各図においてZ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。各図に適宜示す仮想軸である中心軸Jの軸方向は、Z軸方向、すなわち上下方向と平行である。以下の説明においては、中心軸Jの軸方向と平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
本実施形態において、上側は、軸方向一方側に相当し、下側は、軸方向他方側に相当する。なお、上下方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
図1および図2に示すように、本実施形態の流路装置10は、流体Wが流れる流路部20と、流路部20を開閉する電磁弁30と、を備える。流体Wは、特に限定されず、例えば、水である。図1においては、電磁弁30が開き、流路部20内を流体Wが流れる開状態OSを示す。図2においては、電磁弁30が閉じ、流路部20内の流体Wの流れが堰き止められた閉状態CSを示す。電磁弁30は、開状態OSと、閉状態CSと、を切り換え可能である。
本実施形態の流路装置10は、流路システム1に備えられる。流路システム1は、被冷却体5を冷却する冷却システムである。流路システム1は、例えば、車両に搭載される。被冷却体5は、例えば、車両の駆動部である。
流路システム1は、ポンプ部2と、流体冷却部3と、流体タンク4と、被冷却体5と、流路装置10と、を備える。ポンプ部2は、流体タンク4内の流体Wを被冷却体5に送る。流体冷却部3は、流路部20内の流体Wを冷却する。流体冷却部3は、流路部20のうちポンプ部2と被冷却体5との間の部分に設けられる。
流路部20は、第1流路部21と、第2流路部22と、流入部23と、流出部24と、を有する。流入部23は、流体タンク4からポンプ部2まで延びる流路である。流出部24は、被冷却体5から流体タンク4まで延びる流路である。第1流路部21は、ポンプ部2から延びる流路である。第1流路部21には、ポンプ部2によって送られる流体Wが流入する。本実施形態において第1流路部21には、流体冷却部3が設けられる。
第2流路部22は、第1流路部21から被冷却体5まで延びる流路である。第2流路部22は、第1流路部21の上側に位置する。第1流路部21と第2流路部22とは、仕切壁部27によって軸方向に仕切られる。仕切壁部27は、軸方向と直交する方向に延びる壁であり、第1流路部21の上側の壁部の一部と第2流路部22の下側の壁部の一部とを構成する。仕切壁部27は、仕切壁部27を軸方向に貫通する孔部25を有する。すなわち、流路部20は、孔部25を有する。図示は省略するが、孔部25は、例えば、円形の孔である。図1に示す開状態OSにおいては、第1流路部21と第2流路部22とは、孔部25を介して繋がれる。
第2流路部22は、電磁弁30が取り付けられる取付孔26を有する。取付孔26は、第2流路部22の壁部のうち上側の上壁部28に設けられる。取付孔26は、上壁部28を軸方向に貫通する。取付孔26は、孔部25の上側に位置する。図示は省略するが、取付孔26は、例えば、円形の孔である。取付孔26の内径は、孔部25の内径よりも大きい。
なお、本明細書において「第2流路部が第1流路部の上側に位置する」とは、第2流路部のうち第1流路部と孔部を介して繋がる部分が、第1流路部のうち第2流路部と孔部を介して繋がる部分の上側に位置すればよい。すなわち、本明細書において「第2流路部が第1流路部の上側に位置する」とは、第2流路部の一部が第1流路部の上側に位置するような場合も含む。
図1に示すように、開状態OSにおいて、流体タンク4内の流体Wは、ポンプ部2によって、流入部23を介して第1流路部21に流入される。第1流路部21に流入した流体Wは、孔部25を介して、第2流路部22に流入する。第2流路部22に流入した流体Wは、被冷却体5を冷却し、流出部24を介して、流体タンク4に戻る。このように、開状態OSにおいては、流体タンク4と流路部20との間で流体Wが循環し、被冷却体5を流体Wによって冷却することができる。
一方、図2に示すように、閉状態CSにおいては、電磁弁30によって孔部25が閉塞されて第1流路部21と第2流路部22とが遮断される。これにより、第2流路部22に流体Wが流れなくなり、被冷却体5の冷却が停止される。
電磁弁30は、流路部20に固定される。より詳細には、電磁弁30は、取付孔26に取り付けられ、第2流路部22の上壁部28に固定される。図3および図4に示すように、電磁弁30は、本体部40と、筒状部材60と、可動部50と、弾性部材80と、を備える。なお、図3は、開状態OSを示し、図4は、閉状態CSを示す。
図3および図4に示すように、本体部40は、カバー41と、ソレノイド42と、第1磁性部材44aと、第2磁性部材44bと、スペーサ45と、Oリング47a,47bと、を有する。カバー41は、ソレノイド42を収容する。カバー41は、磁性材である。カバー41は、上壁部28に固定される。カバー41は、第1カバー41aと、第2カバー41bと、を有する。
第1カバー41aは、カバー本体41cと、円環板部41dと、保持部41eと、を有する。カバー本体41cは、上側に蓋部を有し下側に開口する筒状である。本実施形態においてカバー本体41cは、中心軸Jを中心とする円筒状である。円環板部41dは、カバー本体41cの下側の端部から径方向外側に広がる。保持部41eは、円環板部41dの径方向外縁部から下側に突出する筒状である。保持部41eの下側の端部は、径方向内側にカシメられている。
第2カバー41bは、板面が軸方向を向く板状である。図5に示すように、第2カバー41bは、第2カバー本体41gと、取付部41hと、を有する。本実施形態において第2カバー本体41gは、中心軸Jを中心とする円板状である。第2カバー本体41gは、保持部41eの径方向内側に嵌め合わされる。図3および図4に示すように、第2カバー本体41gは、第1カバー41aの下側の開口を閉じる。第2カバー本体41gは、第2カバー本体41gの中央部を軸方向に貫通するカバー貫通孔41fを有する。
