JP2021014676A - 印刷用塗工紙 - Google Patents
印刷用塗工紙 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021014676A JP2021014676A JP2020187316A JP2020187316A JP2021014676A JP 2021014676 A JP2021014676 A JP 2021014676A JP 2020187316 A JP2020187316 A JP 2020187316A JP 2020187316 A JP2020187316 A JP 2020187316A JP 2021014676 A JP2021014676 A JP 2021014676A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coated paper
- pigment
- coating layer
- paper
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Paper (AREA)
Abstract
Description
基紙及び塗工層を有する塗工紙であり、
前記基紙のJIS P 8150の色相は、紫外線を含む測定において、a*値0.1以上0.7未満、b*値−0.2以上0.6未満であり、
前記塗工層は、紫色顔料及び青色顔料の両者、並びに蛍光増白剤を含有し、
前記塗工紙のJIS P 8149の不透明度は85%以上、JIS P 8150の明度は紫外線を含む測定において85%以上であり、
前記塗工紙のJIS P 8150の色相は、紫外線を含む測定においてa*値0.5以上2.5未満、b*値−5以上−2未満である、
ことを特徴とする印刷用塗工紙。
前記塗工層は、白色顔料を含有し、
この白色顔料100質量部に対する前記塗工層における紫色顔料及び青色顔料の合計含有量が、固形分換算で0.001〜0.005質量部であり、
前記白色顔料の70質量%以上は、炭酸カルシウムである、
請求項1に記載の印刷用塗工紙。
(請求項3記載の態様)
前記炭酸カルシウムが軽質炭酸カルシムである、
請求項2に記載の印刷用塗工紙。
前記蛍光増白剤の含有量は、10〜80mg/m2であり、
前記塗工層における蛍光増白剤は、前記白色顔料100質量部に対して0.05〜0.8質量部である、
請求項2又は請求項3に記載の印刷用塗工紙。
前記基紙の原料パルプとして脱墨パルプが絶乾基準で全原料パルプの30〜45質量%使用され、かつ前記基紙のJIS P 8251(525℃)に準拠して測定した灰分が3.0〜9.5%とされることで前記塗工紙の不透明度が85%以上とされている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。
前記基紙のJIS P 8150の明度が紫外線を含む測定において75%以上とされて前記塗工紙の明度が85%以上とされている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。
前記紫色顔料及び前記青色顔料として粒子径0.2〜0.4μmの無機顔料が使用され、かつ前記紫色顔料及び前記青色顔料の合計含有量は、0.1〜1.4mg/m2である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。
JIS P 8150の色相が、紫外線を含む測定において、a*値0.1以上0.7未満、b*値−0.2以上0.6未満の基紙の片面又は両面にフィルム転写方式で塗工層を形成して塗工紙を製造する方法であり、
前記塗工層に、紫色顔料及び青色顔料の両者、並びに蛍光増白剤を含有させて、
前記塗工紙のJIS P 8149の不透明度を85%以上、JIS P 8150の明度を紫外線を含む測定において85%以上とし、
前記塗工紙のJIS P 8150の色相を、紫外線を含む測定においてa*値0.5以上2.5未満、b*値−5以上−2未満とする、
ことを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
図1に示すように、本形態の印刷用塗工紙1は、基紙2及びこの基紙2の片面(図1の(1))又は両面(図1の(2))に形成された塗工層4を有する。ただし、これは一例であり、例えば、塗工層4の下に、つまり塗工層4と基紙2との間に、下塗り塗工層等の他の層が存在してもよい。参考までに、図1の(3)に基紙2の片面に下塗り塗工層3が形成されている形態を、図1の(4)に基紙2の両面に下塗り塗工層が形成されている形態を示している。
基紙2は、原料パルプ及び填料を主な構成材料とする。
原料パルプとしては、例えば、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、亜硫酸パルプ等の化学パルプ、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、等を使用することができる。
填料としては、例えば、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、ホワイトカーボン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂等の有機填料、等を使用することができる。
