JP2021021673A - 光学非破壊検査装置の検査情報推定装置及び光学非破壊検査システム - Google Patents

光学非破壊検査装置の検査情報推定装置及び光学非破壊検査システム Download PDF

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直樹 松本
寛司 大原
Kanji Ohara
寛司 大原
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良太 梅澤
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Abstract

【課題】レーザ加熱による温度変化を利用した接合部の検査において検査対象物に対応した検査情報を推定することができる光学非破壊検査装置の検査情報推定装置及び光学非破壊検査システムを提供する。【解決手段】推定装置81は、接合部を有する計測対象物の表面にレーザを照射して加熱し、表面から発生する赤外線を赤外線センサ31で計測することにより接合部の接合状態を検査する光学非破壊検査装置1に用いられる。推定装置81は、計測対象物の材質及び大きさに関する対象属性と、レーザ出力の強度及び周波数若しくは出力時間に関する加熱条件を含む検査情報と、赤外線センサ31から出力される赤外線波形との関係を学習した学習済モデルを記憶する学習済モデル記憶部85と、学習済モデルを用いて計測対象物に対応した推奨加熱条件を含む検査情報を推定する推定部86とを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、光学非破壊検査装置の検査情報推定装置及び光学非破壊検査システムに関する。
従来、接合界面にて互いに接合された第1部材と第2部材である計測対象物における第1部材の表面に設定した計測点に加熱用レーザを照射して、計測点から取得される情報に基づいて、接合界面における接合部の接合状態を判定する光学非破壊検査装置が提案されている(例えば、特許文献1等参照。)。この光学非破壊検査装置によれば、第1部材に設定した計測点に加熱用レーザを照射した際の計測点の温度変化に基づいて第1部材と第2 部材との接合状態を判定する場合において、接合状態のバラつきを抑制し、安定した接合状態を取得して判定することができる。
特開2019−20379号公報
しかしながら、加熱用レーザの出力と照射時間は、第1部材と第2部材の材質、形状、サイズ等に応じて適切な設定値が変化するので、製品品番毎に、種々の実験等によって適切な設定値を決定する作業を行うことが必要となる。特に、材料の物性値や対象物形状のように数値で表せるもの以外に、数値で表せないレベルの表面状態等によって設定値を調整する必要があり、調整に多くの工数がかかるという問題がある。また、将来に亘る全ての検査対象物について設定値を予め用意しておくことは困難であり、現実的でない。
本発明は、レーザ加熱による温度変化を利用した接合部の検査において計測対象物に対応した検査情報を推定することができる光学非破壊検査装置の検査情報推定装置及び光学非破壊検査システムを提供することを目的とする。
本発明に係る光学非破壊検査装置の検査情報推定装置は、接合部を有する計測対象物の表面にレーザを照射して加熱し、前記表面から発生する赤外線を赤外線センサで計測することにより前記接合部の接合状態を検査する光学非破壊検査装置に用いられる装置である。
そして、本発明に係る光学非破壊検査装置の検査情報推定装置は、前記計測対象物の材質及び大きさに関する対象属性と、レーザ出力の強度及び周波数若しくは出力時間に関する加熱条件を含む検査情報と、前記赤外線センサから出力される赤外線波形との関係を学習した学習済モデルを記憶する学習済モデル記憶部と、前記学習済モデルを用いて前記計測対象物に対応した推奨加熱条件を含む前記検査情報を推定する推定部とを備える。
この構成によれば、学習済モデル記憶部が、計測対象物の材質及び大きさを含む対象属性と、レーザ出力の強度及び周波数若しくは出力時間に関する加熱条件を含む検査情報と、赤外線センサから出力される赤外線波形との関係を学習した学習済モデルを記憶している。よって、推定部は、検査情報が未知の対象属性の計測対象物であっても、学習済モデルを用いて計測対象物に対応した推奨加熱条件を含む検査情報を推定することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る光学非破壊検査システムは、接合部を有する計測対象物において前記接合部の接合状態を検査する装置であって、前記計測対象物の表面にレーザを照射して加熱するレーザ出力部と、前記表面から発生する赤外線を計測する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力に基づいて前記接合状態を判定する判定部と、を有する光学非破壊検査装置と、上記検査情報推定装置とを備える。
さらに、光学非破壊検査システムは、光学非破壊検査装置が、検査情報推定装置によって推定された前記検査情報に基づいて、前記レーザ出力部により前記計測対象物のレーザ加熱を行い、判定部が赤外線センサの出力に基づいて接合状態を判定する。
この構成によれば、検査情報推定装置により計測対象物に対応した推奨加熱条件を含む検査情報を推定し、その推定された検査情報に基づいて、レーザ出力部により計測対象物のレーザ加熱を行うので、検査情報が未知の対象属性の計測対象物であっても、接合部の接合状態の検査を正確且つ効率的に行うことができるという効果を奏する。
計測対象物の例を説明する図であり、ワイヤボンディングにて電極にワイヤを接合した電子部品の斜視図である。 図1に示す電子部品をII方向から見た図である。 図2に示すAA部の拡大図であり、電極に接合されたワイヤの計測点に加熱用レーザを照射した際において、熱の伝導と赤外線の放射の例を説明する図である。 実施形態の光学非破壊検査システムの外観の例を説明する斜視図である。 図4に示す実施形態の光学非破壊検査システムの全体構成を説明する図である。 推定装置の構成を示すブロック図である。 電極に接合されたワイヤの例であって、接合面における電極とワイヤとの接合状態(接触状態)及び計測点(または計測点の周囲)に予備加熱レーザを照射してワイヤ(第1部材)に熱歪を発生させた例を説明する図である。 予備加熱レーザを、計測点に照射する例を説明する斜視図である。 判定装置の処理手順の例を説明するフローチャートである。 位相差検出装置の処理手順の例を説明するフローチャートである。 製品品番毎(計測対象物毎)に各情報が記憶された検査情報の例を説明する図である。 実施形態における、計測点へのレーザの照射状態(レーザ出力波形)と、計測点における温度変化(赤外線波形)の例を説明する図である。 位相差・接合部面積特性の例を説明する図である。 判定結果の例を説明する図である。 学習済モデルの更新の処理手順の例を説明するフローチャートである。 図15に示すフローチャートの一部である。
(1.光学非破壊検査方法の概略及び計測対象物の例)
本発明の光学非破壊検査システムを具体化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。まず、実施形態に係る光学非破壊検査システムの説明に先立って、光学非破壊検査方法の概略及び測定対象物の例について説明する。以下に説明する実施形態では、図1に示すように、例えばIGBTモジュールにおいて、IC等の電子部品における電極92(第2部材に相当)にワイヤ91(アルミワイヤ等であり、第1部材に相当)を接合した例について説明する。本実施形態の光学非破壊検査方法では、第1部材に設定した計測点に加熱用レーザを照射している。そして、計測点から取得される計測点情報、あるいは、前記計測点情報及び加熱用レーザに関する加熱用レーザ情報、に基づいて、第1部材と第2部材との接合界面における接合部の面積である接合部面積を求める。この場合の「接合界面における接合部」とは、図3に示すように、第1部材(ワイヤ91)と第2部材(電極92)とが接合されている面状の領域である接合部96を指す。
