yes)、プロセッサ210は、S120へ移行する。
未処理のバンドデータが残っている場合(S140:No)、S150で、プロセッサ210は、対象画像データに含まれる複数のバンドデータから、1つの未処理のバンドデータを、対象バンドデータとして取得する。以下、対象バンドデータの画像を、対象バンド画像、または、対象部分画像とも呼ぶ。本実施例では、プロセッサ210は、印刷順に(すなわち、副走査方向D3に反対の方向に向かって1つずつ順番に)、バンドデータを取得する。
S160では、プロセッサ210は、対象部分画像の印刷方向の決定方法を選択する処理である決定方法選択処理を実行する。図6は、決定方法選択処理の例を示すフローチャートである。S310では、プロセッサ210は、対象バンド画像に含まれる複数のブロックを特定する。図5には、各部分画像BIを構成する複数のブロックBLが示されている。図5の左下部に示すように、ブロックBLの形状は、矩形状である。ブロックBLの副走査方向D3の高さBHと主走査方向D1の幅BWとは、ブロックサイズデータ330(図1)によって、予め決められている(単位は、例えば、画素数)。本実施例では、バンド画像BI上において、バンド画像BIの左上の角SP(すなわち、第2方向D2側かつ第3方向D3側の角)に1つのブロックBLの左上の角が重なるように、複数のブロックBLは、主走査方向D1と副走査方向D3とに沿って格子状に隙間無く配置される。
S320(図6)では、プロセッサ210は、対象バンドデータから、処理対象の1つのブロックのデータを取得する。以下に説明するように、対象バンド画像に含まれる複数のブロックは、1つずつ順番に処理される。ブロックの選択順は、予め決められている。例えば、第1方向D1に並ぶ複数のブロックで構成される1本のブロックライン上では、第2方向D2側の端のブロックから第1方向D1に向かって1つずつ順番に、ブロックが選択される。対象バンド画像内で第3方向D3に並ぶ複数のブロックラインに関しては、第3方向D3側の端のブロックラインから、第3方向D3の反対の方向に向かって1つずつ順番に、ブロックラインが選択される。S320では、1番目のブロックのデータが、取得される。以下、処理対象のブロックを、対象ブロックとも呼び、対象ブロックのデータを、対象ブロックデータも呼ぶ。なお、ブロックの選択順は、他の種々の順であってよい。例えば、第3方向D3側の端のブロックから第3方向D3の反対の方向に向かって1つずつ順番にブロックを選択する処理が、第2方向D2側の端から第1方向D1に向かって繰り返されてもよい。
S330では、プロセッサ210は、対象ブロックが、空白ブロックであるか否かを判断する。対象ブロックに含まれる複数の画素の全ての画素値が、背景を表す所定の色範囲内の画素値(例えば、白色を含む所定の色範囲内の画素値)である場合に、対象ブロックは空白ブロックであると判断される。
対象ブロックが空白ブロックであると判断される場合(S330:Yes)、プロセッサ210は、後述する対象ブロックの評価値の算出を行わずに、S370に移行する。S370では、プロセッサ110は、対象バンド画像の全てのブロックの処理が終了したか否かを判断する。未処理のブロックが残っている場合(S370:No)、プロセッサ110は、S375で次の未処理のブロックのデータを対象ブロックデータとして取得し、S330へ移行する。
対象バンド画像の全てのブロックの処理が終了した場合(S370:Yes)、プロセッサ210は、S380で双方向方法を選択し、S390へ移行する。双方向方法は、対象バンドの印刷方向を、1つ前のバンドの印刷方向とは反対の方向に決定する方法である。
対象ブロックが、空白ブロックではないと判断される場合(S330:No)、対象ブロック内には、オブジェクトの少なくとも一部が存在する。S340で、プロセッサ210は、重みテーブル310(図3(A))を参照して、対象ブロックのブロック評価値BVを算出する。プロセッサ210は、重みテーブル310を参照して、対象ブロックに含まれる画素の画素値に対応する重みを特定する。画素値が、色立体CC内において、複数のグリッドGDの間に位置する場合、重みとしては、複数のグリッドGDのうちのその画素値に最も近いグリッドGDの重みWが、用いられる。これに代えて、重みは、その画素値の近傍の複数のグリッドGDを用いる補間(例えば、三角錐補間)によって、算出されてもよい。プロセッサ210は、対象ブロックに含まれる複数の画素の重みの平均値を、ブロック評価値BVとして算出する。ブロック評価値BVは、図2(C)で説明した方向色差の評価値である。大きいブロック評価値BVは、方向色差が大きいことを意味している。すなわち、対象ブロックが順方向D1の部分印刷で印刷される場合に印刷される画像の色と、対象ブロックが逆方向D2の部分印刷で印刷される場合に印刷される画像の色とを、観察者が見比べると仮定する。この場合、ブロック評価値BVが大きいほど、観察者によって知覚される色の差(すなわち、方向色差)は、大きい。
S350では、プロセッサ210は、ブロック評価値BVが、ブロック評価値閾値BVt以上であるか否かを判断する。本実施例では、ブロック評価値閾値BVtは、閾値データ320(図1)によって、予め決められている。ブロック評価値BVがブロック評価値閾値BVt未満である場合(S350:No)、プロセッサ210は、S370へ移行する。
ブロック評価値BVがブロック評価値閾値BVt以上である場合(S350:Yes)、プロセッサ210は、S360で片方向方法を選択し、S390へ移行する。片方向方法は、対象バンドの印刷方向を、1つ前の印刷順のバンドの印刷方向に拘わらずに、予め決められた方向(本実施例では、順方向D1)に決定する方法である。
S390では、プロセッサ210は、S360、または、S380で選択された決定方法を示すデータを、不揮発性記憶装置230(図1)に記録する。選択データ365は、記録された決定方法を示すデータである。プロセッサ210は、N枚の画像の複数のバンドのそれぞれの決定方法を、選択データ365に記録する。
図5において、各部分画像BIの右側には、決定方法の例と印刷方向の例とが示されている。図中の部分画像BI(n+1)、BI(n+2)は、文字のオブジェクトのみを示している。このような部分画像BI(n+1)、BI(n+2)内では、各ブロックBLのブロック評価値BVがブロック評価値閾値BVt未満であり得る。この結果、部分画像BI(n+1)、BI(n+2)の決定方法としては、双方向方法が選択され得る(S380)。選択された決定方法に従って印刷方向が決定される場合、部分画像BI(n+1)の印刷方向は、1つ前の部分画像BI(n)の印刷方向とは反対の方向に決定される(ここでは、逆方向D2)。部分画像BI(n+2)の印刷方向は、1つ前の部分画像BI(n+1)の印刷方向とは反対の方向に決定される(ここでは、順方向D1)。逆方向D2のヘッド292の移動時と順方向D1のヘッド292の移動時との双方で部分画像が印刷されるので、印刷に要する時間を短縮できる。
部分画像BI(n+3)、BI(n+4)は、文字とは異なる種類のオブジェクト(ここでは、写真の第2オブジェクトOB2)を示している。このような部分画像BI(n+3)、BI(n+4)は、ブロック評価値閾値BVt以上のブロック評価値BVを有するブロックを含む場合が多い。この結果、部分画像BI(n+3)、BI(n+4)の決定方法としては、片方向方法が選択され得る(S360)。選択された決定方法に従って印刷方向が決定される場合、部分画像BI(n+3)、BI(n+4)の印刷方向は、それぞれ、予め決められた方向(本実施例では、順方向D1)に決定される。従って、色むら(例えば、写真の第2オブジェクトOB2の色むら)は抑制される。なお、部分画像BI(n+3)の部分印刷の後、部分画像BI(n+4)の部分印刷の前に、ヘッド292は逆方向D2に移動される。
S390(図6)の終了に応じて、図6の処理、すなわち、図4のS160の処理は、終了する。S165では、プロセッサ210は、正解データ370(図1)を参照して、対象バンド画像の正解方法を特定する。図3(B)は、正解データ370の例を示す説明図である。正解データ370は、画像番号と、パス番号と、正解方法と、の対応関係を示している。画像番号は、入力画像データ360によって示されるN枚の画像の識別番号であり、本実施例では、1から始まる整数である。パス番号は、1枚の画像に含まれる複数の部分画像(即ち複数のバンド画像)のそれぞれの識別番号である。本実施例では、パス番号は、1枚の画像における部分画像の印刷順と同じであり、1から始まる整数である。正解方法は、印刷方向の決定方法の正解である。図3(B)の例では、例えば、1番の画像の1番の部分画像の正解方法は、片方向方法である。
本実施例では、重みテーブル310は、種々の画像の印刷時に、色むらを抑制し、印刷速度を向上できるように、入力画像データ360を用いて調整される。このために、入力画像データ360としては、種々の画像を示すデータが、予め準備される。入力画像データ360は、例えば、互いに異なる種類のオブジェクトを示す複数の画像を示す。そして、正解データ370は、各画像が印刷実行部290によって印刷される場合に、色むらを抑制し、印刷速度を向上できるように、予め実験的に決定される。
S170(図4)では、プロセッサ210は、S160で選択された決定方法が、正解方法と同じであるか否かを判断する。決定方法が正解方法と同じである場合(S170:Yes)、プロセッサ210は、S140へ移行して、他の部分画像を処理する。
選択された決定方法が正解方法とは異なる場合(S170:No)、S180で、プロセッサ210は、決定方法の間違った選択(誤判定とも呼ぶ)の種類を特定する。正解である片方向方法が重みテーブル310に従って見逃され、双方向方法が選択された場合、誤判定の種類を「見逃し」と呼ぶ。不正解である片方向方法が重みテーブル310に従って選択された場合、誤判定の種類を「過剰検出」と呼ぶ。
S180では、プロセッサ210は、誤判定の種類を用いて、判定リストデータ380(図1)を更新する。図3(C)は、判定リストデータ380の例を示す説明図である。判定リストデータ380は、画像番号と、判定結果と、パス番号と、の対応関係を示している。画像番号は、図3(B)で説明した画像番号と同じである。判定結果は、誤判定の種類(過剰検出、または、見逃し)を示している。パス番号は、誤判定を引き起こした部分画像のパス番号である。プロセッサ210は、対象部分画像のパス番号が、対象部分画像に対応する画像番号と判定結果とに対応付けられるように、判定リストデータ380を更新する。図3(C)の例では、1番の画像の2番の部分画像は、過剰検出の誤判定を引き起こしている。
S190(図4)では、プロセッサ210は、誤判定の種類に応じて、処理を切り替える。誤判定の種類が「見逃し」である場合、S210で、プロセッサ210は、第1調整処理によって重みテーブル310を調整し、S110へ移行する。S210では、「見逃し」の誤判定が生じにくくなるように、重みテーブル310(図3(A))の重みWが大きい値に調整される。誤判定の種類が「過剰検出」である場合、S220で、プロセッサ210は、第2調整処理によって重みテーブル310を調整し、S110へ移行する。S220では、「過剰検出」の誤判定が生じにくくなるように、重みテーブル310の重みWが小さい値に調整される。
図7は、第1調整処理(図4:S210)の例を示すフローチャートである。S510では、プロセッサ210は、判定リストデータ380(図3(C))を参照し、「見逃し」の誤判定を引き起こしたバンド画像(すなわち、部分画像)を、対象バンド画像として選択する。図8は、第1調整処理の説明図である。図中には、対象バンド画像BI(k)が示されている。
S520(図7)では、プロセッサ210は、対象バンド画像に含まれる複数のブロックから、最大のブロック評価値BVを有するブロックを、対象ブロックとして特定する。図8では、ブロックBL1が、対象ブロックである(以下、対象ブロックBL1と呼ぶ)。なお、プロセッサ210は、S520で、各ブロックBLのブロック評価値BVを算出してよく、これに代えて、図6のS340で算出されたブロック評価値BVを用いて、対象ブロックを特定してよい。
S550(図7)では、プロセッサ210は、対象ブロックに含まれる複数の画素のうち、第1閾値を超える重みを有する画素である対象画素を特定する。第1閾値は、閾値データ320(図1)によって、予め決められている。そして、プロセッサ210は、重みテーブル310において、対象画素の重みの算出のために参照されるグリッドの重みを、増大する。図8には、対象ブロックBL1に含まれる画素の例である2個の画素Px1、Px2が示されている。第1画素Px1については、RGB値は190、128、64であり、重みWは80である。第2画素Px2については、RGB値は192、208、240であり、重みWは10である。
