JP2021017045A - トナー画像転写方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着層シートBの接着層を受像シートA上の画像に転移させてから布地へ転写するトナー画像転写法では、精密な転写と温度管理が難しい問題があった。【解決手段】 受像シートA側の画像形成面を離型層でなく水溶性層とすることで、接着層シートBから受像シートA側への接着層の転移と、受像シートAから布地への画像部転写の両方の作業を、容易に、精密に出来るようにした。また、受像シートAを生地面から剥がす水分付与に蒸気分散手法を活用することで、水溶性層を溶かす作業を簡略化出来た。【選択図】図1
Description
本発明は、トナー画像を布地面に転写する転写方法に関する。
熱転写シートにトナー画像を形成してこれをTシャツ等の布地面に転写する手法において、Tシャツ布地が濃色であっても画像下層に白色の接着層を加えて画像が鮮明に見えるよう転写する手法がある。白色のポリウレタン樹脂層上にトナー画像を正像で形成して、基材を除くポリウレタン樹脂層だけに切れ目を入れ不要部分を離型紙から引き剥がして除き、残った転写したい部分だけをアプリケーションテープで拾い上げて布地に移載して熱圧着させる特許文献1の手法が一例である。画像に沿ってカッティングをして行くが、画像輪郭部に刃先を完璧に位置合わせするのは難しく、画像の周囲に白色層がはみ出る問題がある。又、カッティング装置が必要になることも敬遠される理由である。
特許文献2は、基材、離型層、PVA層かポリエステル樹脂層、の三層から成る受像シートと、基材、離型層、接着層、色彩層の四層から成る接着層シートを用い、何れかのシート面にトナー画像を形成し、AB両シートを重ね合わせて加熱プレスした後で剥すことで、受像シートのトナー画像上にのみ剥離した接着層シートの色彩層と接着層の二層を転移させる手法である。色彩層の色を白色とすれば下地の色の影響を制限できるので濃色面への転写にも使用できる。この受像シートをTシャツに載せて貼り合わせて、PVA層かポリエステル樹脂層を残して受像シートを剥し取り、さらに再加熱プレス後にPVAフィルムかポリエステル樹脂フィルムを剥がすことで画像がTシャツに転写される。熱プレス作業二回と貼り合わせ作業一回を必要とする、カッティング工程を不要とするトナー画像の転写手法である。
一方、特許文献3は、水溶性層を有するシート上に無機顔料トナー画像を形成してタイルなどの窯業製品に画像を転写する手法である。画像を覆うようシート面にスプレーなどの手法で樹脂フィルム層を形成しておけば、このシートを水中に浸漬して水溶性層を溶解させても、画像はばらばらにならずに樹脂フィルム層に付着したまま浮遊する。この樹脂フィルム層を陶磁器製品に貼り付け、後に焼成すると、樹脂フィルム層は蒸発して無機顔料画像が残る。
以上に述べたように、特許文献2のような手法を採れば、濃色Tシャツ布地への転写において、接着層シートからトナー画像部分のみに接着層、白色層(以下、白色接着層)を転移させることが出来、カッティング工程を省いて画像転写が可能になるが、カッティングと同様のシャープな輪郭で白色接着層をちぎり取るのが難しい。シャープな輪郭とは例えば、画像にVの字型の鋭角の切れ込みがある場合に、Uの字型に切れ取られないようにすることである。
トナー画像部分への白色接着層転移は、トナー画像と白色接着層を重ね合わせて140℃程度で熱プレスした後に、放置時間を取って温度を下降させると、素早く硬化するトナー画像に白色層が付着する一方、硬化の遅い接着層が離型層から離れて白色層と共に受像シート側に移るということで起こる。この白色接着層転移工程において、白色接着層がシャープに切れない問題が起こるのだが、原因は、熱プレス後の時間とともにゆっくりではあるが硬化を始める接着層の引き裂き強度が高まってくることである。輪郭のシャープさ以外にも、白色接着層転移不良、トナー画像一部の白色接着層側への逆転移などの問題も起こっている。温かいうちに剥がすので、AB両シート引き剥がし時に保たれている温度によって結果がばらつくのである。熱プレス後の厳密な作業時間管理は難しく、このような問題が起こり易い。
