JP7259727B2 - 空気吹出装置 - Google Patents

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Description

本開示は、空気吹出装置に関する。
従来、作動気流となる空気流を形成する主孔の周辺に、作動気流に引き込まれる主孔周りの空気の引き込みを阻む援護気流を形成する補助孔が設けられたエアーノズルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8-318176号公報
本発明者らは、作動気流の到達距離を更に長くするために、主孔から吹き出される主流と補助孔から吹き出される気流について検討した。この検討によれば、援護気流の吹出角度を規定する部位が空気流れ上流側から下流側に向けて主孔の中心線に近づく向きに傾斜していると、援護気流が作動気流の中心付近に向けて流れる際に作動気流が乱れることで作動気流の到達距離が短くなるとの知見を得た。
しかしながら、上述の従来技術では、主孔の周囲に補助孔が設けられることが開示されるだけで、本発明者らの知見について何ら示されておらず、作動気流の到達性の更なる向上を見込むことが困難である。
本開示は、主孔から吹き出す作動気流の到達性の向上を図ることが可能な空気吹出装置を提供することを目的とする。
請求項1、2、3に記載の発明は、
空気吹出装置であって、
気流が通過する主流路(510)を形成するとともに、主流路における下流側に位置する部位に作動気流となる気流を吹き出す主孔(512)が開口するダクト部(51)を備え、
ダクト部のうち主孔の周囲には、作動気流による空気の引き込みを抑制する援護気流を吹き出す補助孔(515)が少なくとも1つ設けられ、
ダクト部は、補助孔から吹き出す援護気流の吹出角度を定める角度規定部位(516)の少なくとも1つが、空気流れ上流側から下流側に向けて主孔の中心線から離れる向きに傾斜している。
請求項1に記載の発明では、角度規定部位の少なくとも1つは、主孔の中心線に対する傾斜角が主孔に連なる内壁面と主孔の中心線とのなす角度以上となるように主孔の中心線に対して傾斜している。
請求項2に記載の発明は、
ダクト部には、主孔の周囲に補助孔が複数設けられるとともに、角度規定部位が補助孔に対応して複数設けられており、
複数の角度規定部位は、空気流れ上流側から下流側に向けて主孔の中心線から離れる向きに傾斜し、
複数の角度規定部位のうち一部の角度規定部位は、主孔の中心線に対する傾斜角が他の角度規定部位とは異なっている。
請求項3に記載の発明は、
ダクト部には、主孔の周囲に補助孔が複数設けられ、
ダクト部における主孔の周囲には、主孔の周縁に沿う方向の曲率が所定値となる第1曲率部位(514c、514d)および第1曲率部位よりも曲率が小さい第2曲率部位(514a、514b)が設けられており、
複数の角度規定部位のうち第1曲率部位に設けられた補助孔に対応する部位は、第2曲率部位に設けられた補助孔に対応する部位に比べて、主孔の中心線に対する傾斜角が大きくなっている。
このように、主孔の周囲に設けた補助孔から援護気流が吹き出される構造になっていれば、援護気流が主孔の下流で作動気流の周囲に生ずる横渦と衝突して横渦が乱れることで、空気の引き込み作用が抑制される。特に、角度規定部位が主孔の中心線から離れる向き傾斜している構造になっているので、補助孔から吹き出す援護気流が主孔から吹き出された作動気流の中心付近に近づき難くなり、援護気流によって作動気流の中心付近の乱れが抑制される。これにより、主孔から吹き出す作動気流の到達性を充分に向上させることができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る空気吹出装置の適用対象となる室内空調ユニットの概略構成図である。 第1実施形態に係る空気吹出装置の模式的な斜視図である。 第1実施形態に係る空気吹出装置の模式的な正面図である。 図3のIV-IV断面図である。 図3のV-V断面図である。 第1実施形態に係る空気吹出装置の長手方向における気流の流れ方を説明するための説明図である。 第1実施形態に係る空気吹出装置の短手方向における気流の流れ方を説明するための説明図である。 横渦の発生位置を説明するための説明図である。 第2実施形態に係る空気吹出装置の模式的な正面図である。 図9のX-X断面図である。 図9のXI-XI断面図である。 第3実施形態に係る空気吹出装置の模式的な正面図である。 図12のXIII-XIII断面図である。 図12のXIV-XIV断面図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1~図7を参照して説明する。図1に示すように、空気吹出装置50は、車両の空調を行う室内空調ユニット1とダクト30を介して接続される。
室内空調ユニット1は、車室内の最前部に位置するインストルメントパネルの内側に配置される。室内空調ユニット1は、外殻を形成するケース2を有している。ケース2の内側には、車室内へ向かって空気を送風する空気通路が構成されている。
