JP2021020281A - ブレード交換機構、切断装置、及び切断品の製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】フランジに対するブレードの嵌め合い公差が厳しい場合においてもブレードの自動交換を可能にするブレード交換機構を提供する。【解決手段】ブレード６１を吸着する第１吸着部７１１と、第１吸着部７１１とは別に設けられ、ブレード６１が装着されるブレード装着部６４１を有するフランジ６４を吸着する第２吸着部７１２と、第２吸着部７１２の内側に位置し、ブレード６１をスピンドルに対して脱着可能とする脱着部材６５を回転させる脱着部材回転部７１３と、ブレード６１の第１吸着部７１１による吸着面とは反対側の面を吸着して、第２吸着部７１２により吸着されたフランジ６４に対してブレード６１を搬送するブレード搬送部７２とを備える。【選択図】図６

Description

本発明は、ブレード交換機構、切断装置、及び切断品の製造方法に関するものである。

ハブレスタイプのブレードを用いた切削装置では、ブレードは一対のフランジにより挟持されてスピンドルに固定されている。この一対のフランジは、スピンドルに近い方の内フランジと、スピンドルから遠い方の外フランジとから構成されている。また、内フランジはスピンドルに固定されており、外フランジはスピンドルに対して脱着可能に構成されている。

上記構成の切削装置において、ブレードを自動交換するブレード交換機構を有するものが考えられている。このブレード交換機構は、特許文献１に示すように、ブレードを吸着するように構成された第１吸着部と、第１吸着部の内側に位置し、第１吸着部による吸着とは独立して外フランジを吸着するように構成された第２吸着部と、第２吸着部の内側に位置し、ブレードをスピンドルに脱着可能とする脱着部材を回転可能に構成された脱着部材回転部とを備えている。

特開２０１９−５８５７号公報

しかしながら、特許文献１のブレード交換機構では、ブレードが嵌め込まれるブレード装着部が近位側フランジである内フランジに設けられているが、このようなフランジのブレード装着部に対するブレードの嵌め合い公差が厳しい場合について特許文献１には記載されていない。

そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、フランジに対するブレードの嵌め合い公差が厳しい場合においてもブレードの自動交換を可能にすることをその主たる課題とするものである。

すなわち本発明に係るブレード交換機構は、ブレードを吸着する第１吸着部と、前記第１吸着部とは別に設けられ、前記ブレードが装着されるブレード装着部を有するフランジを吸着する第２吸着部と、前記第２吸着部の内側に位置し、前記ブレードをスピンドルに対して脱着可能とする脱着部材を回転させる脱着部材回転部と、前記ブレードの前記第１吸着部による吸着面とは反対側の面を吸着して、前記第２吸着部により吸着された前記フランジに対して前記ブレードを搬送するブレード搬送部とを備えることを特徴とする。

本発明によれば、フランジに対するブレードの嵌め合い公差が厳しい場合においてもブレードの自動交換を可能にすることができる。

本発明に係る一実施形態の切断装置の構成を示す模式図である。 同実施形態の切断機構の構成を模式的に示す断面図である。 同実施形態のブレード交換機構の構成を示す模式図である。 同実施形態のブレード交換機構の吸着アーム（脱着部材の脱着前）の構成模式的に示す断面図である。 同実施形態のブレード交換機構の吸着アーム（脱着部材の脱着後）の構成を模式的に示す断面図である。 同実施形態のブレード交換機構のブレード搬送部の構成を模式的に示す断面図である。 同実施形態のブレード交換機構の収納部の構成を模式的に示す断面図である。 変形実施形態の収納部及び位置調整部の構成を模式的に示す断面図である。

次に、本発明について、例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。

本発明のブレード交換機構は、前述のとおり、ブレードを吸着する第１吸着部と、前記第１吸着部とは別に設けられ、前記ブレードが装着されるブレード装着部を有するフランジを吸着する第２吸着部と、前記第２吸着部の内側に位置し、前記ブレードをスピンドルに対して脱着可能とする脱着部材を回転させる脱着部材回転部と、前記ブレードの前記第１吸着部による吸着面とは反対側の面を吸着して、前記第２吸着部により吸着された前記フランジに対して前記ブレードを搬送するブレード搬送部とを備えることを特徴とする。
このブレード交換機構であれば、第２吸着部に吸着されたフランジに対してブレード搬送部によりブレードを搬送するので、フランジに対してブレード搬送部を位置決めすればよく、従来のようにフランジとスピンドルとの位置決め調整に比べて、フランジとブレード搬送部との位置決め調整がし易くなる。したがって、フランジのブレード装着部に対してブレードを嵌め込み易くできる。その結果、フランジに対するブレードの嵌め合い公差が厳しい場合においてもブレードの自動交換を可能にすることができる。