図5に示すように、取付部41hは、第2カバー本体41gから径方向外側に突出する。取付部41hは、保持部41eよりも径方向外側に突出する。取付部41hは、中心軸Jを径方向に挟んで一対設けられる。取付部41hは、取付部41hを軸方向に貫通する貫通孔41iを有する。取付部41hは、貫通孔41iに上側から通されたボルトが上壁部28に締め込まれることで、上壁部28に固定される。これにより、カバー41が上壁部28に固定される。
図3および図4に示すように、ソレノイド42は、ボビン部42aと、コイル43と、モールド部42bと、を有する。ボビン部42aは、軸方向に延び、軸方向両側に開口する筒状である。本実施形態においてボビン部42aは、中心軸Jを中心とする円筒状である。ボビン部42aの下側の端部は、第2カバー41bと接触する。ボビン部42aの上側の端部は、第1カバー41aの上側の蓋部と接触する。コイル43は、ボビン部42aの外周面に巻き回される。モールド部42bは、ボビン部42aの径方向外側およびコイル43の径方向外側を覆う。
第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、軸方向に延び、軸方向両側に開口する筒状である。本実施形態において第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、中心軸Jを中心とする円筒状である。第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、ボビン部42aの径方向内側に嵌め合わされる。
第1磁性部材44aの下側の端部は、外径が小さくなる小径部44cであり、カバー貫通孔41fに嵌め合わされる。第1磁性部材44aのうち小径部44cと小径部44cよりも上側に位置する部分との間の段差部は、第2カバー41bと接触する。第2磁性部材44bは、第1磁性部材44aの上側に位置する。第2磁性部材44bの上側の端部は、第1カバー41aの上側の蓋部と接触する。第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、磁性材である。
スペーサ45は、軸方向に延び、軸方向両側に開口する筒状である。本実施形態においてスペーサ45は、中心軸Jを中心とする円筒状である。スペーサ45は、第1磁性部材44aと第2磁性部材44bとの軸方向の間に位置する。スペーサ45の軸方向両端部は、各磁性部材と接触する。スペーサ45は、非磁性材である。スペーサ45は、例えば、非磁性の金属製である。
Oリング47a,47bは、周方向に沿った環状である。本実施形態においてOリング47a,47bは、中心軸Jを中心とする円環状である。Oリング47aは、ボビン部42aの上側の端部と第1カバー41aの上側の蓋部との間に位置する。Oリング47aは、ボビン部42aと第1カバー41aとに接触して、ボビン部42aと第1カバー41aとの間を封止する。Oリング47bは、ボビン部42aの下側の端部と第2カバー41bとの間に位置する。Oリング47bは、ボビン部42aと第2カバー41bとに接触して、ボビン部42aと第2カバー41bとの間を封止する。
筒状部材60は、本体部40から下側に延び、下側に開口する筒状である。筒状部材60は、本体部40の下側に固定される。筒状部材60は、取付孔26に嵌め合わされて、上壁部28に固定される。本実施形態において筒状部材60は、例えば、非磁性の金属製である。筒状部材60は、天壁部61と、筒状部材本体62と、を有する。
天壁部61は、板面が軸方向を向く板状である。図示は省略するが、本実施形態において天壁部61は、中心軸Jを中心とする円板状である。天壁部61は、第2カバー本体41gの下側に位置する。天壁部61の上側の面は、第2カバー本体41gの下側の面と接触する。天壁部61の径方向外側の端部は、上壁部28における上側の面のうち取付孔26の周縁部の上側に位置する。天壁部61の径方向外側の端部は、保持部41eの内周面に接触する。天壁部61の径方向外側の端部は、径方向内側にカシメられた保持部41eの下側の端部によって下側から支持される。保持部41eの下側の端部は、第2カバー41bとの軸方向の間に天壁部61を挟み込む。これにより、天壁部61が本体部40に固定され、筒状部材60は、本体部40に固定される。
天壁部61は、天壁部61を軸方向に貫通する貫通孔61bを有する。貫通孔61bは、中心軸Jを中心とする円形状の孔である。貫通孔61bの内径は、カバー貫通孔41fの内径よりも小さい。天壁部61のうち貫通孔61bの周縁部は、カバー貫通孔41fに嵌め合わされた小径部44cと軸方向に隙間を介して対向する。
天壁部61は、天壁部61の上側の面から下側に窪む溝部61aを有する。図示は省略するが、溝部61aは、中心軸Jを囲む環状である。より詳細には、溝部61aは、中心軸Jを中心とする円環状である。溝部61aには、Oリング64が嵌め込まれる。Oリング64は、周方向に沿った環状である。Oリング64は、溝部61aの溝底面と第2カバー本体41gの下側の面とに接触する。これにより、Oリング64は、天壁部61の上側の面と第2カバー41bの下側の面との間を封止する。
筒状部材本体62は、天壁部61から下側に延びる筒状である。本実施形態において筒状部材本体62は、中心軸Jを中心とし、下側に開口する円筒状である。筒状部材本体62の外径は、天壁部61の外径よりも小さい。すなわち、筒状部材本体62の外周面は、天壁部61の径方向外側の端部よりも径方向内側に離れた位置に配置される。筒状部材本体62の内径は、貫通孔61bの内径よりも大きい。すなわち、筒状部材本体62の内周面は、貫通孔61bよりも径方向外側に離れた位置に配置される。
