以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワークNTを介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
ネットワークNTは、センターサーバ2に対してゲーム機3をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれをインターネットに接続するLAN、あるいはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等を含んでよい。
図1の例では、ゲーム機3としてゲーム機3A、3B、3Cが示されている。ゲーム機3はいずれもゲームを提供するゲーム装置の一例である。ゲーム機3Aはアミューズメント店舗等の施設に設置され、所定の対価の支払いと引き換えにそのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる業務用ゲーム機として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることもある。この種のゲーム機3A(以下、アーケードゲーム機3Aと呼ぶ場合がある)は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される場合が多い。一方、ゲーム機3B、3Cは、ユーザの個人的な使用に供される家庭用の据置型ゲーム機、或いは携帯型のゲーム機である。このようなゲーム機3B、3C(以下、据え置き型ゲーム機3B、或いは携帯型ゲーム機3Cとそれぞれ呼ぶ場合があり、これらを区別しない場合にはユーザ端末装置型のゲーム機3と呼ぶ場合がある)として、スマートフォン等の携帯電話機又は携帯情報端末(タブレット端末、及びパーソナルコンピュータを含む)が機能してよい。なお、図1の例では、複数種類のゲーム機3がセンターサーバ2に接続されているが、センターサーバ2に接続されるゲーム機3は一種類であってもよい。
ゲーム機3は、キャラクタ育成ゲームを提供する。キャラクタ育成ゲームは、ゲーム中のキャラクタを育成するタイプのゲームである。このようなキャラクタとして、モンスタ、スポーツ選手、或いは戦士等の各種のジョブ(職業)を持つ人物、並びに車や動物等の各種の物が利用されてよい。また、育成対象のキャラクタは、一体でもよいし、複数体でもよい。以下では、一例として、ゲーム機3がダンスユニット(複数のキャラクタによるチーム)を育成するタイプのキャラクタ育成ゲームを提供する場合について説明する。
このようなキャラクタ育成ゲームでは、ゲーム中の各種の要素を通じてダンスユニットを形成する各キャラクタが育成される。このような育成用の要素には、ミニゲームが含まれる。つまり、各キャラクタは、このようなミニゲームのプレイを通じて育成される。このようなミニゲームは、各種のゲームを含んでよいが、一例として音楽ゲームを含んでいる。音楽ゲームは、タイミングゲームの一種である。タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を評価するタイプのゲームである。音楽ゲームの場合、その適切なプレイ行為を実行すべき実行時期が楽曲とともに提供される。また、音楽ゲームでは、楽曲のリズムと一致する時期が実行時期として利用される。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際にプレイ行為が実行された時期を評価するタイプのゲームである。また、例えば、音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲が実際のプレイに使用される。例えば、そのような音楽ゲームは、表示装置に表示されるゲーム画面を通じて提供される。具体的には、このようなゲーム画面は、各実行時期に対応する指示標識及び現在時刻の基準として機能する基準標識を含み、それらの指示標識及び基準標識を利用し、各実行時期において指示標識及び基準標識の位置が一致するように指示標識と基準標識との間に相対的変位を生じさせることにより各実行時期を案内する。
ゲームシステム1には、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4が接続される場合もある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ4A、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4Bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。なお、このようなユーザ端末装置4がコンピュータソフトウエアを通じてゲーム機3として機能してもよい。
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワークNTを介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3にキャラクタ育成ゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。また、ゲーム機用サービスは、ネットワークNTを介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービスを含んでいる。ゲームシステム1は、このようなマッチングサービスを通じてキャラクタ育成ゲーム(音楽ゲーム等のキャラクタ育成ゲームの一部の場合を含む)を、複数のユーザ間において進行を共通させる複数プレイ型のゲームとして提供する場合がある。
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
次に、図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には、各種のサービスの提供に必要なサーバ用データが記憶される。そのようなサーバ用データはキャラクタ育成ゲーム用の各種のデータを含んでいるが、図2の例ではそのような各種のデータの一種として、プレイデータPDが示されている。プレイデータPDは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータPDは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。プレイデータPDの詳細は、後述する。
なお、サーバ用データは、例えばその他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、楽曲データ、シーケンスデータ、動画データ、或いはID管理データ等が含まれてよい。楽曲データは、音楽ゲームで使用される楽曲を再生するためのデータである。シーケンスデータは、音楽ゲームにおいてユーザによってプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたデータである。シーケンスデータは、各実行時期の案内及びその評価に使用される。このため、シーケンスデータには、各実行時期、及びその実行時期に実行されるべき適切なプレイ行為の情報が互いに関連付けられるように記述される。動画データは、音楽ゲーム中に動画を表示するためのデータである。このような動画は、ダンス動画(各キャラクタによるダンスアニメーションを含む)を含む。このようなダンス動画のキャラクタのダンス(動作)は、動画データに基づいてプログラムPG1によって随時実現されてもよいが、例えばモーションセンサを付けた人が動いた軌跡を収録し、その検出結果に基づく軌跡により実現されてもよい。また、各動画は、仮想三次元空間を仮想カメラで撮影した撮影結果として構成されてよい。ID管理データは、ユーザID等の各種IDを管理するためのデータである。しかし、それらの図示は省略した。
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム機サービス管理部24が設けられる。ゲーム機サービス管理部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。なお、制御ユニット21には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得る。例えば、そのような論理的装置には、ユーザ端末装置4が接続される場合にそのユーザ端末装置4に上述のWebサービスを実現するための各種の処理を実行するWebサービス管理部が含まれる。同様に、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG2が記録される。また、記憶部32には、キャラクタ育成ゲームの提供に必要なゲームデータが記録される。そのようなゲームデータには、音楽ゲーム用のデータを含む各種のデータが含まれるが、図2の例ではその一種としてプレイデータPDが示されている。プレイデータPDは、配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。なお、ゲームデータには、プレイデータPDと同様に配信サービスを通じて提供される楽曲データ、シーケンスデータ、動画データ、或いはID管理データが含まれ得る。また、ゲームデータには、例えば、その他にもゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、及び各種のBGMを再生するためのBGMデータ等が含まれ得る。しかし、これらの図示は省略した。
制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてキャラクタ育成ゲームの提供に必要な各種の処理(センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な処理を含む)が実行されるが、図2の例では、キャラクタ育成ゲームに関連する論理的装置として、進行制御部33、及びデータ管理部34が示されている。
