JP2021022607A - 高周波回路装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】周波数の異なる多種の装置を製造する際に、必要な部材を設計、製造するコストを低減可能な高周波回路装置とその製造方法を提供する。【解決手段】高周波回路装置10は、母基板1I、第1のインタポーザ基板2A、複数の第1の導通部材(はんだボール)4Aa、高周波回路100とを備える。母基板1Iは接地電位にできる内部配線層1gを有する。第1のインタポーザ基板2Aは高周波回路100を備え、母基板1Iの一方の主表面1bと対向して配置される。複数の第1の導通部材4Aaは、母基板1Iと第1のインタポーザ基板2Aとを接続する。母基板1Iの複数の第1の接続部1Pは、平面視にて高周波回路100の延在するX方向に交差するY方向から高周波回路100を挟むように、交差する方向について高周波回路100と第1の間隔をあけて複数列ずつ配置されることで、複数の異なる周波数の高周波回路装置において同じ母基板1Iで対応できる。【選択図】図1
Description
本発明は、高周波回路装置およびその製造方法に関するものである。
電子戦機などの航空機に用いられる高周波回路装置は、回路基板上に、電子戦の増幅回路および周波数変換回路が備えられる。そのような高周波回路装置は、マイクロ波を利用して電磁波を通信する。そのような高周波回路装置において、増幅回路および周波数変換回路が通信に用いる電磁波の周波数は、概ねいわゆるL帯からいわゆるKa帯までの広範囲である。ここでL帯は周波数が1GHz以上2GHz以下程度の周波数帯域である。またKa帯は周波数が26GHz以上40GHz以下程度の周波数帯域である。
ところで、母基板とそれに積層されるインタポーザ基板とを備える集積回路パッケージが、たとえば特開2016−122832号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2016−122832号公報に開示されるような装置において、電気信号の入出力間のアイソレーションを確保するために、回路基板上にカットオフブロックを設置することが考えられる。カットオフブロックが電気信号の入出力間のアイソレーションを確保すれば、高周波回路装置に含まれる各素子が安定に動作する。カットオフブロックは金属製のブロックまたは金属めっきが施された樹脂製のブロックである。
しかしながら、特開2016−122832号公報に開示されるような装置において仮にカットオフブロックを用いれば、当該装置が取り扱う周波数の変化に応じて、多数の装置を設計および製造する必要が生じる。その結果、多数の装置を構成する多数種類の部材を個別に設計および製造する必要が生じる。ここでの多数の部材とは、回路基板、カットオフブロック、ケースなどの、高周波回路装置を構成する各種部材を意味する。
本発明は上記の課題に鑑みなされたものである。その目的は、取り扱う周波数の異なる多数の装置を製造する際に、それを構成する多数種類のカットオフブロックなどの部材を個別に設計および製造することによるコストを低減可能な高周波回路装置およびその製造方法を提供することである。
本開示の高周波回路装置は、母基板と、第1のインタポーザ基板と、複数の第1の導通部材と、高周波回路とを備える。母基板は接地電位を印加可能な内部配線層を有する。第1のインタポーザ基板は母基板の第1の主表面と対向するように、母基板と間隔をあけて配置される。複数の第1の導通部材は母基板と第1のインタポーザ基板とを接続する。高周波回路は第1のインタポーザ基板に配置され、高周波信号を処理する。母基板には、第1の導通部材により第1のインタポーザ基板と接続される複数の第1の接続部が、平面視にて高周波回路の延在するX方向に交差するY方向から高周波回路を挟むように、交差する方向について高周波回路と第1の間隔をあけて複数列ずつ配置されている。複数の互いに異なる周波数用の高周波回路装置の間で同一種類の母基板が配置される。
本開示の高周波回路装置の製造方法は、まず母基板が準備される。母基板の第1の主表面と対向するように、母基板と間隔をあけて配置される第1のインタポーザ基板が準備される。母基板と第1のインタポーザ基板とが複数の第1の導通部材で接続される。第1のインタポーザ基板には、高周波信号を処理する高周波回路が配置される。母基板には、第1の導通部材により第1のインタポーザ基板と接続される複数の第1の接続部が、平面視にて高周波回路の延在方向に交差する方向から高周波回路を挟むように、交差する方向について高周波回路と第1の間隔をあけて複数列ずつ配置される。母基板を準備する工程においては、複数の互いに異なる周波数用の高周波回路装置の間で同一種類の母基板が準備される。
本開示に従えば、取り扱う周波数の異なる多数の装置を製造する際に、それを構成する多数種類のカットオフブロックなどの部材を個別に設計および製造することによるコストを低減可能な高周波回路装置およびその製造方法を提供することができる。
以下、本実施の形態について図に基づいて説明する。なお説明の便宜のため、X方向、Y方向、Z方向が導入されている。また以下の各図の構成要素の説明において既出のものと同一の構成要素には同一の符号を付し、機能等が既出のものと同一である限りその説明を繰り返さない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の第1例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図1においては、後述する図4のI−I線に沿う部分の概略断面図を示している。図1を参照して、本実施の形態の第1例の高周波回路装置10は、母基板1Iと、第1のインタポーザ基板2Aと、第2のインタポーザ基板3Aとを備えている。母基板1I、第1のインタポーザ基板2A、第2のインタポーザ基板3Aはいずれもたとえば平面視にて矩形状の平板形状である。
図1は、実施の形態1の第1例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図1においては、後述する図4のI−I線に沿う部分の概略断面図を示している。図1を参照して、本実施の形態の第1例の高周波回路装置10は、母基板1Iと、第1のインタポーザ基板2Aと、第2のインタポーザ基板3Aとを備えている。母基板1I、第1のインタポーザ基板2A、第2のインタポーザ基板3Aはいずれもたとえば平面視にて矩形状の平板形状である。
母基板1Iは、高周波回路装置10全体のZ方向についての最下部に配置される。母基板1Iは、セラミック材料などの一般公知の絶縁材料により形成されている。母基板1Iは、一方の主表面1aと、第1の主表面としての他方の主表面1bとを有している。一方の主表面1aは母基板1Iの下側の主表面である。他方の主表面1bは母基板1Iの、一方の主表面1aと反対側である上側の主表面である。
第1のインタポーザ基板2Aは、セラミック材料などの一般公知の絶縁材料により形成されている。第1のインタポーザ基板2Aは、Z方向について母基板1Iの上側にて他方の主表面1bと対向するように、母基板1Iと間隔をあけて配置されている。第1のインタポーザ基板2Aは、一方の主表面2aと、第2の主表面としての他方の主表面2bとを有している。一方の主表面2aは第1のインタポーザ基板2Aの下側の主表面である。他方の主表面2bは第1のインタポーザ基板2Aの、一方の主表面1aと反対側である上側の主表面である。
第2のインタポーザ基板3Aは、セラミック材料などの一般公知の絶縁材料により形成されている。第2のインタポーザ基板3Aは、第1のインタポーザ基板2Aの母基板1Iと反対側すなわち上側に配置されている。第2のインタポーザ基板3Aは、第1のインタポーザ基板2Aの他方の主表面2bと対向するように、第1のインタポーザ基板2Aと間隔をあけて配置されている。第2のインタポーザ基板3Aは、第3の主表面としての一方の主表面3aと、他方の主表面3bとを有している。一方の主表面3aは第2のインタポーザ基板3Aの下側の主表面である。他方の主表面3bは第2のインタポーザ基板3Aの、一方の主表面3aと反対側である上側の主表面である。
母基板1Iの他方の主表面1b上には、複数の第1の接続部としてのパッド1P,1Q,1Rが配置されている。パッド1PはY方向についての母基板1Iの中央部である後述の高周波回路100の配置位置を挟んで外側から内側に、パッド1P,1Q,1Rの順に、X方向に延びる列が1列ずつ配置される。母基板1I内は導電性の配線部材である内部配線層1gが配置されている。パッド1P,1Q,1Rは、内部配線層1gと電気的に接続するための導電性部材である。内部配線層1gは接地電位を印加可能である。図1の高周波回路装置10においてはパッド1Pが第1のインタポーザ基板2Aなどと接続される。このため図1では、パッド1Pの真下にこれに接するように内部配線層1gが示されている。
