JP2021022665A - レーザ光源、光学デバイス、およびレーザ光源の製造方法 - Google Patents

レーザ光源、光学デバイス、およびレーザ光源の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実装面に対してほぼ平行にレーザ光を出射する小型のレーザ光源を提供する。【解決手段】レーザ光源は、実装面10sを有する基板10と、基板の実装面に搭載され、実装面に沿ってレーザ光を出射する、半導体レーザ素子20と、基板の実装面に固定された筐体30であって、レーザ光が透過する側壁部分30wを有する筐体と、を備え、側壁部分は、レーザ光が入射する内側表面領域30siと、レーザ光を出射する外側表面領域30soとを有し、内側表面領域および外側表面領域は、筐体の内側に傾斜している。【選択図】図1B

Description

本開示は、半導体レーザ素子を備えるレーザ光源、光学デバイス、およびレーザ光源の製造方法に関する。
半導体レーザ素子を備えるレーザ光源は、プロジェクタ、照明器具、およびヘッドマウントディスプレイなどの様々な用途に利用され得る。レーザ光源内での半導体レーザ素子の配置方向、および、レーザ光源から出射されるレーザ光の出射方向は、用途によって異なる。
表面実装型のレーザ光源では、その用途に応じて、実装面に平行な方向にレーザ光を出射することが求められる場合がある。特許文献1は、基板の実装面に対して平行に配置された半導体レーザ素子を透明モールド樹脂によって封止したレーザ光源を開示している。このレーザ光源は、基板の実装面に対してほぼ平行にレーザ光を出射する。
特開平1−123493号公報
特許文献1に開示されているレーザ光源では、透明モールド樹脂によって形成されたパッケージの傾斜部にハーフミラーが設けられている。このハーフミラーを透過するようにレーザ光を出射するために、半導体レーザ素子を高い位置に保持する支持台(ヒートシンク)が実装面上に設けられている。このようなレーザ光源では、半導体レーザ素子を実装面に近づけて小型化することが難しい。
本開示のレーザ光源は、一実施形態において、実装面を有する基板と、前記基板の前記実装面に搭載され、前記実装面に沿ってレーザ光を出射する、半導体レーザ素子と、前記基板の前記実装面に固定された筐体であって、前記レーザ光が透過する側壁部分を有する筐体と、を備え、前記側壁部分は、前記レーザ光が入射する内側表面領域と、前記レーザ光を出射する外側表面領域とを有し、前記内側表面領域および前記外側表面領域は、前記筐体の内側に傾斜している。
本開示の実施形態によれば、実装面に対してほぼ平行にレーザ光を出射する小型のレーザ光源が提供される。
図1Aは、本開示の実施形態におけるレーザ光源100の構成例を模式的に示す斜視図である。 図1Bは、図1Aにおけるレーザ光源100を模式的に示すYZ平面における断面図である。 図2Aは、レーザ光が内側表面領域30siに入射し、側壁部分30wを伝搬し、外側表面領域30soから出射される様子を模式的に示す図である。 図2Bは、入射レーザ光の伝搬角がθin=0°のときの外側表面領域30soの傾斜角βと出射レーザ光の伝搬角θoutとの関係を計算した結果を示す図である。 図3Aは、図2Bの破線の丸によって囲まれたα=5°およびβ=10°のときのレーザ光の伝搬の様子を模式的に示す図である。 図3Bは、図2Bの破線の丸によって囲まれたα=7.5°およびβ=7.5°のときのレーザ光の伝搬の様子を模式的に示す図である。 図3Cは、図2Bの破線の丸によって囲まれたα=10°およびβ=5°のときのレーザ光の伝搬の様子を模式的に示す図である。 図4は、本実施形態における光学デバイス200の構成例を模式的に示すYZ平面における断面図である。 図5Aは、本実施形態の第1の変形例におけるレーザ光源110の構成例を模式的に示すYZ平面における断面図である。 図5Bは、図5Aに示す筐体31を模式的に示すXZ平面における断面図である。 図6は、本実施形態の第2の変形例におけるレーザ光源120の構成例を模式的に示すYZ平面における断面図である。 図7Aは、本実施形態の第3の変形例におけるレーザ光源130の構成例を模式的に示すYZ平面における断面図である。 図7Bは、入射レーザ光の伝搬角がθin=3°のときの外側表面領域30soの傾斜角βと出射レーザ光の伝搬角θoutとの関係を計算した結果を示す図である。 図8Aは、本実施形態におけるレーザ光源100の製造工程を説明するための図である。 図8Bは、本実施形態におけるレーザ光源100の製造工程を説明するための図である。 図8Cは、本実施形態におけるレーザ光源100の製造工程を説明するための図である。 図8Dは、本実施形態におけるレーザ光源100の製造工程を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態におけるレーザ光源、光学デバイス、およびレーザ光源の製造方法を詳細に説明する。複数の図面に表れる同一符号の部分は同一または同等の部分を示す。
さらに以下は、本開示の技術思想を具体化するために例示しているのであって、本開示を以下に限定しない。また、構成要素の寸法、材質、形状、その相対的配置などの記載は、本開示の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図している。各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、理解を容易にするなどのために誇張している場合がある。
(実施形態)
まず、図1Aおよび図1Bを参照して、本開示の実施形態におけるレーザ光源の基本的な構成例を説明する。
図1Aは、本実施形態におけるレーザ光源100の構成例を模式的に示す斜視図である。図1Aでは、説明のわかりやすさのために基板10と筐体30とが分離された状態で記載されているが、実際には基板10と筐体30とは接合されている。図1Bは、図1Aにおけるレーザ光源100を模式的に示すYZ平面における断面図である。図1Bに示す矢印は、半導体レーザ素子20から出射されたレーザ光の伝搬方向を表している。