なお、特許文献１に示す従来構成において、スピンドルに固定された近位側フランジである内フランジのブレード装着部の径寸法を小さくすることが考えられるが、ブレードの同心がずれてしまい切断品質に影響が出てしまう。また、内フランジのブレード装着部に誘い込みテーパを設けると、その誘い込みテーパを設けた分だけ外フランジの寸法が大きくなってしまう。例えば２つのスピンドルを対向させたツインスピンドル構成の場合には、対向するスピンドルのブレードとの距離が大きくなってしまい、生産性（切断効率）を悪化させてしまう。
本発明では、第２吸着部に吸着されたフランジ（外フランジ）にブレード装着部を設け、当該ブレード装着部にブレード搬送部によりブレードを搬送しているので、スピンドルに固定された固定フランジである内フランジにブレード装着部を設けた構成を前提とする上記の不具合を解消することができる。

ここで、第２吸着部に吸着されたフランジ（外フランジ）のブレード装着部にブレードを装着し易くするためには、前記ブレード装着部の外側周面にテーパ面が形成されていることが望ましい。

ブレード搬送部の具体的な実施の態様としては、前記ブレード搬送部は、前記ブレードを吸着する第３吸着部と、前記フランジの中央開口部に挿入可能な凸部とを有することが望ましい。
ここで、ブレード搬送部がフランジ（外フランジ）の中央開口部に挿入可能な凸部を有しているので、第２吸着部に吸着されたフランジ（外フランジ）に対してブレード搬送部の位置決めする構成を容易に実現することができる。

第２吸着部に吸着されたフランジ（外フランジ）とブレード搬送部との位置決めを精度良く行うためには、前記フランジの中央開口部の内側周面、又は前記ブレード搬送部の凸部の外側周面の少なくとも一方にテーパ面が形成されていることが望ましい。

ブレード交換機構は、交換用ブレードが収納可能な収納部をさらに備え、前記収納部は、前記ブレードの中央開口部に挿し通される引掛け部を有していることが考えられる。
この構成において、引掛け部とブレード搬送部の凸部との接触により交換が妨げられることを防ぐだけでなく、引掛け部とブレード搬送部との位置決めを精度良く行い、その後のフランジ（外フランジ）のブレード装着部への装着を円滑に行うためには、前記引掛け部には、前記ブレード搬送部の凸部が挿入可能な凹部が形成されていることが望ましい。

引掛け部とブレード搬送部との位置決めを精度良く行うためには、前記引掛け部の外側周面、前記引掛け部における凹部の内側周面、又は前記ブレード搬送部の凸部の外側周面の少なくとも１つにテーパ面が形成されていることが望ましい。

例えば、収納部には人手によって交換用ブレードを予め収納することが考えられる。このとき、引掛け部と交換用ブレードとの嵌め合い公差が厳しいと人手による交換用ブレードの収納作業が難しくなる。このため、引掛け部の径寸法を小さくして人手による交換用ブレードの収納作業を容易にすることが考えられる。なお、人手によらずロボット等の機械的な機構を用いる場合においても、同様に引掛け部の径寸法を小さくすることが考えられる。一方で、この構成にすると、ブレード搬送部と交換用ブレードとの位置決めが難しくなってしまう。
このため、本発明のブレード交換機構は、前記収納部から前記ブレード搬送部により吸着された交換用ブレードが一時的に収納されて、前記ブレード搬送部と前記交換用ブレードとの位置決めをするための位置決め部をさらに備えることが望ましい。

前記フランジは、前記スピンドルに固定された固定フランジとともに前記ブレードを挟持するものである。そのため、ブレードを確実に挟持できるようにするためには、前記固定フランジは、前記フランジのブレード装着部を収容する凹部を有していることが望ましい。