なお、加熱用レーザに関する情報とは、第1の実施の形態(図5参照)において、計測点SPに照射される加熱用レーザの強度であって時間の経過に対する加熱用レーザの強度を含む。また計測点SPから取得される計測点情報とは、本実施形態(図5参照)において、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度を含む。
また、以降の各図において、X軸、Y軸、Z軸が示されている場合、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Z軸は鉛直上方に向かう方向を示しており、X軸とY軸は水平方向を示している。
次に、計測対象物90の例について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。図1は、基板98上に設けた銅箔等の各電極92に、径(幅)が数10[μm]〜数100[μm]程度のアルミニウム等のワイヤ91の一方端をワイヤボンディングにて接合し、基板98上のベース93上に接着剤95等にて固定した半導体チップ94の各端子に、ワイヤ91の他方端をワイヤボンディングにて接合した状態の斜視図を示している。また図2は、図1をII方向から見た図であり、図3は図2におけるAA部の拡大図である。なお、ワイヤ91は第1部材に相当し、電極92は第2部材に相当している。
電極92にワイヤ91が適切に接合されているか否かを判定するには、接合部96(図3参照)の面積である接合部面積(ワイヤ91と電極92とが接合されている面積)が許容範囲内であるか否かを判定することで、接合状態(内部の状態)の良否を判定すればよい。そこで、図3に示すように、接合部の近傍のワイヤ91の表面に計測点SPを設定し、計測点SPに加熱用レーザを照射して加熱する。すると、計測点SPの温度は徐々に上昇し、計測点SPからワイヤ91内及び接合部96を経由して電極92へと熱が伝播される。また計測点SPからは、上昇した温度に応じた赤外線が放射される。本実施形態では、図1〜図3に示す計測対象物90における電極92とワイヤ91との接合部の接合部面積を求める例を説明する。
(2.光学非破壊検査システム100の全体構成)
次に、光学非破壊検査システム100の全体構成について、図4及び図5を参照しつつ説明する。図4は、本実施形態の光学非破壊検査システム100の外観の斜視図を示しており、図5は、図4に示す光学非破壊検査システム100の全体構成の例を示している。実施形態の光学非破壊検査システム100は、判定部としての判定装置70を含む検査装置1と、通信回線80を介して判定装置70と接続された検査情報推定装置81(以下、「推定装置81」と称する)とを備えて構成される。検査装置1は、推定装置81より送られた検査情報に基づいて、レーザ光源(この場合、半導体レーザ光源21)から出射されるレーザ光そのものの強度を正弦波状に変化させて計測点に照射し、計測点に照射されて正弦波状に変化する加熱用レーザの強度と、計測点から放射されて正弦波状に変化する赤外線の強度と、の位相差に基づいて、計測対象物の接合部面積を求める。そして判定装置70にて、求めた接合部面積が許容範囲内であるか否かを判定して接合状態の良否を判定する。また、推定装置81は、判定装置70から送られた赤外線波形データを用いて検査情報の機械学習を行う。尚、検査情報の詳細については後述する。
検査装置1は、図4及び図5に示すように、基台78、支持部71、レーザヘッド部73、X軸方向スライドテーブル75、X軸方向移動機構75X、Y軸方向スライドテーブル76、Y軸方向移動機構76Y、Z軸方向支持体77、Z軸方向移動機構77Z、位相差検出装置60、判定装置70等にて構成されている。そしてX軸方向スライドテーブル75には、計測対象物(この場合、図1の例に示した計測対象物90)が固定されている。
基台78には、図4及び図5に示すように、Z軸方向支持体77が固定されており、Z軸方向支持体77には、Z軸方向移動機構77Z(エンコーダを備えた電動モータ等)が設けられているとともにY軸方向スライドテーブル76が取り付けられている。Z軸方向移動機構77Zは、判定装置70からの制御信号に基づいて、Z軸方向支持体77に対するY軸方向スライドテーブル76のZ軸方向の位置を移動させるとともに、移動量に応じた移動量検出信号を判定装置70に出力する。
またY軸方向スライドテーブル76には、Y軸方向移動機構76Y(エンコーダを備えた電動モータ等)が設けられているとともにX軸方向スライドテーブル75が取り付けられている。Y軸方向移動機構76Yは、判定装置70からの制御信号に基づいて、Z軸方向支持体77に対するY軸方向スライドテーブル76のY軸方向の位置を移動させるとともに、移動量に応じた移動量検出信号を判定装置70に出力する。
またX軸方向スライドテーブル75には、X軸方向移動機構75X(エンコーダを備えた電動モータ等)が設けられている。X軸方向移動機構75Xは、判定装置70からの制御信号に基づいて、Y軸方向スライドテーブル76に対するX軸方向スライドテーブル75のX軸方向の位置を移動させるとともに、移動量に応じた移動量検出信号を判定装置70に出力する。以上に説明したように、判定装置70は、X軸方向移動機構75X、Y軸方向移動機構76Y、Z軸方向移動機構77Zを用いて、基台78に対する計測対象物90の位置を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動可能である。
図4に示すように、基台78には支持部71が固定されており、支持部71はレーザヘッド部73を保持している。またレーザヘッド部73は、レーザ出力装置27、集光部10(図5の例では、反射型対物レンズ)、レーザ強度検出部41、赤外線センサ31等を有している。
レーザ出力装置27は、本発明のレーザ出力部であって、例えば半導体レーザ光源21と、コリメートレンズ22と、変調信号出力部25と、を有している。変調信号出力部25は、例えばオシレータであり、判定装置70からの制御信号に基づいて、電圧が所定周波数かつ所定振幅で正弦波状に変化する変調信号を発生させる。半導体レーザ光源21は、強度を調整するための強度調整用入力を備えており、この強度調整用入力には、変調信号出力部25から変調信号が入力される。そして半導体レーザ光源21は、変調信号出力部25からの変調信号に基づいて、強度が正弦波状に変化する加熱用レーザLaを出射する。半導体レーザ光源21から出射された加熱用レーザLaは、コリメートレンズ22にて平行光に変換されて加熱レーザ選択反射部23に達する。なお出射された加熱用レーザが平行光である場合は、コリメートレンズ22を省略することができる。従って、計測点SPに集光される加熱用レーザLaの強度は正弦波状に変化し、その周波数は変調信号の周波数に同期する。なお、加熱用レーザの出力は、計測対象物90を破壊することなく加熱できる出力に調整されている。
また、レーザ出力装置27は、加熱用レーザを出射する前に、ワイヤ91(第1部材)を破壊することなく熱歪を発生させるように、一定の出力強度とされた熱歪発生強度と照射時間が調整された予備加熱レーザを照射する制御信号が判定装置70から入力されると、強度:熱歪発生強度、時間:照射時間、とされた予備加熱レーザをステップ状に出力する。なお、予備加熱レーザの波長は、加熱用レーザの波長と同じである。
