JP2021021067A - ポリオレフィン微多孔膜、及び非水電解液二次電池 - Google Patents

ポリオレフィン微多孔膜、及び非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、従来よりも優れた出力特性と強度、収縮率を有するポリオレフィン微多孔膜を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、105℃/8hのMD方向の収縮率が10%未満であり、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により得られる表面SEM観察画像11.7μm×9.4μmの長方形状の視野を縦横それぞれ0.5μm画に分割し、R2≧R1の関係を満たす区画中の樹脂面積の総和(表面の未開孔部)が、前記表面SEM観察画像11.7μm×9.4μmにおいて20μm2以下であり、 フィブリル径が10〜50nmであるポリオレフィン微多孔膜に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、物質の分離、選択透過等に用いられる分離膜、及びアルカリ電池、リチウム二次電池、燃料電池、コンデンサー等電気化学反応装置の隔離材等として広く使用されているポリオレフィン微多孔膜(多孔性ポリオレフィンフィルムともいう)に関する。特に本発明は、リチウムイオン電池等の非水電解液二次電池用セパレータとして好適に使用されるポリオレフィン微多孔膜であり、従来のポリオレフィン微多孔膜に比べ優れた電池特性を発揮するとともに、高い安全性を有するセパレータとして用いられる。
ポリオレフィン微多孔膜は、フィルター、燃料電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ等として用いられている。特にノート型パーソナルコンピュータや携帯電話、デジタルカメラ等に広く使用さるリチウムイオン電池等の非水電解液二次電池用のセパレータとして好適に使用されている。その理由は、ポリオレフィン微多孔膜が優れた機械強度やシャットダウン特性、イオン透過性能を有していることが挙げられる。
特に、近年リチウムイオン二次電池は車載用途で使用されるため、充電時間の短縮や加速性の向上が必要であり、電池の要求特性として急速充電(大電流充電)や消費電力増加(大電流放電)が求められる。それに伴いセパレータの要求事項として出力特性の改善も一層高いものとなってきている。
また、自動車の航続距離増加に伴い電池の高容量化が進み、セパレータの薄膜化が一層求められている。しかし、セパレータを薄膜化すると強度が低下するため、電極や異物による短絡(耐異物性)や電池が衝撃を受けた際に破膜(耐衝撃性の低下)が起こりやすく、電池の安全性が低下する。そのため、従来よりもさらなる高強度が求められる。加えて、高いエネルギーを有する電池においては、セパレータが有するシャットダウン機能により電気化学反応の進行をストップさせても電池内の温度が上昇し続け、その結果、セパレータが熱収縮して破膜し、両極が短絡(ショート)するという問題がある。そのため、セパレータには高強度、低収縮率、及び高出力特性の並立が求められる。
出力特性を改善する手法として、特許文献1にはポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)をブレンドし空孔率を増加させ孔数と孔径と曲路率を制御しイオン伝導性を改善する手法が開示されている。
特許文献2には表面と内部の孔構造を制御し、電解液含浸性向上させ出力特性の改善する手法が開示されている。
特許文献3には単位体積当たりの空隙率の変動率を制御し、均一な孔構造を形成することで、出力特性とサイクル特性を改善する手法が開示されている。
特許文献4には微多孔膜の繊維径(フィブリル径)を微細化し出力特性を改善する手法が開示されている。
また、高強度化の手法として、通常延伸倍率を上げるまたは樹脂濃度を増加する、高分子量の原料を用いるといった手法がとられる。特許文献5には強度と収縮特性とを両立する手法として分子量28万のポリエチレンと分子量200万のポリエチレンをブレンドし、樹脂濃度32wt%の条件でMD方向に7.0倍、TD方向に6.4倍延伸し洗浄乾燥後に1.2倍(面積倍率54倍)に延伸する手法が記載されている。
また、特許文献6および7には高分子量ポリエチレンを6.4×6.0倍(面積倍率38.4倍)に延伸し、繊維構造(フィブリル構造)に含まれる結晶部の割合を制御することで、イオン透過性、強度及びシャットダウン特性を並立する手法が開示されている。
特開2017−140840号公報 特開2012−48987号公報 特開2016−191069号公報 特開2014−15697号公報 特開2006−124652号公報 特開2018−147885号公報 特開2018−147690号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているような従来の微多孔膜は、出力特性を改善するために空孔率を増加し、孔数および貫通孔を増加するといった孔構造を制御する必要があるため、十分な強度が得られず、車載用途等に求められる高い出力特性と強度の両立に対して不十分であった。
特許文献4に記載されるフィブリル径を微細化する手法においても、空孔率が70%と非常に高く、強度との両立に課題があると考えられる。
特許文献5〜7には、強度と収縮率や強度と出力特性電池のバランスを改善する手法が記載されているが、電池の高容量化に伴うセパレータの薄膜、高強度、低収縮率、及び高出力特性を並立するという観点において十分ではなかった。
上記事情に鑑み、本発明は、従来よりも優れた出力特性と強度、収縮率を有するポリオレフィン微多孔膜を提供することを目的とする。
そこで本発明者らは、樹脂成分で構成される繊維状の網目構造を備えるセパレータの塊状部(以下、未開孔部と称し、延伸によりフィブリル化していない未延伸部や熱処理工程においてフィブリルが融着した構造等を表す)と抵抗値および高出力放電時の容量維持率との関係に着目した。その結果、セパレータの未開孔部の面積を低減することで、従来技術に比べ出力特性と強度、収縮率に優れたポリオレフィン微多孔膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の構成を採用する。
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜は、105℃/8hのMD方向の収縮率が10%未満であり、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により得られる表面SEM観察画像11.7μm×9.4μmの長方形状の視野を縦横それぞれ0.5μm画に分割し、R2≧R1の関係を満たす区画中の樹脂面積の総和(表面の未開孔部)が、前記表面SEM観察画像11.7μm×9.4μmにおいて20μm以下であり、フィブリル径が10〜50nmであることを特徴とする。
ここで表面の未開孔部とは、分割した1区画内のフィブリル総長さを0.875μmとし、フィブリル総長さにパームポロメータにより算出したフィブリル径を乗じたフィブリルの面積(F1)と孔面積(P1)の比(F1/P1)をR1、
前記分割した区画それぞれにおける樹脂面積(F2)と孔面積(P2)の比(F2/P2)をR2とし、
R2≧R1の関係を満たす各区画中の樹脂面積の総和のことをいう。
本発明の実施形態は、未開孔部の少ないポリオレフィン微多孔膜を用いることで、従来のポリオレフィン微多孔膜と比較してイオン抵抗、強度、及び収縮率に優れるため、高出力での容量維持率に優れるとともに高い安全性を有したポリオレフィン微多孔膜が得られる。
本発明の実施形態にかかる未開孔部の少ないポリオレフィン微多孔膜は、イオン抵抗、強度、及び収縮率に優れているため、電池用のセパレータとして有用であり、優れた安全性と出力特性を有している。本発明は後述するフィブリル構造(フィブリル径と未開孔部の面積)を満足させることにより実現できる。
すなわち、本発明は網目状のフィブリル構造からなるポリオレフィン微多孔膜を電池用セパレータとして用いた場合の電池の出力特性と安全性との両立という課題に対し検討した結果、ポリオレフィン微多孔膜に含まれる未開孔部がイオンの透過を妨げ抵抗が増加するとともに、強度の低下や収縮率の増加につながること突き止め、未開孔部の面積が小さい均一な微細フィブリル構造からなるポリオレフィン微多孔膜を用いることで、従来トレードオフの関係にあった電池の出力特性と安全性の両立につながることを見出したものである。
以下、本発明についてさらに詳述する。
[1]ポリオレフィン微多孔膜
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜は、105℃/8hのMD方向の収縮率が10%未満であり、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により得られる表面SEM観察画像11.7μm×9.4μmの長方形状の視野を縦横それぞれ0.5μm画に分割し、R2≧R1の関係を満たす区画中の樹脂面積の総和(表面の未開孔部)が、前記表面SEM観察画像11.7μm×9.4μmにおいて20μm以下であり、 フィブリル径が10〜50nmである。