第２吸着部に吸着されたフランジからブレード搬送部に円滑にブレードを受け渡すためには、前記ブレード搬送部は、前記第１吸着部による前記ブレードの吸着が解除された状態で、前記ブレードを吸着して前記ブレード装着部から取り外すことが望ましい。

ブレード搬送部に吸着された状態でブレードをブレード装着部に嵌め入れた場合には、ブレード搬送部に吸着されたブレードはその姿勢が固定されていることから、ブレードとブレード装着部とが干渉してそれ以上入らなくなる恐れがあり、更にはブレードが破損する恐れさえある。このため、前記ブレード搬送部は、交換用ブレードを吸着して前記ブレード装着部に移動させた後に、前記ブレードの吸着を解除し、前記交換用ブレードを所定位置まで押し込むことが望ましい。

また、本発明に係る切断装置は、上記のブレード交換機構と、前記ブレードと、前記スピンドルとを備えることを特徴とする。
この切断装置であれば、フランジへの嵌め合い公差が厳しいブレードを自動交換できるので、品質の良い切断品を製造することができる。

さらに、本発明に係る切断品の製造方法は、上記のブレード交換機構により交換されたブレードを用いて切断対象物を切断し、複数の切断品を製造することを特徴とする。
この切断品の製造方法であれば、フランジへの嵌め合い公差が厳しいブレードを用いて切断品を製造することができるので、切断品の品質を向上させることができる。

＜本発明の一実施形態＞
以下に、本発明に係る検査システムを組み込んだ切断装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。

＜切断装置１００の全体構成＞
本実施形態の切断装置１００は、切断対象物Ｗを切断することによって、個片化された複数の切断品である製品Ｐを製造する装置である。切断対象物Ｗとしては、例えば封止済基板である。この封止済基板は、例えばプリント基板やリードフレーム等からなる基板と、基板が有する複数の領域に装着された複数の機能素子（半導体素子などのチップ）と、複数の領域が一括して覆われるようにして形成された封止樹脂とを備えたものである。なお、この封止済基板を切断することによって、製品Ｐとして電子部品が製造される。

具体的に切断装置１００は、図１に示されるように、封止済基板Ｗを供給する供給モジュール１００Ａと、封止済基板Ｗを切断する切断モジュール１００Ｂと、切断されて個片化された製品Ｐを検査する検査モジュール１００Ｃとを、それぞれ構成要素として備える。各構成要素１００Ａ〜１００Ｃは、それぞれ他の構成要素に対して着脱可能かつ交換可能である。

以下に示す各モジュール１００Ａ〜１００Ｃを含む切断装置１００の動作制御は、供給モジュール１００Ａに設けた制御部ＣＴＬが行う。この制御部ＣＴＬは、供給モジュール１００Ａ以外の他のモジュール１００Ｂ、１００Ｃに設けてもよい。また、制御部ＣＴＬは、複数に分割して、供給モジュール１００Ａ、切断モジュール１００Ｂ及び検査モジュール１００Ｃのうちの少なくとも２つのモジュールに設けてもよい。

供給モジュール１００Ａは、切断される封止済基板Ｗが外部から供給されて、封止済基板Ｗを収容するものである。この供給モジュール１００Ａには、封止済基板Ｗを収容する基板収容部２が設けられる。封止済基板Ｗは、搬送機構（不図示）によって、供給モジュール１００Ａから切断モジュール１００Ｂに搬送される。

切断モジュール１００Ｂは、封止済基板Ｗを切断して複数の製品Ｐに個片化するものである。この切断モジュール１００Ｂは、封止済基板Ｗが載置される切断用テーブル３と、切断用テーブル３をＹ方向に移動させる移動機構４と、切断用テーブル３をθ方向に回転させる回転機構５と、封止済基板Ｗを切断するためのブレード６１を有する切断機構６と、切断機構６のブレード６１を交換するブレード交換機構７とを備えている。そして、切断用テーブル３と切断機構６とを相対的に移動させることによって、封止済基板Ｗがブレード６１によって切断される。なお、切断機構６及びブレード交換機構７の具体的構成は後述する。

検査モジュール１００Ｃは、切断モジュール１００Ｂにより個片化された製品Ｐを検査するものである。この検査モジュール１００Ｃは、個片化された製品Ｐが載置される検査用テーブル８と、検査用テーブル８に載置された製品Ｐを撮像する撮像装置９とを備えている。この検査モジュール１００Ｃは、撮像装置９により得られた撮像画像により、製品Ｐを良品と不良品に選別する。そして、移送機構（図示なし）によって良品は良品用トレイ１０に、不良品は不良品用トレイ１１にそれぞれ移送されて収納される。