本実施形態におけるレーザ光源100は、XZ平面に平行な実装面10sを有する基板10と、実装面10sにサブマウント40を介して搭載された半導体レーザ素子20と、基板10の実装面10sに固定された筐体30とを備える。図示される例において、半導体レーザ素子20は、サブマウント40の上面に固定されている。
添付の図面では、参考のために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が模式的に示されている。説明のわかりやすさのため、本明細書では、基板10を基準として、半導体レーザ素子20、筐体30、およびサブマウント40が位置する側を「上」と表現する場合がある。このことは、レーザ光源100の使用時における向きを制限するわけではなく、レーザ光源100の向きは任意である。
本実施形態における半導体レーザ素子20は、例えば、可視領域における短波長、中波長もしくは長波長のレーザ光、または赤外もしくは紫外のレーザ光を出射し得る。筐体30は、半導体レーザ素子20を覆い、必要に応じて外気から内部を気密に封止し得る。図示されている例において、筐体30は、1個の上面および4個の側面を有しており、概略的には「箱型」の形状を有している。半導体レーザ素子20が短波長(例えば約450nm以下の波長)のレーザ光を出射する場合、雰囲気に含まれる有機ガス成分などがレーザ光によって分解され、分解物が半導体レーザ素子20の出射端面に付着することがある。また、半導体レーザ素子20の出射端面が外気に接していると、集塵効果などにより、動作中に端面劣化が進行していく可能性もある。このような端面劣化は、半導体レーザ素子20の光出力低下を招き得る。半導体レーザ素子20の信頼性を高めて寿命を延ばすため、筐体30は、半導体レーザ素子20を気密に封止していることが好ましい。
本実施形態における筐体30は、半導体レーザ素子20から出射されたレーザ光を透過させる透明な側壁部分30wと、側壁部分30wから実装面10sに沿って突出する突出部分(エッジ部分)30pとを有している。図示される例において、側壁部分30wおよび突出部分30pは、筐体30の他の部分と一体化されており、同一の材料(典型的にはガラス)から形成されている。筐体30のうちで少なくとも側壁部分30wは、レーザ光を透過する材料から形成されている。例えば透明なガラスから筐体30の全体が形成されている場合、筐体30の側壁部分30w以外の部分もレーザ光を透過し得るが、そのことは必須ではない。筐体30の側壁部分30w(特にレーザ光が透過する領域)以外の部分は、迷光が外部に漏れないように、不透明な材料によって被覆されていてもいいし、透過光を強く拡散するように筐体30の表面に微細な凹凸を形成すような加工がされていてもよい。
図1Bに示すように、筐体30の側壁部分30wは、レーザ光が入射する内側表面領域30siと、レーザ光を出射する外側表面領域30soとを有している。側壁部分30wの内側表面領域30siおよび外側表面領域30soは、いずれも、筐体30の内側に傾斜している。言い換えると、内側表面領域30siおよび外側表面領域30soは、半導体レーザ素子20の出射端面に平行な仮想的な平面(実装面10sに垂直な仮想平面)から半導体レーザ素子20に向かって傾斜している。内側表面領域30siと半導体レーザ素子20との間には、筐体30の内部に含まれる空気または他の気体が存在している。このような気体の屈折率は1.0に近似できる。内側表面領域30siの屈折率は、気体の屈折率よりも高い。傾斜した内側表面領域30siにレーザ光が入射すると、レーザ光の光路は、実装面10sから離れる方向に屈折して外側表面領域30soから出射される。屈折は、筐体30の内部に含まれる気体と内側表面領域30siとの界面、および、筐体30の外部にある気体と外側表面領域30soとの界面で生じる。外側表面領域30soから出射されたレーザ光は、筐体30の突出部分30pの上方を通過して伝搬していく。なお、図1Bに示すレーザ光の屈折は誇張して描かれている。レーザ光の屈折角および出射角の詳細については後述する。
半導体レーザ素子20から出射されたレーザ光は、内側表面領域30siおよび外側表面領域30soによって反射され得る。その場合でも、内側表面領域30siおよび外側表面領域30soは筐体30の内側に傾斜しているので、反射光が半導体レーザ素子20に戻ることを抑制することができる。これにより、戻り光の入射によって半導体レーザ素子20の動作が不安定になることを低減することができる。
本実施形態におけるレーザ光源100では、前述したように、筐体30が側壁部分30wから横方向に突出した突出部分30pを有する。この突出部分30pの存在は、筐体30を基板10の実装面10sに接合させる接触領域の面積を拡大し、接合強度を向上させることに寄与する。筐体30の突出部分30pの厚さ(Y方向サイズ)は、例えば200μm程度であり、幅(Z方向サイズ)は数十μmから数百μm程度であり得る。
後述する製造方法の実施形態によれば、側壁部分30wの外側表面領域30soは滑らかであるが、突出部分30pのXY平面に平行な側面30psは、ダイシングなどの加工に起因して粗くなる可能性がある。粗い側面30psは、レーザ光を拡散および/または散乱する可能性がある。したがって、レーザ光は、滑らかな外側表面領域30soから出射され、突出部分30pの上方を通過して伝搬していくことが望ましい。このようなレーザ光の伝搬は、傾斜した内側表面領域30siによってレーザ光を屈折させることにより、実現される。より具体的には、当該伝搬は、内側表面領域30siの傾斜角および側壁部分30wの厚さによって実現される。ダイシングなどの加工に起因して突出部分30pにバリ(burr)が形成される場合でも、レーザ光は、バリが形成された突出部分30pの上方を通過して伝搬することができる。これにより、バリが形成されたとしても、その悪影響を低減または抑制することができる。
