JP2021018357A - 吸音装置 - Google Patents

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Ryunosuke Akimatsu
龍之介 秋松
綾香 冨堂
Ayaka Fudo
綾香 冨堂
佐藤 広之
Hiroyuki Sato
広之 佐藤
辰次 井手
Tatsuji Ide
辰次 井手
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Abstract

【課題】空気中を伝播する音の低減効果を高めることの可能な吸音装置を提供する。【解決手段】通路部材10は、空気の流れる通路を有する。微細穿孔板20は、複数の微細な貫通孔21が穿たれた板状の部材であって、一方の面が通路のうち空気の流れ場11に臨み、他方の面が空気層12を介して通路部材の内壁面13と対向するように設けられ、貫通孔21を通過する空気により粘性減衰作用を発生させる。そして、複数の貫通孔21は、少なくとも隣り合う貫通孔21において、通路の中心線CLに対し直交する方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、空気中を伝播する音を吸収する吸音装置に関するものである。
従来、剛壁の前に空気層を介して多孔板を設けることで吸音効果を得る技術が知られている。特許文献1には、円筒形の配管の内壁に空気層を介して多孔板を設けることで配管内を伝播する音を吸収する構成が開示されている。
特開2005−9483号公報
ところで、発明者らは、通路部材の内壁に空気層を介して微細穿孔板を設置した構成について鋭意研究を重ねた。ここで、微細穿孔板とは、板状の部材に複数の微細な貫通孔が穿たれたものであり、MPP(Micro perforated Panelの略)と呼ばれるものである。その結果、発明者らは、通路部材の空気の流れ場を空気が流れると、空気層の空気が微細穿孔板の貫通孔を通じて流れ場に吹き出す状態と、流れ場を流れる空気が貫通孔を通じて空気層に入り込む状態とが一定の周期で繰り返されることを発見した。
そのことから、発明者らは、通路部材の空気の流れ場に対して微細穿孔板の貫通孔から吹き出す空気、または、流れ場から貫通孔に入り込む空気が、微細穿孔板による騒音低減効果に影響を与えることを見出した。
上述した特許文献1に記載の構成は、配管内部を伝播する騒音の低減を目的とするものであるが、配管内部を流れる空気に対して多孔板の孔から吹き出され、または、入り込む空気の影響は考慮されていない。そのため、多孔板の複数の孔から吹き出す空気の渦により、配管内の空気の流れが乱れることが考えられる。また、多孔板の複数の孔からそれぞれ吹き出す空気の渦同士が互いに干渉し合い、それらの渦が大きくなると、配管内の空気の流れの乱れも大きくなることが考えられる。したがって、特許文献1に記載の構成は、騒音低減効果が減少し、もしくは騒音が悪化するおそれがある。
本発明は上記点に鑑みて、空気中を伝播する音の低減効果を高めることの可能な吸音装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
空気中を伝播する音を吸収する吸音装置において、
空気の流れる通路を有する通路部材(10)と、
複数の微細な貫通孔(21)が穿たれた板状の部材であって、一方の面が通路のうち空気の流れ場(11)に臨み、他方の面が空気層(12)を介して通路部材の内壁面(13)と対向するように設けられ、貫通孔を通過する空気により粘性減衰作用を発生させる微細穿孔板(20)と、を備え、
複数の貫通孔は、少なくとも隣り合う貫通孔同士において、通路の中心線(CL)に対し直交する方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている。
これによれば、微細穿孔板は、複数の微細な貫通孔を通過する空気により粘性減衰作用を発生させるように構成されている。そのため、この吸音装置は、通路部材を流れる空気中を伝播する音を吸収することが可能である。
そして、上述したように、通路部材の空気の流れ場を一定の流速で空気が流れると、空気層の空気が微細穿孔板の貫通孔を通じて流れ場に吹き出す状態と、流れ場を流れる空気が貫通孔を通じて空気層に入り込む状態とが繰り返される。その際、仮に、複数の貫通孔が通路の中心線に対し直交する方向に直線状に配置されていると、複数の貫通孔から流れ場に吹き出す複数の空気の渦は、通路の中心線に対し直交する方向に渦糸芯を形成し、渦同士が干渉、成長することになる。
それに対し、請求項1に係る発明では、複数の貫通孔は、少なくとも隣り合う貫通孔同士において、通路の中心線に対し直交する方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている。これにより、複数の貫通孔から流れ場に吹き出す複数の空気の渦は、通路の中心線に対し直交する方向に渦糸芯を形成することがない。そのため、微細穿孔板の近傍において、空気の渦が成長することが防がれるので、通路の流れ場を流れる気流の乱れが抑制される。したがって、この吸音装置は、微細穿孔板の粘性減衰作用により通路部材の空気中を伝播する音を吸収しつつ、その微細穿孔板の近傍における気流の乱れを抑制することで、通路部材の空気中を伝播する音の低減効果を高めることができる。
