JP2021014868A - ローラ式差動減速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊星ローラ式差動減速装置において、速度比を安定させる技術を提供する。【解決手段】ローラ式差動減速装置は、第1リングと、出力部材に連結される第2リングと、第1,第2転動体を含む第3リングと、第1外周面、第2外周面および第3外周面を有し、第1外周面が第1リングの内周面に接触し、第2外周面が第2リングの内周面に接触する、複数の遊星ローラと、複数の遊星ローラを、中心軸線を中心として回転可能に周方向に支持するキャリアと、第2転動体を第1転動体へ向けて付勢する付勢機構とを備える。第3外周面および第1転動体の外周面は、軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜する面で接触しており、第3外周面および第2転動体の外周面は、軸方向他方側に向かって径方向内側に傾斜する面で接触している。【選択図】図1

Description

この発明は、ローラ式差動減速装置に関する。
遊星ローラ式の動力伝達装置は、潤滑油を介在させた状態で遊星ローラを太陽ローラに押し当てることによって動力を伝達するトラクションドライブ装置である。遊星ローラ式の動力伝達装置は、遊星歯車式の動力伝達装置に比べ、振動、騒音及びバックラッシュが少ない。
遊星ローラ式の動力伝達装置は、電動モータの回転出力を減速する減速機として用いられる場合がある。この種の動力伝達装置は、例えば、太陽ローラ、インターナルリング、複数の遊星ローラおよびキャリアを備える。複数の遊星ローラは、キャリアにより、遊星軸部材を介して回転可能に支持される。電動モータの回転力が入力軸に入力されることによって、太陽ローラ、各遊星ローラ及びインターナルリング間において、油膜を介したトルク伝達が行われる(例えば、実開平03−118348号公報)。
実開平03−118348号公報に記載の減速モータ機構は、モータと、中心ローラと、該中心ローラに接触して回転しながら公転する3個の従動ローラと、これら従動ローラを支持する従動ローラ支持部材と、該従動ローラに軸方向入力側から接触するテーパ面を内周側に設けたローラ転動受けリングと、ローラ転動受けリングと対向的に従動ローラに軸方向出力側から接触するテーパ面を内周側に設けたフランジ部材と、該フランジ部材を出力側から軸方向に加圧する加圧手段とを備える。加圧手段は、フランジ部材をローラ転動受けリング側に付勢し、各従動ローラを加圧リング及びフランジ部材内周の対向的なテーパ面に確実に接触させるとともに、各従動ローラを中心ローラ側に付勢する。
この減速モータ機構では、ローラ転動受けリング内周のテーパ面とフランジ部材の周縁内周のテーパ面とが、軸方向に対して異なる角度で傾斜している。このため、従動ローラにおける、ローラ転動受けリングとフランジ部材との各接触位置の間に、径方向の差(径差)が生じる。中心ローラの回転によって、従動ローラが自転しながら中心ローラのまわりを公転する際に、この径差に応じた回転が、フランジ部材に生じる。減速モータ機構は、このフランジ部材の回転を取り出す差動式の動力伝達装置として構成されている。
実開平03−118348号公報
しかしながら、従来の減速モータ機構では、ローラ転動受けリングおよびフランジ部材が従動ローラとテーパ面で接触するため、これらの接触位置で滑りが発生しやすい。仮に、滑りが発生した場合、回転速度が変動する可能性があり、この速度の変動によって、安定した速度比を得ることが困難となるおそれがあった。また、各テーパ面の軸方向に対する傾きを大きくすると、従動ローラを軸方向両側から押圧する力が弱まることでさらに滑りが発生しやすくなり、これによって、速度比が安定しなくなるおそれがある。
本発明の目的は、遊星ローラ式差動減速装置において、速度比を安定させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1態様は、ローラ式差動減速装置であって、ケーシングと、中心軸線を中心として回転可能に前記ケーシングに支持される入力部材と、前記中心軸線を中心として回転可能に前記ケーシングに支持される出力部材と、前記ケーシングに収容され、前記ケーシングに対して周方向の移動が制限される円環状の内周面を有する第1リングと、前記ケーシングに収容されるとともに前記出力部材に連結されており、円環状の内周面を有する第2リングと、筒状の第1転動体、および、筒状であって前記第1転動体の軸方向一方側に配置される第2転動体を含む第3リングと、前記中心軸線と平行な遊星軸、並びに、前記遊星軸のまわりに配された筒状の第1外周面、第2外周面および第3外周面を有し、前記第1外周面が前記第1リングの内周面に接触し、前記第2外周面が前記第2リングの内周面に接触する、複数の遊星ローラと、前記複数の遊星ローラの前記遊星軸を介して、前記複数の遊星ローラを、前記中心軸線を中心として回転可能に周方向に支持するキャリアと、前記第1転動体および前記第2転動体の間に前記第3外周面を間に挟んで、前記第1転動体および前記第2転動体のうち、少なくとも一方を、他方へ付勢する付勢機構と、を備え、前記第3外周面は、前記第1外周面および前記第2外周面よりも大きい外径を有し、前記第3外周面および前記第1転動体の外周面のうち、少なくとも一方は、他方に対して、前記中心軸線の軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜する面で接触しており、前記第3外周面および前記第2転動体の外周面のうち、少なくとも一方は、他方に対して、前記中心軸線の軸方向他方側に向かって径方向内側に傾斜する面で接触している。