本実施形態におけるレーザ光源100は、筐体30によって封止した半導体レーザ素子20から、基板10の実装面10sに対してほぼ平行にレーザ光を出射することができる。この筐体30は、半導体レーザ素子20を単に封止するための容器またはケースとして機能するだけではなく、レーザ光の光路を屈折またはシフトさせるための光学部材としても機能する。傾斜した側壁部分30wがレーザ光を基板10の実装面10sから離れる方向に屈折させるため、突出部分30pがレーザ光の伝搬にとって障害となりにくくなる。また、半導体レーザ素子20を実装面10sから離すために背の高い支持台を配置する必要がなくなり、レーザ光源100を小型化することができる。
次に、筐体30の側壁部分30wの形状と外側表面領域30soから出射されるレーザ光の出射角度との関係を詳しく説明する。
図2Aは、内側表面領域30siに入射したレーザ光が、側壁部分30wを伝搬し、外側表面領域30soから出射される様子を模式的に示す図である。θinは、内側表面領域30siに入射するレーザ光と実装面10sとがなす角度を表している。φは、側壁部分30wを伝搬するレーザ光と実装面10sとがなす角度を表している。θoutは、外側表面領域30soから出射されるレーザ光と実装面10sとがなす角度を表している。αは、内側表面領域30siと実装面10sの法線とがなす角度を表している。βは、外側表面領域30soと実装面10sの法線とがなす角度を表している。αおよびβは、それぞれ例えば5°以上10°以下である。筐体30の内側および外側の屈折率を1.0とし、側壁部分30wの屈折率をn=1.5とする。
以下では、θinを「入射レーザ光の伝搬角」と称し、φを「側壁部分30wでのレーザ光の伝搬角」と称し、θoutを「出射レーザ光の伝搬角」と称し、αを「内側表面領域30siの傾斜角」と称し、βを「外側表面領域30soの傾斜角」と称する。αを「第1角度」と称し、βを「第2角度」と称することがある。
内側表面領域30siおよび外側表面領域30soでは、スネルの法則から、以下の式(1)および式(2)がそれぞれ成り立つ。
Figure 2021022665

Figure 2021022665
式(1)および式(2)を変形すると、以下の式(3)および式(4)がそれぞれ得られる。
Figure 2021022665

Figure 2021022665
図2Aに示すように、|α−θin|、|α−φ|、|β−φ|、および|β−θout|は十分小さいことから、式(1)においてsin(α−θin)≒α−θinおよびsin(α−φ)≒α−φが成り立ち、式(2)においてsin(β−φ)≒β−φおよびsin(β−θout)≒β−θoutが成り立つ。これにより、式(3)および式(4)は、以下の式(5)および式(6)にそれぞれ近似される。
Figure 2021022665

Figure 2021022665
式(5)は、側壁部分30wでのレーザ光の伝搬角φの簡単な見積もりに有効であり、式(6)は、出射レーザ光の伝搬角θoutの簡単な見積もりに有効である。
図2Bは、入射レーザ光の伝搬角がθin=0°のときの外側表面領域30soの傾斜角βと出射レーザ光の伝搬角θoutとの関係を計算した結果を示す図である。入射レーザ光の伝搬角θin=0°は、レーザ光が実装面10sに対して平行に伝搬することを表している。内側表面領域30siの傾斜角の例として、α=5°、7.5°、および10°が選択された。当該計算には式(3)および式(4)が用いられた。
内側表面領域30siの傾斜角がα=5°のとき、5°以上10°以下の外側表面領域30soの傾斜角βに対して、出射レーザ光の伝搬角θoutは0°以下である(θout≦0°)。このとき、レーザ光源100から出射されるレーザ光は下方を向く。
内側表面領域30siの傾斜角がα=7.5°のとき、5°以上7.5°以下の外側表面領域30soの傾斜角βに対して、出射レーザ光の伝搬角θoutは0°以上である(θout≧0°)。このとき、レーザ光源100から出射されるレーザ光は上方を向く。一方、7.5°以上10°以下の外側表面領域30soの傾斜角βに対して、出射レーザ光の伝搬角θoutは0°以下である(θout≦0°)。このとき、レーザ光源100から出射されるレーザ光は下方を向く。
内側表面領域30siの傾斜角がα=10°のとき、5°以上10°以下の外側表面領域30soの傾斜角βに対して、出射レーザ光の伝搬角θoutは0°以上である(θout≧0°)。このとき、レーザ光源100から出射されるレーザ光は上方を向く。
内側表面領域30siの傾斜角αおよび外側表面領域30soの傾斜角β、ならびに、入射レーザ光の伝搬角θinおよび出射レーザ光の伝搬角θoutは、次の関係を満たす。内側表面領域30siの傾斜角αの増加に伴い、出射レーザ光の伝搬角θoutは増加する。外側表面領域30soの傾斜角βの増加に伴い、出射レーザ光の伝搬角θoutは減少する。内側表面領域30siの傾斜角αが外側表面領域30soの傾斜角βがよりも小さいとき(α<β)、出射レーザ光の伝搬角θoutは入射レーザ光の伝搬角θinよりも小さくなる(θout<θin)。内側表面領域30siの傾斜角αと外側表面領域30soの傾斜角βとが等しいとき(α=β)、出射レーザ光の伝搬角θoutは入射レーザ光の伝搬角θinに等しくなる(θout=θin)。内側表面領域30siの傾斜角αが外側表面領域30soの傾斜角βよりも大きいとき(α>β)、出射レーザ光の伝搬角θoutは入射レーザ光の伝搬角θinよりも大きくなる(θout>θin)。
以上のことから、内側表面領域30siの傾斜角αが大きく、外側表面領域30soの傾斜角βが小さいほど、出射レーザ光の伝搬角θoutは増加することがわかる。上記の出射レーザ光の伝搬角θoutの振る舞いは、式(6)の近似式からも説明できる。
図3Aから図3Cは、それぞれ、図2Bの破線の丸によって囲まれたα=5°およびβ=10°、α=7.5°およびβ=7.5°、ならびにα=10°およびβ=5°のときのレーザ光の伝搬の様子を模式的に示す図である。図3Aおよび図3Cに示す例では、外側表面領域30soが内側表面領域30siに対して平行ではなく、図3Bに示す例では、外側表面領域30soが内側表面領域30siに対して平行である。
