JP2021021664A - エレベータ用ワイヤロープの速度検出装置、エレベータ用ワイヤロープの速度検出方法 - Google Patents

エレベータ用ワイヤロープの速度検出装置、エレベータ用ワイヤロープの速度検出方法 Download PDF

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【課題】ロープ撮影画像の補正に用いるロープ速度検出の低コスト化を図る。【解決手段】ラインセンサカメラ13はロープRの撮影範囲Pを撮影し、撮影画像を計測装置12に出力する。計測装置12の画像処理部16は、ラインセンサカメラ13の撮影画像に二値化処理を施してロープRの輪郭を検出する。波形処理部17は、画像処理部16の検出結果に基づきロープ径の山谷を時間ごとの周波数分布に変換してロープ速度を検出する。画像・測定値補正部18は、ロープ速度およびロープRの最高速度を用いて、撮影画像の摩耗箇所に画像補正を施す。【選択図】図1

Description

本発明は、エレベータ用ワイヤロープを撮影した撮影画像に基づき非接触でロープ素線の摩耗痕・素線切れを検査する際、事前に撮影画像からロープ速度を検出して撮影画像を補正する技術に関する。
周知のようにエレベータ装置は、複数本のワイヤロープを介してかごとカウンタウェイトとが連結され、ワイヤロープが巻き掛けられた駆動シーブを回転駆動させることにより、かごが昇降する構成からなる。このワイヤロープを非接触で検査する技術としては特許文献1〜4が公知となっている。
特許文献1には、エレベータ用ワイヤロープの素線切れの状況を事前に検査することにより、ロープの素線切れからストランド破断事故に至らないようにする「エレベータ用ワイヤロープ検査装置及びその方法」の発明が記載されている。
特許文献2には、撮像されたワイヤロープの映像からワイヤロープ状態の解析を行う「ワイヤロープ検査装置」の発明が記載されている。特許文献3には、レーザ光とカメラを併用する「エレベータ用ロープの変形検出装置」の発明が記載されている。特許文献4には、ワイヤロープを連続撮影し、撮影画像とワイヤロープ位置との対応付けを行う「ワイヤロープ検査装置」の発明が記載されている。
特開2009−12903号公報 国際公開第2013/145823号 特開2009−57126 特開2011−107056号公報 特開2015−113182号公報 特開2017−30380号公報
(1)しかしながら、特許文献1の発明は、ワイヤロープの素線切れの状況を事前に検査することにより、ロープの素線切れからストランド破断事故に至らないようにしているが、連続的なロープ画像テクスチャの計測方法が不明である。
特許文献2の発明は、撮像されたワイヤロープの映像からその状態解析を行っているものの、撮影するロープ画像のテクスチャが常に一定であることを前提としており、ロープ表面の摩耗量の計測は行っていない。
特許文献3の発明は、レーザ光とカメラを併用するが摩耗量の計測は行われていない。特許文献4は、ワイヤロープを連続撮影して撮像画像とワイヤロープ位置との対応づけを行うが、摩耗量の計測を行わない。
(2)そこで、ワイヤロープの撮影画像からロープ素線の表面摩耗を計測し、次にその情報を用いてワイヤロープの素線破断計測を行うことで、事前のデータ取得が必要のない素線破断を検査する手法が提案されている。この手法によれば、入力された外部信号(ロープ動き出しトリガ・ロープ速度信号)に基づき撮影画像が補正される。
ところが、前記手法は、外部からロープ速度信号を取得する必要があるため、既設のエレベータコントローラなどから速度信号を取得する設備を設置し、かつ速度信号線を新規に敷設しなければならず、設置費用が高騰するおそれある。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、ロープ撮影画像の補正に用いるロープ速度検出の低コスト化を解決課題としている。
(1)本発明の一態様は、エレベータ用ワイヤロープの撮影画像に基づき前記ワイヤロープのロープ速度を検出し、検出された前記ロープ速度に基づき前記撮影画像を補正する速度検出装置であって、
前記撮影画像に基づき前記ワイヤロープの輪郭を検出する画像処理部と、
前記画像処理部の検出結果に基づき前記ワイヤロープのロープ径の山谷を時間ごとの周波数分布に変換する波形処理を実行して前記ロープ速度を検出する波形処理部と、
を備えることを特徴としている。