ここでさらに取り上げなければならない問題は、布地などの素材側からPVAかポリエステル樹脂フィルムを引き剥がす際の問題である。フィルムを布地に当てがって140℃〜160℃で熱プレスして接着し、その後フィルムを布地から剥がすが、温度が高目だと、軟化している接着層が層間剥離状態で剥がれてしまう。温度が低過ぎれば、硬化したトナー画像とフィルムの接着力が強まり、布地側に残るべきトナー画像一部を剥がしてしまう。温度が適正範囲を超えると、このような問題が起こる。特に、鋭角に尖った画像エッジ先端から剥がそうとすると、布地に残るべき画像エッジが白色層とともに受像シート側に付いて来たりする。上記した問題はすべて、受像シート、接着層シートの両方に離型層を持たせた従来シートが基本的に抱える欠点から生じている。
基材、離型層の二層から成る受像シートへも画像形成できるが、PVA層かポリエステル樹脂層を設けて三層としているのは、PVA層もポリエステル樹脂層も過熱状態ならトナー画像に対して離型性を発現するからと思われる。PVA層もポリエステル樹脂層を挟んでも、その下に剥離層があるので、不安定要因はわずかに軽減されるだけである。
トナー画像部分への白色接着層転移は、トナー画像と白色接着層を重ね合わせて140℃程度で熱プレスした後に、放置時間を取って温度を下降させると、素早く硬化するトナー画像に白色層が付着する一方、硬化の遅い接着層が離型層から離れて白色層と共に受像シート側に移るということで起こる。この白色接着層転移工程において、白色接着層がシャープに切れない問題が起こるのだが、原因は、熱プレス後の時間とともにゆっくりではあるが硬化を始める接着層の引き裂き強度が高まってくることである。輪郭のシャープさ以外にも、白色接着層転移不良、トナー画像一部の白色接着層側への逆転移などの問題も起こっている。温かいうちに剥がすので、AB両シート引き剥がし時に保たれている温度によって結果がばらつくのである。熱プレス後の厳密な作業時間管理は難しく、このような問題が起こり易い。
ここでさらに取り上げなければならない問題は、布地などの素材側からPVAかポリエステル樹脂フィルムを引き剥がす際の問題である。フィルムを布地に当てがって140℃〜160℃で熱プレスして接着し、その後フィルムを布地から剥がすが、温度が高目だと、軟化している接着層が層間剥離状態で剥がれてしまう。温度が低過ぎれば、硬化したトナー画像とフィルムの接着力が強まり、布地側に残るべきトナー画像一部を剥がしてしまう。温度が適正範囲を超えると、このような問題が起こる。特に、鋭角に尖った画像エッジ先端から剥がそうとすると、布地に残るべき画像エッジが白色層とともに受像シート側に付いて来たりする。上記した問題はすべて、受像シート、接着層シートの両方に離型層を持たせた従来シートが基本的に抱える欠点から生じている。
基材、離型層の二層から成る受像シートへも画像形成できるが、PVA層かポリエステル樹脂層を設けて三層としているのは、PVA層もポリエステル樹脂層も過熱状態ならトナー画像に対して離型性を発現するからと思われる。PVA層もポリエステル樹脂層を挟んでも、その下に剥離層があるので、不安定要因はわずかに軽減されるだけである。
窯業製品への画像転写に利用される水溶性層付きシートは、Tシャツ等の布地面への転写には用いられていない。ガラスフリットの焼成によって画像を転写対象物へ固定する手法が、布地には適用できないからである。布地面への転写では、窯業製品への転写のように浸水はできない。水を含ませたスポンジを手に持ってシート上を移動させ、シート背面から水分を付与すると、場所によって水分付与量がばらつく。結果として、剥離出来ない箇所が出て、追加の水分付与が必要になる。さらに問題なのは、水が過剰な場所では、溶解した水溶性樹脂が布地面に着き、布地に染みのような汚れ跡が残ることである。商品としては外観が悪いので洗濯して落とさなければならない。
