JP2021014382A - 人工石材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】還元スラグから人工石材を短時間で製造することができる人工石材の製造方法を提供する。【解決手段】人工石材の製造方法は、還元精錬にて副生する還元スラグを原料とする。人工石材の製造は、還元スラグの重量に対して0.4%以上1.8%以下の石膏を、流動可能な還元スラグに加え、その後に還元スラグの温度を低下させて固化させることにより行われる。その結果、Al2O3、2MgO・SiO2および2CaO・SiO2の三成分についての三元状態図においてポイントA、ポイントB、ポイントC、ポイントD、ポイントE、ポイントFとするこれら6点のポイントを結んだ内部の三鉱物相を有する人工石材が得られ、人工石材化における冷却時間の短縮が実現される。【選択図】図3

Description

本発明は、製鋼過程で副生する還元スラグの有効利用に関する。
鉄くずを主原料とし加熱溶解して精錬する電気炉製鋼法では、溶鋼中に酸素を供給して不要成分を酸化、除去する酸化精錬、および還元剤、石灰等を加えて溶鋼中の酸素を除去する還元精錬が行われる。還元精錬は、溶鋼の成分調整の利便性から主に炉外精錬炉にて行われる。
ここで、酸化精錬で生ずる酸化スラグは、その冷却固化物が安定した鉱物相を多く含み、天然砂、天然砂利、砕砂や砕石の代替として、例えばコンクリート骨材に利用される。
これに対し、還元精錬で生成する還元スラグは、その冷却固化物が大気環境下における吸湿および乾燥の繰り返しに起因する膨張、崩壊により粉化するために、その活用が大きく制限されていた。
この固化した還元スラグにおける崩壊、粉化等の問題に対して、還元スラグの組成を調整し固化時の冷却を管理(制御)することにより、還元スラグを人工石材として利用可能とする技術が提案された(特許文献1)。
特開2015−36350号公報
特許文献1に提案された技術では、還元スラグを所定時間高温に維持し(例えば1380℃以上で1410℃以下の温度に2時間から4時間保持)、その後に除冷(例えば10℃/h〜20℃/hの冷却速度で400℃まで冷却)することで天然素材と同等の強度を有する人工石材を得るとされる。特許文献1に提案された技術によれば、還元スラグの冷却速度が制限されるために、還元スラグの冷却固化に50時間前後またはそれ以上の時間を要する。
一方で、電気炉製鋼法における還元精錬のタイムサイクル(還元精錬の開始から終了までの所要時間)は、特許文献1に提案された技術による還元スラグの冷却固化時間に比べて大幅に短い。したがって、特許文献1に提案された還元スラグの冷却法では、還元精錬を行う炉外精錬炉(取鍋)を効率的に(連続して)稼働させようとすると、炉外精錬炉から取り出された副生還元スラグを人工石材化する冷却設備(例えば排滓鍋等)を数多く備える必要がある。また、冷却設備を数多く備えるには、広い設置場所も必要となる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、還元スラグから人工石材を短時間で製造することができる人工石材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る人工石材の製造方法は、還元精錬にて副生する還元スラグを原料とする。
原料である還元スラグは事前の分析に基づいて選択される。「事前の分析」とは、本発明実施前に、予め同一の溶鋼製造過程において還元精錬により生じた副生還元スラグを固化させ、その酸化アルミニウム(Al23)、フォルステライト(正珪酸マグネシウム)(2MgO・SiO2)および珪酸ニカルシウム(2CaO・SiO2)の割合を求めることである。還元スラグの組成は、還元精錬時に添加する原料によっておおよそ決まるからである。
人工石材の製造は、還元スラグの重量に対して0.4%以上1.8%以下の石膏を還元精錬後の流動可能な還元スラグに加え、その後に還元スラグの温度を低下させて固化させることにより行われる。