基紙2には、紫色顔料や青色顔料を填料として内添させてもよい。
基紙2には、必要により、添加剤を内添することができる。
前述したように、基紙2の片面又は両面には、下塗り塗工層(クリア塗工層)3を設けることができる。
塗工層4は、色材たる紫色顔料及び青色顔料、蛍光増白剤、並びに接着剤を主な構成材料とする。
以下、紫色顔料及び青色顔料、並びに蛍光増白剤を使用する理由について説明する。
塗工紙を白く見せるために、紫色顔料及び青色顔料を加えて塗工紙全体としての反射光のバランスをとるブルーイング(着色)という技術が存在する。紫色顔料及び青色顔料は可視光中の長波長部分(約500〜700nm)の光、すなわち黄色部分の光を吸収するため、その余色である青味を目立たせる。しかるに、反射光量は吸収された光の分だけ減少するため、塗工紙の明度が下がり、灰色、あるいは黒色に近くなる。
紫色顔料及び青色顔料の合計含有量(mg/m2)=(全塗工量(g/m2)×紫色顔料及び青色顔料の合計質量部(質量部)/塗工液中の全固形分質量部(質量部))×1000
なお、上記質量部は、固形分換算した場合の値である。
色材としては、必要により、紫色顔料及び青色顔料以外の顔料、例えば、赤色顔料、黄色顔料、緑色顔料等の顔料を含有させることもできる。なお、色材として黒色顔料を含有させるのは、好ましくない。黒色顔料を含有させると、塗工層4の明度が低下し、塗工紙1が目的の明度や印刷後の鮮明度を有しないものとなるおそれがある。
塗工層4に蛍光増白剤を含有させることで、塗工層4が着色させ、かつ明度を向上させることができる。
蛍光増白剤の合計含有量(mg/m2)=(全塗工量(g/m2)×蛍光増白剤の合計質量部(質量部)/塗工液中の全固形分質量部(質量部))×1000
なお、上記質量部は、固形分換算した場合の値である。
塗工層4には、必要により、白色顔料を含有させる。
接着剤(バインダー)としては、例えば、スチレン・ブタジエン系接着剤、スチレン・アクリル系接着剤、エチレン・酢酸ビニル系接着剤、ブタジエン・メチルメタクリレート系接着剤、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系接着剤、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、カルバミン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、等を使用することができる。
塗工層4には、必要により、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、等の各種補助剤を含有させることができる。
(坪量)
塗工紙1の坪量は、好ましくは40〜60g/m2、より好ましくは42〜59g/m2、特に好ましくは45〜58g/m2である。微塗工紙の場合、特に坪量が60g/m2以下の場合は、本発明による効果がいかんなく発揮される。もっとも、坪量が40g/m2を下回ると、不透明度が不十分になるおそれがある。
塗工紙1の不透明度は、JIS P 8149に準拠して測定した値である。
塗工紙1の明度は、JIS P 8150に準拠し、紫外線を含むようにして、測定した値である。
塗工紙1の色相は、JIS P 8150に準拠し、紫外線を含むようにして測定した値である。
図2には、L*a*b*系色度座標を示している。同図のL*は、明度で白黒の度合いを表す。a*は、+(プラス)のとき赤味の度合いを、−(マイナス)のとき緑味の度合いをそれぞれ増す。b*は、+(プラス)のとき黄味の度合いを、−(マイナス)のとき青味の度合いをそれぞれ増す。紫色顔料及び青色顔料を添加していない場合が原点に位置すると、青色顔料を添加すると、b*は−(マイナス)、a*も−(マイナス)に向かって色相が変化する。また、紫色顔料を添加すると、b*は−(マイナス)、a*は+(プラス)に向かって色相が変化する。
(実施例1)
原料パルプとして、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、及び脱墨パルプ(DIP)を使用し、パルプスラリーを得た。各原料パルプの配合割合は、下記表に示すとおりとした。パルプスラリーには、軽質炭酸カルシウム(タマパールTP121−6S(奥多摩工業社製)、タマパール\TAMAPEARLは、登録商標。)、凝結剤、歩留剤、紙力増強剤を内添した。
室内蛍光灯下で印刷物を印刷面の裏側から透かして視観し、以下の4段階で評価した。
◎:裏移り(裏抜け)が全くない場合
〇:裏移りが僅かに認められるが、ほとんど目立たず実用上差し支えがない場合
△:裏移りが多少認められ、実用に供するにはやや難がある場合
×:裏移りがひどく実用性が全くない場合
任意の人数30人が、室内蛍光灯下で印刷物の印刷部分と白紙部分との境を視観し、5点評価(5:印刷物の印刷部分と白紙部分との境が鮮明に見え、白紙部分は澄んだ明るい白さ>1:印刷物の印刷部分と白紙部分との境がぼやけて見え、白紙部分は澱んだ暗い白さ)した。得られた評価値を平均し、以下の4段階に分類した。
