JP2013256037A - 熱転写ワッペンシートの製造方法及び熱転写ワッペンシート - Google Patents
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Abstract
【課題】裏面にホットメルト層を具備し表面にはアプリケーションシートが貼着している熱転写ワッペンシートを容易に且つ迅速に正確に製造できるようにする。
【解決手段】熱転写ワッペンシートSの製造方法は、透明又は半透明のアプリケーションシート2を最上層にして該アプリケーションシート2の裏面にカラーシート1とホットメルト層10とを積層した素材シートS1を形成し、素材シートS1におけるホットメルト層10の裏面に剥離シート11を形成し、剥離シート11、ホットメルト層10及びカラーシート1に対して、被転写面5に転写するワッペンMの輪郭線に沿って切り目12を形成する工程を有する。
【選択図】図1
【解決手段】熱転写ワッペンシートSの製造方法は、透明又は半透明のアプリケーションシート2を最上層にして該アプリケーションシート2の裏面にカラーシート1とホットメルト層10とを積層した素材シートS1を形成し、素材シートS1におけるホットメルト層10の裏面に剥離シート11を形成し、剥離シート11、ホットメルト層10及びカラーシート1に対して、被転写面5に転写するワッペンMの輪郭線に沿って切り目12を形成する工程を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、加熱加圧により文字や図柄等のワッペンを生地等の被転写面に転写させることのできる熱転写ワッペンシートの製造方法とその熱転写ワッペンシートに関する。
図7に示すように、この種のワッペンシート100は、下面にホットメルト層113が形成され且つワッペン109部分の輪郭線111に沿って裁断された1つ又は複数のワッペン109が、透明の耐熱性アプリケーションシート107に粘着剤108を介して貼着され、裏面側に剥離紙114を被覆させたものがある(特許文献1)。
ワッペンシート100は、生地等の被転写面に熱転写する際、剥離シート114を剥離させ、アプリケーションシート107にワッペン109を貼着させたまま、これを生地等の被転写面の所定箇所に載置して、アプリケーションシート107の上からアイロン等によって加熱加圧する。すると、ホットメルト層113は加熱されることにより溶融し、ワッペン109が被転写面上に接着される。その後、アプリケーションシート107を剥離させれば、生地へのワッペン109の転写作業が完了する。
ワッペンシート100は、生地等の被転写面に熱転写する際、剥離シート114を剥離させ、アプリケーションシート107にワッペン109を貼着させたまま、これを生地等の被転写面の所定箇所に載置して、アプリケーションシート107の上からアイロン等によって加熱加圧する。すると、ホットメルト層113は加熱されることにより溶融し、ワッペン109が被転写面上に接着される。その後、アプリケーションシート107を剥離させれば、生地へのワッペン109の転写作業が完了する。
このようなワッペンシート100の製造方法として、粘着剤108を塗布したアプリケーションシート107の裏面に、模様シート110、合成樹脂接着層112、ホットメルト層113及び剥離紙114を積層形成した後、彫刻金型により押圧及び高周波の発信を行い、模様シート110、合成樹脂接着層112及びホットメルト層113をワッペン109の輪郭線111に沿って溶断し、冷却後に剥離紙114を剥がし、ワッペン109以外のスクラップ部分122を除去し、この後、露出しているホットメルト層113の裏面へ剥離紙114を再貼着することにより製造される。
上記従来の熱転写ワッペンシート100の製造方法では、アプリケーションシート107に貼着された状態の模様シート110から、スクラップ部122を剥離除去する作業が必要であり、特に、ホットメルト層113に被覆されている剥離紙114を、スクラップ除去作業の際に一旦剥離させ、スクラップ部122をピンセットで除去した後に、再度、被覆させる工程を必要とするため、製造工程が煩雑でスクラップ除去作業に非常に手間と時間がかかるという問題があった。