図1において、第1のインタポーザ基板2Aの一方の主表面2a上には、複数のパッド2Paが配置されている。第1のインタポーザ基板2Aの他方の主表面2b上には、複数のパッド2Pbが配置されている。さらに、第2のインタポーザ基板3Aの一方の主表面3a上には複数の第2の接続部としてのパッド3Pが配置されている。
図1において、パッド1P,2Pa,2Pb,3Pは視認しやすくする観点から誇張して厚く示されている。パッド1P,2Pa,2Pb,3Pは互いにZ方向からの平面視において重なる位置に配置される。このためこれらの各パッド1P,2Pa,2Pb,3PがZ方向に沿う一直線状に接続される。具体的には、母基板1Iの複数のパッド1Pのそれぞれと第1のインタポーザ基板2Aの複数のパッド2Paのそれぞれとは、第1の導通部材としてのはんだボール4Aaで接続されている。複数のはんだボール4Aaにより母基板1Iと第1のインタポーザ基板2Aとが電気的に接続されている。
同様に、第1のインタポーザ基板2Aの複数のパッド2Pbのそれぞれと第2のインタポーザ基板3Aの複数のパッド3Pのそれぞれとは、第2の導通部材としてのはんだボール4Abで接続されている。複数のはんだボール4Abにより第1のインタポーザ基板2Aと第2のインタポーザ基板3Aとが電気的に接続されている。はんだボール4Aa,4AbはBGA(Ball Grid Array)である。BGAとしてはんだボール以外の導通部材が用いられてもよい。
さらに、第2のインタポーザ基板3A内は導電性の配線部材である内部配線層3gが配置されている。パッド3Pは、内部配線層1gと電気的に接続するための導電性部材である。内部配線層3gは接地電位を印加可能である。以上のように内部配線層1g,3gが接地電位を印加可能であるとともに、それらの間のはんだボール4Aa,4Abも接地電位となることが可能である。このため内部配線層1g,3g、パッド1P,2Pa,2Pb,3P、およびはんだボール4Aa,4Abにより、母基板1I、第1のインタポーザ基板2Aおよび第2のインタポーザ基板3Aが接地電位の導電性部材で繋がれたループが形成される。
当該ループの内部であり、第1のインタポーザ基板2Aの一方の主表面2aおよび他方の主表面2b上には、高周波回路100が配置される。高周波回路100は一方の主表面2aおよび他方の主表面2b上におけるY方向の中央部に配置される。高周波回路100は高周波信号を処理する。このため高周波回路100からの電場は当該ループにより遮蔽され、上記ループ外に影響を及ぼさない。接地電位が印加された導電性部材のループは、高周波回路100を接地電位で囲む構造であり、カットオフ構造と呼ばれる。
図2は、実施の形態1の第2例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図2においては、後述する図5のII−II線に沿う部分の概略断面図を示している。また図3は、実施の形態1の第3例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図3においては、後述する図6のIII−III線に沿う部分の概略断面図を示している。図2を参照して、本実施の形態の第2例の高周波回路装置20は、基本的に高周波回路装置10と同様の構成である。つまり高周波回路装置20は、高周波回路装置10と同一種類の母基板1Iを備えている。図3を参照して、本実施の形態の第3例の高周波回路装置30は、基本的に高周波回路装置10と同様の構成である。つまり高周波回路装置30は、高周波回路装置10と同一種類の母基板1Iを備えている。このように本実施の形態においては、複数の互いに異なる周波数用の高周波回路装置10,20,30の間で同一種類の母基板1Iが配置されている。高周波回路装置10,20,30の母基板1Iはいずれも同様に、複数のパッド1P,1Q,1Rを有している。
ただし高周波回路装置20は、第1のインタポーザ基板2Bおよび第2のインタポーザ基板3Bを備えている。第1のインタポーザ基板2Bは絶縁材料からなり、一方の主表面2aおよび他方の主表面2bを有している。第2のインタポーザ基板3Bは絶縁材料からなり、一方の主表面3aおよび他方の主表面3bを有している。図2において、第1のインタポーザ基板2Bの一方の主表面2a上には、複数のパッド2Qaおよび高周波回路100が配置されている。第1のインタポーザ基板2Bの他方の主表面2b上には、複数のパッド2Qbおよび高周波回路100が配置されている。さらに、第2のインタポーザ基板3Bの一方の主表面3a上には複数の第2の接続部としてのパッド3Qが配置されている。パッド1Q,2Qa,2Qb,3Qは互いにZ方向からの平面視において重なる位置に配置される。複数のパッド1Qのそれぞれと複数のパッド2Qaのそれぞれとは、第1の導通部材としてのはんだボール4Baで接続されている。複数のパッド2Qbのそれぞれと複数のパッド3Qのそれぞれとは、第2の導通部材としてのはんだボール4Bbで接続されている。以上の点について、高周波回路装置20は高周波回路装置10と異なる。
また、高周波回路装置30は、第1のインタポーザ基板2Cおよび第2のインタポーザ基板3Cを備えている。第1のインタポーザ基板2Cおよび第2のインタポーザ基板3Cはコンバータ回路を構成する。第1のインタポーザ基板2Cは絶縁材料からなり、一方の主表面2aおよび他方の主表面2bを有している。第2のインタポーザ基板3Cは絶縁材料からなり、一方の主表面3aおよび他方の主表面3bを有している。図3において、第1のインタポーザ基板2Cの一方の主表面2a上には、複数のパッド2Raおよび高周波回路100が配置されている。第1のインタポーザ基板2Cの他方の主表面2b上には、複数のパッド2Rbおよび高周波回路100が配置されている。さらに、第2のインタポーザ基板3Bの一方の主表面3a上には複数の第2の接続部としてのパッド3Rが配置されている。パッド1R,2Ra,2Rb,3Rは互いにZ方向からの平面視において重なる位置に配置される。複数のパッド1Rのそれぞれと複数のパッド2Raのそれぞれとは、第1の導通部材としてのはんだボール4Caで接続されている。複数のパッド2Rbのそれぞれと複数のパッド3Rのそれぞれとは、第2の導通部材としてのはんだボール4Cbで接続されている。以上の点について、高周波回路装置30は高周波回路装置10と異なる。
図1〜図3のはんだボールは、高周波回路装置10,20,30において、母基板1I上の第1のインタポーザ基板2A〜2Cおよび第2のインタポーザ基板3A〜3Cを実装する、接地電位の導通部材である。また図示されないが、高周波回路装置10,20,30に含まれる電源、信号、接地電位の配線等が、はんだボール4Aa〜4Ca,4Ab〜4Cbにより接続されている。
図1〜図3に示すように、母基板1Iには、複数のパッド1P,1Q,1Rが、Z方向からの平面視にて高周波回路100の延在方向に交差する方向から高周波回路100を挟むように、当該交差する方向について高周波回路100と第1の間隔をあけて1列ずつ配置されている。このためパッド1P,1Q,1Rは合計3列となるように配置されている。また第2のインタポーザ基板3Aには、はんだボール4Ab〜4Cbにより第1のインタポーザ基板2Aと接続される複数のパッド3P,3Q,3Rが、平面視にて高周波回路100の延在方向に交差する方向から高周波回路100を挟むように、交差する方向について第3の間隔をあけて1列ずつ配置されている。以下このことについて図4〜図6を用いて説明する。
図4は、実施の形態1の第1例に係る高周波回路装置の、特に母基板と、第1のインタポーザ基板の一方および他方の主表面上の構成を示す概略平面図である。図5は、実施の形態1の第2例に係る高周波回路装置の、特に母基板と、第1のインタポーザ基板の一方および他方の主表面上の構成を示す概略平面図である。図6は、実施の形態1の第3例に係る高周波回路装置の、特に母基板と、第1のインタポーザ基板の一方および他方の主表面上の構成を示す概略平面図である。なお図4〜図6中の(A)は母基板1Iおよび第1のインタポーザ基板2Aの一方の主表面2a上の態様をZ方向の正側から平面視したものを示している。図4〜図6中の(B)は母基板1Iおよび第1のインタポーザ基板2Aの他方の主表面2b上の態様をZ方向の正側から平面視したものを示している。なお各図の(A)、(B)では一方の主表面1a,2a上および他方の主表面2b上を透視しているため実際には各部材は見えないが、説明の便宜上、パッド1P,1Q,1Rのみ点線で示し、他は実線で示している。また図4〜図6中の(C)は、(A)の各部材と位置関係を対比するための、高周波回路装置をX方向の正側から見た側面態様を示している。なお図4以降の各図においては内部配線層1g,3gが省略されているが図1〜図3と同様にこれらが配置されているものとする。