集光部10は、自身の光軸に沿って一方の側から(図5の例では上方から)入射された平行光を、焦点位置として第1部材91の表面に設定した計測点SPに向けて集光して他方の側から(図5の例では下方から)出射する。また集光部10は、(焦点位置である)計測点SPから放射及び反射されて他方の側から入射された光を、自身の光軸に沿った平行光である第1測定光L11に変換して一方の側から出射する。なお集光部10は、光を透過させて屈折する集光レンズで構成することも可能であるが、異なる複数の波長の光を扱うので、色収差が発生する集光レンズではあまり好ましくない。そこで、(非球面)反射ミラー10A、10Bにて集光部を構成することで、色収差の発生を排除し、広い波長帯に対応させている。なお集光部10は、対物レンズが好ましい。
レーザ出力装置27から出射される加熱用レーザLaの光軸と、集光部10の光軸と、が交差する位置には、加熱レーザ選択反射部23が配置されている。例えば加熱レーザ選択反射部23は、加熱用レーザLaの波長の光を反射し、加熱用レーザの波長以外の波長の光を透過するダイクロイックミラーである。なお図5の例では、加熱レーザ選択反射部23は、加熱用レーザLaの波長の光を、数[%]程度(例えば2%程度)透過する。そして加熱用レーザLaが透過した先には、レーザ強度検出部41が配置されている。コリメートレンズ22と加熱レーザ選択反射部23にて加熱用レーザ導光部が構成されており、加熱用レーザ導光部は、半導体レーザ光源21から出射された加熱用レーザLaを、平行光に変換して集光部10の一方の側へと導く。
レーザ強度検出部41は、例えば加熱用レーザの波長の光のエネルギー(強度)を検出可能なフォトセンサである。加熱レーザ選択反射部23を透過した加熱用レーザL4(正弦波状に強度が変化する加熱用レーザ)は、集光レンズ41Lにて集光されてレーザ強度検出部41に入力される。そしてレーザ強度検出部41から出力されるレーザ強度検出信号は、例えばセンサアンプ41Aにて増幅されて位相差検出装置60に入力される。
集光部10にて平行光に変換された第1測定光L11(計測点SPにて反射した照射光と計測点SPから放射された赤外線を含む測定光)には、計測点SPから放射された所定波長の赤外線が含まれている。第1測定光L11の先には、赤外線センサ31が配置されている。
赤外線センサ31は、例えば所定波長の赤外線のエネルギー(強度)を検出可能な赤外線センサである。第1測定光L11に含まれている所定波長の赤外線(正弦波状に強度が変化する赤外線)は、集光レンズ31Lにて集光されて赤外線センサ31に入力される。そして赤外線センサ31から出力される赤外線強度検出信号は、例えばセンサアンプ31Aにて増幅されて位相差検出装置60に入力される。加熱レーザ選択反射部23と集光レンズ31Lにて赤外線導光部が構成されており、赤外線導光部は、計測点SPから放射されて集光部10の一方の側から出射された平行光の中から所定波長の赤外線を、赤外線センサ31へと導く。
センサアンプ31Aは、例えば電圧増幅回路であり、入力された赤外線強度検出信号の振幅(電圧レベル)を増幅して出力する。なお、センサアンプ31Aは省略されていてもよい。センサアンプ41Aは、例えば電圧増幅回路であり、入力されたレーザ強度検出信号の振幅(電圧レベル)を増幅して出力する。なお、センサアンプ41Aは省略されていてもよい。
位相差検出装置60は、例えばロックインアンプであり、レーザ強度検出部41から出力された正弦波状の検出信号(レーザ強度検出信号)と、赤外線センサ31から出力された正弦波状の検出信号(赤外線強度検出信号)と、が入力される。そして位相差検出装置60は、正弦波状のレーザ強度検出信号と正弦波状の赤外線強度検出信号との位相差を測定し、測定した位相差に関する情報を判定装置70に出力する。なお、レーザ強度検出部41から出力されたレーザ強度検出信号は、計測点SPに照射される加熱用レーザLaである照射光の強度であって正弦波状に変化する照射光の強度に応じた信号である。また、赤外線強度検出信号は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって正弦波状に変化する赤外線の強度に応じた信号である。そして上記の位相差には、接合界面における接合部の面積に関する情報が含まれている。また位相差検出装置60は、例えば出力経路60Aからレーザ強度検出信号や赤外線強度検出信号等のアナログ信号を出力し、出力経路60Dから位相差の値(時間や角度等、位相差に関する情報)や、赤外線強度検出信号のピーク電圧等を含む情報であるデジタル信号を出力する。
判定装置70は、コンピュータを用いて構成され、レーザ出力装置27に制御信号を出力し、位相差検出装置60から位相差に関する情報等を取り込む。そして判定装置70は、後述するように、取り込んだ位相差に関する情報に基づいた位相差と、記憶している(計測対象物に対する)位相差・接合部面積特性と、に基づいて、接合界面における接合部の面積である接合部面積を求める。なお、位相差・接合部面積特性の詳細、及び接合部面積を求める手順については後述する。
判定装置70は、工場等の施設内の通信回線80(例えば施設内LAN)に接続され、同じく通信回線80に接続された推定装置81(配信サーバ)から、計測対象物に対する検査情報(図11に示す検査情報H1を参照)が配信されるようになっている。検査情報H1には、製品品番(計測対象物に相当)、予備加熱レーザ出力、予備加熱時間、待ち時間、加熱用レーザ出力、加熱用レーザ周波数、計測時間、位相差・接合部面積特性(図13の例に示すグラフやマップ、あるいは回帰式f(δ)(図13の例のグラフから求めた回帰式))、最小許容面積、最大許容面積が含まれている。判定装置70は、通信回線80を介して位相差・接合部面積特性を含む検査情報を受信し、記憶する。特に、施設内に複数の検査装置1を設けた場合、1台ずつ検査情報を記憶させる場合と比較して、手間無く容易に複数の検査装置1に、検査情報を受信させて記憶させることができるので、便利である。
推定装置81は、コンピュータを用いて構成され、計測対象物に対応した推奨加熱条件を含む検査情報を推定し、通信回線80を介して判定装置70へ配信する。推定装置81は、図6のブロック図に示す構成を有している。推定装置81の構成の詳細については後述する。
(3.接合面における領域の種類と予備加熱の効果)
次に、接合面における領域の種類と予備加熱の効果について図7を参照しつつ説明する。検査装置1を用いて、計測対象物90の計測点SPに正弦波状に強度が変化する加熱用レーザを照射して、同一のワイヤ91と電極92との接合部面積を複数回求めると、求めた接合部面積のバラつきが比較的大きくなる場合がある。例えば、同一のワイヤ91と電極92において、1回目の計測で求めた接合部面積に対して、2回目の計測で求めた接合部面積の方が小さくなる場合がある。この接合部面積のバラつきは、下記の[領域B]が、接触状態となったり離間状態となったりすることで発生していると考えられる。
図7は、図3をさらに拡大した図である。ワイヤ91と電極92とが対向している接合面には、以下の3つの[領域A]、[領域B]、[領域C]がある。[領域A]は、ワイヤ91(第1部材に相当)と電極92(第2部材に相当)が、常に接触した状態(充分に接合された状態)を維持している[接触状態で安定している領域]である。[領域B]は、ワイヤ91と電極92が接合されておらず、接触したり離間したりする状態であり[接触状態が不安定な領域]である。[領域C]は、ワイヤ91と電極92が接合されておらず、常に非接触の状態(離間した状態)を維持している[非接触状態(離間状態)で安定している領域]である。
