JP2021020966A - トコトリエノール誘導体、医薬組成物および5−リポキシゲナーゼ関連疾患における使用方法 - Google Patents

トコトリエノール誘導体、医薬組成物および5−リポキシゲナーゼ関連疾患における使用方法 Download PDF

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ソフィー テンムル,ヴェロニカ
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    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/06Antiasthmatics

Abstract

【課題】5−リポキシゲナーゼ(5−LO)の活性阻害に加え好中球の5−LOの生成物形成阻害を可能にする化合物の提供。【解決手段】下記一般式で表されるトコトリエノール誘導体。[*:対応する(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し、R2、R3およびR4:アルキル等を表す]【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、半精製されたヒト5−リポキシゲナーゼ(5−LO)の活性および完全なままのヒト好中球における5−LOの生成物形成の両方を阻害する新規のトコトリエノール誘導体(それらの医薬的に許容される溶媒和物を含む)に関する。これらのトコトリエノール誘導体は、特に5−LO関連疾患(その中でも皮膚科疾患、呼吸器疾患(respiratory track diseases)および慢性気道炎症性疾患(喘息など))の処置および/または防止において、治療化合物として有用である。
発明の背景
リポキシゲナーゼは、多価不飽和脂肪酸または他のアルケンの酸化反応の触媒として作用する鉄含有酵素のファミリーである。その中で、5−リポキシゲナーゼ(5−LOとも呼称される)は、脂質炎症メディエーターの一群であるロイコトリエンをもたらすためのアラキドン酸(AA)の酸素化を触媒する。従って、5−LOは、様々な疾患(特に炎症性疾患)に関与する。
喘息は、多くの細胞および細胞要素が役割を果たす気道の慢性炎症性疾患である。この慢性炎症は、アレルゲン、タバコの煙、化学物質、汚染またはいくつかの強い感情などの特定の要因に起因して気道過敏性の増大を引き起こす。
世界保健機関によれば、喘息は2億3500万人の人々を冒し、特に夜間または早朝の、喘鳴、息切れ、胸の圧迫感および咳嗽の再発エピソードを特徴とする。これらのエピソードは通常、自然に、あるいは処置により、戻すことができることの多い、広範囲に及ぶが変化しやすい気流閉塞と関連している。そのような再発エピソードの重症度および頻度は、人によって異なる可能性がある。しかし、この疾患を適切に管理することで、トラブルを抑制でき、患者に良好な生活の質を保証することが可能である。
現在のところ、患者における疾患の重症度、およびその処置が緩和するための処置(危機的場合)であるか防止するための処置(バックグラウンド処置)であるか、に応じて異なるタイプの処置が利用可能である。これらの処置は主に、気管支の局所的過敏性および/または炎症を低減することに基づく。
炎症の生化学的マーカーが当技術分野で公知である。これらのマーカーのレベルの上昇の存在は、炎症性疾患の発症と関連していることが示されている。
喘息の場合、疾患の症状の媒介における5−リポキシゲナーゼ(または5−LO)の決定的な関与が知られている。5−LOは、アラキドン酸(AA)のロイコトリエンA(LTA)への変換を触媒する(図1を参照のこと)。その後、細胞のタイプおよび存在する酵素に応じて、不安定なLTAは、ロイコトリエンB(LTB)、あるいはシステイン部分を含むロイコトリエン(CysLT):LTC、LTDおよびLTE、に変換され得る。CysLTは、喘息において顕著な役割を果たす。実際、CysLTは、気管支収縮および過敏性反応の強力なメディエーターとして同定された。LTBは、走化性物質であり、炎症を促進する。
現在のところ、効果的な抗喘息薬(特に上述されるような5−LOのメカニズムを介して作用することによる抗喘息薬)としてFDAまたは他の保健当局によって承認された治療薬はほとんどない。
モンテルカスト(SINGULAIR(登録商標))およびザフィルルカスト(ACCOLATE(登録商標))は両方とも、特定のロイコトリエンの活性を阻害するロイコトリエン受容体アンタゴニストである。しかし、それらは、5−LOに対する作用を可能にはせず、特に、ロイコトリエン合成の阻害を可能にはしない。
ジロートン(ZYFLO(登録商標))は、鉄キレート化メカニズムによって作用する、経口で有効な5−LO阻害剤(活性および5−LOの生成物形成の両方に対する阻害剤)である。
Figure 2021020966
その望ましくない薬物動態(短い半減期)のせいで、ジロートンを利用した処置は、600mgの摂取を1日に4回必要とする。この高い1日の薬物量は、(1)肝臓の問題および精神神経障害などの重大な副作用を誘発し、(2)治療費の高額化の一因となる。
従って、上述されるような欠点を考慮して、喘息に対する新しい処置を提供して上述の欠点を克服する必要がある。特に、副作用を伴うことなく患者の快適さのためにバイオアベイラビリティを向上させながら、より安価な処置を提供する必要がある。
また、5−LOの効率的な阻害を可能にし、その後のロイコトリエンの生成の効率的な阻害を可能にする、新しい化合物を提供する必要もある。
WO2006/093547(Zhang et al.)は、クロマノール化合物によるリポキシゲナーゼの阻害、および癌細胞のアポトーシスの処置のための治療薬としてのそれらの使用を報告する。
WO2005/013911(Sen et al.)は、有効量のトコトリエノールの投与を含む、それを必要とする患者において12−リポキシゲナーゼを阻害するための方法を報告する。
Reddanna et al.(「Inhibition of 5−lipoxygenase by vitamin E」 FEBS Letters, Vol.193, No.1, 1985年11月, 39〜43ページ)は、8分子のセット(4種のトコフェロール(α、β、γ、δ)と4種のトコトリエノール(α、β、γ、δ);これらの構造は以下に提示されている)から構成されるビタミンEによる5−LOの不可逆的かつ非競合的な阻害を報告する。
Figure 2021020966
WO00/72862(Nawar et al.)は、トコフェロールとトコトリエノールとを含むクランベリーの油抽出物を報告し、5−LOの活性に関連する状態の処置または防止のためのその使用を提案する。
WO2010/033687(Gibbs et al.)は、その末端にカルボキシ基を含む長鎖カルボキシクロマノール化合物が、シクロオキシゲナーゼまたはリポキシゲナーゼの活性を阻害する必要性と関連する状態を処置するのに有用であると報告する。
出願人の知る限りでは、5−LOのためのδ−ガルシン酸(garcinoic acid)を開示する最も近い先行技術は、US2015/0073044である。しかし、δ−ガルシン酸は、特に皮膚科疾患および/または慢性気道疾患において、治療の目的を達成するのに十分なほどには効率的でない。
本発明の目的は、5−LOの活性の阻害に加えて好中球の5−LOの生成物形成(ロイコトリエン形成)の阻害を可能にする新しい化合物を提供することである。先行技術文献のいずれも、5−LO関連疾患を処置される患者の生物における効率的なバイオアベイラビリティを有する、好中球の5−LOの生成物形成(ロイコトリエン形成)の阻害を可能にする化合物を提供しない。特に、引用される先行技術のいずれも、慢性気道障害および/または皮膚科疾患を処置される患者において効率的な血漿濃度を達成することを可能にする治療化合物を提供しない。
驚くべきことに、出願人は、トコトリエノール誘導体が、天然基質であるアラキドン酸の結合部位とは別の結合部位を介して5−リポキシゲナーゼを阻害するということに光を当てた。この新しい経路は、5−LOの活性および5−LOの生成物形成の両方に対する不可逆的かつ非競合的な阻害剤を提供し、処置の副作用を低減することを可能にする。
概要
従って、本発明は、一般式(IV):
Figure 2021020966
のトコトリエノール誘導体ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物に関し、式中、
*は、対応する式(IV)の(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し;
はHまたはアルキルであり;好ましくは、RはHまたはC1〜C6アルキルであり;より好ましくは、RはHまたはCHであり;
とRは同一であるか異なっており、それぞれが、アミド、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびホルミルという群から選択され;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;任意選択でアミド基は、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;好ましくは、RとRは同一であり、CHOHを表し;好ましくは、RはCHであり、Rはカルボキシルであり;好ましくは、Rはカルボキシルであり、RはCHであり;
またはRの少なくとも一方は、ヒドロキシル、カルボキシルまたはホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されたアルキルである。
一実施形態によれば、式(IV)のトコトリエノール誘導体は(R)−エナンチオマーである。
一実施形態において、好ましい式(IV)の化合物は、RがCHである化合物である。
一実施形態において、好ましい式(IV)の化合物は、RとRが結合している二重結合C=Cの立体化学が(E)であるようにRとRが選択される化合物である。
一実施形態において、好ましい式(IV)の化合物は、
Figure 2021020966
から選択される。
本発明はまた、少なくとも1種の式(IV)のトコトリエノール誘導体と少なくとも1種の医薬的に許容される担体、希釈剤、賦形剤および/または補助剤とを含む医薬組成物にも関する。
本発明はまた、少なくとも1種の式(IV)のトコトリエノール誘導体、または医薬的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物、を含む医薬にも関する。
本発明はまた、5−LO介在性疾患の処置における使用のための一般式(III):
Figure 2021020966
のトコトリエノール誘導体ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物にも関し、式中、
*は、対応する式(III)の(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し;
はHまたはアルキルであり;好ましくは、RはHまたはC1〜C6アルキルであり;より好ましくは、RはCHであり;
はHまたはアルキルであり;好ましくは、RはHまたはC1〜C6アルキルであり;より好ましくは、RはHまたはCHであり;
とRは同一であるか異なっており、それぞれが、アミド、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびホルミルという群から選択され;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;任意選択でアミド基は、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;好ましくは、RとRは同一であり、CHOHを表し;好ましくは、RはCHであり、Rはカルボキシルであり;好ましくは、Rはカルボキシルであり、RはCHであり;
またはRの少なくとも一方は、ヒドロキシル、カルボキシルまたはホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されたアルキルであり;
但し、式(III)の化合物はδ−ガルシン酸ではない。
一実施形態において、5−LO介在性疾患は、慢性気道障害および/または皮膚科疾患から選択される。
一実施形態において、5−LO介在性疾患は喘息である。
一実施形態において、5−LO介在性疾患は皮膚科疾患から選択され、好ましくは、5−LO介在性疾患はアトピー性皮膚炎である。
一実施形態において、好ましい式(III)の化合物は、トコトリエノール誘導体が5−LOの活性を阻害する化合物である。
一実施形態において、好ましい式(III)の化合物は、トコトリエノール誘導体が好中球の5−LOの生成物形成を阻害する化合物である。
一実施形態において、好ましい式(III)の化合物は、トコトリエノール誘導体が5−LOの活性および好中球の5−LOの生成物形成の両方を阻害する化合物である。
定義
以下の定義および説明は、明細書および特許請求の範囲の両方を含む本出願全体を通じて使用される用語に対するものである。
本発明の化合物が説明される場合、使用される用語は、別段の指示がない限り、以下の定義に従って解釈されるべきである。
「アルキル」なる用語は、式C2n+1(式中、nは1以上の数である)のヒドロカルビルラジカルを指す。一般に、本発明のアルキル基は、1〜6個の炭素原子(好ましくは1〜3個の炭素原子)を含む。アルキル基は、直鎖状または分枝状であってよい。好適なアルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチルおよびt−ペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、s−ヘキシルおよびt−ヘキシルが包含されるが、これらに限定されない。
「ヘテロアルキル」なる用語は、好ましくはO、N、SまたはPから選択される、少なくとも1つのヘテロ原子を含む任意のアルキル基を指す。
「ヘテロシクロアルキル」なる用語は、好ましくはO、N、SまたはPから選択される、少なくとも1つのヘテロ原子を含む任意のシクロアルキル基を指す。
「アルコキシル」なる用語は、任意のO−アルキル基またはO−アリール基を指す。
「アミド」なる用語は、−NR−CO−(ここでRは、原子Hまたは上記で定義されるようなアルキル基のいずれかを表す)を指す。
「アミノ」なる用語は、−NH基、または有機性の脂肪族もしくは芳香族の基による1つもしくは2つの水素原子の置換によって−NH基から生じる任意の基、を指す。好ましくは、−NHから生じる基は、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノを含む、アルキルアミノ基(N−アルキル基など)である。