図4を参照して、高周波回路100は、無線周波数システムオンチップ101と、はんだボール102と、中間周波数増幅回路103と、中間周波数フィルタ回路104と、ミクサ回路105と、局部発振回路106と、はんだボール107と、無線周波数フィルタ回路108と、無線周波数増幅回路109と、コネクタ110とを有しており、これらが概ねX方向に沿って延在している。高周波回路100においては、高周波信号が、無線周波数システムオンチップ101から、第1のインタポーザ基板2Aの一方の主表面2a上を経由して、他方の主表面2b上を流れる。言い換えれば上記の高周波回路100においては、参照番号の小さい番号の素子から漸次参照番号の大きい番号の素子へと高周波信号が流れる。したがって無線周波数システムオンチップ101に近い側が高周波回路100の上流側の領域であり、コネクタ110に近い側が高周波回路100の下流側の領域である。
高周波回路100のうちの無線周波数システムオンチップ101は、基板1の他方の主表面1b上に配置されている。高周波回路100のうちの中間周波数増幅回路103と、中間周波数フィルタ回路104と、ミクサ回路105と、局部発振回路106とは、第1のインタポーザ基板2Aの一方の主表面2a上に配置されている。高周波回路100のうちの無線周波数フィルタ回路108と、無線周波数増幅回路109と、コネクタ110とは、第1のインタポーザ基板2Aの他方の主表面2b上に配置されている。はんだボール102,107は、第1のインタポーザ基板2Aの一方の主表面2a上の回路と他方の主表面2bの回路とを電気的に接続する。
図4の高周波回路装置10においては、Y方向の中央に配置される高周波回路100から最も離れた、Y方向の最も外側のパッド1Pに重なる領域により、各基板が接続されている。つまり高周波回路装置10は高周波信号のなかでも比較的低い周波数のものを扱う装置である。高周波回路100とパッド1P,2Pa,2Pbとの、高周波回路100の延在するX方向に交差するY方向についての第1の間隔は、高周波回路100の上流側の第1の領域においてはD1であり、高周波回路100の下流側の第2の領域においてはd1である。ここで第1の領域とは、中間周波数増幅回路103、中間周波数フィルタ回路104およびミクサ回路105と並ぶ領域である。言い換えれば第1の領域とは、ミクサ回路105およびそれよりも上流側の領域である。また第2の領域とは、はんだボール107と、無線周波数フィルタ回路108と、無線周波数増幅回路109と、コネクタ110と並ぶ領域である。言い換えれば第2の領域とは、ミクサ回路105よりも下流側の領域である。
図4の(A)において、これらのパッド1Pは、平面視にて高周波回路100をこれが延びるX方向に交差するY方向から挟むように、Y方向について高周波回路100と第1の間隔D1,d1をあけて1列ずつ配置されている。また図4の(B)においてパッド3Pはパッド2Pbと重なっている。このためパッド3Pは、平面視にて高周波回路100をこれが延びるX方向に交差するY方向から挟むように、Y方向について第3の間隔d1をあけて1列ずつ配置されている。
図5を参照して、高周波回路装置20においては、Y方向についてパッド1Pとパッド1Rとの間に配置されるパッド1Qに重なる領域により、各基板が接続されている。つまり高周波回路装置20は高周波信号のなかでも中程度の周波数のものを扱う装置である。高周波回路100とパッド1Q,2Qa,2Qbとの、高周波回路100の延在するX方向に交差するY方向についての第1の間隔は、高周波回路100の上流側の第1の領域においてはD2であり、高周波回路100の下流側の第2の領域においてはd2である。高周波回路装置20においては、第1の間隔が図4と後述する図6との中間値である。
図5の(A)において、これらのパッド1Qは、平面視にて高周波回路100をこれが延びるX方向に交差するY方向から挟むように、Y方向について高周波回路100と第1の間隔D2,d2をあけて1列ずつ配置されている。また図5の(B)においてパッド3Qはパッド2Qbと重なっている。このためパッド3Qは、平面視にて高周波回路100をこれが延びるX方向に交差するY方向から挟むように、Y方向について第3の間隔d2をあけて1列ずつ配置されている。
図6を参照して、高周波回路装置30においては、Y方向の中央に配置される高周波回路100に最も近い、Y方向の最も内側のパッド1Rに重なる領域により、各基板が接続されている。つまり高周波回路装置30は高周波信号のなかでも比較的高い周波数のものを扱う装置である。高周波回路100とパッド1R,2Ra,2Rbとの、高周波回路100の延在するX方向に交差するY方向についての第1の間隔は、高周波回路100の上流側の第1の領域においてはD3であり、高周波回路100の下流側の第2の領域においてはd3である。
図6の(A)において、これらのパッド1Rは、平面視にて高周波回路100をこれが延びるX方向に交差するY方向から挟むように、Y方向について高周波回路100と第1の間隔D3,d3をあけて1列ずつ配置されている。また図6の(B)においてパッド3Rはパッド2Rbと重なっている。このためパッド3Rは、平面視にて高周波回路100をこれが延びるX方向に交差するY方向から挟むように、Y方向について第3の間隔d3をあけて1列ずつ配置されている。
以上のように、高周波回路装置10,20,30においては、高周波回路100とパッドとの第1の間隔が、高周波回路100の上流側の第1の領域と下流側の第2の領域との間で異なっている。つまり上流側の第1の領域においては第1の間隔はD1,D2,D3であるのに対し、下流側の第2の領域では第1の領域とは異なるd1,d2,d3である。またD1>D2>D3であり、d1>d2>d3である。つまり比較的低い周波数用である高周波回路装置10は第1の間隔が大きく、比較的高い周波数用である高周波回路装置30は第1の間隔が小さい。
また図4〜図6の(A)に示すように、複数のパッド1P,1Q,1Rは、高周波回路100の延在するX方向に沿って第2の間隔をあけて複数個ずつ配置されている。具体的には、パッド1P,1Q,1Rは、ミクサ回路105の下流側と上流側との間で第1の間隔が異なるよう階段状となっている。ただしその階段状を考慮しなければX方向に沿って9個ずつのパッド1P,1Q,1Rが並んでいる。同様に、図4〜図6の(B)では、X方向について各列8個ずつのパッド2Pb,2Qb,2Rbと重なるパッド3P,3Q,3Rは、高周波回路100の延在するX方向に沿って第4の間隔をあけて複数個ずつ配置されている。具体的には、パッド3P,3Q,3Rは、X方向に沿って8個ずつ並んでいる。
次に、高周波回路100を構成する各素子について説明する。
無線周波数システムオンチップ101は、無線周波数(RF:Radio Frequency)の信号を入出力する機能を備えたLSI(Large-Scale Integration)である。無線周波数システムオンチップ101の内部には、CPU(Central Processing Unit)、ADC(Analog to Digital Converter)、DAC(Digital to Analog Converter)が内蔵されている。なおCPUはソフトウェアを用いて信号を処理するプロセッサである。
はんだボール102は、モデムまたは無線周波数システムオンチップ101のような母基板1Iからの信号を第1のインタポーザ基板2Aに伝送する。中間周波数増幅回路103は、第1のインタポーザ基板2Aに伝送された母基板1Iからの信号を増幅する。中間周波数フィルタ回路104は、中間周波数増幅回路103にて増幅された信号のうち、高調波などの不要な波を除去する。ミクサ回路105は、中間周波数フィルタ回路104からの中間周波数の信号と、局部発振回路106が出力する電磁波信号とを混合することにより、流れる信号の電磁波を無線周波数の高周波に変換する。そしてミクサ回路105は当該無線周波数の高周波をはんだボール107に伝送する。