＜切断機構６及びブレード交換機構７について＞
本実施形態の切断機構６は、図２に示すように、ハブレスのブレード６１と、当該ブレード６１を回転させるスピンドル６２と、ブレード６１をスピンドル６２に脱着可能に固定する一対のフランジ６３、６４とを備えている。本実施形態のブレード６１は、例えば円形状の中央開口部を有する円板形状をなすものである。

一対のフランジ６３、６４は、スピンドル６２に固定されてスピンドル６２に近い方の内フランジ６３と、スピンドル６２に対して脱着可能に構成されてスピンドル６２から遠い方の外フランジ６４とから構成されている。そして、外フランジ６４は、内フランジ６３の中心軸部６３１に装着された状態で、例えばナット等の脱着部材６５により固定される。この脱着部材６５によりスピンドル６２に対してブレード６１が脱着可能となる。

外フランジ６４は、ブレード６１が装着されるブレード装着部６４１を有している。このブレード装着部６４１は、ブレード６１の中央開口部に嵌まり込むものであり、ブレード６１の中央開口部に対応した形状をなし、本実施形態では円筒形状をなすものである。

一方で、内フランジ６３は、スピンドル６２に固定された固定フランジであり、外フランジ６４との対向面に外フランジ６４のブレード装着部６４１を収容する凹部６３２が形成されている。この凹部６３２は、内フランジ６３の中心軸部６３１周りに形成された環状をなすものである。この構成により、内フランジ６３に外フランジ６４を装着した際に、外フランジ６４のブレード装着部６４１が内フランジ６３の凹部６３２に入り込むとともに、一対のフランジ６３、６４によりブレード６１が挟持される。

上記の切断機構６に用いられるブレード交換機構７は、図３に示すように、ブレード６１及び外フランジ６４を吸着する吸着アーム７１と、吸着アーム７１に対してブレード６１を搬送するブレード搬送部７２と、ブレード６１を収納する収納部７３とを備えている。

吸着アーム７１は、図４〜図６に示すように、ブレード６１を吸着する第１吸着部７１１と、外フランジ６４を吸着する第２吸着部７１２と、脱着部材６５を回転させる脱着部材回転部７１３とを備えている。この吸着アーム７１は移動機構（不図示）によってスピンドル６２に対して相対的に移動するように構成されている（図３参照）。

第１吸着部７１１は、ブレード６１の一方の面（外フランジ６４側の面）を吸着するものである。具体的に第１吸着部７１１は、ブレード６１の外面に接触する第１円筒部材７１１ａと、当該第１円筒部材７１１ａのブレード６１との接触面に形成された複数の第１吸着口７１１ｂと、第１円筒部材７１１ａの内部に形成され、複数の第１吸着口７１１ｂに繋がる第１吸気流路７１１ｃとを有している。第１吸気流路７１１ｃは、吸着アーム７１の外部に設けられた吸引ポンプ（不図示）に接続されている。

第２吸着部７１２は、第１吸着部７１１の内側に位置しており、外フランジ６４の外側の面（内フランジ６３とは反対側の面）を吸着するものである。また、第２吸着部７１２は、第１吸着部７１１の吸着とは独立して外フランジ６４を吸着するものである。具体的に第２吸着部７１２は、外フランジ６４の外面に接触する第２円筒部材７１２ａと、当該第２円筒部材７１２ａの外フランジ６４との接触面に形成された複数の第２吸着口７１２ｂと、第２円筒部材７１２ａの内部に形成され、複数の第２吸着口７１２ｂに繋がる第２吸気流路７１２ｃとを有している。第２円筒部材７１２ａは、前記第１円筒部材７１１ａの中空部に同軸上となるように配置されている。また、第２吸気流路７１２ｃは、吸着アーム７１の外部に設けられた吸引ポンプ（不図示）に接続されている。