第1態様のローラ式差動減速装置によると、第3リングの第1,第2転動体が、付勢機構からの付勢力によって、軸方向両側から遊星ローラの第3外周面を挟み込んで保持する。このとき、遊星ローラの第3外周面および第1転動体の外周面のうち、少なくとも一方は、他方に対して、中心軸線の軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜する面で接触しており、遊星ローラの第3外周面および第2転動体の外周面のうち、少なくとも一方は、他方に対して、中心軸線の軸方向他方側に向かって径方向内側に傾斜する面で接触している。このため、第1転動体および第2転動体によって、遊星ローラを径方向外側へ付勢することができる。したがって、遊星ローラの第1外周面および第2外周面を、第1リングおよび第2リングの各内周面に押し当てることができる。仮に、第1,第2転動体と遊星ローラ間で滑りが生じたとしても、第1,第2転動体は減速比の変動にほとんど寄与しない部材であるため、速度比を安定させることができる。
図1は、第1実施形態に係るローラ式差動減速装置の縦断面図である。 図2は、第1実施形態に係るキャリアの正面図および背面図である。 図3は、第1実施形態に係るキャリアに取り付けられた遊星ローラを示す図である。 図4は、第2実施形態のローラ式差動減速装置の縦断面図である。 図5は、第3実施形態のローラ式差動減速装置の縦断面図である。 図6は、第4実施形態のローラ式差動減速装置の縦断面図である。 図7は、第5実施形態のローラ式差動減速装置の縦断面図である。 図8は、第6実施形態のローラ式差動減速装置の縦断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
<1. 第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るローラ式差動減速装置1の縦断面図である。図1およびそれ以降の各図においては、軸方向に延びる中心軸線AX1、軸方向一方側を指す矢印Z1、および軸方向他方側を指す矢印Z2が付されている場合がある。以下の説明では、中心軸線AX1に直交する方向を径方向とし、当該径方向において中心軸線AX1に近づく方向を径方向内側とし、径方向において中心軸線AX1から離れる方向を径方向外側とする。さらに、中心軸線AX1を中心とする回転方向を周方向とする。
ローラ式差動減速装置1は、ケーシング10、入力部材20、出力部材30、第1リング40、第2リング50、第3リング60、6つの遊星ローラ70、キャリア75、および付勢機構80を備える。
ケーシング10は、軸方向に延びる筒状の部材である。より詳細には、ケーシング10は、第1筒部11、第2筒部12および第3筒部13を有する。第2筒部12は、第1筒部11の軸方向一方側の端部に連結され、第3筒部13は、第1筒部11の軸方向他方側の端部に連結される。第2筒部12および第3筒部13は、第1筒部11よりも小径である。第1リング40、第2リング50、第3リング60、遊星ローラ70、キャリア75および付勢機構80は、ケーシング10の第1筒部11の内側に配置される。
入力部材20は、中心軸線AX1を中心として回転可能にケーシング10に軸支される。入力部材20の軸方向一方側の部分は、ケーシング10の第2筒部12の軸方向一方側端部の開口から、第2筒部12の外側に露出する。入力部材20は、第2筒部12の内側に設けられたボール軸受121を介して、第2筒部12に軸支される。
入力部材20は、外部からの入力を受け付ける棒状の入力シャフト21を含む。ローラ式差動減速装置1は、入力シャフト21を介して入力を受けるため、エンジン、モータ、水車および風車などの各種動力源を利用することができる。
出力部材30は、中心軸線AX1を中心として回転可能にケーシング10に支持される。詳細には、出力部材30は、減速後の回転運動を外部に出力する棒状の出力シャフト31、および、出力シャフト31の軸方向一方側から径方向外側へ広がるフランジ部33を含む。フランジ部33は、第1筒部11の径方向内側に位置する。
出力部材30の出力シャフト31の軸方向他方側の部分は、第3筒部13の軸方向他方側端部に設けられた開口部から第3筒部13の外側に露出する。出力部材30は、第3筒部13の内側に設けられた2つのボール軸受131を介して、第3筒部13に軸支される。2つのボール軸受131は、第3筒部の内側において、軸方向に間隔をあけて配置される。
入力シャフト21の軸方向他方側の先端部は、出力シャフト31の軸方向一方側端部に設けられた凹部内に、滑り軸受311を介して、軸支される。これにより、入力部材20および出力部材30は、相対回転可能であってかつ同軸上に連結される。ローラ式差動減速装置1は、出力シャフト31を介して、減速後の回転運動を出力することができるため、種々の相手機械装置に適用することができる。
第1リング40は、ケーシング10における第1筒部11の内側であって、かつ、第2リング50の軸方向一方側に配される。第1リング40は、ケーシング10に対して、周方向の移動が制限される円環状の内周面41を有する。第1リング40は、第1筒部11の内面に固定されることにより、周方向の回転が抑制される。