本発明は、受像シートと接着層シートBを用いてカッティング工程無しにトナー画像転写をする作業において、厳密な温度と時間の管理をしなくても容易に画像の形を精密に転写できる方法を提供することを目的としたものである。
本発明第一の課題解決手段は、上記目的を達成するために、トナー画像を布地面に転写する方法において、水浸透性のある基材上に水溶性層を形成した受像シートAにトナー画像を印刷する第一工程と、第一工程を経た受像シートAと、離型層を持つ基材に、接着層、白色層の二層から成る白色接着層を形成した接着層シートBを加熱圧着し、トナー画像のみに該白色接着層を熱融着させる第二工程と、第二工程を経たAB両シートが剥離に適した温度に加熱されている間にAB両シートを引き放して前記トナー画像上に前記白色接着層を転移させる第三工程と、第三工程を経た前記受像シートAを布地面に被せて加熱圧着してトナー画像部を布地面に熱融着させる第四工程と、第四工程を経た前記受像シートAの基材背面から水分を付与して該受像シートAを布地面から剥がす第五工程からなる、ことを特徴とするトナー画像転写方法を採用したものである。
また、第二の課題解決手段は、トナー画像を布地面に転写する方法において、水浸透性のある基材上に水溶性層を形成した受像シートAにトナー画像を印刷する第一工程と、第一工程を経た受像シートAと、離型層を持つ基材に、接着層、白色層の二層から成る白色接着層を形成した接着層シートBを加熱圧着し、トナー画像のみに該白色接着層を熱融着させる第二工程と、第二工程を経たAB両シートが剥離に適した温度に加熱されている間にAB両シートを引き放して前記トナー画像上に前記白色接着層を転移させる第三工程と、第三工程を経た前記受像シートAを布地面に被せて、さらにその背面から水分を付与して加熱圧着してトナー画像部の布地面への熱融着と受像シートAの基材背面からの水分付与を同時に行って該受像シートAを布地面から剥がす第四工程からなる、ことを特徴とするトナー画像転写方法を採用したものである。
また、第三の課題解決手段は、前記第一、及び第二工程からなるトナー画像転写方法において、前記第二工程の受像シートAと接着層シートBを加熱圧着する手段が、ホットラミネーターに通すことである、ことを特徴とするものである。
また、第四の課題解決手段は、前記第一〜第三工程からなるトナー画像転写方法において、前記第四工程の前に、第三工程を経た前記受像シートAのトナー画像側に水分を付与して画像の無い余白部の水溶性層を除去する工程含む、ことを特徴とするものである。
また、第五の課題解決手段は、前記第一〜第四工程からなるトナー画像転写方法において、第二工程を経て接着された状態のAB両シートを引き剥がす時の剥離に適した温度を得る手段が、第二工程での加熱圧着温度が大きく下がらない内に引き剥がすか、又は、新たに再加熱することで剥離に適した温度を得る手段である、ことを特徴とするものである。
上記第一の課題解決手段による作用は、従来の受像シートAの離型層を離型性の無い水溶性層に代替することで、トナー画像上に前記白色接着層を転移させる第三工程と、受像シートAを布地面から剥がす第五工程の作業が容易になることである。即ち第三工程において、受像シートAの離型性の無い水溶性層がトナー画像をしっかりと保持するので、接着層シートBから白色接着層転移を確実にする。一方、第五工程における布地面からの画像を残しての受像シートAの剥離は、水分付与で水溶性層を溶かすので、画像は受像シートAから遊離し、全く抵抗なく行なえる。受像シートA側に引っ張られて生地が伸びるなどの問題は起こらない。結果、本発明のAB両シート用いて、空気を挟まずに画像と白色接着層の密着を完全に行えれば、鋭角に尖った画像エッジ部の精密転写も、短時間で容易に可能になる。
