JP2021014499A - ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品 - Google Patents

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信博 森岡
玉井 晃義
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晃義 玉井
梅津 秀之
Hideyuki Umezu
秀之 梅津
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Abstract

【課題】低ガス性、流動性に優れ、圧入強度に優れる成形品を得ることのできるポリアミド樹脂組成物を提供すること。【解決手段】ポリアミド樹脂(A)、芳香族カルボン酸とアンモニアからなるアンモニウム塩(B)、およびリン含有化合物(C)を含有した樹脂組成物であって、該樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対してアンモニウム塩(B)を0.1質量部以上10質量部以下含有し、かつ、該樹脂組成物の単位重量あたりに含まれる、ポリアミド樹脂(A)の含有量を[A]、アンモニウム塩(B)に由来するアンモニウムイオンの含有量を[B]、吸光光度計分析法により求められるリン原子の含有量を[C]としたとき、[C]/[A]が50×10−6〜3500×10−6、[C]/[B]が0.04〜0.75であるポリアミド樹脂組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品に関する。
エンジニアリングプラスチックの一種であるポリアミド樹脂は、機械特性と靱性のバランスに優れることから、射出成形用途を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などの用途に使用されている。さらに近年では、自動車大型部品のモジュール化・軽量化に伴う成形品の薄肉化、電気・電子部品の小型・精密化が進んでおり、成形品の設計への自由度が要求されている。そのような要求の一側面として、樹脂の流動性が不十分な場合において、薄肉形状や複雑形状の部品における樹脂の未充填が起こり得ることや、成形時に高い充填圧力を印加することがままあるところ、そのような場合には成形品が残留応力を抱えてしまうことから、樹脂の流動性改良が求められている。
さらに、各種電気・電子部品の中でも、コネクタ等の小型の電気・電子部品は、アセンブリーする際に端子を圧入することが多く、充分な圧入強度を有することが要求されている。
これに対し、流動性を改良する技術として、ポリアミド樹脂と、少なくとも一つのアミン基と少なくとも2つの水酸基を含む化合物からなるポリアミド組成物(例えば、特許文献1参照)や、ポリアミド樹脂と9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開2017−61691号公報 国際公開WO2016/139826号パンフレット
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術は、多価アルコールの熱可塑性樹脂への分散が不十分であるためか依然として流動性が十分とはいえないものであった。また、成形時にガスが発生しやすくなるという課題もあった。一方、特許文献2に開示された技術は、ポリアミド樹脂組成物の流動性、圧入強度ともに不十分である課題があった。
本発明は、これら従来技術の課題に鑑み、成形時のガスの発生が無いか極めて少なく、流動性に優れ、圧入強度に優れる成形品を得ることのできるポリアミド樹脂組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、主として以下の構成を有する。
[1]ポリアミド樹脂(A)、芳香族カルボン酸とアンモニアからなるアンモニウム塩(B)、およびリン含有化合物(C)を含有した樹脂組成物であって、該樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対してアンモニウム塩(B)を0.1質量部以上10質量部以下含有し、かつ、該樹脂組成物の単位重量あたりに含まれる、ポリアミド樹脂(A)の含有量を[A]、アンモニウム塩(B)に由来するアンモニウムイオンの含有量を[B]、吸光光度計分析法により求められるリン原子の含有量を[C]としたとき、[C]/[A]が50×10−6〜3500×10−6、[C]/[B]が0.04〜0.75であるポリアミド樹脂組成物。
[2]前記リン含有化合物(C)がホスファイト化合物またはホスフィネート化合物である前記[1]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[3]前記[1]または[2]に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品。
本発明によれば、低ガス性、流動性、圧入強度において優れたポリアミド樹脂組成物を得ることができる。また、成形品の成形に有利である。
以下、本発明について、例を挙げて詳細に説明する。本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)、芳香族カルボン酸とアンモニアからなるアンモニウム塩(B)、リン含有化合物(C)を含有する。まず、各成分について説明する。
<ポリアミド樹脂(A)>
本発明に用いられるポリアミド樹脂(A)とは、(i)アミノカルボン酸の縮重合、(ii)ラクタムの縮重合、または、(iii)ジアミンとジカルボン酸の縮重合を利用して得られる構造を有した樹脂であって、全繰り返し単位の50モル%以上がこれら縮重合によって得られる繰り返し単位である樹脂である。係る繰り返し単位は樹脂中80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。最も好ましくは100モル%を占めることである。ポリアミド樹脂(A)の原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。
本発明において、ポリアミド樹脂(A)は共重合体であっても良く、また、複数種の樹脂の混合物であっても良い。