「カルボキシル」なる用語は、−COOHを指す。
「オキソ」なる用語は、−C=O官能基を指す。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」なる用語は、環状アルキル基であり、すなわち、1つまたは2つの環状構造を有する一価、飽和または不飽和のヒドロカルビル基である。シクロアルキルには、単環式または二環式のヒドロカルビル基が包含される。シクロアルキル基は、その環中に3個以上の炭素原子を含んでよく、一般に、本発明によれば、3〜10個、より好ましくは3〜8個の炭素原子、さらにより好ましくは3〜6個の炭素原子を含む。シクロアルキル基の例としては、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
「エステル」なる用語は、任意の−COO−基を指す。
「ホルミル」なる用語は、−CHOを指す。
「ヒドロキシル」なる用語は、−OHを指す。
本明細書で使用される場合、「アリール」なる用語は、典型的には5〜12個(好ましくは6〜10個)の原子を含み、少なくとも1つの環が芳香族である、ヘテロ原子を含むこともある1つの環(フェニル、ジオキサン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンまたはピロールなど)、または縮合した複数の芳香環(例えば、ナフチル)もしくは共有結合で連結された複数の芳香環、を有する多価不飽和芳香族ヒドロカルビル基を指す。任意選択で、芳香環は、それに縮合した1つまたは2つの追加的な環(シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール)を含んでもよい。任意選択でアリール環は、1つ以上の置換基(複数可)で置換されていてもよい。
本発明の化合物中のクロマノールコアは、以下のスキームに基づいて番号付けされる。
Figure 2021020966
化合物中の不斉炭素からの結合は一般に、
Figure 2021020966
を用いて表される。不斉炭素原子からの結合を表すための実線の楔または点線の楔のいずれかの使用は、示される立体異性体のみが包含されることが意図されるということを示すことが意図される。
式(I)およびその下位の式の化合物は、2位に不斉炭素中心を含み、従って、(R)−エナンチオマーおよび(S)−エナンチオマーとして存在し得る。
「好中球」なる用語は、哺乳動物における白血球細胞の顆粒球の一種を指し、炎症細胞の第一応答者(first-responder)である。特に、本発明では、「好中球」は、5−リポキシゲナーゼの活性によって生じるロイコトリエンを指す。
「溶媒和物」なる用語は、本明細書では、化学量論量または準化学量論量の1種以上の医薬的に許容される溶媒の分子を含む本発明の化合物を説明するために使用される。「水和物」なる用語は、水溶媒を指す。
式(I)の化合物への言及は全て、式(I)の化合物の溶媒和物、多成分複合体および液晶への言及を包含する。
本発明の化合物には、上記で定義されるような式(I)の化合物(それらの多形体および結晶相の全て、それらのプレドラッグおよびプロドラッグならびに同位体で標識された式(I)の化合物を含む)が包含される。
本発明はまた、式(I)の化合物の医薬的に許容されるプレドラッグおよびプロドラッグの全てを広く包含する。
本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」なる用語は、そのインビボでの生体内変換の産物が、生物学的に活性を有する薬物を生じさせる、式(I)の化合物の薬理学的に許容される誘導体(例えばエステルまたはアミドなど)を意味する。プロドラッグは、一般的にバイオアベイラビリティの増加を特徴とし、インビボで直ちに代謝されて、生物学的に活性を有する化合物となる。
本明細書で使用される場合、「プレドラッグ」なる用語は、修飾されて薬物種を形成することになる任意の化合物を意味し、ここで、修飾は、体内または体外のいずれかで、およびその薬物の投与が必要とされる身体の領域にプレドラッグが到達する前または後のいずれかに、起こってよい。
「患者」なる用語は、医療を受けることを待っているか、医療を受けているか、医療処置の対象である/対象となるであろう、温血動物(より好ましくはヒト)を指す。
「ヒト」なる用語は、両方の性別の、および成長の任意の段階(新生児、乳児、少年、青年、成人など)の、対象を指す。
本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置すること」および「処置」なる用語は、状態もしくは疾患および/またはそれに付随する症状を軽減、減弱または抑止することを包含することが意図される。
本明細書で使用される場合、「防止する」、「防止すること」および「防止」なる用語は、状態もしくは疾患および/またはそれに付随する症状の発生を遅らせるか排除する方法、患者が状態もしくは疾患を得るのを妨げる方法、あるいは患者の状態もしくは疾患を得るリスクを低減する方法を指す。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」(または、より簡単に「有効量」)なる用語は、それが投与される患者において所望の治療効果または予防効果を達成するのに十分である、活性物質または有効成分(例えば5−LO阻害剤および/または5−LOの生成物形成の阻害剤)の量を意味する。
「投与」なる用語またはその変形(例えば「投与すること」)は、状態、症状または疾患が処置または防止されるべき患者に活性物質または有効成分(例えば5−LO阻害剤および/または5−LOの生成物形成の阻害剤)を単独で、または医薬的に許容される組成物の一部として、与えることを意味する。
「医薬的に許容される」は、医薬組成物の成分が、互いに適合するとともに、その患者にとって有害ではないということを意味する。
本明細書で使用される場合、「5−LO介在性疾患」なる用語は、過剰な、不適切な、または制御されていない5−リポキシゲナーゼ(5−LO)の活性または産生によって悪化するか引き起こされる、疾患または状態を意味する。「5−LO介在性疾患」なる用語には、5−LOアゴニストによる処置によって軽減される医学的状態の全てが包含され、5−LOの活性と関連していることが現在認められているか将来的に見出されるであろう病状および/または状態の全てが包含される。対象におけるそのような疾患の例としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アスピリン喘息、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、慢性気管支炎もしくはアナフィラキシーなどの慢性気道炎症性疾患;またはアトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患が挙げられるが、これらに限定されない。「慢性気道炎症性疾患」なる用語はまた、全ての呼吸器系疾患も包含する。
詳細な説明
トコトリエノール誘導体
上述の通り、本発明は、式(I):
Figure 2021020966
のトコトリエノール誘導体ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物に関し、式中、
*は、対応する式(I)の(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し;
はH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノまたはアルキルであり;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;好ましくは、RはH、ホルミル、CH、アルキルピペラジニルアルキル、モルホリノアルキル、アルキルモルホリノアルキル、アルキルピペリジニルアルキル、ピペリジニルアルキル、アルキルピロリジニルアルキルまたはアルキルアミノアルキルであり;より好ましくは、RはHまたはCHであり;より好ましくは、RはCHであり;
はH、ホルミル、ハロ、アミノ、アルキルアミノまたはアルキルであり;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキルまたはアルキルヘテロシクロアルキルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;好ましくは、RはH、ホルミル、Br、CH、CHOH、アルキルピペラジン、メチルピペラジニルメチルまたはアルキルアミノであり;より好ましくは、RはHまたはCHであり;
とRは同一であるか異なっており、それぞれが、アミド、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシル、ヘテロシクロアルキルオキソ、シクロアルキルオキソまたはホルミルという群から選択されるか;あるいはRとRが合わさって、任意選択で少なくとも1つのアルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ニトロアリール、ニトロヘテロアリール、アルコキシアリールまたはアルコキシヘテロアリールで置換されていてもよい、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基を形成しており;ここで、任意選択でアルキル、ヘテロシクロアルキルオキソまたはシクロアルキルオキソは、アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;任意選択でアミドは、アルキル、エステル、ヘテロアルキル、ヒドロキシル、アリールアルキルまたはアルキルアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく、任意選択で前記基は、アルキル、ヘテロアルキル、アルコキシル、ヒドロキシルまたはエステルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;好ましくは、RとRは同一であり、CHOHを表すか;またはRはCHであり、Rはカルボキシルであるか;またはRはカルボキシルであり、RはCHであるか;またはRとRが合わさって2−(4−ニトロフェニル)−1,3−ジオキサンもしくは2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−ジオキサンを形成しており;
R’はH、ホルミル、アルキルまたは任意選択でアルキル、カルボキシルもしくはヒドロキシルで置換されていてもよいアルキルカルボニル基であり;好ましくは、R’はH、ホルミルまたはカルボキシルアルキルカルボニルである。
一実施形態において、−OR’は、−OH、−OCOHまたは−OCO(CHCOOHを表す。
一実施形態によれば、好ましい式(I)の化合物は、式(I’):
Figure 2021020966
の化合物ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物であり、式中、
*は、対応する式(I’)の(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し;
R’、RおよびRは、式(I)において定義される通りであり;
とRは同一であるか異なっており、それぞれが、アミド、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシルまたはホルミルという群から選択されるか;あるいはRとRが合わさって、任意選択で少なくとも1つのアルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ニトロアリール、ニトロヘテロアリール、アルコキシアリールまたはアルコキシヘテロアリールで置換されていてもよい、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基を形成しており;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;任意選択でアミドは、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;好ましくは、RとRは同一であり、CHOHを表すか;またはRはCHであり、Rはカルボキシルであるか;またはRはカルボキシルであり、RはCHであるか;またはRとRが合わさって2−(4−ニトロフェニル)−1,3−ジオキサンもしくは2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−ジオキサンを形成している。
いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、出願人は、不飽和側鎖が脂質バリアの通過を改善するということを提案している。出願人が得た結果は、この理論を裏付ける。
一実施形態によれば、式(I)の化合物は、以下の化合物のうちの1つではない。
Figure 2021020966
一実施形態によれば、式(I)または式(I’)の化合物は、式:
Figure 2021020966
の化合物(式中、Rは−H、−CHまたは−CO−CHから選択される)を含まない。
特定の一実施形態において、式(I)または式(I’)の化合物は、δ−ガルシン酸を含まない。特定の一実施形態において、式(I)または式(I’)の化合物は、δ−トコトリエノール誘導体を含まない。
特定の一実施形態において、RはHではない。特定の一実施形態において、RおよびRが両方ともHであることはない。
特定の一実施形態において、式(I)または式(I’)の化合物は、RまたはRがカルボキシルである化合物を含まない。
特定の一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノまたは非置換アルキルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノまたは非置換C1〜C6アルキルである。特定の一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルである。
一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノ、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはペンチルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノ、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノ、メチル、エチルまたはプロピルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノ、メチルまたはエチルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノまたはメチルである。