ケース2の空気通路の最上流部には、内気導入口3および外気導入口4を有する内外気箱5が配置されている。内外気箱5には、内外気ドア6が回転自在に配置されている。内外気ドア6は、内気導入口3より車室内空気を導入する内気モードと外気導入口4より車室外空気を導入する外気モードとを切り替えるものである。内外気ドア6は、図示しないサーボモータによって駆動される。
内外気箱5の下流側には、車室内に向かう空気流を発生させる電動式の送風機8が配置されている。送風機8は、遠心式の送風ファン8aと、この送風ファン8aを駆動するモータ8bと、を有している。
送風機8の下流側には、ケース2内を流れる空気を冷却する蒸発器9が配置されている。蒸発器9は、送風機8の送風空気を冷却する冷房用熱交換器である。蒸発器9は、周知の蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成する要素の一つである。
一方、室内空調ユニット1において、蒸発器9の下流側には、ケース2内を流れる空気を加熱するヒータコア15が配置されている。ヒータコア15は、車両エンジンの温水を熱源として、蒸発器9通過後の冷たい空気を加熱する暖房用熱交換器である。ヒータコア15の側方には、バイパス通路16が形成され、バイパス通路16をヒータコア15のバイパス空気が流れる。
蒸発器9とヒータコア15との間には、エアミックスドア17が回転自在に配置されている。エアミックスドア17は、図示しないサーボモータにより駆動されて、その開度が連続的に調整可能になっている。エアミックスドア17の開度によりヒータコア15を通る温風量と、バイパス通路16を通過してヒータコア15をバイパスする冷風量との割合が調節される。これにより、車室内に吹き出す空気の温度が調整される。
ケース2の空気通路の最下流部には、車両の前面窓ガラスに向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口19、乗員の顔部に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口20および乗員の足元部に向けて空調風を吹き出すフット吹出口21が設けられている。
これら吹出口19~21の上流部にはデフロスタドア22、フェイスドア23およびフットドア24が回転自在に配置されている。これらのドア22~24は、図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータによって開閉操作される。
ところで、近年、インストルメントパネルは、車室内の拡大や意匠性の観点で車両上下方向において薄型化が要求されている。また、インストルメントパネルは、車両幅方向の中央部分や車両前後方向において乗員に相対する部分に車両の運転状態を示す各種情報を報知するための大型の情報機器が設置される傾向がある。
これらにより、室内空調ユニット1では、空気吹出口を薄幅にする等の対策が必要となっている。しかし、空気吹出口を薄幅にすると、空気吹出口の下流に生ずる横渦によって、空気吹出口から吹き出す気流のコア部の崩壊が早まり、車室内における気流の到達距離が短くなってしまう。なお、横渦は、渦心が気流の流れ方向に直交する渦である。
そこで、本実施形態の室内空調ユニット1は、ケース2に設けられたフェイス吹出口20に、ダクト30を介して、気流の到達距離を向上させるための空気吹出装置50が接続されている。室内空調ユニット1で温度調整された空気は、ケース2からダクト30を通って空気吹出装置50から車室内に送風される。
以下、空気吹出装置50の構成について図2~図5を用いて説明する。図2に示すように、空気吹出装置50は、ダクト部51およびフランジ部52を有している。ダクト部51およびフランジ部52は、樹脂により構成されている。図示しないが、ダクト部51には、図1に示した室内空調ユニット1が接続されている。
図3および図4に示すダクト部51は、内側に気流が通過する主流路510が形成されている。ダクト部51は、断面が長円となる筒形状になっている。ダクト部51は、空気流れ上流側に位置する部位に主流路510に空調風を導入する導入孔511が開口している。
また、ダクト部51は、主流路510における空気流れ下流側に位置する部位に作動気流となる気流を吹き出す主孔512が形成されている。主孔512は、車室内に作動気流が吹き出されるように、その開口方向が設定されている。なお、開口方向は、主孔512を形成する縁部を含む面の法線方向である。
具体的には、図4に示すように、ダクト部51は、空気流れ下流側が外筒51Aと内筒51Bとを有する二重筒構造になっている。外筒51Aは、ダクト部51における外殻を形成している。内筒51Bは、外筒51Aに対して気流を通過させることが可能な僅かな隙間があいた状態で、外筒51Aの内側に配置されている。内筒51Bは、軸心方向の長さ外筒51Aよりも短くなっている。
ダクト部51は、内筒51Bの内側および外筒51Aのうち内筒51Bと径方向にラップしない部位の内側に主流路510が形成されている。また、ダクト部51は、外筒51Aと内筒51Bとの間に気流が通過する補助流路513が形成されている。この補助流路513は、主流路510から分岐する分岐流路であって、主流路510を流れる気流の一部が流れ込む。