ここで表面の未開孔部とは、分割した1区画内のフィブリル総長さを0.875μmとし、フィブリル総長さにパームポロメータにより算出したフィブリル径を乗じたフィブリルの面積(F1)と孔面積(P1)の比(F1/P1)をR1、
前記分割した区画それぞれにおける樹脂面積(F2)と孔面積(P2)の比(F2/P2)をR2とし、
R2≧R1の関係を満たす各区画中の樹脂面積の総和のことをいう。
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜は、後述する手法により測定される表面の未開孔部の面積が20μm/11.7×9.4μm以下であることを特徴とする。未開孔部の面積が20μm以下であると、リチウムイオン電池等の非水電解液二次電池のセパレータとして用いた際に、イオンの流れをせき止める構造がなくなり良好なイオン透過性が得られる。その結果、イオン抵抗の上昇を抑制できる。したがって、未開孔部の面積は小さければ小さいほど好ましい。未開孔部の面積は好ましくは18μm以下であり、より好ましくは17μm以下であり、さらに好ましくは16μm以下である。
ポリオレフィン微多孔膜の未開孔部は、延伸によりフィブリル化していない未延伸部や熱処理工程等においてフィブリルが融着した構造を有しており、未延伸部はフィブリル化していないため強度が低下する。また、フィブリルの溶融・融着により生じた構造は不安定な結晶構造をとるため、高温下で緩和しやすく収縮率の悪化につながる。そのため、SEMで観察される未開孔部の面積が20μmより大きいと本発明の目的であるイオン抵抗の低減および高出力放電における高容量維持、高強度、及び低収縮率の実現が難しくなる。
イオン透過性の観点から未開孔部の面積は小さければ小さいほど好ましいが、未開孔部0μmは繊維状構造となり、電池用セパレータとして好適に使用される網目状構造とならない。そのため十分なシャットダウン性を得るためには、未開孔部の面積の下限としては0.1μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。
本発明の他の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜は、105℃/8hのMD方向の収縮率が10%未満であり、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により得られる表面SEM観察画像の視野の総面積に対して表面の未開孔部の面積比率が25%以下であり、フィブリル径が10〜50nmである。
ここで、表面の未開孔部とは、表面SEM観察画像を縦横それぞれ0.5μmの区画に分割したにおいて、(SEM観察画像の総面積から算出される開孔率(%)−2(%))以上である区画の樹脂部であり、
表面の未開孔部の面積比率は、前記表面SEM観察画像の視野の総面積に対する表面未開孔部の面積の総和の比率である。
本発明において、後述する手法により測定されるフィブリル径は、平均直径が10〜50nmである。フィブリル径が10〜50nmの範囲であると、高い表面積を有するため良好な電解液保持性が得られ電池特性が向上する。また、フィブリル径が微細、均一化することで、太いフィブリル構造に起因するイオンのせき止めを抑制し抵抗の上昇を抑制できるとともに、単位体積当たりのフィブリル数が増加するため、高い強度が得られる。そのためフィブリル径は30nm以下が好ましく、190nm以下がより好ましく、17nm以下がさらに好ましく、16nm以下がよりさらに好ましく、15nm以下が特に好ましい。通常ポリオレフィン微多孔膜はポリエチレンやポリプロピレンなどの結晶性のポリオレフィンを延伸により配向させることで結晶化度が増加し、微細なフィブリルが形成されて強度が増加する。そのため、ポリオレフィンのフィブリル構造の残留応力が増加し、強度の増加にともない収縮率が増加する。収縮率の観点からフィブリル径は10nm以上が好ましく、12nm以上がより好ましい。
本発明において、後述する手法により測定されるポリオレフィン微多孔膜の表面のSEM観察画像における平均孔径は30〜55nmであることが好ましい。平均孔径が55nm以下であるとデンドライトの成長などによる短絡を抑制できるとともに、良好な孔数が得られ、イオンの透過経路が増加するため優れた電池特性が得られる。平均孔径は53nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。平均孔径が30nm以上であると良好な開孔率が得られ高いイオン透過性が得られる。そのため、平均孔径は30nm以上が好ましく、35nm以上がより好ましく、40nm以上がさらに好ましく、45nm以上がよりさらに好ましい。
本発明において、後述する手法により測定される表面SEM観察画像における孔数は90個/μm以上であることが好ましい。通常、電池の充放電過程において電池内部で電解液が電気化学的に分解し、有機物等の固体生成物やエチレン、水素といったガスが生成する。これらの生成物がポリオレフィン微多孔膜中の孔を閉塞するため電池特性が悪化する。また、イオンの透過経路に偏りが生じることで、分解反応が進行しやすくなる。そのため、これらの観点からはイオンの透過経路は多いほど好ましい。したがって、孔数は90個/μm以上が好ましく、95個/μm以上がより好ましく、100個/μm以上がさらに好ましい。また、孔数の増加はフィブリル径の細化や小孔径化、曲路の増加につながるため、孔数は200個/μm以下が好ましく、150個/μm以下がより好ましい。
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により得られる断面SEM観察画像11.7μm×9.4μmの長方形状の視野面積に対して後述断面の未開孔部の面積比率が22%以下であることが好ましい。
ここで、断面の未開孔部とは、断面SEM観察画像を縦横それぞれ0.3μmの区画に分割し、分割した1区画に含まれる樹脂比率が80%以上の区画中の樹脂部であり、
断面の未開孔部の面積比率は、前記断面SEM観察画像の視野の総面積に対する断面未開孔部の面積の総和の比率である。
断面未開孔部の面積比率が22%以下であると、リチウムイオン電池等の非水電解液二次電池のセパレータとして用いた際に、イオンの流れをせき止める構造がなくなり良好なイオン透過性が得られる。その結果、イオン抵抗の上昇を抑制できる。したがって、未開孔部の面積は小さければ小さいほど好ましい。断面未開孔部の面積比率は好ましくは22%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは19%以下であり、よりさらに好ましくは18%以下であり、特に好ましくは6%以下である。
ポリオレフィン微多孔膜の未開孔部は延伸によりフィブリル化していない未延伸部や熱処理工程等においてフィブリルが融着した構造を有しており、未延伸部はフィブリル化していないため強度が低下する。また、フィブリルの溶融・融着により生じた構造は不安定な結晶構造をとるため、高温下で緩和しやすく収縮率の悪化につながる。そのため、SEMで観察される断面未開孔部の面積比率を22%以下とすることで、本発明の目的であるイオン抵抗の低減および高出力放電における高容量維持、高強度、及び低収縮率が達成しやすくなる。
本発明において、後述する手法により測定されるポリオレフィン微多孔膜の断面SEM観察画像における平均孔径は20〜85nmであることが好ましい。断面平均孔径が85nm以下であるとデンドライトの成長などによる短絡を抑制できるとともに、良好な孔数が得られ、イオンの透過経路が増加するため優れた電池特性が得られる。断面平均孔径は85nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましく、78nm以下がさらに好ましく、76nm以下がよりさらに好ましく、75nm以下が特に好ましい。断面平均孔径が20nm以上であると良好な開孔率が得られ高いイオン透過性が得られる。平均孔径は20nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましく、70nm以上がさらに好ましい。
本発明において後述する手法により測定される断面方向の孔数は60個/μm以上であることが好ましい。通常、電池の充放電過程において電池内部で電解液が電気化学的に分解し、有機物等の固体生成物やエチレン、水素といったガスが生成する。これらの生成物がポリオレフィン微多孔膜中の孔を閉塞するため電池特性が悪化する。また、イオンの透過経路に偏りが生じることで、分解反応が進行しやすくなる。そのため、これらの観点からはイオンの透過経路は多いほど好ましい。したがって、孔数は65個/μm以上が好ましく、68個/μm以上がより好ましい。また、孔数の増加はフィブリル径の細化や小孔径化やボイドの形成につながるため、孔数は100個/μm以下が好ましく、70個/μm以下がより好ましい。
