JP2021019193A - 半導体製造装置用部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも均一な温度分布が得られる半導体製造装置用部品を提供する。【解決手段】基板が載置される載置面を有する板状の窒化アルミニウム焼結体2を備える半導体製造装置用部品1の窒化アルミニウム焼結体2が炭素を含有する。窒化アルミニウム焼結体2は、窒化アルミニウム焼結体2の平面方向の熱伝導率が、厚み方向の熱伝導率よりも高くなるように構成されている。これにより、窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向へ熱が逃げることを抑えて、従来よりも均一な温度分布が得られる半導体製造装置用部品を提供することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、窒化アルミニウム焼結体を有する半導体製造装置用部品およびその製造方法に関する。
従来、炭素繊維を混合させることで、窒化アルミニウム焼結体の特性を損なうことなく抵抗を抑える半導体製造装置用窒化アルミニウム焼結体が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の炭素繊維を含有した窒化アルミニウム焼結体は、炭素繊維と窒化アルミニウムを混合し、混合粉を得た後、これを成形し、さらにこの成形体を真空雰囲気、不活性雰囲気または還元雰囲気で過熱し、焼成を行うことで得られる。炭素繊維の導電性と高いアスペクト比を持つ繊維形状により、少量の含有量で連続する導電パスを作り、窒化アルミニウム焼結体の抵抗値を抑えている。
従来、半導体製造プロセスの中の製膜工程において、製膜の厚みの均質化の要求から基板を均一に加熱するために熱伝導率の高い窒化アルミニウム焼結体にヒーター用電極を埋設させたヒーターが使用されている。
そのため、窒化アルミニウムに酸化イットリウムを添加したセラミックスを用いることによって熱伝導率を高めることがなされてきた。しかしながら、半導体デバイスに要求される仕様の高度化に伴い、より高い熱伝導率を示す素材が要求されており、従来よりも均一な温度分布が得られる窒化アルミニウム焼結体が求められている。
本発明は、以上の点に鑑み、従来よりも均一な温度分布が得られる半導体製造装置用部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明は、
基板が載置される載置面を有する板状の窒化アルミニウム焼結体を備える半導体製造装置用部品であって、
前記窒化アルミニウム焼結体が炭素を含有し、
前記窒化アルミニウム焼結体の前記載置面に沿った平面方向の熱伝導率が、前記窒化アルミニウム焼結体の厚み方向の熱伝導率よりも高いことを特徴とする。
基板が載置される載置面を有する板状の窒化アルミニウム焼結体を備える半導体製造装置用部品であって、
前記窒化アルミニウム焼結体が炭素を含有し、
前記窒化アルミニウム焼結体の前記載置面に沿った平面方向の熱伝導率が、前記窒化アルミニウム焼結体の厚み方向の熱伝導率よりも高いことを特徴とする。
本発明によれば、窒化アルミニウム焼結体の平面方向の熱伝導率が厚み方向の熱伝導率よりも高くなるように窒化アルミニウム焼結体を構成しているため、窒化アルミニウム焼結体の厚み方向へ熱が逃げることを抑えて、従来よりも均一な温度分布が得られる窒化アルミニウム焼結体を備えた半導体製造装置用部品提供することができる。
[2]また、本発明においては、炭素はグラフェンであり、窒化アルミニウム焼結体の平面方向にグラフェンが配向されていてもよい。
[3]また、本発明においては、前記窒化アルミニウム焼結体に電極が埋設されていてもよい。
[4]また、本発明においては、前記窒化アルミニウム焼結体に複数の前記電極が厚み方向に離隔して、且つ厚み方向に重なった状態で埋設されていることが好ましい。
[5]また、本発明においては、
前記窒化アルミニウム焼結体の前記載置面と反対側の主面に筒状の支持部材(例えば、実施形態のシャフト3。以下同一。)が接合されていることが好ましい。
前記窒化アルミニウム焼結体の前記載置面と反対側の主面に筒状の支持部材(例えば、実施形態のシャフト3。以下同一。)が接合されていることが好ましい。
本発明よれば、厚み方向の熱伝導率が平面方向の熱伝導率より低いため、支持部材に熱が伝わり難く、窒化アルミニウム焼結体の均一な温度分布を維持することができる。
[6]本発明の半導体製造装置用部品の製造方法は、
窒化アルミニウムにグラフェンを添加して原料粉末を調整する調整工程と、