図3Aに示す例では、側壁部分30wでのレーザ光の伝搬角はφ=1.669°であり、出射レーザ光の伝搬角はθout=−2.553°である。側壁部分30wではレーザ光は上方を向くが、出射レーザ光は下方を向く。なお、式(5)の近似式では、側壁部分30wでのレーザ光の伝搬角はφ≒1.667°であり、式(6)の近似式では、出射レーザ光の伝搬角はθout≒−2.500°である。これらの近似式が簡単な見積もりに有効であることがわかる。以下においても同様である。
図3Bに示す例では、側壁部分30wでのレーザ光の伝搬角はφ=2.506°であり、出射レーザ光の伝搬角はθout=0.000°である。側壁部分30wではレーザ光は上方を向くが、出射レーザ光は実装面10sに対して平行方向を向く。なお、式(5)の近似式では、側壁部分30wでのレーザ光の伝搬角はφ≒2.500°であり、式(6)の近似式では、出射レーザ光の伝搬角はθout≒0.000°である。
図3Cに示す例では、側壁部分30wでのレーザ光の伝搬角はφ=3.352°であり、出射レーザ光の伝搬角はθout=2.528°である。側壁部分30wではレーザ光は上方を向き、出射レーザ光も上方を向く。なお、式(5)の近似式では、側壁部分30wでのレーザ光の伝搬角はφ≒3.333°であり、式(6)の近似式では、出射レーザ光の伝搬角はθout≒2.500°である。
式(5)の近似式からわかるように、内側表面領域30siの傾斜角αが大きいほど、側壁部分30wにおけるレーザ光のY方向におけるシフト量は大きくなる。
本実施形態におけるレーザ光源100では、内側表面領域30siの傾斜角αおよび外側表面領域30soの傾斜角βは、それぞれ5°以上10°以下であり、このとき、出射レーザ光の伝搬角θoutは、−2.553°以上2.528°以下である。したがって、出射レーザ光は実装面10sにほぼ平行に伝搬するということができる。本明細書において、「ほぼ平行」とは、レーザ光の伝搬方向と実装面10sとがなす角度が±10°以下であることを意味する。
図3Aに示すように出射レーザ光が下方を向くと、出射レーザ光が、意図せず、図1Bに示す突出部分30pに入射する可能性がある。したがって、出射レーザ光は、突出部分30pに入射しないためには、図3Bおよび図3Cに示すように実装面10sに対して平行方向または上方を向くことが望ましい。特に、図3Cに示すように、内側表面領域30siの傾斜角αが10°であり、外側表面領域30soの傾斜角βが5°であるとき、入射レーザ光の伝搬角θin=0°に対して、出射レーザ光の伝搬角θoutが最大になる。
なお、実際には、半導体レーザ素子20から出射されるレーザ光は、伝搬しながら発散する。このため、発散するレーザ光の一部は、突出部分30pに入射する可能性がある。それでもなお、発散するレーザ光の中心軸の強度が一番高いことから、強度が低い部分が突出部分30pに入射しても、実用上問題にはならない。
以下に、レーザ光源100の構成要素の詳細を説明する。
[基板10]
基板10は、例えば、AlN、SiC、およびアルミナからなる群から選択される少なくとも1つを含むセラミックから形成され得る。セラミックの熱伝導率は、例えば、10[W/m・K]以上500[W/m・K]以下であり得る。また、レーザ光源100の製造時に加えられる熱による変形を抑制するために、当該セラミックは低い熱膨張率を有し得る。熱膨張率は、2×10−6[1/K]以上1×10−5[1/K]以下であり得る。
基板10は、半導体レーザ素子20を外部回路に電気的に接続する第1導電性部材50aおよび第2導電性部材50bを内部に有している。図1Aに示す例では、第1導電性部材50aおよび第2導電性部材50bは、それぞれ実装面10sに露出する部分を有している。図示していないが、第1導電性部材50aおよび第2導電性部材50bは、それぞれ基板10のうち実装面10sとは反対側の裏面に露出する他の部分を有している。第1導電性部材50aおよび第2導電性部材50bの当該他の部分が、外部回路に電気的に接続される。第1導電性部材50aおよび第2導電性部材50bの形状および配置に制限はない。外部回路は、半導体レーザ素子20から出射されるレーザ光の出射タイミングおよび出射強度を調整することができる。
図1Aに示す基板10は、例えば、内部配線層を有する多層セラミック基板である。
動作時の半導体レーザ素子20から発せられた熱を速やかに放出するために、基板10のうちサブマウント40下の部分に1つ以上の貫通孔を設け、当該貫通孔に熱伝導率の高い材料を埋め込んでもよい。当該材料は、例えば、Cu、Al、Ag、Fe、Ni、Mo、Cu、W、およびCuMoからなる群から選択される少なくとも1つを含む金属である。
[半導体レーザ素子20]
半導体レーザ素子20は、例えば、n型クラッド層、活性層、およびp型クラッド層を含む積層構造を備える。図1Aおよび図1Bに示す例では、サブマウント40上に不図示の電極が設けられており、この電極は、半導体レーザ素子20のn型クラッド層に電気的に接続されている。この電極を「n側の電極」と称する。一方、半導体レーザ素子20の上面にも、不図示の電極が設けられており、この電極は、半導体レーザ素子20のp型クラッド層に電気的に接続されている。この電極を「p側の電極」と称する。p側の電極は、第1ワイヤ60aによって第1導電性部材50aに電気的に接続され、n側の電極は、第2ワイヤ60bによって第2導電性部材50bに電気的に接続されている。第1ワイヤ60aおよび第2ワイヤ60bの形状、配置および本数は適宜調整され得る。
p側の電極とn側の電極とに電圧を印加して閾値以上の電流を流すことにより、半導体レーザ素子20は、活性層の出射端面からレーザ光を実装面10sに沿って出射する。本明細書において、「レーザ光を実装面10sに沿って出射する」とは、発散するレーザ光の中心軸が、実装面10sに対してほぼ平行であることを意味する。出射されたレーザ光は、伝搬するにつれてYZ平面において速く発散し、XZ平面において遅く発散する。レーザ光のスポットは、コリメートしない場合、ファーフィールドで、Y方向が長軸でありX方向が短軸である楕円形状を有している。