又、ワッペン109が細い又は小さい複数の装飾片からなるものであったり、模様シート110が伸縮性を有する材質であったり、ホットメルト層113の粘着性や粘度が高い場合には、スクラップ部122を除去する際に、ワッペン109の一部がスクラップ部122にくっついて剥がれたり伸びたりしてしまい、ワッペン109に変形や欠損を生じさせてしまう不都合があった。
又、ワッペン109が細い又は小さい複数の装飾片からなるものであったり、模様シート110が伸縮性を有する材質であったり、ホットメルト層113の粘着性や粘度が高い場合には、スクラップ部122を除去する際に、ワッペン109の一部がスクラップ部122にくっついて剥がれたり伸びたりしてしまい、ワッペン109に変形や欠損を生じさせてしまう不都合があった。
本発明は、裏面にホットメルト層が形成されていると共に、表面はアプリケーションシートに貼着されているワッペンを、容易に且つ迅速に、さらには正確に製造することができる熱転写ワッペンシートの製造方法及び熱転写ワッペンシートを提供することを課題とする。
本発明に係る熱転写ワッペンシートの製造方法は、
透明又は半透明のアプリケーションシートを最上層にして該アプリケーションシートの裏面にカラーシートとホットメルト層とを積層した素材シートを形成し、
素材シートにおけるホットメルト層の裏面に剥離シートを形成し、
剥離シート、ホットメルト層及びカラーシートに対して、被転写面に転写するワッペンの輪郭線に沿って切り目を形成する工程を有する。
この製造方法により得られる熱転写ワッペンシートは、前記切り目で囲まれている範囲がワッペンとなり、それ以外の範囲がスクラップ部として区画された構成となる。従って、製造工程にスクラップ部を除去する工程を設けていないので、裏面にホットメルト層が形成され且つ表面にアプリケーションシートが貼着されている熱転写ワッペンシートの製造を簡略化することができ、容易で且つ迅速に製造することが可能となる。
透明又は半透明のアプリケーションシートを最上層にして該アプリケーションシートの裏面にカラーシートとホットメルト層とを積層した素材シートを形成し、
素材シートにおけるホットメルト層の裏面に剥離シートを形成し、
剥離シート、ホットメルト層及びカラーシートに対して、被転写面に転写するワッペンの輪郭線に沿って切り目を形成する工程を有する。
この製造方法により得られる熱転写ワッペンシートは、前記切り目で囲まれている範囲がワッペンとなり、それ以外の範囲がスクラップ部として区画された構成となる。従って、製造工程にスクラップ部を除去する工程を設けていないので、裏面にホットメルト層が形成され且つ表面にアプリケーションシートが貼着されている熱転写ワッペンシートの製造を簡略化することができ、容易で且つ迅速に製造することが可能となる。
上記熱転写ワッペンシートの製造方法において、前記カラーシートは、伸縮性素材製とすることができる。
従来のように、スクラップ除去工程を有する場合、カラーシートに伸縮性素材を用いると、スクラップ除去作業時に、カラーシートの一部がスクラップ部にくっついて剥がされることにより欠損したり、引き伸ばされて変形し、作業性が悪かった。
これに対し、本製造方法では、ワッペンに相当する部分以外のスクラップ部を除去させる作業を行わないため、上記問題が全く無く、従って、繊維製品等の伸縮性のある生地に対応してカラーシートに伸縮性素材を用いたりワッペンが細い線からなる文字や細かい図形等の場合でもワッペンに欠損や変形等が生じない点で有利である。
従来のように、スクラップ除去工程を有する場合、カラーシートに伸縮性素材を用いると、スクラップ除去作業時に、カラーシートの一部がスクラップ部にくっついて剥がされることにより欠損したり、引き伸ばされて変形し、作業性が悪かった。
これに対し、本製造方法では、ワッペンに相当する部分以外のスクラップ部を除去させる作業を行わないため、上記問題が全く無く、従って、繊維製品等の伸縮性のある生地に対応してカラーシートに伸縮性素材を用いたりワッペンが細い線からなる文字や細かい図形等の場合でもワッペンに欠損や変形等が生じない点で有利である。
また、本発明に係る熱転写ワッペンシートは、
耐熱性を有する透明又は半透明のアプリケーションシートと、前記アプリケーションシートの裏面に貼着され且つ所定の着色が施されるカラーシートと、前記カラーシートの裏面に形成されるホットメルト層と、前記ホットメルト層を被覆する剥離シートとから構成され、
剥離シート、ホットメルト層及びカラーシートに対して、被転写面に転写するワッペンの輪郭線に沿って切り目が形成され、