筒状部材本体62は、取付孔26に嵌め合わされる。筒状部材本体62は、筒状部材本体62の外周面から径方向内側に窪む溝部62eを有する。図示は省略するが、溝部62eは、周方向に沿った円環状である。溝部62eは、筒状部材本体62の外周面のうち取付孔26に嵌め合わされる部分に設けられる。溝部62eには、Oリング63が嵌め込まれる。Oリング63は、溝部62eの溝底面と取付孔26の内周面とに接触する。Oリング63は、筒状部材本体62の外周面と取付孔26の内周面との間を封止する。これにより、第2流路部22内の流体Wが取付孔26から外部に漏れることを抑制できる。
筒状部材本体62の上側部分は、筒状部材本体62の下側部分よりも内径が大きくなる拡径部62bである。すなわち、筒状部材60は、拡径部62bを有する。拡径部62bの内周面は、テーパ面62cと、円筒面62dと、を有する。テーパ面62cは、拡径部62bの内周面のうち下側部分である。テーパ面62cにおける拡径部62bの内径は、下側から上側に向かうに従って大きくなる。円筒面62dは、テーパ面62cの上側に繋がる。円筒面62dは、拡径部62bの内周面のうち上側部分である。円筒面62dは、中心軸Jを中心とする円筒状の面である。円筒面62dにおける拡径部62bの内径は、略均一である。筒状部材本体62の下側部分は、後述する筒状ガイド部52bを支持する支持部62aである。
可動部50は、軸方向に延びる中心軸Jに沿って移動可能である。可動部50は、図3に示す開状態OSにおいて最も上側に位置し、図4に示す閉状態CSにおいて最も下側に位置する。可動部50は、図3に示す位置から下側に移動することで、孔部25を閉じて開状態OSを閉状態CSに切り換える。可動部50は、図4に示す位置から上側に移動することで、孔部25を開放して閉状態CSを開状態OSに切り換える。
可動部50は、シャフト部51と、筒状弁体52と、コア部53と、シール部材54と、を有する。シャフト部51は、中心軸Jに沿って延びる。シャフト部51は、本体部40から下側に突出し、筒状部材60の内部に通される。また、シャフト部51は、取付孔26を介して第2流路部22の内部に挿入される。本実施形態においてシャフト部51は、第1シャフト部51aと、第2シャフト部51bと、を有する。第1シャフト部51aと第2シャフト部51bとは、互いに別部材である。
第1シャフト部51aは、軸方向に延びる柱状である。本実施形態において第1シャフト部51aは、中心軸Jを中心とする円柱状である。第1シャフト部51aは、本体部40の内部に位置する。第1シャフト部51aは、第1磁性部材44aの内部とスペーサ45の内部と第2磁性部材44bの内部とに跨って配置される。
第2シャフト部51bは、第1シャフト部51aの下側に位置する。第2シャフト部51bは、第2シャフト部本体51cと、フランジ部51dと、を有する。第2シャフト部本体51cは、軸方向に延びる柱状である。本実施形態において第2シャフト部本体51cは、中心軸Jを中心とする円柱状である。第2シャフト部本体51cの外径は、第1シャフト部51aの外径よりも大きい。
第2シャフト部本体51cは、第1シャフト部51aの下側に位置する。第2シャフト部本体51cの上側の端部は、本体部40の内部に位置する。第2シャフト部本体51cの上側の端部は、第1磁性部材44aの内部に位置する。第2シャフト部本体51cは、天壁部61の貫通孔61bおよび第2カバー41bのカバー貫通孔41fに通される。第2シャフト部本体51cは、貫通孔61bの径方向内側に嵌め合わされ、貫通孔61bの内周面によって軸方向に移動可能に支持される。第2シャフト部本体51cの上側の端部は、第1シャフト部51aの下側の端部と接触可能である。本実施形態では、少なくとも開状態OSと閉状態CSとにおいて、第2シャフト部本体51cの上側の端部は、第1シャフト部51aの下側の端部と接触する。
第2シャフト部本体51cの下側部分は、本体部40の内部から下側に突出し、取付孔26を介して第2流路部22の内部に挿入される。第2シャフト部本体51cの一部は、筒状部材60の内部に挿入される。第2シャフト部本体51cの下側の端部は、筒状部材60よりも下側に突出する。図3に示すように、本実施形態において第2シャフト部本体51cの下側の端部は、開状態OSにおいて、第2流路部22の内部に位置する。図4に示すように、本実施形態において第2シャフト部本体51cの下側の端部は、閉状態CSにおいて、孔部25の内部に位置する。
第2シャフト部本体51cは、大径部51fと、小径部51eと、を有する。小径部51eは、大径部51fの下側の端部に繋がる。小径部51eの下側の端部は、第2シャフト部本体51cの下側の端部である。小径部51eの軸方向の寸法は、大径部51fの軸方向の寸法よりも小さい。大径部51fの外径は、小径部51eの外径よりも大きい。大径部51fの上側の端部は、第2シャフト部本体51cの上側の端部である。図6に示すように、大径部51fと小径部51eとの軸方向の間には、段差部51gが設けられる。
図3および図4に示すように、フランジ部51dは、第2シャフト部本体51cの上側の端部から径方向外側に突出する。すなわち、本実施形態においてフランジ部51dは、大径部51fの上側の端部から径方向外側に突出する。本実施形態においてフランジ部51dは、中心軸Jを中心とする円環状である。フランジ部51dは、第1磁性部材44aの内部に位置する。フランジ部51dの外径は、カバー貫通孔41fの内径よりも小さく、貫通孔61bの内径よりも大きい。
筒状弁体52は、シャフト部51に取り付けられ、孔部25を開閉可能な弁体である。電磁弁30は、筒状弁体52が軸方向に移動して、孔部25を開閉することで、開状態OSと閉状態CSとを切り換えることができる。本実施形態において筒状弁体52は、上側に開口し下側に蓋部52aを有する筒状の部材である。筒状弁体52は、例えば、非磁性の金属製である。筒状弁体52は、蓋部52aと、筒状ガイド部52bと、を有する。