(2)本発明の他の態様は、エレベータ用ワイヤロープの撮影画像に基づき前記ワイヤロープのロープ速度を検出し、検出された前記ロープ速度に基づき前記撮影画像を補正する装置の実行する方法であって、
前記撮影画像に基づき前記ワイヤロープの輪郭を検出する画像処理ステップと、
前記画像処理ステップの検出結果に基づき前記ワイヤロープのロープ径の山谷を時間ごとの周波数分布に変換する波形処理を実行して前記ロープ速度を検出する波形処理ステップと、
を有することを特徴としている。
本発明によれば、ロープ撮影画像の補正に用いるロープ速度検出の低コスト化を図ることができる。
実施例1の装置構成を示す概略図。 同 処理ステップを示すフローチャート。 同 二値化処理後の撮影画像。 同 ロープ径グラフ。 同 周波数毎の主成分を濃淡値に変換した結果を示すロープ速度のグラフ。 同 図5中のy方向に最も濃い箇所を探索した結果を示すロープ速度のグラフ。 画像・測定値補正前のロープ撮影画像。 画像・測定値補正後のロープ撮影画像。 実施例3の装置構成を示す概略図。 同 動き出し検知の処理ステップを示すフローチャート。 実施例4の処理ステップを示すフローチャート。 実施例5の過去データ例。 エレベータ用ワイヤロープの検査システムの構成を示す概略図。 (a)はラベリング処理前のロープ撮影画像、(b)はラベリング処理後のロープ撮影画像。
以下、本発明の実施形態に係るエレベータ用ワイヤロープの速度検出装置を説明する。この速度検出装置は、図13に示すエレベータ用ワイヤロープの検査システム1に使用されている。
前記検査システム1は、前述のように撮影画像からロープ素線の表面摩耗を計測し、続いてその情報を用いてワイヤロープの素線破断計測を行うことで、事前のデータ取得が必要のない素線破断の検査技術を提供する。具体的には計測装置2にエレベータコントローラやインバータ装置などから外部信号(ロープ動き出しトリガ・ロープ速度信号)が入力される。また、計測装置2は、外部入力されたロープ速度信号を用いて、ラインセンサカメラ5で撮影したワイヤロープR(エレベータロープ:以下、ロープRと省略する。)の撮影画像中の摩耗痕を補正し、補正後の撮影画像に基づきロープ素線の破断を判定している。
破断の判定方法としては、まず二値化後の撮影画像データに存在する摩耗箇所に対してラベリング処理を実行する。例えば図14(a)の二値化後の撮影画像データにラベルリング処理を実行し、図14(b)の撮影画像データを取得する。ここでは各摩耗箇所の摩耗痕に順に「ラベル1,ラベル2,ラベル3,...」などの連続番号が付されている。各ラベルには摩耗痕の重心の位置を示す座標とともに摩耗領域を記録する。この領域の広さは摩耗量を示すものである。
つぎにラベル間の距離を計測し、距離の値が一定の閾値未満であれば破断と検出する一方、ラベル間の距離が一定の閾値以上離れていれば摩耗痕として検出する。例えばラベル2,3の間の距離が一定の閾値未満であればラベル2,3間の隙間が破断と判定される。一方、ラベル2,3間の隙間が一定の閾値以上であれば破断ではなく、ラベル2,3を摩耗痕と判断する。
このような前記検査システム1において、前記速度検出装置は前記検査システムの画像補正時に使用されるロープ速度を撮影画像から算出することで外部信号の入力を不要としている。以下、前記速度検出装置を実施例1〜5に基づき説明する。
≪装置構成例≫
図1に基づき実施例1の装置構成例を説明する。図1中の11は、前記速度検出装置を利用した前記検査システム1を示している。ここでは1台または複数台の撮影装置13と照明14とをロープRに向けて撮影する。
この撮影されたロープ画像が入力される計測装置12に前記速度検出装置が適用されている。すなわち、計測装置12は、ロープRの撮影画像に基づきSTFT(short−time Fourier tranform:短時間周波数変換)を実行することでロープ速度を測定し、その後にロープ検査を実行する。
ロープRは、芯綱周りに1又は複数のストランドを螺旋状に巻き付けて構成され、各ストランドは複数の素線を備えている。図1は撮影装置13によりロープRの撮影範囲(撮影位置)Pを撮影する状態を示し、撮影範囲Pとしては図示省略の巻上機付近が好ましい。
撮影装置13は、ラインセンサカメラにより構成されている(以下、撮影装置13をラインセンサカメラ13と称する。)。このラインセンサカメラ13は、多数の画素(ピクセル)を一列(1ライン)に配置した高速に撮影可能な撮影装置であってライン方向はロープRの太さ方向(径方向)となる水平方向である。
