JP6218959B2 - 解析装置及び解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、計測対象物の内部に発生した熱源の位置を特定する装置及び方法に関する。
従来より、計測対象物の故障個所を解析する装置として、計測対象物の熱分布や熱源の位置を解析する装置が知られている(例えば特許文献1又は2参照)。特許文献1の装置は、加熱用レーザーによって計測対象物表面の配線を加熱し、配線における反射光の強度から配線の熱分布情報を取得し、該熱分布情報から断線状態にある配線を特定している。また、特許文献2の装置は、変調電流の印加により故障個所(短絡箇所)に熱源が発生することを利用して、計測対象物に変調電流を印加するとともに、該計測対象物内部の熱源から発生する発熱を赤外線カメラにより計測し、熱源(故障個所)の位置を解析している。
特開2006−319193号公報 特開2013−526723号公報
ここで、計測対象物の内部の故障個所を解析する場合には、故障個所を3次元の位置それぞれで高精度に特定する必要がある。すなわち、計測対象物の表面における2次元の位置だけでなく、計測対象物の表面から内部に向かう深さ方向の位置についても高精度に特定する必要がある。この点、上記特許文献1の装置は、計測対象物表面の配線の断線状態を特定するものであって、深さ方向の故障個所を解析するものではないため、計測対象物の内部の故障個所の解析に用いることは困難である。また、上記特許文献2の装置は、赤外線カメラにより発熱を計測することにより熱源(故障個所)の3次元の位置を特定しているところ、赤外線カメラの時間分解能に限界があるため、熱源の深さ方向の位置を高精度に解析できない場合がある。例えば、厚みが薄い計測対象物においては熱源位置が浅くなることにより計測対象物の熱応答が早くなる。この場合、赤外線カメラの時間分解能が十分ではなく、熱源の深さ方向の位置を高精度に解析できないおそれがある。
そこで本発明は、時間分解能を向上させることにより、計測対象物の内部における熱源位置を高精度に特定することができる解析装置及び解析方法を提供することを目的とする。
本発明の解析装置は、計測対象物の内部の熱源位置を特定する解析装置であって、計測対象物の一面に対して計測点を設定する設定部と、計測対象物に刺激信号を印加する印加部と、計測点に光を照射する光照射部と、光の照射に応じて計測点で反射された光を検出し、検出信号を出力する光検出部と、検出信号及び刺激信号に基づいて、計測点から熱源位置までの距離を導出し、熱源位置を特定する解析部と、を備える。
本発明の解析方法は、計測対象物の内部の熱源位置を特定する解析方法であって、計測対象物の一面に対して計測点を設定する工程と、計測対象物に刺激信号を印加する工程と、計測点に光を照射する工程と、光の照射に応じて計測点で反射された光を検出信号に変換する工程と、検出信号及び刺激信号に基づいて、計測点から熱源位置までの距離を導出し、熱源位置を特定する工程と、を含む。
この解析装置及び解析方法では、光が照射される計測対象物に刺激信号が印加される。計測対象物の内部に短絡個所が存在する場合には、刺激信号の印加により当該短絡箇所が発熱し熱源となる。熱源が発生している状態において、照射された光に応じて計測対象物の一面に対して設定された計測点で反射された光が検出され、検出信号が出力される。熱源が発生している状態においては、当該熱源からの熱に応じて光の反射率が変化する。熱源からの熱応答は、熱源から計測点までの距離に反比例して早くなるため、熱源からの熱に応じて反射率が変化した光の検出信号を解析することによって、計測点から熱源位置までの距離を推定することができる。このように、反射された光に応じた検出信号を解析する手法によって熱源位置を特定することにより、例えば赤外線カメラのように1ms〜10ms程度の積算(シャッタ)時間が必要になる方法と比較して時間分解能を向上させることができる。また、計測対象物の一面を例えば屈折率の異なる物質同士が接する面とした場合には、反射率の変化は、当該一面において最大となるので、当該一面において反射された光を検出することによって、熱源の熱に応じた反射率の変化を適切に反映させた光を検出することが可能となる。以上より、本発明によれば、計測対象物の内部における熱源位置を高精度に特定することができる。
また、本発明の解析装置及び解析方法では、解析部が、刺激信号に対する検出信号の位相遅延量を導出することにより計測点から熱源位置までの距離を導出し、熱源位置を特定してもよい。刺激信号に対する検出信号の位相遅延量は、反射された光の反射率の時間変化に応じて変化する。このため、検出信号の位相遅延量を導出することによって熱源位置までの距離を導出し熱源位置を特定することができる。位相遅延量の導出は簡易に行うことができ、また、位相遅延量と反射率の時間変化とは密接な対応関係にあるため、検出信号の位相遅延量を導出することにより簡易且つ高精度に熱源位置を特定することができる。
また、本発明の解析装置及び解析方法では、解析部が、位相遅延量を二次元マッピングすることにより熱源位置を特定してもよい。位相遅延量を二次元マッピングすることによって、より簡易且つ高精度に熱源位置を解析することができる。また、例えば熱源が2点以上であるような場合であっても熱源位置を簡易且つ高精度に解析することができる。