蓋部52aは、孔部25を開閉可能な部分である。蓋部52aは、径方向に広がる。本実施形態において蓋部52aは、シャフト部51の小径部51eから径方向外側に広がる。本実施形態において蓋部52aは、中心軸Jを中心とし、軸方向に扁平な円柱状である。蓋部52aは、筒状部材60の下側に位置する。蓋部52aの外径は、筒状部材本体62の内径よりも大きく、筒状部材本体62の外径よりも小さい。蓋部52aの径方向外縁部は、筒状部材本体62の下側に位置し、筒状部材本体62と軸方向に隙間を介して対向する。
図6に示すように、蓋部52aは、蓋部52aを軸方向に貫通する挿入孔52eを有する。挿入孔52eは、例えば、円形状の孔である。挿入孔52eには、シャフト部51が軸方向に通される。本実施形態において挿入孔52eには、小径部51eが軸方向に通される。小径部51eは、挿入孔52eに上側から挿入されて、蓋部52aよりも下側に突出する。
挿入孔52eの内径は、小径部51eの外径よりも大きく、大径部51fの外径よりも小さい。小径部51eの外周面と挿入孔52eの内周面との間には、隙間G1が設けられる。すなわち、シャフト部51の外周面と挿入孔52eの内周面との間には、隙間G1が設けられる。隙間G1は、シャフト部51と蓋部52aとの径方向の相対移動を許容可能である。すなわち、シャフト部51の小径部51eと蓋部52aとは、隙間G1の範囲内において径方向に相対移動可能である。
図6においては、例えば、シャフト部51および蓋部52aの両方が中心軸Jを中心として同軸に配置され、小径部51eの周囲の全周に亘って隙間G1が設けられる状態を示す。なお、例えば、図6に示す状態から、シャフト部51と蓋部52aとが径方向に相対移動して、小径部51eの外周面と挿入孔52eの内周面とが一部分において接触してもよい。この状態において隙間G1は、小径部51eの周囲の一部のみに設けられる。
蓋部52aの上側の面のうち挿入孔52eの周縁部は、大径部51fの下側の端部と軸方向に対向する。本実施形態において大径部51fは、挿入孔52eよりも上側に位置し、蓋部52aの上側の面と軸方向に対向する第1抜止部に相当する。すなわち、本実施形態においてシャフト部51には、第1抜止部として大径部51fが設けられる。本実施形態において第1抜止部である大径部51fは、シャフト部51のうち、外径が挿入孔52eに挿入された小径部51eよりも大きい部分である。本実施形態において蓋部52aの上側の面のうち挿入孔52eの周縁部は、段差部51gの段差面と軸方向に対向する。段差部51gの段差面は、下側を向く面であり、軸方向と直交する平坦面である。
挿入孔52eに通された小径部51eのうち挿入孔52eよりも下側に突出する部分には、止め輪71が取り付けられる。すなわち、シャフト部51には、止め輪71が取り付けられる。本実施形態において止め輪71は、小径部51eの外周面に設けられた溝51hに嵌め込まれる。溝51hは、周方向に沿った円環状の溝である。止め輪71は、例えば、Cリングである。
止め輪71は、小径部51eから径方向外側に突出する。止め輪71の外径は、小径部51eの外径および挿入孔52eの内径よりも大きい。止め輪71は、蓋部52aの下側に位置する。止め輪71は、蓋部52aの下側の面のうち挿入孔52eの周縁部と軸方向に対向する。本実施形態において止め輪71は、挿入孔52eよりも下側に位置し、蓋部52aの下側の面と軸方向に対向する第2抜止部に相当する。すなわち、本実施形態においてシャフト部51には、第2抜止部として止め輪71が設けられる。
シャフト部51に第1抜止部としての大径部51fと第2抜止部としての止め輪71とが設けられることで、シャフト部51が挿入孔52eから軸方向に抜けることが抑制される。これにより、蓋部52aは、シャフト部51とともに軸方向に移動可能にシャフト部51に連結される。本実施形態において大径部51fと蓋部52aとの間および止め輪71と蓋部52aとの間の少なくとも一方には、隙間G2が設けられる。図6では、止め輪71と蓋部52aとの間に隙間G2が設けられ、大径部51fと蓋部52aとが接触する状態について示す。
隙間G2は、シャフト部51と蓋部52aとの軸方向の相対移動を許容可能である。すなわち、シャフト部51の第2シャフト部51bと蓋部52aとは、隙間G2の範囲内において軸方向に相対移動可能である。例えば、図6に示す状態から、シャフト部51と蓋部52aとが軸方向に相対移動して、止め輪71と蓋部52aとが接触してもよい。この場合、隙間G2は、大径部51fと蓋部52aとの間に設けられる。なお、シャフト部51と蓋部52aとが軸方向に相対移動して、大径部51fと蓋部52aとの間および止め輪71と蓋部52aとの間の両方に隙間G2が設けられてもよい。
以上のように、隙間G1および隙間G2が設けられることで、シャフト部51と蓋部52aとの連結部70においては、シャフト部51と蓋部52aとの径方向の相対移動およびシャフト部51と蓋部52aとの軸方向の相対移動が許容される。本実施形態において連結部70は、シャフト部51のうち小径部51eと、蓋部52aのうち挿入孔52eが設けられた部分と、を含む。
図3および図4に示すように、蓋部52aは、蓋部52aを軸方向に貫通する接続孔52cを有する。接続孔52cは、挿入孔52eの径方向外側に位置する。接続孔52cは、筒状部材本体62の内周面よりも径方向内側に位置する。図5に示すように、接続孔52cは、円形状の孔である。本実施形態において接続孔52cは、複数設けられる。複数の接続孔52cは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。複数の接続孔52cは、中心軸Jを囲む。接続孔52cは、例えば、6つ設けられる。