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜の空孔率は、透過性能および電解液含有量の観点から、35%以上であることが好ましく、より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは45%以上である。空孔率が35%以上であると透過性、強度および電界液含有量のバランスが良くなり、電池反応の不均一性が解消される。その結果、デンドライトの発生が抑制され従来の電池性能を損ねることなく使用でき、二次電池用セパレータとして好適に用いることができる。また、空孔率を増加することで良好な出力特性が得られるが、突刺強度の低下と収縮率の増加等、電池の安全性が低下する。そのため空孔率は50%以下が好ましく、48%以下がより好ましい。空孔率は、以下の式で表され、実施例に記載の方法で測定できる。
空孔率=[(体積−質量/ポリマー密度)/体積]×100
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜の突刺強度は、電池内の異物による短絡抑制などの安全性に影響するため、高いほど好ましい。また、孔数は電池反応におけるイオン透過性に影響し、孔数が多いほどイオンの透過経路が増加するため抵抗が低下し、高出力での充放電が可能となる。しかし、突刺強度はフィルムの深さ方向の強度を表す指標であり、単位体積当たりの孔数が増加すると空隙の割合が増加し樹脂量が低下するため突刺強度が低下する。そのため、突刺強度と高出力での電池特性を両立するためには未開孔部を減らしイオンの透過を妨げるせき止め構造をなくすとともに、均一な微細フィブリル構造を形成し、単位体積当たりのフィブリル数を増加し突刺強度を増加する手法が有効である。
電極活物質等による破膜防止の観点から、膜厚を7μmに換算したポリオレフィン微多孔膜の突刺強度は、3.0N以上が好ましく、3.5N以上がより好ましく、4.0N以上がさらに好ましく、4.3N以上がよりさらに好ましく、5.0N以上が特に好ましい。突刺強度が3.0N以上であると、電池内の異物等による短絡を抑制し、良好な電池の安全性が得られる。
突刺強度を増加するためにはフィブリルの結晶構造の観点では超高分子量ポリオレフィンを用いラメラ晶をつなぐタイ分子数を増加するとよい。未延伸部を減らすという観点では延伸工程における分子鎖の絡み合い増加による樹脂層への均一な応力負荷が好ましく、熱固定工程等におけるフィブリルの溶融・融着により生じる未開孔部構造を抑制するためには低分子量成分の少ない分子量分布がシャープな高分子量ポリオレフィンが好ましい。また、後述する原料や樹脂濃度、延伸倍率を適用することで未開孔部が減少し、良好な突刺強度が得られる。
膜厚を7μmと換算したときの突刺強度とは、膜厚T1(μm)のポリオレフィン微多孔膜において突刺強度がL1(N)であったとき、式:L2=(L1×7)/T1によって算出される突刺強度L2(N)のことを指す。なお、以下では、膜厚について特に記載がない限り、「突刺強度」という語句を「膜厚を7μmと換算したときの突刺強度」の意味で用いる。
電池ではMD方向にテンションがかかっているため、MD方向の収縮率が高いと破膜し短絡につながる。そのため、本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜は、105℃/8hにおけるMD方向の収縮率が10%未満である。また、3.0%以上であることが好ましい。MD方向の収縮率がこの範囲にある場合、ポリオレフィン微多孔膜の形状安定性とシャットダウン特性のバランスが改善される。収縮率が10%を超えると、高温時の形状安定性が悪くなり、局所的に異常発熱した際に内部短絡が起こり、安全性が低下する。また、収縮率が3.0%以上であれば、ポリオレフィンの流動性の悪化を抑制でき、シャットダウン特性の低下を防ぐことができる。MD方向の収縮率は9%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、7%以下がさらに好ましい。また、5%以上がより好ましく、6%以上がさらに好ましい。
また、本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜は、105℃/8hおけるTD方向の収縮率は、応力緩和特性など耐熱性の観点から1.0〜15%であることが好ましい。収縮率がこの範囲にある場合、ポリオレフィン微多孔膜の形状安定性とシャットダウン特性のバランスが改善される。収縮率が1.0%以上であれば、ポリオレフィンの流動性の悪化を抑制でき、シャットダウン特性の低下を防止できる。また、収縮率が15%以下であれば、高温時の形状安定性の悪化を抑制でき、局所的に異常発熱した際に内部短絡が起こることを防止でき、安全性を維持できる。TD方向の収縮率は10%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。また、3%以上がより好ましく、4%以上がさらに好ましい。
105℃/8hにおけるMD方向及びTD方向の収縮率は、実施例に記載の方法で測定できる。
また、本発明により得られるポリオレフィン微多孔膜は未開孔部の面積が小さい均一な微細フィブリル構造を有するため、均一に収縮する。そのため局所的に異常発熱した場合にも、内部短絡の拡大を防止して影響を最小限に抑えることができ高い安全性が得られる。
MD方向およびTD方向の引張(破断)強度(以下、単に「MD強度」「TD強度」とも記す)は、いずれも150MPa以上が好ましく、180MPa以上がより好ましく、200MPa以上がさらに好ましく、220MPa以上がよりさらに好ましい。MD強度およびTD強度が150MPa以上であると、電池内の異物等による短絡が生じることを防ぎ、電池の安全性を維持できる。安全性向上の観点からは引張強度は高いほど好ましいが、引張強度と収縮率はトレードオフとなる場合が多いため、300MPa以下が好ましく、280MPa以下がより好ましい。引張強度を上記範囲とするには、ポリオレフィン微多孔膜の原料組成を後述する範囲とし、また、ポリオレフィン微多孔膜製膜時の延伸条件を後述する範囲内とすることが好ましい。
また、MD方向およびTD方向の引張(破断)伸度(以下、単に「MD伸度」「TD伸度」とも記す)は、いずれも30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましく、60%以上がよりさらに好ましい。MD伸度およびTD伸度が30%以上であると、捲回時や電池内の異物などによる短絡を抑制し良好な安全性が得られるため好ましい。また、MD伸度およびTD伸度はいずれも100%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、70%以下がさらに好ましい。MD伸度およびTD伸度が100%以下であると、強度と伸度を両立できであるため好ましい。
MD方向およびTD方向の引張強度及び引張伸度は、実施例に記載のようにASTM D882(Standard Test Method for Tensile Properties of Thin Plastic Sheeting)で規定される引張試験により測定できる。
なお、本発明においては、ポリオレフィン微多孔膜の製膜する方向に平行な方向を製膜方向、長手方向あるいはMD方向と称し、ポリオレフィン微多孔膜面内で製膜方向に直交する方向を幅方向あるいはTD方向と称する。
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜において、透気度はJIS P 8117(2009)に準拠して測定した値をいう。本明細書では膜厚について特に記載がない限り、「透気度」という語句を「膜厚を7μmとしたときの透気度」の意味で用いる。膜厚T1(μm)のポリオレフィン微多孔膜について測定した透気度がp1(sec/100cm)であったとき、式:p2=(p1×7)/T1によって算出される透気度p2(sec/100cm)を、膜厚を7μmとしたときの透気度とする。
透気度(ガーレー値)は100sec/100cm以下であることが好ましく、80sec/100cm以下であることがより好ましく、60sec/100cm以下であることがさらに好ましい。透気度が100sec/100cm以下であると良好なイオン透過性が得られ、電気抵抗を低下させることができる。
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜は、膜厚の増加に伴い抵抗が増加し、電池の出力特性が低下する。電池の出力特性の観点から、膜厚が12μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることがさらに好ましく、7μm以下であることがもっと好ましい。また、膜厚が薄くなればなるほど強度が低下し安全性が低下する。安全性の観点から、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。
[2]ポリオレフィン樹脂