図8の右下部には、未調整重みWiと調整済重みWoとの対応関係を示すグラフG1−G3が示されている。最大値Wmは、重みWの可能な最大値である。重みWは、ゼロ以上、最大値Wm以下である。本実施例では、重みWの調整は、誤判定が解消されるように、複数回、行われ得る。グラフG1−G3は、1回目−3回目の調整で用いられるグラフを、それぞれ示している。いずれのグラフG1−G3においても、未調整重みWiが第1閾値Wt1を超える場合、調整済重みWoは、未調整重みWiよりも大きい。未調整重みWiが第1閾値Wt1以下である場合、調整済重みWoは、未調整重みWiと同じである。未調整重みWiが大きいほど、調整済重みWoは大きい。第1閾値Wt1は、種々の値であってよい。第1閾値Wt1は、ゼロであってよい。これに代えて、第1閾値Wt1は、ゼロよりも大きい値であってよい。第1閾値Wt1を超える範囲において、調整済重みWoと未調整重みWiとの関係は、種々の関係であってよい。本実施例では、第1閾値Wt1を超える範囲において、調整済重みWoは、未調整重みWiに比例している。また、調整済重みWoは、調整回数が多いほど、大きい。
1回目のS550(図7)では、プロセッサ210は、第1グラフG1(図8)に従って、重みテーブル310の重みWを調整する。例えば、第1画素Px1(図8)のために参照される第1グリッドGD1の重みは、第1グラフG1に従って、80から81に調整される。第2画素Px2のために参照される第2グリッドGD2の重みも、第1グラフG1に従って調整される。ただし、図8の例では、調整済重みは、未調整重みと同じ10である。このように、未調整重みが小さい場合には、調整済重みが未調整重みと同じであり得る。また、対象画素の重みの算出のために複数のグリッドが参照される場合、複数のグリッドの重みが調整される。
S560(図7)では、プロセッサ210は、決定方法選択処理を実行する。S560の決定方法選択処理は、図6の手順に従って、調整済の重みテーブル310を用いて、行われる。S550により、調整済の重みテーブル310の複数のグリッドの重みが増大しているので、図6のS340で算出されるブロック評価値BVは、増大し得る。従って、「見逃し」の誤判定は、解消し得る。
S565、S570(図7)は、図4のS165、S170と、それぞれ同じである。S560で選択された決定方法が正解方法とは異なる場合(S570:No)、通常は、同じ対象バンド画像に関して、「見逃し」の誤判定が解消されていない。本実施例では、プロセッサ210は、S510へ移行して、重みテーブル310を再調整する。2回目の調整(S550)では、1回目の調整と比べて、調整済重みはより大きくなり得る。3回目の調整(S550)では、2回目の調整と比べて、調整済重みはより大きくなり得る。調整が繰り返されることによって、「見逃し」の誤判定は、解消され得る。例えば、3回の調整が行われる場合、図8の第1グリッドGD1の重みは、81、82、82の順に変化する。本実施例では、重みは整数で表される。調整回数の増大による重みの増大量が小さい場合(例えば、増大量が1未満である場合)、調整回数が増大しても、重みは同じであり得る。
S560(図7)で選択された決定方法が正解方法と同じである場合(S570:Yes)、プロセッサ210は、S580で、対象バンド画像のパス番号が削除されるように、判定リストデータ380(図3(C)))を更新する。そして、プロセッサ210は、図7の処理、ひいては、図4のS210の処理を終了する。なお、本実施例では、1回の第1調整処理(S210)における重みテーブル310の調整の上限回数は、予め決められている(例えば、3回)。上限回数の調整が行われた場合、誤判定が解消されなくても、プロセッサ210は、第1調整処理を終了する。
図9は、第2調整処理(図4:S220)の例を示すフローチャートである。S610では、プロセッサ210は、判定リストデータ380(図3(C))を参照し、「過剰検出」の誤判定を引き起こしたバンド画像(すなわち、部分画像)を、対象バンド画像として選択する。図10は、第2調整処理の説明図である。図中には、対象バンド画像BI(m)が示されている。
S620(図9)では、プロセッサ210は、対象バンド画像に含まれる複数のブロックから、1つの未処理のブロックを候補ブロックとして選択する。候補ブロックの選択順は、予め決められている。本実施例では、候補ブロックの選択順は、図6のS320で説明したブロックの選択順と同じである。
S630では、プロセッサ210は、候補ブロックのブロック評価値BVがブロック評価値閾値BVt以上であるか否かを判断する。プロセッサ210は、S630でブロック評価値BVを算出してよく、これに代えて、図6のS340で算出されたブロック評価値BVを用いて、S630の判断を行ってよい。
ブロック評価値BVがブロック評価値閾値BVtよりも小さい場合(S630:No)、プロセッサ210は、S620へ移行し、次の候補ブロックの処理を行う。ブロック評価値BVがブロック評価値閾値BVt以上である場合(S630:Yes)、プロセッサ210は、候補ブロックを、処理対象の対象ブロックとして採用し、後述するS650−S665を実行する。図10では、対象バンド画像BI(m)の左上のブロックBLから順番に、対象ブロックが検索される。そして、ブロックBL2が、対象ブロックとして採用されている(以下、対象ブロックBL2と呼ぶ)。
S650(図9)では、プロセッサ210は、対象ブロックに含まれる複数の画素のうち、第2閾値を超える重みを有する画素である対象画素を特定する。第2閾値は、閾値データ320(図1)によって、予め決められている。そして、プロセッサ210は、重みテーブル310において、対象画素の重みの算出のために参照されるグリッドの重みWを、低減する。図10には、対象ブロックBL2に含まれる画素の例である2個の画素Px11、Px12が示されている。第1画素Px11については、RGB値は190、128、64であり、重みWは80である。第2画素Px12については、RGB値は192、208、240であり、重みWは10である。
図10の右下部には、未調整重みWiと調整済重みWoとの対応関係を示すグラフG11−G13が示されている。本実施例では、重みの調整は、誤判定が解消されるように、複数回、行われ得る。グラフG11−G13は、1回目−3回目の調整で用いられるグラフを、それぞれ示している。いずれのグラフG11−G13においても、未調整重みWiが第2閾値Wt2を超える場合、調整済重みWoは、未調整重みWiよりも小さい。未調整重みWiが第2閾値Wt2以下である場合、調整済重みWoは、未調整重みWiと同じである。未調整重みWiが大きいほど、調整済重みWoは大きい。第2閾値Wt2は、種々の値であってよい。第2閾値Wt2は、ゼロであってよい。これに代えて、第2閾値Wt2は、ゼロよりも大きい値であってよい。第2閾値Wt2を超える範囲において、調整済重みWoと未調整重みWiとの関係は、種々の関係であってよい。本実施例では、第2閾値Wt2を超える範囲において、調整済重みWoは、未調整重みWiに比例している。また、調整済重みWoは、調整回数が多いほど、小さい。
1回目のS650(図9)では、プロセッサ210は、第1グラフG11(図10)に従って、重みテーブル310の重みを調整する。例えば、第1画素Px11(図10)のために参照される第1グリッドGD11の重みは、第1グラフG11に従って、80から79に調整される。第2画素Px12のために参照される第2グリッドGD12の重みも、第1グラフG11に従って調整される。図8の調整処理と同様に、未調整重みが小さい場合には、調整済重みが未調整重みと同じであり得る。また、対象画素の重みの算出のために複数のグリッドが参照される場合、複数のグリッドの重みが調整される。
S660(図9)では、プロセッサ210は、決定方法選択処理を実行する。S660の決定方法選択処理は、図6の手順に従って、調整済の重みテーブル310を用いて、行われる。S650により、調整済の重みテーブル310の複数のグリッドの重みが低減しているので、図6のS340で算出されるブロック評価値BVは、低減し得る。従って、「過剰検出」の誤判定は、解消し得る。
S665、S670(図9)は、図4のS165、S170と、それぞれ同じである。S660で選択された決定方法が正解方法とは異なる場合(S670:No)、通常は、同じ対象バンド画像に関して、「過剰検出」の誤判定が解消されていない。本実施例では、プロセッサ210は、S610へ移行して、重みテーブル310を再調整する。2回目の調整(S650)では、1回目の調整と比べて、調整済重みはより小さくなり得る。3回目の調整(S650)では、2回目の調整と比べて、調整済重みはより小さくなり得る。調整が繰り返されることによって、「過剰検出」の誤判定は、解消され得る。例えば、3回の調整が行われる場合、図10の第1グリッドGD11の重みは、79、78、78の順に変化する。図8の調整処理と同様に、調整回数の増大による重みの低減量が小さい場合(例えば、低減量が1未満である場合)、調整回数が増大しても、重みは同じであり得る。
S660(図9)で選択された決定方法が正解方法と同じである場合(S670:Yes)、プロセッサ210は、S680で、対象バンド画像のパス番号が削除されるように、判定リストデータ380(図3(C))を更新する。そして、プロセッサ210は、図9の処理、ひいては、図4のS220の処理を終了する。なお、本実施例では、1回の第2調整処理(S220)における重みテーブル310の調整の上限回数は、予め決められている(例えば、3回)。上限回数の調整が行われた場合、誤判定が解消されなくても、プロセッサ210は、第2調整処理を終了する。
図4の調整処理では、プロセッサ210は、誤判定が生じる場合(S170:No)、S210、または、S220の調整処理によって、誤判定が解消するように、重みテーブル310を調整する。そして、プロセッサ210は、S110へ移行し、調整済の重みテーブル310を用いて、図4の調整処理を再び実行する。これにより、調整済の重みテーブル310は、更に調整され得る。入力画像データ360の全ての画像の全ての部分画像に関して、誤判定が生じない場合(S170:Yes、S140:Yes、S120:Yes)、プロセッサ210は、S296で、調整済の重みテーブル310(すなわち、最新の重みテーブル310)を含む調整済の条件データ300を、記憶装置115(例えば、不揮発性記憶装置230)に格納する。そして、プロセッサ210は、図4の処理を終了する。なお、上限回数の調整処理によって誤判定が解消しない場合には、プロセッサ210は、最新の重みテーブル310を含む調整済の条件データ300を記憶装置115に格納して、図4の処理を終了してよい。
調整済の条件データ300は、印刷処理に利用される。図11は、印刷処理の例を示すフローチャートである。本実施例では、複合機200のプロセッサ210は、操作部250に入力されたユーザの印刷開始指示に従って、図11の処理を開始する。プロセッサ210が、プログラム234に従って、図11の処理を実行する。
S900では、プロセッサ210は、印刷開始指示によって指定された画像データを取得する(対象画像データと呼ぶ)。印刷用の対象画像データは、例えば、複合機200に接続された図示しない携帯記憶装置(例えば、USBフラッシュドライブ)から、取得される。本実施例では、対象画像データが、図4のS110の画像データと同様に、RGBのビットマップデータであることとする。対象画像データの画素密度が、印刷処理用の所定の画素密度と異なる場合、プロセッサ210は、対象画像データの画素密度を印刷処理用の画素密度に変換する処理を実行する。
S905では、プロセッサ210は、対象画像データによって表される対象画像の複数のバンド画像のうちの未処理の1つのバンド画像を選択する。本実施例では、対象画像は、副走査方向D3に並ぶ複数のバンド画像に区分される。区分方法は、図4のS135で説明した方法と同じである。S905では、プロセッサ210は、未処理の1以上のバンド画像のうち、副走査方向D3側の端に位置するバンド画像(すなわち、最も先に印刷されるバンド画像)を選択し、選択したバンド画像を表すバンドデータを、取得する以下、S905で選択されたバンド画像を、対象バンド画像とも呼び、対象画像データのうち対象バンド画像を表す部分を、対象バンドデータとも呼ぶ。
S910では、プロセッサ210は、対象バンドデータの決定方法選択処理を実行する。S910の決定方法選択処理は、図6の手順に従って、調整済の条件データ300を用いて、行われる。S915では、プロセッサ210は、対象バンド画像を印刷するための印刷方向を、S910で選択された決定方法に従って、決定する。なお、対象画像バンドの印刷順が1番目であり、かつ、決定方法が双方向方法である場合、プロセッサ210は、印刷方向を、予め決められた方向(例えば、第1方向D1)に決定してよい。S920では、プロセッサ210は、対象バンドデータの各画素の画素値を、RGBの階調値から、インク色成分に対応するCMYKの階調値に変換する。RGBとCMYKとの間の対応関係は、不揮発性記憶装置230に予め格納されたルックアップテーブル(図示省略)によって予め規定されている。プロセッサ210は、このルックアップテーブルを参照して、色変換を実行する。