また、ラインセンサカメラ13は、撮影範囲Pを通過するロープRを連続的に撮影し、1ラインの画像を時系列に合成し、合成した撮影画像を計測装置12に出力する。ラインセンサカメラ13で連続撮影された1ラインの画像は1次元であるが、1ラインの画像を時系列に合成した撮影画像は2次元となる。この時系列的な合成は計測装置12側で実行してもよいものとする。
図1中では1本のロープRのみが表されているが、複数本のロープRをラインセンサカメラ13で撮影した撮影画像に対しても計測装置12が画像処理を実行することができる。また、高速に撮影可能なラインセンサカメラ13を用いることで、エレベータ高速昇降時においても画像撮影が可能となる。
計測装置12は、コンピュータにより構成され、通常のコンピュータのハードウェアリソース(例えばCPU,RAMやROMなどの主記憶装置,HDDやSSDなどの補助記憶装置)を備える。このハードウェアリソースとソフトウェアリソース(OS,アプリケーションなど)との協働の結果、図1に示すように、計測装置12は、画像入力部15,画像処理部16,波形処理部17,画像・測定値補正部18,画像収録部19を実装する。この各部15〜19により前記速度検出装置が実現されている。
ここでは計測装置12は、ラインセンサカメラ13と無線/有線によりデータ送受信自在に接続され、これにより画像入力部15を通じてラインセンサカメラ13の撮影画像データの取り込みが可能となっている。なお、画像収録部19は前記記憶装置に構築され、取り込まれた撮影画像データ/前記補正部18の補正後の撮影画像データなどが収録される。
≪ロープ速度検出の処理内容≫
図2に基づき計測装置12の実行するロープ速度検出(S01〜S05)を説明する。ここでは計測装置12が、ラインセンサカメラ13の撮影画像に対してオフラインでS01〜S05の処理を実行するものとする。
S01:処理が開始されると、ラインセンサカメラ13でロープRの撮影範囲Pを連続撮影した撮影画像データが画像入力部15に入力され、画像収録部19に一時記憶される。
S02:画像処理部16は、S01で取り込まれた撮影画像データを二値化処理し、ロープRの輪郭を検出する。図3は二値化処理後の撮影画像データの一例を示し、上下方向(時間t)が時系列方向であるロープRの長さ方向を示し、横方向がロープRの径方向を示し、ロープRの表面には摩耗で表面が削れて白く見える箇所(A,B)が検出されている。
ロープ表面は、螺旋状に巻き付けられたストランドによる規則的な凹凸状を呈し、凸部分は凹部分に比較して摩耗の進行が早く、摩耗箇所の大部分は凸部分と考えられる。ストランドを構成する素線に破断が生じている箇所は、破断した部分を中心にしてその上下に摩耗部が生じると考えられる。この破断した部分の表面が凹となることから、金属反射が生じず、摩耗部より表面の削れた部分に比較して暗く撮影されるためである。
例えば図3中のBは、二つの摩耗部の隙間が暗く撮影されていることから、ロープ素線の破断が生じている可能性がある。そこで、図3中では、Aをロープ摩耗痕箇所と表し、Bをロープ素線破断個所と表している。ただし、ロープ速度検出の段階(S01〜S05)では、ロープ素線の破断検出は行われていないため、それぞれ便宜上の表現とする。なお、二値化処理後の撮影画像データは画像収録部19に収録され、S05の補正時に使用される。
また、図3の撮影画像データ中、ロープRの輪郭は山谷状のロープ径として計測することができる。ここで計測されたロープ径は、図4のロープ径グラフとして表すことができる。
図4のロープ径グラフによれば、ロープ停止区間のロープ径Wは一定である一方、加速期間(t1,t2など)のロープ径に山谷が現れている。ここでロープ停止区間(停止階)は、図示省略のロータリーエンコーダの検出情報(駆動シーブの回転量・ロープRの移動量)に基づき判定でき、ロープ径の山谷がロープ径グラフに現れることでロープの動き出しを検出することができる。
なお、図3では1本のロープRが撮影画像データに写っているものの、通常は複数本のロープRがあり、画像入力部15に入力された撮影画像データには複数本のロープRが写っている。したがって、複数のロープRのロープ径が計測され、図4のロープ径グラフも複数のロープ毎に作成される。
S03:波形処理部17は、STFT変換を実行し、図4のロープ径グラフから図5のグラフに変換する波形処理を実行する。このSTFT変換は、時間ごとに周波数分布を抽出する。