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜における樹脂原料は単一組成であってよく、主原料と副原料を組み合わせた組成物であってよく、2種以上のポリオレフィン樹脂からなるポリオレフィン樹脂混合物(ポリオレフィン樹脂組成物)であってもよい。ポリオレフィン微多孔膜における原料形態は、ポリオレフィン樹脂であることが好ましく、ポリオレフィン樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、単一組成であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂はエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等の単独重合体が好ましく、エチレンの単独重合体(ポリエチレン)が特に好ましい。ポリエチレンはエチレンの単独重合体と他のα−オレフィンを含有する共重合体であってもよい。
他のα−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン、またはそれ以上の炭素数を有するアルケン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられる。
用いるポリオレフィン樹脂の種類としてはポリエチレンが好ましく、密度が0.94g/cmを越えるような高密度ポリエチレン、密度が0.93〜0.94g/cmの範囲の中密度ポリエチレン、密度が0.93g/cmより低い低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。
また、ポリオレフィン樹脂は、未開孔部数と孔数および膜強度の観点から、重量平均分子量(Mw)90万以上の超高分子量のポリオレフィンを単独で使用することが好ましい。
超高分子量ポリオレフィンは、重量平均分子量が0.9×10以上が好ましく、また1.0×10以下が好ましい。
重量平均分子量が0.9×10以上であれば、緩和時間が短くなりすぎず延伸温度や熱処理温度の上昇を抑えられるため、微細なフィブリルが溶融し、融着するため未開孔部が増加するとともに孔数が減少し出力と特性が低下してしまうのを防ぐことができる。
また、重量平均分子量が0.9×10以上のポリオレフィンを用いることで、非晶部領域の絡み合い密度が上昇し、延伸工程においてポリオレフィン樹脂層に均一に応力が負荷されるため、未開孔部が減少するとともに微細なフィブリル構造を形成できる。そのため、良好な出力特性が得られる。
また、重量平均分子量が0.9×10以上のポリオレフィン樹脂を用いることでタイ分子数が増加し、高い強度が得られる。また、超高分子量ポリエチレンは緩和時間が長いため、高温での延伸・熱固定における微細なフィブリルの溶融・融着が抑制され、収縮率と未開孔部のバランスが改善される。そのため、トレードオフの関係にあるイオン抵抗、強度、収縮が改善され、電池の安全性と出力特性の両立が可能となる。
そのため超高分子量ポリオレフィンの重量平均分子量は好ましくは1.0×10以上であり、より好ましくは1.5×10以上、さらに好ましくは2.0×10以上、特に好ましくは3.0×10以上である。また、重量平均分子量は、好ましくは1.0×10以下、より好ましくは8.0×10以下、さらに好ましくは6.0×10以下、よりさらに好ましくは5.0×10以下、特に好ましくは4.0×10以下である。
超高分子量ポリオレフィンの分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は3.0〜100の範囲内であることが好ましい。分子量分布が狭いほど系が単一化され均一な微細孔が得られやすいため、分子量分布が狭いほど好ましいが、分布が狭くなるほど成形加工性が低下する。そのため、分子量分布の下限は好ましくは4.0以上、より好ましくは5.0以上、さらに好ましくは6.0以上である。分子量分布が増加すると低分子量成分が増加するため強度の低下や延伸・熱固定における微細なフィブリルの溶融・融着が起こりやすくなるため、上限は好ましくは80以下、より好ましくは50以下、さらに好ましくは20以下、特に好ましくは10以下である。上記範囲とすることで、良好な成形加工性が得られるとともに、系が単一化されるため均一な微細孔が得られる。
上記超高分子量ポリオレフィンは、なかでも、未開孔部、膜強度、製膜性の観点から、重量平均分子量(Mw)が0.9×10以上1.5×10以下以上の超高分子ポリエチレンであることが好ましい。
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜の製造工程においては、成形加工性を向上させる目的で可塑剤を添加することが好ましい。ポリオレフィン樹脂と可塑剤との配合割合は成形加工性を損ねない範囲で適宜調整してよいが、ポリオレフィン樹脂と可塑剤との合計を100質量%として、ポリオレフィン樹脂の割合が10〜50質量%であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂の割合が10質量%以上(可塑剤の割合が90質量%以下)では、シート状に成形する際に、口金の出口でスウエルやネックインを抑制でき、シートの成形性および製膜性が向上する。一方、ポリオレフィン樹脂の割合が50質量%以下(可塑剤の割合が50質量%以上)では製膜工程の圧力上昇を抑制でき良好な成形加工性が得られる。
ポリオレフィン樹脂と可塑剤との合計を100質量%としたときのポリオレフィン樹脂の割合は10質量%以上が好ましく、16質量%以上がより好ましく、17質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましい。ポリオレフィン樹脂の割合が増加することで可塑剤存在下における分子鎖の重なり密度が増加し、延伸の均一性が向上し未開孔部を減らすことができる。また、ポリオレフィン樹脂の割合が増加することで、延伸倍率増加や洗浄乾燥工程における「孔のつぶれ」を抑制し、高強度化と未開孔部の低減につながる。
Mwが90万以上のポリオレフィン樹脂を用いる場合、製膜工程の圧力や延伸応力の観点からポリオレフィン樹脂の割合は、ポリオレフィン樹脂と可塑剤との合計を100質量%として、30質量%以下が好ましく、28.5質量%未満がより好ましく、25質量%未満がさらに好ましい。
また、Mwが90万未満のポリオレフィン樹脂はMwが90万以上のポリオレフィン樹脂に比べ、可塑化効果による低融点化が起こりやすくポリオレフィンの拡散速度速くなるため、延伸・熱固定工程における溶融、融着が生じやすく、未開孔部が増加する。そのため、Mwが90万以上のポリオレフィン樹脂20質量%以上、可塑剤80%未満の割合が特に好ましい。
その他、本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜には、本発明の効果を損なわない範囲において、酸化防止剤、熱安定剤や帯電防止剤、紫外線吸収剤、さらにはブロッキング防止剤や充填材等の各種添加剤を含有させてもよい。特に、ポリオレフィン樹脂の熱履歴による酸化劣化を抑制する目的で、酸化防止剤を添加することが好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT:分子量220.4)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(例えば、BASF社製“Irganox”(登録商標)1330:分子量775.2)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(例えば、BASF社製“Irganox”(登録商標)1010:分子量1177.7)等から選ばれる1種類以上を用いることが好ましい。
酸化防止剤や熱安定剤の種類および添加量を適宜選択することはポリオレフィン微多孔膜の特性の調整又は増強として重要である。
また、本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜の層構成は単層でも積層でもよく、物性バランスの観点から積層が好ましい。上記処方を積層し高出力特性層として用いる場合、高出力特性層がトータル膜厚中に50質量%以上含有していることが好ましい。
[3]ポリオレフィン微多孔膜の製造方法
次に、本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜の製造方法を具体的に説明する。本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜の製造方法は、以下の(a)〜(e)の工程を有することが好ましい。
(a)1種又は2種以上のポリオレフィン樹脂と、必要に応じて溶媒とを含むポリマー材料を溶融混練し、ポリオレフィン樹脂溶液を調製する工程
(b)溶解物を押出し、シート状に成型して冷却固化する工程
(c)得られたシートをロール方式またはテンター方式により延伸を行う工程
(d)その後、得られた延伸フィルムから可塑剤を抽出しフィルムを乾燥する工程
(e)熱処理/再延伸を行う工程
以下、各工程について説明する。
(a)ポリオレフィン樹脂溶液の調製工程
上記ポリマー材料を、可塑剤に加熱溶解させ、ポリオレフィン樹脂溶液を調製する。可塑剤としては、ポリオレフィン樹脂を十分に溶解できる溶剤であれば特に限定されないが、比較的高倍率の延伸を可能とするため、溶剤は室温で液体であることが好ましい。
