JP2021021047A - 熱伝導性組成物及びその製造方法 - Google Patents

熱伝導性組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化させた後のゲル組成物の圧縮荷重及び硬さは低いまま復元性を向上させた熱伝導性組成物及びその製造方法を提供する。【解決手段】オルガノポリシロキサン中に熱伝導性粒子が分散されており、前記オルガノポリシロキサンは、常温硬化又は加熱硬化するシリコーンゲルであり、前記シリコーンゲルを100質量部としたとき、常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴムが0.1〜10質量部添加されており、前記熱伝導性組成物を硬化させたときの熱伝導率が0.8〜15W/m・K、厚さに対して50%圧縮10分間保持後、開放し100分経過したときの厚さが元の厚さに対して85%以上である。【選択図】なし

Description

本発明は発熱性電子部品等の発熱体とヒートシンク等の放熱冷却器の間に介在させる熱伝導性組成物及びその製造方法に関する。
近年、薄型テレビ、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、エレクトロルミネッセンス(LED)等の電子機器は高性能化が著しく、ますます小さい搭載面積下に多数の発熱性電子部品が高密度に組み込まれるようになってきている。それに伴い、発熱性電子部品の微細な凹凸を埋め、かつヒートシンクに放熱するための伝熱材も高い熱伝導性の要求がある。
従来、基板上に実装された発熱性電子部品とヒートシンク等の放熱冷却器の間に介在させる伝熱材として、熱伝導性のグリース又はパテが提案されている(特許文献1〜5)。特許文献6ではゴム状のシートが提案され、特許文献7ではゲル状のシートが提案されている。
特許第4796704号公報 特開2017−002179号公報 特開2017−226724号公報 WO2013/12960号明細書 特開2000−063873号公報 特開2010−274566号公報 特開2010−120979号公報
しかし、グリース及びパテは実装時の形状追従性では優れ、接触熱抵抗も極めて低いが、硬化していないため長期の使用中にポンプアウトにより流出してしまい、結果として熱抵抗が高くなり部品の破損を招く。硬化物としてはゴム状のシートがあるが荷重が高い、接触熱抵抗が高いなど、設計、実装上の難点が多い。ゲル状のシートは、荷重が低く、接触熱抵抗も低いが、その反面復元性に劣り、熱膨張/収縮や瞬間的な振動や応力による寸法の変化を吸収しきれないという問題がある。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、ゲル組成物の圧縮荷重及び硬さは維持したまま、復元性を向上させた熱伝導性組成物及びその製造方法を提供する。
本発明の熱伝導性組成物は、オルガノポリシロキサン中に熱伝導性粒子が分散されている熱伝導性組成物であって、前記オルガノポリシロキサンは、常温硬化又は加熱硬化するシリコーンゲルであり、前記シリコーンゲルを100質量部としたとき、常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴムが0.1〜10質量部添加されており、前記熱伝導性組成物を硬化させたときの熱伝導率が0.8〜15W/m・K、厚さに対して50%圧縮10分間保持後、開放し100分経過したときの厚さが元の厚さに対して85%以上であることを特徴とする。
本発明の熱伝導性組成物の製造方法は、下記(a)〜(e)を含む成分を混合し部分架橋させたシリコーンゲルであることを特徴とする。
(a)ベースポリマー:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン100質量部
(b)架橋成分:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノポリシロキサンが、前記(a)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、1モル未満の量
(c)白金系金属触媒:(a)成分に対して金属原子質量単位で0.01〜1000ppmの量
(d)熱伝導性粒子:シリコーンゲル100質量部に対して100〜2000質量部
(e)常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴム:シリコーンゲル100質量部に対して0.1〜10質量部
本発明は、オルガノポリシロキサンは常温硬化又は加熱により硬化し、熱伝導率が0.8〜15W/m・Kであるシリコーンゲルであり、前記シリコーンゲルを100質量部としたとき、常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴムが0.1〜10質量部添加されていることにより、復元性を向上させた熱伝導性組成物及びその製造方法を提供できる。すなわち、硬化型液状シリコーンゴムが0.1〜10質量部添加されていることにより、硬化させた後のゲル組成物の復元性が向上する。
本発明の熱伝導性ゲル組成物は、オルガノポリシロキサン中に熱伝導性粒子が分散されている熱伝導性ゲル組成物である。前記オルガノポリシロキサンは、常温硬化又は加熱により硬化するシリコーンゲルであり、前記シリコーンゲルを100質量部としたとき、常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴムが0.1〜10質量部添加されている。この熱伝導性パテ組成物を硬化させたときの熱伝導率は0.8〜15W/m・K、厚さに対して50%圧縮10分間保持後、開放し100分経過したときの厚さが元の厚さに対して85%以上である。硬化型液状シリコーンゴムが0.1〜10質量部添加されていることにより、硬化させた後のゲル組成物の復元性は向上し、発熱体とヒートシンク等の放熱冷却器の間に介在させて使用した際の寸法変化吸収性に優れる。硬化型液状シリコーンゴムの添加量は0.5〜6質量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜4質量部、より好ましくは0.5〜2質量部である。前記熱伝導性組成物はシートに成形されているのが好ましい。