この製造方法では、固化後に図3の三元状態図においてAl23:13.0%、2MgO・SiO2:22.0%、2CaO・SiO2:65.0%のポイントA、Al23:24.5%、2MgO・SiO2:11.5%、2CaO・SiO2:64.0%のポイント
B、Al23:39.0%、2MgO・SiO2:11.5%、2CaO・SiO2:49.5%のポイントC、Al23:39.5%、2MgO・SiO2:15.5%、2CaO・SiO2:45.0%のポイントD、Al23:21.0%、2MgO・SiO2:34.0%、2CaO・SiO2:45.0%のポイントE、Al23:12.8%、2MgO・SiO2:34.0%、2CaO・SiO2:53.2%のポイントFとするこれら6点のポイントを結んだ内部の三鉱物相を有する人工石材が得られ、人工石材化における冷却時間の短縮が実現される。
ここで「三鉱物」の各数値は、Al23、2MgO・SiO2および2CaO・SiO2それぞれの割合の合計が100となるよう配分したものである。
「石膏」には、廃石膏ボードを原料とする廃石膏、二水和物、1/2水和物、無水物等の硫酸カルシウムを主体とする化合物が含まれる。
好ましくは還元スラグに廃石膏が加えられる。
「廃石膏」として、廃石膏ボードを破砕し壁紙等の異物が除去された粉または粒状物が使用される。
また還元スラグの温度の低下は、強制冷却、自然放冷のいずれの手段でもよい。
本発明によると、還元スラグから人工石材を短時間で製造することができる人工石材の製造方法を提供することができる。
図1は還元スラグを収容して固化させる排滓鍋の概要を示す図である。 図2は廃石膏添加量と人工石材の機械的強度との関係を示す図である。 図3は廃石膏添加による冷却短時間化が可能な還元スラグの主要成分割合を示す三元状態図である。 図4は実施例5における人工石材の顕微鏡写真である。 図5は比較例4における人工石材の顕微鏡写真である。 図6は冷却途中で排滓鍋から取り出した還元スラグの図である。
図1は還元スラグを収容して固化させるための排滓鍋1の概要を示す図である。図1において(a)は正面図、(b)は平面図である。
図1を参照して、排滓鍋1は、円錐台の形状を有する鉄製の本体11と、本体11の内面を覆う耐火層12とからなる。耐火層12は耐火煉瓦で形成されている。排滓鍋1は、還元スラグから人工石材を製造するための装置である。排滓鍋1として耐火層12を有しないものも使用可能である。
初めに、還元スラグが副生物として得られる電気炉製鋼法について説明する。電気炉製鋼法は、使用目的に沿った、日本工業規格(JIS)に記載の一般的な鉄鋼製品が得られるように配合された鉄スクラップが用いられ、酸化精錬、還元精錬および連続鋳造で構成される。
酸化精錬では、鉄スクラップが電気炉にて熔解され、コークス等の存在下で酸素が供給されて不純物が取り除かれた溶鋼を得る。
還元精錬は、酸化精錬で得られた溶鋼が取鍋によって還元精錬炉に移されて行われる。還元精錬炉では、溶鋼に合金鉄、石灰等が加えられて使用目的に沿った成分に整えられ、例えばアーク放電により加熱されて温度調整される。還元精錬は、酸化精錬後の溶鋼を受けた取鍋内で行うのも一般的である。還元精錬が終了すると、製鋼カス(還元スラグ)が分離される。
還元スラグは、酸化カルシウム(CaO)、二酸化珪素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)および酸化マグネシウム(MgO)の他に、一般的には5〜10%の不純物成分、例えば酸化硼素(B23)、酸化クロム(III)(Cr23)、酸化ニッケ
ル(NiO)、酸化鉄(II)(FeO)、酸化マンガン(II)(MnO)、五酸化二隣(P25)および硫黄(S)等を含む。
連続鋳造では、還元精錬で使用目的に適合する成分に調整が行われた溶鋼が還元精錬炉
から取り出され、連続的に冷却されて鋳片が鋳造される。
さて、本件における人工石材の製造方法では、還元精錬は取鍋の中で行われる。酸化精錬で得られた溶鋼が収容された取鍋内に合金鉄、石灰を加えることにより成分が調整され、アーク加熱装置により還元精錬の温度が調整される。
還元精錬が終了した後、溶鋼および還元スラグを収容する取鍋内にアルゴンが吹き込まれて取鍋内が攪拌され、この中に廃石膏ボードが所定量投入される。