また、本発明の解析装置及び解析方法では、設定部が、計測対象物に対して少なくとも3点の計測点を設定し、解析部が、設定された少なくとも3点の計測点の各点から熱源位置までの距離をそれぞれ導出し、熱源位置を特定してもよい。熱源位置は3次元の位置を特定する必要があるところ、少なくとも3点の位相遅延量が導出されることによって、熱源位置を特定することができる。
また、本発明の解析装置及び解析方法では、設定部が、計測対象物に対して少なくとも4点の計測点を設定し、解析部が、設定された少なくとも4点の計測点の各点から熱源位置までの距離をそれぞれ導出してもよい。この場合、導出された距離に基づいて、計測対象物の一面における熱源位置候補領域を推測することができる。
また、本発明の解析装置は、計測対象物の赤外線画像を取得する赤外線カメラ部を更に備えてもよい。赤外線カメラ部によって取得された赤外線画像によって、大まかな熱源位置を特定することができるため、解析部による熱源位置の特定を簡易化することができる。
また、本発明の解析装置及び解析方法では、赤外線カメラ部によって取得された赤外線画像に基づいて、設定部が計測点を設定してもよい。赤外線画像によって、計測対象物の一面における大まかな熱源位置を特定できるため、より適切な位置に計測点を設定することができる。
また、本発明の解析装置では、解析部が、導出した位相遅延量と、計測対象物に応じて決まる熱伝搬速度とに基づいて、計測点から熱源位置までの距離を導出し、熱源位置を解析してもよい。位相遅延量と熱伝搬速度とから、熱源位置までの距離が簡易且つ高精度に導出されるので、熱源位置を簡易且つ高精度に特定することができる。
また、本発明の解析装置では、解析部が、検出信号の位相遅延量と、計測点から熱源位置までの距離との対応関係を規定したテーブルを予め記憶しており、導出した位相遅延量とテーブルとに基づいて、計測点から熱源位置までの距離を導出し、熱源位置を解析してもよい。予め記憶された、位相遅延量及び熱源までの距離の対応関係を規定したテーブルを用いて、熱源位置までの距離を導出することにより、簡易且つ高精度に熱源位置を特定することができる。
また、本発明の解析装置では、光照射部が光を出力する光厳と、計測点に光を照射する光スキャナとを有してもよい。これにより、設定された計測点に適切に光を照射することができる。
本発明によれば、時間分解能を向上させることにより、計測対象物の内部における熱源位置を高精度に特定することができる。
本発明の第1実施形態に係る解析装置の構成図である。 半導体デバイスを説明する図である。 検出信号の位相遅延量について説明する図である。 3点計測による熱源位置の解析イメージを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る解析装置の構成図である。 1点計測による熱源位置の解析イメージを示す図である。 変形例に係る半導体デバイスを説明する図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態に係る解析装置1は、被検査デバイス(DUT:Device Under Test)である半導体デバイスSDなどの計測対象物(詳細は後述)における熱源位置を特定する解析装置である。熱源とは計測対象物内部の発熱箇所である。計測対象物に信号が印加された際に計測対象物内部に短絡(ショート)箇所などがあると、当該ショート箇所が発熱し熱源となる。すなわち、解析装置1は、熱源位置を特定することにより計測対象物内部のショート箇所などの異常を解析する故障解析装置である。
被検査デバイスとしては、例えば、トランジスタ等のPNジャンクションを有する集積回路(例えば、小規模集積回路(SSI:Small Scale Integration)、中規模集積回路(MSI:Medium Scale Integration)、大規模集積回路(LSI:Large Scale Integration)、超大規模集積回路(VLSI:Very Large Scale Integration)、超々大規模集積回路(ULSI:Ultra Large Scale Integration)、ギガ・スケール集積回路(GSI:Giga Scale Integration))、大電流用/高圧用MOSトランジスタ及びバイポーラトランジスタ等、メモリ・ストレージデバイスを用いることができる。以下では、被検査デバイスが集積回路であるとして説明する。
図2を参照して、半導体デバイスSDについて説明する。図2(a)は半導体デバイスSDの一例として半導体デバイスSD1を、図2(b)は半導体デバイスSDの一例として半導体デバイスSD2を、それぞれ示している。図2(a)に示すように、半導体デバイスSD1では、Si基板X1に絶縁膜X2が積層されており、更に絶縁膜(SiO2層)X2にプロセス層X3が、プロセス層X3に配線層X4が、配線層X4に保護膜X5が、それぞれ積層されている。ここで、ショートを原因とした発熱箇所となりうる箇所は、プロセス層X3及び配線層X4からなるデバイス層である。当該デバイス層を計測対象物とすると、計測対象物の一面とは、例えば、配線層X4における保護膜X5と接している表面X41、及び、プロセス層X3における絶縁膜X2と接している表面X31である。また、デバイス層に加えて保護膜X5及び絶縁膜X2をも計測対象物とすると、計測対象物の一面とは、例えば、空気と接する保護膜X5の表面X51、及び、Si基板X1と接する絶縁膜X2の表面X21である。更に、Si基板X1をも計測対象物とすると、計測対象物の一面とは、例えば、空気と接する保護膜X5の表面X51、及び、空気と接するSi基板X1の表面X11である。