前述したように、半導体レーザ素子20は、例えば、可視領域における短波長、中波長もしくは長波長のレーザ光、または赤外もしくは紫外のレーザ光を出射する。半導体レーザ素子20に含まれる半導体に制限はない。半導体レーザ素子20は、例えば、GaAsなどの砒化物半導体を含んでいてもよいし、GaNなどの窒化物半導体を含んでいてもよい。
半導体レーザ素子20は、その下面がサブマウント40に接するように設けられている。半導体レーザ素子20とサブマウント40との接触面積が拡大することから、動作時に半導体レーザ素子20から発せられた熱を、サブマウント40に速やかに放出することができる。サブマウント40の材料については後述する。
半導体レーザ素子20のZ方向における長さは例えば50μm以上4000μm以下であり、X方向における幅は例えば50μm以上500μm以下であり、Y方向における高さは例えば20μm以上150μm以下である。半導体レーザ素子20の出射端面と内側表面領域30siとのZ方向における間隔は、例えば30μm以上200μm以下である。当該間隔が短いほど、レーザ光は大きく発散せず内側表面領域30siに入射する。
[筐体30]
半導体レーザ素子20を気密封止する場合、筐体30は、例えば、基板10の実装面10sに金属接合材によって接合され得る。半導体レーザ素子20が短波長のレーザ光を出射しなくても、信頼性および耐久性の観点から、筐体30は半導体レーザ素子20を気密封止してもよい。
筐体30と実装面10sとは、金すずなどの金属接合材で接合される。金すずの接合温度は約280℃である。基板10を形成するセラミックの熱伝導率が低ければ、実装面10sと筐体30との接合時の熱が半導体レーザ素子20に与える影響を低減することができる。また、セラミックの熱膨張率が低ければ、接合時の熱によるセラミックの変形が小さいことから、サブマウント40が実装面10sから剥がれる可能性を低減することができる。
筐体30の内側に傾斜している内側表面領域30siには、半導体レーザ素子20から出射されたレーザ光の反射を防止する反射防止膜が形成されてもよい。これにより、レーザ光が内側表面領域30siに入射しても、筐体30の内部での迷光の発生を抑制することができる。反射防止膜は、例えば誘電体多層膜である。同様に、筐体30の内側に傾斜している外側表面領域30soに、反射防止膜が形成されてもよい。
反射防止膜の代わりに、内側表面領域30siおよび/または外側表面領域30soには、モスアイ構造などのナノ構造が形成されてもよい。このようなナノ構造によれば、側壁部分30wに近づくにつれて、実効的な屈折率を徐々に大きくすることができる。これにより、屈折率が界面で不連続に変化する構造よりも光の反射を大幅に抑制することができる。
筐体30は、例えば、ガラス、サファイア、セラミック、および樹脂からなる群から選択される少なくとも1つから形成され得る。
筐体30のZ方向における最長の長さは、例えば1000μm以上5000μm以下であり、X方向における幅は例えば1000μm以上5000μm以下であり、Y方向における高さは例えば500μm以上3000μm以下である。筐体30の側壁部分30wのZ方向における厚さは、例えば100μm以上1000μm以下である。当該厚さと、側壁部分30wでのレーザ光の伝搬角φから得られるtanφとの積から、側壁部分30wにおけるレーザ光のY方向におけるシフト量を算出することができる。筐体30の突出部分30pのY方向における厚さは例えば100μm以上500μm以下である。筐体30の上面のY方向における厚さは例えば100μm以上1000μm以下である。
[サブマウント40]
サブマウント40は、実装面10sからの半導体レーザ素子20のY方向における高さを調整する。レーザ光源100の小型化の観点から、サブマウント40のZ方向における高さは、突出部分30pのZ方向における厚さにほぼ等しくてもよい。本実施形態における突出部分30pは、筐体30のうちで最も薄い部分である。
突出部分30pの厚さに比べて半導体レーザ素子20の厚さが大きく、実装面10s上に直接設けた半導体レーザ素子20の出射端面がY方向において突出部分30pよりも高ければ、サブマウント40を必ずしも設ける必要はない。あるいは、基板10が実装面10s上に凸部を有していれば、サブマウント40を設けずに、当該凸部上に半導体レーザ素子を直接設けてもよい。
半導体レーザ素子20から発せられた熱を速やかに放出するために、サブマウント40は熱伝導率が高い材料から形成され得る。当該材料は、例えば、Cu、Al、Fe、Ni、Mo、Cu、W、およびCuMoからなる群から選択される少なくとも1つを含む金属である。
サブマウント40のZ方向における長さは例えば200μm以上4000μm以下であり、X方向における幅は例えば300μm以上4000μm以下であり、Y方向における高さは、例えば100μm以上500μm以下である。
レーザ光を突出部分30pの上方に伝搬させる観点から言えば、サブマウント40のY方向におけるサイズは大きく、突出部分30pのY方向におけるサイズは小さい方が望ましい。一方、レーザ光源100の小型化の観点から言えば、サブマウント40のY方向におけるサイズは小さい方が望ましく、後述する複数の筐体30を含む筐体アレイの構造強度の観点から言えば、突出部分30pのY方向におけるサイズは大きい方が望ましい。サブマウント40のY方向におけるサイズが小さく、突出部分30pのY方向におけるサイズが大きい場合において、レーザ光が突出部分30pを通過することを抑制するためには、内側表面領域30siは筐体30の内側に傾斜していることが望ましい。