前記硬化型液状シリコーンゴムは、硬化前の性状が液体であり、硬化後のJIS A硬度が10〜90であるのが好ましく、さらに好ましくは25〜90、40〜90であるのがよりさらに好ましい。性状が液体であるというのは、消防法に定められた液状確認試験の結果が液状と判定されたものを指す。
前記液状シリコーンゴムを添加する前のシリコーンゲルは、硬化後のアスカーC硬度が0〜10であるのが好ましい。この範囲であれば、荷重が低いため接触熱抵抗も低くなる。
前記熱伝導性粒子は、前記シリコーンゲルを100質量部としたとき、100〜2000質量部添加されているのが好ましい。さらに好ましい添加量は300〜1500質量部である。これにより熱伝導性を良好な範囲に保ち、製造時の加工性、製品の取り扱い性ともに保てる。
本発明の熱伝導性ゲル組成物の熱伝導率は0.8〜15W/mKが好ましく、さらに好ましくは1〜12W/mKの範囲である。前記の範囲であれば、発熱部品から放熱材へ有効な熱伝導性を維持できる。
本発明の熱伝導性ゲル組成物のアスカーC硬度は50以下が好ましく、さらに好ましくは40未満である。また、タテ28.6mm、ヨコ28.6mm、厚さ2.0mmのゲルシートを50%圧縮した後、1分間保持した後の荷重(N)は500N以下が好ましく、さらに好ましくは400N未満である。前記の範囲であれば、接触抵抗を低く抑えられ、発熱部品から放熱材へ有効な熱伝導性を維持できる。
本発明の熱伝導性粒子は、複数の種類、平均粒子径が異なる無機粒子を組み合わせてもよい。平均粒子径は0.1〜150μmの無機粒子が好ましい。前記無機粒子は、アルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミニウム及びシリカから選ばれる少なくとも一つの粒子が好ましい。これらは熱伝導性が高いからである。前記無機粒子は、平均粒子径が3μm以上の無機粒子と平均粒子径が3μm未満の無機粒子を含み、平均粒子径が3μm以上の無機粒子は、粒子全体を100質量%としたとき50質量%以上であることが好ましい。平均粒子径が3μm以上の無機粒子は高充填できるからである。
本発明の熱伝導性ゲル組成物は、下記(a)〜(e)成分を含み、及び任意成分として(f)(g)成分等を混合し架橋することが好ましい。
(a)ベースポリマー:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン100質量部
(b)架橋成分:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノポリシロキサンが、前記(a)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、1モル未満の量
(c)白金系金属触媒:(a)成分に対して金属原子質量単位で0.01〜1000ppmの量
(d)熱伝導性粒子:シリコーンゲル(ベースポリマー+架橋成分)100質量部に対して100〜2000質量部
(e)常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴム:シリコーンゲル100質量部に対して0.1〜10質量部
(f)シリコーンゲル成分に対してさらにアルキルトリアルコキシシランを添加しても良い。
(g)シリコーンゲル成分100質量部に対してさらに無機粒子顔料0.5〜10質量部添加しても良い。
(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
本発明の(a)成分は、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンであり、アルケニル基を2個含有するオルガノポリシロキサンは本発明の熱伝導性組成物における主剤(ベースポリマー成分)である。このオルガノポリシロキサンは、アルケニル基として、ビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜8、特に2〜6の、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に平均2個以上有する。粘度は25℃で10〜1000000mPa・s、特に100〜100000mPa・sであることが作業性、硬化性などから望ましい。
具体的には、下記一般式(化1)で表される1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンを使用する。側鎖はトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状オルガノポリシロキサンである。25℃における粘度は10〜1000000mPa・sのものが作業性、硬化性などから望ましい。なお、この直鎖状オルガノポリシロキサンは少量の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有するものであってもよい。本発明において、1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンを使用するのは、無機粒子充填材の添加量を多量にしても流動性が良好で、硬化後は熱伝導性ゲル組成物とするためである。
式中、R1は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基であり、R2はアルケニル基であり、kは0又は正の整数である。
ここで、R1の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、並びに、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基、シアノエチル基等が挙げられる。R2のアルケニル基としては、例えば炭素原子数2〜6、特に2〜3のものが好ましく、具体的にはビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。