前記切り目で囲まれた範囲内の前記剥離シートは前記被転写面への転写時に除去される構成としたものである。
上記切り目はワッペンの輪郭線に沿って形成されているものであり、前記切り目で囲まれている範囲がワッペンとなり、それ以外の範囲がスクラップ部として区画された構成となる。
そして、生地等の被転写面にワッペンを熱転写する場合、前記切り目で囲まれている範囲の剥離シートをホットメルト層から剥離させれば、ワッペンの裏面にのみホットメルト層を露出させることができ、生地等の被転写面に前記ホットメルト層を当てて、アプリケーションシートの上から又は被転写面の下から加熱加圧する。その後、アプリケーションシートを剥離させれば、ワッペンのみが被転写面に接着され、他のスクラップ部はアプリケーションシートと共に除去することができる。この場合、被転写面への転写時の加熱加圧に対してスクラップ部がワッペンのガイドとなってワッペンを構成する文字等の変形を防ぐことができ、従来(特許文献1)のように予めスクラップ部を除去したものに比べ、被転写面にはワッペンの形が綺麗に整った状態での転写を実現することができる。
このように、この熱転写ワッペンシートは、転写作業時に切り目で囲まれた部分の剥離シートを除去すれば、ワッペンの周囲をスクラップ部で包囲した状態のまま転写作業を実施することができるから、独立する複数の文字や図形等からなるワッペンの場合でも、転写作業時に、各ワッペンが被転写面上で不用意にずれたり歪んだりすることはなく、所定位置に確実に位置決めされ且つ綺麗な状態を維持することができる。
耐熱性を有する透明又は半透明のアプリケーションシートと、前記アプリケーションシートの裏面に貼着され且つ所定の着色が施されるカラーシートと、前記カラーシートの裏面に形成されるホットメルト層と、前記ホットメルト層を被覆する剥離シートとから構成され、
剥離シート、ホットメルト層及びカラーシートに対して、被転写面に転写するワッペンの輪郭線に沿って切り目が形成され、
前記切り目で囲まれた範囲内の前記剥離シートは前記被転写面への転写時に除去される構成としたものである。
上記切り目はワッペンの輪郭線に沿って形成されているものであり、前記切り目で囲まれている範囲がワッペンとなり、それ以外の範囲がスクラップ部として区画された構成となる。
そして、生地等の被転写面にワッペンを熱転写する場合、前記切り目で囲まれている範囲の剥離シートをホットメルト層から剥離させれば、ワッペンの裏面にのみホットメルト層を露出させることができ、生地等の被転写面に前記ホットメルト層を当てて、アプリケーションシートの上から又は被転写面の下から加熱加圧する。その後、アプリケーションシートを剥離させれば、ワッペンのみが被転写面に接着され、他のスクラップ部はアプリケーションシートと共に除去することができる。この場合、被転写面への転写時の加熱加圧に対してスクラップ部がワッペンのガイドとなってワッペンを構成する文字等の変形を防ぐことができ、従来(特許文献1)のように予めスクラップ部を除去したものに比べ、被転写面にはワッペンの形が綺麗に整った状態での転写を実現することができる。
このように、この熱転写ワッペンシートは、転写作業時に切り目で囲まれた部分の剥離シートを除去すれば、ワッペンの周囲をスクラップ部で包囲した状態のまま転写作業を実施することができるから、独立する複数の文字や図形等からなるワッペンの場合でも、転写作業時に、各ワッペンが被転写面上で不用意にずれたり歪んだりすることはなく、所定位置に確実に位置決めされ且つ綺麗な状態を維持することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について添付図面を参照しながら説明する。
実施形態の熱転写ワッペンシートの製造方法を説明する。
図1に示すように、まず、透明又は半透明のアプリケーションシート(2)を最上層にして、このアプリケーションシート(2)の裏面にカラーシート(1)とホットメルト層(10)とを積層して素材シート(S1)を形成する(図1(a))。アプリケーションシート(2)の裏面には粘着剤(20)が塗布されており、この粘着剤(20)によってカラーシート(1)がアプリケーションシート(2)の裏面に貼着される。ホットメルト層(10)は、それ自体の粘着性によりカラーシート(1)の裏面に貼着される。なお、粘着剤(20)の粘着力は、ホットメルト層(10)の粘着力よりも弱くなっている。また、この素材シート(S1)の形成方法として、例えば、アプリケーションシート(2)上に印刷又は塗布等によって粘着剤(20)、カラーシート(1)、ホットメルト層(10)を順次に形成したり、粘着剤(20)を印刷又は塗布したアプリケーションシート(2)に、シート状に形成したカラーシート(1)及びホットメルト層(10)をラミネートして形成することが可能である。