つまり、ミクサ回路105およびそれより上流側においては中間周波数の信号が流れる。これに対し、ミクサ回路105より下流側においては無線周波数、すなわち中間周波数よりも高周波の信号が流れる。パッド1P,1Q,1Rと高周波回路100とのY方向の第1の間隔は、中間周波数の信号が流れる第1の領域すなわちミクサ回路105およびそれより上流側においてD1,D2,D3である。また第1の間隔は、高周波信号が流れる第2の領域すなわちミクサ回路105より下流側においてD1、D2,D3よりも狭いd1,d2,d3である。
なおはんだボール102,107は、Z方向からの平面視において中央に1個、その周囲にX方向およびY方向に2列ずつ、合計5個配置されている。このようにはんだボール102,107は、擬似同軸構造をとることが好ましい。ただしはんだボール102,107は必ずしもこのように配置されなくてもよく、たとえば単一のはんだボール102,107のみが配置される構成であってもよい。
はんだボール107にて一方の主表面2a側から他方の主表面2b側に流入した高周波の信号は、無線周波数フィルタ回路108に伝わる。無線周波数フィルタ回路108は、ミクサ回路105から発生するスプリアスを除去する。ここでスプリアスとは、高周波信号に含まれる設計上意図されない周波数成分である。スプリアスは電磁波障害の原因となるものなので、無線周波数フィルタ回路108により除去されることが好ましい。無線周波数増幅回路109は無線周波数の信号を増幅する。コネクタ110はたとえばアンテナ装置に接続されている。コネクタ110は、増幅された無線周波数の信号を外部の回路、たとえばアンテナ装置に伝送する。
次に、図7を用いながら、本実施の形態の上記第1例〜第3例の高周波回路装置10,20,30の製造方法について説明する。
図7は、実施の形態1に係る高周波回路装置の製造方法の製造方法を概略的に示すフローチャートである。図7を参照して、本実施の形態の高周波回路装置の製造方法においては、まず母基板1Iが準備される(S10)。ここでは形成される高周波回路装置の使用帯域すなわちその形成される高周波回路装置がどのような周波数用であるかにかかわらず、同一種類の母基板1Iが準備される。言い換えれば、比較的低周波用の高周波回路装置10、中間の周波数用の高周波回路装置20、比較的高周波用の高周波回路装置30のいずれが形成されるかにかかわらず、同様にパッド1P,1Q,1Rが配置された母基板1Iが準備される。母基板1Iには、複数のパッド1P,1Q,1Rが、Z方向からの平面視にて高周波回路100の延在するX方向に交差するY方向から高周波回路を挟むように、高周波回路100とY方向について第1の間隔をあけてたとえば3列ずつ配置される。ここで3列ずつとは、パッド1Pとパッド1Qとパッド1Rとが1列ずつ配置されることを意味する。
次に、第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cが準備される(S20)。ここでは図4〜図6の(A),(B)に示すように一方の主表面2a上および他方の主表面2b上に複数のパッドが行列状に並び、高周波回路100が配置された第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cが形成される。形成された第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cは、図4〜図6の(C)に示すように、母基板1Iの他方の主表面1bと対向するように、母基板1Iと間隔をあけて配置される。
次に、母基板1Iと第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cとが、複数のはんだボールにより接続される。具体的には、図4に示すように、高周波回路装置10においてはパッド1Pとパッド2Paとがはんだボール4Aaにより接続される。図5に示すように、高周波回路装置20においてはパッド1Qとパッド2Qaとがはんだボール4Baにより接続される。図6に示すように、高周波回路装置30においてはパッド1Rとパッド2Raとがはんだボール4Caにより接続される。
以降は図7に示されないが、基本的に同様の処理がなされる。たとえば第2のインタポーザ基板3A,3B,3Cが準備される。図4〜図6の(B)に示すように、第2のインタポーザ基板3A,3B,3Cの一方の主表面3a上の、パッド2Pb,2Qb,2RbとZ方向からの平面視にて重なる位置に、パッド3P,3Q,3Rが形成される。そのような態様の第2のインタポーザ基板3A,3B,3Cが形成される。
次に、第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cと第2のインタポーザ基板3A,3B,3Cとが、複数のはんだボールにより接続される。具体的には、図4に示すように、高周波回路装置10においてはパッド3Pとパッド2Pbとがはんだボール4Abにより接続される。図5に示すように、高周波回路装置20においてはパッド3Qとパッド2Qbとがはんだボール4Bbにより接続される。図6に示すように、高周波回路装置30においてはパッド3Rとパッド2Rbとがはんだボール4Cbにより接続される。おおよそ以上により、高周波回路装置10,20,30が形成される。
次に、本実施の形態の背景について説明した後、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の比較例の高周波回路装置は、接地電位の導電体がループ状に配置されることにより形成されたカットオフ構造の一部が、たとえば回路基板上の金属製のカットオフブロックにより構成される。しかしこの場合、高周波回路装置に含まれる高周波回路が取り扱う高周波の周波数に応じて、取り付けられるべきカットオフブロックの形状、寸法および取付方法が変わる。このため当該高周波回路装置に含まれる高周波回路が取り扱う高周波の周波数ごとに、そこに備えられる母基板を別個のものとして設計する必要があった。
また比較例の高周波回路装置にて用いられる、金属製または樹脂製のカットオフブロックは、これを母基板上に密着させるには、高精度な金属加工または樹脂成型などが必要である。このような加工は精密加工を要するためコストが高騰する。さらに金属製のカットオフブロックを用いれば、高周波回路装置全体の重量が増加する。このためそのような高周波回路装置を移動体または携帯端末に適用することは困難であった。とりわけ、電子戦機などの航空機に搭載される高周波回路装置においては、高周波のなかでも比較的低い周波数から比較的高い周波数までの広い範囲の周波数の電磁波を伝送する。このため電子戦機用の高周波回路装置は、広い範囲の周波数の電磁波を伝送可能としつつ、小型化および軽量化を実現する必要があった。
そこで本実施の形態の高周波回路装置は、以下の構成を有している。本実施の形態の高周波回路装置10,20,30は、母基板1Iと、第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cと、複数の第1の導通部材としてのはんだボール4Aa,4Ba,4Caと、高周波回路100とを備える。母基板1Iは、接地電位を印加可能な内部配線層1g,3gを有する。第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cは、母基板1Iの第1の主表面としての他方の主表面1bと対向するように、母基板1Iと間隔をあけて配置される。複数のはんだボール4Aa,4Ba,4Caは、母基板1Iと第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cとを接続する。高周波回路100は第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cに配置され、高周波信号を処理する。母基板1Iには、はんだボール4Aa,4Ba,4Caにより第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cと接続される複数の第1の接続部としてのパッド1P,1Q,1Rが、平面視にて高周波回路100の延在するX方向に交差するY方向から高周波回路100を挟むように配置される。パッド1P,1Q,1RはY方向について高周波回路100と第1の間隔D1,D2,D3,d1,d2,d3をあけて複数列ずつ配置されている。複数の互いに異なる周波数用の高周波回路装置10,20,30の間で同一種類の母基板1Iが配置される。