接合部面積のバラつきを抑制するためには、上記の[領域B](接触状態が不安定な領域)を排除する必要がある。しかし、接合の工程を終えた後、[領域B]を[領域A]に変換することは非常に困難であるので、[領域B]を[領域C]に変換することが好ましい。そこで、接合部面積の計測を行う前に、ワイヤ91(第1部材)に物理的な歪(反り)を発生させて、[領域B]を[領域C]へと変換する。本実施の形態の光学非破壊検査装置は、加熱用レーザを用いてワイヤ91の計測点を加熱しているので、物理的な歪として「熱歪」を発生させることが好ましい。以上より、図7に示すように、接合部面積の計測を行う前に、ワイヤ91(第1部材)を破壊することなくワイヤ91が熱歪(反り)を生じて[領域B]が[領域C]へと適切に変換されるように、出力と照射時間が調整された「予備加熱レーザ」を、ワイヤ91に照射する。この予備加熱レーザを照射することで、ワイヤ91に熱歪(反り)を発生させた後、接合部面積を求めることで、接合部面積のバラつきを抑制することができる。なお、予備加熱レーザの出力と照射時間は、第1部材と第2部材の材質、形状、サイズ等に応じて適切な値が変化するので、製品品番毎に、推定装置81において推定が行われて適切な値が決定され、検査情報として送信される。なお「熱歪を発生させる」ことは、温度が低下しても復元されない変形を加える、ことである。
次に、図8を用いて、予備加熱レーザの照射位置及び照射方法に関し、予備加熱の照射例を挙げて説明する。なお、予備加熱レーザは、加熱用レーザの出力と照射時間を調整することで比較的容易に実現できるので、新たなレーザ出力装置を追加する必要は無い。
図8に示す例は、出力と照射時間が調整された予備加熱レーザLpを、計測点SPに照射する例である。ワイヤ91に照射された予備加熱レーザLpの径は、例えば約200[μm]であり、接合部面積を求める際の加熱用レーザがワイヤ91の計測点SPに照射された場合の径とほぼ同等である。この場合、接合部面積を求める際に照射する計測点SPに予備加熱レーザを照射するので、集光部10(図5参照)の位置に対する計測対象物の位置を変更する必要がない。図8に示す例では、計測対象物の位置を変更することなく、予備加熱レーザの照射から接合部面積の計測を行うことができるので、短時間で効率よく作業を行うことができる。
(4.検査装置1の判定装置70及び位相差検出装置60における処理手順の例)
次に、図9、図10を参照しつつ、光学非破壊検査装置1における判定装置70及び位相差検出装置60の処理手順の例について説明する。図9は、判定装置70の処理手順の例を、図10は、位相差検出装置の処理手順の例をそれぞれ説明するフローチャートである。例えば作業者が判定装置70を起動すると、位相差検出装置60が連動して起動され、判定装置70はステップS15へと処理を進め、位相差検出装置60はステップS140へと処理を進める。
まず、判定装置70におけるステップS15〜ステップS35の処理手順について説明する。ステップS15にて判定装置70は、受信データ(通信回線80を介して受信するデータ)があるか否かを判定し、受信データがある場合(Yes)はステップS20に進み、受信データが無い場合(No)はステップS30に進む。
ステップS20に進んだ場合、判定装置70は、通信回線80を介して検査用データを受信し、ステップS25に進む。そしてステップS25にて判定装置70は、受信が終了したか否かを判定し、受信が終了した場合(Yes)はステップS30に進み、受信が終了していない場合(No)はステップS20に戻る。
判定装置70が受信するデータは、図5に示す推定装置81から配信される位相差・接合部面積特性を含む検査情報であり、図13に位相差・接合部面積特性の例を示し、図11に検査情報の例を示す。図11の例に示すように、検査情報H1には、製品品番(計測対象物に相当)、予備加熱レーザ出力、予備加熱時間、待ち時間、加熱用レーザ出力、加熱用レーザ周波数、計測時間、位相差・接合部面積特性(図13の例に示すグラフやマップ、あるいは回帰式f(δ)(図13の例のグラフから求めた回帰式))、最小許容面積、最大許容面積が含まれている。尚、本明細書では検査情報H1の各項目のうち、予備加熱レーザ出力、予備加熱時間、加熱用レーザ出力、及び加熱用レーザ周波数を加熱条件と称する。例えば推定装置81は、所定のタイミング(施設内で検査する計測対象物の製品品番が変わる毎、位相差・接合部面積特性の内容が変更される毎、予備加熱に関するデータが変更される毎、等)で検査情報の配信を行い、判定装置70は、通信回線80を介して推定装置81から検査情報を受信し、受信した検査情報を記憶する。
計測対象物は、第1部材の材質、第1部材のサイズ、第2部材の材質、第2部材のサイズ、第1部材と第2部材との間の接合部材の有無、等に応じて複数あるので、「製品品番」で計測対象物が区別されている。そして当該「製品品番」に応じて、予備加熱レーザ出力、予備加熱時間、待ち時間、加熱用レーザ出力、加熱用レーザ周波数、計測時間、位相差・接合部面積特性(グラフやマップ、あるいは回帰式f(δ))、最小許容面積、最大許容面積、等が対応付けられている。例えば、製品品番「A」では、第1部材が径400[μm]のアルミニウムのワイヤ、第2部材が銅箔であり、予備加熱レーザ出力A1が220[W]、予備加熱時間A2が100[ms]、待ち時間A3が120[ms]、加熱用レーザ出力A4が180[W]、加熱用レーザ周波数A5が71.4[Hz]、計測時間A6が300[ms]、位相差・接合部面積特性が特性A7、最小許容面積が面積A8、最大許容面積が面積A9とされている。尚、初めて検査の行われる製品を計測対象物とする場合、「製品品番」に対して検査情報の各項目が対応付けられていないので、推定装置81において検査情報の各項目について推定が行われる。
なお、最小許容面積は、本フローチャートにて最終的に算出された接合部面積において、正常と判定するべき面積の最小値を示している。また最大許容面積は、本フローチャートにて最終的に算出された接合部面積において、正常と判定するべき面積の最大値を示している。
ステップS30に進んだ場合、判定装置70は、作業者からの計測指示の有無を判定し、計測指示がある場合(Yes)はステップS31Aに進み、計測指示が無い場合(No)はステップS30に戻る。なお、計測指示には「製品品番」の入力が含まれており、作業者は、キーボードやバーコードリーダ(計測対象物に製品品番に対応するバーコードが付与されている場合)等から製品品番を入力する。
ステップS31Aに進んだ場合、判定装置70は、所定の予備加熱パターンで、X軸方向移動機構、Y軸方向移動機構、Z軸方向移動機構を制御して、集光部10に対する計測対象物の位置を調整し、ステップS31Bに進む。
ステップS31Bにて判定装置70は、通信回線80を介して推定装置81から受信した検査情報H1(図11参照)を用いて、製品品番に対応する予備加熱レーザ出力(一定の出力強度とされた熱歪発生強度に相当)と、予備加熱時間(照射時間に相当)とを読み出し、出力が「予備加熱レーザ出力」とされたレーザを、レーザ出力装置から出射させ、ステップS32に進む。
ステップS32にて判定装置70は、予備加熱レーザの照射を開始してから予備加熱時間が経過したか否かを判定し、予備加熱時間を経過した場合(Yes)はステップS33に進み、予備加熱時間を経過していない場合(No)はステップS31Bに戻る。
ステップS33に進んだ場合、判定装置70は、予備加熱レーザの照射を停止し、X軸方向移動機構、Y軸方向移動機構、Z軸方向移動機構を制御して計測対象物の位置を戻し(加熱用レーザが計測点に照射される位置に戻し)、ステップS34に進む。上記のステップS31A〜S33は、加熱用レーザ出射ステップの前に、熱歪発生強度と照射時間が調整された予備加熱レーザを、計測点、あるいは予備加熱範囲、あるいは予備加熱範囲内に設定した予備加熱点、に照射して第1部材に熱歪を発生させる予備加熱ステップに相当している。この予備加熱ステップにて、上述した[領域B](接触状態が不安定な領域)を、[領域C](非接触状態で安定している領域)へと変換する。