すなわち、図4のロープ径グラフに示すロープ径の山谷は正弦波の波形で測定できるので、STFTで図5の各時間tにおける周波数ごとの修正分を濃淡値に変換し、続いて図5中の各t時間ごとに周波数(ω)のy方向に最も濃い箇所を探索する。このとき図5中の周波数(ω)は、ロープ速度に対応するので、図6中の実線Sに示すロープ速度が検出でき、この点で計測装置12はロープRの速度検出装置として機能する。この実線Sのロープ速度を測定速度と呼ぶ。
S04:ロープRの撮影が終了した否かを確認し、終了してなければS01に戻って次にラインのS01〜S03の処理を続行する。一方、終了していればS05に進む。
S05:ロープRへの指令速度と実際の応答速度とに差のある場合、特に加減速時においては、図7中のP1,P2に示すように、ロープ径の山谷のピッチに差異が生じてしまう。これによりラインセンサカメラ13の撮像画像において、実寸の摩耗痕長や素線破断長に対して間延びまたは縮まって撮影され、実寸長と異なるおそれがある。
そこで、前記補正部18は、S05で検出されたロープ速度に基づきS02の二値化処理後の撮影画像データについて測定値補正を実行する。ここでは一例として図7に示すロープ摩耗痕箇所A1の摩耗痕長aとロープ素線破断個所B1の素線破断長bとを、それぞれ図8の摩耗痕長a´と素線破断長b´とに補正する処理例を説明する。なお、ロープ摩耗痕箇所Aの摩耗痕長a,a´およびロープ素線破断個所Bの素線破断長b,b´の表現は、図3と同様に破断検出前における便宜上の表現とする。
具体的な補正方法としては、図5で得られた速度「V1,V2」と検出した最高速度「Vmax」とを用いて式(1)(2)により補正計算する。
式(1):摩耗痕長a´=(Vmax/V1)a
式(2):素線破断長b´=(Vmax/V2)b
ただし、前記補正部18は、「測定値補正」に代わりに図7の撮影画像を図8の撮影画像にリサイズ(画像補正)後、摩耗痕長「a´」・素線破断長「b´」を求めてもよい。
例えば図7の上半分を(Vmax/V1),下半分を(Vmax/V2)としてt1方向・t2方向のみでリサイズし、図8の撮影画像を取得する。その後、S02〜S05(測定値補正)を実行し、摩耗痕長a´・素線破断長b´を取得する。この測定値補正後の撮影画像を画像収録部19に収録し、速度検出の処理を終了する。
ここで画像収録部19に収録された補正後の撮影画像データに基づき計測装置12の画像処理部16が、計測装置2と同様の手法でロープ破断を判定する。このような速度検出処理(S01〜S06)により、次の効果(A)〜(C)を得ることができる。
(A)ラインセンサカメラ13の撮影画像に対する画像処理だけでロープ速度が検出されるため(S03)、図13に示すロープ速度信号を用いることなく、摩耗箇所の補正を施すことが可能となる(S05)。
これによりエレベータのインバータ装置・エレベータコントローラなどからロープ速度信号を取得する設備や速度信号線の敷設が不要となり、計測装置12の単独で速度検出および破断検出できる利点を有する。
そうすると計測装置12はロープRの検査時だけ設置して検査後に撤去する架設として導入することが可能である。この点で検査システムが簡便化し、導入コストを大幅に低減することができる。
(B)図13の計測装置2は、外部入力のロープ速度信号に基づき撮影画像の摩耗痕長および素線破断長を補正している。このロープ速度信号が時間遅れを含む不正確な場合には摩耗痕長や素線破断長に誤差が生じるおそれがある。
これに対して計測装置12は、摩耗痕長や素線破断長を撮影した撮影画像そのものからロープ速度が抽出される。(S01〜S03)。したがって、抽出されたロープ速度信号に時間遅れなどは無く、この点で摩耗痕長や素線破断長を正確に補正することができ、破断検出の精度を向上させることができる。
(C)S03の波形処理は、正弦波状で測定されるロープ径の山谷をSTFTで変換して第1主成分の周波数だけを検出する。STFTは、第2主成分以降はノイズに埋もれやすいが、第1主成分はロバストに検出できるため、外乱に強いロープ速度検出が可能となる利点を有する。
実施例2は、実施例1と略同じ装置構成からなる。ただし、実施例2では、実施例1の波形処理(S03)で使用したSTFT(短時間周波数変換)の代わりにウエーブレット変換(wavelet transformation)を使用する点で相違する。
