JP2009248866A - 車両空調用吸込ダクトおよび車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空調ケースの空気吸入側から聞こえる騒音を低減する。
【解決手段】空調ケースの空気吸入側、例えば、内気吸入口に干渉型消音機能を有する内気吸込ダクト1を設ける。この内気吸込ダクト1は、空気の流れ方向を曲げる曲がり部3と、曲がり部3の空気流れ下流側に連なる下流側ダクト部4と、曲がり部3の空気流れ上流側に連なる上流側ダクト部5とを有し、曲がり部3は、上流側ダクト部5から流入した空気を曲げの外周側と内周側に分岐させて流す第1通路6および第2通路7を有しており、第1、第2通路の通路長さの差(L1−L2)を拡大させるように、曲がり部3における第1、第2通路の並列方向でのダクト幅寸法が、曲がり部3に隣接する下流側ダクト部4および上流側ダクト部5でのダクト幅寸法よりも大きくなっている。
【選択図】図3
【解決手段】空調ケースの空気吸入側、例えば、内気吸入口に干渉型消音機能を有する内気吸込ダクト1を設ける。この内気吸込ダクト1は、空気の流れ方向を曲げる曲がり部3と、曲がり部3の空気流れ下流側に連なる下流側ダクト部4と、曲がり部3の空気流れ上流側に連なる上流側ダクト部5とを有し、曲がり部3は、上流側ダクト部5から流入した空気を曲げの外周側と内周側に分岐させて流す第1通路6および第2通路7を有しており、第1、第2通路の通路長さの差(L1−L2)を拡大させるように、曲がり部3における第1、第2通路の並列方向でのダクト幅寸法が、曲がり部3に隣接する下流側ダクト部4および上流側ダクト部5でのダクト幅寸法よりも大きくなっている。
【選択図】図3
Description
本発明は、空調ケースに吸い込まれる空気の通路を構成する車両空調用吸込ダクトおよびこの車両空調用吸込ダクトを備える車両用空調装置に関するものである。
一般的な車両用空調装置は、例えば、車室内を空調するための空調本体ユニットと、送風機を備える送風機ユニットと、送風機ユニットに連通し、送風機ユニットに吸い込まれる外気の通路を構成する外気吸込ダクトと、空調本体ユニットから車室内に風を導くための車両空調用吹出ダクトとを備えている。なお、一般的な車両用空調装置では、空調本体ユニットおよび送風機ユニットが車輌に搭載された状態では、内気を吸い込むための内気吸込ダクトを設置せず、車室内から直接内気を吸入している。
また、車両空調用吹出ダクトとしては、気体流路のコーナ箇所に、コーナの内周側と外周側に気体流路を仕切る導風板を設けたものが、特許文献1に記載されている。これは、コーナ箇所で曲がり部外側へ偏っていた空気の流れを、導風板を設けることによって是正することを図ったものである。
また、車両用空調装置では、送風機での発生音および空調本体ユニット内の空気の流れによって発生する騒音が、車両空調用吹出ダクトを伝わって、吹出口から車室内に放射されるので、例えば、空調本体ユニットや車両空調用吹出ダクトに吸音材を設ける等の騒音対策が施されている。
ところで、車両用空調装置とは別の分野では、非特許文献1に記載されているように、騒音対策手段の1つとして干渉型消音器が用いられている。ここで、この干渉型消音器の模式図を図30に示す。図30に示す消音器は、直線状の主流路501に対して、音を迂回させて進行させるための迂回流路502を設け、分流点503から合流点504までの経路差(L10−L20)の大きさを、音の波形の半波長の整数倍とすることで、合流部で逆位相の関係となる音波を干渉させることによって、消音させるものである。
また、特許文献2には、このような干渉型消音器の機能を有する、エンジンの吸気経路として用いられるダクトが記載されている。ただし、特許文献2には、車両空調用吸込ダクトに対する干渉型消音器の具体的な適用例は記載されていない。
また、特許文献3には、キャビテーショントンネルや風洞装置等に用いられる整流案内羽根入りエルボが記載されている。これは、干渉型消音器として機能するものではないが、ダクト内部に整流案内羽根を設置することで、流体の流れを一様に整えることを図ったものである。
特開2001−277836号公報
特開2004−196180号公報
特開2003−194018号公報
「公害防止の技術と法規 騒音編」、公害防止の技術と法規編集委員会編集、通商産業省環境立地局監修、社団法人産業環境管理協会発行、丸善株式会社発売
近年、車両の静粛性向上に伴い、車室内の静寂な空間での空調が要求されている。送風機の運転等によって発生する騒音は、車両空調用吹出ダクトを経て吹出口から放出される他に、車両用空調装置の内気導入口からも車室内に放出される。このため、車両用空調装置の内気導入口から放出される騒音を低減することが必要である。
そこで、本発明者は、干渉型消音機能を有する車両空調用吸込ダクトを設けることを検討した。
まず、騒音低減の対象としては、0.8kHz以上3.5kHz以下の周波数の騒音を低減することが有効であり、特に、1kHz以上2.5kHz以下の周波数の騒音を低減することが、極めて有効であることが、本発明者の調査結果よりわかった。
この調査結果を図31(a)、(b)に示す。図31(b)は、実車送風騒音の周波数特性を示しており、図31(a)は、図31(b)に示される実車送風騒音と同じ周波数特性の騒音と、その音をベースに各1/3オクターブ分析周波数の音を3dB.A下げた騒音とを、イコライザーで作り、両者を聞き比べた場合に、人間がどのように感じるかを調査した結果である。なお、図31(a)中の○は静かになったと明確に感じたことを示し、△は明確ではないが多少、静かになったと感じたことを示しており、×は2つの音の差が感じられなかったことを示している。そして、図31(a)に示すように、2つの音を聞き比べて、一方の音が他方の音よりも小さくなって、静かになったと感じられた周波数域は、0.8kHz以上3.5kHz以下であり、静かになったことがより明確な周波数域は、1kHz以上2.5kHz以下であった。
その一方、従来の吸音材を用いる等の車両用空調装置の騒音対策は、2kHzよりも高周波域の騒音には有効であるが、2kHz以下の低周波域の騒音に対しては効力が小さかった。
これらのことから、0.8kHz以上2kHz以下、より好ましくは、1kHz以上2kHz以下の周波数域の騒音に対して騒音低減の効果が発揮されることが望まれる。
次に、ダクトの形状については、ダクトの形状を、非特許文献1のように、直線状の主流路501に対して直角方向に分岐する迂回流路502を設けた図30に示す形状とした場合では、音波は直進性があり、直角をなす方向に進行し難いので、主流路501に音の大部分が流れてしまうため、干渉による騒音低減の効果が得られないか、得られても効果が小さくなってしまうという問題がある。なお、この対策として、主流路501と、迂回流路502の両方を流れる音のエネルギーの大きさが均等になるように、流路分岐後の主流路501を絞り、すなわち、通路断面積を小さくすることが考えられるが、この場合では、通路断面積が小さくなることで、通風抵抗が増大してしまうという問題が生じる。
なお、車輌空調用吸込ダクトの形状として、特許文献2に記載のダクトの形状を単に採用しようとすると、特許文献2に記載のダクトの形状は、空気を吸入するために吸入口を大きく広げた形状であり、車両の限られた搭載スペースには大きすぎて設置できない。よって、特許文献2に記載のダクトの形状を車両空調用吸込ダクトに採用できない。
本発明は、上記点に鑑み、車両に搭載可能な大きさであって、所望の騒音を低減できる車両空調用吸込ダクトおよびこれを用いた車両用空調装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明では、曲がり部(3)は、上流側ダクト部(5)から流入した空気を曲げの外周側と内周側に分岐させて流す第1通路(6)および第2通路(7)を有しており、曲がり部(3)は、第1、第2通路の並列方向における第1通路の断面幅寸法(W6)、第2通路の断面幅寸法(W7)および第1通路と第2通路との間隔(W2)の合計寸法(W3)が、上流側ダクト部(5)の断面幅寸法(W5)よりも大きくなっていることを特徴としている。
このように、曲がり部を、外周側の第1通路(6)と、内周側の第2通路(7)とに分岐させることで、第1、第2通路の通路長さに差を生じさせることができ、さらに、第1通路の断面幅寸法(W6)、第2通路の断面幅寸法(W7)および第1通路と第2通路との間隔(W2)の合計寸法(W3)を、上流側ダクト部(5)の断面幅寸法(W5)よりも大きくすることで、第1、第2通路の通路長さの差を拡大できる。
この結果、車両空調用吸込ダクトを車両に搭載可能な大きさとしつつ、第1通路と第2通路の経路差を所望の大きさとして、所望の周波数の騒音を低減できる。
この曲がり部については、例えば、請求項2に記載のように、曲がり部(3)の第1通路(6)および記第2通路(7)を、別体の管によって構成することができる。
請求項3に記載の発明では、曲がり部(3)には、曲げ外周側に位置する第1通路(6)と曲げ内周側に位置する第2通路(7)とに、空気の通路を分割する通路分割壁部(2)が設けられており、曲がり部(3)は、第1、第2通路の並列方向における第1通路の断面幅寸法(W6)、第2通路の断面幅寸法(W7)および通路分割壁部の断面幅寸法(W2)の合計寸法(W3)が、上流側ダクト部(5)の断面幅寸法(W5)よりも大きくなっていることを特徴としている。
このように、曲がり部を、外周側の第1通路(6)と、内周側の第2通路(7)とに分岐させることで、第1、第2通路の通路長さに差を生じさせることができ、さらに、第1通路の断面幅寸法(W6)、第2通路の断面幅寸法(W7)および通路分割壁部の断面幅寸法(W2)の合計寸法(W3)を、上流側ダクト部(5)の断面幅寸法(W5)よりも大きくすることで、第1、第2通路の通路長さの差を拡大できる。
この結果、車両空調用吸込ダクトを車両に搭載可能な大きさとしつつ、第1通路と第2通路の経路差を所望の大きさとして、所望の周波数の騒音を低減できる。
通路分割壁部(2)の形状については、例えば、請求項4に記載のように、第1通路および第2通路の通路断面積が空気の流れ方向で実質的に一定となるように、第1通路に面する第1通路側壁面(2a)を、曲がり部(3)の外周側内壁(3a)に沿った形状とし、第2通路に面する第2通路側壁面(2b)を、曲がり部(3)の内周側内壁(3b)に沿った形状とすることができる。
