JP2019158417A - 光学非破壊検査方法及び光学非破壊検査装置 - Google Patents

光学非破壊検査方法及び光学非破壊検査装置 Download PDF

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Naoki Matsumoto
直樹 松本
黒田 大介
Daisuke Kuroda
大介 黒田
寛司 大原
Kanji Ohara
寛司 大原
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Abstract

【課題】第1部材に設定した計測点に加熱用レーザを照射した際の計測点の温度変化に基づいて第1部材と第2部材との接合状態を判定する場合において、加熱用レーザに応じて計測点から放射される信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる、光学非破壊検査方法及び光学非破壊検査装置を提供する。【解決手段】計測点から放射される赤外線には、加熱用レーザに応じた信号成分赤外線と、加熱用レーザの照射の有無にかかわらず放射されているベース赤外線と、が含まれており、加熱用レーザ出射ステップと、計測点から放射される赤外線の強度からベース赤外線の強度分を差し引いた信号成分赤外線の強度を増幅した計測点情報を取得する情報取得ステップと、取得した計測点情報に基づいた取得関連情報を用いて、接合界面における接合部の接合状態を判定する接合状態判定ステップと、を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、接合界面にて互いに接合された第1部材と第2部材、あるいは互いの接合界面にて接合部材を挟んで互いに接合された第1部材と第2部材、である計測対象物において、接合界面における接合部の接合状態を、光学的に非破壊にて求める、光学非破壊検査方法及び光学非破壊検査装置に関する。
例えば特許文献1では、接合部材を挟んで互いに接合された第1部材と第2部材における第1部材の表面に設定した計測点に、強度を正弦波状に変化させた加熱用レーザを照射して、計測点から放射されて強度が正弦波状に変化する赤外線を検出している。そして特許文献1では、正弦波状に変化させた加熱用レーザの強度を、レーザ強度検出手段にて検出し、レーザ強度検出信号を取得し、計測点から放射されて正弦波状に変化する赤外線の強度を、赤外線強度検出手段にて検出し、赤外線強度検出信号を取得している。そして位相差検出装置を用いて、正弦波状のレーザ強度検出信号と、正弦波状の赤外線強度検出信号と、の位相差を計測し、計測した位相差に基づいて、接合状態を判定している。
特開2017−125728号公報
特許文献1には、レーザ強度検出手段からの検出信号(レーザ強度検出信号)は、例えばセンサアンプにて増幅されて位相差検出装置に入力されることが記載されている。また赤外線強度検出手段からの検出信号(赤外線強度検出信号)も、例えばセンサアンプにて増幅されて位相差検出装置に入力されることが記載されている。なお、正弦波状に強度が変化する加熱用レーザを計測点に照射した場合、計測点から放射される赤外線には、以下の(1)と(2)の赤外線が含まれている。
(1)計測点に照射された加熱用レーザに応じて正弦波状に強度が変化する赤外線である信号成分赤外線。
(2)計測点への加熱用レーザの照射の有無にかかわらず所定量の強度の赤外線であるベース赤外線。
ここで図39に、特許文献1におけるレーザ強度検出信号S1と、赤外線強度検出信号S2と、の例を示す。なお赤外線強度検出信号S2には、上記の(1)の信号成分赤外線の強度の信号Vpzと、(2)のベース赤外線の強度の信号Vofzが含まれている。図39に示すように、時間T1から正弦波状に変化する加熱用レーザの照射を開始すると、時間T2から正弦波状に変化する赤外線が検出される。特許文献1では、このレーザ強度検出信号S1と、赤外線強度検出信号S2と、の位相差δを求め、求めた位相差δに基づいて、接合状態の良否を判定している。図39に示した例では、赤外線強度検出信号S2における信号成分赤外線の強度の信号Vpzが充分大きく、正弦波の振幅が充分大きい場合の例を示している。図39の赤外線強度検出信号S2に示す程度の振幅があれば、位相差δをより正確に求めることが可能であり、接合状態の良否をより正確に判定することができる。
しかし、計測点の表面状態は、個体によってさまざまであり、図40に示すように、計測点から放射される上記(1)の信号成分赤外線の強度の信号Vpzが非常に小さい場合がある。図40の例の場合、信号成分赤外線の強度の信号Vpzの振幅が非常に小さく、より正確な位相差δを求めることが困難である。そこで特許文献1では、例えばセンサアンプを用いて、図40に示す赤外線強度検出信号S2を増幅している。図39及び図40に示す赤外線強度検出信号S2は、上記(1)の信号成分赤外線の強度に基づいた赤外線信号成分強度検出信号に、上記(2)のベース赤外線の強度に基づいたベース赤外線強度検出信号が重畳された信号である。従って、赤外線強度検出信号S2を増幅した場合、上記(1)と(2)の双方の赤外線の強度を増幅することになる。またセンサアンプ等の増幅器は、増幅上限を有しており、増幅上限を超える増幅をすることはできない。
例えば図40に示すように、増幅前の赤外線強度検出信号S2におけるベース赤外線の強度が比較的大きく、かつ、赤外線強度検出信号S2における信号成分赤外線の強度が比較的小さい場合、増幅上限のギリギリまで増幅しても、充分な大きさの振幅(信号成分赤外線の強度の振幅)を得られない可能性がある。また増幅上限に達した場合、信号の波形が歪み、より正確な位相差δを得られず、より正確な接合状態の判定を行うことができない可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、第1部材に設定した計測点に加熱用レーザを照射した際の計測点の温度変化に基づいて第1部材と第2部材との接合状態を判定する場合において、加熱用レーザに応じて計測点から放射される信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる、光学非破壊検査方法及び光学非破壊検査装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明は、接合界面にて互いに接合された第1部材と第2部材、あるいは、互いの接合界面にて接合部材を挟んで互いに接合された前記第1部材と前記第2部材、である計測対象物における前記第1部材の表面に設定した計測点に加熱用レーザを照射して、前記計測点から取得される情報である計測点情報、あるいは、前記加熱用レーザに関する情報である加熱用レーザ情報及び前記計測点情報、に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する、光学非破壊検査方法であって、前記計測点から放射される赤外線には、前記計測点に照射された前記加熱用レーザに応じた赤外線である信号成分赤外線と、前記計測点への前記加熱用レーザの照射の有無にかかわらず放射されている所定量の赤外線であるベース赤外線と、が含まれており、前記加熱用レーザを前記計測点に向けて出射して前記計測点を加熱する加熱用レーザ出射ステップと、前記計測点から放射される赤外線の強度から前記ベース赤外線の強度分を差し引いた前記信号成分赤外線の強度を増幅した前記計測点情報を取得する情報取得ステップ、あるいは、前記計測点から放射される赤外線の強度から前記ベース赤外線の強度分を差し引いた前記信号成分赤外線の強度を増幅した前記計測点情報及び前記計測点に照射される前記加熱用レーザの強度を含む前記加熱用レーザ情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップにて取得した、前記計測点情報、あるいは、前記計測点情報及び前記加熱用レーザ情報、に基づいた取得関連情報を用いて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する接合状態判定ステップと、を有する、光学非破壊検査方法である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る光学非破壊検査方法であって、レーザ出力装置と、レーザ強度検出手段と、赤外線強度検出手段と、位相差検出装置と、判定装置と、を用い、前記加熱用レーザ出射ステップでは、前記レーザ出力装置から、前記計測点における強度が正弦波状に変化するように前記加熱用レーザを出射し、前記情報取得ステップでは、前記計測点において正弦波状に変化する前記加熱用レーザの強度に基づいて前記レーザ強度検出手段から出力される前記加熱用レーザ情報であるレーザ強度検出信号を、前記位相差検出装置に取り込み、前記計測点から放射されて正弦波状に変化する赤外線の強度に基づいて前記赤外線強度検出手段から出力される赤外線強度検出信号から、前記ベース赤外線の強度に基づいたベース赤外線強度検出信号分を差し引いて、前記信号成分赤外線の強度に基づいた赤外線信号成分強度検出信号を取得し、取得した前記赤外線信号成分強度検出信号を増幅した前記計測点情報である赤外線信号成分強度増幅信号を、前記位相差検出装置に取り込み、前記接合状態判定ステップでは、前記位相差検出装置にて前記レーザ強度検出信号と前記赤外線信号成分強度増幅信号との位相差を求め、求めた前記位相差を含む前記取得関連情報を前記判定装置に出力して前記判定装置にて前記取得関連情報を取り込み、前記判定装置にて、前記取得関連情報に含まれている前記位相差に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する、光学非破壊検査方法である。
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明に係る光学非破壊検査方法であって、レーザ出力装置と、赤外線強度検出手段と、前記判定装置と、を用い、前記加熱用レーザ出射ステップでは、前記レーザ出力装置から、前記計測点に向けて、一定の出力強度である加熱強度とされた前記加熱用レーザを出射し、前記情報取得ステップでは、前記計測点から放射された赤外線の強度に基づいて前記赤外線強度検出手段から出力される赤外線強度検出信号から、前記ベース赤外線の強度に基づいたベース赤外線強度検出信号分を差し引いて、前記信号成分赤外線の強度に基づいた赤外線信号成分強度検出信号を取得し、取得した前記赤外線信号成分強度検出信号を増幅した前記計測点情報である赤外線信号成分強度増幅信号を、前記判定装置に取り込み、前記接合状態判定ステップでは、前記判定装置にて、前記赤外線信号成分強度増幅信号から求めた前記取得関連情報である前記計測点における温度上昇特性に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する、光学非破壊検査方法である。
次に、本発明の第4の発明は、接合界面にて互いに接合された第1部材と第2部材、あるいは、互いの接合界面にて接合部材を挟んで互いに接合された前記第1部材と前記第2部材、である計測対象物における前記第1部材の表面に設定した計測点に加熱用レーザを照射して、前記計測点から取得される情報、あるいは、前記加熱用レーザに関する情報及び前記計測点から取得される情報、に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する、光学非破壊検査装置であって、前記計測点から放射される赤外線には、前記計測点に照射された前記加熱用レーザに応じた赤外線である信号成分赤外線と、前記計測点への前記加熱用レーザの照射の有無にかかわらず放射されている所定量の赤外線であるベース赤外線と、が含まれており、前記計測点における強度が正弦波状に変化するように前記加熱用レーザを出射するレーザ出力装置と、前記計測点において正弦波状に変化する前記加熱用レーザの強度を検出してレーザ強度検出信号を出力するレーザ強度検出手段と、前記計測点から放射された赤外線の強度を検出して赤外線強度検出信号を出力する赤外線強度検出手段と、前記ベース赤外線の強度に応じたベース赤外線強度検出信号を取得するベース赤外線強度検出手段と、前記赤外線強度検出信号から、前記ベース赤外線強度検出信号分を差し引いて、前記信号成分赤外線の強度に基づいた赤外線信号成分強度検出信号を取得し、取得した前記赤外線信号成分強度検出信号を増幅した赤外線信号成分強度増幅信号を出力する増幅手段と、前記レーザ強度検出信号と前記赤外線信号成分強度増幅信号とを取り込んで、正弦波状に変化する前記レーザ強度検出信号と、正弦波状に変化する前記赤外線信号成分強度増幅信号と、の位相差を検出して検出した前記位相差を含む取得関連情報を判定装置に出力する位相差検出装置と、前記レーザ出力装置を制御するとともに前記位相差検出装置から入力された前記取得関連情報に含まれている前記位相差に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する前記判定装置と、を有する、光学非破壊検査装置である。
次に、本発明の第5の発明は、接合界面にて互いに接合された第1部材と第2部材、あるいは、互いの接合界面にて接合部材を挟んで互いに接合された前記第1部材と前記第2部材、である計測対象物における前記第1部材の表面に設定した計測点に加熱用レーザを照射して、前記計測点から取得される情報に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する、光学非破壊検査装置であって、前記計測点から放射される赤外線には、前記計測点に照射された前記加熱用レーザに応じた赤外線である信号成分赤外線と、前記計測点への前記加熱用レーザの照射の有無にかかわらず放射されている所定量の赤外線であるベース赤外線と、が含まれており、前記計測点に向けて、一定の出力強度である加熱強度とされた前記加熱用レーザを出射するレーザ出力装置と、前記計測点から放射された赤外線の強度を検出して赤外線強度検出信号を出力する少なくとも1つの赤外線強度検出手段と、前記ベース赤外線の強度に応じたベース赤外線強度検出信号を取得するベース赤外線強度検出手段と、それぞれの前記赤外線強度検出手段に対応させたそれぞれの増幅手段であって、対応するそれぞれの前記赤外線強度検出手段から出力されたそれぞれの前記赤外線強度検出信号から、前記ベース赤外線強度検出信号分を差し引いて、前記信号成分赤外線の強度に基づいたそれぞれの赤外線信号成分強度検出信号を取得し、取得したそれぞれの前記赤外線信号成分強度検出信号を増幅したそれぞれの赤外線信号成分強度増幅信号を出力するそれぞれの前記増幅手段と、前記レーザ出力装置を制御するとともにそれぞれの前記赤外線信号成分強度増幅信号に基づいて求めた前記計測点の温度上昇特性に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する判定装置と、を有する、光学非破壊検査装置である。
次に、本発明の第6の発明は、上記第4の発明または第5の発明に係る光学非破壊検査装置であって、前記増幅手段は、前記赤外線強度検出信号が入力される信号入力部と、前記信号入力部に入力された前記赤外線強度検出信号のオフセット量を調整するオフセット信号が入力されるオフセット入力部と、前記オフセット入力部に入力された前記オフセット信号に基づいて、前記信号入力部に入力された前記赤外線強度検出信号のオフセット量を調整した信号を増幅して出力する信号出力部と、を有し、前記判定装置は、前記加熱用レーザが照射されていない場合における前記赤外線強度検出手段を前記ベース赤外線強度検出手段として用い、当該ベース赤外線強度検出手段からの前記赤外線強度検出信号に基づいて前記ベース赤外線の強度を求め、求めた前記ベース赤外線の強度に基づいた前記ベース赤外線強度検出信号分を差し引くための前記オフセット信号を生成するオフセット調整信号を、前記増幅手段に出力する、光学非破壊検査装置である。