溶剤としては、ノナン、デカン、デカリン、パラキシレン、ウンデカン、ドデカン、流動パラフィン等の脂肪族、環式脂肪族又は芳香族の炭化水素、および沸点がこれらに対応する鉱油留分、並びにジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の室温では液状のフタル酸エステルが挙げられる。
液体溶剤の含有量が安定なゲル状シートを得るために、流動パラフィンのような不揮発性の液体溶剤を用いるのが好ましい。
溶融混練状態では、ポリオレフィン樹脂と混和するが室温では固体の溶剤を液体溶剤に混合してもよい。このような固体溶剤として、ステアリルアルコール、セリルアルコール、パラフィンワックス等が挙げられる。ただし、固体溶剤のみを使用すると、延伸ムラ等が発生する恐れがある。
液体溶剤の粘度は40℃において20〜200cStであることが好ましい。40℃における粘度を20cSt以上とすれば、ダイからポリオレフィン樹脂溶液を押し出したシートが不均一になりにくい。一方、40℃における粘度を200cSt以下とすれば液体溶剤の除去が容易である。なお、液体溶剤の粘度は、ウベローデ粘度計を用いて40℃で測定した粘度である。
(b)押出物の形成およびゲル状シートの形成
ポリオレフィン樹脂溶液の均一な溶融混練方法は、特に限定されないが、高濃度のポリオレフィン樹脂溶液を調製したい場合、二軸押出機中で行うことが好ましい。必要に応じて、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤など公知の添加剤も、製膜性を損なうことなく、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。特にポリオレフィン樹脂の酸化を防止するために酸化防止剤を添加することが好ましい。
押出機中では、ポリオレフィン樹脂が完全に溶融する温度で、ポリオレフィン樹脂溶液を均一に混合する。溶融混練温度は、使用するポリオレフィン樹脂によってことなるが、(ポリオレフィン樹脂の融点+10℃)〜(ポリオレフィン樹脂の融点+120℃)とするのが好ましい。さらに好ましくは(ポリオレフィン樹脂の融点+20℃)〜(ポリオレフィン樹脂の融点+100℃)である。
ここで、融点とは、JIS K7121(1987)に基づき、DSC(Differential scanning calorimetry)により測定した値をいう(以下、同じ)。例えば、ポリオレフィン系樹脂がポリエチレンの場合、ポリエチレン系樹脂の溶融混練温度は140〜250℃の範囲が好ましい。さらに好ましくは、160〜230℃、最も好ましくは170〜200℃である。具体的には、ポリエチレン組成物は約130〜140℃の融点を有するので、溶融混練温度は140〜250℃が好ましく、180〜230℃が最も好ましい。
ポリオレフィン樹脂の劣化を抑制する観点から溶融混練温度は低い方が好ましいが、上述の温度よりも低いとダイから押出された押出物に未溶融物が発生し、後の延伸工程で破膜等を引き起こす原因となる場合がある。また、上述の温度より高いと、ポリオレフィン樹脂の熱分解が激しくなり、得られるポリオレフィン微多孔膜の物性、例えば、強度や空孔率等が悪化する場合がある。また、分解物がチルロールや延伸工程上のロール等に析出し、シートに付着することで外観悪化につながる。そのため、溶融混練温度は上記範囲内で混練することが好ましい。
次に、得られた押出物を冷却することによりゲル状シートが得られ、冷却により、溶剤によって分離されたポリオレフィン樹脂のミクロ相を固定化することができる。冷却工程においてゲル状シートを10〜50℃まで冷却するのが好ましい。これは、最終冷却温度を結晶化終了温度以下とするためで、高次構造を細かくすることで、その後の延伸において均一延伸が行いやすくなる。そのため、冷却は少なくともゲル化温度以下までは30℃/分以上の速度で行うのが好ましい。
一般に冷却速度が遅いと、比較的大きな結晶が形成されるため、ゲル状シートの高次構造が粗くなり、それを形成するゲル構造も大きなものとなる。対して冷却速度が速いと、小さく均一な結晶が形成されるため、ゲル状シートの高次構造が密となり、均一延伸に加え未開孔部低減につながる。
冷却方法としては、冷風、冷却水、その他の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロールに接触させる方法、キャスティングドラム等を用いる方法等がある。
これまでポリオレフィン微多孔膜が単層の場合を説明してきたが、本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜は、単層に限定されるものではなく、積層体にしてもよい。積層数は特に限定は無く、2層積層であっても3層以上の積層であってもよい。積層部分は、上述したようにポリオレフィン樹脂の他に、本発明の効果を損なわない程度にそれぞれ所望の樹脂を含んでもよい。
ポリオレフィン微多孔膜を積層体とする方法としては、従来の方法を用いることができる。例えば、所望の樹脂を必要に応じて調製し、これらの樹脂を別々に押出機に供給して所望の温度で溶融させ、ポリマー管あるいはダイ内で合流させて、目的とするそれぞれの積層の厚みでスリット状ダイから押出しを行う等して、積層体を形成する方法がある。
(c)延伸工程
得られたゲル状(積層シートを含む)シートを延伸する。用いられる延伸方法としては、圧延やロール延伸機によるシート搬送方向(MD方向)への一軸延伸、テンターによるシート幅方向(TD方向)への一軸延伸、ロール延伸機とテンター、或いはテンターとテンターとの組み合わせによる逐次二軸延伸や同時二軸テンターによる同時二軸延伸等が挙げられる。
延伸倍率は、膜厚の均一性の観点より、ゲル状シートの厚さによって異なるが、いずれの方向でも7倍以上に延伸することが好ましい。
面積倍率は、45倍以上が好ましく、より好ましくは60倍以上、さらに好ましくは80倍以上、特に好ましくは100倍以上である。面積倍率が45倍未満では、延伸が不十分で未開孔部ができやすい。面積倍率は150倍以下が好ましい。面積倍率が大きくなるとポリオレフィン微多孔膜の製造中に破れが多発しやすくなり、生産性が低下する。
延伸工程における延伸均一性向上の観点から延伸倍率と原料構成の好ましい形態はMwが90万以上の原料を60倍以上に湿式で延伸することであり、より好ましくは80倍以上、さらに好ましくは100以上に湿式で延伸することである。特に好ましい形態はMw100万以上の原料を80倍以上に湿式で延伸することであり、最も好ましくは90倍以上に湿式で延伸することである。
延伸温度はゲル状シートの融点+10℃以下にすることが好ましく、(ポリオレフィン樹脂の結晶分散温度Tcd)〜(ゲル状シートの融点+5℃)の範囲にするのがより好ましい。具体的には、ポリエチレン組成物の場合は約90〜110℃の結晶分散温度を有するので、延伸温度は好ましくは100〜130℃であり、より好ましくは115〜125℃であり、さらに好ましく117.5〜125℃である。結晶分散温度TcdはASTM D 4065(2012)に従って測定した動的粘弾性の温度特性から求める。
延伸温度が100℃未満であると低温延伸のため開孔が不十分となり膜厚の均一性が得られにくく、空孔率も低くなる。延伸温度は130℃より高いと、シートの融解が起こり、孔の閉塞が起こりやすくなる。特に、重量平均分子量90万未満のポリエチレンを115℃以上の温度で延伸すると、フィブリルの溶融・融着が起こり、未開孔部ができやすい。対して、重量平均分子量90万以上のポリエチレンを用いる場合、重量平均分子量90万未満のポリエチレンに比べ緩和時間が長く延伸により変形しにくいため重量平均分子量90万未満のポリエチレンを用いた場合より高い温度で延伸しても未開孔部を低減できるため、117.5℃以上の温度で製膜することが好ましい。
以上のような延伸によりゲルシートの高次構造の開裂が起こり、結晶相が微細化し、多数のフィブリルが形成される。フィブリルは三次元的に不規則に連結した網目構造を形成する。延伸により機械的強度が向上するとともに、細孔形成されるため本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜が電池用セパレータに好適となる。本願のポリオレフィン微多孔膜は均一な微細構造を有するため従来技術に比べ高い延伸温度で延伸しても可塑剤などのブリードアウトが少なく、工程安定性が向上する。
また、可塑剤を除去する前に延伸することにより、ポリオレフィン樹脂が十分に可塑化し軟化した状態であるために、高次構造の開裂がスムーズになり、結晶相の微細化を均一に行うことができる。また、可塑剤を除去する前に延伸することで容易に高次構造が開裂するため、延伸時のひずみが残りにくく、可塑剤を除去した後に延伸する場合に比べて収縮率を低くすることができる。
(d)可塑剤抽出(洗浄)・乾燥工程
次に、ゲル状シート中に残留する可塑剤(溶剤)を、洗浄溶剤を用いて除去する。ポリオレフィン樹脂相と溶媒相とは分離しているため、溶剤を除去することによりポリオレフィン微多孔膜が得られる。