◎:平均値が4.0以上の場合。印刷用紙として適しているといえる。
〇:平均値が3.5以上の場合。印刷用紙として用途上差し支えがないといえる。
△:平均値が3.0以上の場合。印刷用紙として実用に供するにはやや難があるといえる。
×:平均値が3.0未満の場合。印刷用紙としては適さないといえる。
塗工紙の原料及び配合割合を下記表に示すとおりに変化させて、実施例1と同様の試験を行った。結果は、下記表に示した。
実施例と比較例1〜3との対比から、青色顔料、紫色顔料、及び蛍光増白剤が1つでも欠けると、不透明度、明度、又は官能評価が不十分になることが分かった。
基紙及び塗工層を有する塗工紙であり、
前記基紙のJIS P 8150の色相は、紫外線を含む測定において、a*値0.1以上0.7未満、b*値−0.2以上0.6未満であり、
前記塗工層は、紫色顔料及び青色顔料の両者、並びに蛍光増白剤を含有し、
前記塗工紙のJIS P 8149の不透明度は85%以上、JIS P 8150の明度は紫外線を含む測定において85%以上であり、
前記塗工紙のJIS P 8150の色相は、紫外線を含む測定においてa*値0.5以上2.5未満、b*値−5以上−2未満である、
ことを特徴とする印刷用塗工紙。
前記塗工層は、白色顔料を含有し、
この白色顔料100質量部に対する前記塗工層における紫色顔料及び青色顔料の合計含有量が、固形分換算で0.001〜0.005質量部であり、
前記白色顔料の70質量%以上は、炭酸カルシウムである、
請求項1に記載の印刷用塗工紙。
(請求項3記載の参考態様)
前記炭酸カルシウムが軽質炭酸カルシムである、
請求項2に記載の印刷用塗工紙。
前記蛍光増白剤の含有量は、10〜80mg/m2であり、
前記塗工層における蛍光増白剤は、前記白色顔料100質量部に対して0.05〜0.8質量部である、
請求項2又は請求項3に記載の印刷用塗工紙。
前記基紙の原料パルプとして脱墨パルプが絶乾基準で全原料パルプの30〜45質量%使用され、かつ前記基紙のJIS P 8251(525℃)に準拠して測定した灰分が3.0〜9.5%とされることで前記塗工紙の不透明度が85%以上とされている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。
前記基紙のJIS P 8150の明度が紫外線を含む測定において75%以上とされて前記塗工紙の明度が85%以上とされている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。
前記紫色顔料及び前記青色顔料として粒子径0.2〜0.4μmの無機顔料が使用され、かつ前記紫色顔料及び前記青色顔料の合計含有量は、0.1〜1.4mg/m2である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。
JIS P 8150の色相が、紫外線を含む測定において、a*値0.1以上0.7未満、b*値−0.2以上0.6未満の基紙の片面又は両面にフィルム転写方式で塗工層を形成して塗工紙を製造する方法であり、
前記塗工層に、紫色顔料及び青色顔料の両者、並びに蛍光増白剤を含有させて、
前記塗工紙のJIS P 8149の不透明度を85%以上、JIS P 8150の明度を紫外線を含む測定において85%以上とし、
前記塗工紙のJIS P 8150の色相を、紫外線を含む測定においてa*値0.5以上2.5未満、b*値−5以上−2未満とする、
ことを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
図1に示すように、本形態の印刷用塗工紙1は、基紙2及びこの基紙2の片面(図1の(1))又は両面(図1の(2))に形成された塗工層4を有する。ただし、これは一例であり、例えば、塗工層4の下に、つまり塗工層4と基紙2との間に、下塗り塗工層等の他の層が存在してもよい。参考までに、図1の(3)に基紙2の片面に下塗り塗工層3が形成されている形態を、図1の(4)に基紙2の両面に下塗り塗工層が形成されている形態を示している。
基紙2は、原料パルプ及び填料を主な構成材料とする。
原料パルプとしては、例えば、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、亜硫酸パルプ等の化学パルプ、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、等を使用することができる。
填料としては、例えば、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、ホワイトカーボン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂等の有機填料、等を使用することができる。
基紙2には、紫色顔料や青色顔料を填料として内添させてもよい。
基紙2には、必要により、添加剤を内添することができる。
前述したように、基紙2の片面又は両面には、下塗り塗工層(クリア塗工層)3を設けることができる。
塗工層4は、色材たる紫色顔料及び青色顔料、蛍光増白剤、並びに接着剤を主な構成材料とする。
以下、紫色顔料及び青色顔料、並びに蛍光増白剤を使用する理由について説明する。