次に、本発明の第7の発明は、上記第4の発明または第5の発明に係る光学非破壊検査装置であって、前記計測点から放射される赤外線とは異なる周辺赤外線である前記ベース赤外線の強度に基づいた前記ベース赤外線強度検出信号を出力する周辺赤外線強度検出手段を備え、当該周辺赤外線強度検出手段を前記ベース赤外線強度検出手段として用い、前記増幅手段は、前記赤外線強度検出信号と、前記周辺赤外線強度検出手段からの前記ベース赤外線強度検出信号と、が入力されて、前記赤外線強度検出信号と前記ベース赤外線強度検出信号との差分を増幅する差動増幅器である、光学非破壊検査装置である。
第1の発明によれば、信号成分赤外線の強度にベース赤外線の強度が重畳されている赤外線の強度(計測点から放射される赤外線の強度)から、ベース赤外線の強度分を差し引いた信号成分赤外線の強度を増幅する。従って、加熱用レーザに応じて計測点から放射される信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能であり、加熱用レーザに応じて計測点から放射される信号成分赤外線の強度をより正確に計測することが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
正弦波状に変化するレーザ強度検出信号と、正弦波状に変化する赤外線信号成分強度増幅信号との位相差を、位相差検出装置にてより正確に求めるためには、赤外線信号成分強度増幅信号の振幅が、より大きな振幅であることが好ましい。第2の発明によれば、赤外線信号成分強度検出信号にベース赤外線強度検出信号が重畳されている赤外線強度検出信号から、ベース赤外線強度検出信号分を差し引いた赤外線信号成分強度検出信号を増幅するので、赤外線信号成分強度検出信号の振幅をより大きく増幅することができる。従って、位相差検出装置にてレーザ強度検出信号と赤外線信号成分強度増幅信号との位相差を、より正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
一定の出力強度の加熱用レーザを時間T1から計測点に照射した場合に、時間T1からの計測点の温度上昇特性を計測することで、接合状態を判定することができる。しかし、計測点から放射される赤外線には、信号成分赤外線とベース赤外線とが含まれている。そして温度上昇特性は、ベース赤外線の強度に応じた温度を基点として、当該基点からの温度上昇特性であり、信号成分赤外線の強度に応じた特性である。従って、温度上昇特性をより正確に求めるためには、信号成分赤外線の強度の変化を、より大きなレンジで計測することが好ましい。第3の発明によれば、赤外線信号成分強度検出信号にベース赤外線強度検出信号が重畳されている赤外線強度検出信号から、ベース赤外線強度検出信号分を差し引いた赤外線信号成分強度検出信号を増幅するので、信号成分赤外線の強度の変化を、より大きなレンジで計測することができる。従って、温度上昇特性を、より正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
第4の発明によれば、第2の発明の光学非破壊検査方法を実施するための光学非破壊検査装置を、適切に実現することができる。
第5の発明によれば、第3の発明の光学非破壊検査方法を実施するための光学非破壊検査装置を、適切に実現することができる。
第6の発明によれば、赤外線強度検出信号からベース赤外線強度検出信号を差し引いた赤外線信号成分強度検出信号を適切に取得することが可能であり、赤外線信号成分強度検出信号を増幅した赤外線信号成分強度増幅信号を取得することが可能な増幅手段を、適切に実現することができる。
第7の発明によれば、赤外線強度検出信号からベース赤外線強度検出信号を差し引いた赤外線信号成分強度検出信号を適切に取得することが可能であり、赤外線信号成分強度検出信号を増幅した赤外線信号成分強度増幅信号を取得することが可能な増幅手段を、適切に実現することができる。
測定対象物の例を説明する図であり、ワイヤボンディングにて電極にワイヤを接合した電子部品の斜視図である。 図1に示す電子部品をII方向から見た図である。 図2に示すAA部の拡大図であり、電極に接合されたワイヤの計測点に加熱用レーザを照射した際において、熱の伝導と赤外線の放射の例を説明する図である。 第1の実施の形態の光学非破壊検査装置の外観の例を説明する斜視図である。 図4に示す第1の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第1の実施の形態における、判定装置及び位相差検出装置の処理手順の例を説明するフローチャートである。 第1の実施の形態において、製品品番毎(計測対象物毎)に各情報が記憶された判定情報の例を説明する図である。 第1の実施の形態における増幅手段(オフセット調整タイプ)の動作の例を説明する図である。 従来のセンサアンプの動作の例を説明する図である。 第1の実施の形態における、レーザ強度検出信号と、赤外線信号成分増幅信号の例を説明する図である。 位相差・接合部面積特性の例を説明する図である。 判定結果の例を説明する図である。 第2の実施の形態の光学非破壊検査装置の外観の例を説明する斜視図である。 図13に示す第2の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第2の実施の形態における、判定装置及び位相差検出装置の処理手順の例を説明するフローチャートである。 第2の実施の形態における増幅手段(差動増幅器タイプ)の動作の例を説明する図である。 第3の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第4の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第5の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第5の実施の形態における、判定装置の処理手順の例を説明するフローチャートである。 第5の実施の形態において、製品品番毎(計測対象物毎)に各情報が記憶された判定情報の例を説明する図である。 第5の実施の形態における増幅手段(オフセット調整タイプ)の動作の例を説明する図である。 第5の実施の形態における、レーザ強度検出信号と、赤外線信号成分増幅信号の例を説明する図である。 赤外線の波長と赤外線エネルギー(強度)と温度の関係を説明する図である。 温度と2波長強度比(波長λ1の赤外線エネルギー/波長λ2の赤外線のエネルギー)の関係を説明する図である。 温度上昇特性の例と、正規化の例を説明する図である。 正規化した最小許容面積の温度上昇特性と、正規化した最大許容面積の温度上昇特性と、計測して正規化した温度上昇特性と、の例を説明する図である。 判定結果の例を説明する図である。 第6の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第6の実施の形態における、判定装置の処理手順の例を説明するフローチャートである。 第6の実施の形態における増幅手段(差動増幅器タイプ)の動作の例を説明する図である。 第7の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第8の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第9の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第10の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第11の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第12の実施の形態の光学非破壊検査装置の全体構成を説明する図である。 第1〜第12の実施形態の違いを示す一覧である。 特許文献1におけるレーザ強度検出信号と赤外線強度検出信号の例(例1)を説明する図である。 特許文献1におけるレーザ強度検出信号と赤外線強度検出信号の例(例2)と、赤外線強度検出信号を一般的なセンサアンプで増幅した例を説明する図である。
以下、本発明の光学非破壊検査装置及び光学非破壊検査方法の第1〜第12の実施の形態を、図面を用いて順に説明する。以下に説明する第1〜第12の実施の形態では、図1に示すように、IC等の電子部品における電極92(第2部材に相当)にワイヤ91(アルミワイヤ等であり、第1部材に相当)を接合した例について説明する。第1〜第12の実施の形態では、第1部材に設定した計測点に加熱用レーザを照射している。そして、計測点から取得される計測点情報、あるいは、前記計測点情報及び加熱用レーザに関する加熱用レーザ情報、に基づいて、第1部材と第2部材との接合界面における接合部の面積である接合部面積を求める。この場合の「接合界面における接合部」とは、図3に示すように、第1部材(ワイヤ91)と第2部材(電極92)とが接合されている面状の領域である接合部96を指す。なお第1の実施の形態〜第12の実施の形態の違いについては、図38の実施形態一覧に示す。
なお、第1、第3、第5、第7、第9、第11の実施の形態は、図38の実施形態一覧に示すように、増幅手段がオフセット調整タイプであり、加熱用レーザが照射されていない場合の赤外線強度検出手段を、ベース赤外線強度検出手段として用いる(兼用する)。また、第2、第4、第6、第8、第10、第12の実施の形態は、図38の実施形態一覧に示すように、増幅手段が差動増幅器タイプであり、赤外線強度検出手段とは別の周辺赤外線強度検出手段を備え、当該周辺赤外線強度検出手段を、ベース赤外線強度検出手段として用いる。
また、以降の各図において、X軸、Y軸、Z軸が示されている場合、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Z軸は鉛直上方に向かう方向を示しており、X軸とY軸は水平方向を示している。
●[測定対象物の例(図1〜図3)]
図1〜図3を用いて測定対象物90の例について説明する。図1は、基板98上に設けた銅箔等の各電極92に、径(幅)が数10[μm]〜数100[μm]程度のアルミニウム等のワイヤ91の一方端をワイヤボンディングにて接合し、基板98上のベース93上に接着剤95等にて固定した半導体チップ94の各端子に、ワイヤ91の他方端をワイヤボンディングにて接合した状態の斜視図を示している。また図2は、図1をII方向から見た図であり、図3は図2におけるAA部の拡大図である。なお、ワイヤ91は第1部材に相当し、電極92は第2部材に相当している。
電極92にワイヤ91が適切に接合されているか否かを判定するには、接合部96(図3参照)の面積である接合部面積(ワイヤ91と電極92とが接合されている面積)が許容範囲内であるか否かを判定することで、接合状態(内部の状態)の良否を判定すればよい。そこで、図3に示すように、接合部の近傍のワイヤ91の表面に計測点SPを設定し、計測点SPに加熱用レーザを照射して加熱する。すると、計測点SPの温度は徐々に上昇し、計測点SPからワイヤ91内及び接合部96を経由して電極92へと熱が伝播される。また計測点SPからは、上昇した温度に応じた赤外線が放射される。以降に説明する第1〜第10の実施の形態では、図1〜図3に示す計測対象物90における電極92とワイヤ91との接合部の接合部面積を求める例を説明する。
●[第1の実施の形態(図4〜図12)]
第1の実施の形態では、加熱用レーザに関する情報は、計測点SPに照射される加熱用レーザの強度であって時間の経過に対する加熱用レーザの強度を含む。また第1の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度を含む。
●[光学非破壊検査装置1の外観(図4)と全体構成(図5)]
図4は、第1の実施の形態の光学非破壊検査装置1の外観の斜視図を示しており、図5は、図4に示す光学非破壊検査装置1の全体構成の例を示している。図38に示すように、第1の実施の形態の光学非破壊検査装置1は、レーザ光源(この場合、半導体レーザ光源21)から出射されるレーザ光そのものの強度を正弦波状に変化させて計測点に照射し、計測点に照射されて正弦波状に変化する加熱用レーザの強度と、計測点から放射されて正弦波状に変化する赤外線の強度と、の位相差に基づいて、計測対象物の接合部面積を求める。また第1の実施の形態では、赤外線の強度を検出した赤外線強度検出信号を増幅する増幅手段31Aは、オフセットを調整するタイプである。そして第1の実施の形態では、判定装置70にて、求めた接合部面積が許容範囲内であるか否かを判定して接合状態の良否を判定する。
図4及び図5に示すように、第1の実施の形態の光学非破壊検査装置1は、基台78、支持部71、レーザヘッド部73、X軸方向スライドテーブル75、X軸方向移動手段75X、Y軸方向スライドテーブル76、Y軸方向移動手段76Y、Z軸方向支持体77、Z軸方向移動手段77Z、増幅手段31A、センサアンプ41A、位相差検出装置60、判定装置70等にて構成されている。そしてX軸スライドテーブル75には、計測対象物(この場合、図1の例に示した計測対象物90)が固定されている。
図4及び図5に示すように、基台78には、Z軸方向支持体77が固定されており、Z軸方向支持体77には、Z軸方向移動手段77Z(エンコーダを備えた電動モータ等)が設けられているとともにY軸方向スライドテーブル76が取り付けられている。Z軸方向移動手段77Zは、判定装置70からの制御信号に基づいて、Z軸方向支持体77に対するY軸方向スライドテーブル76のZ軸方向の位置を移動させるとともに、移動量に応じた移動量検出信号を判定装置70に出力する。
またY軸方向スライドテーブル76には、Y軸方向移動手段76Y(エンコーダを備えた電動モータ等)が設けられているとともにX軸方向スライドテーブル75が取り付けられている。Y軸方向移動手段76Yは、判定装置70からの制御信号に基づいて、Z軸方向支持体77に対するY軸方向スライドテーブル76のY軸方向の位置を移動させるとともに、移動量に応じた移動量検出信号を判定装置70に出力する。
またX軸方向スライドテーブル75には、X軸方向移動手段75X(エンコーダを備えた電動モータ等)が設けられている。X軸方向移動手段75Xは、判定装置70からの制御信号に基づいて、Y軸方向スライドテーブル76に対するX軸方向スライドテーブル75のX軸方向の位置を移動させるとともに、移動量に応じた移動量検出信号を判定装置70に出力する。以上に説明したように、判定装置70は、X軸方向移動手段75X、Y軸方向移動手段76Y、Z軸方向移動手段77Zを用いて、基台78に対する計測対象物90の位置を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動可能である。
図4に示すように、基台78には支持部71が固定されており、支持部71はレーザヘッド部73を保持している。またレーザヘッド部73は、レーザ出力装置27、集光手段10(図5の例では、反射型対物レンズ)、レーザ強度検出手段41、赤外線強度検出手段31等を有している。
レーザ出力装置27は、例えば半導体レーザ光源21と、コリメートレンズ22と、変調信号出力手段25と、を有している。変調信号出力手段25は、例えばオシレータであり、判定装置70からの制御信号に基づいて、電圧が所定周波数かつ所定振幅で正弦波状に変化する変調信号を発生させる。半導体レーザ光源21は、強度を調整するための強度調整用入力を備えており、この強度調整用入力には、変調信号出力手段25から変調信号が入力される。そして半導体レーザ光源21は、変調信号出力手段25からの変調信号に基づいて、強度が正弦波状に変化する加熱用レーザLaを出射する。半導体レーザ光源21から出射された加熱用レーザLaは、コリメートレンズ22にて平行光に変換されて加熱レーザ選択反射手段23に達する。なお出射された加熱用レーザが平行光である場合は、コリメートレンズ22を省略することができる。従って、計測点SPに集光される加熱用レーザLaの強度は正弦波状に変化し、その周波数は変調信号の周波数に同期する。なお、加熱用レーザの出力は、計測対象物90を破壊することなく加熱できる出力に調整されている。