洗浄溶剤としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素等の塩素化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、メチルエチルケトン等のケトン類、三フッ化エタン等の鎖状フルオロカーボン等が挙げられる。
これらの洗浄溶剤は低い表面張力(例えば、25℃で24mN/m以下)を有する。低い表面張力の洗浄溶剤を用いることにより、微多孔を形成する網状構造において洗浄後の乾燥時に気−液界面の表面張力により収縮が抑制され、空孔率および透過性に優れたポリオレフィン微多孔膜が得られる。これらの洗浄溶剤は可塑剤に応じて適宜選択し、単独または混合して用いる。
洗浄方法は、ゲル状シートを洗浄溶剤に浸漬し抽出する方法、ゲル状シートに洗浄溶剤をシャワーする方法、またはこれらの組み合わせによる方法等が挙げられる。洗浄溶剤の使用量は洗浄方法により異なるが、一般にゲル状シート100質量部に対して300質量部以上であるのが好ましい。
洗浄温度は15〜30℃でよく、必要に応じて80℃以下に加熱する。この時、洗浄溶剤の洗浄効果を高める観点、得られるポリオレフィン微多孔膜の物性(例えば、TD方向および/またはMD方向の物性)が不均一にならないようにする観点、ポリオレフィン微多孔膜の機械的物性および電気的物性を向上させる観点から、ゲル状シートが洗浄溶剤に浸漬している時間は長ければ長いほど良い。
上述のような洗浄は、洗浄後のゲル状シート、すなわちポリオレフィン微多孔膜中の残留溶剤が1質量%未満になるまで行うのが好ましい。
その後、乾燥工程でポリオレフィン微多孔膜中の溶剤を乾燥させ除去する。乾燥方法としては、特に限定は無く、金属加熱ロールを用いる方法や熱風を用いる方法等を選択することができる。乾燥温度は40〜100℃であることが好ましく、40〜80℃がより好ましい。乾燥が不十分であると、後の熱処理でポリオレフィン微多孔膜の空孔率が低下し、透過性が悪化する。
(e)熱処理/再延伸工程
乾燥したポリオレフィン微多孔膜を少なくとも一軸方向に延伸(再延伸)してもよい。再延伸は、ポリオレフィン微多孔膜を加熱しながら上述の延伸と同様にテンター法等により行うことができる。再延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよい。多段延伸の場合は、同時二軸または逐次延伸を組み合わせることにより行う。
再延伸の温度は、ポリオレフィン樹脂組成物の融点以下にすることが好ましく、(ポリオレフィン樹脂組成物のTcd−20℃)〜ポリオレフィン樹脂組成物の融点の範囲内にするのがより好ましい。具体的には、ポリエチレン組成物の場合、再延伸の温度は、70〜135℃が好ましく、110〜135℃がより好ましく、125〜135℃がさらに好ましく、130〜135℃がよりさらに好ましい。
特に重量平均分子量が0.9×10未満であると、緩和時間が短いため130℃以上の熱処理温度をおこなうと、微細フィブリルが溶融し、融着するため未開孔部が増加するとともに空孔率や孔数が減少し出力特性の低下につながる。対して、重量平均分子量が0.9×10以上のポリエチレンは緩和時間が長いため130℃以上の温度において延伸・熱固定を実施しても微細なフィブリルの溶融・融着を抑制でき、高い温度で熱固定が行える。そのため収縮率と未開孔部のバランスが改善される。重量平均分子量が0.9×10以上のポリエチレンを用いる場合130℃以上で熱固定する事が好ましい。
再延伸の倍率は、一軸延伸の場合、1.01〜2.0倍が好ましく、特にTD方向の倍率は1.1〜1.6倍が好ましく、1.2〜1.4倍がより好ましい。二軸延伸を行う場合、MD方向およびTD方向にそれぞれ1.01〜2.0倍延伸するのが好ましい。なお、再延伸の倍率は、MD方向とTD方向で異なってもよい。上述の範囲内で再延伸することで、空孔率および透過性が上昇すると共に、ネックによるフィブリルの凝集を抑制できポリオレフィン微多孔膜の未開孔部が減少する。
収縮率及びしわやたるみの観点より、再延伸最大倍率からの緩和率は20%以下が好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下が更に好ましい。当該緩和率が20%以下であると、均一なフィブリル構造が得られる。
(f)その他の工程
さらに、その他用途に応じて、ポリオレフィン微多孔膜に親水化処理を施すこともできる。親水化処理は、モノマーグラフト、界面活性剤処理、コロナ放電等により行うことができる。モノマーグラフトは架橋処理後に行うのが好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜に対して、α線、β線、γ線、電子線等の電離放射線の照射により架橋処理を施すのが好ましい。電子線の照射の場合、0.1〜100Mradの電子線量が好ましく、100〜300kVの加速電圧が好ましい。架橋処理によりポリオレフィン微多孔膜のメルトダウン温度が上昇する。
界面活性剤処理の場合、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤又は両イオン系界面活性剤のいずれも使用できるが、ノニオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤を水又はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールに溶解してなる溶液中にポリオレフィン微多孔膜を浸漬するか、ポリオレフィン微多孔膜にドクターブレード法により溶液を塗布する。
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜は、電池用セパレータとして用いた場合のメルトダウン特性や耐熱性を向上する目的で、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂多孔質体やポリイミド、ポリフェニレンスルフィド等の多孔質体等の表面コーティングやセラミック等の無機コーティング等を行ってもよい。特に本発明により得られるポリオレフィン多孔膜は孔径やフィブリル構造が微細かつ均一に制御されていることから、塗材による目詰まりなどを抑制でき、コート適性に優れる。
以上のようにして得られたポリオレフィン微多孔膜は、フィルター、燃料電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ等様々な用途で用いることができるが、特に電池用セパレータとして用いたとき安全性および出力特性に優れる。よって、当該セパレータは、電気自動車等の高エネルギー密度化、高容量化、および高出力化を必要とする非水電解液二次電池用の電池用セパレータとして好ましく用いることができる。
本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明の実施態様は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例で用いた評価方法、分析方法は、以下の通りである。
(1)重量平均分子量(Mw)
超高分子量ポリエチレン(UHPE)、及び高密度ポリエチレン(HDPE)の重量平均分子量は以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた。
・測定装置:WATERS CORPORATION製GPC−150C
・カラム:昭和電工株式会社製SHODEX UT806M
・カラム温度:135℃
・溶媒(移動相):O−ジクロルベンゼン
・溶媒流速:1.0mL/分
・試料濃度:0.1wt%(溶解条件:135℃/1H)
・インジェクション量:500μL
・検出器:WATERS CORPORATION製ディファレンシャルリフラクトメーター(RI検出器)
・検量線:単分散ポリスチレン標準試料を用いて得られた検量線から、所定の換算定数を用いて作成した。
(2)膜厚(μm)
ポリオレフィン微多孔膜の95mm×95mmの範囲内における任意の無作為に抽出した箇所で5点の膜厚を接触厚み計(株式会社ミツトヨ製ライトマチック)により測定し、5点の膜厚の平均値を求めた。
(3)表面の未開孔部面積算出(μm
実施例で得られた微多孔膜をPt蒸着し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて加速電圧2kVで倍率10000倍、11.7μm×9.4μmの視野で微多孔膜の表面を二次電子像で観察した。撮影した表面SEM観察画像を1辺0.5μmの正方形で分割し、MVTec Software社のHALCON 13を用いて二値化処理した。二値化処理前の画像は加速電圧2kV、倍率10000倍、11.7μm×9.4μm(1280画素×1024画素)、8bit(256階調)グレースケールの画像を用いた。二値化処理は、表面SEM観察画像に対して、3画素×3画素平均にてノイズ除去を行った後に、21画素×21画素平均した画像から−30階調をしきい値として動的二値化処理をすることで、暗部を抽出(画像処理)し、二値化処理を行った。暗部を開孔部として、視野の総面積に対して暗部が占める割合を表面平均開孔率(%)とした。また、分割した各正方形の区画ごとに暗部の面積を算出し各区画の孔面積とし、各区画の面積(0.5μm×0.5μm)−各区画中の孔面積(暗部:P2)から各区画中の樹脂面積(F2)を算出し、各区画の孔面積(P2)と樹脂面積(F2)の比R2を求めた(R2=F2/F2)。