ポリアミド樹脂(A)の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリペンタメチレンセバカミド(ナイロン510)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン1012)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリウンデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/11)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリキシリレンセバカミド(ナイロンXD10)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン5T/10T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンドデカンアミドコポリマー(ナイロン10T/612)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン10T/66)ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン12T)などが挙げられる。また、ポリアミド樹脂の具体例としては、これらの混合物や共重合体なども挙げられる。ここで、「/」は共重合体を示す(以下、同様)。
とりわけ好ましいポリアミド樹脂(A)は、170℃〜330℃の融点を有するポリアミド樹脂である。170℃〜330℃の融点を有するポリアミド樹脂は、強度と靭性のバランスに優れている。170℃以上の融点を有するポリアミド樹脂は、樹脂圧力の高い状態で溶融混練することができ、ポリアミド樹脂組成物中における後述するアンモニウム塩(B)の分散性をより高めることができるため、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性および流動性を向上させるとともに、得られる成形品の圧入強度をより向上させることができる。ポリアミド樹脂(A)の融点は、200℃以上であることがより好ましく、240℃以上がさらに好ましい。
一方、330℃以下の融点を有するポリアミド樹脂を用いることにより、溶融混練時の温度を適度に抑え、ポリアミド樹脂(A)およびアンモニウム塩(B)の分解を抑制することができ、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性および流動性、圧入強度の低下を防ぐことができる。ポリアミド樹脂(A)の融点は、300℃以下がより好ましい態様である。
ここで、ポリアミド樹脂の融点は、示差走査熱量計を用いて、不活性ガス雰囲気下、ポリアミド樹脂を溶融状態から20℃/分の降温速度で30℃まで降温した後、20℃/分の昇温速度で昇温した場合に現れる吸熱ピークのピーク頂点の温度とする。ただし、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、ピーク強度の最も大きい吸熱ピークのピーク頂点の温度を融点とする。
170℃〜330℃の融点を有するポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン410、ナイロン610、ナイロン1010、ナイロン56、ナイロン6T/66、ナイロン6T/6I、ナイロン6T/12、ナイロン6T/5T、ナイロン6T/M5T、ナイロン6T/6などのヘキサメチレテレフタルアミド単位を有する共重合体や、ナイロン5T/10T、ナイロン9T、ナイロン10T、およびナイロン12Tなどを挙げることができる。これらの中でも、アンモニウム塩(B)との相溶性に優れる、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610など脂肪族ポリアミドが好ましく用いられ、ナイロン66がより好ましく用いられる。ナイロン6、ナイロン66およびナイロン610は、機械特性、成形性のバランスに優れるとともに、比較的融点が高いため樹脂圧力の高い状態で溶融混練することができる。このため、ポリアミド樹脂組成物中におけるアンモニウム塩(B)の分散性をより向上させることができ、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性および流動性を向上させるとともに、得られる成形品の圧入強度をより向上させることができる。これらのポリアミド樹脂を、必要特性に応じて、2種以上配合することも実用上好適である。
ポリアミド樹脂(A)の重合度には特に制限がないが、樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度(ηr)が1.5〜8.0の範囲であることが好ましい。相対粘度が1.5以上であれば、機械特性、成形性のバランスに優れるとともに、アンモニウム塩(B)の分散性が向上し、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性および流動性を向上させるとともに、得られる成形品の圧入強度をより向上させることができる。ポリアミド樹脂(A)の相対粘度は、2.0以上がより好ましい。一方、相対粘度が8.0以下の場合、剪断発熱によるアンモニウム塩(B)の熱分解が起こりにくく、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性および流動性、得られる成形品の圧入強度の低下を防ぐことができる。ポリアミド樹脂(A)の相対粘度の上限としては、6.0以下がより好ましく、4.0以下がさらに好ましい。
<アンモニウム塩(B)>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、芳香族カルボン酸とアンモニアからなるアンモニウム塩(B)を含有する。念のために説明すると、アンモニウム塩(B)は、(R(COO)・(NH4+))の化学式で表される化合物(ここで、Rは芳香族基)であり、アンモニウムイオンの水素原子が1つ以上の官能基に置換された、1級アンモニウム塩、2級アンモニウム塩、3級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩は、本発明にいうアンモニウム塩(B)には該当しない。