蓋部52aは、蓋部52aの下側の面から上側に窪む溝52fを有する。溝52fは、複数の接続孔52cよりも径方向外側に位置する。溝52fは、蓋部52aの径方向外縁部に設けられる。溝52fは、周方向に沿った環状である。溝52fは、例えば、中心軸Jを中心とする円環状である。
図3および図4に示すように、筒状ガイド部52bは、蓋部52aから上側に延びる。本実施形態において筒状ガイド部52bは、中心軸Jを中心とし、上側に開口する円筒状である。筒状ガイド部52bの外周面は、蓋部52aの径方向外側の端部よりも径方向内側に位置する。筒状ガイド部52bの内周面は、複数の接続孔52cよりも径方向外側に位置する。筒状ガイド部52bは、例えば、軸方向に見て、孔部25の縁部および溝52fと重なる。筒状ガイド部52bは、第2シャフト部51bを囲む。
本実施形態において筒状ガイド部52bは、筒状部材60の径方向内側に位置する。筒状ガイド部52bは、筒状部材60の径方向内側において、筒状部材60に対して軸方向に移動可能に嵌め合わされる。より詳細には、筒状ガイド部52bは、筒状部材60のうち支持部62aに嵌め合わされ、支持部62aの内周面によって軸方向に移動可能に支持される。筒状ガイド部52bは、筒状部材60に対して滑りながら軸方向に移動可能である。本実施形態において筒状ガイド部52bは、支持部62aの内周面に対して滑りながら軸方向に移動可能である。
なお、本明細書において「筒状ガイド部が筒状部材に対して滑りながら軸方向に移動可能である」とは、筒状ガイド部のうち筒状部材と径方向に対向する部分の少なくとも一部が、筒状部材と接触した状態で軸方向に移動可能であればよい。すなわち、本実施形態において「筒状ガイド部52bが筒状部材60に対して滑りながら軸方向に移動可能である」とは、筒状ガイド部52bの外周面の少なくとも一部が支持部62aの内周面と接触した状態で、筒状ガイド部52bが軸方向に移動可能であればよい。
本実施形態において筒状ガイド部52bは、外周面のうち周方向の一部が、支持部62aの内周面と接触した状態で軸方向に移動する。筒状ガイド部52bの外周面のうち支持部62aの内周面と接触しない周方向部分と、支持部62aの内周面との間には、僅かな隙間が設けられる。すなわち、筒状ガイド部52bと筒状部材60との径方向の間には隙間が設けられる。この隙間は、流体Wを通過させない程度に狭い隙間である。
筒状ガイド部52bの上側の端部は、天壁部61の下側に離れて配置される。筒状ガイド部52bの上側の端部は、拡径部62bと隙間を介して径方向に対向する。図3に示すように、可動部50が最も上側に位置する開状態OSにおいて、筒状ガイド部52bの上側の端部は、円筒面62dの径方向内側に位置し、円筒面62dと径方向に隙間を介して対向する。図4に示すように、可動部50が最も下側に位置する閉状態CSにおいて、筒状ガイド部52bの上側の端部は、テーパ面62cの径方向内側に位置し、テーパ面62cと径方向に隙間を介して対向する。このように、筒状ガイド部52bの上側の端部は、可動部50が軸方向のいずれの位置にある状態であっても、拡径部62bと隙間を介して径方向に対向する。
シール部材54は、蓋部52aの下側の面に配置される。本実施形態においてシール部材54は、溝52fに嵌め込まれて固定される。図5に示すように、シール部材54は、接続孔52cよりも径方向外側において中心軸Jを囲む環状である。本実施形態においてシール部材54は、中心軸Jを中心とする円環状である。シール部材54は、例えば、ゴム等を材料とする弾性部材である。シール部材54は、基部54aと、突起部54bと、を有する。
基部54aは、溝52fに嵌め込まれて固定される円環状の部分である。突起部54bは、基部54aから下側に突出する環状の部分である。本実施形態において突起部54bは、中心軸Jを中心とする円環状である。突起部54bは、例えば、基部54aの径方向外側の端部から下側に突出する。図4に示すように、突起部54bは、閉状態CSにおいて、仕切壁部27の上側の面のうち孔部25の周縁部に接触する。これにより、シール部材54は、閉状態CSにおいて、蓋部52aの径方向外縁部と孔部25の周縁部との間を封止する。突起部54bは、閉状態CSにおいて、軸方向に圧縮弾性変形した状態となる。
コア部53は、軸方向に延びる。本実施形態においてコア部53は、中心軸Jを中心とする円筒状である。コア部53は、第1シャフト部51aの外周面に嵌め合わされて固定される。コア部53は、第2磁性部材44bの径方向内側に嵌め合わされ、第2磁性部材44bの内周面によって軸方向に移動可能に支持される。コア部53は、磁性材である。
可動部50は、第1受圧面52dと、第2受圧面52gと、をさらに有する。第1受圧面52dは、上側を向き、軸方向と直交する平坦面である。第1受圧面52dは、蓋部52aの上側の面の一部である第1部分52hと、筒状ガイド部52bの上側の端面である第2部分52iと、を有する。すなわち、本実施形態において蓋部52aは、第1受圧面52dの少なくとも一部を有する。本実施形態において第1受圧面52dは、第1部分52hと第2部分52iとからなる。第1部分52hと第2部分52iとは、例えば、いずれも軸方向と直交する平坦面である。第1部分52hは、蓋部52aの上側の面のうち筒状ガイド部52bよりも径方向内側に位置する部分である。本実施形態において第1受圧面52dは、後述する収容部90の内側面の一部を構成する受圧面に相当する。図4に示すように、第1受圧面52dは、閉状態CSにおいて、収容部90に収容された流体Wの圧力によって下側向きの流体力Fw1を受ける。