また、通路分割壁部(2)の形状を、例えば、請求項5に記載のように、第2通路に面する第2通路側壁面(2b)の全域もしくは一部が平面形状であり、第1通路に面する第1通路側壁面(2a)の全域もしくは一部が湾曲形状である形状とすることも可能である。
また、通路分割壁部(2)の形状を、例えば、請求項6に記載のように、第2通路に面する第2通路側壁面(2b)の空気の流れ方向での沿面長さ(S2)に対する第1通路に面する第1通路側壁面(2a)の空気の流れ方向での沿面長さ(S1)の比(S1/S2)が、1.1〜2.0である形状とすることが好ましい。
また、通路分割壁部(2)の形状を、例えば、請求項7に記載のように、空気流れ方向での上流端(2e)から空気流れ方向での中間部(2d)に向かうにつれて幅が徐々に広がり、中間部(2d)から空気流れ方向での下流端(2c)に向かうにつれて幅が徐々に狭くなっており、中間部(2d)を通る仮想線(2f)を軸とした線対称の実質的に三日月形状とすることが好ましい。
請求項8に記載の発明では、上流側ダクト部(5)、下流側ダクト部(4)および曲がり部(3)の空気の流れ方向に平行な断面において、曲がり部(3)は、外周側内壁(3a)が外側基準線(23a)よりも曲がりの外周側に膨出した形状となっていることを特徴としている。
これによれば、曲がり部を、外周側の第1通路(6)と、内周側の第2通路(7)とに分岐させることで生じさせた第1、第2通路の通路長さの差を拡大できる。
この結果、車両空調用吸込ダクトを車両に搭載可能な大きさとしつつ、第1通路と第2通路の経路差を所望の大きさとして、所望の周波数の騒音を低減できる。
請求項9に記載の発明では、曲がり部(3)および上流側ダクト部(5)は、曲がり部(3)の外周側壁面(3a)のうち、上流側ダクト部(5)と連なる部位(10b)がダクト内部に向けて凸の形状であることによって、第1通路(6)に流入する空気の流れ方向が、上流側ダクト部(5)から曲がり部(3)に向かう空気の流れ方向に対して、鋭角をなす構成となっていることを特徴としている。
これによれば、第1通路(6)に流入する空気の流れ方向が、上流側ダクト部(5)から曲がり部(3)に向かう空気の流れ方向に対して、平行である場合と比較して、第1、第2通路の通路長さを拡大でき、車両空調用吸込ダクトを車両に搭載可能な大きさとしつつ、第1通路と第2通路の経路差を所望の大きさとすることが容易となる。
ここで、第1通路(6)に流入する空気の流れ方向が、上流側ダクト部(5)から曲がり部(3)に向かう空気の流れ方向に対して平行である場合では、空気の流れ方向とは逆の方向に流れる音波の干渉による騒音低減効果については、第1通路を通過した音波と、第2通路を通過した音波とのうち、隣接する一部の音波同士しか干渉せず、互いに離れた部分は干渉しないため、干渉による騒音低減効果は比較的小さいものとなる。
これに対して、本発明によれば、第1通路を通過した音波と、第2通路を通過した音波の多くを互いに干渉させることができるので、大きな騒音低減効果が得られる。
また、請求項10に記載の発明では、曲がり部(3)および下流側ダクト部(4)は、曲がり部(3)の外周側壁面(3a)のうち、下流側ダクト部(4)と連なる部位(10a)がダクト内部に向けて凸の形状であることによって、第1通路(6)を流れる空気と、第2通路を流れる空気とが、互いに交差する方向を向いて合流する構成となっていることを特徴としている。
これによれば、第1通路(6)を流れる空気と、第2通路を流れる空気とが平行に合流する場合と比較して、第1、第2通路の通路長さを拡大でき、車両空調用吸込ダクトを車両に搭載可能な大きさとしつつ、第1通路と第2通路の経路差を所望の大きさとすることが容易となる。
また、請求項11に記載の発明では、上流側ダクト部(5)、下流側ダクト部(4)および曲がり部(3)の空気の流れ方向に平行な断面において、曲がり部(3)は、内周側内壁(3b)が内側基準線(23b)よりも曲がりの内周側に膨出した形状であることを特徴としている。
また、請求項12に記載の発明では、曲がり部(3)の内周側壁面(3b)の全域もしくは一部は、平面形状であることを特徴としている。
また、請求項13に記載の発明では、曲がり部(3)の内周側壁面(3b)の全域もしくは一部は、曲がり部(3)の外周側内壁(3a)よりも緩やかな湾曲形状であることを第8の特徴としている。
請求項11〜請求項13に記載の発明によれば、曲がり部を、外周側の第1通路(6)と、内周側の第2通路(7)とに分岐させることで生じさせた第1、第2通路の通路長さを拡大できる。
請求項14に記載の発明では、曲がり部(3)には、曲げ外周側に位置する第1通路(6)と曲げ内周側に位置する第2通路(7)とに、空気の通路を分割する通路分割壁部(2)が設けられており、通路分割壁部(2)は、第2通路側壁面(2b)の空気の流れ方向での沿面長さ(S2)に対する第1通路側壁面(2a)の空気の流れ方向での沿面長さ(S1)の比(S1/S2)が、1.1〜2.0であることを特徴としている。
これによれば、車両空調用吸込ダクトを車両に搭載可能な大きさとしつつ、0.8kHz以上2kHz以下の低周波域の騒音を干渉によって低減することが可能とる。
請求項15に記載の発明では、曲がり部(3)内に配置されて、曲がり部(3)内を外側通路(6)と内側通路(7)とに仕切る仕切部材(2)とを備え、曲がり部は、外側交線(3a)が外側基準線(23a)よりも外側を通過する形状と内側交線(3b)が内側基準線(23b)よりも内側を通過する形状とのうち少なくとも一方の形状に形成されており、仕切部材(2)の外側通路側の面(2a)は、曲がり部の外周側内壁面に沿うように形成され、仕切部材(2)の内周通路側の面(2b)は、曲がり部の内周側内壁面に沿うように形成されていることを特徴としている。
これによれば、曲がり部を、外周側の第1通路(6)と、内周側の第2通路(7)とに分岐させることで生じさせた第1、第2通路の通路長さの差を拡大できる。この結果、車両空調用吸込ダクトを車両に搭載可能な大きさとしつつ、第1通路と第2通路の経路差を所望の大きさとして、所望の周波数の騒音を低減できる。
請求項16に記載の発明では、曲がり部は、流路断面の重心を通る第1、第2通路の通路長さの差(L1−L2)が、0.085〜0.215mとなっていることを特徴としている。
これにより、周波数が800〜2kHzである騒音に対して、干渉による低減の効果が得られる。
また、請求項17に記載の発明では、位相がずれた音波同士のエネルギーを実質的に同一として、干渉による騒音低減の効果を高めるために、第1通路と第2通路は、曲がり部の横断面を見たときの両者の通路断面積比が、一方を1としたとき、他方が0.7以上1.3以内となっていることが好ましい。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本実施形態は、送風機ユニットの内気吸込ダクトに本発明を適用したものである。まず、車両用空調装置の構成について説明する。図1に、車両用空調装置の室内空調ユニットの内部構成の模式図を示す。
本実施形態は、送風機ユニットの内気吸込ダクトに本発明を適用したものである。まず、車両用空調装置の構成について説明する。図1に、車両用空調装置の室内空調ユニットの内部構成の模式図を示す。
図1に示す室内空調ユニット100は、大別して送風機ユニット110と空調本体ユニット120とによって構成されている。送風機ユニット110は車両のインストルメントパネルの内側において助手席側に配置され、空調本体ユニット120はインストルメントパネルの内側において車両左右方向の略中央部に配置される。
送風機ユニット110は、送風機111と、送風機111を収容する送風機ケース112と、送風機ケース112内に内気と外気を切替導入するための内外気切替ドア113および内外気切替箱114とを有しており、この内外気切替箱114からの導入空気を、送風機111により、空調本体ユニット120に導入させるものである。内外気切替箱114は内気導入口115および外気導入口116を有している。
ここで、図2に送風機ユニット110の車両搭載状態を示す。図2中の上下前後方向を示す矢印は車両の上下前後方向を示している。送風機ユニット110は、例えば、グローブボックスの車両前方側に配置されており、具体的には、図2に示すように、車両前後方向に空間を仕切る第1壁部141よりも車両前方側であって、上下方向に空間を仕切る第2壁部142よりも車両下側の空間に配置されている。なお、これらの第1、第2壁部141、142はインストルメントパネルの一部である。
内気導入口115は、送風機ユニット110の上方であって、外気導入口116よりも車両後方側に位置しており、内気導入口115に内気吸込ダクト1が連通している。この内気吸込ダクト1は、送風機ユニット110に吸い込まれる内気が通過するものであり、図2に示すように、送風機ケース112と第1仕切壁部141との間の空間に配置されている。送風機ケース112と第1仕切壁部141との間の空間の下方から内気が吸い込まれ、内気導入口115が車両後方側を向いているので、本実施形態の内気吸込ダクト1は、風流れの向きを上方から車両前方に変更するための曲がり部を有する形状となっている。この内気吸込ダクト1の詳細構造については後述する。また、外気導入口116には図示しない外気吸込ダクトが連通している。
図1に示すように、空調本体ユニット120は、送風機ユニット110からの送風空気を温度調整して車室内へ吹き出すもので、空気通路を形成する樹脂製の空調ケース121に、送風空気を冷却する冷房用熱交換器としての蒸発器122、送風空気を加熱する暖房用熱交換器としての温水式ヒータコア123、冷却された送風空気と加熱された送風空気とを混合するためのエアミックスドア124、吹出モードを切り替えるためのモード切替ドア125、126、127等を収容している。
空調ケース121には、蒸発器122、ヒータコア123によって温度調整された空調空気をインストルメントパネルの各吹出口から吹き出させるために、デフロスタ開口部128、フェイス開口部129、フット開口部130が設けられている。なお、車両用空調装置は、図示しないが、蒸発器122の他に、冷凍サイクルを構成する圧縮機、凝縮器等を備えている。
図3に、図2中の内気吸込ダクト1を示し、図4に、図3中のIV−IV断面図を示す。 図3は内気吸込ダクト1の縦断面図であり、図4は内気吸込ダクト1の横断面図である。
内気吸込ダクト1は、空気通路を構成する筒状のものであり、内気吸込ダクト1は、例えば、ポリプロピレン(PP)等の樹脂材料により構成され、ブロー成型、インジェクション成型により製造される。