請求項2に係る発明は、
空気中を伝播する音を吸収する吸音装置において、
空気の流れる通路を有する通路部材(10)と、
複数の微細な貫通孔(21)が穿たれた板状の部材であって、一方の面が通路のうち空気の流れ場(11)に臨み、他方の面が空気層(12)を介して通路部材の内壁面(13)と対向するように設けられ、貫通孔を通過する空気により粘性減衰作用を発生させる微細穿孔板(20)と、を備え、
複数の貫通孔は、少なくとも隣り合う貫通孔同士において、通路の中心線(CL)と平行な方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている。
これによれば、仮に、複数の貫通孔が通路の中心線と平行な方向に直線状に配置されていると、上流側の貫通孔から吹き出す空気の渦と、その下流側の貫通孔から吹き出す空気の渦とが互いに干渉し合い、その渦が上流側から下流側に向かって次第に大きく成長する。
それに対し、請求項2に係る発明では、複数の貫通孔は、少なくとも隣り合う貫通孔同士において、通路の中心線と平行な方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている。これにより、上流側の貫通孔から吹き出す空気の渦と、その下流側の貫通孔から吹き出す空気の渦とが互いに干渉し合うことが抑制されるので、その渦が上流側から下流側に向かって次第に大きく成長することが防がれる。そのため、微細穿孔板の近傍において、通路部材の流れ場を流れる気流の乱れが抑制される。したがって、この吸音装置は、微細穿孔板の粘性減衰作用により通路部材の空気中を伝播する音を吸収しつつ、その微細穿孔板の近傍における気流の乱れを抑制することで、通路部材の空気中を伝播する音の低減効果を高めることができる。
請求項5に係る発明は、
空気中を伝播する音を吸収する吸音装置において、
空気の流れる通路を有する通路部材(10)と、
複数の微細な貫通孔(21)が穿たれた板状の部材であって、一方の面が通路のうち空気の流れ場(11)に臨み、他方の面が空気層(12)を介して通路部材の内壁面(13)と対向するように設けられ、貫通孔を通過する空気により粘性減衰作用を発生させる微細穿孔板(20)と、
通路部材の内壁面と微細穿孔板とを接続し、空気層を仕切る仕切板(30)と、を備え、
通路部材の内壁面と微細穿孔板と仕切板により形成された複数の区画は、少なくとも隣り合う区画同士の体積が異なっている。
これによれば、区画ごとに設けられた貫通孔から流れ場に空気が吹き出す周期をずらすことが可能である。そのため、区画ごとに設けられた貫通孔から流れ場に空気が吹き出すタイミングがずれるので、複数の空気の渦同士が互いに干渉することなく、渦が大きく成長することが防がれる。したがって、この吸音装置は、微細穿孔板の粘性減衰作用により通路部材の空気中を伝播する音を吸収しつつ、その微細穿孔板の近傍における気流の乱れを抑制することで、通路部材の空気中を伝播する音の低減効果を高めることができる。
なお、本明細書で「異なっている」とは、製造公差の範囲で異なるものではなく、発明の効果を奏する程度に実質的に異なっていることをいう。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る吸音装置の通路の中心線に平行な断面図である。 図1のII―II線の断面図である。 図1のIII―III線の断面図である。 吸音装置の微細穿孔板による粘性減衰作用を説明するための図である。 吸音装置における実験のモデルを説明するための図である。 吸音装置に空気が流れている状態を示す図である。 吸音装置に空気が流れている状態を示す、図5Bに続く図である。 吸音装置に空気が流れている状態を示す、図5Cに続く図である。 吸音装置に空気が流れている状態を示す、図5Dに続く図である。 吸音装置に空気が流れている状態を示す、図5Eに続く図である。 吸音装置における実験のモデルを説明するための図である。 吸音装置に空気が流れている状態を示す図である。 吸音装置に空気が流れている状態を示す、図6Bに続く図である。 吸音装置に空気が流れている状態を示す、図6Cに続く図である。 吸音装置に空気が流れている状態を示す、図6Dに続く図である。 吸音装置に空気が流れている状態を示す、図6Eに続く図である。 図3のVII部分において、微細穿孔板の貫通孔の配置とその作用を説明するための図である。 図1のVIII部分において、微細穿孔板の貫通孔の配置とその作用を説明するための図である。 微細穿孔板の貫通孔の位置ずれ量を説明するための図である。 第2実施形態に係る吸音装置が備える微細穿孔板の一部を示す平面図である。 第3実施形態に係る吸音装置の一部を示す断面図である。 第4実施形態に係る吸音装置の一部を示す断面図である。 第5実施形態に係る吸音装置の一部を示す断面図である。 第6実施形態に係る吸音装置が設置される空調ユニットの断面図である。 図14のXV方向の矢視図である。 第7実施形態に係る吸音装置の平面図である。 第8実施形態に係る吸音装置の平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の吸音装置は、例えば車両用空調装置または吹出ダクトなどに設置され、空気中を伝播する音の吸収を行うものである。