第2受圧面52gは、下側を向き、閉状態CSにおいて第1流路部21に露出する面である。第2受圧面52gは、蓋部52aの下側の面の一部と、シール部材54の下側の面の一部と、を含む。より詳細には、第2受圧面52gは、蓋部52aの下側の面のうち閉状態CSにおいて孔部25の縁部よりも径方向内側に位置する部分と、シール部材54の基部54aにおける下側の面のうち突起部54bよりも径方向内側に位置する部分と、を含む。第2受圧面52gは、閉状態CSにおいて、第1流路部21内の流体Wの圧力によって上側向きの流体力Fw2を受ける。
第1受圧面52dの面積と第2受圧面52gの面積とは、例えば、互いに同じである。本明細書において「第1受圧面52dの面積と第2受圧面52gの面積とが、互いに同じである」とは、第1受圧面52dの面積と第2受圧面52gの面積とが厳密に同じである場合に加えて、第1受圧面52dの面積と第2受圧面52gの面積とが略同じである場合も含む。なお、第1受圧面52dの面積と第2受圧面52gの面積とは、互いに異なっていてもよい。本実施形態において第1受圧面52dの面積とは、第1部分52hの面積と第2部分52iの面積との和である。
本実施形態において弾性部材80は、軸方向に延びるコイルスプリングである。弾性部材80には、第2シャフト部本体51cが通される。弾性部材80は、第1磁性部材44aの径方向内側に位置し、第2シャフト部本体51cの上側部分を囲む。弾性部材80の下側の端部は、カバー貫通孔41fに挿入され、天壁部61の上側の面に接触する。弾性部材80の上側の端部は、フランジ部51dに下側から接触する。これにより、弾性部材80は、フランジ部51dを介して、可動部50に上側向きの弾性力Fsを加える。
図3に示す開状態OSからソレノイド42のコイル43に電流を供給すると、コイル43の径方向内側に上側から下側に向かう磁界が生じる。これにより、磁束が、第2磁性部材44b、コア部53、第1磁性部材44a、第2カバー41b、カバー本体41cを順に通り、カバー本体41cの上側の蓋部から第2磁性部材44bに戻る磁気回路が生じる。この磁気回路によって、コア部53は、下側向きの電磁力Fmを受ける。そのため、コア部53および第1シャフト部51aが下側に移動し、かつ、第1シャフト部51aに上側から押されて、第2シャフト部51bも下側に移動する。このようにして、ソレノイド42は、可動部50を軸方向に移動させることができる。図4に示すように、可動部50が下側に移動することで、筒状弁体52が孔部25を閉塞し、開状態OSから閉状態CSへと切り換えられる。
一方、閉状態CSにおいて、ソレノイド42のコイル43への電流供給を停止すると、上述した磁気回路が消失し、コア部53に生じた電磁力Fmも消失する。これにより、筒状弁体52が第1流路部21内の流体Wから受ける上側向きの流体力Fw2と、フランジ部51dが弾性部材80から受ける上側向きの弾性力Fsとによって、第2シャフト部51bおよび筒状弁体52が上側に移動し、孔部25が開放される。したがって、閉状態CSから開状態OSへと切り換えられる。なお、このとき、第1シャフト部51aおよびコア部53も、第2シャフト部51bによって押されて、上側に移動する。
以上のように、電磁弁30は、ソレノイド42のコイル43への電流の供給と停止とを切り換えることで、孔部25を開閉し、開状態OSと閉状態CSとを切り換えることができる。
閉状態CSにおいては、蓋部52aによって孔部25が閉じられる。このとき、蓋部52aは、下側の面に配置されたシール部材54の突起部54bを介して間接的に、孔部25の周縁部に接触する。すなわち、本実施形態の閉状態CSにおいて、蓋部52aは、孔部25の周縁部と直接的には接触しない。なお、本明細書において「孔部が閉じられる」とは、孔部を介した第1流路部から第2流路部への流体の流れが遮断される状態となればよい。
電磁弁30は、収容部90をさらに備える。本実施形態において収容部90は、筒状弁体52と筒状部材60とによって構成される。本実施形態において収容部90の内部は、筒状弁体52の内部と筒状部材60の内部とからなる。収容部90は、第1流路部21を流れる流体Wを収容可能である。図4に示すように、閉状態CSにおいて収容部90の内部は、シール部材54による封止、および筒状ガイド部52bと筒状部材60との嵌め合いによる封止によって、第2流路部22と遮断される。すなわち、収容部90の内部の一部を構成する筒状弁体52の内部は、閉状態CSにおいて第2流路部22と遮断される。
図3および図4に示すように、収容部90の容積は、開状態OSと閉状態CSとで変化する。閉状態CSにおける収容部90の容積は、開状態OSにおける収容部90の容積よりも大きい。
図4に示すように、接続孔52cは、閉状態CSにおいて第1流路部21と収容部90の内部とを繋ぐ。より詳細には、接続孔52cは、閉状態CSにおいて第1流路部21と筒状弁体52の内部とを繋ぐ。そのため、図4に示す閉状態CSにおいて、接続孔52cを介して、収容部90内に第1流路部21から流体Wが流入した状態となる。これにより、閉状態CSにおいて収容部90の内部は、第1流路部21から接続孔52cを介して流入した流体Wを収容可能である。すなわち、収容部90の内部の一部を構成する筒状弁体52の内部は、閉状態CSにおいて、第1流路部21から接続孔52cを介して流入した流体Wを収容可能である。
収容部90に流体Wが収容されることで、閉状態CSにおいては、収容部90内の流体Wの圧力によって、筒状弁体52の第1受圧面52dには下側向きの流体力Fw1が加えられる。したがって、第1流路部21内の流体Wの圧力によって筒状弁体52の第2受圧面52gに加えられる流体力Fw2の少なくとも一部を、流体力Fw1によって相殺することができる。そのため、筒状弁体52によって孔部25を閉じて、閉状態CSに維持するために必要な電磁弁30の出力を小さくできる。これにより、電磁弁30を小型化できる。