集光手段10は、自身の光軸に沿って一方の側から(図5の例では上方から)入射された平行光を、焦点位置として第1部材91の表面に設定した計測点SPに向けて集光して他方の側から(図5の例では下方から)出射する。また集光手段10は、(焦点位置である)計測点SPから放射及び反射されて他方の側から入射された光を、自身の光軸に沿った平行光である第1測定光L11に変換して一方の側から出射する。なお集光手段10は、光を透過させて屈折する集光レンズで構成することも可能であるが、異なる複数の波長の光を扱うので、色収差が発生する集光レンズではあまり好ましくない。そこで、(非球面)反射ミラー10A、10Bにて集光手段を構成することで、色収差の発生を排除し、広い波長帯に対応させている。なお集光手段10は、対物レンズが好ましい。
レーザ出力装置27から出射される加熱用レーザLaの光軸と、集光手段10の光軸と、が交差する位置には、加熱レーザ選択反射手段23が配置されている。例えば加熱レーザ選択反射手段23は、加熱用レーザLaの波長の光を反射し、加熱用レーザの波長以外の波長の光を透過するダイクロイックミラーである。なお図5の例では、加熱レーザ選択反射手段23は、加熱用レーザLaの波長の光を、数[%]程度(例えば2%程度)透過する。そして加熱用レーザLaが透過した先には、レーザ強度検出手段41が配置されている。コリメートレンズ22と加熱レーザ選択反射手段23にて加熱用レーザ導光手段が構成されており、加熱用レーザ導光手段は、半導体レーザ光源21から出射された加熱用レーザLaを、平行光に変換して集光手段10の一方の側へと導く。
レーザ強度検出手段41は、例えば加熱用レーザの波長の光のエネルギー(強度)を検出可能なフォトセンサである。加熱レーザ選択反射手段23を透過した加熱用レーザL4(正弦波状に強度が変化する加熱用レーザ)は、集光レンズ41Lにて集光されてレーザ強度検出手段41に入力される。そしてレーザ強度検出手段41から出力されるレーザ強度検出信号は、例えばセンサアンプ41Aにて増幅されて位相差検出装置60に入力される。なお、レーザ強度検出手段41から出力されたレーザ強度検出信号は、計測点SPに照射される加熱用レーザLaである照射光の強度であって正弦波状に変化する照射光の強度に応じた信号である。
センサアンプ41Aは、例えば電圧増幅回路であり、レーザ強度検出手段41から入力されたレーザ強度検出信号の振幅(電圧レベル)を増幅したレーザ強度増幅信号を出力する。なお、センサアンプ41Aは省略されていてもよい。
集光手段10にて平行光に変換された第1測定光L11(計測点SPにて反射した照射光と計測点SPから放射された赤外線を含む測定光)には、計測点SPから放射された所定波長の赤外線が含まれている。第1測定光L11の先には、赤外線強度検出手段31が配置されている。
赤外線強度検出手段31は、例えば所定波長の赤外線のエネルギー(強度)を検出可能な赤外線センサである。第1測定光L11に含まれている所定波長の赤外線(正弦波状に強度が変化する赤外線)は、集光レンズ31Lにて集光されて赤外線強度検出手段31に入力される。そして赤外線強度検出手段31から出力される赤外線強度検出信号は、例えば増幅手段31Aにて増幅されて位相差検出装置60に入力される。加熱レーザ選択反射手段23と集光レンズ31Lにて赤外線導光手段が構成されており、赤外線導光手段は、計測点SPから放射されて集光手段10の一方の側から出射された平行光の中から所定波長の赤外線を、赤外線強度検出手段31へと導く。また、赤外線強度検出信号は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって正弦波状に変化する赤外線の強度に応じた信号である。
第1の実施の形態では、赤外線強度検出手段31は、後述するように、ベース赤外線の強度に応じたベース赤外線強度検出信号を出力するベース赤外線強度検出手段と兼用とされている。
●[増幅手段31Aの構成と動作(図8)]
増幅手段31Aは、センサアンプ31A3、オフセット調整回路31A2、D/Aコンバータ31A1を有している。D/Aコンバータ31A1とオフセット調整回路31A2は、オフセット調整手段を構成している。図8に示すように、判定装置70は、オフセット電圧Vb11(オフセット信号)を生成するためのオフセット調整信号Ipc11を増幅手段31Aに出力する。D/Aコンバータ31A1は、判定装置70から入力されたオフセット調整信号Ipc11(デジタル情報)に応じたアナログ電圧Va11をオフセット調整回路31A2に出力する。オフセット調整回路31A2は、入力されたアナログ電圧Va11を、センサアンプ31A3に応じたオフセット電圧Vb11(オフセット信号)に変換してセンサアンプ31A3のオフセット入力部に出力する。センサアンプ31A3は、例えば電圧増幅回路であり、信号入力部に入力された赤外線強度検出信号Is11(赤外線強度検出手段31からの信号)に、オフセット入力部に入力されたオフセット電圧Vb11の調整を行った赤外線信号成分強度検出信号を増幅し、赤外線信号成分強度増幅信号を信号出力部(Out11)から出力する。なお、オフセット量の調整手順等については、フローチャートを用いた説明にて後述する。
位相差検出装置60は、例えばロックインアンプであり、センサアンプ41Aから出力された正弦波状の検出信号(レーザ強度検出信号(増幅))と、増幅手段31Aから出力された正弦波状の検出信号(赤外線信号成分強度増幅信号)と、が入力される。そして位相差検出装置60は、正弦波状のレーザ強度検出信号(増幅)と正弦波状の赤外線信号成分強度増幅信号との位相差を測定し、測定した位相差に関する情報を判定装置70に出力する。そして上記の位相差には、接合界面における接合部の面積に関する情報が含まれている。また位相差検出装置60は、例えば出力経路60A(図5参照)からレーザ強度検出信号(増幅)や赤外線信号成分強度増幅信号等のアナログ信号を出力し、出力経路60D(図5参照)から位相差の値(時間や角度等、位相差に関する情報)や、赤外線信号成分強度増幅信号のピーク電圧等を含む情報であるデジタル信号を出力する。
判定装置70は、例えばパーソナルコンピュータであり、レーザ出力装置27に制御信号を出力し、位相差検出装置60から位相差に関する情報等を取り込む。また判定装置70は、増幅手段31Aにオフセット調整信号Ipc11(図8参照)を出力して、増幅手段31Aのオフセット量を調整する。そして判定装置70は、後述するように、取り込んだ位相差に関する情報に基づいた位相差と、記憶している(計測対象物に対する)位相差・接合部面積特性と、に基づいて、接合界面における接合部の面積である接合部面積を求める。なお、位相差・接合部面積特性の詳細、及び接合部面積を求める手順については後述する。
なお、例えば工場等の施設に光学非破壊検査装置1を設ける場合、施設内の通信回線80(例えば施設内LAN)に、判定装置70を接続して、(計測対象物に対する)判定情報(図7に示す判定情報H1を参照)を、通信回線80に接続された配信装置81(配信サーバ)から配信すると便利である。光学非破壊検査装置1の判定装置70は、通信回線80を介して、(位相差・接合部面積特性を含む)判定情報を受信して記憶する。特に、施設内に複数の光学非破壊検査装置1を設けた場合、1台ずつ判定情報を記憶させる場合と比較して、手間無く容易に複数の光学非破壊検査装置1に、判定情報を受信させて記憶させることができるので、便利である。
●[判定装置70及び位相差検出装置60の処理手順(図6)]
次に図6に示すフローチャートを用いて、判定装置70及び位相差検出装置60の処理手順の例について説明する。例えば作業者が判定装置70を起動すると、位相差検出装置60が連動して起動され、判定装置70はステップS15へと処理を進め、位相差検出装置60はステップS120へと処理を進める。
まず、判定装置70におけるステップS15〜ステップS35の処理手順について説明する。ステップS15にて判定装置70は、受信データ(通信回線80を介して受信するデータ)があるか否かを判定し、受信データがある場合(Yes)はステップS20に処理を進め、受信データが無い場合(No)はステップS30に処理を進める。
ステップS20に処理を進めた場合、判定装置70は、通信回線80を介してデータを受信し、ステップS25に処理を進める。そしてステップS25にて判定装置70は、受信が終了したか否かを判定し、受信が終了した場合(Yes)はステップS30に処理を進め、受信が終了していない場合(No)はステップS20へ処理を戻す。
判定装置70が受信するデータは、図5に示す配信装置81から配信される位相差・接合部面積特性を含む判定情報であり、図11に位相差・接合部面積特性の例を示し、図7に判定情報H1の例を示す。図7の例に示すように、判定情報H1には、製品品番(計測対象物に相当)、オフセット待ち時間、待ち時間、加熱用レーザ出力、加熱用レーザ周波数、計測時間、位相差・接合部面積特性(図11の例に示すグラフやマップ、あるいは回帰式f(δ)(図11の例のグラフから求めた回帰式))、最小許容面積、最大許容面積、等が含まれている。例えば配信装置81は、所定のタイミング(施設内で検査する計測対象物の製品品番が変わる毎、位相差・接合部面積特性の内容が変更される毎、予備加熱に関するデータが変更される毎、等)で判定情報の配信を行い、判定装置70は、通信回線80を介して配信装置81から判定情報を受信し、受信した判定情報を記憶する。
計測対象物は、第1部材の材質、第1部材のサイズ、第2部材の材質、第2部材のサイズ、第1部材と第2部材との間の接合部材の有無、等に応じて複数あるので、「製品品番」で計測対象物が区別されている。そして当該「製品品番」に応じて、オフセット待ち時間、待ち時間、加熱用レーザ出力、加熱用レーザ周波数、計測時間、位相差・接合部面積特性(グラフやマップ、あるいは回帰式f(δ))、最小許容面積、最大許容面積、等が対応付けられている。例えば、製品品番「A」では、第1部材が径400[μm]のアルミニウムのワイヤ、第2部材が銅箔であり、オフセット待ち時間A2が100[ms]、待ち時間A3が120[ms]、加熱用レーザ出力A4が180[W]、加熱用レーザ周波数A5が71.4[Hz]、計測時間A6が300[ms]、位相差・接合部面積特性が特性A7、最小許容面積が面積A8、最大許容面積が面積A9とされている。
なお、最小許容面積は、本フローチャートにて最終的に算出された接合部面積において、正常と判定するべき面積の最小値を示している。また最大許容面積は、本フローチャートにて最終的に算出された接合部面積において、正常と判定するべき面積の最大値を示している。
ステップS30に処理を進めた場合、判定装置70は、作業者からの計測指示の有無を判定し、計測指示がある場合(Yes)はステップS31に処理を進め、計測指示が無い場合(No)はステップS30に処理を戻す。なお、計測指示には「製品品番」の入力が含まれており、作業者は、キーボードやバーコードリーダ(計測対象物に製品品番に対応するバーコードが付与されている場合)等から製品品番を入力する。
ステップS31に処理を進めた場合、判定装置70は、判定情報H1(図7参照)を用いて、製品品番に応じて、X軸方向移動手段、Y軸方向移動手段、Z軸方向移動手段を制御して、集光手段10に対する計測対象物の位置(計測点の位置)を調整する。そして判定装置70は、増幅手段31Aへのオフセット調整信号Ipc11(図8参照)に、ゼロ[V](オフセット無し)に相当する信号を出力して、ステップS32Aに処理を進める。
ステップS32Aにて判定装置70は、判定情報H1(図7参照)のオフセット待ち時間が経過したか否かを判定し、オフセット待ち時間が経過した場合(Yes)はステップS32Bへと処理を進め、オフセット待ち時間が経過していない場合(No)はステップS32Aへ処理を戻す。ステップS31とステップS32Aにて、図8におけるD/Aコンバータ31A1の入力(Ipc11)には、時間0〜時間t1(オフセット待ち時間)の間、ゼロ[V]に相当する信号が入力され、D/Aコンバータ31A1の出力(Va11)からは、時間0〜時間t1(オフセット待ち時間)の間、ゼロ[V]が出力される。
ステップS32Bに処理を進めた場合、判定装置70は、位相差検出装置60から赤外線強度検出信号に関する情報の入力があるか否かを判定し、入力がある場合(Yes)はステップS33Aに処理を進め、入力が無い場合(No)はステップS32Bに処理を戻す。なお位相差検出装置60の処理については後述する。
ステップS33Aに処理を進めた場合、判定装置70は、位相差検出装置60から赤外線強度検出信号に関する情報(この場合、赤外線強度検出信号の電圧レベル)を取り込み、ステップS33Bに処理を進める。
なお、上述したように、加熱用レーザを計測点に照射してない場合では、計測点への加熱用レーザの照射の有無にかかわらず所定量の強度の赤外線であるベース赤外線が、計測点SPから放射されている。また、加熱用レーザを計測点に照射している場合では、計測点に照射された加熱用レーザに応じて正弦波状に強度が変化する赤外線である信号成分赤外線と、上記のベース赤外線と、が計測点SPから放射されている。そして図8に示す赤外線強度検出信号Is11は、計測点から放射された赤外線の強度に応じた信号である。また図8において、時間0は図6の処理を開始したタイミングを示し、時間t1はステップS33A及びS33Bのタイミングを示し、時間t2はステップS35のタイミングを示している。従って、ステップS33Aの時点では、まだ加熱用レーザを照射していないので、この時点での計測点からの赤外線には、信号成分赤外線が含まれておらずベース赤外線のみが含まれている。ステップS33Aの時点では、図8における時間t1の時点のOut11の信号レベルα*Vof11が取り込まれる。つまり、時間t1にて取り込んだ信号レベルα*Vof11は、ベース赤外線の強度を増幅した信号(ベース赤外線強度増幅信号)である。
ステップS33Bにて判定装置70は、取り込んだ赤外線強度(この場合、図8における時間t1の時点のOut11(α*Vof11))の信号レベルに応じたオフセット電圧(この場合、Vof11)を求め、求めたオフセット電圧に対応するオフセット調整信号Ipc11(図8参照)をD/Aコンバータ31A1に出力してステップS34へと処理を進める。このステップS33Bにて、図8の時間t1の時点では、D/Aコンバータ31A1の出力(Va11)が、ゼロ[V]から、ベース赤外線強度検出信号の信号レベルVof11に変化し、オフセット調整回路31A2の出力(Vb11)が、ゼロ[V]から、負の側(オフセット量を差し引く側)に信号レベルVof11で変化している。
ステップS34にて判定装置70は、判定情報H1(図7参照)を用いて、製品品番に対応する待ち時間を読み出し、待ち時間が経過したか否かを判定し、待ち時間が経過した場合(Yes)はステップS35に処理を進め、待ち時間を経過していない場合(No)はステップS34に処理を戻す。
ステップS35に進んだ場合、判定装置70は、判定情報H1(図7参照)を用いて、製品品番に対応する加熱用レーザ出力、加熱用レーザ周波数を読み出し、読み出した加熱用レーザ出力、及び加熱用レーザ周波数となるように、レーザ出力装置27に向けて制御信号を出力する。レーザ出力装置27は、入力された制御信号に基づいて、計測点SPに照射された加熱用レーザの強度が(加熱用レーザ周波数の)正弦波状に変化するように加熱用レーザを出射する。そして判定装置70は、ステップS35の処理を終えると、ステップS60にて、位相差検出装置60からの位相差に関する情報の入力を待つ。このステップS35の処理は、計測点SPにおける強度が正弦波状に変化するように加熱用レーザを出射するレーザ出射ステップ(加熱用レーザを計測点に向けて出射して計測点を加熱する加熱用レーザ出射ステップ)に相当する。
次に、位相差検出装置60におけるステップS120〜ステップS145の処理手順について説明する。ステップS120にて、位相差検出装置60は、センサアンプ41Aからレーザ強度増幅信号を取り込み、増幅手段31AからのOut11の信号を取り込んで、ステップS125へ処理を進める。上述したように、加熱用レーザが照射されていない、かつ、判定装置70からのオフセット調整信号がゼロ[V]の場合、増幅手段31AのOut11からは「ベース赤外線強度検出信号」が増幅された信号(ステップS33Aで取り込んだベース赤外線強度増幅信号)が出力される。また、ステップS33Bにて判定装置70からのオフセット調整信号が出力されている、かつ、加熱用レーザが照射されている場合、増幅手段31AのOut11からは「赤外線信号成分強度検出信号」が増幅された信号(後述するステップS65にて取り込む赤外線信号成分強度増幅信号)が出力される。