ステップS34にて判定装置70は、検査情報H1(図11参照)を用いて、製品品番に対応する待ち時間を読み出し、予備加熱レーザを停止してから待ち時間が経過したか否かを判定し、待ち時間が経過した場合(Yes)はステップS35に進み、待ち時間を経過していない場合(No)はステップS34に戻る。なお、予備加熱ステップによる予備加熱レーザの照射状態を、図12に示す。図12において予備加熱レーザSGpは、時間t1から時間t2までの予備加熱時間Tawの間、熱歪発生強度に相当する出力Wapとされた予備加熱レーザを照射した例を示している。この予備加熱レーザによって、信号SGqに示すように、計測点の温度はTapまで上昇する。そして時間t2から時間t3までの待ち時間Tbwの間、レーザの照射は停止され、計測点の温度は徐々に下降する。なお、図1の例に示す電子部品のように、接合された第1部材と第2部材であって計測するべき個所が複数個所である場合、待ち時間Tbwを設けることなく、計測するべき各個所に対して順番に予備加熱レーザを照射し、その後、順番に加熱用レーザを照射して接合状態を判定すると、待ち時間を省略した分、時間を短縮化することができる。
ステップS35に進んだ場合、判定装置70は、検査情報H1(図11参照)を用いて、製品品番に対応する加熱用レーザ出力、加熱用レーザ周波数を読み出し、読み出した加熱用レーザ出力、及び加熱用レーザ周波数となるように、レーザ出力装置27に向けて制御信号を出力する。レーザ出力装置27は、入力された制御信号に基づいて、計測点SPに照射された加熱用レーザの強度が(加熱用レーザ周波数の)正弦波状に変化するように加熱用レーザを出射する。そして判定装置70は、ステップS35の処理を終えると、ステップS60にて、位相差検出装置60からの位相差に関する情報の入力を待つ。このステップS35の処理は、計測点SPにおける強度が正弦波状に変化するように加熱用レーザを出射するレーザ出射ステップ(加熱用レーザを計測点に向けて出射して計測点を加熱するレーザ出射ステップ)に相当する。
次に、位相差検出装置60におけるステップS140〜ステップS155の処理手順について、図10のフローチャートを参照しつつ説明する。ステップS140にて、位相差検出装置60は、レーザ強度検出部41からのレーザ強度検出信号の入力の有無(照射光(図5参照)である加熱用レーザの有無)を判定し、レーザ強度検出信号の入力が有る場合(Yes)はステップS145に進み、レーザ強度検出信号の入力が無い場合(No)はステップS140に戻る。
ステップS145に進んだ場合、位相差検出装置60は、赤外線センサ31からの赤外線強度検出信号に基づいた温度応答の有無を判定し、温度応答が有る場合(Yes)はステップS150に進み、温度応答が無い場合(No)はステップS145に戻る。なお、所定波長の赤外線の入力の有無で判定してもよい。
ステップS150に進んだ場合、位相差検出装置60は、レーザ強度検出部41からのレーザ強度検出信号(図12の例に示す信号SGaに対応する信号)を取り込み、強度が正弦波状に変化する照射光(図5参照)を計測する。また位相差検出装置60は、赤外線センサ31からの赤外線強度検出信号(図12の例に示す信号SGbに対応する信号)を取り込み、強度が正弦波状に変化する赤外線を計測する。そして位相差検出装置60は、図12の例に示すように、信号SGaに対応するレーザ強度検出信号と、信号SGbに対応する赤外線強度検出信号と、の位相差δa(または位相差δb)を計測してステップS155に進む。
このステップS150におけるレーザ強度検出信号を取り込む処理、及び赤外線強度検出信号を取り込む処理は、計測点SPから放射される赤外線の強度を含む計測点情報及び計測点SPに照射される加熱用レーザの強度を含む加熱用レーザ情報を取得する情報取得ステップに相当している。より具体的には、計測点SPにおいて正弦波状に変化する加熱
用レーザの強度に基づいてレーザ強度検出部から出力される加熱用レーザ情報であるレーザ強度検出信号を、位相差検出装置にて取り込み、計測点SPから放射されて正弦波状に変化する赤外線の強度に基づいて赤外線センサから出力される計測点情報である赤外線強度検出信号を、位相差検出装置にて取り込む、情報取得ステップに相当している。
ステップS155にて位相差検出装置60は、計測した位相差δb(または位相差δa)を含む取得関連情報(位相差の時間または角度等を含む情報)を判定装置70に向けて出力し、ステップS140に戻る。ステップS150において位相差を計測する(求める)処理、及びステップS155にて位相差を判定装置に出力する処理は、接合状態判定ステップの一部に相当している。
次に、判定装置70におけるステップS60〜ステップS80の処理手順について説明する。ステップS60にて判定装置70は、位相差検出装置60からの位相差に関する情報の入力の有無を判定し、位相差に関する情報の入力が有る場合(Yes)はステップS65に進み、位相差に関する情報の入力が無い場合(No)はステップS60に戻る。
ステップS65に進んだ場合、判定装置70は、取得関連情報(位相差に関する情報)を取り込み、レーザ出力装置27に制御信号を出力し、レーザ出力装置27からの加熱用レーザの出射を停止させてステップS70に進む。なお、判定装置70にて、検査情報(図11参照)を用いて、製品品番に対応する計測時間を読み出し、加熱用レーザの照射を開始してから計測時間を経過した場合に加熱用レーザの照射を停止するようにしてもよい。
ステップS70にて判定装置70は、取り込んだ取得関連情報(位相差に関する情報)に含まれている位相差と、自身あるいは外部の記憶装置に記憶している検査情報(図11参照)の「製品品番」に対応した位相差・接合部面積特性(位相差と接合部面積との相関関係を示す特性)と、に基づいて、接合部面積を求め、ステップS80に進む。なお、位相差・接合部面積特性の詳細、及び接合部面積の求め方の詳細については後述する。このように、判定装置70は、位相差と、位相差・接合部面積特性(後述するように、グラフやマップ、あるいは回帰式の少なくとも1つ)と、に基づいて、位相差を接合部面積に変換する変換部を有している。
ステップS80にて判定装置70は、ステップS70にて求めた接合部面積に応じて、第1部材と第2部材との接合状態が正常または異常であることを示す判定結果を出力(図14参照)して処理を終了する。例えば判定装置70は、求めた接合部面積が、検査情報(図11参照)における「製品品番」に対応した最小許容面積から最大許容面積までの所定範囲内である場合に正常と判定する。あるいは判定装置70は、求めた接合部面積が、最小許容面積以上である場合に正常と判定する。なおステップS80の処理は、求めた接合部面積が、予め設定された所定範囲内であるか否か、あるいは予め設定された所定面積以上であるか否か、を示す判定結果を出力する、判定結果出力ステップに相当する。このように、判定装置70は、求めた接合部面積が、予め設定された所定範囲内であるか否か、あるいは予め設定された所定面積以上であるか否か、を示す判定結果を出力する、出力部(出力部)を有している。なお、ステップS65において取得関連情報を取り込む処理、及びステップS70、S80の処理は、計測点情報及び加熱用レーザ情報、に基づいた取得関連情報を用いて、接合界面における接合部の接合状態を判定する接合状態判定ステップに相当している。より具体的には、取得関連情報を取り込み、取得関連情報に含まれている位相差に基づいて、接合界面における接合部の接合状態を判定する接合状態判定ステップに相当している。なお、判定結果の出力の詳細については後述する。
(5.位相差・接合部面積特性の作成方法、及び接合部面積の求め方)