塗工紙を白く見せるために、紫色顔料及び青色顔料を加えて塗工紙全体としての反射光のバランスをとるブルーイング(着色)という技術が存在する。紫色顔料及び青色顔料は可視光中の長波長部分(約500〜700nm)の光、すなわち黄色部分の光を吸収するため、その余色である青味を目立たせる。しかるに、反射光量は吸収された光の分だけ減少するため、塗工紙の明度が下がり、灰色、あるいは黒色に近くなる。
紫色顔料及び青色顔料の合計含有量(mg/m2)=(全塗工量(g/m2)×紫色顔料及び青色顔料の合計質量部(質量部)/塗工液中の全固形分質量部(質量部))×1000
なお、上記質量部は、固形分換算した場合の値である。
色材としては、必要により、紫色顔料及び青色顔料以外の顔料、例えば、赤色顔料、黄色顔料、緑色顔料等の顔料を含有させることもできる。なお、色材として黒色顔料を含有させるのは、好ましくない。黒色顔料を含有させると、塗工層4の明度が低下し、塗工紙1が目的の明度や印刷後の鮮明度を有しないものとなるおそれがある。
塗工層4に蛍光増白剤を含有させることで、塗工層4が着色させ、かつ明度を向上させることができる。
蛍光増白剤の合計含有量(mg/m2)=(全塗工量(g/m2)×蛍光増白剤の合計質量部(質量部)/塗工液中の全固形分質量部(質量部))×1000
なお、上記質量部は、固形分換算した場合の値である。
塗工層4には、必要により、白色顔料を含有させる。
接着剤(バインダー)としては、例えば、スチレン・ブタジエン系接着剤、スチレン・アクリル系接着剤、エチレン・酢酸ビニル系接着剤、ブタジエン・メチルメタクリレート系接着剤、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系接着剤、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、カルバミン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、等を使用することができる。
塗工層4には、必要により、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、等の各種補助剤を含有させることができる。
(坪量)
塗工紙1の坪量は、好ましくは40〜60g/m2、より好ましくは42〜59g/m2、特に好ましくは45〜58g/m2である。微塗工紙の場合、特に坪量が60g/m2以下の場合は、本発明による効果がいかんなく発揮される。もっとも、坪量が40g/m2を下回ると、不透明度が不十分になるおそれがある。
塗工紙1の不透明度は、JIS P 8149に準拠して測定した値である。
塗工紙1の明度は、JIS P 8150に準拠し、紫外線を含むようにして、測定した値である。
塗工紙1の色相は、JIS P 8150に準拠し、紫外線を含むようにして測定した値である。
図2には、L*a*b*系色度座標を示している。同図のL*は、明度で白黒の度合いを表す。a*は、+(プラス)のとき赤味の度合いを、−(マイナス)のとき緑味の度合いをそれぞれ増す。b*は、+(プラス)のとき黄味の度合いを、−(マイナス)のとき青味の度合いをそれぞれ増す。紫色顔料及び青色顔料を添加していない場合が原点に位置すると、青色顔料を添加すると、b*は−(マイナス)、a*も−(マイナス)に向かって色相が変化する。また、紫色顔料を添加すると、b*は−(マイナス)、a*は+(プラス)に向かって色相が変化する。
(実施例1)
原料パルプとして、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、及び脱墨パルプ(DIP)を使用し、パルプスラリーを得た。各原料パルプの配合割合は、下記表に示すとおりとした。パルプスラリーには、軽質炭酸カルシウム(タマパールTP121−6S(奥多摩工業社製)、タマパール\TAMAPEARLは、登録商標。)、凝結剤、歩留剤、紙力増強剤を内添した。
室内蛍光灯下で印刷物を印刷面の裏側から透かして視観し、以下の4段階で評価した。
◎:裏移り(裏抜け)が全くない場合
〇:裏移りが僅かに認められるが、ほとんど目立たず実用上差し支えがない場合
△:裏移りが多少認められ、実用に供するにはやや難がある場合
×:裏移りがひどく実用性が全くない場合
任意の人数30人が、室内蛍光灯下で印刷物の印刷部分と白紙部分との境を視観し、5点評価(5:印刷物の印刷部分と白紙部分との境が鮮明に見え、白紙部分は澄んだ明るい白さ>1:印刷物の印刷部分と白紙部分との境がぼやけて見え、白紙部分は澱んだ暗い白さ)した。得られた評価値を平均し、以下の4段階に分類した。
◎:平均値が4.0以上の場合。印刷用紙として適しているといえる。
〇:平均値が3.5以上の場合。印刷用紙として用途上差し支えがないといえる。
△:平均値が3.0以上の場合。印刷用紙として実用に供するにはやや難があるといえる。
×:平均値が3.0未満の場合。印刷用紙としては適さないといえる。
塗工紙の原料及び配合割合を下記表に示すとおりに変化させて、実施例1と同様の試験を行った。結果は、下記表に示した。
実施例と比較例1〜3との対比から、青色顔料、紫色顔料、及び蛍光増白剤が1つでも欠けると、不透明度、明度、又は官能評価が不十分になることが分かった。