水浸透性のある基材に水溶性層を塗布した受像シートAとしては、市販の陶器用水転写紙を利用できる。トナー画像を印刷する第一工程は市販のレーザープリンタなどで容易に行える。接着層シートB表面は酸化チタンなどから成る白色層で覆われるので、熱接着性は無く、受像シートA水溶性層と接着層シートBを重ね合わせて加熱圧着する第二工程でも、過剰な圧力を加えなければ画像の無い部分での白色接着層の受像シートA側への接着転移は起こらない。転移するのは、接着性を発現するトナー画像上だけである。
第二工程と第四工程における加熱圧着の手段としては、加圧熱プレスや、真空圧熱プレス、ホットラミネーターなどの手段が挙げられる。AB両シートを用いた転写手法における加熱圧着の一般的な温度範囲は120〜170℃である。
第五工程での受像シートAの水溶性層を溶かす水分付与手段は、受像シートA背面に水分を含ませた不織布などのシート類を被せるか、水分を含ませた吸水スポンジローラーを受像シートA背面上で転がすか、水のスプレー散布などの手段が勧められる。水分付与での受像シートAの剥離は加熱不要で、受像シートA基材に水が浸透する数分間放置すれば良い。自然に浸透する時間を待たず、加熱して蒸気浸透させる作業の迅速化も可能である。
水浸透性のある基材に水溶性層を塗布した受像シートAとしては、市販の陶器用水転写紙を利用できる。トナー画像を印刷する第一工程は市販のレーザープリンタなどで容易に行える。接着層シートB表面は酸化チタンなどから成る白色層で覆われるので、熱接着性は無く、受像シートA水溶性層と接着層シートBを重ね合わせて加熱圧着する第二工程でも、過剰な圧力を加えなければ画像の無い部分での白色接着層の受像シートA側への接着転移は起こらない。転移するのは、接着性を発現するトナー画像上だけである。
第二工程と第四工程における加熱圧着の手段としては、加圧熱プレスや、真空圧熱プレス、ホットラミネーターなどの手段が挙げられる。AB両シートを用いた転写手法における加熱圧着の一般的な温度範囲は120〜170℃である。
第五工程での受像シートAの水溶性層を溶かす水分付与手段は、受像シートA背面に水分を含ませた不織布などのシート類を被せるか、水分を含ませた吸水スポンジローラーを受像シートA背面上で転がすか、水のスプレー散布などの手段が勧められる。水分付与での受像シートAの剥離は加熱不要で、受像シートA基材に水が浸透する数分間放置すれば良い。自然に浸透する時間を待たず、加熱して蒸気浸透させる作業の迅速化も可能である。
上記第二の課題解決手段による作用は、第四工程における加熱圧着で、トナー画像部の布地面への熱融着と受像シートAからの遊離を同時に行って、第一の課題解決手段をさらに効率化出来ることである、受像シートAからのトナー画像部の遊離は数秒で完了できる。第一の課題解決手段第五工程では受像シートAの基材に水が浸透する放置時間が必要だったが、標準的な加熱圧着温度の120〜170℃では、水が蒸気化して受像シートAの基材に瞬時に水分が行き渡り、受像シートAの水溶性層を溶かすからである。この効率化は、本発明の手法を縫製済みTシャツなどへの印刷だけに限定するのでなく、ロール状生地の産業用大量加工まで活用範囲を広げるのに寄与するものと思われる。なお、数秒の加熱圧着で生地面と画像部との浸透熱融着が不十分で洗濯堅牢度が不足する場合は、シリコンコート離型紙などを挟んで再度の加熱圧着を行えばよい。