前記原料粉末を一軸加圧する加圧工程を経て前記窒化アルミニウム焼結体を作製する焼結体作製工程と、
を含むことを特徴とする。
窒化アルミニウムにグラフェンを添加して原料粉末を調整する調整工程と、
前記原料粉末を一軸加圧する加圧工程を経て前記窒化アルミニウム焼結体を作製する焼結体作製工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の半導体製造装置用部品の製造方法によれば、窒化アルミニウムにグラフェンを添加した原料粉末を用いることにより、窒化アルミニウム焼結体の平面方向の熱伝導率を厚み方向の熱伝導率よりも高くしたため、窒化アルミニウム焼結体の垂直方向へ熱が逃げることを抑えて、従来よりも均一な温度分布が得られる窒化アルミニウム焼結体を備えた半導体製造装置用部品の製造方法を提供することができる。
図1を参照して、発明の実施形態の半導体製造装置用部品1を説明する。本実施形態の半導体製造装置用部品1は、円形平板形状の窒化アルミニウム焼結体2を備え、窒化アルミニウム焼結体2の載置面2aに半導体ウエハなどの基板(図示省略)を載置して、基板を加温したり、基板を静電吸着把持したりする半導体製造装置に用いられるものである。円形平板形状の載置面とは反対側の主面2bには、窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向に延びる円筒状のシャフト3(本実施形態の支持部材)が設けられており、シャフト3の中空部をなす円筒内径領域には、窒化アルミニウム焼結体2に埋設された電極4に通電させる端子5が延在している。電極4は、高周波発生用電極4aとヒーター用電極4bとで構成され、高周波発生用電極4aとヒーター用電極4bとは、互いに窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向に間隔を存して埋設されている。
実施形態の窒化アルミニウム焼結体2には、焼結助剤及び添加剤としてグラフェンが添加される。
グラフェンは、炭素原子の格子結晶である小さな板片が複数積層されて構成されるものであるが、板片の積層数が少なく、積層方向に板片が剥離し易い構造である。このため、グラフェンが窒化アルミニウムの原料粉内で3次元的にランダムに配置され難く、グラフェンを添加した窒化アルミニウムの原料粉を一軸加圧することにより、窒化アルミニウム焼結体2の載置面2a及び主面2bに沿った平面方向の熱伝導率が、窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向の熱伝導率よりも高い窒化アルミニウム焼結体2を得ることができた。これは、窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向に一軸加圧することにより、窒化アルミニウムの原料粉内のグラフェンが窒化アルミニウムの平面方向に配向し易いためと考えられる。
換言すれば、窒化アルミニウム焼結体2の断面画像において、窒化アルミニウム焼結体2の平面方向における長さLpよりも窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向における長さLdの方が長い炭素(グラフェン)の面積Adに対する、長さLdよりも長さLpの方が長い炭素(グラフェン)の面積Apの比Ap/Adが1よりも大きいためと考えられる。比Ap/Adは、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.3以上であることがさらに好ましい。
また、窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向の熱伝導率Kdに対する、窒化アルミニウム焼結体2の平面方向の熱伝導率Kpの比Kp/Kdは1より大きい。また、比Kp/Kdは、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.3以上であることがさらに好ましい。
換言すれば、窒化アルミニウム焼結体2の断面画像において、窒化アルミニウム焼結体2の平面方向における長さLpよりも窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向における長さLdの方が長い炭素(グラフェン)の面積Adに対する、長さLdよりも長さLpの方が長い炭素(グラフェン)の面積Apの比Ap/Adが1よりも大きいためと考えられる。比Ap/Adは、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.3以上であることがさらに好ましい。