次に、図4を参照して、レーザ光源100から出射されたレーザ光を、外部に別途設けられた光学系によってコリメートする光学デバイスを説明する。図4は、本実施形態における光学デバイス200の構成例を模式的に示すYZ平面における断面図である。光学デバイス200は、本実施形態におけるレーザ光源100と、レーザ光源100から出射されたレーザ光をコリメートするコリメータレンズを含む光学系70と、レーザ光源100および光学系70を支持するサポート80とを備える。レーザ光の発散を低減するコリメータレンズは球面レンズであってもよいし、非球面レンズであってもよい。図4に示す例では、光学系70の側面の一部が、サポート80の一部によって支持されている。
以上のように、本開示の小型のレーザ光源は、レーザ光を、実装面に対してほぼ平行に出射することができる。レーザ光源が小型であることから、本開示の光学デバイスも小型化される。
(変形例)
図4に示す光学デバイス200では、レーザ光源100の外部に光学系70が別途設けられている。以下では、図5A、図5B、および図6を参照して、レーザ光源100の外部に光学系70を別途設けずにコリメートされたレーザ光を出射するレーザ光源の構成例を説明する。
図5Aは、本実施形態の第1の変形例におけるレーザ光源110の構成例を模式的に示すYZ平面における断面図である。図5Bは、図5Aに示す筐体31を模式的に示すXZ平面における断面図である。図5Aおよび図5Bに示す例では、側壁部分31wの内側表面領域31siが、YZ平面において筐体31の内側に向けて凸型の曲面形状を有し、外側表面領域31soが、XZ平面において筐体31の外側に向けて凸型の曲面形状を有している。図5Aおよび図5Bに示すように、内側表面領域31siおよび外側表面領域31soは平面である必要はなく曲面であってもよい。
図5Aに示す破線は、内側表面領域31siのうち、レーザ光が入射する部分のYZ平面における接線を表している。当該接線が筐体31の内側に傾斜していることから、レーザ光は、内側表面領域31siによって実装面10sから離れる方向に屈折され、外側表面領域31soから出射される。
さらに、YZ平面において凸型の曲面形状を有する内側表面領域31siは、レーザ光のYZ平面における発散を低減し、XZ平面において凸型の曲面形状を有する外側表面領域31soは、レーザ光のXZ平面における発散を低減する。これにより、レーザ光源100は、発散が低減されたレーザ光を出射することが可能になる。発散が低減されたレーザ光はコリメート光であってもよい。レーザ光の発散を低減することにより、レーザ光の一部が突出部分31pに入射することを抑制することができる。前述したように、レーザ光は、XZ平面よりもYZ平面において大きな発散角を有する。このため、YZ平面における発散を先に低減するために、内側表面領域31siは、YZ平面において凸型の曲面形状を有している方が望ましい。なお、XZ平面におけるレーザ光の発散角が小さいため、用途によっては、外側表面領域31soは必ずしも凸型の曲面形状を有する必要はない。レーザ光のYZ平面における発散を初期の段階で抑制する必要がないのであれば、内側表面領域31siと外側表面領域31soとの形状は、逆の関係であってもよい。内側表面領域31siおよび外側表面領域31soは、それぞれ、実装面10sに垂直および平行な平面内で、レーザ光を収束またはコリメートする凸曲面の形状を有しているということができる。ここで、収束とは、レーザ光の発散を少しでも抑制することを意味する。凸曲面は、球面であってもよいし、非球面であってもよいし、シリンドリカル面であってもよい。凸曲面の形状のYZ平面における接線がすべての箇所において筐体31の内側に傾斜していれば、後述するように、筐体31を、金型を用いたプレスおよび/またはモールドによって作製することができる。
図5Aおよび図5Bに示すように、側壁部分31wに凸曲面が一体化されている筐体31は、レンズ効果を有する光学部材を筐体31に接合するよりも、作製が容易である。図示されるような曲面形状を有する筐体31の作製方法の一例は後述する。また、側壁部分31wに凸曲面が一体化されていると、別途、レンズを実装する場合に比べて、アライメントずれが発生し得る位置合わせ工程の回数を低減でき、位置合わせの精度が向上する。
この変形例では、筐体31の側壁部分31wが「レンズ効果」を発揮する光学部材として機能している。また、この変形例において、側壁部分31wの内側表面領域31siおよび外側表面領域31soは、互いに直交する方向に曲率を有しており、それぞれがシリンドリカルレンズと同様の機能を発揮する。
本明細書では、内側表面領域30si、31siおよび外側表面領域30so、31soが平坦形状を有するか曲面形状を有するかにかかわらず、内側表面領域30si、31siのうち、レーザ光が入射する部分のYZ平面における接線が筐体30、31の内側に傾斜している場合を、「内側表面領域30si、31siは、筐体30、31の内側に傾斜している」と称し、外側表面領域30so、31soのうち、レーザ光が出射する部分のYZ平面における接線が筐体30、31の内側に傾斜している場合を、「外側表面領域30so、31soは、筐体30、31の内側に傾斜している」と称する。なお、図5Aおよび図5Bに示す例において突出部分31pのZ方向における厚さが薄い場合、レーザ光を屈折させなくてもよいので、内側表面領域31siは筐体31の内側に傾斜している必要はない。
曲面形状を有する内側表面領域30siおよび外側表面領域30soの代わりに、光学系70を、筐体30の内側に別途設けてもよい。図6は、本実施形態の第2の変形例におけるレーザ光源120の構成例を模式的に示すYZ平面における断面図である。図6に示す例では、レーザ光源120は、レーザ光源100の構成要素に加えて、半導体レーザ素子20と側壁部分30wとの間に位置する光学系70と、光学系70を支持する支持部材72とをさらに備える。半導体レーザ素子20から出射されたレーザ光は、光学系70によってコリメートされ、内側表面領域30siに入射する。図6に示す例では、図4に示す例よりも半導体レーザ素子20の出射端面と光学系70との距離が近いことから、レーザ光を、大きく発散する前に光学系70によってコリメートすることができる。これにより、図6に示す光学系70のサイズを、図4に示す光学系70のサイズよりも小さくすることができる。