上記第三の課題解決手段による作用は、輪転式ホットラミネーターに通すことに加熱圧着手段を限定することで、加熱圧着させるAB両シート間に空気を挟み込むリスクが減少することである。第二工程の加熱圧着において、画像面積が小さい場合は熱プレス機でも問題は少ない。しかし、画像面積が大きい場合は、AB両シートの間に空気を挟み込んで接着層シートBの白色接着層転移が不完全になり易い。真空圧熱プレスは空気排除には適しているが、装置価格高くなり、生産性も落ちるので勧められない。第二工程でのホットラミネーターの採用は、空気挟み込みを無くすだけでなく、AB両シート排出部で白色接着層を転移させる第三工程も連続して行うことを可能にする。又、第四工程での受像シートAの布地面への加熱圧着手段は熱プレスでも問題ないが、ここでも輪転式ホットラミネーターを採用すれば大きな生産性向上が得られ、本発明の手法が産業用大量加工まで拡大活用されることに寄与する。
上記第四の課題解決手段による作用は、画像の無い余白部の水溶性層が第三工程を経た受像シートAから除かれるので、転写後の生地の画像余白部にフィルム状に付着する水溶性層の量をを減らせることである。デキストリンから成る水溶性層は、生地に転移したものが加熱圧着によってフィルム化して乾いた時に、特に黒色の綿生地上で白っぽく見えることがある。Tシャツなどの商品では陳列の際に問題になることが懸念される。水溶性層が第四工程前に除かれていれば、この問題を回避できる。水溶性層の除去は完全でなくても効果は得られる。除く量は一部でも良い。水分付与を受像シートAのトナー画像側、即ち水溶性層塗布側に行うことは絶対条件である。裏側から行えば、画像の裏側の水溶性層も溶け出し、画像位置が動いたり、脱落したりする。表側画像部は樹脂層なので水をはじく。水分付与手段は、水分を含ませた不織布などのシート類を被せるか、水分を含ませた吸水スポンジローラーを転がすか、水のスプレー散布などの手段が採れ、その後で濡れたシート類で押し付けたり、拭いたりする。
上記第五の課題解決手段による作用は、接着された状態のAB両シートの剥離に適した温度を得る手段が、第二工程での加熱圧着温度が大きく下がらない内に引き剥がす手段なら、効率よく作業を進められる。具体的には、ホットラミネーターから出てきたAB両シートを出た場所で切り離して別々に巻いて行く手段が考えられる。再加熱することで剥離に適した温度を得る手段なら、加熱圧着されたAB両シートを一端ロールに巻きあげて保存できる。流通の都合上このように扱いたい場合は、後日のAB両シート剥離作業日に、剥離作業場所で熱プレスなどの手段で再び剥離に適した温度まで加熱すれば使用できる。
次に、本発明について補足説明をする。本発明の転写画像は水溶性層から遊離されるものであり、転写された画像表面は光沢面になる。光沢面が欲しい場合はそのままで良いが、マット面にしたい場合は、シリコンシートなどを挟んで再プレスすればよい。接着層シートBの接着層は、ウレタン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いて形成できる。画像はCMYK4色のトナー画像だけでなく白黒モノトーン画像でも本発明の手法に用いることができる。さらに勧められるのは、CMYにベースの白色を加えた4色、または、CMYKにベースの白色を加えた5色画像を用いることである。カッティング工程無しに画像部分だけ白色接着層を引き剥がせるよう接着層と白色層の厚さに好ましい厚さ範囲があるので、白色層を極端に厚くハできない。従って白色層の隠ぺい性に限りがあるので、白トナー画像で白色度を増すのは、濃色布地へ画像を転写した際に鮮明な画像を得るのに有効である。
本発明で言う白色層は、完全な白色だけでなく、グレー色やわずか色味の入った淡色の範囲の層までを意味する。上に記したように、白トナーを用いて画像に白色ベース層を設けることが出来るので、これらの範囲を許容しても画像の色再現を問題無く可能に出来るからである。具体的には、淡色の層の色味をグレースケール変換し、その変換後濃度が、白色より濃度30%暗い範囲を含む。好ましくは濃度20%暗い範囲までである。
上述したように、本発明によれば、受像シートAに設けた従来の離型層を水溶性層に代えることで、転写作業における厳密な温度管理をしなくても、接着層シートBの白色接着層の受像シートAへの転移と、接着層付きトナー画像の布地からの剥離を容易にし、画像の精密転写が可能になる。転写加工の生産性も高まる。