内気吸込ダクト1は、図3に示すように、空気流れを曲げる曲がり部3と、曲がり部3の空気流れ下流側に連なる下流側ダクト部4と、曲がり部3の空気流れ上流側に連なる上流側ダクト部5とを有している。本実施形態では、曲がり部3の曲がり角度は直角もしくは略直角である。ここで、曲がり角度とは、曲がり部3に流入する空気主流の進行方向に直交する面と、曲がり部3から流出する空気の主流の進行方向に直交する面とがなす角度のことであり、図3では、下流側ダクト部4での空気主流の進行方向に直交する仮想面C4と、上流側ダクト部5での空気主流の進行方向に直交する仮想面C5とのなす角度θ1のことである。
また、内気吸込ダクト1は、ダクト本体内部の通路を分割する通路分割壁部2を備えている。この通路分割壁部2は、内気吸込ダクト1の空気流れの途中に位置する曲がり部3において、その曲がり径方向の通路中央に配置されている。曲がり部3では、この通路分割壁部2により、空気通路が第1通路としての外周側空気通路6と、第2通路としての内周側空気通路7との2つに分割されている。
通路分割壁部2は、例えば、図4に示すように、内気吸込ダクト1を構成する壁部11のうち、上側壁部11aと下側壁部11bとを、内気吸込ダクト1の内部に向けて凹ませることで、形成されている。
このような構成の内気吸込ダクト1は、内気吸込ダクト1を一体成型した後、図4に示すように、上側壁部11aと下側壁部11bとを、それぞれ、内気吸込ダクト1の内部に向けて凹ませて、例えば、超音波溶着等によって、凹ませた部分同士を接合することで、製造可能である。
図5に、本実施形態の比較例1におけるダクトの断面図を示し、図6に、図3のダクトに対して図5のダクトを重ね合わせた図を示す。図6中の破線が図5のダクトを示している。
図5に示すダクト21は、図3に示すダクトと同様に、曲がり部23と、下流側ダクト部24と、上流側ダクト部25とを有し、曲がり部23では、通路分割壁部22によって、空気通路が外周側空気通路26と、内周側空気通路27に分割されている。ただし、図5に示すダクトは、通路分割壁部22が均一の幅の板状であり、ダクト21の幅W21が均一である。
また、比較例1のダクト21では、図5に示すように、曲がり部23の外周側内壁23aの断面形状が、下流側ダクト部24の外周側内壁24aから平行に曲がり部23側に延びる延長線31と、上流側ダクト部25の外周側内壁25aから平行に曲がり部23側に延びる延長線32とを引いたとき、これらの延長線31、32とを接線とする円弧形状となっている。同様に、曲がり部23の内周側内壁23bの断面形状も、下流側ダクト部24の内周側内壁24bから平行に曲がり部23側に延びる延長線33と、上流側ダクト部25の内周側内壁25bから平行に曲がり部23側に延びる延長線34とを接線とする円弧形状となっている。
そして、本実施形態の内気吸込ダクト1の形状を、図5に示すダクト21の形状と比較すると、図6に示すように、内気吸込ダクト1は、曲がり部3の出口10aおよび入口10bでの曲がり径方向のダクト幅W3a、W3bを、図5に示すダクトと同じとしたまま、図6中の矢印のように、曲がり部3全域において、外周側壁部11cを、図5に示すダクト21の曲がり部23の外周側内壁23aよりも曲がりの外周方向に膨らませ、内周側壁部11dを、曲がり部23の内周側内壁23bよりも曲がりの内周方向に膨らませた形状となっている。
すなわち、図6に示すように、内気吸込ダクト1の断面形状を見たとき、曲がり部3の外周側内壁3aは、下流側ダクト部4の外周側下流端10a1と上流側ダクト部5の外周側上流端10b1とを結び、下流側ダクト部4の外周側内壁4aおよび上流側ダクト部5の外周側内壁5aからの延長線を接線とする円弧形状の仮想線23aよりも、曲がりの外周側に膨らんだ形状となっている。また、曲がり部3の内周側内壁3bは、下流側ダクト部4の内周側下流端10a2と上流側ダクト部5の内周側上流端10b2とを結び、下流側ダクト部4の内周側内壁4bおよび上流側ダクト部5の内周側内壁5bからの延長線を接線とする円弧形状の仮想線23bよりも、曲がりの内周側に膨らんだ形状となっている。
さらに詳細に説明すると、図6に示す内気吸込ダクト1の縦断面を、空気が下流側ダクト部4内を流れる下流側空気流れ方向と、空気が上流側ダクト部5内を流れる上流側空気流れ方向とを含む基準断面としたとき、図6に示されている曲がり部3の外周側内壁3a、内周側内壁3bとは、それぞれ、この基準断面との交線である。また、円弧形状の仮想線23a、仮想線23bは、それぞれ、下流側空気流れ方向と上流側空気流れ方向とを接線とする円弧によって、下流側ダクト部4の外周側内壁4aと上流側ダクト部5の外周側内壁5aとを結んだ外側基準線と、下流側ダクト部4の内周側内壁4bと上流側ダクト部5の内周側内壁5bとを結んだ内側基準線である。このことから、曲がり部3は、外周側内壁と基準断面の交線である外側交線3aが外側基準線23aよりも外側を通過する形状であって、かつ、内周側内壁と基準断面との交線である内側交線3bが内側基準線23bよりも内側を通過する形状であると言える。
したがって、本実施形態の内気吸込ダクト1の形状については、曲がり部3の全域で、曲がり部のダクト幅W3が、曲がり部3の出口10aでのダクト幅W3aおよび入口10bでのダクト幅W3bよりも大きくなっていると言える。言い換えると、内気吸込ダクト1は、曲がり部3全域のダクト幅W3が、下流側ダクト部4のダクト幅W4および上流側ダクト部5のダクト幅W5よりも大きくなっている。
ここで、上記したダクト幅とは、図6の紙面と平行な方向での内気吸込ダクト1の幅寸法、すなわち、外周側空気通路6と内周側空気通路7の並列方向での内気吸込ダクト1の幅寸法を意味し、ダクト幅W3bは通路分割直前のダクト幅寸法であり、ダクト幅W3aは分割通路合流直後のダクト幅寸法であり、曲がり部3でのダクト幅W3は、外周側空気通路6の断面幅W6と、内周側空気通路7の断面幅W7と、通路分割壁部2の断面幅W2の合計である。この通路分割壁部2の断面幅W2は、外周側空気通路6と内周側空気通路7との間隔に相当する。
本実施形態では、内気吸込ダクト1をこのような形状とすることで、図5に示すダクトと比較して、外周側空気通路6の全長L1を長くし、内周側空気通路7の全長L2を短くして、経路差(L1−L2)を、周波数が800〜2kHzの騒音の干渉による低減に必要な大きさである0.085〜0.215mとしている。なお、外周側空気通路6の全長L1および内周側空気通路7の全長L2は、それぞれ、通路分割壁部2の下流端2cでの通路断面位置から通路分割壁部2の上流端2eでの通路断面位置までの距離であって、通路断面積の重心を結んだ線の長さである。
また、図6に示すように、下流側ダクト部4の外周側内壁4a、曲がり部3の外周側内壁3aおよび上流側ダクト部5の外周側内壁5aの断面形状は、曲がり部3の出口10a近傍および入口10b近傍で、ダクト内側に向かって凸の形状であり、曲がり部3のうち出口10a、入口10bを除く部分では、ダクト外側に向かって凸形状となっている。すなわち、曲がり部3の外周側内壁3aは、出口10a側と入口10b側に、それぞれ変曲点3c、3dを有する断面形状となっている。
通路分割壁部2は、外周側空気通路6と内周側空気通路7の並列方向での幅W2を、図6中の矢印のように、板状の通路分割壁部22よりも増大させ、曲がり部3の外周側壁部11cおよび内周側壁部11dを膨らませた分(E1+E2)と同じ大きさとしている。
ここで、図7に、図3中の通路分割壁部2の部分図を示す。図7に示すように、通路分割壁部2の外周側壁面2aは、曲がり部3の外周側内壁3aに沿った形状で、通路分割壁部2の内周側壁面2bは、曲がり部3の内周側内壁3bに沿った形状であり、具体的には、外周側壁面2aは全域が湾曲しており、内周側壁面2bは、一部が平面であり、他の部位が湾曲している。
また、通路分割壁部2は、空気流れ方向の上流端2eから空気流れ方向の中間部2dに向かうにつれて幅が徐々に広がり、中間部2dから空気流れ方向の下流端2cに向かうにつれて幅が徐々に狭くなっており、中間部2dを通る仮想線2fを軸とした線対称の翼状もしくは、実質的に三日月形状となっている。
本実施形態では、通路分割壁部2をこのような形状とすることで、外周側空気通路6と内周側空気通路7のそれぞれの通路断面積が、空気の流れ方向で実質的に一定となっている。ここで、実質的に一定とは、空気流れ方向の異なる複数箇所で通路断面積を計測したとき、それらの平均値と計測値との偏差が平均値の3割以内であることを意味する。
そして、外周側空気通路6側の面2aと内周側空気通路7側の面2bそれぞれの空気流れ方向長さS1、S2の比である沿面距離比は、例えば、S2:S1=1:1.29であり、特許文献3に記載されている整流案内羽根の沿面距離比である1:1.03よりも大きい。
これは、特許文献3に記載の整流案内羽根は、流れの剥離を防止するための形状であるのに対して、本実施形態の通路分割壁部2は、外周側空気通路6の長さL1と、内周側空気通路7の長さL2との差を大きくするための形状だからである。したがって、本実施形態のダクトは、ダクトに要求されるスムーズな風流れという視点で見れば異質な形状となっている。なお、本実施形態では、沿面距離比を、S2:S1=1:1.29としていたが、1:1.03よりも大きければ、他の大きさに変更しても良い。車両用空調装置の騒音低減、すなわち、0.8kHz以上2kHz以下の低周波域の騒音低減という観点では、内周側空気通路7側の面2bの沿面長さS2に対する外周側空気通路6側の面2aの沿面長さS1の比が、S1/S2=1.1〜2.0であることが好ましい。
本実施形態のダクト1の寸法例を示すと、下流側ダクト部4、上流側ダクト部5、曲がり部3の出口10aおよび入口10bでのダクト幅W4、W5、W3a、W3bは70mmであり(図6参照)、外周側空気通路6の幅W6および内周側空気通路7の幅W7は、通路面積の確保を考えると最低限それぞれ共に35mmであり、通路分割壁部2の幅W2は30mmであり、内気吸込ダクト1の高さHは25〜50mmである(図4参照)。また、下流側ダクト部4、上流側ダクト部5の通路断面積、外周側空気通路6と内周側空気通路7の通路断面積の合計は、例えば、2000〜5000mm2である。
なお、ダクト幅W3、W4、W5、下流側ダクト部4の長さL3、上流側ダクト部5の長さL4は、図2に示される送風機ケース112と第1仕切壁部141との間の空間の大きさに応じて設定される。