このようにすれば、低い周波数用の高周波回路装置10であるか高い周波数用の高周波回路装置30であるかによらず、同じようにパッド1P,1Q,1Rが配置された、同一の母基板1Iが使用される。このため、高周波回路装置が処理する高周波信号の周波数によらず、同一種類の母基板1Iを共通に使用することができる。たとえば低周波用の高周波回路装置10では高周波回路100から離れたパッド1Pを用いてはんだボール4Aa等による実装がなされ、高周波用の高周波回路装置30では高周波回路100から離れたパッド1Rを用いてはんだボール4Ca等による実装がなされるためである。またはんだボール4Aa,4Caなどは金属製のカットオフブロックと同様に、以下の役割を有する。すなわち当該はんだボールは、それ自身が外部への電磁波の漏えいを防ぐよう遮蔽する役割とともに、たとえば高周波回路100の一部領域の入出力間、すなわち高周波回路100の上流側と下流側との間における高周波信号の入出力間のアイソレーションを確保する役割を有する。したがって、1種類の母基板1Iにより、互いに異なる周波数用の複数種類の高周波回路装置が製造できるため、異なる周波数用の複数種類の高周波回路装置に応じた複数種類の基板を準備する必要がなくなる。
またはんだボール4Aa,4Caなどがカットオフブロックとして機能する。このため異なる周波数用の複数種類の高周波回路装置に応じた複数種類のカットオフブロックを準備する必要がなくなる。このため製造コストおよび手間を大幅に削減できる。
また重量が大きい金属製のカットオフブロックを準備する必要がなくなるため、高周波回路装置の小型化および軽量化を図ることができる。
以上より、本実施の形態に従えば、複数種類の高周波回路装置10,20,30の同一種類の母基板1Iでの高効率な生産と、当該高周波回路装置10,20,30の小型化軽量化とを両立できる。たとえば、高周波回路装置10,20,30が無線装置として用いられる場合を考える。このとき母基板1Iの他方の主表面1b上には、変復調装置に用いられるCPU、ADCおよびDACをすべて配置可能である。またたとえばX帯と呼ばれる周波数の電磁波からKa帯と呼ばれる周波数の電磁波までを、共通の母基板1Iを備える高周波回路装置10,20,30の高周波回路100により取り扱うことができる。
ここでX帯は周波数が8GHz以上12GHz以下程度の周波数帯域である。上記のようにKa帯は周波数が26GHz以上40GHz以下程度の周波数帯域である。このようにX帯とKa帯とでは周波数がおよそ4倍異なる。このため実際には、たとえば図4のD1と図6のD3とは寸法がおよそ4倍異なることが好ましい。同様に、たとえば図4のd1と図6のd3とは寸法がおよそ4倍異なることが好ましい。
またパッド1P,1Q,1Rが複数列であるたとえば3列を形成するように配置される。このため母基板1Iのパッド1Pは高周波回路100との第1の間隔D1が大きく低周波用として用い、パッド1Rは高周波回路100との第1の間隔D3が小さく高周波用として用いることができる。このことから、パッド1Pにはんだボールを接合するか、パッド1Rにはんだボールを接合するかにより、低い周波数用の高周波回路装置10および高い周波数用の高周波回路装置30を作り分けできる。このため1種類の母基板1Iは、広い周波数範囲の高周波回路装置に適用可能となり、広い周波数範囲の高周波回路装置にて共用できる。
本実施の形態において、互いに異なる周波数用の複数種類の高周波回路装置間では、無線周波数フィルタ回路108の性能が変化する。すなわち無線周波数フィルタ回路108は、高周波回路装置10,20,30の間で互いに異なるものとなるよう、すべて個別に設計される。たとえば無線周波数フィルタ回路108は、1/4波長の共振器を結合させて用いるような回路とできる。無線周波数フィルタ回路108は低い周波数用のものほどサイズが大きく、高い周波数用のものほどサイズが小さくなる。したがって無線周波数フィルタ回路108が処理する電磁波が低い周波数であれば高周波回路100とはんだボールとの間のY方向の寸法を大きくする。無線周波数フィルタ回路108が処理する電磁波が高い周波数であれば高周波回路100とはんだボールとの間のY方向の寸法を小さくする。
上記高周波回路装置10,20,30において、第1の間隔は、高周波回路100の上流側の第1の領域と下流側の第2の領域との間で異なっていることが好ましい。すなわちたとえばパッド1Pと高周波回路100との間隔は、上流側においてD1であり、下流側においてd1である。D1はd1より大きい。たとえばミクサ回路105およびそれより上流側においては比較的低い周波数の電磁波が流れ、ミクサ回路105より下流側においては比較的高い周波数の電磁波が流れる。このことに対応可能とすべく、同一列上に並ぶパッドであるたとえばパッド1P間においても、上流側と下流側とで高周波回路100との間隔を変更している。すなわちミクサ回路105およびそれより上流側の、比較的低い周波数の電磁波が流れる領域では第1の間隔D1を大きくしている。またミクサ回路105より下流側の、無線周波数すなわち比較的高い周波数の電磁波が流れる領域では第1の間隔d1を小さくしている。第1の間隔D1が大きい領域では、第1の間隔D1を有するはんだボールに挟まれた高周波回路100の領域を流れる高周波のうち比較的低い周波数でも遮蔽されずに流れる。逆に第1の間隔d1が小さい領域では、第1の間隔d1を有するはんだボールに挟まれた高周波回路100の領域を流れる高周波のうち比較的高い周波数のみ通過できる。
上記高周波回路装置10,20,30において、複数のパッド1P,1Q,1Rのそれぞれは、高周波回路100の延在するX方向に沿って第2の間隔をあけて複数個ずつ配置されていることが好ましい。X方向についての隣り合う同一種類のたとえばパッド1Pの間隔はカットオフ寸法と呼ばれる。カットオフ寸法とは、電磁波が伝搬するのに必要な最小の隙間である。したがって第2の間隔がカットオフ寸法以下となるように複数のパッド1Pが配置されれば、X方向について隣り合うパッド1Pの間の領域に電磁波が流れない。このため高周波回路100を流れる電磁波はパッド1Pによりブロックされ、そこからその外側に漏えいすることが抑制できる。すなわちカットオフ寸法以下となるように第2の間隔が設けられれば、複数のパッド1Pは金属製のカットオフブロックと同等に機能できる。
カットオフ寸法は、高い周波数の電磁波を遮蔽する際にはより狭くする必要がある。このようにすれば、はんだボール自身による電磁波の遮蔽効果、およびこれに伴う高周波回路100に含まれる中間周波数増幅回路103などの入出力間の減衰割合であるカットオフ減衰量の双方を高めることができる。このため図4〜図6においては、最も高い周波数用の回路装置に用いられるパッド1Rのカットオフ寸法を設定している。このため図4〜図6では他のパッド1P,1Qのカットオフ寸法がパッド1Rのそれに等しくなるよう行列状に配置している。ただしパッド1QのX方向間隔をパッド1RのX方向間隔より長くし、パッド1PのX方向間隔をパッド1QのX方向間隔より長くしてもよい。
上記高周波回路装置10,20,30において、第2のインタポーザ基板3A,3B,3Cと、複数の第2の導通部材としてのはんだボール4Ab,4Bb,4Cbとをさらに備えてもよい。第2のインタポーザ基板3A,3B,3Cは、第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cの母基板1Iと反対側に、第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cの第2の主表面である他方の主表面2bと対向するように、第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cと間隔をあけて配置される。複数のはんだボール4Ab,4Bb,4Cbは、第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cと第2のインタポーザ基板3A,3B,3Cとを接続する。第2のインタポーザ基板3A,3B,3Cには、はんだボール4Ab,4Bb,4Cbにより第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cと接続される複数の第2の接続部としてのパッド3P,3Q,3Rが配置されている。パッド3P,3Q,3Rは、平面視にて高周波回路100の延在方向であるX方向に交差するY方向から高周波回路100を挟むように、Y方向について高周波回路100と第3の間隔d1,d2,d3をあけて配置されている。