S930では、プロセッサ210は、色変換済の対象バンドデータを用いて、ハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理としては、いわゆる誤差拡散法に従った処理が行われる。この代わりに、ディザマトリクスを用いる方法を採用してもよい。
S940では、プロセッサ210は、ハーフトーン処理の結果を用いて、対象バンド画像を印刷するためのバンド印刷データを生成する。バンド印刷データは、複合機200(図1)の印刷実行部290の制御回路298によって解釈可能な形式のデータである。バンド印刷データは、印刷方向(順方向D1または逆方向D2)を表す情報と、ハーフトーン処理の結果(インクドットのパターン)を表す情報と、部分印刷の後の用紙PMの搬送処理の搬送量を表す情報と、を含んでいる。
S950では、プロセッサ210は、生成したバンド印刷データを、印刷実行部290に供給する。S955では、印刷実行部290の制御回路298は、バンド印刷データに従って、印刷ヘッド292と移動装置294と搬送装置296とを制御することによって、部分印刷と搬送処理とを実行する。これにより、対象バンド画像が印刷される。
S960では、プロセッサ210は、全てのバンド画像の処理が終了したか否かを判断する。未処理のバンド画像が残っている場合(S960:No)、プロセッサ210は、S905に移行し、未処理のバンド画像の処理を実行する。全てのバンド画像の処理が終了した場合(S960:Yes)、プロセッサ210は、印刷処理を終了する。
S910、S915では、対象バンド画像を印刷するための印刷方向は、調整済の条件データ300を用いて、決定される。従って、色むらを抑制し、印刷速度を向上できる。
以上のように、印刷実行部290(図1)は、印刷ヘッド292と、移動装置294と、搬送装置296と、を備えている。印刷ヘッド292(図2(B))は、主走査方向D1に並んで配置され、互いに異なるインクを吐出するノズル群NgK、NgY、NgM、NgCを有している。移動装置294は、用紙PM(図2(A))に対して主走査方向(第1方向D1、または、第2方向D2)に沿って印刷ヘッド292を移動させる主走査を実行する。搬送装置296は、印刷ヘッド292に対して主走査方向D1、D2と交差する副走査方向D3に沿って用紙PMを相対移動させる副走査を実行する。
図2(A)−図2(C)、図11で説明したように、印刷処理では、印刷実行部290は、部分印刷と副走査とを複数回実行する。部分印刷は、印刷方向の主走査を行いつつ複数のノズル群NgK、NgY、NgM、NgCから用紙PMに向かって複数種類のインクをそれぞれ吐出する処理である。図11のS910、S920、図6で説明したように、条件データ300は、複数回の部分印刷のそれぞれの印刷方向を決定するために利用される。複合機200の制御部299は、図4の調整処理を実行することによって、条件データ300を調整する。制御部299は、条件データ300の調整装置の例である。
具体的には、S130(図4)で、プロセッサ210は、対象画像データを取得する。プロセッサ210は、S160、すなわち、図6のS350−S380を繰り返すことによって、対象画像に含まれる複数個の部分画像のそれぞれについて、ブロック評価値BVがブロック評価値閾値BVt以上であることを示す特定条件が満たされるか否かを判断する。本実施例では、特定条件は、1以上のブロックのブロック評価値BVがブロック評価値閾値BVt以上であることである。また、ブロック評価値BVは、画像評価値の例である。画像評価値は、第1方向D1の部分印刷で部分画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と、第2方向D2の部分印刷で部分画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と、の間の差の評価値である。
図6のS350−S380では、プロセッサ210は、印刷方向を決定する決定方法を、特定条件が満たされるか否かに基づいて選択する。決定方法は、片方向方法と双方向方法とから選択される。片方向方法は、1つ前の印刷順の部分印刷の印刷方向に拘わらずに第1方向D1に印刷方向を決定する方法である。双方向方法は、1つ前の印刷順の部分印刷の印刷方向とは反対の方向に印刷方向を決定する方法である。プロセッサ210は、S350−S380を繰り返すことによって、対象画像に含まれる複数個の部分画像のそれぞれについて、印刷方向を決定する決定方法を選択する。
プロセッサ210は、図4のS165、S170を繰り返すことによって、複数個の部分画像のそれぞれの選択された決定方法が、複数個の部分画像のそれぞれの予め決められた正解方法と同じであるか否かを判断する。選択された決定方法が正解方法と異なる場合(S170:No)、プロセッサ210は、S190−S220によって、正解方法の選択され易さが向上するように(すなわち、誤判定が解消するように)、条件データ300を調整する。
具体的には、正解方法が片方向方法であり選択された決定方法が双方向方法である場合に、プロセッサ210は、S210で、第1調整処理を実行する。第1調整処理(図7、図8)では、プロセッサ210は、片方向方法の選択され易さが向上するように、条件データ300を調整する。この結果、片方向方法が選択され易くなる。
また、正解方法が双方向方法であり選択された決定方法が片方向方法である場合に、プロセッサ210は、S220で、第2調整処理を実行する。第2調整処理(図9、図10)では、プロセッサ210は、双方向方法の選択され易さが向上するように、条件データ300を調整する。この結果、双方向方法が選択されやすくなる。
このように、選択された決定方法が正解方法と異なる場合に、プロセッサ210は、正解方法の選択され易さが向上するように条件データ300を調整する。従って、プロセッサ210は、条件データ300を、正解方法に合わせて、調整できる。
また、図1に示すように、条件データ300は、重みテーブル310を含んでいる。重みテーブル310(図3(A))は、RGB色空間内の色値311と重みWとの対応関係であって、互いに異なる複数の色値の複数の対応関係を示す対応関係データの例である。RGB色空間は、調整処理(図4)の対象画像データの色空間の例である。重みWは、第1方向D1の部分印刷で色値に従って画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と、第2方向D2の部分印刷で色値に従って画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と、の間の差の評価値を示している。
図5等で説明したように、部分画像(バンド画像)は、複数のブロックで構成されている。図6のS340では、プロセッサ210は、部分画像に含まれる複数の画素(本実施例では、1個のブロックに含まれる複数の画素)の複数の色値に重みテーブル310によって対応付けられる複数の重みWを用いて、画像評価値の例であるブロック評価値BVを算出する。
図7の第1調整処理は、S520と、S550とを含んでいる。S520では、プロセッサ210は、最大ブロック評価値を有するブロックである第1対象ブロックを、部分画像に含まれる複数のブロックから検索する。図6のS340で説明したように、ブロック評価値BVは、ブロックの画像に関する方向色差(図2(C))の評価値である。S550では、プロセッサ210は、第1対象ブロックに含まれる複数の画素の重みの算出のために参照されるグリッドの重みWを、増大する。なお、本実施例では、重みWの増大に寄与する複数の画素は、第1閾値Wt1を超える重みに対応付けられた複数の画素であり、第1対象ブロックに含まれる全ての画素のうちの一部であり得る。このように、プロセッサ210は、第1対象ブロックに含まれる複数の画素の複数の色値に重みテーブル310によって対応付けられる複数の重みWのそれぞれを、調整前の重みWより大きい重みWに調整する。
このように、プロセッサ210は、第1調整処理では、ブロック評価値BVが最大である第1対象ブロックを用いて重みテーブル310の重みWを調整するので、片方向方法の選択され易さが、適切に、向上する。具体的には、第1対象ブロックのブロック評価値BVが増大するので、第1対象ブロックのブロック評価値BVは、容易に、S350(図6)の条件を満たすことができる。
また、図9の第2調整処理は、S620−S630と、S650とを含んでいる。S620−S630では、プロセッサ210は、ブロック評価値BVがブロック評価値閾値BVt以上である第2対象ブロックを、複数のブロックから検索する。S650では、プロセッサ210は、最初に見つかった第2対象ブロックに含まれる複数の画素の重みの算出のために参照されるグリッドの重みWを、低減する。なお、本実施例では、重みWの低減に寄与する複数の画素は、第2閾値Wt2を超える重みに対応付けられた複数の画素であり、第2対象ブロックに含まれる全ての画素のうちの一部であり得る。このように、プロセッサ210は、最初に検索された第2対象ブロックに含まれる複数の画素の複数の色値に重みテーブル310によって対応付けられる複数の重みWのそれぞれを、調整前の重みWより小さい重みWに調整する。
このように、プロセッサ210は、第2調整では、複数のブロックから最初に検索された第2対象ブロックを用いて重みテーブル310の重みWを調整するので、重みテーブル310の重みWの調整に要する時間が長くなることを抑制できる。例えば、1つの部分画像に含まれる複数のブロックは、共通のオブジェクトを表し得る。この場合、最初に検索された第2対象ブロックを用いて重みWを調整することによって、第2対象ブロックのブロック評価値BVに加えて、同じオブジェクトを表す他のブロックのブロック評価値BVも、小さくなり得る。この結果、第2調整処理において部分画像の全てのブロックに関してブロック評価値BVとブロック評価値閾値BVtとを比較する場合と比べて、第2調整処理(すなわち、誤判定の解消)に要する時間が長くなることを抑制できる。
B.第2実施例:
図12、図13は、調整処理の別の実施例のフローチャートである。図13は、図12の続きの処理を示している。図4の調整処理とは異なり、過剰検出の誤判定の解消が優先され、見逃しの誤判定が許容される。そして、印刷方向の決定方法を選択するための条件の設定が、予め準備された複数の条件設定から、選択される。図12、図13において、図4のステップと同じステップには、同じ符号を付して、説明を省略する。
S108(図12)では、プロセッサ210は、設定リストデータ390(図1)を参照し、未処理の条件設定を取得する。図14(A)は、設定リストデータ390の例を示す説明図である。設定リストデータ390は、第2閾値Wt2と、ブロックの幅BWと高さBHと、見逃しの合計ランクRxと、の対応関係を示すテーブルである。第2閾値Wt2と幅BWと高さBHとの複数の組み合わせは、それぞれ、印刷方向の決定方法を選択するための条件の設定を示しており、予め決められている。第2閾値Wt2(図10)が小さいほど、第2調整処理で重みWが低減されるグリッドの数が多いので、過剰検出の誤判定が抑制される。ブロックの高さBHが大きいほど、ブロック評価値BV(S340:図6)の算出に用いられる画素数が多いので、大きい重みWを有する少数の画素に起因するブロック評価値BVの増大が抑制される。従って、過剰検出の誤判定が抑制される。同様に、ブロックの幅BWが大きいほど、少数の画素に起因するブロック評価値BVの増大が抑制されるので、過剰検出の誤判定が抑制される。図示を省略するが、図12、図13の調整処理の開始時には、見逃しの合計ランクRxは、ゼロに初期化される。そして、見逃しの合計ランクRxは、後述する処理によって、更新される。
S108では、プロセッサ210は、設定リストデータ390によって示される複数の条件設定から、1つの未処理の条件設定を取得する。以下、選択された条件設定を、対象条件設定とも呼ぶ。プロセッサ210は、S108で取得した対象条件設定に従って、決定方法の選択と重みWの調整とを試みる。