一般式(1)において、kは、一般的には0≦k≦10000を満足する0又は正の整数であり、好ましくは5≦k≦2000、より好ましくは10≦k≦1200を満足する整数である。
(a)成分のオルガノポリシロキサンとしては一分子中に例えばビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜8、特に2〜6のケイ素原子に結合したアルケニル基を3個以上、通常、3〜30個、好ましくは、3〜20個程度有するオルガノポリシロキサンを併用しても良い。分子構造は直鎖状、環状、分岐状、三次元網状のいずれの分子構造のものであってもよい。好ましくは、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、25℃での粘度が10〜1000000mPa・s、特に100〜100000mPa・sの直鎖状オルガノポリシロキサンである。
アルケニル基は分子鎖末端あるいは分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子どちらに結合しているものでも良い。なかでも下記一般式(化2)で表される分子鎖両末端のケイ素原子上にそれぞれ1〜3個のアルケニル基を有し(但し、この分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基が、両末端合計で3個未満である場合には、分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合したアルケニル基を、(例えばジオルガノシロキサン単位中の置換基として)、少なくとも1個有する直鎖状オルガノポリシロキサンであって、上記でも述べた通り25℃における粘度が10〜1,000,000mPa・sのものが作業性、硬化性などから望ましい。なお、この直鎖状オルガノポリシロキサンは少量の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有するものであってもよい。
式中、R3は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基である。R4は互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であって、少なくとも1個がアルケニル基であり、R5はアルケニル基であり、l,mは0又は正の整数である。
ここで、R3の一価炭化水素基としては、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基等が挙げられる。
また、R4の一価炭化水素基としても、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、上記R1の具体例と同様のものが例示できるが、但しアルケニル基は含まない。
5のアルケニル基としては、例えば炭素数2〜6、特に炭素数2〜3のものが好ましく、具体的には前記式(化1)のR2と同じものが例示され、好ましくはビニル基である。
l,mは、一般的には0<l+m≦10000を満足する0又は正の整数であり、好ましくは5≦l+m≦2000、より好ましくは10≦l+m≦1200で、0<l/(l+m)≦0.2、好ましくは、0.0011≦l/(l+m)0.1を満足する整数である。
(b)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
本発明の(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤として作用するものであり、この成分中のSiH基と(a)成分中のアルケニル基とが付加反応(ヒドロシリル化)することにより硬化物を形成するものである。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を2個以上有するものであればいずれのものでもよく、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(即ち、重合度)は2〜1000、特に2〜300程度のものを使用することができる。
水素原子が結合するケイ素原子の位置は特に制約はなく、分子鎖の末端でも非末端(途中)でもよい。また、水素原子以外のケイ素原子に結合した有機基としては、前記一般式(化1)のR1と同様の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基が挙げられる。
(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては下記構造のハイドロジェンオルガノシロキサンが例示できる。
上記の式中、R6は互いに同一又は異種の水素、アルキル基、フェニル基、エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アルコキシ基の少なくとも1種を含む有機基である。Lは0〜1,000の整数、特には0〜300の整数であり、Mは1〜200の整数である。)
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、周知の方法により、例えば、R5SiHCl2、(R53SiCl、(R52SiCl2、(R52SiHCl(式中、R5は、メチル基、エチル基等のアルキル基又はフェニル基等のアリール基である)のようなクロロシランを加水分解縮合するか、加水分解して得られたシロキサンを平衡化することにより得ることができる。
(c)白金族金属系触媒