第2リング50は、ケーシング10における第1筒部11の内側に配置される環状の部材である。第2リング50は、円環状の内周面51を有する。第2リング50の内周面51の径は、第1リング40の内周面41の径よりも、小さい。第2リング50の他方側端部は、径方向と平行に配される円環板状のフランジ部33に連結されており、当該フランジ部33が出力部材30の出力シャフト31の軸方向他方側端部に連結される。このため、第2リング50は、フランジ部33を含む出力部材30とともに、中心軸線AX1を中心として一体的に回転する。
第3リング60は、軸方向に配列される筒状の第1転動体61および第2転動体62を含む。本例では、第1,第2転動体61,62は、入力部材20の入力シャフト21に連結されており、入力部材20とともに中心軸線AX1を中心に回転する。
第1転動体61の筒状の外周面は、軸方向一方側に向かって外径が小さくなる第1傾斜面611を有する。第1傾斜面611は、第1転動体61の外周面において、軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜する面である。
第2転動体62の筒状の外周面は、軸方向他方側に向かって外径が小さくなる第2傾斜面621を有する。第2傾斜面621は、第2転動体62の外周面において、軸方向他方側に向かって径方向内側に傾斜する面である。
本例では、第1,第2傾斜面611,621は、軸方向に対して、一定の傾きを有するが、これは必須ではない。第1,第2傾斜面611,621は、例えば、段階的に傾きが変化する部分であってもよく、さらには、連続的に傾きが変化することによってなめらかに湾曲する部分であってもよい。
第1転動体61は、入力シャフト21に固定される。なお、第1転動体61および入力部材20は、別体であってもよいし、単一の部材として構成されてもよい。第2転動体62は、入力シャフト21に対して、相対的に回転することが抑制され、かつ、軸方向への移動が可能とされている。本例では、入力部材20および第2転動体62が、キー623を介して、相対回転不能、かつ軸方向に摺動可能に連結されている。
6つの遊星ローラ70は、それぞれ、中心軸線AX1と平行な遊星軸70X、並びに、遊星軸70Xのまわりに配された筒状の第1外周面71、第2外周面72および第3外周面73を有する。第1外周面71は、第3外周面73の軸方向一方側に配置され、第2外周面72は、第3外周面73の軸方向他方側に配置される。なお、遊星ローラ70の個数は、6個に限定されるものではなく、2個以上6個未満であってもよいし、6個より多くてもよい。
第1外周面71および第2外周面72は、遊星軸70Xを中心とする円筒状である。ただし、遊星軸70Xを中心とする第2外周面72の外径は、遊星軸70Xを中心とする第1外周面71の外径よりも小さい。
遊星ローラ70の第1外周面71は、第1リング40の内周面41に接触する。また、遊星ローラ70の第2外周面72は、第2リング50の内周面51に接触する。本例では、第1,第2外周面71,72、および、内周面41,51は、いずれも、中心軸線AX1に平行である。このため、遊星ローラ70と、第1リング40または第2リング50とは、中心軸線AX1に平行な面どうしで接触する。
第3外周面73の外径は、第1外周面71および第2外周面72の外径よりも大きい。第3外周面73は、軸方向一方側に向かって外径が大きくなる第1接触面731、および、軸方向他方側に向かって外径が大きくなる第2接触面732を含む。
第1接触面731と第2接触面732との間は、軸方向に平行な円筒状の中間面733で連結される。第1接触面731は中間面733の軸方向他方側に配置され、第2接触面732は中間面733の軸方向一方側に配置される。
図1に示すように、第3外周面73は、中心軸線AX1の軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜する面で、第1転動体61の第1傾斜面611に接触している。この第3外周面73における第1傾斜面611に接触している面は、第3外周面73における、最も径方向内側に位置する部分であり、かつ、中心軸線AX1に沿う切断面において、軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜する部分である。
図1に示すように、第3外周面73は、中心軸線AX1の軸方向他方側に向かって径方向内側に傾斜する面で、第2転動体62の第2傾斜面621に接触している。この第3外周面における第2傾斜面621に接触している面は、第3外周面73における、最も径方向内側に位置する部分であり、かつ、中心軸線AX1に沿う切断面において、軸方向他方側に向かって径方向内側に傾斜する部分である。
本例では、第1,第2接触面731,732は、軸方向に対して、一定の傾きを有するが、これは必須ではない。第1,第2接触面731,732は、例えば、段階的に傾きが変化する部分であってもよく、さらには、連続的に傾きが変化することによってなめらかに湾曲する部分であってもよい。
遊星ローラ70の第3外周面73は、第1接触面731にて第1転動体61の第1傾斜面611に接触するとともに、第2接触面732にて第2転動体62の第2傾斜面621に接触する。
図2は、第1実施形態に係るキャリア75の正面図および背面図である。図3は、第1実施形態に係るキャリア75に取り付けられた遊星ローラ70を示す図である。キャリア75は、各遊星ローラ70の遊星軸70Xを支持することによって、6つの遊星ローラ70を、周方向において等間隔に配した状態で、支持する。これにより、遊星ローラ70は、遊星軸70Xを中心とする回転(自転)が可能であるとともに、キャリア75とともに、中心軸線AX1を中心とする回転(公転)が可能となっている。