実施形態の熱転写ワッペンシートの製造方法を説明する。
図1に示すように、まず、透明又は半透明のアプリケーションシート(2)を最上層にして、このアプリケーションシート(2)の裏面にカラーシート(1)とホットメルト層(10)とを積層して素材シート(S1)を形成する(図1(a))。アプリケーションシート(2)の裏面には粘着剤(20)が塗布されており、この粘着剤(20)によってカラーシート(1)がアプリケーションシート(2)の裏面に貼着される。ホットメルト層(10)は、それ自体の粘着性によりカラーシート(1)の裏面に貼着される。なお、粘着剤(20)の粘着力は、ホットメルト層(10)の粘着力よりも弱くなっている。また、この素材シート(S1)の形成方法として、例えば、アプリケーションシート(2)上に印刷又は塗布等によって粘着剤(20)、カラーシート(1)、ホットメルト層(10)を順次に形成したり、粘着剤(20)を印刷又は塗布したアプリケーションシート(2)に、シート状に形成したカラーシート(1)及びホットメルト層(10)をラミネートして形成することが可能である。
次いで、素材シート(S1)の裏面側のホットメルト層(10)上に剥離シート(11)を重ね合わせて押圧して貼着する(図1(b))。
そして、溶断刃等の刃型又はレーザー等により、アプリケーションシート(2)及び粘着剤(20)を除き、剥離シート(11)、ホットメルト層(10)及びカラーシート(1)に対して、被転写面(5)に転写するワッペン(M)の輪郭線に沿って切り目(12)を形成する(図1(c))。この切り目(12)で囲まれた範囲がワッペン(M)となる部分であり、このワッペン(M)部分以外の範囲がスクラップ部(22)として区画された構成となり、以上で、図2に示すワッペンシート(S)が完成する。なお、ワッペン(M)の形状は任意に決定することができる。
そして、溶断刃等の刃型又はレーザー等により、アプリケーションシート(2)及び粘着剤(20)を除き、剥離シート(11)、ホットメルト層(10)及びカラーシート(1)に対して、被転写面(5)に転写するワッペン(M)の輪郭線に沿って切り目(12)を形成する(図1(c))。この切り目(12)で囲まれた範囲がワッペン(M)となる部分であり、このワッペン(M)部分以外の範囲がスクラップ部(22)として区画された構成となり、以上で、図2に示すワッペンシート(S)が完成する。なお、ワッペン(M)の形状は任意に決定することができる。
このように、上記製造方法では、従来(特許文献1)のように製造工程にスクラップ部122を除去する工程を設けていないので、裏面にホットメルト層(10)が形成され且つ表面にアプリケーションシート(2)が貼着されている熱転写ワッペンシート(S)の製造を簡略化することができ、容易で且つ迅速に製造することが可能となる。
また、従来(特許文献1)のように、スクラップ除去工程を有する場合、模様シート110に伸縮性素材を用いると、スクラップ除去作業時に、模様シート110の一部がスクラップ部122にくっついて剥がされることにより欠損したり、引き伸ばされて変形し、作業性が悪かった。これに対し、上記製造方法では、ワッペン(M)に相当する部分以外のスクラップ部(22)を除去させる作業を行わないため、上記問題が全く無い。従って、繊維製品等の伸縮性のある生地に対応してカラーシート(1)に伸縮性素材製のものを用いる場合でもワッペン(M)形状を綺麗に且つ簡易に製造することができる。また、ワッペン(M)が細い線からなる文字や細かい図形等の場合でも欠損や変形等が生じない点で有利である。
また、従来(特許文献1)のように、スクラップ除去工程を有する場合、模様シート110に伸縮性素材を用いると、スクラップ除去作業時に、模様シート110の一部がスクラップ部122にくっついて剥がされることにより欠損したり、引き伸ばされて変形し、作業性が悪かった。これに対し、上記製造方法では、ワッペン(M)に相当する部分以外のスクラップ部(22)を除去させる作業を行わないため、上記問題が全く無い。従って、繊維製品等の伸縮性のある生地に対応してカラーシート(1)に伸縮性素材製のものを用いる場合でもワッペン(M)形状を綺麗に且つ簡易に製造することができる。また、ワッペン(M)が細い線からなる文字や細かい図形等の場合でも欠損や変形等が生じない点で有利である。