本発明の(c)成分の白金族金属系触媒は、本発明の組成物に付加硬化反応を生じさせるために配合されるものであり、所謂ヒドロシリル化反応の触媒として公知であるものはいずれも使用することができる。この触媒としては、白金系、パラジウム系、ロジウム系のものがあるが、コスト等の見地から白金、白金黒、塩化白金酸などの白金系のもの、例えば、H2PtCl6・mH2O,K2PtCl6,KHPtCl6・mH2O,K2PtCl4,K2PtCl4・mH2O,PtO2・mH2O(mは、正の整数)等の白金化合物、これらの白金化合物とオレフィン等の炭化水素、アルコール又はビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等を例示することができる。これらは一種単独でも2種以上の組み合わせでも使用することができる。
(d)熱伝導性粒子
本発明の(d)成分は、シリコーンゴム層100質量部に対して、100〜2000質量部添加するのが好ましい。これにより放熱シートの熱伝導率を0.8〜15/mKの範囲とすることができる。熱伝導粒子としては、アルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミニウム及びシリカから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。形状は球状,鱗片状,多面体状等様々なものを使用できる。熱伝導性粒子の比表面積は0.06〜10m2/gの範囲が好ましい。比表面積はBET比表面積であり、測定方法はJIS R1626にしたがう。平均粒子径を用いる場合は、0.3〜100μmの範囲が好ましい。粒子径の測定はレーザー回折光散乱法により、体積基準による累積粒度分布のD50(メジアン径)を測定する。この測定器は例えば堀場製作所製社製のレーザー回折/散乱式粒子分布測定装置LA−950S2がある。
熱伝導性粒子は平均粒子径が異なる少なくとも2つの無機粒子を併用するのが好ましい。このようにすると大きな粒子径の間に小さな粒子径の熱伝導性無機粒子が埋まり、最密充填に近い状態で充填でき、熱伝導性が高くなるからである。相対的に平均粒子径の小さな無機粒子は、R(CH3aSi(OR’)3-a(Rは炭素数6〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるシラン化合物、もしくはその部分加水分解物で表面処理するのが好ましい。R(CH3aSi(OR’)3-a(Rは炭素数6〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるシラン化合物(以下単に「シラン」という。)は、一例としてヘキシルトリメトキシラン,ヘキシルトリエトキシシラン,オクチルトリメトキシシラン,オクチルトリエトキシラン,デシルトリメトキシシラン,デシルトリエトキシシラン,ドデシルトリメトキシシラン,ドデシルトリエトキシシラン,ヘキサドデシルトリメトキシシラン,ヘキサドデシルトリエトキシシシラン,オクタデシルトリメトキシシラン,オクタデシルトリエトキシシシラン等がある。前記シラン化合物は、一種又は二種以上混合して使用することができる。ここでいう表面処理とは共有結合のほか吸着なども含む。前記相対的に平均粒子径の大きな無機粒子は、例えば平均粒子径が2μm以上のものをいい、粒子全体を100質量%としたとき50質量%以上添加するのが好ましい。
(e) 常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴム
前記したとおり、常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴムは、硬化前の性状が液体であり、硬化後のJIS A硬度が10〜90が好ましい。硬化機構は脱オキシム、脱アセトン、脱酢酸、脱アルコール等の縮合反応型、付加反応型いずれでもよい。また、一液型、二液型いずれであってもよい。性状が液体であるというのは、消防法に定められた液状確認試験の結果が液状と判定されたものを指す。
(f,g)その他の成分
本発明の組成物には、必要に応じて(a)〜(e)成分以外の成分を配合することができる。例えばベンガラなどの無機顔料、フィラーの表面処理等の目的でアルキルトリアルコキシシランなどを添加してもよい。
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<測定方法>
(1)熱伝導率:ホットディスク法(京都電子工業株式会社)熱物性測定装置TPA−501(製品名)
(2)熱伝導性無機粒子の粒子径
粒子径の測定はレーザー回折光散乱法により、体積基準による累積粒度分布のD50(メジアン径)を測定した。この測定器は堀場製作所製社製のレーザー回折/散乱式粒子分布測定装置LA−950S2を使用した。
(3)復元性試験
厚さ2mm、タテヨコともに20mmの試験片を作成し、圧縮ひずみ試験用の治具を用いて50%に圧縮し、10分間保持する。解放後100分経過した時の厚さを測定し得られた値を、試料のもともとの厚さで除算し百分率で表した。
(4)圧縮荷重試験
タテ28.6mm、ヨコ28.6mm、厚さ2.0mmのゲルシートを50%圧縮した後、1分間保持した後の荷重(N)を測定した。
(5)硬さ
アスカーC、及びショアー00による硬さを測定した。
(実施例1〜9、比較例1〜3)
<シリコーンゲル成分>
シリコーンゲル成分として二液硬化シリコーンゲルはCF5036(東レダウコーニングシリコーン社製)商品名“CF5036”のA液と、B液を等量計量した。なお、“CF5036”には本発明の(a)〜(c)成分が予め添加されている。シリコーンゲル成分の添加量は100gとした。
<熱伝導性無機粒子>
熱伝導性無機粒子としてアルミナをシリコーンゲル成分100gに対して次のとおり計量した。
(1)デシルトリメトキシシランで表面処理した平均粒子径2μmの球状アルミナ:350g
(2)シランカップリング剤無処理の平均粒子径75μmの真球上アルミナ:250g
(3)平均粒子径50μmの水酸化アルミニウム:200g
熱伝導性無機粒子はシリコーン成分(ゲル成分)100gに対して合計800gとした。
<液状シリコーンゴム>
硬度90度:LSR7090(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
硬度70度:MS1002(東レ・ダウコーニング社製)