脱着部材回転部７１３は、第２吸着部７１２の内側に位置しており、スピンドル６２の脱着部材６５（ここではナット）に係合して脱着部材６５を脱着させるものである。具体的に脱着部材回転部７１３は、脱着部材６５に係合する係合部７１３ａを有し、回転可能に設けられた回転部材７１３ｂと、当該回転部材７１３ｂを回転させる例えばモータを有する回転機構（不図示）とを有している。係合部は、脱着部材６５に形成された被係合部に係合するものである。例えば脱着部材６５の被係合部が凹部の場合には、係合部は、その凹部に係合する突起である。そして、係合部が脱着部材６５の被係合部に係合した状態で回転部材７１３ｂを回転させることによって、内フランジ６３の中心軸部６３１に対して脱着部材６５を取り付け又は取り外すことができる。

ブレード搬送部７２は、図６に示すように、第２吸着部７１２により吸着された外フランジ６４に対してブレード６１を搬送して外フランジ６４からのブレード６１の取り外し及び外フランジ６４へのブレード６１の取り付けを行うものである。このブレード搬送部７２は、移動機構（不図示）によって吸着アーム７１及び収納部７３の間で移動するように構成されている（図３参照）。

具体的にブレード搬送部７２は、ブレード６１の第１吸着部７１１による吸着面とは反対側の面（内フランジ６３側の面）を吸着するものであり、ブレード６１を吸着する第３吸着部７２１と、外フランジ６４の中央開口部に挿入可能な凸部７２２とを有している。第３吸着部７２１は、ブレード６１の外面に接触する第３円筒部材７２１ａと、当該第３円筒部材７２１ａのブレード６１との接触面に形成された複数の第３吸着口７２１ｂと、第３円筒部材７２１ａの内部に形成され、複数の第３吸着口７２１ｂに繋がる第３吸気流路７２１ｃとを有している。第３吸気流路７２１ｃは、ブレード搬送部７２の外部に設けられた吸引ポンプ（不図示）に接続されている。また、凸部７２２は、第３円筒部材７２１ａの中央部に形成されており、外フランジ６４のブレード装着部６４１の内側に形成された中央開口部に挿入される。

そして本実施形態では、外フランジ６４のブレード装着部６４１の外側周面には、先端（内フランジ６３側）に行くに従って縮径する第１テーパ面Ｔ１が形成されている。この第１テーパ面Ｔ１は、ブレード搬送部７２に搬送されたブレード６１をブレード装着部６４１に入り易くするものである。

また、外フランジ６４のブレード装着部６４１の内側周面には、先端（内フランジ６３側）に行くに従って拡径する第２テーパ面Ｔ２が形成されている。そして、ブレード搬送部７２が外フランジ６４に対してブレード６１を受け渡しする際に、ブレード搬送部７２の凸部７２２が第２テーパ面Ｔ２に案内されつつ中央開口部に挿入されることで、外フランジ６４に対してブレード搬送部７２が位置決めされる。

収納部７３は、図７に示すように、交換用ブレード６１及び使用済ブレード６１が収納可能なものである。具体的に収納部７３は、交換用ブレード６１の中央開口部に挿し通される第１引掛け部７３１と、使用済ブレード６１の中央開口部に挿し通される第２引掛け部７３２とを有している。これら引掛け部７３１、７３２の先端面には、ブレード搬送部７２の凸部７２２が挿入可能な凹部７３３、７３４が形成されている。

第１引掛け部７３１における凹部７３３の内側周面には、先端に行くに従って拡径する第３テーパ面Ｔ３が形成されている。そして、ブレード搬送部７２が収納部７３から交換用ブレード６１を取り出す際に、ブレード搬送部７２の凸部７２２が第３テーパ面Ｔ３に案内されつつ凹部７３３に挿入されることで、第１引掛け部７３１に対してブレード搬送部７２が位置決めされる。また、第２引掛け部７３２における凹部７３４の内側周面には、第１引掛け部７３１と同様に、先端に行くに従って拡径する第４テーパ面Ｔ４が形成されている。そして、ブレード搬送部７２が収納部７３に使用済ブレード６１を収納する際に、ブレード搬送部７２の凸部７２２が第４テーパ面Ｔ４に案内されつつ凹部７３４に挿入されることで、第２引掛け部７３２に対してブレード搬送部７２が位置決めされる。