キャリア75は、軸方向に間隔をあけて配置される2つの円環板状の円環部751と、当該2つの円環部751を連結する連結部752とを含む。2つの円環部751のうち、軸方向他方側の円環部751の中心部は、ボール軸受753を介して、入力部材20(入力シャフト21)に連結される。これにより、キャリア75は、入力部材20に対して自由に回転可能である。
2つの円環部751は、それぞれ、各遊星ローラ70の遊星軸70Xの軸方向一方側および軸方向他方側の端部を支持する。詳細には、キャリア75の2つの円環部751には、6つのスリット76が設けられる。6つのスリット76は、径方向へ放射状に延びる隙間である。これらスリット76は、周方向において等間隔に設けられる。スリット76は、円環部751の外周部から径方向内側へ延びるとともに、各円環部751を軸方向へ貫通する切欠き状の孔である。
各スリット76の内側には、軸ブロック77が1つずつ配置される。遊星ローラ70の遊星軸70Xの両端部それぞれが、軸ブロック77を介して2つの円環部751に支持されることにより、遊星ローラ70がキャリア75に支持される。
軸ブロック77は、各スリット76の内面によって周方向への変位が規制される一方、各スリット76の内面に沿う径方向への変位が可能である。このため、各遊星ローラ70は、キャリア75によって、周方向への変位は規制されるものの、径方向へ変位可能に支持される。
ローラ式差動減速装置1では、入力部材20から出力部材30への動力伝達は、第1リング40および第2リング50を介して行われるが、キャリア75は、この動力伝達には直接寄与しない空転部材である。
付勢機構80は、第1転動体61および第2転動体62のうち、少なくとも一方を、他方へ付勢する。図1に示す付勢機構80は、圧縮コイルばね81と、ナット811とを含む。ナット811は、ケーシング10における第2筒部12の内側に配置され、入力部材20の外周面から径方向外方に突出する円環状の部材である。ナット811は、入力部材20の外周面に設けられたねじ溝に螺合する。ナット811を回転させることによって、ナット811は、入力部材20に対して軸方向へ変位する。
圧縮コイルばね81の径方向内側には、入力部材20が挿入される。また、圧縮コイルばね81は、ナット811と第2転動体62の間に、自然長よりも短い状態で配置される。このため、圧縮コイルばね81は、第2転動体62に対し、軸方向他方側へ向けた押圧力を加える。このため、第2転動体62は、圧縮コイルばね81からの押圧力を受けて、第1転動体61へ向けて付勢される。ナット811を軸方向へ変位させることにより、圧縮コイルばね81の圧縮量を調整することができる。これにより、第2転動体62に作用する付勢力を調整することができる。
なお、圧縮コイルばね81の軸方向一方側端部は、ナット811の軸方向他方側端面に固定されてもよい。また、圧縮コイルばね81の他方側端部は、第2転動体62の軸方向一方側端面に固定されてもよい。
このように、本実施形態では、第1転動体61および第2転動体62を互いに近づける方向の付勢を圧縮コイルばね81によって行う。これにより、付勢機構80の軸方向寸法を小さくすることができる。
ローラ式差動減速装置1において、入力部材20が外部の動力源によって回転すると、第3リング60(第1,第2転動体61,62)が回転する。すると、第3リング60の外周面(第1,第2傾斜面611,621)に接触する6つの遊星ローラ70が、転がり摩擦(転がり抵抗)によって、各遊星軸70Xを中心に第3リング60の回転方向とは逆の向きに回転(自転)する。6つの遊星ローラ70は、キャリア75によって連結されていることにより、中心軸線AX1を中心にして第3リング60の回転方向と同じ向きに回転(公転)する。これによって、各遊星ローラ70の第2外周面72に接触する第2リング50は、転がり摩擦の作用で、中心軸線AX1を中心に回転する。この第2リング50の回転数は、入力部材20の回転数よりも減速された回転数である。そして、第2リング50の回転運動が、フランジ部33を介して出力部材30(出力シャフト31)に伝達される。このように、ローラ式差動減速装置1によると、遊星ローラ機構による減速、および、遊星ローラ70を介する差動機構による減速を利用することによって、大きな速度比(減速比)を得ることができる。
本例では、遊星ローラ70において、第2外周面72の外径は、第1外周面71の外径よりも小さく、第2リング50の内周面51の内径は、第1リング40の内周面41の外径よりも小さい。このため、遊星ローラ70が公転することによる、第2外周面72の中心軸線AX1まわりの回転半径は、第1外周面71の中心軸線AX1周りの回転半径よりも小さくなる。すなわち、遊星ローラ70と、第1,第2リング40,50との各接触位置は、径方向の差(径差)を有しており、ローラ式差動減速装置1は、この径差に応じた速度比の回転を出力する。本例の場合、入力部材20を回転させると、第2リング50が入力部材20と同じ向きに回転する。すなわち、出力部材30が、入力部材20と同じ向きに回転する。
なお、第2外周面72の外径を、第1外周面71の外径よりも大きくしてもよい。この場合、第2リング50の内周面51の内径を、第1リング40の内周面41の内径よりも大きくするとよい。この場合、入力部材20を回転させると、第2リング50および出力部材30が、入力部材20とは逆の向きに回転する。
