JP2021020987A - シリコーン変性ラテックス、及び水性コーティング組成物 - Google Patents

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豊昭 山内
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Abstract

【課題】塗膜に優れた耐候性を付与可能なシリコーン変性ラテックス、及び当該シリコーン変性ラテックスを含有する水性コーティング組成物を得る。【解決手段】水を含む水性媒体と、前記水性媒体中に分散している、シリコーン変性ラテックス粒子(X)と、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)とを含むシリコーン変性ラテックス(A)であって、前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)が、単量体成分として脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)及び分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)とを含み、前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の一部又は全部が、非重合性の紫外線吸収剤及び/又は非重合性の光安定剤である、シリコーン変性ラテックス(A)。【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーン変性ラテックス、及び水性コーティング組成物に関する。
近年、ラテックスから得られる水系塗料は、有機溶剤系塗料からの転換用の素材としてコーティング分野において注目されている。
しかしながら、ラテックスから得られる水系塗料を用いた塗膜は、有機溶剤系塗料を用いた塗膜と比べて、顔料分散性、耐水性、耐汚染性、及び硬度等の観点において、未だ十分な物性を示していないという問題を有している。
上述したラテックスから得られる水系塗料を用いた塗膜、すなわち水系塗膜の問題を解決するために、従来から、ラテックスの分野において、水中のポリマー粒子の機能を向上させる目的で、様々な種類のエチレン性不飽和単量体類ともに、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤等の塩基性官能基を持つ単量体を導入する技術が開発されている。
下記特許文献1には、耐水性、耐候性、パターン形成性を向上させる目的で、酸性側の乳化重合において、特定質量比のメタクリル酸シクロヘキシルと、メタクリル酸n−ブチルとを必須成分とし、さらにアクリル酸2−エチルヘキシルを加えたモノマー組成で、塩基性官能基を持つ単量体を含むエチレン性不飽和単量体類を乳化重合することにより、ラテックスを製造する方法が開示されている。
また、下記特許文献2には、耐候性を向上させる目的で、メタクリル酸シクロヘキシルとアクリル酸2−エチルヘキシル、塩基性官能基を持つ単量体を含むエチレン性不飽和単量体、及びアルコキシシラン基を持つ単量体を含むエチレン性不飽和単量体を乳化重合することにより、ラテックスを製造する方法が開示されている。
さらに、下記特許文献3には、ラテックスの製造工程において、紫外線吸収剤を乳化重合中に導入する方法が開示されている。
さらにまた、下記特許文献4には、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の単量体と共に、非重合性の紫外線吸収剤及び非重合性の光安定剤を混合して乳化重合し、得られたラテックスをアンモニアにてアルカリ側に調整後、アルコキシシランを導入してシリコーン変性する方法が開示されている。
特開2014−31457号公報 特許第5890881号公報 特許第4067336号公報 特開2001-262056号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法により製造されるラテックスは、未だ十分な耐候性が得られていない、という問題を有している。
また、特許文献2に開示されている方法により製造されるラテックスは、未だ十分な耐候性が得られていない、という問題を有している。
さらに、特許文献3に開示されている方法よれば、紫外線吸収剤が塗膜中に均等に分布するものの、添加量に見合った十分な効果が得られず、耐候性が不十分であるという問題を有している。
さらにまた、特許文献4に開示されているシリコーン変性方法では、アンモニアにてアルカリ側に調整後にアルコキシシランを導入するため、ラテックスの分散安定性を損ない、凝集物が発生してしまうという問題を有し、さらにラテックス粒子内でポリシロキサン、すなわちシリコーンポリマーが均質に分布するのではなく、相分離を起こし耐候性の改善には有用ではなかった。
上述したように、従来から、ラテックスの分野においては、水中のポリマー粒子の機能を向上させる目的で、様々な種類のエチレン性不飽和単量体類ともに、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤等の塩基性官能基を持つ単量体を導入する、ラテックス及びこれを用いた塗膜の製造技術が開発されている。
特に、長期にわたる塗膜の光沢保持性を維持するためには、光、熱、水に対する耐性が必要であることが知られており、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤等の塩基性官能基を持つ重合性単量体を使用して、ポリマー粒子に固定化する技術が提案されているが、特許文献1〜4に開示されている技術は、未だ水に対する耐候性は十分なものではない、という問題を有している。
そこで本発明においては、塗膜に優れた耐候性を付与可能なシリコーン変性ラテックス、及び当該シリコーン変性ラテックスを含有する水性コーティング組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、
水を含む水性媒体と、
前記水性媒体中に分散している、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(X)と、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)とを含むシリコーン変性ラテックス(A)であって、
前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)が、単量体成分として、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)及び分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)とを含み、
前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の一部/又は全部が、所定の構造を有するものとすることによって、上記従来技術の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕
水を含む水性媒体と、
前記水性媒体中に分散している、シリコーン変性ラテックス粒子(X)と、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)とを含むシリコーン変性ラテックス(A)であって、
前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)が、単量体成分として脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)及び分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)とを含み、
前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の一部又は全部が、非重合性の紫外線吸収剤及び/又は非重合性の光安定剤である、
シリコーン変性ラテックス(A)。
〔2〕
前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)が、
シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)をシードラテックス粒子として含み、
前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)を構成する単量体成分の一部又は全部が、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c−1)である、
前記〔1〕に記載のシリコーン変性ラテックス(A)。
〔3〕
前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)が、その表面の一部又は全部をポリマー層(D)によって被覆され、
又は、
前記ポリマー層(D)を構成するポリマー粒子の表面に配置されている、
前記〔2〕に記載のシリコーン変性ラテックス(A)。
〔4〕
前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)を構成する、前記脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)の質量と、
前記シリコーン変性ラテックス(A)に含有される、前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)との質量比:(c)/(b)が、
1/1以上400/1以下である、
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のシリコーン変性ラテックス(A)。
〔5〕
前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)が、その表面の一部又は全部をポリマー層(D)によって被覆され、又は、前記ポリマー層(D)を構成するポリマー粒子の表面に配置されており、
前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)を構成する、前記脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c−1)の質量と、
前記シリコーン変性ラテックス(A)に含有される、前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)との質量比:(c−1)/(b)が、1/1以上250/1以下である、
前記〔3〕又は〔4〕に記載のシリコーン変性ラテックス(A)。
〔6〕
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載のシリコーン変性ラテックス(A)、及び水性ポリマー分散体(B)を含む、水性コーティング組成物(C)であって、
前記シリコーン変性ラテックス(A)の総固形分質量と、
前記水性ポリマー分散体(B)の総固形分質量との比が、
((A)成分の総固形分質量)/((B)成分の総固形分質量)=99.9/0.1〜0.1/99.9である、
水性コーティング組成物(C)。
〔7〕
前記水性コーティング組成物(C)の塗膜の90%光沢保持率曝露時間Himp値と、
前記水性ポリマー分散体(B)の塗膜の90%光沢保持率曝露時間H0値と、により、下記(式1)で表される耐候性改質指数が、0.3以上である、
前記〔5〕に記載の水性コーティング組成物。
〔耐候性改質指数〕=(Himp−H0)/H0 (式1)
本発明によれば、塗膜に優れた耐候性を付与可能なシリコーン変性ラテックス、及び当該シリコーン変性ラテックスを含有する水性コーティング組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔シリコーン変性ラテックス(A)〕
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)は、
水を含む水性媒体と、
前記水性媒体中に分散している、シリコーン変性ラテックス粒子(X)と、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)とを含み、
前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)が、単量体成分として脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)及び分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)とを含み、
前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の一部又は全部が、非重合性の紫外線吸収剤及び/又は非重合性の光安定剤である。
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)は、上記のような構成を有していることにより、当該本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)を含有する水性コーティング組成物(C)を用いて形成した塗膜の耐候性を改善することが可能となる。
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)は、塗膜の耐候性を改善する用途に用いられる。詳しくは、本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)は、後述する水性ポリマー分散体(B)と組み合わされた水性コーティング組成物(C)を用いた塗膜の耐候性を改善するものである。
耐候性の発現は、光、熱等による塗膜中のラジカルの発生を抑制することである。
前記のように、シリコーン変性ラテックス粒子(X)は、単量体成分として脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)及び分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)を含んでおり、前記脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)は、ラジカルの攻撃を受けにくい。これに対し、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)は、発生ラジカルをトラップし、自己分解しやすい。
前記(c)成分を含み、かつ前記(d)成分としてアクリル2−エチルへキシルを用いた構造に、重合性光安定剤を組み合わせると、塗膜の耐候性が向上することは知られている(例えば、特許3215329号公報)。
本実施形態は、シリコーン変性ラテックス粒子(X)が、前記脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)及び前記分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)からなる疎水性骨格を持つものとし、かつ、非重合性の紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)を、塩基性条件下の重合中に導入したとき、一層優れた耐候性を発現する塗膜が得られる、という知見に基づくものである。
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)は、前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)と、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)とを含み、当該紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)は、シリコーン変性ラテックス(X)中に存在していてもよく、水性媒体中に存在してもよい。
紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)は、本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)を用いた塗膜の耐候性の観点から、シリコーン変性ラテックス(A)の総固形分質量に対して30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、かつ、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。
特に、この値は、0.01質量%〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%がさらに好ましい。
本実施形態においては、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の一部又は全部が、非重合性の紫外線吸収剤、非重合性の光安定剤である。
ここで、「非重合性」とは、シリコーン変性ラテックス粒子(X)に対して重合性を有さないことを意味する。
なお、シリコーン変性ラテックス(A)中には、重合性の紫外線吸収剤、重合性の光安定剤を含んでいてもよい。
前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)は、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)をシードラテックス粒子として含むものとする。当該シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)を構成する単量体成分の一部又は全部が、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c−1)である。
ここで、上記のようにシリコーン変性ラテックス粒子(X)に含まれる「脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)」のうち、特に、シードラテックス粒子である「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」を構成するものが、「脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c−1)」とする。
本実施形態のシリコーン変性ラテックス粒子(X)においては、前記シードラテックス粒子である「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」が、その表面の一部又は全部をポリマー層(D)によって被覆された形態であるか、又は、前記ポリマー層(D)を構成するポリマー粒子の表面に、前記「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」が配置された形態となっていることが好ましく、かつ、前記ポリマー層(D)を構成する単量体成分の一部又は全部が、前記脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c−2)及び分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d−2)であることが好ましい。
ここで、上記のようにシリコーン変性ラテックス粒子(X)に含まれる「脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)」のうち、特に、ポリマー層(D)を構成するものが、「脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c−2)」とし、「分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)」のうち、特に、ポリマー層(D)を構成するものが、「分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d−2)」とする。