図2(b)に示す半導体デバイスSD2は、概ね図2(a)に示す半導体デバイスSD1と同様の構成であるが、絶縁膜X2が無く、Si基板X1にプロセス層X3が積層されている点で半導体デバイスSD1と異なっている。半導体デバイスSD2では、プロセス層X3及び配線層X4からなるデバイス層を計測対象物とすると、計測対象物の一面とは、例えば、配線層X4における保護膜X5と接している表面X41、及び、プロセス層X3におけるSi基板X1と接している表面X31である。また、デバイス層に加えて保護膜X5をも計測対象物とすると、計測対象物の一面とは、例えば、空気と接する保護膜X5の表面X51、及び、プロセス層X3におけるSi基板X1と接している表面X31である。更に、Si基板X1をも計測対象物とすると、計測対象物の一面とは、例えば、空気と接する保護膜X5の表面X51、及び、空気と接するSi基板X1の表面X11である。以下では、半導体デバイスSDは半導体デバイスSD1であるとし、プロセス層X3、配線層X4、保護膜X5及び絶縁膜X2を本実施形態における計測対象物MOとして説明する。また、上述した計測対象物MOの一面を、計測対象物の表面として説明する場合がある。
図1に戻り、解析装置1は、テスタ11(印加部)と、光源12(光照射部)と、光検出器13(光検出部)と、処理部14と、コンピュータ15と、表示部28と、入力部29と、を備えて構成されている。コンピュータ15は、データ解析部15a(解析部)と、制御部15bと、条件設定部15c(設定部)と、を有している。なお、半導体デバイスSDは、ステージ25に載置されている。
テスタ11は、変調電流(刺激信号)を出力し、該変調電流を半導体デバイスSDの計測対象物MOに印加する。半導体デバイスSDは、テスタ11により印加された変調電流によって駆動する。また、計測対象物MOの内部にショート箇所が含まれている場合には、変調電流が印加されることにより当該ショート箇所が発熱し熱源となる。すなわち、テスタ11は、計測対象物MOに変調電流を印加することにより、半導体デバイスSDの内部に熱源を発生させる。テスタ11は、処理部14から入力されるタイミングトリガ信号に基づいて、該タイミングトリガ信号と周波数が同じ且つ位相が同期した変調電流を生成・出力する。
光源12は、計測対象物MOに光(照射光)を照射する。光源12はSLD(Super Luminescent Diode)で構成されている。なお、光源12は、LD(Laser Diode)等のレーザー光源やLED(Light Emitting Diode)、又はランプ光源を用いた光源等であってもよい。また、照射光はCW光であってもよいし、パルス光であってもよい。照射光の波長は例えば1.3μm程度であり、主にシリコンで構成された計測対象物MOでの屈折率は3.5程度である。
光源12から出力された照射光は、ピンホール16及びレンズ17を経て偏光子18に入力される。偏光子18は特定方向に偏光した照射光のみを透過し、偏光子18を透過した照射光は偏向ビームスプリッタ(以下、PBS:Polarization Beam Splitterと記載)19に入力される。PBS19は、特定方向に偏光した光を透過し、特定方向に偏光した光を反射する。PBS19は偏光子18を透過した照射光を光スキャナ26(光照射部)方向に反射する。光スキャナ26は、例えば、ガルバノミラースキャナやポリゴンミラースキャナ、MEMSミラースキャナなどであり、PBS19からの光を計測対象物MOの所望の位置に照射するように制御される。なお、偏光子18は不要ならば削除してもよい。
光スキャナ26から出力された照射光は、ショートパスフィルタ27を透過し、λ/4板20及びレンズ21を経て半導体デバイスSDの計測対象物MOに照射される。より詳細には、照射光は後述する計測対象物MOの表面に対して設定された計測点に照射される。
照射光に応じて計測点で反射された光(反射光)は、再びレンズ21、ショートパスフィルタ27、λ/4板20、及び光スキャナ26を経て、PBS19に入力される。この時、ショートパスフィルタ27により、計測対象物MOで発生した赤外線を遮光することができる。また、PBS19に入力される光は、λ/4板20を二回透過することにより、偏光方向が傾くため、PBS19は反射光を透過する。反射光は、レンズ22及びピンホール23を経て光検出器13に入力される。このように、本実施形態の光学系はコンフォーカル光学系が用いられ、限られた焦点範囲からの反射光が検出できるように構成されている。なお、本実施形態ではピンホール16,23を用いているが、光ファイバを用いてコア及びクラッドの屈折率差を利用することによってコンフォーカル光学系を実現してもよい。
光検出器13は、照射光に応じて計測対象物MOの表面において反射された反射光を検出する。また、光検出器13は、検出した反射光をアナログ信号である検出信号に変換し出力する。光検出器13は、APD(Avalanche PhotoDiode)やPD(PhotoDiode)、PMT(PhotoMultiplier Tube)等である。ここで、熱源が発生している状態においては、熱源からの熱に応じて計測対象物MOの材料屈折率が変化し、反射光の反射率が変わる。このような反射光の反射率の時間変化は、光検出器13から出力される検出信号の時間変化として表れる。すなわち、光検出器13から出力される検出信号の時間変化は、計測点が熱源から受ける熱応答の早さに応じて変化する。なお、計測点が熱源から受ける熱応答の早さは、当然に、計測点が熱源から近いほど早くなる。光検出器13が出力した検出信号は、処理部14に入力される。