S108の後、プロセッサ210は、S110へ移行する。S110に続く図12の処理は、図4の処理とおおよそ同じである。図4の処理との差違は、6点ある。第1の差違は、S160の決定方法選択処理(具体的には、図6のS310、S340)が、対象条件設定(高さBHと幅BW)を用いて行われる点である。第2の差違は、図4のS180の判定リストデータ380の更新が、省略されている点である。第3の差違は、S220の第2調整処理(具体的には、図9のS650)が、対象条件設定(第2閾値Wt2)を用いて行われる点である。第4の差違は、見逃しの誤判定が生じる場合に、第1調整処理(図4:S210)に代えて、ランクの記録処理(S212)が行われる点である。第5の差違は、S212とS220の後に、処理は、S110に代えてS140へ移行する点である。第6の差違は、S120の判断結果がYesである場合に、処理が、調整済の条件データ300の格納処理(S296)ではなく、図13のS243へ移行する点である。図12の処理の他の部分は、図4の対応する部分と同じである(図4のステップと同じステップには、同じ符号を付して、説明を省略する)。
図12の処理では、過剰検出の誤判定が生じた場合、図4の実施例と同様に、S220で、誤判定が解消するように、重みテーブル310が調整される。見逃しの誤判定が生じた場合、S212で、プロセッサ210は、判定リストデータに誤判定のランクを記録する。ランクは、正解データによって決められている。図14(B)は、本実施例で用いられる正解データ370aの説明図である。図3(B)の正解データ370との差違は、ランクRkが追加されている点である。片方向方法に基づく印刷方向で印刷すべきバンド画像が、誤って双方向方法に基づく印刷方向で印刷される場合、色むらが生じる。ランクRkは、この色むらの目立ちやすさを示している。ランクRkが大きいほど、色むらが目立ち易い。ランクRkは、正解方法が片方向方法であるパス番号に対応つけて、予め実験的に決定されている。図14(B)の例では、1番の画像の2番の部分画像のランクRkは、0.5である。正解方法が双方向方法であるパス番号に関しては、ランクRkは設定されていない。
図14(C)は、本実施例で用いられる判定リストデータ380aの説明図である。判定リストデータ380aは、画像番号と、パス番号と、見逃しランクRmと、の対応関係を示している。判定リストデータ380aは、見逃しの誤判定を引き起こした部分画像のランクを示している。S212(図12)では、プロセッサ210は、正解データ370a(図14(B))を参照し、見逃しの誤判定を引き起こした部分画像に対応付けられたランクRkを特定する。そして、プロセッサ210は、判定リストデータ380aにおいて、見逃しの誤判定を引き起こした部分画像の見逃しランクRmを、特定したランクRkに設定する。図14(C)の例では、1番の画像の2番の部分画像が、見逃しの誤判定を引き起こし、その見逃しランクRmは、0.5である。複数の部分画像が見逃しの誤判定を引き起こした場合、それらの部分画像の見逃しランクRmに、対応するランクRkの値が設定される。
本実施例では、図12のS212とS220の後には、処理は、S140へ移行する。このように、S150−S220の処理は、対象画像の全てのバンドについて、行われる。そして、全てのバンドデータの処理が終了し(S140:Yes)、全ての画像の全てのバンドの処理が終了した場合(S120:Yes)、プロセッサ210は、図13のS243へ移行する。
S243では、プロセッサ210は、判定リストデータ380a(図14(C))を参照し、見逃しの誤判定が生じたか否かを判断する。見逃しランクRmの欄が空欄である場合、見逃しの誤判定は生じていない。この場合(S243:No)、S245で、プロセッサ210は、最新の重みテーブル310(例えば、S220で調整済の重みテーブル310)と対象条件設定とを用いて、調整済の条件データ300を生成する。閾値データ320とブロックサイズデータ330とは、対象条件設定に基づいて、決定される。プロセッサ210は、S296で調整済の条件データ300を不揮発性記憶装置230に格納し、図12、図13の処理を終了する。図13のS296の処理は、図4のS296の処理と同じである。
判定リストデータ380aから見逃しの誤判定が検出された場合(S243:Yes)、S246で、プロセッサ210は、判定リストデータ380aの複数の部分画像(すなわち、画像番号とパス番号の複数の組み合わせ)を、見逃しランクRmの降順に並ぶように、ソートする。そして、プロセッサ210は、見逃しランクRmがランク閾値以上である全ての部分画像のそれぞれに関して、L1sとL1eで挟まれた処理(S253)の第1ループ処理を実行する。第1ループ処理では、S253で第1調整処理が実行される。ランク閾値は、許容すべきではないランクRkの下限値を示しており、予め実験的に決められている。このループ処理により、ランク閾値以上の見逃しランクRmに対応する部分画像の誤判定が解消するように、重みテーブル310の重みWが調整される。
S260では、プロセッサ210は、過剰検出個数算出処理を実行する。図15は、過剰検出個数算出処理の例を示すフローチャートである。プロセッサ210は、入力画像データ360の全ての画像のそれぞれに関して、L3sとL3eとで挟まれた処理(S720、S730)の第3ループ処理を実行する。S720では、プロセッサ210は、処理対象の画像である対象画像の全ての部分画像のそれぞれの印刷方向の決定方法を選択する。各部分画像の印刷方向の決定方法は、図6の処理によって、選択される。ここで、対象条件設定(図12:S108)と、S253(図13)による調整済の重みテーブル310とが、用いられる。S730では、プロセッサ210は、正解データ370a(図14(B))を参照して各部分画像の正解方法を特定し、過剰検出の誤判定の総数を算出し、算出した総数を示すデータを記憶装置215(例えば、不揮発性記憶装置230)に格納する。繰り返されるS730で、プロセッサ210は、各画像の過剰検出の誤判定の総数の合計を算出する。全ての画像に関する第3ループ処理により、プロセッサ210は、S253(図13)による調整済の重みテーブル310を用いる場合の過剰検出の誤判定の総数である第1総数を算出する。
次に、プロセッサ210は、ランク閾値未満の見逃しランクRmが設定された全ての部分画像のそれぞれに関して、図13のL2sとL2eとで挟まれた処理(S266−S280)の第2ループ処理を実行する。プロセッサ210は、S266で、処理対象の部分画像である対象部分画像に関する第1調整処理を実行する。重みテーブル310は、S253の第1調整処理によって調整され得、さらに、S266の第1調整処理によって調整され得る。
S270では、プロセッサ210は、過剰検出個数算出処理を実行する。S270は、図15の手順に従って、行われる。ここで、対象条件設定(図12:S108)と、S253、S266による調整済の重みテーブル310とが、用いられる。この結果、プロセッサ210は、S253とS266とによる調整済の重みテーブル310を用いる場合の過剰検出の誤判定の総数である第2総数を算出する。
S273では、プロセッサ210は、S266の調整に起因して、過剰検出の誤判定の総数が増大したか否かを判断する。S270で算出される第2総数が、S260で算出される第1総数よりも多い場合、S273の判断結果は、Yesである。この場合、プロセッサ210は、S266の第1調整処理による見逃しの誤判定の解消をキャンセルする。具体的には、S276で、プロセッサ210は、設定リストデータ390(図14(A))の対象条件設定の見逃しの合計ランクRxに、対象部分画像のランクRkを加算する。S280では、プロセッサ210は、重みテーブル310を、S266による調整の前の状態に、戻す。そして、プロセッサ210は、次の部分画像の第2ループ処理を行う。S273の判断結果がNoである場合、プロセッサ210は、S276、S280を実行せずに、次の部分画像の第2ループ処理を行う。
第2ループ処理の終了後、設定リストデータ390(図14(A))の対象条件設定の見逃しの合計ランクRxは、対象条件設定が採用される場合に生じる見逃しの誤判定に対応するランクRkの合計値を示している。この合計ランクRxが小さいほど、色むらが目立ち難い。従って、複数の条件設定のうち、最小の合計ランクRxに対応する条件設定を採用することが好ましい。
S286(図13)では、プロセッサ210は、対象条件設定と調整済の重みテーブル310とを用いて調整済の条件データである候補条件データを生成し、生成した候補条件データを不揮発性記憶装置230に格納する。S290(図13)では、プロセッサ210は、全ての条件設定の処理が終了したか否かを判断する。未処理の条件設定が残っている場合(S290:No)、プロセッサ210は、図12のS108へ移行し、未処理の条件設定の処理を実行する。新たな条件設定の処理を行う場合、プロセッサ210は、未調整の重みテーブル310(すなわち、重みテーブル310の初期値)を用いて、処理を開始する。
全ての条件設定の処理が終了した場合(S290:Yes)、設定リストデータ390(図14(A))には、全ての条件設定のそれぞれの見逃しの合計ランクRxが、記録されている。S293(図13)で、プロセッサ210は、最小の合計ランクRxに対応する条件設定を特定し、特定された条件設定に対応する候補条件データを不揮発性記憶装置230から取得する。S296では、プロセッサ210は、S293で取得した候補条件データを、調整済の条件データ300として、記憶装置115(例えば、不揮発性記憶装置230)に格納する。そして、プロセッサ210は、図12、図13の処理を終了する。
以上のように、本実施例では、過剰検出の誤判定(すなわち、不正解である片方向方法の選択)が解消されるように重みテーブル310が調整される。そして、見逃しの誤判定については、閾値以上の色むらのランクに対応する誤判定が解消するように、重みテーブル310が調整される。重みテーブル310の調整は、複数の条件設定のそれぞれに関して行われる。そして、総合的な色むら(ここでは、合計ランクRx)が最も小さい条件設定と、その条件設定に対応する調整済の重みテーブル310と、を用いて調整済の条件データ300が生成される。従って、大きな色むらを抑制でき、印刷速度を適切に向上できる。また、過剰検出の誤判定の解消と、見逃しの誤判定の解消とは、両立しない場合がある。本実施例では、過剰検出の誤判定の解消が優先されるので、条件データ300を適切に調整できる。
C.第3実施例:
図16(A)は、印刷実行部の別の実施例の説明図である。図1の印刷実行部290との差違は、印刷実行部290aは、測定装置291を備えている点だけである。印刷実行部290aの他の部分の構成は、図1の印刷実行部290の対応する部分の構成と同じである(同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
測定装置291は、印刷実行部290aに関するパラメータを測定する装置である。測定装置291は、温度センサ、または、湿度センサであってよい。また、測定装置291は、カートリッジ400C−400Kのいずれかが最後に交換されてからの経過時間を測定するためのタイマであってよい。例えば、プロセッサ210は、スイッチ295C−295Kの状態を監視することによって、カートリッジ400C−400Kのいずれかが交換されたことを、検知する。そして、プロセッサ210は、新たにカートリッジが装着された時点からの経過時間を、測定装置291(タイマ)を用いて測定する。
図16(B)は、本実施例の第2調整処理のフローチャートの一部である。図9の実施例との差違は、S603、S606が追加されている点だけである。S603、S606以外の処理は、図9の処理と同じである。
S603では、プロセッサ210は、測定装置291からパラメータを示す情報を取得する。S606では、プロセッサ210は、第2閾値Wt2(図10)を、パラメータを用いて調整する。S606の後、プロセッサ210は、S610(図9)へ移行する。S610以降の処理は、図9の実施例と同じである。S650では、調整済の第2閾値Wt2が用いられる。
図16(C)は、パラメータが温度Tである場合の第2閾値Wt2を示すグラフである。横軸は、温度Tを示し、縦軸は、第2閾値Wt2を示している。図示するように、温度Tが高いほど、第2閾値Wt2は大きい値に調整される。例えば、温度Tが温度閾値Ttよりも高い場合には、温度Tが温度閾値Tt以下である場合と比べて、第2閾値Wt2は大きい。この理由は、以下の通りである。