特定の一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノ、または、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されたアルキルである。
一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノ、または、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されたC1〜C6アルキルである。
一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノ、または、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アルキルピペラジニル、アルキルモルホリノ、モルホリノ、ピペリジニル、アルキルピペリジニル、アルキルピロリジニルもしくはアルキルアミノから選択される少なくとも1つの基で置換されたアルキルである。
一実施形態において、RはH、ホルミル、アミノ、アルキルアミノ、または、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アルキルピペラジニル、アルキルモルホリノ、モルホリノ、ピペリジニル、アルキルピペリジニル、アルキルピロリジニルもしくはアルキルアミノから選択される少なくとも1つの基で置換されたC1〜C6アルキルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、CH、アルキルピペラジニルアルキル、アルキルモルホリノアルキル、モルホリノアルキル、ピペリジニルアルキル、アルキルピペリジニルアルキル、アルキルピロリジニルアルキルまたはアルキルアミノアルキルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、CH、メチルピペラジニルメチル、モルホリノメチル、ピペリジニルメチル、ピロリジニルメチルまたはジメチルアミノメチルである。
別の特定の実施形態において、RはHまたはCHである。一実施形態において、RはHである。一実施形態において、RはCHである。
特定の一実施形態において、RはH、ホルミル、ハロ、アミノ、アルキルアミノまたは非置換アルキルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、ハロ、アミノ、アルキルアミノまたは非置換C1〜C6アルキルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはペンチルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、メチル、エチルまたはプロピルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、メチルまたはエチルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、ハロ、アミノ、アルキルアミノまたはメチルである。
特定の一実施形態において、RはH、ホルミル、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、または、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されたアルキルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、または、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されたC1〜C6アルキルである。一実施形態において、RはH、ホルミル、Br、CH、CHOH、アルキルピペラジンまたはアルキルアミノである。一実施形態において、RはH、ホルミル、Br、CH、CHOH、メチルピペラジニルメチルまたはジメチルアミノメチルである。
特定の一実施形態において、RはF、Cl、BrまたはIである。一実施形態において、RはBrである。一実施形態において、RはClである。一実施形態において、RはFである。一実施形態において、RはIである。
別の特定の実施形態において、RはHまたはCHである。一実施形態において、RはHである。一実施形態において、RはCHである。
特定の一実施形態において、RとRは同一であり、それぞれが、アミド、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびホルミルという群から選択され;任意選択で前記アルキル基は、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;任意選択で前記アミド基は、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよい。一実施形態において、RとRは同一であり、それぞれが、1つのヒドロキシル基で置換されたアルキル基から選択される。一実施形態において、RとRは同一であり、両方ともCHOHである。一実施形態において、RとRは同一であり、両方ともメチルである。
特定の一実施形態において、RとRは異なっており、それぞれが、アミド、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびホルミルという群から選択され;任意選択で前記アルキル基は、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;任意選択で前記アミド基は、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよい。一実施形態において、Rはアルキル基であり、Rはカルボキシル基である。一実施形態において、Rはカルボキシル基であり、Rはアルキル基である。一実施形態において、Rはメチルであり、Rはカルボキシル基である。一実施形態において、Rはカルボキシル基であり、Rはメチルである。一実施形態において、Rはアルキル基であり、Rは、アリールアルキルまたはアルキルアリールで置換されたアミド基である。一実施形態において、Rは、アリールアルキルまたはアルキルアリールで置換されたアミド基であり、Rはアルキル基である。一実施形態において、Rはメチルであり、Rは、ベンジル基で置換されたアミド基である。一実施形態において、Rは、ベンジル基で置換されたアミド基であり、Rはメチルである。一実施形態において、Rは、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたアルキル基であり、Rは非置換アルキル基である。一実施形態において、Rは非置換アルキル基であり、Rは、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたアルキル基である。一実施形態において、RはCHOHであり、Rはメチルである。一実施形態において、Rはメチルであり、RはCHOHである。一実施形態において、Rはホルミル基であり、RはCHOHである。一実施形態において、RはCHOHであり、Rはホルミル基である。一実施形態において、RとRは、両方ともCHOHである。
特定の一実施形態において、RとRは合わさってシクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基を形成している。一実施形態において、RとRは合わさってジオキサンを形成している。一実施形態において、RとRは合わさって1,2−ジオキサンを形成している。一実施形態において、RとRは合わさって1,3−ジオキサンを形成している。一実施形態において、RとRは合わさって1,4−ジオキサンを形成している。一実施形態において、RとRは合わさって、少なくとも1つのアルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ニトロアリール、ニトロヘテロアリール、アルコキシアリールまたはアルコキシヘテロアリールで置換されたジオキサンを形成している。一実施形態において、RとRは合わさって、1つのアルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ニトロアリール、ニトロヘテロアリール、アルコキシアリールまたはアルコキシヘテロアリールのみで置換されたジオキサンを形成している。一実施形態において、RとRは合わさってニトロフェニル−1,3−ジオキサン(好ましくは2−(4−ニトロフェニル)−1,3−ジオキサン)を形成している。一実施形態において、RとRは合わさってジメトキシフェニルフェニル−1,3−ジオキサン(好ましくは2−(3,4−ジメトキシフェニルフェニル)−1,3−ジオキサン)を形成している。
特定の一実施形態において、RまたはRの少なくとも一方は、酸化された基または酸化された官能基を有する基を表す。一実施形態において、RまたはRの少なくとも一方は、ヒドロキシル、ホルミルもしくはカルボキシルから選択される、酸化された基または酸化された官能基を有する基を表す。一実施形態において、RとRは両方とも、ヒドロキシル、ホルミルもしくはカルボキシルから選択される、酸化された基または酸化された官能基を有する基を表す。一実施形態において、RとRは同一であり、ヒドロキシル、ホルミルもしくはカルボキシルから選択される、酸化された基または酸化された官能基を有する基を表す。
一実施形態において、RとRは、それらが結合している二重結合C=Cの立体化学が(Z)であるように選択される。一実施形態において、RとRは、それらが結合している二重結合C=Cの立体化学が(E)であるように選択される。
特定の一実施形態において、式(I)の化合物は(R)−エナンチオマーである。一実施形態において、式(I)の化合物は(S)−エナンチオマーである。一実施形態において、式(I)の化合物はラセミ体である。
一実施形態において、好ましい式(I’)の化合物は、式(Ia):
Figure 2021020966
の化合物ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物であり、式中、R、R、RおよびRは、式(I’)において定義される通りである。
一実施形態において、好ましい式(I’)の化合物は、式(Ib):
Figure 2021020966
の化合物ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物であり、式中、R、R、RおよびRは、式(I’)において定義される通りである。
一実施形態において、好ましい式(I’)の化合物は、式(II):
Figure 2021020966
の化合物ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物であり、式中、
*は、対応する式(II)の(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し;
とRは、式(I’)において定義される通りであり;
とRは同一であるか異なっており、それぞれが、アミド、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびホルミルという群から選択され;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;任意選択でアミド基は、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;好ましくは、RとRは同一であり、CHOHを表し;好ましくは、RはCHであり、Rはカルボキシルであり;好ましくは、Rはカルボキシルであり、RはCHであり;
またはRの少なくとも一方は、ヒドロキシル、カルボキシルまたはホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されたアルキルである。
特定の一実施形態において、RはHではない。特定の一実施形態において、RおよびRが両方ともHであることはない。
一実施形態において、好ましい式(I’)の化合物は、式(III):
Figure 2021020966
の化合物ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物であり、式中、
*は、対応する式(III)の(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し;
はHまたはアルキルであり;好ましくは、RはHまたはC1〜C6アルキルであり;より好ましくは、RはCHであり;
はHまたはアルキルであり;好ましくは、RはHまたはC1〜C6アルキルであり;より好ましくは、RはHまたはCHであり;
とRは同一であるか異なっており、それぞれが、アミド、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびホルミルという群から選択され;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;任意選択でアミド基は、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;好ましくは、RとRは同一であり、CHOHを表し;好ましくは、RはCHであり、Rはカルボキシルであり;好ましくは、Rはカルボキシルであり、RはCHであり;
またはRの少なくとも一方は、ヒドロキシル、カルボキシルまたはホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されたアルキルである。
特定の一実施形態において、RはHではない。
特定の一実施形態において、RおよびRが両方ともHであることはない。
特定の一実施形態において、RがCOOHでありRがHである場合、RおよびRが両方ともHであることはない。
特定の一実施形態において、式(III)の化合物は(R)−エナンチオマーである。特定の一実施形態において、式(III)の化合物は(S)−エナンチオマーである。特定の一実施形態において、式(III)の化合物はラセミ体である。
一実施形態において、好ましい式(III)の化合物は、式(IIIa):
Figure 2021020966
の化合物ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物であり、式中、R、R、RおよびRは、式(III)において定義される通りである。