Claims (8)
- 基紙及び塗工層を有する塗工紙であり、
前記基紙のJIS P 8150の色相は、紫外線を含む測定において、a*値0.1以上0.7未満、b*値−0.2以上0.6未満であり、
前記塗工層は、紫色顔料及び青色顔料の両者、並びに蛍光増白剤を含有し、
前記塗工紙のJIS P 8149の不透明度は85%以上、JIS P 8150の明度は紫外線を含む測定において85%以上であり、
前記塗工紙のJIS P 8150の色相は、紫外線を含む測定においてa*値0.5以上2.5未満、b*値−5以上−2未満である、
ことを特徴とする印刷用塗工紙。 - 前記塗工層は、白色顔料を含有し、
この白色顔料100質量部に対する前記塗工層における紫色顔料及び青色顔料の合計含有量が、固形分換算で0.001〜0.005質量部であり、
前記白色顔料の70質量%以上は、炭酸カルシウムである、
請求項1に記載の印刷用塗工紙。 - 前記炭酸カルシウムが軽質炭酸カルシムである、
請求項2に記載の印刷用塗工紙。 - 前記蛍光増白剤の含有量は、10〜80mg/m2であり、
前記塗工層における蛍光増白剤は、前記白色顔料100質量部に対して0.05〜0.8質量部である、
請求項2又は請求項3に記載の印刷用塗工紙。 - 前記基紙の原料パルプとして脱墨パルプが絶乾基準で全原料パルプの30〜45質量%使用され、かつ前記基紙のJIS P 8251(525℃)に準拠して測定した灰分が3.0〜9.5%とされることで前記塗工紙の不透明度が85%以上とされている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。 - 前記基紙のJIS P 8150の明度が紫外線を含む測定において75%以上とされて前記塗工紙の明度が85%以上とされている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。 - 前記紫色顔料及び前記青色顔料として粒子径0.2〜0.4μmの無機顔料が使用され、かつ前記紫色顔料及び前記青色顔料の合計含有量は、0.1〜1.4mg/m2である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷用塗工紙。 - JIS P 8150の色相が、紫外線を含む測定において、a*値0.1以上0.7未満、b*値−0.2以上0.6未満の基紙の片面又は両面にフィルム転写方式で塗工層を形成して塗工紙を製造する方法であり、
前記塗工層に、紫色顔料及び青色顔料の両者、並びに蛍光増白剤を含有させて、
前記塗工紙のJIS P 8149の不透明度を85%以上、JIS P 8150の明度を紫外線を含む測定において85%以上とし、
前記塗工紙のJIS P 8150の色相を、紫外線を含む測定においてa*値0.5以上2.5未満、b*値−5以上−2未満とする、
ことを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020187316A JP7181267B2 (ja) | 2020-11-10 | 2020-11-10 | 印刷用塗工紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020187316A JP7181267B2 (ja) | 2020-11-10 | 2020-11-10 | 印刷用塗工紙 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016056865A Division JP6867750B2 (ja) | 2016-03-22 | 2016-03-22 | 印刷用塗工紙及び印刷用塗工紙の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021014676A true JP2021014676A (ja) | 2021-02-12 |
JP7181267B2 JP7181267B2 (ja) | 2022-11-30 |
Family
ID=74531840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020187316A Active JP7181267B2 (ja) | 2020-11-10 | 2020-11-10 | 印刷用塗工紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7181267B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011026754A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-02-10 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 印刷用紙 |
JP2017172060A (ja) * | 2016-03-22 | 2017-09-28 | 大王製紙株式会社 | 印刷用塗工紙及び印刷用塗工紙の製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5941856B2 (ja) | 2013-02-27 | 2016-06-29 | 三菱製紙株式会社 | 印刷用塗工紙 |