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)においては、シリコーン変性ラテックス(A)の総固形分質量に対して、0.1〜90質量%の、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体単位(c)及び分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体単位(d)を含むことが好ましく、10〜85質量%がさらに好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
シリコーン変性ラテックス粒子(X)が、上記構成を有することにより、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)等の窒素化合物類に対する、シリコーン変性ラテックス粒子(X)の特異的な複合化メカニズム効果が生じやすくなるため、耐候性改質効果が発現し、好ましい。
上記のように、シリコーン変性ラテックス粒子(X)が、所定範囲の前記(c)及び(d)のエチレン性不飽和単量体単位を含むことにより、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)等の窒素化合物類に対する、シリコーン変性ラテックス粒子(X)の特異的な複合化メカニズムによる効果をさらに高め、優れた耐候性改質効果を発現する。
前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)は、上述したように、その表面の一部又は全部を、ポリマー層(D)によって被覆された構成となっていることが好ましい。
また、他の形態として、前記ポリマー層(D)を構成するポリマー粒子の表面に、前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)が配置された構成となっていてもよい。
また、前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)としては、特に、非重合性の紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)を、前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の表面に、ポリマー層(D)を形成する工程で導入されることが好ましい。
これにより、(b)成分を、本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)を含有する塗膜中に全体に亘って拡散させることができ、優れた耐候性改質効果を発現することができる。
前記ポリマー層(D)中に、非共重合性の紫外線吸収剤及び/又は非共重合性の光安定剤(b)を含んでいてもよく、これによりさらに優れた耐候性改質効果を発現することができる。
重合性の紫外線吸収剤及び/又は重合性の光安定剤(b)は、シリコーン変性ラテックス粒子(X)へ重合することにより化学的に固定化されるのに対し、非重合性の紫外線吸収剤及び/又は非重合性の光安定剤(b)は、前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)へ化学的に固定化されにくいものの、後述する水性コーティング組成物(C)を構成する水性ポリマー分散体(B)等の、前記(A)成分以外の他の水性樹脂分散体と混合利用された場合には、当該混合体を用いた塗膜中に全体に亘って拡散させることができるため、優れた耐候性改質効果を発現でき、好ましい。
前記重合性の紫外線吸収剤及び/又は重合性の光安定剤(b)を、シリコーン変性ラテックス粒子(X)へ複合化させる方法としては、本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)の製造工程における乳化重合時に存在させる方法が挙げられる。
これによって、他の単量体との共重合により、シリコーン変性ラテックス粒子(X)に対し、化学的に固定化することができる。
前記非重合性の紫外線吸収剤及び/又は非重合性の光安定剤(b)を、シリコーン変性ラテックス粒子(X)に複合化させる方法としては、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)を成膜助剤等と混合した後に添加してもよいが、本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)の製造工程における乳化重合時に存在させることが好ましい。
紫外線吸収剤と光安定剤を併用すると、優れた耐候性改質効果を発現することができ、さらに好ましい。
シリコーン変性ラテックス粒子(X)に含まれる、シードラテックス粒子である「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」を構成するポリマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビニル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ジエン系ポリマー、メラミン・ベンゾグアナミン系ポリマー、芳香族系ポリマー、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリカプロラクトン、硫黄系ポリマー及び天然高分子からなる群より選択されるポリマーが挙げられる。
シリコーン変性ラテックス粒子(X)に含まれる、シードラテックス粒子である「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」は、(メタ)アクリル酸エステルを単量体単位として含むアクリルポリマー、スチレン及び(メタ)アクリル酸エステルを単量体単位として含むスチレン−アクリルポリマー、スチレン及びブタジエンを単量体単位として含むスチレン−ブタジエンポリマー、並びに、シリコーン変性ポリマー、フッ素系ポリマーから選ばれる少なくとも1種のポリマーを含む粒子であることが好ましい。
特に、本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)を含有する水性コーティング組成物(C)を用いた塗膜において、耐候性が必要とされる場合、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)は、(メタ)アクリル酸エステルを単量体単位として含むアクリルポリマー、スチレン及び(メタ)アクリル酸エステルを単量体単位として含むスチレン−アクリルポリマー、並びに、シリコーン変性ポリマー、フッ素系ポリマーから選ばれる少なくとも1種のポリマーを含む粒子であることがさらに好ましい。
上述したように、本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)は、水性媒体と、シリコーン変性ラテックス粒子(X)と、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)とを含有する。
シリコーン変性ラテックス(A)の製造方法としては、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体、さらにその他のエチレン性不飽和単量体、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)、界面活性剤、重合開始剤、及び水性媒体とからなるプレ乳化液を、水性媒体中において、pH4.0以下でシラン化合物とともに、乳化重合することが好ましい。
この方法によって、エチレン性不飽和単量体の重合反応と共に、シラン化合物の加水分解と縮合反応、すなわち重合反応とを同時に進行させることができるため、ポリビニルポリマーとシリコーンポリマーをシリコーン変性ラテックス粒子(X)内、又はシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)内へ均質に共存させることが可能となる。
さらにシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)は、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c−1)、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d−1)、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体、さらにその他のエチレン性不飽和単量体、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)、界面活性剤、重合開始剤、及び水性媒体とからなるプレ乳化液をpH4.0以下でシラン化合物とともに乳化重合した後、pH6.0以上に調整したシードラテックス粒子として、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体、さらにその他のエチレン性不飽和単量体、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)、界面活性剤、重合開始剤、及び水性媒体とからなるプレ乳化液を、水性媒体中において、乳化重合して製造することが好ましい。
この方法によって、水性媒体中に分散している、シリコーン変性ラテックス粒子(X)と、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)とを含むシリコーン変性ラテックス(A)を得ることができる。
すなわち、シリコーン変性ラテックス粒子(X)は、シードラテックス粒子としての、「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」そのものである場合が好ましく、「ポリマー層(D)によって被覆された状態の、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)、すなわち(a)+(D)」である場合がさらに好ましい。
ここで、「酸性基を持つエチレン性不飽和単量体」は、具体的にはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等を持つエチレン性不飽和単量体であり、親水基としてシリコーン変性ラテックス粒子(X)へ該単量体の一部又は全部が固定化され、該粒子の水媒体中での分散安定化寄与する点で、前記脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)と区別される。
また、シリコーン変性ラテックス(A)の製造方法は、後述する水性ポリマー分散体(B)の製造方法を援用してもよい。
シリコーン変性ラテックス粒子(X)の粒径(平均粒径)は、シリコーン変性ラテックス粒子(X)を含有する塗膜の透明性の観点から、好ましくは1nm〜5000nmであり、より好ましくは1nm〜500nmであり、さらに好ましくは3nm〜350nmである。
シリコーン変性ラテックス粒子(X)の平均粒径は、大塚電子(株)製ELSZ−1000ZS等を用いた動的光散乱法によって、キュムラント法解析に基づいて求めることができる。
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)中の、シリコーン変性ラテックス粒子(X)は、上記のように、当該シリコーン変性ラテックス粒子(X)が、シードラテックス粒子として含む「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」がポリマー層(D)によって被覆された形態であってもよく、又は、ポリマー層(D)を構成するポリマー粒子の表面に、前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)が配置された構成のものを含んでいてもよい。
すなわち、ポリマー層(D)を構成する、複合化されたポリマー粒子表面に多数の「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」が配置し、多数の「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」によって分散安定化し、中央部にポリマー層(D)を構成するポリマー粒子が存在する形態となっていてもよい。
また、「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」の大部分がポリマー層(D)を構成するポリマー粒子の表面に配置していてもよい。
前記ポリマー層(D)/前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の質量比は、0.01〜100であることが好ましく、より好ましくは0.02〜50であり、さらに好ましくは0.05〜20である。
ポリマー層(D)/シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の質量比が100以下であることにより、ポリマー層(D)の形成効率が実用上十分なものとなり、新ポリマー粒子の発生を抑制できる。
また、0.01以上であることにより、前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)に対する量を十分に確保でき、ポリマー層として固定することができる。
ポリマー層(D)の成分量が適切であると、ポリマー層(D)形成用の成分が、ポリマー層(D)の構成成分中の水溶性モノマー由来のポリマーをシードとして、新粒子を形成することを抑制することが可能である。これにより、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)にポリマー層(D)が被覆した粒子と合一しながら成長して粗大粒子を形成する可能性を低減し、塗膜の耐水性を向上できる傾向にある。
ポリマー層(D)/シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の質量比は、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の使用量、ポリマー層(D)の重合工程におけるモノマー類の導入速度、重合時間、重合温度及び重合開始剤の量等の重合条件を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
前記ポリマー層(D)は、少なくとも2種の単量体、すなわち、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)及び分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)からなる単量体単位を有するポリマーを含む。
なお、シリコーン変性ラテックス粒子(X)を構成する「脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)」のうち、前記ポリマー層(D)を構成する成分を、「脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c−2)」とし、シリコーン変性ラテックス粒子(X)を構成する「分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)」のうち、前記ポリマー層(D)を構成する成分を、「分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d−2)」とする。
また、前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)が、前記ポリマー層(D)を形成する工程で導入されることがより好ましい。
脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)としては、以下に限定されるものではないが、アクリル酸又はメタクリル酸の炭素数5〜20のシクロアルキルエステル、あるいはそれらの混合物を含むことが好ましく、シクロアルキル基は水酸基又はエポキシ基を置換基として有してもよい。
脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2,3−シクロヘキセンオキサイド、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルプロピル、(メタ)アクリル酸1−エチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸1−エチルシクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロオクチル(メタ)アクリル酸アダマンチルが挙げられ、当該(メタ)アクリル酸シクロオクチル(メタ)アクリル酸アダマンチルとしては、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチルが挙げられ、特に、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルが好ましい。
分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)としては、アクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜10の無置換の分岐アルキルエステルであることが好ましい。分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸イソノニルが挙げられる。
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)の製造方法に関して、下記により具体的な第一〜第三の方法を示す。
第一の方法は、水性媒体中、界面活性剤存在下で、シラン化合物と、窒素化合物として紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)成分と、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)、分岐アクリル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体(e)、及びその他のエチレン性不飽和単量体からなる単量体混合物とを、酸性条件下(pH4.0以下)で重合、及び混合させ、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の合成と、シリコーン変性ラテックス(A)の製造を同時に行う方法である。
この方法は、後述する〔実施例〕における、実施例1、2の方法に相当する。
非重合性の紫外線吸収剤及び/又は非重合性の光安定剤(b)は、シリコーン変性ラテックス(A)中又はシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)中に混合された状態となる。
かかる方法による場合、「シリコーン変性ラテックス粒子(X)」は、シードラテックス粒子としての「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」そのものとなる。
第二の方法は、第1段階として水性媒体中、界面活性剤存在下で、シラン化合物、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)、分岐アクリル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体(e)、及びその他のエチレン性不飽和単量体からなる単量体混合物を、酸性条件下(pH4.0以下)で重合及び混合させてシリコーン変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)を形成し、その後、さらに、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の表面に、ポリマー層(D)を形成するものとする。
当該ポリマー層(D)の形成工程は、pH6.0以上に調整されたシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の水性分散液において、少なくとも1つの窒素化合物として、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)成分含む単量体混合物を、水性媒体中で乳化重合する方法であり、このとき、単量体成分には、前記脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)及び/又は分岐アクリル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)を含むことが、好ましい。