進行制御部33は、ゲームの進行を制御するための各種の処理を行う論理的装置である。そのような処理には、指示標識及び基準標識を通じた各実行時期の案内を行う処理、或いはそのような各実行時期に基づいてプレイ行為を評価するための処理等も含まれる。あるいは、ダンスユニットによるダンス等の各種動画を表示するための処理も含まれる。つまり、音楽ゲームのプレイを実現するための各種の処理が含まれる。このような処理として、進行制御部33は、例えば上限後経験値提示処理を実行する。上限後経験値提示処理の手順は後述する。
一方、データ管理部34は、記憶部32に記録される各種データの管理に関する各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、ゲームの進行に関連して変化するデータを更新する処理が含まれる。また、このようなデータには、プレイデータPDが含まれる。つまり、データ管理部34が実行する処理には、ゲームの進行に関連してプレイデータPDを更新する処理が含まれる。具体的には、データ管理部34は、そのようなプレイデータPDを更新する処理として、例えば、経験値増加処理、及び基準達成特典付与処理を実行する。経験値増加処理、及び基準達成特典付与処理の手順は、後述する。
また、ゲーム機3にはアーケードゲーム機3A、或いはユーザ端末装置型のゲーム機3等の種類に応じて適宜に各種の出力装置、及び入力装置が設けられてよいが、図2の例ではモニタ37、及びスピーカSPがゲーム機3に設けられる出力装置として示されている。モニタ37、及びスピーカSPは、それぞれゲーム画面等を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。同様に、図2の例では、ゲーム機3に設けられる入力装置として、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置36が示されている。入力装置36は、ゲーム機3の種類に応じて適宜に構成されてよい。例えば、アーケードゲーム機3Aの場合、入力装置36として音楽ゲーム用に足で踏むように押す押しボタン付きのステージが利用されてもよい。そして、このステージの上でユーザは音楽ゲームをプレイしてよい。あるいは、複数の押ボタンが設けられたコントロールパネルが用意されてもよい。このような場合、足或いは手で押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。また、タッチパッドやタッチパネルディスプレイが入力装置36として利用されてもよい。この場合、これらを手や足、あるいはタッチ用のペン(いわゆるスタイラスペン)でタッチする行為がプレイ行為として利用される。
一方、例えば、据え置き型ゲーム機3Bの場合、入力装置36として複数の押しボタンを含むキーボード、或いは専用のコントローラ(主として足で操作するために床等に敷いて用いるマットコントローラを含む)が使用されてよい。この場合、それらの押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。同様に、例えば、携帯型ゲーム機3Cの場合、入力装置36として、例えば、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力するタッチパネルが利用されてよい。この場合、タッチ操作及びその位置がプレイ行為として利用される。また、携帯型ゲーム機3Cに、有線または無線で専用のコントローラ(上述のマットコントローラを含む)が接続され、使用されてもよい。
なお、その他にも、例えばアーケードゲーム機3Aには、現金、代替硬貨、メダル、電子通貨(ポイントを含む)、クレジットカード機能等を利用してユーザからゲームに必要な所定の対価を徴収するための対価徴収装置が入力装置として設けられてもよい。そして、そのような装置によって、例えば電子通貨の残量を記録するカードを介して電子通貨等の各種の対価が徴収されてよい。また、例えばユーザ端末装置型のゲーム機3の場合、ユーザ端末装置型のゲーム機3はゲームを有償(追加的範囲のプレイ等のためにゲームの一部が有償の場合を含む)で提供しても、無償(事前にソフトウエアを購入している場合を含む)で提供してもよい。ゲームが有償で提供される場合、ユーザ端末装置型のゲーム機3においてその対価は各種の周知の決済処理を通じて徴収されてよい。
次に、キャラクタ育成ゲームの進行について説明する。以下では、入力装置36としてタッチパネルを利用する携帯型ゲーム機3Cを例に、このような携帯型ゲーム機3Cのモニタ37に表示されるゲーム画面の一例を参照しつつ、キャラクタ育成ゲームの進行について説明する。図3は、ホーム画面の一例を模式的に示す図である。ホーム画面40は、キャラクタ育成ゲームのためにモニタ37に表示される各種のゲーム画面のうち、主として他のゲーム画面への起点として機能するゲーム画面である。このため、ホーム画面40には、各画面に遷移するためのタッチ位置(タッチ操作がされるべき位置)として機能するアイコン(以下、遷移用アイコンと呼ぶ場合がある)が表示される。また、ホーム画面40には、その他にも管理用の機能や情報が設けられる場合がある。具体的には、図3に示すように、ホーム画面40は、“STORY”アイコン41、“DANCER”アイコン42、“TEAM”アイコン43、“抽選”アイコン44、“おつかい”アイコン45、“DANCE BATTLE”アイコン46、“MISSION”アイコン47、情報領域48、及びキャラクタ画像CAを含んでいる。
“STORY”アイコン41は、ストーリ画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。ストーリ画面は、ゲーム中の各キャラクタが持つ個々のヒストリ、或いは複数人の会話シーンなど、各キャラクタに設定されている物語(ストーリ)アニメーション(動画)を選択、視聴するためのゲーム画面である。このようなストーリは、ゲームで獲得した報酬や各キャラクのレベル等、プレイ状況に応じて新しく解禁される(視聴可能になる)ものを含む場合がある。
“DANCER”アイコン42は、キャラクタ画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。キャラクタ画面は、各キャラクタの詳細を提示するためのゲーム画面である。キャラクタ育成ゲームには多くのキャラクタが用意されており、キャラクタ画面には各キャラクタの詳細が表示される。例えば、キャラク画面では、各キャラクタの詳細として、各キャラクタのパラメータの情報がキャラクタ毎に表示される。
“TEAM”アイコン43は、チーム(ユニット)編成画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。チーム編成画面は、ダンスユニットを形成する各キャラクタを選択するためのゲーム画面である。一つのダンスユニットは、適宜の数のキャラクタによって形成されてよいが、以下では、一つのダンスユニットが3名のキャラクタによって形成される場合について説明する。
“抽選”アイコン44は、抽選結果画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。抽選結果画面は、キャラクタ育成ゲームに関連する各種の要素を抽選で付与するための抽選ゲームを提供するためのゲーム画面である。例えば、このような抽選ゲームでは、キャラクタ育成ゲームに関連する要素として各キャラクタに対応するカードが抽選で付与される。抽選ゲームで付与されたカードは、キャラクタ育成ゲームにおいてプレイの進行に使用されてもよいし、単にコレクション或いは鑑賞用のカードとして機能してもよい。
“おつかい”アイコン45は、おつかい画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。おつかい画面は、おつかいイベントを提供するためのゲーム画面である。おつかいイベントは、各種のアイテムを獲得するためのイベントである。おつかいイベントは、ゲームに設定された所定の価値の消費に伴い提供される。
“DANCE BATTLE”アイコン46は、音楽ゲーム画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。音楽ゲーム画面は、上述のような指示標識等の表示を通じて実際に音楽ゲームをユーザにプレイさせるためのゲーム画面である。また、そのような音楽ゲーム画面には、ダンスユニットによるダンス動画も表示される。
“MISSION”アイコン47は、ミッション画面(不図示)に遷移するための遷移用アイコンである。ミッション画面は、ゲーム中に用意されたミッションのリスト、達成条件、達成に伴う報酬、或いは達成履歴等のミッションに関する情報を提供するためのゲーム画面である。ミッションは、達成条件を満たす(達成する)ことにより所定の報酬をユーザに付与するためのイベントの一種である。ゲーム中には、このようなミッションとして、プレイ毎に達成の可否の判別が可能なものから、今回(1回)のプレイだけでは達成できない比較的長期のプレイを対象にするものまで用意されていてよい。
情報領域48は、ゲームに関連する各種の情報を提示するための領域である。情報領域48は、例えば、名称領域48A、ランク領域48B、体力値領域48C、及び通貨領域48Dを含んでいる。名称領域48Aは、ユーザのゲーム中における名称(“ゴゴ”)、及びゲーム中に用意されたユーザ用の各種の称号(プレイ状況が各種の付与条件を満たした場合にその満たされた条件に応じて与えられ、後述のランクのうちの一部のランクに対応するように設けられる場合が多く、ユーザのランクを示す情報の一種として機能する場合も多いが、ランクとは独立して付与されてもよい)のうちプレイ中のユーザに与えられた称号(“紅鶴学園ゴールド生”)を表示するため領域である。