処理部14は、タイミングトリガ信号をテスタ11及びコンピュータ15に出力する。当該タイミングトリガ信号に基づいて、該タイミングトリガ信号と周波数が同じ且つ位相が同期した変調電流がテスタ11にて生成される。また、処理部14は、検出信号が入力されると、コンピュータ15に当該検出信号を出力する。
コンピュータ15は、検出信号及び刺激信号に基づいて計測対象物MOの熱源位置を特定するデータ解析部15a、計測対象物MOの表面に対して計測点を設定する条件設定部15c、光検出器13、処理部14、光スキャナ26、テスタ11、及びステージ25を制御する制御部15bを有している。また、コンピュータ15には、解析結果や半導体デバイスSDのパターン画像などの画像を表示する表示部28や解析条件を入力する入力部29が接続されている。
条件設定部15cは、計測対象物MOの表面に対して計測点を設定する。具体的には、ユーザーが半導体デバイスSDのパターン画像が表示された表示部28を見ながら、入力部29を用いて、少なくとも1つの計測点を指示する。パターン画像としては、例えば、LSM画像などである。条件設定部15cは、指示された計測点の位置情報を基に計測対象物MOの表面における位置情報(x座標及びy座標)を設定する。
制御部15bは、条件設定部15cで設定された計測点の位置情報に基づいて、光スキャナ26を制御する。詳細すると、制御部15bは、計測点の位置情報に基づいて計測対象物MOの表面における計測点に光が照射されるように光スキャナ26を制御する。
データ解析部15aは、検出信号に基づいて計測対象物MOの熱源位置を特定する。具体的には、データ解析部15aは、変調電流に対する検出信号の位相遅延量(図3参照)を導出することにより、計測対象物MOの表面において光が反射された点(計測点)から熱源位置までの距離を導出し、熱源位置を特定する。変調電流はタイミングトリガ信号と周波数が同じ且つ位相が同期した信号であるので、データ解析部15aは、処理部14から入力されたタイミングトリガ信号及び検出信号に基づいて、変調電流に対する検出信号の位相遅延量(図3参照)を導出することができる。上述したように、検出信号の位相は計測点から熱源までの距離に応じて変化するので、変調電流に対する検出信号の位相遅延量も、計測点から熱源までの距離に応じて変化する。具体的には、検出信号の位相遅延量は、計測点から熱源までの距離に比例して大きくなる。
データ解析部15aは、導出した位相遅延量より、計測対象物MOの表面における計測点から熱源までの距離を求める。より詳細には、データ解析部15aは、導出した位相遅延量と計測対象物MOに応じて決まる熱伝搬速度とを掛け合わせることにより、計測点から熱源までの距離を導出する。なお、v(m/s):熱伝搬速度、f(kHz):変調電流の周波数、K(W/m/k):計測対象物MOの熱伝導率、q(J/g/k):計測対象物MOの比熱、ρ(kg/m-3):計測対象物MOの密度とすると、熱伝搬速度vは下記(1)式により求めることができる。
Figure 0006218959
なお、データ解析部15aは、位相遅延量と計測点から熱源までの距離との対応関係を規定したテーブルを予め記憶しておき、導出した位相遅延量と当該テーブルとに基づいて、計測点から熱源までの距離を導出してもよい。
データ解析部15aは、導出した、計測点から熱源までの距離に基づいて、熱源位置を解析する。具体的には、データ解析部15aは、計測対象物MOの表面3点の計測点それぞれにおいて、検出信号の位相遅延量を導出し計測点から熱源までの距離を導出する。そして、3点の計測点それぞれにおける熱源までの距離に基づいて、3次元の熱源位置を一意に特定する。以下、図4を参照して、データ解析部15aによる熱源位置の特定について説明する。
図4は、半導体デバイスSDのうち計測対象物MOの部分のみ模式的に示した図である。図4中のZ軸方向は照射光の光軸方向であるとともに計測対象物MO(半導体デバイスSD)の積層方向である。また、図4中のX軸方向はZ軸方向に垂直な方向であり、Y軸方向はZ軸方向及びX軸方向に垂直な方向である。よって、X軸及びY軸により、Z軸方向に垂直な平面が形成されている。
データ解析部15aには、上述した(1)式の各パラメータ(v(m/s):熱伝搬速度、f(kHz):変調電流の周波数、K(W/m/k):計測対象物MOの熱伝導率、q(J/g/k):計測対象物MOの比熱、ρ(kg/m-3):計測対象物MOの密度)が予め設定されており、熱伝搬速度が算出・記憶されている。まず、データ解析部15aは、条件設定部15cで設定された計測点P1の座標(x1,y1)を記憶する。そして、データ解析部15aは、計測点P1における反射光から変換された検出信号と、変調電流(タイミングトリガ信号)とに基づき、検出信号の位相遅延量を導出する。更に、データ解析部15aは、当該位相遅延量と、記憶されている熱伝搬速度とに基づき、計測点P1から熱源Sまでの距離l1を導出する。