外筒51Aおよび内筒51Bは、主流路510および補助流路513の空気流れ下流側に位置する筒接続部514で互いに接続されている。筒接続部514は、図3および図4に示すように、ダクト部51において空気流れ下流側に端面を形成する。筒接続部514は、リング状になっており、その内側の開口が主孔512を構成している。
主孔512の開口形状は、扁平形状になっている。具体的には、主孔512の開口形状は、長円形状になっている。ダクト部51における主孔512の周囲には、所定の間隔をあけて対向する一対の長縁部514a、514bと、一対の長縁部514a、514b同士を接続する一対の短縁部514c、514dが形成されている。なお、一対の短縁部514c、514dは、一対の長縁部514a、514bよりも対向する間隔が大きくなっている。一対の長縁部514a、514bは、互いに平行となるように直線状に延びている。一対の短縁部514c、514dは、主孔512の中心から離れる方向に突き出るように円弧状に湾曲している。
ここで、一対の長縁部514a、514bは、直線状に延びているので、その曲率が略ゼロである。また、一対の短縁部514c、514dは、円弧状に湾曲しているので、一対の長縁部514a、514bよりも曲率が大きくなっている。
本実施形態では、一対の短縁部514c、514dが主孔512の周縁に沿う方向の曲率が所定値となる第1曲率部位を構成し、一対の長縁部514a、514bが第1曲率部位よりも曲率が小さい第2曲率部位を構成している。なお、所定値は、一対の短縁部514c、514dの曲率半径の逆数に設定された値である。
以下、本実施形態では、主孔512の開口の長手方向を幅方向DRwと呼び、主孔512の開口の短手方向を高さ方向DRhと呼ぶ。また、本実施形態では、主流路510における高さ方向DRhにおける大きさを流路高さと呼び、主流路510における幅方向DRwにおける大きさを流路幅と呼ぶ。なお、主孔512の開口の長手方向は、主孔512における一対の長縁部514a、514bが延びる方向である。また、主孔512の開口の短手方向は、主孔512の開口方向および一対の長縁部514a、514bそれぞれに直交する方向である。
ダクト部51は、主流路510を形成する内壁面のうち、主孔512に連なる内壁面が、主孔512から吹き出す作動気流の吹出角度を定める吹出用内壁面512dを構成している。吹出用内壁面512dは、ダクト部51の内筒51Bの下流側の端部から空気流れ上流に向かって延びている。より具体的には、吹出用内壁面512dは、後述する下流側平坦部518の上流端から下流端までの範囲に設定されている。吹出用内壁面512dは、主孔の中心線CLとのなす角度が略ゼロとなるように、主孔512の中心線CLに沿って延びている。これにより、主孔512から主孔512の中心線CLに沿って作動気流が吹き出される。
ここで、主孔512から吹き出された作動気流は、作動気流の空気の引き込み作用によって周囲に拡散し易くなる。空気の引き込み作用は、主孔512から作動気流を吹き出した際、作動気流の速度勾配によるせん断力によって生ずる横渦Vtに起因する。作動気流の周囲に生ずる横渦Vtは、図4および図5に示すように、渦層中心VCLが主孔512の内側から外側に向けて拡大する。横渦Vtの渦層中心VCLは、主孔512の中心線CLに対して所定の角度θだけ傾き易い。この所定の角度θは、例えば、1.94[deg]程度となる。これらは、本発明者らの調査によって得られた知見に基づいている。
ダクト部51のうち主孔512の周囲には、気流による空気の引き込み作用を抑制する援護気流を吹き出すための補助孔515が複数形成されている。補助孔515は、補助流路513の空気流れ下流側に位置する筒接続部514に形成されている。補助流路513を通過する気流は、援護気流として補助孔515から吹き出される。
具体的には、複数の補助孔515は、リング状に並ぶように筒接続部514に対して形成されている。補助孔515は、一部が筒接続部514の周方向に偏らないように筒接続部514の全周に対して均等に形成されている。なお、補助孔515を図示した図面では、都合上、補助孔515のうち一部に対して符号を付している。
補助流路513を形成する内壁面のうち、補助孔515に連なる内壁面が、主孔512から吹き出す作動気流の吹出角度を定める角度規定部位516を構成している。角度規定部位516は、ダクト部51の外筒51Aおよび内筒51Bの下流側の端部から空気流れ上流に向かって延びる内壁面で構成されている。
角度規定部位516は、後述する下流側平坦部518の上流端から下流端までの範囲に設定されている。角度規定部位516は、補助孔515に対応して複数設けられている。すなわち、ダクト部51には、補助孔515と同数の角度規定部位516が設けられている。
ここで、補助孔515が形成された空気吹出装置50では、補助孔515から吹き出される援護気流が主孔512の出口下流で横渦Vtの渦層中心VCLと交差することで、主孔512の出口下流に生ずる横渦Vtの発達が抑制される。