このようにすれば、はんだボール4Ab,4Bb,4Cbがはんだボール4Aa,4Ba,4Caと同様にカットオフブロックとして機能する。このため上記と同様に、金属製のカットオフブロックを用いない製造コストの削減、および高周波回路装置の小型化、軽量化が実現できる。
上記高周波回路装置10,20,30において、複数のパッド3P,3Q,3Rは、X方向に沿って第4の間隔をあけて複数個ずつ配置されていることが好ましい。これにより、はんだボール4Ab,4Bb,4Cbがはんだボール4Aa,4Ba,4Caと同様にカットオフブロックとして機能する。このため上記と同様に、金属製のカットオフブロックを用いない製造コストの削減、および高周波回路装置の小型化、軽量化が実現できる。
本実施の形態の高周波回路装置の製造方法は、まず母基板1Iが準備される。母基板1Iの第1の主表面としての他方の主表面1bと対向するように、母基板1Iと間隔をあけて配置される第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cが準備される。母基板1Iと第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cとが複数の第1の導通部材としてのはんだボール4Aa,4Ba,4Caで接続される。第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cには、高周波信号を処理する高周波回路100が配置される。母基板1Iには、第1の導通部材としてのはんだボール4Aa,4Ba,4Caにより第1のインタポーザ基板2A,2B,2Cと接続される複数の第1の接続部としてのパッド1P,1Q,1Rが、平面視にて高周波回路100の延在するX方向に交差するY方向から高周波回路100を挟むように配置される。パッド1P,1Q,1RはY方向について高周波回路100と第1の間隔D1,D2,D3,d1,d2,d3をあけて複数列ずつ配置されている。母基板1Iを準備する工程においては、複数の互いに異なる周波数用の高周波回路装置10,20,30の間で同一種類の母基板1Iが準備される。このようにすれば、上記のように、複数種類の高周波回路装置10,20,30の同一種類の母基板1Iでの高効率な生産と、当該高周波回路装置10,20,30の小型化軽量化とを両立できる。
次に、はんだボール4Aa,4Ba,4Caなどのカットオフブロックとしての機能について、図8を用いて説明する。
図8は、実施の形態1の高周波回路装置における、カットオフ寸法を変化させたときの増幅回路の入出力間の伝送特性の変化を示すグラフである。図8の横軸は高周波回路装置の高周波回路100を通る電磁波の周波数を示し、図8の縦軸は通過振幅すなわち当該周波数の電磁波を高周波回路100の増幅回路である中間周波数増幅回路103および無線周波数増幅回路109が通過する割合を示している。図8を参照して、点線の曲線GR1は、中間周波数の電磁波を通すミクサ回路105およびその上流側におけるY方向間隔の広いはんだボールによって構成されるカットオフ構造による電磁波の伝送特性を示す。なお当該伝送特性は、はんだボールにより挟まれた高周波回路100上の上流側の1点とそれより下流側の1点との2点間の伝送特性である。また図8の実線の曲線GR2は、無線周波数の電磁波を通すミクサ回路105より下流側におけるY方向間隔の狭いはんだボールによって構成されるカットオフ構造による電磁波の伝送特性を示す。
図8中のFR2で示す領域の周波数の電磁波は、曲線GR2の特性を有するカットオフ構造で挟まれた高周波回路100の部分では遮蔽されるが、曲線GR1の特性を有するカットオフ構造で挟まれた高周波回路100の部分では遮蔽されない。ただし図中のFR1で示す領域の比較的低い周波数の電磁波は、曲線GR1の特性を有するカットオフ構造で挟まれた高周波回路100の部分でも遮蔽される。このため遮蔽によるカットオフ減衰量を確保する観点から、FR2で示す領域の比較的高い周波数の電磁波は、比較的高い周波数の電磁波のみを通す曲線GR2の特性を有するカットオフ構造により遮蔽される必要がある。ここで曲線GR1の特性を有するカットオフ構造はたとえばはんだボール4Aa,4Abを含むものである。曲線GR2の特性を有するカットオフ構造はたとえばはんだボール4Ca,4Cbを含むものである。
ただしFR2の電磁波についても、たとえば曲線GR2と重なれば、増幅回路等にて遮蔽されず発振する。発振すれば当該増幅回路等の動作が不安定になり、増幅回路等に必要な入出力間のアイソレーションつまり所望のカットオフ減衰量が得られなくなる恐れがあるため注意が必要である。このことはFR1で示す領域の比較的周波数の低い電磁波についても同様であり、たとえ曲線GR1のはんだボールにより通過せず所望のカットオフ減衰量が得られたとしても、曲線GR1と重なることによる発振を防止することは重要である。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図10は、実施の形態2に係る高周波回路装置の、特に母基板と、第1のインタポーザ基板の一方および他方の主表面上の構成を示す概略平面図である。したがって図9は、図10のIX−IX線に沿う部分の概略断面図を示している。また図10の(A)〜(C)は実施の形態1におけるたとえば図4の(A)〜(C)と同様のものを示している。
図9は、実施の形態2に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図10は、実施の形態2に係る高周波回路装置の、特に母基板と、第1のインタポーザ基板の一方および他方の主表面上の構成を示す概略平面図である。したがって図9は、図10のIX−IX線に沿う部分の概略断面図を示している。また図10の(A)〜(C)は実施の形態1におけるたとえば図4の(A)〜(C)と同様のものを示している。
図9および図10を参照して、本実施の形態の高周波回路装置40は、実施の形態1と同様に同一種類の母基板1Iが共通に使用される。また高周波回路装置40は、第1のインタポーザ基板2Dと、第2のインタポーザ基板3Dとを備えている。
第1のインタポーザ基板2Dは絶縁材料からなり、一方の主表面2aおよび他方の主表面2bを有している。第2のインタポーザ基板3Dは絶縁材料からなり、一方の主表面3aおよび他方の主表面3bを有している。図9において、第1のインタポーザ基板2Dの一方の主表面2a上には、複数のパッド2Pa,2Qa,2Raのすべてが配置されている。第1のインタポーザ基板2Dの他方の主表面2b上には、複数のパッド2Pb,2Qb,2Rbのすべてが配置されている。第2のインタポーザ基板3Dの一方の主表面3a上には複数の第2の接続部としてのパッド3P,3Q,3Rのすべてが配置されている。このため母基板1Iと第1のインタポーザ基板2Dとが、第1の導通部材としてのはんだ4Aa,4Ba,4Caのすべてにより接続されている。また第1のインタポーザ基板2Dと第2のインタポーザ基板3Dとが、第2の導通部材としてのはんだ4Ab,4Bb,4Cbのすべてにより接続されている。
このように、高周波回路100を挟むようにY方向に間隔をあけて3列配置されるパッドのすべてがはんだボールにより接続されている。この点において本実施の形態は、3列配置されるパッドのうち1列のパッドのみがはんだボールで接続される実施の形態1と、構成上異なっている。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。本実施の形態は実施の形態1と同様の作用効果の他に以下の作用効果を奏する。
本実施の形態の高周波回路装置40のように、パッドとはんだボールとの接続される列が複数列、たとえば3列存在してもよい。これによりカットオフ構造が複数形成される。ここでの複数のカットオフ構造とは、図9および図10においては3つである。はんだボールによる接合部がY方向に複数列並べば、Y方向に1列のみ並ぶ場合よりもカットオフブロックとしての性能をいっそう高められる。
この場合は基本的には最も内側のパッド1Rおよびその真上のはんだボールにより構成されるカットオフ構造による電磁波の遮蔽効果が最も強く表れる。その外側のパッド1Pおよびその真上のはんだボールにより構成されるカットオフ構造などは、比較的低い周波数の高周波信号が多少漏えいした際にそれが高周波回路100の下流側に流れて増幅回路などの入出力間のアイソレーションを低下させないように遮蔽し減衰させる。
実施の形態3.