上記計測点P1における導出処理と同様に、データ解析部15aは、異なる計測点P2,P3についても、それぞれ座標(x2,y2),(x3,y3)を記憶し、各計測点P2,P3における反射光から変換された検出信号と変調電流とに基づき位相遅延量を算出し、位相遅延量と熱伝搬速度とに基づき計測点P2から熱源Sまでの距離l2、及び、計測点P3から熱源Sまでの距離l3をそれぞれ導出する。最後に、データ解析部15aは、各計測点P1,P2,P3の座標(x1,y1),(x2,y2)(x3,y3)と、各計測点P1,P2,P3から熱源Sまでの距離l1,l2,l3から、熱源Sの3次元の位置(s1,s2,s3)を算出する。以上の処理により、データ解析部15aは熱源位置を特定する。この手法によれば、熱源位置の位置情報がない場合でも、少なくとも3点の計測点を設定することで、データ解析部15aが熱源位置を特定することができる。
なお、計測点が4点以上設定された場合、熱源位置が存在する領域を絞り込みながら計測してもよい。例えば、計測対象物MOの表面に対して4点以上の計測点をランダムに設定し、それぞれの計測点と熱源位置の距離を導出し、比較することで熱源位置が存在する領域を推定することが可能になる。そして、推定領域に再び計測点を再設定し、熱源領域が存在する領域を絞っていき、最終的に、少なくとも3点の計測点を設定することで、データ解析部15aが熱源位置を特定することができる。
また、データ解析部15aは、例えば3点の計測点における位相遅延量から熱源位置を特定する場合に、各計測点の位相遅延量を二次元マッピングすることにより熱源位置を解析してもよい。より詳細には、データ解析部15aは、上述したX軸、Y軸を座標の2軸として、各計測点の座標に位相遅延量をマッピングしてもよい。この場合、例えば熱源が2点以上あるような場合であっても、二次元マップから視覚的に熱源位置を把握し易くなる。
次に、本実施形態に係る解析装置1の作用効果について説明する。
従来、計測対象物に変調電流を印加し、該計測対象物内部の熱源から発生する発熱を赤外線カメラで計測することにより、熱源位置を特定する方法が知られている。このような測定方法では、熱源の深さ方向を考慮しない二次元の位置については、単に赤外線カメラからの検出信号(撮像画像)から特定が可能である。一方、熱源の深さ方向の位置については、変調電流に対する検出信号の遅延量(位相遅延量)から特定する必要がある。赤外線カメラは、温度に応じて放射される光の色が変化する黒体放射のエネルギーを計測対象としている。検出信号の遅延量導出が可能な感度(S/N比)の画像を赤外線カメラが取得できるか否かは、計測対象物から放射される熱量(熱放射量)に依存している。一般的に、検出信号の遅延量の導出が可能な(十分な感度の)画像を取得するためには、1ms〜10ms程度の積算(シャッタ)時間が必要になる。
そのため、従来の方法により検出信号の遅延量を導出する際の時間分解能には限度(例えば100Hz程度)がある。ここで、計測対象物の厚みが薄い(例えば単層のLSI上に形成された回路構造とすると、20μm以下である)場合、熱源位置が浅くなることにより熱伝搬距離が短くなり、計測対象物の熱応答が早くなる。この場合、上述した時間分解能では、計測対象物の熱応答を十分に測定することができず、熱源位置の解析精度が低下するおそれがある。具体的には、上述した時間分解能の制限によって、熱源位置の解析誤差が5μm程度となるおそれがある。
本実施形態に係る解析装置1では、光が照射される計測対象物MOに変調電流が印加される。計測対象物MOの内部に短絡箇所が存在する場合には、変調電流の印加により当該短絡箇所が発熱し熱源となる。熱源が発生している状態において、照射光に応じて計測点で反射された反射光が検出され、検出信号が出力される。熱源が発生している状態においては、当該熱源からの熱に応じて反射光の反射率が時間変化する。計測点で検出する熱源からの熱応答は、熱源から計測点までの距離に反比例して早くなるため、熱源からの熱に応じて反射率が時間変化した反射光の検出信号を解析することによって、計測点から熱源までの距離を推定することが可能となる。このように、計測対象物MOの反射光に応じた検出信号を解析する光プロービングによって熱源位置を特定することにより、赤外線カメラのように1ms〜10ms程度の積算(シャッタ)時間が必要になる方法と比較して時間分解能を向上させることができる。時間分解能が向上することによって、計測対象物の厚みが薄く熱応答が早い場合であっても、当該熱応答を適切に測定することができ、熱源位置の解析精度を向上させることができる。具体的には、プローブ光強度が一定以上確保できれば、時間分解能がサブナノ秒精度となり、熱源位置の解析誤差を100nm以下とすることができる。
また、反射光の反射率の変化は、屈折率の異なる物質同士が接する面である計測対象物MOの表面において最大となるので、計測対象物MOの表面において反射された反射光を検出することによって、熱源の熱に応じた反射率の変化を適切に反映させた反射光を検出することが可能となる。すなわち、熱源位置を高精度に解析することができる。
更に、従来の赤外線カメラのみを用いる測定方法では、赤外線カメラが黒体放射を検出するので、熱源以外から発生する赤外線についても赤外線カメラが同時に検出せざるをえない。このようなノイズの影響によって、熱源位置の解析精度が低下するおそれがある。これに対して、解析装置1では、計測対象物MO表面における反射光から発熱を検出するので、ノイズの影響を低減し、熱源の影響のみに絞って測定を行うことができる。これにより、熱源位置の解析精度を向上させることができる。