ところが、援護気流が横渦Vtと交差した後に、作動気流の中心付近に向けて流れると、作動気流の主流が乱れてしまう虞がある。このような作動気流の主流が乱れは、作動気流の到達距離に影響する。このことは、本発明者らの調査等によって見出された。
このことを加味して、本実施形態の空気吹出装置50は、補助孔515から吹き出す援護気流の吹出角度が主孔512の中心線CLから離れる向きに設定されている。本実施形態の複数の角度規定部位516は、空気流れ上流側から下流側に向けて主孔512の中心線CLから離れる向きに傾斜している。換言すれば、ダクト部51は、補助流路513のうち、補助孔515に連なる内壁面がラッパ状に拡大している。補助流路513のうち補助孔515に連なる内壁面は、内筒51Bおよび外筒51Aにおいて互いに対向する対向面である。
複数の角度規定部位516は、援護気流が横渦Vtの渦層中心VCLに沿って流れるように、主孔512の中心線CLに対する傾斜角αが設定されている。本例の角度規定部位516は、傾斜角αが主孔512の中心線CLと横渦Vtの渦層中心VCLとのなす角度θ(=1.94[deg])と略一致する角度に設定されている。複数の角度規定部位516それぞれは、同等の傾斜角αに設定されている。
ここで、製造上、傾斜角αを横渦Vtの渦層中心VCLの角度θと完全に一致させることは困難であり、若干の誤差が生じ得る。このことを考慮すると、複数の角度規定部位516の傾斜角αは、例えば、以下の数式F1で示す範囲内に設定されていることが望ましい。
0<α≦2×θ …(F1)
前述したように、本実施形態の吹出用内壁面512dは、主孔512の中心線CLとのなす角度が略ゼロとなるように、主孔512の中心線CLに沿って延びている。したがって、本実施形態の角度規定部位516は、その傾斜角αが、吹出用内壁面512dと主孔512の中心線CLとのなす角度よりも大きくなるように主孔512の中心線CLに対して傾斜している。
ダクト部51は、空気流れ上流側から下流側に向けて流路高さが変更されている。すなわち、ダクト部51は、図4に示すように、上流側平坦部517、下流側平坦部518、および絞り部519を有している。
上流側平坦部517および下流側平坦部518は、ダクト部51の内側において、流路高さが一定の大きさに維持された部位である。絞り部519は、空気流れ上流側から下流側に向かって主流路510の流路高さが縮小された部位である。絞り部519は、上流側平坦部517と下流側平坦部518との間に設定されている。絞り部519は、主孔512付近で縮流が生ずるように、主流路510における導入孔511よりも主孔512に近い位置に設定されている。絞り部519は、上流側平坦部517と連なる部位および下流側平坦部518と連なる部位が丸みを有するように湾曲した曲面形状になっている。
上流側平坦部517には、フランジ部52が設けられている。フランジ部52は、ダクト部51を図示しないインストルメントパネルに対して取り付けるための部材である。フランジ部52は、ダクト部51の外周に対してダクト部51から突き出るように設けられた矩形状の部材で構成されている。フランジ部52は、ダクト部51の上流側の部位が空調ユニットの空気吹出口に嵌合された状態で、ビス等の連結部材によってインストルメントパネルに対して取り付けられる。なお、フランジ部52には、角部をなす四隅付近にビス等の連結部材を通すための貫通穴520が形成されている。
次に、空気吹出装置50の空気の流れについて説明する。室内空調ユニット1の送風機8が作動を開始すると、室内空調ユニット1からダクト30を介して空気吹出装置50に温度調整された空気が導入される。
空気吹出装置50では、ダクト部51に導入された空気が、主流路510を通過した後、主孔512から吹き出される。本実施形態の空気吹出装置50は、ダクト部51に対して主流路510の流路高さを縮小する絞り部519が設けられている。このため、ダクト部51に対して絞り部519が設けられていない構成に比べて、主孔512の開口の短手方向(すなわち、高さ方向DRh)における作動気流の風速分布が均一化される。
作動気流の風速分布が均一化されると、作動気流の速度境界層が主孔512の中心線CLから離れる。このため、作動気流の周囲に生ずる横渦Vtは、図6および図7に示すように、主孔512の中心線CLから離れた位置で発生し易くなる。すなわち、ダクト部51の外側における静止流体との速度差によって生ずる横渦Vtが、主流路510の中心線CLから離れた位置で発生し易くなる。したがって、作動気流の吹出時に、主孔512の開口の短手方向および長手方向への作動気流の拡散が抑制される。
加えて、空気吹出装置50は、補助孔515から援護気流が吹き出される。この援護気流は、主孔512の出口下流で横渦Vtの渦層中心VCLと交差する。このため、援護気流によって横渦Vtが崩壊され易くなる。すなわち、主孔512の出口下流に生ずる横渦Vtの発達が抑制される。
特に、本実施形態では、複数の角度規定部位516が、援護気流が横渦Vtの渦層中心VCLに沿って流れるように、主孔512の中心線CLに対する傾斜角αが設定されている。このため、補助孔515から吹き出す援護気流は、主孔512から吹き出された作動気流の中心付近に近づき難くなる。これにより、援護気流によって作動気流の中心付近の乱れが抑制されるので、主孔512から吹き出す作動気流の到達性を充分に向上させることができる。なお、援護気流は、例えば、図6および図7においてドット柄のハッチングで示す範囲に流れる。