図1〜図3に示すように、吸音装置は、通路部材10および微細穿孔板20などを備えている。通路部材10は、例えば、断面が矩形状に形成され、その内側に空気の流れる通路を有している。なお、通路部材10の断面形状は、矩形状に限らず、円形、楕円形、多角形、またはそれらの組み合わせなど、種々の形状を採用することが可能である。
図1および図3では、通路部材10の通路を流れる空気の主流方向を、白抜きの矢印で示している。なお、本実施形態では、通路部材10の通路を流れる空気の主流方向と、通路の中心線CLとは一致している。また、通路部材10の通路の中心線CLとは、空気の流れ場を形成している壁面のうち対向する壁面同士の中心となる仮想線をいう。
通路部材10の内壁には、微細穿孔板20が固定されている。微細穿孔板20は、複数の微細な貫通孔21が穿たれた板状の部材である。微細穿孔板20は、MPP(Micro perforated Panelの略)と呼ばれる。具体的に、貫通孔21の孔径dは、0より大きく1mm以下である。微細穿孔板20は、一方の面が通路のうち空気の流れ場11に臨み、他方の面が空気層12を介して通路部材10の内壁面13と対向するように設けられている。なお、通路部材10に微細穿孔板20を設ける箇所は、通路部材10の内壁の一つの面に限らず、複数の面、または、全面としてもよい。
微細穿孔板20は、複数の貫通孔21を通過する空気により粘性減衰作用を発生させるように構成されている。ここで、粘性減衰作用について説明する。
微細穿孔板20に設けられた複数の微細な貫通孔21を毛細管として考えた場合、粘性境界層のふるまいにより粘性減衰作用が働くか否かが決まる。粘性減衰作用が働くか否かは、音響的レイノルズ数により検討可能である。なお、図4は、貫通孔21の直径dと粘性境界層の厚さtを示している。図4では、粘性境界層の厚さtを、破線のハッチングで示している。
空気の密度:ρ[kg/m3]
粘性係数:η[Pa・s]
角周波数:ω[rad/s]
とすると、音響的レイノルズ数Reyは、次の式1で示される。
そして、Rey<10であれば、粘性減衰作用が働く。これにより、微細穿孔板20は、貫通孔21の内壁とその内壁に接する空気との間に、空気の粘性による摩擦力を生じさせ、通路部材10の流れ場11を流れる空気中を伝播する音を吸収、減衰することができる。
さらに、発明者らは、本実施形態の吸音装置のような通路部材10の内壁に空気層12を介して微細穿孔板20を設置した構成について鋭意研究を重ねた結果、次のことを発見した。すなわち、通路部材10の空気の流れ場11を一定の流速で空気が流れると、空気層12の空気が微細穿孔板20の貫通孔21を通じて流れ場11に吹き出す状態と、流れ場11を流れる空気が貫通孔21を通じて空気層12に入り込む状態とが一定の周期で繰り返されることを発見したのである。
図5Aは、吸音装置の実験に使用したモデルを説明するための図である。図5Aでも、通路部材10の流れ場11を流れる空気の主流方向を、白抜きの矢印で示している。なお、その主流方向と、通路部材10の通路の中心線CLとは一致している。
この実験に使用したモデルでは、空気層12の厚みは一定である。微細穿孔板20に穿たれた複数の貫通孔21は、通路の中心線CLと平行な方向に直線状に配置されている。複数の貫通孔21の孔径dは、いずれも1.0mmである。また、主流方向に隣り合う一方の貫通孔21の中心と他方の貫通孔21の中心との距離Pは、いずれも3mmである。
図5Aに示したようなモデルにおいて、通路の流れ場11に一定の風速Uで空気を流した。その風速Uは、10m/sである。
そして、空気層12の中に微細な粒子を配置し、空気層12の空気が微細穿孔板20の貫通孔21を通じて流れ場11に吹き出す状態と、流れ場11を流れる空気が貫通孔21を通じて空気層12に入り込む状態を可視化評価した。図5B〜図5Fは、その実験により得られた画像を2値化処理したものである。
図5Bは、実験を開始した後、空気層12の空気が複数の貫通孔21を通じて流れ場11に吹き出し始めた状態が示されている。なお、上述したように、空気層12から複数の貫通孔21を通じて流れ場11に吹き出す空気は、空気層12に配置した微細な粒子によって可視化されている。空気層12の空気は、複数の貫通孔21から流れ場11に略同時に吹き出し始めている。
図5Cは、図5Bに続く状態を示している。このとき、空気層12から複数の貫通孔21を通じて流れ場11に略同時に吹き出した空気は、それぞれ渦となり、流れ場11を流れる風により下流側へ移動している。
図5Dは、図5Cに続く状態を示している。このとき、空気層12から複数の貫通孔21を通じて流れ場11に吹き出した空気は、上流側の貫通孔21から吹き出された空気の渦と、その下流側の貫通孔21から吹き出された空気の渦とが干渉し合い、成長を始めている。
図5Eは、図5Dに続く状態を示している。このとき、空気層12から複数の貫通孔21を通じて流れ場11に吹き出した空気の渦は、上流側から下流側に向かい次第に、より大きく成長している。