ステップS125にて位相差検出装置60は、レーザ強度増幅信号の入力の有無を判定し、レーザ強度増幅信号の入力が有る場合(Yes)はステップS130へ処理を進め、レーザ強度増幅信号の入力が無い場合(No)はステップS135へ処理を進める。
ステップS130へ処理を進めた場合、位相差検出装置60は、増幅手段31AのOut11からの信号が正弦波状であるか否か(温度応答があるか否か)を判定し、Out11からの信号が正弦波状である場合(Yes)はステップS140へ処理を進め、そうでない場合(No)はステップS135へ処理を進める。
ステップS135へ処理を進めた場合、位相差検出装置60は、例えば所定時間経過する毎にレーザ強度増幅信号と増幅手段31AのOut11からの信号を取り込み、取り込んだレーザ強度増幅信号の信号レベルと、取り込んだOut11からの信号の信号レベルを含む情報を、判定装置70に出力して、ステップS120に処理を戻す。
ステップS140に処理を進めた場合、位相差検出装置60は、例えば所定時間経過する毎に正弦波状のレーザ強度増幅信号(図10の例におけるSGa)と、正弦波状の赤外線信号成分強度増幅信号(図10の例におけるSGb)を取り込み、レーザ強度増幅信号と赤外線信号成分成分強度増幅信号の位相差δa(または位相差δb、図10参照)を計測してステップS145に処理を進める。
このステップS140の処理は、計測点SPから放射される赤外線の強度からベース赤外線の強度分を差し引いた(オフセット調整した)信号成分赤外線の強度を増幅した計測点情報を取得、及び計測点に照射される加熱用レーザの強度を含む加熱用レーザ情報を取得する、情報取得ステップに相当している。
ステップS145にて位相差検出装置60は、計測した位相差δa(または位相差δb)を含む取得関連情報(位相差の時間または角度等を含む情報)を判定装置70に向けて出力し、ステップS140に処理を戻す。ステップS140において位相差を計測する(求める)処理、及びステップS145にて位相差を判定装置に出力する処理は、接合状態判定ステップの一部に相当している。
次に、判定装置70におけるステップS60〜ステップS80の処理手順について説明する。ステップS60にて判定装置70は、位相差検出装置60からの位相差に関する情報(位相差δaまたはδbを含む取得関連情報)の入力の有無を判定し、位相差に関する情報の入力が有る場合(Yes)はステップS65に処理を進め、位相差に関する情報の入力が無い場合(No)はステップS60に処理を戻す。
ステップS65に処理を進めた場合、判定装置70は、取得関連情報(位相差に関する情報)を取り込み、レーザ出力装置27に制御信号を出力し、レーザ出力装置27からの加熱用レーザの出射を停止させてステップS70に処理を進める。なお、判定装置70にて、判定情報H1(図7参照)を用いて、製品品番に対応する計測時間を読み出し、加熱用レーザの照射を開始してから計測時間を経過した場合に加熱用レーザの照射を停止するようにしてもよい。
ステップS70にて判定装置70は、取り込んだ取得関連情報(位相差に関する情報)に含まれている位相差と、自身あるいは外部の記憶装置に記憶している判定情報H1(図7参照)の「製品品番」に対応した位相差・接合部面積特性(位相差と接合部面積との相関関係を示す特性)と、に基づいて、接合部面積を求め、ステップS80に処理を進める。なお、位相差・接合部面積特性の詳細、及び接合部面積の求め方の詳細については後述する。このように、判定装置70は、位相差と、位相差・接合部面積特性(後述するように、グラフやマップ、あるいは回帰式の少なくとも1つ)と、に基づいて、位相差を接合部面積に変換する変換手段(変換部)を有している。
ステップS80にて判定装置70は、ステップS70にて求めた接合部面積に応じて、第1部材と第2部材との接合状態が正常または異常であることを示す判定結果を出力(図12参照)して処理を終了する。例えば判定装置70は、求めた接合部面積が、判定情報(図7参照)における「製品品番」に対応した最小許容面積から最大許容面積までの所定範囲内である場合に正常と判定する。あるいは判定装置70は、求めた接合部面積が、最小許容面積以上である場合に正常と判定する。なおステップS80の処理は、求めた接合部面積が、予め設定された所定範囲内であるか否か、あるいは予め設定された所定面積以上であるか否か、を示す判定結果を出力する、判定結果出力ステップに相当する。このように、判定装置70は、求めた接合部面積が、予め設定された所定範囲内であるか否か、あるいは予め設定された所定面積以上であるか否か、を示す判定結果を出力する、出力手段(出力部)を有している。なお、ステップS65において取得関連情報を取り込む処理、及びステップS70、S80の処理は、計測点情報及び加熱用レーザ情報、に基づいた取得関連情報を用いて、接合界面における接合部の接合状態を判定する接合状態判定ステップに相当している。より具体的には、取得関連情報を取り込み、取得関連情報に含まれている位相差に基づいて、接合界面における接合部の接合状態を判定する接合状態判定ステップに相当している。なお、判定結果の出力の詳細については後述する。
●[位相差・接合部面積特性(図11)の作成方法と、接合部面積の求め方]
次に、位相差・接合部面積特性の作成方法の例について説明する。例えば、特定の製品品番(例えば製品品番:A)である計測対象物に対して、第1部材と第2部材との接合部面積の大きさのみが異なる複数のサンプルを用意する。そして、各サンプルを、図4及び図5に示す光学非破壊検査装置にかけて、位相差(δ)を計測する。なお、位相差の計測前、または位相差の計測後、各サンプルの接合部面積を測定する。そして、計測した位相差と、測定した接合部面積と、に基づいて、当該製品品番の計測対象物に対する位相差・接合部面積特性(図11参照)を作成する。このようにして、第1部材と第2部材との接合部面積の大きさのみが異なる複数のサンプルを用いて、図11の例に示すように、(製品品番:Aに対する)位相差・接合部面積特性を得ることができる。なお、複数のサンプルを用意して位相差・接合部面積特性を得る代わりに、複数のシミュレーションに基づいて、図11の例に示す位相差・接合部面積特性と同等の特性を得るようにしてもよい。なお、接合部面積が大きい場合は、熱が逃げやすいため、加熱時や減熱時のピークに達するまでの時間が早く、位相差が小さくなる傾向にある。接合部面積が小さい場合は、熱が逃げにくいため、加熱時や減熱時のピークに達するまでの時間が遅く、位相差が大きくなる傾向にある。
また、この(製品品番:Aに対する)位相差・接合部面積特性から、位相差(δ)に対する接合部面積(S)を導出する回帰式f(δ)を求めることもできる。なお、位相差・接合部面積特性は、図11に示すようなグラフ形式であってもよいし、種々の値の位相差に対する接合部面積を示すルックアップテーブルやマップの形式等であってもよい。そして判定装置(または記憶装置)には、上記の位相差・接合部面積特性を示すグラフ、マップ、回帰式、の少なくとも1つを含む判定情報が記憶されている。これにより、判定装置は、計測対象物に応じた位相差・接合部面積特性を用いて、位相差から接合部面積を求めることができる。この方法であれば、第1部材と第2部材とが溶接等で直接接合されている計測対象物の場合、第1部材と第2部材とがハンダ等の接合部材を挟んで接合されている計測対象物の場合、第1部材や第2部材が単一の物質でない場合、など、種々の計測対象物(種々の製品品番)に対して、より正確に、かつ容易に、接合部面積を求めることができる。なお、求めた接合部面積の良否判定については、例えば図11に示すように、最小許容面積と最大許容面積を設定して、求めた接合部面積が最小許容面積以上かつ最大許容面積以下である場合に正常と判定するようにしてもよいし、求めた接合部面積が最小許容面積以上である場合に正常と判定するようにしてもよい。あるいは、接合部面積に換算することなく、図11に示すように、最小許容面積A8に対応する位相差δ(A8)以下、かつ最大許容面積A9に対応する位相差δ(A9)以上の位相差である場合に正常、あるいは最小許容面積A8に対応する位相差δ(A8)以下の位相差である場合に正常、と判定するようにしてもよい。
●[判定結果(図12)の出力]
また図12に、判定装置70の表示手段(モニタ等)に、求めた接合部面積Sを含む判定結果情報70Gを表示した例を示す。図12中における最小許容面積は、判定装置70または記憶装置が記憶している判定情報と、ステップS30にて入力された製品品番にて特定された最小許容面積である。また図12中における最大許容面積は、判定装置70または記憶装置が記憶している判定情報と、ステップS30にて入力された製品品番にて特定された最大許容面積である。判定装置70は、算出した接合部面積Sが、最小許容面積以上かつ最大許容面積以下である場合、接合状態は「正常」であると判定し、最小許容面積よりも小さいまたは最大許容面積よりも大きい場合、接合状態は「異常」であると判定する。図12の例は、「正常」と判定した場合の例を示している。作業者は、判定結果情報70Gを見ることで、計測対象物の接合状態が、正常であるか異常であるかを、容易に知ることができる。
なお、主にデジタル値を扱うソフトウェアを用いた上記の例の他にも、種々の方法で判定結果を出力することができる。例えば、アナログ値を扱うハードウェアの電圧比較器を用いて、最小許容面積に相当する電圧と、求めた接合部面積に相当する電圧と、を入力し、「最小許容面積に相当する電圧」≦「求めた接合部面積に相当する電圧」である場合に、電圧比較器からON信号を出力させて正常ランプの点灯や、正常チャイム等の音声の出力をさせるようにしてもよい。このように、判定結果を出力する出力手段(出力部)は、ソフトウェア、ハードウェア、デジタル、アナログ等にかかわらず、種々の構成とすることができる。
従来は、図9に示すように、信号成分赤外線の強度に基づいた赤外線信号成分強度検出信号と、ベース赤外線の強度に基づいたベース赤外線強度検出信号と、の双方を含む赤外線強度検出信号をセンサアンプ231Aで増幅していた。従って、図9に示すように、増幅された信号には、増幅されたベース赤外線強度検出信号(α*VofZ)が重畳されるので、センサアンプ231Aの増幅上限を越えてしまう場合や、増幅上限に収まっているが充分な振幅(レンジ)を得られない場合があった。これに対して本願(第1〜第12の実施の形態)では、オフセット量を調整可能な増幅手段、あるいは差動増幅器を用いた増幅手段を用いて、(信号成分赤外線とベース赤外線を含む)赤外線強度検出信号から、ベース赤外線強度検出信号分を差し引き、信号成分赤外線の強度に基づいた赤外線信号成分強度検出信号を取得する。そして、取得した赤外線信号成分強度検出信号を増幅して赤外線信号成分強度増幅信号を得るので、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能であり、位相差をより正確に求めることができる。従って、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
●[第2の実施の形態(図13〜図16)]
第2の実施の形態では、加熱用レーザに関する情報は、計測点SPに照射される加熱用レーザの強度であって時間の経過に対する加熱用レーザの強度を含む。また第2の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度を含む。
図14に示す第2の実施の形態の光学非破壊検査装置1Bは、図5に示す第1の実施の形態の光学非破壊検査装置1に対して、周辺赤外線強度検出手段38(及び集光レンズ38L)が追加されている点と、図5における増幅手段31Aが、図14における増幅手段31Bに変更されている点が異なる。以下、第1の実施の形態との相違点について主に説明する。
●[光学非破壊検査装置1Bの外観(図13)と全体構成(図14)]
外観及び全体構成では、図13及び図14に示すように、第1の実施の形態(図4、図5)に対して、周辺赤外線強度検出手段38(及び集光レンズ38L)が追加されている。また、増幅手段31Aが増幅手段31Bに変更されている。第2の実施の形態では、増幅手段31Bは、差動増幅器のタイプである。
周辺赤外線強度検出手段38は、赤外線強度検出手段31と同じ赤外線センサである。周辺赤外線強度検出手段38には、計測点から放射される赤外線ではなく周辺に放射されている赤外線(ベース赤外線)が、集光レンズ38Lにて集光されて入力されている。そして周辺赤外線強度検出手段38から出力されるベース赤外線強度検出信号は、増幅手段31Bの差動入力部(−端子の側)に入力されている。
●[増幅手段31Bの構成と動作(図16)]
増幅手段31Bは、図16に示すように差動増幅器であり、差動入力部(+端子の側)には、赤外線強度検出手段31から出力される赤外線強度検出信号Is21が入力される。赤外線強度検出信号Is21には、上述したように、赤外線信号成分強度検出信号とベース赤外線強度検出信号とが含まれている。また図16に示すように、増幅手段31Bの差動入力部(−端子の側)には、周辺赤外線強度検出手段38から出力されるベース赤外線強度検出信号Is22が入力される。従って、増幅手段31Bは、赤外線強度検出信号Is21からベース赤外線強度検出信号Is22を差し引いた赤外線信号成分強度検出信号を増幅した赤外線信号成分強度増幅信号を信号出力部(Out21)から出力する。
●[判定装置70及び位相差検出装置60の処理手順(図15)]
図15に示す第2の実施の形態のフローチャートは、図6に示す第1の実施の形態のフローチャートに対して、ステップS31がステップS31Aに変更されている点と、ステップS32A、S32B、S33A、S33Bが省略されている点が異なる。以下、相違点について説明する。
ステップS30に処理を進めた場合、判定装置70は、作業者からの計測指示の有無を判定し、計測指示がある場合(Yes)はステップS31Aに処理を進め、計測指示が無い場合(No)はステップS30に処理を戻す。
ステップS31Aに処理を進めた場合、判定装置70は、判定情報H1(図7参照)を用いて、製品品番に応じて、X軸方向移動手段、Y軸方向移動手段、Z軸方向移動手段を制御して、集光手段10に対する計測対象物の位置(計測点の位置)を調整して、ステップS34に処理を進める。第2の実施の形態では、判定装置70からのオフセット調整信号の出力が省略されている。
第2の実施の形態では、増幅手段31Bとして差動増幅器を用いることで、第1の実施の形態と比較してオフセットの調整が不要であるので、処理手順を簡略化することができる。また接合部面積の求め方や判定方法等については、第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。また、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能であり、位相差をより正確に求めることが可能となり、接合状態の判定をより正確に行うことができる点についても第1の実施の形態と同じである。
●[第3の実施の形態(図17)]
第3の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度と、計測点SPにて反射された加熱用レーザの強度であって時間の経過に対する加熱用レーザの強度と、を含む。
第3の実施の形態の光学非破壊検査装置1Cは、第1の実施の形態の光学非破壊検査装置(図5)に対して、レーザ光源21Aから出射されるレーザ光そのものの強度を変化させるのではなく、出射されたレーザ光を種々の角度で屈折させてピンホールPHを通過するレーザ光を増減させ、計測点SPにて反射したレーザ光の強度を検出するタイプの光学非破壊検査装置の例を示している。図17に示す第3の実施の形態の光学非破壊検査装置1Cは、図5に示す第1の実施の形態の光学非破壊検査装置1に対して、レーザ出力装置27がレーザ出力装置27Aに変更されて加熱用レーザLaが線状である点と、加熱レーザ選択反射手段23が省略されている点と、反射光選択反射手段43が追加されている点が異なる。また、加熱用レーザLaの照射方向(入射角度)と反射方向(反射角度)に合わせて、計測対象物90を傾斜させている点も異なる。以下、これらの相違点について主に説明する。