変形例におけるレーザ光源110およびレーザ光源120は、図4に示す光学デバイス200よりも小さいサイズで、コリメート光を出射することができる。
前述した例では、サブマウント40の上面は実装面10sに対して平行であるが、当該上面は必ずしも平行である必要はない。図7Aは、本実施形態の第3の変形例におけるレーザ光源130の構成例を模式的に示すYZ平面における断面図である。レーザ光源130では、図1Bに示すレーザ光源100とは異なり、サブマウント41の上面41sが実装面に対して平行ではなく傾斜している。入射レーザ光の伝搬角θinは、実装面10sに対するサブマウント41の上面41sの傾斜角によって決まる。簡単のため、入射レーザ光の伝搬角θinは、実装面10sに対するサブマウント41の上面41sの傾斜角に等しいとするが、これらの角度は異なっていてもよい。
図7Aに示す例では、サブマウント41上に設けられた半導体レーザ素子20は、レーザ光を上方に出射する。これにより、外側表面領域30soから出射されたレーザ光は、突出部分30pのさらに上方を伝搬することができる。なお、用途によっては、サブマウント41上に設けられた半導体レーザ素子20は、レーザ光を下方に出射してもよい。
図7Bは、入射レーザ光の伝搬角がθin=3°のときの外側表面領域30soの傾斜角βと出射レーザ光の伝搬角θoutとの関係を計算した結果を示す図である。当該計算には式(3)および式(4)が用いられた。図7Bの計算条件は、入射レーザ光の伝搬角がθin=3°であること以外は、図2Bの計算条件と同じである。図7Bに示す出射レーザ光の伝搬角θoutは、図2Bに示す出射レーザ光の伝搬角θoutよりも約3°だけ大きくなっている。これは式(6)の近似式からも説明できる。α=5°およびβ=10°のときでも、出射レーザ光の伝搬角はθout=0.476°であり、出射レーザ光は上方を向く。なお、式(6)の近似式では、α=5°およびβ=10°のときの出射レーザ光の伝搬角はθout≒0.500°である。
所望の出射レーザ光の伝搬角θoutを得るために、式(6)の近似式から、実装面10sに対するサブマウント41の上面41sの傾斜角を、θin≒θout+(n−1)(β−α)に設計してもよい。例えば、外側表面領域30soからレーザ光を実装面10sに対して平行に出射したければ(θout=0°)、実装面10sに対するサブマウント41の上面41sの傾斜角はθin≒(n−1)(β−α)に設計される。外側表面領域30soの傾斜角βが内側表面領域30siの傾斜角αよりも大きければ(β>α)、半導体レーザ素子20から上方に出射されたレーザ光(θin>0)を、外側表面領域30soから実装面10sに対して平行に出射することができる。例えば、α=5°およびβ=10°のとき、実装面10sに対するサブマウント41の上面41sの傾斜角はθin≒2.5°に設計される。式(6)の近似式の代わりに、式(1)および式(2)から、所望の出射レーザ光の伝搬角θoutに相当するサブマウント41の上面41sの傾斜角を算出してもよい。
(レーザ光源の製造方法)
以下に、図8Aから図8Dを参照して、本実施形態におけるレーザ光源100の製造工程を説明する。図8Aから図8Dは、本実施形態におけるレーザ光源100の製造工程を説明するための図である。
最初の工程では、図8Aに示すように、複数の基板10を含む集合基板10Gが準備される。X方向およびZ方向に平行な複数の破線によって区切られた複数の領域が、複数の実装面10sをそれぞれ有する複数の基板10を表している。基板10は、第1導電性部材50aおよび第2導電性部材50bを有している。図8Aに示す例では、複数の基板10のサイズは均一であるが、異なっていてもよい。
次の工程では、図8Bに示すように、複数の半導体レーザ素子20が、それぞれ集合基板10Gにおける複数の基板10の実装面10sにサブマウント40を介して実装される。半導体レーザ素子20のうち、p側の電極は第1導電性部材50aに第1ワイヤ60aによって電気的に接続され、n側の電極は第2導電性部材50bに第2ワイヤ60bによって電気的に接続される。
次の工程では、図8Cに示すように、複数の筐体30を含む筐体アレイ30Aが集合基板10Gに固定される。複数の筐体30は、複数の半導体レーザ素子20をそれぞれ収容する。言い換えると、個々の半導体レーザ素子20は、各筐体30によって封止される。
筐体アレイ30Aには、Z方向に並びX方向に延びる複数の溝30dが設けられている。溝30dの側面30dsの法線方向は、集合基板10Gから離れる方向を向いている。すなわち、溝30dの側面30dsは、筐体30の内側に傾斜している。複数の溝30dを設ける理由は後述する。
筐体アレイ30Aは、例えば、ガラス軟化点近傍まで昇温されたガラスを2つの金型によって加圧し、加圧を維持しながらガラス転移点以下まで冷却することによって形成することができる。一方の金型は、筐体アレイ30Aにおける複数の溝30dを形成し、他方の金型は、筐体アレイ30Aにおける、複数の半導体レーザ素子20をそれぞれ収容する複数の凹部を形成する。筐体アレイ30Aにおける溝30dの側面30ds、および筐体アレイ30Aに含まれる複数の筐体30のそれぞれの内側表面領域30siはともに、筐体30の内側に傾斜している。これにより、冷却したガラスを金型からはずしやすくなる。図5Aおよび図5Bに示す筐体31を含む筐体アレイもまた、金型を用いたプレスおよび/またはモールドによって作製することが望ましい。図5Aに示すように内側表面領域31siが曲面形状を含む場合であっても、その曲面形状のYZ平面における接線がすべての箇所において筐体31の内側に傾斜しているため、金型の型抜きが容易である。
筐体アレイ30Aの形成後に、内側表面領域30siに反射防止膜を形成してもよい。内側表面領域30siが傾斜しているため、反射防止膜を構成する複数の誘電体層を、例えばスパッタリング法などの薄膜堆積技術により、内側表面領域30si上に形成することが容易である。同様に、外側表面領域30sоに反射防止膜を形成してもよい。反射防止膜の代わりに、内側表面領域30siおよび/または外側表面領域30sоに、モスアイ構造などのナノ構造を形成してもよい。