アンモニウム塩(B)に代えて、芳香族カルボン酸が用いられた場合、係る芳香族カルボン酸は、ポリアミド樹脂(A)の原料として用いられるケースもあるように、ポリアミド樹脂(A)との相溶性が比較的高く、またポリアミド樹脂(A)のアミノ基と、前記化合物のカルボキシル基とが反応可能であるため、ポリアミド樹脂(A)中にある程度分散すると推測される。しかし、芳香族カルボン酸は酸であるため、含有量が増えるとポリアミド(A)を分解し、発生ガス量が増加するとともに、得られる成形品の圧入強度が低下する課題がある。
一方、脂肪族カルボン酸のアンモニウム塩は、ポリアミド樹脂(A)との相溶性が比較的高いので、ポリアミド樹脂(A)中に分散すると推測される。しかし、脂肪族カルボン酸のアンモニウム塩は耐熱性が低く、ポリアミド組成物の製造時に当該アンモニウム塩が分解されるため、発生するガス量が増加するとともに、得られる成形品の圧入強度が低下することとなる。
本発明が提案する芳香族カルボン酸とアンモニアからなるアンモニウム塩(B)を有するポリアミド樹脂組成物を用いると次のような作用・効果を得ることができる。
すなわち、アンモニウム塩(B)がポリアミド樹脂(A)のアミド基またはカルボキシル末端基と配位すると考えられることから、アンモニウム塩(B)はポリアミド樹脂(A)との相溶性に優れ、ポリアミド樹脂組成物中において微分散することができ、ポリアミド樹脂組成物の流動性を向上させるとともに、得られる成形品の圧入強度を向上させることができる。
また、アンモニウム塩(B)は、脂肪族ジカルボン酸とアンモニアからなるアンモニウム塩と比較し耐熱性が高いため、アンモニウム塩(B)の分解・揮発が抑制される。また、アンモニウム塩(B)は中性であるため、量的に多く含有されたとしても、ポリアミド組成物製造時に酸あるいは塩基によるポリアミド樹脂の分解が抑制される。そのため、ポリアミド樹脂組成物の流動性をより向上させるとともに、得られる成形品の圧入強度を向上させることができる。
アンモニウム塩(B)の具体例としては、安息香酸アンモニウム、フタル酸二アンモニウム、イソフタル酸二アンモニウム、テレフタル酸二アンモニウム、1−ナフトエ酸アンモニウム、2−ナフトエ酸アンモニウム、1−アントロン酸アンモニウム、9−アントロン酸アンモニウム等が挙げられる。必要特性に応じて2種以上が用いられてもよい。中でも原料入手性、性能のバランス、コストの観点から、安息香酸アンモニウム、フタル酸二アンモニウムが好ましく用いられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物において、アンモニウム塩(B)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して0.1〜10質量部である。アンモニウム塩(B)の含有量が0.1質量部未満であると、ポリアミド樹脂組成物の流動性、得られる成形品の圧入強度が低下する。アンモニウム塩(B)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がさらに好ましい。一方、アンモニウム塩(B)の配合量が10質量部を超えると、ポリアミド樹脂の可塑化が促進され、得られる成形品の圧入強度が低下する。アンモニウム塩(B)の配合量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、7.5質量部以下であることが好ましく、6質量部以下であることがさらに好ましい。
なお、樹脂組成物中のアンモニウム塩(B)の含有量、およびアンモニウムイオン含有量[B]は、以下の方法により求められる。
ポリアミド樹脂組成物に無機粒子や有機粒子等の非相溶の成分が含まれている場合はこれらの成分を、そのままであるいは酸化物等の他の形態に変換して、分離し、ポリアミド樹脂組成物の単位重量あたりに含まれる量を求めておく。分離の方法としては含まれる成分に応じて適宜選択でき、特に制限は無い。一方で、相溶性の他の有機成分あるいは無機成分が含まれている場合は、水や有機溶媒等による抽出で分離可能な成分は抽出で分離してポリアミド樹脂組成物の単位重量あたりに含まれる量を求め、それが困難な場合は、含まれている成分に応じて分光学的方法などの分析法に拠って組成物中の含有率を求めることでポリアミド樹脂組成物の単位重量あたりに含まれる量を求めておく。なお、相溶性の有機成分あるいは無機成分が含まれている場合のポリアミド樹脂組成物の単位重量あたりに含まれるポリアミド樹脂(A)の量はこの方法に拠って求めることが可能である。
一方、アンモニウム塩(B)は水による抽出が可能であるので、既知の重量のポリアミド樹脂組成物を例えばソックスレー抽出器で十分な時間抽出を行い、抽出液を含まれている成分に応じて例えば、NMR、FT−IR、GC−MS、液体クロマトグラフ等の方法を単独あるいは組み合わせて用いて分析することで、アンモニウム塩(B)の化学構造の特定並びにアンモニウム塩(B)の含有量およびアンモニウムイオンの含有量[B]を求めることができる。
また、上記のようにしてポリアミド樹脂(A)以外の成分の重量が判れば、ポリアミド樹脂組成物の単位重量あたりのポリアミド樹脂(A)の重量も求まることとなる。
なお、後述する[B]/[C]および[C]/[A]は、共に重量比であるので、「ポリアミド樹脂組成物の単位重量」としては算出に適した重量として、基準となる量(例えば、10g)であることは容易に理解できるであろう。また、[A]、[B]および[C]の単位(例えば、ミリグラム)は当然のことながら同一である。
<リン含有化合物(C)>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、リン含有化合物(リン含有化合物(C))を含有する。従来、次亜リン酸ナトリウムなどのリン含有化合物は、ポリアミドを重縮合する際の重縮合触媒として用いられており、重合時間の短縮化、溶融混練時の増粘による熱安定性向上効果および発生ガス量低減効果、黄変抑制効果が知られている。本発明においては、アンモニウム塩(B)とともにリン含有化合物(C)を含有することにより、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性および流動性を向上させるとともに、得られる成形品の圧入強度をより向上させることができる。これは、リン含有化合物(C)は、アンモニウム塩(B)の分解を抑制しつつ、アンモニウム塩(B)とポリアミド樹脂(A)の相溶性をよりいっそう向上させ、ポリアミド樹脂組成物中におけるアンモニウム塩(B)の分散性をより向上させることができるとともに、アンモニウム塩(B)がリン含有化合物(C)の重縮合触媒効果を抑制するためであり、その結果、低ガス性および流動性を向上させるとともに、得られる成形品の圧入強度をより向上させることができるからであると考えられる。