また、解析装置1では、データ解析部15aがタイミングトリガ信号(すなわち変調電流)に対する検出信号の位相遅延量を導出することにより計測対象物MOの計測点から熱源位置までの距離を導出し、熱源位置を解析している。変調電流に対する検出信号の位相遅延量は、反射光の反射率の時間変化に応じて変化する。このため、検出信号の位相遅延量を導出することによって熱源位置を解析することができる。位相遅延量の導出は簡易に行うことができ、また、位相遅延量と反射率の時間変化とは密接な対応関係にあるため、検出信号の位相遅延量を導出することにより簡易且つ高精度に熱源位置を解析することができる。
また、解析装置1では、データ解析部15aが計測点の位相遅延量を二次元マッピングすることにより熱源位置を解析していてもよい。計測点の位相遅延量を二次元マッピングすることによって、各計測点における位相遅延量を視覚的に確認することができ、より簡易且つ高精度に熱源位置を解析することができる。また、例えば熱源が2点以上であるような場合であっても熱源位置を簡易且つ高精度に解析することができる。
また、解析装置1では、データ解析部15aが計測対象物MOの表面の少なくとも3点の計測点において、検出信号の位相遅延量を導出してもよい。熱源位置は3次元の位置を特定する必要があるところ、少なくとも3点の位相遅延量が導出されることによって、測定回数を極力減らしながら熱源位置を特定することができる。
また、解析装置1では、データ解析部15aが計測対象物MOの表面4点以上の計測点において、検出信号の位相遅延量を導出してもよい。熱源位置の絞り込み検出が可能となるため、より高精度に熱源位置を解析することができる。
また、解析装置1では、データ解析部15aが、導出した位相遅延量と、計測対象物MOに応じて決まる熱伝搬速度とに基づいて、計測対象物MOの表面における計測点から熱源までの距離を導出し、熱源位置を解析してもよい。位相遅延量と熱伝搬速度とから、計測点から熱源までの距離が簡易且つ高精度に導出されるので、熱源位置を簡易且つ高精度に解析することができる。
また、解析装置1では、データ解析部15aが、検出信号の位相遅延量と、計測対象物MOの表面における計測点から熱源までの距離との対応関係を規定したテーブルを予め記憶しており、導出した位相遅延量とテーブルとに基づいて、計測対象物MOの表面における計測点から熱源までの距離を導出し、熱源位置を解析してもよい。予め記憶された、位相遅延量及び熱源までの距離の対応関係を規定したテーブルを用いて、計測点から熱源までの距離を導出することにより、簡易且つ高精度に熱源位置を解析することができる。
[第2実施形態]
次に、図5及び図6を参照して、第2実施形態に係る解析装置1Aについて説明する。なお、本実施形態の説明では上述した第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図5に示すように、第2実施形態に係る解析装置1Aは、光プロービングを行う構成について解析装置1と同様の構成を備えている。更に解析装置1Aは、計測対象物MOの熱源からの赤外線を含む計測対象物MOからの赤外線を検出する赤外線カメラ30(赤外線カメラ部)と、レンズ21からの光を赤外線波長領域(2.5μm〜5μm)の光と近赤外波長よりも短波長領域(2.5μm以下)の光とに分離するダイクロイックミラー31と、を備えている。また、λ/4板20はダイクロイックミラー31と光スキャナ26との間の光路上に配置されている。ダイクロイックミラー31を透過した光はレンズ(22)によって結像され、赤外線カメラ30で撮像される。一方、ダイクロイックミラー31を反射した光は、λ/4板20、光スキャナ26、PBS19などを介して光検出器13で検出される。なお、ダイクロイックミラー31は、光検出器13への光路へ赤外線波長領域の光が出力されないように赤外線を遮光する役割も果たす。解析装置1Aでは、赤外線カメラ30により熱源からの赤外線が検出される赤外線撮像モードと、光検出器13により反射光が検出される光プロービングモードとを切り替えながら、又は同時に、熱源位置の特定を行う(詳細は後述)。
赤外線撮像モードにおいて、赤外線カメラ30は、温度に応じて放射される光の色が変化する黒体放射のエネルギーを計測対象としている。本実施形態においては、赤外線カメラ30は、熱源位置のうち照射光の光軸方向(図5及び図6中のZ軸方向)に垂直な平面方向(図5及び図6中のX軸,Y軸方向)の位置を特定する。赤外線カメラ30は、計測対象物MO内部の熱源から発生する発熱を赤外線として検出(撮像)すると、当該検出信号(赤外線画像)をコンピュータ15に出力する。
コンピュータ15は、当該検出信号(赤外線画像)を読み込むことにより、計測対象物MO表面の最も熱量が高い点(すなわち、熱源の直上の点)のX座標及びY座標を、熱源のX座標及びY座標として特定する。このようにして熱源のX座標及びY座標を特定した後に、条件設定部15cは、計測対象物MOの表面に計測点を設定する。この時、特定された熱源のX座標及びY座標を計測点と設定してもよいし、熱源のX座標及びY座標やその周りに複数の計測点を設定してもよい。
次に、光プロービングモードにおいて、条件設定部15cで設定された計測点に対し、光を照射し、光検出器13でその反射光を計測する。この時、設定された計測点において、光検出器13から処理部14に入力され更に処理部14からデータ解析部15aに入力された検出信号の位相遅延量を導出する。以下、図6を参照して、データ解析部15aによる熱源位置の特定について説明する。