●[光学非破壊検査装置1Cの全体構成(図17)]
レーザ出力装置27Aは、例えば線状の加熱用レーザLaを出射するレーザ光源21Aと、音響光学変調器24と、変調信号出力手段25と、を有しており、計測点SPに照射された加熱用レーザLaの強度が正弦波状に変化するように、判定装置70からの制御信号に基づいて、加熱用レーザLaを出射する。変調信号出力手段25は、例えばオシレータであり、判定装置70からの制御信号に基づいて、電圧が所定周波数かつ所定振幅で正弦波状に変化する変調信号を発生させる。レーザ光源21Aから出射された線状の加熱用レーザLaは、音響光学変調器24に入力され、後述するように音響光学変調器24によって回折(屈折)される。音響光学変調器24は、光変調器(EOM)デバイスや、弾性表面波(SAW)デバイスを含む。例えば光変調器デバイスは、圧電結晶中に光を透過させるとき、変調信号出力手段25からの変調信号に基づいて電界や超音波を印加して圧電効果を生じさせ、圧電結晶中の屈折率を変化させる。そして屈折された加熱用レーザは、回折光として取り出される。そして音響光学変調器24から出射された加熱用レーザLaは、上記のとおり微細な屈折角度で周期的に屈折されており、レーザ遮光部材に設けられたピンホールPHを通過した後、対物レンズLTにて計測点SPに集光されている。つまり、加熱用レーザLaが種々の屈折角度で周期的に屈折しながらピンホールPHを通過する際、ピンホールPHを通過する加熱用レーザLaの量が周期的に変化する。結果として計測点SPに照射された加熱用レーザLaの強度は正弦波状に変化し、その周波数は変調信号の周波数に同期する。なお、加熱用レーザの出力は、計測対象物を破壊することなく加熱できる出力に調整されている。
第1測定光L11(計測点SPにて反射した照射光と計測点SPから放射された赤外線を含む測定光)の光路中のいずれかの位置には、反射光選択反射手段43が配置されている。例えば反射光選択反射手段43は、加熱用レーザLaが計測点SPにて反射した反射光の波長(すなわち加熱用レーザの波長)の光を反射し、反射光の波長以外の光を透過するダイクロイックミラーである。そして反射光選択反射手段43が反射した反射光L5の先には、集光レンズ41L及びレーザ強度検出手段41が配置されている。なお、集光レンズ41L及びレーザ強度検出手段41については、第1の実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
X軸方向スライドテーブル75と計測対象物90との間には、計測点SPに対する加熱用レーザLaの入射角度と、当該加熱用レーザLaの反射角度(光軸10Zに沿った第1測定光L11の角度)とに基づいた傾斜角度θを有する傾斜テーブル75Tが配置されている。傾斜テーブル75TはX軸方向スライドテーブル75に固定されており、傾斜テーブル75Tには計測対象物90が固定されている。
なお、第3の実施の形態では、赤外線強度検出手段31は、ベース赤外線の強度に応じたベース赤外線強度検出信号を出力するベース赤外線強度検出手段と兼用とされている。
第3の実施の形態における判定装置70及び位相差検出装置60の処理手順及び接合部面積の求め方や判定方法等については、図6〜図12を用いて説明した第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。また、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能であり、位相差をより正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる点についても第1の実施の形態と同じである。
●[第4の実施の形態(図18)]
第4の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度と、計測点SPにて反射された加熱用レーザの強度であって時間の経過に対する加熱用レーザの強度と、を含む。
図18に示す第4の実施の形態の光学非破壊検査装置1Dは、図17に示す第3の実施の形態の光学非破壊検査装置1Cに対して、周辺赤外線強度検出手段38(及び集光レンズ38L)が追加されている点と、図17における増幅手段31Aが、図18における増幅手段31Bに変更されている点が異なる。これらの相違点については、第2の実施の形態にて説明しているので、説明を省略する。
また、第4の実施の形態における判定装置70及び位相差検出装置60の処理手順及び接合部面積の求め方や判定方法等については、第2の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。また、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能であり、位相差をより正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる点についても第2の実施の形態と同じである。
●[第5の実施の形態(図19〜図28)]
第5の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度を含む。
図19は、光学非破壊検査装置1Eの全体構成の例を示している。第5の実施の形態の光学非破壊検査装置1Eは、レーザ光源(この場合、半導体レーザ光源21)から出射されるレーザ光の強度を、一定の強度である加熱強度として計測点に照射し、計測点から放射された赤外線の強度に基づいた温度上昇特性に基づいて、計測対象物の接合部面積を求める。そして判定装置70にて、求めた接合部面積が許容範囲内であるか否かを判定して接合状態の良否を判定する。第1の実施の形態では、正弦波状に強度が変化する加熱用レーザを計測点SPに照射して、正弦波状の加熱用レーザの強度と正弦波状の赤外線の強度との位相差から接合部面積を求めたが、第5の実施の形態では、加熱強度(一定強度)の加熱用レーザを計測点SPに照射して、計測点の温度上昇特性から接合部面積を求める点が異なる。以下では、第1の実施の形態との、構成上の相違点、処理手順の相違点、について主に説明する。
●[光学非破壊検査装置1Eの全体構成(図19)]
図19に示すように、第5の実施の形態の光学非破壊検査装置1Eは、第1の実施の形態(図5参照)の構成に対して、レーザ強度検出手段41や変調信号出力手段25(図5参照)が省略され、(第2)赤外線強度検出手段32及び増幅手段32Aが追加されている。また、第5の実施の形態の光学非破壊検査装置1Eは、第1の実施の形態(図5参照)の構成に対して、位相差検出装置60(図5参照)が省略されている。
レーザ出力装置27は、例えば半導体レーザ光源21と、コリメートレンズ22とを有している。半導体レーザ光源21は、強度を調整するための強度調整用入力を備えており、この強度調整用入力には、判定装置70からの制御信号が入力される。そして半導体レーザ光源21は、判定装置70からの制御信号に基づいて、強度が加熱強度(一定の強度)に設定された加熱用レーザLaを出射する。半導体レーザ光源21から出射された加熱用レーザLaは、コリメートレンズ22にて平行光に変換されて加熱レーザ選択反射手段23Rに達する。なお出射された加熱用レーザが平行光である場合は、コリメートレンズ22を省略することができる。なお、加熱用レーザの出力は、計測対象物90を破壊することなく加熱できる出力に調整されている。例えば、加熱レーザ選択反射手段23Rは、加熱用レーザの波長の光を反射し、加熱用レーザの波長以外の波長の光を透過するダイクロイックミラーである。コリメートレンズ22と加熱レーザ選択反射手段23Rにて加熱用レーザ導光手段が構成されており、加熱用レーザ導光手段は、半導体レーザ光源21から出射された加熱用レーザLaを、平行光に変換して集光手段10の一方の側へと導く。
(第1)赤外線強度検出手段31は、第1赤外線選択反射手段23Aにて反射された所定波長の赤外線のエネルギー(強度)を検出可能な赤外線センサである。例えば、第1赤外線選択反射手段23Aは、第1波長λ1の波長を有する第1赤外線を反射し、第1波長λ1以外の波長の光を透過するダイクロイックミラーであり、第1測定光L11の経路中に配置されている。第1測定光L11に含まれている第1波長λ1の赤外線は、第1赤外線選択反射手段23Aにて取り出され、集光レンズ31Lにて集光されて(第1)赤外線強度検出手段31に入力される。そして(第1)赤外線強度検出手段31から出力される(第1)赤外線強度検出信号は、例えば増幅手段31Aにて増幅されて判定装置70に入力される。加熱レーザ選択反射手段23と第1赤外線選択反射手段23Aと集光レンズ31Lにて(第1)赤外線導光手段が構成されており、(第1)赤外線導光手段は、計測点SPから放射されて集光手段10の一方の側から出射された平行光(第1測定光L11)の中から、第1波長λ1の赤外線を、(第1)赤外線強度検出手段31へと導く。
なお、第5の実施の形態では、(第1)赤外線強度検出手段31は、(第1)ベース赤外線の強度に応じた(第1)ベース赤外線強度検出信号を出力する(第1)ベース赤外線強度検出手段と兼用とされている。
(第2)赤外線強度検出手段32は、第2赤外線選択反射手段23Bにて反射された所定波長の赤外線のエネルギー(強度)を検出可能な赤外線センサである。例えば、第2赤外線選択反射手段23Bは、第2波長λ2の波長を有する第2赤外線を反射し、第2波長λ2以外の波長の光を透過するダイクロイックミラーであり、第1測定光L11の経路中に配置されている。第1測定光L11に含まれている第2波長λ2の赤外線は、第2赤外線選択反射手段23Bにて取り出され、集光レンズ32Lにて集光されて(第2)赤外線強度検出手段32に入力される。そして(第2)赤外線強度検出手段32から出力される(第2)赤外線強度検出信号は、例えば増幅手段32Aにて増幅されて判定装置70に入力される。加熱レーザ選択反射手段23と第2赤外線選択反射手段23Bと集光レンズ32Lにて(第2)赤外線導光手段が構成されており、(第2)赤外線導光手段は、計測点SPから放射されて集光手段10の一方の側から出射された平行光(第1測定光L11)の中から、第2波長λ2の赤外線を、(第2)赤外線強度検出手段32へと導く。
なお、第5の実施の形態では、(第2)赤外線強度検出手段32は、(第2)ベース赤外線の強度に応じた(第2)ベース赤外線強度検出信号を出力する(第2)ベース赤外線強度検出手段と兼用とされている。
●[増幅手段31A、32Aの構成(図22)]
増幅手段31Aの構成は、図5及び図8に示す第1の実施の形態の増幅手段31Aと同様であり、センサアンプ31A3、オフセット調整回路31A2、D/Aコンバータ31A1を有している。センサアンプ31A3の信号入力部には、(第1)赤外線強度検出手段31からの(第1)赤外線強度検出信号Is51が入力されている。なお、オフセット調整回路31A2とD/Aコンバータ31A1の接続及び動作は、第1の実施の形態と同様であり、D/Aコンバータ31A1には、判定装置70からオフセット調整信号Ipc51が入力されている。そしてセンサアンプ31A3は、オフセットが調整されると、(第1)赤外線信号成分強度増幅を信号出力部(Out51)から出力する。
増幅手段32Aの構成も、図5及び図8に示す第1の実施の形態の増幅手段31Aと同様であり、センサアンプ32A3、オフセット調整回路32A2、D/Aコンバータ32A1を有している。センサアンプ32A3の信号入力部には、(第2)赤外線強度検出手段32からの(第2)赤外線強度検出信号Is52が入力されている。なお、オフセット調整回路32A2とD/Aコンバータ32A1の接続及び動作は、第1の実施の形態と同様であり、D/Aコンバータ32A1には、判定装置70からオフセット調整信号Ipc52が入力されている。そしてセンサアンプ32A3は、オフセットが調整されると、(第2)赤外線信号成分強度増幅を信号出力部(Out52)から出力する。
●[判定装置70の処理手順(図20)]
次に図20に示すフローチャートを用いて、判定装置70の処理手順の例について説明する。例えば作業者が判定装置70を起動すると、判定装置70はステップS15へと処理を進める。なお、図20に示すフォローチャートにおけるステップS15〜ステップS30は、図6に示す第1の実施の形態のフローチャートのステップS15〜ステップS30と同じであるので、ステップS15〜ステップS30の説明については省略する。なお図20に示すフローチャートでは、図6に示す第1の実施の形態のフローチャートのステップS32Bは省略されている。以下、相違点であるステップS31B〜ステップS80Aについて説明する。
ステップS31Bに処理を進めた場合、判定装置70は、判定情報H2(図21参照)を用いて、製品品番に応じて、X軸方向移動手段、Y軸方向移動手段、Z軸方向移動手段を制御して、集光手段10に対する計測対象物の位置(計測点の位置)を調整する。そして判定装置70は、増幅手段31A、32Aへのオフセット調整信号Ipc51、Ipc52(図22参照)に、ゼロ[V](オフセット無し)に相当する信号を出力して、ステップS32Aに処理を進める。
ステップS32Aにて判定装置70は、判定情報H2(図21参照)のオフセット待ち時間が経過したか否かを判定し、オフセット待ち時間が経過した場合(Yes)はステップS33AAへと処理を進め、オフセット待ち時間が経過していない場合(No)はステップS32Aへ処理を戻す。ステップS31BとステップS32Aにて、図22におけるD/Aコンバータ31A1の入力(Ipc51)には、時間0〜時間t1(オフセット待ち時間)の間、ゼロ[V]に相当する信号が入力され、D/Aコンバータ31A1の出力(Va51)からは、時間0〜時間t1(オフセット待ち時間)の間、ゼロ[V]が出力される。同様に、図22におけるD/Aコンバータ32A1の入力(Ipc52)には、時間0〜時間t1(オフセット待ち時間)の間、ゼロ[V]に相当する信号が入力され、D/Aコンバータ32A1の出力(Va52)からは、時間0〜時間t1(オフセット待ち時間)の間、ゼロ[V]が出力される。
ステップS33AAに処理を進めた場合、判定装置70は、増幅手段31Aから(第1)ベース赤外線強度増幅信号(この場合、図22のOut51のグラフにおける時間t1のα*Vof51)を取り込み、増幅手段32Aから(第2)ベース赤外線強度増幅信号(この場合、図22のOut52のグラフにおける時間t1のα*Vof52)を取り込む。そして判定装置70は、ステップS33BAに処理を進める。
なお、上述したように、加熱用レーザを計測点に照射してない場合では、計測点への加熱用レーザの照射の有無にかかわらず所定量の強度の赤外線であるベース赤外線が、計測点SPから放射されている。また、加熱用レーザを計測点に照射している場合では、計測点に照射された加熱用レーザに応じた信号成分赤外線と、上記のベース赤外線と、が計測点SPから放射されている。また図22において、時間0は図20の処理を開始したタイミングを示し、時間t1はステップS33AA及びS33BAのタイミングを示し、時間t2はステップS35Aのタイミングを示している。従って、ステップS33AAの時点(図22における時間t1のタイミング)では、加熱用レーザが照射されていないので、この時点での計測点からの赤外線には、信号成分赤外線が含まれておらずベース赤外線のみが含まれている。つまり、図22に示す時間t1(ステップS33AA)にて増幅手段31Aから取り込んだOut51の信号レベルα*Vof51は、(第1)ベース赤外線の強度を増幅した(第1)ベース赤外線強度増幅信号である。また、図22に示す時間t1(ステップS33AA)にて増幅手段32Aから取り込んだOut52の信号レベルα*Vof52は、(第2)ベース赤外線の強度を増幅した(第2)ベース赤外線強度増幅信号である。