次に、位相差・接合部面積特性の作成方法の例について説明する。例えば、特定の製品品番(例えば製品品番:A)である計測対象物に対して、第1部材と第2部材との接合部面積の大きさのみが異なる複数のサンプルを用意する。そして、各サンプルを、図1に示す検査装置1にかけて、位相差(δ)を計測する。なお、位相差の計測前、または位相差の計測後、各サンプルの接合部面積を測定する。そして、計測した位相差と、測定した接合部面積と、に基づいて、当該製品品番の計測対象物に対する位相差・接合部面積特性(図13参照)を作成する。このようにして、第1部材と第2部材との接合部面積の大きさのみが異なる複数のサンプルを用いて、図13の例に示すように、(製品品番:Aに対する)位相差・接合部面積特性を得ることができる。なお、複数のサンプルを用意して位相差・接合部面積特性を得る代わりに、複数のシミュレーションに基づいて、図13の例に示す位相差・接合部面積特性と同等の特性を得るようにしてもよい。尚、本実施形態では、未知の計測対象物に対して、推定装置81により位相差・接合部面積特性が推定される。なお、接合部面積が大きい場合は、熱が逃げやすいため、加熱時や減熱時のピークに達するまでの時間が早く、位相差が小さくなる傾向にある。接合部面積が小さい場合は、熱が逃げにくいため、加熱時や減熱時のピークに達するまでの時間が遅く、位相差が大きくなる傾向にある。尚、本実施形態では、未知の計測対象物に対して、推定装置81により位相差・接合部面積特性が推定される。
また、この(製品品番:Aに対する)位相差・接合部面積特性から、位相差(δ)に対する接合部面積(S)を導出する回帰式f(δ)を求めることもできる。なお、位相差・接合部面積特性は、図13に示すようなグラフ形式であってもよいし、種々の値の位相差に対する接合部面積を示すルックアップテーブルやマップの形式等であってもよい。そして判定装置(または記憶装置)には、上記の位相差・接合部面積特性を示すグラフ、マップ、回帰式、の少なくとも1つを含む検査情報が記憶されている。これにより、判定装置は、計測対象物に応じた位相差・接合部面積特性を用いて、位相差から接合部面積を求めることができる。この方法であれば、第1部材と第2部材とが溶接等で直接接合されている計測対象物の場合、第1部材と第2部材とがハンダ等の接合部材を挟んで接合されている計測対象物の場合、第1部材や第2部材が単一の物質でない場合、など、種々の計測対象物(種々の製品品番)に対して、より正確に、かつ容易に、接合部面積を求めることができる。なお、求めた接合部面積の良否判定については、例えば図14に示すように、最小許容面積と最大許容面積を設定して、求めた接合部面積が最小許容面積以上かつ最大許容面積以下である場合に正常と判定するようにしてもよいし、求めた接合部面積が最小許容面積以上である場合に正常と判定するようにしてもよい。あるいは、接合部面積に換算することなく、図13に示すように、最小許容面積A8に対応する位相差δ(A8)以下、かつ最大許容面積A9に対応する位相差δ(A9)以上の位相差である場合に正常、あるいは最小許容面積A8に対応する位相差δ(A8)以下の位相差である場合に正常、と判定するようにしてもよい。尚、本実施形態では、未知の計測対象物に対して、推定装置81により最小許容面積及び最大許容面積が推定される。
(6.判定結果の出力)
また図14に、判定装置70の表示部70D(モニタ等)に、求めた接合部面積Sを含む判定結果情報70Gを表示した例を示す。図14中における最小許容面積は、判定装置70または記憶装置が記憶している検査情報と、ステップS30にて入力された製品品番にて特定された最小許容面積である。また図14中における最大許容面積は、判定装置70または記憶装置が記憶している検査情報と、ステップS30にて入力された製品品番にて特定された最大許容面積である。判定装置70は、算出した接合部面積Sが、最小許容面積以上かつ最大許容面積以下である場合、接合状態は「正常」であると判定し、最小許容面積よりも小さいまたは最大許容面積よりも大きい場合、接合状態は「異常」であると判定する。図14の例は、「正常」と判定した場合の例を示している。作業者は、判定結果情報70Gを見ることで、計測対象物の接合状態が、正常であるか異常であるかを、容易に知ることができる。
なお、主にデジタル値を扱うソフトウェアを用いた上記の例の他にも、種々の方法で判定結果を出力することができる。例えば、アナログ値を扱うハードウェアの電圧比較器を用いて、最小許容面積に相当する電圧と、求めた接合部面積に相当する電圧と、を入力し、「最小許容面積に相当する電圧」≦「求めた接合部面積に相当する電圧」である場合に、電圧比較器からON信号を出力させて正常ランプの点灯や、正常チャイム等の音声の出力をさせるようにしてもよい。このように、判定結果を出力する出力部(出力部)は、ソフトウェア、ハードウェア、デジタル、アナログ等にかかわらず、種々の構成とすることができる。
(7.推定装置81の構成及び処理の流れ)
次に、推定装置81の構成について、図6を参照しつつ説明する。推定装置81は、機械学習の学習フェーズにおいて機能する部分と、機械学習の推論フェーズにおいて機能する部分とを備える。推論フェーズが実行されている最中においても、学習フェーズが実行されることで、学習済モデルが更新されるようにすることができる。以下に、学習フェーズと推論フェーズとに分けて説明する。なお、図6において、実線矢印は、学習フェーズにおいて機能する処理の流れを示し、破線矢印は、推論フェーズにおいて機能する処理の流れを示す。
(7−1.学習フェーズ)
推定装置81は、図6に示すように、学習フェーズとして機能する部分として、データ入力部82、データ取得部83、学習済モデル生成部84、学習済モデル記憶部85、及び推定部86を備える。データ入力部82は、操作者のキーボード入力等により、学習対象とされる計測対象物の製品品番と、計測対象物の材質及び大きさを含む対象属性を示す属性データとを入力する。例えば、製品品番「X」、属性データ「第1部材:アルミニウムのワイヤ、径300[μm]、第2部材:銅箔」のように入力される。データ入力部82は、製品品番と属性データとの対応付けテーブルを予め記憶しておき、単に製品品番を入力するようにしてもよい。データ取得部83は、データ入力部82からの属性データ、推定部86からの検査情報データ、及び通信回線80を介して検査装置1の判定装置70から送られた赤外線波形データをそれぞれ取得し、これらを訓練データセットとして学習済モデル生成部84へ出力する。つまり、訓練データセットは、属性データと、検査情報データと、赤外線波形データとから構成される。ここで、検査情報は、予備加熱レーザ出力[単位;W]、予備加熱時間[単位;ms]、待ち時間[単位;ms]、加熱用レーザ出力[単位;W]、加熱用レーザ周波数[単位;Hz]、計測時間[単位;ms]、位相差・接合部面積特性、最小許容面積、最大許容面積の各データを指している。赤外線波形データは、例えば、図12(下の図)に示す波形データである。
学習済モデル生成部84は、データ取得部83から出力された訓練データセットに基づいて機械学習を行い、対象属性と検査情報と赤外線波形との関係を学習した学習済モデルを生成する。本実施形態では、機械学習のアルゴリズムとして、ニューラルネットワークを用いる。尚、ニューラルネットワークの中間層を複数にしてディープラーニングの手法を用いるようにしてもよい。学習済モデル記憶部85は、学習済モデル生成部84によって生成された学習済モデルを記憶する。
(7−2.推論フェーズ)
推定装置81は、図6に示すように、推論フェーズとして機能する部分として、データ入力部82、学習済モデル記憶部85、及び推定部86を備える。データ取得部83は、操作者のキーボード操作等により計測対象物の属性データを入力する。データ入力部82は、製品品番と属性情報との対応付けテーブルを予め記憶しておき、単に製品品番を入力するようにしてもよい。学習済モデル記憶部85には、上述した学習フェーズにおいて生成された学習済モデルが記憶されている。さらに、推論フェーズが実行されている最中においても、学習フェーズが実行される。従って、学習済モデル記憶部85に記憶される学習済モデルは更新されていく。