ローラ式差動減速装置1によると、第3リング60の第1,第2転動体61,62が、付勢機構80からの付勢力によって、軸方向両側から遊星ローラ70の第3外周面73を挟み込んで保持する。このとき、遊星ローラ70と第1転動体61、および、遊星ローラ70と第2転動体62が、軸方向に対して傾斜する面どうしで接触する。このため、第3リング60によって、遊星ローラ70を径方向外側へ押圧することができる。すなわち、遊星ローラ70を径方向外側へ付勢することができる。この作用により、遊星ローラ70の第1,第2外周面71,72それぞれを、第1リング40および第2リング50それぞれの内周面へ強固に接触させることができる。これにより、遊星ローラ70と、第1,第2および第3リング40,50,60との各間で、転がり摩擦を有効に作用させることができる。仮に、第1,第2転動体61,62と遊星ローラ70と間で滑りが生じたとしても、第1,第2転動体61,62は減速比にほとんど寄与しない部材であるため、ローラ式差動減速装置1の速度比を安定させることができる。
本実施形態では、第1転動体61の外周面および遊星ローラ70の第3外周面73の双方が、軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜する面(第1傾斜面611および第1接触面731)で互いに接触している。しかしながら、これは必須ではなく、第3外周面73および第1転動体61の外周面のうち、どちらか一方のみが傾斜する面を有していてもよい。これと同様に、第2転動体62の外周面および遊星ローラ70の第3外周面73の双方が、軸方向他方側へ向かって径方向内側に傾斜する面(第2傾斜面621および第2接触面732)で互いに接触している。しかしながら、これは必須ではなく、第3外周面73および第2転動体62の外周面のうち、どちらか一方のみが傾斜する面を有していてもよい。いずれの場合であっても、第1,第2転動体61,62によって遊星ローラ70を径方向外側へ付勢することができる。したがって、遊星ローラ70の第1,第2外周面71,72を、第1,第2リング40,50それぞれの内周面41,51に押し当てることができる。このため、遊星ローラ70と、第1,第2および第3リング40,50,60との各間で、有効に転がり摩擦を作用させることができる。
遊星ローラ70と、第1リング40および第2リング50とは、中心軸線AX1に平行な面(第1,第2外周面71,72と、内周面41,51)で接触する。これにより、遊星ローラ70と、第1,第2リング40,50との各間の滑りを軽減することができる。第1,第2リング40,50と第1,第2外周面71,72との接触位置は、速度比に寄与するため、これらを安定に接触させることによって、ローラ式差動減速装置1の速度比(減速比)を安定させることができる。
なお、第1,第2外周面71,72および内周面41,51が、中心軸線AX1と平行であることは必須ではない。しかしながら、速度比を安定させる観点から、これらは中心軸線AX1と平行であることが好ましい。
各遊星ローラ70は、キャリア75によって、径方向へ変位することが可能に保持される。このため、複数の遊星ローラ70を介して、付勢機構80の付勢力を第1リング40および第2リング50に作用させることができる。
第3リング60である第1,第2転動体61,62は、入力部材20に連結されている。このように、第3リング60が入力部材20に連結されるため、遊星ローラ70の公転速度が遅くなる。遊星ローラ70の遠心力を考慮した場合、入力回転速度を大きくすることができる。
<2. 第2実施形態>
図4は、第2実施形態のローラ式差動減速装置1Aの縦断面図である。ローラ式差動減速装置1Aは、例えば、電動機90を備える点、および、圧縮コイルばね81の代わりに皿ばね82を有する付勢機構80Aを備える点で、ローラ式差動減速装置1(図1参照)と相違する。
皿ばね82は、ナット811と第2転動体62との間に配置されており、第2転動体62を第1転動体61へ向けて付勢する。このように、第2転動体62の付勢を皿ばね82によって行うため、付勢機構80の軸方向寸法を小さくすることができる。したがって、ローラ式差動減速装置1Aの軸方向寸法を小さくすることができる。
電動機90は、ケーシング10Aにおける第2筒部12Aの内側に配置される。第2筒部12Aは、電動機90を収容するために、第1実施形態の第2筒部12(図1参照)の内径よりも大きい。電動機90は、第2筒部12Aの内側面に固定されるステータ91、および、入力部材20に連結されるロータ92を有する。
ステータ91は、駆動用コイルと、インシュレータを介して駆動用コイルが巻回される複数の突極を有するステータコアとを備える。ステータコアの突極は、径方向内側に向かって突出し、突極の先端面は、ロータ92が備えるマグネットに対向する。
ローラ式差動減速装置1Aの駆動時には、ステータ91の駆動用コイルに駆動電流が供給される。すると、駆動用コイルとマグネットとの間に生じる回転磁界により、周方向のトルクが発生する。当該トルクによって、ステータ91に対してロータ92および入力部材20が、中心軸線AX1を中心として回転する。電動機90によって入力部材20が回転すると、遊星ローラ機構および差動機構により、入力部材20の回転が減速されて、出力部材30に伝達される。
ローラ式差動減速装置1Aによると、ケーシング10Aの内側に電動機90が設けられるため、軸継手を介さずに、減速機構と電動機90とを連結することができる。この場合、部品点数を減らすことができるとともに、電動機付きの減速装置の装置寸法を小さくすることができる。
電動機90は、ロータ92がステータ91の径方向内側に配置される、いわゆるインナーロータ型のモータである。この場合、ロータがステータの径方向外側に配置される場合と比較して、ロータ92の慣性を小さくすることができる。このため、ロータ92の回転速度を頻繁に変化させたときの、制御応答性を向上することができる。