リン含有化合物(C)としては、例えば、ホスファイト化合物、ホスフェート化合物、ホスホナイト化合物、ホスホネート化合物、ホスフィナイト化合物、ホスフィネート化合物などが挙げられる。リン含有化合物(C)を2種以上の化合物の混合物として用いることは何ら差し支えがない。
ホスファイト化合物としては、例えば、亜リン酸、亜リン酸アルキルエステル、亜リン酸アリールエステル、およびそれらの金属塩などが挙げられる。アルキルエステルやアリールエステルは、モノエステルであってもよいし、ジエステルやトリエステルなど複数のエステル結合を有してもよく、以下同様である。具体的には、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、およびこれらの金属塩等が挙げられる。
ホスフェート化合物としては、例えば、リン酸、リン酸アルキルエステル、リン酸アリールエステル、およびそれらの金属塩などが挙げられる。具体的には、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、およびこれらの金属塩等が挙げられる。
ホスホナイト化合物としては、例えば、亜ホスホン酸、亜ホスホン酸アルキルエステル、亜ホスホン酸アリールエステル、アルキル化亜ホスホン酸、アリール化亜ホスホン酸、それらのアルキルエステルまたはアリールエステル、およびそれらの金属塩などが挙げられる。具体的には、亜ホスホン酸、亜ホスホン酸ジメチル、亜ホスホン酸ジエチル、亜ホスホン酸ジフェニル、メチル亜ホスホン酸、エチル亜ホスホン酸、プロピル亜ホスホン酸、イソプロピル亜ホスホン酸、ブチル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、これらのアルキルエステルまたはアリールエステル、およびこれらの金属塩等が挙げられる。
ホスホネート化合物としては、例えば、ホスホン酸、ホスホン酸アルキルエステル、ホスホン酸アリールエステル、アルキル化ホスホン酸またはアリール化ホスホン酸、それらのアルキルエステルまたはアリールエステル、およびそれらの金属塩などが挙げられる。具体的には、ホスホン酸ジメチル、ホスホン酸ジエチル、ホスホン酸ジフェニル、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホスホン酸、これらのアルキルエステルまたはアリールエステル、およびこれらの金属塩等が挙げられる。
ホスフィナイト化合物としては、例えば、亜ホスフィン酸、亜ホスフィン酸アルキルエステル、亜ホスフィン酸アリールエステル、アルキル化亜ホスフィン酸、アリール化亜ホスフィン酸、それらのアルキルまたはアリールエステル、およびそれらの金属塩などが挙げられる。具体的には、亜ホスフィン酸、亜ホスフィン酸メチル、亜ホスフィン酸エチル、亜ホスフィン酸フェニル、メチル亜ホスフィン酸、エチル亜ホスフィン酸、プロピル亜ホスフィン酸、イソプロピル亜ホスフィン酸、ブチル亜ホスフィン酸、フェニル亜ホスフィン酸、ジメチル亜ホスフィン酸、ジエチル亜ホスフィン酸、ジプロピル亜ホスフィン酸、ジイソプロピル亜ホスフィン酸、ジブチル亜ホスフィン酸、ジフェニル亜ホスフィン酸、これらのアルキルエステルまたはアリールエステル、およびこれらの金属塩等が挙げられる。
ホスフィネート化合物としては、例えば、次亜リン酸、次亜リン酸アルキルエステル、次亜リン酸アリールエステル、アルキル化次亜リン酸、アリール化次亜リン酸、それらのアルキルエステルまたはアリールエステル、およびそれらの金属塩などが挙げられる。具体的には、ホスフィン酸メチル、ホスフィン酸エチル、ホスフィン酸フェニル、メチルホスフィン酸、エチルホスフィン酸、プロピルホスフィン酸、イソプロピルホスフィン酸、ブチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、トリルホスフィン酸、キシリルホスフィン酸、ビフェニリルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジプロピルホスフィン酸、ジイソプロピルホスフィン酸、ジブチルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ジトリルホスフィン酸、ジキシリルホスフィン酸、ジビフェニリルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アントリルホスフィン酸、2−カルボキシフェニルホスフィン酸、これらのアルキルエステルまたはアリールエステル、およびこれらの金属塩などが挙げられる。
これらの中でもホスファイト化合物、ホスフィネート化合物を用いることが好ましい。なお、これらは水和物として用いても構わない。亜リン酸、次亜リン酸およびそれらの金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることがさらに好ましい。かかる化合物は、リン含有化合物中のリン原子含有量が高く、アンモニウム塩(B)により効率的に作用するため、アンモニウム塩(B)の耐熱性および相溶性をより高めることができ、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性および流動性を向上させるとともに、得られる成形品の圧入強度をより向上させることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物においては、ポリアミド樹脂組成物の単位重量あたりに含まれる、ポリアミド樹脂の含有量を[A]、リン原子の含有量を[C]としたとき、[C]/[A]が50×10−6〜3500×10−6である。ここでリン原子の含有量とは、後述する吸光光度分析法により求められるリン元素のポリアミド樹脂組成物の単位重量あたりの重量を示す。[C]/[A]が50×10−6未満であると、リン含有化合物がアンモニウム塩(B)に十分に作用しないため、アンモニウム塩(B)の分解を抑制することができず、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性が低下する。