このような構造の本実施形態のダクトでは、内気が、図2、3中の破線で示す矢印のように、内気吸込ダクト1の上流側ダクト部5を流れ、曲がり部3の入口10b側に位置する通路分岐部9で外周側空気通路6と内周側空気通路7に別れて流れ、曲がり部3の出口10a側に位置する通路合流部8で合流して下流側ダクト部4を流れ、内気導入口115から送風機ユニット110に流れ込む。
一方、室内空調ユニット100の内部、特に、送風機111で発生する音波は、内気流れとは反対の向きに進行する。このとき、曲がり部3で2つの空気通路6、7を通過する音波は、2つの経路長さの差(L1−L2)によって通路分岐部9で、音波の位相ずれが生じるので、干渉しあって減衰する。
なお、位相がずれた音波同士を干渉して互いに打ち消し合うようにするためには、位相がずれた音波同士のエネルギーがほぼ同等であることが望ましいことから、外周側空気通路6と内周側空気通路7の通路断面積は、実質的に同一であることが好ましい。この実質的に同一とは、外周側空気通路6と内周側空気通路7の通路断面積比において、一方を1としたとき、他方が0.7以上1.3以内となることを意味する。また、音波同士のエネルギーをほぼ同等とするための外周側空気通路6と内周側空気通路7のそれぞれの通路断面積の大きさについては、内気吸込ダクト1の形状によって異なるので、外周側空気通路6と内周側空気通路7の通路断面積を同一としたり、一方を他方よりも大きくしたりして、音波同士のエネルギーがほぼ同等となるようにすればよい。
また、本実施形態では、曲がり部3における外周側空気通路6と内周側空気通路7の通路断面積の合計は、下流側ダクト部4および上流側ダクト部5の通路断面積と同じであり、外周側空気通路6と内周側空気通路7の通路断面積が減少して、空気流れの圧力損失が増大するのを防いでいる。
次に、本実施形態の主な特徴について説明する。
(1)本実施形態では、上記の通り、内気吸込ダクト1の形状を、下流側ダクト部4および上流側ダクト部5でのダクト幅W4、W5が図5に示すダクトのダクト幅W21と同じ大きさで、曲がり部3、下流側ダクト部4および上流側ダクト部5のうち曲がり部3のみを径方向に膨らませた形状とし、通路分割壁部2の形状を、曲がり部3の内壁3a、3bに沿った形状としている。
これにより、図5に示すダクトと比較して、外周側空気通路6の全長L1を長くし、内周側空気通路7の全長L2を短くして、図5に示すダクトの経路差(L21−L22)よりも、経路差(L1−L2)を拡大させることができる。この結果、内気吸込ダクト1の大型化を抑制しつつ、その経路差(L1−L2)を、周波数が800〜2kHzである騒音の干渉による低減に必要な大きさである0.085〜0.215mとすることができる。
例えば、図5に示すダクトは、ダクト径方向の幅W21が70mmのときでは、このサイズで形成できる外周側空気通路23の全長L21と、内周側空気通路27の全長L22との経路差は55mmとなり、この経路差および標準大気圧下、常温時での音速約340m/sを、下記の周波数fと経路差ΔLとの関係式に代入して算出されるように、3.1kHzを中心周波数とした干渉消音効果が得られる。
ここで、周波数と音の波長は、以下の関係で成り立っている。
f=c/λ、c:音速(m/s)、λ:音の波長(m)
そして、波長と干渉に必要な経路差は、以下の関係で成り立っている。
そして、波長と干渉に必要な経路差は、以下の関係で成り立っている。
ΔL=λ/2
したがって、経路差と周波数の関係式は、以下のように表せる。
したがって、経路差と周波数の関係式は、以下のように表せる。
f=c/(2ΔL)
そして、これよりも騒音低減周波数を下げようとした場合、例えば1.6kHz(1k〜2kHの中心付近)を狙いとするためには、上記の関係式より、必要な経路差は106mm(0.106m)であり、図5に示すダクトでは、ダクト幅W21を70mmから135mm以上まで拡大しなければならない。なお、このときの拡大前後におけるダクト本体の形状は相似の関係である。
そして、これよりも騒音低減周波数を下げようとした場合、例えば1.6kHz(1k〜2kHの中心付近)を狙いとするためには、上記の関係式より、必要な経路差は106mm(0.106m)であり、図5に示すダクトでは、ダクト幅W21を70mmから135mm以上まで拡大しなければならない。なお、このときの拡大前後におけるダクト本体の形状は相似の関係である。
参考として、特許文献2の図1に記載のダクトと相似形状のダクトにおいて、直線部分のダクト幅を70mmとしたとき、周波数1.6kHzの騒音を低減するための経路差をつけるために必要なダクトの最大幅は159mm以上となる。
これに対して、本実施形態のダクトでは、狙いとする騒音低減周波数を、例えば1.6kHz(1k〜2kHの中心付近)とするためには、曲がり部3の出口10aと入口10bでのダクト幅W3a、W3bは70mmのままで、曲がり部3の出口10aと入口10bを除く領域でのダクト幅W3を70mmから100mmに拡大するだけで良い。
ここで、このときの内気吸込ダクト1の騒音低減効果を調査した結果を図8に示す。図8では、図5に示すダクト21に対して通路分割壁部22を省略した構造のダクトを比較例2とし、この比較例2のダクトを用いたときの騒音を基準にしたときの騒音減衰効果を調査した結果である。図8に示すように、本実施形態の内気吸込ダクト1によれば、1.6kHzを中心とする1.5k〜2kHzの範囲で騒音減衰効果があり、さらに、騒音減衰効果の程度が低下するものの、例えば、500〜1.5kHzの範囲や2.0〜2.5kHzの範囲の騒音に対しても減衰効果があると言える。
内気吸込ダクトは、図2に示される送風機ケース112と第1仕切壁部141との間の空間に設置されるものであるため、この空間に設置できる大きさであることが要求される。本実施形態によれば、上記特許文献2に記載のダクトよりも小さくでき、送風機ケース112と第1仕切壁部141との間の空間に設置できる大きさとすることが可能である。
(2)本実施形態では、図3、6に示すように、上記の通り、通路分割壁部2を略三日月形状とし、曲がり部3の形状を、外周側内壁3aが、曲がり部3の出口10a近傍および入口10b近傍で、ダクト内側に向かって凸の形状を有しつつ、外周側内壁3aが曲がり外周側に膨らんだ形状とすることで、Y字形状の通路合流部8、通路分岐部9を形成している。
ここで、Y字形状の通路合流部8とは、図3に示すように、下流側ダクト部4での空気主流の流れ方向に対して、外周側空気通路6および内周側空気通路7から下流側ダクト部4に流入する空気の流れ方向が、鋭角をなす関係となっていることをいう。同様に、Y字形状の通路分岐部9とは、図3に示すように、上流側ダクト部5での空気主流の流れ方向に対して、上流側ダクト部5から外周側空気通路6および内周側空気通路7に流入する空気の流れ方向が、鋭角をなす関係となっていることをいう。
このように、本実施形態では、通路合流部8および通路分岐部9をY字形状としているので、本実施形態と異なり、図5のように、上流側ダクト部25での空気主流の流れ方向と外周側空気通路26および内周側空気通路27に流入する空気の流れ方向とが平行であり、下流側ダクト部24での空気主流の流れ方向と外周側空気通路26および内周側空気通路27から流出する空気の流れ方向とが平行である場合と比較して、経路差(L1−L2)を稼ぐことができる。
また、図30に示す形状のように、流体流れ方向での分岐部直前における流体流れ方向に対して、分岐した流体流れ方向の一方が平行で、他方が直角をなしている場合では、音波の直進性より、分岐した流路の一方に音の大部分が流れてしまう。また、この対策として、分岐した流路の両方を流れる音のエネルギーの大きさが均等になるように、分岐前の流体の流れ方向に対して流れ方向が平行な方の流路を絞り、すなわち、通路断面積を小さくした場合では、通路断面積が小さくなることで、通風抵抗が増大してしまうという問題が生じる。
これに対して、本実施形態では、通路合流部8をY字形状としているので、外周側空気通路6と内周側空気通路7の一方の通路断面積を小さく絞らなくても、外周側空気通路6と内周側空気通路7の両方に、音のエネルギーバランスが均等となるように、音波を進行させることが可能となる。
また、本実施形態と異なり、通路分岐部9において、外周側空気通路6および内周側空気通路7に流入する空気流れ方向が互いに平行な場合では、空気流れとは逆向きに進行する音波のうち、外周側空気通路6を通過した音波と、内周側空気通路7を通過した音波とは、互いに、平行な状態のまま、上流側ダクト部を通過することとなり、両者の近接する一部のみ干渉し、両者の離れた部分は干渉せずに内気吸込ダクトの入口から車室内に放射されることとなる。このため、干渉による騒音低減の効果が比較的小さくなってしまう。
これに対して、本実施形態では、通路分岐部9をY字形状としているので、外周側空気通路6および内周側空気通路7に流入する空気流れ方向が互いに平行な場合と比較して、外周側空気通路6および内周側空気通路7を通過した音波の多くを干渉させることができる。したがって、本実施形態によれば、比較的大きな騒音低減効果が得られる。
(3)本実施形態と異なり、ダクトの形状を、図3の内気吸込ダクト1に対して上流側ダクト部5を省略した形状とした場合では、外周側空気通路6と内周側空気通路7とを通過した音波が合流する前に吹出口から拡散するため、外周側空気通路6と内周側空気通路7とを通過した音同士の干渉現象が起きにくく、騒音低減の効果が小さくなってしまう。
これに対して、本実施形態では、内気吸込ダクト1は所定長さの上流側ダクト部5を有しているため、曲がり部3の外周側空気通路6と内周側空気通路7とを通過した音波が合流して上流側ダクト部5を通過する間に、2つの通路6、7を通過した音波同士を干渉させることができる。したがって、ダクトの形状が図3の内気吸込ダクト1に対して上流側ダクト部5を省略した形状である場合と比較して、干渉による騒音低減の効果を高めることができる。
ここで、上流側ダクト部5に必要な長さについて説明する。上流側ダクト部5に必要な長さは、上記の通り、曲がり部3の外周側空気通路6と内周側空気通路7とを通過した音が合流して干渉するのに必要なスペースを確保できる長さである。図9に、上流側ダクト部5の長さと騒音減衰量との関係を調査した結果を示す。図9中の実施例1、実施例2および比較例3は、共に、騒音低減の狙いとする周波数を、1.6kHzとし、図3に示す形状の内気吸込ダクト1において、曲がり部3の出口10aと入口10bでの曲がり径方向のダクト幅W3a、W3bを70mm、曲がり部3の出口10aと入口10bを除く領域でのダクト幅W3を100mmとしたものであり、実施例1は、上流側ダクト部5の長さを53mmとし、実施例2は上流側ダクト部5の長さを100mmとし、比較例3は上流側ダクト部5の長さを0mm、すなわち、上流側ダクト部5を省略したものである。