ランク領域48Bは、ユーザのランクを示すランク値を表示するための領域である。ランクは、位、段階等の程度を示す概念であり、いわゆるレベルに相当する意味をもつ。このため、ランク値は、ユーザのゲームにおける成長度を示すレベル値として機能し、この値が大きいほど多くゲームをプレイしたことを示す場合が多い。ランク値として、数値、アルファベット等の文字、或いは記号等の適宜の要素(互いに区別され、程度を特定可能なもの)が利用されてよいが、図3の例では数値(“75”)が利用されている。また、ランク値は、各種のパラメータを規定するための値である。つまり、ランク値に応じて、後述の体力値等の各種のパラメータが規定される。ランク値は、キャラクタ育成ゲームのプレイ状況(例えば、育成用の音楽ゲームの獲得得点等のプレイ結果)に基づいて付与される経験値に応じて上昇する。このため、ランク領域48Bには経験値の獲得量の情報も表示される。具体的には、ランク領域48Bは、経験値ゲージEGを含んでいる。経験値ゲージEGは、ホーム画面40において経験値の獲得量を示すゲージとして機能する画像である。経験値ゲージEGには、現在までの経験値の獲得量(右斜線)、及び次回のランク値アップ(上昇)までの残量(白抜き)の情報が提示される。経験値の獲得量とランク値の上昇との関係は、更に後述する。
通貨領域48Dは、ゲーム内において通貨として機能する通貨価値(以下、ゲーム内通貨と呼ぶ場合がある)に関する情報を表示する領域である。ゲーム内通貨は、アイテムの購入、或いは各種の抽選機会の付与(上述の抽選ゲームのプレイ)等の所定の機能を利用するために消費される価値である。ゲーム内通貨は、例えば、現実の通貨の消費(プレイ用の対価と同様に徴収されてよい)に伴い購入される。通貨領域48Dには、例えば、通貨残高領域48D1と、通貨購入用アイコン48D2とが設けられる。通貨残高領域48D1は、現在ユーザが所有するゲーム内通貨の残高(“0”)を提示するための領域である。通貨購入用アイコン48D2は、ゲーム内通貨を購入(残高を増やす)ためのタッチ位置として機能するアイコンである。具体的には、通貨購入用アイコン48D2は、ゲーム内通貨の購入を要求するためにタッチ操作される位置として機能する。通貨購入用アイコン48D2へのタッチ操作に伴い、例えば、購入額の選択、或いは購入実行の可否確認を行うための追加領域(いわゆるポップアップ)が更に提示されてもよい。
体力値領域48Cは、体力値に関する情報を表示する領域である。体力値は、イベントの利用等の各種の進行をキャラクタ育成ゲームに付与するために消費される価値である。体力値は、ユーザの体力値としてユーザ毎に設定される。このような体力値は、各種の進行の付与のために使用されてよいが、例えば上述のおつかいイベントの提供(利用)、或いは音楽ゲームのプレイのために消費される。体力値は、時間経過に従って徐々に最大値(レベル等に応じて変化する場合がある)まで回復する。また、キャラクタ育成ゲームには、体力値を所定量回復させるためのアイテム(以下、回復アイテムと呼ぶ場合がある)も用意される。このような回復アイテムによる体力値の回復には制限(例えば、期間、回数、或いは最大値まで等の量)が設定されてもよいし、無制限に使用が許容されてもよい。
体力値領域48Cには、例えば、体力値提示領域48C1と、回復用アイコン48C2とが設けられる。体力値提示領域48C1は、各ユーザの体力値の現在値(残量)及び最大値を提示するための領域である。図3の例では、このユーザの現在の体力値(“30/30”の分子)、及び最大値(“30/30”の分母)として、いずれも“30”が提示されている。回復用アイコン48C2は、体力値を回復するためのタッチ位置として機能するアイコンである。より具体的には、回復用アイコン48C2は、体力値の回復を要求するためにタッチ操作される位置として機能する。回復用アイコン48C2へのタッチ操作に伴い、例えば、体力値を回復させるための回復アイテムの選択、或いはそのような回復アイテムの使用の可否を確認するための追加的領域(いわゆるポップアップ)がさらに提示されてもよい。そして、そのようなタッチ操作によって回復アイテムが実際に使用(消費)された場合に、体力値が所定量回復する。
キャラクタ画像CAは、各キャラクタに対応する画像である。ホーム画面40には、育成対象のダンスユニットを構成する各キャラクタに対応するキャラクタ画像CAが適宜に表示される。図3の例では、ホーム画面40には、ダンスユニットを構成する3名(全員)のキャラクタに対応する3つのキャラクタ画像CAがそれぞれ表示されている。
なお、体力値提示領域48C1には、このようなユーザの体力値に限定されず、例えばカーソル等の所定の指定手段によって指定されたキャラクタ等、適宜の条件に該当するキャラクタに関する体力値の情報が提示されてよい。あるいは、体力値提示領域48C1には、全キャラクタの体力値が提示されてもよい。同様に、ホーム画面40における各キャラクタ画像CAの配置は適宜でよい。例えば、事前の指定、或いはプレイ状況等の条件に応じてユーザが最も推奨するキャラクタ(いわゆる推しメンバ)が決定され、そのようなキャラクタのキャラクタ画像CAがホーム画面40において最も手前に配置されてもよい。あるいは、各キャラクタ画像CAの配置は、ユーザの指定に基づいて決定されてもよい。さらに、各キャラクタには、キャラクタ毎、或いはチーム(ユニット)毎に適宜にレベル値(ランク値)が設定されてよい。そして、そのようなレベル値に応じて各キャラクタ、或いはチームを定義する各種のパラメータの上限値等が適宜に規定されてよい。あるいは、ユーザのランク値、及び各キャラクタ(若しくはチーム)のランク値のいずれか一方は省略されてもよい。同様に、経験値の獲得量は、ランク領域48Bの経験値ゲージEGに限定されず、適宜の場所に適宜の手法で提示されてよい。
図4を参照して、経験値ゲージEGについて更に説明する。キャラクタ育成ゲームでは、音楽ゲーム等のミニゲームの後にリザルト画面が表示される場合がある。リザルト画面は、ミニゲームのプレイ結果を提示するためのゲーム画面である。このようなリザルト画面に、経験値ゲージEGが提示される場合がある。図4は、そのようなリザルト画面の一例を模式的に示す図である。また、図4の例は、対戦型のゲームとして提供された場合の音楽ゲームの後に表示されるリザルト画面の一例を示している。この場合、図4に示すように、リザルト画面50Fは、対戦結果表示領域50F1、楽曲情報領域50F2、及び獲得情報領域50F3を含んでいる。
対戦結果表示領域50F1は、音楽ゲームにおける対戦結果(例えば勝利を意味する“WIN”)を提示するための領域である。楽曲情報領域50F2は、音楽ゲームにおいてプレイに使用された楽曲の情報を提示するための領域である。楽曲情報領域50F2には、楽曲の情報として、例えば名称(“A楽曲”)、及びその難易度(“NORMAL”)が表示される。獲得情報領域50F3は、音楽ゲームのプレイ結果に応じて付与される各種の価値の情報を提示するための領域である。このような各種の価値として、適宜の価値が採用されてよいが、図4の例では経験値、及びアイテムがこのような価値の一種として付与されている。このため、獲得情報領域50F3には、このような価値の情報として、経験値の獲得量(“+957”)、及びアイテム(“Aアイテム”)の情報を含んでいる。また、このような経験値の獲得量が影響を与える要素(価値)として、ランク値、及び経験値の累積量に関する情報も表示されている。
具体的には、獲得情報領域50F3は、獲得経験値部F31、ランク情報部F32、累積経験値部F33、及び報酬情報部F34を含んでいる。獲得経験値部F31は、今回の音楽ゲームのプレイを通じて獲得された経験値の獲得量の情報を表示するための部分である。また、報酬情報部F34は、今回の音楽ゲームのプレイを通じて報酬として付与されるアイテムの情報を表示するための部分である。このため、獲得経験値部F31には今回の経験値の獲得量として“+957”の情報が、報酬情報部F34には今回の付与されたアイテムとして“Aアイテム”の情報が、それぞれ表示されている。
一方、ランク情報部F32は、今回獲得された経験値の獲得量を反映した後のユーザのランク値を表示するための部分である。図4の例では、ランク情報部F32には“1UP”及び“76”の情報が表示されている。“1UP”は今回の経験値の獲得量によりユーザのランク値が一つ上昇することを、“76”はそのような上昇後のユーザのランク値を、それぞれ示している。つまり、ランク情報部F32には、今回獲得された経験値の獲得量を反映した後のユーザのランク値の情報に加えて、そのような経験値の獲得量によってランク値が上昇した場合にはその上昇したランク値の数の情報も表示される。
また、累積経験値部F33は、今回獲得された経験値の獲得量を反映した後の累積的な経験値の獲得量を表示するための部分である。累積経験値部F33には、このような累積的な経験値の獲得量を示すために経験値ゲージEGが表示される。経験値ゲージEGには、今回獲得された経験値の獲得量を反映した後の累積的な経験値の獲得量EV(右斜線)が表示される。また、経験値ゲージEGは左右方向に延びる帯状に形成され、左端がゼロ(初期値)として、右端が次回にランク値上昇(ランクアップ)に到るために必要な経験値の累積量(以下、ランクアップ基準量と呼ぶ場合がある)として、それぞれ機能するように経験値の獲得量EV(右斜線)が変化する。このため、経験値ゲージEGにおいて経験値の未獲得部分(白抜き部分)が次にランクアップするために必要な残量として機能する。そして、これらの累積的な経験値の獲得量EV(経験値ゲージEGの右斜線に対応する部分)、及び次回のランクアップ基準量にそれぞれ対応する数値が経験値ゲージEGの上方に表示される。具体的には、図4の例では、累積的な経験値の獲得量EVに対応する数値として“597”が、次回のランクアップ基準量に対応する数値として“785”が、それぞれ表示されている。また、これらは前者を分子、後者を分母としてそれぞれ配置する分数形式(“597/785”)で表示される。