硬度40度:LR3370/40(旭化成ワッカーシリコーン社製)
硬度25度:KE-103(信越化学工業社製)
硬度10度:KE-1842(信越化学工業社製)
硬度3度:LR3003/03(旭化成ワッカーシリコーン社製)
<その他の添加剤>
着色剤顔料として酸化鉄(弁柄)粉末をシリコーン成分100gに対して1g添加した。
<シリコーンゲルの製造>
以上のシリコーンゲル成分と液状シリコーンゴムと着色剤顔料を容器に入れ、撹拌混合器により混合し、次いで熱伝導性無機粒子を投入し撹拌混合器により混合した後、120℃で1時間かけて架橋させ熱伝導性ゲルシートを得た。得られた熱伝導性ゲルシートの物性は表1〜2に示すとおりであった。
表1から明らかなとおり、液状シリコーンゴムが添加された実施例1〜9の熱伝導性ゲルシートは、液状シリコーンゴムを含まない比較例1に比べて復元性が優れている。硬度の高い液状シリコーンゴムの添加量を増加した比較例2は、復元率は良好であるものの、アスカーC硬度と荷重が高くなってしまうが、JIS A硬度の低い液状シリコーンゴムを添加した実施例9はアスカーC硬度、荷重ともに低く抑えられている。添加する液状ゴムのJIS A硬度が低すぎる比較例3は添加量を増やしても復元率が劣ることがわかる。
本発明の熱伝導性組成物及び熱伝導性シートは、電気・電子部品等の発熱部と放熱体の間に介在させるのに好適である。

Claims (11)

  1. オルガノポリシロキサン中に熱伝導性粒子が分散されている熱伝導性組成物であって、
    前記オルガノポリシロキサンは、常温硬化又は加熱硬化するシリコーンゲルであり、
    前記シリコーンゲルを100質量部としたとき、常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴムが0.1〜10質量部添加されており、
    前記熱伝導性組成物を硬化させたときの熱伝導率が0.8〜15W/m・K、厚さに対して50%圧縮10分間保持後、開放し100分経過したときの厚さが元の厚さに対して85%以上であることを特徴とする熱伝導性組成物。
  2. 前記液状シリコーンゴムは、硬化前の性状が液体であり、硬化後のJIS A硬度が10〜90である請求項1に記載の熱伝導性組成物。
  3. 前記液状シリコーンゴムは縮合反応型又は付加反応型であり、一液硬化型又は二液硬化型である請求項1又は2に記載の熱伝導性組成物。
  4. 前記シリコーンゲルは、硬化後のアスカーC硬度が0〜10である請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
  5. 前記熱伝導性粒子は、前記シリコーンゲルを100質量部としたとき、100〜2000質量部添加されている請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
  6. 前記熱伝導性組成物は、回転粘度計による測定で、温度:25℃、せん断速度:1/sにおける硬化前の粘度が100〜4000Pa・sの範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
  7. 前記オルガノポリシロキサンは、1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンからなるベースポリマー(a)と、1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノポリシロキサンからなる架橋成分(b)を、前記架橋成分(b) 中のケイ素原子に結合した水素原子が前記(a)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して1モル未満の量で部分架橋させたシリコーンゲルである請求項1〜6のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
  8. 前記熱伝導性粒子は、アルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミニウム及びシリカから選ばれる少なくとも一つの粒子である請求項1〜7のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
  9. 前記熱伝導性組成物はシートに成形されている請求項1〜8のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱伝導性組成物の製造方法であって、
    下記(a)〜(e)を含む成分を混合し架橋させたシリコーンゲル組成物であることを特徴とする熱伝導性組成物の製造方法。
    (a)ベースポリマー:1分子中に平均2個以上かつ分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン100質量部
    (b)架橋成分:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノポリシロキサンであり、当該ケイ素原子に結合した水素原子が、前記(a)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、1モル未満の量
    (c)白金系金属触媒:(a)成分に対して金属原子質量単位で0.01〜1000ppmの量
    (d)熱伝導性粒子:シリコーンゲル100質量部に対して100〜2000質量部
    (e)常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴム:シリコーンゲル100質量部に対して0.1〜10質量部
  11. 前記架橋成分(b)中のケイ素原子に結合した水素原子が前記(a)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して0.1モル以上0.5モル未満の量である請求項10に記載の熱伝導組成物の製造方法。
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