STFTは、短時間の観測信号から主成分の周波数を抽出するのか不得意である。これに対してウエーブレット変換は、短時間の観測信号でも周波数成分の抽出精度が良い利点がある。その結果、実施例2の前記検査システム11によれば、ロープの低速域(特に動き出しおよび停止間際)でのロープ速度の検出性能が向上する。
図9および図10に基づき実施例3を説明する。ここでは実施例1,2の構成に動き出し検知部20が追加されている。前述のように図13の前記検査システム1は、基本的に外部信号(ロープ動き出しトリガ・ロープ速度信号)を入力とし、ロープ動き出しトリガに応じてラインセンサカメラ5が撮影を開始する。
しかしながら、エレベータの設置場所によっては設備が古く、エレベータコントローラなどが外部出力を持たない場合もありうる。そのため、作業員が動き出しを目視し、計測装置2の開始操作を行う必要があった。
この点につき特許文献5,6の発明では、エリアカメラによるフレーム間差分を利用して動き出しを検知しているものの、比較対象となる画素数が増加することから、計算コストが高く、また動き出し検知から撮影開始トリガを出力するまでのリアルタイム性を要求される場合には実現が難しい。
そこで、実施例3の前記検査システム11は、図9に示すように、動き出し検知部20を設けることで1台もしくは複数台のラインセンサカメラ13から取得した撮影画像データに基づきロープRの動き出しを検知し、計測装置12に動き出し開始トリガ(撮影開始トリガ信号)を出力する。
図10に基づき本実施例の処理内容を説明する。まず、処理が開始されると、ラインセンサカメラ13は常にロープRの撮影範囲Pを撮影し続ける(S21)。このときラインセンサカメラ13は、撮影画像データを保存しないものとする。
つぎに動き出し検知部20では任意のライン画像を作成し、ライン画像間の輝度値の差分を算出する(S22)。この差分値が閾値を越えているか否かを判定し(S23)、閾値を越えていなければS22に戻って次のライン画像ついてSS22以降の処理を再開する。一方、閾値を越えていればS24に進んで、動き出し検知部20のトリガ発信部が、計測装置12のトリガ受信部に動き出し開始トリガを出力する(S25)。
また、計測装置12は、前記トリガ受信部に動き出し開始トリガが入力されているか否かを確認する(S26)。確認の結果、動き出し開始トリガが無ければ、その入力まで計測装置12の処理を待機させる。一方、動き出し開始トリガが有れば、計測装置12のS01〜S06の処理を実行し(S27)、その後に本実施例の処理を終了する。
本実施例によれば、処理内容が単純で画素数が少なくて済むため、リアルタイムの処理が可能であり、またライン間のサイクリック処理のため、長期間のスタンバイ状態におけるメモリのオーバーフローが生じない。これにより外部信号による動き出し開始トリガを必要とすることなく、計測装置12のスタンドアローンでの自動計測が可能となる。
図11に基づき実施例4を説明する。実施例4は、実施例1,2と略同じ装置構成であるが、速度検出の処理ステップが相違する。
実施例3は、ラインセンサカメラ13の撮影画像中の輝度値の変動、即ち輝度値の差分が閾値を越えればロープRの動き出しを検知している。しかしながら、停止中のロープRの動き出しの際、ロープRが動き出す箇所は微かな動きにすぎなく、画像中の濃淡値の変化が微小で輝度値の変化が緩やかなことから、その検出が困難な場合がある。
これに対して実施例4では、輝度値の変動ではなく、図11に示すように、S01〜S05の実行後にS06(動き出し補正)を追加的に実行する。詳細を説明すれば、図6中の指令速度S1は、中央の一定速度の部分r1,起動後の傾斜部分r2,停止までの傾斜部分r3の速度プロファイルで構成されている。
また、計測装置12で測定した測定速度Sとエレベータの指令速度S1とは、略同じ形を呈しているものの、時間t方向のズレは多発する。そこで、S06において、図6中の指令速度S1を測定速度Sに当てはめて、動き出し箇所および停止箇所を特定する補正を実行する。
この補正によれば、実施例3のようにリアルタイムでの処理には向かないものの、事後的なオフライン処理時に画像中でロープRの動き出し箇所(位置)と停止箇所(位置)とを正確に把握でき、摩耗痕長および素線破断長を正しく測定できる効果が得られる。
実施例5は、実施例1〜4と略同じ装置構成からなり、過去のデータと現在のデータとを比較可能な点で相違する。ここでは実施例1〜4で測定したロープ径・素線破断長・y方向の摩耗長などを計測装置12の前記記憶装置に蓄積しておくものとする。