一般的に、印刷実行部290における温度Tが高い場合には、温度Tが低い場合と比べて、ノズルNzの近傍においてインクに含まれる水が蒸発し易いので、ノズルNzから吐出されるインクが濃くなりやすい。インクが濃い場合には、方向色差が、目立ち易い。従って、温度Tが高い場合には、温度Tが低い場合と比べて、双方向方法は選択され難いことが好ましい。ここで、過剰検出の誤判定を解消するために第2調整処理が行われる場合、双方向方法の選択され易さが向上する。このような第2調整処理が行われる場合であっても、温度Tが高い場合には、温度Tが低い場合と比べて、双方向方法の意図しない選択が抑制されて、片方向方法が容易に選択されることが好ましい。すなわち、温度Tが高い場合には、温度Tが低い場合と比べて、第2調整処理が行われた後に双方向方法が選択され難いことが好ましい。双方向方法が選択され難いことは、双方向方法の選択され易さが低いことを示している。図10に示すように、第2調整処理では、第2閾値Wt2より大きく最大値Wm以下の調整範囲の重みWiが、より小さい値に調整される。第2閾値Wt2が大きいほど、重みWiの調整範囲は狭くなるので、ブロック評価値BV(図6:S340等)の低減量は小さくなる。従って、第2閾値Wt2が大きいほど、双方向方法の選択され易さは、向上し難い(すなわち、双方向方法の選択され易さの向上の度合いは、小さい)。この結果、第2閾値Wt2が大きいほど、双方向方法の意図しない選択は抑制され、片方向方法が容易に選択される。以上により、温度Tが高いほど、第2閾値Wt2が大きいことが好ましい。
双方向方法の選択され易さの向上の度合いは、同じ入力画像データ360の複数の部分画像から双方向方法が選択される回数の増分によって、示される。すなわち、調整後の重みテーブル310に従って双方向方法が選択される回数から、調整前の重みテーブル310に従って双方向方法が選択される回数を減算して得られる増分が多いほど、双方向方法の選択され易さの向上の度合いが大きい。また、双方向方法が選択される回数が多いほど、双方向方法の選択され易さは高く、双方向方法が選択される回数が少ないほど、双方向方法の選択され易さは低い。これらの説明は、片方向方法についても、同様である。
本実施例では、温度Tが温度閾値Ttよりも高い場合(すなわち、色むらが目立ち易い場合)には、温度Tが温度閾値Tt以下である場合(すなわち、色むらが目立ち難い場合)と比べて、第2閾値Wt2が大きい。これにより、温度Tが温度閾値Ttよりも高い場合に、温度Tが温度閾値Tt以下である場合と比べて、双方向方法の選択され易さの向上の度合いは小さくなる。従って、第2調整処理が行われた場合であっても、温度Tが高い場合には、双方向方法の選択され易さが低いので、双方向方法の意図しない選択を抑制でき、色むらが目立つことを抑制できる。
図16(D)は、パラメータが湿度Hである場合の第2閾値Wt2を示すグラフである。横軸は、湿度Hを示し、縦軸は、第2閾値Wt2を示している。図示するように、湿度Hが低いほど、第2閾値Wt2は大きい値に調整される。例えば、湿度Hが湿度閾値Htよりも低い場合には、湿度Hが湿度閾値Ht以上である場合と比べて、第2閾値Wt2は大きい。この理由は、以下の通りである。印刷実行部290における湿度Hが低い場合には、湿度HTが高い場合と比べて、ノズルNzの近傍においてインクに含まれる水が蒸発し易いので、ノズルNzから吐出されるインクが濃くなりやすい。従って、湿度Hが低い場合には、色むらが目立ち易い。そこで、図16(D)の実施例では、図16(C)の実施例と同様に、色むらが目立ち易い場合(すなわち、湿度Hが湿度閾値Htよりも低い場合)、色むらが目立ち難い場合(すなわち、湿度Hが湿度閾値Ht以上である場合)と比べて、第2閾値Wt2が大きい。これにより、湿度Hが湿度閾値Htよりも低い場合に、湿度Hが湿度閾値Ht以上である場合と比べて、双方向方法の選択され易さの向上の度合いは小さくなる。従って、第2調整処理が行われた場合であっても、湿度Hが低い場合には、双方向方法の選択され易さが低いので、双方向方法の意図しない選択を抑制でき、色むらが目立つことを抑制できる。
図16(E)は、パラメータが経過時間Tmである場合の第2閾値Wt2を示すグラフである。横軸は、カートリッジが最後に交換されてからの経過時間Tmを示し、縦軸は、第2閾値Wt2を示している。図示するように、経過時間Tmが長いほど、第2閾値Wt2は大きい値に調整される。例えば、経過時間Tmが時間閾値Tmtよりも長い場合には、経過時間Tmが時間閾値Tmt以下である場合と比べて、第2閾値Wt2は大きい。この理由は、以下の通りである。経過時間Tmが長い場合には、経過時間Tmが短い場合と比べて、種々の原因(例えば、インクに含まれる色材の沈降、インクに含まれる水の蒸発)に起因して、ノズルNzから吐出されるインクが濃くなりやすい。従って、経過時間Tmが長い場合には、色むらが目立ち易い。そこで、図16(E)の実施例では、図16(C)の実施例と同様に、色むらが目立ち易い場合(すなわち、経過時間Tmが時間閾値Tmtよりも長い場合)、色むらが目立ち難い場合(すなわち、経過時間Tmが時間閾値Tmt以下である場合)と比べて、第2閾値Wt2が大きい。これにより、経過時間Tmが時間閾値Tmtよりも長い場合に、経過時間Tmが時間閾値Tmt以下である場合と比べて、双方向方法の選択され易さの向上の度合いは小さくなる。従って、第2調整処理が行われた場合であっても、経過時間Tmが長い場合には、双方向方法の選択され易さが低いので、双方向方法の意図しない選択を抑制でき、色むらが目立つことを抑制できる。
D.第4実施例:
図17(A)は、本実施例の条件データの説明図である。本実施例では、印刷処理のモードが、第1印刷モードと第2印刷モードとの2つの印刷モードから、選択される。条件データ300xは、第1印刷モードのための第1条件データ300aと、第2印刷モードのための第2条件データ300bと、を含んでいる。図1の条件データ300と同様に、各条件データ300a、300bは、重みテーブル310a、310bと、閾値データ320a、320bと、ブロックサイズデータ330a、330bとを、含んでいる。初期状態では、データ310a、320a、330aは、データ310b、320b、330bと、それぞれ同じである。本実施例では、重みテーブル310a、310bが、独立に調整される。
図17(B)は、第1印刷モードと第2印刷モードとの組み合わせの例を示す説明図である。図中には、4個の組み合わせC1−C4が示されている。本実施例では、いずれか1つの組み合わせが、採用される。
第1組み合わせC1では、第1印刷モードは「第1標準モード」であり、第2印刷モードは「節約モード」である。「節約モード」は、「第1標準モード」と比べてインクの使用量が少ないモードである。例えば、同じRGB値に対応付けられるCMYKのそれぞれの値に関して、節約モードのCMYKの値は、第1標準モードのCMYKの値に1未満の係数(例えば、0.9)を乗じた値に、それぞれ設定される。図11のS920では、プロセッサ210は、印刷モードに対応付けられたRGBとCMYKとの間の対応関係を参照する。
第2組み合わせC2では、第1印刷モードは「コントラスト強調モード」であり、第2印刷モードは「第2標準モード」である。「コントラスト強調モード」は、「第2標準モード」と比べて、印刷される画像のコントラストが強調されるモードである。例えば、図11のS900において、プロセッサ210は、印刷モードに応じたコントラスト調整処理を実行してよい。コントラスト強調処理によって、濃い色の領域は、広くなり得る。すなわち、「コントラスト強調モード」では、「第2標準モード」と比べて、インクの使用量が増大し得る。
第3組み合わせC3では、第1印刷モードは「片面モード」であり、第2印刷モードが「両面モード」である。「片面モード」は、用紙PMの片面に画像を印刷するモードである。「両面モード」は、用紙PMの両面に画像を印刷するモードである。用紙PMの第1面上のインクが反対側の第2面に滲むことを抑制するために、「両面モード」では、「片面モード」と比べて、インクの使用量が少ない。「両面モード」のインク使用量は、上記の「節約モード」のインク使用量と同様に、「片面モード」のインク使用量を用いて決定されてよい。図11のS920では、プロセッサ210は、印刷モードに対応付けられたRGBとCMYKとの間の対応関係を参照する。
第4組み合わせC4では、第1印刷モードは第1種紙に印刷する「第1種紙モード」であり、第2印刷モードは第2種紙に印刷する「第2種紙モード」である。第2種紙は、第1種紙と比べて、インクの乾燥が遅い紙である。例えば、第1種紙は、マット紙であり、第2種紙は、普通紙である。第2種紙上の未乾燥のインクが他の部材(例えば、他の紙)に意図せずに転写されることを抑制するために、「第2種紙モード」では、「第1種紙モード」と比べて、インクの使用量が少ない。「第2種紙モード」のインク使用量は、上記の「節約モード」のインク使用量と同様に、「第1種紙モード」のインク使用量を用いて決定されてよい。図11のS920では、プロセッサ210は、印刷モードに対応付けられたRGBとCMYKとの間の対応関係を参照する。
以上の4つの組み合わせC1−C4のそれぞれにおいて、第1印刷モードでは、第2印刷モードと比べて、同じ画像を印刷する場合のインク使用量が増大し得る。従って、第1印刷モードでは、第2印刷モードと比べて、色むらが目立ち易い。そこで、本実施例では、第1印刷モードのための第1条件データ300aの第2調整処理は、第2印刷モードのための第2条件データ300bの第2調整処理と比べて、双方向方法の意図しない選択が抑制されるように、行われる。
図17(C)は、調整処理のフローチャートの一部である。図中には、図4のフローチャートに追加されるS102、S104が示されている。S102では、プロセッサ210は、調整処理の対象の印刷モードである対象モードを特定する。対象モードは、ユーザによって指定されてよい。S104では、プロセッサ210は、第1条件データ300aと第2条件データ300bとから、対象モードに対応付けられた条件データを選択する。S104の後、プロセッサ210は、S110(図4)へ移行する。S110以降の処理では、S104で選択された条件データが、調整される。S102、S104以外の処理は、図4の処理と同じである。ただし、以下に説明するように、第2調整処理(S220)では、対象モードに対応付けられた第2閾値Wt2が、用いられる。
図17(D)は、対象モードと第2閾値Wt2との関係を示すグラフである。横軸は、対象モードを示し、縦軸は、第2閾値Wt2を示している。図示するように、色むらが目立ち易い第1印刷モードのための第2閾値Wt2aは、色むらが目立ち難い第2印刷モードのための第2閾値Wt2bよりも大きい。第2条件データ300bの第2調整処理(図9)では、第2閾値Wt2bよりも大きい重みWが、調整前の重みWより小さい重みWに調整される。第1条件データ300aの第2調整処理では、第2閾値Wt2aよりも大きい重みWが、調整前の重みWより小さい重みWに調整される。ここで、第2閾値Wt2aは、第2閾値Wt2bよりも大きい。図16(C)等で説明したように、第2閾値Wt2が大きいほど、双方向方法の選択され易さの向上の度合いが小さいので、第2閾値Wt2が大きいほど、双方向方法の意図しない選択は抑制され、片方向方法が容易に選択される。第2調整処理において、第1条件データ300aの調整は、第2条件データ300bの調整と比べて、大きい第2閾値Wt2によって抑制される。以上により、第1印刷モードでは、双方向方法の意図しない選択が抑制されるので、色むらが目立つことを抑制できる。
E.第5実施例:
図18(A)は、本実施例の条件データの説明図である。本実施例では、ブロックの種類が、第1種ブロックと第2種ブロックとの2つの種類から、選択される。条件データ300yは、第1種ブロックのための第1条件データ300cと、第2種ブロックのための第2条件データ300dと、を含んでいる。図1の条件データ300と同様に、各条件データ300c、300dは、重みテーブル310c、310dと、閾値データ320c、320dと、ブロックサイズデータ330c、330dとを、含んでいる。初期状態では、データ310c、320c、330cは、データ310d、320d、330dと、それぞれ同じである。本実施例では、重みテーブル310c、310dが、独立に調整される。
図18(B)は、第1種ブロックと第2種ブロックとの組み合わせの例を示す説明図である。図中には、2つの組み合わせC11、C12が示されている。本実施例では、いずれか1つの組み合わせが、採用される。
第1組み合わせC11では、第1種ブロックは、文字のオブジェクトのみを含むブロックである文字ブロックであり、第2種ブロックは、文字とは異なる種類のオブジェクトを含むブロックである非文字ブロックである。図19(A)は、文字ブロックと非文字ブロックの説明図である。図中には、部分画像BI(n+3)、BI(n+4)が示されている。文字の第3オブジェクトOB3のみを示す複数のブロックBL11(薄いハッチングが付された複数のブロックBL11)は、文字ブロック(すなわち、第1種ブロック)の例である。写真の第2オブジェクトOB2を示す複数のブロックBL12(濃いハッチングが付された複数のブロックBL12)は、非文字ブロック(すなわち、第2種ブロック)の例である。第2種ブロックBL12は、第1種ブロックBL11と比べて、多数の濃い色の画素を含み得る。従って、第2種ブロックBL12の色むらは、第1種ブロックBL11の色むらと比べて、目立ち易い。