推定部86は、計測対象物の属性データに対して検査情報の推定を行う。すなわち、推定部86は、データ入力部82で入力された製品品番の計測対象物の対象属性データに対し、学習済モデル記憶部85に記憶された学習済モデルを用いて、推奨加熱条件を含む検査情報を推定する。推定部86において推定される検査情報には、予備加熱レーザ出力、予備加熱時間、待ち時間、加熱用レーザ出力、加熱用レーザ周波数、計測時間、位相差・接合部面積特性、最大許容面積、及び最小許容面積が含まれる。これらのうち、予備加熱レーザ出力、予備加熱時間、加熱用レーザ出力及び加熱用レーザ周波数が、推奨加熱条件である。推定部86は、検査情報の推定結果を、通信回線80を介して検査装置1の判定装置70に対して出力する。そして、検査装置1は、推定装置81で推定された検査情報を用いて計測対象物の接合部にレーザ加熱を行い、赤外線センサの出力に基づいて接合状態の検査を行うことができる。
(7−3.学習済モデルの更新処理)
次に、学習済モデル記憶部85に記憶される学習済モデルの更新処理の流れの一例について、図15〜図16のフローチャートを参照しつつ説明する。ステップS200にて推定装置81は、データ入力部82において計測対象物の製品品番を入力し、対応付けテーブルを参照して得られる対象属性データをデータ取得部83へ出力する。続いて、ステップS210にて、推定部86は、予め設定されている初期加熱条件を決定し、ステップS220にて、初期加熱条件で検査をテスト実施する。つまり、ステップS220にて推定装置81は、初期加熱条件を含む検査情報を、通信回線80を介して判定装置70へ送信する。
判定装置70は、図9のフローチャートに示すステップS15〜ステップS65において、推定装置81から通信回線80を介して取得した検査情報に基づいて、予備加熱レーザの出射(ステップS31A〜S34)及び加熱用レーザの出射(S35〜S65)を実行する。判定装置70は、ステップS65において学習中と判定し(S65:Yes)、ステップS85にて、通信回線80を介して推定装置81へ赤外線波形データを送信する。
推定装置81は、ステップS230にて通信回線80を介して判定装置70より赤外線波形データを受信すると、ステップS240にて赤外線波形が目標出力条件を満たすか否かを判定する。具体的には、赤外線波形データの値が適正範囲内かどうかを判定する。ここで、適正範囲とは、赤外線センサ31における赤外線の検知性能の上限と下限との間であって、赤外線波形に基づいて接合状態を検査可能な所定範囲を意味する。赤外線波形が目標出力条件を満たさない場合(S240:No)、ステップS250(図16)へ進む。
ステップS250では、推定部86が、学習済モデル記憶部85に記憶された学習済モデルを用いて推奨加熱条件を出力する。学習済モデルへの入力は、[1]「現在加熱条件で実施した時の赤外線波形」、[2]「目標の赤外線出力値」、[3]「現在の加熱条件」及び[4]「属性データ(材質等)、その他の情報」である。
続いて、ステップS260にて、推奨加熱条件で検査を実施する。つまり、ステップS260にて推定装置81は、推奨加熱条件を含む検査情報を、通信回線80を介して判定装置70へ送信する。ステップS260の後、ステップS230へ戻り、赤外線波形が目標出力条件を満たすまでステップS230〜S260を繰り返す。
ステップS240で赤外線波形が目標出力条件を満たすと判定された場合(S240:Yes)、ステップS270にて推奨加熱条件で検査を本番実施する。つまり、ステップS220にて推定装置81は、推奨加熱条件を含む検査情報を、通信回線80を介して判定装置70へ送信する。判定装置70は、図9のフローチャートに示すステップS15〜ステップS65にて検査を実施し、ステップS85にて、通信回線80を介して推定装置81へ赤外線波形データを送信する。
推定装置81は、ステップS280にて通信回線80を介して判定装置70より赤外線波形データを受信すると、ステップS290で再学習を行い、学習済モデルの更新を行う。すなわち、入力に関するデータを、[1]「初期加熱条件で実施した時の赤外線波形」、[2]「目標の赤外線出力値」、[3]「初期加熱条件」、[4]「属性データ(材質等)、その他の情報」とし、出力に関するデータ(教師データ)を「推奨加熱条件」とする訓練データセットを学習済モデル生成部84へ入力して機械学習を行い、学習済モデルを生成する。そして、推定装置81は、機械学習によって生成された学習済モデルを学習済モデル記憶部85にて記憶し、学習済モデルの更新処理を終了する。
(8.まとめ)
上述したように、本実施形態に係る推定装置81によれば、学習済モデル記憶部85が、計測対象物90の材質及び大きさに関する対象属性と、レーザ出力の強度及び周波数若しくは出力時間に関する加熱条件を含む検査情報と、赤外線センサ31から出力される赤外線波形との関係を学習した学習済モデルを記憶している。よって、推定部86は、加熱条件が未知の材質や大きさである計測対象物であっても、学習済モデルを用いて計測対象物に対応した推奨加熱条件を含む検査情報を推定することができるという効果を奏する。
また、推定装置81は、さらに、計測対象物90の対象属性を示す属性データと、属性データに対応する検査情報を示す検査情報データと、検査情報データに対応して赤外線センサ31から出力された赤外線波形を示す赤外線波形データとを取得するデータ取得部83と、属性データと検査情報データと赤外線波形データとからなる訓練データセットを用いて機械学習することにより学習済モデルを生成し、学習済モデル記憶部85に記憶させる学習済モデル生成部84とを備える。特に、本実施形態の学習済モデル生成部84は、ニューラルネットワークによる機械学習により学習済モデルを生成する。
この構成によれば、学習済モデル生成部84が、データ取得部83を介して取得された計測対象物90の訓練データセットを用いてニューラルネットワークにより機械学習することにより、対象属性と加熱条件を含む検査情報と赤外線波形との関係を学習した学習済モデルを生成し、学習済モデル記憶部85に記憶させることができる。
また、学習済モデル生成部84は、目標出力条件を満たす赤外線波形データに対応する推奨加熱条件を教師データとして機械学習を行う。この構成によれば、推定部86は、計測対象物の対象属性に拘わらず、赤外線波形が目標出力条件を満たすような推奨加熱条件を確実に推定することができる。
また、学習済モデル生成部84は、赤外線波形データが目標出力条件を満たさない場合、推定部86により学習済モデルを用いて推奨加熱条件を推定すると共に、再度、検査装置1により推奨加熱条件でレーザ加熱を実施して赤外線波形データを取得することを、赤外線波形データが目標出力条件を満たすまで繰り返す。よって、目標出力条件を満たす赤外線波形データに対応する推奨加熱条件を確実に取得し、それを教師データとして用いて機械学習を行うことができる。
また、検査情報は、レーザ出力が強度を正弦波状に変化させる加熱用レーザに関し、レーザ出力の強度及び周波数を加熱条件として含むので、推定部86は、加熱用レーザの加熱条件が未知の材質や大きさである計測対象物であっても、学習済モデルを用いて計測対象物に対応した推奨加熱条件を含む検査情報を推定することができるという効果を奏する。さらに、検査情報は、赤外線の計測時間に関する情報を含むので、推定部86は、赤外線の計測時間をも推定することができる。
また、検査情報は、レーザ出力が加熱用レーザの前に照射されるレーザであって強度をステップ状に変化させる予備加熱レーザに関し、レーザ出力の強度及び出力時間を加熱条件として含むので、推定部86は、予備加熱用レーザの加熱条件が未知の材質や大きさである計測対象物であっても、学習済モデルを用いて計測対象物に対応した推奨加熱条件を含む検査情報を推定することができるという効果を奏する。さらに、検査情報は、予備加熱レーザの出力を停止してから加熱用レーザの出力を開始するまでの待ち時間に関する情報を含むので、推定部86は、待ち時間をも推定することができる。
また、検査情報は、さらに、位相差・接合部面積特性に関する情報を含むので、推定部86は、位相差・接合部面積特性をも推定することができる。