ステップS33BAにて判定装置70は、取り込んだ(第1)ベース赤外線強度増幅信号(図22のOut51における時間t1のα*Vof51)の信号レベルと、(第2)ベース赤外線強度増幅信号(図22のOut52における時間t1のα*Vof52)の信号レベルと、に基づいて(第1)ベース赤外線の強度に応じた信号レベル(Vof51)と、(第2)ベース赤外線の強度に応じた信号レベルVof52と、を求める。そして判定装置70は、求めたVof51、Vof52に応じたオフセット電圧Vb51、Vb52を求め、求めたオフセット電圧Vb51、Vb52に対応するオフセット調整信号Ipc51、Ipc52(図22参照)をD/Aコンバータ31A1、32A1に出力してステップS34へと処理を進める。このステップS33BAにて、図22の時間t1の時点では、D/Aコンバータ31A1の出力(Va51)が、ゼロ[V]から、(第1)ベース赤外線強度検出信号の信号レベルVof51に変化し、オフセット調整回路31A2の出力(Vb51)が、ゼロ[V]から、負の側(オフセット量を差し引く側)に信号レベルVof51で変化している。なお、Va52、Vb52の波形については図示を省略する。
ステップS34にて判定装置70は、判定情報H2(図21参照)を用いて、製品品番に対応する待ち時間を読み出し、待ち時間が経過したか否かを判定し、待ち時間が経過した場合(Yes)はステップS35Aに処理を進め、待ち時間を経過していない場合(No)はステップS34に処理を戻す。
ステップS35Aに処理を進めた場合、判定装置70は、判定情報H2(図21参照)を用いて、製品品番に対応する加熱用レーザ出力を読み出し、一定の出力強度である加熱強度とされた加熱用レーザとなるように、レーザ出力装置27に向けて制御信号を出力し、ステップS36に進む。このステップS35Aの処理は、レーザ出力装置から、計測点に向けて、一定の出力強度である加熱強度とされた加熱用レーザを出射して計測点を加熱する加熱用レーザ出射ステップに相当する。第1〜第4の実施の形態では正弦波状に強度が変化する加熱用レーザを出射したが、第5〜第10の実施の形態では、一定の出力強度の加熱用レーザを出射する。ステップS35Aは、図22における時間t2のタイミングである。
ステップS36にて判定装置70は、所定時間経過したか否かを判定し、所定時間経過した場合(Yes)はステップS37に処理を進め、所定時間経過していない場合(No)はステップS36に処理を戻す。ここで「所定時間」は、計測点SPの温度を計測するサンプリング時間であり、例えば数[ms]〜数10[ms]程度の時間に設定されている。
ステップS37に処理を進めた場合、判定装置70は、赤外線の強度を計測してステップS38に進む。判定装置70は、図22にける時間t2以降において、ステップS36の所定時間間隔にて、図22のOut51に示す増幅手段31Aからの(第1)赤外線信号成分強度増幅信号(α*Vp51)を取り込み、図22のOut52に示す増幅手段32Aからの(第2)赤外線信号成分強度増幅信号(α*Vp52)を取り込む。
なお、図22のOut51における時間t1以降では、センサアンプ31A3へのオフセット電圧(Vb51)の調整により、(第1)ベース赤外線強度増幅信号(α*Vof51)が差し引かれている。同様に、図22のOut52における時間t1以降では、センサアンプ32A3へのオフセット電圧(Vb52)の調整により、(第2)ベース赤外線強度増幅信号(α*Vof52)が差し引かれている。
ステップS38にて判定装置70は、計測した赤外線の強度を温度に換算してステップS39に進む。例えば、図24に、放射率=100%の場合における(赤外線)波長と、赤外線エネルギー(強度)と、温度との関係を表す、波長・強度・温度特性の例を示す。図24は、計測点SPの放射率が100%であれば、例えば計測点の温度がM2[℃]の場合、増幅手段31Aからの波長λ1の(第1)赤外線信号成分強度増幅信号の強度は強度E1Cであり、増幅手段32Aからの波長λ2の(第2)赤外線信号成分強度増幅信号の強度は強度E2Cであることを示している。しかし実際には、計測対象物毎に放射率は異なっているが、放射率が異なっていても、温度がM2[℃]の場合、強度E1C/強度E2Cは一定となる。従って、図25に示す温度・2波長強度比特性を用いることで、波長λ1の(第1)赤外線信号成分強度増幅信号のレベル/波長λ2の(第2)赤外線信号成分強度増幅信号のレベル(2波長強度比)から、温度へと換算することができる。つまり、判定装置70は、(第1)赤外線信号成分強度増幅信号に基づいた強度/(第2)赤外線信号成分強度増幅信号に基づいた強度、にて2波長強度比を求め、求めた2波長強度比と、図25に示す温度・2波長強度比特性から、計測点SPの温度を求めることができる。
ステップS39にて判定装置70は、指示された「製品品番」に対応する「計測時間」を、判定情報H2(図21参照)から読み出し、ステップS35Aからの経過時間が、計測時間に達したか否かを判定し、計測時間に達した場合(Yes)はステップS65Aに進み、計測時間に達していない場合(No)はステップS36に処理を戻す。ステップS36〜S39の処理は、計測点から放射される(第1)及び(第2)赤外線の強度から(第1)及び(第2)ベース赤外線の強度分を差し引いた(第1)及び(第2)信号成分赤外線の強度を増幅した計測点情報である(第1)及び(第2)赤外線信号成分強度増幅信号を判定装置にて取り込む(取得する)、情報取得ステップに相当している。
ステップS65Aに進んだ場合、判定装置70は、レーザ出力装置27に制御信号を出力し、レーザ出力装置27からの加熱用レーザの出射を停止させてステップS70Aに進む。
ステップS70Aにて判定装置70は、所定時間毎に求めた計測点SPの温度に基づいた温度上昇特性と、自身あるいは外部の記憶装置に記憶している判定情報H2(図21参照)の「製品品番」に対応した正規化温度上昇特性(時間と温度との相関関係を示す特性を正規化した特性)と、の関係を求め、ステップS80Aに進む。
例えば、図26における「計測結果A」は、製品品番Aにおける接合部面積が最大許容面積のサンプルの計測結果の例である。また、図26における「計測結果B」は、製品品番Aにおける接合部面積が最小許容面積のサンプルの計測結果の例である。加熱強度(一定強度)の加熱用レーザを計測点SPに照射すると、計測点SPの温度は徐々に上昇するが、加熱量と放熱量が一致する飽和温度に達すると、温度の上昇が止まり、加熱を継続してもほぼ一定の温度(飽和温度)となる。ここで、接合部面積が比較的大きい場合は熱伝導量が多く、接合部を介して熱が逃げやすいので、飽和温度に達するまでの時間が短く、飽和温度も比較的低くなる。また接合部面積が比較的小さい場合は熱伝導量が少なく、接合部を介して熱が逃げにくいので、飽和温度に達するまでの時間が長く、飽和温度も比較的高くなる。
計測対象物の温度上昇特性の飽和温度が、図26に示す「計測結果A」と「計測結果B」の飽和温度の間にあるとき、その計測対象物の接合部面積は、最小許容面積以上かつ最大許容面積以下であるので、良品である、と判定することもできるが、以下のように「正規化」することで、温度計測の誤差を抑制し、より適切に良否を判定することができる。
以下、図26を用いて、製品品番Aに対する「正規化」について説明する。例えば、製品品番Aに対する理想的な接合部面積の大きさを有する(理想)サンプルの温度上昇特性を求め、当該(理想サンプル)の飽和温度を、正規化飽和温度に設定する。そして、製品品番Aに対して接合部面積が最大許容面積であるサンプルの温度上昇特性である「計測結果A」を得た後、「計測結果A」の飽和温度が正規化飽和温度と一致するように温度方向に伸長(または圧縮)した「正規化A」を得る。また、製品品番Aに対して接合部面積が最小許容面積であるサンプルの温度上昇特性である「計測結果B」を得た後、「計測結果B」の飽和温度が正規化飽和温度と一致するように温度方向に圧縮(または伸長)した「正規化B」を得る。
そして、図27に示すように、計測対象物の温度上昇特性の飽和温度が正規化飽和温度と一致するように、計測した温度上昇特性を、温度方向に圧縮または伸長して、「計測した温度上昇特性(正規化)」を得る。この「計測した温度上昇特性(正規化)」における正規化飽和温度に達するまでの部分が、「正規化した最大許容面積温度上昇特性(正規化A)」と「正規化した最小許容面積温度上昇特性(正規化B)」との間にある場合、判定装置70は、その計測対象物の接合部面積は、最小許容面積以上かつ最大許容面積以下であるので良品である、と判定する。
ステップS80Aにて判定装置70は、ステップS70Aにて求めた接合部面積(最小許容面積以上かつ最大許容面積であるか否か)に応じて、第1部材と第2部材との接合状態が正常または異常であることを示す判定結果を出力(図28参照)して処理を終了する。例えば判定装置70は、図27に示すように、「計測した温度上昇特性(正規化)」が、最大許容面積の温度上昇特性(正規化A)と最小許容面積の温度上昇特性(正規化B)の間に有る場合に、接合状態は正常であると判定し、図28の例に示すように判定結果を表示する。あるいは、判定装置70は、「計測した温度上昇特性(正規化)」が、最小許容面積の温度上昇特性(正規化B)のラインよりも最大許容面積の温度上昇特性(正規化A)の側に有る場合に接合状態は正常であると判定し、判定結果を表示する。このように、判定装置70は、接合部面積が、予め設定された所定範囲内であるか否か、あるいは予め設定された所定面積以上であるか否か、を示す判定結果を出力する、出力手段(出力部)を有している。そしてステップS70A及びステップS80Aの処理は、赤外線強度検出信号から求めた取得関連情報である計測点における温度上昇特性(図28参照)に基づいて、接合界面における接合部の接合状態を判定する、接合状態判定ステップに相当している。
以上、第5の実施の形態では、第1〜第4の実施の形態と比較して、接合部面積の求め方や判定方法等については異なるが、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能である。従って、温度上昇特性をより正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
●[第6の実施の形態(図29〜図31)]
第6の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度を含む。
図29に示す第6の実施の形態の光学非破壊検査装置1Fは、図19に示す第5の実施の形態の光学非破壊検査装置1Eに対して、(第1)周辺赤外線強度検出手段38(及び集光レンズ38Lと(第1)周辺赤外線選択透過手段38M)が追加されている点と、図19に示す増幅手段31Aが、図29における増幅手段31Bに変更されている点が異なる。また、図29に示す第6の実施の形態の光学非破壊検査装置1Fは、図19に示す第5の実施の形態の光学非破壊検査装置1Eに対して、(第2)周辺赤外線強度検出手段39(及び集光レンズ39Lと(第2)周辺赤外線選択透過手段39M)が追加されている点と、図19に示す増幅手段32Aが、図29における増幅手段32Bに変更されている点が異なる。第6の実施の形態では、増幅手段31B、32Bは、差動増幅器のタイプである。また図30に示すフローチャートでは、図20に示すフローチャートに対して、ステップS31BがステップS31Cに変更され、ステップS32A〜33BAが省略されている点も異なる。以下、第5の実施の形態との相違点について主に説明する。
●[光学非破壊検査装置1Fの全体構成(図29)]
(第1)周辺赤外線強度検出手段38は、(第1)赤外線強度検出手段31と同じ赤外線センサである。また(第1)周辺赤外線強度検出手段38には、(第1)周辺赤外線選択透過手段38M(例えばダイクロイックミラー)にて透過された第1波長λ1の赤外線が、集光レンズ38Lを介して入力されている。なお(第1)周辺赤外線強度検出手段38には、計測点から放射される第1波長λ1の赤外線ではなく、周辺に放射されている第1波長λ1の赤外線(ベース赤外線)が、集光レンズ38Lを介して入力されている。そして(第1)周辺赤外線強度検出手段38から出力される(第1)ベース赤外線強度検出信号は、増幅手段31Bの差動入力部(−端子の側)に入力されている。
(第2)周辺赤外線強度検出手段39は、(第2)赤外線強度検出手段32と同じ赤外線センサである。また(第2)周辺赤外線強度検出手段39には、(第2)周辺赤外線選択透過手段39M(例えばダイクロイックミラー)にて透過された第2波長λ2の赤外線が、集光レンズ39Lを介して入力されている。なお(第2)周辺赤外線強度検出手段39には、計測点から放射される第2波長λ2の赤外線ではなく、周辺に放射されている第2波長λ2の赤外線(ベース赤外線)が、集光レンズ39Lを介して入力されている。そして(第2)周辺赤外線強度検出手段39から出力される(第2)ベース赤外線強度検出信号は、増幅手段32Bの差動入力部(−端子の側)に入力されている。
●[増幅手段31B、32Bの構成(図31)]
増幅手段31Bは、図31に示すように差動増幅器であり、差動入力部(+端子の側)には、(第1)赤外線強度検出手段31から出力される(第1)赤外線強度検出信号Is61が入力される。なお(第1)赤外線強度検出手段31には、第1赤外線選択反射手段23Aにて反射された第1波長λ1の赤外線が入力されている。また増幅手段31Bの差動入力部(−端子の側)には、(第1)周辺赤外線強度検出手段38から出力される(第1)ベース赤外線強度検出信号Is68が入力される。なお(第1)周辺赤外線強度検出手段38には、(第1)周辺赤外線選択透過手段38M(例えばダイクロイックミラー)にて透過された第1波長λ1の赤外線が入力されている。そして増幅手段31Bの出力(Out61)は、判定装置70に入力される。
増幅手段32Bは、図31に示すように差動増幅器であり、差動入力部(+端子の側)には、(第2)赤外線強度検出手段32から出力される(第2)赤外線強度検出信号Is62が入力される。なお(第2)赤外線強度検出手段32には、第2赤外線選択反射手段23Bにて反射された第2波長λ2の赤外線が入力されている。また増幅手段32Bの差動入力部(−端子の側)には、(第2)周辺赤外線強度検出手段39から出力される(第2)ベース赤外線強度検出信号Is69が入力される。なお(第2)周辺赤外線強度検出手段39には、(第2)周辺赤外線選択透過手段39M(例えばダイクロイックミラー)にて透過された第2波長λ2の赤外線が入力されている。そして増幅手段32Bの出力(Out62)は、判定装置70に入力される。
●[判定装置70の処理手順(図30)]
次に図30に示すフローチャートを用いて、判定装置70の処理手順の例について説明する。例えば作業者が判定装置70を起動すると、判定装置70はステップS15へと処理を進める。なお、図30に示すフォローチャートにおけるステップS15〜ステップS30は、図20に示す第5の実施の形態のフローチャートのステップS15〜ステップS30と同じであるので、ステップS15〜ステップS30の説明については省略する。なお図30に示すフローチャートでは、図20に示す第5の実施の形態のフローチャートのステップS31BがステップS31Cに変更されている。また図30に示すフローチャートでは、図20に示す第5の実施の形態のフローチャートに対して、ステップS32A〜33Bが省略されている。以下、相違点について主に説明する。
ステップS31Cに処理を進めた場合、判定装置70は、判定情報H2(図21参照)を用いて、製品品番に応じて、X軸方向移動手段、Y軸方向移動手段、Z軸方向移動手段を制御して、集光手段10に対する計測対象物の位置(計測点の位置)を調整し、ステップS34に処理を進める。なおステップS34以降の処理は、図20に示す第5の実施の形態のステップS34以降の処理と同様であるので説明を省略する。
上記のステップS31Cのタイミングは、図31のOut61及びOut62に示す(ステップS31C)のタイミングとなる。また上記のステップS35Aのタイミングは、図31のOut61及びOut62に示す(ステップS35A)のタイミングとなる。