ここで使用された廃石膏ボードは、建物の内壁、天井等に使用された石膏ボードが建物の解体等により回収されて破砕され、破砕物から壁紙等の異物が除去された、粉状、粒状および片状を呈するものである。以下「廃石膏ボード」を「廃石膏」と称する。
投入された廃石膏が還元スラグに適度に混合された後、溶鋼が連続鋳造のために取鍋から徐々に取り出される。
人工石材は、溶鋼が取り出された後の取鍋内に残る副生物である還元スラグを、図1の排滓鍋1に移して固化させることにより得られる。
上記方法では、鋳造のための溶鋼の取り出し中に還元スラグの温度が低下して還元スラグの流動性が悪くなることから、溶鋼および還元スラグを収容する取鍋内に廃石膏を投入した。流動性を維持した還元スラグ単体に所定量の廃石膏を加え、その後放冷等して還元スラグを固化させても、人工石材を製造することができる。
表1は、前述した人工石材の製造方法において、廃石膏の投入量を種々変えて得た還元スラグ固化物を構成する各成分の割合、表2は表1における実施例、比較例についてスラグ固化物の状態観察結果、機械的強度の測定結果を示す。
表1における「廃石膏添加量」は還元スラグに対する重量%であり、「冷却時間」は排滓注入後の冷却時間である。また、還元スラグの各成分の割合は、いずれも廃石膏添加後の還元スラグ固化物におけるものである。
表1の各実施例および比較例4を除く各比較例は、還元スラグを収容する排滓鍋1が、特段の冷却手段および保温手段を用いることなくそのまま屋内に放置されたものである。冷却時間の長短は排滓鍋1内での放置時間の長さを意味する。排滓鍋1内での放置時間が短い(短時間冷却)場合、還元スラグの内部は固化途中であり、排滓鍋1から取り出したとき塊状に割れることがあった。
表1における「蛍光X線分析による重量%」及び「X線回折分析による重量%の評価」の分析に用いた試料および表2における機械的強度測定のための試料は、実施例、比較例
ともに、還元スラグを放冷した後に排滓鍋1を転倒させて得られた固化物または粉化物から採取し、これを所定の状態に調整して得た。
酸化アルミニウム(Al23)、フォルステライト(正珪酸マグネシウム)(2MgO・SiO2)および珪酸ニカルシウム(2CaO・SiO2)の各重量%は、これらの合計が100とした時のそれぞれの割合である。
表2における「モース硬度」は、硬度の異なる10種の標準鉱物のうちのいずれが測定対象物にひっかき傷をつけることができるかを調べたものである。例えばモース硬度が6.5とは、モース硬度6の標準鉱物である正長石ではひっかき傷ができず、モース硬度7の標準鉱物である石英でひっかき傷ができたことを示す。
表2の「圧縮強度」は、50mm×50mm×100mmの試料片を用いて「JIS A 5003(石材)」に準じて測定した。「曲げ強度」は、載荷時のスパンを200mmとして「JASS 9T 101(石材の曲げ試験)」に準じて測定した。
図2は表2における廃石膏添加量と人工石材の機械的強度との関係を示す図である。
図3は廃石膏添加による冷却短時間化が可能な還元スラグのAl23、2MgO・SiO2および2CaO・SiO2成分割合を示す三元状態図である。図3におけるAは実施例5、Bは実施例6、Cは実施例7、Dは実施例8、Eは実施例9およびFは実施例10のそれぞれ三成分割合を示す。
また表1は、図3においてA〜Fに囲まれた範囲の成分を有する還元スラグが、冷却時間が短くても強固な人工石材を形成することを示す。
表2から、冷却時間を短くし且つ強固な人工石材を得るには、還元精錬後の流動可能な還元スラグに対して廃石膏を0.4〜1.8重量%加えればよいことが解る。
また表1は、図3においてA〜Fに囲まれた範囲の成分を有する還元スラグが、冷却時間が短くても強固な人工石材を形成することを示す。