図5Fは、図5Eに続く状態を示している。このとき、空気層12から複数の貫通孔21を通じて流れ場11へ空気が吹き出す状態が終了している。その後、流れ場11を流れる空気は、貫通孔21を通じて空気層12に入り込む状態となる。
図5Fの状態から一定の時間が経過すると、再び、上述した図5B〜図5Fの現象が一定の周期で繰り返される。このように、吸音装置の通路部材10の流れ場11を一定の流速で空気が流れると、空気層12の空気が、呼吸をするように、複数の貫通孔21から流れ場11に吹き出す状態と、流れ場11から貫通孔21を通じて空気層12に入り込む状態とが、一定の周期で繰り返される。
なお、図6Aは図5Aと同一の図である。図6B〜図6Fは、図5B〜図5Fと同一の状態を示したものであるが、上記の実験により得られた画像をグレースケールで示したものである。
上述の実験結果から発明者らは、吸音装置において、複数の貫通孔21から流れ場11に吹き出す空気の渦同士が干渉し、成長すると、通路の流れ場11を流れる気流が乱れることで、騒音低減効果が減少し、もしくは騒音が悪化する可能性があると考えた。そして、発明者らは、複数の貫通孔21から流れ場11に吹き出す空気の渦同士の干渉および成長を抑制することで、吸音装置における騒音の低減効果を高めることが可能であることを見出した。
そこで、本実施形態では、図7に示すように、複数の貫通孔21を、少なくとも隣り合う貫通孔21同士において、通路の中心線CLに対し直交する方向に直線状に配置することなく、その方向に対してずれた位置に配置している。これにより、図7の矢印Vに示すように、複数の貫通孔21から流れ場11に吹き出す複数の空気の渦は、通路の中心線CLに対し直交する方向に渦糸芯を形成することがない。そのため、微細穿孔板20の近傍において、空気の渦が成長することを防ぐことが可能である。
また、複数の貫通孔21を、少なくとも隣り合う貫通孔21同士において、通路の中心線CLと平行な方向に直線状に配置することなく、その方向に対してずれた位置に配置している。これにより、上流側の貫通孔21から吹き出す空気の渦と、その下流側の貫通孔21から吹き出す空気の渦とが互いに干渉することが抑制されるので、その渦が上流側から下流側に向かって次第に大きく成長することを防ぐことが可能である。
また、図8に示すように、本実施形態では、通路部材10の内壁面13と微細穿孔板20との距離Hが上流側から下流側に向けて変化する構成としている。そのため、複数の貫通孔21は、少なくとも隣り合う貫通孔21同士において、通路部材10の内壁面13と貫通孔21との距離Hが異なっている。すなわち、隣り合う貫通孔21同士において、通路部材10の内壁面13と貫通孔21との間の空気層12の厚さが異なるものとなる。これにより、隣り合う貫通孔21から流れ場11にそれぞれ空気が吹き出す周期をずらすことが可能である。そのため、隣り合う貫通孔21から流れ場11にそれぞれ空気の渦が吹き出すタイミングがずれるので、複数の空気の渦同士が互いに干渉することなく、渦が大きく成長することを防ぐことが可能である。
なお、図9に示すように、本実施形態では、主流方向に隣り合う上流側の貫通孔21の中心とその下流側の貫通孔21の中心との距離Sは、通路の中心線CLに対して垂直な方向に、貫通孔21の孔径dの半分よりも大きくずらして配置することが好ましい。複数の貫通孔21をそのように配置することで、複数の貫通孔21から流れ場11に吹き出した複数の空気の渦同士が互いに干渉し合うことが防がれる。そのため、上流側から下流側に向かって渦が次第に成長することを防ぐことが可能である。
また、主流方向に隣り合う上流側の貫通孔21の中心とその下流側の貫通孔21の中心との距離Pは、上流側の貫通孔21から発生した渦が、下流側の貫通孔21から発生した渦に到達することを抑制可能な距離に設定されている。その距離は、上流側の貫通孔21から発生した渦と、下流側の貫通孔21から発生した渦とが互いに干渉し合うことを抑制可能な距離と言うこともできる。そして、その距離Pは、実験などにより適宜設定することが可能である。
以上説明したように、本実施形態では、微細穿孔板20の近傍において、複数の貫通孔21から流れ場11に吹き出した空気の渦同士が互いに干渉して成長することを防ぐことが可能である。そのため、微細穿孔板20の近傍において、通路の流れ場11を流れる気流の乱れが抑制される。したがって、この吸音装置は、空気中を伝播する音を微細穿孔板20の粘性減衰作用により吸収し、且つ、その微細穿孔板20の近傍において通路の流れ場11を流れる気流の乱れを抑制することで、空気中を伝播する音の低減効果を高めることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して微細穿孔板20に穿たれた複数の貫通孔21の配置を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図10に示すように、第2実施形態では、微細穿孔板20に穿たれた複数の貫通孔21は、ランダムに配置されている。言い換えれば、複数の貫通孔21は何の規則性も有することなく、無作為に配置されている。図10では、所定の貫通孔21の中心を含み、通路の中心線CLに平行な仮想線を一点鎖線L1で示している。また、その所定の貫通孔21の中心を含み、通路の中心線CLに対し垂直な仮想線を一点鎖線L2で示している。その2つの仮想線に対し、所定の貫通孔21に隣り合う他の貫通孔21の中心は重なることが無い。