第6の実施の形態では、増幅手段31B、32Bとして差動増幅器を用いることで、第5の実施の形態と比較してオフセットの調整が不要であるので、処理手順を簡略化することができる。また接合部面積の求め方や判定方法等については、第5の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。また、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能である。従って、第5の実施の形態と同様、温度上昇特性をより正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
●[第7の実施の形態(図32)]
第7の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度と、計測点SPにて反射された補正用レーザの強度と、を含む。
図32に示す第7の実施の形態の光学非破壊検査装置1Gは、図19に示す第5の実施の形態の光学非破壊検査装置1Eに対して、第2赤外線選択反射手段23Bと集光レンズ23Lと(第2)赤外線強度検出手段32が省略され、補正用レーザ選択反射手段23Cとビームスプリッタ22Aと補正用レーザ光源29とコリメートレンズ29Lとレーザ強度検出手段42と集光レンズ42Lが追加されている点が異なる。また、図19に示す第5の実施の形態の光学非破壊検査装置1Eに対して、増幅手段32Aがセンサアンプ42Aに変更されている点も異なる。以下、これらの相違点について主に説明する。相違点以外の構成については、第5の実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
●[光学非破壊検査装置1Gの全体構成(図32)]
補正用レーザ光源29は、加熱レーザよりも充分小さな出力に調整された、補正レーザ波長(加熱用レーザとは異なる波長)の補正用レーザを、判定装置70からの制御信号に基づいて出射する。例えば補正用レーザ光源29は、半導体レーザである。
コリメートレンズ29Lは、補正用レーザ光源29の近傍に配置されて、補正用レーザ光源29から出射された補正用レーザを平行光の補正用レーザLbに変換する。なお補正用レーザ光源29が平行光の補正用レーザを出射できるのであればコリメートレンズ29Lを省略することができる。
ビームスプリッタ22Aは、補正用レーザ光源29から出射された補正レーザ波長の補正用レーザを第1所定割合で反射するとともに第2所定割合で透過し、反射した第1所定割合の平行光の補正用レーザを、補正用レーザ選択反射手段23Cへと導光する。補正用レーザ選択反射手段23Cは、補正レーザ波長の光を反射し、補正レーザ波長以外の光を透過するダイクロイックミラーである。
そして、コリメートレンズ29Lとビームスプリッタ22Aと補正用レーザ選択反射手段23Cと加熱レーザ選択反射手段23Rにて補正用レーザ導光手段が構成されており、補正用レーザ導光手段は、補正用レーザ光源29から出射された補正用レーザを、平行光に変換して集光手段10の一方の側へと導く。
レーザ強度検出手段42は、計測点SPにて反射された補正用レーザのエネルギーを検出可能であり、例えばレーザ強度検出手段42は、補正レーザ波長の光のエネルギーを検出可能な光センサである。なおレーザ強度検出手段42からの検出信号はセンサアンプ42Aを介して判定装置70に取り込まれる。
ビームスプリッタ22Aは、計測点SPから反射されて補正用レーザ選択反射手段23Cにて反射された(反射)補正用レーザを、レーザ強度検出手段42に向けて第2所定割合で透過する。
集光レンズ42Lは、レーザ強度検出手段42の近傍に配置され、計測点SPから反射されてビームスプリッタ22Aを透過してきた補正レーザ波長の平行光Lbr(補正用レーザ)を、レーザ強度検出手段42に向けて集光する。
そして、加熱レーザ選択反射手段23Rと補正用レーザ選択反射手段23Cとビームスプリッタ22Aと集光レンズ42Lにて反射レーザ導光手段が構成されており、反射レーザ導光手段は、計測点SPにて反射されて集光手段10の一方の側から出射された補正用レーザを、レーザ強度検出手段42へと導く。
センサアンプ42Aは、例えば電圧増幅回路であり、レーザ強度検出手段42から入力されたレーザ強度検出信号を増幅したレーザ強度増幅信号を出力する。なお、センサアンプ42Aは省略されていてもよい。
なお、第7の実施の形態では、赤外線強度検出手段31は、ベース赤外線の強度に応じたベース赤外線強度検出信号を出力するベース赤外線強度検出手段と兼用とされている。
●[判定装置70の処理手順]
判定装置70の処理は、図20に示す第5の実施の形態の処理手順に対して、ステップS31B、S33AA、S33BA、S35A、S37、S38、S65Aが以下のように異なるが、他のステップについては同じであるので説明を省略する。
第5の実施の形態のステップS31B(図20)では、判定装置70が増幅手段31A、32Aへのオフセット調整信号に、ゼロ[V](オフセット無し)に相当する信号を出力した。これに対して第7の実施の形態のステップS31Aでは、判定装置70が増幅手段31Aへのオフセット調整信号に、ゼロ[V](オフセット無し)に相当する信号を出力する。
第5の実施の形態のステップS33AA(図20)では、判定装置70が増幅手段31Aから(第1)ベース赤外線強度増幅信号を取り込み、増幅手段32Aから(第2)ベース赤外線強度増幅信号を取り込む。これに対して第7の実施の形態のステップS33AAでは、判定装置70が増幅手段31Aから(第1)ベース赤外線強度増幅信号を取り込む。
第5の実施の形態のステップS33BA(図20)では、判定装置70が、取り込んだ(第1)ベース赤外線強度増幅信号と(第2)ベース赤外線強度増幅信号の信号レベルに基づいて、(第1)ベース赤外線の強度に応じた信号レベルと、(第2)ベース赤外線の強度に応じた信号レベルと、を求めている。そして判定装置70は、求めた信号レベルに応じたそれぞれのオフセット電圧を求め、それぞれのオフセット電圧に対応するそれぞれのオフセット調整信号をD/Aコンバータ31A1、32A1に出力している。これに対して第7の実施の形態のステップS33BAでは、判定装置70が、取り込んだ(第1)ベース赤外線強度増幅信号の信号レベルに基づいて、(第1)ベース赤外線の強度に応じた信号レベルを求める。そして判定装置70は、求めた信号レベルに応じたオフセット電圧を求め、オフセット電圧に対応するオフセット調整信号をD/Aコンバータ31A1に出力する。
第5の実施の形態のステップS35A(図20)では、判定装置70が加熱用レーザの出射を開始している。これに対して第7の実施の形態のステップS35Aでは、判定装置70が加熱用レーザの出射と補正用レーザの出射を開始する。
第5の実施の形態のステップS37(図20)では、判定装置70は、所定時間間隔にて増幅手段31Aから(第1)赤外線信号成分強度増幅信号を取り込み、増幅手段32Aから(第2)赤外線信号成分強度増幅信号を取り込む。これに対して第7の実施の形態のステップS37では、判定装置70は、増幅手段31Aから(第1)赤外線信号成分強度増幅信号を取り込み、センサアンプ42Aからレーザ強度増幅信号を取り込む。
第5の実施の形態のステップS38(図20参照)では、判定装置70は、(第1)赤外線信号成分強度増幅信号に基づいた強度/(第2)赤外線信号成分強度増幅信号に基づいた強度、に基づいて計測点の温度を求めた。これに対して第7の実施の形態のステップS38では、判定装置70は、補正用レーザの強度と、ビームスプリッタ22Aの第1所定割合及び第2所定割合と、レーザ強度検出信号と、に基づいて計測点SPにおける反射率を求め、反射率に基づいて放射率を求める。そして、求めた放射率に基づいて、(第1)赤外線信号成分強度増幅信号の強度を補正し、補正した強度と図24に示す波長・強度・温度特性から計測点SPの温度を求める。
第5の実施の形態のステップS65A(図20参照)では、判定装置70は、加熱用レーザの出射を停止させている。これに対して第7の実施の形態のステップS65Aでは、判定装置70は、加熱用レーザと補正用レーザの出射を停止させる。
以上、第7の実施の形態では、第5の実施の形態に対して温度を求める方法が異なるが、温度上昇特性を用いて接合部面積を求め、判定する方法等については同じである。そして第5の実施の形態と同様、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能である。従って、温度上昇特性をより正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
●[第8の実施の形態(図33)]
第8の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度と、計測点SPにて反射された補正用レーザの強度と、を含む。
図33に示す第8の実施の形態の光学非破壊検査装置1Hは、図32に示す第7の実施の形態の光学非破壊検査装置1Gに対して、(第1)周辺赤外線強度検出手段38(及び集光レンズ38Lと(第1)周辺赤外線選択透過手段38M)が追加されている点と、図32における増幅手段31Aが、図33における増幅手段31Bに変更されている点が異なる。第8の実施の形態では、増幅手段31Bは、差動増幅器のタイプである。
●[光学非破壊検査装置1Hの全体構成(図33)]
なお、(第1)周辺赤外線強度検出手段38(及び集光レンズ38Lと(第1)周辺赤外線選択透過手段38M)、増幅手段31Bは、第6の実施の形態と構成及び動作が同じであるので、説明を省略する。以下、第7の実施の形態との相違点について主に説明する。
●[判定装置70の処理手順]
判定装置70の処理は、第7の実施の形態の処理手順(図20に示す第5の実施の形態の処理手順に対して、ステップS31B、S33AA、S33BA、S35A、S37、S38、S65Aを変更)に対して、ステップS32A〜ステップS33BAが省略されている。なお、それ以外の処理については、第7の実施の形態の処理手順と同じであるので説明を省略する。
以上、第8の実施の形態では、温度上昇特性を用いて接合部面積を求め、判定する方法等については第7の実施の形態と同じである。そして第7の実施の形態と同様、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能である。従って、温度上昇特性をより正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
●[第9の実施の形態(図34)]
第9の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度を含む。
●[光学非破壊検査装置1Jの全体構成(図34)]
図34に示す第9の実施の形態の光学非破壊検査装置1Jは、図19に示す第5の実施の形態の光学非破壊検査装置1Eに対して、レーザ出力装置27がレーザ出力装置27Aに変更されて加熱用レーザLaが線状である点と、加熱レーザ選択反射手段23Rが省略されている点が異なる。また、加熱用レーザLaの照射方向(入射角度)と反射方向(反射角度)に合わせて、計測対象物90を傾斜させている点も異なる。以下、これらの相違点について主に説明する。
レーザ出力装置27Aにおけるレーザ光源21Aは、図17に示す第3の実施の形態と同じである。レーザ光源21Aは、判定装置70からの制御信号にて指示された強度(一定の加熱強度)の加熱用レーザLaを出射する。レーザ光源21Aから出射された線状の加熱用レーザLaは、ピンホールPHを通過した後、対物レンズLTにて計測点SPに集光される。なお、加熱用レーザの出力は、計測対象物を破壊することなく加熱できる出力に調整されている。
X軸方向スライドテーブル75と計測対象物90との間には、第3の実施の形態と同様、計測点SPに対する加熱用レーザLaの入射角度と、当該加熱用レーザLaの反射角度(光軸10Zに沿った第1測定光L11の角度)とに基づいた傾斜角度θを有する傾斜テーブル75Tが配置されている。傾斜テーブル75TはX軸方向スライドテーブル75に固定されており、傾斜テーブル75Tには計測対象物90が固定されている。
なお、第9の実施の形態では、赤外線強度検出手段31は、ベース赤外線の強度に応じたベース赤外線強度検出信号を出力するベース赤外線強度検出手段と兼用とされている。
また、第9の実施の形態における判定装置70の処理手順及び接合部面積の求め方や判定方法等については、第5の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。また、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能である。従って、温度上昇特性をより正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
●[第10の実施の形態(図35)]
第10の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度を含む。
●[光学非破壊検査装置1Kの全体構成(図35)]
図35に示す第10の実施の形態の光学非破壊検査装置1Kは、図34に示す第9の実施の形態の光学非破壊検査装置1Jに対して、(第1)周辺赤外線強度検出手段38(及び集光レンズ38Lと(第1)周辺赤外線選択透過手段38M)が追加されている点と、図34に示す増幅手段31Aが、図35における増幅手段31Bに変更されている点が異なる。また、光学非破壊検査装置1K(図35)は、図34に示す第9の実施の形態の光学非破壊検査装置1Jに対して、(第2)周辺赤外線強度検出手段39(及び集光レンズ39Lと(第2)周辺赤外線選択透過手段39M)が追加されている点と、図34に示す増幅手段32Aが、図35における増幅手段32Bに変更されている点が異なる。第10の実施の形態では、増幅手段31B、32Bは、差動増幅器のタイプである。また第10の実施の形態のフローチャートは、第6の実施の形態のフローチャート(図30)と同じであるので、説明を省略する。以下、第9の実施の形態との相違点について主に説明する。
(第1)周辺赤外線強度検出手段38、(第1)周辺赤外線選択透過手段38M、集光レンズ38L、増幅手段31Bにおける構成、接続、動作は、第6の実施の形態(図29)と同様であるので説明を省略する。
同様に、(第2)周辺赤外線強度検出手段39、(第2)周辺赤外線選択透過手段39M、集光レンズ39L、増幅手段32Bにおける構成、接続、動作は、第6の実施の形態(図29)と同様であるので説明を省略する。
第10の実施の形態では、増幅手段31B、32Bとして差動増幅器を用いることで、第9の実施の形態と比較してオフセットの調整が不要であるので、処理手順を簡略化することができる。また接合部面積の求め方や判定方法等については、第9の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。また、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能である。従って、第9の実施の形態と同様、温度上昇特性をより正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
●[第11の実施の形態(図36)]
第11の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度と、計測点SPにて反射された加熱用レーザの強度と、を含む。
図36に示す第11の実施の形態の光学非破壊検査装置1Lは、図17に示す第3の実施の形態の光学非破壊検査装置1Cに対して、音響光学変調器24と、変調信号出力手段25と、位相差検出装置60が省略されている。
なお、第11の実施の形態では、赤外線強度検出手段31は、ベース赤外線の強度に応じたベース赤外線強度検出信号を出力するベース赤外線強度検出手段と兼用とされている。
また、第11の実施の形態における判定装置70の処理手順及び接合部面積の求め方や判定方法等については、第7の実施の形態と同様であるので説明を省略する。また、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能である。従って、温度上昇特性をより正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