また、窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向の熱伝導率Kdに対する、窒化アルミニウム焼結体2の平面方向の熱伝導率Kpの比Kp/Kdは1より大きい。また、比Kp/Kdは、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.3以上であることがさらに好ましい。
即ち、グラフェンが窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向に配向されていないと、窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向に熱伝導率が高くなると考えられ、例えば電極4が埋設された窒化アルミニウム焼結体2からシャフト3などへの熱の逃げ量が増加して、窒化アルミニウム焼結体2の平面方向に温度勾配が生じ易く、均一な温度分布が得られないと考えられる。
[導電性付与効果]
グラフェンを焼成前の窒化アルミニウムに添加すると、添加されたグラフェンの多くが、窒化アルミニウム成形体の平面方向において一軸加圧焼成(ホットプレス)焼結体の平面方向に配向すると考えられ、実際に窒化アルミニウム焼結体2の平面方向に高い熱伝導率を示すと共に窒化アルミニウム焼結体の平面方向の体積抵抗率が厚み方向の体積抵抗率より若干低くなることがわかった。そのため、窒化アルミニウム焼結体2の平面方向に電気伝導性が付与されるが、厚み方向の電気導電性は抑制される。すなわち、窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向に間隔を存して埋設された高周波発生用電極4aとヒーター用電極4bとの間でリーク電流が流れることを抑制することができる。また、窒化アルミニウム焼結体2に高周波発生用電極4aに代えて静電吸着用電極が埋設された静電チャックとして半導体製造装置用部品1を使用する場合には、グラフェンの添加による電気導電性を付与したことによってジョンセンラーベック効果を働かせ強い静電吸着力を発揮させることができる。その結果、静電チャックと吸着された基板との間の熱抵抗が小さくなり基板の温度を均一化することができるようになる。
グラフェンを焼成前の窒化アルミニウムに添加すると、添加されたグラフェンの多くが、窒化アルミニウム成形体の平面方向において一軸加圧焼成(ホットプレス)焼結体の平面方向に配向すると考えられ、実際に窒化アルミニウム焼結体2の平面方向に高い熱伝導率を示すと共に窒化アルミニウム焼結体の平面方向の体積抵抗率が厚み方向の体積抵抗率より若干低くなることがわかった。そのため、窒化アルミニウム焼結体2の平面方向に電気伝導性が付与されるが、厚み方向の電気導電性は抑制される。すなわち、窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向に間隔を存して埋設された高周波発生用電極4aとヒーター用電極4bとの間でリーク電流が流れることを抑制することができる。また、窒化アルミニウム焼結体2に高周波発生用電極4aに代えて静電吸着用電極が埋設された静電チャックとして半導体製造装置用部品1を使用する場合には、グラフェンの添加による電気導電性を付与したことによってジョンセンラーベック効果を働かせ強い静電吸着力を発揮させることができる。その結果、静電チャックと吸着された基板との間の熱抵抗が小さくなり基板の温度を均一化することができるようになる。
[色調改善効果]
窒化アルミニウムの粒子内で一軸加圧されたグラフェンは比較的均等に分散し易く、窒化アルミニウム焼結体の色調を一様にすることができる。そのため、窒化アルミニウム焼結体2からなる部材の色差を小さくし、外観の色調を均質化することができる。その結果、高温時においても均質な放射率を得ることができる。
窒化アルミニウムの粒子内で一軸加圧されたグラフェンは比較的均等に分散し易く、窒化アルミニウム焼結体の色調を一様にすることができる。そのため、窒化アルミニウム焼結体2からなる部材の色差を小さくし、外観の色調を均質化することができる。その結果、高温時においても均質な放射率を得ることができる。
添加するグラフェンは複数のsp2結合炭素原子シートが窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向に窒化アルミニウム粒子の中で約0.335nm間隔で積層して構成される。sp2結合炭素原子シートの積層数は、1〜50層の領域で適宜選択した。グラフェンは、窒化アルミニウム粒子の平面方向の寸法が30μmであるものを用いた。従って、グラフェンの厚みに対する平面方向の寸法の比は、1791以上である。