次に、図5及び図6を参照して、経験値の獲得量の一部が別の価値として管理される場合について説明する。経験値は、プレイ状況に基づいて所定の規則に従って算出される値である。一方、そのような同じ規則に従って経験値として算出されるものの、ゲームのプレイ状況等によっては別の価値を持たせた方がよい場合も生じ得る。このため、このような経験値に別の価値が生じる場合、そのような価値の相違に応じて経験値の獲得量の一部はその他の獲得量とは別に管理される。具体的には、例えば経験値の獲得量を経験値とは別の価値の獲得量として管理するための別管理条件が満たされる場合に、同じ規則に従って経験値として算出された獲得量が別の価値の獲得量として管理される。このような別管理条件として、別の価値(別管理の経験値)の用途(本来とは別の用途)、つまりそれに持たせるべき効果(価値)に応じてユーザの選択、或いはプレイ状況等を利用する適宜の条件が採用されてよい。例えば、このようなプレイ状況の一例として、ランクアップを一時的に停止させるアイテム、イベント、或いはユーザ(若しくはキャラクタ)の成長等が利用されてよい。そして、別管理条件は、このようなプレイ状況が生じた場合に満たされてよい。以下、一例として、ユーザの成長(ランク値)が別管理条件として利用される場合について説明する。
具体的には、ランク値には、上昇の限度としての上限値が設定される。ランク値の無制限の上昇は、リソース等の問題から好ましくないからである。同種のゲームには、ランク値(レベル値)が上限値(レベル上限値)に達した後には経験値の獲得量が蓄積されない場合も多いが、キャラクタ育成ゲームではそのような上限値に達した後においても経験値の獲得量がカウントされる。ただし、既にランク値は上限値に達していることから経験値の獲得量はランク値の上昇に寄与できない。このため、そのようなレベル上限値に達する前後において経験値の獲得量の用途を相違させる必要がある。このようなランク値が上限値に達している場合がプレイ状況の一例として利用される。つまり、このようなランク値が上限値に達している場合に別管理条件が満たされ、それ以降の獲得量(経験値の獲得量の一部)がそれ以前(レベル上限値に達する前)の獲得量と別に管理される。
図5は、ランク値が上限値に達している場合のホーム画面40の一例を模式的に示す図である。図5に示すように、ランク値が上限値に達している場合、ランク領域48Bには、経験値ゲージEGだけでなく、回復用ゲージRGも含んでいる。つまり、図3の例に比べて、ランク領域48Bには回復用ゲージRGの表示が追加される。回復用ゲージRGは、ランク値が上限値に達した後に獲得した経験値の獲得量を示すゲージとして機能する画像である。回復用ゲージRGには、経験値ゲージEGと同様に、レベル上限値に達して以降から現在までの経験値の獲得量(左斜線)が提示される。つまり、レベル上限値に達する前後における経験値の獲得量が、これらの経験値ゲージEG及び回復用ゲージRGを通じて別々に管理される。
図6は、ランク値が上限値に達している場合におけるリザルト画面50Fの一例を模式的に示す図である。図6の例は、図5の例において音楽ゲームがプレイされた場合におけるリザルト画面50Fを示している。この場合、図6に示すように、累積経験値部F33には、経験値ゲージEGに加えて、回復用ゲージRGが表示される。そして、今回の経験値の獲得量(“648”)は、回復用ゲージRGに反映される。具体的には、ランク値が上限値に達している場合、経験値ゲージEGが経験値の獲得量EVで満たされる(満杯となる)。結果として、経験値ゲージEGには、それ以上に経験値の獲得量EVを増加させる余地がなくなる。このため、今回獲得した経験値は、経験値ゲージEGの代わりに回復用ゲージRGに反映される(結果的に経験値ゲージEGが経験値の獲得量EVで満杯の場合に別管理条件が満たされ、回復用ゲージRGで別途管理されると言い換えることができる)。
図6の例では、経験値ゲージEGは左端から右端まで経験値の獲得量EVで満たされる。また、既にランク値が上限値に達しているため、次にランクアップするために必要な基準量も存在しない。このため、経験値ゲージEGの上方には、累積的な経験値の獲得量EVに対応する数値、及び次回のランクアップ基準量に対応する数値の代わりに、経験値の獲得量EVの獲得上限を示す“MAX”の文字が表示されている。一方、回復用ゲージRGは経験値ゲージEGと同様に左右方向に延びる帯状に形成され、左端がゼロ(初期値)として、右端が次回のランクアップ基準量に相当する量として、それぞれ機能する。そして、このような回復用ゲージRGに、経験値ゲージEGの経験値(以下、第1経験値と呼ぶ場合がある)とは別の経験値(以下、第2経験値と呼ぶ場合がある)として管理される獲得量RV(左斜線)が、その累積量を示すように表示される。
また、経験値ゲージEGと同様に、回復用ゲージRGにおいて経験値の未獲得部分(白抜き部分)が次回のランクアップ基準量に相当する量に到るまでに必要な残量として機能する。さらに、回復用ゲージRGの上方には、累積的な第2経験値の獲得量RV(左斜線に対応する部分)に対応する数値(“17200”)、及び次回のランクアップ基準量に相当する量(右端が示す量)に対応する数値(“35373”)が表示される。また、これらは経験値ゲージEGの場合と同様に、前者を分子、後者を分母としてそれぞれ配置する分数形式(“17200/35373”)で表示される。第1経験値の価値(用途)と第2経験値の価値(用途)との間の相違は後述する。また、図5及び図6の例において、第1経験値(経験値ゲージEGで管理される経験値)の獲得量EVが本発明の経験値の獲得量として、第2経験値(回復用ゲージRGで管理される経験値)の獲得量RVが本発明の別の価値の獲得量として、それぞれ機能する。同様に、ランク値が上限値に達している場合のホーム画面40、或いはランク値が上限値に達している場合のリザルト画面50Fが本発明のゲーム画面の一例として機能する。さらに、経験値ゲージEG、及び回復用ゲージRGが、本発明の経験値表示部、及び価値量表示部としてそれぞれ機能する。
ランク値の上限値は、固定的(ランク値の上限値に達した後は以降において同様の状態が持続される)であっても、可変的であってもよいが、例えば可変的である場合、一度別管理条件が満たされた後に別管理条件が満たされなくなる場合が再度生じ得る。つまり、回復用ゲージRGを通じて第2経験値の獲得量RVの提示が開始された後に、第1経験値の獲得量EVの蓄積が経験値ゲージEGを通じて再度開始される場合がある。このような場合、第1経験値の獲得量EVの蓄積が再開されると、第2経験値の獲得量RVの蓄積が停止されるため、それを提示するための回復用ゲージRGの表示態様は、未表示、或いは見えにくい表示等、適宜の態様に変更されてよい。例えば、回復用ゲージRGが見えにくい表示態様により表示される場合、ユーザは第1経験値の獲得量EVの蓄積が再開された経験値ゲージEGを回復用ゲージRGよりも強く意識することができる。また、回復用ゲージRGに蓄積された第2経験値の獲得量RVが破棄されることなく、保持され続けていることを容易にユーザに認識させることもできる。以下では、プレイ状況に基づいて第1経験値が付与される場合に、一例として第2経験値の獲得量RVの表示態様が目立たない態様に変更される場合について説明する。
図7は、図6の例からランク値の上限値が変更された場合におけるリザルト画面50Fの一例を模式的に示す図である。この場合、図7に示すように、回復用ゲージRGの表示態様は、図6の例に比べて、目立たなくなるようにグレー表示に変更される。また、上限値の変更に伴い、経験値ゲージEGの表示が、左端から右端まで第1経験値の獲得量EVで満たされる表示からランクアップ基準量まで残量を示す表示に変化する。このため、経験値ゲージEGの上方にも、第1経験値の獲得量EVに対応する数値(“1433”)、次回のランクアップ基準量に対応する数値(“2055”)が分数形式で再度表示される。そして、プレイ結果に応じて獲得される経験値(今回獲得の“648”)の蓄積先が経験値ゲージEGに変更される。結果として、回復用ゲージRGが示す第2経験値の獲得量RV(回復用ゲージRGに蓄積される第2経験値の獲得量RVの累積量)は、新しいランク値の上限値に再度到達する(つまり別管理条件が再度満たされる)まで増加せず、蓄積もされない。ホーム画面40のランク領域48Bについても同様である。つまり、ランク領域48Bの回復用ゲージRGも同様の表示態様(未表示を含む)に変化する。
なお、ランク値が上限値に達した後における経験値ゲージEGの表示は適宜でよい。例えば、上限値が変更された後の回復用ゲージRGと同様に目立たない態様に変化する等、適宜に表示態様(未表示を含む)が変化してよい。同様に、経験値ゲージEGの第1経験値の獲得量EVは、ランク値が上限値に達した後において初期値(左端に対応する値)等の適宜の値にリセットされてもよい。つまり、図6の例のようにレベル上限値に対応する第1経験値の獲得量EVを継続的に表示しなくてもよい。
次に、図8及び図9を参照して、第1経験値の価値(用途)と第2経験値の価値(用途)との間の相違について説明する。上述のとおり、ランク値が上限値に達した後(経験値ゲージEGが満杯の場合)においても経験値の獲得量は第2経験値の獲得量RVとして回復用ゲージRGに反映されるものの、既にランク値は上限値に達していることから経験値の獲得量はランク値の上昇に寄与できない。このため、第1経験値の用途と第2経験値の用途とは相違する。
まず図8を参照して、第1経験値の用途について説明する。図8は、ランク値が上限値に達する前における経験値、つまり第1経験値の獲得量EVとランクアップとの関係を説明するための説明図である。図8の例は、(a)ランクアップ前、及び(b)ランクアップ時の二つの状態に対応する経験値ゲージEGを示している。図8に示すように、経験値ゲージEGの第1経験値の獲得量EVは、プレイ状況に基づいて徐々に増加し、ランクアップ基準量まで到るとランクアップ特典が付与される。つまり、第1経験値の獲得量EVは、ランクアップ特典の付与の可否に使用される。