第2実施形態においても、複数の貫通孔21は、少なくとも隣り合う貫通孔21同士において、通路の中心線CLに対し直交する方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている。また、複数の貫通孔21は、少なくとも隣り合う貫通孔21同士において、通路の中心線CLと平行な方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている。
したがって、第2実施形態も、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態等に対して、空気層12の厚みを変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
図11に示すように、第3実施形態では、通路部材10の内壁面13は、上流側から下流側に向けて湾曲した形状となっている。そのため、通路部材10の内壁面13と微細穿孔板20との距離Hは上流側から下流側に向けて変化している。したがって、複数の貫通孔21は、少なくとも隣り合う貫通孔21同士において、通路部材10の内壁面13と貫通孔21との距離Hが異なっている。すなわち、隣り合う貫通孔21同士において、通路部材10の内壁面13と貫通孔21との間の空気層12の厚さが異なっている。そのため、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、隣り合う貫通孔21から流れ場11にそれぞれ空気が吹き出す周期をずらすことが可能である。したがって、第3実施形態も、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1実施形態等に対して、空気層12に仕切板30を追加したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
図12に示すように、第4実施形態では、吸音装置は、空気層12を仕切る複数の仕切板30を備えている。複数の仕切板30は、通路部材10の内壁面13と微細穿孔板20とを接続している。複数の仕切板30は、通路部材10の上流側から下流側に向けて略等間隔で配置されている。ただし、複数の仕切板30は、異なる間隔で配置してもよい。また、通路部材10の内壁面13と微細穿孔板20との距離Hは上流側から下流側に向けて次第に遠くなっている。そのため、通路部材10の内壁面13と微細穿孔板20と仕切板30により形成される複数の区画は、少なくとも隣り合う区画同士の体積が異なっている。
第4実施形態では、区画同士の体積が異なっているので、区画ごとに設けられたそれぞれの貫通孔21から流れ場11に空気が吹き出す周期をずらすことが可能である。そのため、区画ごとに設けられたそれぞれの貫通孔21から流れ場11に空気の渦が吹き出すタイミングがずれるので、複数の空気の渦同士が互いに干渉することなく、渦が大きく成長することが防がれる。したがって、第4実施形態も、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。第5実施形態は、第3実施形態と第4実施形態の組み合わせである。
図13に示すように、第5実施形態でも、吸音装置は、第4実施形態と同様に、空気層12を仕切る複数の仕切板30を備えている。また、第3実施形態と同様に、通路部材10の内壁面13は、上流側から下流側に向けて湾曲した形状となっている。そのため、第5実施形態でも、通路部材10の内壁面13と微細穿孔板20と仕切板30により形成される複数の区画は、少なくとも隣り合う区画同士の体積が異なっている。
そのため、第5実施形態でも、区画ごとに設けられたそれぞれの貫通孔21から流れ場11に空気の渦が吹き出すタイミングがずれるので、複数の空気の渦同士が互いに干渉することなく、渦が大きく成長することが防がれる。したがって、第5実施形態も、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。第6実施形態は、車両用空調装置の空調ユニット1に吸音装置を設置した形態を説明するものである。
図14に示すように、車両用空調装置の空調ユニット1は、空調ケース2、エバポレータ4、ヒータコア5、エアミックスドア6、および吹出開口部ドア7などを備えている。
空調ケース2は、吸音装置の通路部材10に相当する部材である。空調ケース2は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて形成されている。空調ケース2は、空調ユニット1の外殻を成す。空調ケース2の内側には、車室内へ吹き出される空気が流れる通路(すなわち、空気の流れ場11)が形成されている。なお、図14では、通路内の空気の流れ方向を白抜き矢印で示している。
また、空調ケース2は、通路の空気流れ方向下流側に、車室内の所定領域に空気を送風するための複数の吹出開口部8を有している。