また、例えば、孔部25の開口面積が大きいほど、開状態OSにおいて第1流路部21から第2流路部22へと流れる流体Wの損失を小さくできる。しかし、一方で、孔部25の開口面積が大きいほど、筒状弁体52の第2受圧面52gに加えられる流体力Fw2が大きくなる。そのため、従来では、流体Wの損失を抑えようとして孔部25の開口面積を大きくすると、電磁弁の出力を大きくする必要があり、電磁弁が大型化する場合があった。
これに対して、本実施形態によれば、上述したように、閉状態CSを維持するために必要な電磁弁30の出力を小さくできる。そのため、電磁弁30の出力を変えずに、従来よりも大きい流体力Fw2に抗して閉状態CSを維持できる。これにより、電磁弁30を大型化することなく、孔部25の開口面積を従来よりも大きくでき、流路部20を流れる流体Wの損失を低減できる。
なお、本実施形態において電磁弁30の出力とは、電磁力Fmである。本実施形態の閉状態CSは、電磁力Fmと流体力Fw1との合計が、流体力Fw2と弾性部材80からの弾性力Fsとの合計よりも大きいことで維持される。
また、本実施形態によれば、筒状弁体52の筒状ガイド部52bは、筒状部材60に軸方向に移動可能に嵌め合わされる。このように筒状の部材同士が嵌め合わされるため、筒状ガイド部52bと筒状部材60とが互いに嵌め合わされる部分の軸方向の寸法を大きくできる。これにより、筒状ガイド部52bと筒状部材60との径方向の間を流体Wが通りにくくでき、筒状ガイド部52bと筒状部材60との径方向の間の封止性を向上できる。したがって、閉状態CSにおいて収容部90内の流体Wが、筒状ガイド部52bと筒状部材60との径方向の間から第2流路部22に漏れることを抑制できる。そのため、閉状態CSにおいて、収容部90内に流体Wが収容された状態を好適に維持できる。これにより、閉状態CSに維持するために必要な電磁弁30の出力を小さくしつつ、閉状態CSを好適に維持できる。
また、筒状ガイド部52bと筒状部材60とが互いに嵌め合わされる部分の軸方向の寸法を大きくできることで、筒状部材60に対して軸方向に移動する筒状ガイド部52bが軸方向に対して斜めに傾いた場合であっても、筒状ガイド部52bの上側の端部が筒状部材60の内周面に引っ掛かることを抑制できる。そのため、筒状ガイド部52bが筒状部材60の径方向内側で固定されることを抑制でき、筒状ガイド部52bの軸方向の移動が阻害されることを抑制できる。これにより、可動部50の軸方向の移動が阻害されることを抑制でき、電磁弁30の信頼性を向上できる。
また、本実施形態によれば、筒状ガイド部52bは、筒状部材60に対して滑りながら軸方向に移動可能である。そのため、筒状ガイド部52bと筒状部材60との径方向の隙間を十分に小さくしやすく、筒状ガイド部52bと筒状部材60との間の封止性をより向上できる。これにより、閉状態CSをより好適に維持できる。
また、本実施形態によれば、筒状ガイド部52bは、筒状部材60の径方向内側に位置する。そのため、筒状部材60を取付孔26に嵌め合わせて、Oリング63によって筒状部材60と取付孔26との間を封止しつつ、筒状ガイド部52bを筒状部材60に嵌め合わせることができる。
また、本実施形態によれば、筒状ガイド部52bの上側の端部は、内径が大きくなる拡径部62bと隙間を介して対向する。そのため、筒状ガイド部52bが軸方向に対して斜めに傾いた場合であっても、筒状ガイド部52bの上側の端部が、筒状部材60の内周面に接触することを抑制できる。これにより、筒状ガイド部52bの上側の端部が筒状部材60の内周面に引っ掛かることを抑制でき、筒状ガイド部52bの軸方向の移動が阻害されることを抑制できる。したがって、可動部50の軸方向の移動が阻害されることをより抑制でき、電磁弁30の信頼性をより向上できる。
また、本実施形態によれば、接続孔52cは、複数設けられる。そのため、接続孔52cを介して収容部90内へ流体Wを流入しやすくでき、かつ、接続孔52cを介して収容部90内から流体Wを排出しやすくできる。そのため、可動部50が軸方向に移動して流体Wが収容部90内に対して流入出する際に、蓋部52aが流体Wから軸方向の抵抗を受けにくくできる。これにより、可動部50を軸方向に移動させやすくできる。
また、本実施形態によれば、複数の接続孔52cは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。そのため、可動部50が軸方向に移動する際に、蓋部52aが流体Wから受ける力を周方向において均等にしやすい。これにより、蓋部52aが軸方向に対して斜めに傾くことを抑制できる。
また、本実施形態によれば、接続孔52cよりも径方向外側において中心軸Jを囲む環状のシール部材54が、蓋部52aの下側の面に配置される。そのため、シール部材54によって、蓋部52aと孔部25の周縁部との間を好適に封止できる。これにより、閉状態CSにおいて、蓋部52aと孔部25の周縁部との間を介して流体Wが第1流路部21から第2流路部22に漏れることを好適に抑制できる。したがって、閉状態CSを好適に維持できる。
また、本実施形態によれば、シール部材54は、下側に突出する環状の突起部54bを有する。そのため、閉状態CSにおいて突起部54bを孔部25の周縁部と接触させることで、蓋部52aと孔部25の周縁部との間を封止できる。このとき、可動部50に加えられる下側向きの力は、突起部54bに集中して加えられ、突起部54bを孔部25の周縁部に押し付ける。そのため、突起部54bが設けられない場合に比べて、シール部材54をより強く孔部25の周縁部に押し付けることができる。これにより、電磁弁30の出力を比較的小さくしても、シール部材54を好適に孔部25の周縁部に押し付けることができる。したがって、電磁弁30を小型化しつつ、閉状態CSを好適に維持できる。