一実施形態において、好ましい式(III)の化合物は、式(IIIb):
Figure 2021020966
の化合物ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物であり、式中、R、R、RおよびRは、式(III)において定義される通りである。
一実施形態において、好ましい式(IIIa)の化合物は、RがCHである化合物である。
一実施形態において、好ましい式(IIIb)の化合物は、RがCHである化合物である。
一実施形態において、好ましい式(III)の化合物は、式(IV):
Figure 2021020966
の化合物ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物であり、式中、
*は、対応する式(IV)の(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し;
、RおよびRは、式(III)において定義される通りである。
一実施形態において、酸化された基または酸化された官能基を有する基は、−CHOH、−OHまたは−COOHから選択される。
一実施形態において、好ましい式(IV)の化合物は、
がHであり、RがCHOHであり、RがCHOHである化合物;
がCHであり、RがCHOHであり、RがCHOHである化合物;
がHであり、RがCHであり、RがCOOHである化合物;
がHであり、RがCOOHであり、RがCHである化合物;
がCHであり、RがCHであり、RがCOOHである化合物;
がCHであり、RがCOOHであり、RがCHである化合物;
から選択される。
一実施形態において、好ましい式(IV)の化合物は、RとRが結合している二重結合C=Cの立体化学が(Z)であるようにRとRが選択される化合物である。一実施形態において、好ましい式(IV)の化合物は、RとRが結合している二重結合C=Cの立体化学が(E)であるようにRとRが選択される化合物である。
一実施形態において、好ましい式(III)の化合物は、式(V):
Figure 2021020966
の化合物ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物であり、式中、
*は、対応する式(V)の(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し;
はHまたはアルキルであり;好ましくは、RはHまたはC1〜C6アルキルであり;より好ましくは、RはHまたはCHであり;
とRは同一であるか異なっており、それぞれが、アミド、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびホルミルという群から選択され;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;任意選択でアミド基は、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;好ましくは、RとRは同一であり、CHOHを表し;好ましくは、RはCHであり、Rはカルボキシルであり;好ましくは、Rはカルボキシルであり、RはCHであり;
またはRの少なくとも一方は、ヒドロキシル、カルボキシルまたはホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されたアルキルである。
特定の一実施形態において、RはHではない。特定の一実施形態において、RがCOOHでありRがCHである場合、RはHではない。
一実施形態において、好ましい式(I’)の化合物は、式(VI):
Figure 2021020966
の化合物ならびに医薬的に許容されるその塩および/または溶媒和物であり、式中、
*は、対応する式(I’)の(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し;
、RおよびR’は、式(I’)の通りであり;
とRは合わさって、任意選択で少なくとも1つのアルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ニトロアリール、ニトロヘテロアリール、アルコキシアリールまたはアルコキシヘテロアリールで置換されていてもよい、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基を形成しており、ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;好ましくは、RとRは合わさって2−(4−ニトロフェニル)−1,3−ジオキサンまたは2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−ジオキサンを形成している。
一実施形態において、好ましい式(VI)の化合物は、式(VII):
Figure 2021020966
の化合物であり、式中、
、RおよびR’は、上記で定義される通りであり;
とRは同一であるか異なっており、それぞれが、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ニトロアリール、ニトロヘテロアリール、アルコキシアリールまたはアルコキシヘテロアリールから選択され;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;
、R、R、RおよびRは、H、アルキルまたはアルコキシから選択され;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよい。
一実施形態によれば、好ましい式(VI)の化合物は、RとRが同一でありHを表す、化合物である。
一実施形態によれば、好ましい式(VI)の化合物は、RとRが同一でありHを表し、RとRがHである、化合物である。
一実施形態によれば、好ましい式(VI)の化合物は、
とRが同一でありHを表し;
、R、RおよびRがHである、
化合物である。
一実施形態によれば、好ましい式(VI)の化合物は、Rがニトロである、化合物である。
一実施形態によれば、好ましい式(VI)の化合物は、RまたはRがアルコキシ(好ましくはC1〜C6アルコキシ;より好ましくはメトキシ)である、化合物である。
特に好ましい本発明の式(I)の化合物は、δ−ガルシン酸である基準化合物(化合物27)と共に以下の表1に列挙されている化合物および医薬的に許容されるその溶媒和物である。
Figure 2021020966
Figure 2021020966
Figure 2021020966
Figure 2021020966
Figure 2021020966
Figure 2021020966
Figure 2021020966
Figure 2021020966
Figure 2021020966
Figure 2021020966
Figure 2021020966
表1において、「Cpd」なる用語は、化合物を意味する。
表1の化合物は、ChemBioDraw(登録商標) Ultra version 12.0(PerkinElmer)を用いて命名された。
好ましい本発明の化合物は、化合物1、2、9、11、26、32および34であり、好ましくは化合物1、9および34であり、より好ましくは化合物1および9である。
一実施形態によれば、好ましい本発明の化合物は、化合物10、25、29、30、35および36である。
本発明はまた、RがHを表さない式(I)の化合物も対象とする。
本発明はまた、式(I)の化合物であって、5−LOの活性に対する前記化合物のIC50が350nM未満(好ましくは150nM未満)である、および/または好中球の5−LOの生成物形成に対する前記化合物のIC50が600nM未満(好ましくは300nM未満)である、化合物も対象とする。
IC50は、当業者に周知の方法によって測定された。
抽出物
本発明はまた、少なくとも1種の本発明のトコトリエノール誘導体を含む植物抽出物も対象とする。特に、本発明の植物抽出物は、トコトリエノールに富む。一実施形態において、トコトリエノールに富んだ植物抽出物は、少なくとも1種の式(I)のトコトリエノールと、植物抽出物の総重量の0.1重量%超(好ましくは1%超、より好ましくは1〜30%の範囲)の総トコトリエノール濃度と、を含む。一実施形態において、総トコトリエノール濃度は、本発明の式(I)のトコトリエノールであるか他のトコトリエノールであるかにかかわらず植物抽出物中の全てのトコトリエノールの総濃度である。
一実施形態において、本発明の植物抽出物は乾燥抽出物である。
一実施形態において、本発明の植物抽出物は、乾物の総重量に対して1重量%〜60重量%の範囲の抽出収率で得られる。一実施形態において、抽出は、ジクロロメタンの存在下で行われ、その抽出収率は、乾燥抽出物の総重量に対して1重量%〜25重量%(好ましくは5〜20重量%)の範囲である。一実施形態において、抽出は、エタノールの存在下で行われ、その抽出収率は、乾燥抽出物の総重量に対して20重量%〜56重量%(好ましくは30〜50重量%)の範囲である。
一実施形態において、本発明の植物抽出物は、フクギ科(Clusiaceae科)の種の乾燥葉および/または乾燥樹皮および/または乾燥果実および/またはラテックスの抽出によって達成される。一実施形態において、本発明の植物抽出物は、ガルシニア・コラ(Garcinia kola)の乾燥葉および/または乾燥樹皮および/または乾燥果実および/またはラテックスの抽出によって達成される。一実施形態において、本発明の植物抽出物は、ガルシニア・アンプレキシカウリス(Garcinia amplexicaulis)の乾燥葉および/または乾燥樹皮および/または乾燥果実および/またはラテックスの抽出によって達成される。
一実施形態において、抽出は、アルカン(例えば、ヘキサンなど);ハロゲン化アルカン(例えば、クロロホルムまたはジクロロメタンなど);エーテル(例えば、ジエチルエーテルなど);エステル(例えば、酢酸エチルなど);アルコール(エタノールなど);またはこれらの溶媒の任意の混合物を含む群から選択される溶媒(好ましくはエタノールまたはジクロロメタン)の存在下で実施される。
一実施形態において、本発明のGarcinia kolaまたはGarcinia amplexicaulisの乾燥抽出物のグレードは、Garcinia kolaまたはGarcinia amplexicaulisの乾燥抽出物1gに対して式(I)の化合物が5〜100mg(好ましくは10〜60mg、より好ましくは15〜47mg)の範囲である。一実施形態において、式(I)の化合物は、Garcinia amplexicaulisの樹皮から抽出される。一実施形態において、式(I)の化合物は、Garcinia kolaのナッツから抽出される。一実施形態において、本発明のプロセスによって得られるGarcinia kolaまたはGarcinia amplexicaulisの乾燥抽出物のグレードは、Garcinia kolaまたはGarcinia amplexicaulisの乾燥樹皮1gに対して式(I)の化合物が1〜10mg(好ましくは3〜4mg)の範囲である。
一実施形態において、本発明のGarcinia kolaまたはGarcinia amplexicaulisの乾燥抽出物のグレードは、Garcinia kolaまたはGarcinia amplexicaulisの乾燥樹皮1gに対して式(I)の化合物が0.5mg〜20mg(好ましくは1〜10mg、より好ましくは2〜8mg)の範囲である。一実施形態において、本発明のプロセスによって得られるGarcinia kolaまたはGarcinia amplexicaulisの乾燥抽出物のグレードは、Garcinia kolaまたはGarcinia amplexicaulisの乾燥樹皮1gに対して式(I)の化合物が0.01mg〜5mg(好ましくは0.05〜1mg、より好ましくは0.1〜0.5mg)の範囲である。
本発明の化合物を調製するためのプロセス
本発明の化合物は、反応を伴う種々の方法で調製できる。
本発明は、さらに、上記で定義されるような式(I)の化合物の製造プロセスに関する。
一実施形態によれば、本発明は、本発明の化合物を植物から抽出するプロセスに関する。
一実施形態において、本発明のプロセスは、溶媒の存在下における植物源からの少なくとも1回の抽出ステップを含み、本発明の抽出物(好ましくは、本発明のトコトリエノール誘導体に富んだ植物抽出物)をもたらす。
一実施形態において、植物源は、Clusiaceae科(好ましくはフクギ属(Garcinia))に属する。一実施形態において、植物源はGarcinia kolaである。一実施形態において、植物源はGarcinia amplexicaulisである。
別の実施形態によれば、本発明は、式(I)のδ−トコトリエノール誘導体またはγ−トコトリエノール誘導体の抽出ステップを少なくとも1回含む、半合成によって本発明の化合物を調製するためのプロセスに関する。
本発明はまた、上記で定義されるような本発明の組成物を含む、組成物、医薬組成物または医薬も対象とする。
従って、本発明の化合物は、特に5−LO介在性疾患の防止および/または処置において、医薬として有用である。
従って、本発明の化合物は、特に慢性気道炎症性疾患(限定されるものではないが、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アスピリン喘息、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、慢性気管支炎またはアナフィラキシーなど)の防止および/または処置において、医薬として有用である。
従って、本発明の化合物は、特に炎症性皮膚疾患(限定されるものではないが、アトピー性皮膚炎など)の防止および/または処置において、医薬として有用である。
好ましくは、患者は、温血動物であり、より好ましくはヒトである。
特定の実施形態において、本発明の化合物は、喘息の処置および/または防止において特に有用である。
使用