本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図1(A)は、本発明のトナー画像5を付与した受像シートAと接着層シートBを対向させて熱圧着させる前の状態を示している。受像シートAは、受像シートA基材7の片面に水溶性層6を形成してある。接着層シートBは、接着層シートBの基材1の片面に離型層2、接着層3、白色層4の順に三層を積層してある。図1(B)は、これらシート二種の貼り合わせ熱圧着工程と両者の引き剥がし工程を経て得た接着層付き画像を持つシート(3〜7)を、被転写体である布地8に対向させて熱圧着する前の状態を示している。
受像シートAと接着層シートBが対になったトナー画像転写紙、TCダーク(商標・サンリュウ社)の離型層を持つ受像シートAの代わりに、水浸透性のある基材上に水溶性層を形成した受像シートAとして、水転写紙B(商標・サンリュウ社)を用いて、A3サイズカラーLEDプリンタ、OKI C 941dn(商標・沖データ社)で白色層を上層に持つミラー画像を印刷した。これに、TCダークの接着層シートを重ね合わせて140℃で分間90cmの速度でホットラミネーターを通した。その後に熱プレス機で160℃20秒間熱プレスしてAB両シートを引き剥がして、トナー画像上に白色接着層を転移させた水転写紙Bを得た。白色接着層転移は、容易に、精密に出来た。これをTシャツ布地に当てがって160℃20秒間熱プレスして接着し、冷めてから該受像シートAの基材背面から台所用スポンジを手に持って移動しながら水分を付与して二分待って、水転写紙Bを剥がしてみた。引き剥がし作業は、容易に行え、シャープな画像エッジも、細かな独立ドット部も、精密に再現が出来た。転写表面は光沢面になった。洗濯堅牢度は、再プレスしなくとも、摩擦・湿潤試験で5級(判定、財団法人ニッセンケン品質評価センター)が得られた。
実施例1同様に水転写紙Bにミラー画像を印刷し、TCダークの接着層シートを重ね合わせて140℃で分間90cmの速度でホットラミネーターを通した。その後に熱プレス機で160℃20秒間熱プレスして、AB両シートを引き剥がして、トナー画像上に白色接着層を転移させた水転写紙Bを得た。白色接着層転移は、容易に、精密に出来た。これをTシャツ布地に当てがって、さらにその上に水を湿らせた不織布を二枚折りして重ねた。その上から160℃3秒間熱プレスすると、ただちに水転写紙Bを生地面から剥がしてみた。引き剥がし作業は、容易に行え、シャープな画像エッジも、細かな独立ドット部も、精密に再現が出来た。転写表面は光沢面になった。洗濯堅牢度を得るため、シリコンコート紙を生地の画像部に被せて、20秒間再プレスした。表面はややマットになり、摩擦・湿潤試験で5級(判定、財団法人ニッセンケン品質評価センター)が得られた。
実施例1、2の手法で得た転写サンプル生地の内、オレンジ、ブルー、黄、赤色の生地では見えなかったが、唯一黒色生地では、水転写紙Bシートの大きさだけ黒色濃度が下がり白っぽく見えた。これを除くため、画像上に白色接着層を転移させた水転写紙Bの水溶性層側に水をスプレー散布して、濡れた不織布を手で押し当てた。さらに濡れた不織布で水溶性層を拭いたサンプルも作ってみた。実施例1同様に、これをTシャツ布地に当てがい、さらにその上に水を湿らせた不織布を重ね、160℃3秒間熱プレスし、ただちに水転写紙Bを生地面から剥がしてみた。黒色生地で白っぽく見えた部分は非常に見えにくくなり、濡れた不織布で水溶性層を拭いた水転写紙Bシートで作成したサンプルは、黒色濃度差部分は全く消えていた。