次に、ワッペンシート(S)の構成について説明する。
図2は、ワッペンシート(S)を表側のアプリケーションシート(2)側から見た平面図であり、この図2に示すように、ワッペンシート(S)は、剥離シート(11)の上に、ホットメルト層(10)、カラーシート(1)、耐熱性を有する透明又は半透明のアプリケーションシート(2)が順に積層された矩形シートとなっている。アプリケーションシート(2)の裏面には、カラーシート(1)へ移行しない粘着剤(20)が形成されている。ワッペンシート(S)は、アプリケーションシート(2)と粘着剤(20)以外のカラーシート(1)、ホットメルト層(10)及び剥離シート(11)には連続して切り目(12)が形成されており、この切り目(12)で囲まれた範囲がワッペン(M)を構成する。図2に示すものでは、「A」の文字と「1」の文字の2つが一つのワッペン(M)として、1枚のワッペンシート(S)に形成されている。
図2は、ワッペンシート(S)を表側のアプリケーションシート(2)側から見た平面図であり、この図2に示すように、ワッペンシート(S)は、剥離シート(11)の上に、ホットメルト層(10)、カラーシート(1)、耐熱性を有する透明又は半透明のアプリケーションシート(2)が順に積層された矩形シートとなっている。アプリケーションシート(2)の裏面には、カラーシート(1)へ移行しない粘着剤(20)が形成されている。ワッペンシート(S)は、アプリケーションシート(2)と粘着剤(20)以外のカラーシート(1)、ホットメルト層(10)及び剥離シート(11)には連続して切り目(12)が形成されており、この切り目(12)で囲まれた範囲がワッペン(M)を構成する。図2に示すものでは、「A」の文字と「1」の文字の2つが一つのワッペン(M)として、1枚のワッペンシート(S)に形成されている。
アプリケーションシート(2)は、カラーシート(1)及びホットメルト層(10)より融点が高く耐熱性がある透明又は半透明の樹脂シートが使用され、例えば透明又は半透明のポリプロピレンシートが使用される。
カラーシート(1)は、ワッペン(M)の主体となるものであり、例えば、ゴム系又はウレタン系の伸縮性がある樹脂製シートが使用され、具体的には、表面に色彩や模様等が印刷されたアルミ箔サンドポリウレタンシート等が使用されることがあり、また、顔料又は着色剤等を添加した単独樹脂又は混合樹脂のシートが使用されることがあり、この樹脂として、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、EVA等を使用することができる。
ホットメルト層(10)は、アイロン等の熱で溶融し繊維製品に対する粘着性を有し、ドライクリーニングを繰り返し受けても粘着性を維持できる樹脂製フィルムが使用される。例えば、ポリエステル、ナイロン等の繊維製品に対してワッペン(M)が接着される場合、ホットメルト層(10)にはポリアミド系のフィルムが使用されることがある。また、ウレタン系や塩ビ系の合成皮革製品に対してワッペン(M)が接着される場合、ホットメルト層(10)にはポリウレタン系のフィルムが選択されることがある。その他ホットメルト層(10)には、例えば、ポリエステル系又はEVA系のフィルムが使用されることがある。
ここで、カラーシート(1) とホットメルト層(10)とは、互いに結合し易くするために、ともに同系素材で形成するか、カラーシート(1) とホットメルト層(10)との基材が異系素材でもその中に同系素材を含むものとするのが好ましい。例えば、カラーシート(1) とホットメルト層(10)とはともにポリウレタン系樹脂の同系素材で形成するとか、カラーシート(1)がポリエチレン系樹脂を基材とし、ホットメルト層(10)がポリエステル系樹脂を基材とするようにカラーシート(1) とホットメルト層(10)の互いの基材が異系素材である場合でもともに同系素材のポリウレタン系樹脂を含むものとする等の構成を例示することができる。
ここで、カラーシート(1) とホットメルト層(10)とは、互いに結合し易くするために、ともに同系素材で形成するか、カラーシート(1) とホットメルト層(10)との基材が異系素材でもその中に同系素材を含むものとするのが好ましい。例えば、カラーシート(1) とホットメルト層(10)とはともにポリウレタン系樹脂の同系素材で形成するとか、カラーシート(1)がポリエチレン系樹脂を基材とし、ホットメルト層(10)がポリエステル系樹脂を基材とするようにカラーシート(1) とホットメルト層(10)の互いの基材が異系素材である場合でもともに同系素材のポリウレタン系樹脂を含むものとする等の構成を例示することができる。
剥離シート(11)は、アイロン等の熱に対する耐熱性を有し、且つ繊維製品等の生地に接着することがなく、また、ホットメルト層(10)に対して剥離性を有する素材が使用され、例えば、テフロン紙が使用される。
次に、ワッペンシート(S)によりワッペン(M)を熱転写する使用方法を説明する。
図3に示すように、ワッペンシート(S)に設けられたワッペン(M)を、衣類等の生地に熱転写させるには、まず、ワッペンシート(S)の裏面側でワッペン(M)に位置する剥離シート(11)だけを切り目(12)に沿って剥離させる。これにより、ワッペンシート(S)の裏側の切り目(12)で囲まれた範囲、すなわち、ワッペン(M)の裏面にのみホットメルト層(10)が露出する。
図3に示すように、ワッペンシート(S)に設けられたワッペン(M)を、衣類等の生地に熱転写させるには、まず、ワッペンシート(S)の裏面側でワッペン(M)に位置する剥離シート(11)だけを切り目(12)に沿って剥離させる。これにより、ワッペンシート(S)の裏側の切り目(12)で囲まれた範囲、すなわち、ワッペン(M)の裏面にのみホットメルト層(10)が露出する。
そして、図4に示すように、ワッペン(M)部分のホットメルト層(10)を露出させたワッペンシート(S)を、アプリケーションシート(2)側を表にして転写させたい生地等の被転写面(5)の表面の所定位置に位置決めして載置し、続いてアプリケーションシート(2)の上からアイロン(50)等でワッペンシート(S)全体を加熱加圧する。
アイロン(50)等で加熱加圧することで、ホットメルト層(10)が溶融し、剥離シート(11)で被覆されていないワッペン(M)部分のみが被転写面(5)の表面に接着される。すなわち、ワッペン(M)部分以外は剥離シート(11)がマスクとなって被転写面(5)への熱転写が阻止される。アプリケーションシート(2)及び剥離シート(11)は耐熱性を有するため、ワッペンシート(S)は何ら変形することはなく、剥離シート(11)が被覆している部分は被転写面(5)に接着することもない。しかも、アイロン(50)等による被転写面(5)への転写時の加熱加圧に対して、切り目(12)で区画したワッペン(M)部分以外の部分(スクラップ部(22))がワッペン(M)のガイドとなってワッペン(M)を構成する文字等の変形を防ぐことができる。
そして、図5に示すように、アプリケーションシート(2)を剥離させると、ホットメルト層(10)によって被転写面(5)に接着したワッペン(M)の部分を除いて、剥離シート(11)の被覆している部分全域がスクラップ部(22)としてアプリケーションシート(2)側に残存して被転写面(5)から離反される。これにより、図6に示すように、被転写面(5)上には、切り目(12)で囲まれたカラーシート(1)からなるワッペン(M)のみが転写貼着される。
尚、アプリケーションシート(2)の裏面に設ける粘着剤(20)のカラーシート(1)への粘着力がホットメルト層(10)の被転写面(5)への接着力よりも弱く設定されているので、スクラップ(22)を除去する際にはアプリケーションシート(2)が切り目(12)で囲まれたカラーシート(1)から容易に剥離させることができる。
以上の実施の形態によれば、ワッペンシート(S)の製造工程には、従来(特許文献1)のような剥離紙114を剥離及び再貼着させる工程を有しないから、製造工程が簡略化され、容易で且つ迅速な熱転写ワッペンシート(S)の製造方法が提供される。しかも、従来(特許文献1)のように製造工程中にスクラップ部122の除去工程を有しないから、作業も簡易であり、さらには伸縮性素材からなるカラーシート(1)や粘着性や粘度の高いホットメルト層(10)であっても、ホットメルト層(10)やカラーシート(1)の一部が伸びたり切れたりすることはなく、ワッペン(M)に変形や欠損を生じさせてしまう不都合が全くない。
また、熱転写時は、ワッペン(M)の輪郭線に沿って切り目(12)が形成されているため、ワッペン(M)部分のみを被転写面(5)に綺麗に且つ正確に熱転写させることができる。しかも、生地の被転写面(5)に熱転写しているときはワッペン(M)の回りのスクラップ部(22)がアプリケーションシート(2)に貼着したままとなるから、ワッペン(M)がアプリケーションシート(2)に対して歪んだり、ずれたりすることはない。そして、熱転写完了後は、アプリケーションシート(2)を剥がすと、ワッペン(M)の回りのスクラップ部(22)がアプリケーションシート(2)とともに綺麗に取り除かれる。よって、ワッペン(M)を被転写面(50)に綺麗に且つ正確に転写させることができる。しかも、被転写面(5)への転写時の加熱加圧に対してスクラップ部(22)がワッペン(M)のガイドとなってワッペン(M)を構成する文字等の変形を防ぐことができ、従来(特許文献1)のように予めスクラップ部122を除去したものに比べ、被転写面(5)にはワッペン(M)の形が綺麗に整った状態での転写を実現することができる。
また、熱転写時は、ワッペン(M)の輪郭線に沿って切り目(12)が形成されているため、ワッペン(M)部分のみを被転写面(5)に綺麗に且つ正確に熱転写させることができる。しかも、生地の被転写面(5)に熱転写しているときはワッペン(M)の回りのスクラップ部(22)がアプリケーションシート(2)に貼着したままとなるから、ワッペン(M)がアプリケーションシート(2)に対して歪んだり、ずれたりすることはない。そして、熱転写完了後は、アプリケーションシート(2)を剥がすと、ワッペン(M)の回りのスクラップ部(22)がアプリケーションシート(2)とともに綺麗に取り除かれる。よって、ワッペン(M)を被転写面(50)に綺麗に且つ正確に転写させることができる。しかも、被転写面(5)への転写時の加熱加圧に対してスクラップ部(22)がワッペン(M)のガイドとなってワッペン(M)を構成する文字等の変形を防ぐことができ、従来(特許文献1)のように予めスクラップ部122を除去したものに比べ、被転写面(5)にはワッペン(M)の形が綺麗に整った状態での転写を実現することができる。
(1):カラーシート
(2):アプリケーションシート
(5):被転写面
(10):ホットメルト層
(11):剥離シート
(12):切り目
(20):粘着剤
(22):スクラップ部
(50):アイロン
(M) :ワッペン
(S):ワッペンシート
(S1):素材シート
(2):アプリケーションシート
(5):被転写面
(10):ホットメルト層
(11):剥離シート
(12):切り目
(20):粘着剤
(22):スクラップ部
(50):アイロン
(M) :ワッペン
(S):ワッペンシート
(S1):素材シート
Claims (3)
- 透明又は半透明のアプリケーションシートを最上層にして該アプリケーションシートの裏面にカラーシートとホットメルト層とを積層した素材シートを形成し、
素材シートにおけるホットメルト層の裏面に剥離シートを形成し、
剥離シート、ホットメルト層及びカラーシートに対して、被転写面に転写するワッペンの輪郭線に沿って切り目を形成する工程を有する熱転写ワッペンシートの製造方法。 - 請求項1に記載の熱転写ワッペンシートの製造方法において、前記カラーシートは、伸縮性素材製とした熱転写ワッペンシートの製造方法。
- 耐熱性を有する透明又は半透明のアプリケーションシートと、前記アプリケーションシートの裏面に貼着され且つ所定の着色が施されるカラーシートと、前記カラーシートの裏面に形成されるホットメルト層と、前記ホットメルト層を被覆する剥離シートとから構成され、
剥離シート、ホットメルト層及びカラーシートに対して、被転写面に転写するワッペンの輪郭線に沿って切り目が形成され、
前記切り目で囲まれた範囲内の前記剥離シートは前記被転写面への転写時に除去される構成とした熱転写ワッペンシート。
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-
2012
- 2012-06-12 JP JP2012132605A patent/JP2013256037A/ja active Pending
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