図12は、前記記憶装置に蓄積されたロープ径の過去データ例を示している。ここでは過去データ1〜3毎にロープRの動き出し箇所および停止箇所が異なることが示されている。
このとき過去データ1〜3を時間軸で移動・伸縮させることで動き出し箇所および停止箇所を現在データと一致させることできる。これにより過去データ1〜3のロープ径と過去データ1〜3のロープ径とを同一地点で比較可能となり、この点をロープRの劣化診断に利用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、システム構成などは各請求項に記載された範囲内で変形して実施することができる。例えば実施例3の動き出し検知部20は、計測装置12にアプリケーションとして実装してもよいものとする。
11…エレベータ用ワイヤの検査システム
12…計測装置(エレベータ用ワイヤロープの速度検出装置)
13…ラインセンサカメラ
14…照明
15…画像入力部
16…画像処理部
17…波形処理部
18…画像・測定値補正部
19…画像収録部
20…動き出し検知部
R…ロープ(ワイヤロープ)

Claims (9)

  1. エレベータ用ワイヤロープの撮影画像に基づき前記ワイヤロープのロープ速度を検出し、検出された前記ロープ速度に基づき前記撮影画像を補正する速度検出装置であって、
    前記撮影画像に基づき前記ワイヤロープの輪郭を検出する画像処理部と、
    前記画像処理部の検出結果に基づき前記ワイヤロープのロープ径の山谷を時間ごとの周波数分布に変換する波形処理を実行して前記ロープ速度を検出する波形処理部と、
    を備えることを特徴とするエレベータ用ワイヤロープの速度検出装置。
  2. 前記画像処理部における前記輪郭の検出の際に前記撮影画像に二値化処理を施すことで前記ワイヤロープの摩耗箇所が検出され、
    前記波形処理で検出された前記ロープ速度および前記ワイヤロープの最高速度を用いて、前記摩耗箇所を補正する補正部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ワイヤロープの速度検出装置。
  3. 前記補正部は、前記ロープ速度および前記最高速度を用いて前記撮影画像をリサイズし、
    前記リサイズ後に前記補正を実行することを特徴とする請求項2記載のエレベータ用ワイヤロープの速度検出装置。
  4. 前記波形処理は、短時間フーリエ変換であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレベータ用ワイヤロープの速度検出装置。
  5. 前記波形処理は、ウエーブレット変換であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレベータ用ワイヤロープの速度検出装置。
  6. 前記検出された前記ロープ速度にエレベータの指令速度を対応させて、
    前記ワイヤロープの動き出し位置と停止位置とを特定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエレベータ用ワイヤロープの速度検出装置。
  7. 前記二値化処理後に検出された前記ワイヤロープのロープ径または摩耗箇所のデータを過去のデータと比較可能なことを特徴とする請求項2記載のエレベータ用ワイヤロープの速度検出装置。
  8. 前記撮影画像間の輝度値の差分を求め、
    前記差分が閾値を越えたときに前記ワイヤロープの動き出しを検知することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のエレベータ用ワイヤロープの速度検出装置。
  9. エレベータ用ワイヤロープの撮影画像に基づき前記ワイヤロープのロープ速度を検出し、検出された前記ロープ速度に基づき前記撮影画像を補正する装置の実行する方法であって、
    前記撮影画像に基づき前記ワイヤロープの輪郭を検出する画像処理ステップと、
    前記画像処理ステップの検出結果に基づき前記ワイヤロープのロープ径の山谷を時間ごとの周波数分布に変換する波形処理を実行して前記ロープ速度を検出する波形処理ステップと、
    を有することを特徴とするエレベータ用ワイヤロープの速度検出方法。
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