続いて、1区画内のフィブリル総長さを0.875μmとし、フィブリル総長さにパームポロメータにより算出したフィブリル径を乗じたフィブリルの面積(F1)と表面SEM観察により算出した孔面積(P1)の比R1を求めた(R1=F1/P1)。上記区画の各々におけるR2とR1を比較し、R2≧R1の関係を満たす区画内の樹脂部を未開孔部として、未開孔部区画内の樹脂面積の総和を未開孔部面積とし、解析範囲11.7×9.4μm中の未開孔部面積を算出した。
(4)表面の未開孔部の面積比率(%)
実施例で得られた微多孔膜をPt蒸着し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて加速電圧2kVで倍率10000倍、11.7μm×9.4μmの視野で微多孔膜の表面を二次電子像で観察した。撮影した表面SEM観察画像を1辺0.5μmの正方形で分割し、MVTec Software社のHALCON 13を用いて二値化処理した。二値化処理前の画像は加速電圧2kV、倍率10000倍、11.7μm×9.4μm(1280画素×1024画素)、8bit(256階調)グレースケールの画像を用いた。二値化処理は、表面SEM観察画像に対して、3画素×3画素平均にてノイズ除去を行った後に、21画素×21画素平均した画像から−30階調をしきい値として動的二値化処理をすることで、暗部を抽出(画像処理)し、二値化処理を行った。暗部を開孔部として、視野の総面積に対して暗部が占める割合を表面平均開孔率(%)とした。また分割した各正方形の区画ごとに、区画面積(0.5μm×0.5μm)−開孔部(暗部)の面積(μm)から樹脂部の面積(μm)を算出し、各区画における樹脂部の比率を求めた。樹脂部の比率が表面平均開孔率(%)−2(%)以上となる区画中の樹脂部の総面積を表面SEM未開孔部の面積として、視野の総面積(11.7μm×9.4μm)における未開孔部の面積比率を算出した。
(5)表面の孔数(個/μm
上記(2)で画像処理した表面SEM観察画像において1μmあたりに存在する独立した暗部を表面孔数としてカウントして表面孔数(個/μm)とした。
(6)表面の平均孔径(nm)
上記(2)で画像処理した表面SEM観察画像の開孔部(暗部)の総面積と表面孔数から表面SEM平均孔径(nm)を算出した。
表面の平均孔径=(孔の総面積÷表面孔数÷3.14)0.5×2
(7)フィブリル径(nm)
パームポロメータ(PMI社製、CFP−1500A)を用いて、Dry−up、Wet−upの順で、最大孔径及び平均孔径を測定した。Wet−upには表面張力が15.6dynes/cmのPMI社製Galwick(商品名)で十分に浸したポリオレフィン微多孔膜に圧力をかけ、空気が貫通し始める圧力から換算される孔径を最大孔径とした。
Dry−up測定で圧力、流量曲線の1/2の傾きを示す曲線と、Wet−up測定の曲線が交わる点の圧力から平均孔径を換算した。圧力と平均孔径の換算は下記の数式を用いた。
d=C・γ/P
(上記式中、「d(μm)」はポリオレフィン微多孔膜の平均孔径、「γ(mN/m)」は液体の表面張力、「P(Pa)」は圧力、「C」は定数とした。
次いで、セパレータ内の空気の流れはKnudsen流れに従うと仮定し、Kozeny−Carmanの式(1)を用い、ポロメータ測定で得られる圧力と透気度から比表面積(Sv)を算出した。
Figure 2021021067
Q:Dry−upで測定される2000kPa時の空気の流量
l:膜厚(μm)
δPa: Dry−upで測定される2000kPa圧力
a:断面積(mm
ε:空孔率(%)
k(定数):5(Kozeny係数)
Sv:比表面積(m/g)
η(20℃の空気粘度):1.8×10−5Pas
その後、フィブリルが円柱と仮定して上記比表面積に基づきフィブリル径を、式(2)を用いて算出した。
R=4×(1−ε)/Sv/d ・・・式(2)
R:フィブリル径(nm)
Sv:比表面積(m/g)
d:体積密度(g/m
ε:空孔率(%)
(8)断面の未開孔部の面積比率(%)
実施例で得られた微多孔膜をPt蒸着し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて加速電圧2kVで倍率10000倍、11.7μm×9.4μmの視野で微多孔膜の断面を二次電子像で観察した。撮影した断面SEM観察画像を1辺0.3μmの正方形で分割し、MVTec Software社のHALCON 13を用いて二値化処理した。二値化処理前の画像は加速電圧2kV、倍率10000倍、11.7μm×9.4μm(1280画素×1024画素)、8bit(256階調)グレースケールの画像を用いた。二値化処理は、断面SEM観察画像に対して、3画素×3画素平均にてノイズ除去を行った後に、21画素×21画素平均した画像から−20階調をしきい値として動的二値化処理をすることで、暗部を抽出(画像処理)し、二値化処理を行った。暗部を開孔部として、視野の総面積に対して暗部が占める割合を断面平均開孔率(%)とした。また分割した各正方形の区画ごとに、区画面積(0.3μm×0.3μm)−開孔部(暗部)の面積(μm)から樹脂部の面積(μm)を算出し、各区画における樹脂部の比率を求めた。樹脂部の比率が80%以上となる区画の樹脂部の総面積を断面SEM未開孔部の面積として、視野の総面積(11.7μm×9.4μm)における未開孔部の面積比率を算出した。
(9)断面の孔数(個/μm
上記(6)で画像処理した断面SEM観察画像のうち1μmあたりに存在する独立した暗部を断面孔数としてカウントして断面孔数(個/μm)とした。
(10)断面の平均孔径(nm)
上記(6)で画像処理した断面SEM観察画像における開孔部(暗部)の総面積と断面孔数から断面SEM平均孔径を算出した。
(11)透気度(sec/100cm
膜厚T1(μm)のポリオレフィン微多孔膜に対してJIS P−8117に準拠して透気度計(旭精工株式会社製、EGO−1T)で空気を100cm透過させるために必要な時間である透気度p1(sec/cm)を測定し、式:P2=(P1×7)/T1により、膜厚を7μmとしたときの透気度p2(sec/cm)を算出した。
(12)空孔率(%)
5cm角の試料をポリオレフィン微多孔膜から切り取り、その体積(cm)と質量(g)を求め、それらとポリマー密度0.99(g/cm)より、次式を用いて計算した。以上の測定を同じポリオレフィン微多孔膜中の異なる任意の無作為に抽出した箇所で3点行い、3点の空孔率(%)の平均値を求めた。
空孔率=[(体積−質量/ポリマー密度)/体積]×100
(13)突刺強度(N)
MARUBISHI社製の突刺計を用い、先端が球面(曲率半径R:0.5mm)の直径1mmの針で、膜厚T1(μm)、ポリオレフィン微多孔膜を2mm/秒の速度で突刺したときの最大荷重を突刺強度とした。
また、最大荷重の測定値L1(N)を、式:L2=L1/T1×7により、膜厚を7μmとしたときの最大荷重L2に換算し、膜厚7μm換算突刺強度とした。
(14)引張破断強度(MPa)、引張破断伸度(%)
幅10mmの短冊状試験片をポリオレフィン微多孔膜の幅方向の中心部分より3点取り、各々についてチャック間距離20mm、ひずみ速度100mm/minの条件により測定した測定結果の平均値を算出することによりMD方向およびTD方向それぞれの引張破断強度(MPa)および引張破断伸度(%)を求めた。
(15)105℃8hの収縮率(%)
50mm角に切り出した試験片をポリオレフィン微多孔膜の幅方向の中心部分より3点取り、各々について105℃にて8時間保持したときのMD方向における収縮率(熱収縮率)を測定し、それらの平均値をMD方向の収縮率(%)とした。また、TD方向についても同様の測定を行い、TD方向の収縮率を求めた。
(16)10Cにおける容量維持率
ポリオレフィン微多孔膜のレート特性を評価するために、正極、負極、セパレータおよび電解質からなる非水電解液二次電池にポリオレフィン微多孔膜をセパレータとして組み込んで、充放電試験を行った。
幅38mm×長さ33mm×厚さ20μmのアルミニウム箔上に目付け9.5mg/cmにてNMC532(リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(Li1.05Ni0.50Mn0.29Co0.21))を積層したカソード、および、幅40mm×長さ35mm×厚さ10μmの銅箔上に密度1.45g/cmの天然黒鉛を単位面積質量5.5mg/cmで積層したアノードを用いた。正極および負極は120℃の真空オーブンで乾燥して使用した。
セパレータは、長さ50mm、幅50mmのポリオレフィン微多孔膜を室温の真空オーブンで乾燥して使用した。電解液はエチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートの混合物(30/35/35、体積比)中に、ビニレンカーボネート(VC)及びLiPFを溶解させ、VC濃度:0.5質量%、LiPF濃度:1mol/Lの溶液を調製した。