本発明は、さらに、医薬(特に5−LO介在性疾患を処置および/または防止するための医薬)の製造のための本発明の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を提供する。一実施形態において、本発明は、5−LO介在性疾患を処置および/または防止するための医薬の製造のための本発明の式(I)もしくは式(I’)の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を対象とする。一実施形態において、本発明は、5−LO介在性疾患を処置および/または防止するための医薬の製造のための本発明の式(II)の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を対象とする。一実施形態において、本発明は、5−LO介在性疾患を処置および/または防止するための医薬の製造のための本発明の式(III)の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を対象とする。一実施形態において、本発明は、5−LO介在性疾患を処置および/または防止するための医薬の製造のための本発明の式(IV)の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を対象とする。一実施形態において、本発明は、5−LO介在性疾患を処置および/または防止するための医薬の製造のための本発明の式(V)の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を対象とする。
本発明は、さらに、炎症性皮膚疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎またはクローン病など)、心血管疾患(アテローム性動脈硬化症など)、胃食道逆流症または慢性気道炎症性疾患(限定されるものではないが、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アスピリン喘息、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、慢性気管支炎またはアナフィラキシーなど)を処置および/または防止するための医薬の製造のための本発明の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を提供する。
一実施形態において、本発明は、炎症性皮膚疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎またはクローン病など)、心血管疾患(アテローム性動脈硬化症など)、胃食道逆流症または慢性気道炎症性疾患(限定されるものではないが、喘息、特発性肺線維症などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アスピリン喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患、副鼻腔炎、慢性気管支炎またはアナフィラキシーなど)を処置および/または防止するための医薬の製造のための式(I)もしくは式(I’)の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を対象とする。一実施形態において、本発明は、炎症性皮膚疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎またはクローン病など)、心血管疾患(アテローム性動脈硬化症など)、胃食道逆流症または慢性気道炎症性疾患(限定されるものではないが、喘息、特発性肺線維症などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アスピリン喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患、副鼻腔炎、慢性気管支炎またはアナフィラキシーなど)を処置および/または防止するための医薬の製造のための式(II)の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を対象とする。一実施形態において、本発明は、炎症性皮膚疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎またはクローン病など)、心血管疾患(アテローム性動脈硬化症など)、胃食道逆流症または慢性気道炎症性疾患(限定されるものではないが、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アスピリン喘息、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、慢性気管支炎またはアナフィラキシーなど)を処置および/または防止するための医薬の製造のための式(III)の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を対象とする。一実施形態において、本発明は、炎症性皮膚疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎またはクローン病など)、心血管疾患(アテローム性動脈硬化症など)、胃食道逆流症または慢性気道炎症性疾患(限定されるものではないが、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アスピリン喘息、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、慢性気管支炎またはアナフィラキシーなど)を処置および/または防止するための医薬の製造のための式(IV)の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を対象とする。一実施形態において、本発明は、炎症性皮膚疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎またはクローン病など)、心血管疾患(アテローム性動脈硬化症など)、胃食道逆流症または慢性気道炎症性疾患(限定されるものではないが、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アスピリン喘息、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、慢性気管支炎またはアナフィラキシーなど)を処置および/または防止するための医薬の製造のための式(V)の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用を対象とする。
一実施形態によれば、本発明は、医薬としての使用のための本発明の化合物を対象とする。
一実施形態によれば、本発明は、炎症性皮膚疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎またはクローン病など)、心血管疾患(アテローム性動脈硬化症など)、胃食道逆流症、慢性気道炎症性疾患の処置および/または防止における使用のための本発明の化合物を対象とする。
一実施形態によれば、本発明は、皮膚科疾患の処置および/または防止における使用のための本発明の化合物を対象とする。
一実施形態において、皮膚科疾患は、ざ瘡、円形脱毛症、基底細胞癌、ボーエン病、骨髄性ポルフィリン症、皮膚炎、ダリエー病、栄養障害型表皮水疱症、湿疹、単純型表皮水疱症、骨髄性プロトポルフィリン症、爪の真菌感染症、ヘイリー・ヘイリー病、単純ヘルペス、化膿性汗腺炎、多毛症、多汗症、魚鱗癬、膿痂疹、ケロイド、毛孔性角化症、扁平苔癬、硬化性苔癬、メラノーマ、メリスマ(melisma)、尋常性天疱瘡、足底疣贅(いぼ)、苔癬状粃糠疹、多形日光疹、乾癬、壊疽性膿皮症、酒さ、疥癬、帯状疱疹、扁平上皮癌、スイート症候群および白斑から選択される。一実施形態において、皮膚科疾患は、皮膚炎であり、好ましくはアトピー性皮膚炎である。
有利なことに、本発明の化合物は、炎症促進性サイトカインの放出を減少させることを可能にする。
有利なことに、本発明の化合物は、好中球における5−LOの生成物形成の強力な阻害剤である。特に、本発明の化合物は、ヒトの組換え5−LOおよび好中球における5−LOの生成物形成の両方の強力な阻害剤である。
本発明のさらなる特徴によれば、そのような処置を必要とする患者(好ましくは温血動物、さらにより好ましくはヒト)において5−LOの活性を調節するための方法であって、有効量の本発明の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物を前記患者に投与することを含む方法が提供される。
本発明のさらなる特徴によれば、そのような処置を必要とする患者(好ましくは温血動物、さらにより好ましくはヒト)において5−LOの生成物形成(すなわち、ロイコトリエン形成)を調節するための方法であって、有効量の本発明の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物を前記患者に投与することを含む方法が提供される。
一実施形態によれば、本発明の化合物ならびにそれらの医薬的に許容される塩および/または溶媒和物はそれぞれ、併用療法の一部として投与されてよい。従って、本発明の範囲内には、追加的な治療薬および/または有効成分の同時投与を含む実施形態、ならびに有効成分としての本発明の化合物、医薬的に許容される溶媒和物に加えて追加的な治療薬および/または有効成分を含む組成物および医薬、が包含される。「併用療法」と呼称されることの多い、そのような多剤レジメンは、5−LOの活性調節によって媒介されるか5−LOの活性調節と関連する、および/または5−LOの生成物形成の調節と関連する、疾患または状態のうちのいずれかの処置および/または防止において用いられる可能性がある。そのような治療薬の組み合わせの使用は、処置を必要とする患者またはそのような患者になる恐れのある者における上述の障害の処置に関して特に適切である。
本発明の5−LO生成物形成阻害剤化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物に加えて活性物質の使用を必要とし得る、治療効果の必要性に加えて、補助療法となる(すなわち、本発明の5−LO生成物形成阻害剤化合物が果たす機能を補完し補う)有効成分を伴う薬物の組み合わせの使用を強いるか強く推奨する追加的な根拠が存在する可能性がある。補助的処置を目的として使用される好適な補助治療薬には、5−LOの生成物形成の調節によって媒介されるか5−LOの生成物形成の調節と関連する疾患または状態を直接的に処置または防止する代わりに、基礎となるか根底にある5−LO介在性の疾患または状態から直接的に生じるかそれらに間接的に付随する疾患または状態を処置する薬物が包含される。
従って、本発明の処置の方法および医薬組成物は、単剤療法の形態で本発明の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物を使用してよいが、前記方法および組成物はまた、1種以上の本発明の化合物またはそれらの医薬的に許容される溶媒和物が1種以上の他の治療薬と共に同時投与される多剤療法の形態で使用されてもよい。
本発明の上述の実施形態の組み合わせにおいて、本発明の化合物、医薬的に許容されるその溶媒和物および他の治療活性物質は、投与形態に関しては別個に、あるいは互いに組み合わせて、それらの投与の時期に関しては順次に、あるいは同時に、投与されてよい。従って、1つの成分物質の投与は、他の成分物質(複数可)の投与より前、他の成分物質(複数可)の投与と同時、または他の成分物質(複数可)の投与の後、であってよい。
本発明はまた、本発明の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物と少なくとも1種の医薬的に許容される担体、希釈剤、賦形剤および/または補助剤とを含む医薬組成物も提供する。上記のように、本発明はまた、有効成分としての本発明の化合物、医薬的に許容されるその溶媒和物に加えて追加的な治療薬および/または有効成分を含む医薬組成物も包含する。
本発明の別の目的は、少なくとも1種の本発明の化合物、または医薬的に許容されるその溶媒和物、を有効成分として含む医薬である。
本発明のさらなる特徴によれば、そのような処置を必要とする患者における5−LOの活性および/または5−LOの生成物形成の阻害であって有効量の本発明の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物を前記患者に投与することを含む阻害のための医薬の製造のための本発明の化合物または医薬的に許容されるその溶媒和物の使用が提供される。
一実施形態において、上記で定義されるような本発明の化合物は、5−LOの活性の0%超〜100%(好ましくは50%〜100%、さらにより好ましくは5−LOの活性の80%〜100%)を阻害する。一実施形態において、上記で定義されるような本発明の化合物は、5−LOの活性を完全に阻害する。5−LOの活性を測定するための方法は、当業者に周知である。そのような方法の一例が実施例で開示されている。簡単に説明すると、前記方法は、ヒトの組換え5−LOを試験化合物と共にインキュベートすることと、5−LOの代謝産物(LTB4の全トランス異性体と5−H(P)ETE)を発現させることと、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって前記代謝産物を測定することと、を含む(Koeberle: Biochem.Pharmacol. 2009, 77, 1513−1521で説明されている)。
好ましくは、患者は、温血動物であり、より好ましくはヒトである。
上記のように、本発明の化合物またはそれらの医薬的に許容される溶媒和物は、単剤療法または併用療法において使用されてよい。従って、一実施形態によれば、本発明は、上述の目的のうちの少なくとも1つのための医薬の製造のための本発明の化合物の使用であって、前記医薬は、それを必要とする患者(好ましくは温血動物、さらにより好ましくはヒト)に少なくとも1種の追加的な治療薬および/または有効成分と共に投与される、使用を提供する。そのような多剤レジメンの恩恵および利点、可能な投与レジメンならびに好適な追加的な治療薬および/または有効成分は、上述されるものである。
一般に、医薬用途の場合、本発明の化合物は、少なくとも1種の本発明の化合物と、少なくとも1種の医薬的に許容される担体、希釈剤、賦形剤および/または補助剤と、必要に応じて1種以上のさらなる医薬活性化合物と、を含む医薬調製物として製剤化されてよい。
非限定的な例ではあるが、そのような製剤は、経口投与、非経口投与(静脈内注射、筋肉内注射もしくは皮下注射または静脈内注入によるものなど)、局所投与(眼を含む)、吸入、皮膚パッチ、インプラント、坐薬等による投与に適した形態であってよい。そのような好適な投与形態(投与の様式に応じて固体、半固体または液体であってよい)ならびにその調製に使用するための方法と担体、希釈剤および賦形剤は、当業者には明らかであろう。Remington’s Pharmaceutical Sciencesの最新版が参照される。