図11は、実施の形態3の第1例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図12は、実施の形態3の第2例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図13は、実施の形態3の第3例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図11〜図13は実施の形態1における図1〜図3と同様のものを示している。すなわち図11の高周波回路装置11は比較的低い周波数用であり、図12の高周波回路装置21は中間の周波数用であり、図13の高周波回路装置31は比較的高い周波数用である。
図11は、実施の形態3の第1例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図12は、実施の形態3の第2例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図13は、実施の形態3の第3例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図11〜図13は実施の形態1における図1〜図3と同様のものを示している。すなわち図11の高周波回路装置11は比較的低い周波数用であり、図12の高周波回路装置21は中間の周波数用であり、図13の高周波回路装置31は比較的高い周波数用である。
図11〜図13を参照して、本実施の形態の高周波回路装置11,21,31は、実施の形態1と同様に同一種類の母基板1Iが共通に使用される。また本実施の形態の高周波回路装置11,21,31の間では第2のインタポーザ基板3Dについても、同一種類のものが共通に使用される。第2のインタポーザ基板3Dは、セラミック材料などの一般公知の絶縁材料により形成されており、一方の主表面3aと他方の主表面3bとを有している。そして高周波回路装置11は第1のインタポーザ基板2Aが、高周波回路装置21は第1のインタポーザ基板2Bが、高周波回路装置31は第1のインタポーザ基板2Cが、それぞれ配置される。これにより、高周波回路装置11では高周波回路装置10と同様にパッド1P,2Pa,2Pb,3P間がはんだボール4Aa,4Abにより接続される。高周波回路装置21では高周波回路装置20と同様にパッド1Q,2Qa,2Qb,3Q間がはんだボール4Ba,4Bbにより接続される。高周波回路装置31では高周波回路装置30と同様にパッド1R,2Ra,2Rb,3R間がはんだボール4Ca,4Cbにより接続される。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。本実施の形態は実施の形態1と同様の作用効果の他に以下の作用効果を奏する。
本実施の形態のように、複数の互いに異なる周波数用の高周波回路装置11,21,31の間で同一種類の第2のインタポーザ基板3Dが配置されることがより好ましい。これにより、母基板1Iのみならず第2のインタポーザ基板3Dについても、複数の高周波回路装置11,21,31の間で同一種類のものを用いることによる更なる高効率な生産性が実現できる。
実施の形態4.
図14は、実施の形態4の第1例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図15は、実施の形態4の第2例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図16は、実施の形態4の第3例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図14〜図16は実施の形態1における図1〜図3と同様のものを示している。すなわち図14の高周波回路装置12は比較的低い周波数用であり、図15の高周波回路装置22は中間の周波数用であり、図16の高周波回路装置32は比較的高い周波数用である。
図14は、実施の形態4の第1例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図15は、実施の形態4の第2例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図16は、実施の形態4の第3例に係る高周波回路装置の構成を示す概略断面図である。図14〜図16は実施の形態1における図1〜図3と同様のものを示している。すなわち図14の高周波回路装置12は比較的低い周波数用であり、図15の高周波回路装置22は中間の周波数用であり、図16の高周波回路装置32は比較的高い周波数用である。
図14〜図16を参照して、本実施の形態の高周波回路装置12,22,32においても実施の形態1と同様に同一種類の母基板が共通に使用される。ただし本実施の形態にて共用される母基板1Mは、一般公知の金属材料などの導電性材料により形成されている。母基板1Mは平面視にて矩形状の平板形状である。母基板1Mは、一方の主表面1aと他方の主表面1bとを有している。
母基板1Mの他方の主表面1bには、ソルダレジスト層1Eが形成されている。ソルダレジスト層1Eは、部分的に欠落するように形成された絶縁層である。つまりソルダレジスト層1Eは平面視においてパターン状に形成されている。他方の主表面1b上のうち、ソルダレジスト層1Eが形成される領域以外の領域は、他方の主表面1bが露出している。この他方の主表面1bが露出した部分が、複数の第1の接続部1Po,1Qo,1Roとして配置されている。逆に言えば、母基板1Mの他方の主表面1bは、複数の第1の接続部1Po,1Qo,1Ro以外の領域にソルダレジスト層1Eが配置されている。
第1の接続部1Poは、実施の形態1のパッド1Pと平面視にて重なる同一の位置に複数配置されている。したがって第1の接続部1Poは、平面視にて高周波回路100をこれが延びるX方向に交差するY方向から挟むように、Y方向について高周波回路100と第1の間隔をあけて1列ずつ配置されている。第1の接続部1Qoは、実施の形態1のパッド1Qと平面視にて重なる同一の位置に複数配置されている。したがって第1の接続部1Qoは、平面視にて高周波回路100をこれが延びるX方向に交差するY方向から挟むように、Y方向について高周波回路100と第1の間隔をあけて1列ずつ配置されている。第1の接続部1Roは、実施の形態1のパッド1Rと平面視にて重なる同一の位置に複数配置されている。したがって第1の接続部1Roは、平面視にて高周波回路100をこれが延びるX方向に交差するY方向から挟むように、Y方向について高周波回路100と第1の間隔をあけて1列ずつ配置されている。以上より、第1の接続部1Po,1Qo,1Roは、Y方向について高周波回路100と第1の間隔をあけて1列ずつ、合計3列となるように配置されている。
本実施の形態の高周波回路装置12,22,32においても実施の形態3と同様に同一種類の第2のインタポーザ基板3Eが共通に使用される。第2のインタポーザ基板3Eは平面視にて矩形状の平板形状である。第2のインタポーザ基板3Eは一般公知の金属材料などの導電性材料により形成されている。第2のインタポーザ基板3Eは、第3の主表面としての一方の主表面3aと、他方の主表面3bとを有している。
第2のインタポーザ基板3Eの一方の主表面3aには、複数の凸形状が形成されている。この凸形状は、一方の主表面3aが、凸形状以外の領域に比べて第1のインタポーザ基板2A,2B,2C側に突出している。一方の主表面3aの凸形状の部分は、複数の第2の接続部3Po,3Qo,3Roとして形成されている。