[C]/[A]は、150×10−6以上であることが好ましく、200×10−6以上であることがより好ましく、300×10−6以上であることがさらに好ましい。一方、[C]/[A]を3500×10−6を超えると、リン含有化合物によるポリアミド樹脂同士の反応に関する触媒効果によりポリアミド樹脂組成物全体が増粘し、ポリアミド樹脂組成物の製造時あるいは成形加工時に剪断発熱が発生することでアンモニウム塩(B)の熱分解を引き起こして、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性、流動性が低下するとともに、得られる成形品の圧入強度が低下する。[C]/[A]は、2500×10−6以下が好ましく、1500×10−6以下がより好ましい。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物においては、前記のアンモニウムイオンの含有量[B]と前記のリン原子の含有量[C]との比[C]/[B]が0.04〜0.75である。[C]/[B]が0.04未満であると、リン含有化合物がアンモニウム塩(B)に十分に作用しないため、アンモニウム塩(B)の分解を抑制することができず、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性が低下する。[C]/[B]は0.05以上がより好ましく、0.07以上がさらに好ましい。また、[C]/[B]が0.75を超えると、リン含有化合物によるポリアミド樹脂同士の反応に関する触媒効果によりポリアミド樹脂組成物全体が増粘し、ポリアミド樹脂組成物の製造時あるいは成形加工時に剪断発熱が発生することでアンモニウム塩(B)の熱分解を引き起こして、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性、流動性が低下するとともに、得られる成形品の圧入強度が低下する。[C]/[B]は0.7以下がより好ましい。
なお、リン原子の含有量[C]は、以下の方法により求められる。
ポリアミド樹脂組成物に無機粒子や有機粒子等の非相溶の成分、あるいは、相溶性の他の有機成分あるいは無機成分が含まれている場合におけるこれらの成分のポリアミド樹脂組成物の単位重量あたりに含まれる量の測定は上で述べたとおりである。
リン原子の含有量は、予め秤量したポリアミド樹脂組成物を炭酸ソーダ共存下において乾式灰化分解するか、硫酸・硝酸・過塩素酸系または硫酸・過酸化水素水系において湿式分解して、リンを正リン酸に転換し、次いで、得られた正リン酸をモリブデン酸塩の1mol/L硫酸溶液と反応させてリンモリブデン酸とし、さらにこれを硫酸ヒドラジンで還元して、ヘテロポリブルーを得る。これを純水で定容して吸光光度計で分析し、検量線法によって定量を行うことでリン原子の含有量[C]を求めることができる。なお、吸光光度計における定量は830nmにおける吸光度を用いる。
<充填材(D)>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、さらに充填材(充填材(D))を含有することができる。充填材(D)としては、有機充填材、無機充填材のいずれを用いてもよく、繊維状充填材、非繊維状充填材のいずれを用いてもよい。好ましい充填材(D)としては、繊維状充填材である。
繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、PAN(ポリアクリロニトリル)系またはピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化珪素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラステナイトウィスカー、硼酸アルミウィスカー、窒化珪素ウィスカーなどの繊維状またはウィスカー状充填材が挙げられる。繊維状充填材としては、ガラス繊維や、炭素繊維が特に好ましい。
ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものであれば特に限定はなく、例えば、長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、ガラス繊維は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂により被膜あるいは集束されていてもよい。さらに、ガラス繊維の断面は、円形、扁平状のひょうたん型、まゆ型、長円型、楕円型、矩形またはこれらの類似品など限定されるものではない。
非繊維状充填材としては、例えば、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケート、珪酸カルシウムなどの非膨潤性珪酸塩、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母の膨潤性雲母に代表される膨潤性層状珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、珪藻土、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化アンチモンなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドロマイト、ハイドロタルサイトなどの金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの金属水酸化物、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、セラミックビーズ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化珪素、燐酸カルシウム、カーボンブラック、黒鉛などが挙げられる。上記の膨潤性層状珪酸塩は、層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換されていてもよい。また、これら充填材を2種以上含有してもよい。