図9に示すように、実施例1、2では、1.6kHzでの騒音減衰量が最も多くなるという結果が得られたが、比較例3では、実施例1、2と比較して、1.6kHzでの騒音減衰量が小さく、狙いとする1.6kHzの騒音低減効果がほとんど得られなかった。ここで、実施例1の53mmは、周波数が1.6kHzの音の波長の1/4に相当することから、この結果より、上流側ダクト部5に必要な長さは、狙いの周波数の音のλ/4以上であれば良いと言える。
このことから、例えば、周波数が2kHzの音の低減を図るために上流側ダクト部5に必要な長さは、42mm以上であり、周波数が1.4kHzの音の低減を図るために上流側ダクト部5に必要な長さは60mm以上であり、周波数が0.8kHzの音の低減を図るために上流側ダクト部5に必要な長さは106mm以上である。したがって、少なくとも周波数が2kHzの音の低減を図るという観点では、上流側ダクト部5の長さを42mm以上とすることが好ましく、少なくとも周波数が1.4〜2kHzの音の低減を図るという観点では、上流側ダクト部5の長さを60mm以上とすることが好ましく、少なくとも周波数が0.8〜2kHzの音の低減を図るという観点では、上流側ダクト部5の長さを106mm以上とすることが好ましい。
以上の通り、本実施形態のダクトによれば、ダクト全体の大きさをコンパクトとしながら、大きな経路差を確保することができ、車両空調用ダクトのように搭載スペースに制約が大きい場合でも、ダクト通風抵抗を増加させずに、干渉効果によって、2kHzよりも周波数が低い周波数帯までの騒音低減が実現できる。
(第2実施形態)
図10に、本発明の第2実施形態におけるダクトの断面図を示す。なお、図10では、図3、図6と同様の構成部に図3、図6と同一の符号を付している。
図10に、本発明の第2実施形態におけるダクトの断面図を示す。なお、図10では、図3、図6と同様の構成部に図3、図6と同一の符号を付している。
第1実施形態では、内気吸込ダクト1の形状を、図6中の矢印のように、曲がり部3の外周側壁部11cを外周方向に膨らませ、内周側壁部11dを内周方向に膨らませた形状としていたが、内気吸込ダクト1の形状については、これに限らず、図10に示すように、曲がり部3の外周側壁部11cと内周側壁部11dのうち、外周側壁部11cのみを外周方向に膨らませた形状とすることも可能である。
本実施形態においても、図5に示すダクトと比較して、外周側空気通路6の全長L1を長くできるので、内気吸込ダクト1の大型化を抑制しつつ、図5に示すダクトの経路差(L21−L22)よりも、経路差(L1−L2)を拡大させることができる。
また、本実施形態での内気吸込ダクト1は、通路分割壁部2の形状が外周側空気通路6と内周側空気通路7の並列方向での幅が均一な板状となっている。なお、通路分割壁部2の形状を、第1実施形態と同様、曲がり部3の外周側内壁3aに沿った形状としても良い。
(第3実施形態)
図11に、本発明の第3実施形態におけるダクトの断面図を示す。図11では、図3、図6と同様の構成部に図3、図6と同一の符号を付している。
図11に、本発明の第3実施形態におけるダクトの断面図を示す。図11では、図3、図6と同様の構成部に図3、図6と同一の符号を付している。
本実施形態では、図11に示すように、曲がり部3の内周側壁部11dを平面形状とすることで、曲がり部3の外周側壁部11cと内周側壁部11dのうち、内周側壁部11dのみを曲がり内周方向に膨らませた形状としている。なお、図11に示すダクトでは、曲がり部3の内周側壁部11dの全域を平面形状としているが、一部を平面形状としても良く、平面形状の代わりに、緩やかな曲面形状としても良い。
図11に示すダクトのように、内周側壁部11dの全域が平面形状の場合、内周側空気通路7の全長L2が最短となるので、内周側壁部11dの全域もしくは一部を曲面とする場合では、内周側空気通路7の全長L2を短くするという観点より、曲面を、できるだけ平面に近づけることが好ましい。ここで、曲面は、平面に近づくほど曲率半径が大きくなる。したがって、内周側壁部11dを平面に近い緩やかな曲面形状とすることで、内周側壁部11dを内周方向に膨らませる場合では、内周側壁部11dは、外周側壁部11cと比較して、曲率半径が大きくなっていると言える。
なお、図11に示す内気吸込ダクト1は、通路分割壁部2の形状が外周側空気通路6と内周側空気通路7の並列方向での幅が均一な板状であるが、通路分割壁部2の形状を、第1実施形態と同様に、曲がり部3の内周側内壁3bに沿った形状としても良い。
(第4実施形態)
図12に、本発明の第4実施形態におけるダクトの断面図を示す。なお、図12では、図3と同様の構成部に図3と同一の符号を付している。
図12に、本発明の第4実施形態におけるダクトの断面図を示す。なお、図12では、図3と同様の構成部に図3と同一の符号を付している。
第1〜3実施形態では、曲がり部3の曲がり角度が直角もしくは略直角である場合を例として説明したが、曲がり部3の曲がり角度が直角でない場合であっても、本発明を適用できる。なお、図12に示すダクトは、図3に示すダクトに対して、曲がり部3の曲がり角度を小さくしたものであり、曲がり角度θ1は45度である。
ここで、本発明を実施するにあたり、曲がり部の曲がり角度は45度以上であることが好ましい。これは、曲がり角度が45度よりも小さい場合、狙いの周波数の騒音に対して干渉による騒音低減の効果が得られるように、経路差(L1−L2)を設定しようとすると、ダクト全体の幅寸法を大きくするか、曲がり部3を曲がり外周側に大きく膨らませた形状とする必要が生じるためである。また、曲がり部3を曲がり外周側に大きく膨らませて、外周側空気通路6を曲がり外周側に大きく迂回させた形状とすると、図30に示す形状と同様に、外周側空気通路6に音波が進行しにくくなるという問題が生じてしまうので、曲がり部の曲がり角度は45度以上であることが好ましい。
(第5実施形態)
図13に、本発明の第5実施形態における内気吸込ダクト1の縦断面図を示す。また、図14、15、16に、それぞれ、図13中のXIV−XIV断面図、XV−XV断面図、XVI−XVI断面図を示す。また、図17に、図13中の内気吸込ダクト1のXVII矢視図を示す。
図13に、本発明の第5実施形態における内気吸込ダクト1の縦断面図を示す。また、図14、15、16に、それぞれ、図13中のXIV−XIV断面図、XV−XV断面図、XVI−XVI断面図を示す。また、図17に、図13中の内気吸込ダクト1のXVII矢視図を示す。
本実施形態では、図13〜17に示すように、曲がり部3の外周側空気通路6と内周側空気通路7とを、それぞれ、独立させ、別体の管46、47によって構成している。したがって、外周側空気通路6を構成する外周側管46と、内周側空気通路7を構成する管47は、離間して、曲がりの径方向に並んでいる。
図15、17に示すように、外周側管46と内周側管47とに所定の高低差ΔH2を設けているので、高低差を設けない場合よりも経路差を大きくできる。このように、外周側管46を内周側管47に対して曲がり部3の曲がりの径方向だけでなく、曲がりの径方向に垂直な方向にも迂回させて、外周側管46と内周側管47とを三次元的にずらして配置することができる。
また、本実施形態では、曲がり部3に設けられた通路分割壁部2は、外周側空気通路6側の面2aと内周側空気通路7側の面2bで構成されているが、外周側空気通路6側の面2aと内周側空気通路7側の面2bで囲まれた内部が空洞となっている。
(第6実施形態)
図18に、本実施形態における内気吸込ダクトの横断面図を示す。図18は、図4に対応しており、図4と同様の構成部に図4と同一の符号を付している。
図18に、本実施形態における内気吸込ダクトの横断面図を示す。図18は、図4に対応しており、図4と同様の構成部に図4と同一の符号を付している。
第1実施形態では、図4に示すように、通路分割壁部2を、曲がり部3を構成する壁部11のうち、上側壁部11aと下側壁部11bの両方を、内気吸込ダクト1の内部に向けて凹ませて構成していたが、図18に示すように、上側壁部11aと下側壁部11bのうち、上側壁部11aのみを内気吸込ダクト1の内部に向けて凹ませることで、外周側壁面2aと内周側壁面2bによって構成される通路分割壁部2を形成しても良い。
(第7実施形態)
図19に、本実施形態における内気吸込ダクトの横断面図を示す。図19は、図4に対応しており、図4と同様の構成部に図4と同一の符号を付している。
図19に、本実施形態における内気吸込ダクトの横断面図を示す。図19は、図4に対応しており、図4と同様の構成部に図4と同一の符号を付している。
第1実施形態では、図4に示すように、曲がり部3で、通路分割壁部2によって、外周側空気通路6と内周側空気通路7とを完全に区切っていたが、本実施形態のように、実質的に、外周側空気通路6と内周側空気通路7とが構成されていれば、外周側空気通路6と内周側空気通路7とを部分的に連通させた構成としても良い。
この場合、干渉による騒音の低減効果が得られる程度まで、外周側空気通路6と内周側空気通路7とを連通させる連通部401の通路断面積を、外周側空気通路6および内周側空気通路7の通路断面積よりも小さくする。
また、連通部401は、例えば、内気吸込ダクト1を構成する壁部11の上側壁部11aと下側壁部11bの両方を、互いに接触しない程度に、内気吸込ダクト1の内部に向けて凹ませることで形成可能である。
また、図示しないが、通路分割壁部2に連通穴を開けて、外周側空気通路6と内周側空気通路7とを連通させても良い。なお、本実施形態の連通部には、ダクトの製造上、やむなくできる隙間も含まれる。
(第8実施形態)
図20に、本実施形態における内気吸込ダクトの横断面図を示す。図20は、図4に対応しており、図4と同様の構成部に図4と同一の符号を付している。
図20に、本実施形態における内気吸込ダクトの横断面図を示す。図20は、図4に対応しており、図4と同様の構成部に図4と同一の符号を付している。