また、本実施形態によれば、シャフト部51と蓋部52aとの連結部70において、シャフト部51と蓋部52aとの径方向の相対移動およびシャフト部51と蓋部52aとの軸方向の相対移動が許容される。そのため、組立公差等によりシャフト部51と蓋部52aとの相対位置がずれても、連結部70においてシャフト部51と蓋部52aとのずれを吸収できる。また、シャフト部51と蓋部52aとの相対的な傾きも許容できる。これにより、例えば、シャフト部51が軸方向に対して傾く等により連結部70におけるシャフト部51の位置がずれても、蓋部52aの位置が孔部25に対してずれることを抑制できる。したがって、蓋部52aによって孔部25を好適に開閉でき、閉状態CSにおける孔部25の封止性を向上できる。また、軸方向と直交する方向に流体Wから力を受ける等によって蓋部52aが軸方向に対して傾いた場合であっても、シャフト部51が傾くことを抑制できる。そのため、蓋部52aからシャフト部51に応力が加えられることを抑制でき、可動部50の軸方向の移動が阻害されることを抑制できる。これにより、蓋部52aが傾いていても、シャフト部51によって好適に蓋部52aを軸方向に移動させることができ、開状態OSと閉状態CSとを好適に切り換えられる。
また、本実施形態によれば、シャフト部51と蓋部52aとは、挿入孔52eに通されたシャフト部51に第1抜止部である大径部51fと第2抜止部である止め輪71とが設けられることで連結される。そして、シャフト部51の外周面と挿入孔52eの内周面との間には、シャフト部51と蓋部52aとの径方向の相対移動を許容可能な隙間G1が設けられ、大径部51fと蓋部52aとの間および止め輪71と蓋部52aとの間の少なくとも一方には、シャフト部51と蓋部52aとの軸方向の相対移動を許容可能な隙間G2が設けられる。そのため、シャフト部51と蓋部52aとを簡易な構造で連結しつつ、隙間G1,G2の範囲内でシャフト部51と蓋部52aとのずれを吸収することができる。
また、本実施形態によれば、第2抜止部がシャフト部51に取り付けられた止め輪71である。そのため、第2抜止部を容易に設けることができる。また、本実施形態によれば、第1抜止部は、シャフト部51のうち、外径が挿入孔52eに挿入された部分よりも大きい大径部51fである。そのため、第1抜止部と第2抜止部との両方を止め輪にする場合に比べて、電磁弁30の部品点数を少なくできる。また、挿入孔52eに小径部51eを通した後に、止め輪71を小径部51eに取り付けることで、蓋部52aを容易にシャフト部51に連結できる。これにより、電磁弁30の組み立てを容易にできる。
また、本実施形態によれば、第1受圧面52dの面積と第2受圧面52gの面積とは、互いに同じである。そして、閉状態CSにおいて収容部90と第1流路部21とは接続孔52cを介して互いに繋がっているため、収容部90内の流体Wの圧力と、第1流路部21内の流体Wの圧力とは、ほぼ同じである。これにより、第1受圧面52dに加えられる流体力Fw1の大きさと、第2受圧面52gに加えられる流体力Fw2の大きさと、をほぼ同じにできる。したがって、第2受圧面52gに加えられる上側向きの流体力Fw2を、流体力Fw1によってほぼ相殺できる。そのため、閉状態CSを維持するために必要な電磁弁30の出力をより小さくできる。これにより、電磁弁30をより小型化できる。
また、本実施形態によれば、第1受圧面52dは、平坦な面である。そのため、収容部90内の流体Wから下側向きの流体力Fw1を安定して受けやすい。これにより、閉状態CSを維持するために必要な電磁弁30の出力をより小さくしやすく、電磁弁30をより小型化できる。
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成を採用することもできる。筒状ガイド部は、筒状部材の径方向外側において、筒状部材に対して軸方向に移動可能に嵌め合わされてもよい。この場合、例えば、筒状部材の天壁部と流路部の上壁部との間にOリングを配置する等により、筒状部材と流路部との間を封止してもよい。筒状部材は、拡径部を有しなくてもよい。
弁体は、筒状弁体でなくてもよい。すなわち、弁体は、筒状ガイド部を有しなくてもよい。この場合、例えば、蓋部が筒状部材の径方向内側に嵌め合わされ、軸方向に移動可能に配置されてもよい。この構成では、例えば、筒状部材の下側の端部が流路部の仕切壁部の上面に接触し、筒状部材と仕切壁部との間が封止される。また、この構成では、例えば、筒状部材は、開状態において第1流路部と第2流路部とを繋ぐ孔を有し、当該孔は、蓋部によって開閉される。
蓋部に設けられたシール部材は、突起部を有しなくてもよい。蓋部には、シール部材が設けられなくてもよい。接続孔の数は、特に限定されない。接続孔は、1つのみ設けられてもよい。接続孔の形状は、特に限定されない。
シャフト部と蓋部との連結構造は、連結部においてシャフト部と蓋部との径方向の相対移動およびシャフト部と蓋部との軸方向の相対移動が許容されるならば、特に限定されない。第1抜止部と第2抜止部とは、両方が止め輪であってもよい。第1抜止部は、止め輪であってもよい。第2抜止部は、シャフト部のうち、外径が挿入孔に挿入された部分よりも大きい部分であってもよい。シャフト部と蓋部とは、弾性部材を介して連結されてもよい。この場合、弾性部材が弾性変形することによって、シャフト部と蓋部との連結部において、シャフト部と蓋部との径方向の相対移動およびシャフト部と蓋部との軸方向の相対移動が許容されてもよい。また、シャフト部と蓋部とは、ボールジョイントを介して連結されてもよい。この場合においても、シャフト部と蓋部との連結部において、シャフト部と蓋部との径方向の相対移動およびシャフト部と蓋部との軸方向の相対移動が許容される。
なお、上述した実施形態の電磁弁および流路装置の用途は、特に限定されない。また、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲において、適宜組み合わせることができる。