以上説明した空気吹出装置50は、主孔512の周囲に設けた補助孔515から援護気流が吹き出される構造になっている。具体的には、ダクト部51には、主孔512の周囲に複数の補助孔515が設けられている。これによれば、援護気流が主孔512の下流で作動気流の周囲に生ずる横渦Vtと衝突して横渦Vtが乱れることで、空気の引き込み作用が抑制される。
特に、空気吹出装置50は、角度規定部位516が主孔512の中心線CLから離れる向き傾斜している構造になっている。このため、補助孔515から吹き出す援護気流が主孔512から吹き出された作動気流の中心付近に近づき難くなり、援護気流によって作動気流の中心付近の乱れが抑制される。これにより、主孔512から吹き出す作動気流の到達性を充分に向上させることができる。
具体的には、複数の角度規定部位516は、主孔512の中心線CLに対する傾斜角αが、吹出用内壁面512dと主孔512の中心線CLとのなす角度よりも大きくなるように主孔512の中心線CLに対して傾斜している。これによると、補助孔515から吹き出す援護気流と主孔512から吹き出された作動気流の主流とが交差し難くなるので、援護気流による作動気流の中心付近の乱れが充分に抑制される。
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、吹出用内壁面512dが主孔512の中心線CLに沿って延びているものを例示したが、これに限らず、例えば、空気流れ上流側から下流側に向けて主孔512の中心線CLから離れる向きに傾斜していてもよい。この場合、角度規定部位516の傾斜角αは、吹出用内壁面512dと主孔512の中心線CLとのなす角度以上に設定することが望ましい。より詳しくは、角度規定部位516の傾斜角αは、主孔512の中心線CLと横渦Vtの渦層中心VCLとのなす角度θに対して、吹出用内壁面512dと主孔512の中心線CLとのなす角度を加えた角度となるように設定することが望ましい。
但し、角度規定部位516の傾斜角αを吹出用内壁面512dと主孔512の中心線CLとのなす角度以上に設定することが困難な場合、傾斜角αは、吹出用内壁面512dと主孔512の中心線CLとのなす角度未満に設定されていてもよい。
上述の第1実施形態では、複数の角度規定部位516それぞれが空気流れ上流側から下流側に向けて主孔512の中心線CLから離れる向きに傾斜しているものを例示したが、空気吹出装置50は、これに限定されない。空気吹出装置50は、例えば、複数の角度規定部位516の一部が主孔512の中心線CLから離れる向きに傾斜し、その他が主孔512の中心線CLに沿って延びていてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図8~図11を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
第1実施形態で説明したように、作動気流の周囲に生ずる横渦Vtは、作動気流の速度勾配によるせん断力によって生ずる。この速度勾配は、図8に示すように、主孔512の出口近傍では主孔512よりも内側に生じ易い。すなわち、作動気流の周囲に生ずる横渦Vtの渦中心は、作動気流の速度境界層BPの厚みの略中央分に位置し、主孔512を形成する部位の内側に生じ易い。このことは、本発明者らの調査等によって見出された。
このことを加味して、本実施形態のダクト部51は、図9に示すように、補助孔515を形成する部位の少なくとも一部が主孔512を形成する部位よりもダクト部51の内側に位置付けられている。すなわち、ダクト部51は、主孔512の中心線CLを中心とする周方向において、主孔512の一部と補助孔515の一部とが互いに重なり合っている。
具体的には、主孔512の縁部分を形成する筒接続部514の内側部分が波状に蛇行した曲線になっている。そして、複数の補助孔515は、主孔512の縁部分において内側に突き出た部分に形成されている。
このように構成されるダクト部51では、室内空調ユニット1で温度調整された空調風の大部分が作動気流として、主流路510を介して主孔512から吹き出される。主孔512から作動気流が吹き出されると、図10に示すように、主孔512の出口下流に作動気流の速度境界層BPが形成される。この速度境界層BPには、その厚みの中央部分付近に横渦Vtが生じる。
また、室内空調ユニット1で温度調整された空調風の一部は、援護気流として、補助流路513を介して補助孔515から吹き出される。この際、補助孔515から吹き出される援護気流は、図11に示すように、主孔512から吹き出された作動気流の速度境界層BPの中央部分に近い位置から吹き出される。これによると、援護気流が速度境界層BPに生ずる横渦Vtの渦心の近くを流れるので、援護気流によって横渦Vtが崩壊し易くなる。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の空気吹出装置50は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