そのような調製物の、好ましいが非限定的ないくつかの例としては、ボーラスとしての投与および/または継続的投与のための錠剤、丸剤、粉末、ロゼンジ、サシェ、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ剤、エアロゾル、軟膏、クリーム、ローション、軟ゼラチンカプセルおよび硬ゼラチンカプセル、坐薬、点滴薬、無菌注射用溶液および無菌包装粉末(通常、使用の前に再構成される)が挙げられ、これらは、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、セルロース、(滅菌)水、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、食用油、植物油および鉱油またはそれらの好適な混合物など、そのような製剤にそれ自体が適している担体、賦形剤および希釈剤と共に製剤化されてよい。任意選択で製剤は、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、分散剤、崩壊剤(desintegrant)、増量剤、充填剤、保存剤、甘味料、香味料、流動調節剤、放出剤(release agent)等など、医薬製剤において一般的に使用される他の物質を含んでもよい。組成物はまた、それに含まれる活性化合物(複数可)の急速な放出、持続放出または遅延放出をもたらすように製剤化されてもよい。
本発明の医薬調製物は、好ましくは単位投与形態であり、例えば箱、ブリスター、バイアル、ビン、サシェ、アンプルまたは任意の他の好適な単回投与用もしくは複数回投与用の入れ物もしくは容器(適切にラベルされてよい)に、必要に応じて製品情報および/または使用説明書を含む1つ以上のパンフレットと共に、適切に包装されてよい。一般に、そのような単位投与量は、0.05〜1000mg(通常は1〜500mg、好ましくは2〜150mg)の少なくとも1種の本発明の化合物を含む(例えば、単位投与量あたり約2、4、8、16、32、64または128mg)。
通常、防止または処置されるべき状態および投与経路に応じて、本発明の活性化合物は通常、1日に患者の体重1キログラムあたり0.001〜10mg(より頻繁には体重1キログラムあたり0.01〜4mg、好ましくは体重1キログラムあたり0.02〜1.5mg;例えば体重1キログラムあたり約0.02、0.04、0.08、0.16、0.32、0.64または1.28mg)投与されるであろう。これらは、毎日1回の投与として、毎日1回以上の投与に分けられて、または(例えば点滴を用いて)本質的に連続的に、投与されてよい。
一実施形態によれば、本発明のトコトリエノール誘導体の効果的濃度は、0μM超〜100μM(好ましくは0.01〜90μM、より好ましくは0.1〜50μM、より好ましくは0.1〜20μM)の範囲である。一実施形態において、本発明のトコトリエノール誘導体の効果的濃度は、0.1〜10μMの範囲である。
一実施形態によれば、本発明のトコトリエノール誘導体は、毒性のある化合物ではない。一実施形態において、本発明のトコトリエノール誘導体は、肝臓において毒性を誘発しない。
図1は、5−LO経路を示すスキームである(Werz and Steinhilber, 2006から)。 図2は、δ−ガルシン酸を固定したToyopearl(登録商標)への5−LOの結合を示すグラフである。 図3Aは、異なる濃度のアラキドン酸(AA)で処理した時の半精製されたヒト5−LOによる5−LOの生成物形成(%)をδ−ガルシン酸濃度の関数として示すグラフである。 図3Bは、アラキドン酸の溶液(100μM)またはビヒクル(w/o)の存在下における、δ−ガルシン酸を固定したパール(pearl)への5−LOの結合を示すグラフである。 図4は、δ−アンプレキシクロマノール(amplexichromanol)(化合物26)の構造のスキームである。 図5は、ビヒクル、α−アンプレキシクロマノールまたはジロートンの腹腔内(i.p.)投与と、その後のザイモサンのi.p.注射による腹膜炎の誘発の後のマウスにおけるLTCレベル(ng/ml)を示すグラフである。
以下の実施例を参照することで本発明がより良く理解されるであろう。これらの実施例は、本発明の特定の実施形態を代表するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
材料および方法
一般的な実験手順
旋光度は、P−2000デジタル旋光計(Jasco, Great Dunmow, UK)で記録した。UVスペクトルは、Varian Cary 50 Bio分光光度計(Varian France, Les Ulis, フランス)で記録した。2D NMRのデータを伴うH NMRおよび13C NMRは、内部標準としてTMSを含むCDClまたはCDCOCD中においてBruker Avance DRX 500MHz分光計で取得した(それぞれ500MHzおよび125MHz)。質量分析は、イオン化源としてEIまたはFABを用いて、逆ジオメトリを有するJMS−700二重収束質量分析計(JEOL LTD、昭島、東京、日本)で行った。予め充填されたC18(Interchim, Montlucon, フランス)またはシリカゲルChromabond flash RSカラム(Macherey−Nagel, Duren, ドイツ)を用いたIntelliFlash 310(Analogix, Burlington, USA)でのフラッシュクロマトグラフィーならびにC18 Varianカラム(5μm;250×21.4mm)を用いたVarian ProStar 210溶媒送液モジュールおよびPrepStar 218溶媒送液モジュール(Agilent, Santa Clara, CA, USA)での分取クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーによる分離を用いて化合物を精製した。
マイクロ波照射実験は、monowave 300(Anton Paar, Graz, オーストリア)において実施した。反応は、テフロンセプタムで密封された4mL、10mLまたは30mLのガラス管内で実施した。マイクロ波実験における反応の温度は、内蔵赤外線温度プローブによって測定した。
植物材料
Garcinia amplexicaulisの樹皮は、ニューカレドニア南部の「Foret Cachee」エリアにおいて1998年7月に採取した。Laboratoire des Plantes Medicinales(CNRS)(Noumea, ニューカレドニア)(French sui generis Collectivity)に標本を寄託した。
略語
BWA4C:N−[(E)−3−(3−フェノキシフェニル)−プロプ−2−エニル]アセトヒドロキサム酸;
Cpd:化合物;
DCM:ジクロロメタン;
FAB−MS:高速原子衝撃質量分析;
eq.:当量(複数可);
g:グラム(複数可);
h:時間(複数可);
i.p.:腹腔内;
HREIMS:高分解能電子衝撃質量分析;
L:リットル(複数可);
LPS:リポ多糖;
MeOH:メタノール;
MHz:メガヘルツ;
NaBHCN:シアノ水素化ホウ素ナトリウム;
NaHCO:炭酸水素ナトリウム;
NaPO:リン酸三ナトリウム;
NaSO:硫酸ナトリウム
mg:ミリグラム(複数可);
mL:ミリリットル(複数可);
mmol:ミリモル(複数可);
min:分(複数可);
TMS:トリメチルシラン。
ケミストリーの実施例
δ−アンプレキシクロマノール(化合物26、異性体R)、δ−(Z)−デオキシアンプレキシクロマノール(化合物23、異性体R)およびγ−ガルシン酸(化合物32、異性体R)の抽出と単離:
化合物23、26および32の異性体Rの抽出と単離は、「Antiangiogenic tocotrienol derivatives from Garcinia amplexicaulis」(Lavaud,Alexis;Richomme,Pascal;Litaudon,Marc;Andriantsitohaina,Ramaroson;Guilet,David J.Nat.Prod.(2013), 76(12), 2246−2252. DOI:10.1021/np400598y)および「A new biphenyl from Clusia melchiorii and a new tocotrienol from C. obdeltifolia」(Teixeira,Josanaide S.R.;Moreira,Luciana de M.;Guedes,Maria L.da S.;Cruz,Frederico G., J.Braz.Chem.Soc.(2006), 17(4), 812−815. DOI:10.1590/S0103−50532006000400027)において説明されている。
簡単に説明すると、乾燥させたGarcinia amplexicaulisの樹皮(270g)を、ソックスレーの装置を用いて3LのDCMで24時間抽出した。減圧下で溶媒を除去して29.7gの抽出物を得た。DCM抽出物(20g)を、400gのシリカゲルカラム上でフラッシュクロマトグラフィーにかけ、移動相として3種の溶媒A/B/C(A:DCM、B:DCM/アセトン 90:10、C:アセトン)の混合物を70mL/分の一定流速で次のように用いて溶出した:100:0:0を9分間、100:0:0から50:50:0を21分間、50:50:0を16分間、50:50:0から0:100:0を22分間、0:100:0を5分間、90:0:10から80:0:20を15分間、80:0:20を6分間、80:0:20から50:0:50を24分間。このクロマトグラフィーにより36個の画分(溶出順にF1〜F36)を得た。F31、F32およびF33を合わせて、溶媒の蒸発後に4.5gを得た。合わせたF31〜33を、水/メタノール(50:50から35:65を30分間、35:65を10分間、35:65から15:85を40分間、15:85を10分間、15:85から10:90を10分間、10:90を20分間、20mL/分)を用いた逆フラッシュクロマトグラフィー(puriflash PF−50C18/150g Interchim)に供してδ−アンプレキシクロマノール(化合物26、3.1g)を得た。シクロヘキサン/EtOAc混合物(95:5から1:1)を用いた順相吸引フラッシュクロマトグラフィーにより画分F21(290mg)を精製して、純粋なδ−(Z)−デオキシアンプレキシクロマノール(化合物23、61.0mg)を得た。シクロヘキサン/EtOAc混合物(9:1から1:1)を用いた順相フラッシュクロマトグラフィーにより画分F23(300mg)を分離して、9個の副画分(F23−1〜F23−9)を得た。副画分F23−7〜F23−9を集め、RP−18(4gのカラム、MeOH/HO混合物)でフラッシュクロマトグラフィーを行い、純粋なγ−ガルシン酸(化合物32、6.0mg)を得た。
δ−(Z)−デオキシアンプレキシクロマノール(化合物23):淡黄色のオイル;[α]22 −17.7°(c 0.13, MeOH);UV(MeOH) λmax(log ε) 296.9(3.53), 259.1(2.68), 206.0(4.58)nm;H NMR(CDCl, 500MHz),δ:1.26(s, 3H, H−25), 1.53−1.66(m, 2H, H−9), 1.57(s, 3H, H−23), 1.58(s, 3H, H−24), 1.75−1.83(m, 2H, H−3), 1.78(s, 3H, H−21), 1.97−2.06(m, 2H, H−14), 1.98(m, 2H, H−13), 1.98−2.09(m, 2H, H−17), 2.06−2.11(m, 2H, H−18), 2.10(m, 2H, H−10), 2.12(s, 3H, H−26), 2.69(t(6.7Hz), 2H, H−4), 4.11(s, 2H, H−22), 5.07(t(6.3Hz), 1H, H−15), 5.11(t(6.3Hz), 1H, H−11), 5.27(t(7.2Hz), 1H, H−19), 6.38(t(3.0Hz), 1H, H−5), 6.47(t(3.0Hz), 1H, H−7)、および13C NMR(CDCl, 500MHz),δ:15.8(C−24), 16.0(C−23), 16.1(C−26), 21.3(C−21), 22.1(C−10), 22.4(C−4), 24.1(C−25), 26.2(C−18), 26.5(C−14), 31.3(C−3), 39.5(C−17), 39.6(C−9), 39.8(C−13), 61.6(C−22), 75.5(C−2), 112.6(C−5), 115.6(C−7), 121.2(C−4a), 124.4(C−11), 124.7(C−15), 127.3(C−8), 134.1(C−20), 134.5(C−16), 134.9(C−12), 145.9(C−8a), 147.7(C−6);HREIMS:m/z 411.2895[M−H](C2739の計算値は411.2905)。
γ−ガルシン酸(化合物32):淡黄色のオイル;[α]23 −8.5°(c 0.06, MeOH);UV(MeOH) λmax(log ε) 296.0(3.36), 261.0(2.88), 206.0(4.48)nm;H NMR(CDCl, 500MHz),δ:1.26(s, 3H, H−24), 1.54−1.67(m, 2H, H−9), 1.59(s, 3H, H−23), 1.59(s, 3H, H−24), 1.74(m, 2H, H−3), 1.82(s, 3H, H−22), 1.97(m, 2H, H−13), 2.06(m, 2H, H−14), 2.09(m, 2H, H−17), 2.11(s, 3H, H−26), 2.12(m, 2H, H−10), 2.13(s, 3H, H−27), 2.28(m, 2H, H−18), 2.67(t(6.7Hz), 2H, H−4), 5.12(t(7.0Hz), 1H, H−15), 5.13(t(7.0Hz), 1H, H−11), 6.37(s, 1H, H−5), 6.87(t(7.4Hz), 1H, H−19)、および13C NMR(CDCl, 500MHz),δ:11.9(C−26), 11.9(C−27), 12.1(C−22), 15.8(C−24), 15.9(C−23), 22.1(C−10), 22.2(C−4), 24.0(C−25), 26.4(C−14), 27.5(C−18), 31.3(C−3), 38.0(C−17), 39.5(C−13), 39.6(C−9), 75.2(C−2), 112.1(C−5), 118.2(C−4a), 121.6(C−7), 124.4(C−11), 125.1(C−15), 125.8(C−8), 126.8(C−20), 133.7(C−16), 134.8(C−12), 144.9(C−19), 145.6(C−8a), 146.2(C−6), 172.6(C−21);HREIMS:m/z 463.2821[M+Na](C2840Naの計算値は463.2819)。