本発明の実施形態のポリアミド樹脂組成物において、充填材(D)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、1〜300質量部が好ましい。充填材の含有量が1質量部以上であれば、成形品の圧入強度をより向上させることができる。充填材の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましい。一方、充填材の含有量が300質量部以下であれば、ポリアミド樹脂の流動性に優れると共に、成形品の圧入強度に優れる。充填材(D)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、200質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらに好ましい。
<その他添加剤>
さらに、本発明の実施形態のポリアミド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリアミド樹脂(A)以外の樹脂や、目的に応じて各種添加剤を含有することが可能である。ポリアミド樹脂(A)以外の樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィンエラストマー、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂などが挙げられる。これら樹脂を配合する場合、その含有量は、ポリアミド樹脂の特徴を十分に活かすため、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
また、各種添加剤の具体例としては、銅化合物、フェノール系化合物、硫黄系化合物、アミン系化合物などの熱安定剤、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物などの可塑剤、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、モンタン酸ワックス類、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミ等の金属石鹸、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物、シリコーン系化合物などの離型剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、耐衝撃改良剤、発泡剤などを挙げることができる。これら添加剤を含有する場合、その含有量は、ポリアミド樹脂の特徴を十分に活かすため、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して10質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましい。
(ポリアミド樹脂組成物の製造方法の例)
本発明の実施形態に用いられるポリアミド樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はないが、溶融状態での製造や溶液状態での製造等が使用でき、中でも溶融状態での製造が好ましく使用できる。溶融状態での製造については、押出機による溶融混練やニーダーによる溶融混練等が使用できるが、生産性の点から、連続的に製造可能な押出機による溶融混練が好ましい。押出機による溶融混練については、単軸押出機、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機、二軸単軸複合押出機等の押出機を1台以上使用できるが、混練性、反応性、生産性の向上の点から、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機が好ましく、二軸押出機を用いた溶融混練による方法が最も好ましい。
本発明において、ポリアミド樹脂(A)にアンモニウム塩(B)およびリン含有化合物(C)を含有せしめる方法としては、特に限定されるものではなく、ドライブレンドや溶液配合法、ポリアミド樹脂(A)の重合時添加、溶融混練などが用いることができ、中でも溶融混練が好ましい。溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、ポリアミド樹脂(A)の融点以上であって、融点+50℃以下で溶融混練して樹脂組成物とすることができる。中でも二軸押出機が好ましい。
混練方法としては、1)ポリアミド樹脂(A)に、アンモニウム塩(B)、リン含有化合物(C)およびその他の添加剤を元込めフィーダーから一括で投入して混練する方法(一括混練法)、2)ポリアミド樹脂(A)に、アンモニウム塩(B)、リン含有化合物(C)およびその他の添加剤を元込めフィーダーから投入して混練した後、充填材(D)および必要であればその他の添加剤をサイドフィーダーから添加して混練する方法(サイドフィード法)など、どの方法を用いてもかまわない。
二軸押出機の全スクリュー長さLとスクリュー径Dの比(L/D)は、25以上が好ましく、30を超えることがより好ましい。L/Dを25以上とすることにより、ポリアミド樹脂(A)を十分に混練した後に、アンモニウム塩(B)およびリン含有化合物(C)、必要によりその他成分を供給することが容易になる。その結果、ポリアミド樹脂(A)の分解を抑制することができる。また、アンモニウム塩(B)およびリン含有化合物(C)の分散性をより向上させ、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性および流動性を向上させるとともに、得られる成形品の圧入強度をより向上させることができる。
本発明においては、少なくともポリアミド樹脂(A)を、スクリュー長さの1/2より上流側から二軸押出機に供給して溶融混練することが好ましく、スクリューセグメントの上流側の端部から供給することがより好ましい。ここでいうスクリュー長とは、スクリュー根本のポリアミド樹脂(A)が供給される位置(フィード口)にあるスクリューセグメントの上流側の端部から、スクリュー先端部までの長さである。スクリューセグメントの上流側の端部とは、押出機に連結するスクリューセグメントの最も上流側の端に位置するスクリューピースの位置のことを示す。
アンモニウム塩(B)およびリン含有化合物(C)は、スクリュー長さの1/2より下流側から二軸押出機に供給して溶融混練することが好ましい。アンモニウム塩(B)をスクリュー長の1/2より下流側から供給することにより、ポリアミド樹脂(A)が十分に混練された状態とした後に、アンモニウム塩(B)およびリン含有化合物(C)を供給することが容易になる。その結果、ポリアミド樹脂(A)の分解を抑制しつつ、ポリアミド樹脂(A)とアンモニウム塩(B)との分散性をより向上させることができる。