具体的には、まず(a)の経験値ゲージEGが示すように、ランクアップ前まではプレイ状況に基づく経験値の獲得に伴い、第1経験値の獲得量EVは徐々に増加する。このような増加は、例えば、第1経験値の獲得量EVが経験値ゲージEGの白抜き部分を埋めるように経験値ゲージEGにおいて表現される。つまり、第1経験値の獲得量EVは、徐々にランクアップ基準量に迫るように白抜き部分の範囲に拡大を続ける。ランクアップ基準量は、ランクアップの基準として機能する値(獲得量)である。このようなランクアップ基準量は、適宜に設定されてよい。例えば、ランク値の上昇に伴い、ランクアップまでに必要な経験値の獲得量EVが漸次増加するように、ランク値毎(所定の間隔毎でもよい)にランクアップ基準量は設定されてもよい。つまり、ランクアップ基準量は、その基準量によって付与されるランク値に応じて変化してもよい。あるいは、ランクアップ基準量は、ランク値にかかわらず一律に同じ獲得量であってもよい。
続いて(b)の経験値ゲージEGが示すように、ランクアップ基準量まで第1経験値の獲得量EVが到った(第1経験値の獲得量EVがランクアップ基準量と一致した)場合には、ランク値が一つ上昇する。また、このようなランクアップ(ランク値の上昇)には、ランクアップ特典(効果)が伴う。つまり、ランクアップ時には、ランクアップ特典が付与される。ランクアップ特典は、適宜に構成されてよいが、例えば消費型の特典(効果)、及び非消費型の特典を含んでいる。消費型の特典は、ゲームの進行(時間経過を含む)に関連して消費されるタイプの特典である。このような消費型の特典には、使用に伴い消費される(消えてしまう)アイテム(例えば回復アイテム等)、或いは進行に伴い減少する(消費される)パラメータの値等の回復等が含まれるが、図8の例ではこのようなパラメータ値の回復として体力値の回復が採用されている。体力値の回復は、体力値を所定量回復させる特典である。つまり、ランクアップに伴い、ランクアップ特典として体力値が所定量回復する。このような所定量は適宜に設定されてよい。例えば所定量として体力値の最大値相当の量(この場合、最大値、つまりパラメータの上限値を超えた回復が許容されてよい)が採用されてもよいし、最大値まで回復される量(残量に応じて変化する量)が採用されてもよい。また、このような所定量は、回復アイテムによる回復量と同等等、関係していてもよいし、無関係であってもよい。
一方、非消費型の特典は、ゲームが進行しても消費されない(効果が所定期間維持される、固定される)タイプの特典である。非消費型の特典には、例えば、各種のパラメータの上限値(消費型のパラメータの場合は分母、非消費型のパラメータの場合はその値等)を上昇させる効果が含まれる。このようなパラメータの上限値(最大値)の上昇は、ランク値の上昇が意図する本来の効果である。このようなパラメータとして各種のパラメータが利用されてよいが、図8の例では体力値が採用されている。つまり、ランクアップに伴い、ランクアップ特典として体力値の最大値が上昇する。同様に、このような非消費型の特典として、使用しても消えないアイテム(例えばキャラクタ用の衣装等)、或いは特別なイベント(進行)の付与等の各種の特典が利用されてよいが、図8の例ではストーリ解放が採用されている。ストーリ解放は、ストーリ画面において視聴可能なストーリを新しく解放する特典である。つまり、ランクアップに伴い、ランクアップ特典としてストーリ画面において新しいストーリが解放される。一例として、第1経験値の獲得量EVは、このような用途を持つ価値として機能する。
なお、ランクアップ特典は、上述のとおり適宜でよく、例えばパラメータの上限値の上昇(例えば体力値の最大値アップ)等の本来の特典だけであってもよい。つまり、消費型の特典、或いはストーリ解放等の他の非消費型の特典といったその他の付随的な特典を含んでいなくてもよい。
続いて図9を参照して、第2経験値の用途について説明する。図9は、ランク値が上限値に達した後における経験値、つまり第2経験値の獲得量RVとランクアップ基準量に相当する量(以下、特典基準量と呼ぶ場合がある)との関係を説明するための説明図である。図9の例は、(a)特典基準量に到達する前、(b)特典基準量に到達した際、及び(c)特典基準量に到達した後の三つの状態に対応する回復用ゲージRGを示している。図9に示すように、回復用ゲージRGの第2経験値の獲得量RVは、図8の例と同様に、プレイ状況に基づいて徐々に増加する。一方、特典基準量に到った際の特典は、ランク値が上限値に達する前(図8の例)と相違している。さらに、回復用ゲージRGの第2経験値の獲得量RVは、経験値ゲージEGと異なり、特典基準量まで到るとゼロ(初期値)にリセットされる。
具体的には、(b)の回復用ゲージRGが示すように、第2経験値の獲得量RVが特典基準量(例えば上限値到達後の次回に相当するランクアップ基準量)に到達した(初期値から特典基準量まで増加した)場合には、ランクアップ特典の代わりに、基準達成特典(効果)が付与される。このような基準達成特典として適宜の特典が利用されてよいが、例えばランクアップ特典の一部が利用される。具体的には、ランクアップ特典のうち、消費型の特典だけが基準達成特典として利用される。つまり、ランクアップとの相違を明確化するために(あるいは、実質的にランクアップと同様の効果が生じることを避けるために)、ランクアップ特典のうち、ランクアップに伴う本来の特典等の非消費型の特典の付与が省略される。このため、図9の例では、基準達成特典として体力値の回復(回復効果)が付与される。例えば、基準達成特典としてストーリ解放等の非消費型の特典が付与されると、ゲームにおける進行状況の差異又はゲームにおける優劣の差異が、レベル値が上限に達したユーザとその他のユーザとの間で大きくなり過ぎてしまう場合がある。このような場合、他のユーザがレベル上限のユーザに追い付ける確率(または、勝利できる確率)が低くなってしまうため、他のユーザのゲームに対する継続意欲が低下してしまう可能性がある。基準達成特典として、このような体力値の回復(消費型の特典)を付与することにより、これらの解消を図ることができる。
また、(c)の回復用ゲージRGが示すように、第2経験値の獲得量RVが特典基準量に到達すると、その累積量が初期値にリセット(クリア)される。つまり、基準達成特典の対価として、その付与に寄与した第2経験値の獲得量RVが消費される。この場合、特典基準量への到達に伴い、体力値が回復した後に再度初期値から第2経験値の獲得量RVの蓄積が開始される。このように第2経験値の獲得量RVは、基準達成特典の付与の可否、及びその付与に使用される。このような相違が上限値に達する前後において経験値の獲得量とランクアップ(あるいは特典基準量への到達)との間の関係、換言すれば第1経験値の用途と第2経験値の用途との間に生じる。
なお、特典基準量として、ランクアップ基準量と同様の基準量が採用されてもよいし、それとは別の独自(上限値に到達後に特有)の基準量が適宜に採用されてもよい。例えば、ランク値が上限値に達したユーザがランクアップ基準量を達成し易く(つまり、基準達成特典が付与され易く)なるように、ランクアップ基準量としてランク値が上限値に達する前よりも少ない基準量が採用されてもよい。ランク値が上限値に達した後の経験値が第2経験値としてそれまでの第1経験値と別に管理される場合、これらが一律に管理される場合に比べて、ランクアップ基準量と異なる基準量を特典基準量として採用することが容易である。また、基準達成特典は、ランクアップ特典の一部に限定されない。基準達成特典として、ランクアップ特典とは全く相違する特有の特典が適宜に採用されてもよい。さらに、基準達成特典として、実質的にランクアップと相違する限り、非消費型の特典が許容されてもよい。
次に、プレイデータPDの詳細について説明する。図10は、プレイデータPDの構成の一例を示す図である。プレイデータPDは、上述のとおりゲームに関する各ユーザのプレイ実績を管理するためのデータである。このようなプレイ実績には、上述のランク値、体力値、或いは経験値等の情報が含まれる。このため、図10に示すように、プレイデータPDは、これらのランク値等をユーザ毎に管理付けて管理するプレイレコードPDRを含んでいる。そして、プレイレコードPDRは、“ユーザID”、“ランク”、“体力値(最大)”、“体力値(残量)”、“第1経験値”、“第2経験値”、“ストーリ”及び“アイテム”の情報を含んでいる。
“ユーザID”は、各ユーザを識別するためにユーザ毎にユニークなユーザID(各ユーザのアカウントを識別できる限り、一人のユーザが複数のユーザIDを使用してもよく、必ずしもユーザと1対1で対応していなくてもよい)を示す情報である。“ランク”は、各ユーザのランク値を示す情報である。“体力値(最大)”、及び“体力値(残量)”は、いずれも体力値を示す情報である。具体的には、“体力値(最大)”は体力値の最大値を示す情報である。一方、“体力値(残量)”は体力値の残量(使用可能な量)を示す情報である。例えば、体力値提示領域48C1の現在値(残量)には“体力値(残量)”が示す体力値の残量(図3の例の分子)が、最大値には“体力値(最大)”が示す体力値の最大値(図3の例の分母)が、それぞれ表示される。
同様に、“第1経験値”、及び“第2経験値”はいずれも経験値の獲得量を示す情報である。具体的には、“第1経験値”は、第1経験値の獲得量EV、つまりランク値が上限に達していない場合(別管理条件が満たされない場合)に蓄積される経験値の獲得量を示す情報である。一方、“第2経験値”は、第2経験値の獲得量RV、つまりランク値が上限値に達している場合(別管理条件が満たされる場合)に蓄積される経験値の獲得量を示す情報である。例えば、経験値ゲージEGには“第1経験値”が示す第1経験値の獲得量EVが、回復用ゲージRGには“第2経験値”が示す第2経験値の獲得量RVが、それぞれ表示される。“ストーリ”は、ストーリ画面で視聴可能なストーリを示す情報である。複数のストーリが存在する場合、各ストーリをストーリ毎に識別するためのストーリIDの情報が“ストーリ”に記述される。また、例えばストーリ解放によって解放されたストーリが存在する場合、そのようなストーリに対応するストーリIDの情報が“ストーリ”に記述される。“アイテム”は、各ユーザが所有するアイテムを示す情報である。例えば、“アイテム”には複数のアイテムをそれぞれ識別するためにアイテム(種類の単位でもよい。その場合、更に数の情報を“アイテム”は含んでいてもよい。)毎にユニークなアイテムIDの情報が記述される。そして、ストーリと同様に、報酬等としてユーザに付与されたアイテムに対応するアイテムIDの情報が“アイテム”に記述される。プレイレコードPDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
なお、プレイデータPDは、これらの情報に限定されず、管理対象の各種のプレイ実績の情報を含んでいてよい。あるいは、例えば、ランク値に応じて体力値の最大値が固定的に設定される(一義的に取得される)場合の“体力値(最大)”の情報等、これらの情報の一部が適宜に省略されてもよい。さらに、例えば、これらの情報の一部は適宜に別々のデータとして管理されてもよい。
次に、図11〜図13を参照して、経験値増加処理、基準達成特典付与処理、及び上限後経験値提示処理について説明する。経験値増加処理は、プレイ状況に基づいて経験値の獲得量を増加させるための処理である。データ管理部34は、例えば音楽ゲーム等の育成用のミニゲーム(経験値が付与される対象のゲーム)のプレイが終了する毎に図11の経験値増加処理を開始し、まずその育成用のミニゲーム(例えば音楽ゲーム)のプレイ状況を取得する(ステップS101)。例えば、育成用のゲームが音楽ゲームの場合、データ管理部34は、このようなプレイ状況として音楽ゲームのプレイによって獲得した獲得得点(プレイ結果)を取得する。
続いてデータ管理部34は、ステップS101で取得したプレイ状況に基づいて今回付与すべき(ユーザが獲得すべき)経験値の量を算出する(ステップS102)。このような算出は、例えば所定の規則の一例として獲得得点と経験値の量とを関連付ける(マッピングする)適宜の変換データ(不図示)を介して実現されてよい。なお、このような算出は、ゲームの進行の一部としてゲームの終了後に、進行制御部33を通じてプレイ結果の提示のために実行されてもよい。その場合、データ管理部34は、ステップS101においてプレイ状況としてその算出された経験値の量を取得し、ステップS102の処理を省略してもよい。あるいは、反対に進行制御部33は、プレイ結果の提示のために経験値増加処理の処理結果を利用(取得)してもよい。
次にデータ管理部34は、別管理条件が満たされるか否か判別する(ステップS103)。別管理条件は、上述のとおり例えばランク値が上限値に達している場合に満たされる。このため、データ管理部34は、一例としてステップS103においてユーザのランク値が上限値に達しているか否か判別する。そして、ユーザのランク値が上限値に達していない場合(別管理条件が満たされない場合)、データ管理部34はステップS102で算出した(あるいはステップS101で取得した)経験値の量を第1経験値の獲得量EVとしてユーザに付与する(ステップS104)。具体的には、データ管理部34は、このような付与をプレイデータPDの“第1経験値”で管理される獲得量EVを増加させることにより実現する。つまり、データ管理部34は、“第1経験値”で管理される獲得量EVがステップS102で算出した経験値の量増加するように、プレイデータPDを更新する。
一方、ユーザのランク値が上限値に達している場合(別管理条件が満たされる場合)、データ管理部34は、ステップS102で算出した(あるいはステップS101で取得した)経験値の量を第2経験値の獲得量RVとしてユーザに付与する(ステップS105)。具体的には、データ管理部34は、このような付与をプレイデータPDの“第2経験値”で管理される獲得量RVを増加させることにより実現する。つまり、データ管理部34は、“第2経験値”で管理される獲得量RVがステップS102で算出した経験値の量増加するように、プレイデータPDを更新する。そして、データ管理部34は、これらのような付与(ステップS104の付与、或いはステップS105の付与)の後に今回の経験値増加処理を終了する。
図11の手順により、音楽ゲーム等のプレイ状況に応じてユーザに経験値が付与される。より具体的には、ユーザのランク値が上限値に達していない場合には第1経験値が付与され、プレイデータPDの“第1経験値”で管理される獲得量EVが増加する。一方、ユーザのランク値が上限値に達している場合には第2経験値が付与され、プレイデータPDの“第2経験値”で管理される獲得量RVが増加する。さらに、ユーザのランク値が上限値に達した後であっても、仮にランク値の上限値が変更された場合には再度第1経験値が付与され、プレイデータPDの“第1経験値”で管理される獲得量EVが増加する。つまり、ランク値の上限値が変更された場合には第1経験値の獲得量EVの蓄積(第1経験値の付与)が再開される。一方、そのような場合には第2経験値の獲得量EVの蓄積(第2経験値の付与)が停止される。そして、変更後の上限値に再度ランク値が到達した場合には第2経験値の獲得量EVの蓄積(第2経験値の付与)が再開され、以降同様の流れが繰り返される。
一方、基準達成特典付与処理は、基準達成特典を付与するための処理である。データ管理部34は、例えば経験値増加処理が終了する毎(あるいはその処理において第2経験値が付与されている場合に限定されてもよい)に図12の基準達成特典付与処理を開始し、まず第2経験値の獲得量RVが特典基準量に到達しているか否か判別する(ステップS201)。データ管理部34は、この判別をプレイデータPDの“第2経験値”の情報を参照しつつ実行する。具体的には、データ管理部34は、プレイデータPDの“第2経験値”で管理される獲得量RVが特典基準量に達しているか否か判別する。そして、第2経験値の獲得量RVが特典基準量に達していない場合、データ管理部34は以降の処理をスキップして、今回の基準達成特典付与処理を終了する。
一方、第2経験値の獲得量RVが特典基準量に達している場合、データ管理部34は基準達成特典を付与する(ステップS202)。基準達成特典としてランクアップ特典と同様の体力値の回復が利用される場合、このような付与はプレイデータPDの“体力値(残量)”の更新により実現される。つまり、データ管理部34は、“体力値(残量)”が所定量回復するように“体力値(残量)”を更新する。このような基準達成特典を付与した後に、データ管理部34は第2経験値の獲得量RVを初期値(例えばゼロ)にリセットする(ステップS203)。換言すれば、データ管理部34は、前回の特典付与から今回の特典付与までの増加分(特典基準量相当の獲得量)を第2経験値の獲得量RVから減少させる。具体的には、データ管理部34は、“第2経験値”で管理される獲得量RVが初期値(例えばゼロ)になる(あるいは増加分相当減少する)ようにプレイデータPDを更新することにより、このようなリセットを実現する。そして、このようなリセットの後に、データ管理部34は今回の基準達成特典付与処理を終了する。
図12の手順により、第2経験値の獲得量RV、つまりランク値が上限値まで達した後の経験値の獲得量に基づいて基準達成特典が付与される。例えば、基準達成特典として図9の例の体力値の回復が利用される場合、第2経験値の獲得量RVの特典基準量への到達に伴い、体力値が所定量回復する。つまり、ランク値が上限値まで達した後には、そのような上限値に達する前と異なり、ランクアップ時の特典の一部だけが付与される。また、このような判別はプレイデータPDの“第2経験値”の情報に基づいて実行されるため、仮にランク値の上限値が変更されたとしても、それまでに獲得された第2経験値の獲得量RVはその後にランク値が再度上限値に達した場合に引き継がれる。そして、そのような第2経験値の獲得量RVに基づいて基準達成特典が付与される。
また、上限後経験値提示処理は、第2経験値の獲得量RVをユーザに提示するための処理である。より具体的には、上限後経験値提示処理は、回復用ゲージRGを通じて第2経験値の獲得量RVを提示するために実行される。また、回復用ゲージRGは、常に表示されてもよいし、各種の条件に応じて適宜に表示されてもよいが、図13の例は表示条件に応じて回復用ゲージRGがホーム画面40等に表示される場合を示している。また、表示条件として回復用ゲージRGの表示の可否を判別するための適宜の条件が採用されてよいいが、図13の例は第2経験値の獲得量RVがゼロでない場合(第2経験値を獲得している場合)に満たされる条件が採用されている。この場合、進行制御部33は、ホーム画面40を表示する際、或いはリザルト画面50Fを表示する際に図13の上限後経験値提示処理を開始し、まずプレイデータPDを取得するとともに(ステップS301)、そこに含まれる“第2経験値”の情報に基づいて第2経験値の獲得量RVを特定する(ステップS302)。
続いて進行制御部33は、ステップS302で特定した第2経験値の獲得量RVに基づいて表示条件が満たされるか否か判別する(ステップS303)。具体的には、進行制御部33は、第2経験値の獲得量RVがゼロの場合に表示条件は満たされないと判別する。あるいは、たとえ第2経験値の獲得量RVがゼロであっても、基準達成特典の付与に伴いリセットされた後に該当するときには表示条件が満たされると判別してもよい。この場合、進行制御部33は、第2経験値の獲得量RVがゼロであっても、リセットが実行された後か否か更に判別する。このようなリセットの有無は、適宜に管理されてよいが、例えばプレイデータPDにおいて“第2経験値”の情報の一部として、或いはそれとは別の情報としてそれぞれ管理されてよい。そして、進行制御部33は、表示条件が満たされない場合、つまり第2経験値の獲得量RVがゼロの場合(あるいは更に第2経験値の獲得量RVがリセットされていない場合)、以降の処理をスキップして今回の上限後経験値提示処理を終了する。
一方、表示条件が満たされる場合、つまり第2経験値の獲得量RVがゼロでない(あるいはゼロであっても第2経験値の獲得量RVがリセットされている)場合、進行制御部33は回復用ゲージRGを通じて第2経験値の獲得量RVを表示する際の表示態様を判別する(ステップS304)。進行制御部33は、このような判別をランク値が上限値に達しているか否かに応じて実行する。具体的には、進行制御部33は、ランク値が上限値に達していない場合には目立たない態様(例えばグレー表示)と、ランク値が上限値に達している場合には通常表示(例えば経験値ゲージEGと同様の表示)と、それぞれ判別する。
続いて進行制御部33は、ステップS304で判別した表示態様にて、回復用ゲージRGを通じてプレイデータPDの“第2経験値”で管理される第2経験値の獲得量RVを提示する(ステップS305)。また、進行制御部33は、提示対象がリザルト画面50Fの場合には、その第2経験値の獲得量RVに対応する数値(例えば図6の例の“17200”)として回復用ゲージRGの上方に提示する。この場合において、進行制御部33は特典基準量の情報も同様に所定の形式で回復用ゲージRGの上方に提示してもよい。このような特典基準量の情報は、例えばランク毎等に応じて適宜に管理されてよい。そして、第2経験値の獲得量RVを提示した後に進行制御部33は今回の上限後経験値提示処理を終了する。
図13の手順により、回復用ゲージRGを通じて第2経験値の獲得量RVがホーム画面40等に提示される。また、表示条件に応じて、そのような提示の可否が判断される。具体的には、第2経験値の獲得量RVの獲得実績がある場合にのみ回復用ゲージRGを通じて第2経験値の獲得量RVが提示される。つまり、第2経験値の獲得量RVが一度も獲得されたことがない場合には回復用ゲージRGを通じた第2経験値の獲得量RVの提示は省略される。第2経験値の獲得量RVが一度も獲得されたことがない場合にまで回復用ゲージRGが表示されると、ユーザは経験値の蓄積(提示)が行われない回復用ゲージRGに違和感を覚えてしまう可能性があるが、表示条件に基づく省略により、このような違和感が抑制される。さらに、回復用ゲージRGを通じて第2経験値の獲得量RVが提示される場合でも、ランク値が上限値に達しているか否かに応じて表示態様が変更される。具体的には、ランク値が上限値に達している場合には経験値ゲージEGと同様に通常通り表示され、ランク値が上限値に達していない場合にはそれよりも目立たない態様(例えばグレーの配色)で表示される。
以上に説明したように、この形態によれば、別管理条件が満たされた場合、つまりランク値が上限値に達している場合には、第1経験値の獲得量EVの代わりに、第2経験値の獲得量RVが増加する。つまり、プレイ状況に基づく経験値が、本来のランクアップ用の第1経験値ではなく、それとは別の基準達成特典(体力値の回復)用の第2経験値として付与され、管理される。このため、このような別管理条件を利用して、第1経験値の獲得量EVと同じ経験値をそれとは別の第2経験値の獲得量RVとして管理することができる。これにより、ランク値が上限値に達する前後において経験値の管理先を第1経験値と第2経験値との間で変更することができるので、ランク値が上限値に達する前後において同じ経験値に異なる価値(あるいは用途)を持たせることができる。具体的には、例えばランクアップと体力値の回復といった具合に、第1経験値の獲得量EVと第2経験値の獲得量RVとに互いに異なる価値(効果)、あるいは用途を付与することができる。結果として、同じ所定の規則(条件)で付与される経験値に多様性を持たせることができる。
特に、ランク値の上限値が変更され、適宜引き上げられる場合には、このように同じ経験値を価値に応じて別々に管理することにより高い有用性を得ることができる。具体的には、例えば、ランク値が上限値に達した後も同じ第1経験値の獲得量EVとしてカウントされ、同様の基準達成特典の付与に活用する手法も考えられるが、このような手法では上限値の変更時に各ユーザが持つ第1経験値の獲得量EVに差が生じ得るため、次のランクアップまでの難易度(または、次のランクアップまでに必要な第1経験値の獲得量EV)に差が生じてしまう可能性がある。あるいは、このような差が生じることから、上限値の変更時に合わせて次のランクアップ基準量直前まで第1経験値を獲得するという対応を招く可能性もあるが、このような対応が仮にとられると、その獲得量を維持するために所望の段階まで第1経験値が獲得された後にゲームのプレイが避けられてしまう可能性がある。そもそも所望の獲得量を得ること自体難しく(多くの場合所望の獲得量を前後してしまう)、それゆえ所望の獲得量を得られず、ユーザのゲームに対する動機付けの低下を招いてしまう可能性がある。一方、上述のように第1経験値と第2経験値といった具合に、ランク値が上限値に到る前後において同じ経験値がその価値に応じて別々に管理される場合、仮にランク値の上限値が上昇しても、第1経験値の獲得量EVにユーザ間の差が生じないため、公平性の担保を図ることができる。また、第1経験値と第2経験値とは別々に管理されているから、次のランクアップ基準量直前まで事前に経験値を蓄積しておく必要性がない。このため、プレイの差し控えを抑制することもできる。結果的に所望の獲得量も生じず、それゆえそれが得られない場合の動機付けの低下を抑制することもできる。つまり、ランク値の上限値後も同じ経験値としてカウントする手法の場合に生じ得るデメリットを解消することができるので、そのような手法に比べて高い有用性を発揮することができる。
また、上述のように第2経験値の獲得量RVは基準達成特典の付与の可否に使用される。具体的には、第2経験値の獲得量RVが特典基準量まで増加した(到達した)場合には、ランクアップ特典の代わりに、基準達成特典として体力値の回復効果が付与される。このため、第2経験値の獲得量RV、つまりレベル上限値に達した後における経験値の獲得量を、そのような特典の付与に活用することができる。これにより、レベル上限値に達した後における経験値の獲得量を、それをカウントせず無駄にしてしまう場合に比べて有効活用することができる。
さらに、このような基準達成特典の付与に伴い、例えば回復用ゲージRGの第2経験値の獲得量EVはゼロ(初期値)にリセットされる。つまり、特典の付与の対価が第2経験値の獲得量EVから減少する。これにより、経験値の獲得量が無制限に増加してしまう場合に生じ得る処理負荷、若しくはリソースの増加といったデメリットを低減することができる。これらにより、ユーザのゲームに対する意欲(動機付け)低下を抑制し、ゲームの利用促進を図ることができ、ひいてはゲームの興趣性を向上させることができる。
以上の形態において、ゲーム機3のデータ管理部34が、図11の手順を実行することにより本発明の条件判別手段、及び経験値付与手段として機能する。具体的には、ゲーム機3のデータ管理部34が、図11のステップS103の処理を実行することにより条件判別手段として、図11のステップS104及びS105を実行することにより経験値付与手段として、それぞれ機能する。また、ゲーム機3のデータ管理部34が、図12のステップS202の処理を実行することにより本発明の特典付与手段として機能する。一方、ゲーム機3の進行制御部33が、図13のステップS303〜S305の処理を実行することにより本発明の価値量提示手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、第2経験値の獲得量RVが特典基準量に到達した場合に、その到達に伴い自動的に基準達成特典が付与されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、このような基準達成特典の付与は、ユーザの指定等、適宜の時期に実行されてよい。このような場合、例えば、その時期によっては第2経験値の獲得量RVは特典基準量を超えて蓄積されてもよい。このような場合、第2経験値の獲得量RVは、特典基準量に到達した際にリセットされてもよいし、されなくてもよい。特典基準量への到達時にリセットされる場合、そのような到達に伴い基準達成特典を付与する権利を示す情報が別途カウントされてもよい。このような場合、このような権利(あるいはそれを示す情報)が本発明の特典として機能してよい。一方、特典基準量への到達時にリセットされない場合、その後の基準達成特典の付与に伴い第2経験値の獲得量RVがリセットされてもよい。また、このように第2経験値の獲得量RVが特典基準量への到達時にリセットされない場合、特典基準量を超えて第2経験値の獲得量RVが蓄積される。このため、第2経験値の獲得量RVのリセットは初期値へのリセットに限定されない。この場合、基準達成特典の付与のための経験値としての所定量(例えば図9の例におけるゼロから特典基準量までの増加分)がリセットされるように第2経験値の獲得量RVから減算されてもよい。つまり、この場合、第2経験値の獲得量RVは、一律に初期値にリセットされるのではなく、所定量減少してもよい。第1経験値の獲得量EVに関しても同様である。
上述の形態では、ゲーム機3はキャラクタ育成ゲームを提供している。しかし、ゲーム機3が提供するゲームは、このようなゲームに限定されない。ゲーム機3は、経験値、及びそれを利用するランク(レベル)を含む適宜のゲームを提供してよい。そして、そのようなゲームに含まれる各種の経験値(あるいはそれに相当する価値)が上述のように構成されてよい。
また、上述の形態のゲーム機3の役割(各種処理等)の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。つまり、本発明のゲームシステムは、センターサーバ2及びゲーム機3が適宜に協働して本実施形態のゲーム機3及びセンターサーバ2が有する各機能を実現するように構成されてもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。あるいは、反対に、センターサーバ2が単独で本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、プレイ状況に基づいて付与される経験値の獲得量(EV)に応じて、進行に使用されるパラメータを規定するためのレベル値が上昇するゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記経験値が付与される場合に当該経験値を前記経験値の獲得量とは別の価値の獲得量(RV)として管理するための別管理条件が満たされるか否か判別する条件判別手段(34)と、前記別管理条件が満たされない場合には前記経験値の獲得量を、前記別管理条件が満たされる場合には前記別の価値の獲得量を、それぞれ前記プレイ状況に基づく前記経験値の付与として増加させる経験値付与手段(34)と、を備えるものである。