図6は、半導体デバイスSDのうち計測対象物MOの部分のみ模式的に示した図である。コンピュータ15は、解析装置1Aが赤外線撮像モードとされた状態において、赤外線カメラ30から入力された検出信号(赤外線画像)を読み込むことにより熱源S1のX座標及びY座標(s1,s2)を取得し、熱源S1のX座標及びY座標(s1,s2)を計測点に設定する。
続いて、解析装置1Aが光プロービングモードに切替えられ、設定された計測点P1(s1,s2)に光が照射され、光検出器13から検出信号が処理部14を経てデータ解析部15aに入力される。一方、データ解析部15aに、上述した(1)式の各パラメータ(v(m/s):熱伝搬速度、f(kHz):変調電流の周波数、K(W/m/k):計測対象物MOの熱伝導率、q(J/g/k):計測対象物MOの比熱、ρ(kg/m-3):計測対象物MOの密度)が設定され、熱伝搬速度が算出・記憶される。そして、データ解析部15aは、計測点P1における反射光から変換された検出信号と、変調電流(タイミングトリガ信号)とに基づき、検出信号の位相遅延量を導出する。更に、データ解析部15aは、当該位相遅延量と、記憶されている熱伝搬速度とに基づき、計測点P1から熱源S1までの距離l1を導出する。
ここで、計測点P1は熱源S1のX座標及びY座標(s1,s2)であるため、データ解析部15aは、計測点P1から熱源S1までの距離l1に基づいて、熱源S1のZ軸方向(光軸方向、深さ方向)の位置を導出することができる。このようにして、熱源S1の位置である座標(s1,s2,s3)が特定される。以上の処理により、データ解析部15aは熱源位置を特定する。
なお、条件設定部15cは、赤外線画像に基づいて計測対象物MOの表面1点だけではなく、複数の計測点を設定してもよい。この時、熱源S1やその周りに計測点を設定することが好ましい。
次に、本実施形態に係る解析装置1Aの作用効果について説明する。
解析装置1Aは、計測対象物MOの赤外線画像を取得する赤外線カメラ30を備えている。赤外線カメラ30によって大まかな熱源位置を特定することができるため、データ解析部15aによる熱源位置の解析を簡易化することができる。
具体的には、赤外線カメラ30によって、取得された赤外線画像に基づき、赤外線画像における熱源位置を参照して、条件設定部15cは、少なくとも1点の計測点を設定する。この際、赤外線画像における熱源位置を計測点と設定してもよいし、当該熱源位置の周りに計測点を設定してもよい。また、赤外線画像を表示部28に表示させ、ユーザーが入力部29を用いて、計測点を設定してもよい。これにより、光プロービングによる熱源位置特定をより簡易に行うことができる。
また、データ解析部15aは、赤外線カメラ30が特定した平面方向の位置を囲む、計測対象物MOの表面3点以上を計測点として決定し、表面3点以上の計測点において、検出信号の位相遅延量を導出してもよい。このように、赤外線カメラ30により熱源の平面方向の位置が絞り込まれ、当該位置を囲む点の位相遅延量が導出されることにより、例えば、赤外線カメラ30を用いずにランダムな3点以上の計測点において導出された位相遅延量により熱源位置が解析される場合と比較して、熱源位置の解析精度を向上させることができる。すなわち、より高精度に熱源位置を解析することができる。
更に、赤外線カメラ30を用いることにより、例えば熱源が複数あるような場合にも、予め赤外線カメラ30によって熱源の数と二次元の位置(平面方向の位置)とを簡易に把握することが可能となる。また、熱源の三次元の位置についても赤外線カメラ30で最初に特定してもよい。この場合、光プロービングによる熱源位置の解析と比較すると精度が劣るものの、複数の熱源の全体像を把握することが可能になる。
以上、本発明の好適な実施形態について記載したが本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ステージ25を用いて、条件設定部15cで設定された計測点に光が照射されるように、計測対象物MOを移動させてもよい。例えば、条件設定部15cは、計測対象物MOに対して、ランダムに複数の計測点を設定してもよく、計測対象物MOの全体もしくは一部の領域を走査しながら計測できるように、複数の計測点を設定してもよい。例えば、テスタ11から半導体デバイスSDに出力される変調電流と周波数とが同じで、位相が同期したトリガ信号をテスタ11から処理部14に出力し、処理部14と同期をとってもよい。また、半導体デバイスSDは、必ずしもテスタ11により印加された変調電流(刺激信号)によって駆動される必要はなく、駆動信号とは別に変調電流(刺激信号)を印加してもよい。例えば、半導体デバイスSDの一例として集積回路である半導体デバイスSD1,SD2の例を説明したが、半導体デバイスはこれに限定されない。例えば、半導体デバイスは図7に示すパワーデバイスSD101であってもよい。図7に示すように、パワーデバイスSD101では、金属電極X101,X104に挟まれるようにしてSi基板X102及びプロセス層X103が積層されている。また、金属電極X104には保護膜X105が積層されている。保護膜X105は金属電極X104の全面を覆うものではなく、保護膜X105に覆われていない金属電極X104は空気に接している。このような構成においては、例えば、金属電極X101,X104、及び、金属電極X101,X104に挟まれたSi基板X102及びプロセス層X103が計測対象物である。この場合、計測対象物の表面とは、空気と接する金属電極X101,X104の表面X111,X141、及び、保護膜X105と接する金属電極X104の表面X142である。また、保護膜X105も計測対象物に含める場合には、計測対象物の表面には、空気と接する保護膜X105の表面X151が含まれる。