空調ケース2の内部には、エバポレータ4、ヒータコア5、エアミックスドア6、および吹出開口部ドア7などが設けられている。
エバポレータ4は、通路を流れる空気を冷却するための熱交換器である。エバポレータ4は、図示しない冷凍サイクルの一部を構成している。エバポレータ4は、その内部を流れる冷媒とエバポレータ4を通過する空気とを熱交換させ、冷媒を蒸発させると共に空気を冷却する。
ヒータコア5は、通路を流れる空気を加熱するための熱交換器である。ヒータコア5は、その内部を流れるエンジン冷却水または高圧冷媒とヒータコア5を通過する空気とを熱交換させ、エンジン冷却水または高圧冷媒の熱により空気を加熱する。
また、空調ケース2内の通路は、ヒータコア5の外側に、ヒータコア5を迂回させて空気を流すバイパス通路51を含んでいる。
空調ユニット1の通路においてエバポレータ4とヒータコア5との間には、エアミックスドア6が設けられている。エアミックスドア6は、エバポレータ4を通過した後にヒータコア5を迂回する風(すなわち、バイパス通路51を流れる風)と、エバポレータ4を通過した後にヒータコア5を通過する風との風量割合を調整する。
吹出開口部ドア7は複数の吹出開口部8のうちの一方の第1吹出開口部81に設けられており、第1吹出開口部81の開口面積を調整する。なお、図14では、複数の吹出開口部8のうちの他方の第2吹出開口部82に設けられる吹出開口部ドアの図示を省略しているが、第2吹出開口部82にも第1吹出開口部81と同様に吹出開口部ドアを設けてもよい。
第6実施形態の吸音装置が備える微細穿孔板20は、空調ケース2内を伝播する音を吸収するために空調ケース2の内側に設けられている。図14では、空調ケース2内に微細穿孔板20が設置される箇所を例示的に破線で示している。ただし、微細穿孔板20が設置される箇所は、図14に示した箇所に限らず、空調ケース2の内壁のうちいずれかの場所であればよい。これにより、吸音装置は、空調装置から車室内に放出される騒音を低減することで、空調性能を高めることができる。
図15に示すように、第6実施形態の吸音装置は、空気層12を仕切る仕切板30を備えている。仕切板30は、通路部材10(すなわち、空調ケース2)の内壁面と微細穿孔板20とを接続している。なお、図15では、空調ケース2の空気の流れ場11から微細穿孔板20を視たものであるが、図を見やすくするため、微細穿孔板20に対して通路部材10側に配置される仕切板30を、微細穿孔板20を透視して実線で示している。また、図15においても、通路内の空気流れの主流方向を白抜き矢印で示している。なお、このことは、後述する第7、第8実施形態で参照する図16、図17でも同じである。
第6実施形態においても、複数の貫通孔21は、少なくとも隣り合う貫通孔21同士において、通路の中心線CLに対し直交する方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている。また、複数の貫通孔21は、少なくとも隣り合う貫通孔21同士において、通路の中心線CLと平行な方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている。
したがって、第6実施形態も、第1実施形態と同様に、微細穿孔板20の近傍において、気流の乱れを抑制することが可能である。したがって、この吸音装置は、空調ケース2内を伝播する音を微細穿孔板20の粘性減衰作用により吸収し、且つ、空調ケース2内を流れる気流の乱れを抑制することで、空調ケース2の吹出開口部8から車室内に放出される騒音の低減効果を高めることができる。
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。第7実施形態は、第1実施形態等に対して、仕切板30の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
図16に示すように、第7実施形態では、吸音装置が備える仕切板30は、ランダムに配置されている。そのため、通路部材10の内壁面13と微細穿孔板20と仕切板30により形成される複数の区画は、少なくとも隣り合う区画同士の体積が異なっている。また、第7実施形態では、複数の区画ごとに配置される貫通孔21の数が異なるものがある。そのため、複数の区画は、少なくとも隣り合う区画同士において、区画ごとに設けられた貫通孔21の孔数とその区画の体積との比が異なっている。
これにより、区画ごとに設けられたそれぞれの貫通孔21から流れ場11に空気が吹き出す周期をずらすことが可能である。そのため、区画ごとに設けられたそれぞれの貫通孔21から流れ場11に空気の渦が吹き出すタイミングがずれるので、複数の空気の渦同士が互いに干渉することなく、渦が大きく成長することが防がれる。したがって、第7実施形態も、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第8実施形態)
第8実施形態について説明する。第8実施形態は、第2実施形態と第7実施形態との組み合わせである。