実施例1で使用した水転写紙Bの代わりに、ポリエステルフィルムにPVA層を塗布形成した水圧転写フィルムを受像シートAとして用いて、LEDプリンタ、OKI C 941dnで白色層を上層に持つミラー画像を印刷した。これに、TCダークの接着層シートBを重ね合わせて熱プレスしてAB両シートを引き剥がして、トナー画像上に白色接着層を転移させたポリエステルフィルム付きPVAフィルムを得た。次にPVAフィルム四隅に両面テープを貼り、布地に接着して、ポリエステルフィルム基材を剥がした。140℃で20秒間熱プレスして接着してPVAフィルムを剥がしてみた。引き剥がし作業では、細部の再現が難しかった。実施例1の手法では出来ていた1mm間隔に並ぶ0.3mmの細線の一部が切れ易く、直径0.5mm程度の細かな独立ドット部も一部脱落したりした。
本発明は、カッティング工程無しにトナー画像転写をする作業において、厳密な温度と時間の管理をしなくても容易に画像の形を精密に転写できる方法であり、ホットラミネーター―を用いた熱圧着手法も活用すれば、Tシャツ業界に留まらず、産業界で広く活用され得る。
1 接着層シートBの基材
2 接着層シートBの離型層
3 接着層シートBの接着層
4 接着層シートBの白色層
5 トナー画像
6 水溶性層
7 受像シートA基材
8 布地
2 接着層シートBの離型層
3 接着層シートBの接着層
4 接着層シートBの白色層
5 トナー画像
6 水溶性層
7 受像シートA基材
8 布地
Claims (5)
- トナー画像を布地面に転写する方法において、
水浸透性のある基材上に水溶性層を形成した受像シートAにトナー画像を印刷する第一工程と、
第一工程を経た受像シートAと、離型層を持つ基材に、接着層、白色層の二層から成る白色接着層を形成した接着層シートBを加熱圧着し、トナー画像のみに該白色接着層を熱融着させる第二工程と、
第二工程を経たAB両シートが剥離に適した温度に加熱されている間にAB両シートを引き放して前記トナー画像上に前記白色接着層を転移させる第三工程と、
第三工程を経た前記受像シートAを布地面に被せて加熱圧着してトナー画像部を布地面に熱融着させる第四工程と、
第四工程を経た前記受像シートAの基材背面から水分を付与して該受像シートAを布地面から剥がす第五工程からなる、ことを特徴とするトナー画像の転写方法。 - トナー画像を布地面に転写する方法において、
水浸透性のある基材上に水溶性層を形成した受像シートAにトナー画像を印刷する第一工程と、
第一工程を経た受像シートAと、離型層を持つ基材に、接着層、白色層の二層から成る白色接着層を形成した接着層シートBを加熱圧着し、トナー画像のみに該白色接着層を熱融着させる第二工程と、
第二工程を経たAB両シートが剥離に適した温度に加熱されている間にAB両シートを引き放して前記トナー画像上に前記白色接着層を転移させる第三工程と、
第三工程を経た前記受像シートAを布地面に被せて、さらにその背面から水分を付与して加熱圧着してトナー画像部の布地面への熱融着と受像シートAの基材背面からの水分付与を同時に行って該受像シートAを布地面から剥がす第四工程からなる、ことを特徴とするトナー画像の転写方法。 - 前記第二工程の受像シートAと接着層シートBを加熱圧着する手段が、ホットラミネーターに通すことである、ことを特徴とする請求項1、又は2のトナー画像の転写方法。
- 前記第四工程の前に、第三工程を経た前記受像シートAのトナー画像側に水分を付与して画像の無い余白部の水溶性層を除去する工程含む、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかのトナー画像の転写方法。
- 第二工程を経て接着された状態のAB両シートを引き剥がす時の剥離に適した温度を得る手段が、第二工程での加熱圧着温度が大きく下がらない内に引き剥がすか、又は、新たに再加熱することで剥離に適した温度を得る手段である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかのトナー画像の転写方法。
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