●[第12の実施の形態(図37)]
第12の実施の形態では、計測点SPから取得される計測点情報は、計測点SPから放射された赤外線の強度であって時間の経過に対する赤外線の強度と、計測点SPにて反射された加熱用レーザの強度と、を含む。
図37に示す第12の実施の形態の光学非破壊検査装置1Mは、図36に示す第11の実施の形態の光学非破壊検査装置1Lに対して、周辺赤外線強度検出手段38(及び集光レンズ38L)が追加されている点と、図36における増幅手段31Aが、図37における増幅手段31Bに変更されている点が異なる。これらの相違点については、第2の実施の形態にて説明しているので、説明を省略する。
第12の実施の形態では、増幅手段31Bとして差動増幅器を用いることで、第11の実施の形態と比較してオフセットの調整が不要であるので、処理手順を簡略化することができる。また接合部面積の求め方や判定方法等については、第11の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。また、図9に示す従来と比較して、信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能である。従って、温度上昇特性をより正確に求めることが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
以上、本発明の光学非破壊検査装置及び光学非破壊検査方法は、接合界面にて互いに接合された第1部材と第2部材、あるいは互いの接合界面にて接合部材を挟んで互いに接合された第1部材と第2部材、である計測対象物において、非破壊にて接合状態の良否を判定することができる。
上記のとおり、第1〜第12の実施の形態にて説明した光学非破壊検査装置及び光学非破壊検査方法は、加熱用レーザに応じた信号成分赤外線と、加熱用レーザにかかわらず放射されているベース赤外線と、が含まれている赤外線(計測点から放射される赤外線)に対して、信号成分赤外線のみを取り出して増幅する。従って、加熱用レーザに応じて計測点から放射される信号成分赤外線の強度をより広いレンジで計測することが可能であり、接合状態の判定をより正確に行うことができる。
本発明の光学非破壊検査装置の構成、外観等、及び光学非破壊検査方法の処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態の説明では、第1部材がワイヤ91、第2部材が電極92、ワイヤボンディングにて接合した計測対象物の例を説明したが、第1部材が電子チップ部品、第2部材がプリント基板の電極、ハンダ(接合部材)で接合した計測対象物や、第1部材がボンディングワイヤ、第2部材が半導体のチップフレーム、超音波圧着で接合した計測対象物等、種々の計測対象物に適用することができる。つまり、第1部材の材質、第2部材の材質、接合部材の有無及び接合方法、等に限定されず、種々の計測対象物に対して、接合状態の良否の判定に適用することができる。
加熱用レーザには、赤外線レーザや紫外線レーザや可視光レーザ等、種々のレーザを用いることができる。また、本実施の形態の説明では、位相差検出装置60と判定装置70とを別々の装置で構成した例を説明したが、位相差検出装置と判定装置とを一体化した装置としてもよい。
以上、第1、第3、第7、第11の実施の形態では、1個の赤外線強度検出手段を有する例を説明し、第2、第4、第5、第8、第9、第12の実施の形態では、2個の赤外線強度検出手段を有する例を説明し、第6、第10の実施の形態では、4個の赤外線強度検出手段を有する例を説明した。従って、光学非破壊検査装置は、少なくとも1つの赤外線強度検出手段を有していればよい。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
1、1B〜1H、1J〜1M 光学非破壊検査装置
10 集光手段(対物レンズ)
21 半導体レーザ光源
21A レーザ光源
22 コリメートレンズ
22A ビームスプリッタ
23、23R 加熱レーザ選択反射手段
23A 第1赤外線選択反射手段
23B 第2赤外線選択反射手段
23C 補正用レーザ選択反射手段
24 音響光学変調器
25 変調信号出力手段
27、27A レーザ出力装置
29 補正用レーザ光源
29L コリメートレンズ
31 (第1)赤外線強度検出手段
31A、32A 増幅手段
31A1、32A1 D/Aコンバータ
31A2、32A2 オフセット調整回路
31A3、32A3 センサアンプ
31B、32B 増幅手段(差動増幅器)
31L 集光レンズ
32 (第2)赤外線強度検出手段
32L 集光レンズ
38 (第1)周辺赤外線強度検出手段
38L 集光レンズ
38M (第1)周辺赤外線選択透過手段
39 (第2)周辺赤外線強度検出手段
39L 集光レンズ
39M (第2)周辺赤外線選択透過手段
41、42 レーザ強度検出手段
41A、42A センサアンプ
41L、42L 集光レンズ
43 反射光選択反射手段
50 計測対象物
51 第1部材
52 第2部材
53 ハンダ(接合部材)
60 位相差検出装置
70 判定装置
73、73B レーザヘッド部
75 X軸方向スライドテーブル
75X X軸方向移動手段
76 Y軸方向スライドテーブル
76Y Y軸方向移動手段
77 Z軸方向支持体
77Z Z軸方向移動手段
78 基台
80 通信回線
81 配信装置
90 計測対象物
91 ワイヤ(第1部材)
92 電極(第2部材)
96 接合部
98 基板
H1、H2 判定情報
La 加熱用レーザ
Lp 予備加熱レーザ
P1〜P4 予備加熱点
PA 予備加熱範囲
S 接合部面積
SP 計測点
δ 位相差

Claims (7)

  1. 接合界面にて互いに接合された第1部材と第2部材、あるいは、互いの接合界面にて接合部材を挟んで互いに接合された前記第1部材と前記第2部材、である計測対象物における前記第1部材の表面に設定した計測点に加熱用レーザを照射して、前記計測点から取得される情報である計測点情報、あるいは、前記加熱用レーザに関する情報である加熱用レーザ情報及び前記計測点情報、に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する、光学非破壊検査方法であって、
    前記計測点から放射される赤外線には、前記計測点に照射された前記加熱用レーザに応じた赤外線である信号成分赤外線と、前記計測点への前記加熱用レーザの照射の有無にかかわらず放射されている所定量の赤外線であるベース赤外線と、が含まれており、
    前記加熱用レーザを前記計測点に向けて出射して前記計測点を加熱する加熱用レーザ出射ステップと、
    前記計測点から放射される赤外線の強度から前記ベース赤外線の強度分を差し引いた前記信号成分赤外線の強度を増幅した前記計測点情報を取得する情報取得ステップ、あるいは、前記計測点から放射される赤外線の強度から前記ベース赤外線の強度分を差し引いた前記信号成分赤外線の強度を増幅した前記計測点情報及び前記計測点に照射される前記加熱用レーザの強度を含む前記加熱用レーザ情報を取得する情報取得ステップと、
    前記情報取得ステップにて取得した、前記計測点情報、あるいは、前記計測点情報及び前記加熱用レーザ情報、に基づいた取得関連情報を用いて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する接合状態判定ステップと、
    を有する、
    光学非破壊検査方法。
  2. 請求項1に記載の光学非破壊検査方法であって、
    レーザ出力装置と、レーザ強度検出手段と、赤外線強度検出手段と、位相差検出装置と、判定装置と、を用い、
    前記加熱用レーザ出射ステップでは、
    前記レーザ出力装置から、前記計測点における強度が正弦波状に変化するように前記加熱用レーザを出射し、
    前記情報取得ステップでは、
    前記計測点において正弦波状に変化する前記加熱用レーザの強度に基づいて前記レーザ強度検出手段から出力される前記加熱用レーザ情報であるレーザ強度検出信号を、前記位相差検出装置に取り込み、
    前記計測点から放射されて正弦波状に変化する赤外線の強度に基づいて前記赤外線強度検出手段から出力される赤外線強度検出信号から、前記ベース赤外線の強度に基づいたベース赤外線強度検出信号分を差し引いて、前記信号成分赤外線の強度に基づいた赤外線信号成分強度検出信号を取得し、取得した前記赤外線信号成分強度検出信号を増幅した前記計測点情報である赤外線信号成分強度増幅信号を、前記位相差検出装置に取り込み、
    前記接合状態判定ステップでは、
    前記位相差検出装置にて前記レーザ強度検出信号と前記赤外線信号成分強度増幅信号との位相差を求め、求めた前記位相差を含む前記取得関連情報を前記判定装置に出力して前記判定装置にて前記取得関連情報を取り込み、
    前記判定装置にて、前記取得関連情報に含まれている前記位相差に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する、
    光学非破壊検査方法。
  3. 請求項1に記載の光学非破壊検査方法であって、
    レーザ出力装置と、赤外線強度検出手段と、前記判定装置と、を用い、
    前記加熱用レーザ出射ステップでは、
    前記レーザ出力装置から、前記計測点に向けて、一定の出力強度である加熱強度とされた前記加熱用レーザを出射し、
    前記情報取得ステップでは、
    前記計測点から放射された赤外線の強度に基づいて前記赤外線強度検出手段から出力される赤外線強度検出信号から、前記ベース赤外線の強度に基づいたベース赤外線強度検出信号分を差し引いて、前記信号成分赤外線の強度に基づいた赤外線信号成分強度検出信号を取得し、取得した前記赤外線信号成分強度検出信号を増幅した前記計測点情報である赤外線信号成分強度増幅信号を、前記判定装置に取り込み、
    前記接合状態判定ステップでは、
    前記判定装置にて、前記赤外線信号成分強度増幅信号から求めた前記取得関連情報である前記計測点における温度上昇特性に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する、
    光学非破壊検査方法。
  4. 接合界面にて互いに接合された第1部材と第2部材、あるいは、互いの接合界面にて接合部材を挟んで互いに接合された前記第1部材と前記第2部材、である計測対象物における前記第1部材の表面に設定した計測点に加熱用レーザを照射して、前記計測点から取得される情報、あるいは、前記加熱用レーザに関する情報及び前記計測点から取得される情報、に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する、光学非破壊検査装置であって、
    前記計測点から放射される赤外線には、前記計測点に照射された前記加熱用レーザに応じた赤外線である信号成分赤外線と、前記計測点への前記加熱用レーザの照射の有無にかかわらず放射されている所定量の赤外線であるベース赤外線と、が含まれており、
    前記計測点における強度が正弦波状に変化するように前記加熱用レーザを出射するレーザ出力装置と、
    前記計測点において正弦波状に変化する前記加熱用レーザの強度を検出してレーザ強度検出信号を出力するレーザ強度検出手段と、
    前記計測点から放射された赤外線の強度を検出して赤外線強度検出信号を出力する赤外線強度検出手段と、
    前記ベース赤外線の強度に応じたベース赤外線強度検出信号を取得するベース赤外線強度検出手段と、
    前記赤外線強度検出信号から、前記ベース赤外線強度検出信号分を差し引いて、前記信号成分赤外線の強度に基づいた赤外線信号成分強度検出信号を取得し、取得した前記赤外線信号成分強度検出信号を増幅した赤外線信号成分強度増幅信号を出力する増幅手段と、
    前記レーザ強度検出信号と前記赤外線信号成分強度増幅信号とを取り込んで、正弦波状に変化する前記レーザ強度検出信号と、正弦波状に変化する前記赤外線信号成分強度増幅信号と、の位相差を検出して検出した前記位相差を含む取得関連情報を判定装置に出力する位相差検出装置と、
    前記レーザ出力装置を制御するとともに前記位相差検出装置から入力された前記取得関連情報に含まれている前記位相差に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する前記判定装置と、
    を有する、
    光学非破壊検査装置。
  5. 接合界面にて互いに接合された第1部材と第2部材、あるいは、互いの接合界面にて接合部材を挟んで互いに接合された前記第1部材と前記第2部材、である計測対象物における前記第1部材の表面に設定した計測点に加熱用レーザを照射して、前記計測点から取得される情報に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する、光学非破壊検査装置であって、
    前記計測点から放射される赤外線には、前記計測点に照射された前記加熱用レーザに応じた赤外線である信号成分赤外線と、前記計測点への前記加熱用レーザの照射の有無にかかわらず放射されている所定量の赤外線であるベース赤外線と、が含まれており、
    前記計測点に向けて、一定の出力強度である加熱強度とされた前記加熱用レーザを出射するレーザ出力装置と、
    前記計測点から放射された赤外線の強度を検出して赤外線強度検出信号を出力する少なくとも1つの赤外線強度検出手段と、
    前記ベース赤外線の強度に応じたベース赤外線強度検出信号を取得するベース赤外線強度検出手段と、
    それぞれの前記赤外線強度検出手段に対応させたそれぞれの増幅手段であって、対応するそれぞれの前記赤外線強度検出手段から出力されたそれぞれの前記赤外線強度検出信号から、前記ベース赤外線強度検出信号分を差し引いて、前記信号成分赤外線の強度に基づいたそれぞれの赤外線信号成分強度検出信号を取得し、取得したそれぞれの前記赤外線信号成分強度検出信号を増幅したそれぞれの赤外線信号成分強度増幅信号を出力するそれぞれの前記増幅手段と、
    前記レーザ出力装置を制御するとともにそれぞれの前記赤外線信号成分強度増幅信号に基づいて求めた前記計測点の温度上昇特性に基づいて、前記接合界面における接合部の接合状態を判定する判定装置と、
    を有する、
    光学非破壊検査装置。
  6. 請求項4または5に記載の光学非破壊検査装置であって、
    前記増幅手段は、
    前記赤外線強度検出信号が入力される信号入力部と、
    前記信号入力部に入力された前記赤外線強度検出信号のオフセット量を調整するオフセット信号が入力されるオフセット入力部と、
    前記オフセット入力部に入力された前記オフセット信号に基づいて、前記信号入力部に入力された前記赤外線強度検出信号のオフセット量を調整した信号を増幅して出力する信号出力部と、
    を有し、
    前記判定装置は、
    前記加熱用レーザが照射されていない場合における前記赤外線強度検出手段を前記ベース赤外線強度検出手段として用い、当該ベース赤外線強度検出手段からの前記赤外線強度検出信号に基づいて前記ベース赤外線の強度を求め、
    求めた前記ベース赤外線の強度に基づいた前記ベース赤外線強度検出信号分を差し引くための前記オフセット信号を生成するオフセット調整信号を、前記増幅手段に出力する、
    光学非破壊検査装置。
  7. 請求項4または5に記載の光学非破壊検査装置であって、
    前記計測点から放射される赤外線とは異なる周辺赤外線である前記ベース赤外線の強度に基づいた前記ベース赤外線強度検出信号を出力する周辺赤外線強度検出手段を備え、当該周辺赤外線強度検出手段を前記ベース赤外線強度検出手段として用い、
    前記増幅手段は、
    前記赤外線強度検出信号と、前記周辺赤外線強度検出手段からの前記ベース赤外線強度検出信号と、が入力されて、前記赤外線強度検出信号と前記ベース赤外線強度検出信号との差分を増幅する差動増幅器である、
    光学非破壊検査装置。
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