特に、空気吹出装置50は、補助孔515を形成する部位の少なくとも一部が、主孔512を形成する部位よりもダクト部51の内側に位置付けられている。これによれば、援護気流によって横渦Vtを乱すことができ、横渦Vtが発達し難くなる。したがって、主孔512から吹き出される作動気流への周囲からの空気の引き込みが抑えられて作動気流の流速の減衰が少なくなるので、主孔512から吹き出する作動気流の到達距離を長くすることができる。
(第2実施形態の変形例)
上述の第2実施形態では、主孔512の中心線CLを中心とする周方向において、主孔512の一部と補助孔515の一部とが互いに重なり合うものを例示したが、補助孔515を配置形態はこれに限定されない。ダクト部51は、例えば、主孔512の中心線CLを中心とする周方向において、主孔512の一部と補助孔515の全体とが互いに重なり合う構造になっていてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図12~図14を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
第1実施形態で説明したように、主孔512は、直線状の一対の長縁部514a、514bおよび一対の長縁部514a、514bよりも曲率が大きい一対の短縁部514c、514dで囲まれている。
主孔512の周囲において曲率が大きい一対の短縁部514c、514dでは、曲率が小さい一対の長縁部514a、514bに比べて、形状変化が大きいことで、形状変化に伴う乱れが生じ、この乱れによって横渦Vtの発達速度が大きくなり易い。この結果、一対の短縁部514c、514dでは、一対の長縁部514a、514bに比べて、横渦Vtが作動気流から離れた位置まで拡がり易い傾向がある。このことは、本発明者らの調査等によって見出された。
このことを加味して、本実施形態のダクト部51は、複数の角度規定部位516のうち一部の角度規定部位516が他の角度規定部位516とは異なる傾斜角αに設定されている。具体的には、図13および図14に示すように、短縁部514c、514dに設けられた補助孔515の角度規定部位516の傾斜角α2が、長縁部514a、514bに設けられた補助孔515の角度規定部位516の傾斜角α1よりも大きくなっている。
本例では、一対の長縁部514aに対応する角度規定部位516の傾斜角α1は、図13に示すように、第1実施形態と同様の角度θ1(=1.94[deg])に設定されている。
また、本例では、一対の短縁部514c、514dに対応する角度規定部位516の傾斜角α2は、図14に示すように、上述の角度θ1よりも大きい角度θ2に設定されている。なお、角度θ2は、実験やシミュレーションによって決定されるパラメータであり、一対の短縁部514c、514dの下流に生ずる横渦Vtの渦層中心VCLと主孔512の中心線CLとのなす角度θを想定して設定される。
ここで、製造上、傾斜角α1を横渦Vtの角度θ1と完全に一致させたり、傾斜角α2を角度θ2と完全に一致させたりすることは困難であり、若干の誤差が生じ得る。
このことを考慮すると、角度規定部位516の傾斜角α1、α2は、例えば、以下の数式F2、F3で示す範囲内に設定されていることが望ましい。
0<α1≦2×θ1 …(F2)
α1<α2≦2×θ2 …(F3)
また、本実施形態の吹出用内壁面512dは、第1実施形態と同様に、主孔512の中心線CLとのなす角度が略ゼロとなるように、主孔512の中心線CLに沿って延びている。したがって、本実施形態の角度規定部位516は、その傾斜角α1、α2が、吹出用内壁面512dと主孔512の中心線CLとのなす角度よりも大きくなるように主孔512の中心線CLに対して傾斜している。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の空気吹出装置50は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
ここで、本発明者らの検討によれば、主孔512の周囲において曲率が大きい部位では、曲率が小さい部位に比べて、形状変化が大きいことで横渦Vtの発達速度が大きくなり、横渦Vtが作動気流から離れた位置まで拡がり易い傾向があることが判った。
これに対して、本実施形態のダクト部51は、曲率が大きい一対の短縁部514c、514dに設けられた角度規定部位516の傾斜角α2が、曲率が小さい一対の長縁部514a、514bに設けられた角度規定部位516の傾斜角よりも大きくなっている。これにより、曲率が大きい一対の短縁部514c、514dおよび曲率が小さい一対の長縁部514a、514bでの横渦Vtの発達を効果的に抑えて空気の引き込み作用を抑制することができる。
(第3実施形態の変形例)
上述の第3実施形態では、第1実施形態と同様に、吹出用内壁面512dが主孔512の中心線CLに沿って延びているものを例示したが、これに限らず、例えば、主孔512の中心線CLから離れる向きに傾斜していてもよい。この場合、角度規定部位516の傾斜角α1、α2は、吹出用内壁面512dと主孔512の中心線CLとのなす角度以上に設定することが望ましい。