＜ブレード交換機構７の動作＞
次にブレード交換機構７によるブレード６１の自動交換動作について説明する。

ブレード交換機構７の吸着アーム７１が移動してスピンドル６２に接触する（図４参照）。そして、第１吸着部７１１及び第２吸着部７１２がブレード６１及び外フランジ６４を吸着する。この状態で、脱着部材回転部７１３が脱着部材６５を回転して脱着部材６５を取り外す。その後、吸着アーム７１はスピンドル６２から退避する。これにより、スピンドル６２から使用済ブレード６１が取り外されるとともに、吸着アーム７１に使用済ブレード６１と外フランジ６４が吸着された状態となる（図５参照）。

次に、ブレード搬送部７２が吸着アーム７１に移動する。このとき、ブレード搬送部７２の凸部７２２がブレード装着部６４１の第２テーパ面Ｔ２により案内されて、ブレード搬送部７２がブレード装着部６４１に対して位置決めされる。そして、ブレード搬送部７２の第３吸着部７２１が使用済ブレード６１を吸着する。この状態で、ブレード搬送部７２を吸着アーム７１に対して相対的に移動させることにより、外フランジ６４から使用済ブレード６１が取り外される（図６参照）。なお、ブレード搬送部７２により使用済ブレード６１を吸着する際には、吸着アーム７１の第１吸着部７１１による吸着を解除する。これにより、外フランジ６４からブレード搬送部７２に使用済ブレード６１を円滑に受け渡すことができる。

使用済ブレード６１を吸着したブレード搬送部７２は、収納部７３の第２引掛け部７３２に移動する（図７の矢印（Ａ）参照）。このとき、ブレード搬送部７２の凸部７２２が第２引掛け部７３２の第４テーパ面Ｔ４により案内されて、ブレード搬送部７２が第２引掛け部７３２に対して位置決めされる。そして、ブレード搬送部７２の第３吸着部７２１が使用済ブレード６１の吸着を解除して、第２引掛け部７３２に使用済ブレード６１を収納する。

使用済ブレード６１を収納した後、ブレード搬送部７２は、収納部７３の第１引掛け部７３１に移動する（図７の矢印（Ｂ）参照）。このとき、ブレード搬送部７２の凸部７２２が第１引掛け部７３１の第３テーパ面Ｔ３により案内されて、ブレード搬送部７２が第１引掛け部７３１に対して位置決めされる。そして、ブレード搬送部７２の第３吸着部７２１が交換用ブレード６１の吸着を開始して、第１引掛け部７３１に収納されている交換用ブレード６１を吸着する。

交換用ブレード６１を吸着したブレード搬送部７２は、吸着アーム７１に移動する（図７の矢印（Ｃ）参照）。このとき、ブレード搬送部７２の凸部７２２がブレード装着部６４１の第２テーパ面Ｔ２により案内されて、ブレード搬送部７２がブレード装着部６４１に対して位置決めされる。そして、ブレード搬送部７２は、吸着アーム７１に吸着された外フランジ６４のブレード装着部６４１に交換用ブレード６１を取り付ける。ここで、ブレード装着部６４１の第１テーパ面Ｔ１により交換用ブレード６１が取り付け易くなっている。ブレード搬送部７２は、交換用ブレード６１を取り付けた後に、第３吸着部７２１による交換用ブレード６１の吸着を解除して、吸着アーム７１の第１吸着部７１１が交換用ブレード６１を吸着する（図５参照）。

なお、ブレード装着部６４１に交換用ブレード６１を取り付ける際には、ブレード搬送部７２は、交換用ブレード６１をブレード装着部６４１に移動させた後に、交換用ブレード６１の吸着を解除し、交換用ブレード６１を所定位置まで押し込むようにしても良い。ここで、所定位置とは、交換用ブレード６１を押し込んでもそれ以上移動しない位置であり、外フランジ６４の内側の面（内フランジ６３側の面）に接触する位置である。具体的には、ブレード搬送部７２は、交換用ブレード６１をブレード装着部６４１に移動させて、ブレード装着部６４１の先端部が交換用ブレード６１の中央開口部に入った後に交換用ブレード６１の吸着を解除する。このとき、交換用ブレード６１はブレード装着部６４１に引っ掛かった状態となる。この状態で、ブレード搬送部７２は、交換用ブレード６１が外フランジ６４の内側の面に接触する位置まで押し込む。このように交換用ブレード６１を取り付けることによって、交換用ブレード６１とブレード装着部６４１とが干渉してそれ以上入らなくなることを防止して、交換用ブレード６１を確実に取り付けることができる。