より詳細には、酸化カルシウム(CaO):51.3%、二酸化珪素(SiO2):27.4%、酸化マグネシウム(MgO):8.3%、酸化アルミニウム(Al23):13.0%から形成されるAl23:13.0%、2MgO・SiO2:22.0%、2CaO・SiO2:65.0%のポイントA、CaO:58.5%、SiO2:11.0%、MgO:6.0%、Al23:24.5%から形成されるAl23:24.5%、2MgO・SiO2:11.5%、2CaO・SiO2:64.0%のポイントB、CaO:44.0%、SiO2:11.0%、MgO:6.0%、Al23:39.0%から形成されるAl23:39.0%、2MgO・SiO2:11.5%、2CaO・SiO2:49.5%のポイントC、CaO:37.0%、SiO2:16.0%、MgO:7.5%、Al23:39.5%から形成されるAl23:39.5%、2MgO・SiO2:15.5%、2CaO・SiO2:45.0%のポイントD、CaO:30.3%、SiO2:29.4%、MgO:19.3%、Al23:21.0%から形成されるAl23:21.0%、2MgO・SiO2:34.0%、2CaO・SiO2:45.0%のポイントE、CaO:34.5%、SiO2:37.4%、MgO:15.3%、Al23:12.8%から形成されるAl23:12.8%、2MgO・SiO2:34.0%、2CaO・SiO2:53.2%のポイントFとするものであり、図3の三元状態図においてこれら6点のポイントの中の成分は石化するものと分析された。
表2および図2を参照して、廃石膏を0.4〜1.8重量%添加後に冷却し固化させた人工石材の機械的強度は、天然素材である花崗岩の機械的強度と大きな差は無い。また、表2は、人工石材の圧縮強度が高炉セメントの圧縮強度に比べてはるかに高いことを示している。
廃石膏添加による冷却時間の短縮かつ強固な石化は、A〜Fに囲まれた範囲の成分を有する還元スラグに顕著である。
表1におけるAl23、2MgO・SiO2および2CaO・SiO2の成分割合は、廃石膏を添加し排滓鍋1において放冷後に採取した還元スラグの固化物におけるものである。
還元スラグに対する表1に記載された範囲(0.4〜1.9重量%)での廃石膏(Ca
SO4・2H2O)の添加は、固化物におけるAl23、2MgO・SiO2および2CaO・SiO2の成分割合の変化に影響しない。
溶鋼製造における還元精錬作業では、溶鋼に種類ごとに石灰等の原料の添加量が例えば作業手順等に規定されており、これによって同じ溶鋼の製造では還元精錬後の還元スラグの組成は大きくない範囲内で一定化される。したがって、特定の溶鋼製造時に副生する還元スラグの固化物の組成を事前に求めておくことで、還元スラグにおける三成分(Al23、2MgO・SiO2および2CaO・SiO2)の割合が、図3においてA〜Fに囲まれた範囲内であるか否かが判断できる。
また、製造する溶鋼の品質に悪影響を与えない範囲で、還元精錬後の還元スラグの三成分の割合が所定の範囲に収まるよう、還元精錬時の原料添加量を調整することも可能である。
図4は実施例2における人工石材の顕微鏡写真、図5は比較例4における人工石材の顕微鏡写真である。人工石材は、いずれも研磨した後に観察した。
図4に示される実施例2および図5に示される比較例4のいずれも、針状の組織が全体に渡り観察される(それぞれの(a)を比較)。しかし、実施例2では針状の組織が比較例4に比べて数多く晶出しかつ緻密であることが明確にわかる。実施例2では、添加された廃石膏が接種のような働きをして晶出核が増加し、針状組織が無数にかつ緻密に形成されたことによる。
通常、鉄鋼等は組織が緻密になることによって強度や靱性が増すことが知られており、人工石材においても組織の緻密化によって強靱化することが容易に想定される。各実施例では、廃石膏の接種効果により針状の組織の核が多数発生することで、冷却速度が速い条件下でもこれらが緻密に成長して、強靱な人工石材を形成する。
図6は冷却途中で排滓鍋1から取り出した還元スラグの図である。
排滓鍋1に移し替えた還元スラグの冷却は、自然放冷で行われる。自然放冷では、排滓鍋1が置かれた環境の温度および排滓鍋1の容量により冷却時間(冷却速度)が左右される。表1の各実施例では冷却時間が8〜24時間であったが、それ以上の冷却時間およびそれ以下の冷却時間であっても、廃石膏を用いれば表1の実施例と同等の人工石材を得ることができる。