本発明の効果をより顕著に発現させるためには、アンモニウム塩(B)およびリン含有化合物(C)のポリアミド樹脂組成物中における分散性を高めることが好ましく、ポリアミド樹脂組成物中において微細な分散構造を形成させることにより、ポリアミド樹脂組成物の低ガス性および流動性を向上させるとともに、得られる成形品の圧入強度をより向上させることができる。
アンモニウム塩(B)およびリン含有化合物(C)のポリアミド樹脂組成物中における分散性を高める手段としては、例えば、混練温度やスクリューアレンジの選択により溶融混練時の樹脂圧力を高める方法、複数回押出機を通して溶融混練する方法などを好ましく挙げることができる。
かくして得られるポリアミド樹脂組成物は、公知の方法で各種成形品を得ることができる。成形方法としては、例えば、射出成形、射出圧縮成形、押出成形、圧縮成形、プレス成形などが挙げられる。
(用途)
本発明のポリアミド樹脂組成物およびその成形品は、その優れた特性を活かし、自動車部品、電気・電子部品、建築部材、各種容器、日用品、生活雑貨および衛生用品など各種用途に利用することができる。本発明のポリアミド樹脂組成物およびその成形品は、とりわけ、流動性、圧入強度が要求される自動車電装部品、電気・電子部品用途に特に好ましく用いられる。具体的には、コネクタやワイヤーハーネスコネクタ、モーター部品、ランプソケット、センサー車載スイッチ、コンビネーションスイッチなどの自動車電装部品、電気・電子部品としては、例えば、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、抵抗器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、スイッチ、ナイフスイッチ、他極ロッド、モーターケース、ノートパソコンハウジングおよび内部部品、CRTディスプレーハウジングおよび内部部品、プリンターハウジングおよび内部部品、携帯電話、モバイルパソコン、ハンドヘルド型モバイルなどの携帯端末ハウジングおよび内部部品、ICやLED対応ハウジング、コンデンサー座板、ヒューズホルダー、各種ギヤー、各種ケース、キャビネットなどの電気部品、コネクター、SMT対応のコネクタ、カードコネクタ、ジャック、コイル、コイルボビン、センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレー、リレーケース、リフレクター、小型スイッチ、電源部品、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップシャーシ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、SiパワーモジュールやSiCパワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、トランス部材、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などの電子部品などに好ましく用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明の実施形態をさらに具体的に説明する。特性評価は下記の方法に従って行った。
[ポリアミド樹脂の融点]
ポリアミド樹脂を約5mg採取し、窒素雰囲気下、セイコーインスツル社製 ロボットDSC(示差走査熱量計)RDC220を用いて測定した。融点は、ポリアミド樹脂を昇温して溶融状態とした後、20℃/分の降温速度で30℃まで降温し、その後、20℃/分の昇温速度で昇温したときに観測される吸熱ピークの頂点の温度として求めた。
[ポリアミド樹脂の相対粘度]
ポリアミド樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液を調製し、25℃でオストワルド式粘度計を用いて相対粘度(ηr)を測定した。
[アンモニウムイオン含有量[B]]
ポリアミド樹脂組成物ペレットを80℃で12時間真空乾燥し、サンプルを秤量する(X[g])。直ぐに、水を抽出溶媒としてソックスレー器を用いて抽出を24時間行い、抽出溶媒を留去して、抽出された成分の重量(Y[g])を求めた。その後、抽出された成分をH−NMR測定に供してアンモニウム塩(B)及び他の抽出された成分の化学構造を特定し、さらに、抽出された成分中のアンモニウム塩(B)の含有比率を求め、更にアンモニウム塩(B)の分子量から抽出された成分の重量に占めるアンモニウムイオンの含有比率を定量(Z[%])して、アンモニウムイオン含有量((Y×(Z/100)/X)を求めた。H−NMR測定は日本電子(株)製核磁気共鳴装置(JNM−AL400)を使用し、溶媒:重水、観測周波数:OBFRQ399.65MHz、OBSET124.00KHz、OBFIN10500.00Hz、積算回数:256回の条件にて測定した。
[リン原子含有量[C]]
ポリアミド樹脂組成物ペレット化し、ペレット化されたポリアミド樹脂組成物を80℃で12時間真空乾燥した。前記真空乾燥されたペレット化されたポリアミド樹脂組成物サンプル0.5gを秤量し、その後濃硫酸20mL・過酸化水素5mLを加えて加熱して湿式分解し、組成物中に含まれているリンを正リン酸に転換した。その後分解液を純水で500mLに希釈した。次いで、前記正リン酸含有溶液25mLを0.1moL/Lモリブデン酸ナトリウム 1mol/L硫酸溶液5mLに加えてモリブデン酸塩と反応させて、リンモリブデン酸とした。前記リンモリブデン酸を0.1%硫酸ヒドラジン2mLで還元し、その後純水で50mLに希釈し、生成したヘテロポリブルーの830nmの吸光度を吸光光度計(検量線法)で測定して比色定量し、リン原子含有量を求めた。吸光光度計は(株)日立製作所製U−3000を使用した。
[ポリアミド樹脂(A)の含有量[A]]
ポリアミド樹脂組成物の製造時にポリアミド樹脂(A)の分解に起因する重量減少は殆どみられなかったことから、本実施例及び比較例においては、添加した質量が組成物中の質量であるとした。
そして、[C]/[A]および[C]/[B]の算出にあたっては、各成分について同量のポリアミド樹脂組成物の量を用いた際の値に換算して算出した。
[流動性]