交換用ブレード６１をブレード装着部６４１に装着した後に吸着アーム７１はスピンドル６２に移動する。そして、脱着部材回転部７１３が脱着部材６５を回転させて、外フランジ６４と内フランジとで交換用ブレード６１を挟持させる（図４参照）。その後、吸着アーム７１の第１吸着部７１１が交換用ブレード６１の吸着を解除するとともに第２吸着部７１２が外フランジ６４の吸着を解除して、吸着アーム７１はスピンドル６２から退避する。これらの一連の動作により、使用済ブレード６１から交換用ブレード６１への交換動作が終了する。

＜本実施形態の効果＞
本実施形態の切断装置１００によれば、第２吸着部７１２に吸着された外フランジ６４に対してブレード搬送部７２によりブレード６１を搬送するので、外フランジ６４に対してブレード搬送部７２を位置決めすればよく、従来のように外フランジ６４とスピンドル６２との位置決め調整に比べて、外フランジ６４とブレード搬送部７２との位置決め調整がし易くなる。したがって、外フランジ６４のブレード装着部６４１に対してブレード６１を嵌め込み易くできる。その結果、一対のフランジ６３、６４に対するブレード６１の嵌め合い公差が厳しい場合においてもブレード６１の自動交換を可能にすることができる。

特に、外フランジ６４のブレード装着部６４１に第１テーパ面Ｔ１が形成されているので、第２吸着部７１２に吸着された外フランジ６４のブレード装着部６４１にブレード６１を装着し易くすることができる。さらに、ブレード装着部６４１の内側周面に第２テーパ面Ｔ２を形成し、ブレード搬送部７２をブレード装着部６４１に位置決めしているので、より一層ブレード装着部６４１にブレード６１を装着し易くすることができる。

さらに、第１引掛け部７３１の内側周面に第３テーパ面Ｔ３を形成し、ブレード搬送部７２を第１引掛け部７３１に位置決めしているので、ブレード搬送部７２に対して交換用ブレード６１を位置決めすることができ、当該交換用ブレード６１をブレード装着部６４１に装着し易くすることができる。その他、第２引掛け部７３２の内側周面に第４テーパ面Ｔ４を形成し、ブレード搬送部７２を第２引掛け部７３２に位置決めしているので、使用済ブレード６１を確実に第２引掛け部７３２に収納することができる。

＜その他の変形実施形態＞
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。

例えば、前記実施形態の構成に加えて、図８に示すように、収納部７３から吸着アーム７１に交換用ブレード６１を搬送する途中にブレード搬送部７２と交換用ブレード６１との位置決めをするための位置決め部７４を備えても良い。なお、図８に示す矢印はブレード搬送部７２の移動順を示している。

この位置決め部７４は、ブレード搬送部７２により吸着された交換用ブレード６１を一時的に収納して、ブレード搬送部７２と交換用ブレード６１との位置決めをするものである。具体的に位置決め部７４は、交換用ブレード６１を引っ掛ける第３引掛け部７４１を有している。第３引掛け部７４１の先端面には、ブレード搬送部７２の凸部７２２が挿入可能な凹部７４２が形成されている。この第３引掛け部７４１の外側周面には、先端に行くに従って縮径する第５テーパ面Ｔ５が形成されている。また、第３引掛け部７４１の内側周面には、先端に行くに従って拡径する第６テーパ面Ｔ６が形成されている。さらに、第３引掛け部７４１の外径は、前記実施形態の第１引掛け部７３１よりも大きく、交換用ブレード６１とのガタツキが第１引掛け部７３１よりも小さくなるように構成されている。この位置決め部７４によりブレード搬送部７２に対する交換用ブレード６１の位置の微調整を行うことができる。

前記実施形態では、ブレード装着部６４１の内側周面に第２テーパ面Ｔ２を形成し、第１引掛け部７３１の内側周面に第３テーパ面Ｔ３を形成し、第２引掛け部７３２の内側周面に第４テーパ面Ｔ４を形成しているが、これらに嵌まるブレード搬送部７２の凸部７２２に先端に行くに従って縮径するテーパ面を形成しても良い。なお、位置決めまでの移動量を小さくする観点から、ブレード搬送部７２の凸部７２２と凸部７２２に嵌まるその他の部材との何れか一方のみにテーパ面を設けることが望ましいが、両方に設けることも可能である。