図17に示すように、第8実施形態では、微細穿孔板20に穿たれた複数の貫通孔21は、第2実施形態と同様に、ランダムに配置されている。また、吸音装置が備える仕切板30は、第7実施形態と同様に、ランダムに配置されている。そのため、通路部材10の内壁面13と微細穿孔板20と仕切板30により形成される複数の区画は、少なくとも隣り合う区画同士の体積が異なっている。そして、第8実施形態でも、複数の区画ごとに配置される貫通孔21の数が異なるものがある。そのため、複数の区画は、少なくとも隣り合う区画同士において、区画ごとに設けられた貫通孔21の孔数とその区画の体積との比が異なっている。
これにより、区画ごとに設けられたそれぞれの貫通孔21から流れ場11に空気が吹き出す周期をずらすことが可能である。そのため、区画ごとに設けられたそれぞれの貫通孔21から流れ場11に空気の渦が吹き出すタイミングがずれるので、複数の空気の渦同士が互いに干渉することなく、渦が大きく成長することが防がれる。したがって、第8実施形態も、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(1)上記各実施形態では、複数の貫通孔21は、少なくとも隣り合う貫通孔21同士において、通路の中心線CLに直交する方向に対してずれた位置に配置したが、これに限らない。複数の貫通孔21は、その一部に、通路の中心線CLに直交する方向に直線状に配置されているものが例外的に含まれていてもよい。
(2)上記各実施形態では、複数の貫通孔21は、少なくとも隣り合う貫通孔21同士において、通路の中心線CLと平行な方向に対してずれた位置に配置したが、これに限らない。複数の貫通孔21は、その一部に、通路の中心線CLに平行な方向に配置されているものが例外的に含まれていてもよい。
(3)上記各実施形態では、複数の区画は、少なくとも隣り合う区画同士の体積が異なるように構成したが、これに限らない。複数の区画は、その一部に、隣り合う区画同士の体積が同一の箇所が例外的に含まれていてもよい。
(4)上記各実施形態では、複数の区画は、少なくとも隣り合う区画同士において、区画ごとに設けられた貫通孔21の孔数とその区画の体積との比が異なるように構成したが、これに限らない。複数の区画は、その一部に、区画ごとに設けられた貫通孔21の孔数とその区画の体積との比が同一となる箇所が例外的に含まれていてもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、空気中を伝播する音を吸収する吸音装置は、通路部材と微細穿孔板を備える。通路部材は、空気の流れる通路を有する。微細穿孔板は、複数の微細な貫通孔が穿たれた板状の部材であって、一方の面が通路のうち空気の流れ場に臨み、他方の面が空気層を介して通路部材の内壁面と対向するように設けられ、貫通孔を通過する空気により粘性減衰作用を発生させる。そして、複数の貫通孔は、少なくとも隣り合う貫通孔同士において、通路の中心線に対し直交する方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている。
第2の観点によれば、空気中を伝播する音を吸収する吸音装置は、通路部材と微細穿孔板を備える。通路部材は、空気の流れる通路を有する。微細穿孔板は、複数の微細な貫通孔が穿たれた板状の部材であって、一方の面が通路のうち空気の流れ場に臨み、他方の面が空気層を介して通路部材の内壁面と対向するように設けられ、貫通孔を通過する空気により粘性減衰作用を発生させる。そして、複数の貫通孔は、少なくとも隣り合う貫通孔同士において、通路の中心線と平行な方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている。
第3の観点によれば、複数の貫通孔は、少なくとも隣り合う貫通孔同士において、通路の中心線に対し直交する方向に直線状に配置されることなく、且つ、通路の中心線と平行な方向に直線状に配置されることなく、いずれの方向に対してもずれた位置に配置されている。
これによれば、複数の貫通孔から流れ場に吹き出す複数の空気の渦は、通路の中心線に対し直交する方向に渦糸芯を形成することがない。また、複数の貫通孔から流れ場に吹き出す複数の空気の渦同士が互いに干渉することが抑制されるので、上流側から下流側に向かって渦が次第に大きく成長することが防がれる。そのため、微細穿孔板の近傍において、通路の流れ場を流れる気流の乱れが抑制される。したがって、この吸音装置は、微細穿孔板の粘性減衰作用により通路部材の空気中を伝播する音を吸収しつつ、その微細穿孔板の近傍における気流の乱れを抑制することで、通路部材の空気中を伝播する音の低減効果を高めることができる。
第4の観点によれば、複数の貫通孔は、少なくとも隣り合う貫通孔同士において、通路部材の内壁面と貫通孔との距離が異なっている。
これによれば、隣り合う貫通孔同士において通路部材の内壁面と貫通孔との間の空気層の厚さが異なるものとなるので、隣り合う貫通孔から流れ場にそれぞれ空気が吹き出す周期をずらすことが可能である。そのため、隣り合う貫通孔から流れ場にそれぞれ空気の渦が吹き出すタイミングがずれるので、複数の空気の渦同士が互いに干渉することなく、渦が大きく成長することが防がれる。そのため、この吸音装置は、微細穿孔板の近傍における気流の乱れを抑制し、通路部材の空気中を伝播する音の低減効果を高めることができる。