第2組み合わせC12(図18(B))では、第1種ブロックは、内ブロックであり、第2種ブロックは、端ブロックである。図20(A)は、内ブロックと端ブロックの説明図である。図中には、部分画像BI(n+3)、BI(n+4)が示されている。各部分画像BIの副走査方向D3に平行な方向の端(すなわち、隣接する部分画像BIの境界)から離れた複数のブロックBL21(薄いハッチングが付された複数のブロックBL21)は、内ブロック(すなわち、第1種ブロック)の例である。各部分画像BIの副走査方向D3に平行な方向の端を含む複数のブロックBL22(濃いハッチングが付された複数のブロックBL22)は、端ブロック(すなわち、第2種ブロック)の例である。内ブロックBL21は、部分画像の複数のブロックBLから端ブロックBL22を除いた残りのブロックである。部分画像BI(n+3)の端ブロックBL22は、隣の部分画像BI(n+4)の端ブロックBL22に隣接している。従って、部分画像BI(n+3)、BI(n+4)の間で印刷方向が異なる場合、隣接する複数の端ブロックBL22の色むらは、内ブロックBL21の色むらと比べて、目立ち易い。
以上のように、2つの組み合わせC11、C12のそれぞれにおいて、第2種ブロックBL12、22の色むらは、第1種ブロックBL11、BL21の色むらと比べて、目立ち易い。そこで、本実施例では、第2種ブロックのための第2条件データ300dの第2調整処理は、第1種ブロックのための第1条件データ300cの第2調整処理と比べて、双方向方法の意図しない選択が抑制されるように、行われる。
図18(C)は、決定方法選択処理のフローチャートの一部である。図中には、図6のフローチャートに追加されるS333、S336が示されている。図6のS330の判断結果がNoである場合、S333で、プロセッサ210は、対象ブロックの種類を特定する。
図19(B)は、文字ブロックと非文字ブロックとを特定する処理の例を示すフローチャートである。S810では、プロセッサ210は、対象ブロックのエッジ量Edを算出する。本実施例では、ブロックのエッジ量Edは、ブロックに含まれる複数の画素のそれぞれのエッジ量の平均値である。1つの画素のエッジ量は、画素値(RGB値)から輝度値を算出し、輝度値に対して公知のsobelフィルタを適用して算出される。なお、Sobelフィルタに限らず、Prewittフィルタ、Robertsフィルタなど種々のエッジ抽出フィルタを利用可能である。また、輝度値に代えて、他の色成分(例えば、緑Gの階調値)に、エッジ抽出フィルタを適用してもよい。
S820では、プロセッサ210は、平均エッジ量Edが所定の閾値Teよりも大きいか否かを判断する。対象ブロックが文字を示す場合、対象ブロックが文字ブロックである場合、対象ブロックが非文字ブロックである場合と比べて、文字の細かい形状に起因して平均エッジ量Edが大きくなる。従って、平均エッジ量Edが閾値Teよりも大きい場合(S820:Yes)、S830で、プロセッサ210は、対象ブロックが文字ブロックであると特定する。平均エッジ量Edが閾値Te以下である場合(S820:No)、S840で、プロセッサ210は、対象ブロックが非文字ブロックであると特定する。以上により、図19(B)の処理、ひいては、図18(B)のS333が終了する。
なお、文字ブロックと非文字ブロックとから対象ブロックの種類を特定する方法は、他の任意の方法であってよい。例えば、プロセッサ210は、公知の文字認識処理によって、対象画像中の文字を認識してよい。プロセッサ210は、文字と背景とのいずれとも異なる領域を、文字とは異なる種類のオブジェクトである非文字オブジェクトの領域として特定してよい。そして、プロセッサ210は、対象ブロックに含まれるオブジェクトの種類に基づいて、対象ブロックの種類を特定してよい。
図20(B)は、内ブロックと端ブロックとを特定する処理の例を示すフローチャートである。S850では、プロセッサ210は、対象ブロックが部分画像の副走査方向D3に平行な方向の端を含むか否かを判断する。対象ブロックが端を含む場合、すなわち、対象ブロックが端に接している場合(S850:Yes)、S860で、プロセッサ210は、対象ブロックが端ブロックであると特定する。対象ブロックが端を含まない場合、すなわち、対象ブロックが端から離れている場合(S850:No)、S870で、プロセッサ210は、対象ブロックが内ブロックであると特定する。以上により、図20(B)の処理、ひいては、図18(B)のS333が終了する。
S333の後、S336で、プロセッサ210は、第1条件データ300cと第2条件データ300dとから、対象ブロックの種類に対応付けられた条件データを選択する。S336の後、プロセッサ210は、図6のS340へ移行する。S340以降の処理では、S336で選択された条件データに従って、決定方法が選択される。S333、S336以外の処理は、図6の処理と同じである。
図18(D)は、第2調整処理のフローチャートの一部である。図中には、図9のフローチャートに追加されるS623が示されている。S620(図9)の後、S623で、プロセッサ210は、第1条件データ300cと第2条件データ300dとから、候補ブロックの種類に対応付けられた条件データを選択する。S623の後、プロセッサ210は、図9のS630へ移行する。S630の判断結果がYesである場合、S650では、S623で選択された条件データが、調整される。S623以外の処理は、図9の処理と同じである。ただし、以下に説明するように、S650では、対象ブロックの種類に対応付けられた第2閾値Wt2が、用いられる。
図18(E)は、ブロックの種類と第2閾値Wt2との関係を示すグラフである。横軸は、ブロックの種類を示し、縦軸は、第2閾値Wt2を示している。図示するように、色むらが目立ち易い第2種ブロックのための第2閾値Wt2dは、色むらが目立ち難い第1種ブロックのための第2閾値Wt2cよりも大きい。第1条件データ300cの第2調整処理(図9)では、第2閾値Wt2cよりも大きい重みWが、調整前の重みWより小さい重みWに調整される。第2条件データ300dの第2調整処理では、第2閾値Wt2dよりも大きい重みWが、調整前の重みWより小さい重みWに調整される。ここで、第2閾値Wt2dは、第2閾値Wt2cよりも大きい。図16(C)等で説明したように、第2閾値Wt2が大きいほど、双方向方法の選択され易さの向上の度合いが小さいので、第2閾値Wt2が大きいほど、双方向方法の意図しない選択は抑制され、片方向方法が容易に選択される。第2調整処理において、第2条件データ300dの調整は、第1条件データ300cの調整と比べて、大きい第2閾値Wt2によって抑制される。従って、第1種ブロックが文字ブロックであり、第2種ブロックが非文字ブロックである場合には、文字とは異なる種類のオブジェクトの色むらが目立つことを抑制できる。また、第1種ブロックが内ブロックであり、第2種ブロックが端ブロックである場合には、隣合う部分画像の隣合う端ブロックの間の色むらが目立つことを抑制できる。
F.変形例:
(1)図6の選択処理では、部分画像の方向色差の評価値である画像評価値として、ブロック評価値BV(S340)が用いられている。ブロック評価値BVは、対象ブロックに含まれる複数の画素の色評価値Wの大きさを表す種々の値であってよい。例えば、ブロック評価値BVは、色評価値Wの平均値に代えて、最大値、中央値、最頻値、最小値のいずれかであってよい。また、ブロック評価値BVは、複数の画素の色評価値Wの積算値であってよい。また、ブロック評価値BVの特定に用いられる画素は、対象ブロックに含まれる複数の画素のうちの一部の複数の画素であってもよい。例えば、ブロック内から均等に複数の画素が間引かれ、残った複数の画素が用いられてよい。
印刷方向を決定するための特定条件(具体的には、片方向方法を選択するための条件)は、図6の「少なくとも1つのブロックBLの評価値BVが閾値BVt以上である」に代えて、部分画像の方向色差の評価値である画像評価値が基準以上であることを示す任意の条件であってよい。例えば、部分画像の複数のブロックBLのうち、閾値BVt以上のブロック評価値BVを有するブロックBLの割合が、画像評価値として用いられてもよい。そして、特定条件は、このようなブロックBLの割合が割合閾値以上であることであってよい。
画像評価値は、ブロック評価値BVを用いて表される値に代えて、部分画像の方向色差の大きさを示す種々の値であってよい。画像評価値は、部分画像に含まれる複数の画素のそれぞれの色評価値Wを用いて、ブロックとは無関係に、算出されてよい(例えば、平均値、最大値、中央値、最頻値、最小値、積算値など)。ここで、部分画像に含まれる全ての画素が用いられてよく、部分画像に含まれる複数の画素のうちの一部の複数の画素が用いられてよい。特定条件は、このような画像評価値が閾値以上であることであってよい。
いずれの場合も、条件データ(例えば、条件データ300(図1))は、特定条件を決定するための種々のデータ(例えば、割合閾値を示すデータ)を含んでよい。
(3)図12−図13の実施例において、複数の条件設定のうちの一部の1以上の条件設定を用いて、条件データが調整されてよい。例えば、過剰検出の誤判定と見逃しの誤判定との全てが解消した場合には、未処理の条件設定を用いずに、その時点での対象条件設定と調整済の重みテーブル310とを用いて、条件データが決定されてよい。また、見逃しの誤判定の解消が優先され、過剰検出の誤判定が許容されてもよい。この場合、色むらを抑制でき、印刷速度の大幅な低下を抑制できる。
(4)図7の第1調整処理において、調整すべき重みWの特定に用いられる画素は、最大ブロック評価値を有するブロックに含まれる画素に代えて、他の種々の画素であってよい。例えば、部分画像の複数の画素をラベリングによってP個(Pは1以上の整数)の画素群に区分し、重みWの平均値が最大である画素群に関連する重みWが調整されてよい。
(5)図9の第2調整処理において、調整すべき重みWの特定に用いられる画素は、最初に見つかったブロックに含まれる画素に代えて、他の種々の画素であってよい。例えば、部分画像の複数の画素をラベリングによってQ個(Qは1以上の整数)の画素群に区分し、重みWの平均値が最大である画素群に関連する重みWが調整されてよい。
(6)図4等の実施例において、第1調整処理(S210)と第2調整処理(S220)のうちの1つの処理のみが実行されることとしてもよい。例えば、重みテーブル310(図3(A))の重みWの初期値が、見逃しの誤判定が生じないほどに大きな値に設定される場合、第1調整処理は省略されてよい。また、重みWの初期値が、過剰検出の誤判定が生じないほどに小さい値に設定される場合、第2調整処理は省略されてよい。
(7)特定条件が満たされる場合の決定方法は、片方向方法に代えて、「印刷方向を、1つ前の部分印刷の印刷方向と同じ方向に決定する」という方法である連続方向方法であってよい。連続方向方法が用いられる場合、隣合う部分画像の間で色むらが目立つことを抑制できる。このように、印刷方向の決定方法は、「片方向方法と連続方向方法とのうちいずれかの方法(第1決定方法とも呼ぶ)」と、「双方向方法(第2決定方法とも呼ぶ)」とから選択されてよい。
(8)図8、図10等の調整処理において、未調整重みWiと調整済重みWoとの対応関係は、種々の関係であってよい。例えば、調整済重みWoは、未調整重みWiの変化に対して、曲線を描くように変化してよく、階段状に変化してもよい。また、調整済重みWoは、未調整重みWiに所定の係数を乗じて得られる値であってよい。いずれの場合も、図8等の第1調整処理では、プロセッサ210は、重みテーブルによって示される複数の対応関係(例えば、図3(A)のRGB−Wの対応関係)の複数の重みWのうち、第1調整閾値(例えば、第1閾値Wt1)を超える重みWを、調整前の重みWよりも大きい重みWに調整してよい。また、図10等の第2調整処理では、プロセッサ210は、重みテーブルによって示される複数の対応関係の複数の重みWのうち、第2調整閾値(例えば、第2閾値Wt2)を超える重みWを、調整前の重みWよりも小さい重みWに調整してよい。
(9)図16(C)−図16(E)の実施例において、第2閾値Wt2は、パラメータT、H、Tmの変化に対して、曲線を描くように変化してよく、階段状に変化してもよい。また、条件データの調整には、種々のパラメータが、用いられてよい。例えば、温度T、湿度H、経過時間Tmから選択された2以上のパラメータが用いられてよい。いずれの場合も、双方向方法が選択されやすくなるためには、特定条件が満たされ難くなるように、条件データが調整される。例えば、図9、図10の第2調整処理のように、重みWが小さい値に調整されてよい。ここで、第2閾値Wt2が小さいほど、多くのグリッドGDの重みWが小さくなるので、特定条件が満たされ難くなる。また、図14(A)で説明したように、ブロックサイズ(幅BW、または、高さBH)が大きい値に調整されてよい。また、画像評価値の大きさを判断するための閾値(例えば、ブロック評価値閾値BVtや上記の割合閾値など)が、大きい値に調整されてよい。また、条件データの予め決められた複数の候補(例えば、複数の重みテーブル310)から条件データが選択される場合に、条件データが、特定条件が満たされ難い別の候補に変更されてよい。