-
2020
- 2020-11-10 JP JP2020187316A patent/JP7181267B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011026754A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-02-10 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 印刷用紙 |
JP2017172060A (ja) * | 2016-03-22 | 2017-09-28 | 大王製紙株式会社 | 印刷用塗工紙及び印刷用塗工紙の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7181267B2 (ja) | 2022-11-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6034032B2 (ja) | 塗工白板紙およびその製造方法 | |
JP5843835B2 (ja) | 印刷用紙 | |
US6387500B1 (en) | Multi-layered coatings and coated paper and paperboards | |
JP4167829B2 (ja) | 紙ウエブをコートする方法およびコーティング組成物 | |
JP5809273B2 (ja) | 塗工白板紙およびその製造方法 | |
JP6867750B2 (ja) | 印刷用塗工紙及び印刷用塗工紙の製造方法 | |
JP2021014676A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP4333109B2 (ja) | 微塗工紙 | |
JP4999253B2 (ja) | 微塗工紙 | |
CN111989435B (zh) | 涂布白板纸 | |
JP5841552B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
WO2010150775A1 (ja) | 印刷用紙 | |
JP5756203B1 (ja) | 染色紙 | |
JP6096026B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP4385629B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP5795474B2 (ja) | 印刷用紙 | |
JPWO2004025025A1 (ja) | グラビア印刷用塗工紙 | |
JP6152130B2 (ja) | 印刷用紙 | |
JP5864452B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP5976165B2 (ja) | 染色紙 | |
JP2016108689A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2022143477A (ja) | 食品容器包装用の遮光紙及びそれを用いた紙カップ容器 | |
WO2019039364A1 (ja) | コールドセット用オフセット印刷用紙 | |
JP2017061760A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2019131934A (ja) | 印刷用紙 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201203 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201203 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20211018 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211029 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211227 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220520 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220705 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221104 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221117 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7181267 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |