JP2021015972A - フリップチップvcsel用ウェハ検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】迅速で効率的且つ信頼性が高く、温度制御機能を有すると共に低コストで、ウェハ検査の困難性を解決する、検査装置を提供する。【解決手段】複数の発光部を有するウェハを検査するためのフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置1であって、真空チャンバ15に、ウェハ検査用キャリア10と、可撓性導電層11とを備える。ウェハ検査用キャリアは、第1の面を有する。第1の面上には複数の検査部が配置される。第1の面上に着脱可能に配置された可撓性導電層は、垂直方向に導電性を有し水平方向に絶縁される。可撓性導電層上に複数の発光部を備える被検査ウェハDUTが配置され、被検査ウェハの検査中、各発光部は、可撓性導電層を介して、複数の検査部のうちの一つと垂直方向に電気的に接続される。【選択図】図1A
Description
本願は、2019年7月9日に出願された台湾特許出願第108124116号に対する優先権を主張するものであり、当該特許出願の内容全体を参照により本願に援用する。
本発明は検査装置に関連し、特にウェハ上の複数の発光部を検査する検査装置に関連する。
レーザ技術の発展に伴い、データの読み書き、通信、光発光、距離測定、種々の物体の検知等の様々な用途に、レーザダイオードが幅広く用いられている。通常、レーザダイオードの販売前には、レーザダイオードの品質を確保するため、検査時に発光ダイオードを発光させ、発光ダイオードの種々の光学パラメータが正常であるか検査する必要がある。一般に、レーザダイオードは半導体製造技術を用いて製造される。基本的に、レーザダイオードには、エッジ発光型と面発光型の2種類がある。近年、面発光型レーザダイオードの構造や特徴が市場のニーズに合致していることから、面発光型レーザダイオードの生産量が多くなっている。「フリップチップ」は半導体の構造の一つであり、エピタキシャル層の反転面上に外部回路が作製され、パッキング時に電気接続とともにダイアタッチも同時に行うことができることから、従来のワイヤボンディングと比べてコストと時間が削減できる。
将来的には、フリップチップ面発光型レーザダイオードが、市場においてより安価で且つ広く用いられる電気光学素子となることが期待されている。しかしながら、検査とスクリーニングの実施はあらゆる半導体の製造において必要であり、また、レーザダイオードの特性には温度が大きく関連している。そのため、従来の非フリップチップ型のレーザダイオードと異なり、信頼性が高く、且つ効率的な、フリップチップ型レーザダイオードの大量生産のための枠組みは未だ提示されていない。したがって、本発明の目的は、迅速で効率的且つ信頼性が高く、温度制御機能を有すると共に低コストであることで、上記のようなウェハ検査の困難性を解決する、検査の枠組みを提供することである。
本発明は、ウェハ検査装置であって、複数の検査部がウェハ検査用キャリア上に配置され、被検査ウェハ上の複数の発光部を前記複数の検査部と直接電気的に接続することができ、そのことで、前記被検査ウェハの発光面への接触が不要な、ウェハ検査装置を提供する。また、前記ウェハ検査用キャリア上にはさらに可撓性導電層が配置され、当該可撓性導電層は異なる種類の発光部の表面に密着することができ、そのことで、前記複数の発光部の表面が不均一であることに起因する電気接続上の問題が回避できる。したがって、本発明のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は、前記被検査ウェハ上の前記複数の発光部をより効率良く検出することができる。
本発明は、複数の発光部を有する被検査ウェハを検査するためのフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置を開示する。前記フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は、ウェハ検査用キャリアと、可撓性導電層とを備える。前記ウェハ検査用キャリアは第1の面を有し、複数の検査部が前記第1の面上に配置される。前記可撓性導電層は、前記第1の面上に着脱可能に配置されても良く、垂直方向に導電性を有し水平方向に絶縁される。前記被検査ウェハの検査中、前記被検査ウェハは前記可撓性導電層上に配置され、各発光部は、前記可撓性導電層を介して、前記複数の検査部のうちの一つと垂直方向に電気的に接続される。
一実施形態においては、前記複数の検査部はそれぞれ第1の導電素子と第2の導電素子とを有し、前記複数の検査部は第2のマトリックスに従って配置されても良い。前記第2のマトリックスの同じ列における前記複数の検査部のうち、隣接する検査部の前記第1の導電素子同士は電気的に接続される。前記第2のマトリックスの同じ行における前記複数の検査部のうち、隣接する検査部の前記第2の導電素子同士は電気的に接続される。また、各検査部は、前記複数の発光部のうちの一つに対応しても良い。各検査部の前記第1の導電素子は、前記可撓性導電層を介して、対応する発光部の第1の接触パッドと電気的に接続され、各検査部の前記第2の導電素子は、前記可撓性導電層を介して、対応する発光部の第2の接触パッドと電気的に接続される。加えて、前記フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は、さらに温度制御部を備えても良い。前記温度制御部は、前記第1の面とは反対側の、前記ウェハ検査用キャリアの第2の面に隣接する。前記温度制御部は、前記ウェハ検査用キャリアの温度を上昇または低下させるように構成される。さらに、前記可撓性導電層は優れた熱伝導性を有する。
一実施形態においては、前記ウェハ検査用キャリアは、さらに複数の吸引孔を備えても良い。前記複数の吸引孔は第1のマトリックスに従って配置され、前記複数の吸引孔の一端は前記第1の面に露出する。また、前記可撓性導電層は、複数のビアを備えても良い。前記複数のビアは前記第1のマトリックスに従って配置され、各ビアは前記複数の吸引孔のうちの一つに対応する。加えて、前記フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は、さらに吸引モジュールを備えても良い。前記吸引モジュールは前記複数の吸引孔と接続され、吸引コマンドに従って前記吸引孔を通してガスを吸引する。さらに、前記フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は、さらに真空チャンバと、加圧モジュールとを備えても良い。少なくとも前記ウェハ検査用キャリアと前記可撓性導電層が前記真空チャンバ内の収容空間内に配置され、前記加圧モジュールは、前記収容空間内を加圧し、前記収容空間内の圧力を1気圧より高くするよう構成される。
一実施形態においては、前記フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は、さらに光学検出モジュールと、水平移動モジュールと、処理モジュールとを備えても良い。前記光学検出モジュールは、光線を受け、検出結果を生成するための受光部を有しても良い。前記水平移動モジュールは、移動コマンドに従い前記ウェハ検査用キャリアを移動させることで、前記複数の検査部のうちの一つを前記光学検出モジュールの前記受光部と位置揃えしても良い。前記処理モジュールは、前記ウェハ検査用キャリア、前記光学検出モジュール、及び前記水平移動モジュールと電気的に接続されることで、前記移動コマンドを生成し、前記検出結果を受け取るための検出工程を実行しても良い。また、前記被検査ウェハの非発光面は、前記被検査ウェハの検査中、前記可撓性導電層と接触しても良い。
本発明はさらに、被検査ウェハを検査するための別のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置を開示する。前記被検査ウェハは、複数の発光部を備える。前記フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は、ウェハ検査用キャリアと、可撓性導電層とを備える。前記ウェハ検査用キャリアは、第1の面と、複数の吸引孔とを有する。前記第1の面上には複数の検査部が配置され、各検査部は第1の導電素子と第2の導電素子とを備える。各吸引孔の一端は前記第1の面に露出する。前記複数の検査部は第1のパターンに従って配置され、前記複数の吸引孔は第2のパターンに従って配置される。前記可撓性導電層は、前記第1の面上に着脱可能に配置されても良く、垂直方向に導電性を有し水平方向に絶縁される。前記可撓性導電層は、複数のビアを備える。前記複数のビアは前記第2のパターンに従って配置され、各ビアは前記複数の吸引孔のうちの一つに対応する。各吸引孔と隣接する前記第1の導電素子または前記第2の導電素子との間には少なくとも第1の間隔が存在し、各吸引孔と別の隣接する吸引孔との間には少なくとも第2の間隔が存在し、前記第1の間隔は前記第2の間隔以下である。
上記に基づき、本発明において提供されるフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は、前記被検査ウェハの発光面に接触せずに、前記被検査ウェハ上のダイを大量に且つ直接的に検出することを可能にする。加えて、本発明において提供されるフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は前記可撓性導電層を備え、前記複数の発光部は前記可撓性導電層を介して前記複数の検査部と電気的に接続されても良く、そのことで接触不良の問題を解消することができる。さらに、本発明において提供される前記温度制御部装置は、前記ウェハ検査用キャリア上の前記被検査ウェハが所定の温度で動作することを可能にしても良い。
以下では、本発明の特徴、目的、及び機能についてさらに開示する。しかしながら、以下に開示するのは本発明の可能な実施形態のうちのほんの少数であって、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されない。すなわち、本発明の請求項に基づいてなされる等価な変更や修正も本発明の対象である。本発明の精神と範囲を逸脱しないものは、本発明の更なる実施可能性を示すものと理解されるべきである。
図1Aを参照する。図1Aは、本発明の実施形態に則ったフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置の機能ブロック図である。図1Aに示すように、フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は、被検査ウェハDUTに対して検査を行うよう構成される。被検査ウェハDUTは、複数の発光部(図示せず)を備える。被検査ウェハDUT上には、ウェハダイシングされていない、複数のダイが存在しても良い。各ダイは、一つの発光部であっても良く、複数の発光部を備えても良い。例えば、当該発光部は、垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)のようなフリップチップ型レーザダイオードであっても良い。換言すれば、本実施形態における発光部は、発光面に向けて光線を出射しても良く、発光面とは反対側の発光部の面は、駆動信号を受けるための接触パッドを備えても良い。
レーザダイオードを例にとると、発光部は実際には少なくとも2つの接触パッドを有する。当該2つの接触パッドは、それぞれレーザダイオードのアノードとカソードであっても良い。また、被検査ウェハDUTは、上面と下面とを規定しても良い。当該上面は、被検査ウェハDUT上の発光部の発光面であっても良い。当該下面は、発光面とは反対側の面であり、当該下面は各発光部の各接触パッドを露出させても良い。当業者は発光面の意味を理解するであろう。すなわち、本実施形態は、発光部が発光面からのみ光線を出射することに限定しない。一例においては、発光部は、光線の大部分を発光面から出射する一方で、被検査ウェハDUTの下面側からも光線が視認可能な状態で、発光面に加えて各側面からも光線を漏らしても良い。
フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置1は、ウェハ検査用キャリア10、可撓性導電層11、光学検出モジュール12、温度制御部13、水平移動モジュール14、真空チャンバ15、処理モジュール16、加圧モジュール17、及び吸引モジュール18を備えても良い。処理モジュール16は、ウェハ検査用キャリア10、光学検出モジュール12、温度制御部13、水平移動モジュール14、加圧モジュール17、及び吸引モジュール18と電気的に接続される。ウェハ検査用キャリア10は、被検査ウェハDUTに対する検出工程を行うため、可撓性導電層11及び被検査ウェハDUTを担持するよう構成される。ここで、ウェハ検査用キャリア10はキャリアステージ(図1Aにおいては図示せず)上に配置されても良く、ウェハ検査用キャリア10の一方側の面(第1の面)が、可撓性導電層11に接触するために用いられても良い。可撓性導電層11は、必ずしもウェハ検査用キャリア10上に固定される必要はない。例えば、可撓性導電層11は、第1の面上に着脱可能に配置されても良い。実際には、可撓性導電層11は可撓性絶縁材料からなり、多数の金属線が、当該絶縁材料を垂直に貫通する状態で当該絶縁材料の内部に配置されても良い。従って、可撓性導電層11は垂直方向に導電性を有し、一方で水平方向には絶縁されても良い。当業者は以下のことを理解するであろう。すなわち、被検査ウェハDUTが可撓性導電層11上に配置されると、被検査ウェハDUTの各箇所は、可撓性導電層11を介して、ウェハ検査用キャリア10直下の対応する箇所に電気的に接続されても良い。また、被検査ウェハDUTをウェハ検査用キャリア10の第1の面上に直接載置する場合とは異なり、被検査ウェハDUTは、場合によっては被検査ウェハDUTの表面が粗いために、ウェハ検査用キャリア10の第1の面に密着しないことがある。本実施形態における可撓性導電層11が硬質な素材ではないため、被検査ウェハDUTの表面が粗い場合でも、ウェハ検査用キャリア10は、可撓性導電層11を介して、より効率良く被検査ウェハDUTと接触することができる。
被検査ウェハDUTが可撓性導電層11上に正しく位置決めされると、可撓性導電層11が既にウェハ検査用キャリア10上に配置されているため、被検査ウェハDUTもウェハ検査用キャリア10により担持される。処理モジュール16は、水平移動モジュール14を駆動し、被検査ウェハDUTの個々の異なる検出領域に応じて被検査ウェハDUTの位置揃え及びキャリブレーションを実行しても良い。すなわち、処理モジュール16は、移動コマンドを生成するために水平移動モジュール14と電気的に接続されても良く、水平移動モジュール14は、ウェハ検査用キャリア10上に担持される被検査ウェハDUTも共に移動させるように、キャリアステージを移動コマンドに基づき移動させ、キャリアステージを介してウェハ検査用キャリア10を駆動しても良い。
一例においては、フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置1が被検査ウェハDUT上の特定の発光部を検査しようとする場合、水平移動モジュール14は、キャリアステージを移動させることで、被検査ウェハDUT上の当該特定の発光部が光学検出モジュール12に対して位置揃えされるよう、キャリアステージにウェハ検査用キャリア10及び被検査ウェハDUTを移動させる必要がある場合がある。より好ましくは、被検査ウェハDUT上の当該特定の発光部は、光学検出モジュール12の受光部(図示せず)に対して位置揃えされても良い。そうすることで、被検査ウェハDUT上の当該特定の発光部が駆動または点灯されると、当該特定の発光部から出射された光線は受光部に対して垂直に入射し、そのことで光の拡散による検出結果への悪影響が回避されても良い。実際の例において、光学検出モジュール12は、被検査ウェハDUT上の発光部から出射される光線を受け、デジタルな検出結果を生成するために用いられる積分球であっても良い。従って、光学検出モジュール12から提供される検出結果に基づいて、処理モジュール16は、発光部が正確に且つ安定して光線を出射するか否かを分析し、そのことで発光部が正常に機能するか検出することができる。
一方で、本実施形態は、水平移動モジュール14がキャリアステージを駆動する手段を限定しない。例えば、水平移動モジュール14は軌道を備えても良く、キャリアステージは、水平移動モジュール14がキャリアステージを引く又は押すことができるように当該軌道上に固定されても良い。被検査ウェハDUTはウェハ検査用キャリア10上に載置されるため、水平移動モジュール14が処理モジュール16からの移動コマンドに従ってキャリアステージを移動させると、被検査ウェハDUTを、ウェハ検査用キャリア10及びキャリアステージとともに確実に移動させることができる。検出工程においては、本実施形態における水平移動モジュール14は、キャリアステージ及びウェハ検査用キャリア10を水平方向に移動させるだけで良く、垂直方向に移動させる必要がない場合があり、当該水平方向は被検査ウェハDUTの発光面と概ね平行であっても良い。当業者は以下のことを理解するであろう。すなわち、キャリアステージ及びウェハ検査用キャリア10を垂直に移動させる必要がない場合、光学検出モジュール12は、光路の焦点を再度合わせたり、光路を調整したりする工程を回避することができる場合がある。
また、ウェハ検査用キャリア10は、キャリアステージの一方の面に配置され、他方側の面は温度制御部13との接触に用いられても良い。換言すれば、温度制御部13と被検査ウェハDUTとはお互いにウェハ検査用キャリア10の反対側に配置されても良い。すなわち、ウェハ検査用キャリア10の他方側の面(第2の面)が温度制御部13に近接しても良い。例えば、ウェハ検査用キャリア10の第1の面は被検査ウェハDUTと接触する一方、ウェハ検査用キャリア10の第2の面はキャリアステージと接触する。ここで、温度制御部13は、処理モジュール16と電気的に接続され、処理モジュール16により制御されても良い。加えて、温度制御部13は抵抗またはアクティブ型のユニットを有する加熱装置によって加熱されても良く、また、熱電クーラによって冷却されても良い。加熱・冷却の方法は種々あり、例えば、そのような加熱・冷却に液体や気体を用いても良いが、本実施形態はそれを限定しない。当業者には以下のことが分かるであろう。すなわち、温度制御部13はウェハ検査用キャリア10の第2の面と接触するため、温度制御部13が加熱または冷却を行うと、ウェハ検査用キャリア10の温度を熱伝導により調整することができる。そのため、ウェハ検査用キャリア10の第1の面に横方向に接触する可撓性導電層11及び被検査ウェハDUTの温度も、熱伝導により変化させることができる。
実際には、本実施形態における温度制御部13は、被検査ウェハDUTの温度を制御しても良い。例えば、処理モジュール16は、温度検出器(図示せず)を用いて被検査ウェハDUTの温度を検出しても良い。検出された被検査ウェハDUTの温度が高すぎる場合、処理モジュール16は、温度制御部13(例えば上述の熱電クーラ)を作動させ、冷却を行っても良い。逆に、検出された被検査ウェハDUTの温度が低すぎる場合には、処理モジュール16は、温度制御部13(例えば上述の抵抗またはアクティブ型のユニットを有する加熱装置)を作動させ、加熱を行っても良い。当該温度検出器は、キャリアステージ上に配置されても良いが、本実施形態はそれを限定しない。従って、温度制御部13及びキャリアステージによる熱伝導により、キャリアステージ、キャリアステージ上のウェハ検査用キャリア10、可撓性導電層11、及び被検査ウェハDUTを一定の温度に保つことができる。実際の動作においては、被検査ウェハDUT上の各発光部の光電子特性を異なる温度下にて検出することが必要な場合がしばしばあり、その場合、処理モジュール16は、多数の異なる温度が保たれるよう温度制御部13を設定しても良い。例えば、処理モジュール16は、25℃、50℃、及び70℃の各温度が保たれるよう温度制御部13を設定しても良い。
加えて、フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置1は、さらに真空チャンバ15と、加圧モジュール17と、吸引モジュール18とを備えても良い。真空チャンバは、ウェハ検査用キャリア10、可撓性導電層11、温度制御部13、及び被検査ウェハDUTを収容するように構成されても良い。図1A及び図1Bを参照する。図1Bは、本発明の実施形態に則ったフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置の断面フレームワーク図である。図1A及び図1Bに示されるように、ウェハ検査用キャリア10、可撓性導電層11、温度制御部13、キャリアステージ19、及び被検査ウェハDUTが、真空チャンバ15(例えばその収容空間内)に収容されても良い。加圧モジュール17は、真空チャンバ15の収容空間内のガス圧を上昇させるために用いられる。一例においては、加圧モジュール17を収容空間内に配置する代わりに、加圧モジュール17を真空チャンバ15の収容空間に複数のガス管で接続することもできる。吸引モジュール18は、被検査ウェハDUTと可撓性導電層11との間の空気を吸引するよう構成される。より好ましくは、吸引モジュール18は、被検査ウェハDUTと可撓性導電層11との間の空気を、略真空状態まで吸引する。代わりに、吸引モジュール18も、収容空間内に配置する代わりに、被検査ウェハDUTと可撓性導電層11との間の位置と複数のガス管で接続することもできる。一例においては、可撓性導電層11と、加圧モジュール17と、吸引モジュール18とを連携させることで、フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置1は、ウェハ検査用キャリア10が可撓性導電層11を介してより効率よく被検査ウェハDUTと接触するよう、被検査ウェハDUTを可撓性導電層11により密着するように押し付けても良い。
実際の動作例において、真空チャンバ15が存在しない場合、通常の環境気圧は理論上およそ1気圧である。吸引モジュール18が被検査ウェハDUTと可撓性導電層11との間の空気を略真空状態まで吸引する場合、被検査ウェハDUTと可撓性導電層11との間の圧力と外部圧力との間の圧力差は1気圧になることは既知である。すなわち、被検査ウェハDUTは、可撓性導電層11に向けて1.0336kgw/cm2の圧力を受ける場合がある。可撓性導電層11の導通抵抗は当該圧力と関係しており、圧力が十分でない場合、検出精度に影響が出るほど導通抵抗が高くなる可能性がある。可撓性導電層11はそれでも被検査ウェハDUTと密着する場合もあるが、検出が行われる状況によっては、特に大電流を用いて検出を行う場合には、導通抵抗を許容範囲内まで下げるために加圧する必要があり、そのことで正確な検出結果を得ることができる。
上述のように真空チャンバ15がある場合には、加圧モジュール17は、真空チャンバ15内の圧力を環境気圧より高くなるように加圧しても良い。例えば、加圧モジュール17は、収容空間内の圧力を1気圧より高くしても良い。例えば、加圧モジュール17が真空チャンバ15内の圧力が5気圧になるまで加圧を行う場合、この時吸引モジュール18が被検査ウェハDUTと可撓性導電層11との間の空気を略真空状態まで吸引すると、被検査ウェハDUTと可撓性導電層11との間の圧力と外部圧力との間の圧力差は5気圧になることは既知である。すなわち、被検査ウェハDUTは、可撓性導電層11に向けて5.167kgw/cm2の圧力を受ける場合がある。被検査ウェハDUTが可撓性導電層11により密着するようにすることで、ウェハ検査用キャリア10が、可撓性導電層11を介して、より効率よく被検査ウェハDUTと接触できることは明らかである。実際には、加圧モジュール17による加圧の度合は自由に調整可能である。例えば、技術者は複数の異なる加圧コマンドを設定しても良い。被検査ウェハDUTの表面があまり滑らかでない場合、被検査ウェハDUTに対してかかる1立方センチメートル当たりの圧力も上昇するよう、加圧モジュール17による加圧の度合を加圧コマンドに従って上昇させても良い。他方、被検査ウェハDUTの表面がより滑らかな場合、被検査ウェハDUTに対してかかる1立方センチメートル当たりの圧力も低下するよう、加圧モジュール17による加圧の度合を加圧コマンドに従って低下させても良い。加圧モジュール17による加圧の度合が可撓性導電層11の導通抵抗にも関連していることは確かである。当業者には以下のことが分かるであろう。すなわち、被検査ウェハDUTが可撓性導電層11上にただ軽く置かれるだけの場合には、被検査ウェハDUTが可撓性導電層11と電気的に接続されていても、被検査ウェハDUTと可撓性導電層11との間の導通抵抗は比較的高いままである。可撓性導電層11の導通抵抗を低下させるために、加圧モジュール17は、可撓性導電層11上の被検査ウェハDUTを加圧すべく、適切な圧力を加えるべきである。
また、吸引モジュール18は、処理モジュール16の吸引コマンドに従う。吸引モジュール18は、吸引コマンドを受けガスの吸引を始めると、被検査ウェハDUTと可撓性導電層11との間の空気を略真空状態まで吸引し、そのことで被検査ウェハDUTが可撓性導電層11及びウェハ検査用キャリア10に付着することを可能にする。従って、吸引モジュール18は、ウェハ検査用キャリア10の移動時における被検査ウェハDUTの不必要なズレや揺れを防ぐことができる。実際の例において、フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置1が検出状態にある間、吸引モジュール18は、被検査ウェハDUTが可撓性導電層11及びウェハ検査用キャリア10上に堅固に吸着されるように、ガスの吸引を継続するべきである。逆に、フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置1が検出状態にない時、吸引モジュール18は、技術者が被検査ウェハDUTの取り替えや調整を行えるよう、ガスの吸引を停止する。
ウェハ検査用キャリアの構造を分かりやすく説明するため、ウェハ検査用キャリアを他の図面にも示す。図2及び図3Aを参照する。図2は、本発明の実施形態に則ったウェハ検査用キャリアの上面図であり、図3Aは、本発明の実施形態に則った検査部の一部の上面図である。図2及び図3Aに示されるように、ウェハ検査用キャリア2は、複数の検査部200を有する第1の面20を有しても良い。一例においては、ウェハ検査用キャリア2は板状であり、キャリアステージ上に配置されても良い。被検査ウェハDUTを担持している状態では、ウェハ検査用キャリア2の第1の面20が被検査ウェハDUTの下面に対向し、複数の検査部200が複数の発光部に対応しても良い。実際には、被検査ウェハDUTに応じてウェハ検査用キャリア2を替えても良い。例えば、被検査ウェハに応じて異なるウェハ検査用キャリアを選択しても良いし、被検査ウェハに応じて新たなウェハ検査用キャリアを設計しても良い。
一例においては、各検査部200は一つの発光部に対応する。簡潔に言えば、被検査ウェハDUT上の複数の発光部が第2のマトリックスに従って配置される場合、ウェハ検査用キャリア2の複数の検査部も第2のマトリックスに従って配置される。本発明は、検査部と発光部との間に一対一の対応関係があることを限定しない。別の例においては、被検査ウェハ上の全ての発光部ではなく、一部の発光部をサンプリングするため、複数の検査部は一つの領域における一部の発光部にのみ対応しても良い。
例示のために、ウェハ検査用キャリア2における複数の検査部200が第2のマトリックスに従って配置されるとき、図3Aに示すように、検査部200a、検査部200b、検査部200c、及び検査部200dが存在する。検査部200aと検査部200bとは第2のマトリックスにおける同じ行にあり、検査部200cと検査部200dとは第2のマトリックスにおける同じ行にあり、検査部200aと検査部200cとは第2のマトリックスにおける同じ列にあり、検査部200bと検査部200dとは第2のマトリックスにおける同じ列にあっても良い。従って、検査部200a、検査部200b、検査部200c、検査部200dは2×2のマトリックスに従って配置される。
実際には、複数の検査部200は多数のマトリックスに従って配置されても良い。例えば図2において、複数の検査部200は、一つの5×11のマトリックス、二つの3×5のマトリックス、四つの2×1のマトリックス、及び四つの1×1のマトリックスに分割されても良い。すなわち、各マトリックスにおける各検査部200が被検査ウェハ上の発光部に対応していれば、本実施形態の範囲に含まれる。見方を変えれば、複数の検査部200は必ずしもマトリックスに従って配置される必要はなく、一または複数のパターンに従って配置されても良い。同様に、パターンにおける各検査部200が発光部に対応していれば、本実施形態の範囲に含まれる。なお、検査部200の少数が被検査ウェハ上の発光部に対応していなくても、それら発光部に対応していない検査部が検出工程における誤作動や損傷の原因とならない限り、またはそれら発光部に対応していない検査部200を簡単にバイパスすることができる限り、それらも本実施形態の範囲に含まれる単純なバリエーションに過ぎない。
図3Aにおける検査部200aに示されるように、検査部200aは、導電素子202a(第1の導電素子)及び導電素子204a(第2の導電素子)を備えても良い。導電素子202aと導電素子204aとは、被検査ウェハDUT上の同一の発光部の2つの接触パッドのそれぞれに対応しても良い。例えば、導電素子202aは接触パッドのうちのカソードに対応し、導電素子204aは接触パッドのうちのアノードに対応しても良い。従って、検査部200aの駆動時には、駆動電流が検査部202aを通り可撓性導電層(図3Aには図示せず)を介して発光部の対応するカソードに流れ、検査部204aは、発光部のアノードを出た駆動電流を可撓性導電層を介して受け、そのことで完全な電流回路が形成されても良い。本実施形態は、検査部における導電素子が、発光部における接触パッドと対応関係を有することを示すに過ぎない。一方で、検査部が一つの発光部に対応し、2つの導電素子が異なる接触パッドに対応する限り、導電素子202aはアノードの接触パッドに対応しても良く、導電素子204aはカソードの接触パッドに対応しても良い。本実施形態は、第1の導電素子と第2の導電素子とがそれぞれカソードに対応するか、アノードに対応するかについては限定しない。
一例においては、同じマトリックス内において、同じ列の検査部の第1の導電素子同士は相互に電気的に接続され、同じマトリックス内において、同じ行の検査部の第2の導電素子は相互に電気的に接続される。換言すれば、検査部200aと検査部200cとは前記第2のマトリックスの同じ列に位置しているため、検査部200aの導電素子202aと検査部200cの導電素子202cとは相互に電気的に接続されても良い。また、検査部200aと検査部200bとは前記第2のマトリックスの同じ行に位置しているため、検査部200aの導電素子204aと検査部200bの導電素子204bとは相互に電気的に接続されても良い。同様に、検査部200bの導電素子202bと検査部200dの導電素子202dとは相互に電気的に接続されても良く、検査部200cの導電素子204cと検査部200dの導電素子204dとは相互に電気的に接続されても良い。
実際には、検出工程において、検査部200a、検査部200b、検査部200c、及び検査部200dは、所定のシーケンスに従って駆動されても良い。例示のために、図3A及び図3Bの両方を参照する。図3Bは、本発明の実施形態に則った検査部の一部の機能ブロック図である。図3A及び図3Bに示されるように、ウェハ検査用キャリア2は、さらに第1の駆動回路206と第2の駆動回路208とを備えても良い。第1の駆動回路206は複数の第1の接続ポート(図示せず)を備え、第1の接続ポートはそれぞれ検査部の列のうち一つと電気的に接続されても良い。第2の駆動回路208は複数の第2の接続ポート(図示せず)を備え、第2の接続ポートはそれぞれ検査部の行のうち一つと電気的に接続されても良い。
例えば図3Bにおいて、第1の駆動回路206の第1の接続ポートの一方(または第1の接続ポートの一つ)は、検査部200a及び検査部200cと接続されても良く、特に導電素子202a及び導電素子202cと電気的に接続されても良い。一方で、第1の駆動回路206の第1の接続ポートの他方(または第1の接続ポートの別の一つ)は、検査部200b及び検査部200dと接続されても良く、特に導電素子202b及び導電素子202dと電気的に接続されても良い。他方で、第2の駆動回路208の第2の接続ポートの一方(または第2の接続ポートの一つ)は、検査部200a及び検査部200bと接続されても良く、特に導電素子204a及び導電素子204bと電気的に接続されても良い。一方で、第2の駆動回路206の第2の接続ポートの他方(または第2の接続ポートの別の一つ)は、検査部200c及び検査部200dと接続されても良く、特に導電素子204c及び検査部204dに電気的に接続されても良い。
本実施形態は、第1の駆動回路206及び第2の駆動回路208が第1の面20上に配置されるか否かについて限定しない。一実施形態においては、第1の面20の反対側(即ち第2の面)に載置される被検査ウェハDUTを妨げないよう、第1の駆動回路206及び第2の駆動回路208は第1の面20上に配置されても良い。また、第1の駆動回路206と第2の駆動回路208とは二つの別々の物理回路であっても良く、実際には一つのチップにまとめられても良い。一例においては、フリップチップVCSEL用ウェハ検査装置が図1Aに示されるように吸引モジュール18をさらに備える場合、吸引モジュール18が吸引コマンドを受けガスの吸引を開始すると、被検査ウェハDUTはウェハ検査用キャリア2上に吸着される。別の例においては、第1の面20上に気密構造(図示せず)が配置されても良い。例えば、可撓性導電層11と第1の面20との間に安定した気密状態が存在しても良い。そのため、被検査ウェハDUTが可撓性導電層11及び第1の面20上に載置されると、吸引モジュール18は、被検査ウェハDUTと可撓性導電層11との間のガスをうまく吸引し、そのことで負圧環境を形成し、被検査ウェハDUTを可撓性導電層11及び第1の面20に向けて押しても良い。
実際の動作例において、ウェハ検査用キャリア2による検査部200aに対応する発光部の検出時には、まず検査部200aに対応する発光部が正しい位置に置かれるようにする必要がある。一例においては、光学検出モジュールは固定されており、ウェハ検査用キャリア2のみを水平移動モジュールにより水平方向に移動させても良い。ここで、処理モジュールは、検査部200aに対応する発光部を光学検出モジュールの受光部の直下に移動させるよう水平移動モジュールを制御するため、デフォルトの連携パラメータに基づいて移動コマンドを出力しても良い。次に、処理モジュールは、第1の駆動回路206を制御し、第1の接続ポートの一方と導電素子202a及び導電素子202cに対して駆動信号を出力しても良い。また、処理モジュールは、同時に第2の駆動回路208を制御し、第2の接続ポートの一方と導電素子204a及び導電素子204bに対して駆動信号を出力しても良い。ここで、導電素子202aと導電素子204aとが同時に導通状態になるため、検査部200aに対応する発光部が駆動され、光線を出射する。光学検出モジュールの受光部は、当該発光部から出射された光線を受けると、処理モジュールが以降の評価を行うための検出結果を出力する。ここでは、他の各検査部、例えば検査部200c及び検査部200b、の二つの導電素子は同時には導電状態にならないため、処理モジュールが誤って検査部200c及び検査部200bに対応する発光部を駆動することはなく、検出結果に対する干渉は発生しない。
ウェハ検査用キャリア2が検査部200bに対応する発光部に対して引き続き検出を行う際には、同様に、処理モジュールは、検査部200bに対応する発光部を光学検出モジュールの受光部の直下に移動させるよう水平移動モジュールを制御するため、デフォルトの連携パラメータに基づいて移動コマンドを出力しても良い。当業者には以下のことが分かるであろう。すなわち、光学検出モジュールを動かない状態に保ったままウェハ検査用キャリア2のみを水平に移動させる場合、光学検出モジュールから発光部への距離も一定に保つべきであり、そのことで光路を再調整するための時間を節約することができる。次に、処理モジュールは、第1の駆動回路206を制御し、第1の接続ポートの他方と導電素子202b及び導電素子202dに対して駆動信号を出力しても良く、処理モジュールは、同時に第2の駆動回路208を制御し、第2の接続ポートの一方と導電素子204a及び導電素子204bに対して駆動信号を出力しても良い。ここで、導電素子202bと導電素子204bとが同時に導通状態になるため、検査部200bに対応する発光部が駆動され、光線を出射する。同様に、光学検出モジュールの受光部は、当該発光部から出射された光線を受けると、処理モジュールが以降の評価を行うための検出結果を出力する。
加えて、検査ポートに対応する発光部を素早く正しい位置に置けるようにし、以降の評価を容易にするため、ウェハ検査用キャリアはさらに位置決め部を備える。図4を参照する。図4は、本発明の別の実施形態に則ったウェハ検査用キャリアの上面図である。図4に示されるように、直前の実施形態同様、本実施形態におけるウェハ検査用キャリア4も第1の面40(例えば図4から見た面)を有し、第1の面40は複数の検査部400を備える。直前の実施形態とは異なり、第1の面40は、さらに位置決め部40aを備えても良い。位置決め部40aは特徴的な外観を有しており、当該外観は被検査ウェハDUTの位置決め構造と関係している。実際には、被検査ウェハDUTの製造が完了すると、通常、被検査ウェハDUTには切り欠きが前もって切られ、当該切り欠きが被検査ウェハDUTの位置決め構造となる。第1の面40の位置決め部40aの外観は、被検査ウェハDUTの位置決め構造を位置決め部40aと位置揃えできるように被検査ウェハDUTの位置決め構造と相似形であっても良く、そのことで被検査ウェハDUTを第1の面40a上の正しい位置に載置することが容易になる。本実施形態は位置決め部40aの数を限定しない。被検査ウェハDUT上に複数の位置決め構造が事前にデザインされる場合、ウェハ検査用キャリア4上にも同数の位置決め部40aがデザインされても良い。また、本実施形態は位置決め部40aの外観を限定しない。位置決め部40aの外観は、それが被検査ウェハDUTの位置決め構造に対する正確な位置揃えを容易にするものである限り、本実施形態の位置決め部40aの範囲に含まれる。一例においては、第1の面40上に配置される可撓性導電層(図4には図示せず)も位置決め部を備えても良い。可撓性導電層を事前に第1の面40上の正しい位置に位置揃えできるため、被検査ウェハDUTについても、可撓性導電層の位置決め部を介して、正しい位置に素早く位置合わせすることができる。
また、吸引モジュールがより効率的にガスを吸引できるようにするため、一例においては、ウェハ検査用キャリアの第1の面は一または複数の吸引孔を備えても良い。図5Aは、本発明の別の実施形態に則ったウェハ検査用キャリアの上面図であり、図5Bは、図5Aの実施形態に則った検査部の一部の上面図である。図5A及び図5Bに示されるように、直前の実施形態同様、ウェハ検査用キャリア5も第1の面50(例えば図5Aから見た面)を有し、第1の面50は複数の検査部500を備え、これら複数の検査部500は、第2のマトリックスまたは第1のパターンに従って配置されても良い。直前の実施形態と異なり、第1の面50は、さらに複数の吸引孔506を備える。これら複数の吸引孔506は第1のマトリックスまたは第2のパターンに従って配置されても良く、吸引孔506の一端が第1の面50に露出する。
実際には、吸引孔506の数は、検査部500の数と同じであっても良い。すなわち、各検査部500内に、対応する吸引孔506が構成されても良い。図5Bの例に示されるように、第1の面50上の検査部500aはいずれも、導電素子502a及び導電素子504を備え、さらに吸引孔506aを備えても良い。従って、第2のマトリックスは第1のマトリックスと同一となり、第1のパターンは第2のパターンに類似する。吸引孔506は検査部500内にあるため、第2のパターンの長さ及び幅(または面積)は第1のパターンよりわずかに小さくても良い。
本実施形態は、吸引孔506aが検査部500a内に位置すること、および吸引孔506aの外観を限定しない。一例においては、吸引孔506aは導電素子502a及び導電素子504aに対して対称性を有しても良い。すなわち、吸引孔506aの中心は、導電素子502aと導電素子504aとの対称軸上に位置しても良い。このことにより、吸引孔506aがガスをより均一に吸引し、各接触パッドが可撓性導電層を介してより均一に導電素子502aと導電素子504aとを押すことを可能にし、一方の導電素子に局所的に押圧力がかかることを防ぐという有利な効果が得られる。加えて、第1の面に露出する吸引孔506aの外観は円形、矩形、または他の適切な形状であっても良く、本実施形態はその形状を限定しない。実際には、吸引孔506aの開口の一端が第1の面50上にあり、他端は吸引モジュールと接続される。ここで、本実施形態は、吸引孔506aの開口の他端がウェハ検査用キャリア5のどの面にあるか限定しない。例えば、吸引孔506aの開口の他端はウェハ検査用キャリア5の第2の面上に位置しても良く、当該第2の面は単に第1の面の反対側の面であっても良い。従って、吸引孔506aは上下方向を接続するビアであっても良く、ウェハ検査用キャリア5の第2の面を介して吸引モジュールと接続される。別の例として、吸引孔506aの開口の他端はウェハ検査用キャリア5の一つの側面上に位置しても良く、当該側面は第1の面でも第2の面でもない。従って、吸引孔506aは第1の面50から垂直にウェハ検査用キャリア5に入る一方で、ウェハ検査用キャリア5の内部では水平型のビアであり、ウェハ検査用キャリア5の側面を介して吸引モジュールと接続されても良い。
また、吸引孔506はそれぞれが吸引モジュールと接続されても良いし、いくつかの吸引孔506がウェハ検査用キャリア5内で相互に接続されることで、吸引モジュールと接続される開口がまとめられても良いが、本実施形態はこのことを限定しない。さらに、本実施形態は、第1の面において露出する各吸引孔506の面積を限定しない。例えば、第1の面内における検査部500aの吸引孔506aの面積の割合は、第1の面内における導電素子502aまたは導電素子504aの面積の割合と概ね同じであっても良い。
被検査ウェハDUTがどのようにウェハ検査用キャリア上に吸着されるかをさらに明確に示すために、図6を参照する。図6は、本発明の別の実施形態に則ったフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置のフレームワーク図である。図6に示すように、被検査ウェハDUT、ウェハ検査用キャリア60、可撓性導電層61、温度制御部63、及びキャリアステージ69が全て真空チャンバ65内の収容空間内に構成され、可撓性導電層61と温度制御部63とがウェハ検査用キャリア60の両側にそれぞれ構成されるものとする。具体的には、被検査ウェハDUTは可撓性導電層61上に載置され、可撓性導電層61はウェハ検査用キャリア60上に載置され、ウェハ検査用キャリア60はキャリアステージ69上に載置される。したがって、被検査ウェハDUTと、可撓性導電層61と、ウェハ検査用キャリア60と、キャリアステージ69とが順次パッケージされた構造である。ここで、ウェハ検査用キャリア60は複数の接続吸引孔600を備え、可撓性導電層61も複数のビア610を備えても良い。吸引孔600はそれぞれ一つのビア610に対応しても良い。換言すれば、吸引孔600の配置は概ねビア610の配置と同じである(例えば、共に第2のパターンに従った配置である)。上述のように、各吸引孔600はウェハ検査用キャリア60内を垂直に通り、キャリアステージ69上の吸引パイプ690に対応しても良い。キャリアステージ69内の吸引パイプ690は水平に延設され、キャリアステージ69の側面に露出し、そして別のパイプ692を介して真空チャンバ65外の吸引モジュール(図示せず)に接続されても良い。真空チャンバ65の上側表面は被検査ウェハDUTの発光面に近接しても良く、当該上側表面は透明材料で構成されても良い。従って、被検査ウェハDUTの検出中には、被検査ウェハDUT上の各発光部から出射される光線が真空チャンバ65を透過しても良い。また、上記の光学検出モジュールは、真空チャンバ65の上に配置され、各発光部から出射される光線を検出しても良い。
図5Aに戻り、図5Aは、吸引孔506の数が検査部500の数と同じでも良く、各検査部500は一つの吸引孔506に対応しても良いことを示している。しかしながら、実際には、吸引モジュールの効率が良好である限り、また、ウェハ検査用キャリア5の構造強度のため、吸引孔の数は検査部の数より少なくても良い。図5A及び図7の両方を参照する。図7は、本発明の別の実施形態に則ったウェハ検査用キャリアの上面図である。図5A及び図7に示されるように、直前の実施形態同様、本実施形態におけるウェハ検査用キャリア7も、第1の面70(例えば図7から見た面)を有し、第1の面には複数の検査部700が配置されても良い。複数の検査部700は、第2のマトリックスまたは第1のパターンに従って配置されても良い。第1の面70も複数の吸引孔706を備えても良く、これら複数の吸引孔706は第1のマトリックスまたは第2のパターンに従って配置されても良い。直前の実施形態と異なり、第1の面70上の吸引孔706は比較的数が少ない。すなわち、各検査部700が一つの対応する吸引孔706を有するわけではなく、吸引孔706は、検査部700間に列方向に介在するように構成される。従って、第2のマトリックスは第1のマトリックスより大きくなり、第1のパターンの面積は第2のパターンの面積より大きくなる。
本実施形態は吸引孔の数を限定しない。図7及び図8を参照する。図8は、本発明の別の実施形態に則ったウェハ検査用キャリアの上面図である。図7及び図8に示されるように、直前の実施形態同様、ウェハ検査用キャリア8は第1の面80(例えば図8から見た面)を有する。第1の面上には複数の検査部800が配置されており、これら複数の検査部800は第2のマトリックスまたは第1のパターンに従って配置されても良い。第1の面80も複数の吸引孔806を備え、これら複数の吸引孔806は第1のマトリックスまたは第2のパターンに従って配置されても良い。直前の実施形態と異なり、第1の面80上の吸引孔806の数は大幅に少なく、吸引孔806は、検査部800間に列方向及び行方向に介在するように構成される。第2のマトリックスが第1のマトリックスより大きくなり、第1のパターンの面積が第2のパターンの面積より大きくなるのは確かである。
実際には、図5A、図7、及び図8に示される吸引孔は、第1の面の周縁領域内に配置されても良い。また、吸引効率を良好に保つために、被検査ウェハDUTは、第1の面上に載置された状態において、それらの吸引孔を覆うべきである。これは、吸引モジュールによるガスの吸引の開始後、各吸引孔が被検査ウェハDUTと第1の面の間においてそのガス吸引機能を発揮できるようにするためである。加えて、各吸引孔と隣接する第1の導電素子または第2の導電素子との間には少なくとも第1の間隔が存在し、各吸引孔と別の隣接する吸引孔との間には少なくとも第2の間隔が存在し、第1の間隔は第2の間隔以下である。例えば図5A及び図5Bにおいて、導電素子502a及び導電素子504aのそれぞれから吸引孔506aへの距離は概ね同じであり、これが第1の間隔と定義される。一方で、隣接する吸引孔506間の間隔が第2の間隔と定義される。実際には、第2の間隔は第1の間隔より大きくても良い。より明確な例として、図8に示すように、隣接する吸引孔806間には少なくとも一つの検査部800全体分の間隔があり、当該間隔が、同じ検査部800内の導電素子から吸引孔への間隔より大きいことは明らかである。
一例においては、被検査ウェハDUT上の各ダイが小さければ、対応する検査部800の大きさもまた小さくなる。ここで、第1の間隔は0.2−0.4mmの範囲内であっても良く、実際には第2の間隔と第1の間隔との間の差はこれより大きくても良い。第1の間隔が0.25mmであるとすると、構造強度、並びにガス吸引及び冷却の効率のために、第2の間隔は第1の間隔の倍、すなわち0.5mmであっても良い。別の例において、被検査ウェハDUT上の各ダイが大きければ、対応する検査部800の大きさもまた大きくなる。ここで、第1の間隔は0.5−20mmの範囲内であり、実際には第2の間隔と第1の間隔との間の差はこれより小さくても良い。第1の間隔が0.5mmであるとすると、構造強度、並びにガス吸引及び冷却の効率のために、第2の間隔は第1の間隔そのもの、すなわち0.5mmであっても良い。
一例においては、吸引孔と第1の面の周縁領域との間には第3の間隔が存在し、第1の間隔は第3の間隔以下である。例えば、図8においては、吸引孔806から第1の間隔80の周縁領域までの間隔が第3の間隔と定義される。当該第3の間隔は、同じ検査部800の導電素子から吸引孔への間隔以上である。従って、第1の面80の周縁領域が吸引孔806に近すぎることによって発生し得る、吸引孔806からのガス漏れや第1の面80の不十分な構造強度などの問題を回避することができる。
要約すると、本発明において提供されるフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は、被検査ウェハの発光面に接触せずに、被検査ウェハ上のダイを大量に且つ直接検出することを可能にする。加えて、本発明において提供されるフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置は可撓性導電層を備え、発光部は可撓性導電層を介して検査部と電気的に接続されても良く、そのことで接触不良の問題を解消することができる。さらに、本発明において提供される温度制御部装置は、ウェハ検査用キャリア上の被検査ウェハが所定の温度で動作することを可能にしても良い。
Claims (13)
- 複数の発光部を有する被検査ウェハを検査するためのフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置であって、
第1の面を有するウェハ検査用キャリアであって、複数の検査部が前記第1の面に配置されるウェハ検査用キャリアと、
前記第1の面上に着脱可能に配置される可撓性導電層であって、垂直方向に導電性を有し水平方向に絶縁された可撓性導電層と、を備え、
前記被検査ウェハは前記可撓性導電層上に配置され、前記被検査ウェハの検査中、各発光部は、前記可撓性導電層を介して、前記複数の検査部のうちの一つと垂直方向に電気的に接続され、
前記ウェハ検査用キャリアは第1のマトリックスに従って配置された複数の吸引孔をさらに備え、前記複数の吸引孔の一端は前記第1の面に露出し、
前記可撓性導電層は前記第1のマトリックスに従って配置された複数のビアを備え、各ビアは前記複数の吸引孔のうちの一つに対応する、ことを特徴とするフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。 - 各検査部は第1の導電素子と第2の導電素子とを有し、前記複数の検査部は第2のマトリックスに従って配置され、前記第2のマトリックスの同じ列における前記複数の検査部のうち、隣接する検査部の前記第1の導電素子同士は電気的に接続され、前記第2のマトリックスの同じ行における前記複数の検査部のうち、隣接する検査部の前記第2の導電素子同士は電気的に接続される、請求項1に記載のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。
- 各検査部は前記複数の発光部のうちの一つに対応し、各検査部の前記第1の導電素子は、前記可撓性導電層を介して、対応する発光部の第1の接触パッドと電気的に接続され、一方で、各検査部の前記第2の導電素子は、前記可撓性導電層を介して、対応する発光部の第2の接触パッドと電気的に接続される、請求項2に記載のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。
- さらに吸引モジュールを備え、当該吸引モジュールは前記複数の吸引孔と接続され、吸引コマンドに従って前記複数の吸引孔を通してガスを吸引する、請求項1に記載のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。
- さらに真空チャンバと、加圧モジュールとを備え、少なくとも前記ウェハ検査用キャリアと前記可撓性導電層が前記真空チャンバ内の収容空間内に配置され、前記加圧モジュールは、前記収容空間内を加圧し、前記収容空間内の圧力を1気圧より高くするよう構成される、請求項4に記載のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。
- さらに温度制御部を備え、当該温度制御部は、前記第1の面とは反対側の、前記ウェハ検査用キャリアの第2の面に隣接し、前記ウェハ検査用キャリアの温度を上昇または低下させるように構成される、請求項1に記載のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。
- 光線を受け、検出結果を生成するための受光部を有する光学検出モジュールと、
移動コマンドに従い前記ウェハ検査用キャリアを移動させることで、前記複数の検査部のうちの一つを前記光学検出モジュールの前記受光部と位置揃えする、水平移動モジュールと、
前記ウェハ検査用キャリア、前記光学検出モジュール、及び前記水平移動モジュールと電気的に接続されることで、前記移動コマンドを生成し、前記検出結果を受け取るための検出工程を実行する処理モジュールと、をさらに備える、請求項1に記載のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。 - 前記被検査ウェハの非発光面は、前記被検査ウェハの検査中、前記可撓性導電層と接触する、請求項1に記載のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。
- 複数の発光部を有する被検査ウェハを検査するためのフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置であって、
第1の面と、それぞれの一端が前記第1の面に露出する複数の吸引孔とを有するウェハ検査用キャリアであって、前記第1の面上に複数の検査部が配置され、各検査部が第1の導電素子と第2の導電素子とを備え、前記複数の検査部は第1のパターンに従って配置され、前記複数の吸引孔は第2のパターンに従って配置されるウェハ検査用キャリアと、
前記第1の面上に着脱可能に配置される可撓性導電層であって、垂直方向に導電性を有し水平方向に絶縁された可撓性導電層と、を備え、
前記可撓性導電層は前記第2のパターンに従って配置された複数のビアを備え、各ビアは前記複数の吸引孔のうちの一つに対応し、
各吸引孔と隣接する前記第1の導電素子または前記第2の導電素子との間には少なくとも第1の間隔が存在し、各吸引孔と別の隣接する吸引孔との間には少なくとも第2の間隔が存在し、前記第1の間隔は前記第2の間隔以下であり、
前記複数の吸引孔のうちの一つの中心は、前記第1の導電素子と前記第2の導電素子との対称軸上に位置する、ことを特徴とするフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。 - 前記複数の吸引孔は前記第1の面の周縁領域内に配置され、前記複数の吸引孔と前記第1の面の前記周縁領域との間には第3の間隔が存在し、前記第1の間隔は前記第3の間隔以下である、請求項9に記載のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。
- 前記被検査ウェハは、前記被検査ウェハの非発光面に接触する前記可撓性導電層上に配置され、前記被検査ウェハの検査中、前記複数の吸引孔は、前記非発光面の周縁領域内に対応するように配置される、請求項9に記載のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。
- 前記第1のパターンは第2のマトリックスであり、前記第2のマトリックスの同じ列における前記複数の検査部のうち、隣接する検査部の前記第1の導電素子同士は電気的に接続され、一方で、前記第2のマトリックスの同じ行における前記複数の検査部のうち、隣接する検査部の前記第2の導電素子同士は電気的に接続される、請求項9に記載のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。
- さらに温度制御部を備え、当該温度制御部は、前記第1の面とは反対側の、前記ウェハ検査用キャリアの第2の面に隣接し、前記ウェハ検査用キャリアの温度を上昇または低下させるよう構成される、請求項9に記載のフリップチップVCSEL用ウェハ検査装置。
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