<3. 第3実施形態>
図5は、第3実施形態のローラ式差動減速装置1Bの縦断面図である。ローラ式差動減速装置1Bでは、キャリア75が入力部材20に連結され、キャリア75が入力部材20とともに、中心軸線AX1を中心に回転する。詳細には、キャリア75の軸方向一方側の円環部751が、入力部材20の入力シャフト21に連結される。
第3リング60の第1,第2転動体61,62は、中間軸63の中間部に設けられており、中間軸63の両端部は、入力部材20および出力部材30それぞれに軸支される。詳細には、中間軸63の軸方向一方側端部は、入力部材20の軸方向他方側端に設けられた凹部内に、滑り軸受211を介して、軸支される。また、中間軸63の軸方向他方側端部は、出力部材30の軸方向一方側端部の凹部内に、滑り軸受311を介して、軸支される。このため、中間軸63、入力部材20および出力部材30は、互いに相対回転可能に軸支される。
第1転動体61は、中間軸63に対して、軸方向に移動可能に連結される。第2転動体62は、中間軸63に固定される。ローラ式差動減速装置1Bは、中間軸63に螺合されたナット811および皿ばね82を含む付勢機構80Aを備える。ナット811は、第1転動体61よりも軸方向他方側に配置され、皿ばね82は、ナット811と第1転動体61の間に配置される。
皿ばね82が第1転動体61を軸方向一方側の第2転動体62へ向けて押圧すると、第1,第2転動体61,62それぞれの第1,第2傾斜面611,621が、各遊星ローラ70における第3外周面73の第1,第2接触面731,732を径方向外側へ付勢する。これによって、各遊星ローラ70の第1,第2外周面71,72それぞれを、第1,第2リング40,50それぞれの内周面41,51に強固に押し当てることができる。
ローラ式差動減速装置1Bでは、第3リング60は、押圧力を生じさせるための付勢力を発生させるものであり、動力伝達には関与しない。第3リング60は、入力部材20の回転速度が大きい場合、起動時の与圧として作用する部材として機能し、入力部材20の回転速度が小さい場合、必要な押圧力を与える部材として機能する。
ローラ式差動減速装置1Bの場合、キャリア75の回転数の増加に応じて、遊星ローラ70の公転速度が増大する。このため、遊星ローラ70が、第1リング40および第2リング50を遠心力の作用で押圧する力を増大させることができる。また、この場合、付勢機構80Aの付勢力を、駆動開始時に転動面が滑りを起こさない程度の比較的弱い力とすることができる。
<4. 第4実施形態>
図6は、第4実施形態のローラ式差動減速装置1Cの縦断面図である。ローラ式差動減速装置1Cは、例えば、調圧カム83を含む付勢機構80Bを備える点で、ローラ式差動減速装置1(図1参照)と相違する。
調圧カム83は、ナット811と第2転動体62との間に配置される。調圧カム83は、周方向に沿って設けられた複数のフェースカムで構成されており、各フェースカムは、径方向視においてV字状の断面を有するV溝である。第2転動体62の軸方向一方側端面にも、調圧カム83の各V溝に対向する位置にV溝が形成される。また、軸方向に対向する、調圧カム83のV溝と第2転動体62のV溝との間には、ボールが配置される。
入力部材20に負荷が作用すると、V溝の底部に配されたボールが、V溝を乗り上げ、第2転動体62が軸方向他方側へ変位する。この変位量に応じて、第2転動体62が第1転動体61へ負荷に比例した付勢力で付勢される。調圧カム83は、キー結合を介して、入力部材20に連結される。また、第2転動体62は入力部材20に対して規制されない。
ローラ式差動減速装置1Cでは、第1転動体61および第2転動体62の付勢が調圧カム83によって行われるため、付勢機構80Bの軸方向寸法を小さくすることができる。また、調圧カム83は、負荷に比例した付勢力を発生させることができるので、ローラ式差動減速装置1Cの寿命は、ばねに比べて伸びる。
<5. 第5実施形態>
図7は、第5実施形態のローラ式差動減速装置1Dの縦断面図である。ローラ式差動減速装置1Dでは、ローラ式差動減速装置1(図1参照)と同様に、第3リング60(第1,第2転動体61,62)が、入力部材20に連結される。
ローラ式差動減速装置1Dのケーシング10Bは、第1筒部11B、および、第1筒部11Bの軸方向一方側に連結される第2筒部12Bを含む。第1筒部11Bの内側には、第3リング60、複数の遊星ローラ70、キャリア75などが配置され、第2筒部12Bの内側には、電動機90Aが配置される。
ローラ式差動減速装置1Dは、中心軸線AX1上に配置される棒状の支持軸15を備える。ケーシング10Bは、支持軸15によって非回転状態に支持される。詳細には、支持軸15は、ケーシング10Bの中央に挿通されており、ケーシング10Bの軸方向一方側端部が、キー結合を介して支持軸15に連結される。
電動機90Aは、アキシャルギャップモータであり、ロータ部92Aがステータ91Aの軸方向両側に1つずつ配置される。アキシャルギャップモータの場合、インナーロータ型モータ(図4参照)またはアウターロータ型モータ(後述する図8参照)の場合と比較して、軸方向寸法を小さくすることができるとともに、高トルクかつ高応答性を得ることができる。
ステータ91Aは、円環状であり、ケーシング10Bの第2筒部12Bの内面に固定される。また、ロータ92Aは、ステータ91Aと軸方向に対向する板状の部材である。ロータ92Aにおけるステータ91Aに対向する面に、マグネット923が設けられる。2つのロータ92Aは、軸方向へ延びる中空の筒部925で連結される。筒部925の外周面は、ボール軸受911を介して、ステータ91Aの径方向内側に軸支される。