1,1A…解析装置、11…テスタ、12…光源、13…光検出器、15a…データ解析部、15c…条件設定部、26…光スキャナ、30…赤外線カメラ、MO…計測対象物

Claims (16)

  1. 計測対象物の内部の熱源位置を特定する解析装置であって、
    前記計測対象物の一面に対して少なくとも3点の計測点を設定する設定部と、
    前記計測対象物に刺激信号を印加する印加部と、
    前記計測点に光を照射する光照射部と、
    前記光の照射に応じて前記計測点で反射された光を検出し、検出信号を出力する光検出部と、
    前記検出信号及び前記刺激信号に基づいて、前記熱源位置を特定する解析部と、を備え
    前記解析部は、前記少なくとも3点の前記計測点の各点から前記熱源位置までの距離をそれぞれ導出し、前記熱源位置を特定する、解析装置。
  2. 計測対象物の内部の熱源位置を特定する解析装置であって、
    前記計測対象物の赤外線画像を取得する赤外線カメラ部と、
    前記赤外線画像に基づいて前記計測対象物の一面に対して計測点を設定する設定部と、
    前記計測対象物に刺激信号を印加する印加部と、
    前記計測点に光を照射する光照射部と、
    前記光の照射に応じて前記計測点で反射された光を検出し、検出信号を出力する光検出部と、
    前記検出信号及び前記刺激信号に基づいて、前記熱源位置を特定する解析部と、を備える解析装置。
  3. 前記解析部は、前記計測点から前記熱源位置までの距離を導出し、前記熱源位置を特定する、請求項記載の解析装置。
  4. 前記解析部は、前記刺激信号に対する前記検出信号の位相遅延量を導出することにより前記計測点から前記熱源位置までの距離を導出する、請求項又は記載の解析装置。
  5. 前記解析部は、導出した前記位相遅延量と、前記計測対象物に応じて決まる熱伝搬速度とに基づいて、前記計測点から前記熱源位置までの距離を導出し、前記熱源位置を解析する、請求項記載の解析装置。
  6. 前記解析部は、前記検出信号の位相遅延量と、前記計測点から前記熱源位置までの距離との対応関係を規定したテーブルを予め記憶しており、導出した前記位相遅延量と前記テーブルとに基づいて、前記計測点から前記熱源位置までの距離を導出し、前記熱源位置を解析する、請求項又は記載の解析装置。
  7. 前記解析部は、前記検出信号の位相遅延量を二次元マッピングすることにより前記熱源位置を解析する請求項のいずれか一項記載の解析装置。
  8. 前記光照射部は、前記光を出力する光源と、前記計測点に前記光を照射する光スキャナと、を有する、請求項1〜のいずれか一項記載の解析装置。
  9. 計測対象物の内部の熱源位置を特定する解析方法であって、
    前記計測対象物の一面に対して少なくとも3点の計測点を設定する工程と、
    前記計測対象物に刺激信号を印加する工程と、
    前記計測点に光を照射する工程と、
    前記光の照射に応じて前記計測点で反射された光を検出信号に変換する工程と、
    前記検出信号及び前記刺激信号に基づいて、前記熱源位置を特定する工程と、を含み、
    前記熱源位置を特定する工程において、前記少なくとも3点の前記計測点の各点から前記熱源位置までの距離をそれぞれ導出し、前記熱源位置を特定する、解析方法。
  10. 計測対象物の内部の熱源位置を特定する解析方法であって、
    赤外線カメラを用いて、前記計測対象物の赤外線画像を取得する工程と、
    前記赤外線画像に基づいて前記計測対象物の一面に対して計測点を設定する工程と、
    前記計測対象物に刺激信号を印加する工程と、
    前記計測点に光を照射する工程と、
    前記光の照射に応じて前記計測点で反射された光を検出信号に変換する工程と、
    前記検出信号及び前記刺激信号に基づいて、前記熱源位置を特定する工程と、を含む解析方法。
  11. 前記熱源位置を特定する工程において、前記計測点から前記熱源位置までの距離を導出し、前記熱源位置を特定する、請求項10記載の解析方法。
  12. 前記熱源位置を特定する工程において、前記刺激信号に対する前記検出信号の位相遅延量を導出することにより前記計測点から前記熱源位置までの距離を導出する、請求項又は11記載の解析方法。
  13. 前記熱源位置を特定する工程において、導出した前記位相遅延量と、前記計測対象物に応じて決まる熱伝搬速度とに基づいて、前記計測点から前記熱源位置までの距離を導出し、前記熱源位置を解析する、請求項12記載の解析方法。
  14. 前記熱源位置を特定する工程において、予め記憶された前記検出信号の位相遅延量と前記計測点から前記熱源位置までの距離との対応関係を規定したテーブルと、導出した前記位相遅延量とに基づいて、前記計測点から前記熱源位置までの距離を導出し、前記熱源位置を解析する、請求項12又は13記載の解析方法。
  15. 前記熱源位置を特定する工程において、前記検出信号の位相遅延量を二次元マッピングすることにより前記熱源位置を解析する請求項1214のいずれか一項記載の解析方法。
  16. 前記計測点に光を照射する工程において、前記光を出力する光源と、前記計測点に前記光を照射する光スキャナと、を用いる、請求項15のいずれか一項記載の解析方法。
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