第2の接続部3Poは、実施の形態1のパッド3Pと平面視にて重なる同一の位置に複数配置されている。したがって第2の接続部3Poは、平面視にて第1の接続部1Poと重なる位置に配置される。第2の接続部3Qoは、実施の形態1のパッド3Qと平面視にて重なる同一の位置に複数配置されている。したがって第2の接続部3Qoは、平面視にて第1の接続部1Qoと重なる位置に配置される。第2の接続部3Roは、実施の形態1のパッド3Rと平面視にて重なる同一の位置に複数配置されている。したがって第2の接続部3Roは、平面視にて第1の接続部1Roと重なる位置に配置される。このようにして第2の接続部3Po,3Qo,3RoはY方向について高周波回路100と間隔をあけて1列ずつ、合計3列となるように配置されている。
はんだボールによる母基板1M、第1のインタポーザ基板2A〜2Cおよび第2のインタポーザ3A〜3C間の接続態様は、実施の形態3と同様である。すなわち高周波回路装置12では高周波回路装置10と同様にパッド1Po,2Pa,2Pb,3Po間がはんだボール4Aa,4Abにより接続される。高周波回路装置22では高周波回路装置20と同様にパッド1Qo,2Qa,2Qb,3Qo間がはんだボール4Ba,4Bbにより接続される。高周波回路装置32では高周波回路装置30と同様にパッド1Ro,2Ra,2Rb,3Ro間がはんだボール4Ca,4Cbにより接続される。
第2の接続部3Po,3Qo,3Roの凸形状は、たとえばZ方向について50μm以上1mm以下の寸法を有することが好ましい。その中でも特に、当該凸形状は、Z方向について100μm以上500μm以下の寸法を有することが好ましい。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態においては、母基板1Mは導電性材料により形成される。母基板1Mの第1の主表面としての他方の主表面1bには、複数の第1の接続部1Po,1Qo,1Ro以外の領域にソルダレジスト層1Eが配置される。第2のインタポーザ基板3Eの第3の主表面としての一方の主表面3aは、複数の第2の接続部3Po,3Qo,3Roとしての領域が複数の第2の接続部3Po,3Qo,3Ro以外の領域に比べて第1のインタポーザ基板2A〜2C側に突出する凸形状を有する。第1の接続部および第2の接続部はパッドに限らず本実施の形態のように導電性材料の母基板1Mの露出した主表面のパターン、および導電性材料の第2のインタポーザ基板3Eの凸形状部として形成されていてもよい。この場合も実施の形態1〜3と同様の作用効果を奏する。
以上に述べた各実施の形態(に含まれる各例)に記載した特徴を、技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせるように適用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1a,2a,3a 一方の主表面、1b,2b,3b 他方の主表面、1E ソルダレジスト層、1g,3g 内部配線層、1I,1M 母基板、1P,1Q,1R,2Pa,2Pb,2Qa,2Qb,2Ra,2Rb,3P,3Q,3R パッド、1Po,1Qo,1Ro 第1の接続部、2A,2B,2C,2D 第1のインタポーザ基板、3A,3B,3C,3D,3E 第2のインタポーザ基板、4Aa,4Ab,4Ba,4Bb,4Ca,4Cb,102,107 はんだボール、10,11,12,20,21,22,30,31,32,40 高周波回路装置、100 高周波回路、101 無線周波数システムオンチップ、103 中間周波数増幅回路、104 中間周波数フィルタ回路、105 ミクサ回路、106 局部発振回路、108 無線周波数フィルタ回路、109 無線周波数増幅回路、110 コネクタ。
Claims (8)
- 接地電位を印加可能な内部配線層を有する母基板と、
前記母基板の第1の主表面と対向するように、前記母基板と間隔をあけて配置される第1のインタポーザ基板と、
前記母基板と前記第1のインタポーザ基板とを接続する複数の第1の導通部材と、
前記第1のインタポーザ基板に配置された、高周波信号を処理する高周波回路とを備える高周波回路装置であって、
前記母基板には、前記第1の導通部材により前記第1のインタポーザ基板と接続される複数の第1の接続部が、平面視にて前記高周波回路の延在方向に交差する方向から前記高周波回路を挟むように、前記交差する方向について前記高周波回路と第1の間隔をあけて複数列ずつ配置されており、
複数の互いに異なる周波数用の前記高周波回路装置の間で同一種類の前記母基板が配置される、高周波回路装置。 - 前記第1の間隔は、前記高周波回路の上流側の第1の領域と下流側の第2の領域との間で異なっている、請求項1に記載の高周波回路装置。
- 前記複数の第1の接続部は、前記高周波回路の延在方向に沿って第2の間隔をあけて複数個ずつ配置されている、請求項1または2に記載の高周波回路装置。
- 前記第1のインタポーザ基板の前記母基板と反対側に、前記第1のインタポーザ基板の第2の主表面と対向するように、前記第1のインタポーザ基板と間隔をあけて配置される第2のインタポーザ基板と、
前記第1のインタポーザ基板と前記第2のインタポーザ基板とを接続する複数の第2の導通部材とをさらに備え、
前記第2のインタポーザ基板には、前記第2の導通部材により前記第1のインタポーザ基板と接続される複数の第2の接続部が、平面視にて前記高周波回路の延在方向に交差する方向から前記高周波回路を挟むように、前記交差する方向について前記高周波回路と第3の間隔をあけて配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波回路装置。 - 前記複数の第2の接続部は、前記高周波回路の延在方向に沿って第4の間隔をあけて複数個ずつ配置されている、請求項4に記載の高周波回路装置。
- 前記母基板は導電性材料により形成され、
前記母基板の前記第1の主表面には、前記複数の第1の接続部以外の領域にソルダレジスト層が配置され、
前記第2のインタポーザ基板の第3の主表面は、前記複数の第2の接続部としての領域が前記複数の第2の接続部以外の領域に比べて前記第1のインタポーザ基板側に突出する凸形状を有する、請求項4または5に記載の高周波回路装置。 - 複数の互いに異なる周波数用の前記高周波回路装置の間で同一種類の前記第2のインタポーザ基板が配置される、請求項4〜6のいずれか1項に記載の高周波回路装置。
- 母基板を準備する工程と、
前記母基板の第1の主表面と対向するように、前記母基板と間隔をあけて配置される第1のインタポーザ基板を準備する工程と、
前記母基板と前記第1のインタポーザ基板とを複数の第1の導通部材で接続する工程とを備える高周波回路装置の製造方法であって、
前記第1のインタポーザ基板には、高周波信号を処理する高周波回路が配置され、
前記母基板には、前記第1の導通部材により前記第1のインタポーザ基板と接続される複数の第1の接続部が、平面視にて前記高周波回路の延在方向に交差する方向から前記高周波回路を挟むように、前記交差する方向について前記高周波回路と第1の間隔をあけて複数列ずつ配置され、
前記母基板を準備する工程においては、複数の互いに異なる周波数用の前記高周波回路装置の間で同一種類の前記母基板が準備される、高周波回路装置の製造方法。
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JP2019136740A JP2021022607A (ja) | 2019-07-25 | 2019-07-25 | 高周波回路装置およびその製造方法 |
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