第1実施形態では、車両空調用吸込ダクトの製造方法として、内気吸込ダクト1を一体成型した後、上側壁部11aと下側壁部11bとを凹ませ、凹ませた部分同士を接合することで、通路分割壁部2を形成する方法を説明したが、本実施形態のように、内気吸込ダクト1を、上側壁部11aを有する上側半分と、下側壁部11bを有する下側半分との2分割した構成とし、側壁部11aと下側壁部11bの凹ませた部分同士を、溶着、接着等により接合した後、両者をボルト402、403で結合する方法を採用しても良い。
(第9実施形態)
図21に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示す。図21は、図3に対応する図であり、図21では、図3と同様の構成部に、図3と同一の符号を付している。
図21に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示す。図21は、図3に対応する図であり、図21では、図3と同様の構成部に、図3と同一の符号を付している。
第1実施形態では、内気吸込ダクト1を構成する管の肉厚を均一にして、外形上、内気吸込ダクト1が部分的に膨らんでいる形状である場合を例として説明したが、これに対して、本実施形態のように、内気吸込ダクト1の外形上の幅、すなわち、外径を均一にして、内気吸込ダクト1を構成する管の肉厚を変更することで、実質的に、第1実施形態で説明した図3に示す内気吸込ダクト1と同じダクトを構成することも可能である。
(第10実施形態)
図22に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示す。図22は、図3に対応する図であり、図22では、図3と同様の構成部に、図3と同一の符号を付している。
図22に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示す。図22は、図3に対応する図であり、図22では、図3と同様の構成部に、図3と同一の符号を付している。
図22に示す内気吸込ダクト1は、図5に示す形状のダクト21の内壁および通路分割壁部22に対して、内張材411、412、413、414を貼り付けたものである。このようにして、内気吸込ダクト1の内部に、実質的に、第1実施形態で説明した図3に示す内気吸込ダクト1と同じダクトを構成することも可能である。
(第11実施形態)
図23に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示す。図23は、図3に対応する図であり、図23では、図3と同様の構成部に、図3と同一の符号を付している。
図23に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示す。図23は、図3に対応する図であり、図23では、図3と同様の構成部に、図3と同一の符号を付している。
本実施形態の内気吸込ダクト1は、図23に示すように、図3に示す内気吸込ダクト1の内壁面に、吸音材421を貼り付け、通路分割壁部2の表面に、吸音材422を貼り付けている。吸音材421、422としては、例えば、エーテル系ウレタンフォームが採用可能である。内気吸込ダクト1のその他の構成については、第1実施形態で説明した図3に示す本体ダクト1と同様である。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の構成を有しているので、周波数が800〜2kHzである騒音に対して、干渉による低減の効果が得られ、さらに、吸音材421、422による吸音によって、周波数が2kHz以上である騒音の低減効果が得られる。
なお、図23では、通路分割壁部2の表面に吸音材422を貼り付けていたが、通路分割壁部2自体を吸音材で構成しても良い。
(第12実施形態)
図24に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示し、図25に、図24中のXXV−XXV断面図を示す。図24は、図3、6に対応する図であり、図25は、図4に対応する図であり、図24、25では、図3〜7と同様の構成部に、図3〜7と同一の符号を付している。
図24に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示し、図25に、図24中のXXV−XXV断面図を示す。図24は、図3、6に対応する図であり、図25は、図4に対応する図であり、図24、25では、図3〜7と同様の構成部に、図3〜7と同一の符号を付している。
上記した各実施形態では、曲がり部3の内壁3a、3bおよび通路分割壁部2の表面2a、2bが、平滑であったが、本実施形態では、曲がり部3の内壁3a、3bおよび通路分割壁部2の表面2a、2bに凹凸を設けている。
本実施形態の内気吸込ダクト1は、図24、25に示すように、図6に示す内気吸込ダクト1に対して、曲がり部3の外周側内壁3aに凸部431を設け、通路分割壁部2の外周側壁面2aに凸部432を設けており、外周側空気通路6を構成する壁面のうち、対向する壁面に凸部を設けた構成となっている。外周側内壁3aの凸部431は、空気流れ方向で複数離間して配置されており、通路分割壁部2の凸部432も、空気流れ方向で複数離間して配置されている。また、外周側内壁3aの凸部431と、通路分割壁部2の凸部432とは、互いに対向しないように、空気流れ方向でずらして配置されている。
また、本実施形態の内気吸込ダクト1は、図6に示す内気吸込ダクト1に対して、曲がり部3の内周側内壁3bに凸部433を設け、通路分割壁部2の内周側壁面2bに凹部434を設けており、内周側空気通路7を構成する壁面のうち、対向する壁面の一方側に凸部を設け、他方側に凹部を設けた構成となっている。内周側内壁3bの凸部433は、空気流れ方向で、複数離間して配置されており、通路分割壁部2の凹部434も空気流れ方向で、複数離間して配置されている。また、内周側内壁3bの凸部433と、通路分割壁部2の凹部434とは、互いに対向する位置に、配置されている。
このように、曲がり部3の内壁3a、3bおよび通路分割壁部2の表面2a、2bに凹凸を設けることにより、外周側空気通路6と内周側空気通路7の経路差を調整することができ、狙いの周波数帯の騒音を干渉により低減することが可能となる。
なお、凸部431、432、433の大きさおよび凹部434の大きさは、通風抵抗が増加しない程度とすることが好ましく、また、凸部、凹部の数は、任意に変更可能である。
また、図24では、外周側内壁3aの凸部431と、通路分割壁部2の凸部432は、空気流れ方向での幅が、内周側内壁3bの凸部433よりも小さく、かつ、その幅が凸部の高さ方向で一定の形状であり、内周側内壁3bの凸部433は裾広がりの山形状であるが、凸部の形状は、任意に変更可能である。
また、図24では、外周側空気通路6と内周側空気通路7のうち、外周側空気通路6のみにおいて、外周側内壁3aの凸部431と、通路分割壁部2の凸部432とが、空気流れ方向で交互に配置されていたが、内周側空気通路7を外周側空気通路6と同様の構成としても良い。
また、図24では、内周側空気通路7において、内周側内壁3bの凸部433と、通路分割壁部2の凹部434とが、互いに対向する位置に配置されていたが、反対に、内周側内壁3bに凹部を設け、通路分割壁部2に凸部を設けても良く、また、外周側空気通路6を、内周側空気通路7と同様の構成としても良い。
(第13実施形態)
図26に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示し、図27に、図26中のXXVII−XXVII断面図を示す。図26は、図27中のXXVI−XXVI断面図であって、図3、6に対応する図であり、図27は、図4に対応する図である。図26、27では、図3〜7と同様の構成部に、図3〜7と同一の符号を付している。
図26に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示し、図27に、図26中のXXVII−XXVII断面図を示す。図26は、図27中のXXVI−XXVI断面図であって、図3、6に対応する図であり、図27は、図4に対応する図である。図26、27では、図3〜7と同様の構成部に、図3〜7と同一の符号を付している。
本実施形態では、曲がり部3の外周側空気通路6を複数の通路に完全に分割し、曲がり部3の内周側空気通路7を部分的に複数の通路に分割している。
具体的には、本実施形態の内気吸込ダクト1は、図26、27に示すように、図6に示す内気吸込ダクト1に対して、曲がり部3の外周側空気通路6内に、空気通路を2つに分割する分割壁441を設けている。
分割壁441は、図27に示すように、外周側空気通路6の図中上下方向での中央に位置し、曲がり部3の外周側内壁3aから通路分割壁部2に至る長さであり、図26に示すように、外周側空気通路6の空気流れ方向全域に設けられている。この分割壁441によって、図27に示すように、外周側空気通路6が、外周側第1通路442と外周側第2通路443の2つに完全に分割されている。
また、本実施形態の内気吸込ダクト1は、図27に示すように、図6に示す内気吸込ダクト1に対して、曲がり部3の内周側空気通路7内に、曲がり部3の内周側内壁3bから、通路分割壁部2の内周側壁面2bに向かって延びる板形状のリブ444、445を2つ設けている。リブ444、445は、空気流れ方向、すなわち、図27の紙面垂直方向に延びている。このため、図27に示すように、内周側空気通路7の横断面を見たとき、内周側空気通路7の図中左側半分に相当する部分が、図中上下方向で、3分割された構成となっている。
このように、曲がり部3の外周側空気通路6を複数の通路に分割し、曲がり部3の内周側空気通路7を部分的に複数の通路に分割することで、曲がり部3よりも空気流れ下流側での風速分布の更なる均一化が可能となる。
なお、分割壁441、リブ444、445の数および設置位置については、上記効果が得られる範囲で、任意に変更可能である。
また、図27では、外周側第1通路442と外周側第2通路443とは、図中上下方向、すなわち、外周側空気通路6と内周側空気通路7の並び方向および空気流れ方向に対して、略垂直な方向に並んでいるが、図中左右横方向、すなわち、外周側空気通路6と内周側空気通路7の並び方向に、外周側第1通路442と外周側第2通路443とが並ぶように、外周側空気通路6を分割する構成としても良い。
また、図27では、内周側空気通路7が、部分的に、図中上下方向で、3分割された構成であったが、図中左右横方向で、3分割された構成としても良い。