筒状部925の軸方向他方側端部には、第2転動体62Aが設けられる。本例では、筒状部925および第2転動体62Aは、連続した1つの部材として構成されるが、これらは別体であってもよい。第2転動体62Aの軸方向他方側端部の外周面は、軸方向他方側に向かって外径が小さくなる第2傾斜面621である。当該第2傾斜面621は、遊星ローラ70の第2接触面732に接触する。
入力部材20Aは、支持軸15が挿通される略円筒状の部材である。入力部材20Aは、第2転動体62Aを有する筒状部925の径方向内側に配置される。第2転動体62Aは、キー結合を介して、入力部材20Aに連結される。このため、入力部材20Aおよびロータ92Aは、一体的に回転するとともに、ロータ92Aは入力部材20Aに対して軸方向に変位可能である。また、入力部材20Aには、第1傾斜面611を有する第1転動体61が設けられる。本例では、第1転動体61および入力部材20Aは、連続する1つの部材として構成されるが、これらは別体であってもよい。
ローラ式差動減速装置1Dは、圧縮コイルばね81を有する付勢機構80を備える。圧縮コイルばね81は、ロータ92Aの筒状部925の径方向内側に配置されており、入力部材20Aに螺合されたナット811と、第2転動体62Aとの間に配置される。圧縮コイルばね81が第2転動体62Aを軸方向他方側へ押圧することによって、第2転動体62Aが軸方向他方側の第1転動体61へ向けて付勢される。この作用によって、第1,第2転動体61,62Aの第1,第2傾斜面611,621が、遊星ローラ70を軸方向の両側から挟み込むとともに、遊星ローラ70を径方向外側へ付勢する。
出力部材30Aは、フランジ部331および筒部333を有する。フランジ部331は、ケーシング10Bにおける第1筒部11Bの軸方向他方側の端部よりも大きい外径を有する円環板状である。フランジ部331は、第2リング50に連結される。筒部333は、当該フランジ部331の径方向外側端部から軸方向一方側へ延びる円筒状である。フランジ部331の内周面は、ボール軸受133を介して、支持軸15の外周面に軸支される。ケーシング10Bの第1筒部11Bは、筒部333の径方向内側に配置される。すなわち、筒部333は、第1筒部11Bと径方向に重なる。筒部333の内周面は、2つのボール軸受135を介して第1筒部11Bの外周面に連結される。
ローラ式差動減速装置1Dは、車輪35を備える。出力部材30Aの筒部333が車輪35の内側に挿入されることによって、車輪35が出力部材30Aに連結される。このため、ケーシング10Bは、車輪35の径方向内側に収容される。電動機90Aの駆動によって入力部材20が回転すると、出力部材30Aとともに、車輪35が、減速された回転速度で、中心軸線AX1を中心にして回転する。
ローラ式差動減速装置1Dによれば、車輪35を駆動する駆動系を収容するケーシング10Bが、車輪35の内部に配置される。このため、車輪付減速機の装置寸法を小さくすることができる。
<6. 第6実施形態>
図8は、第6実施形態のローラ式差動減速装置1Eの縦断面図である。ローラ式差動減速装置1Eは、例えば、アウターロータ型の電動機90Bを備える点で、インナーロータ型の電動機90Aを備えるローラ式差動減速装置1A(図4参照)と相違する。電動機90Bは、ケーシング10Cの第2筒部12Cの内側に配置される。また、ロータ92は、第2筒部12Cの径方向内側に固定されたステータ91よりも径方向外側に配置される。ロータ92は、入力部材20の入力シャフト21に、キー結合を介して連結される。入力シャフト21は、ボール軸受121を介してケーシング10Cの第2筒部12Cに軸支される。
アウターロータ型モータである電動機90Bは、インナーロータ型モータ(図4参照)である電動機90Aと比較して、ロータ92の慣性が大きくなる。このため、高トルクで安定した回転力を得ることができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
本発明は、ローラ式差動減速装置に利用することができる。
1,1A〜1E ローラ式差動減速装置
10,10A〜10C ケーシング
15 支持軸
20,20A 入力部材
20A 入力部材
21 入力シャフト
30,30A 出力部材
31 出力シャフト
35 車輪
40 第1リング
41 内周面
50 第2リング
51 内周面
60 第3リング
61 第1転動体
611 第1傾斜面
62,62A 第2転動体
621 第2傾斜面
70 遊星ローラ
70X 遊星軸
71 第1外周面
72 第2外周面
73 第3外周面
731 第1接触面
732 第2接触面
75 キャリア
76 スリット
77 軸ブロック
80 付勢機構
81 圧縮コイルばね
82 皿ばね
83 調圧カム
90,90A,90B 電動機
91,91A ステータ
92,92A ロータ
AX1 中心軸線

Claims (19)

  1. ローラ式差動減速装置であって、
    ケーシングと、
    中心軸線を中心として回転可能に前記ケーシングに支持される入力部材と、
    前記中心軸線を中心として回転可能に前記ケーシングに支持される出力部材と、
    前記ケーシングに収容され、前記ケーシングに対して周方向の移動が制限される円環状の内周面を有する第1リングと、
    前記ケーシングに収容されるとともに前記出力部材に連結されており、円環状の内周面を有する第2リングと、