α−アンプレキシクロマノール(化合物1、異性体R)の調製のための手順:
ステップ1:化合物4の調製
「Tocopherols by hydride reduction of dialkylamino derivatives」(Netscher,Thomas;Mazzini,Francesco;Jestin,Roselyne;Eur.J.Org.Chem.(2007), 1176−1183, DOI:10.1002/ejoc.200600874)において説明される手順に従って化合物4を調製した。
Figure 2021020966
N−メチルピペラジン(1.03mL、9.2mmol、19当量)およびパラホルムアルデヒド(276mg、9.2mmol、19当量)を70℃に2時間加熱した後、MeOH(10mL)中のδ−アンプレキシクロマノール(200mg、0.48mmol、1当量)に添加した。還流下で48時間沸騰させた後、溶媒を蒸発させた。メチルtert−ブチルエーテル(20mL)およびNaPOの飽和水溶液(10mL)を残渣に添加し、その混合物を30分間撹拌した。有機相を分離し、水(3×20mL)、飽和塩水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させて、減圧下での溶媒の蒸発の後に290mgの化合物4を得た(収率92%)。
H NMR(500MHz, CDOD) δ:1.24(s, 3H, H−25), 1.47−1.62(m, 2H, H−9), 1.52(s, 3H, H−23), 1.59(s, 3H, H−24), 1.72−1.83(m, 2H, H−3), 1.96−1.99(m, 2H, H−17), 2.00−2.03(m, 2H, H−13), 2.05−2.07(m, 2H, H−14), 2.09−2.12(m, 2H, H−10), 2.13(s, 3H, H−26), 2.19−2.24(m, 2H, H−18), 2.29(s, 6H, H−31, H−31’), 2.35−2.67(m, 16H, H−29, H−29’, H−30, H−30’), 2.74(t(6Hz), 2H, H−4), 3.60(s, 2H, H−28), 3.65(s, 2H, H−27), 4.08(s, 2H, H−21), 4.15(s, 2H, H−22), 5.12(t(7.2Hz), 1H, H−15), 5.14(t(7.2Hz), 1H, H−11), 5.55(t(7.2Hz), 1H, H−19)、および13C NMR(125MHz, CDOD) δ:12.0(C−26), 16.0−16.1(C−23およびC−24), 21.2(C−4), 22.3(C−10), 24.3(C−25), 27.1(C−18), 27.6(C−14), 32.7(C−3), 40.2(C−9), 40.3−40.5(C−17およびC−13), 45.9(C−31, C−31’), 53.0−53.1(C−29およびC−29’), 54.8(C−28), 55.5(C−27), 55.8−55.9(C−30およびC−30’), 58.3(C−22), 65.6(C−21), 75.5(C−2), 118.5(C−5), 121.1(C−7), 121.3(C−4a), 125.7−125.8(C−15およびC−11), 126.5(C−8), 130.7(C−19), 135.5−135.9(C−16およびC−12), 139.3(C−20), 145.8(C−8a), 151.7(C−6)。
FAB−MS:m/z 653.4992[M+H](C3965の計算値は653.5000)。
ステップ2:α−アンプレキシクロマノール(化合物1、異性体R)の調製
Figure 2021020966
アミルアルコール(2mL)中の化合物4(125mg、0.192mmol、1当量)およびNaBHCN(240mg、3.84mmol、20当量)をマイクロ波の下で150℃にて15分間照射した。次いで、10%のHCl水溶液(50mL)を添加し、混合物を3時間撹拌した。水相をEtO(3×50mL)で抽出し、合わせた有機相をNaHCOの飽和水溶液(50mL)、水(50mL)および飽和塩水(50mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥させて、減圧下での溶媒の蒸発の後に88mgの粗製物質を得た。DCM/MeOH(85:15)を用いた分取クロマトグラフィー(SiO)によりα−アンプレキシクロマノール(化合物1)を得た(52mg、収率60%)。
H NMR(500MHz, CDCOCD) δ:1.24(s, 3H, H−25), 1.50−1.64(m, 2H, H−9), 1.59(s, 3H, H−23), 1.60(s, 3H, H−24), 1.74−1.86(m, 2H, H−3), 1.98−2.01(m, 4H, H−13, H−17), 2.06−2.09(m, 2H, H−14), 2.09(s, 6H, H−26, H−28), 2.13(s, 3H, H−27), 2.15−2.20(m, 4H, H−10, H−18), 2.60(t(6.9Hz), 2H, H−4), 3.57(t,(5.6Hz), 1H, OH−21), 3.65(t(5.6Hz), 1H, OH−22), 4.09(s, 2H, H−21), 4.17(s, 2H, H−22), 5.11(t(7.2Hz), 1H, H−15), 5.16(t(7.2Hz), 1H, H−11), 5.47(t(7.2Hz), 1H, H−19), 6.48(s, 1H, OH)、および13C NMR(125MHz, CDCOCD) δ:10.8(C−28), 11.0(C−30), 11.7(C−26), 15.9−16.0(C−23およびC−24), 20.3(C−4), 21.9(C−10), 23.1(C−25), 25.6(C−18), 26.2(C−14), 31.4(C−3), 38.9(C−9), 39.3(C−17), 39.4(C−13), 57.9(C−22), 64.9(C−21), 73.7(C−2), 116.8(C−4a), 119.5(C−5), 121.4(C−8), 122.0(C−7), 124.2−124.5(C−11およびC−15), 126.7(C−19), 134.3(C−16), 134.3(C−12), 139.1(C−20), 144.9(C−8a), 145.3(C−6)。
HRESIMS:m/z 479.3126[M+Na](C2944Naの計算値は479.3132)。
β−アンプレキシクロマノール(化合物9、異性体R)の調製のための手順:
ステップ1:化合物15の調製
Figure 2021020966
N−メチルピペラジン(192mg、1.68mmol、3当量)、パラホルムアルデヒド(51mg、1.68mmol、3当量)およびδ−アンプレキシクロマノール(236mg、0.56mmol、1当量)を用いて、化合物4について説明されるのと同じ手順を実施して化合物15(280mg、92%)を得た。
H NMR(500MHz, CDCOCD) δ:1.23(s, 3H, H−25), 1.49−1.63(m, 2H, H−9), 1.59(s, 6H, H−23, H−24), 1.71−1.85(m, 2H, H−3), 1.96−2.01(m, 2H, H−13), 1.96−2.01(m, 2H, H−17), 2.06−2.09(m, 2H, H−14), 2.07(s, 3H, H−26), 2.11−2.20(m, 2H, H−10), 2.11−2.20(m, 2H, H−18), 2.22(s, 3H, H−30), 2.65(t(6.9Hz), 2H, H−4), 3.63(s, 2H, H−27), 4.10(s, 2H, H−21), 4.17(s, 2H, H−22), 5.12(t(7.2Hz), 1H, H−15), 5.15(t(7.2Hz), 1H, H−11), 5.47(t(7.2Hz), 1H, H−19), 6.39(s, 1H, H−7)、および13C NMR(125MHz, CDCOCD) δ:15.9(C−24), 16.1(C−26), 16.3(C−23), 21.1(C−4), 22.8(C−10), 24.1(C−25), 26.7(C−18), 27.2(C−14), 32.3(C−3), 39.7(C−9), 40.3(C−17), 40.5(C−13), 46.1(C−30), 53.1(C−28,C−28’), 55.8(C−29, C−29’), 56.7(C−27), 58.9(C−22), 65.9(C−21), 74.7(C−2), 117.0(C−5, C−7), 119.8(C−4a), 125.2(C−15), 125.5(C−11), 126.4(C−8), 127.6(C−19), 135.3−135.4(C−12およびC−16), 140.2(C−20), 145.2(C−8a), 151.5(C−6)。
FAB−MS m/z 541.3992[M+H](C3353の計算値は541.3999)。
ステップ2:化合物β−アンプレキシクロマノール(化合物9)の調製
Figure 2021020966
化合物15(200mg、0.37mmol、1当量)およびNaBHCN(232mg、3.7mmol、10当量)を用いて、化合物1について説明されるのと同じ手順をアミルアルコール(2mL)中で実施してδ−アンプレキシクロマノール(化合物9、115mg、71%)を得た。
H NMR(500MHz, CDCOCD) δ:1.24(s, 3H, H−25), 1.50−1.64(m, 2H, H−9), 1.59(s, 6H, H−23), 1.60(s, 3H, H−24), 1.74−1.86(m, 2H, H−3), 1.96−2.01(m, 2H, H−13), 1.96−2.01(m, 2H, H−17), 2.04(s, 3H, H−27), 2.05(s, 3H, H−26), 2.09(m, 2H, H−14), 2.12−2.20(m, 2H, H−10), 2.12−2.20(m, 2H, H−18), 2.60(t(6.9Hz), 2H, H−4), 3.62(t(5.6Hz), 1H, OH−21), 3.70(t(5.6Hz), 1H, OH−22), 4.10(s, 2H, H−21), 4.18(s, 2H, H−22), 5.13(t(7.2Hz), 1H, H−15), 5.16(t(7.2Hz), 1H, H−11), 5.47(t(7.2Hz), 1H, H−19), 6.51(s, 1H, H−7), 7.38(s, 1H, OH)、および13C NMR(125MHz, CDCOCD) δ:11.2(C−26), 15.9(C−27), 16.1(C−23, C−24), 21.3(C−4), 22.9(C−10), 24.2(C−25), 26.6(C−18), 27.2(C−14), 32.3(C−3), 39.8(C−9), 40.3(C−17), 40.4(C−13), 58.5(C−22), 65.9(C−21), 74.6(C−2), 123.7(C−8), 115.9(C−7), 120.2(C−5), 121.0(C−4a), 125.2(C−15), 125.5(C−11), 127.8(C−19), 135.2−135.3(C−12およびC−16), 140.1(C−20), 145.7(C−8a), 148.1(C−6)。
FAB−MS m/z 442.3095[M](C2842の計算値は442.3078)。
生物学の実施例
実施例1:δ−ガルシン酸(化合物27−基準化合物)へのヒト5−リポキシゲナーゼ(5−LO)の結合
この実験の目的は、5−LOがδ−ガルシン酸(GA)に対する良好な結合親和性を有するということを示すことである。
この目的において、2つの群が形成された:
その表面にフェノキシ酪酸が固定されているパールからなる対照(ctrl);および
その表面にδ−ガルシン酸が固定されているパール(Toyopearl(登録商標) AF Amino 650)からなるサンプル(GA−Toyo)。
次いで、半精製されたヒト5−LOを含む溶液を、それぞれのパールの群に添加する。
ヒト5−LOは、以前に説明されている通りに、E.coliで発現させてATPアフィニティークロマトグラフィーにより半精製した(Koeberle, Biochem.Pharmacol. 2009年5月1日;77(9):1513−21)。
δ−ガルシン酸(30mg)またはフェノキシ酪酸(12.3mg)をメタノール/HO(98/2) pH4〜6に溶解させた。洗浄したToyopearl AF Amino 650樹脂(500μl)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、40mg)を添加し、この混合物を室温で48時間インキュベートした。pHを定期的に調節し、pH5に再調整した。固定されたδ−ガルシン酸(GA−Toxo)およびフェノキシ酪酸(ctrl)を有する樹脂を洗浄し、メタノール/水(20/80)の中で4℃にて保存した。
GA−Toyoおよび対照への5−LOの結合を調べるために、洗浄して液体を除いた樹脂を、100μgの粉乳および0.01%のtriton X−100を含む結合バッファ(50mM HEPES、pH7.4、200mM NaCl、1mM EDTA;500μl)に添加し、回転させながら4℃で1時間インキュベートした。次いで、半精製されたヒト5−LO(約5μg)を添加し、インキュベーションを1時間続けた。結合バッファで樹脂を徹底的に洗浄した後、結合したタンパク質を、96℃に5分間加熱することによってレムリバッファ(50μl、2×)に溶解させた。以前に説明されている通りに、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によってタンパク質を分離し、ウェスタンブロットによって5−LOを検出した(Pergola:Proc Natl Acad Sci USA. 2008年12月16日;105(50):19881−6)。ブロットをデンシトメトリーによって分析し、バックグラウンド補正する。
結果は、図2に提示されており、GA−Toyoパールへの5−LOの結合が対照の場合よりも2倍高いということを示す。
従って、この結果は、δ−ガルシン酸が酵素5−LOに直接結合するということを証明する。
