JP2021021047A - 熱伝導性組成物及びその製造方法 - Google Patents
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(a)ベースポリマー:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン100質量部
(b)架橋成分:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノポリシロキサンが、前記(a)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、1モル未満の量
(c)白金系金属触媒:(a)成分に対して金属原子質量単位で0.01〜1000ppmの量
(d)熱伝導性粒子:シリコーンゲル100質量部に対して100〜2000質量部
(e)常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴム:シリコーンゲル100質量部に対して0.1〜10質量部
(a)ベースポリマー:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン100質量部
(b)架橋成分:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノポリシロキサンが、前記(a)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、1モル未満の量
(c)白金系金属触媒:(a)成分に対して金属原子質量単位で0.01〜1000ppmの量
(d)熱伝導性粒子:シリコーンゲル(ベースポリマー+架橋成分)100質量部に対して100〜2000質量部
(e)常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴム:シリコーンゲル100質量部に対して0.1〜10質量部
(f)シリコーンゲル成分に対してさらにアルキルトリアルコキシシランを添加しても良い。
(g)シリコーンゲル成分100質量部に対してさらに無機粒子顔料0.5〜10質量部添加しても良い。
本発明の(a)成分は、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンであり、アルケニル基を2個含有するオルガノポリシロキサンは本発明の熱伝導性組成物における主剤(ベースポリマー成分)である。このオルガノポリシロキサンは、アルケニル基として、ビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜8、特に2〜6の、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に平均2個以上有する。粘度は25℃で10〜1000000mPa・s、特に100〜100000mPa・sであることが作業性、硬化性などから望ましい。
本発明の(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤として作用するものであり、この成分中のSiH基と(a)成分中のアルケニル基とが付加反応(ヒドロシリル化)することにより硬化物を形成するものである。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を2個以上有するものであればいずれのものでもよく、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(即ち、重合度)は2〜1000、特に2〜300程度のものを使用することができる。
本発明の(c)成分の白金族金属系触媒は、本発明の組成物に付加硬化反応を生じさせるために配合されるものであり、所謂ヒドロシリル化反応の触媒として公知であるものはいずれも使用することができる。この触媒としては、白金系、パラジウム系、ロジウム系のものがあるが、コスト等の見地から白金、白金黒、塩化白金酸などの白金系のもの、例えば、H2PtCl6・mH2O,K2PtCl6,KHPtCl6・mH2O,K2PtCl4,K2PtCl4・mH2O,PtO2・mH2O(mは、正の整数)等の白金化合物、これらの白金化合物とオレフィン等の炭化水素、アルコール又はビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等を例示することができる。これらは一種単独でも2種以上の組み合わせでも使用することができる。
本発明の(d)成分は、シリコーンゴム層100質量部に対して、100〜2000質量部添加するのが好ましい。これにより放熱シートの熱伝導率を0.8〜15/mKの範囲とすることができる。熱伝導粒子としては、アルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミニウム及びシリカから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。形状は球状,鱗片状,多面体状等様々なものを使用できる。熱伝導性粒子の比表面積は0.06〜10m2/gの範囲が好ましい。比表面積はBET比表面積であり、測定方法はJIS R1626にしたがう。平均粒子径を用いる場合は、0.3〜100μmの範囲が好ましい。粒子径の測定はレーザー回折光散乱法により、体積基準による累積粒度分布のD50(メジアン径)を測定する。この測定器は例えば堀場製作所製社製のレーザー回折/散乱式粒子分布測定装置LA−950S2がある。
前記したとおり、常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴムは、硬化前の性状が液体であり、硬化後のJIS A硬度が10〜90が好ましい。硬化機構は脱オキシム、脱アセトン、脱酢酸、脱アルコール等の縮合反応型、付加反応型いずれでもよい。また、一液型、二液型いずれであってもよい。性状が液体であるというのは、消防法に定められた液状確認試験の結果が液状と判定されたものを指す。
本発明の組成物には、必要に応じて(a)〜(e)成分以外の成分を配合することができる。例えばベンガラなどの無機顔料、フィラーの表面処理等の目的でアルキルトリアルコキシシランなどを添加してもよい。
(1)熱伝導率:ホットディスク法(京都電子工業株式会社)熱物性測定装置TPA−501(製品名)
(2)熱伝導性無機粒子の粒子径
粒子径の測定はレーザー回折光散乱法により、体積基準による累積粒度分布のD50(メジアン径)を測定した。この測定器は堀場製作所製社製のレーザー回折/散乱式粒子分布測定装置LA−950S2を使用した。
(3)復元性試験
厚さ2mm、タテヨコともに20mmの試験片を作成し、圧縮ひずみ試験用の治具を用いて50%に圧縮し、10分間保持する。解放後100分経過した時の厚さを測定し得られた値を、試料のもともとの厚さで除算し百分率で表した。
(4)圧縮荷重試験
タテ28.6mm、ヨコ28.6mm、厚さ2.0mmのゲルシートを50%圧縮した後、1分間保持した後の荷重(N)を測定した。
(5)硬さ
アスカーC、及びショアー00による硬さを測定した。
<シリコーンゲル成分>
シリコーンゲル成分として二液硬化シリコーンゲルはCF5036(東レダウコーニングシリコーン社製)商品名“CF5036”のA液と、B液を等量計量した。なお、“CF5036”には本発明の(a)〜(c)成分が予め添加されている。シリコーンゲル成分の添加量は100gとした。
<熱伝導性無機粒子>
熱伝導性無機粒子としてアルミナをシリコーンゲル成分100gに対して次のとおり計量した。
(1)デシルトリメトキシシランで表面処理した平均粒子径2μmの球状アルミナ:350g
(2)シランカップリング剤無処理の平均粒子径75μmの真球上アルミナ:250g
(3)平均粒子径50μmの水酸化アルミニウム:200g
熱伝導性無機粒子はシリコーン成分(ゲル成分)100gに対して合計800gとした。
<液状シリコーンゴム>
硬度90度:LSR7090(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
硬度70度:MS1002(東レ・ダウコーニング社製)
硬度40度:LR3370/40(旭化成ワッカーシリコーン社製)
硬度25度:KE-103(信越化学工業社製)
硬度10度:KE-1842(信越化学工業社製)
硬度3度:LR3003/03(旭化成ワッカーシリコーン社製)
<その他の添加剤>
着色剤顔料として酸化鉄(弁柄)粉末をシリコーン成分100gに対して1g添加した。
<シリコーンゲルの製造>
以上のシリコーンゲル成分と液状シリコーンゴムと着色剤顔料を容器に入れ、撹拌混合器により混合し、次いで熱伝導性無機粒子を投入し撹拌混合器により混合した後、120℃で1時間かけて架橋させ熱伝導性ゲルシートを得た。得られた熱伝導性ゲルシートの物性は表1〜2に示すとおりであった。
Claims (11)
- オルガノポリシロキサン中に熱伝導性粒子が分散されている熱伝導性組成物であって、
前記オルガノポリシロキサンは、常温硬化又は加熱硬化するシリコーンゲルであり、
前記シリコーンゲルを100質量部としたとき、常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴムが0.1〜10質量部添加されており、
前記熱伝導性組成物を硬化させたときの熱伝導率が0.8〜15W/m・K、厚さに対して50%圧縮10分間保持後、開放し100分経過したときの厚さが元の厚さに対して85%以上であることを特徴とする熱伝導性組成物。 - 前記液状シリコーンゴムは、硬化前の性状が液体であり、硬化後のJIS A硬度が10〜90である請求項1に記載の熱伝導性組成物。
- 前記液状シリコーンゴムは縮合反応型又は付加反応型であり、一液硬化型又は二液硬化型である請求項1又は2に記載の熱伝導性組成物。
- 前記シリコーンゲルは、硬化後のアスカーC硬度が0〜10である請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
- 前記熱伝導性粒子は、前記シリコーンゲルを100質量部としたとき、100〜2000質量部添加されている請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
- 前記熱伝導性組成物は、回転粘度計による測定で、温度:25℃、せん断速度:1/sにおける硬化前の粘度が100〜4000Pa・sの範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
- 前記オルガノポリシロキサンは、1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンからなるベースポリマー(a)と、1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノポリシロキサンからなる架橋成分(b)を、前記架橋成分(b) 中のケイ素原子に結合した水素原子が前記(a)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して1モル未満の量で部分架橋させたシリコーンゲルである請求項1〜6のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
- 前記熱伝導性粒子は、アルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミニウム及びシリカから選ばれる少なくとも一つの粒子である請求項1〜7のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
- 前記熱伝導性組成物はシートに成形されている請求項1〜8のいずれかに記載の熱伝導性組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱伝導性組成物の製造方法であって、
下記(a)〜(e)を含む成分を混合し架橋させたシリコーンゲル組成物であることを特徴とする熱伝導性組成物の製造方法。
(a)ベースポリマー:1分子中に平均2個以上かつ分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン100質量部
(b)架橋成分:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノポリシロキサンであり、当該ケイ素原子に結合した水素原子が、前記(a)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、1モル未満の量
(c)白金系金属触媒:(a)成分に対して金属原子質量単位で0.01〜1000ppmの量
(d)熱伝導性粒子:シリコーンゲル100質量部に対して100〜2000質量部
(e)常温硬化又は加熱硬化型液状シリコーンゴム:シリコーンゲル100質量部に対して0.1〜10質量部 - 前記架橋成分(b)中のケイ素原子に結合した水素原子が前記(a)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して0.1モル以上0.5モル未満の量である請求項10に記載の熱伝導組成物の製造方法。
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JP2005320390A (ja) * | 2004-05-07 | 2005-11-17 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 硬化可能な組成物、成型物及び放熱部材 |
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