また、還元スラグを排滓鍋1に移してから8時間後、排滓鍋1を転倒させて還元スラグを取り出しても、表1の実施例と同等の人工石材を得ることができる。この場合、還元スラグは、外面が固化しても内部は固化途中で強度が低く衝撃等により塊状に割れるが(図6)、その後の自然放冷により強固な人工石材となる。
廃石膏に代えて硫酸カルシウム無水物(CaSO4)、硫酸カルシウムの水和物(CaSO4・2H2O(石膏))等を還元スラグに加えても、廃石膏を加えたときと同様に短い冷却時間で強固な人工石材を得ることができる。
なお、廃石膏の使用は、産業廃棄物として処分される廃石膏を有効に利用するものであり、安価な人工石材を提供することについて特段の意義がある。
上述の実施形態において、還元精錬を取鍋ではなく固定された還元精錬炉で行ってもよい。廃石膏が投入された後の還元スラグの温度低下は、自然放冷の他に強制冷却手段を用いてもよい。
その他、還元精錬を行う方法および還元精錬を行う装置の各構成等は、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、還元スラグから強固な人工石材を短時間で製造する場合に利用することができる。
1 排滓鍋(還元精錬装置)
本発明に係る人工石材の製造方法は、還元精錬にて副生する還元スラグを原料とする。
原料である還元スラグは事前の分析に基づいて選択される。「事前の分析」とは、本発明実施前に、予め同一の溶鋼製造過程において還元精錬により生じた副生還元スラグを固化させ、その酸化アルミニウム(Al)、フォルステライト(正珪酸マグネシウム)(2MgO・SiO)および珪酸カルシウム(2CaO・SiO)の割合を求めることである。還元スラグの組成は、還元精錬時に添加する原料によっておおよそ決まるからである。
人工石材の製造は、還元スラグの重量に対して0.4%以上1.8%以下の石膏を還元精錬後の流動可能な還元スラグに加え、その後に還元スラグの温度を低下させて固化させることにより行われる。
この製造方法では、固化後に図3の三元状態図においてAl:13.0%、2MgO・SiO:22.0%、2CaO・SiO:65.0%のポイントA、Al:24.5%、2MgO・SiO:11.5%、2CaO・SiO:64.0%のポイントB、Al:39.0%、2MgO・SiO:11.5%、2CaO・SiO:49.5%のポイントC、Al:39.5%、2MgO・SiO:15.5%、2CaO・SiO:45.0%のポイントD、Al:21.0%、2MgO・SiO:34.0%、2CaO・SiO:45.0%のポイントE、Al:12.8%、2MgO・SiO:34.0%、2CaO・SiO:53.2%の
ポイントFとするこれら6点のポイントを結んだ内部の三鉱物相を有する人工石材が得られ、人工石材化における冷却時間の短縮が実現される。

Claims (2)

  1. 還元精錬にて副生する還元スラグから人工石材を製造する方法であって、
    前記還元スラグの重量に対して0.4%以上1.8%以下の石膏を前記還元精錬後の流動可能な前記還元スラグに加え、
    その後に前記還元スラグの温度を低下させて固化させることにより、
    Al23、2MgO・SiO2および2CaO・SiO2の三成分についての三元状態図においてAl23:13.0%、2MgO・SiO2:22.0%、2CaO・SiO2:65.0%のポイントA、Al23:24.5%、2MgO・SiO2:11.5%、2CaO・SiO2:64.0%のポイントB、Al23:39.0%、2MgO・SiO2:11.5%、2CaO・SiO2:49.5%のポイントC、Al23:39.5%、2MgO・SiO2:15.5%、2CaO・SiO2:45.0%のポイントD、Al23:21.0%、2MgO・SiO2:34.0%、2CaO・SiO2:45.0%のポイントE、Al23:12.8%、2MgO・SiO2:34.0%、2CaO・SiO2:53.2%のポイントFとするこれら6点のポイントを結んだ内部の三鉱物相を有する人工石材を得る
    ことを特徴とする人工石材の製造方法。
  2. 前記石膏が廃石膏である
    請求項1に記載の人工石材の製造方法。
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