実施例2:5−LOにおけるδ−ガルシン酸(化合物27−基準化合物)の結合部位
第1のアプローチでは、様々な濃度のアラキドン酸(5、20、40または80μM)の存在下においてヒトの組換え5−LOでの5−LOの生成物形成をガルシン酸の濃度(0、0.01、0.03、0.1、0.3または1μM)の関数として測定した。
媒体中にガルシン酸が無い場合に、5−LOの生成物形成は100%であるとみなされる(基準)。
結果(図3A)は、
媒体中のガルシン酸の濃度が1μM未満である場合、5−LOの生成物形成は部分的に阻害される;
媒体中のガルシン酸が1μMである場合、5−LOの生成物形成は完全に阻害される;
媒体中に様々な濃度のアラキドン酸が存在してもガルシン酸による5−LOの生成物形成の阻害は影響を受けない;
ということを示す。
第2のアプローチでは、アラキドン酸の存在下におけるガルシン酸と5−LOとの間の結合を調べた。その目的は、ガルシン酸と酵素の従来の基質との間での競合を評価することである。
この目的のために、Toyopearl(登録商標)上に固定されたガルシン酸(GA−TOYO)を使用し、GA−TOYOに結合する5−LOの密度を測定した。この実験は、100μMの濃度のアラキドン酸の不在下(w/o)または存在下で実施した。
結果を図3Bに提示する。
AAの不在下(すなわち、w/oの欄)において、固定されたガルシン酸への5−LOの結合によって得られる5−LOの密度は100%であるとみなされる(基準)。
AA(100μM)の存在下では、AAがガルシン酸と競合するのであれば5−LOの密度は100%よりも低くなると予想された。
5−LOの結合は、バッファ中のAA濃度によって影響を受けない。
従って、これらの結果は、5−LOとの結合に関してガルシン酸がアラキドン酸と競合しないということを強調する。これらの結果は、ガルシン酸が5−LOの非競合的阻害剤であるということを示す。
実施例3:炎症促進性メディエーターの形成に対するδ−アンプレキシクロマノール(化合物26)の効果
慢性気道障害は、慢性炎症性疾患と関連している。従って、炎症促進性メディエーターの形成の低減を可能にする代替的処置を開発する必要がある。
この実験の目的は、本発明のトコトリエノール誘導体がIL−1β、TNF−αおよびIL−8などの炎症促進性メディエーターの形成を減少させるということを示すことである。
この研究において、トコトリエノール誘導体はδ−アンプレキシクロマノール(化合物26)である。その構造を図4に提示する。
まず、異なる濃度のδ−アンプレキシクロマノール(0.1、1および10μM)を、刺激された単球に添加した。
次に、炎症促進性サイトカインの形成を誘導するために単球をリポ多糖(LPS、10ng/mlで4〜18時間)で刺激した。
最後に、生じた炎症促進性サイトカインのレベルをELISAによって測定した。デキサメタゾン(1μM)を対照として用いた。
結果を表2および表3に提示する。
Figure 2021020966
Figure 2021020966
新たに単離した好中球(1×10/ml)を試験化合物と共に37℃で15分間プレインキュベートした。次いで、2.5μMのCa2+イオノフォアA23187のみ、またはA23187と20μMのアラキドン酸(AA)、の添加により5−LOの生成物形成を開始させた。37℃で10分の後、1mlのメタノールで反応を停止させた。主要な5−LOの代謝産物(LTBおよびその全トランス異性体ならびに5−H(P)ETE)を抽出してHPLCにより分析した(Werz:Blood 2002, 99, 1044−1052で説明されている)。システイニル−LT C、DおよびEならびにLTBの酸化生成物は、決定されなかった。
ヒトの組換え5−LOを試験化合物と共に4℃で10分間プレインキュベートし、37℃で30秒間予熱した。2mMのCaClおよび20μMのアラキドン酸の添加により5−LOの生成物形成を開始させた。37℃で10分の後、1mlの氷冷メタノールの添加により反応を停止させた。形成された5−LOの代謝産物((LTBの全トランス異性体および5−H(P)ETE))をRP−HPLCにより分析した(Koeberle:Biochem.Pharmacol. 2009, 77, 1513−1521で説明されている)。
結果
表2の結果は、10μMのδ−アンプレキシクロマノールが、対照であるデキサメタゾンよりも効率的に炎症促進性サイトカインの放出を減少させるということを示す。
表3の結果は、δ−アンプレキシクロマノールが、ヒトの組換え5−LOおよび好中球における5−LOの生成物形成の強力な阻害剤であることを裏付ける。
実施例4:ヒトの組換え5−LOの活性および好中球の5−LOの生成物形成に対するα−アンプレキシクロマノールおよびトコトリエノール誘導体の効果
この研究の目的は、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)の選択的かつ非競合的な阻害および好中球の5−LOの生成物形成の阻害についての本発明の化合物の能力を示すことである。
BWA4Cは、5−LOの選択的阻害剤であり、炎症に関与するロイコトリエンB(LTB)の合成を阻害する。これらの実験では、BWA4Cを陽性対照化合物として用いる。
δ−ガルシン酸を基準化合物として用いる。
生物学的結果を表4に提示する。
Figure 2021020966
これらの結果は、本発明のトコトリエノール誘導体が、δ−ガルシン酸よりも強力な、好中球の5−LOの生成物形成の阻害剤であるということを示す。さらに、本発明の化合物は、ヒトの組換え5−LOの効率的な阻害剤であることを特徴とする。
実施例5:ZYFLO(登録商標)と比較した、LTC形成に対するα−アンプレキシクロマノール(化合物1)の効果
この目的は、市販品であるジロートン(ZYFLO(登録商標))と比較した、ロイコトリエンC(LTC)の減少に対するω−酸化された側鎖を有するトコトリエノール誘導体の効率を示すことである。この研究では、トコトリエノール誘導体はα−アンプレキシクロマノール(化合物1)である。
それぞれ10mg/kgの用量のα−アンプレキシクロマノールまたはジロートンで予め処置したマウスにおいて、ザイモサンを用いて腹膜炎を引き起こした。ザイモサンの注射から30分後に、腹腔滲出液における生じたLTCのレベルを測定した。
詳細なプロトコル:
α−アンプレキシクロマノール(10mg/kg)またはビヒクル(2%のDMSOを含む0.9%の生理食塩水0.5ml)をi.p.投与してから30分後にザイモサン(0.9%w/vの生理食塩水中の2mg/mlの懸濁液0.5ml)をi.p.注射した。示される時点においてCOの吸入によりマウスを殺した後、3mlの冷PBS(pH7.4)で腹腔洗浄を行った。滲出液を回収した。滲出液の遠心分離(18,000×g、5分、4℃)の後、上清においてシステイニル−LTの量を、製造業者の指示に従って酵素免疫測定法(Enzo Life Sciences GmbH, Lorrach, ドイツ)により分析した。
結果(図5)は、α−アンプレキシクロマノールに基づく処置により生じるLTCのレベルは、ジロートンによって得られるLTCのレベルと同じであるということを示す。
従って、ω−酸化された側鎖を有するトコトリエノール誘導体は、LTCの減少に関して、現在利用可能な喘息のための薬物と同じ効率を達成することを可能にする。これらの結果は、トコトリエノール誘導体が、現在利用可能な薬物の良い代替物である可能性があるということを示唆する。
実施例6:肝毒性アッセイ
この目的は、肝臓において本発明のトコトリエノール誘導体により誘発される可能性のある毒性を評価することである。
プロトコル
2mMのグルタマックス(glutamax)、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、10%のHycloneウシ胎仔血清、5μg/mLのインスリンおよび50mMのヘミコハク酸ヒドロコルチゾンを追加したウィリアムE培地(Williams’ E medium)にHepaRG(登録商標)細胞を2.6×10細胞/cmという密度で播種した。2週間後、コンフルエンスになったHepaRG(登録商標)細胞を、1.7%のジメチルスルホキシドを追加した同じ培地にさらに2週間シフトして、同じ割合の肝細胞様細胞および前駆細胞/原始胆管様細胞を含むコンフルエントな分化培養物を得た。これらの分化した肝細胞培養物を分析アッセイに用いた。
次いで、0.2%のジメチルスルホキシドを含む2%のHycloneウシ胎仔血清を追加したウィリアムE培地において細胞をトコトリエノール誘導体に48時間曝露させた。
4種のトコトリエノール誘導体を調べた:
1.α−アンプレキシクロマノール(化合物1);
2.β−アンプレキシクロマノール(化合物9);
3.γ−アンプレキシクロマノール(化合物34);
4.デオキシアンプレキシクロマノール(化合物33)。
アンプレキシクロマノールは、ジオールを有するω−酸化された側鎖を有するトコトリエノール誘導体である。デオキシアンプレキシクロマノールは、アルコール官能基を1つだけ有するω−酸化された側鎖を有するトコトリエノール誘導体である。
ジロートン(ZYFLO(登録商標))との比較を行った。
結果を表5に提示する。
Figure 2021020966
結果は、約0.1、1または10μMの濃度の場合に各トコトリエノール誘導体で肝細胞の数が維持され、その数は、ジロートンで得られる結果と同様である、ということを示す。
従って、この研究は、トコトリエノール誘導体が肝臓において毒性を誘発しないということを証明する。

Claims (15)

  1. 一般式(IV):
    Figure 2021020966
    のトコトリエノール誘導体であって、式中、
    *は、対応する式(IV)の(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し;
    はHまたはアルキルであり;
    とRは同一であるか異なっており、それぞれが、アミド、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびホルミルという群から選択され;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;任意選択でアミド基は、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;
    またはRの少なくとも一方は、ヒドロキシル、カルボキシルまたはホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されたアルキルである、
    トコトリエノール誘導体、または医薬的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物。
  2. (R)−エナンチオマーである、請求項1に記載のトコトリエノール誘導体。
  3. がHまたはC〜Cアルキルである、請求項1または請求項2に記載のトコトリエノール誘導体。
  4. がCHである、請求項3に記載のトコトリエノール誘導体。
  5. とRが同一であり且つCHOHを表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトコトリエノール誘導体。
  6. がCHであり且つRがカルボキシルであるか、またはRがカルボキシルであり且つRがCHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトコトリエノール誘導体。
  7. とRが結合している二重結合C=Cの立体化学が(E)であるようにRとRが選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトコトリエノール誘導体。
  8. Figure 2021020966
    から選択される、請求項1に記載のトコトリエノール誘導体。
  9. 少なくとも1種の請求項1〜8のいずれか1項に記載のトコトリエノール誘導体と、少なくとも1種の医薬的に許容される担体、希釈剤、賦形剤および/または補助剤と、を含む医薬組成物。
  10. 少なくとも1種の請求項1〜8のいずれか1項に記載のトコトリエノール誘導体、または医薬的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物、を含む医薬。
  11. 一般式(III):
    Figure 2021020966
    のトコトリエノール誘導体または医薬的に許容されるその塩および/もしくは溶媒和物を含む、5−LO介在性疾患の処置における使用のための医薬組成物であって、式中、
    *は、対応する式(III)の(R)−エナンチオマー、(S)−エナンチオマー、ラセミ体または(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーとの非ラセミ混合物を表し;
    はHまたはアルキルであり;
    はHまたはアルキルであり;
    とRは同一であるか異なっており、それぞれが、アミド、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシルおよびホルミルという群から選択され;ここで、任意選択でアルキルは、ヒドロキシル、カルボキシル、オキソ、アミド、アミノおよびホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;任意選択でアミド基は、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよく;
    またはRの少なくとも一方は、ヒドロキシル、カルボキシルまたはホルミルから選択される少なくとも1つの基で置換されたアルキルであり;
    但し、式(III)の化合物はδ−ガルシン酸ではない、
    医薬組成物。
  12. 前記5−LO介在性疾患が慢性気道障害および/または皮膚科疾患から選択される、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 前記5−LO介在性疾患が喘息である、請求項11または請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 前記5−LO介在性疾患がアトピー性皮膚炎である、請求項11または請求項12に記載の医薬組成物。
  15. 前記トコトリエノール誘導体が、好中球の5−LOの生成物形成を阻害する、請求項11〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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