また、図27では、曲がり部3の外周側空気通路6を複数の通路に完全に分割し、曲がり部3の内周側空気通路7を部分的に複数の通路に分割していたが、外周側空気通路6と内周側空気通路7の構成を入れ替えたり、外周側空気通路6と内周側空気通路7の両方を、複数の通路に完全に分割した構成や部分的に複数の通路に分割した構成としたりしても良く、このようにしても、本実施形態の効果が得られる。
(第14実施形態)
図28に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示す。図28は、図3、6に対応する図であり、図28では、図3、6と同様の構成部に、図3、6と同一の符号を付している。
図28に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示す。図28は、図3、6に対応する図であり、図28では、図3、6と同様の構成部に、図3、6と同一の符号を付している。
本実施形態では、図28に示すように、曲がり部3は、外周側内壁3aを仮想曲線23aよりも、外側に膨らませた形状となっており、曲がり角度θ1が180°となっている。
このように、曲がり部3の曲がり角度θ1が180°においても、本発明を適用できる。第4実施形態および本実施形態より、本発明の実施においては、曲がり部3の曲がり角度θ1が45°以上180°以下であることが好ましい。
(第15実施形態)
図29に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示す。図29は、図3、6に対応する図であり、図29では、図3、6と同様の構成部に、図3、6と同一の符号付している。
図29に、本実施形態における内気吸込ダクトの縦断面図を示す。図29は、図3、6に対応する図であり、図29では、図3、6と同様の構成部に、図3、6と同一の符号付している。
第1実施形態では、内気吸込ダクト1は、曲がり部3全域のダクト幅W3が、下流側ダクト部4のダクト幅W4および上流側ダクト部5のダクト幅W5よりも大きくなっていたが、本実施形態では、図29に示すように、曲がり部3のダクト幅W3が、下流側ダクト部4のダクト幅W4と上流側ダクト部5のダクト幅W5のうち、上流側ダクト部5のダクト幅W5のみと比較して、大きくなっている。
すなわち、本実施形態の内気吸込ダクト1は、下流側ダクト部4のダクト幅W4が、曲がり部3のダクト幅W3と同じかそれ以上の大きさである。そして、曲がり部3は、出口10aでのダクト幅W3aが、下流側ダクト部4のダクト幅W4と同じであって、入口10bでのダクト幅W3bが最も小さくなっている。
本実施形態では、下流側ダクト部4での空気主流の流れ方向と外周側空気通路6に流入する空気の流れ方向とが平行となるため、曲がり部3および上流側ダクト部5の大きさを第1実施形態で説明した内気吸込ダクト1と同じとした場合では、第1実施形態と比較して、周側空気通路6と内周側空気通路7の経路差が小さくなるが、曲がり部3のダクト幅W3によって、この経路差が調整されることから、曲がり部3のダクト幅W3を、比較的大きくできる場合であれば、内気吸込ダクト1として、このような構成を採用しても良い。
(他の実施形態)
(1)上記した各実施形態では、例えば、図4に示すように、曲がり部3の横断面を見たとき、外周側空気通路6と内周側空気通路7との通路断面形状を同一の形状としていたが、通路断面積は実質的に同じとして、外周側空気通路6と内周側空気通路7との通路断面形状を異ならせても良い。
(1)上記した各実施形態では、例えば、図4に示すように、曲がり部3の横断面を見たとき、外周側空気通路6と内周側空気通路7との通路断面形状を同一の形状としていたが、通路断面積は実質的に同じとして、外周側空気通路6と内周側空気通路7との通路断面形状を異ならせても良い。
(2)上記した各実施形態では、通路分割壁部2の形成方法として、内気吸込ダクト1を凹ませる方法を採用する場合を例として説明したが、例えば、内気吸込ダクト1と通路分割壁部2とを別体として形成した後、通路分割壁部2を内気吸込ダクト1に接着等により固定する方法を採用しても良い。
(3)上記した各実施形態では、通路分割壁部2を1つ設けることで、空気通路を2つに分割する場合を例として説明したが、通路分割壁部2を複数設けることで、空気通路を3つ以上に分割しても良い。
ただし、内気吸込ダクト1のダクト幅を同一としたまま、空気通路を3つ以上に分割した場合では、分割数が増えるほど、各空気通路同士の通路長さの差が小さくなるため、空気通路を分割する数は少ない方が好ましい。
(4)上記した各実施形態では、内気吸込ダクト1に本発明を適用した例を説明したが、内外気切替箱114の外気導入口116に連通する外気吸込ダクトに本発明を適用することも可能である。すなわち、本発明は、空調ケースに吸入される空気の通路を形成する空気吸込ダクトに適用可能である。
(5)上記した実施形態では、室内空調ユニット100が、送風機ユニット110と空調本体ユニット120とによって構成されている場合を説明したが、室内空調ユニット100は、送風機ユニット110と空調本体ユニット120とに分け隔てられない1つのユニットであっても良い。
また、上記した実施形態では、送風機111が、蒸発器122およびヒータコア123の空気流れ上流側に配置されていたが、蒸発器122およびヒータコア123の空気流れ下流側に配置してもよい。
(6)上記した各実施形態は、それぞれ、実施の一形態を示したにすぎず、適用可能な範囲で、各実施形態を任意に組み合わせても良い。
1 内気吸込ダクト
2 通路分割壁部
3 曲がり部
4 下流側ダクト部
5 上流側ダクト部
6 外周側空気通路
7 内周側空気通路
2 通路分割壁部
3 曲がり部
4 下流側ダクト部
5 上流側ダクト部
6 外周側空気通路
7 内周側空気通路
Claims (19)
- 空調ケース(121)の吸気側に連通し、前記空調ケース(121)に吸い込まれる空気の流路を形成する車両空調用吸込ダクトにおいて、
空気流れを曲げる曲がり部(3)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ下流側に連なる下流側ダクト部(4)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ上流側に連なる上流側ダクト部(5)とを有し、
前記曲がり部(3)は、前記上流側ダクト部(5)から流入した空気を曲げの外周側と内周側に分岐させて流す第1通路(6)および第2通路(7)を有しており、
前記曲がり部(3)は、前記第1、第2通路の並列方向における前記第1通路の断面幅寸法(W6)、前記第2通路の断面幅寸法(W7)および前記第1通路と前記第2通路との間隔(W2)の合計寸法(W3)が、前記上流側ダクト部(5)の断面幅寸法(W5)よりも大きくなっていることを特徴とする車両空調用吸込ダクト。 - 前記曲がり部(3)の前記第1通路(6)および記第2通路(7)は、別体の管によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両空調用吸込ダクト。
- 空調ケース(121)の吸気側に連通し、前記空調ケース(121)に吸い込まれる空気の流路を形成する車両空調用吸込ダクトにおいて、
空気流れを曲げる曲がり部(3)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ下流側に連なる下流側ダクト部(4)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ上流側に連なる上流側ダクト部(5)とを有し、
前記曲がり部(3)には、曲げ外周側に位置する第1通路(6)と曲げ内周側に位置する第2通路(7)とに、空気の通路を分割する通路分割壁部(2)が設けられており、
前記曲がり部(3)は、前記第1、第2通路の並列方向における前記第1通路の断面幅寸法(W6)、前記第2通路の断面幅寸法(W7)および前記通路分割壁部の断面幅寸法(W2)の合計寸法(W3)が、前記上流側ダクト部(5)の断面幅寸法(W5)よりも大きくなっていることを特徴とする車両空調用吸込ダクト。 - 前記通路分割壁部(2)は、前記第1通路および前記第2通路の通路断面積が空気の流れ方向で実質的に一定となるように、前記第1通路に面する第1通路側壁面(2a)は、前記曲がり部(3)の外周側内壁(3a)に沿った形状であり、前記第2通路に面する第2通路側壁面(2b)は、前記曲がり部(3)の内周側内壁(3b)に沿った形状であることを特徴とする請求項3に記載の車両空調用吸込ダクト。
- 前記通路分割壁部(2)は、前記第2通路に面する第2通路側壁面(2b)の全域もしくは一部が平面形状であり、前記第1通路に面する第1通路側壁面(2a)の全域もしくは一部が湾曲形状であることを特徴とする請求項3または4に記載の車両空調用吸込ダクト。
- 前記通路分割壁部(2)は、前記第2通路に面する第2通路側壁面(2b)の空気の流れ方向での沿面長さ(S2)に対する前記第1通路に面する第1通路側壁面(2a)の空気の流れ方向での沿面長さ(S1)の比(S1/S2)が、1.1〜2.0であることを特徴とする請求項3から5のいずれか1つに記載の車両空調用吸込ダクト。
- 前記通路分割壁部(2)は、前記第1、第2通路の並列方向での幅が、空気流れ方向での上流端(2e)から空気流れ方向での中間部(2d)に向かうにつれて徐々に広がり、前記中間部(2d)から空気流れ方向での下流端(2c)に向かうにつれて幅が徐々に狭くなっており、前記中間部(2d)を通る仮想線(2f)を軸とした線対称の実質的に三日月形状となっていることを特徴とする請求項3から6のいずれか1つに記載の車両空調用吸込ダクト。
- 空調ケース(121)の吸気側に連通し、前記空調ケース(121)に吸い込まれる空気の流路を形成する車両空調用吸込ダクトにおいて、
空気流れを曲げる曲がり部(3)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ下流側に連なる下流側ダクト部(4)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ上流側に連なる上流側ダクト部(5)とを有し、
前記曲がり部(3)は、前記上流側ダクト部(5)から流入した空気を曲げの外周側と内周側に分岐させて流す第1通路(6)および第2通路(7)を有しており、
前記上流側ダクト部(5)、前記下流側ダクト部(4)および前記曲がり部(3)の空気の流れ方向に平行な断面において、