正極、セパレータおよび負極を積み重ね、得られた積層体をラミネートパウチ内に配置し、ラミネートパウチ内に電解液を注液し、当該ラミネートパウチを真空シールすることにより、非水電解液二次電池を作製した。
作製した非水電解液二次電池を初回充電として、温度35℃、0.1Cにて10〜15%充電し、35℃にて1晩(12時間以上)放置し、ガス抜きを実施した。次に、温度35℃、電圧範囲;2.75〜4.2V、充電電流値0.1CのCC−CV充電(定電流定電圧充電(終止電流条件0.02C))、放電電流値0.1CのCC放電(定電流充電)を実施した。次に、温度35℃、電圧範囲;2.75〜4.2V、充電電流値0.2CのCC−CV充電(定電流定電圧充電(終止電流条件0.05C))、放電電流値0.2CのCC放電(定電流充電)を3サイクル行った時点を非水電解液二次電池の初期とした。
次に、温度35℃、電圧範囲;2.75〜4.2V、充電電流値0.2CのCC−CV充電(定電流定電圧充電(終止電流条件0.05C))、した後に15℃で0.2CのCC放電(定電流充電)をして、その時の放電容量を0.2C容量とした。次に、温度35℃、電圧範囲;2.75〜4.2V、充電電流値0.5CでCC−CV充電(定電流定電圧充電(終止電流条件0.05C))した後に、15℃で非水電解液二次電池の10C(306mA、24.48mA/cm)におけるレート試験を行った。この結果より、0.2C容量に対する10C容量の割合{(10C容量/0.2C容量)×100}(%)を容量維持率(%)とした。
[実施例1]
原料としてMwが10×10の超高分子量ポリエチレンを用いた。超高分子量ポリエチレン17質量部に流動パラフィン83質量部を加え、さらに超高分子量ポリエチレンの質量を基準として0.5質量部の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールと0.7質量部のテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタンを酸化防止剤として加えて混合し、ポリエチレン樹脂溶液を調製した。
得られたポリエチレン樹脂溶液を二軸押出機に投入し180℃で混練し、Tダイに供給し、押出物を15℃に制御された冷却ロールで冷却してゲル状シートを形成した。
得られたゲル状シートを、テンター延伸機により117.5℃で長手方向と幅方向にそれぞれ10倍に逐次二軸延伸し、そのままテンター延伸機内でシート幅を固定し、117.5℃の温度で10秒間保持した。 次いで延伸したゲル状シートを洗浄槽で塩化メチレン浴中に浸漬し、流動パラフィン除去後乾燥を行い、ポリオレフィン微多孔膜を得た。最後にオーブンを使用し、延伸は行わず130℃の温度で10分間、熱固定を実施した。
ポリオレフィン微多孔膜の原料処方及び製膜条件を表1、ポリオレフィン微多孔膜の評価結果を表3に記載する。
[実施例2〜10、12、14、比較例1〜9]
原料処方及び製膜条件を表1、2のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。
[実施例11]
原料としてMwが9.0×10の超高分子量ポリエチレンを用いた。超高分子量ポリエチレン25質量部に流動パラフィン75質量部を加え、さらに超高分子量ポリエチレンの質量を基準として0.5質量部の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールと0.7質量部のテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタンを酸化防止剤として加えて混合し、ポリエチレン樹脂溶液を調製した。得られたポリエチレン樹脂溶液を二軸押出機に投入し180℃で混練し、Tダイに供給し、押出物を15℃に制御された冷却ロールで冷却してゲル状シートを形成した。得られたゲル状シートを、テンター延伸機により118℃で長手方向に9.0倍と幅方向に6.7に逐次二軸延伸し、そのままテンター延伸機内でシート幅を固定し、118℃の温度で10秒間保持した。
次いで延伸したゲル状シートを洗浄槽で塩化メチレン浴中に浸漬し、流動パラフィン除去後乾燥を行い、ポリオレフィン微多孔膜を得た。流動パラフィン除去後乾後のフィルムを135.5℃で幅方向に1.4倍延伸し、3分間熱固定を実施した。
[実施例13、比較例10、11]
原料処方及び製膜条件を表1、2のとおりに変更した以外は実施例11と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。
なお、表1及び表2中、「UHPE」は超高分子量ポリエチレンを意味し、「HDPE」は高密度ポリエチレンを意味する。
得られたポリオレフィン微多孔膜の評価結果は表3、表4に記載のとおりである。
Figure 2021021067
Figure 2021021067
Figure 2021021067
Figure 2021021067

Claims (11)

  1. 105℃/8hのMD方向の収縮率が10%未満であり、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により得られる表面SEM観察画像11.7μm×9.4μmの長方形状の視野を縦横それぞれ0.5μm画に分割し、R2≧R1の関係を満たす区画中の樹脂面積の総和(表面の未開孔部)が、前記表面SEM観察画像11.7μm×9.4μmにおいて20μm以下であり、
    フィブリル径が10〜50nmであるポリオレフィン微多孔膜。
    ここで表面の未開孔部とは、分割した1区画内のフィブリル総長さを0.875μmとし、フィブリル総長さにパームポロメータにより算出したフィブリル径を乗じたフィブリルの面積(F1)と孔面積(P1)の比(F1/P1)をR1、
    前記分割した区画それぞれにおける樹脂面積(F2)と孔面積(P2)の比(F2/P2)をR2とし、
    R2≧R1の関係を満たす各区画中の樹脂面積の総和のことをいう。
  2. 105℃/8hのMD方向の収縮率が10%未満であり、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により得られる表面SEM観察画像の視野の総面積に対して表面の未開孔部の面積比率が25%以下であり、フィブリル径が10〜50nmであるポリオレフィン微多孔膜。
    ここで、表面の未開孔部とは、表面SEM観察画像を縦横それぞれ0.5μmの区画に分割したにおいて、(SEM観察画像の総面積から算出される開孔率(%)−2(%))以上である区画の樹脂部であり、
    表面の未開孔部の面積比率は、前記表面SEM観察画像の視野の総面積に対する表面未開孔部の面積の総和の比率である。
  3. 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により得られる断面SEM観察画像11.7μm×9.4μmの長方形状の視野面積に対して断面の未開孔部の面積比率が22%以下である請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
    ここで、断面の未開孔部とは、断面SEM観察画像を縦横それぞれ0.3μmの区画に分割し、分割した1区画に含まれる樹脂比率が80%以上の区画中の樹脂部であり、
    断面の未開孔部の面積比率は、前記断面SEM観察画像の視野の総面積に対する断面未開孔部の面積の総和の比率である。
  4. 11.7μm×9.4μm視野における表面SEM観察画像において、視野全体における平均孔径が30〜55nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  5. ポリオレフィン微多孔膜の表面SEM観察画像11.7μm×9.4μm視野におけるSEM観察画像で評価される孔数が90個/μm以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  6. 前記断面SEM観察画像における平均孔径が20〜85nmである、請求項3に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  7. 前記断面SEM観察画像における、孔数が60個/μm以上である、請求項3に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  8. 膜厚を7μmに換算したときの突刺強度が3N以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  9. 空孔率が50%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  10. 膜厚が12μm以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜からなる非水電解液二次電池。
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