なお、筐体アレイ30Aを集合基板10Gに固定する代わりに、複数の基板10の実装面10sに、個々に筐体30を固定してもよい。
図8Aから図8Cを参照して説明した工程により、複数のレーザ光源100を含むレーザ光源群100Gが形成される。
次の工程では、図8Dに示すように、レーザ光源群100Gが、複数のレーザ光源100に個片化される。当該工程は、集合基板10Gおよび筐体アレイ30Aにおける複数の筐体30の間を図8Cに示す破線に沿ってダイシングする工程を含む。具体的には、レーザ光源群100Gは、溝30dに垂直なZ方向に沿ってX方向に等間隔にダイシングされ、かつ、X方向に延びる溝30dに沿ってダイシングされる。
複数の溝30dを有しない筐体アレイをダイシングすると、個片化された筐体の外側表面領域はすべて粗くなる。半導体レーザ素子20から出射されたレーザ光が粗い外側表面領域を通過すると、レーザ光は拡散および/または散乱され、その結果、レーザ光の出射強度の低下を招く可能性がある。これに対し、筐体アレイ30Aにおける溝30dの側面30dsは、ダイシングの影響を受けず滑らかである。図1Aおよび図1Bに示す側壁部分30wの外側表面領域30soは、溝30dの側面30dsの一部に相当する。したがって、本実施形態におけるレーザ光源100は、側壁部分30wの滑らかな外側表面領域30soから、レーザ光を、拡散および/または散乱させることなく出射することができる。
図8Aから図8Dを参照して説明したレーザ光源100の製造方法により、レーザ光源100の量産が可能になる。
本開示の小型のレーザ光源は、例えばヘッドマウントディスプレイに利用することができる。その他に、本開示の小型のレーザ光源は、照明器具にも利用され得る。
10 基板
10G 集合基板
10s 実装面
20 半導体レーザ素子
30、31 筐体
30A 筐体アレイ
30d 溝
30ds 溝の側面
30p、31p 突出部分
30ps 突出部分の側面
30si、31si 内側表面領域
30so、31so 外側表面領域
30w 側壁部分
40 サブマウント
50a 第1導電性部材
50b 第2導電性部材
60a 第1ワイヤ
60b 第2ワイヤ
70 光学系
80 サポート
100、110、120、130 レーザ光源
100G レーザ光源群
200 光学デバイス

Claims (12)

  1. 実装面を有する基板と、
    前記基板の前記実装面に搭載され、前記実装面に沿ってレーザ光を出射する、半導体レーザ素子と、
    前記基板の前記実装面に固定された筐体であって、前記レーザ光が透過する側壁部分を有する筐体と、
    を備え、
    前記側壁部分は、前記レーザ光が入射する内側表面領域と、前記レーザ光を出射する外側表面領域とを有し、
    前記内側表面領域および前記外側表面領域は、前記筐体の内側に傾斜している、レーザ光源。
  2. 前記側壁部分の前記外側表面領域は、前記内側表面領域に対して平行である、請求項1に記載のレーザ光源。
  3. 前記側壁部分の前記外側表面領域は、前記内側表面領域に対して平行でない、請求項1に記載のレーザ光源。
  4. 前記内側表面領域と前記実装面の法線とがなす第1角度は、前記外側表面領域と前記実装面の法線とがなす第2角度よりも大きい、請求項3に記載のレーザ光源。
  5. 前記筐体は、前記側壁部分から前記実装面に沿って突出する突出部分を有しており、
    前記外側表面領域から出射された前記レーザ光は前記突出部分の上方を伝搬する、請求項1から4のいずれかに記載のレーザ光源。
  6. 前記側壁部分の前記内側表面領域には反射防止膜が形成されている、請求項1から5のいずれかに記載のレーザ光源。
  7. 前記基板は、セラミックから形成され、
    前記基板は、前記半導体レーザ素子を外部回路に電気的に接続する導電性部材を有している、請求項1から6のいずれかに記載のレーザ光源。
  8. 前記内側表面領域は、前記レーザ光を前記実装面に垂直な平面内で収束またはコリメートする凸曲面を有している、請求項1から7のいずれかに記載のレーザ光源。
  9. 前記外側表面領域は、前記レーザ光を前記実装面に平行な平面内で収束またはコリメートする凸曲面を有している、請求項1から8のいずれかに記載のレーザ光源。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射された前記レーザ光をコリメートするレンズを含む光学系と、
    前記レーザ光源および前記光学系を支持するサポートと、
    を備える、光学デバイス。
  11. それぞれが実装面を有する複数の基板を含む集合基板を準備する工程と、
    複数の半導体レーザ素子をそれぞれ前記集合基板における前記複数の基板の実装面に実装する工程と、
    前記複数の半導体レーザ素子をそれぞれ収容する複数の筐体を含む筐体アレイを前記集合基板に固定し、個々の半導体レーザ素子を各筐体によって封止する工程と、
    前記集合基板および前記筐体アレイを複数のレーザ光源に個片化する工程と、
    を含み、
    前記複数のレーザ光源のそれぞれは、
    前記実装面を有する前記基板と、
    前記基板の前記実装面に搭載され、前記実装面に沿ってレーザ光を出射する、前記半導体レーザ素子と、
    前記基板の前記実装面に固定された前記筐体であって、前記レーザ光が透過する側壁部分を有する前記筐体と、
    を備え、
    前記側壁部分は、前記レーザ光が入射する内側表面領域と、前記レーザ光を出射する外側表面領域とを有し、
    前記内側表面領域は、前記筐体の内側に傾斜している、レーザ光源の製造方法。
  12. 前記複数のレーザ光源に個片化する前記工程は、前記集合基板および前記筐体アレイにおける前記複数の筐体の間をダイシングする工程を含む、請求項11に記載のレーザ光源の製造方法。
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