但し、角度規定部位516の傾斜角α1、α2を上述の角度以上に設定することが困難な場合、傾斜角α1、α2は、吹出用内壁面512dと主孔512の中心線CLとのなす角度未満に設定されていてもよい。
上述の第3実施形態では、複数の角度規定部位516それぞれが空気流れ上流側から下流側に向けて主孔512の中心線CLから離れる向きに傾斜しているものを例示したが、空気吹出装置50は、これに限定されない。空気吹出装置50は、例えば、一対の短縁部514c、514dの角度規定部位516が主孔512の中心線CLから離れる向きに傾斜し、一対の長縁部514a、514bの角度規定部位516が主孔512の中心線CLに沿って延びていてもよい。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、主孔512の開口形状が円弧および直線を結合した形状からなる長円形状になっているものを例示したが、これに限定されない。
主孔512は、例えば、矩形状、曲率半径の大きい円弧および曲率半径の小さい円弧を結合した曲線形状からなる楕円形状、直線を結合した六角形等の多角形状、角部が丸められた長方形状等の形状になっていてもよい。また、主孔512を構成する一対の長縁部514a、514bおよび一対の短縁部514c、514dは、その形状が直線や円弧に限定されず、直線や円弧に凹凸が形成された形状になっていてもよい。さらに、主孔512は、扁平形状になっているものに限らず、円形状や正方形状等のように扁平でない形状になっていてもよい。
上述の実施形態では、主孔512の周囲に複数の補助孔515が複数形成されているものを例示したが、ダクト部51は、これに限定されない。ダクト部51は、少なくとも1つの補助孔515が形成されていればよい。
上述の実施形態では、補助孔515として微細な丸孔を例示したが、補助孔515の孔形状は、これに限定されない。補助孔515の孔形状は、例えば、長円、多角形状等になっていてもよい。
上述の実施形態では、ダクト部51に上流側平坦部517、下流側平坦部518、および絞り部519が設けられているものを例示したが、これに限定されない。ダクト部51は、例えば、上流側平坦部517、下流側平坦部518、および絞り部519のいずれかが省略されていてもよい。
上述の実施形態では、室内空調ユニット1の空気吹出口に本開示の空気吹出装置50を適用するものを例示したが、空気吹出装置50の適用対象は、これに限定されない。本開示の空気吹出装置50は、車両等の移動体に限らず、家庭用等の設置型の空調ユニットの空気吹出口等にも広く適用可能である。また、本開示の空気吹出装置50は、室内を空調する空調ユニットに限らず、例えば、室内を加湿する加湿機器の空気吹出口や、発熱体等の温度を調整する温調風を吹き出す温調機器の空気吹出口にも適用可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、空気吹出装置は、作動気流となる気流を吹き出す主孔が開口するダクト部を備える。ダクト部のうち主孔の周囲には、作動気流による空気の引き込みを抑制する援護気流を吹き出す補助孔が少なくとも1つ設けられている。ダクト部は、補助孔から吹き出す援護気流の吹出角度を定める角度規定部位の少なくとも1つが、空気流れ上流側から下流側に向けて主孔の中心線から離れる向きに傾斜している。
第2の観点によれば、角度規定部位の少なくとも1つは、主孔の中心線に対する傾斜角が主孔に連なる内壁面と主孔の中心線とのなす角度以上となるように主孔の中心線に対して傾斜している。これによると、補助孔から吹き出す援護気流と主孔から吹き出された作動気流の主流とが交差し難くなるので、援護気流による作動気流の中心付近の乱れが充分に抑制される。
第3の観点によれば、ダクト部は、補助孔を形成する部位の少なくとも一部が主孔を形成する部位よりもダクト部の内側に位置する。
本発明者らの検討によると、作動気流の周囲に生ずる横渦の渦中心は、作動気流の速度境界層の厚みの略中央分に位置し、主孔を形成する部位の内側に生じ易いことが判った。このため、補助孔を形成する部位の少なくとも一部を、主孔を形成する部位よりもダクト部の内側に位置付ける構成とすれば、援護気流によって横渦を乱すことができる。これにより、横渦が発達し難くなるので、主孔から吹き出す作動気流の到達性を充分に向上させることができる。
第4の観点によれば、ダクト部には、主孔の周囲に補助孔が複数設けられている。これによると、援護気流が主孔の下流で作動気流の周囲に生ずる横渦と衝突し易くなり、主孔の下流で横渦が乱れ易くなるので、空気の引き込み作用を充分に抑制することができる。
第5の観点によれば、ダクト部には、角度規定部位が補助孔に対応して複数設けられている。複数の角度規定部位は、空気流れ上流側から下流側に向けて主孔の中心線から離れる向きに傾斜している。これによると、補助孔から吹き出す援護気流と主孔から吹き出された作動気流の主流とが交差し難くなるので、援護気流による作動気流の中心付近の乱れが充分に抑制される。