窒化アルミニウムには、酸化イットリウム(Y2O3)とグラフェンが添加される。
原料を調整した後、一軸加圧焼成することによって得られる窒化アルミニウムセラミックスは添加物が加圧軸に対して直交する方向に配向する。
[添加したグラフェンの物性]
添加したグラフェンは、厚さ方向の重なり厚さ6nm〜8nm、平面方向寸法5μmである。
添加したグラフェンは、厚さ方向の重なり厚さ6nm〜8nm、平面方向寸法5μmである。
また、添加したグラフェンの面内熱伝導率は3000W/mKであり、面直熱伝導率6W/mKである。
[窒化アルミニウム焼結体2の製造方法]
まず、調整工程として、窒化アルミニウム原料粉140g、グラフェン1.6gを混合して造粒する。
まず、調整工程として、窒化アルミニウム原料粉140g、グラフェン1.6gを混合して造粒する。
そして、充填工程として、造粒した窒化アルミニウムの原料粉を、直径60mmの円筒形状のカーボン型に充填する。
そして、焼成体作製工程として、カーボン型内の窒化アルミニウムの原料粉を、1850℃、10MPaで一軸加圧ホットプレス焼成する。なお、この焼成体作製工程においては、窒化アルミニウムの原料粉を一軸加圧する加圧工程は、焼成工程と同時に行ってもよく、又は、窒化アルミニウムの原料粉を一軸加圧して窒化アルミニウムの成形体を作製した後、焼成工程を行ってもよい。
焼成後に加圧軸に垂直な面方向及び加圧軸(鉛直)方向の熱伝導率を測定するため、試料を切り出し(5mm角)JIS R 1611に準拠した、レーザーフラッシュ法で熱伝導率を測定した。
[熱伝導率測定結果]
表1に示すように、比較例として、グラフェンを含有させていない窒化アルミニウム焼結体2の20℃での熱伝導率を測定したところ、グラフェンを含有しない比較例の窒化アルミニウムは、平面方向、厚み方向ともに170W/(mK)であった
表1に示すように、比較例として、グラフェンを含有させていない窒化アルミニウム焼結体2の20℃での熱伝導率を測定したところ、グラフェンを含有しない比較例の窒化アルミニウムは、平面方向、厚み方向ともに170W/(mK)であった
これに対し、表1に示すように、グラフェンを含有させた実施形態の窒化アルミニウム焼結体2の20℃での熱伝導率を測定したところ、平面方向が188.7W/(mK)であるのに対し、厚み方向では、145.7W/(mK)と、厚み方向での熱伝導率が抑えられ、平面方向では熱伝導率の向上が見られた。
窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向での熱伝導率が低下した理由としては、グラフェンはグラフェンの厚み方向の熱伝導率が小さく、添加したグラフェンの多くが一軸加圧により窒化アルミニウム焼結体2の平面方向に沿って配向し、窒化アルミニウム焼結体2の厚み方向への熱伝導を阻害するためと考えられる。
次に、表2に示すように、別の試料を用いて、グラフェンを含有させた窒化アルミニウム焼結体と、比較例としてのグラフェンを含有していない窒化アルミニウム焼結体との体積抵抗率を測定した。その結果、200℃の場合の平面方向の体積抵抗率は、本実施例のグラフェンを含有した窒化アルミニウムが1.2×1013Ωcmであるのに対し、比較例のグラフェンを含有していない窒化アルミニウムは、3×1013Ωcmであった。
また、グラフェンを含有した窒化アルミニウム焼結体の200℃の場合の厚み方向の体積抵抗率は2.7×1013Ωcmであった。
なお、これらの体積抵抗率は、株式会社エーディーシー製デジタル超高抵抗/微少電流計を用いて測定することができる
また、500℃の場合の平面方向の体積抵抗率は、本実施例のグラフェンを含有した窒化アルミニウム焼結体が5×108Ωcmであるのに対し、比較例のグラフェンを含有していない窒化アルミニウム焼結体が2×109Ωcmであった。また、グラフェンを含有した窒化アルミニウム焼結体の500℃の場合の厚み方向の体積抵抗率は1.6×109Ωcmであった。
以上の結果から、グラフェンを添加して一軸加圧により平面方向に配向させた窒化アルミニウムが、比較例のグラフェンを添加していない(含有していない)窒化アルミニウムと比較して平面方向の体積抵抗率の低下が一定程度認められる。また、平面方向と厚み方向で体積抵抗率の差がみられ、平面方向の方が厚み方向よりも体積抵抗率が低下している。これは、グラフェンが平面方向に配向されることによる平面方向での電気伝導性が向上したためと考えられる。