    筒状の第1転動体、および、筒状であって前記第1転動体の軸方向一方側に配置される第2転動体を含む第3リングと、
    前記中心軸線と平行な遊星軸、並びに、前記遊星軸のまわりに配された筒状の第1外周面、第2外周面および第3外周面を有し、前記第1外周面が前記第1リングの内周面に接触し、前記第2外周面が前記第2リングの内周面に接触する、複数の遊星ローラと、
    前記複数の遊星ローラの前記遊星軸を介して、前記複数の遊星ローラを、前記中心軸線を中心として回転可能に周方向に支持するキャリアと、
    前記第1転動体および前記第2転動体の間に前記第3外周面を間に挟んで、前記第1転動体および前記第2転動体のうち、少なくとも一方を、他方へ付勢する付勢機構と、
    を備え、
    前記第3外周面は、前記第1外周面および前記第2外周面よりも大きい外径を有し、
    前記第3外周面および前記第1転動体の外周面のうち、少なくとも一方は、他方に対して、前記中心軸線の軸方向一方側に向かって径方向内側に傾斜する面で接触しており、
    前記第3外周面および前記第2転動体の外周面のうち、少なくとも一方は、他方に対して、前記中心軸線の軸方向他方側に向かって径方向内側に傾斜する面で接触している、ローラ式差動減速装置。
  2. 請求項1のローラ式差動減速装置であって、
    前記第1転動体の外周面は、軸方向一方側に向かって外径が小さくなる第1傾斜面を含み、
    前記第2転動体の外周面は、軸方向他方側に向かって外径が小さくなる第2傾斜面を含み、
    前記第1傾斜面および前記第2傾斜面が、前記第3外周面に接触する、ローラ式差動減速装置。
  3. 請求項1または請求項2のローラ式差動減速装置であって、
    前記第3外周面は、
    軸方向一方側に向かって外径が大きくなるとともに、前記第1転動体の外周面に接触する第1接触面と、
    軸方向他方側に向かって外径が大きくなるとともに、前記第2転動体の外周面に接触する第2接触面と、
    を含むローラ式差動減速装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    第1外周面および第2外周面が、前記中心軸線と平行な円筒状である、ローラ式差動減速装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    前記付勢機構が、圧縮コイルばねを含む、ローラ式差動減速装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    前記付勢機構が、皿ばねを含む、ローラ式差動減速装置。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    前記付勢機構が、調圧カムを含む、ローラ式差動減速装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    前記キャリアが、径方向に放射状に延びるスリット、および、前記スリット内に配置される軸ブロックを有し、
    前記遊星ローラの前記遊星軸が、前記軸ブロックを介して前記キャリアに支持される、ローラ式差動減速装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    前記第3リングが、前記入力部材に連結される、ローラ式差動減速装置。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    前記キャリアが、前記入力部材に連結される、ローラ式差動減速装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    前記入力部材が、入力シャフト、を含む、ローラ式差動減速装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    前記出力部材が、出力シャフト、を含む、ローラ式差動減速装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    前記ケーシングに固定されるステータ、および、前記入力部材に連結されるロータを有する電動機、
    をさらに備える、ローラ式差動減速装置。
  14. 請求項13のローラ式差動減速装置であって、
    前記ロータが、前記ステータよりも径方向内側に配置されるインナーロータである、ローラ式差動減速装置。
  15. 請求項13のローラ式差動減速装置であって、
    前記ロータが、前記ステータよりも径方向外側に配置されるアウターロータである、ローラ式差動減速装置。
  16. 請求項13のローラ式差動減速装置であって、
    前記電動機が、前記ロータが前記ステータの軸方向両側に配置される、アキシャルギャップモータである、ローラ式差動減速装置。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    前記出力部材に連結される車輪、
    をさらに備える、ローラ式差動減速装置。
  18. 請求項17のローラ式差動減速装置であって、
    前記ケーシングが、前記車輪の径方向内側に収容される、ローラ式差動減速装置。
  19. 請求項1から請求項18までのいずれか1項のローラ式差動減速装置であって、
    前記中心軸線上に配置される支持軸、
    をさらに備え、
    前記ケーシングが、前記支持軸に支持される、ローラ式差動減速装置。
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