ポリアミド樹脂組成物ペレットを80℃で12時間真空乾燥し、射出成形機(ファナック社製(株)ROBOSHOTα−30C)を用いて、シリンダー温度:ポリアミド樹脂の融点+15℃、金型温度:80℃、射速:100mm/sec、射出圧力:98MPaの条件で、幅13mm×厚さ0.5mm×長さ200mmの金型を用いて射出成形し、幅13mm×厚さ0.5mmの棒流動試験片を作製した。各5サンプルについて保圧0における棒流動長を測定し、その平均値を求め、流動性を評価した。流動長が長いほど流動性に優れることを示している。
[ガス発生量(低ガス性)]
ポリアミド樹脂組成物ペレットを80℃で12時間減圧乾燥し、アルミカップにペレット15gを計量した。ポリアミド樹脂(A)の融点+40℃の熱風オーブン中で1時間静置した後、ペレットの重量を計量し、重量減少分をガス発生量とした。数値が小さいほど低ガス性に優れることを示している。
[圧入強度]
ポリアミド樹脂組成物ペレットを80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形機(ファナック社製(株)ROBOSHOTα−30C)を用いて、シリンダー温度:ポリアミド樹脂(A)の融点+15℃、金型温度を80℃の条件で射出成形することにより、2.8mmピッチ、1.5mm×1.5mmの角穴が20個付いた、厚さ3mmのピン圧入成形片を得た。得られた成形片の角穴に、1.6mm×1.6mmの黄銅製角棒を各々挿入し、10秒後、角棒を角穴から抜いた。上記操作を100個の成形片について実施し、挿抜後に圧入割れが発生した数を計数した。圧入割れが発生した数が少ないほど圧入強度が優れていることを示している。
参考例1(E−4)
安息香酸(富士フイルム和光純薬(株)製)30g、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(東京化成工業(株)製)29.7g、水500gをナスフラスコに秤量した。次いで、80℃で加熱しながらナスフラスコの内容物をスターラーで120分撹拌し、得られた溶液から水を除去することで、白色粉末E−4を得た。
本実施例、比較例に用いたポリアミド樹脂(A)、芳香族カルボン酸とアンモニアからなるアンモニウム塩(B)、リン含有化合物(C)、充填材(D)、およびその他添加剤(E)は以下の通りである。
・ポリアミド樹脂(A)
(A−1):融点260℃のナイロン66樹脂(東レ(株)製“アミラン”(登録商標)CM3001−N)、ηr=2.78
・アンモニウム塩(B)
(B−1):安息香酸アンモニウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
(B−2):フタル酸二アンモニウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
・リン含有化合物(C)
(C−1):次亜リン酸ナトリウム一水和物(富士フイルム和光純薬(株)製)
(C−2):リン酸トリフェニル(富士フイルム和光純薬(株)製)
・充填材(D)
(D−1):円形断面ガラス繊維(日本電気硝子(株)製T−717H)
・その他添加剤(E)
(E−1):安息香酸(富士フイルム和光純薬(株)製)
(E−2):安息香酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製)
(E−3):コハク酸アンモニウム(関東化学(株)製)
(E−4):参考例1の化合物
(E−5):トリスヒドロキシメチルアミノメタン(東京化成工業(株)製)
(E−6):9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル(株)製「BPEF」)。
(実施例1〜10、比較例1〜14)
表1、2に示すポリアミド樹脂(A)、アンモニウム塩(B)、リン含有化合物(C)、充填材(D)、およびその他添加剤(E)を、シリンダー設定温度をポリアミド樹脂の融点+15℃、スクリュー回転数を200rpmに設定した(株)日本製鋼所製TEX30型2軸押出機(L/D=45)のメインフィーダーから2軸押出機に供給し、続いて、充填材(D)を、サイドフィーダーから供給し、溶融混練した。ダイから吐出されるガットを即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。
なお、流動性や機械特性の差を明確にするため、ポリアミド樹脂組成物中の充填材(D)の含有量が等しくなるように各実施例および比較例のポリアミド樹脂組成物を作製した。
各実施例および比較例の評価結果を表1、2に示す。
Figure 2021014499
Figure 2021014499
実施例1〜10は比較例1〜14と比較して、芳香族カルボン酸とアンモニアからなるアンモニウム塩(B)、リン含有化合物(C)を特定量含有することにより、ポリアミド樹脂(A)およびアンモニウム塩(B)の分解を抑制しつつ、アンモニウム塩(B)を微分散させることができ、その結果、低ガス性および流動性に優れ、圧入強度に優れる成形品を得ることができた。
実施例3は、実施例10と比較して、リン含有化合物(C)がより好ましい構造であったため、アンモニウム塩(B)の分解を抑制しつつ、ポリアミド樹脂(A)とアンモニウム塩(B)との相溶性がより向上し、その結果、低ガス性および流動性に優れ、圧入強度に優れる成形品を得ることができた。

Claims (3)

  1. ポリアミド樹脂(A)、芳香族カルボン酸とアンモニアからなるアンモニウム塩(B)、およびリン含有化合物(C)を含有した樹脂組成物であって、該樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対してアンモニウム塩(B)を0.1質量部以上10質量部以下含有し、かつ、該樹脂組成物の単位重量あたりに含まれる、ポリアミド樹脂(A)の含有量を[A]、アンモニウム塩(B)に由来するアンモニウムイオンの含有量を[B]、吸光光度計分析法により求められるリン原子の含有量を[C]としたとき、[C]/[A]が50×10−6〜3500×10−6、[C]/[B]が0.04〜0.75であるポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記リン含有化合物(C)がホスファイト化合物またはホスフィネート化合物である請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品。
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