本発明によれば、別管理条件が満たされた場合には、経験値の獲得量の代わりに、別の価値の獲得量が増加する。つまり、プレイ状況に基づく経験値がそれとは別価値として付与され、管理される。このため、別管理条件を利用して経験値の獲得量をそれとは別の価値の獲得量として管理することができる。これにより、経験値の獲得量と別の価値の獲得量とに互いに異なる価値、あるいは異なる用途を付与することができる。結果として、経験値の価値に多様性を持たせることができ、ひいてはゲームの興趣性の向上を図ることができる。
別管理条件として、例えば別の価値の用途等に応じて、ユーザの選択、プレイ状況、或いはゲームの設定等の各種の条件が適宜に採用されてよい。例えば、ユーザの指定に応じて経験値の管理先が変更されてもよいし、所定のイベントが達成された場合、或いはレベル値が上限値に達した場合等の適宜のプレイ状況に応じて経験値の管理先が変更されてもよい。あるいは、ゲームの提供者が設定したイベント期間等の適宜のゲームの設定に応じて経験値の管理先が変更されてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記条件判別手段は、前記レベル値に上昇の限度としてのレベル上限値が設定されている場合に、当該レベル上限値に前記レベル値が達しているか否かを前記別管理条件として利用し、当該レベル上限値に前記レベル値が達しているときに前記別管理条件が満たされると、当該レベル上限値に前記レベル値が達していないときに前記別管理条件が満たされないと、それぞれ判別してもよい。この場合、レベル値が上限値に達する前後において経験値の管理先を変更することができる。これにより、レベル値が上限値に達する前後に異なる価値(あるいは用途)を持たせることができる。
別管理条件は固定的であっても、可変的であってもよい。換言すれば、一度別管理条件が満たされた後には常に別管理条件が満たされてもよいし、一度別管理条件が満たされた後においても別管理条件が満たされなくなる状況が許容されてもよい。例えば、レベル値が上限値に達している場合に別管理条件が満たされる場合において、そのような上限値は、ユーザの選択、プレイ状況、或いはゲームの設定(例えば提供者による上限の変更設定等)等の適宜の条件に応じて変更されてよい。この場合、上限値の変更前に別管理条件が満たされていたとしても、その変更に伴い別管理条件が満たされなくなってもよい。そして、そのような変更の前後において経験値の管理先が経験値の獲得量と別の価値の獲得量との間で切り替わってもよい。具体的には、例えば、レベル上限値を別管理条件として利用する本発明の一態様において、前記ゲームは、所定の条件に応じて前記レベル上限値が変更されるように構成され、前記経験値付与手段は、前記レベル上限値の変更に伴い、前記別管理条件が満たされた後に前記別管理条件が再度満たされなくなった場合には前記プレイ状況に基づく前記経験値の獲得量の付与を再開する一方で、前記別管理条件が満たされなくなった後に前記別管理条件が再度満たされた場合には前記プレイ状況に基づく前記別の価値の獲得量の付与を再開してもよい。
別の価値の獲得量は適宜に提示されてよい。あるいは、別の価値の獲得量はユーザに提示されなくてもよい(例えば各種の用途のためにゲーム内のみで管理されてもよい)。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記経験値の獲得量を表示する経験値表示部(EG)を含むゲーム画面(40、50F)を表示する表示装置(37)に接続され、前記ゲーム画面を通じて前記ゲームが提供される場合に、前記別の価値の獲得量を表示する価値量表示部(RG)を前記経験値表示部とは別に前記ゲーム画面に提示する価値量提示手段(33)を備える態様が採用されてもよい。
別の価値の獲得量がユーザに提示される場合、別の価値の獲得量は無条件にユーザに提示されてもよいし、所定の条件に応じて提示の可否が判断されてもよい。また、このような所定の条件として、ユーザの選択、プレイ状況、ゲームの設定等の適宜の条件が採用されてよい。具体的には、別の価値の獲得量は、例えば別の価値の獲得量が付与された後(プレイ状況の一種)において提示が開始されてもよい。このため、価値量提示手段を備える本発明の一態様として、前記価値量提示手段は、前記別の価値の獲得量の表示の可否を判別するための表示条件を利用し、当該表示条件が満たされる場合には前記価値量表示部を介して前記別の価値の獲得量を表示する一方で、当該表示条件が満たされない場合には前記価値量表示部を介した前記別の価値の獲得量の表示を省略してもよい。
また、別の価値の獲得量が価値量表示部を通じてユーザに提示される場合において、別の価値の獲得量の表示態様は一定であてもよいし、適宜に変更されてもよい。例えば、別の価値の獲得量は、常に経験値の獲得量よりも目立つ(目につく)ように表示されてもよいし、その反対でもよい。あるいは、適宜の条件に応じて別の価値の獲得量の表示態様は変更されてもよい。その場合において、そのような条件は別管理条件が満たされるか否かと関係していてもよいし、無関係であってもよい。具体的には、例えば、価値量表示部を介して別の価値の獲得量が表示される態様において、前記価値量提示手段は、前記別管理条件が満たされるか否かに応じて表示態様が変化するように、前記価値量表示部を介して前記別の価値の獲得量を表示してもよい。
別の価値の獲得量は、適宜の価値として各種の目的に使用されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記別の価値の獲得量が所定量に達した場合に特典を付与する特典付与手段(34)を備える態様が採用されてもよい。この場合、別の価値の獲得量を特典の付与に活用することができる。これにより、例えば別管理条件がレベル上限値において満たされるときには、そのようなレベル上限値後の経験値の獲得量を、それがカウントされず無駄になってしまう場合に比べて有効活用することができる。
所定量の経験値に対応する特典として各種の特典が採用されてよい。例えば、このような特典として、使用に伴い消費される(消失する)アイテム、或いは消費型の価値(ゲームの進行に関連して残量が減少する価値)の回復等といった消費型の特典が採用されてもよい。あるいは、パラメータの上限値の上昇、若しくは装備品等の消費されないアイテムといった非消費型の特典が、このような特典として採用されてもよい。同様に、レベル値の上昇に伴い特典(レベルアップ特典)が付与される場合、このようなレベルアップ特典と所定量の経験値に対応する特典とは関係していてもよいし、無関係であってもよい。具体的には、所定量の経験値に対応する特典は、例えばレベルアップ特典の少なくとも一部であってもよいし、それとは無関係の特典であってもよい。このため、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記特典付与手段は、前記ゲームにおいて前記レベル値の上昇に伴いレベル上昇用の特典が付与される場合に、前記特典として前記レベル上昇用の特典の少なくとも一部を付与してもよい。
また、所定量の経験値に対応する特典としてレベルアップ特典と同様の特典が利用される場合において、その同様の特典は、上述のとおりレベルアップ特典の全部であってもよいし、一部であってもよい。例えば、レベルアップ特典として、消費型の特典及び非消費型の特典の両方が付与される場合において、所定量の経験値に対応する特典は、それらのうちいずれか一方だけであってもよいし、両方であってもよい。あるいは、所定量の経験値に対応する特典は、そのようなレベルアップ特典以外の特典を含んでいてもよい。具体的には、所定量の経験値に対応する特典としてレベルアップ特典の少なくとも一部が利用される態様において、前記特典付与手段は、前記ゲームの進行に関連して消費される消費型の特典と、前記ゲームの進行に関連して消費されない非消費型の特典と、を前記レベル上昇用の特典が含む場合に、前記消費型の特典、及び前記非消費型の特典のうち前記消費型の特典だけを前記レベル上昇用の特典の一部として利用し、前記消費型の特典を付与してもよい。また、この態様において、前記特典付与手段は、所定の進行を付与するために消費されるとともに、時間の経過に従って徐々に回復する進行用の価値を前記ゲームが含み、当該進行用の価値を回復させる回復効果が前記消費型の特典として利用される場合に、当該回復効果を前記特典として付与してもよい。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
また、本発明の制御方法は、プレイ状況に基づいて付与される経験値の獲得量(EV)に応じて、進行に使用されるパラメータを規定するためのレベル値が上昇するゲームを提供するゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記経験値が付与される場合に当該経験値を前記経験値の獲得量とは別の価値の獲得量(RV)として管理するための別管理条件が満たされるか否か判別する条件判別手順と、前記別管理条件が満たされない場合には前記経験値の獲得量を、前記別管理条件が満たされる場合には前記別の価値の獲得量を、それぞれ前記プレイ状況に基づく前記経験値の付与として増加させる経験値付与手順と、を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。