また、検査情報は、さらに、正常と判定するべき接合部面積の最小値及び最大値に関する情報を含むので、推定部86は、最小許容面積及び最大許容面積をも推定することができる。
また、光学非破壊検査システム100は、検査装置1と、推定装置81とを備え、検査装置1は、推定装置81によって推定された検査情報に基づいて、レーザ出力装置27により計測対象物90のレーザ加熱を行い、判定装置70が赤外線センサ31の出力に基づいて接合状態を判定する。
この構成によれば、推定装置81により計測対象物90に対応した推奨加熱条件を含む検査情報を推定し、その推定された検査情報に基づいて、レーザ出力装置27により計測対象物のレーザ加熱を行うので、検査情報が未知である材質や大きさを含む対象属性の計測対象物90であっても、接合部96の接合状態の検査を正確且つ効率的に行うことができるという効果を奏する。
(9.変形例)
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。例えば、上記実施形態では、出力と照射時間とが調整された予備加熱レーザを、計測点SPに照射する例を示したが、これには限られない。例えば、予備加熱レーザを、計測点SPを含む予備加熱範囲に照射するようにしてもよい。或いは、予備加熱レーザを、計測点SPを含む予備加熱範囲内に予め複数設定した予備加熱点に照射するようにしてもよい。また、計測対象物の属性データに応じて予備加熱パターンを切り替えるようにしてもよい。その場合、予備加熱パターンを検査情報の加熱条件データとして追加する構成としてもよい。
また、検査情報は、上述した項目、すなわち、予備加熱レーザ出力、予備加熱時間、待ち時間、加熱用レーザ出力、加熱用レーザ周波数、計測時間、位相差・接合部面積特性、最小許容面積及び最大許容面積の全てを含む必要はなく、レーザ出力の強度及び周波数若しくは出力時間に関する加熱条件を含んでいればよい。
また、上記実施形態では、本発明を、IC等の電子部品における第2部材としての電極92に、第1部材としてのワイヤ91を接合する場合に適用した例を示したが、これには限られない。例えば、第2部材としてのプリント基板に、第1部材としてのチップ型の素子を、接合部材としてのハンダで接合する場合に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、学習済モデル生成部84が機械学習のアルゴリズムとしてニューラルネットワークを用いる例を示したが、これには限られず、例えば、回帰分析や決定議を用いる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、推定装置81が学習済モデル生成部84を備えて機械学習を実行する構成としたが、機械学習を推定装置81とは別の装置で実行し、当該別の装置で生成された学習済モデルを記憶する学習済モデル記憶部85に記憶させる構成としてもよい。その場合、推定装置81は、学習済モデル生成部84が不要であって、学習フェーズを実行せず、推論フェーズのみを実行する。
W…検査対象物、100…光学非破壊検査システム、1…検査装置(光学非破壊検査装置)、27…レーザ出力装置(レーザ出力部)、31…赤外線センサ、70…判定装置(判定部)、81…推定装置(検査情報推定装置)、83…データ取得部、84…学習済モデル生成部、85…学習済モデル記憶部、86…推定部、90…計測対象物、96…接合部。

Claims (12)

  1. 接合部を有する計測対象物の表面にレーザを照射して加熱し、前記表面から発生する赤外線を赤外線センサで計測することにより前記接合部の接合状態を検査する光学非破壊検査装置に用いられる装置であって、
    前記計測対象物の材質及び大きさに関する対象属性と、レーザ出力の強度及び周波数若しくは出力時間に関する加熱条件を含む検査情報と、前記赤外線センサから出力される赤外線波形との関係を学習した学習済モデルを記憶する学習済モデル記憶部と、
    前記学習済モデルを用いて前記計測対象物に対応した推奨加熱条件を含む前記検査情報を推定する推定部と、
    を備える、光学非破壊検査装置の検査情報推定装置。
  2. 前記検査情報推定装置は、さらに、
    前記計測対象物の前記対象属性を示す属性データと、前記属性データに対応する前記検査情報を示す検査情報データと、前記検査情報データに対応する前記赤外線波形を示す赤外線波形データとを取得するデータ取得部と、
    前記属性データと、前記検査情報データと、前記赤外線波形データとを含む訓練データセットを用いて機械学習することにより前記学習済モデルを生成し、前記学習済モデル記憶部に記憶させる学習済モデル生成部と、を備える請求項1に記載の光学非破壊検査装置の検査情報推定装置。
  3. 前記学習済モデル生成部は、ニューラルネットワークによる機械学習により前記学習済モデルを生成する、請求項2に記載の光学非破壊検査装置の検査情報推定装置。
  4. 前記学習済モデル生成部は、目標出力条件を満たす前記赤外線波形データに対応する前記推奨加熱条件を教師データとして機械学習を行う、請求項2又は3に記載の光学非破壊検査装置の検査情報推定装置。
  5. 前記学習済モデル生成部は、前記赤外線波形データが前記目標出力条件を満たさない場合、前記推定部により前記学習済モデルを用いて前記推奨加熱条件を推定すると共に、再度、前記光学非破壊検査装置により前記推奨加熱条件でレーザ加熱を実施して前記赤外線波形データを取得することを、前記赤外線波形データが前記目標出力条件を満たすまで繰り返す、請求項4に記載の光学非破壊検査装置の検査情報推定装置。
  6. 前記検査情報は、前記レーザ出力が強度を正弦波状に変化させる加熱用レーザに関し、前記レーザ出力の強度及び周波数を前記加熱条件として含む、請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学非破壊検査装置の検査情報推定装置。
  7. 前記検査情報は、さらに、前記赤外線の計測時間に関する情報を含む、請求項6に記載の光学非破壊検査装置の検査情報推定装置。
  8. 前記検査情報は、前記レーザ出力が前記加熱用レーザの前に照射されるレーザであって強度をステップ状に変化させる予備加熱レーザに関し、前記レーザ出力の強度及び出力時間を前記加熱条件として含む、請求項6又は7に記載の光学非破壊検査装置の検査情報推定装置。
  9. 前記検査情報は、さらに、前記予備加熱レーザの出力を停止してから前記加熱用レーザの出力を開始するまでの待ち時間に関する情報を含む、請求項8に記載の光学非破壊検査装置の検査情報推定装置。
  10. 前記検査情報は、さらに、位相差・接合部面積特性に関する情報を含む、請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学非破壊検査装置の検査情報推定装置。
  11. 前記検査情報は、さらに、正常と判定するべき接合部面積の最小値及び最大値に関する情報を含む、請求項10に記載の光学非破壊検査装置の検査情報推定装置。
  12. 接合部を有する計測対象物において前記接合部の接合状態を検査する装置であって、前記計測対象物の表面にレーザを照射して加熱するレーザ出力部と、前記表面から発生する赤外線を計測する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力に基づいて前記接合状態を判定する判定部と、を有する光学非破壊検査装置と、
    請求項1乃至11の何れか一項に記載の検査情報推定装置と、
    を備え、
    前記光学非破壊検査装置は、前記検査情報推定装置によって推定された前記検査情報に基づいて、前記レーザ出力部により前記計測対象物のレーザ加熱を行うと共に、前記判定部により前記赤外線センサの出力に基づいて前記接合状態の判定を行う、光学非破壊検査システム。
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