すなわち、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)は、前記「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の製造工程においては必須の構成単量体であるが、ポリマー層(D)の製造工程においては、任意の構成単量体である。
第三の方法は、第1段階として、上述した第二の方法と同様に、シリコーン変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)を形成した後、さらに、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)に、ポリマー層(D)を形成するものとする。
当該ポリマー層(D)の形成工程は、pH6以上に調整されたシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の水性分散液において、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体の少なくとも一部を中和した状態にて、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位を有するポリマー(D−1)を乳化重合する工程と、その後、少なくとも1つの窒素化合物を含むポリマー(D−2)を水性媒体中で乳化重合する工程と、を含むものである。
当該ポリマー層(D)の形成工程時に、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)成分が導入されることが好ましく、ポリマー層(D)の形成工程時に、単量体混合物、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位を有するポリマー(D−1)の単量体成分を乳化重合し、かつ少なくとも一つの紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)成分を含む「少なくとも1つの窒素化合物を含むポリマー(D−2)」の単量体混合物を水性媒体中で乳化重合する方法である。
なお、少なくとも1つの窒素化合物を含むポリマー(D−2)の単量体成分のいずれかの成分に、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)及び/又は分岐アクリル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)を含むことが好ましい。
すなわち、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)は、前記「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の製造工程においては必須の構成単量体であるが、ポリマー層(D)中の、「少なくとも1つの窒素化合物を含むポリマー(D−2)」の製造工程においては、任意の構成単量体である。
この方法は、後述する〔実施例〕における、実施例3〜8の方法に相当する。
前記第一の方法と、第二の方法、第三の方法は、適宜組み合わせることができ、例えば、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)として、第一の方法で製造したシリコーン変性ラテックス(A)を用い、このシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)をシードラテックスとして、第二の方法又は第三の方法を実施することも可能である。
前記第二の方法、第三の方法による場合、「シリコーン変性ラテックス粒子(X)」は、シードラテックス粒子としての「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」と、ポリマー層(D)を具備する構成となる。
酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位を有するポリマー(D−1)の単量体全体量に対し、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位が0.01〜10.0質量%、及びその他のエチレン性不飽和単量体単位が90.0〜99.99質量%であることが好ましく、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位が0.1〜5.0質量%、及びその他のエチレン性不飽和単量体単位が95.0〜99.9質量%であることがより好ましい。
前記窒素化合物を含むポリマー(D−2)は、当該窒素化合物を含むポリマー(D−2)の単量体の総質量に対し、前記窒素化合物を50質量%以下、及びその他のエチレン性不飽和単量体50.0質量%以上、を含むことが好ましく、前記窒素化合物を0.05〜50質量%を含むことがより好ましい。
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)の製造方法においては、上述したように、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位を有するポリマー(D−1)及び窒素化合物を含むポリマー(D−2)を用いて、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)及び所定の単量体の存在下で、乳化重合を行う工程を含むことが好ましい。
前記酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位を有するポリマー(D−1)が、pH6以上、好ましくはpH7以上、より好ましくはpH7.6以上、さらに好ましくはpH8以上に調整されたシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の存在下、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体の少なくとも一部を中和した状態にて水性媒体中で乳化重合することにより製造された後、又は製造中に、前記窒素化合物を含むポリマー(D−2)が、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)及び酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位を有するポリマー(D−1)の存在下、乳化重合にて製造されることが好ましい。
前記ポリマー層(D)中、前記ポリマー(D−2)/前記ポリマー(D−1)の質量比は、0.01〜50であることが好ましく、0.05〜20がより好ましく、0.1〜10がさらに好ましい。
前記ポリマー(D−2)/前記ポリマー(D−1)の質量比が50以下であることにより、新ポリマー粒子の形成を抑制でき、0.01以上であることにより塗膜の耐水性が良好なものとなる傾向にある。
ポリマー(D−2)/ポリマー(D−1)の質量比は、それぞれのポリマーの重合工程において、モノマー類の導入速度、重合時間、重合温度及び重合開始剤量等の重合条件を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
(シリコーン変性ラテックス粒子(X))
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)に含まれる、シリコーン変性ラテックス粒子(X)は、上述したように、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)が表面の一部又は全部がポリマー層(D)によって被覆された形態であるか、又は、ポリマー層(D)を構成するポリマー粒子の表面に前記「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」が配置された形態であることが好ましい。
すなわち、ポリマー層(D)を構成する、複合化されたポリマー粒子表面に多数の「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」が配置し、多数の「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」によって分散安定化し、中央部にポリマー層(D)を構成するポリマー粒子が存在する形態となっていてもよい。
また、「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」の大部分がポリマー層(D)を構成するポリマー粒子の表面に配置されていてもよい。
さらに、水性媒体に分散した、シリコーン変性ラテックス粒子(X)の固体物質濃度に依存して、前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)において、わずかな部分的凝集が生じる場合もある。
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)においては、シリコーン変性ラテックス(X)が、個々の「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」が「ポリマー層(D)」により被覆された状態で分散している形態の他に、ポリマー層(D)で被覆されていない「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」そのものの形態であるものを含んでいてもよい。
シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)は、ポリマー層(D)により完全に被覆されていることが好ましく、個々の粒子(a)単位ごとにポリマー層(D)により完全に被覆されていることがさらに好ましい。
「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)」がポリマー層(D)によって完全に被覆されている「シリコーン変性ラテックス粒子(X)」の形状は、分散液を透析・イオン交換した後、電気伝導度滴定によって、当該粒子表面の弱酸基量から確認でき、また、粒径測定から粒子単位の被覆であることを確認できる。
(水性媒体)
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)は、水を含む水性媒体を含有する。
水性媒体は、水の他に、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、及びジオキサン等のエーテル類の親水性溶媒を含んでいてもよい。
(紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b))
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)は、「シリコーン変性ラテックス粒子(X)」を含み、「シリコーン変性ラテックス粒子(X)」は、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の一部又は全部を含むことが好ましい。
前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)は、その一部又は全部が、非重合性の紫外線吸収剤及び/又は非重合性の光安定剤であり、重合性の紫外線吸収剤、重合性の光安定剤を一部に含んでいてもよい。
紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)は、シリコーン変性ラテックス粒子(X)や、シリコーン変性ラテックス(A)の製造工程で添加してもよく、後述する水性コーティング組成物(C)の製造工程で添加してもよい。
前記シリコーン変性ラテックス(A)及び/又はシリコーン変性ラテックス粒子(X)を構成する「脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)」の質量、及び「分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)」の質量の和と、前記シリコーン変性ラテックス(A)に含有される「紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)」の質量比、[(c)+(d)]/(b)は、1/1〜500/1であることが好ましく、より好ましくは5/1〜300/1であり、さらに好ましくは10/1〜250/1である。
前記質量比の範囲において、耐候性改質効果が得られる。
前記質量比は、各々の単量体の共重合量、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の添加量を調整することにより制御することができる。
また、前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)を構成する、前記脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)の質量と、前記シリコーン変性ラテックス(A)に含有される、前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)との質量比:(c)/(b)は、1/1以上400/1以下であることが好ましく、2/1以上200/1以下であることが好ましく、4/1以上160/1以下であることがさらに好ましい。
前記質量比の範囲において、耐候性改質効果が得られる。
前記質量比は、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の添加量を調整することにより制御することができる。
前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)が、その表面の一部又は全部をポリマー層(D)によって被覆され、又は、前記ポリマー層(D)を構成するポリマー粒子の表面に配置されている場合、前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)を構成する、前記脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c−1)の質量と、前記シリコーン変性ラテックス(A)に含有される、前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)との質量比:(c−1)/(b)は、1/1以上250/1以下であることが好ましく、2/1以上100/1以下であることが好ましく、4/1以上80/1以下であることがさらに好ましい。
前記質量比の範囲において、耐候性改質効果が得られる。
前記質量比は、各々の単量体の共重合量、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の添加量を調整することにより制御することができる。
〔水性コーティング組成物(C)〕
本実施形態の水性コーティング組成物(C)は、上述したシリコーン変性ラテックス(A)と、水性ポリマー分散体(B)とを含有する。
水性コーティング組成物(C)を構成するシリコーン変性ラテックス(A)は、当該シリコーン変性ラテックス(A)の総固形分質量に対して、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)を30質量%以下で含有することが好ましい。
前記水性ポリマー分散体(B)は、シリコーン変性ラテックス(A)とは、異なる樹脂の分散体である。
前記シリコーン変性ラテックス(A)は、水を含む水性媒体と、当該シリコーン変性ラテックス(A)の総固形分質量に対してシリコーン成分を80質量%以下で含むものであることが好ましく、シリコーン変性ラテックス粒子(X)を含む。
本実施形態の水性コーティング組成物(C)では、前記シリコーン変性ラテックス(A)と、前記水性ポリマー分散体(B)との総固形分質量比が、
((A)成分の総固形分質量)/(B)成分の総固形分質量)=99.9/0.1〜0.1/99.9であるものとし、80/20〜1/99であることが好ましく、50/50〜2/98であることがより好ましく、40/60〜4/96であることがさらに好ましく、35/65〜5/95であることがさらにより好ましい。かかる構成を有することによって、耐候性に優れた塗膜を得ることができる。
そしてそのメカニズムとして、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)は、前記水性ポリマー分散体(B)と混合利用された場合に、水性コーティング組成物(C)中に拡散させることができ、塗膜の耐候性発現に効果的であると推定される。
前記シリコーン変性ラテックス(A)と、前記水性ポリマー分散体(B)とを含有する水性コーティング組成物(C)を含む塗膜において、当該水性コーティング組成物(C)の塗膜の90%光沢保持率曝露時間Himp値と、前記水性ポリマー分散体(B)の塗膜の90%光沢保持率曝露時間H0値とにより、
下記(式1)で算出される耐候性改質指数:
〔耐候性改質指数〕=(Himp−H0)/H0 (式1)
が、0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であることがさらに好ましい。
より好ましくは、前記シリコーン変性ラテックス(A)と、前記水性ポリマー分散体(B)との総固形分質量比が((A)成分の総固形分質量)/((B)成分の総固形分質量)=99.9/0.1〜0.1/99.9からなる水性コーティング組成物(C)を含む塗膜において、前記(式1)で算出される耐候性改質指数が0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であることがさらに好ましい。
さらに詳しくは、((A)成分の固形分質量)/(B)成分の固形分質量)が、80/20〜1/99であって、耐候性改質指数が0.2以上であることがより好ましく、50/50〜2/98であって、耐候性改質指数が0.5以上あることがさらに好ましく、40/60〜4/96であって、耐候性改質指数が0.6以上あることがさらにより好ましく、35/65〜5/95であって、耐候性改質指数が0.6以上あることがよりさらに好ましい。この構成によって、耐候性に優れた塗膜を得ることができる。
上記構成により、耐候性に優れた水性コーティング組成物(C)からなる塗膜を得ることができる。
また、本実施形態において、前記耐候性改質指数を達成することにより、水性コーティング組成物(C)から得られる塗膜の耐黄変性が良好なものとなる。
(シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a))
シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)は、当該(a)成分の総固形分質量に対して、シリコーン成分を60質量%以下含むことが好ましい。より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下、さらにより好ましくは40質量%以下である。
また、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)は、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位を、好ましくは0.02質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.15質量%以上、0.2質量%以上、特に好ましくは0.25質量%以上含み、かつ、前記酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位を、好ましくは20.0質量%以下、10.0質量%以下、8.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、6.0質量%以下、よりさらに好ましくは5.5質量%以下含む。
さらに、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)は、前記酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位以外のその他のエチレン性不飽和単量体単位を、好ましくは、10.0質量%以上、12.0質量%以上、15.0質量%以上、18.0質量%以上、20.0質量%以上、特に好ましくは25.0質量%以上、より好ましくは30.0質量%以上含み、かつ、前記酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位以外のその他のエチレン性不飽和単量体単位を、好ましくは、99.9質量%以下、99.8質量%以下、99.7質量%以下、99.6質量%以下、よりさらに好ましくは99.55質量%以下、特に好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは99.45質量%以下含む。
詳しくは、前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)は、当該シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の総固形分質量に対して60質量%以下のシリコーン成分を含むことが好ましく、かつ、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位0.02〜10.0質量%、及び10.0〜99.9質量%のその他のエチレン性不飽和単量体単位として含むポリマー成分からなる、ことが好ましい。
また、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)は、当該シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の総固形分質量に対して0.01〜50質量%のシリコーン成分と、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位0.05〜10.0質量%及び45.0〜99.89質量%のその他のエチレン性不飽和単量体単位を含むポリマー成分からなる、ことがより好ましい。
さらに、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)は、当該シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の総固形分質量に対して0.05〜50質量%のシリコーン成分と、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位0.25〜10.0質量%及び45.0〜99.45質量%のその他のエチレン性不飽和単量体単位を含むポリマー成分からなる、ことがさらにより好ましい。
特に、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)は、当該シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の総固形分質量に対して0.05〜50質量%のシリコーン成分と、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位0.25〜5.0質量%及び47.5〜99.45質量%のその他のエチレン性不飽和単量体単位を含むポリマー成分からなることがさらにより好ましい。
前記シリコーン成分は、シラン化合物及び/又はシリコーンオリゴマーを単量体単位として含むものであることが好ましい。
前記シリコーン成分は、下記式〔II〕からなる群より選ばれる少なくとも1種のシラン化合物であることが好ましい。
また、下記式〔II〕で表されるシラン化合物の、下記式〔III〕で表されるシラン化合物〔III〕に対するモル比は、10/100以上であることがより好ましい。
また、前記シラン化合物は、式〔I〕:
(R1n−Si-(R24-n ・・・〔I〕
(式中nは0〜3の整数であり、R1は水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、又は炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。n個のR1は同一であっても、異なってもよい。R2は炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、又は水酸基から選ばれる。4−n個のR2は同一であっても、異なってもよい。)で表される、シリコーン構造を有するシラン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
ここで、「(メタ)アクリル酸アルキル基」[(meth)acrylicalkyl group]とは、(メタ)アクリル酸アルキルに由来する置換基であって、そのアルキル部が自由結合端を有する置換基を意味する。
4官能性のシラン化合物としては、前記式〔I〕のn=0の場合であって、その好ましい具体例としては、テトラエトキシシランが挙げられる。
また、3官能性のシラン化合物としては、前記式〔I〕のn=1の場合であって、下記式〔II〕で表される。
1−Si-(R23 ・・・〔II〕
3官能性のシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトシキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
さらに、2官能性のシラン化合物としては、環状シラン及び前記式〔I〕のn=2の場合であって、下記式〔III〕で表される。
(R12−Si-(R22 ・・・〔III〕
2官能性のシラン化合物としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランが挙げられる。
また、環状シランとしては、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
シラン化合物〔II〕の、上記環状シラン及び式〔III〕で表されるシラン化合物に対するモル比は、(シラン化合物〔II〕/環状シラン及び式〔III〕のシラン化合物)=10/100以上であることが好ましく、シラン化合物〔II〕のみであってもよい。
シリコーンオリゴマーとしては、下記式(1)〜(3)で表されるものが挙げられる。
(式(1)〜(3)中、R1は、水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、又は炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。
各R2は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、エポキシ基又はエチレンオキサイド基から選ばれ、少なくとも1つはアルコキシ基である。mは1〜999の正の整数を表す。)
また、このシリコーンオリゴマーは、直鎖状でも、分岐を持つ構造のものでもよく、好ましい「m」は、水相中での分散性が上がる2〜50であり、より好ましくは2〜20である。
当該シリコーンオリゴマーのアルコキシ基量は2〜50%であり、より好ましくは2〜30%である。
前記アルコキシ基量が50%以下であることにより、副生するアルコールを低減し、重合安定性が向上する。また、2%以上であることにより、シリコーン成分の架橋度が増加し、耐候性向上に寄与する。
前記シリコーンオリゴマーとしては、市販されているものを用いてもよく、また、加水分解性シラン化合物を加水分解縮合して得られる化合物を用いてもよいが、その際は、重合安定性を阻害するアルコールの除去処理が必要となる。
シリコーンオリゴマーの市販品としては、例えば、KC−89、KR−500、X−40−9225、X−40−9246、X−40−9250等のメチルメトキシ基系、KR−217等のフェニルメトキシ基系、KR−9218、KR213、KR510、X−40−9227、X−40−9247等のメチル/フェニルメトキシ系(以上信越化学製 製品名)や、MSE−100等のメチルメトキシ系(以上シリコーンワッカー社製 製品名)等が挙げられ、これらのシリコーンオリゴマーは、1種のみを単独で用いても、複数種類を併用してもよい。
(水性ポリマー分散体(B)の製造方法)
本実施形態の水性コーティング組成物(C)を構成する水性ポリマー分散体(B)の構成するポリマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビニル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ジエン系ポリマー、メラミン・ベンゾグアナミン系ポリマー、芳香族系ポリマー、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリカプロラクトン、硫黄系ポリマー及び天然高分子からなる群より選択されるポリマーが挙げられるが、好ましくはビニル系ポリマーであり、ビニル系ポリマーの製造方法について以下に示す。
酸性基を持つエチレン性不飽和単量体、その他のエチレン性不飽和単量体、界面活性剤、重合開始剤、及び水性媒体とからなるプレ乳化液と、必要に応じてシリコーン成分、例えば、シラン化合物とを、シラン化合物とプレ乳化液中のモノマーとが同一液滴粒子化しない不均質な組成を維持するようにして混合し、その後、水性媒体中においてpH4.0以下で乳化重合する。
酸性基を持つエチレン性不飽和単量体、その他のエチレン性不飽和単量体、界面活性剤、重合開始剤、及び水性媒体とからなるプレ乳化液と、シラン化合物とを、連続的又は間欠的に混合しながら、水性媒体中において乳化重合する製造方法であることが好ましい。
さらに、前記窒素化合物、すなわち紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)を前記プレ乳化液へ混入することもできる。
前記任意のシリコーン成分として、シリコーンオリゴマーを使用する場合には、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体、その他のエチレン性不飽和単量体、界面活性剤、重合開始剤、及び水性媒体とからなるプレ乳化液と、シリコーンオリゴマーとを混合した後、水性媒体中において重合する。
重合方法としては、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、ミニエマルション重合が挙げられるが、平均粒子径が10nm〜1μm程度の分散安定性の良好なエマルジョンを安定的に製造する方法としては、乳化重合が好ましい。
さらに酸性基を持つエチレン性不飽和単量体及びその他のエチレン性不飽和単量体とシリコーンオリゴマーを乳化する前に混合溶解した溶解液とする方法は重要である。
シラン化合物を使用する製造方法とシリコーンオリゴマーを使用する製造方法を同時に、あるいは段階的に利用することも可能である。
(シリコーン変性ラテックス(A)、又は水性ポリマー分散体(B)の製造時におけるその他のエチレン性不飽和単量体)
シリコーン変性ラテックス(A)、又は水性ポリマー分散体(B)の製造時に使用される、「脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)」、「分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)」、「酸性基を持つエチレン性不飽和単量体」以外の、「その他のエチレン性不飽和単量体」は、同一でもそれぞれ異なっていてもよい。
具体的には、(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、及びこれらと共重合可能な単量体が挙げられる。
本明細書においてアクリル酸及びメタクリル酸をまとめて(メタ)アクリル酸と表すことがある。
当該(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体は、特に限定されるものではないが、例えば、メタクリルアミド系単量体、シアン化ビニル類、アルド基又はケト基を有するエチレン性不飽和単量体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキル部の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アルキル部の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、オキシエチレン基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレート、オキシプロピレン基の数が1〜100個の(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレート、オキシエチレン基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルが挙げられ、その他のエチレン性不飽和単量体中の質量に対して1質量%以上の量の、アクリル酸又はメタクリル酸の炭素数5〜12のシクロアルキルエステル、あるいはそれらの混合物を含むことが好ましく、シクロアルキル基は水酸基又はエポキシ基を置換基として有してもよい。具体的には(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2,3−シクロヘキセンオキサイド、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシシクロヘキシル、が挙げられる。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ドデシルが挙げられる。
エチレン性基を2つ以上持つその他のエチレン性不飽和単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸アリル、フタル酸ジアリル、ブタジエン等のジエン、ジビニルベンゼンが挙げられ、さらに例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜10の多価アルコールのジ(メタ)アクリレート;エチレンオキシドの付加モル数が2〜50のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドの付加モル数が2〜50のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の炭素数2〜4のアルキレンオキシド基の付加モル数が2〜50であるアルキルジ(メタ)アクリレート;エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノヒドロキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜10の多価アルコールのトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜10の多価アルコールのテトラ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(モノヒドロキシ)ペンタ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜10の多価アルコールのペンタ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10の多価アルコールのヘキサ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2−(2’−ビニルオキシエトキシエチル)(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル等が挙げられる。
これらのエチレン性基を2つ以上持つその他のエチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコールが挙げられる。
(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコールが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド系単量体類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
シアン化ビニル類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。
アルド基又はケト基を有するエチレン性不飽和単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチルアクリレート、ホルミルスチロール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
上記以外で、シリコーン変性ラテックス(A)、又は水性ポリマー分散体(B)の製造時に使用される「その他のエチレン性不飽和単量体」としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエステル;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルのビニルエーテル;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル;アリルエチルエーテル;及び、アリルグリシジルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピロメチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(酸性基を持つエチレン性不飽和単量体)
シリコーン変性ラテックス(A)、又は水性ポリマー分散体(B)の製造時に使用される、「酸性基を持つエチレン性不飽和単量体」としては、例えば、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体が用いられる。
なお、「酸性基を持つエチレン性不飽和単量体」は、上述した「脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)」「分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)」とは、分子末端に陰イオン性基持つエチレン性不飽和単量体として区別できる。
カルボン酸基を有するエチレン性不飽和量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸及びこれらのモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。
リン酸基を持つエチレン性不飽和単量体としては、以下のものが挙げられる。なお、以下に限定されるものではないが、ここに示すリン酸基(phosphoric acid基)とは、亜リン酸基(phosphonic acid基)を含み、さらにリン酸エステル基(phosphate基)、亜リン酸エステル基(phosphonate基)を含む。
例えば、重合性ビニル基又はオレフィン基を含むアルコールのリン酸二水素エステル(アリルホスフェート、ビス(ヒドロキシメチル)フマラート若しくはイタコナートのモノ若しくはジホスフェート等)や、(メタ)アクリル酸エステルの誘導体(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルのホスフェート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルのリン酸モノエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルのリン酸モノエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルのリン酸モノエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルのリン酸ジエステル、(メタ)アクリル酸−2ヒドロキシプロピルのリン酸ジエステル、(メタ)アクリル酸−3ヒドロキシプロピルのリン酸ジエステル、(メタ)アクリロイルオキシアルキルモノホスフェート、(メタ)アクリロイロキシポリオキシエチレングリコールアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイロキシポリオキシプロピレングリコールアシッドホスフェートが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
市販されているリン酸基を持つエチレン性不飽和単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、共栄社化学株式会社から入手可能なライトアクリレート(登録商標)P−1A(N)、ライトエステル(登録商標)P−1M、ライトエステル(登録商標)P−2M、東邦化学工業株式会社から入手可能なPPME、PMR12、PPM−5P、ローディアインコーポレーティド(Rhodia,Inc.)から入手可能なSIPOMER(登録商標)PAM−100、SIPOMER(登録商標)PAM−200、SIPOMER(登録商標)PAM−300、及びSIPOMER(登録商標)PAM−400、ユニケミカル(株)から入手可能なホスマー(登録商標)M、ホスマー(登録商標)PE、ホスマー(登録商標)PP、大八化学工業株式会社から入手可能なMR−200、MR−260等が挙げられる。
その他のリン酸基を持つ単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸、α−ホスホノスチレン、2−メチルアクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸、ユニケミカル(株)から入手可能なホスマーCL、亜リン酸基を持つ単量体としては、2−ホスホエチル(メタ)アクリレート、2−ホスホプロピル(メタ)アクリレート、3−ホスホプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記スルホン酸基を有するエチレン性不飽和量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アリルスルホン酸を含むα−オレフィンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸が挙げられる。
なお、上述した酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としては、重合性アニオン型界面活性剤は含まれない。
上述した酸性基を持つエチレン性不飽和単量体単位の塩(例えばアルカリ金属塩及びアンモニウム塩)も、「カルボキシル基を持つエチレン性不飽和単量体」、「リン酸基を持つエチレン性不飽和単量体」、「スルホン酸基を有するエチレン性不飽和単量体」に含まれ得る。
アルカリ金属塩又はアンモニウム塩としては、以下に限定されるものではないが、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩、及び塩基性アミノ酸のアンモニウム塩等が挙げられる。
(紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b))
本実施形態の水性コーティング組成物(C)を構成するシリコーン変性ラテックス(A)は、シリコーン変性ラテックス粒子(X)を含み、当該シリコーン変性ラテックス粒子(X)は、シリコーン変性ラテックス(A)に含有される紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の一部又は全部を含む。
前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)は、一部又は全部が非重合性の紫外線吸収剤及び/又は光安定剤であるものとし、重合性の紫外線吸収剤、重合性の光安定剤を一部に含んでいてもよく、これらは2つ以上組み合わせてもよい。
シリコーン変性ラテックス粒子(X)及びシリコーン変性ラテックス(A)が含有する紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)を下記に示すが、これらに限定されるものではない。
重合性の紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−〔3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕ベンゾフェノン、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチル−3'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−ニトロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)−3'−tert−ブチルフェニル〕−4−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学(株)製、製品名:RUVA−93)、3−メタクリロイル−2−ヒドロキシプロピル−3−[3−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル]フェニルプロピオネート(BASFジャパン(株)製、製品名:CGL−104)等の紫外線吸収性エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
重合性の光安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン[例えば(ADEKA(株)製、製品名:アデカスタブLA87):2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート]、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン[例えば(ADEKA(株)製、製品名:アデカスタブLA82):1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート]、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−シアノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の光安定性エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
非重合性の紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、トリアジン系の紫外線吸収剤が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール)、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物(BASFジャパン(株)製、製品名:TINUVIN1130)、イソオクチル−3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート(BASFジャパン(株)製、製品名:TINUVIN384)、2−(3−ドデシル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(BASFジャパン(株)製、製品名:TINUVIN571)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(BASFジャパン(株)製、製品名:TINUVIN900)等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、TINUVIN400(製品名、BASFジャパン(株)製)等が挙げられる。
非重合性の光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が使用できる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、1−[2−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−セバケートの混合物(BASFジャパン(株)製、製品名:TINUVIN292)、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、TINUVIN123(製品名、BASFジャパン(株)製)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5,1,11,2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、プロパンジオイックアシッド,〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等が挙げられ、市販されているヒンダードアミン系光安定剤としては特に限定されず、例えば、BASFジャパン(株)製として、TINUVIN765、TINUVIN770DF、TINUVIN144、TINUVIN622SF、TINUVIN152、アデカ製として、アデカスタブLA−52、アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−63P、アデカスタブLA−72、アデカスタブLA−77Y、アデカスタブLA−81等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)は、水性ポリマー分散体(B)の製造時にはなくてもよいが、使用することも可能である。
前記非共重合性の紫外線吸収剤及び/又は非重合性の光安定剤を、本実施形態の水性コーティング組成物(C)に含有させる方法としては、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)を成膜助剤等と混合して後添加してもよいが、乳化重合時に存在させることが好ましい。
(シリコーン変性ラテックス(A)、又は水性ポリマー分散体(B)の製造時に用いる界面活性剤)
シリコーン変性ラテックス(A)の製造工程において、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)すなわちシードラテックス粒子、及びポリマー層(D)を形成してシリコーン変性ラテックス粒子(X)を製造する際には、界面活性剤を用いてもよい。
また、水性ポリマー分散体(B)の製造工程において、界面活性剤を用いてもよい。
シリコーン変性ラテックス(A)の製造方法と、水性ポリマー分散体(B)の製造方法とは、異なる製造方法であるが、製造に使用される界面活性剤は同一でも、異なっていてもよい。
当該界面活性剤は、以下に説明する界面活性剤を含むことが好ましい。
界面活性剤は、重合開始前及び/又は製造初期過程、重合過程、重合過程終了後等の各段階で添加、及び/又は逐次添加することができる。
例えば、シリコーン変性ラテックス(A)の製造時に界面活性剤を使用し、ポリマー層(D)の製造時、前記初期過程において前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)を含む分散液に所定量の界面活性剤を混合した後、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)、及び必要に応じて、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体、その他のエチレン性不飽和単量体を用いて重合を行ってもよく、前記粒子(a)を含む分散液へ、所定量の界面活性剤と同時に上述した各種の単量体を供給し、重合を行ってもよく、ポリマー層(D)の製造後、所定量の界面活性剤を加えてもよい。
界面活性剤としては、アニオン型の界面活性剤が好ましいものとして使用できる。
アニオン型の界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルケニルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩(アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルスルホン酸塩等)、アルケニルアリールスルホン酸塩、イセチオン酸塩型アルキル脂肪酸エステル、イセチオン酸塩型アルケニル脂肪酸エステル、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えば、花王(株)製品名ペレックスSS−L、ペレックスSS−H)、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、エトキシル化アルキルフェノール硫酸塩、アルキルアリルスルホコハク酸塩及びジアルキルスルホコハク酸塩(例えば、ジオクチルスルホコハク酸塩、ジヘキシルスルホコハク酸塩、アルキルアリルスルホコハク酸塩(例えば、三洋化成(株)製品名エレミノールJS−2、JS−5)、及び、アルキル又はアルケニル2−ヒドロキシ(3−アリルオキシ)プロピオスルホコハク酸塩(例えば、花王(株)製品名ラテムルS−120、S−180A、S−180)が挙げられる。
前記スルホン酸塩及び硫酸塩とは、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩を指し、具体的には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩、及び塩基性アミノ酸のアンモニウム塩等が挙げられる。
界面活性剤は、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルアリルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
アニオン型の界面活性剤としては、塗膜の高度な耐水性を発現するために、親水基と親油基を有し、エチレン性不飽和結合基を有する、いわゆる反応性界面活性剤を用いてもよい。
当該反応性界面活性剤の中でアニオン型の界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スルホン酸基、硫酸エステル基又はこれらの塩を有するエチレン性不飽和単量体が挙げられる。具体的には、スルホン酸基、及びそのアンモニウム塩若しくはアルカリ金属塩である基(アンモニウムスルホネート基、又はアルカリ金属スルホネート基)を有する化合物が挙げられる。
反応性界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルの塩(例えば、第一工業製薬(株)製品名アクアロンHS−10)、α−[1−[(アリルオキシ)メチル]−2−(フェニルフェノキシ)エチル]−ω−ポリオキシエチレン硫酸エステルの塩(例えば、(株)ADEKA製 製品名アデカリアソープSE−1025A)、α−スルホ−ω−(1−(アルコキシ)メチル)−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩(例えば、(株)ADEKA製 製品名アデカリアソープSR−1025)、アンモニウム=α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン(例えば、第一工業製薬(株)製品名アクアロンKH−10)、ポリオキシエチレンスチレン化プロペニルフェニルエーテル硫酸エステルの塩(例えば、第一工業製薬(株)製品名アクアロンAR−10,AR−20)が挙げられる。
界面活性剤としては、ノニオン型の界面活性剤等を使用することもできる。
ノニオン型の界面活性剤としては、塗膜の高度な耐水性を発現するために、親水基と親油基を有し、エチレン性二重結合基を有する、いわゆる反応性界面活性剤を用いてもよい。
反応性界面活性剤であるノニオン性の界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、α−[1−[(アリルオキシ)メチル]−2−(フェニルフェノキシ)エチル]−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(例えば、(株)ADEKA製 製品名アデカリアソープNE−20、NE−30、NE−40)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル(例えば、第一工業製薬(株)製品名アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50)が挙げられる。
また、界面活性剤としては、上述したもの以外に、通常の界面活性剤を使用することもできる。
当該通常の界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等の非反応性ノニオン型界面活性剤が挙げられる。
重合過程終了後において、シリコーン変性ラテックス(A)、及び/又は、水性ポリマー分散体(B)へ添加され得る界面活性剤の種類は、特に限定されないが、ノニオン型及び/又はアニオン型界面活性剤が好ましい。
重合過程終了後に添加される界面活性剤の使用量は、単量体の全質量を基準として、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。これより多い使用量では得られる塗膜の耐水性が著しく低下する傾向にある。
(シリコーン変性ラテックス(A)、又は水性ポリマー分散体(B)の製造のための重合開始剤)
シリコーン変性ラテックス(A)、水性ポリマー分散体(B)を製造する際には、ラジカル重合開始剤を使用することができる。
ラジカル重合開始剤は、熱又は還元性物質等によってラジカル分解して、単量体のラジカル重合を起こさせる化合物である。
水溶性の重合開始剤としては、水溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が使用できる。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライドが挙げられる。
油溶性の重合開始剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
乳化重合を行う場合、水溶性の重合開始剤を単独で使用するか、又は水溶性の重合開始剤と油溶性の重合開始剤とを併用することが好ましく、ミニエマルション重合の場合、油溶性の重合開始剤を使用することが好ましい。
水溶性の重合開始剤の量は、好ましくは、単量体の全質量に対して通常0.01〜10質量%、より好ましくは0.01〜1.0質量%である。
油溶性の重合開始剤の量は、単量体の全質量に対して通常0.01〜10質量%、好ましくは0.01〜0.1質量%である。
重合速度の促進、さらに低温での重合を行う場合、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合開始剤と組み合わせて用いることが好ましい。
重合温度は、重合開始剤の分解温度に合わせて決定され、乳化重合は通常水の沸点以下である90℃以下で実施される。
重合時間は、乳化重合又はミニエマルション重合を行う場合には、最終的に得られるエマルション中の重合体濃度によっても異なるが、単量体を分散液に供給した後の重合反応の時間(熟成時間)は、10分以上であることが好ましい。この時間以下では、未反応の単量体が残留する可能性がある。
(連鎖移動剤)
単量体の重合にあたっては、重合後の分子量を調節するため、連鎖移動剤を重合過程で添加することも可能であり、連鎖移動剤を0.1〜5質量%からなる混合物することによって得ることができる。
連鎖移動剤が0.1質量%以下では水溶液又は水分散液の粘度が高値を示し取扱いを困難となる傾向にあり、5質量%以上では塗膜の耐水性が低下する傾向にある。
連鎖移動剤としては、具体的には、ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、α−メチルスチレンダイマー、四塩化炭素等が挙げられる。
(塗膜、及び用途)
本実施形態のシリコーン変性ラテックス(A)、及びこれに水性ポリマー分散体(B)を組み合わせた本実施形態の水性コーティング組成物(C)は、フォトニック結晶、塗料、コーティング材、紙加工剤、粘接着剤、導電性材料、電池材料、熱可塑性樹脂組成物、微細構造体、光学材料、反射防止部材、及び光学レンズの材料として利用でき、新車塗料、自動車補修塗料、金属塗料、プラスチック塗料、木工塗料、建築・建材塗料、繊維処理剤等に用いられることが好ましく、金属、建材、建築物、家具等の物品の素地表面あるいは下塗り塗膜を介して塗布、乾燥することにより形成される。
その塗膜の厚さは用途により異なるが、1μm〜数mmと幅広く用いることができる。
(添加剤)
本実施形態の水性コーティング組成物(C)には、通常水系塗料に添加配合される添加剤として、例えば、界面活性剤、増粘剤、成膜助剤、可塑剤、消泡剤、染料、防腐剤、無機顔料等を任意に配合することができる。
界面活性剤としては、例えば、ヘキサメタリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩、トリポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を持つポリマーのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
その他、例えば、高級脂肪酸、樹脂酸、酸性脂肪アルコール、硫酸エステル、高級アルキルスルホン酸、スルホン酸アルキルアリル、スルホン化ひまし油、スルホコハク酸エステル、アルケニルコハク酸等の塩に代表されるアニオン性界面活性剤;あるいはエチレンオキサイドと長鎖脂肪アルコール又はフェノール類、リン酸類との公知の反応生成物に代表されるノニオン性界面活性剤;4級アンモニウム塩等を含有するカチオン性界面活性剤が挙げられる。
増粘剤としては、(部分鹸化)ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の高分子分散安定剤等、その他ポリエーテル系増粘剤等が挙げられる。
その他、フタル酸ジブチル等の可塑剤、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ブタンジオールイソブチレート、グルタル酸ジブチル等の成膜助剤を添加してもよく、無機顔料として、二酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、ベーマイト、水酸化アルミニウム等を添加してもよい。
これらの各種添加剤は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
以下、実施例及び比較例によって、本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
〔耐候性の評価〕
下記に示す塗料配合組成に従い、シリコーン変性ラテックスと、水性ポリマー分散体とを含む水性コーティング組成物(C)を用いて塗料を調製し、以下に示す耐候性試験方法に従って試験を実施した。
(塗料配合組成)
<(1)顔料ディスパージョン(実施例及び比較例において共通して用いる。)>
イオン交換水 221質量部
BYK190[分散剤20%水溶液:BYK社製](注) 35質量部
タイピュア R−706[ルチル型酸化チタン:デュポン(株)製] 706質量部
プロピレングリコール 45質量部
アンモニア水 1.0質量部
(但し、BYK190の原液は40%水溶液であり、固形分濃度を精秤したのち、約2倍希釈の20%水溶液に調製して用いた。)
<(2)実施例1,2、比較例1,5の塗料配合成分>
水性ポリマー分散体(B)としては、後述する(合成例5)にて製造したものを用いた。
実施例1、2、比較例1,5においては、下記に示す塗料配合組成で塗料を調製し、以下に示す耐候性試験方法に従って試験を実施した。
実施例1,2のシリコーン変性ラテックス(A)、比較例1、又は比較例5のラテックスの固形分換算 50質量部
(合成例5)の水性ポリマー分散体(B)(固形分換算) 50質量部
テキサノールCS−12 10質量部
イオン交換水 10質量部
前記(1)の顔料ディスパージョン 101質量部
<(3)実施例3〜10の塗料配合成分>
水性ポリマー分散体(B)としては、後述する(合成例5)又は(合成例7)にて製造したものを用いた。
実施例3〜10においては、下記に示す塗料配合組成で塗料を調製し、以下に示す耐候性試験方法に従って試験を実施した。
実施例3〜10のシリコーン変性ラテックス(A)の固形分換算 20質量部
(合成例5又は7)の水性ポリマー分散体(B)(固形分換算) 80質量部
テキサノールCS−12 10質量部
イオン交換水 10質量部
前記(1)の顔料ディスパージョン 101質量部
<(4)比較例2、3の塗料配合成分>
水性ポリマー分散体(B)としては、比較例2は後述する(合成例5)、比較例3は後述する(合成例7)にて製造したものを用いた。
比較例2、3においては、下記に示す塗料配合組成で塗料を調製し、以下に示す耐候性試験方法に従って試験を実施した。
(比較例2、3)のラテックスの固形分換算 20質量部
(合成例5又は7)の水性ポリマー分散体(B)(固形分換算) 80質量部
テキサノールCS−12 10質量部
イオン交換水 10質量部
前記(1)の顔料ディスパージョン 101質量部
<(5)比較例4の塗料配合成分>
水性ポリマー分散体(B)としては、後述する(合成例7)にて製造したものを用いた。
比較例4においては、下記に示す塗料配合組成で塗料を調製し、以下に示す耐候性試験方法に従って試験を実施した。
(合成例7)の水性ポリマー分散体(B)(固形分換算) 100質量部
テキサノールCS−12 10質量部
イオン交換水 10質量部
前記(1)の顔料ディスパージョン 101質量部
(試験体の作製)
前記(2)〜(5)の各々の塗料配合成分を含有する塗料配合物を、ワイヤーコーターNo.55を用いて、硫酸アルマイト板に塗布し、室温にて2時間乾燥させた。
さらに50℃にて2日間乾燥させたものを、耐候性改質指数の評価の試験体とした。
(耐候性改質指数)
耐候性試験前の(2)〜(5)の各々の塗料配合成分を含有する各塗料配合物の塗膜の試験体を光沢−色差計(BYK―Gardner GmbH社製、spectro−guide)にて、曝露前の初期60度の光沢値(G0)、すなわち60度−60度鏡面反射率(60度光沢値)を測定した。
引き続きサンシャイン型ウエザオメーター(スガ試験機(株)製、WEL−SUN−DC)を使用して曝露試験(降雨サイクル;12分/時間、ブラックパネル温度60〜66℃)を行った。
所定時間曝露後の(2)〜(5)の各々の塗料配合成分を含有する塗膜の試験体の60度光沢値(G)を測定し、60度光沢値の保持率(G/G0)が90%となった曝露時間を、Himp値とした。
次に、比較用の塗膜として、下記に示す塗料配合組成で塗料を調製した。
(合成例5)又は(合成例7)の水性ポリマー分散体(B)(固形分換算)100質量部
テキサノールCS−12 10質量部
イオン交換水 10質量部
前記(1)の顔料ディスパージョン 101質量部

前記塗料により作製した塗膜の試験体の60度光沢値(G)を測定し、初期の60度光沢値の保持率(G/G0)が90%となった曝露時間を、前記水性ポリマー分散体(B)の塗膜が、90%光沢保持率を示した曝露時間をH0値とした。
耐候性改質指数を、下記(式1)により算出した。
〔耐候性改質指数〕=(Himp−H0)/H0 (式1)
前記耐候性改質指数が0.3以上であれば、良好であると評価した。
(耐黄変性試験)
上記耐候性改質指数の60度光沢値の測定と同時にb値を、光沢−色差計(BYK−Gardner GmbH社製、spectro−guide)にて測定した。
すなわち各試験体について、曝露前のG0を測定すると同時に初期値b0を測定し、さらにG値が90%光沢保持率を示した時の色差b値を測定し、|b−b0|=Δbとして以下の基準で、良い順からA〜Cとし、耐黄変性を評価した。
A:Δb値が1.0未満
B:Δb値が1.0以上、1.5未満
C:Δb値が1.5以上
〔後述するシリコーン変性ラテックス(A)、又はシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液中の、粒子の平均粒子径の測定〕
シリコーン変性ラテックス(A)、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の平均粒子径の測定は、後述するシリコーン変性ラテックス(A)、又はシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液を、イオン交換水で適宜希釈し、室温(23℃)にて大塚電子株式会社製 ELSZ―1000を使用し、キュムラント平均値を求めた。
シリコーン変性ラテックス(A)の平均粒子径の測定結果を下記表2に示す。
シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の平均粒子径測定結果は後述する。
また、比較例1〜3においては、本願発明のシリコーン変性ラテックス(A)ではないものを製造しているため、便宜上、表2中、「シリコーン変性ラテックス(A)の平均粒子径」の欄に、各々の比較例で製造されたラテックスの平均粒子径の値を記載した。
〔シリコーン変性ラテックス(A)の合成時の分散安定性〕
シリコーン変性ラテックス(A)を用いて、下記の基準により、合成時の分散安定性を評価した。
評価結果を下記表2に示す。
○:シリコーン変性ラテックス(A)中に凝集物がまったく見られないか、わずかに白い凝集物が点在するが、100メッシュの金網で濾過することができる。
△:シリコーン変性ラテックス(A)中に白い凝集物が存在するが、100メッシュの金網で濾過することができる。
×:シリコーン変性ラテックス(A)中に多量の凝集物が存在し、100メッシュの金網で濾過すると目詰まりを起こし、濾過することができない。あるいは、分散体全体が凝集し、液状でなくなった。
〔後述するシリコーン変性ラテックス(A)、又はシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液の固形分(質量%)〕
後述するシリコーン変性ラテックス(A)、又はシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液を1gアルミ皿に取り、精秤後、105℃で3時間乾燥させ、乾燥後の質量を精秤し、その比率から固形分を算出した。
算出結果を下記表2に示す。
また、凍結真空乾燥によっても、シリコーン変性ラテックス(A)、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス(a)の固形分を算出し、同様の結果になることを確認した。
なお、後述する実施例1及び2においては、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)とシリコーン変性ラテックス(A)とが同じものであるため、表2中、「シリコーン変性ラテックス(A)の固形分」として、シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液の固形分の数値を記載した。
また、比較例1〜3においては、本願発明のシリコーン変性ラテックス(A)ではないものを製造しているため、便宜上、表2中、「シリコーン変性ラテックス(A)の固形分」の欄に、各々の比較例で製造されたラテックスの固形分の数値を記載した。
(シリコーン変性ラテックス(A)を構成する脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)の質量と、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)との質量比((c)/(b)))
後述する合成例、実施例、及び比較例中の、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)、及び紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の質量数値から算出した。
(脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)、及び分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)の質量と、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)との質量比((c)+(d)/(b))
後述する合成例、実施例、及び比較例中の、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)、及び紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の質量数値から算出した。
以下、実施例及び比較例において用いた材料を具体的に示す。
〔実施例及び比較例において用いた材料〕
(界面活性剤)
エレミノール(登録商標)JS−2(アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウムの水溶液、三洋化成(株)製)
ネオペレックス(登録商標)G−15(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの水溶液、花王(株)製)
(初期開始剤)
過硫酸アンモニウムの2%水溶液(2%APSとして表1に記載した)
(反応性界面活性剤であって、アニオン型の界面活性剤)
アクアロン(登録商標)KH−10(ポリオキシエチレン−1−(アルキルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム、第一工業製薬(株)製)
(リン酸基を持つエチレン性不飽和単量体)
PPME(2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェートとビス(2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート)との混合物、(別称)メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのリン酸モノエステルとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのリン酸ジエステルとの混合物、東邦化学工業(株)製)
(窒素官能基を持つエチレン性不飽和単量体(共重合性の光安定剤))
アデカスタブ(登録商標)LA−82(メタクリロキシ1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン、ADEKA(株)製)
(非共重合性の紫外線吸収剤)
Tinuvin(登録商標)384−2(BASFジャパン(株)製)
(非共重合性の光安定剤)
Tinuvin(登録商標)292(BASFジャパン(株)製)
Tinuvin(登録商標)123(BASFジャパン(株)製)
(共重合性の紫外線吸収剤)
RUVA(登録商標)93(大塚化学(株)製)
(成膜助剤)
テキサノール(登録商標)CS−12(JNC(株)製)
以下、実施例1及び実施例2のシリコーン変性ラテックス(A)、及びこれを用いた水性コーティング組成物の製造について説明する。
〔(実施例1)シリコーン変性ラテックス(A)、及びこれを用いた水性コーティング組成物の製造〕
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽及び温度計を取り付けた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管〔Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め2つ滴下槽の液が混じり合うところまで、モレキュラシーブス3A(製品名:和光純薬(株)製))を充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。〕を介して反応系へ流入できるように組み立てた。
反応容器に、水290g、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つ界面活性剤のエレミノール(登録商標)JS−2(スルホコハク酸ジエステルナトリウム塩、三洋化成(株)製)の20%水溶液10質量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10g添加し、その5分後に、メタクリル酸メチル30質量部、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸シクロヘキシル30質量部、アクリル酸n−ブチル30質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸10質量部の混合液とアクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液5質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15質量部、水48質量部からなるプレ乳化液を滴下槽より40分かけて流入させた。
流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。
流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保持した。
次に、メタクリル酸メチル109質量部、メタクリル酸シクロヘキシル120質量部、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体としてアクリル酸2エチルヘキシル163質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸8質量部、TINUVIN(登録商標)384−2を5質量部、TINUVIN(登録商標)123を2.5質量部、の混合液とエレミノール(登録商標)JS−2の20%の水溶液10質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液10質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液60質量部、水190質量部からなるプレ乳化液と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM503:製品名、信越シリコーン(株)製)1質量部、ジメチルジメトキシシラン(KBM22:製品名、信越シリコーン(株)製)20質量部、メチルトリメトキシシラン(KBM13:製品名、信越シリコーン(株)製)20質量部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して反応系へ160分かけて流入させた。
重合中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。
流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保持した。
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.1であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8.5に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.05%とわずかであり、撹拌翼への付着もわずかであった。
得られたシリコーン変性ラテックス中の固形分は45.1質量%であり、平均粒子径108nmで単一分布であった。
この実施例1のシリコーン変性ラテックス(A)を、上述した<(2)塗料配合成分>の組成にて配合した水性コーティング組成物を製造後、試験体に供した。
この試験体を使い、耐候性改質指数を求めた。その結果を下記表2へ示した。
〔(実施例2)シリコーン変性ラテックス(A)、及びこれを用いた水性コーティング組成物の製造〕
実施例1と同様に器具を組み立てた。
反応容器に水290g、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つ界面活性剤のエレミノール(登録商標)JS−2(スルホコハク酸ジエステルナトリウム塩、三洋化成(株)製)の20%水溶液10質量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10g添加した5分後に、メタクリル酸メチル30質量部、メタクリル酸シクロヘキシル30質量部、アクリル酸n−ブチル30質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸5質量部、およびPPME5質量部、TINUVIN(登録商標)384−2の1質量部の混合液とアクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液5質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15質量部、水48質量部からなるプレ乳化液を滴下槽より40分かけて流入させた。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。
流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保持した。
次に、メタクリル酸シクロヘキシル169質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル163質量部、メタクリル酸ターシャリーブチル60質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸8質量部、TINUVIN(登録商標)384−2を5質量部、TINUVIN(登録商標)123を2.5質量部、の混合液とエレミノール(登録商標)JS−2の20%の水溶液10質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液10質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液60質量部、水190質量部からなるプレ乳化液と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1質量部、ジメチルジメトキシシラン20質量部、メチルトリメトキシシラン20質量部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して反応系へ160分かけて流入させた。
重合中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。
流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保持した。
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.05%とわずかであり、撹拌翼への付着もわずかであった。
得られたシリコーン変性ラテックスの固形分は45.1質量%であり、平均粒子径108nmで単一分布であった。
この実施例2のシリコーン変性ラテックス(A)を、上述した<(2)塗料配合成分>の組成にて配合した水性コーティング組成物を製造後、試験体に供した。
この試験体を使い、耐候性改質指数を求めた。その結果を下記表2へ示した。
〔合成例1(シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液の製造〕
次に、(合成例1)として、シリコーン変性ラテックス(A)を構成するシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の製造方法を示す。
この合成例1の「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液は、後述する実施例3〜5、実施例9のシリコーン変性ラテックス(A)及びこれを用いた水性コーティング組成物(C)の製造に用いた。
実施例1と同様に器具を組み立てた。
反応容器に水290質量部、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つ界面活性剤のエレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10g添加した5分後に、メタクリル酸メチル30質量部、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸シクロヘキシル30質量部、アクリル酸n−ブチル30質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸10質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液5質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15質量部、水48質量部からなるプレ乳化液を滴下槽より40分かけて流入させた。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保持した。
次に、メタクリル酸メチル109質量部、メタクリル酸シクロヘキシル120質量部、アクリル酸ブチル163g、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸8質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液10質量部、エレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液60質量部、水180質量部からなるプレ乳化液と、及びシリコーン成分として、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1質量部、ジメチルジメトキシシラン20質量部、メチルトリメトキシシラン20質量部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して反応系へ160分かけて流入させた。
重合中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保持した。室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.01%とわずかであり、撹拌翼への付着もわずかであった。
得られたシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液の固形分は、45.1質量%であり、当該シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の平均粒子径は95nmで単一分布であった。
〔合成例2(シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液の製造〕
次に、(合成例2)として、シリコーン変性ラテックス(A)を構成するシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の製造方法を示す。
この合成例2の「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液は、後述する実施例6、10のシリコーン変性ラテックス(A)及びこれを用いた水性コーティング組成物(C)の製造に用いた。
実施例1と同様に器具を組み立てた。
反応容器に水290質量部、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つ界面活性剤のエレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10g添加した5分後に、メタクリル酸メチル10質量部、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸シクロヘキシル30質量部、アクリル酸n−ブチル50質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸5質量部およびPPMEを5質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液5質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15質量部、水48質量部からなるプレ乳化液を滴下槽より40分かけて流入させた。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保持した。
次に、メタクリル酸シクロヘキシル165質量部、メ分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸ターシャリーブチル163g、アクリル酸n−ブチル64質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸8質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液10質量部、エレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液60質量部、水180質量部からなるプレ乳化液と、及びシリコーン成分として、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1質量部、ジメチルジメトキシシラン20質量部、メチルトリメトキシシラン20質量部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して反応系へ160分かけて流入させた。
重合中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保持した。室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.01%とわずかであり、撹拌翼への付着もわずかであった。
得られたシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液の固形分は、45.1質量%であり、当該シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の平均粒子径は95nmで単一分布であった。
〔合成例3(シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液の製造〕
次に、(合成例3)として、シリコーン変性ラテックス(A)を構成するシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の製造方法を示す。
この合成例3の「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液は、後述する実施例7のシリコーン変性ラテックス(A)及びこれを用いた水性コーティング組成物(C)の製造に用いた。
実施例1と同様に器具を組み立てた。
反応容器に水290質量部、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つ界面活性剤のエレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10g添加した5分後に、メタクリル酸メチル30質量部、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸シクロヘキシル30質量部、アクリル酸n−ブチル30質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸5質量部およびPPMEを5質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液5質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15質量部、水48質量部からなるプレ乳化液を滴下槽より40分かけて流入させた。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保持した。
次に、メタクリル酸メチル109質量部、メタクリル酸シクロヘキシル120質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル163質量部、メタクリル酸8質量部と、TINUVIN(登録商標)384−2を0.5質量部、TINUVIN(登録商標)123を1.0質量部、の混合液に、アクアロンKH−10の25質量%水溶液を10質量部、エレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液60質量部、水180質量部を加えた混合液を作製し、当該混合液をホモミキサーにより乳化し、プレ乳化液を得た。
次に、シリコーン成分の単量体として、γ−メタクリロシプロピルトリメトキシシラン1.0質量部、ジフェニルジメトキシシラン(KBM202SS:製品名、信越シリコーン(株)製)20質量部、メチルトリメトキシシラン15質量部、及びフェニルトリメトキシシラン(KBM103:製品名、信越シリコーン(株)製)5.0質量部の混合液を、Y字管〔Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め2つ滴下槽の液が混じり合うところまで、モレキュラシーブス3A(製品名:和光純薬(株)製)を充填し、シリコーン成分の単量体の混合物とプレ乳化液との緩やかな混合ができるように調整し、反応容器中へ滴下槽より2時間かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃で30分間保った。
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.3であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8.5に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.02%とわずかであり、撹拌翼への付着もわずかであった。
得られたシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の固形分は45.5質量%であり、当該シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の平均粒子径は98nmで単一分布であった。
〔合成例4(シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液の製造〕
次に、(合成例4)として、シリコーン変性ラテックス(A)を構成するシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の製造方法を示す。
この合成例4の「シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液」は、後述する実施例8のシリコーン変性ラテックス(A)及びこれを用いた水性コーティング組成物(C)の製造に用いた。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取り付けた反応容器を用意した。
反応容器に水290質量部、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つ界面活性剤のエレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10g添加した5分後に、メタクリル酸メチル30質量部、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸シクロヘキシル30質量部、アクリル酸n−ブチル30質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸5質量部およびPPMEを5質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液5質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15質量部、水48質量部からなるプレ乳化液を滴下槽より40分かけて流入させた。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保持した。
次に、メタクリル酸メチル109質量部、メタクリル酸シクロヘキシル120質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル163質量部、メタクリル酸8質量部と、アクアロンKH−10の25質量%水溶液を10質量部、エレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液60質量部、水180質量部、γ−メタクリロシプロピルトリメトキシシラン2.0質量部を加えた混合液を作製し、当該混合液をホモミキサーにより乳化し、プレ乳化液を得た。
反応容器中へ滴下槽より2時間かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器中の温度を80℃で30分間保った。
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.3であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8.5に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.02%とわずかであり、撹拌翼への付着もわずかであった。
得られたシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子の分散液の固形分は44.7質量%であり、当該シリコーンで変性されたアクリルラテックス粒子の平均粒子径は92nmで単一分布であった。
以下、実施例3〜10として、上述した(合成例1)〜(合成例4)のシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液を用いて、シリコーン変性ラテックス(A)を製造した。
〔実施例3〜10〕
以下、実施例3〜10として、シリコーン変性ラテックス(A)の製造方法を示す。
実施例3〜10中の、シリコーン変性ラテックス(A)の各原料の質量割合について、下記表1に記載する。
還流冷却器、滴下槽、温度計、及び撹拌装置を有する反応器に、前記(合成例1〜4)で得たシリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)の分散液をアンモニア水とイオン交換水によりpH9.5、固形分濃度40.0%へ調整し、所定量(下記表1に記載)を計量し、投入し、60℃に昇温した。
そこに、濃度15質量%に調整した表1に記載の初期添加界面活性剤の所定量を、ゆっくり添加した。
反応器内の前記混合物を窒素雰囲気下で70℃に昇温した後、初期開始剤として過硫酸アンモニウム(2%APS水溶液)の表1に記載の所定量を添加した。
その5分後に、ポリマー層(D)となる表1に記載の、(D−1)酸性基を持つポリマーを構成するモノマー混合物、当該モノマーと同時導入の濃度15質量%に調整した界面活性剤、及び所定量の水系成分をホモジナイザーにて乳化混合し、この混合物を90分かけて反応器へ流入させた。
流入終了後、反応器中のラテックスをさらに70℃にて30分間撹拌した。
次に、ポリマー層(D)となる表1に記載の、(D−2)窒素化合物を含むポリマーを構成するモノマー混合物、当該モノマーと共に導入の紫外線吸収剤、光安定剤、該モノマーと同時導入の濃度15質量%に調整した界面活性剤、及び所定量の水系成分をホモジナイザーにて乳化混合し、この混合物を120分かけて反応器へ流入させ、シリコーン変性ラテックス(A)を得た。
その後、前記シリコーン変性ラテックス(A)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、必要に応じ異アンモニア水にてpH8.5とした後、当該シリコーン変性ラテックス(A)の固形分(質量%)、平均粒子径を測定し、反応容器への付着物状態を目視にて確認した。
実施例3〜10のシリコーン変性ラテックス(A)を、上述した<(3)塗料配合>の組成にて配合後、試験体に供した。
これら試験体を使い、耐候性改質指数を求めた。その結果を下記表2へ示した
〔合成例5(実施例1〜8、比較例1、2と混合する水性ポリマー分散体(B)の製造)〕
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取り付けた反応容器を用意した。
反応容器に水290質量部、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つ界面活性剤のエレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10g添加した5分後に、メタクリル酸メチル60質量部、アクリル酸n−ブチル30質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸10質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液5質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15質量部、水48質量部からなるプレ乳化液を滴下槽より40分かけて流入させた。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保持した。
次に、メタクリル酸メチル180質量部、アクリル酸n−ブチル212質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸8質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液10質量部、エレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液60質量部、水180質量部からなるプレ乳化液を反応系へ160分かけて流入させた。
流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保持した。室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.01%とわずかであり、撹拌翼への付着もわずかであった。
得られた水性ポリマー分散体(B)の固形分は44.7質量%、平均粒子径は98nmで単一分布であった。
〔比較例1〕=合成例6
この比較例1においては、シリコーン変性ラテックスが、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)を含まないものとした。
実施例1と同様に器具を組み立てた。
反応容器に水290g、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つ界面活性剤のエレミノール(登録商標)JS−2(スルホコハク酸ジエステルナトリウム塩、三洋化成(株)製)の20%水溶液10質量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10g添加した5分後に、メタクリル酸メチル30質量部、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸シクロヘキシル30質量部、アクリル酸n−ブチル30質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸10質量部の混合液とアクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液5質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15質量部、水48質量部からなるプレ乳化液を滴下槽より40分かけて流入させた。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保持した。
次に、メタクリル酸メチル109質量部、メタクリル酸シクロヘキシル120質量部、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体としてアクリル酸n−ブチル163質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸8質量部、TINUVIN(登録商標)384−2を5質量部、TINUVIN(登録商標)123を2.5質量部、の混合液とエレミノール(登録商標)JS−2の20%の水溶液10質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液10質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液60質量部、水190質量部からなるプレ乳化液と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1質量部、ジメチルジメトキシシラン20質量部、メチルトリメトキシシラン20質量部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して反応系へ160分かけて流入させた。
重合中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保持した。
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8.5に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.05%とわずかであり、撹拌翼への付着もわずかであった。
得られたシリコーン変性ラテックスの固形分は45.2質量%であり、平均粒子径102nmで単一分布であった。
上述した<(2)塗料配合成分>の組成に従い、合成例5の水性ポリマー分散体(B)と配合後、試験体に供した。
この試験体を使い、耐候性改質指数を求めた。その結果を下記表2へ示した。
〔合成例7(実施例9、10、比較例3、4に用いる水性ポリマー分散体(B)の製造)〕
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取り付けた反応容器を用意した。
反応容器に水290質量部、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つ界面活性剤のエレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10g添加した5分後に、メタクリル酸メチル30質量部、メタクリル酸シクロヘキシル30質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル30質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸10質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液5質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15質量部、水48質量部からなるプレ乳化液を滴下槽より40分かけて流入させた。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保持した。
次に、メタクリル酸メチル109質量部、メタクリル酸シクロヘキシル120質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル163質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸8質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液10質量部、エレミノール(登録商標)JS−2の20%濃度に調整した水溶液10質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液60質量部、水180質量部からなるプレ乳化液を反応系へ160分かけて流入させた。
流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保持した。室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.01%とわずかであり、撹拌翼への付着もわずかであった。
得られた水性ポリマー分散体の固形分は44.7質量%であり、平均粒子径112nmで単一分布であった。
〔比較例2〕
脂環式アルキル基及び分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体を含まない場合の製造例を以下に示す。
実施例1と同様に器具を組み立てた。
反応容器に水290g、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つ界面活性剤のエレミノール(登録商標)JS−2(スルホコハク酸ジエステルナトリウム塩、三洋化成(株)製)の20%水溶液10質量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10g添加した5分後に、メタクリル酸メチル30質量部、アクリル酸n−ブチル60質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸10質量部の混合液とアクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液5質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15質量部、水48質量部からなるプレ乳化液を滴下槽より40分かけて流入させた。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保持した。
次に、メタクリル酸メチル229質量部、アクリル酸n−ブチル163質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸8質量部、TINUVIN(登録商標)384−2を5質量部、TINUVIN(登録商標)123を5質量部の混合液とエレミノール(登録商標)JS−2の20%の水溶液10質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液10質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液60質量部、水190質量部からなるプレ乳化液と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1質量部、ジメチルジメトキシシラン20質量部、メチルトリメトキシシラン20質量部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して反応系へ160分かけて流入させた。
重合中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保持した。
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8.5に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.05%とわずかであり、撹拌翼への付着もわずかであった。
得られたシリコーン変性ラテックスの固形分は45.1質量%であり、平均粒子径95nmで単一分布であった。
当該ラテックスを、上述した<(4)塗料配合成分>の組成に従い、合成例5の水性ポリマー分散体(B)と配合後、試験体に供した。
この試験体を使い、耐候性改質指数を求めた。その結果を下記表2へ示した。
〔比較例3〕
比較例2のシリコーン変性ラテックスを、上述した<(4)塗料配合成分>の組成に従い、合成例7の水性ポリマー分散体(B)と配合後、試験体に供した。これら試験体を使い、耐候性改質指数を求めた。その結果を下記表2へ示した。
〔比較例4〕
上述した合成例7で製造したラテックスを100質量部使用し、上述した<(5)塗料配合成分>の組成に従い、配合後、試験体に供した。
これら試験体を使い、耐候性改質指数を求めた。その結果を下記表2へ示した。
〔比較例5〕
以下、先行技術文献の特許文献4に記載された方法に準じてアルコキシシランを縮合反応させたラテックス、及びこれを用いたコーティング組成物の製造について説明する。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取り付けた反応容器を用意した。
反応容器に、水290g、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を分子中に持つ界面活性剤のエレミノール(登録商標)JS−2(スルホコハク酸ジエステルナトリウム塩、三洋化成(株)製)の20%水溶液10質量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10g添加し、その5分後に、メタクリル酸メチル30質量部、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸シクロヘキシル30質量部、アクリル酸n−ブチル30質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸10質量部の混合液とアクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液5質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15質量部、水48質量部からなるプレ乳化液を滴下槽より40分かけて流入させた。
流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。
流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保持した。
次に、メタクリル酸メチル109質量部、メタクリル酸シクロヘキシル120質量部、分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体としてアクリル酸2エチルヘキシル163質量部、酸性基を持つエチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸8質量部、TINUVIN(登録商標)384−2を5質量部、TINUVIN(登録商標)123を2.5質量部、の混合液とエレミノール(登録商標)JS−2の20%の水溶液10質量部、アクアロン(登録商標)KH−10の25%水溶液10質量部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液60質量部、水190質量部からなるプレ乳化液を反応系へ160分かけて流入させた。
重合中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保持した。
流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保持した。
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.2であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを7.0に調整した。この時の平均粒子径は、105nmで単一分布であった。ジメチルジメトキシシラン(KBM22:製品名、信越シリコーン(株)製)20質量部、メチルトリメトキシシラン(KBM13:製品名、信越シリコーン(株)製)20質量部からなる混合液を添加し、1時間撹拌した。その後、反応容器を80℃に昇温し3時間反応させ、その後室温まで冷却してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して2.85%と多く、撹拌翼への付着も見られ、やや分散安定性が良くなかった。
得られたラテックス中の固形分は44.5質量%であり、平均粒子径121nmで単一分布となり、アルコキシシラン添加前に比べ粒子径が肥大化し、粒子どうしの合一が一部に起きていると推定された。
この比較例5のラテックスを、上述した<(2)塗料配合成分>の組成にて配合した水性コーティング組成物を製造後、試験体に供した。
この試験体を使い、耐候性改質指数を求めた。その結果を下記表2へ示した。
本発明のシリコーン変性ラテックス及び水性コーティング組成物は、フォトニック結晶、塗料、コーティング材、紙表面処理剤、紙加工剤、繊維処理剤、粘接着材、導電性材料、電池材料、熱可塑性樹脂組成物、微細構造体、光学材料、反射防止部材、及び光学レンズの材料として、産業上の利用可能性がある。

Claims (7)

  1. 水を含む水性媒体と、
    前記水性媒体中に分散している、シリコーン変性ラテックス粒子(X)と、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)とを含むシリコーン変性ラテックス(A)であって、
    前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)が、単量体成分として脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)及び分岐アルキル基を持つエチレン性不飽和単量体(d)とを含み、
    前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)の一部又は全部が、非重合性の紫外線吸収剤及び/又は非重合性の光安定剤である、
    シリコーン変性ラテックス(A)。
  2. 前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)が、
    シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)をシードラテックス粒子として含み、
    前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)を構成する単量体成分の一部又は全部が、脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c−1)である、
    請求項1に記載のシリコーン変性ラテックス(A)。
  3. 前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)が、その表面の一部又は全部をポリマー層(D)によって被覆され、
    又は、
    前記ポリマー層(D)を構成するポリマー粒子の表面に配置されている、
    請求項2に記載のシリコーン変性ラテックス(A)。
  4. 前記シリコーン変性ラテックス粒子(X)を構成する、前記脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c)の質量と、
    前記シリコーン変性ラテックス(A)に含有される、前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)との質量比:(c)/(b)が、
    1/1以上400/1以下である、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリコーン変性ラテックス(A)。
  5. 前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)が、その表面の一部又は全部をポリマー層(D)によって被覆され、又は、前記ポリマー層(D)を構成するポリマー粒子の表面に配置されており、
    前記シリコーンで変性されたアクリル系ラテックス粒子(a)を構成する、前記脂環式構造を持つエチレン性不飽和単量体(c−1)の質量と、
    前記シリコーン変性ラテックス(A)に含有される、前記紫外線吸収剤及び/又は光安定剤(b)との質量比:(c−1)/(b)が、1/1以上250/1以下である、
    請求項3又は4に記載のシリコーン変性ラテックス(A)。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシリコーン変性ラテックス(A)、及び水性ポリマー分散体(B)を含む、水性コーティング組成物(C)であって、
    前記シリコーン変性ラテックス(A)の総固形分質量と、
    前記水性ポリマー分散体(B)の総固形分質量との比が、
    ((A)成分の総固形分質量)/((B)成分の総固形分質量)=99.9/0.1〜0.1/99.9である、
    水性コーティング組成物(C)。
  7. 前記水性コーティング組成物(C)の塗膜の90%光沢保持率曝露時間Himp値と、
    前記水性ポリマー分散体(B)の塗膜の90%光沢保持率曝露時間H0値と、により、下記(式1)で表される耐候性改質指数が、0.3以上である、
    請求項5に記載の水性コーティング組成物。
    〔耐候性改質指数〕=(Himp−H0)/H0 (式1)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022202269A1 (ja) * 2021-03-22 2022-09-29 株式会社カネカ ポリシロキサン系樹脂、およびその利用

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