前記曲がり部(3)の外周側内壁(3a)に連なる前記上流側ダクト部(5)の下流端(10b1)を起点として、前記上流側ダクト部(5)から前記曲がり部(3)に流入する空気の流れ方向と平行に延びる仮想直線(32)と、前記曲がり部(3)の外周側内壁(3a)に連なる前記下流側ダクト部(4)の上流端(10a1)を起点として、前記曲がり部(3)から前記下流側ダクト部(4)に流入する空気の流れ方向と平行に延びる仮想直線(31)とを接線とする円弧によって、前記上流側ダクト部(5)の外周側内壁(5a)と前記下流側ダクト部(4)の外周側内壁(4a)とを結んだ仮想曲線を外側基準線(23a)としたとき、
前記曲がり部(3)は、前記外周側内壁(3a)が前記外側基準線(23a)よりも曲がりの外周側に膨出した形状となっていることを特徴とする車両空調用吸込ダクト。 - 前記曲がり部(3)および前記上流側ダクト部(5)は、前記曲がり部(3)の外周側壁面(3a)のうち、前記上流側ダクト部(5)と連なる部位(10b)がダクト内部に向けて凸の形状であることによって、前記第1通路(6)に流入する空気の流れ方向が、前記上流側ダクト部(5)から前記曲がり部(3)に向かう空気の流れ方向に対して、鋭角をなす構成となっていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の車両空調用吸込ダクト。
- 前記曲がり部(3)および前記下流側ダクト部(4)は、前記曲がり部(3)の外周側壁面(3a)のうち、前記下流側ダクト部(4)と連なる部位(10a)がダクト内部に向けて凸の形状であることによって、前記第1通路(6)を流れる空気と、前記第2通路を流れる空気とが、互いに交差する方向を向いて合流する構成となっていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の車両空調用吸込ダクト。
- 空調ケース(121)の吸気側に連通し、前記空調ケース(121)に吸い込まれる空気の流路を形成する車両空調用吸込ダクトにおいて、
空気流れを曲げる曲がり部(3)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ下流側に連なる下流側ダクト部(4)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ上流側に連なる上流側ダクト部(5)とを有し、
前記曲がり部(3)は、前記上流側ダクト部(5)から流入した空気を曲げの外周側と内周側に分岐させて流す第1通路(6)および第2通路(7)を有しており、
前記上流側ダクト部(5)、前記下流側ダクト部(4)および前記曲がり部(3)の空気の流れ方向に平行な断面において、
前記曲がり部(3)の内周側内壁(3b)に連なる前記上流側ダクト部(5)の下流端(10b2)を起点として、前記上流側ダクト部(5)から前記曲がり部(3)に流入する空気の流れ方向と平行に延びる仮想直線(34)と、前記曲がり部(3)の内周側内壁(3b)に連なる前記下流側ダクト部(4)の上流端(10a2)を起点として、前記曲がり部(3)から前記下流側ダクト部(4)に流入する空気の流れ方向と平行に延びる仮想直線(33)とを接線とする円弧によって、前記上流側ダクト部(5)の内周側内壁(5b)と前記下流側ダクト部(4)の内周側内壁(4b)とを結んだ仮想曲線を内側基準線(23b)としたとき、
前記曲がり部(3)は、前記内周側内壁(3b)が前記内側基準線(23b)よりも曲がりの内周側に膨出した形状であることを特徴とする車両空調用吸込ダクト。 - 前記曲がり部(3)の内周側壁面(3b)の全域もしくは一部は、平面形状であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の車両空調用吸込ダクト。
- 前記曲がり部(3)の内周側壁面(3b)の全域もしくは一部は、前記曲がり部(3)の外周側内壁(3a)よりも緩やかな湾曲形状であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の車両空調用吸込ダクト。
- 空調ケース(121)の吸気側に連通し、前記空調ケース(121)に吸い込まれる空気の流路を形成する車両空調用吸込ダクトにおいて、
空気流れを曲げる曲がり部(3)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ下流側に連なる下流側ダクト部(4)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ上流側に連なる上流側ダクト部(5)とを有し、
前記曲がり部(3)には、曲げ外周側に位置する第1通路(6)と曲げ内周側に位置する第2通路(7)とに、空気の通路を分割する通路分割壁部(2)が設けられており、
前記通路分割壁部(2)は、前記第2通路に面する第2通路側壁面(2b)の空気の流れ方向での沿面長さ(S2)に対する前記第1通路に面する第1通路側壁面(2a)の空気の流れ方向での沿面長さ(S1)の比(S1/S2)が、1.1〜2.0であることを特徴とする車両空調用吸込ダクト。 - 空調ケース(121)の吸気側に連通し、前記空調ケース(121)に吸い込まれる空気の流路を形成する車両空調用吸込ダクトにおいて、
空気流れを曲げる曲がり部(3)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ下流側に連なる下流側ダクト部(4)と、
前記曲がり部(3)の空気流れ上流側に連なる上流側ダクト部(5)とを有し、
前記曲がり部(3)内に配置されて、前記曲がり部(3)内を曲げの外周側の第1通路(6)と曲げの内周側の第1通路(7)とに仕切る仕切部材(2)とを備え、
空気が前記上流側ダクト部(5)内を流れる上流側空気流れ方向と、空気が前記下流側ダクト部(4)内を流れる下流側空気流れ方向とを含む基準断面において、
前記上流側空気流れ方向と前記下流側空気流れ方向とを接線(31、32、33、34)とする円弧によって、前記上流側ダクト部の外周側内壁(5a)と前記下流側ダクト部の外周側内壁(4a)とを結んだ線を外側基準線(23a)とし、前記円弧によって、前記上流側ダクト部の内周側内壁(5b)と前記下流側ダクト部の内周側内壁(4b)とを結んだ線を内側基準線(23b)とし、
さらに、前記基準断面と前記曲がり部の外側内周壁面との交線を外側交線(3a)とし、前記基準断面と前記曲がり部の内側内周壁面との交線を内側交線(3b)としたときに、 前記曲がり部は、前記外側交線(3a)が前記外側基準線(23a)よりも外側を通過する形状と、前記内側交線(3b)が前記内側基準線(23b)よりも内側を通過する形状とのうち少なくとも一方の形状に形成されており、
前記仕切部材(2)の前記第1通路側の面(2a)は、前記曲がり部の外周側内壁面に沿うように形成され、前記仕切部材(2)の前記第2通路側の面(2b)は、前記曲がり部の内周側内壁面に沿うように形成されていることを特徴とする車両空調用吸込ダクト。 - 前記曲がり部は、流路断面の重心を通る前記第1、第2通路の通路長さの差(L1−L2)が、0.085〜0.215mとなっていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載の車両空調用吸込ダクト。
- 前記第1通路と前記第2通路は、前記曲がり部の横断面を見たときの両者の通路断面積比が、一方を1としたとき、他方が0.7以上1.3以内となっていることを特徴とする請求項1から16のいずれか1つに記載の車両空調用吸込ダクト。
- 車室内の空気が流れる内気吸込ダクトとして用いられることを特徴とする請求項1から17のいずれか1つに記載の車両空調用吸込ダクト。
- 空気通路を形成する空調ケース(121)と、
前記空調ケース(121)に連通される請求項1から18のいずれか1つに記載の車両空調用吸込ダクトと、
前記空調ケース(121)内の空気流れを形成する送風機(111)と、
前記空調ケース(121)内に収容され、前記空調ケース(121)内を流れる空気を冷却する冷房用熱交換器(122)と、
前記空調ケース(121)内に収容され、前記空調ケース(121)内を流れる空気を加熱する暖房用熱交換器(123)とを備える車両用空調装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008101648A JP2009248866A (ja) | 2008-04-09 | 2008-04-09 | 車両空調用吸込ダクトおよび車両用空調装置 |
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JP2008101648A Withdrawn JP2009248866A (ja) | 2008-04-09 | 2008-04-09 | 車両空調用吸込ダクトおよび車両用空調装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101219678B1 (ko) * | 2010-02-09 | 2013-01-08 | 엔알텍주식회사 | 철도차량용 에어컨덕트 소음기 |
JP2013144481A (ja) * | 2012-01-13 | 2013-07-25 | Toyota Motor Corp | 車両用ベンチレータ |
US9377023B2 (en) | 2011-01-12 | 2016-06-28 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Air compressor |
DE102017202542A1 (de) | 2016-02-16 | 2017-08-17 | Omron Automotive Electronics Co., Ltd. | Kühleinrichtung und strömungspfadelement |
CN107559532A (zh) * | 2017-10-30 | 2018-01-09 | 武汉金牛经济发展有限公司 | 一种高层建筑排水系统用降噪消能pvc管件 |
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2008
- 2008-04-09 JP JP2008101648A patent/JP2009248866A/ja not_active Withdrawn
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