このため、ヒーター用途として高温下で実施例の窒化アルミニウム焼結体2を使用しても、一定程度の電気絶縁性を確保することができると共に、高温下で静電チャックとして用いる場合でも、絶縁層の体積抵抗率を従来より低くすることができ、静電吸着力特性の向上を図ることができる。
また、グラフェンを添加することによって全体的に窒化アルミニウム焼結体の体積抵抗率は低くなるものの、厚み方向の体積抵抗率の低下は平面方向の体積抵抗率の低下に比べ抑制されている。このことは、例えば高周波発生用電極とヒーター電極のように厚み方向に重ねて配置される2つの電極間のリーク電流に抑制効果があることを示している。
次に、実施例1で使用した原料を用い、電極が埋設されたグラフェンを添加し配向した窒化アルミニウム焼結体2を作製し、その温度分布を測定した。
ここで、窒化アルミニウム焼結体2は、カーボン製の型にグラフェンを添加した窒化アルミニウムの原料粉を充填させ、その途中で、ヒーター用電極4bとしてワイヤー径0.1mm、平織、メッシュサイズ#50のモリブデンメッシュを窒化アルミニウムの上に配置して、更にその上から窒化アルミニウムの原料粉をカーボン製の型の中に充填することによって、電極4bを窒化アルミニウムの中に埋設する。そして、一軸加圧焼成してから窒化アルミニウム焼結体2の内部の電極4bと外部の電源とを接続するための端子5を窒化アルミニウム焼結体2の主面2bから電極4bに向かって穿設した挿入孔2cを介してロウ付けにより取り付ける。
温度分布測定は、ヒーターを500℃に設定し、定常状態となった後に赤外線カメラで載置面2aの温度分布を測定した。評価値は、面内温度の最大値−最小値をΔT℃として評価した。実施例のグラフェンを添加した窒化アルミニウム焼結体2は、10.9℃であったのに対し、グラフェンを添加していない窒化アルミニウム焼結体2では、24.2℃であった。この結果から、実施例のグラフェンを添加した窒化アルミニウム焼結体2は、従来のものよりも優れた温度分布を示すことがわかる。
また、窒化アルミニウム焼結体2の表面の色差を20箇所で色差計で測定し、色差(Lab色空間)の最大値を測定した。その結果、グラフェンを添加した窒化アルミニウム焼結体2の色差は1.9であったのに対し、グラフェンを添加していない窒化アルミニウム焼結体2の色差は3.8であり、グラフェンを添加した窒化アルミニウム焼結体2の方が、色調の均質化が高いことが確認された。
1 半導体製造装置用部品
2 窒化アルミニウム焼結体
2a 載置面
2b 主面
2c 挿入穴
3 シャフト(支持部材)
4 電極
5 端子
2 窒化アルミニウム焼結体
2a 載置面
2b 主面
2c 挿入穴
3 シャフト(支持部材)
4 電極
5 端子
Claims (6)
- 基板が載置される載置面を有する板状の窒化アルミニウム焼結体を備える半導体製造装置用部品であって、
前記窒化アルミニウム焼結体が炭素を含有し、
前記窒化アルミニウム焼結体の前記載置面に沿った平面方向の熱伝導率が、前記窒化アルミニウム焼結体の厚み方向の熱伝導率よりも高いことを特徴とする半導体製造装置用部品。 - 請求項1に記載の半導体製造装置用部品であって、
前記炭素はグラフェンであり、
前記窒化アルミニウム焼結体の前記平面方向に前記グラフェンが配向されていることを特徴とする半導体製造装置用部品。 - 請求項1又は請求項2に記載の半導体製造装置用部品であって、
前記窒化アルミニウム焼結体に電極が埋設されていることを特徴とする半導体製造装置用部品。 - 請求項3に記載の半導体製造装置用部品であって、
前記窒化アルミニウム焼結体に複数の前記電極が厚み方向に離隔して、且つ厚み方向に重なった状態で埋設されていることを特徴とする半導体製造装置用部品。 - 請求項3又は請求項4に記載の半導体製造装置用部品であって、
前記窒化アルミニウム焼結体の前記載置面と反対側の主面に筒状の支持部材が接合されていることを特徴とする半導体製造装置用部品。 - 基板が載置される載置面を有する板状の窒化アルミニウム焼結体を備える半導体製造装置用部品の製造方法であって、
窒化アルミニウムにグラフェンを添加して原料粉末を調整する調整工程と、
前記原料粉末を一軸加圧する加圧工程を経て前記窒化アルミニウム焼結体を作製する焼成体作製工程と、
を含むことを特徴とする半導体製造装置用部品の製造方法。
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