第1決定方法(片方向方法、または、連続方向方法)が選択されやすくなるためには、双方向方法が選択されやすくなるための調整とは反対の調整が行われる。例えば、図7、図8の第1調整処理のように、重みWが大きい値に調整されてよい。ここで、第1閾値Wt1が小さいほど、多くのグリッドGDの重みWが大きくなるので、特定条件が満たされ易くなる。また、ブロックサイズが小さい値に調整されてよく、画像評価値の大きさを判断するための閾値が小さい値に調整されてよく、条件データが、複数の候補のうちの特定条件が満たされ易い別の候補に変更されてよい。
(10)利用可能な印刷モードは、種々の印刷モードを含んでよく、例えば、図17(B)の4個の組み合わせC1−C4から任意に選択された2以上の組み合わせを含んでよい。また、ブロック種類は、図18(B)の種類に限らず、種々の種類から選択されてよい。印刷モードとブロック種類との組み合わせ毎に、条件データが準備されてもよい。一般的には、複数の印刷モードと複数のブロック種類などの複数の処理条件に対応付けられた複数の条件データが用いられてよい。そして、複数の条件データは、上述した種々の調整方法(例えば、温度Tなどのパラメータを用いる調整方法)に従って、独立に調整されてよい。
(11)条件データの調整処理は、上記の処理に代えて、他の種々の処理であってよい。例えば、図12、図13の実施例に、図17(C)の実施例が適用されてよい。また、調整処理と印刷処理とに用いられる画像データの形式は、RGB色空間のビットマップ形式に代えて、他の種々の形式であってよい。例えば、YCbCr色空間のビットマップ形式の画像データが、印刷に利用されてよい。
(12)印刷装置の構成は、図1、図2(A)−図2(C)の構成に代えて、他の種々野構成であってよい。例えば、利用可能なインク色の総数(ひいては、ノズル群の総数)は、2以上の任意の数であってよい。また、スキャナ部280を備えない単機能の印刷装置が、用いられてよい。また、条件データの調整処理は、印刷装置に接続された外部装置(例えば、印刷装置の例である複合機200に接続されたデータ処理装置100)によって、実行されてもよい。また、条件データの調整処理は、印刷装置の製造者によって行われてよく、また、印刷装置のユーザによって行われてよい。印刷処理(例えば、図11の処理)は、印刷装置に接続された外部装置によって、実行されてよい。調整済の条件データは、プリンタドライバの一部として、提供されてよい。
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図6の決定方法選択処理は、専用のハードウェア回路によって実行されてよい。
また、本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含み得る。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100…データ処理装置、110…プロセッサ、115…記憶装置、120…揮発性記憶装置、130…不揮発性記憶装置、132…プログラム、140…表示部、150…操作部、170…通信インタフェース、200…複合機、210…プロセッサ、215…記憶装置、220…揮発性記憶装置、230…不揮発性記憶装置、232、234…プログラム、240…表示部、250…操作部、270…通信インタフェース、280…スキャナ部、290、290a…印刷実行部、291…測定装置、292…印刷ヘッド、294…移動装置、295C−295K…スイッチ、296…搬送装置、297C−297K…装着部、298…制御回路、299…制御部、300…条件データ、300a…第1条件データ、300b…第2条件データ、300c…第1条件データ、300d…第2条件データ、300x…条件データ、300y…条件データ、310、310a、310b、310c、310d…重みテーブル(対応関係データ)、320、320a、320b、320c、320d…閾値データ、330、330a、330b、330c、330d…ブロックサイズデータ、360…入力画像データ、365…選択データ、370、370a…正解データ、380、380a…判定リストデータ、390…設定リストデータ、400C−400K…カートリッジ、1000…画像処理システム、D1…第1方向(主走査方向、順方向)、D2…第2方向(主走査方向、逆方向)、D3…第3方向(副走査方向)、CC…色立体、GD…グリッド、TI…対象画像、BI…部分画像(バンド画像)、BL…ブロック、PM…用紙、SP…角、Nz…ノズル

Claims (14)

  1. 主走査方向に並んで配置される第1色インクを吐出する第1ノズル群と第2色インクを吐出する第2ノズル群とを有する印刷ヘッドと、印刷媒体に対して前記主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する移動装置と、前記印刷ヘッドに対して前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記印刷媒体を相対移動させる副走査を実行する搬送装置と、を備える印刷装置を制御するための条件データを調整する調整装置であって、
    前記条件データは、前記主走査方向に沿う第1方向と前記第1方向の反対の第2方向とから選択される印刷方向の前記主走査を行いつつ前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とから前記印刷媒体に向かって前記第1色インクと前記第2色インクとをそれぞれ吐出する部分印刷と、前記副走査と、を前記印刷装置に複数回実行させることによって、前記印刷装置に画像を印刷させる場合に、複数回の前記部分印刷のそれぞれの前記印刷方向を決定するための特定条件を決定するデータであり、
    前記調整装置は、
    対象画像データを取得する取得処理と、
    前記第1方向の前記部分印刷で前記部分画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と前記第2方向の前記部分印刷で前記部分画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色との間の差の評価値である画像評価値が基準以上であることを示す前記特定条件が満たされるか否かを、前記対象画像データの対象画像に含まれる複数個の部分画像のそれぞれについて判断する条件判断処理と、
    1つ前の前記部分印刷の前記印刷方向と同じ方向に、または、前記1つ前の前記部分印刷の前記印刷方向に拘わらずに前記第1方向に、前記印刷方向を決定する第1決定方法と、前記前回の前記部分印刷の前記印刷方向とは反対の方向に前記印刷方向を決定する第2決定方法とから、前記印刷方向を決定する決定方法を、前記条件判断処理の判断に基づき選択する選択処理と、
    前記複数個の部分画像のそれぞれの前記選択処理において選択された決定方法が、前記複数個の部分画像のそれぞれの予め決められた正解方法と同じであるか否かを判断する正解判断処理と、
    前記選択された決定方法が前記正解方法と異なる場合に、前記正解方法の選択され易さが向上するように前記条件データを調整する調整処理と、
    を実行し、
    前記調整処理は、
    前記正解方法が前記第1決定方法であり前記選択された決定方法が前記第2決定方法である場合に、前記第1決定方法の選択され易さが向上するように、前記条件データを調整する第1調整処理と、
    前記正解方法が前記第2決定方法であり前記選択された決定方法が前記第1決定方法である場合に、前記第2決定方法の選択され易さが向上するように、前記条件データを調整する第2調整処理と、
    の少なくとも一方を実行する、調整装置。
  2. 請求項1に記載の調整装置であって、
    前記調整装置は、前記第2調整処理において、前記印刷装置における温度が温度閾値よりも高い場合には、前記温度が前記温度閾値以下である場合と比べて、前記第2決定方法の選択され易さの向上の度合いが小さくなるように、前記条件データを調整する、
    調整装置。
  3. 請求項1または2に記載の調整装置であって、
    前記調整装置は、前記第2調整処理において、前記印刷装置における湿度が湿度閾値よりも低い場合には、前記湿度が前記湿度閾値以上である場合と比べて、前記第2決定方法の選択され易さの向上の度合いが小さくなるように、前記条件データを調整する、
    調整装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の調整装置であって、
    前記印刷装置を制御するためのモードは、第1標準モードと、前記第1標準モードと比べてインク使用量が少ない節約モードと、を含み、
    前記条件データは、前記第1標準モードで使用される第1標準条件データと、前記節約モードで使用される節約条件データと、を含み、
    前記調整装置は、前記第1標準条件データを調整するための前記第2調整処理では、前記節約条件データを調整するための前記第2調整処理と比べて、前記第2決定方法の選択され易さの向上の度合いが小さくなるように、前記第1標準条件データと前記節約条件データを調整する、
    調整装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の調整装置であって、
    前記印刷装置を制御するためのモードは、第2標準モードと、前記第2標準モードと比べてコントラストが強調される強調モードと、を含み、
    前記条件データは、前記第2標準モードで使用される第2標準条件データと、前記強調モードで使用される強調条件データと、を含み、
    前記調整装置は、前記強調条件データを調整するための前記第2調整処理では、前記第2標準条件データを調整するための前記第2調整処理と比べて、前記第2決定方法の選択され易さの向上の度合いが小さくなるように、前記強調条件データと前記第2標準条件データを調整する、
    調整装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の調整装置であって、
    前記印刷装置は、前記第1色インクを収容する第1カートリッジと前記第2色インクを収容する第2カートリッジとを装着可能な装着部を備え、
    前記調整装置は、前記第2調整処理において、前記第1カートリッジまたは前記第2カートリッジが最後に交換されてからの経過時間が時間閾値よりも長い場合には、前記経過時間が前記時間閾値以下である場合と比べて、前記第2決定方法の選択され易さの向上の度合いが小さくなるように、前記条件データを調整する、
    調整装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の調整装置であって、
    前記印刷装置を制御するためのモードは、前記印刷媒体の片面に画像を印刷する片面モードと、前記印刷媒体の両面に画像を印刷する両面モードと、を含み、
    前記条件データは、前記片面モードで使用される片面条件データと、前記両面モードで使用される両面条件データと、を含み、
    前記調整装置は、前記片面条件データを調整するための前記第2調整処理では、前記両面条件データを調整するための前記第2調整処理と比べて、前記第2決定方法の選択され易さの向上の度合いが小さくなるように、前記片面条件データと前記両面条件データを調整する、
    調整装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の調整装置であって、
    前記印刷装置を制御するためのモードは、第1種印刷媒体に画像を印刷する第1種媒体モードと、前記第1種印刷媒体と比べてインクの乾燥が遅い第2種印刷媒体に画像を印刷する第2種媒体モードと、を含み、
    前記条件データは、前記第1種媒体モードで使用される第1種媒体条件データと、前記第2種媒体モードで使用される第2種媒体条件データと、を含み、
    前記調整装置は、前記第1種媒体条件データを調整するための前記第2調整処理では、前記第2種媒体条件データを調整するための前記第2調整処理と比べて、前記第2決定方法の選択され易さの向上の度合いが小さくなるように、前記第1種媒体条件データと前記第2種媒体条件データを調整する、
    調整装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の調整装置であって、