また、前記実施形態の切断装置１００は、１つのスピンドル６２を有するシングルスピンドル構成のものであったが、２つのスピンドル６２を有するツインスピンドル構成のものとしても良い。この場合、ブレード交換機構７は、２つのスピンドル６２それぞれのブレード６１を順番に交換することになる。

その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。

１００・・・切断装置
Ｗ ・・・切断対象物（封止済基板）
Ｐ ・・・製品
６ ・・・切断機構
６１ ・・・ブレード
６１ ・・・交換用ブレード
６２ ・・・スピンドル
６３ ・・・固定フランジ（内フランジ）
６３２・・・凹部
６４ ・・・外フランジ
６４１・・・ブレード装着部
６５ ・・・脱着部材
７ ・・・ブレード交換機構
７１１・・・第１吸着部
７１２・・・第２吸着部
７１３・・・脱着部材回転部
７２ ・・・ブレード搬送部
Ｔ１ ・・・第１テーパ面
７２１・・・第３吸着部
７２２・・・凸部
Ｔ２ ・・・第２テーパ面
７３ ・・・収納部
７３２・・・引掛け部
７３４・・・凹部
Ｔ３ ・・・第３テーパ面
７４ ・・・位置決め部

Claims (12)

1. ブレードを吸着する第１吸着部と、
   前記第１吸着部とは別に設けられ、前記ブレードが装着されるブレード装着部を有するフランジを吸着する第２吸着部と、
   前記第２吸着部の内側に位置し、前記ブレードをスピンドルに対して脱着可能とする脱着部材を回転させる脱着部材回転部と、
   前記ブレードの前記第１吸着部による吸着面とは反対側の面を吸着して、前記第２吸着部により吸着された前記フランジに対して前記ブレードを搬送するブレード搬送部とを備える、ブレード交換機構。
2. 前記ブレード装着部の外側周面にテーパ面が形成されている、請求項１記載のブレード交換機構。
3. 前記ブレード搬送部は、前記ブレードを吸着する第３吸着部と、前記フランジの中央開口部に挿入可能な凸部とを有する、請求項１又は２記載のブレード交換機構。
4. 前記フランジの中央開口部の内側周面、又は前記ブレード搬送部の凸部の外側周面の少なくとも一方にテーパ面が形成されている、請求項３記載のブレード交換機構。
5. 交換用ブレードが収納可能な収納部をさらに備え、
   前記収納部は、前記ブレードの中央開口部に挿し通される引掛け部を有しており、
   前記引掛け部には、前記ブレード搬送部の凸部が挿入可能な凹部が形成されている、請求項３又は４記載のブレード交換機構。
6. 前記引掛け部の外側周面、前記引掛け部における凹部の内側周面、又は前記ブレード搬送部の凸部の外側周面の少なくとも１つにテーパ面が形成されている、請求項５記載のブレード交換機構。
7. 前記収納部から前記ブレード搬送部により吸着された交換用ブレードが一時的に収納されて、前記ブレード搬送部と前記交換用ブレードとの位置決めをするための位置決め部をさらに備える、請求項５又は６記載のブレード交換機構。
8. 前記フランジは、前記スピンドルに固定された固定フランジとともに前記ブレードを挟持するものであり、
   前記固定フランジは、前記フランジのブレード装着部を収容する凹部を有している、請求項１乃至７の何れか一項に記載のブレード交換機構。
9. 前記ブレード搬送部は、前記第１吸着部による前記ブレードの吸着が解除された状態で、前記ブレードを吸着して前記ブレード装着部から取り外す、請求項１乃至８の何れか一項に記載のブレード交換機構。
10. 前記ブレード搬送部は、交換用ブレードを吸着して前記ブレード装着部に移動させた後に、前記ブレードの吸着を解除し、前記交換用ブレードを所定位置まで押し込む、請求項１乃至９の何れか一項に記載のブレード交換機構。
11. 請求項１乃至１０の何れか一項に記載のブレード交換機構と、前記ブレードと、前記スピンドルとを備える、切断装置。
12. 請求項１乃至１０の何れか一項に記載のブレード交換機構により交換されたブレードを用いて切断対象物を切断し、複数の切断品を製造する切断品の製造方法。