第5の観点によれば、空気中を伝播する音を吸収する吸音装置は、通路部材と微細穿孔板と仕切板を備える。通路部材は、空気の流れる通路を有する。微細穿孔板は、複数の微細な貫通孔が穿たれた板状の部材であって、一方の面が通路のうち空気の流れ場に臨み、他方の面が空気層を介して通路部材の内壁面と対向するように設けられ、貫通孔を通過する空気により粘性減衰作用を発生させる。仕切板は、通路部材の内壁面と微細穿孔板とを接続し、空気層を仕切る。そして、通路部材の内壁面と微細穿孔板と仕切板により形成された複数の区画は、少なくとも隣り合う区画同士の体積が異なっている。
第6の観点によれば、通路部材の内壁面と微細穿孔板と仕切板により形成される複数の区画は、少なくとも隣り合う区画同士において、区画ごとに設けられた貫通孔の孔数とその区画の体積との比が異なっている
これによれば、区画ごとに設けられた貫通孔から流れ場に空気が吹き出す周期をずらすことが可能である。そのため、区画ごとに設けられたそれぞれの貫通孔から流れ場に空気の渦が吹き出すタイミングがずれるので、複数の空気の渦同士が互いに干渉することなく、渦が大きく成長することが防がれる。そのため、この吸音装置は、微細穿孔板の粘性減衰作用により通路部材の空気中を伝播する音を吸収しつつ、その微細穿孔板の近傍における気流の乱れを抑制することで、通路部材の空気中を伝播する音の低減効果を高めることができる。
10 通路部材
11 空気の流れ場
12 空気層
13 内壁面
20 微細穿孔板
21 貫通孔
CL 通路の中心線

Claims (7)

  1. 空気中を伝播する音を吸収する吸音装置において、
    空気の流れる通路を有する通路部材(10)と、
    複数の微細な貫通孔(21)が穿たれた板状の部材であって、一方の面が前記通路のうち空気の流れ場(11)に臨み、他方の面が空気層(12)を介して前記通路部材の内壁面(13)と対向するように設けられ、前記貫通孔を通過する空気により粘性減衰作用を発生させる微細穿孔板(20)と、を備え、
    複数の前記貫通孔は、少なくとも隣り合う前記貫通孔同士において、前記通路の中心線(CL)に対し直交する方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている、吸音装置。
  2. 空気中を伝播する音を吸収する吸音装置において、
    空気の流れる通路を有する通路部材(10)と、
    複数の微細な貫通孔(21)が穿たれた板状の部材であって、一方の面が前記通路のうち空気の流れ場(11)に臨み、他方の面が空気層(12)を介して前記通路部材の内壁面(13)と対向するように設けられ、前記貫通孔を通過する空気により粘性減衰作用を発生させる微細穿孔板(20)と、を備え、
    複数の前記貫通孔は、少なくとも隣り合う前記貫通孔同士において、前記通路の中心線(CL)と平行な方向に直線状に配置されることなく、その方向に対してずれた位置に配置されている、吸音装置。
  3. 複数の前記貫通孔は、少なくとも隣り合う前記貫通孔同士において、前記通路の中心線に対し直交する方向に直線状に配置されることなく、且つ、前記通路の中心線と平行な方向に直線状に配置されることなく、いずれの方向に対してもずれた位置に配置されている、請求項1または2に記載の吸音装置。
  4. 複数の前記貫通孔は、少なくとも隣り合う前記貫通孔同士において、前記通路部材の内壁面と前記貫通孔との距離が異なっている、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の吸音装置。
  5. 空気中を伝播する音を吸収する吸音装置において、
    空気の流れる通路を有する通路部材(10)と、
    複数の微細な貫通孔(21)が穿たれた板状の部材であって、一方の面が前記通路のうち空気の流れ場(11)に臨み、他方の面が空気層(12)を介して前記通路部材の内壁面(13)と対向するように設けられ、前記貫通孔を通過する空気により粘性減衰作用を発生させる微細穿孔板(20)と、
    前記通路部材の内壁面と前記微細穿孔板とを接続し、前記空気層を仕切る仕切板(30)と、を備え、
    前記通路部材の内壁面と前記微細穿孔板と前記仕切板により形成された複数の区画は、少なくとも隣り合う前記区画同士の体積が異なっている、吸音装置。
  6. 前記通路部材の内壁面と前記微細穿孔板と前記仕切板により形成される複数の区画は、少なくとも隣り合う前記区画同士において、前記区画ごとに設けられた前記貫通孔の孔数とその区画の体積との比が異なっている、請求項5に記載の吸音装置。
  7. 複数の前記貫通孔は、少なくとも隣り合う前記貫通孔同士において、前記通路の中心線(CL)に対し直交する方向に直線状に配置されることなく、且つ、前記通路の中心線と平行な方向に直線状に配置されることなく、いずれの方向に対してもずれた位置に配置されており、
    前記通路部材の内壁面と前記微細穿孔板と前記仕切板により形成される複数の区画は、少なくとも隣り合う前記区画同士において、前記区画ごとに設けられた前記貫通孔の孔数とその区画の体積との比が異なっている、請求項5に記載の吸音装置。
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