    前記条件データは、前記対象画像データの色空間内の色値と、前記第1方向の前記部分印刷で前記色値に従って画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と前記第2方向の前記部分印刷で前記色値に従って画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色との間の差の評価値である色評価値と、の対応関係であって、互いに異なる複数の色値の複数の対応関係を示す対応関係データを含み、
    前記調整装置は、前記部分画像に含まれる複数の画素の複数の色値に前記対応関係データによって対応付けられる複数の色評価値を用いて、前記画像評価値を算出する処理を実行し、
    前記部分画像は、複数のブロックで構成され、
    前記条件データは、
    文字のオブジェクトのみを含むブロックに含まれる画素のための第1オブジェクト条件データと、
    文字とは異なる種類のオブジェクトを含むブロックに含まれる画素のための第2オブジェクト条件データと、
    を含み、
    前記調整装置は、前記第2オブジェクト条件データを調整するための前記第2調整処理では、前記第1オブジェクト条件データを調整するための前記第2調整処理と比べて、前記第2決定方法の選択され易さの向上の度合いが小さくなるように、前記第1オブジェクト条件データと前記第2オブジェクト条件データを調整する、
    調整装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の調整装置であって、
    前記条件データは、前記対象画像データの色空間内の色値と、前記第1方向の前記部分印刷で前記色値に従って画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と前記第2方向の前記部分印刷で前記色値に従って画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色との間の差の評価値である色評価値と、の対応関係であって、互いに異なる複数の色値の複数の対応関係を示す対応関係データを含み、
    前記調整装置は、前記部分画像に含まれる複数の画素の複数の色値に前記対応関係データによって対応付けられる複数の色評価値を用いて、前記画像評価値を算出する処理を実行し、
    前記条件データは、
    前記部分画像のうち前記副走査方向に平行な方向の端を含む一部の領域である端領域内の画素のための端条件データと、
    前記部分画像のうち前記端領域を除いた残りの領域である内領域内の画素のための内条件データと、
    を含み、
    前記調整装置は、前記端条件データを調整するための前記第2調整処理では、前記内条件データを調整するための前記第2調整処理と比べて、前記第2決定方法の選択され易さの向上の度合いが小さくなるように、前記端条件データと前記内条件データを調整する、
    調整装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の調整装置であって、
    前記条件データは、前記対象画像データの色空間内の色値と、前記第1方向の前記部分印刷で前記色値に従って画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と前記第2方向の前記部分印刷で前記色値に従って画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色との間の差の評価値である色評価値と、の対応関係であって、互いに異なる複数の色値の複数の対応関係を示す対応関係データを含み、
    前記調整装置は、前記部分画像に含まれる複数の画素の複数の色値に前記対応関係データによって対応付けられる複数の色評価値を用いて、前記画像評価値を算出する処理を実行し、
    前記部分画像は、複数のブロックで構成され、
    前記第1調整処理は、
    前記ブロックに含まれる複数の画素に対応付けられた複数の色評価値を用いて算出されるブロック評価値であって、前記第1方向の前記部分印刷で前記ブロックが印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と前記第2方向の前記部分印刷で前記ブロックが印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色との間の差の評価値である前記ブロック評価値が最大である第1対象ブロックを、前記複数のブロックから検索する処理と、
    前記第1対象ブロックに含まれる複数の画素の複数の色値に前記対応関係データによって対応付けられる複数の色評価値のそれぞれを、調整前の色評価値より大きい色評価値に調整する処理と、
    を含む、調整装置。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の調整装置であって、
    前記条件データは、前記対象画像データの色空間内の色値と、前記第1方向の前記部分印刷で前記色値に従って画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と前記第2方向の前記部分印刷で前記色値に従って画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色との間の差の評価値である色評価値と、の対応関係であって、互いに異なる複数の色値の複数の対応関係を示す対応関係データを含み、
    前記調整装置は、前記部分画像に含まれる複数の画素の複数の色値に前記対応関係データによって対応付けられる複数の色評価値を用いて、前記画像評価値を算出する処理を実行し、
    前記部分画像は、複数のブロックで構成され、
    前記第2調整処理は、
    前記ブロックに含まれる複数の画素に対応付けられた複数の色評価値を用いて算出されるブロック評価値であって、前記第1方向の前記部分印刷で前記ブロックが印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と前記第2方向の前記部分印刷で前記ブロックが印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色との間の差の評価値である前記ブロック評価値がブロック基準以上である第2対象ブロックを、前記複数のブロックから検索する処理と、
    最初に検索された第2対象ブロックに含まれる複数の画素の複数の色値に前記対応関係データによって対応付けられる複数の色評価値のそれぞれを、調整前の色評価値より小さい色評価値に調整する処理と、
    を含む、調整装置。
  13. 主走査方向に並んで配置される第1色インクを吐出する第1ノズル群と第2色インクを吐出する第2ノズル群とを有する印刷ヘッドと、印刷媒体に対して前記主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する移動装置と、前記印刷ヘッドに対して前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記印刷媒体を相対移動させる副走査を実行する搬送装置と、を備える印刷装置を制御するための条件データを調整する調整方法であって、
    前記条件データは、前記主走査方向に沿う第1方向と前記第1方向の反対の第2方向とから選択される印刷方向の前記主走査を行いつつ前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とから前記印刷媒体に向かって前記第1色インクと前記第2色インクとをそれぞれ吐出する部分印刷と、前記副走査と、を前記印刷装置に複数回実行させることによって、前記印刷装置に画像を印刷させる場合に、複数回の前記部分印刷のそれぞれの前記印刷方向を決定するための特定条件を決定するデータであり、
    前記調整方法は、
    対象画像データを取得する取得工程と、
    前記第1方向の前記部分印刷で前記部分画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と前記第2方向の前記部分印刷で前記部分画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色との間の差の評価値である画像評価値が基準以上であることを示す前記特定条件が満たされるか否かを、前記対象画像データの対象画像に含まれる複数個の部分画像のそれぞれについて判断する条件判断工程と、
    1つ前の前記部分印刷の前記印刷方向と同じ方向に、または、前記1つ前の前記部分印刷の前記印刷方向に拘わらずに前記第1方向に、前記印刷方向を決定する第1決定方法と、前記前回の前記部分印刷の前記印刷方向とは反対の方向に前記印刷方向を決定する第2決定方法とから、前記印刷方向を決定する決定方法を、前記条件判断工程の判断に基づき選択する選択構成と、
    前記複数個の部分画像のそれぞれの前記選択処理において選択された決定方法が、前記複数個の部分画像のそれぞれの予め決められた正解方法と同じであるか否かを判断する正解判断工程と、
    前記選択された決定方法が前記正解方法と異なる場合に、前記正解方法の選択され易さが向上するように前記条件データを調整する調整工程と、
    を含み、
    前記調整工程は、
    前記正解方法が前記第1決定方法であり前記選択された決定方法が前記第2決定方法である場合に、前記第1決定方法の選択され易さが向上するように、前記条件データを調整する第1調整処理と、
    前記正解方法が前記第2決定方法であり前記選択された決定方法が前記第1決定方法である場合に、前記第2決定方法の選択され易さが向上するように、前記条件データを調整する第2調整処理と、
    の少なくとも一方を実行する、調整方法。
  14. 主走査方向に並んで配置される第1色インクを吐出する第1ノズル群と第2色インクを吐出する第2ノズル群とを有する印刷ヘッドと、印刷媒体に対して前記主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する移動装置と、前記印刷ヘッドに対して前記主走査方向と交差する副走査方向に沿って前記印刷媒体を相対移動させる副走査を実行する搬送装置と、を備える印刷装置を制御するための条件データを調整するコンピュータのためのプログラムであって、
    前記条件データは、前記主走査方向に沿う第1方向と前記第1方向の反対の第2方向とから選択される印刷方向の前記主走査を行いつつ前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とから前記印刷媒体に向かって前記第1色インクと前記第2色インクとをそれぞれ吐出する部分印刷と、前記副走査と、を前記印刷装置に複数回実行させることによって、前記印刷装置に画像を印刷させる場合に、複数回の前記部分印刷のそれぞれの前記印刷方向を決定するための特定条件を決定するデータであり、
    前記プログラムは、
    対象画像データを取得する取得機能と、
    前記第1方向の前記部分印刷で前記部分画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色と前記第2方向の前記部分印刷で前記部分画像が印刷されると仮定した場合に印刷される画像の色との間の差の評価値である画像評価値が基準以上であることを示す前記特定条件が満たされるか否かを、前記対象画像データの対象画像に含まれる複数個の部分画像のそれぞれについて判断する条件判断機能と、
    1つ前の前記部分印刷の前記印刷方向と同じ方向に、または、前記1つ前の前記部分印刷の前記印刷方向に拘わらずに前記第1方向に、前記印刷方向を決定する第1決定方法と、前記前回の前記部分印刷の前記印刷方向とは反対の方向に前記印刷方向を決定する第2決定方法とから、前記印刷方向を決定する決定方法を、前記条件判断機能の判断に基づき選択する選択機能と、
    前記複数個の部分画像のそれぞれの前記選択処理において選択された決定方法が、前記複数個の部分画像のそれぞれの予め決められた正解方法と同じであるか否かを判断する正解判断機能と、
    前記選択された決定方法が前記正解方法と異なる場合に、前記正解方法の選択され易さが向上するように前記条件データを調整する調整機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記調整機能は、
    前記正解方法が前記第1決定方法であり前記選択された決定方法が前記第2決定方法である場合に、前記第1決定方法の選択され易さが向上するように、前記条件データを調整する第1調整処理と、
    前記正解方法が前記第2決定方法であり前記選択された決定方法が前記第1決定方法である場合に、前記第2決定方法の選択され易さが向上するように、前記条件データを調整する第2調整処理機能と、
    の少なくとも一方を実行する、プログラム。
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