第6の観点によれば、複数の角度規定部位のうち一部の角度規定部位は、主孔の中心線に対する傾斜角が他の角度規定部位とは異なっている。
ところで、実際の横渦の発達特性は、作動気流の周囲で一様ではなく多様になると考えられる。このため、一部の角度規定部位他の角度規定部位とで主孔の中心線に対する傾斜角を異なるものとすれば、横渦が多様な発達特性を有していても、援護気流によって横渦を乱して空気の引き込み作用を抑制することができる。
第7の観点によれば、ダクト部における主孔の周囲には、主孔の周縁に沿う方向の曲率が所定値となる第1曲率部位および第1曲率部位よりも曲率が小さい第2曲率部位が設けられている。複数の角度規定部位のうち第1曲率部位に設けられた補助孔に対応する部位は、第2曲率部位に設けられた補助孔に対応する部位に比べて、主孔の中心線に対する傾斜角が大きくなっている。
本発明者らの検討によれば、主孔の周囲において曲率が大きい部位では、曲率が小さい部位に比べて、形状変化が大きいことで横渦の発達速度が大きくなり、横渦が作動気流から離れた位置まで拡がり易い傾向があることが判った。このため、曲率が大きい部位の角度規定部位の傾斜角が、曲率が小さい部位の角度規定部位の傾斜角よりも大きくなっていれば、曲率が大きい部位および曲率が小さい部位での横渦の発達を効果的に抑えて空気の引き込み作用を抑制することができる。
50 空気吹出装置
51 ダクト部
510 主流路
512 主孔
515 補助孔
516 角度規定部位

Claims (4)

  1. 空気吹出装置であって、
    気流が通過する主流路(510)を形成するとともに、前記主流路における下流側に位置する部位に作動気流となる気流を吹き出す主孔(512)が開口するダクト部(51)を備え、
    前記ダクト部のうち前記主孔の周囲には、前記作動気流による空気の引き込みを抑制する援護気流を吹き出す補助孔(515)が少なくとも1つ設けられ、
    前記ダクト部は、前記補助孔から吹き出す前記援護気流の吹出角度を定める角度規定部位(516)の少なくとも1つが、空気流れ上流側から下流側に向けて前記主孔の中心線から離れる向きに傾斜しており、
    前記角度規定部位の少なくとも1つは、前記主孔の中心線に対する傾斜角が前記主孔に連なる内壁面と前記主孔の中心線とのなす角度以上となるように前記主孔の中心線に対して傾斜している、空気吹出装置。
  2. 空気吹出装置であって、
    気流が通過する主流路(510)を形成するとともに、前記主流路における下流側に位置する部位に作動気流となる気流を吹き出す主孔(512)が開口するダクト部(51)を備え、
    前記ダクト部のうち前記主孔の周囲には、前記作動気流による空気の引き込みを抑制する援護気流を吹き出す補助孔(515)が少なくとも1つ設けられ、
    前記ダクト部は、前記補助孔から吹き出す前記援護気流の吹出角度を定める角度規定部位(516)の少なくとも1つが、空気流れ上流側から下流側に向けて前記主孔の中心線から離れる向きに傾斜しており、
    前記ダクト部には、前記主孔の周囲に前記補助孔が複数設けられるとともに、前記角度規定部位が前記補助孔に対応して複数設けられており、
    複数の前記角度規定部位は、空気流れ上流側から下流側に向けて前記主孔の中心線から離れる向きに傾斜し、
    複数の前記角度規定部位のうち一部の前記角度規定部位は、前記主孔の中心線に対する傾斜角が他の前記角度規定部位とは異なっている、空気吹出装置。
  3. 空気吹出装置であって、
    気流が通過する主流路(510)を形成するとともに、前記主流路における下流側に位置する部位に作動気流となる気流を吹き出す主孔(512)が開口するダクト部(51)を備え、
    前記ダクト部のうち前記主孔の周囲には、前記作動気流による空気の引き込みを抑制する援護気流を吹き出す補助孔(515)が少なくとも1つ設けられ、
    前記ダクト部は、前記補助孔から吹き出す前記援護気流の吹出角度を定める角度規定部位(516)の少なくとも1つが、空気流れ上流側から下流側に向けて前記主孔の中心線から離れる向きに傾斜しており、
    前記ダクト部には、前記主孔の周囲に前記補助孔が複数設けられ、
    前記ダクト部における前記主孔の周囲には、前記主孔の周縁に沿う方向の曲率が所定値となる第1曲率部位(514c、514d)および前記第1曲率部位よりも曲率が小さい第2曲率部位(514a、514b)が設けられており、
    複数の前記角度規定部位のうち前記第1曲率部位に設けられた前記補助孔に対応する部位は、前記第2曲率部位に設けられた前記補助孔に対応する部位に比べて、前記主孔の中心線に対する傾斜角が大きくなっている、空気吹出装置。
  4. 前記ダクト部は、前記補助孔を形成する部位の少なくとも一部が前記主孔を形成する部位よりも前記ダクト部の内側に位置する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空気吹出装置。
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